JP2007217612A - 紙製封筒用又は紙製箸袋用水性熱圧着組成物 - Google Patents

紙製封筒用又は紙製箸袋用水性熱圧着組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2007217612A
JP2007217612A JP2006041556A JP2006041556A JP2007217612A JP 2007217612 A JP2007217612 A JP 2007217612A JP 2006041556 A JP2006041556 A JP 2006041556A JP 2006041556 A JP2006041556 A JP 2006041556A JP 2007217612 A JP2007217612 A JP 2007217612A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aqueous
thermocompression bonding
paper
mass
solid content
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006041556A
Other languages
English (en)
Inventor
Keishiro Hishinuma
圭之郎 菱沼
Akira Fukazawa
明 深澤
Sukehiro Naga
亮洋 那賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sakata Inx Corp
Original Assignee
Sakata Inx Corp
Sakata Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sakata Inx Corp, Sakata Corp filed Critical Sakata Inx Corp
Priority to JP2006041556A priority Critical patent/JP2007217612A/ja
Publication of JP2007217612A publication Critical patent/JP2007217612A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

【課題】
糊付け部分からのはみ出しがなく、紙シートのカールの発生による外観が悪くなる問題等が生じない紙製封筒又は紙製箸袋を得るための水性熱圧着組成物を提供すること。
【解決手段】
下記の(A)及び(B)を含有し、粘度(ザーンカップR#4/25℃で測定した粘度)が10〜60秒であることを特徴とする紙製封筒用又は紙製箸袋用水性熱圧着組成物を提供する。
(A)ガラス転移温度が−40〜0℃の水性アクリル系エマルジョン(A−1)及び/又はガラス転移温度が−40〜0℃の水性エチレン−酢酸ビニル系エマルジョン(A−2)
水性熱圧着組成物100質量%中に(A−1)+(A−2)の合計固形分として20〜50質量%;
(B)平均粒子径が2〜10μmのポリエチレンワックス(B−1)及び/又はシリカ(B−2)
水性熱圧着組成物100質量%中に(B−1)+(B−2)の全固形分として1〜10質量%。
【選択図】 なし

Description

本発明は、紙製封筒又は紙製箸袋を得るための水性熱圧着組成物に関する。
紙製封筒や紙製箸袋等は、シートにインキで印刷後、裁断後、糊付け部分に水性糊を塗布し、糊付け部分を折り曲げることにより得ている。しかし、この方法では、生産性が悪く、また得られた紙製封筒や紙製箸袋、糊付け部分を折り曲げて接着させるため、段差が生じたり、糊付け部分の水性糊がはみ出し、用紙が汚れたりする問題を有している。
また上記の問題点を解決するために、グラビア印刷が施された合成樹脂フィルムシートと紙シートとを重ね合わせ、両シートの側縁部と底縁部の三方の端縁部を紙シートに塗布した水性接着剤を介して接着させフィルム封筒を得る方法が提案されている(例えば、特許文献1の従来技術の欄参照)。しかし、この方法では、水性接着剤を塗布した接着部分の幅が広がる問題、紙シートが水性接着剤によってカールを生じ外観が悪くなる問題を有していた。
そのような問題を解消するための方法として、グラビア印刷が施された合成樹脂フィルムシートの所定の位置に感熱性接着剤を塗布し、紙シートを重ね合わせ、感熱接着剤を塗布した所定の位置を熱圧着し、その後所定の位置で裁断し、三方の側縁部が熱圧着されたフィルムシートを1度に複数枚得る方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この方法は、紙製封筒、紙製箸袋には、カールが生じる問題等が生じるため適用することはできなかった。
特開平7−251847号公報
本発明の課題は、糊付け部分からのはみ出しがなく、紙シートのカールの発生による外観が悪くなる問題等が生じない紙製封筒又は紙製箸袋を得るための水性熱圧着組成物に関する。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、紙製封筒又は紙製箸袋を得るための水性熱圧着組成物として、特定量の、ガラス転移温度が−40〜0℃の水性アクリル系エマルジョン及び/又はガラス転移温度が−40〜0℃の水性エチレン−酢酸ビニル系エマルジョンと、特定量の、平均粒子径が2〜10μmのポリエチレンワックス及び/又はシリカとを含有し、粘度(ザーンカップR#4/25℃で測定した粘度)が10〜60秒である水性熱圧着組成物を使用することにより、上記課題を全て解決し得ることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち本発明は、(1)紙シートにインキ組成物で印刷し、印刷した面とは反対側の面の所定の位置に水性熱圧着組成物をコーターで塗布し、乾燥し水性熱圧着層を設ける工程、上記紙シートと別の紙シートを重ね合わせるか又は上記紙シートを折り返した後、水性熱圧着層を設けた所定の位置で熱圧着する工程、その後、所定の位置で裁断する工程を少なくとも行い二方又は三方の側縁部が熱接着された封筒又は箸袋を得るために使用するための上記水性熱圧着組成物が、下記の(A)及び(B)を含有し、粘度(ザーンカップR#4/25℃で測定した粘度)が10〜60秒であることを特徴とする紙製封筒用又は紙製箸袋用水性熱圧着組成物に関する。
(A)ガラス転移温度が−40〜0℃の水性アクリル系エマルジョン(A−1)及び/又はガラス転移温度が−40〜0℃の水性エチレン−酢酸ビニル系エマルジョン(A−2)
水性熱圧着組成物100質量%中に(A−1)+(A−2)の合計固形分として20〜50質量%;
(B)平均粒子径が2〜10μmのポリエチレンワックス(B−1)及び/又はシリカ(B−2)
水性熱圧着組成物100質量%中に(B−1)+(B−2)の全固形分として1〜10質量%。
また、本発明は、(2)上記水性熱圧着組成物が、更に、水溶性アクリル系ワニスを上記水性熱圧着組成物100質量%中に固形分として3〜12質量%含有することを特徴とする請求項1記載の紙製封筒用又は紙製箸袋用水性熱圧着組成物に関する。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
まず、紙シートとしては、従来から紙製封筒や紙製箸袋を得るために使用されているコート紙、微塗工紙、ノンコート紙等が使用できる。
次に、インキ組成物としては、オフセット印刷インキ組成物、フレキソ印刷インキ組成物、インクジェット用印刷インキ組成物、活性エネルギー線硬化型印刷インキ組成物等が使用可能である。
次に、水性熱圧着組成物について説明する。
本発明の水性熱圧着組成物は、ガラス転移温度が−40〜0℃の水性アクリル系エマルジョン(A−1)及び/又はガラス転移温度が−40〜0℃の水性エチレン−酢酸ビニル系エマルジョン(A−2)並びに、平均粒子径が2〜10μmのポリエチレンワックス(B−1)及び/又は平均粒子径が2〜10μmのシリカ(B−2)を含有するものである。
本発明において使用される水性アクリル系エマルジョン(A−1)は、ガラス転移温度(以下、“Tg”ともいう)が−40〜0℃のアクリル酸エステル系重合体又は共重合体を水中に分散させたものである。特に限定されるわけではないが、本発明において用いられる水性アクリル系エマルジョンの例としては、市販のJSR社製AE8102、JSR社製AE950等の水性アクリル系エマルジョン等が挙げられる。
ここで、水性アクリル系エマルジョンのガラス転移温度(Tg)とは、エマルジョン中に分散しているアクリル酸エステル系重合体又は共重合体のTgを意味する。尚、上記ガラス転移温度は、下記Woodの式により求めた理論ガラス転移温度である。
Woodの式:1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+W3/Tg3+・・・・・・・+Wx/Tgx
(式中、Tg1〜Tgxは単独重合体のガラス転移温度、W1〜Wxは重合分率、Tgは理論ガラス転移温度を表す。但し、ガラス転移温度は絶対温度で計算する。)
ガラス転移温度が0℃より高い場合は、接着性が低下し、一方−40℃より低い場合は、棒積み適性が低下する問題が発生する。特に限定されないが、接着性の観点及び棒積み適性の観点からは0〜−20℃が好ましい。
本発明において使用される水性エチレン−酢酸ビニル系エマルジョン(A−2)は、ガラス転移温度が−40〜0℃のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)及びその類似体、変性体等を水中に分散させたものである。本発明において用いられる水性アクリル系エマルジョンは特に限定されず、例えば、市販の昭和高分子製AD88、AD56、AD2等の水性エチレン−酢酸ビニル系エマルジョンを用いることができる。
水性エチレン−酢酸ビニル系水性エチレン−酢酸ビニル系のTgについても、上記の水性アクリル系エマルジョンの場合と同様の方法で求めることができる。
上記ガラス転移温度が−40〜0℃の水性アクリル系エマルジョン、上記ガラス転移温度が−40〜0℃の水性エチレン−酢酸ビニル系エマルジョンの合計使用量は、水性熱圧着組成物100質量%中に、(A−1)+(A−2)の合計固形分として20〜50質量%である。ここで「固形分として」20〜50質量%とは、水性アクリル系エマルジョン又は水性エチレン−酢酸ビニル系エマルジョンから溶媒を除いた固形成分の量が、水性熱圧着組成物100質量%のうち20〜50質量%であることを意味する。
また、水性アクリル系エマルジョン(A−1)と水性エチレン−酢酸ビニル系エマルジョンの合計(A−2)固形分量が、水性熱圧着組成物100質量%のうち20質量%より少ない場合は、接着性が低下し、一方、50質量%より多い場合は、棒積み適性が低下する問題が発生する。特に限定されないが、上記合計固形分は25〜45質量%であるのが好ましく、30〜50質量%であるのがより好ましい。
本発明において使用されるポリエチレンワックス(B−1)及び/又はシリカ(B−2)の平均粒子径は2〜10μmである。平均粒子径が2μmよりも小さい場合は、棒積み適性が低下し、一方10μmより大きい場合は、接着性が低下する問題が発生する。特に限定されないが、上記平均粒子径は、3〜8μmであるのが好ましく、4〜6μmであるのがより好ましい。
本発明における上記平均粒子径は、電極の間に粒子を通過させてその抵抗値の変化から粒径を測定する方法であるコールター・カウンター法によって測定される値である。
また、上記平均粒子径が2〜10μmのポリエチレンワックス(B−1)、上記平均粒子径が2〜10μmのシリカ(B−2)の合計使用量は、水性圧着ニス組成物100質量%中に、(B−1)+(B−2)の全固形分として1〜10質量%である。
ポリエチレンワックスとシリカの合計使用量が、水性熱圧着組成物100質量%のうち1質量%未満では棒積み適性が低下し、一方10質量%以上では接着性が低下する問題が発生する。特に限定されないが、好ましくは3〜8質量%であるのが好ましく、4〜6質量%であるのがより好ましい。
上記ポリエチレンワックス(B−1)としては、特に限定されず各種公知のものを用いることができる。例えば、市販のものとしては三井化学製ケミパールW100、W200、W400、W800などが挙げられる。
上記シリカ(B−2)としては、特に限定されず各種公知のものを用いることができる。例えば、市販のものとしては、水澤化学製P801、P802、P526、P707等が挙げられる。
また、水性熱圧着組成物を塗布するロールの洗浄が要求される場合は、さらに水溶性アクリル系ワニスを、水性圧着組成物100質量%中に固形分として3〜12質量%含有させることが好ましい。特に限定されないが、水溶性アクリル系ワニスの使用量は、水性圧着組成物100質量%のうち固形分として4〜10質量%であるのが好ましく、5〜8質量%であるのがより好ましい。なお、「固形分として」3〜12質量%含有する、とは、水溶性アクリル系ワニスから溶媒を除いた固形成分の量が、水性熱圧着組成物100質量%のうち3〜12質量%であることを意味する。
水溶性アクリル系ワニスとしては、酸価50〜250KOHmg/g、ガラス転移温度0〜80℃の共重合体であるカルボキシル基を有するアルカリ可溶性樹脂をアンモニア又は揮発性のアミン等の塩基性化合物で中和させて水中に溶解させたものが使用できる。上記アルカリ可溶性樹脂は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、シトコラン酸、無水シトコラン酸、シトコラン酸モノアルキルエステル等のカルボキシル基含有不飽和単量体と、スチレン、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、グリセロールモノアクリレート、グリセロールモノメタクリレート、N−フェニルマレイミド、ポリスチレンマクロモノマー及びポリメチルメタクリレートマクロモノマー等からなる群より選択される少なくとも1種とを反応させて得られる。
更に、水性熱圧着組成物には、必要に応じて、水性媒体、消泡剤、レベリング剤等も添加することができる。
水性媒体としては、特に限定されないが、水のみ又は水と水混和性有機溶剤の混合物が好ましい。なお、上記水性アクリル系エマルジョン、上記水性エチレン−酢酸ビニル系エマルジョン水分散型樹脂組成物、上記水溶性アクリル系ワニスに含有されている水分で充分なときは別途水を加える必要はない。水混和性有機溶剤としては、メチルアルコール、エチルアルコール等の1価アルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノペンチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノヘキシルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールメチルブチルエーテル、エチレングリコールエチルブチルエーテル等のアルキレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノメチルエステル、エチレングリコールモノエチルエステル、エチレングリコールモノブチルエステル、エチレングリコールモノペンチルエステル、プロピレングリコールモノメチルエステル、プロピレングリコールモノエチルエステル、プロピレングリコールモノブチルエステル、プロピレングリコールモノヘキシルエステル等のアルキレングリコールモノアルキルエステル類等が挙げられる。
消泡剤、レベリング剤としては、特に制限はないが、アセチレン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等を用いることができる。なかでも、アセチレン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤が好ましい。
アセチレン系界面活性剤としては、アセチレングリコール類、アセチレンアルコール類等が挙げられ、好ましくは、アセチレン基とアルキレンオキサイド鎖を有する界面活性剤であり、例えば、サーフィノール系界面活性剤(日信化学工業(株)製)を挙げることができる。シリコーン系界面活性剤としては、ジメチルポリシロキサン等を挙げることができる。
これらの材料から得られる水性熱圧着組成物の粘度は塗布適性から10〜60秒(ザーンカップR#4/25℃で測定した粘度)である。特に限定されないが、上記粘度は、10〜40秒であるのが好ましく、10〜30秒であるのがより好ましい。
上記粘度は、ザーンカップR#4を用いて、25℃の条件下測定する。ザーンカップとは、粘度測定の為の器具であり、下端部の穴からインクを排出し、終了までの秒数を計測するための器具である。具体的には、測定液中にザーンカップを浸し、液より引き上げると同時にストップウォッチを作動させて、カップ中より液が排出するまでの時間を測定することにより、粘度(秒)が測定される。なお、ザーンカップは、通常インキ粘度の範囲に応じて測定液を排出するための下端部の穴の口径(オリフィス径)が異なる設定のものを利用する場合があるが、本発明において使用する「ザーンカップR#4」とは、下端部の穴の口径が4mmのものをいう。
次に、紙製封筒や紙製箸袋の製造方法について具体的に説明する。尚、本発明の水性熱圧着組成物は、具体的に説明した紙製封筒や紙製箸袋の製造方法に限定して使用されるものでない。
下記具体例においては、印刷インキ組成物として、枚葉オフセット印刷インキ組成物を使用した場合について説明する。
本発明の水性熱圧着組成物を使用する、紙製封筒や紙製箸袋の製造方法の具体例、を以下に示す。まず、紙基材シート上に、枚葉オフセット印刷インキ組成物を使用して必要な情報を印刷する。印刷にはロールコーター、チャンバーコーター等のコーターを有する平版枚葉印刷機等を使用することができる。
次に、その基材シートの印刷面とは反対側の面の所定の位置に、本発明の水性熱圧着組成物をコーターで塗布する。ここで本工程における「所定の位置」とは、紙製封筒又は箸袋の接着すべき部分をいう。また塗布方法としては、例えば、上記平版枚葉印刷機のコーターを使用して、ウエット状態で、本発明の水性熱圧着組成物の塗布量が3〜10g/m程度となるように塗工する方法、又は基材シートの印刷面とは反対側の面の所定の位置に、ロールコーター、フレキソコーター、グラビアコーター、エアナイフ等の塗工機を用いて、ウエット状態で本発明の水性熱圧着組成物の塗布量が5g/m程度となるように塗工する方法などが挙げられる。その後、塗布された水性熱圧着組成物を熱乾燥等により乾燥させ水性熱圧着層を設ける。水性熱圧着層を設けた後は、引き続き連続的に次の工程を行ってもよいし、しばらくシートを棒積みしておき数日後次の工程を行ってもよい。
つづいて上記紙シートと別の紙シートを重ね合わせるか又は上記紙シートを折り返した後、水性熱圧着剤層を設けた所定の位置で熱圧着する。例えば、熱圧着機を用いて、熱圧着ロールの温度が概ね30〜80℃、加圧する圧力が概ね10〜3,000kg/cmである熱圧着ロールを概ね20〜60m/minの速度で通過させることにより熱圧着を行うことができる。ここで、熱圧着する工程における「所定の位置」とは、水性熱圧着層を設けた部分と、別の紙シート又は折り返した紙シートとの重ね合わせ部分をいう。
その後、所定の位置で裁断する工程を経て、二方又は三方の側縁部が熱接着された封筒又は箸袋を得る。裁断工程における「所定の位置」とは、封筒又は箸袋の外縁部分をいう。
本発明の水性熱圧着組成物を使用し、紙製封筒又は紙製箸袋を得るには、水性熱圧着組成物として、紙シートのカールを発生させないことが必要であった。またそれ以外にも、印刷された紙シートの所定の糊付け部に水性熱圧着組成物を塗布し、乾燥した紙シートが次の工程に行くまで棒積みされるので、水性熱圧着組成物を塗布し乾燥させた面と紙シートが接着しないような棒積み適性が必要であった。さらに、水性熱圧着組成物を塗布し乾燥させた面と紙シートと重ね合わせ熱と圧力により接着(剥離不能)させる接着適性が必要であった。上記構成の紙製封筒又は紙製箸袋用水性熱圧着組成物を使用することにより、これらの必要とされるすべての性能が良好となる。また、洗浄性が要求される場合は、水溶性アクリル系ワニスを併用して使用することにより、洗浄性が向上し良好となる。
以下に実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味する。
下記の配合組成となるように混合撹拌し、実施例1〜6、比較例1〜5の水性熱圧着組成物を得た。尚、評価を行う際、水で希釈して、ザーンカップR#4 25℃にて20秒にして評価を実施した(実施例1〜6、比較例1〜5の各水性熱圧着組成物100部に対して、実施例1では0部、実施例2では5部、実施例3では5部、実施例4では5部、実施例5では3.5部、実施例6では2.5部、比較例1では3.5部、比較例2では3.5部、比較例3では0部、比較例4では3.5部の水を加えて希釈して、ザーンカップR#4 25℃にて測定した粘度を20秒にした)。
(実施例1)
・アクリルエマルジョン(JSR社製AE200、Tg:−40℃、固形分45%)
74.5部
・スチレン−アクリル樹脂溶解ワニス(ジョンクリル501、Tg:65℃、固形分30%) 20部
・消泡剤(シリコーン添加剤) 0.3部
・ポリエチレンワックス(粒径5μm) 5部
・アセチレングリコール 0.2部
(実施例2)
・アクリルエマルジョン(JSR社製AE8102、Tg:0℃、固形分55%)
74.5部
・スチレン−アクリル樹脂溶解ワニス(ジョンクリル501、Tg:65℃、固形分30%) 20部
・消泡剤(シリコーン添加剤) 0.3部
・ポリエチレンワックス(粒径5μm) 5部
・アセチレングリコール 0.2部
(実施例3)
・EVAエマルジョン(水性エチレン−酢酸ビニル系エマルジョン、昭和高分子製AD88、Tg:0℃、固形分56%) 74.5部
・スチレン−アクリル樹脂溶解ワニス(ジョンクリル501、Tg:65℃、固形分30%) 20部
・消泡剤(シリコーン添加剤) 0.3部
・ポリエチレンワックス (粒径5μm) 5部
・アセチレングリコール 0.2部
(実施例4)
・EVAエマルジョン(昭和高分子製AD88、Tg:0℃、固形分56%)
24.5部
・アクリルエマルジョン(JSR社製AE8102、Tg:0℃、固形分55%)
50部
・スチレン−アクリル樹脂溶解ワニス(ジョンクリル501、Tg:65℃、固形分30%) 20部
・消泡剤(シリコーン添加剤) 0.3部
・ポリエチレンワックス(粒径5μm) 5部
・アセチレングリコール 0.2部
(実施例5)
・アクリルエマルジョン(JSR社製AE950、Tg:−20℃、固形分50%)
74.5部
・スチレン−アクリル樹脂溶解ワニス(ジョンクリル501、Tg:65℃、固形分30%) 20部
・消泡剤(シリコーン添加剤) 0.3部
・シリカ(粒径5μm) 5部
・アセチレングリコール 0.2部
(実施例6)(スチレン−アクリル樹脂溶解ワニス含有していない系)
・アクリルエマルジョン(JSR社製AE950、Tg:−20℃、固形分50%)
94.5部
・消泡剤(シリコーン添加剤) 0.3部
・ポリエチレンワックス (粒径5μm) 5部
・アセチレングリコール 0.2部
(比較例1)(ポリエチレンワックスを使用していない系)
・アクリルエマルジョン(JSR社製AE950、Tg:−20℃、固形分50%)
79.5部
・スチレン−アクリル樹脂溶解ワニス(ジョンクリル501、Tg:65℃、固形分30%) 20部
・消泡剤(シリコーン添加剤) 0.3部
・アセチレングリコール 0.2部
(比較例2)
・アクリルエマルジョン(JSR社製AE373B、Tg:10℃、固形分50%)
74.5部
・スチレン−アクリル樹脂溶解ワニス(ジョンクリル501、Tg:65℃、固形分30%) 20部
・消泡剤(シリコーン添加剤) 0.3部
・ポリエチレンワックス(粒径5μm) 5部
・アセチレングリコール 0.2部
(比較例3)
・アクリルエマルジョン(JSR製AE610C、Tg:−60℃、固形分45%)
74.5部
・スチレン−アクリル樹脂溶解ワニス(ジョンクリル501、Tg:65℃、固形分30%) 20部
・消泡剤(シリコーン添加剤) 0.3部
・ポリエチレンワックス (粒径5μm) 5部
・アセチレングリコール 0.2部
(比較例4)
・アクリルエマルジョン(JSR社製AE950、Tg:−20℃、固形分50%)
74.5部
・スチレン−アクリル樹脂溶解ワニス(ジョンクリル501、Tg:65℃、固形分30%) 20部
・消泡剤(シリコーン添加剤) 0.3部
・ポリエチレンワックス (粒径20μm) 5部
・アセチレングリコール 0.2部
(比較例5)
・アクリルエマルジョン(JSR社製AE950、Tg:−20℃、固形分50%)
74.5部
・スチレン−アクリル樹脂溶解ワニス(ジョンクリル501、Tg:65℃、固形分30%) 20部
・消泡剤(シリコーン添加剤) 0.3部
・ポリエチレンワックス(粒径1μm) 5部
・アセチレングリコール 0.2部
(評価)
すべて実際に実機で紙製箸袋を製造するのと同等な条件で簡易試験を行なった。
用紙(ノンコート紙)の所定の位置に200線/inchハンドプルーファーにより、実際に紙製箸袋を製造する際に実機で塗布する糊代と同じ5mm幅で5g/mの塗布量となるように実施例1〜6、比較例1〜5の各水性熱圧着組成物を塗布し、乾燥させて水性熱圧着層を設けた。1日後、水性熱圧着組成物を塗布した塗工面を重なり合うように折り曲げ、熱圧着機(温度60℃、圧力10〜3000kg/cm程度の加圧)を用いて40m/minとなるように通過させて、熱と圧力により塗工面同士を、水性熱圧着組成物を設けた所定の位置で接着させた。得られた接着体を用いて以下の評価を行なった。
<接着性>
接着させた用紙を手で剥離し、紙から毟れるかどうか確認する。結果を表1及び2に示す。
評価基準
○:紙内部から毟れる
△:接着はしているが、塗工面で剥離する
×:全くつかない
<棒積み適性>
実施例1〜6、比較例1〜5の各水性熱圧着組成物を塗布し乾燥させた用紙を用い、水性熱圧着組成物を塗布した面(塗工面)と塗布していない面(未塗工面)を重ね合わせ、金属重りで1kg/cmの圧力をかけ60℃、2時間ブロッキング試験を行ない評価した。結果を表1及び2に示す。
評価基準
○:擬似接着も無く容易に剥離できる
△:若干くっつきあり
×:塗工面/用紙面(未塗工面)でくっついており、紙の毟れ有り
<洗浄性>
実施例1〜6、比較例1〜5の各水性熱圧着組成物を塗布後、200線/inchハンドプルーファーを水で洗浄する際の洗浄性により評価した。結果を表1及び2に示す。
評価基準
○:容易に水洗浄可能
×:くっついてしまい、洗浄しにくい
<カール性>
カール性は用紙に200線/inchハンドプルーファーにより、実際に紙製箸袋を製造する際に実機で塗布する糊代と同じ5mm幅で5g/mの塗布量となるように実施例1〜6、比較例1〜5の各水性熱圧着組成物を塗布し、乾燥させ後の、用紙のカール性を目視にて評価した。結果を表1及び2に示す。
評価基準
○:カールなし
×:カール有り
Figure 2007217612
Figure 2007217612
本発明の水性熱圧着組成物は、紙シートのカールを抑制でき、かつ棒積み適性、接着適性に優れている。これにより、糊付け部分からのはみ出しがなく、紙シートのカールの発生による外観が悪くなる問題等が生じない紙製封筒又は紙製箸袋を得ることができる。

Claims (2)

  1. 紙シートにインキ組成物で印刷し、印刷した面とは反対側の面の所定の位置に水性熱圧着組成物をコーターで塗布し、乾燥し水性熱圧着層を設ける工程、上記紙シートと別の紙シートを重ね合わせるか又は上記紙シートを折り返した後、水性熱圧着層を設けた所定の位置で熱圧着する工程、その後、所定の位置で裁断する工程を少なくとも行い二方又は三方の側縁部が熱接着された封筒又は箸袋を得るために使用するための上記水性熱圧着組成物が、下記の(A)及び(B)を含有し、粘度(ザーンカップR#4/25℃で測定した粘度)が10〜60秒であることを特徴とする紙製封筒用又は紙製箸袋用水性熱圧着組成物。
    (A)ガラス転移温度が−40〜0℃の水性アクリル系エマルジョン(A−1)及び/又はガラス転移温度が−40〜0℃の水性エチレン−酢酸ビニル系エマルジョン(A−2)
    水性熱圧着組成物100質量%中に(A−1)+(A−2)の合計固形分として20〜50質量%;
    (B)平均粒子径が2〜10μmのポリエチレンワックス(B−1)及び/又はシリカ(B−2)
    水性熱圧着組成物100質量%中に(B−1)+(B−2)の全固形分として1〜10質量%。
  2. 上記水性熱圧着組成物が、更に、水溶性アクリル系ワニスを100質量%中に固形分として3〜12質量%含有することを特徴とする請求項1記載の紙製封筒用又は紙製箸袋用水性熱圧着組成物。
JP2006041556A 2006-02-17 2006-02-17 紙製封筒用又は紙製箸袋用水性熱圧着組成物 Pending JP2007217612A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006041556A JP2007217612A (ja) 2006-02-17 2006-02-17 紙製封筒用又は紙製箸袋用水性熱圧着組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006041556A JP2007217612A (ja) 2006-02-17 2006-02-17 紙製封筒用又は紙製箸袋用水性熱圧着組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007217612A true JP2007217612A (ja) 2007-08-30

Family

ID=38495231

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006041556A Pending JP2007217612A (ja) 2006-02-17 2006-02-17 紙製封筒用又は紙製箸袋用水性熱圧着組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007217612A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008201907A (ja) * 2007-02-20 2008-09-04 Sakata Corp 接着剤組成物および該接着剤組成物を使用したパッケージの生産方法
JP2016117785A (ja) * 2014-12-18 2016-06-30 ヘンケルジャパン株式会社 水系粘着剤
JP2019210482A (ja) * 2014-12-18 2019-12-12 ヘンケルジャパン株式会社 水系粘着剤
CN114729510A (zh) * 2019-11-26 2022-07-08 Omya国际股份公司 包含纸部件和可热封涂层的纸制品

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07251847A (ja) * 1994-03-09 1995-10-03 Challange Five:Kk フィルム封筒とフィルム封筒の製造方法
JPH11228927A (ja) * 1998-02-17 1999-08-24 Toagosei Co Ltd 感熱粘着剤組成物及び感熱粘着シート

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07251847A (ja) * 1994-03-09 1995-10-03 Challange Five:Kk フィルム封筒とフィルム封筒の製造方法
JPH11228927A (ja) * 1998-02-17 1999-08-24 Toagosei Co Ltd 感熱粘着剤組成物及び感熱粘着シート

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008201907A (ja) * 2007-02-20 2008-09-04 Sakata Corp 接着剤組成物および該接着剤組成物を使用したパッケージの生産方法
JP2016117785A (ja) * 2014-12-18 2016-06-30 ヘンケルジャパン株式会社 水系粘着剤
JP2019210482A (ja) * 2014-12-18 2019-12-12 ヘンケルジャパン株式会社 水系粘着剤
CN114729510A (zh) * 2019-11-26 2022-07-08 Omya国际股份公司 包含纸部件和可热封涂层的纸制品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
ES2541529T3 (es) Adhesivos activables por fluido y fluidos para activar los mismos para el uso con etiquetas libres de revestimiento
US9508272B2 (en) Fluid activatable adhesives for glue-free, liner-free labels for glass and plastic substrates and methods of use thereof
US9777196B2 (en) Fluid activatable adhesives for glue-free, liner-free, labels for glass and plastic substrates and methods of use thereof
US9254936B2 (en) Fluid activatable adhesive for glue-free, liner-free, labels for glass and plastic substrates and methods of use thereof
JP2007217612A (ja) 紙製封筒用又は紙製箸袋用水性熱圧着組成物
KR101017829B1 (ko) 오버라미네이션용 점착 필름
CN101821348A (zh) 电子部件用双面粘接片及其制造方法
JP4859819B2 (ja) 情報記録用粘着シート
JP3587549B2 (ja) 防滑剤組成物
JPH11241053A (ja) 粘着シートおよび粘着テープ
JP4575191B2 (ja) 継ぎ手用粘着テープおよび連続印刷シートの製造方法
JP7294928B2 (ja) 圧着葉書及びその製造方法、並びに疑似圧着層を表面に備えた情報記録面を内側に折畳んで圧着された圧着葉書におけるブロッキングを抑制する方法
JP4514462B2 (ja) 紙粘着テープ
JP2001172580A (ja) 粘着シートまたは粘着テープ
JP5031396B2 (ja) 接着剤組成物および該接着剤組成物を使用したパッケージの生産方法
JP2002338909A (ja) 粘着シート
JP4096411B2 (ja) 粘着シート
JP2009035600A (ja) 粘着シート
JPH08134406A (ja) 水性オーバープリントニス組成物およびこれを印刷または塗工した紙製容器
JP7447505B2 (ja) 粘着シート
JP7401852B2 (ja) オーバーラミネート用粘着シート及びpopラベル
JP6356056B2 (ja) 小口封緘粘着テープ
JP6897117B2 (ja) 液体展開用シート
JP2004077586A (ja) 感熱性粘着ラベル及びそれを貼付した容器
JPH0830198A (ja) 粘着ラベル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20090203

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Effective date: 20090203

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

A977 Report on retrieval

Effective date: 20111124

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111129

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120327