JP2004502018A - アクリレートミクロスフェアを含むアクリル接着剤組成物 - Google Patents
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Abstract
(a)ポリマーアクリレートミクロスフェアの水性懸濁液を約5〜約75重量%、(b)架橋アクリレートポリマーの水性乳濁液を約25〜約95重量%、および場合によっては、(c)塗膜を改質するため、あるいは接着剤の性能特性を高めるために、機能的に有効な量の1つまたは複数の補助成分を含む水性接着剤組成物であって、ミクロスフェアと架橋アクリレートポリマーの重量比が固体ベースで約0.025:1〜約1.9:1である組成物を提供する。
Description
【0001】
関連出願
本出願は、参照によって本出願に組み込まれており、2000年6月23日に出願された「Adhesive Compositions」という表題の、以前の仮出願第60/213,862号の優先権を主張する非仮出願である。
【0002】
発明の背景
本発明は、水性の感圧性接着剤(「PSA」)組成物に関するものであり、より詳細には、乾燥した形で取外し可能かあるいは位置移動が可能であり、従来のトランスファーコーティング法において使用するようになされている組成物に関する。
【0003】
位置移動が可能な感圧性接着剤の用途において使用するための、中実および中空の、本来粘着性であるアクリレートポリマーミクロスフェアは、当分野で知られている。「位置移動が可能である」という用語は、接着能力を大幅に失うことなく、繰り返し支持体に接着され、そこから取り外される能力を意味する。
【0004】
このようなミクロスフェア接着剤の紙上への塗布は、典型的には直接的に行われる。しかしながら、水系接着剤を紙上に塗布すると、紙が変形するために、満足できない結果を生み出すことが多い。これは、よく知られているトランスファーコーティング法を使用することによって回避される。水系接着剤を使用するトランスファーコーティング法では、シリコーン剥離コーティング、すなわち「剥離ライナー」を通常含む、連続的な中間支持体層に接着剤組成物を塗布し、次いで組成物を中間支持体上で乾燥させる。次いで乾燥させた接着剤を、積層ステップにおいて、中間支持体から他の層の表面(通常「表面基材」と呼ばれる)に移し、表面基材を通常は連続的に、乾燥させた接着剤上に置き、それに対して押し付けるので、したがってこの2つを分けると、接着剤は剥離ライナーから表面基材に移される。しかしながら、位置移動が可能であるPSAミクロスフェアビーズの性質のために、それらが表面基材にきれいに均一に移ることはなく、むしろ少なくとも部分的に剥離ライナー上に留まる。
【0005】
Tsujimoto他の米国特許第5,877,252号は、ミクロスフェアを機械的に一緒に固定することによって、トランスファーコーティング法の最終ステップの支持体への移動を容易にすると言われている結合剤を水系接着剤組成物中のミクロスフェアに入れることにより、紙の表面基材上にトランスファーコーティングすることの問題を扱っている。
【0006】
広範囲の低表面エネルギーおよび高表面エネルギー両方の表面基材の最終支持体材料に容易にトランスファーコーティングまたは直接塗布することができ、あるいは乾燥オーブン中で取り扱うのが困難であり接着剤を保護するための剥離ライナーも必要とする感熱性またはかさ高な裏材料に容易にトランスファーコーティングすることができる、PSAミクロスフェアを含む水系接着剤組成物の必要性が、当分野で引き続き存在する。
【0007】
発明の概要
現在、PSAミクロスフェアを含む、取外し可能かあるいは位置移動が可能である水系接着剤組成物が発見されており、これは容易にトランスファーコーティングすることができる。
【0008】
したがって、本発明の主な目的は、トランスファーコーティングが可能な水性接着剤PSA組成物を提供することである。
【0009】
他の目的は、異なる接着強度および使用温度を必要とする広範囲の用途に適応させるために調節することができる、組成物を提供することである。
【0010】
他の目的は部分的に明白であり、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から部分的に明らかであろう。
【0011】
本発明によれば、(a)ポリマーアクリレートミクロスフェアの水性懸濁液を約5〜約75重量%、(b)架橋アクリレートポリマーの水性乳濁液を約25〜約95重量%、および場合によっては、(c)塗膜を改質するため、あるいは接着剤の性能特性を高めるために、機能的に有効な量の1つまたは複数の補助成分を含む水性接着剤組成物であって、ミクロスフェアと架橋アクリレートポリマーの重量比が、固体ベースで約0.025:1〜約1.9:1である組成物が提供される。
【0012】
さらに本発明によれば、(a)ポリマーアクリレートミクロスフェア、(b)架橋アクリレートポリマー、および場合によっては、(c)塗膜を改質するため、あるいは接着剤の性能を高めるために、機能的に有効な量の1つまたは複数の補助成分を含み、ミクロスフェアと架橋アクリレートポリマーの重量比が約0.025:1〜約1.9:1である、取外し可能かあるいは位置移動が可能である感圧性接着剤組成物がその上に塗布されている表面基材材料を含む物品が提供される。
【0013】
図面の簡単な説明
該当図面なし
【0014】
発明の詳細な説明
本発明は、さまざまな低表面エネルギー表面基材および高表面エネルギー表面基材上で、取外し可能かつ位置移動が可能である、ラベル、メモ用紙、テープなどの製品を生産する際に、位置移動が可能であり感圧性である接着剤として有用な、水性接着剤組成物を提供する。本発明は、乾燥オーブン中で取り扱うのが困難であり接着剤を保護するための剥離ライナーも必要とする感熱性またはかさ高な裏材料にトランスファーコーティングすることができる、水性接着剤組成物も提供する。
【0015】
本発明の水性接着剤組成物は、表面基材材料上にトランスファーコーティングすることができ、あるいは直接塗布することができる。
【0016】
本発明の第1の実施形態は、(a)ポリマーアクリレートミクロスフェアの水性懸濁液を約5〜約75重量%、(b)架橋アクリレートポリマーの水性乳濁液を約25〜約95重量%、および場合によっては、(c)塗膜を改質するため、あるいは接着剤の性能特性を高めるために、機能的に有効な量の1つまたは複数の補助成分を含む水性接着剤組成物であって、ミクロスフェアと架橋アクリレートポリマーの重量比が、固体ベースで約0.025:1〜約1.9:1である組成物に関する。
【0017】
本発明において使用することができるポリマーアクリレートミクロスフェアには、中実および中空のミクロスフェアがある。本明細書で使用するように、「中実」という用語は、ミクロスフェアの直径の10%より大きい直径を有する内部の隙間または内部の空洞を、ほぼ含まないミクロスフェアを意味するが、ミクロスフェア生成物全体中に検出可能な数の中空または中空に見えるミクロスフェアが存在してもよい。本明細書で使用するように、「中空」という用語は、ミクロスフェアの直径の10%より大きい直径を有する、少なくとも1つの隙間または内部の空洞を含むミクロスフェアを意味する。
【0018】
適切な中空ミクロスフェア、およびそれを調製するための方法の例は、米国特許第5,053,436号および第5,578,650号に記載されており、これらは参照によってその全容が本明細書に組み込まれている。
【0019】
適切な中実ミクロスフェア、およびそれを調製するための方法は、参照によってその全容が本明細書に組み込まれている米国特許第3,691,140号、および以下の説明中に記載されている。適切な中実ミクロスフェアは、以下および実施例中に記載した方法に従って調製することもできる。
【0020】
現在好まれているポリマーアクリレートミクロスフェアは、中実ミクロスフェアである。
【0021】
中実ポリマー感圧性アクリレートミクロスフェアは、懸濁重合法によって調製することができ、この方法は(a)第三級ではないアルコールのアクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステルの少なくとも1つの非イオン性モノマーおよびその非イオン性モノマーと共重合可能な少なくとも1つのイオン性モノマーの重合可能な水性乳濁液と、少なくとも1つの非フリーラジカル重合性の酸を接触させること、ならびに(b)乳濁液を重合させて、中実ポリマー感圧性接着剤ミクロスフェアの水性懸濁液を形成することを含み、かつ前記非イオン性モノマーの約95%の転化率を得る前に、非フリーラジカル重合性の酸を重合可能な水性乳濁液と接触させることを含む。
【0022】
重合可能な水性乳濁液は、水、第三級ではないアルコールのアクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステルの少なくとも1つの非イオン性モノマー、非イオン性モノマーと共重合可能な少なくとも1つのイオン性モノマー、および乳化剤を接触させることによって、調製することができる。
【0023】
あるいは、中実ポリマー感圧性アクリレートミクロスフェアは、懸濁重合法によって調製することができ、この方法は(a)水、第三級ではないアルコールのアクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステルの少なくとも1つの非イオン性モノマー、前記非イオン性モノマーと共重合可能な少なくとも1つのイオン性モノマー、および少なくとも1つの乳化剤を接触させることによって、重合可能な水性乳濁液を形成すること、(b)重合を開始させること、(c)少なくとも1つの非フリーラジカル重合性の酸を加えること、および(d)非フリーラジカル重合性の酸を含む混合物を重合させて、中実ポリマー感圧性接着剤ミクロスフェアを形成することを含み、かつ前記非イオン性モノマーの約95%の転化率を得る前に、非フリーラジカル重合性の酸を重合可能な水性乳濁液に加えることを含む。
【0024】
使用することができる非イオン性モノマーには、第三級ではないアルコールのアクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステルがある。アクリル酸アルキルモノマーまたはメタクリル酸アルキルモノマーのアルキル基は、4〜約14個の炭素原子、好ましくは4〜約10個の炭素原子、より好ましくは4〜約8個の炭素原子を有する、線状または分枝アルキル基である。このようなアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルは親油性、水乳化性であり、限られた水溶性を有し、ホモポリマーとして、約−20℃未満のガラス転移温度を一般に有する。このクラスのモノマーの例には、単独の、あるいは混合した、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸4−メチル−2−ペンチル、アクリル酸2−メチルブチル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸イソデシル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸イソデシルなどがあるが、これらだけには限られない。
【0025】
現在好まれている非イオン性モノマーはアクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−ブチル、およびこれらの混合物であり、アクリル酸2−エチルヘキシルが最も好ましい。
【0026】
使用することができるイオン性モノマーは、非イオン性モノマーと共重合可能であり、水溶性であり、実質的に油不溶性であるイオン性モノマーである。実質的に油不溶性であり水溶性であるとは、モノマーが0.5重量%未満の溶解度を有し、所与の温度で(好ましくは50°〜65℃)油相モノマーの溶解度と水性相の溶解度の分配比(D)が約0.005未満であることを意味する。すなわち、
D=有機層の全体の濃度/水性層の全体の濃度
このようなイオン性モノマーには、モノオレフィンモノカルボン酸、モノオレフィンジカルボン酸、またはこれらの混合物から選択される酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩またはアミン塩がある。
【0027】
好ましいアルカリ金属塩は、ナトリウム塩およびカリウム塩である。
【0028】
適切なアミン塩には、任意の水溶性アミン含有有機化合物から誘導されるカチオンがある。適切なアミン塩の例には、それぞれのRが独立に水素、1〜10個の炭素原子を有するアルキル、2〜10個の炭素原子を有するアミノアルキル、または2〜10個の炭素原子を有するヒドロキシアルキルであるが、ただしRの少なくとも1つは水素ではない、式(R)4N+によって表されるカチオンがあるが、これだけには限られない。(R)4N+は第一級、第二級または第三級アンモニウム、または第四級アンモニウムであってよい。アミン塩は、トリエタノールアンモニウムであることが好ましい。
【0029】
現在好まれている塩は、アルカリ金属塩およびアンモニウム塩であり、ナトリウム塩およびアンモニウム塩が最も好ましい。
【0030】
適切なイオン性モノマーの例には、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、およびこれらの混合物の塩があるが、これらだけには限られない。現在好まれている酸は、アクリル酸およびメタクリル酸であり、アクリル酸が最も好ましい。
【0031】
イオン性モノマーを重合反応混合物に直接加えることができ、あるいはモノオレフィンモノカルボン酸、モノオレフィンジカルボン酸、またはこれらの混合物、およびアルカリ金属水酸化物、水酸化アンモニウムまたはアミンから選択される化合物を加えることによって、in situで形成することができる。イオン性モノマーがin situで形成されると、非フリーラジカル重合性の酸は、イオン性モノマーが形成された後に、重合可能な水性乳濁液と接触する。
【0032】
コポリマーミクロスフェアの組成は、重合に投入する非イオン性モノマーおよびイオン性モノマーの量によって表すことができる。投入する非イオン性モノマーおよびイオン性モノマーの量は、重合に投入するモノマー全体に基づく重量%によって表すことができる。広義には、投入するモノマーは約85〜約99.5重量%の非イオン性モノマーおよび約0.5〜約15重量%のイオン性モノマー、好ましくは約90〜約99.5重量%の非イオン性モノマーおよび約0.5〜約10重量%のイオン性モノマー、より好ましくは約94〜約98重量%の非イオン性モノマーおよび約2〜約6重量%のイオン性モノマーを含む。
【0033】
使用することができる非フリーラジカル重合性の酸には、当分野で知られている、フリーラジカルによって重合しない任意の多数の酸がある。典型的には、フリーラジカルによって重合しない酸は、炭素−炭素二重結合を含まず、有機性または無機性のいずれであってもよい。適切な非フリーラジカル重合性の酸の例には、酢酸、ヘキサン酸、フェニルウンデカン酸、ステアリン酸、塩酸、硫酸またはこれらの混合物があるが、これらだけには限られない。現在好まれている非フリーラジカル重合性の酸は、それを用いて優れた結果が得られるために、硫酸である。
【0034】
広義には、生成する重合反応混合物中でpHメーターを使用して測定し、約6未満、好ましくは約4未満のpHを与えるのに十分な量の、非フリーラジカル重合性の酸が提供される。
【0035】
前述したイオン性モノマーがin situで形成される場合を除き、非フリーラジカル重合性の酸は、非イオン性モノマーの約95%の転化率、好ましくは約90%の転化率を得る前の任意の時に、重合反応混合物に加えることができる。現在は、重合の開始後に、非フリーラジカル重合性の酸を加えることが好ましい。たとえば、非イオン性モノマーの約5%〜約15%の転化率を得た後で、非フリーラジカル重合性の酸を重合反応混合物に加えることができる。
【0036】
懸濁重合を行うことができる任意の従来型の反応容器中で、重合反応を行うことができる。重合において使用する反応容器の熱除去能力が、反応の発熱性によって重合混合物の温度が、温度を調節するために使用する熱伝達流体の温度を超えるようにする能力である場合、重合混合物の温度が温度を調節するために使用する熱伝達流体の温度を超える時間を、本明細書では「発熱」と呼ぶ。直前に記載したような重合反応温度プロフィールを使用して、重合容器中で重合を行う場合は、本発明のミクロスフェアの接着伝達性を最高にするために、発熱中に非フリーラジカル重合性の酸を加えることが好ましい。
【0037】
発熱が起こらないほど十分な熱除去能力を重合反応容器が有している場合、重合の開始後に、非フリーラジカル重合性の酸を加えることが現在好まれている。
【0038】
この方法は、ミセルを形成するのに必要な最小乳化剤濃度として定義される、臨界ミセル濃度を超える濃度の、少なくとも1つの乳化剤を使用する。この濃度はそれぞれの乳化剤でわずかに異なり、使用可能な濃度は典型的には約0.0001〜約3.0モル/リットルの範囲である。
【0039】
使用することができる乳化剤、すなわち界面活性剤にはアニオン性、非イオン性、カチオン性、両性乳化剤およびこれらの混合物がある。アニオン性乳化剤が現在は好まれている。適切なアニオン性乳化剤の例には、アルキルアリールスルホン酸(たとえば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)、硫酸アルキル(たとえば、硫酸ドデシルナトリウム、硫酸ドデシルアンモニウム)、エトキシル化アルコールの硫酸塩(たとえば、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム)、エトキシル化アルキルフェノールの硫酸塩およびスルホン酸塩(たとえば、アルキルアリールポリエーテルスルホン酸のナトリウム塩)、スルホコハク酸塩(たとえば、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム)、ジフェニルスルホン酸塩(たとえば、ジスルホン酸ドデシルジフェニルオキシドナトリウム)、およびこれらの混合物があるが、これらだけには限られない。適切な非イオン性乳化剤の例には、エトキシル化アルコール(たとえば、エトキシル化オレイルアルコール)、エトキシル化アルキルフェノール(たとえば、ノニルフェノールエトキシレート)およびこれらの混合物があるが、これらだけには限られない。適切なカチオン性乳化剤の例には、エトキシル化脂肪アミン(たとえば、エトキシル化獣脂アミン)があるが、これらだけには限られない。
【0040】
本発明の方法は、油溶性で水溶性が非常に低い少なくとも1つの重合開始剤も使用する。油溶性で実質的に水溶性ではない重合開始剤は、正常ではアクリレートモノマーのフリーラジカル重合に関して許容でき、当分野でよく知られている開始剤である。油溶性で実質的に水溶性ではない重合開始剤の典型的な濃度は、重合に投入する非イオン性モノマーおよびイオン性モノマーの合計重量の、約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約0.1重量%〜約5重量%である。
【0041】
使用することができる、油溶性で実質的に水溶性ではない重合開始剤には、アゾ化合物、過酸化物など、およびこれらの混合物がある。アゾ化合物の例には、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(E.I.duPont de Nemours and CompanyからのVAZO64)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(E.I.duPont de Nemours and CompanyからのVAZO67)、およびこれらの混合物があるが、これらだけには限られない。過酸化物の例には、ベンゾイル過酸化物(Akzo Nobel Chemicals Inc.からのCadet BPO)、ジ−(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネート、(Akzo Nobel Chemicals Inc.からのTrigonox EHP)、およびこれらの混合物があるが、これらだけには限られない。
【0042】
油溶性で実質的に水溶性ではない重合開始剤は、重合可能な水性乳濁液に加えることができ、非フリーラジカル重合性の酸を重合可能な水性乳濁液と接触させる前または後に、重合を開始させる。油溶性で実質的に水溶性ではない重合開始剤を加え、非フリーラジカル重合性の酸を重合可能な水性乳濁液と接触させる前に、重合を開始させることが現在好まれている。
【0043】
熱または放射を加えることなどによる、当業者に知られている任意の従来的な方法によって、重合を開始することができる。開始の方法は、使用する油溶性で実質的に水溶性ではない重合開始剤に依存し、当業者には容易に明らかであろう。
【0044】
本発明の方法は、場合によっては、少なくとも1つの水溶性開始剤を使用する。このような水溶性重合開始剤は、当分野でよく知られている。水溶性重合開始剤は単独で使用することができ、あるいは重亜硫酸塩、メタ重亜硫酸塩、アスコルビン酸、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、硫酸鉄(II)、硫酸鉄(II)アンモニウム、エチレンジアミン四酢酸鉄(III)などの、1つまたは複数の従来の還元剤と組み合わせて使用することができる。本発明の方法において使用する水溶性重合開始剤の濃度は、残留未転化水溶性イオン性モノマーをさらに還元するのに有効な量である。典型的には、水溶性重合開始剤の濃度は、重合に投入する非イオン性モノマーおよびイオン性モノマーの合計重量の、約0.04〜約5重量%、好ましくは約0.05〜約2重量%である。
【0045】
使用することができる水溶性重合開始剤には、水溶性の過硫酸塩、過酸化物、アゾ化合物など、およびこれらの混合物がある。水溶性開始剤の例には、過硫酸塩(たとえば、過硫酸カリウム、および過硫酸ナトリウム)、過酸化物(たとえば、過酸化水素、およびtert−ブチルヒドロペルオキシド)、およびアゾ化合物(たとえば、4,4’−アゾビス(4−シアノ−ペンタン酸)、Wako ChemicalsからのV−501)があるが、これらだけには限られない。現在、好ましい水溶性重合開始剤は過硫酸塩であり、過硫酸カリウムが特に好ましい。
【0046】
水溶性重合開始剤は、非イオン性モノマーの約90%の転化率、好ましくは約95%の転化率を得た後に、重合混合物に加えることができる。反応の発熱性によって重合混合物の温度が、温度を調節するために使用する熱伝達流体の温度を超えるように、重合容器中で重合を行うときは、水溶性重合開始剤を発熱後に加えることができる。
【0047】
水を使用して、これらの方法において使用する重合可能な水性乳濁液を調製する。必要ではないが、イオン含有量の少ない水を使用することが現在好まれている。
【0048】
重合温度は、油溶性で実質的に水溶性ではない重合開始剤の選択、および開始の方法に依存し、当業者には容易に明らかであろう。たとえば、過酸化ベンゾイルを、油溶性で実質的に水溶性ではない重合開始剤として使用する場合、重合温度は典型的には約60℃〜約90℃の範囲である。
【0049】
重合時間とは、他の反応条件、たとえば温度プロフィール、および反応成分、たとえばモノマー、開始剤などに基づいて、所望の転化率を得るのに必要な時間である。重合時間は、当業者には容易に明らかであろう。
【0050】
不活性雰囲気下において大気圧で、重合を行うことが好ましい。適切な不活性ガスには窒素、アルゴン、二酸化炭素、ヘリウム、クリプトン、キセノン、およびネオンがあり、窒素が好ましい。しかしながら望むならば、高圧で重合を行うことができる。酸素が含まれる雰囲気下において重合を行うこともできるであろうが、これは好ましくない。なぜなら、酸素が存在することによって重合が阻害されるからである。重合混合物が酸素を含む場合、重合反応が起こる可能性がある前に、酸素を排除するかあるいは消費しなければならない。
【0051】
重合の後に、室温条件下で、コポリマーミクロスフェアの水性懸濁液を安定化させて、凝集または凝固させる。コポリマーミクロスフェアの懸濁液は典型的には、約10〜約50重量%、好ましくは約20〜約40重量%の固体含有率を有する。
【0052】
攪拌によって引き起こされるせん断応力を使用して、粒子サイズを効果的に調節する。十分なせん断応力を引き起こして、約200μmより小さい、好ましくは約100μmより小さい、より好ましくは約15μm〜約50μmの平均粒子サイズを有するミクロスフェアを提供することが現在は好まれる。せん断応力のレベルが高すぎると、形成される粒子は非常に細かく、支持体に適度な塗布重量で加えると連続的なフィルムのように働く傾向がある。ミクロスフェアが小さすぎる場合、接着が大きくなり接着の増大が起こる。せん断応力が小さすぎる場合、サイズの大きすぎる粒子が形成されるであろう。ミクロスフェアが大きすぎる場合、接着の移動がさらに起こる。好ましくは、約200μmより小さい平均粒子サイズを有するミクロスフェアを提供するほど十分な、せん断速度を使用すべきである。
【0053】
当業者に知られている任意の従来の回収技法を使用してミクロスフェアを回収することができ、あるいは最終重合反応混合物からのミクロスフェアの水性分散液を直接使用することができる。最終重合反応混合物からのミクロスフェアの水性分散液を直接使用して、本質的に粘着性である本発明の感圧性水性接着剤組成物において使用するための、ポリマーアクリレートミクロスフェアの水性懸濁液を提供することが現在は好まれる。
【0054】
本発明の架橋アクリレートポリマーの水性乳濁液は、ガラス転移温度(Tg)が低いアクリル乳化ポリマーである。広義には、本発明の架橋アクリレートポリマーのTgは0℃未満、好ましくは約−10℃〜約−50℃である。当業者に知られている任意の従来のフリーラジカル重合によって、架橋アクリレートポリマーの乳濁液を調製することができる。
【0055】
Tgが低い本発明のアクリル乳化ポリマーは、場合によっては他の重合可能なモノマーの存在下での、アクリル酸アルキルモノマーとオレフィン性多官能性モノマーの重合生成物である。Tgが低いアクリル乳化ポリマー組成物は(重合に投入するすべてのモノマーに基づき)、約50〜約99.9重量%、好ましくは約60〜約98重量%のアクリル酸アルキルモノマー、約0.1〜約1重量%、好ましくは約0.15〜約0.5重量%の多官能性モノマー、および0〜約49.9重量%、好ましくは約1.5〜約39.85重量%の他の重合可能なモノマーからなる。
【0056】
アクリル酸アルキルモノマーのアルキル基は、4〜約14個の炭素原子、好ましくは4〜約10個の炭素原子、より好ましくは4〜約8個の炭素原子を有する、線状または分枝アルキル基である。このクラスのモノマーの例には、単独の、あるいは混合した、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸4−メチル−2−ペンチル、アクリル酸2−メチルブチル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−デシル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸n−ラウリルなどがあるが、これらだけには限られない。
【0057】
現在好まれているアクリル酸アルキルモノマーは、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−ブチル、およびこれらの混合物である。
【0058】
多官能性モノマーは、ジアクリル酸(塩)、ジメタクリル酸(塩)、トリメタクリル酸(塩)、ジビニルベンゼンを含めた多官能性モノマー、またはフリーラジカル乳化重合の条件下で反応性がある多数のオレフィン不飽和体を有するモノマーの群から選択される、架橋モノマーである。
【0059】
適切な多官能性モノマーの例には、ジアクリル酸エチレングリコール、ジアクリル酸プロピレングリコール、メタクリル酸アリル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテルアルコール、ジアクリル酸ヘキサンジオール、ジアクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸ジエチレングリコール、ジメタクリル酸1,3ブタングリコール、トリメタクリル酸ペンタエリトリトール、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン、およびこれらの混合物があるが、これらだけには限られない。現在好まれている多官能性モノマーは、ジアクリル酸ヘキサンジオール(HDDA)およびメタクリル酸アリルである。
【0060】
適切な他の重合可能なモノマーは、メタクリル酸、スチレンのアルキルエステル、不飽和モノカルボン酸のアリルエステル、ビニルエステル、ビニルエ−テル、アクリル酸およびメタクリル酸のヒドロキシル含有アルキルエステル、モノエチレン性不飽和ジカルボン酸、エチレン性不飽和モノカルボン酸およびポリカルボン酸のジアルキルエステル、およびこれらの無水物またはニトリルから選択される。現在好まれている他の重合可能なモノマーは、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル、およびこれらの混合物である。
【0061】
Tgが低いアクリル乳化ポリマーは、非イオン性界面活性剤およびアニオン性界面活性剤などの、多くの界面活性成分の存在下で調製することができる。
【0062】
代表的な架橋アクリレートポリマーの乳濁液、およびその調製方法は、米国特許第5,763,555号(Skoglund)、第3,971,766号(Ono他)、第3,998,997号(Mowdood他)、第4,151,147号(Neuschwanter他)、および第4,507,429号(Lenny)に記載されており、これらはすべて、参照によってその全容が本明細書に組み込まれている。
【0063】
ポリマーアクリレートミクロスフェアの水性懸濁液中の、ポリマーアクリレートミクロスフェアの固体重量パーセントは、約10〜約50重量%、好ましくは約20〜約40重量%である。架橋アクリレートポリマーの水性乳濁液中の、架橋アクリレートポリマーの固体重量パーセントは、約40〜約65重量%、好ましくは約50〜約60重量%である。
【0064】
本発明の水性接着剤組成物は、ポリマーアクリレートミクロスフェアの水性懸濁液を約5〜約75重量%、好ましくは約40〜約75重量%、架橋アクリレートポリマーの水性乳濁液を約25〜約95重量%、好ましくは約25〜約60重量%含む。ミクロスフェアと架橋アクリレートポリマーの重量比は固体ベースで、約0.025:1〜約1.9:1、好ましくは約0.03:1〜約1.6:1である。
【0065】
本発明の水性接着剤組成物中の任意選択の補助成分は、界面活性剤、消泡剤、粘度調整剤、中和剤、流れ調整剤、安定剤または粘着性付与剤から選択される。本発明の好ましい水性接着剤組成物は、少なくとも1つの界面活性剤、少なくとも1つの消泡剤、少なくとも1つの粘度調整剤、および少なくとも1つの中和剤を含む。
【0066】
本発明の水性接着剤組成物中に界面活性剤が存在する場合、接着剤の表面エネルギー/表面張力を低下させるため、特に表面エネルギーが低い表面、たとえばポリオレフィンおよびポリエステルに塗布するのに効果的な量で存在する。界面活性剤を使用するとき、その濃度は典型的には、ポリマーアクリレートミクロスフェアの水性懸濁液と架橋アクリレートポリマーの水性乳濁液の合計重量の、約0.1〜約1.15重量%、好ましくは約0.2〜約0.9重量%である。
【0067】
このような界面活性剤は、当分野でよく知られている。適切な界面活性剤の例には、オレフィンスルホン酸、硫酸アルキル、スルホコハク酸エステル、硫酸ポリグリコールエーテル、リン酸(塩)などのアニオン性界面活性剤、ノニルフェノールエトキシレート、アルキルエトキシレート、アルコキシレートなどの非イオン性界面活性剤、およびこれらの混合物があるが、これらだけには限られない。
【0068】
本発明の水性接着剤組成物中に消泡剤が存在する場合、発泡を阻害するのに効果的な量で存在する。消泡剤を使用するとき、その濃度は典型的には、ポリマーアクリレートミクロスフェアの水性懸濁液と架橋アクリレートポリマーの水性乳濁液の合計重量の、約0.05〜約0.4重量%、好ましくは約0.1〜約0.25重量%である。
【0069】
このような消泡剤は、当分野でよく知られている。適切な消泡剤の例には、脂肪酸アミド、エステル、エステルアミド、ポリアルキレングリコール、有機リン酸(塩)、脂肪酸の金属せっけん、シリコーン油、疎水性シリカ、およびこれらの混合物があるが、これらだけには限られない。
【0070】
本発明の水性接着剤組成物中に粘度調整剤が存在する場合、加工要件のために水性接着剤組成物の粘度を増大させるのに効果的な量で存在する。粘度調整剤を使用するとき、その濃度は典型的には、ポリマーアクリレートミクロスフェアの水性懸濁液と架橋アクリレートポリマーの水性乳濁液の合計重量の、約1〜約5重量%、好ましくは約1.5〜約4重量%である。
【0071】
このような粘度調整剤は、当分野でよく知られている。適切な粘度調整剤の例には、アルカリ可溶性または膨潤性アクリル乳化コポリマー、ウレタンブロックコポリマー、セルロース誘導体、ポリ(エチレンオキシド)ポリマー、多糖、およびこれらの混合物があるが、これらだけには限られない。
【0072】
本発明の水性接着剤組成物中に中和剤が存在する場合、加工要件のために水性接着剤組成物のpHを調節するのに効果的な量で存在する。中和剤を使用するとき、その濃度は典型的には、ポリマーアクリレートミクロスフェアの水性懸濁液と架橋アクリレートポリマーの水性乳濁液の合計重量の、約0.1〜約0.5重量%、好ましくは約0.1〜約0.35重量%である。
【0073】
このような中和剤は、当分野でよく知られている。適切な中和剤の例には、アルカリ金属塩基、アンモニア、n−ヘキシルアミン、モノエタノールアミン、2−アミノメチル−1−プロパノール、ヘキサメチレンジアミンなどのアミン、およびこれらの混合物があるが、これらだけには限られない。
【0074】
本発明の水性接着剤組成物中に流れ調整剤が存在する場合、加工中に水性接着剤組成物のより良い均展性を得るのに効果的な量で存在する。流れ調整剤を使用するとき、その濃度は典型的には、ポリマーアクリレートミクロスフェアの水性懸濁液と架橋アクリレートポリマーの水性乳濁液の合計重量の、約0.25〜約3重量%、好ましくは約0.5〜約2重量%である。
【0075】
このような流れ調整剤は、当分野でよく知られている。適切な流れ調整剤の例には、アセチレングリコール、アクリル酸コポリマー、カルボン酸エステル、ポリシロキサンポリエーテルコポリマー、およびこれらの混合物があるが、これらだけには限られない。
【0076】
本発明の水性接着剤組成物中に安定剤が存在する場合、使用条件下での接着剤組成物の安定性を高めるのに効果的な量で存在する。安定剤を使用するとき、その濃度は典型的には、ポリマーアクリレートミクロスフェアの水性懸濁液と架橋アクリレートポリマーの水性乳濁液の合計重量の、約0.1〜約1重量%、好ましくは約0.1〜約0.5重量%である。
【0077】
このような安定剤、たとえば紫外線安定剤は、当分野でよく知られている。適切な安定剤の例には、紫外光吸収剤(UVA)、ヒンダードアミン光安定剤(HALS)、酸化防止剤(AO)、およびこれらの混合物があるが、これらだけには限られない。
【0078】
本発明の水性接着剤組成物中に粘着付与剤が存在する場合、水性接着剤組成物の粘着性を高めるのに効果的な量で存在する。粘着付与剤を使用するとき、その濃度は典型的には、ポリマーアクリレートミクロスフェアの水性懸濁液と架橋アクリレートポリマーの水性乳濁液の合計重量の、約5〜約40重量%、好ましくは約5〜約25重量%である。
【0079】
このような粘着付与剤は、当分野でよく知られている。適切な粘着付与剤の例には、ロジンエステル、ロジン酸、炭化水素樹脂、およびこれらの混合物があるが、これらだけには限られない。
【0080】
本発明の水性接着剤組成物は、当分野でよく知られている従来のトランスファーコーティング法を使用して、広くさまざまな表面基材材料上にトランスファーコーティングすることができる。典型的なトランスファーコーティング法は、Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology、(Donatas Satas)、Second Edition 1989.Van Nostrand Reinhold中に開示されている。トランスファーコーティングは、乾燥オーブン中で取り扱うのが困難であり接着剤を保護するための剥離ライナーも必要とする感熱性またはかさ高な裏材料に、接着剤を塗布するためにも使用される。さらに、本発明の水性接着剤組成物は、広くさまざまな表面基材材料上に直接塗布することができる。
【0081】
本発明の第2の実施形態は、(a)ポリマーアクリレートミクロスフェア、(b)架橋アクリレートポリマー、および場合によっては、(c)塗膜を改質するため、あるいは接着剤の性能特性を高めるために、機能的に有効な量の1つまたは複数の補助成分を含む取外し可能かあるいは位置移動が可能である感圧性接着剤組成物であって、ミクロスフェアと架橋アクリレートポリマーの重量比が約0.025:1〜約1.9:1である該組成物がその上に塗布されている、表面基材材料を含む物品に関する。
【0082】
特にトランスファーコーティング法による、本発明の取外し可能かあるいは位置移動が可能である感圧性接着剤組成物がその上に塗布されている表面基材材料の作製において、本発明の水性接着剤組成物と共に使用することができる表面基材材料には、低表面エネルギーおよび高表面エネルギー表面基材材料の両方がある。適切な表面基材材料の例には、紙、ポリオレフィン(たとえばポリエチレンおよびポリプロピレン)、ポリエステル(たとえばポリエチレンテレフタレート)、ポリウレタン、および可塑ポリ塩化ビニルがあるが、これらだけには限られない。表面基材材料は、好ましくは軟質シートまたはフィルムである。
【0083】
本発明の取外し可能かあるいは位置移動が可能である感圧性接着剤組成物が、その上に塗布されている表面基材材料は、本質的に接着不全である不全様式では、低い剥離接着性を示す。剥離接着性は、水性接着剤組成物および支持体に依存する。たとえば、ステンレス鋼を支持体として使用するとき、本発明の接着剤組成物は、接着不全様式で乾燥フィルム剥離値、約0.2〜約2.5ポンド/インチの剥離強度を示す。
【0084】
実施例
実施例1
Tgが低いアクリル乳濁液の調製
当分野で知られている典型的なフリーラジカル重合によって、乳濁液を調製した。
【0085】
重合法において、投入水の一部、界面活性剤(Aerosol NPES 3030、Triton X−305およびAerosol OT)、およびモノマー(アクリル酸ブチル/メタクリル酸メチル/酢酸ビニル/アクリル酸/ジアクリル酸ヘキサンジオール)を最初に混合して、別の遅延投入用タンク中に濃厚で白い予備乳濁液を形成した。2Lのポリ容器に、水の残り、Aerosol NPES 3030の一部、開始剤(過硫酸カリウム)、およびバッファー(重炭酸ナトリウム)を投入した。ポリ容器の混合物が79℃に達するまでポリ容器のジャケットを加熱し、次いで予備乳濁液の遅延投入を開始した。合計遅延投入時間は120分であった。反応温度は82℃に保った。遅延投入の最後に、30分の保持時間中に、85℃まで反応混合物を加熱した。保持時間の後に、反応温度を55℃まで下げ、後酸化還元開始剤系を加えた。次いでバッチを室温まで下げ、他の後添加物を加えた。
【0086】
【表1】
【0087】
生成した乳濁液は、59.8重量%の非揮発性含有量を有していた。Cole Parmer pH/mV/C(pH500シリーズ)メーターを使用して測定したpHは5.0であった。Brookfield LV viscometer Model DV−11を使用して、30rpmで決定した粘度は232cpsであった。Horiba LA−910、Laser Scattering Particle Distribution Analyzerを使用して決定した、平均粒子サイズは0.512ミクロンであった。−50〜60℃、10Hzの周波数で張力のある状態において、Rheometrics Solids Analyzer(RSA II−1)を使用して、ガラス転移温度(Tg)が−19.1℃であると決定した。
【0088】
実施例2
アクリルポリマービーズの調製
水性懸濁重合によって、アクリルポリマービーズを調製した。
【0089】
実施例2.1a
機械的攪拌機、凝縮器、熱電対プローブ、およびガス用インレットポートを備えた2リットルの樹脂製反応器に、脱イオン水740グラムと5グラムの水酸化アンモニウム(28%)でpH8.5に中和したアクリル酸(AA)5グラムの溶液を投入した。別の容器中において、過酸化ベンゾイル(BPO)[Cadet BPO−78(活性78%)、Akzo Nobel Chemicals Inc.]1.0グラムを、245グラムのアクリル酸−2−エチルヘキシル(2−EHA)中に溶かし、次いで反応器に加えた。攪拌は320rpmに設定した。この溶液を窒素を用いて15分間パージし、その後反応の残留物用に、窒素ラインを流体の上に位置移動した。最後に、17.8グラムのドデシル硫酸アンモニウム(ADS)[Rhodapon SB(30%の固溶体)、Rhone−Poulenc]を反応器に加えた。15分間混合した後、反応混合物を65℃に加熱し、1時間保った。1分間当たり約2.2℃の加熱速度の後、反応混合物は20分後に発熱性になり、10分後に静まった。反応混合物を77℃に加熱し、次の2時間保ち、次いで88℃に加熱し、最後の2時間保った。反応混合物を室温に冷却し、400ミクロンのナイロンメッシュフィルタを介して濾過した。
【0090】
実施例2.1b
機械的攪拌機、凝縮器、熱電対プローブ、およびガス用インレットポートを備えた2リットルの樹脂製反応器に、脱イオン水750グラムと10グラムのADSを投入した。この水溶液を350rpmで攪拌し、65℃に加熱した。別の容器中において、1.0グラムのBPOを、245グラムの2−EHAおよび5グラムの酢酸(HOAc−Sigma−Aldrich Co.)中に溶かした。350rpmで攪拌しながら、混合物を温かい水溶液に加えた。そのpHが2.9であることを決定した。反応器の温度を60℃の重合温度まで低下させ、窒素を用いて反応器からガスを抜いた。60℃で8時間後、反応混合物を25℃に冷却し、400ミクロンのナイロンメッシュフィルタを介して濾過した。凝固物の存在はほとんど見られなかった。
【0091】
実施例2.1c
以下のモノマー、触媒および界面活性剤を使用して、実施例2.1aを繰り返した。
【0092】
【表2】
【0093】
実施例3
トランスファーコート可能なPSAの調合
この実施例では、後の試験用に本発明の接着剤を調合する方法を例示する。400mLのガラス容器に、実施例1に記載した方法に従って調製した100グラムの乳濁液、ポリマービーズ、界面活性剤、消泡剤を加え、一緒に攪拌した。この混合物に、粘度調整剤をゆっくりと攪拌しながら加えた。次いで中和剤を使用して、混合物を6と8の間のpHに中和した。
【0094】
【表3】
【0095】
表1に示したように、実施例2.1cに従って作製したビーズを使用して、この実施例3に記載するようにサンプル1〜9を調合した。ただし、アクリル乳濁液とポリマービーズの異なる重量比を使用した。
【0096】
【表4】
【0097】
表2に示したように、この実施例3に記載するようにサンプル10〜14を調合した。ただし、アクリル乳濁液と異なるポリマービーズの異なる重量化を使用した。実施例2.1aおよび2.1bに記載したように、ビーズを作製した。
【0098】
【表5】
【0099】
表3に示したように、他の市販の乳化結合剤を使用する対照サンプルを、この実施例3に記載するように調合した。ただし、使用したこれらの乳化結合剤は、本発明のタイプではなかった。実施例2.1cに記載したように、ビーズを作製した。使用した乳化結合剤は、Solutia Inc.から入手可能なGelva(登録商標)Multipolymer Emulsion 5628であった。
【0100】
【表6】
【0101】
実施例4
性質決定のためのPSA積層品の作製
この実施例は、実施例3、表1、2および3で調合した接着剤を使用した、積層品の作製の仕方を示す。目盛り付き引落しバーを使用してシリコーン処理した表面上に乳濁液を付着させ、その後最初に周囲温度(〜20℃)で15分間乾燥させ、次いで強制循環熱風を用いて90℃で5分間乾燥させることによって、シリコーン処理した剥離ライナー支持体(DCP LOHJA Inc.から市販されている剥離紙1−78 BCSCK−164)上に、PSA組成物の厚さ0.7〜0.8ミルの乾燥フィルムを形成させた。
【0102】
実施例5
PSAの性能特性の試験
この実施例は、実施例3、表1、2および3で調合した接着剤の性能を示す。
【0103】
調合したPSA組成物の特性を、ASTM D 3330−98/PSTC−1から採用した以下の手順に従って測定した。PSAを含む試験積層品(マイラーを有する)を、1インチ(2.5cm)、5.5インチ(14mm)長の細片に切断し、細片を21℃、50%R.H.に24時間条件付けした。剥離紙を取り除き、一度に両方向に、自動4.5ポンド(2.0Kg)Pressure Sensitive Tape Council(PSTC)巻取装置を用いて(12インチ/1分)、細片をステンレス鋼プレートに貼った(プレート当たり細片2個)。ステンレス鋼試験パネルを、21℃、50%R.H.のCTH条件に20分間、24時間および72時間保ち、剥離強度および接着不全様式を決定した。180°の角度でプレートから細片を剥離させることによって、Instron Test Machine(Model No.1125)上で平均剥離強度(ポンド/インチ)を決定した。報告されている結果では、剥離不全の様式を以下のように識別している。「A」は接着不全、すなわち接着剤が支持体から完全に離れることを意味し、「C」は接着剤が半分支持体上に残り、半分表面基材上に残る、粘着不全を意味し、「T」は接着剤がすべて支持体に移動する、移動不全を意味し、あるいは「G」はゴースティング(ghosting)、すなわち、いかなる顕著な程度の粘着性も示さない接着剤からのあるタイプの残留物質が、試験支持体の表面上に付着している不全様式を意味する。「A」の接着不全様式に関する低い剥離値によって、本発明の接着剤組成物を使用して得ることができる所望の性能が示される。
【0104】
【表7】
【0105】
【表8】
【0106】
【表9】
【0107】
表4および5の、サンプル4〜8、11および14の結果によって、試験したすべての条件において、本発明の接着剤には、取外し可能な接着剤としての優れた有用性があることが明らかに示される。何故表5のサンプル13によって、良くないキャスティングの外観が与えられたのかは現在明らかではない。
【0108】
表6の結果によって、本発明のアクリレート乳濁液の範囲外の乳化結合剤を使用すると、試験パネルが長時間保持されているときに、望ましくない性能をもたらす結果となることが明らかに示される。
【0109】
表7に示すように、アクリル乳濁液とポリマービーズの異なる重量比を使用し、実施例3に記載したように調製した接着剤を使用することによって、サンプル18〜20を調製し試験した。ポリマービーズは中実であり、実施例2.1cに記載した手順に従って作製した。アクリル乳濁液は、実施例1に記載した方法に従って調製した。
【0110】
【表10】
【0111】
表7の結果によって、本発明の接着剤には、取外し可能な接着剤として優れた有用性があることがさらに示される。初期状態、および異なる熟成条件下で熟成させた後の接着剤の取外し易さは、いずれも良好である。本発明は、広くさまざまな支持体から容易に取外し可能な状態である、トランスファーコート可能な乳濁液の感圧性接着剤を提供する。接着剤フィルムは支持体に定着するほど充分な粘着性を有するが、過度に結合することはなく、したがって容易に取り外すことが可能であろう。
関連出願
本出願は、参照によって本出願に組み込まれており、2000年6月23日に出願された「Adhesive Compositions」という表題の、以前の仮出願第60/213,862号の優先権を主張する非仮出願である。
【0002】
発明の背景
本発明は、水性の感圧性接着剤(「PSA」)組成物に関するものであり、より詳細には、乾燥した形で取外し可能かあるいは位置移動が可能であり、従来のトランスファーコーティング法において使用するようになされている組成物に関する。
【0003】
位置移動が可能な感圧性接着剤の用途において使用するための、中実および中空の、本来粘着性であるアクリレートポリマーミクロスフェアは、当分野で知られている。「位置移動が可能である」という用語は、接着能力を大幅に失うことなく、繰り返し支持体に接着され、そこから取り外される能力を意味する。
【0004】
このようなミクロスフェア接着剤の紙上への塗布は、典型的には直接的に行われる。しかしながら、水系接着剤を紙上に塗布すると、紙が変形するために、満足できない結果を生み出すことが多い。これは、よく知られているトランスファーコーティング法を使用することによって回避される。水系接着剤を使用するトランスファーコーティング法では、シリコーン剥離コーティング、すなわち「剥離ライナー」を通常含む、連続的な中間支持体層に接着剤組成物を塗布し、次いで組成物を中間支持体上で乾燥させる。次いで乾燥させた接着剤を、積層ステップにおいて、中間支持体から他の層の表面(通常「表面基材」と呼ばれる)に移し、表面基材を通常は連続的に、乾燥させた接着剤上に置き、それに対して押し付けるので、したがってこの2つを分けると、接着剤は剥離ライナーから表面基材に移される。しかしながら、位置移動が可能であるPSAミクロスフェアビーズの性質のために、それらが表面基材にきれいに均一に移ることはなく、むしろ少なくとも部分的に剥離ライナー上に留まる。
【0005】
Tsujimoto他の米国特許第5,877,252号は、ミクロスフェアを機械的に一緒に固定することによって、トランスファーコーティング法の最終ステップの支持体への移動を容易にすると言われている結合剤を水系接着剤組成物中のミクロスフェアに入れることにより、紙の表面基材上にトランスファーコーティングすることの問題を扱っている。
【0006】
広範囲の低表面エネルギーおよび高表面エネルギー両方の表面基材の最終支持体材料に容易にトランスファーコーティングまたは直接塗布することができ、あるいは乾燥オーブン中で取り扱うのが困難であり接着剤を保護するための剥離ライナーも必要とする感熱性またはかさ高な裏材料に容易にトランスファーコーティングすることができる、PSAミクロスフェアを含む水系接着剤組成物の必要性が、当分野で引き続き存在する。
【0007】
発明の概要
現在、PSAミクロスフェアを含む、取外し可能かあるいは位置移動が可能である水系接着剤組成物が発見されており、これは容易にトランスファーコーティングすることができる。
【0008】
したがって、本発明の主な目的は、トランスファーコーティングが可能な水性接着剤PSA組成物を提供することである。
【0009】
他の目的は、異なる接着強度および使用温度を必要とする広範囲の用途に適応させるために調節することができる、組成物を提供することである。
【0010】
他の目的は部分的に明白であり、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から部分的に明らかであろう。
【0011】
本発明によれば、(a)ポリマーアクリレートミクロスフェアの水性懸濁液を約5〜約75重量%、(b)架橋アクリレートポリマーの水性乳濁液を約25〜約95重量%、および場合によっては、(c)塗膜を改質するため、あるいは接着剤の性能特性を高めるために、機能的に有効な量の1つまたは複数の補助成分を含む水性接着剤組成物であって、ミクロスフェアと架橋アクリレートポリマーの重量比が、固体ベースで約0.025:1〜約1.9:1である組成物が提供される。
【0012】
さらに本発明によれば、(a)ポリマーアクリレートミクロスフェア、(b)架橋アクリレートポリマー、および場合によっては、(c)塗膜を改質するため、あるいは接着剤の性能を高めるために、機能的に有効な量の1つまたは複数の補助成分を含み、ミクロスフェアと架橋アクリレートポリマーの重量比が約0.025:1〜約1.9:1である、取外し可能かあるいは位置移動が可能である感圧性接着剤組成物がその上に塗布されている表面基材材料を含む物品が提供される。
【0013】
図面の簡単な説明
該当図面なし
【0014】
発明の詳細な説明
本発明は、さまざまな低表面エネルギー表面基材および高表面エネルギー表面基材上で、取外し可能かつ位置移動が可能である、ラベル、メモ用紙、テープなどの製品を生産する際に、位置移動が可能であり感圧性である接着剤として有用な、水性接着剤組成物を提供する。本発明は、乾燥オーブン中で取り扱うのが困難であり接着剤を保護するための剥離ライナーも必要とする感熱性またはかさ高な裏材料にトランスファーコーティングすることができる、水性接着剤組成物も提供する。
【0015】
本発明の水性接着剤組成物は、表面基材材料上にトランスファーコーティングすることができ、あるいは直接塗布することができる。
【0016】
本発明の第1の実施形態は、(a)ポリマーアクリレートミクロスフェアの水性懸濁液を約5〜約75重量%、(b)架橋アクリレートポリマーの水性乳濁液を約25〜約95重量%、および場合によっては、(c)塗膜を改質するため、あるいは接着剤の性能特性を高めるために、機能的に有効な量の1つまたは複数の補助成分を含む水性接着剤組成物であって、ミクロスフェアと架橋アクリレートポリマーの重量比が、固体ベースで約0.025:1〜約1.9:1である組成物に関する。
【0017】
本発明において使用することができるポリマーアクリレートミクロスフェアには、中実および中空のミクロスフェアがある。本明細書で使用するように、「中実」という用語は、ミクロスフェアの直径の10%より大きい直径を有する内部の隙間または内部の空洞を、ほぼ含まないミクロスフェアを意味するが、ミクロスフェア生成物全体中に検出可能な数の中空または中空に見えるミクロスフェアが存在してもよい。本明細書で使用するように、「中空」という用語は、ミクロスフェアの直径の10%より大きい直径を有する、少なくとも1つの隙間または内部の空洞を含むミクロスフェアを意味する。
【0018】
適切な中空ミクロスフェア、およびそれを調製するための方法の例は、米国特許第5,053,436号および第5,578,650号に記載されており、これらは参照によってその全容が本明細書に組み込まれている。
【0019】
適切な中実ミクロスフェア、およびそれを調製するための方法は、参照によってその全容が本明細書に組み込まれている米国特許第3,691,140号、および以下の説明中に記載されている。適切な中実ミクロスフェアは、以下および実施例中に記載した方法に従って調製することもできる。
【0020】
現在好まれているポリマーアクリレートミクロスフェアは、中実ミクロスフェアである。
【0021】
中実ポリマー感圧性アクリレートミクロスフェアは、懸濁重合法によって調製することができ、この方法は(a)第三級ではないアルコールのアクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステルの少なくとも1つの非イオン性モノマーおよびその非イオン性モノマーと共重合可能な少なくとも1つのイオン性モノマーの重合可能な水性乳濁液と、少なくとも1つの非フリーラジカル重合性の酸を接触させること、ならびに(b)乳濁液を重合させて、中実ポリマー感圧性接着剤ミクロスフェアの水性懸濁液を形成することを含み、かつ前記非イオン性モノマーの約95%の転化率を得る前に、非フリーラジカル重合性の酸を重合可能な水性乳濁液と接触させることを含む。
【0022】
重合可能な水性乳濁液は、水、第三級ではないアルコールのアクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステルの少なくとも1つの非イオン性モノマー、非イオン性モノマーと共重合可能な少なくとも1つのイオン性モノマー、および乳化剤を接触させることによって、調製することができる。
【0023】
あるいは、中実ポリマー感圧性アクリレートミクロスフェアは、懸濁重合法によって調製することができ、この方法は(a)水、第三級ではないアルコールのアクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステルの少なくとも1つの非イオン性モノマー、前記非イオン性モノマーと共重合可能な少なくとも1つのイオン性モノマー、および少なくとも1つの乳化剤を接触させることによって、重合可能な水性乳濁液を形成すること、(b)重合を開始させること、(c)少なくとも1つの非フリーラジカル重合性の酸を加えること、および(d)非フリーラジカル重合性の酸を含む混合物を重合させて、中実ポリマー感圧性接着剤ミクロスフェアを形成することを含み、かつ前記非イオン性モノマーの約95%の転化率を得る前に、非フリーラジカル重合性の酸を重合可能な水性乳濁液に加えることを含む。
【0024】
使用することができる非イオン性モノマーには、第三級ではないアルコールのアクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステルがある。アクリル酸アルキルモノマーまたはメタクリル酸アルキルモノマーのアルキル基は、4〜約14個の炭素原子、好ましくは4〜約10個の炭素原子、より好ましくは4〜約8個の炭素原子を有する、線状または分枝アルキル基である。このようなアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルは親油性、水乳化性であり、限られた水溶性を有し、ホモポリマーとして、約−20℃未満のガラス転移温度を一般に有する。このクラスのモノマーの例には、単独の、あるいは混合した、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸4−メチル−2−ペンチル、アクリル酸2−メチルブチル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸イソデシル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸イソデシルなどがあるが、これらだけには限られない。
【0025】
現在好まれている非イオン性モノマーはアクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−ブチル、およびこれらの混合物であり、アクリル酸2−エチルヘキシルが最も好ましい。
【0026】
使用することができるイオン性モノマーは、非イオン性モノマーと共重合可能であり、水溶性であり、実質的に油不溶性であるイオン性モノマーである。実質的に油不溶性であり水溶性であるとは、モノマーが0.5重量%未満の溶解度を有し、所与の温度で(好ましくは50°〜65℃)油相モノマーの溶解度と水性相の溶解度の分配比(D)が約0.005未満であることを意味する。すなわち、
D=有機層の全体の濃度/水性層の全体の濃度
このようなイオン性モノマーには、モノオレフィンモノカルボン酸、モノオレフィンジカルボン酸、またはこれらの混合物から選択される酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩またはアミン塩がある。
【0027】
好ましいアルカリ金属塩は、ナトリウム塩およびカリウム塩である。
【0028】
適切なアミン塩には、任意の水溶性アミン含有有機化合物から誘導されるカチオンがある。適切なアミン塩の例には、それぞれのRが独立に水素、1〜10個の炭素原子を有するアルキル、2〜10個の炭素原子を有するアミノアルキル、または2〜10個の炭素原子を有するヒドロキシアルキルであるが、ただしRの少なくとも1つは水素ではない、式(R)4N+によって表されるカチオンがあるが、これだけには限られない。(R)4N+は第一級、第二級または第三級アンモニウム、または第四級アンモニウムであってよい。アミン塩は、トリエタノールアンモニウムであることが好ましい。
【0029】
現在好まれている塩は、アルカリ金属塩およびアンモニウム塩であり、ナトリウム塩およびアンモニウム塩が最も好ましい。
【0030】
適切なイオン性モノマーの例には、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、およびこれらの混合物の塩があるが、これらだけには限られない。現在好まれている酸は、アクリル酸およびメタクリル酸であり、アクリル酸が最も好ましい。
【0031】
イオン性モノマーを重合反応混合物に直接加えることができ、あるいはモノオレフィンモノカルボン酸、モノオレフィンジカルボン酸、またはこれらの混合物、およびアルカリ金属水酸化物、水酸化アンモニウムまたはアミンから選択される化合物を加えることによって、in situで形成することができる。イオン性モノマーがin situで形成されると、非フリーラジカル重合性の酸は、イオン性モノマーが形成された後に、重合可能な水性乳濁液と接触する。
【0032】
コポリマーミクロスフェアの組成は、重合に投入する非イオン性モノマーおよびイオン性モノマーの量によって表すことができる。投入する非イオン性モノマーおよびイオン性モノマーの量は、重合に投入するモノマー全体に基づく重量%によって表すことができる。広義には、投入するモノマーは約85〜約99.5重量%の非イオン性モノマーおよび約0.5〜約15重量%のイオン性モノマー、好ましくは約90〜約99.5重量%の非イオン性モノマーおよび約0.5〜約10重量%のイオン性モノマー、より好ましくは約94〜約98重量%の非イオン性モノマーおよび約2〜約6重量%のイオン性モノマーを含む。
【0033】
使用することができる非フリーラジカル重合性の酸には、当分野で知られている、フリーラジカルによって重合しない任意の多数の酸がある。典型的には、フリーラジカルによって重合しない酸は、炭素−炭素二重結合を含まず、有機性または無機性のいずれであってもよい。適切な非フリーラジカル重合性の酸の例には、酢酸、ヘキサン酸、フェニルウンデカン酸、ステアリン酸、塩酸、硫酸またはこれらの混合物があるが、これらだけには限られない。現在好まれている非フリーラジカル重合性の酸は、それを用いて優れた結果が得られるために、硫酸である。
【0034】
広義には、生成する重合反応混合物中でpHメーターを使用して測定し、約6未満、好ましくは約4未満のpHを与えるのに十分な量の、非フリーラジカル重合性の酸が提供される。
【0035】
前述したイオン性モノマーがin situで形成される場合を除き、非フリーラジカル重合性の酸は、非イオン性モノマーの約95%の転化率、好ましくは約90%の転化率を得る前の任意の時に、重合反応混合物に加えることができる。現在は、重合の開始後に、非フリーラジカル重合性の酸を加えることが好ましい。たとえば、非イオン性モノマーの約5%〜約15%の転化率を得た後で、非フリーラジカル重合性の酸を重合反応混合物に加えることができる。
【0036】
懸濁重合を行うことができる任意の従来型の反応容器中で、重合反応を行うことができる。重合において使用する反応容器の熱除去能力が、反応の発熱性によって重合混合物の温度が、温度を調節するために使用する熱伝達流体の温度を超えるようにする能力である場合、重合混合物の温度が温度を調節するために使用する熱伝達流体の温度を超える時間を、本明細書では「発熱」と呼ぶ。直前に記載したような重合反応温度プロフィールを使用して、重合容器中で重合を行う場合は、本発明のミクロスフェアの接着伝達性を最高にするために、発熱中に非フリーラジカル重合性の酸を加えることが好ましい。
【0037】
発熱が起こらないほど十分な熱除去能力を重合反応容器が有している場合、重合の開始後に、非フリーラジカル重合性の酸を加えることが現在好まれている。
【0038】
この方法は、ミセルを形成するのに必要な最小乳化剤濃度として定義される、臨界ミセル濃度を超える濃度の、少なくとも1つの乳化剤を使用する。この濃度はそれぞれの乳化剤でわずかに異なり、使用可能な濃度は典型的には約0.0001〜約3.0モル/リットルの範囲である。
【0039】
使用することができる乳化剤、すなわち界面活性剤にはアニオン性、非イオン性、カチオン性、両性乳化剤およびこれらの混合物がある。アニオン性乳化剤が現在は好まれている。適切なアニオン性乳化剤の例には、アルキルアリールスルホン酸(たとえば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)、硫酸アルキル(たとえば、硫酸ドデシルナトリウム、硫酸ドデシルアンモニウム)、エトキシル化アルコールの硫酸塩(たとえば、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム)、エトキシル化アルキルフェノールの硫酸塩およびスルホン酸塩(たとえば、アルキルアリールポリエーテルスルホン酸のナトリウム塩)、スルホコハク酸塩(たとえば、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム)、ジフェニルスルホン酸塩(たとえば、ジスルホン酸ドデシルジフェニルオキシドナトリウム)、およびこれらの混合物があるが、これらだけには限られない。適切な非イオン性乳化剤の例には、エトキシル化アルコール(たとえば、エトキシル化オレイルアルコール)、エトキシル化アルキルフェノール(たとえば、ノニルフェノールエトキシレート)およびこれらの混合物があるが、これらだけには限られない。適切なカチオン性乳化剤の例には、エトキシル化脂肪アミン(たとえば、エトキシル化獣脂アミン)があるが、これらだけには限られない。
【0040】
本発明の方法は、油溶性で水溶性が非常に低い少なくとも1つの重合開始剤も使用する。油溶性で実質的に水溶性ではない重合開始剤は、正常ではアクリレートモノマーのフリーラジカル重合に関して許容でき、当分野でよく知られている開始剤である。油溶性で実質的に水溶性ではない重合開始剤の典型的な濃度は、重合に投入する非イオン性モノマーおよびイオン性モノマーの合計重量の、約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約0.1重量%〜約5重量%である。
【0041】
使用することができる、油溶性で実質的に水溶性ではない重合開始剤には、アゾ化合物、過酸化物など、およびこれらの混合物がある。アゾ化合物の例には、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(E.I.duPont de Nemours and CompanyからのVAZO64)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(E.I.duPont de Nemours and CompanyからのVAZO67)、およびこれらの混合物があるが、これらだけには限られない。過酸化物の例には、ベンゾイル過酸化物(Akzo Nobel Chemicals Inc.からのCadet BPO)、ジ−(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネート、(Akzo Nobel Chemicals Inc.からのTrigonox EHP)、およびこれらの混合物があるが、これらだけには限られない。
【0042】
油溶性で実質的に水溶性ではない重合開始剤は、重合可能な水性乳濁液に加えることができ、非フリーラジカル重合性の酸を重合可能な水性乳濁液と接触させる前または後に、重合を開始させる。油溶性で実質的に水溶性ではない重合開始剤を加え、非フリーラジカル重合性の酸を重合可能な水性乳濁液と接触させる前に、重合を開始させることが現在好まれている。
【0043】
熱または放射を加えることなどによる、当業者に知られている任意の従来的な方法によって、重合を開始することができる。開始の方法は、使用する油溶性で実質的に水溶性ではない重合開始剤に依存し、当業者には容易に明らかであろう。
【0044】
本発明の方法は、場合によっては、少なくとも1つの水溶性開始剤を使用する。このような水溶性重合開始剤は、当分野でよく知られている。水溶性重合開始剤は単独で使用することができ、あるいは重亜硫酸塩、メタ重亜硫酸塩、アスコルビン酸、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、硫酸鉄(II)、硫酸鉄(II)アンモニウム、エチレンジアミン四酢酸鉄(III)などの、1つまたは複数の従来の還元剤と組み合わせて使用することができる。本発明の方法において使用する水溶性重合開始剤の濃度は、残留未転化水溶性イオン性モノマーをさらに還元するのに有効な量である。典型的には、水溶性重合開始剤の濃度は、重合に投入する非イオン性モノマーおよびイオン性モノマーの合計重量の、約0.04〜約5重量%、好ましくは約0.05〜約2重量%である。
【0045】
使用することができる水溶性重合開始剤には、水溶性の過硫酸塩、過酸化物、アゾ化合物など、およびこれらの混合物がある。水溶性開始剤の例には、過硫酸塩(たとえば、過硫酸カリウム、および過硫酸ナトリウム)、過酸化物(たとえば、過酸化水素、およびtert−ブチルヒドロペルオキシド)、およびアゾ化合物(たとえば、4,4’−アゾビス(4−シアノ−ペンタン酸)、Wako ChemicalsからのV−501)があるが、これらだけには限られない。現在、好ましい水溶性重合開始剤は過硫酸塩であり、過硫酸カリウムが特に好ましい。
【0046】
水溶性重合開始剤は、非イオン性モノマーの約90%の転化率、好ましくは約95%の転化率を得た後に、重合混合物に加えることができる。反応の発熱性によって重合混合物の温度が、温度を調節するために使用する熱伝達流体の温度を超えるように、重合容器中で重合を行うときは、水溶性重合開始剤を発熱後に加えることができる。
【0047】
水を使用して、これらの方法において使用する重合可能な水性乳濁液を調製する。必要ではないが、イオン含有量の少ない水を使用することが現在好まれている。
【0048】
重合温度は、油溶性で実質的に水溶性ではない重合開始剤の選択、および開始の方法に依存し、当業者には容易に明らかであろう。たとえば、過酸化ベンゾイルを、油溶性で実質的に水溶性ではない重合開始剤として使用する場合、重合温度は典型的には約60℃〜約90℃の範囲である。
【0049】
重合時間とは、他の反応条件、たとえば温度プロフィール、および反応成分、たとえばモノマー、開始剤などに基づいて、所望の転化率を得るのに必要な時間である。重合時間は、当業者には容易に明らかであろう。
【0050】
不活性雰囲気下において大気圧で、重合を行うことが好ましい。適切な不活性ガスには窒素、アルゴン、二酸化炭素、ヘリウム、クリプトン、キセノン、およびネオンがあり、窒素が好ましい。しかしながら望むならば、高圧で重合を行うことができる。酸素が含まれる雰囲気下において重合を行うこともできるであろうが、これは好ましくない。なぜなら、酸素が存在することによって重合が阻害されるからである。重合混合物が酸素を含む場合、重合反応が起こる可能性がある前に、酸素を排除するかあるいは消費しなければならない。
【0051】
重合の後に、室温条件下で、コポリマーミクロスフェアの水性懸濁液を安定化させて、凝集または凝固させる。コポリマーミクロスフェアの懸濁液は典型的には、約10〜約50重量%、好ましくは約20〜約40重量%の固体含有率を有する。
【0052】
攪拌によって引き起こされるせん断応力を使用して、粒子サイズを効果的に調節する。十分なせん断応力を引き起こして、約200μmより小さい、好ましくは約100μmより小さい、より好ましくは約15μm〜約50μmの平均粒子サイズを有するミクロスフェアを提供することが現在は好まれる。せん断応力のレベルが高すぎると、形成される粒子は非常に細かく、支持体に適度な塗布重量で加えると連続的なフィルムのように働く傾向がある。ミクロスフェアが小さすぎる場合、接着が大きくなり接着の増大が起こる。せん断応力が小さすぎる場合、サイズの大きすぎる粒子が形成されるであろう。ミクロスフェアが大きすぎる場合、接着の移動がさらに起こる。好ましくは、約200μmより小さい平均粒子サイズを有するミクロスフェアを提供するほど十分な、せん断速度を使用すべきである。
【0053】
当業者に知られている任意の従来の回収技法を使用してミクロスフェアを回収することができ、あるいは最終重合反応混合物からのミクロスフェアの水性分散液を直接使用することができる。最終重合反応混合物からのミクロスフェアの水性分散液を直接使用して、本質的に粘着性である本発明の感圧性水性接着剤組成物において使用するための、ポリマーアクリレートミクロスフェアの水性懸濁液を提供することが現在は好まれる。
【0054】
本発明の架橋アクリレートポリマーの水性乳濁液は、ガラス転移温度(Tg)が低いアクリル乳化ポリマーである。広義には、本発明の架橋アクリレートポリマーのTgは0℃未満、好ましくは約−10℃〜約−50℃である。当業者に知られている任意の従来のフリーラジカル重合によって、架橋アクリレートポリマーの乳濁液を調製することができる。
【0055】
Tgが低い本発明のアクリル乳化ポリマーは、場合によっては他の重合可能なモノマーの存在下での、アクリル酸アルキルモノマーとオレフィン性多官能性モノマーの重合生成物である。Tgが低いアクリル乳化ポリマー組成物は(重合に投入するすべてのモノマーに基づき)、約50〜約99.9重量%、好ましくは約60〜約98重量%のアクリル酸アルキルモノマー、約0.1〜約1重量%、好ましくは約0.15〜約0.5重量%の多官能性モノマー、および0〜約49.9重量%、好ましくは約1.5〜約39.85重量%の他の重合可能なモノマーからなる。
【0056】
アクリル酸アルキルモノマーのアルキル基は、4〜約14個の炭素原子、好ましくは4〜約10個の炭素原子、より好ましくは4〜約8個の炭素原子を有する、線状または分枝アルキル基である。このクラスのモノマーの例には、単独の、あるいは混合した、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸4−メチル−2−ペンチル、アクリル酸2−メチルブチル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−デシル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸n−ラウリルなどがあるが、これらだけには限られない。
【0057】
現在好まれているアクリル酸アルキルモノマーは、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−ブチル、およびこれらの混合物である。
【0058】
多官能性モノマーは、ジアクリル酸(塩)、ジメタクリル酸(塩)、トリメタクリル酸(塩)、ジビニルベンゼンを含めた多官能性モノマー、またはフリーラジカル乳化重合の条件下で反応性がある多数のオレフィン不飽和体を有するモノマーの群から選択される、架橋モノマーである。
【0059】
適切な多官能性モノマーの例には、ジアクリル酸エチレングリコール、ジアクリル酸プロピレングリコール、メタクリル酸アリル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテルアルコール、ジアクリル酸ヘキサンジオール、ジアクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸ジエチレングリコール、ジメタクリル酸1,3ブタングリコール、トリメタクリル酸ペンタエリトリトール、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン、およびこれらの混合物があるが、これらだけには限られない。現在好まれている多官能性モノマーは、ジアクリル酸ヘキサンジオール(HDDA)およびメタクリル酸アリルである。
【0060】
適切な他の重合可能なモノマーは、メタクリル酸、スチレンのアルキルエステル、不飽和モノカルボン酸のアリルエステル、ビニルエステル、ビニルエ−テル、アクリル酸およびメタクリル酸のヒドロキシル含有アルキルエステル、モノエチレン性不飽和ジカルボン酸、エチレン性不飽和モノカルボン酸およびポリカルボン酸のジアルキルエステル、およびこれらの無水物またはニトリルから選択される。現在好まれている他の重合可能なモノマーは、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル、およびこれらの混合物である。
【0061】
Tgが低いアクリル乳化ポリマーは、非イオン性界面活性剤およびアニオン性界面活性剤などの、多くの界面活性成分の存在下で調製することができる。
【0062】
代表的な架橋アクリレートポリマーの乳濁液、およびその調製方法は、米国特許第5,763,555号(Skoglund)、第3,971,766号(Ono他)、第3,998,997号(Mowdood他)、第4,151,147号(Neuschwanter他)、および第4,507,429号(Lenny)に記載されており、これらはすべて、参照によってその全容が本明細書に組み込まれている。
【0063】
ポリマーアクリレートミクロスフェアの水性懸濁液中の、ポリマーアクリレートミクロスフェアの固体重量パーセントは、約10〜約50重量%、好ましくは約20〜約40重量%である。架橋アクリレートポリマーの水性乳濁液中の、架橋アクリレートポリマーの固体重量パーセントは、約40〜約65重量%、好ましくは約50〜約60重量%である。
【0064】
本発明の水性接着剤組成物は、ポリマーアクリレートミクロスフェアの水性懸濁液を約5〜約75重量%、好ましくは約40〜約75重量%、架橋アクリレートポリマーの水性乳濁液を約25〜約95重量%、好ましくは約25〜約60重量%含む。ミクロスフェアと架橋アクリレートポリマーの重量比は固体ベースで、約0.025:1〜約1.9:1、好ましくは約0.03:1〜約1.6:1である。
【0065】
本発明の水性接着剤組成物中の任意選択の補助成分は、界面活性剤、消泡剤、粘度調整剤、中和剤、流れ調整剤、安定剤または粘着性付与剤から選択される。本発明の好ましい水性接着剤組成物は、少なくとも1つの界面活性剤、少なくとも1つの消泡剤、少なくとも1つの粘度調整剤、および少なくとも1つの中和剤を含む。
【0066】
本発明の水性接着剤組成物中に界面活性剤が存在する場合、接着剤の表面エネルギー/表面張力を低下させるため、特に表面エネルギーが低い表面、たとえばポリオレフィンおよびポリエステルに塗布するのに効果的な量で存在する。界面活性剤を使用するとき、その濃度は典型的には、ポリマーアクリレートミクロスフェアの水性懸濁液と架橋アクリレートポリマーの水性乳濁液の合計重量の、約0.1〜約1.15重量%、好ましくは約0.2〜約0.9重量%である。
【0067】
このような界面活性剤は、当分野でよく知られている。適切な界面活性剤の例には、オレフィンスルホン酸、硫酸アルキル、スルホコハク酸エステル、硫酸ポリグリコールエーテル、リン酸(塩)などのアニオン性界面活性剤、ノニルフェノールエトキシレート、アルキルエトキシレート、アルコキシレートなどの非イオン性界面活性剤、およびこれらの混合物があるが、これらだけには限られない。
【0068】
本発明の水性接着剤組成物中に消泡剤が存在する場合、発泡を阻害するのに効果的な量で存在する。消泡剤を使用するとき、その濃度は典型的には、ポリマーアクリレートミクロスフェアの水性懸濁液と架橋アクリレートポリマーの水性乳濁液の合計重量の、約0.05〜約0.4重量%、好ましくは約0.1〜約0.25重量%である。
【0069】
このような消泡剤は、当分野でよく知られている。適切な消泡剤の例には、脂肪酸アミド、エステル、エステルアミド、ポリアルキレングリコール、有機リン酸(塩)、脂肪酸の金属せっけん、シリコーン油、疎水性シリカ、およびこれらの混合物があるが、これらだけには限られない。
【0070】
本発明の水性接着剤組成物中に粘度調整剤が存在する場合、加工要件のために水性接着剤組成物の粘度を増大させるのに効果的な量で存在する。粘度調整剤を使用するとき、その濃度は典型的には、ポリマーアクリレートミクロスフェアの水性懸濁液と架橋アクリレートポリマーの水性乳濁液の合計重量の、約1〜約5重量%、好ましくは約1.5〜約4重量%である。
【0071】
このような粘度調整剤は、当分野でよく知られている。適切な粘度調整剤の例には、アルカリ可溶性または膨潤性アクリル乳化コポリマー、ウレタンブロックコポリマー、セルロース誘導体、ポリ(エチレンオキシド)ポリマー、多糖、およびこれらの混合物があるが、これらだけには限られない。
【0072】
本発明の水性接着剤組成物中に中和剤が存在する場合、加工要件のために水性接着剤組成物のpHを調節するのに効果的な量で存在する。中和剤を使用するとき、その濃度は典型的には、ポリマーアクリレートミクロスフェアの水性懸濁液と架橋アクリレートポリマーの水性乳濁液の合計重量の、約0.1〜約0.5重量%、好ましくは約0.1〜約0.35重量%である。
【0073】
このような中和剤は、当分野でよく知られている。適切な中和剤の例には、アルカリ金属塩基、アンモニア、n−ヘキシルアミン、モノエタノールアミン、2−アミノメチル−1−プロパノール、ヘキサメチレンジアミンなどのアミン、およびこれらの混合物があるが、これらだけには限られない。
【0074】
本発明の水性接着剤組成物中に流れ調整剤が存在する場合、加工中に水性接着剤組成物のより良い均展性を得るのに効果的な量で存在する。流れ調整剤を使用するとき、その濃度は典型的には、ポリマーアクリレートミクロスフェアの水性懸濁液と架橋アクリレートポリマーの水性乳濁液の合計重量の、約0.25〜約3重量%、好ましくは約0.5〜約2重量%である。
【0075】
このような流れ調整剤は、当分野でよく知られている。適切な流れ調整剤の例には、アセチレングリコール、アクリル酸コポリマー、カルボン酸エステル、ポリシロキサンポリエーテルコポリマー、およびこれらの混合物があるが、これらだけには限られない。
【0076】
本発明の水性接着剤組成物中に安定剤が存在する場合、使用条件下での接着剤組成物の安定性を高めるのに効果的な量で存在する。安定剤を使用するとき、その濃度は典型的には、ポリマーアクリレートミクロスフェアの水性懸濁液と架橋アクリレートポリマーの水性乳濁液の合計重量の、約0.1〜約1重量%、好ましくは約0.1〜約0.5重量%である。
【0077】
このような安定剤、たとえば紫外線安定剤は、当分野でよく知られている。適切な安定剤の例には、紫外光吸収剤(UVA)、ヒンダードアミン光安定剤(HALS)、酸化防止剤(AO)、およびこれらの混合物があるが、これらだけには限られない。
【0078】
本発明の水性接着剤組成物中に粘着付与剤が存在する場合、水性接着剤組成物の粘着性を高めるのに効果的な量で存在する。粘着付与剤を使用するとき、その濃度は典型的には、ポリマーアクリレートミクロスフェアの水性懸濁液と架橋アクリレートポリマーの水性乳濁液の合計重量の、約5〜約40重量%、好ましくは約5〜約25重量%である。
【0079】
このような粘着付与剤は、当分野でよく知られている。適切な粘着付与剤の例には、ロジンエステル、ロジン酸、炭化水素樹脂、およびこれらの混合物があるが、これらだけには限られない。
【0080】
本発明の水性接着剤組成物は、当分野でよく知られている従来のトランスファーコーティング法を使用して、広くさまざまな表面基材材料上にトランスファーコーティングすることができる。典型的なトランスファーコーティング法は、Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology、(Donatas Satas)、Second Edition 1989.Van Nostrand Reinhold中に開示されている。トランスファーコーティングは、乾燥オーブン中で取り扱うのが困難であり接着剤を保護するための剥離ライナーも必要とする感熱性またはかさ高な裏材料に、接着剤を塗布するためにも使用される。さらに、本発明の水性接着剤組成物は、広くさまざまな表面基材材料上に直接塗布することができる。
【0081】
本発明の第2の実施形態は、(a)ポリマーアクリレートミクロスフェア、(b)架橋アクリレートポリマー、および場合によっては、(c)塗膜を改質するため、あるいは接着剤の性能特性を高めるために、機能的に有効な量の1つまたは複数の補助成分を含む取外し可能かあるいは位置移動が可能である感圧性接着剤組成物であって、ミクロスフェアと架橋アクリレートポリマーの重量比が約0.025:1〜約1.9:1である該組成物がその上に塗布されている、表面基材材料を含む物品に関する。
【0082】
特にトランスファーコーティング法による、本発明の取外し可能かあるいは位置移動が可能である感圧性接着剤組成物がその上に塗布されている表面基材材料の作製において、本発明の水性接着剤組成物と共に使用することができる表面基材材料には、低表面エネルギーおよび高表面エネルギー表面基材材料の両方がある。適切な表面基材材料の例には、紙、ポリオレフィン(たとえばポリエチレンおよびポリプロピレン)、ポリエステル(たとえばポリエチレンテレフタレート)、ポリウレタン、および可塑ポリ塩化ビニルがあるが、これらだけには限られない。表面基材材料は、好ましくは軟質シートまたはフィルムである。
【0083】
本発明の取外し可能かあるいは位置移動が可能である感圧性接着剤組成物が、その上に塗布されている表面基材材料は、本質的に接着不全である不全様式では、低い剥離接着性を示す。剥離接着性は、水性接着剤組成物および支持体に依存する。たとえば、ステンレス鋼を支持体として使用するとき、本発明の接着剤組成物は、接着不全様式で乾燥フィルム剥離値、約0.2〜約2.5ポンド/インチの剥離強度を示す。
【0084】
実施例
実施例1
Tgが低いアクリル乳濁液の調製
当分野で知られている典型的なフリーラジカル重合によって、乳濁液を調製した。
【0085】
重合法において、投入水の一部、界面活性剤(Aerosol NPES 3030、Triton X−305およびAerosol OT)、およびモノマー(アクリル酸ブチル/メタクリル酸メチル/酢酸ビニル/アクリル酸/ジアクリル酸ヘキサンジオール)を最初に混合して、別の遅延投入用タンク中に濃厚で白い予備乳濁液を形成した。2Lのポリ容器に、水の残り、Aerosol NPES 3030の一部、開始剤(過硫酸カリウム)、およびバッファー(重炭酸ナトリウム)を投入した。ポリ容器の混合物が79℃に達するまでポリ容器のジャケットを加熱し、次いで予備乳濁液の遅延投入を開始した。合計遅延投入時間は120分であった。反応温度は82℃に保った。遅延投入の最後に、30分の保持時間中に、85℃まで反応混合物を加熱した。保持時間の後に、反応温度を55℃まで下げ、後酸化還元開始剤系を加えた。次いでバッチを室温まで下げ、他の後添加物を加えた。
【0086】
【表1】
【0087】
生成した乳濁液は、59.8重量%の非揮発性含有量を有していた。Cole Parmer pH/mV/C(pH500シリーズ)メーターを使用して測定したpHは5.0であった。Brookfield LV viscometer Model DV−11を使用して、30rpmで決定した粘度は232cpsであった。Horiba LA−910、Laser Scattering Particle Distribution Analyzerを使用して決定した、平均粒子サイズは0.512ミクロンであった。−50〜60℃、10Hzの周波数で張力のある状態において、Rheometrics Solids Analyzer(RSA II−1)を使用して、ガラス転移温度(Tg)が−19.1℃であると決定した。
【0088】
実施例2
アクリルポリマービーズの調製
水性懸濁重合によって、アクリルポリマービーズを調製した。
【0089】
実施例2.1a
機械的攪拌機、凝縮器、熱電対プローブ、およびガス用インレットポートを備えた2リットルの樹脂製反応器に、脱イオン水740グラムと5グラムの水酸化アンモニウム(28%)でpH8.5に中和したアクリル酸(AA)5グラムの溶液を投入した。別の容器中において、過酸化ベンゾイル(BPO)[Cadet BPO−78(活性78%)、Akzo Nobel Chemicals Inc.]1.0グラムを、245グラムのアクリル酸−2−エチルヘキシル(2−EHA)中に溶かし、次いで反応器に加えた。攪拌は320rpmに設定した。この溶液を窒素を用いて15分間パージし、その後反応の残留物用に、窒素ラインを流体の上に位置移動した。最後に、17.8グラムのドデシル硫酸アンモニウム(ADS)[Rhodapon SB(30%の固溶体)、Rhone−Poulenc]を反応器に加えた。15分間混合した後、反応混合物を65℃に加熱し、1時間保った。1分間当たり約2.2℃の加熱速度の後、反応混合物は20分後に発熱性になり、10分後に静まった。反応混合物を77℃に加熱し、次の2時間保ち、次いで88℃に加熱し、最後の2時間保った。反応混合物を室温に冷却し、400ミクロンのナイロンメッシュフィルタを介して濾過した。
【0090】
実施例2.1b
機械的攪拌機、凝縮器、熱電対プローブ、およびガス用インレットポートを備えた2リットルの樹脂製反応器に、脱イオン水750グラムと10グラムのADSを投入した。この水溶液を350rpmで攪拌し、65℃に加熱した。別の容器中において、1.0グラムのBPOを、245グラムの2−EHAおよび5グラムの酢酸(HOAc−Sigma−Aldrich Co.)中に溶かした。350rpmで攪拌しながら、混合物を温かい水溶液に加えた。そのpHが2.9であることを決定した。反応器の温度を60℃の重合温度まで低下させ、窒素を用いて反応器からガスを抜いた。60℃で8時間後、反応混合物を25℃に冷却し、400ミクロンのナイロンメッシュフィルタを介して濾過した。凝固物の存在はほとんど見られなかった。
【0091】
実施例2.1c
以下のモノマー、触媒および界面活性剤を使用して、実施例2.1aを繰り返した。
【0092】
【表2】
【0093】
実施例3
トランスファーコート可能なPSAの調合
この実施例では、後の試験用に本発明の接着剤を調合する方法を例示する。400mLのガラス容器に、実施例1に記載した方法に従って調製した100グラムの乳濁液、ポリマービーズ、界面活性剤、消泡剤を加え、一緒に攪拌した。この混合物に、粘度調整剤をゆっくりと攪拌しながら加えた。次いで中和剤を使用して、混合物を6と8の間のpHに中和した。
【0094】
【表3】
【0095】
表1に示したように、実施例2.1cに従って作製したビーズを使用して、この実施例3に記載するようにサンプル1〜9を調合した。ただし、アクリル乳濁液とポリマービーズの異なる重量比を使用した。
【0096】
【表4】
【0097】
表2に示したように、この実施例3に記載するようにサンプル10〜14を調合した。ただし、アクリル乳濁液と異なるポリマービーズの異なる重量化を使用した。実施例2.1aおよび2.1bに記載したように、ビーズを作製した。
【0098】
【表5】
【0099】
表3に示したように、他の市販の乳化結合剤を使用する対照サンプルを、この実施例3に記載するように調合した。ただし、使用したこれらの乳化結合剤は、本発明のタイプではなかった。実施例2.1cに記載したように、ビーズを作製した。使用した乳化結合剤は、Solutia Inc.から入手可能なGelva(登録商標)Multipolymer Emulsion 5628であった。
【0100】
【表6】
【0101】
実施例4
性質決定のためのPSA積層品の作製
この実施例は、実施例3、表1、2および3で調合した接着剤を使用した、積層品の作製の仕方を示す。目盛り付き引落しバーを使用してシリコーン処理した表面上に乳濁液を付着させ、その後最初に周囲温度(〜20℃)で15分間乾燥させ、次いで強制循環熱風を用いて90℃で5分間乾燥させることによって、シリコーン処理した剥離ライナー支持体(DCP LOHJA Inc.から市販されている剥離紙1−78 BCSCK−164)上に、PSA組成物の厚さ0.7〜0.8ミルの乾燥フィルムを形成させた。
【0102】
実施例5
PSAの性能特性の試験
この実施例は、実施例3、表1、2および3で調合した接着剤の性能を示す。
【0103】
調合したPSA組成物の特性を、ASTM D 3330−98/PSTC−1から採用した以下の手順に従って測定した。PSAを含む試験積層品(マイラーを有する)を、1インチ(2.5cm)、5.5インチ(14mm)長の細片に切断し、細片を21℃、50%R.H.に24時間条件付けした。剥離紙を取り除き、一度に両方向に、自動4.5ポンド(2.0Kg)Pressure Sensitive Tape Council(PSTC)巻取装置を用いて(12インチ/1分)、細片をステンレス鋼プレートに貼った(プレート当たり細片2個)。ステンレス鋼試験パネルを、21℃、50%R.H.のCTH条件に20分間、24時間および72時間保ち、剥離強度および接着不全様式を決定した。180°の角度でプレートから細片を剥離させることによって、Instron Test Machine(Model No.1125)上で平均剥離強度(ポンド/インチ)を決定した。報告されている結果では、剥離不全の様式を以下のように識別している。「A」は接着不全、すなわち接着剤が支持体から完全に離れることを意味し、「C」は接着剤が半分支持体上に残り、半分表面基材上に残る、粘着不全を意味し、「T」は接着剤がすべて支持体に移動する、移動不全を意味し、あるいは「G」はゴースティング(ghosting)、すなわち、いかなる顕著な程度の粘着性も示さない接着剤からのあるタイプの残留物質が、試験支持体の表面上に付着している不全様式を意味する。「A」の接着不全様式に関する低い剥離値によって、本発明の接着剤組成物を使用して得ることができる所望の性能が示される。
【0104】
【表7】
【0105】
【表8】
【0106】
【表9】
【0107】
表4および5の、サンプル4〜8、11および14の結果によって、試験したすべての条件において、本発明の接着剤には、取外し可能な接着剤としての優れた有用性があることが明らかに示される。何故表5のサンプル13によって、良くないキャスティングの外観が与えられたのかは現在明らかではない。
【0108】
表6の結果によって、本発明のアクリレート乳濁液の範囲外の乳化結合剤を使用すると、試験パネルが長時間保持されているときに、望ましくない性能をもたらす結果となることが明らかに示される。
【0109】
表7に示すように、アクリル乳濁液とポリマービーズの異なる重量比を使用し、実施例3に記載したように調製した接着剤を使用することによって、サンプル18〜20を調製し試験した。ポリマービーズは中実であり、実施例2.1cに記載した手順に従って作製した。アクリル乳濁液は、実施例1に記載した方法に従って調製した。
【0110】
【表10】
【0111】
表7の結果によって、本発明の接着剤には、取外し可能な接着剤として優れた有用性があることがさらに示される。初期状態、および異なる熟成条件下で熟成させた後の接着剤の取外し易さは、いずれも良好である。本発明は、広くさまざまな支持体から容易に取外し可能な状態である、トランスファーコート可能な乳濁液の感圧性接着剤を提供する。接着剤フィルムは支持体に定着するほど充分な粘着性を有するが、過度に結合することはなく、したがって容易に取り外すことが可能であろう。
Claims (21)
- (a)ポリマーアクリレートミクロスフェアの水性懸濁液を約5〜約75重量%、
(b)架橋アクリレートポリマーの水性乳濁液を約25〜約95重量%、および場合によっては、
(c)塗膜を改質するため、あるいは接着剤の性能特性を高めるために、機能的に有効な量の1つまたは複数の補助成分を含む水性接着剤組成物であって、
ミクロスフェアと架橋アクリレートポリマーの重量比が固体ベースで約0.025:1〜約1.9:1である組成物。 - 前記ポリマーアクリレートミクロスフェアの水性懸濁液を約40〜約75重量%、および前記架橋アクリレートポリマーの水性乳濁液を約25〜約60重量%含む請求項1に記載の組成物。
- ミクロスフェアと架橋アクリレートポリマーの重量比が固体ベースで約0.03:1〜約1.6:1である請求項1に記載の組成物。
- 前記ポリマーアクリレートミクロスフェアが中実である請求項1に記載の組成物。
- 前記ポリマーアクリレートミクロスフェアが、
(a)第三級ではないアルコールのアクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステルの少なくとも1つの非イオン性モノマーおよび前記非イオン性モノマーと共重合可能な少なくとも1つのイオン性モノマーの重合可能な水性乳濁液、および少なくとも1つの非フリーラジカル重合性の酸を接触させること、ならびに
(b)乳濁液を重合させて、前記中実ポリマー感圧性接着剤ミクロスフェアの水性懸濁液を形成することを含む方法であって、
前記非イオン性モノマーの約95%の転化率を得る前に、前記非フリーラジカル重合性の酸を前記重合可能な水性乳濁液と接触させる方法によって、
製造される請求項4に記載の組成物。 - 前記ポリマーアクリレートミクロスフェアが中空である請求項1に記載の組成物。
- 前記架橋アクリレートポリマーが約−10℃〜約−50℃のTgを有する請求項1に記載の組成物。
- 前記補助成分が界面活性剤、消泡剤、粘度調整剤、中和剤、流れ調整剤、安定剤または粘着付与剤から選択される請求項1に記載の組成物。
- 前記水性接着剤組成物が少なくとも1つの界面活性剤、少なくとも1つの消泡剤、少なくとも1つの粘度調整剤、および少なくとも1つの中和剤を含む請求項8に記載の組成物。
- 前記ポリマーアクリレートミクロスフェアの重合モノマーが、(a)アルキル基が4〜約14個の炭素原子を有する、第三級ではないアルコールの少なくとも1つのアクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステルを約85〜約99.5重量%、および(b)モノオレフィンモノカルボン酸、モノオレフィンジカルボン酸、またはこれらの混合物から選択される酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩またはアミン塩を約0.5〜約15重量%含む請求項1に記載の組成物。
- 接着不全様式でステンレス鋼上において乾燥フィルム剥離値、約0.2〜約2.5ポンド/インチの剥離強度を有する請求項1、5、7または10のいずれかに記載の組成物。
- (a)ポリマーアクリレートミクロスフェア、(b)架橋アクリレートポリマー、および場合によっては、(c)塗膜を改質するため、あるいは接着剤の性能特性を高めるために、機能的に有効な量の1つまたは複数の補助成分を含む、取外し可能かまたは位置移動が可能な感圧性接着剤組成物であって、ミクロスフェアと架橋アクリレートポリマーの重量比が約0.025:1〜約1.9:1である該組成物がその上に塗布されている、表面基材材料を含む物品。
- ミクロスフェアと架橋アクリレートポリマーの重量比が固体ベースで約0.03:1〜約1.6:1である請求項12に記載の物品。
- 前記ポリマーアクリレートミクロスフェアが中実である請求項12に記載の物品。
- 前記ポリマーアクリレートミクロスフェアが、
(a)第三級ではないアルコールのアクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステルの少なくとも1つの非イオン性モノマーおよび前記非イオン性モノマーと共重合可能な少なくとも1つのイオン性モノマーの重合可能な水性乳濁液、および少なくとも1つの非フリーラジカル重合性の酸を接触させること、ならびに
(b)乳濁液を重合させて、前記中実ポリマー感圧性接着剤ミクロスフェアの水性懸濁液を形成することを含む方法であって、
前記非イオン性モノマーの約95%の転化率を得る前に、前記非フリーラジカル重合性の酸を前記重合可能な水性乳濁液と接触させる方法によって、
製造される請求項14に記載の物品。 - 前記ポリマーアクリレートミクロスフェアが中空である請求項12に記載の物品。
- 前記架橋アクリレートポリマーが約−10℃〜約−50℃のTgを有する請求項12に記載の物品。
- 前記補助成分が界面活性剤、消泡剤、粘度調整剤、中和剤、流れ調整剤、安定剤または粘着付与剤から選択される請求項12に記載の物品。
- 前記水性接着剤組成物が少なくとも1つの界面活性剤、少なくとも1つの消泡剤、少なくとも1つの粘度調整剤、および少なくとも1つの中和剤を含む請求項18に記載の物品。
- 前記ポリマーアクリレートミクロスフェアの重合モノマーが、(a)アルキル基が4〜約14個の炭素原子を有する、第三級ではないアルコールの少なくとも1つのアクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステルを約85〜約99.5重量%、および(b)モノオレフィンモノカルボン酸、モノオレフィンジカルボン酸、またはこれらの混合物から選択される酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩またはアミン塩を約0.5〜約15重量%含む請求項12に記載の物品。
- 接着不全様式でステンレス鋼上において乾燥フィルム剥離値、約0.2〜約2.5ポンド/インチの剥離強度を有する請求項12、15、17または20のいずれかに記載の物品。
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