JP2019210482A - 水系粘着剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、粘着力に優れた水系粘着剤を提供する。また、この水系粘着剤を用いて、二次加工が容易であり、基材に対する保持力および曲面接着性に優れた粘着製品を提供する。【解決手段】本発明は、(A)ガラス転移温度が−65〜−40℃のポリマーを含む水性樹脂エマルション、および(B)ガラス転移温度が60〜120℃のポリマーを含み、重量平均分子量が300,000以上である水性樹脂エマルションを含有する水系粘着剤に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、紙やオレフィン基材に対して充分な粘着力を示す水系粘着剤に関するものである。詳しくは、商品ラベルや荷札ラベルに使用される水系の感圧接着(粘着)剤に関する。
ラベル、粘着テープ、粘着フィルム、粘着シート等の粘着製品は、通常、粘着剤と基材からなっている。粘着剤は、テープ、シート、及びラベル等の紙製品の作製や、ペットボトルや金属等の容器にラベルを貼るのに用いられる。
このように、粘着剤は、様々な粘着製品に使用されてきたが、地球環境問題や人体への安全性への関心の高まりから、有機溶剤を使用しない水系粘着剤が注目されている。水系粘着剤は、紙、オレフィン基材や金属等、様々な基材に対する粘着力に優れている必要がある。
基材への粘着力を向上させる手段の一つとして、水系粘着剤の一成分として、ガラス転移温度の低い水性樹脂を配合する方法がある。水性樹脂のガラス転移温度が低いと、水系粘着剤の粘着力は向上するが、粘着ラベル等の粘着製品の裁断や、スリット加工等、いわゆる二次加工が困難となる。粘着製品をカッター等で二次加工する際、粘着剤の粘着力が高すぎると、カッター等に粘着剤が付着してしまう。よって、基材への粘着力に優れ、かつ、粘着製品の加工に悪影響を及ぼさない水系粘着剤が望まれている。
特許文献1や特許文献2では、ガラス転移温度の低い水性樹脂を主成分とし、ガラス転移温度の高い水性樹脂を僅かに配合し、水系粘着剤を調製している。
特許文献1の水系粘着剤は、ガラス転移温度が90〜105℃の水性分散体(A)と、ガラス転移温度が−75〜−45℃の水分散体(B)とを含んでいる。成分(A)および成分(B)は、(A)/(B)=1/99〜5/85(固形分換算)で配合されている([請求項1])。
特許文献2の粘着剤は、ガラス転移温度が−40℃以下のアクリル系共重合体(A)85〜95重量部、ガラス転移温度が30℃以上のアクリル系共重合体(B)5〜15重量部を有している([請求項1])。
両文献の水系粘着剤は、ガラス転移温度の高い樹脂を含むので、粘着製品の加工性を向上させることになるが、その分、タック(粘着力)が低下してしまう。さらに、水系粘着剤には、粘着力だけではなく、ラベルやテープを紙基材や金属基材へ長期間保持する性能(保持力)も要求される。さらに、曲面や複雑な形状の基材にラベルやシートが貼り付けられることを考慮し、粘着剤には曲面接着性に優れることが要求される。
特開2006-016517号公報 特開2009-263494号公報
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、粘着力に優れ、粘着製品の二次加工を容易にし、粘着製品の基材に対する保持力や曲面接着性に優れた水系粘着剤を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、水系粘着剤を調製する際、ガラス転移温度の異なる複数種類の水性樹脂エマルションを混合し、一の水性樹脂エマルションの重量平均分子量が特定の値であると、水系粘着剤の粘着力、保持力、曲面接着性、二次加工性が向上することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明および本発明の好ましい態様は以下のとおりである。
1.(A)ガラス転移温度が−65〜−40℃のポリマーを含む水性樹脂エマルション、および
(B)ガラス転移温度が60〜120℃のポリマーを含み、重量平均分子量が300,000以上である水性樹脂エマルション、を含有する水系粘着剤。
2.(B)水性樹脂エマルションは、重量平均分子量が300,000〜1,200,000である、上記1に記載の水系粘着剤。
3.(B)水性樹脂エマルションは、重量平均分子量が300,000〜1,000,000である、上記1または2に記載の水系粘着剤。
4.(A)水性樹脂エマルション100重量部(固形分換算値)に対し、(B)水性樹脂エマルションが10〜30重量部(固形分換算値)配合されている、上記1〜3のいずれかに記載の水系粘着剤。
5.(B)水性樹脂エマルションが(メタ)アクリル酸および/または(メタ)アクリル酸誘導体を含むモノマーの重合体を含んでいる、上記1〜4のいずれかに記載の水系粘着剤。
6.(A)水性樹脂エマルションおよび(B)水性樹脂エマルションの総重量100重量部(固形分換算値)に対し、10重量部(固形分換算値)以下の粘着付与樹脂が配合されている上記1〜5のいずれかに記載の水系粘着剤。
7.粘着付与樹脂がロジンエステル系粘着付与樹脂を含む、上記6に記載の水系粘着剤。
8.上記1〜7のいずれかに記載の水系粘着剤を用いて得られる粘着製品。
9.水系粘着剤を製造するための原料となり、ガラス転移温度が60〜120℃のポリマーを含み、重量平均分子量が300,000以上である水性樹脂エマルション。
10.重量平均分子量が300,000〜1,200,000である、上記9に記載の水性樹脂エマルション。
11.重量平均分子量が300,000〜1,000,000である、上記9に記載の水性樹脂エマルション。
本発明の水系粘着剤は、粘着力に優れ、これを用いた粘着製品の二次加工を容易にし、粘着製品の基材に対する保持力および曲面接着性に優れたものとする。
また、本発明の水系粘着剤によって得られた粘着製品は、基材が曲面構造や複雑な形状であっても、ラベルやシートを基材に保持でき、カッター等で裁断された際も、カッターに粘着剤が付着することがない。
本発明に係る水系粘着剤は、(A)ガラス転移温度が−65〜−40℃のポリマーを含む水性樹脂エマルション(成分(A)と記載することもある)、および(B)ガラス転移温度が60〜120℃のポリマーを含み、重量平均分子量が300,000以上の水性樹脂エマルション(成分(B)と記載することもある)を含有している。
本明細書では、「水性樹脂エマルション」とは、分散質であるポリマー微粒子、および分散媒である水性媒体の双方を含む分散液とする。ポリマー微粒子が水性媒体に分散されることによって、エマルション(乳液、乳濁物)となる。
本明細書において「水性媒体」とは、水道水、蒸留水又はイオン交換水等の一般的な水のことをいうが、水溶性又は水に分散可能な有機溶剤であって、本発明に関するエマルションの原料(例えば、単量体等)と反応性の乏しい有機溶剤を含んでもよい。
本発明に用いる成分(A)および成分(B)は、さらに、水溶性又は水に分散可能な単量体、オリゴマー、プレポリマー及び/又は樹脂等を含んでもよく、また後述するように水系樹脂又は水溶性樹脂を製造する際に通常使用される、乳化剤、重合性乳化剤、重合反応開始剤、鎖延長剤及び/又は各種添加剤等を含んでもよい。
(A)水性樹脂エマルション
本発明において、(A)水性樹脂エマルションは、ガラス転移温度が−65〜−40℃のポリマーを含んでいる。成分(A)に含まれるポリマーのガラス転移温度は、−60〜−45℃が好ましく、−60〜−50℃が特に好ましい。(A)水性樹脂エマルションに含まれるポリマーのガラス転移温度が上記範囲にあることで、本発明の水系粘着剤は、粘着力に優れたものとなる。
本明細書では、(A)水性樹脂エマルションに含まれるポリマーのガラス転移温度は、ポリマーの原料となる単量体が単独重合したときに得られるホモポリマーのガラス転移温度(以下「ホモポリマーのTg」ともいう)から算出される。このホモポリマーのTgを考慮して、各単量体の混合比(重量部)を決める。具体的には、(A)水性樹脂エマルションに含まれるポリマーのTgは、式(1)を用いて計算することによって求めることができる。
1/Tg=C/Tg+C/Tg+・・・+C/Tg (1)
[算出式(1)において、Tgは、共重合体の理論Tg、Cは、n番目の単量体nが単量体混合物中に含まれる重量割合、Tgは、n番目の単量体nのホモポリマーのTg、nは、共重合体を構成する単量体の数であり、正の整数。]
単量体のホモポリマーのTgは、文献に記載されている値を用いることができる。そのような文献として、例えば、「POLYMER HANDBOOK」(第4版;John Wiley & Sons,Inc.発行)がある。一例として、POLYMER HANDBOOKに記載された単量体のホモポリマーTgを以下に示す。
メタクリル酸メチル(以下、「MMA」という、Tg=105℃)
アクリル酸n−ブチル(以下、「n−BA」という、Tg=−54℃)
アクリル酸2−エチルへキシル(以下、「2EHA」という、Tg=−70℃)
スチレン(以下、「St」という、Tg=100℃)
アクリル酸(以下、「AA」という、Tg=106℃)
メタクリル酸(以下、「MAA」という、Tg=130℃)
メタクリル酸n−ブチル(以下、「BMA」という、Tg=20℃)
本発明では、上記単量体だけではなく、他の単量体のホモポリマーのガラス転移温度についても式(1)に適用可能である。
また、本発明において、(A)水性樹脂エマルションの固形分濃度は、特に限定されないが、(A)成分中、5〜70重量%であることが好ましい。なお、エマルションの固形分とは、エマルションを105℃で3時間乾燥して得られる固形分のことをいう。
(A)水性樹脂エマルションとしては、例えば、アクリル樹脂系エマルション、酢酸ビニル樹脂系エマルション、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系エマルション、スチレン−ブタジエン共重合体系エマルション、エチレン−酢酸ビニル共重合体系エマルション、ポリエステル樹脂系エマルション、ウレタン樹脂系エマルション、ナイロン樹脂系エマルション及びポリオレフィン系エマルション等を例示できる。
本発明では、(A)水性樹脂エマルションは、分散質としてアクリル樹脂を含むアクリル樹脂系エマルションであることが好ましい。以下、(A)水性樹脂エマルションの一例として、アクリル樹脂系エマルションについて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、本明細書においては、アクリル酸とメタクリル酸を総称して「(メタ)アクリル酸」ともいい、アクリル酸誘導体とメタクリル酸誘導体を総称して「(メタ)アクリル酸誘導体」ともいう。
(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリル酸誘導体は、1以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物であり、2以上の(メタ)アクリロイル基を有していてもよい。
本発明において、(A)水系樹脂エマルションは、1以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物として、下記式(I)で表される(メタ)アクリル酸および/または(メタ)アクリル酸誘導体を含むモノマーの重合体を含むことが好ましい。
CH=C(R)-COOR (I)
(式(I)中、Rは水素原子又はメチル基、Rは水素原子又は水素原子以外の官能基である。)
上記式(I)でRが水素原子である場合、式(I)で表される化合物は(メタ)アクリル酸となり、Rが水素原子以外の官能基である場合、式(I)は(メタ)アクリル酸誘導体となる。
式(I)において、Rは、特に限定されないが、水素原子またはアルキル基であることが好ましい。後述する成分(B)を考慮すると、本発明は、(A)水系樹脂エマルションが(メタ)アクリル酸(すなわち、Rが水素原子)を含むモノマーの重合体を含むのがより好ましい。
式(I)において、Rがアルキル基の場合、アルキル基は、鎖状であっても環状であってもよく、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。鎖状アルキル基の場合、炭素数は1〜20が好ましく、1〜16がより好ましい。環状アルキル基の場合、炭素数は3〜8が好ましく、3〜6がより好ましい。
式(I)において、Rが鎖状アルキル基の場合、Rとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、セチル基等が挙げられる。Rが環状アルキル基の場合、Rとしては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
「(メタ)アクリル酸誘導体」としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、及び(メタ)アクリル酸セチル等が挙げられる。これらのうち、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチルがより好ましい。
さらに、本発明に用いることができる他の「(メタ)アクリル酸誘導体」として、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等のOH基を有する(メタ)アクリル酸エステル;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、及びアセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸とグリコールとから得られるジエステル及びモノエステル;(メタ)アクリル酸アミド、N−メチロールアクリルアミド、及びジアセトンアクリルアミド等の(メタ)アクリル酸アミド;メタクリル酸グリシジル、及び3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルを例示できる。これら(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸誘導体は、1種類を単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
更に、(A)水性樹脂エマルションの製造において、(メタ)アクリル酸および/または(メタ)アクリル酸誘導体に、他の共重合可能な単量体を単独で又は2種以上組み合わせて用いることもできる。この場合、(A)水性樹脂エマルションに含まれる重合体の製造に用いる単量体の全重量に対し、(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸誘導体(両方含む場合はその合計)の重量が、80重量%以上(100重量%を含む)であることが好ましい。
そのような「他の共重合可能な単量体」としては、例えば、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、及び無水マレイン酸等のエチレン性二重結合を有しカルボキシル基又は酸無水物を含有する単量体;塩化ビニル、及びアクリロニトリル等のエチレン性二重結合を有し塩素又はシアノ基を含む単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、t−ブチルビニルエステル、及びバーサチック酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル;スチレン等の芳香族ビニル単量体;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジプロポキシシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリプロポキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、及びγ-メタクリロキシプロピルトリス(イソプロポキシ)シラン等のエチレン性二重結合を有しケイ素を含有する単量体等を例示できる。
本発明において、「他の共重合可能な単量体」として、エチレン性二重結合を有しケイ素を含有する単量体が好ましく、特に、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランが好ましい。
なお、本発明において成分(A)に含まれるポリマーは、単量体が架橋した架橋ポリマーであってもよいし、非架橋ポリマーであってもよい。
本発明において、(A)水性樹脂エマルションに含まれるガラス転移温度が−65〜−40℃のポリマーの実施形態としては、アクリル酸、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチルおよびエチレン性二重結合を有しケイ素を含有する単量体からなる群から選ばれる1種以上を含む重合性単量体の重合体が好ましく、これらのうち2種以上を含む単量体の共重合体がより好ましく、これらをすべて含む重合性単量体の混合物の共重合体がさらに好ましい。
本発明において、(A)水系樹脂エマルションの製造方法として、例えば、通常のエマルション重合方法(室井宗一著、高分子ラテックスの化学、第51頁〜第54頁、高分子刊行会1970年発行参照)及び強制乳化方法(特公平6−102748号公報参照)等を例示できる。また、(A)水系樹脂エマルションとして市販のものを使用することもできる。
本発明に係る(A)水系樹脂エマルションは、例えば、上述の(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸誘導体、ならびに必要に応じて他の共重合可能な単量体を用いて、公知の乳化重合法により得ることができる。「乳化重合」とは、水性媒体中、乳化剤を用いて行うラジカル重合である。本発明に係る(A)エマルションは、乳化重合法の既知の手順に従い得ることができる。
乳化重合の手順として、例えば、(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸誘導体を乳化重合させる場合、
(i)(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸誘導体と乳化剤とを、水性媒体中に仕込んで重合させる方法、
(ii)(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸誘導体と乳化剤とを、連続的又は間欠的に水性媒体中に滴下して重合させる方法、
(iii)(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸誘導体と乳化剤とを、水に加えて乳化液を調製し、これを連続的又は間欠的に水性媒体中に滴下して重合させる方法
等を例示することができる。
「乳化剤」は、モノマー乳化力を有し、乳化重合の過程ではミセルを形成してモノマーに重合の場を提供し、重合中又は重合後はポリマー粒子の表面に固定化して粒子の分散安定性を図る。乳化剤として、例えば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、高分子界面活性剤、乳化剤の一分子内にラジカル重合可能な二重結合を有する「反応性界面活性剤」等を例示できる。
「アニオン系界面活性剤」として、例えば、
ナトリウムドデシルサルフェート、カリウムドデシルサルフェート等のアルカリ金属アルキルサルフェート;
ナトリウムドデシルポリグリコールエーテルサルフェート;
アンモニウムドデシルサルフェート等のアンモニウムアルキルサルフェート;
ナトリウムスルホシノエート;
スルホン化パラフィンのアルカリ金属塩、スルホン化パラフィンのアンモニウム塩等のアルキルスルホネート;
ナトリウムラウレート、トリエタールアミンオレエート、トリエタールアミンアビエテート等の脂肪酸塩;
ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、アルカリフェノールヒドロキシエチレンのアルカリ金属サルフェート等のアルキルアリールスルホネート;
高アルキルナフタレンスルホン酸塩;
ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;
ジアルキルスルホコハク酸塩;
ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩;
ポリオキシエチレンアルキルアリールサルフェート塩;
等を例示できる。
「ノニオン系界面活性剤」として、例えば、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル;
ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル;
ソルビタン脂肪酸エステル;
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;
グリセロールのモノラウレート等の脂肪酸モノグリセライド;
ポリオキシエチレンオキシプロピレン共重合体;
エチレンオキサイドと脂肪族アミン、アミド又は酸との縮合生成物;
等を例示できる。
「高分子界面活性剤」として、例えば、ポリビニルアルコール等を例示できる。
「反応性界面活性剤」として、例えば、ポリオキシエチレンアリルグリシジルノニルフェニルエーテルの硫酸エステル塩(アデカリアソープSEシリーズ(商品名)、旭電化工業社製)、α−スルホ−ω−(1−(アルコキシ)メチル−2−(2−プロペニルオキシ)エトキシ)−ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)のアンモニウム塩(アデカリアソープSRシリーズ(商品名)、旭電化工業社製)、ポリオキシエチレン(又はアルキレン)アルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸アンモニウム塩(PDシリーズ(商品名)、花王社製)、スルホコハク酸型反応性活性剤(ラテムル180シリーズ(商品名)、花王社製)、アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム塩(エレミノールJS−20(商品名)、三洋化成工業社製)、ポリオキシエチレンノニルプロペニルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(アクアロンHSシリーズ(商品名)、第一工業製薬社製)、ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(アクアロンKHシリーズ(商品名)、第一工業製薬社製)、ポリオキシエチレンアリルグリシジルノニルフェニルエーテル(アデカリアソープNEシリーズ(商品名)、旭電化工業社製)、ポリオキシエチレンノニルプロペニルエーテル(アクアロンRNシリーズ(商品名)、第一工業製薬社製)、α−ヒドロ−ω−(1−(アルコキシ)メチル−2−(プロペニルオキシ)エトキシ)−ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)(アデカリアソープERシリーズ(商品名)、旭電化工業社製)等を例示できる。
また、ラジカル重合によって得られるアクリル系樹脂の分子量を調整するために連鎖移動剤を用いる事ができる。「連鎖移動剤」として、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、チオグリコール酸オクチル、メルカプトプロピオン酸メチル、n−ドデシルメルカプタン等を例示できる。
本発明において、(A)水性樹脂エマルションの固形分濃度は、特に限定されないが、成分(A)中、5〜70重量%であることが好ましい。なお、エマルションの固形分とは、エマルションを105℃で3時間乾燥して得られる固形分のことをいう。
(B)水性樹脂エマルション
本発明において、(B)水性樹脂エマルション(成分(B))は、ガラス転移温度が60〜120℃のポリマーを含み、重量平均分子量が300,000以上の高分子である。
(B)水性樹脂エマルションに含まれるポリマーのガラス転移温度は、60〜120℃であり、好ましくは65〜120℃、特に好ましくは80〜120℃である。(B)水性樹脂エマルション中のポリマーのガラス転移温度が60℃以上であることにより、本発明の水系粘着剤は粘着製品に優れた加工性を付与することができる。ガラス転移温度の算出方法は、成分(A)のガラス転移温度と同様の方法である。
(B)水性樹脂エマルションの重量平均分子量(Mw)は300,000以上であり、300,000〜1,200,000が好ましく、300,000〜1,000,000が最も好ましい。成分(B)のMwが300,000以上であると、本発明の水系粘着剤は粘着製品の粘着力、保持力をより向上させることができる。なお、本発明において、水性樹脂エマルションの重量平均分子量(Mw)とは、水性樹脂エマルションの固形分の重量平均分子量のことをいう。
本明細書では、Mwは、重量平均分子量(Mw)とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)装置で測定され、単分散分子量ポリスチレンで換算された重量平均分子量をいう。
具体的には、GPC装置としてHLC−8220(東ソー株式会社製)を用い、GPCカラムとしてTSKgel SUPERMULTIPORE HZ-M×2(東ソー株式会社製)を用い、試料をテトラヒドロフラン(THF)に溶解して濃度0.5重量%の試料溶液を調整し、この試料溶液20μLを流速0.35ml/minでカラムに注入し、重量平均分子量(Mw)は測定される。カラム温度は40℃、検出器のUVは254nmとする。
成分(B)についても、成分(A)と同様、(メタ)アクリル酸および/または(メタ)アクリル酸誘導体を含むモノマーの重合体を含んでいるのが好ましい。成分(B)は、成分(A)と同様、「他の共重合可能な単量体」を含んでも良い。但し、成分(A)の原料となるモノマーおよび成分(B)の原料となるモノマーは、同一である必要はない。
本発明において、(B)水性樹脂エマルションに含まれるガラス転移温度が60〜120℃のポリマーの実施形態として、スチレン、メタクリル酸、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルおよびメタクリル酸メチルからなる群から選ばれる1種以上を含む重合性単量体の重合体であることが好ましく、これらのうち2種以上を含む重合性単量体の混合物の共重合体であることがより好ましく、これらすべての重合性単量体を含む混合物の共重合体がさらに好ましい。
(B)水性樹脂エマルションの製造方法については、(A)水性樹脂エマルションの製造方法と同様で良い。但し、(B)水性樹脂エマルションは、重合性単量体を重合してプレポリマーを調製し、このプレポリマーをさらに重合することで得られたものであっても差し支えない。
本発明の水系粘着剤においては、(A)水性樹脂エマルション100重量部(固形分換算値)に対し、(B)水性樹脂エマルションが、固形分換算値で、10重量部以上であることが好ましく、20重量部以上であることがより好ましく、また、40重量部以下であることが好ましく、30重量部以下であることがより好ましく、25重量部以下であることがさらに好ましい。
成分(A)および成分(B)の両成分の配合比が上記範囲にあることによって、本発明の水系粘着剤は、粘着力、保持力、曲面接着性のバランスがより優れたものとなり、より優れた二次加工(スリット加工)性を粘着製品に提供できる。
成分(A)と成分(B)との配合は、通常、エマルションを配合する方法であって、本発明に係る水系粘着剤を得ることができる方法であれば、特に制限されるものではない。
本発明の水系粘着剤の好ましい実施形態として、成分(A)が、アクリル酸、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチルおよびエチレン性二重結合を有しケイ素を含有する単量体からなる群から選ばれる一種以上を含む単量体を重合して得られるポリマーを含む水性樹脂エマルションであり、成分(B)が、スチレン、メタクリル酸、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルおよびメタクリル酸メチルからなる群から選ばれる一種以上を含む単量体を重合して得られるポリマーを含む水性樹脂エマルションであることが好ましい。
本発明の水系粘着剤のより好ましい実施形態として、
(A)アクリル酸、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチルおよびエチレン性二重結合を有しケイ素を含有する単量体を含む混合物を共重合して得られるポリマーを含む水性樹脂エマルション、ならびに
(B)スチレン、メタクリル酸、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルおよびメタクリル酸メチルを含む混合物を共重合して得られるポリマーを含む水性樹脂エマルション、を含有していることが好ましい。
上記水系粘着剤は、粘着力、保持力および曲面接着性の総合的バランスに優れ、粘着製品の加工性を向上させる。
本発明の水系粘着剤は、更に、粘着付与樹脂を含んでいるのが好ましい。「粘着付与樹脂」として、例えば、ロジン系樹脂、テルペン樹脂、テルペン・フェノール系樹脂、クマロン・インデン樹脂、石油系炭化水素樹脂等を例示できる。ロジン系樹脂としては、ロジンエステル類、ロジンフェノール類が例示できる。
粘着付与樹脂は市販されているものでも良く、例えば、スーパーエステルE−730−55、スーパーエステルE−720、スーパーエステル786−60、スーパーエステルE−650、スーパーエステルE−865、タマノルE−200、タマノルE−100、AM−1002(荒川化学社製);ハリエスターDS−70E、ハリエスターSK−70D、ハリエスターSK−90D−55、ハリエスターSK−508H、ハリエスターSK−816E、ハリエスター822E等が例示できる。いずれの名称も、商品名で示した。
また、近年、環境意識の高まりから、トルエン・キシレンフリー型の粘着付与樹脂、無溶剤型の粘着付与樹脂を使用する事が好ましい。このような粘着付与樹脂として、例えば、スーパーエステルE−865NT、スーパーエステルE−625NT、スーパーエステルNS−100H、スーパーエステルNS−121、タマノルE−200NT(荒川化学社製);ハリエスターSK−218NS、ハリエスターSK−323NS、ハリエスターSK−370N、ハリエスターSK−501NS、ハリエスターSK−385NS等を例示できる。いずれの名称も、商品名で示した。
本発明では、粘着付与樹脂は、成分(A)と成分(B)との総重量100重量部(固形分換算値)に対して10重量部(固形分換算値)以下配合されているのが好ましく、8重量部以下がさらに好ましく、4〜7重量部配合されるのが最も好ましい。粘着付与樹脂の添加量が低くなることによって、本発明の水系粘着剤は、オレフィン基材等に対する粘着力が低下せず、保持力も維持でき、これを用いた粘着製品の加工性がより向上する。
本発明の水系粘着剤は、さらなる添加剤として、可塑剤、消泡剤、増粘剤、ワックス、防腐剤、及び着色剤、充填剤等を、必要に応じて適宜含むことができる。これらの添加剤は、成分(A)と成分(B)とを混ぜた後に混合されても良いし、予め成分(A)または成分(B)のいずれかに混合されていても良い。
「可塑剤」として、例えば、グリセリン;エチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール類;アジピン酸系、安息香酸系、アセチルクエン酸系、アルキルスルホン酸系、フタル酸系等のポリエステル類;ショ糖、ソルビトール等の糖類;セロソルブ類等の有機溶剤類等を例示できる。
「消泡剤」として、例えば、
ジメチルポリシロキサン、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、有機変性ポリシロキサン、フッ素シリコーン等のシリコーン系消泡剤;
ヒマシ油、ゴマ油、アマニ油、動植物油等の油脂系消泡剤;
ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸等の脂肪酸系消泡剤;
イソアミルステアリン酸、ジグリコールラウリン酸、ジステアリルコハク酸、ジステアリン酸、ソルビタンモノラウリン酸、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン、モノラウリン酸ブチルステアレート、ショ糖脂肪酸エステル、スルホン化リチノール酸のエチル酢酸アルキルエステル、天然ワックス等の脂肪酸エステル系消泡剤;
ポリオキシアルキレングリコールとその誘導体、ポリオキシアルキレンアルコール水和物、ジアミルフェノキシエタノール、3−ヘプタノール、2−エチルヘキサノール等のアルコール系消泡剤;
3−ヘプチルセルソルブ、ノニルセルソルブ−3−ヘプチルカルビトール等のエーテル系消泡剤;
トリブチルホスフェート、オクチルリン酸ナトリウム、トリス(ブトキシエチル)ホスフェート等のリン酸エステル系消泡剤;
ジアミルアミン等のアミン系消泡剤;
ポリアルキレンアマイド、アシレイトポリアミン、ジオクタデカノイルピペリジン等のアマイド系消泡剤;
ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸カリウム、ウールオレインのカルシウム塩等の金属石鹸系消泡剤;
ラウリルスルホン酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸エステル系消泡剤;
疎水性シリカ系消泡剤;鉱油系消泡剤等を例示することができる。
「増粘剤」として、例えば、
ゼラチン、カゼイン、アルギン酸、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸トリエタノールアミン、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸ナトリウム、グアーガム、ジェランガム、キサンタンガム、ウェランガム、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドキシプロピルメチルセルロース等の天然高分子系増粘剤;
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルベンジルエーテル共重合物等のポリビニル系増粘剤;
ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリメタクリル酸ナトリウム、メタクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、変性ポリアクリル酸スルホン酸塩、変性ポリメタクリル酸スルホン酸塩、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のポリ(メタ)アクリル酸系増粘剤;
プルロニックポリエーテル、ポリエーテルジアルキルエステル、ポリエーテルウレタン変性物、ポリエーテルジアルキルエーテル、ポリエーテルエポキシ変性物等のポリエーテル系増粘剤;
ポリイタコン酸、イタコン酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、イタコン酸−マレイン酸共重合体、イタコン酸−アクリル酸共重合体、イタコン酸−メタクリル酸共重合体等のイタコン酸系増粘剤;
無水マレイン酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、無水マレイン酸−アクリロニトリル共重合体、無水マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、ビニルメチルエーテル−無水マレイン酸共重合物の部分エステル等の無水マレイン酸系増粘剤;
高級脂肪酸アマイド系増粘剤等を例示することができる。
充填剤とは、性能向上、コスト低減等の目的で添加される物質をいい、通常充填剤とされるものであれば、特に制限されるものではない。具体的には、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、タルク、クレー、アルミナ等を例示できる。
本発明の水系粘着剤を製造する際、成分(A)および成分(B)を混合し、必要に応じて、上記添加剤を混合することが好ましい。「混合」は、通常、樹脂組成物を混合するために使用されている方法であって、本発明に係る水系粘着剤を得ることができる方法であれば、特に制限されるものではない。
上述のようにして得られた本発明に係る水系粘着剤は、粘度(30℃、固形分濃度55重量%)がB型回転式粘度計の測定で2000〜5000mPa・sであることが好ましく、2000〜4500mPa・sであることがより好ましく、2000〜4000mPa・sであることが特に好ましい。本発明の水系粘着剤は、粘度が上記範囲にあることによって、粘着製品を製造する際、塗工し易いものとなる。
本発明の水系粘着剤は、(A)水性樹脂エマルションおよび(B)水性樹脂エマルションの両成分を有し、場合によっては上記添加剤を含むことで、粘着力、保持力、曲面接着性に優れ、粘着製品の二次加工性を向上させることが可能となる。
本発明に係る粘着製品は、上述の水系粘着剤を有する製品であり、上述の水系粘着剤を介して被着体が基材に貼り付けられたものであってもよいし、被着体上または基材上に水系粘着剤を有した状態で、基材または被着体に張り付けられる前の製品であってもよい。本発明に係る粘着製品は、上述の水系粘着剤を介し、被着体が基材に貼り付けられたものであってもよい。水系粘着剤の塗工は、基材であっても、被着体であっても差し支えない。被着体の材質としては、紙やプラスチックが挙げられる。被着体の形状としては、シート、フィルム、ラベル等がある。基材としては、紙、プラスチック、金属、ガラス、不織布等が用いられる。
本発明の粘着製品は、いわゆる、粘着テープ、粘着シート、粘着フィルム、粘着ラベルと称されるものである。具体的には、半導体ウエハー用バックグラインドテープ、ダイシングテープ、電子部品搬送用保護テープ、プリント基板用保護テープ等のエレクトロニクス分野、窓ガラス保護用フィルム、焼付塗装用フィルム、自動車をユーザーにわたるまで保護するためのガードフィルム、表示用マーキングフィルム、装飾用マーキングフィルム、緩衝・保護・断熱・防音用のスポンジテープ等の自動車分野、絆創膏や経皮吸収貼付薬等の医療・衛生材料分野、電気絶縁用、識別用、ダクト工事用、窓ガラス保護用、養生用、包装用、梱包用、事務用、家庭用、固定用、結束用、補修用の粘着フィルムや保護フィルム等を挙げることができる。
粘着製品の製造方法としては、特に限定するものではない。粘着製品の基材または被着体に水系粘着剤を通常の方法で塗工し、両者を貼り合せれば良い。
具体的には、本発明の水系粘着剤を、コンマコーター、リバースコーター、スロットダイコーター、リップコーター、グラビアチャンバーコーター、カーテンコーター等の各種コーティング装置により、紙またはプラスチックフィルム基材、もしくは剥離性シート上に塗布し、乾燥することによって、粘着シート、粘着ラベル等の各種粘着製品を得ることができる。
水系粘着剤の塗工量は、固形分として5〜100g/mであるのが好ましく、5〜50g/mであるのがより好ましく、10〜20g/mであるのが特に好ましい。ここで、水系粘着剤の固形分とは、水系粘着剤を105℃で3時間乾燥して得られる固形分をいう。
なお、本発明は、以下の実施態様も好ましい。
(付記1)ガラス転移温度が−65〜−40℃であり、アクリル酸、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸メチルおよびメタクリル酸メチルからなる群から選ばれる1種以上を含む重合性単量体が重合した第一の樹脂と、
ガラス転移温度が60〜120℃であり、スチレン、メタクリル酸、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルおよびメタクリル酸メチルからなる群から選ばれる1種以上を含む重合性単量体が重合した第二の樹脂と
を含む水系粘着剤。
(付記2)さらに、前記第一の樹脂と前記第二の樹脂の総重量に対し、10重量部以下の粘着付与樹脂を含む上記付記1に記載の水系粘着剤。
なお、粘着付与樹脂は、前記第一の樹脂と第二の樹脂の総重量に対し、10重量部以下で含まれることが好ましく、0重量部より大きく、10重量部以下で含まれることがより好ましい。
(付記3)前記第一の樹脂および前記第二の樹脂の少なくとも一方が、エチレン性二重結合を有しケイ素を含有する単量体に基づく構造単位を有する上記付記1または2に記載の水系粘着剤。
(付記4)前記第二の樹脂の重量平均分子量が300,000以上である上記付記1〜3のいずれかに記載の水系粘着剤。
(付記5)水系粘着剤を製造するための原料となり、ガラス転移温度が60〜120℃のポリマーを含み、重量平均分子量が300,000以上である水性樹脂エマルション。
(付記6)重量平均分子量が300,000〜1,200,000である、上記付記5に記載の水性樹脂エマルション。
(付記7)重量平均分子量が300,000〜1,000,000である、上記付記5に記載の水性樹脂エマルション。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、これらの実施例は本発明の一態様にすぎず、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
本発明に係る水系粘着剤を(A)水性樹脂エマルション(成分(A))および(B)水性樹脂エマルション(成分(B))から調製した。成分(A)および(B)の原料となる重合性単量体や、各添加剤について以下に記載する。なお、表1〜表4中、各配合成分の量を示す数値は、いずれも、固形分で換算された重量部数である。
成分(A)および成分(B)の原料となる重合性単量体を以下に示す。尚、重合性単量体のホモポリマーのTgは、既出の理論計算式で算出された値である。
<重合性単量体>
スチレン(以下、「St」という)(和光純薬社製、Tg=100℃)
メタクリル酸メチル(以下、「MMA」という)(和光純薬社製、Tg=105℃)
アクリロニトリル(以下、「AN」という)(和光純薬社製、Tg=105℃)
メタクリル酸n−ブチル(以下、「n−BMA」という)(和光純薬社製、Tg=20℃)
アクリル酸メチル(以下、「MA」という)(和光純薬社製、Tg=8℃)
イソボニルメタクリレート(以下、「IBX」という)(共栄社化学製、Tg=180℃
アクリル酸(以下、「AA」という)(和光純薬社製、Tg=106℃)
メタクリル酸(以下、「MAA」という)(和光純薬社製、Tg=130℃)
アクリル酸n−ブチル(以下、「n−BA」という)(和光純薬社製、Tg=−54℃)
アクリル酸2−エチルヘキシル(以下、「2EHA」という)(和光純薬社製、Tg=−70℃)
SZ−6030(3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)
<(A)水性樹脂エマルションの製造例>
(A1)水性樹脂エマルションの合成
表1に示されるように、2EHA86重量部、MA12.7重量部、AA1.3重量部を均一に混合し、モノマー溶液を調製した。18.8重量部の水および1.0重量部の第一工業製薬製のアクアロンKH10(商品名)が均一に混合された溶液に対し、モノマー溶液を添加し、攪拌機を用いてこれら混合溶液を攪拌し、プレエマルションを調製した。
攪拌機、コンデンサー及び温度計を備えた反応器に、42重量部の水及び0.14重量部のアクアロンKH10を仕込み、系内を窒素ガスで置換した後、仕込み液を80℃に加熱した。その後、仕込み液に、3重量%の過硫酸アンモニウム(以下「APS」ともいう)水溶液2重量部を添加した。
さらに10分後、反応器内の温度を80℃に保ったまま、上述のプレエマルション及び重合触媒であるAPSの3%水溶液8重量部を各々同時に3時間かけて滴下した。反応器内の温度を80℃に保ち、滴下終了から1時間後、APSの3%水溶液2.4重量部を反応器へ添加し、更に2時間攪拌を続け(A1)水性樹脂エマルションを得た。得られた水性樹脂エマルジョン(A1)はアンモニア水によりpH8.0に調整した。
(A1)水性樹脂エマルションは、ガラス転移温度が−61℃、固形分濃度が58重量%であった。固形分は、105℃のオーブン中で3時間乾燥し残留する部分の、乾燥前の重量に対する重量百分率である。
(A2)〜(A’5)の合成
(A2)〜(A’5)水系樹脂エマルションの合成についても、原料の単量体を表1に示したように用いた以外は(A1)と同様の方法で合成した。(A2)〜(A’5)を合成する際の重合性単量体の組成を表1に示す。
Figure 2019210482
<(B)水性樹脂エマルションの製造例>
(B1)水性樹脂エマルションの合成
表2に示されるように、St95.0重量部、MMA4.5重量部、AA0.5重量部を均一に混合し、モノマー溶液を調製した。
18.8重量部の水と6.0重量部の花王製のラテムルE-150(商品名)、0.7重量部の花王製のペレックスOT−P(商品名)が均一に混合された溶液に対し、モノマー溶液を添加し、攪拌機を用いてこれら混合溶液を攪拌し、プレエマルションを調製した。
攪拌機、コンデンサー及び温度計を備えた反応器に、65.0重量部の水及び0.6重量部のラテムルE-150を仕込み、系内を窒素ガスで置換した後、仕込み液を75℃に加熱した。
仕込み液に対し、上記プレエマルション3.8重量部を添加し、10分後、2.0重量%の過硫酸アンモニウム(以下「APS」ともいう)水溶液1.6重量部を添加した。
さらに20分後、反応器内の温度を75℃に保ったまま、残りのプレエマルション及び重合触媒であるAPSの2.0%水溶液6.6重量部を各々同時に3時間かけて滴下した。反応器内の温度を75℃に保ち、滴下終了から1時間後、APSの3%水溶液2.2重量部を反応器へ添加し、更に2時間攪拌を続け(B1)水性樹脂エマルションを得た。得られた水性樹脂エマルジョン(B1)はアンモニア水によりpH8.0に調整した。
(B1)水性樹脂エマルションは、ガラス転移温度が100℃、固形分濃度が50重量%、重量平均分子量Mw551000であった。固形分は、105℃のオーブン中で3時間乾燥し残留する部分の、乾燥前の重量に対する重量百分率である。
重量平均分子量は、上記で得られた水性樹脂エマルションの固形分を以下の装置を用いて、ポリスチレン換算によって算出した。
装置:東ソー株式会社製 HLC−8220GPC、カラム:東ソー株式会社製TSKgel SUPERMULTIPORE HZ-M×2、流量:0.35ml/min、注入量:20μL、カラム温度:40℃、溶離液:THF、注入試料濃度:0.5質量%、検出器:UV254nm
(B2)水性樹脂エマルションの合成
表2に示されるように、St99.5重量部、AA0.5重量部を均一に混合し、モノマー溶液を調製した。
18.8重量部の水と6.0重量部の花王製のラテムルE-150(商品名)、0.7重量部の花王製のペレックスOT−P(商品名)が均一に混合された溶液に対し、モノマー溶液を添加し、攪拌機を用いてこれら混合溶液を攪拌し、プレエマルションを調製した。
攪拌機、コンデンサー及び温度計を備えた反応器に、52.0重量部の水及び0.6重量部のラテムルE-150を仕込み、系内を窒素ガスで置換した後、仕込み液を70℃に加熱した。
仕込み液に対し、上記プレエマルション3.8重量部を添加し、10分後、1.0重量%の過硫酸アンモニウム(以下「APS」ともいう)水溶液2.4重量部と0.8重量部の二亜硫酸ナトリウム水溶液2.4重量部を添加した。
さらに20分後、反応器内の温度を70℃に保ったまま、残りのプレエマルジョン及び重合触媒であるAPSの1.0%水溶液5.7重量部と0.8重量%の二亜硫酸ナトリウム水溶液5.6重量部を各々同時に3時間かけて滴下した。反応器内の温度を70℃に保ち、滴下終了から1時間後、APSの3.2重量%水溶液3.1重量部と二亜硫酸ナトリウムの2.6重量%水溶液3.1重量部を反応器へ添加し、更に3時間攪拌を続け(B2)水性樹脂エマルションを得た。得られた水性樹脂エマルジョン(B2)はアンモニア水によりpH8.0に調整した。
(B2)水性樹脂エマルションは、ガラス転移温度が100℃、固形分濃度が50重量%、重量平均分子量Mw864000であった。
(B3)水性樹脂エマルションの合成
表2に示されるように、MMA88.5重量部、2EHA8.5重量部、MAA3.0重量部を均一に混合しモノマー溶液を調製した。30.6重量部の水と1.9重量部の第一工業製薬製のアクアロンKH10(商品名)が均一に混合された溶液に対し、モノマー溶液を添加し、攪拌機を用いてこれら混合溶液を攪拌しプレエマルションを調製した。攪拌機、コンデンサー及び温度計を備えた反応器に、60.0重量部の水及び0.2重量部のアクアロンKH10を仕込み、系内を窒素ガスで置換した後、仕込み液を80℃に加熱した。その後、仕込み液に、プレエマルションから6.6重量部を添加し、10分後、1.2重量%の過硫酸ナトリウム(以下「SPS」ともいう)水溶液2.4重量部を添加した。さらに20分後、残りのプレエマルションと重合触媒であるSPSの1.2%水溶液の5.7重量部を各々同時に3時間かけて滴下した。反応器内の温度を80℃に保ち、滴下終了から1時間後、SPSの3%水溶液2.2重量部を反応器へ添加し、更に2時間攪拌を続け(B3)水性樹脂エマルションを得た。得られた水性樹脂エマルジョン(B3)はアンモニア水によりpH8.0に調整した。
(B3)水性樹脂エマルションは、ガラス転移温度が80℃、固形分濃度が50重量%、重量平均分子量Mw324000であった。
(B4)〜(B’6)の合成
(B4)〜(B’6)水系樹脂エマルションの合成についても、原料の単量体を表2に示したように用いた以外は(B2)と同様の方法で合成した。
(B’7)〜(B’8)の合成
(B’7)〜(B’8)水系樹脂エマルションの合成についてはモノマー溶液にn-ドデシルメルカプタン(以下「NDM」ともいう)を添加した以外は(B2)と同様の方法で合成した。
Figure 2019210482
<水系粘着剤の調製>
実施例1〜8および比較例1〜9の水系粘着剤の調製
(A)水性樹脂エマルション100重量部(固形分換算)に対し、表3および表4に示されるように、(B)水性樹脂エマルション、粘着付与剤(荒川化学工業社製、スーパーエステルE730-55(商品名))を配合し、水系粘着剤を調製した。
<評価用サンプルの作製>
水系粘着剤を乾燥後の塗工量が20g/mになるように、テーブルコーターで剥離紙上に塗工した。乾燥機で3分間、105℃の雰囲気下で乾燥させた後、上質紙を剥離紙へ貼り合せ、ラベルタイプの評価用サンプルを作製した。この評価用サンプルを用い、粘着力、保持力、曲面接着性、スリット性を評価した。評価方法や評価基準を以下に示す。
<粘着力>
予め表面を研磨したステンレス鋼板(30mm×100mm×15mm)、イソプロピルアルコールで表面脱脂したポリプロピレン板(30mm×100mm×15mm)を23℃、5℃の条件下でそれぞれ1時間以上静置し、これらに上述の評価用サンプルを貼り付け、水系粘着剤の粘着力を評価した。
評価用サンプルを幅25mmの短冊状に切断し、剥離紙を剥がしてから、ステンレス鋼板およびポリプロピレン板に貼り付けた。貼り付けてから30分後、低速歪み式万能試験機(JTトーシ社製)にて、剥離速度300mm/分で180°方向に剥離し、剥離した際の強度を測定した。評価基準を以下に示す。
◎:剥離強度が15N/25mm以上、評価用サンプルの紙基材が破壊した。
○:剥離強度が15N/25mm以上、板と水系粘着剤との界面で剥離した。
△:剥離強度が15N/25mm未満、板と水系粘着剤との界面で剥離した。
×:ジッピング、水系粘着剤層が板への転写、水系粘着剤層の部分的凝集破壊が生じた。
<保持力>
予め表面を研磨したステンレス鋼板に評価用サンプルを貼付け、貼り付け面積25mm×25mmに対して2kg重の圧が掛かるようにロールで圧着し、この圧着物を温度60℃、50RH%の条件下で1時間静置した。接着面と下に垂直方向に1kgのおもりを下げ、1kgの荷重をかけて60℃の条件下で放置し、このおもりが落下するまでの時間(分)を測定することで、水系粘着剤の保持力を評価した。評価基準を以下に示す。
◎:1440分経過後、おもりの落下なし、貼り合せ位置からのズレなし
○:1440分経過後、おもりの落下なし、貼り合せ位置からズレあり
△:720分以上、1440分未満でおもりの落下あり
×:720分未満でおもりの落下あり
<曲面接着性>
23℃の条件下で、直径8mm、長さ150mmのポリプロピレン製丸棒および評価用サンプルを静置し、評価用サンプルを幅20mm、長さ15mmに切断した。評価用サンプルから剥離紙をはがし、ポリプロピレン製丸棒に貼り付けた。剥離紙を指で強く押して丸棒へ圧着し、23℃で24時間静置した。この圧着物の両端に方眼紙を挟み込み、浮き、剥がれの長さを計測した。3サンプルで計測し、算出値の平均値で曲面接着性を評価した。
◎:剥がれが0.5mm未満
○:剥がれが0.5mm以上、1.0mm未満
△:剥がれが1.0mm以上、2.0mm未満
×:剥がれが2.0mm以上
<スリット性>
23℃の条件下に評価用サンプルおよび市販のハンドスリッターを1時間以上静置した。予め、スリット刃の重量を測定し、このスリット刃で評価用サンプルを長さ300mmに裁断した後、スリット刃の重量を再測定し、切断前後の重量変化を水系粘着剤の付着量とした。
◎:水系粘着剤の付着量が0.5mg未満
○:水系粘着剤の付着量が0.5mg以上、1.0mg未満
△:水系粘着剤の付着量が1.0mg以上、2.0mg未満
×:水系粘着剤の付着量が2.0mg以上
Figure 2019210482
Figure 2019210482
表3に示されるように、実施例の水系粘着剤は、成分(A)および成分(B)の双方を含んでいるので、粘着力、保持力、曲面接着性およびスリット性に優れ、総合的なバランスに優れている。特に、実施例3〜6の水系粘着剤は、成分(A2)を有することで、上述の性能が著しく向上している。
比較例の水系粘着剤は、表4に示されるように、成分(A)および成分(B)のうちいずれかを含まないため、粘着力、保持力、曲面接着性、スリット性のうちいずれかに×がついている。
本発明は、水系粘着剤を提供できる。本発明に係る水系粘着剤が紙やプラスチック、金属等に塗工され、粘着テープ、粘着シート、粘着ラベルと称される粘着製品が得られる。
<水系粘着剤の調製>
実施例1〜8および比較例1〜9の水系粘着剤の調製
(A)水性樹脂エマルション100重量部(固形分換算)に対し、表3および表4に示されるように、(B)水性樹脂エマルション、粘着付与剤(荒川化学工業社製、スーパーエステルE730-55(商品名))を配合し、水系粘着剤を調製した。なお、本明細書中、「実施例7」および「実施例8」を、それぞれ、「参考例7」および「参考例8」と読み替えるものとする。

Claims (4)

  1. (A)ガラス転移温度が−65〜−40℃のポリマーを含む水性樹脂エマルション、および
    (B)ガラス転移温度が60〜120℃のポリマーを含み、重量平均分子量が300,000以上である水性樹脂エマルション、を含有する水系粘着剤。
  2. (B)水性樹脂エマルションは、重量平均分子量が300,000〜1,200,000である、請求項1に記載の水系粘着剤。
  3. 請求項1または2に記載の水系粘着剤を用いて得られる粘着製品。
  4. 水系粘着剤を製造するための原料となり、
    ガラス転移温度が60〜120℃のポリマーを含み、重量平均分子量が300,000以上である水性樹脂エマルション。
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