JP2019210418A - 画像表示装置用粘着剤組成物及び画像表示装置用粘着シート - Google Patents

画像表示装置用粘着剤組成物及び画像表示装置用粘着シート Download PDF

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Abstract

【課題】加工性に優れ、かつ、被着物上に形成された段差の埋め込み性に優れる粘着シートの製造に適した画像表示装置用粘着剤組成物を提供すること。【解決手段】ガラス転移温度が−50〜0℃である(メタ)アクリルポリマーと、アロファネート構造を有するイソシアネートと、硬化触媒とを含有する、画像表示装置用粘着剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明の実施形態は、画像表示装置用粘着剤組成物及び画像表示装置用粘着シートに関する。
近年、画像表示装置における透明保護板若しくは情報入力装置(例えばタッチパネル)と画像表示ユニットの表示面との間の空隙、又は、透明保護板と情報入力装置との間の空隙を、透明材料で置換する方法が提案されている。空気と比較して、屈折率が透明保護板、情報入力装置及び画像表示ユニットの表示面に近い透明材料で置換することにより、透過性を向上させ、画像表示装置の輝度及びコントラストの低下を抑えることができる。
ところで、情報入力装置及び画像表示ユニットには、その周縁部分に入出力の配線を設ける必要があり、透明保護板面側からこれらの配線が見えないように、一般に、透明保護板の周縁部分に印刷等で枠状の装飾部が設けられる(特許文献1の図1における19(枠パターン)等)。これら装飾部により生じる段差を解消するため、透明保護板を貼り合わせる粘着剤として、例えば、フィルム状の粘着剤が用いられる場合がある。この段差近傍を隙間無く埋め込むためには、フィルム状の粘着剤に優れた段差埋め込み性が求められる。近年、このような段差埋め込み性を改善するためのフィルム状の粘着剤が、種々検討されている(例えば、特許文献2及び特許文献3)。
また、画像表示ユニットに用いる粘着剤として、例えば水酸基を有するプレポリマと、架橋剤とを用いた粘着剤が種々検討されている(例えば、特許文献4)。
特開2008−83491号公報 特開2010−90204号公報 国際公開第2012/032995号 特開2015−174890号公報
しかし、特許文献2、特許文献3及び特許文献4に記載されているようなフィルム状の粘着剤は、装飾部により生じる段差が大きくなった場合、段差埋め込み性が十分でないことが、本発明者らの検討の結果、明らかとなった。特に最近では、フィルム状の粘着剤の厚さが薄くなってきており、フィルム状の粘着剤の厚さが薄くて段差が大きいと、フィルム状の粘着剤の段差埋め込み性が更に不十分となる傾向にある。また、粘着剤の材質を柔らかくすることで段差埋め込み性を向上する手法が挙げられる。しかし、この場合、粘着剤が柔らかいために、フィルムを所定のサイズに切断する工程(打抜き加工)において切断面から粘着剤が染み出し、セパレータを剥離する際に泣き別れ(両側又は片側のセパレータに粘着剤が追従する現象)が発生しやすくなり、フィルム状の粘着剤が所定の形状を維持できないために、画像表示装置を生産できなくなる又は歩留が悪化するという課題があった。
本発明の実施形態は、上記事情を鑑みてなされたものであり、加工性に優れ、かつ、被着物上に形成された段差の埋め込み性に優れる粘着シートの製造に適した画像表示装置用粘着剤組成物を提供することを課題とする。また、本発明の別の実施形態は、加工性に優れ、かつ、被着物上に形成された段差の埋め込み性に優れる画像表示装置用粘着シートを提供することを課題とする。
本発明は以下の実施形態を含む。本発明は以下の実施形態に限定されない。
本発明の実施形態は、ガラス転移温度が−50〜0℃である(メタ)アクリルポリマーと、アロファネート構造を有するイソシアネートと、硬化触媒とを含有する、画像表示装置用粘着剤組成物に関する。
前記(メタ)アクリルポリマーは、水酸基を有する(メタ)アクリレートを含むモノマーの重合体であることが好ましい。
前記モノマーは、更に、炭素数1〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。
前記モノマーは、例えば、10〜50質量%の水酸基を有する(メタ)アクリレートと、50〜90質量%の炭素数1〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートとを含んでもよい。
前記硬化触媒は、錫系触媒を含むことが好ましい。
また、本発明の別の実施形態は、上記いずれかの粘着剤組成物を硬化して得られる、画像表示装置用粘着シートに関する。
本発明の実施形態によれば、加工性に優れ、かつ、被着物上に形成された段差の埋め込み性に優れる粘着シートの製造に適した画像表示装置用粘着剤組成物を提供することができる。また、本発明の別の実施形態によれば、加工性に優れ、かつ、被着物上に形成された段差の埋め込み性に優れる画像表示装置用粘着シートを提供することができる。
本発明の一実施形態である粘着シートを備えた粘着積層体(3層品)の一例を示す模式斜視図である。 図1のII−II線に沿った模式側面断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について説明をするが、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。また、本明細書において「(メタ)アクリレート」という用語は、「アクリレート」又はそれに対応する「メタクリレート」を意味する。同様に「(メタ)アクリル」という用語は、「アクリル」又はそれに対応する「メタクリル」を意味し、「(メタ)アクリロイル」という用語は「アクリロイル」又はそれに対応する「メタクリロイル」を意味する。
<粘着剤組成物>
本発明の実施形態である粘着剤組成物は、画像表示装置に用いられる組成物であり、ガラス転移温度が−50〜0℃の(メタ)アクリルポリマーと、アロファネート構造を含むイソシアネートと、硬化触媒とを含有する。本実施形態の粘着剤組成物を硬化させて得られる粘着シートは、被着物上に形成された段差の埋め込み性に優れ、また、画像表示装置に適した形状に切断し、被着物を貼り合わせる工程において加工性に優れる。
[(メタ)アクリルポリマー]
(メタ)アクリルポリマーは、(メタ)アクリロイル基を分子内に1個以上有するモノマーを含むモノマーの重合体である。モノマーは、(メタ)アクリロイル基を分子内に1個有するモノマーを少なくとも含むことが好ましい。モノマーは、(メタ)アクリロイル基を分子内に2個以上有するモノマー、(メタ)アクリロイル基を有しないモノマー(アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、エチレン、プロピレン等の重合性不飽和結合を分子内に1個有するモノマー、ジビニルベンゼン等の重合性不飽和結合を分子内に2個以上有するモノマーなど)を、更に含んでもよい。例えば、(メタ)アクリルポリマーは、(メタ)アクリロイル基を分子内に1個有するモノマー1種の重合体、又は、2種以上の組み合わせの共重合体であってもよい。
(メタ)アクリロイル基を分子内に1個有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸アミド;(メタ)アクリロイルモルホリン;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート(ラウリル(メタ)アクリレート)、ステアリル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香環を有する(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレート;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体;2−(2−メタクリロイルオキシエチルオキシ)エチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート;アルキレングリコール鎖含有(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
モノマーには、炭素数1〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが含まれていることが好ましい。また、炭素数1〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの含有割合は、モノマー全質量に対して、50〜90質量%であることが好ましく、50〜85質量%であることがより好ましく,50〜70質量%であることが更に好ましい。炭素数1〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの含有割合がこのような範囲であると、粘着シートと透明保護板等の被着物との密着性が向上する。このような含有割合のモノマーを重合させると、一般に、各モノマーに由来する構造単位を上記含有割合と同じ割合で含む(メタ)アクリルポリマーを得ることができる。重合率は、実質的に100質量%に近づくようにすることが好ましい。炭素数1〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートは、下記式(1)で示すことができる。

CH=CXCOOR・・・(1)

式(1)中、Xは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜18のアルキル基を示す。
炭素数1〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートとしては、上記に例示したとおりであり、その中でもn−ブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート等の炭素数4〜12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが特に好ましい。炭素数4〜12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートは、アルキルアクリレートであることが好ましい。炭素数4〜12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートは2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
モノマーは、炭素数1〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート以外のモノマーとして、水酸基を有する(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。水酸基を有する(メタ)アクリレートとして、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。好ましくは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートである。水酸基を有する(メタ)アクリレートは、水酸基を有するアクリレートであることが好ましい。水酸基を有する(メタ)アクリレートは2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
モノマーには、水酸基を有する(メタ)アクリレートが含まれていることが好ましい。また、水酸基を有する(メタ)アクリレートの含有割合は、モノマー全質量に対して、10〜50質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましく、10〜30質量%であることが更に好ましい。水酸基を有する(メタ)アクリレートの含有割合がこのような範囲であると、優れた粘着力を発揮することができる。
また、任意で使用できるモノマーとして、モルホリノ基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、カルボニル基、ニトロ基、アルキレングリコール由来の基等の極性基を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。極性基を有する(メタ)アクリレートを含むことによって、粘着シートと透明保護板等の被着物との粘着性が向上し、添加剤を用いない場合であっても十分な粘着力が得られる。
また、炭素数1〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートと、下記式(2)で示されるアルキレングリコール鎖含有(メタ)アクリレートとを併用することもできる。

CH=CXCOO(C2pO)R・・・(2)

式(2)中、Xは水素原子又はメチル基を示し、Rは水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を示し、pは2〜4の整数を示し、qは1〜10の整数を示す。
式(2)で表されるアルキレングリコール鎖含有(メタ)アクリレートとしては、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート;ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート;ジブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート;メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシオクタエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシノナエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシヘプタプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また、アルキレングリコール鎖含有(メタ)アクリレートは2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
(メタ)アクリルポリマーの重合方法としては、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等の既知の重合方法を用いることができる。
(メタ)アクリルポリマーを重合する際の重合開始剤としては、熱によりラジカルを発生する化合物を用いることができる。具体的には、過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキシド等の有機過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ系化合物などが挙げられる。
(メタ)アクリルポリマーのガラス転移温度(Tg)は、−50〜0℃であり、−40〜−10℃であることが好ましく、−25〜−10℃であることがより好ましい。ガラス転移温度が前記範囲であると、粘着剤組成物を粘着シートにした際、段差埋め込み性と打ち抜き加工性の両立が得られやすい傾向にある。
本明細書中において、(メタ)アクリルポリマーのガラス転移温度(Tg)は、次のFOX式により求められる理論計算値を意味する。

1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+・・・+Wn/Tgn

(式中、Tgは(メタ)アクリルポリマーのガラス転移温度(℃)であり、W1、W2、・・・、Wnは、それぞれ、全モノマーの質量を基準とする各モノマーの質量分率であり、Tg1、Tg2、・・・、Tgnは、それぞれ、各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度である。この計算に用いるホモポリマーのガラス転移温度として、文献値を用いることができる。各種ホモポリマーのガラス転移温度は、例えば、三菱レイヨン株式会社のアクリルエステルカタログ(1997年度版)、及び、新高分子文庫7、「塗料用合成樹脂入門」高分子刊行会、北岡協三著に記載されている。本発明の実施形態においては、前記「塗料用合成樹脂入門」に記載の値を用いている。
(メタ)アクリルポリマーのガラス転移温度を調整する方法として、次の方法が挙げられる。例えば、炭素数が大きいアルキル基を有する(メタ)アクリレートを用いることでガラス転移温度を低くすることができる。一方、炭素数が小さいアルキル基を有する(メタ)アクリレートを用いることでガラス転移温度を高くすることができる。また、メタクリレートを用いることでもガラス転移温度が高くなる傾向がある。
(メタ)アクリルポリマーの重量平均分子量は、40,000〜800,000であることが好ましい。本明細書中において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレンの検量線を用いて換算して求められる値である。重量平均分子量が40,000以上であると、透明保護板等に対して剥がれの発生し難い粘着力を有する粘着シートを得ることができる。一方、700,000以下であると、粘着剤組成物の粘度が高くなり過ぎず、フィルム状の粘着シートを作製する際の加工性が良好になる傾向にある。以上の観点から、(メタ)アクリルポリマーの重量平均分子量は、80,000〜700,000であることがより好ましく、100,000〜600,000であることが更に好ましく、200,000〜550,000であることが特に好ましい。
画像表示装置に用いるため、粘着剤組成物の色相(APHA)は100以下であることが好ましい。視認性の観点から、粘着剤組成物の色相は100以下、80以下、60以下、又は40以下であってもよい。色相の下限値については0に近いことが好ましいが、通常は0より大きく、実用的な観点からは10であってよい。
粘着剤組成物の色相は、(メタ)アクリルポリマーの合成後に残存する未失活の重合開始剤の含有率に依存する。未失活の重合開始剤の含有率が低い場合、信頼性試験(加熱条件)により、黄変しにくくなり、色相が低くなるため好ましい。
[アロファネート構造を有するイソシアネート]
アロファネート構造を有するイソシアネートは、分子内にアロファネート構造を有する多官能イソシアネートである。分子内にアロファネート構造を有する多官能イソシアネートは、2官能のイソシアネートであることが好ましい。アロファネート構造を有するイソシアネートを用いることで、粘着シートにした際、良好な弾性を示し、段差埋め込み性に優れ、更に低温時において弾性の低下が少なくなる傾向にある。
アロファネート構造を有するイソシアネートは、例えば、ジメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート等の炭素数1〜10のアルキレンジイソシアネートに由来する構造を含むことが好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネートに由来する構造を含むことがより好ましい。また、アロファネート構造を有するイソシアネートは、分子内に1個のヒドロキシル基を有してもよい。
アロファネート構造を有するイソシアネートとして、下記式(3)で表されるジイソシアネートを用いることができる。
Figure 2019210418
式中、Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜10の直鎖状アルキレン基を表し、Rは置換基を表す。Rは、互いに同一であることが好ましく、全てのRがヘキサメチレン基であることが好ましい。Rはヒドロキシル基を含む置換基であってもよい。
更にイソシアネートとして、アロファネート構造を有するイソシアネート以外の多官能イソシアネートを併用してもよい。例えば、上記に例示した炭素数1〜10の直鎖状アルキレンジイソシアネート、イソシアヌレート構造を有する多官能イソシアネート等が挙げられる。イソシアヌレート構造を有する多官能イソシアネートとして、下記式(4)で表されるトリイソシアネートを用いることができる。
Figure 2019210418
式中、Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜10の直鎖状アルキレン基を表す。Rは、互いに同一であることが好ましく、全てのRがヘキサメチレン基であることが好ましい。
多官能イソシアネートの合計の含有量は、粘着剤組成物の全質量に対して、15質量%以下であることが好ましい。含有量が15質量%以下であると架橋密度が高くなり過ぎないため、十分な粘着性を有し、かつ弾性が高く、脆さが抑えられた粘着シートを得ることができる。また、段差埋め込み性をより向上できる観点から、多官能イソシアネートの合計の含有量は、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましく、0.5質量%以下が特に好ましい。一方で、多官能イソシアネートの合計の含有量は、粘着剤組成物の全質量に対して、0.01質量%以上であることが好ましい。含有量が0.01質量%以上であると十分な架橋密度が得られ、打ち抜き加工性を向上させることができる。含有量は、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましい。
アロファネート構造を有するイソシアネートを含む市販品としては、旭化成ケミカルズ株式会社製のデュラネート(登録商標)AE700−100、AE710−100等が挙げられる。
[硬化触媒]
硬化触媒は、粘着剤組成物の硬化を促進させる化合物であり、好ましくは、(メタ)アクリルポリマーに含まれる官能基とアロファネート構造を有するイソシアネートに含まれる官能基の反応速度を促進させるものである。ここで、官能基とは、(メタ)アクリロイル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、カルボニル基、イソシアネート基等をいう。
粘着剤組成物が硬化触媒を含有することで、打ち抜き加工性が向上するため、生産性が向上する。更に、粘着シート形成時の硬化速度が促進される。具体的には、硬化触媒を添加することで、硬化触媒がない場合に比べ硬化速度が3〜10倍になるため、生産性が向上する。
硬化触媒としては、例えば、ヒドロキシル基とイソシアネート基とを反応させる場合、3級アミン系化合物又は有機金属化合物を用いることができる。
有機金属化合物としては、例えば、ジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライド等のチタン系化合物;オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、ナフテン酸鉛等の鉛系化合物;2−エチルヘキサン酸鉄、鉄アセチルアセトネート等の鉄系化合物;安息香酸コバルト、2−エチルヘキサン酸コバルト等のコバルト系化合物;ナフテン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛等の亜鉛系化合物;ナフテン酸ジルコニウム、カルボン酸ビスマス等が挙げられる。
更に、特に好ましい有機金属化合物として、錫系触媒が挙げられ、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫ジマレエート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、トリブチル錫オキサイド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキサイド、トリブチル錫エトキサイド、ジオクチル錫オキサイド、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、2−エチルヘキサン酸錫等が挙げられる。
3級アミン系化合物は、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7等が挙げられる。
硬化触媒の含有量は、作業に最適な硬化速度を保ち、フィルム形成性を良好にする観点から、0.0005〜0.5質量%であることが好ましく、0.001〜0.1質量%であることがより好ましく、0.003〜0.01質量%であることが更に好ましい。0.0005質量%以上であると、打ち抜き加工性及び作業性を向上させることができる。一方で、0.5質量%以下であると、段差埋め込み性をより向上させることができる。
[その他成分]
粘着剤組成物には、必要に応じて各種添加剤を含有させてもよい。含有可能な各種添加剤としては、例えば、粘着剤組成物の保存安定性を高める目的で添加するパラメトキシフェノール等の重合禁止剤;粘着剤組成物を光硬化させて得られる粘着シートの耐熱性を高める目的で添加するトリフェニルホスファイト等の酸化防止剤;紫外線等の光に対する粘着剤組成物の耐性を高める目的で添加するHALS(Hindered Amine Light Stabilizer)等の光安定化剤;ガラス等に対する粘着シートの密着性を高めるために添加するシランカップリング剤が挙げられる。
<画像表示装置用粘着シート及び粘着積層体>
本発明の一実施形態である粘着シートは、画像表示装置に用いられるシートであり、前記粘着剤組成物を硬化して得られる。本実施形態の粘着シートは、被着物上に形成された段差の埋め込み性に優れ、また、画像表示装置に適した形状に切断し、被着物に貼り合わせる工程において加工性に優れる。
粘着シートの厚さは、用途及び方法により適宜調整されるため特に限定されないが、25〜200μm、25〜180μm、又は、25〜150μmであってもよい。この範囲で使用した場合、例えばディスプレイ上に光学部材を貼り合わせるための透明な画像表示装置用粘着シートとして特に優れた効果を発揮する。
粘着シートの可視光領域(波長:380〜780nm)の光線に対する光透過率の最小値は、80%、90%、又は、95%であってもよい。
また、本発明の一実施形態である粘着積層体は、基材、前記粘着シート、及び基材を少なくとも有する。例えば、粘着積層体は、前記粘着剤組成物を基材上に塗工し、粘着剤組成物が有機溶剤を含む場合は乾燥させて、加熱することにより粘着シートを形成し、その後、別の基材を粘着シートに被せることで、得ることができる。
図1及び2に、積層体1Aの一例を示す。基材3としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の重合体フィルムが挙げられる。重合体フィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「PETフィルム」という場合もある。)であることがより好ましい。基材3には表面処理が施されていてもよい。基材3として、例えば、市販の重剥離セパレータを使用できる。基材3の厚さは、作業性の観点から、50〜200μm、60〜150μm、又は、70〜130μmであってもよい。基材3の平面形状は、粘着シート2の平面形状よりも大きいことが好ましく、基材3の外縁3aは粘着シート2の外縁2aよりも外側に張り出していることがより好ましい。基材3の外縁3aが粘着シート2の外縁2aよりも張り出す幅は、取り扱い易さ、剥がし易さ、埃等の付着をより低減できる観点から、2〜20mm、又は、4〜10mmであってもよい。粘着シート2及び基材3の平面形状が略長方形等の略矩形状である場合には、基材3の外縁3aが粘着シート2の外縁2aよりも張り出す幅は、少なくとも1つの辺において2〜20mm若しくは4〜10mmであってもよく、又は、全ての辺において2〜20mm若しくは4〜10mmであってもよい。
基材4としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の重合体フィルムが挙げられる。重合体フィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることがより好ましい。基材4には表面処理が施されていてもよい。基材4として、例えば、市販の軽剥離セパレータを使用できる。基材4の厚さは、作業性の観点から、25〜150μm、30〜100μm、又は、40〜75μmであってもよい。基材4の平面形状は、粘着シート2の平面形状よりも大きいことが好ましく、基材4の外縁4aは粘着シート2の外縁2aよりも外側に張り出していることがより好ましい。基材4の外縁4aが粘着シート2の外縁2aよりも張り出す幅は、取り扱い易さ、剥がし易さ、埃等の付着をより低減できる観点から、2〜20mm、又は、4〜10mmとすることができる。粘着シート2及び基材4の平面形状が略長方形等の略矩形状である場合には、基材4の外縁4aが粘着シート2の外縁2aよりも張り出す幅は、少なくとも1つの辺において2〜20mm若しくは4〜10mmであってもよく、又は、全ての辺において2〜20mm若しくは4〜10mmであってもよい。
基材4と粘着シート2との間の剥離強度は、基材3と粘着シート2との間の剥離強度よりも低いことが好ましい。これにより、基材3は基材4よりも粘着シート2から剥離し難くなる。また、粘着シート2を切断する際に、粘着シート2に、基材3側に向かってブレードを通せば、粘着シート2の外縁2aが基材3に押し付けられることとなる。これにより、基材3は基材4よりも更に粘着シート2から剥離し難くなり、基材3に剥離が生じる前に基材4を剥離させることが可能となる。したがって、基材3又は基材4を片方ずつ剥離させることができ、基材3又は4を剥離して粘着シート2を別々の被着物に貼り付ける作業を、粘着シート2の片面ずつ確実に行うことができる。なお、基材3と粘着シート2、及び基材4と粘着シート2との剥離強度は、例えば、基材3及び基材4の表面処理を施すことによって調整することができる。表面処理方法としては、例えば、シリコーン系化合物又はフッ素系化合物で離型処理することが挙げられる。
本実施形態の粘着シートを適用できる画像表示装置は特に限定されない。例えば、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、陰極線管(CRT)、電界放出ディスプレイ(FED)、有機ELディスプレイ、3Dディスプレイ、電子ペーパー等の画像表示装置に適用することが可能である。
以下、実施例により本発明の説明をする。なお、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
<(メタ)アクリルポリマーの合成>
製造例1:(メタ)アクリルポリマー1の合成
冷却管、温度計、撹拌装置、滴下漏斗及び窒素導入管の付いた反応容器に、初期モノマーとして、2−エチルヘキシルアクリレート(2−EHA)40.6g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2−HEA)11.9g、メチルメタクリレート(MMA)17.5g、酢酸エチル82.5g及びトルエン37.5gを加え、100mL/分の風量で窒素置換しながら、15分間で常温(25℃)から80℃まで加熱した。
その後、80℃に保ちながら、追加モノマーとして、2−エチルヘキシルアクリレート17.4g、2−ヒドロキシエチルアクリレート5.1g及びメチルメタクリレート7.5gを添加し、これにラウロイルパーオキシド0.5gを溶解した溶液を2時間かけて滴下し、滴下終了後、更に2時間反応させた。
続いて、ラウロイルパーオキシド0.2gを酢酸エチル30.0gに溶解した溶液を準備し、この溶液を1時間かけて滴下し、滴下終了後、更に1時間反応させ、固形分濃度40質量%の(メタ)アクリルポリマー1(重量平均分子量440,000)の溶液を得た。
なお、重量平均分子量の測定は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィーを使用して行い、下記の装置及び測定条件を用いて標準ポリスチレンの検量線を使用して決定した。
装置:株式会社日立製作所
RI検出器:L−3350
使用溶媒:THF
カラム:日立化成株式会社製 Gelpac GL−R420+R430+R440
カラム温度:40℃
流量:2.0mL/分
また、(メタ)アクリルポリマーのガラス転移温度(Tg)は、上述のFOX式により求めた。表1にガラス転移温度(Tg)を示す。
製造例2:(メタ)アクリルポリマー2の合成
冷却管、温度計、撹拌装置、滴下漏斗及び窒素導入管の付いた反応容器に、初期モノマーとして、2−エチルヘキシルアクリレート(2−EHA)38.5g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2−HEA)11.9g、メチルメタクリレート(MMA)19.6g、酢酸エチル82.5g及びトルエン37.5gを加え、100mL/分の風量で窒素置換しながら、15分間で常温(25℃)から80℃まで加熱した。
その後、80℃に保ちながら、追加モノマーとして、2−エチルヘキシルアクリレート16.5g、2−ヒドロキシエチルアクリレート5.1g及びメチルメタクリレート8.4gを添加し、これにラウロイルパーオキシド0.5gを溶解した溶液を2時間かけて滴下し、滴下終了後、更に2時間反応させた。
続いて、ラウロイルパーオキシド0.2gを酢酸エチル30.0gに溶解した溶液を準備し、この溶液を1時間かけて滴下し、滴下終了後、更に1時間反応させ、固形分濃度40質量%の(メタ)アクリルポリマー2(重量平均分子量410,000)の溶液を得た。
製造例3:(メタ)アクリルポリマー3の合成
冷却管、温度計、撹拌装置、滴下漏斗及び窒素導入管の付いた反応容器に、初期モノマーとして2−エチルヘキシルアクリレート(2−EHA)56.0g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2−HEA)11.9g、メチルメタクリレート(MMA)2.1g、酢酸エチル82.5g及びトルエン37.5gを加え、100mL/分の風量で窒素置換しながら、15分間で常温(25℃)から80℃まで加熱した。
その後、80℃に保ちながら、追加モノマーとして、2−エチルヘキシルアクリレート24.0g、2−ヒドロキシエチルアクリレート5.1g及びメチルメタクリレート0.9gを添加し、これにラウロイルパーオキシド0.5gを溶解した溶液を準備し、この溶液を2時間かけて滴下し、滴下終了後、更に2時間反応させた。
続いて、ラウロイルパーオキシド0.2gを酢酸エチル30.0gに溶解した溶液を準備し、この溶液を1時間かけて滴下し、滴下終了後、更に1時間反応させ、固形分濃度40質量%の(メタ)アクリルポリマー3(重量平均分子量320,000)の溶液を得た。
製造例4:(メタ)アクリルポリマー4の合成
冷却管、温度計、撹拌装置、滴下漏斗及び窒素導入管の付いた反応容器に、初期モノマーとして2−エチルヘキシルアクリレート(2−EHA)49.7g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2−HEA)10.5g、メチルメタクリレート(MMA)9.8g、酢酸エチル82.5g及びトルエン37.5gを加え、100mL/分の風量で窒素置換しながら、15分間で常温(25℃)から80℃まで加熱した。
その後、80℃に保ちながら、追加モノマーとして、2−エチルヘキシルアクリレート21.3g、2−ヒドロキシエチルアクリレート4.5g及びメチルメタクリレート4.2gを添加し、これにラウロイルパーオキシド0.5gを溶解した溶液を2時間かけて滴下し、滴下終了後、更に2時間反応させた。
続いて、ラウロイルパーオキシド0.2gを酢酸エチル30.0gに溶解した溶液を準備し、この溶液を1時間かけて滴下し、滴下終了後、更に1時間反応させ、固形分濃度40質量%の(メタ)アクリルポリマー4(重量平均分子量370,000)の溶液を得た。
製造例5:(メタ)アクリルポリマー5の合成
冷却管、温度計、撹拌装置、滴下漏斗及び窒素導入管の付いた反応容器に、初期モノマーとして、2−エチルヘキシルアクリレート(2−EHA)35.0g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2−HEA)10.5g、メチルメタクリレート(MMA)24.5g、酢酸エチル82.5g及びトルエン37.5gを加え、100mL/分の風量で窒素置換しながら、15分間で常温(25℃)から80℃まで加熱した。
その後、80℃に保ちながら、追加モノマーとして、2−エチルヘキシルアクリレート15.0g、2−ヒドロキシエチルアクリレート4.5g及びメチルメタクリレート10.5gを添加し、これにラウロイルパーオキシド0.5gを溶解した溶液を2時間かけて滴下し、滴下終了後、更に2時間反応させた。
続いて、ラウロイルパーオキシド0.2gを酢酸エチル30.0gに溶解した溶液を準備し、この溶液を1時間かけて滴下し、滴下終了後、更に1時間反応させ、固形分濃度40質量%の(メタ)アクリルポリマー5(重量平均分子量45,000)の溶液を得た。
製造例6:(メタ)アクリルポリマー6の合成
冷却管、温度計、撹拌装置、滴下漏斗及び窒素導入管の付いた反応容器に、初期モノマーとして2−エチルヘキシルアクリレート(2−EHA)30.1g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2−HEA)10.5g、メチルメタクリレート(MMA)29.4g、酢酸エチル82.5g及びトルエン37.5gを加え、100mL/分の風量で窒素置換しながら、15分間で常温(25℃)から80℃まで加熱した。
その後、80℃に保ちながら、追加モノマーとして、2−エチルヘキシルアクリレート12.9g、2−ヒドロキシエチルアクリレート4.5g及びメチルメタクリレート12.6gを添加し、これにラウロイルパーオキシド0.5gを溶解した溶液を準備し、この溶液を2時間かけて滴下し、滴下終了後、更に2時間反応させた。
続いて、ラウロイルパーオキシド0.2gを酢酸エチル30.0gに溶解した溶液を準備し、この溶液を1時間かけて滴下し、滴下終了後、更に1時間反応させ、固形分濃度40質量%の(メタ)アクリルポリマー6(重量平均分子量42,000)の溶液を得た。
<画像表示装置用粘着剤組成物及び粘着積層体の作製>
(実施例1)
製造例1で得られた(メタ)アクリルポリマー1の溶液の固形分99.8質量%に対して、熱架橋剤としてアロファネート構造を有するイソシアネート(旭化成ケミカルズ株式会社製「デュラネート(登録商標)AE710−100」)0.2質量%、硬化触媒として錫系触媒(EVONIC社製「DABCO T−12」)0.005質量%を加え、撹拌混合して粘着剤組成物を得た。なお、各成分の含有量(質量%)は、粘着剤組成物の質量を基準とする。
表面に離型処理したPETフィルム(重剥離セパレータ、東レフィルム加工株式会社製「セラピールBX8」、50μm)に粘着剤組成物を滴下し、乾燥後の厚みが125μmとなるようにバーコーターを用いて塗布し、100℃で10分間、加熱した。その後、塗布面側に離型処理したPETフィルム(軽剥離セパレータ4、東レフィルム加工株式会社製「セラピールBKE」、50μm)を被せ、1.0kgfのハンドローラーにて貼り付け、40℃で1日養生し、PETフィルム、粘着シート及びポリエチレンテレフタレートを備えた透明な粘着積層体を得た。得られた粘着積層体について下記方法にて評価した。結果を表1に示した。
(実施例2)
熱架橋剤として、デュラネート(登録商標)AE710−100に代えて、アロファネート構造を有するイソシアネート(旭化成ケミカルズ株式会社製「デュラネート(登録商標)AE700−100」)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして粘着積層体を得た。実施例1と同様に評価した結果を表1に示した。
(実施例3)
(メタ)アクリルポリマー1に代えて、製造例2で得られた(メタ)アクリルポリマー2を使用したこと以外は、実施例1と同様にして粘着積層体を得た。実施例1と同様に評価した結果を表1に示した。
(実施例4)
(メタ)アクリルポリマー1に代えて、製造例3で得られた(メタ)アクリルポリマー3を使用したこと以外は、実施例1と同様にして粘着積層体を得た。実施例1と同様に評価した結果を表1に示した。
(実施例5)
(メタ)アクリルポリマー1に代えて、製造例4で得られた(メタ)アクリルポリマー4を使用したこと以外は、実施例1と同様にして粘着積層体を得た。実施例1と同様に評価した結果を表1に示した。
(実施例6)
(メタ)アクリルポリマー1に代えて、製造例5で得られた(メタ)アクリルポリマー5を使用したこと以外は、実施例1と同様にして粘着積層体を得た。実施例1と同様に評価した結果を表1に示した。
(実施例7)
(メタ)アクリルポリマー1の配合量を99.0質量%にし、「デュラネート(登録商標)AE710−100」の配合量を1.0質量%に変更したこと以外は、実施例1と同様にして粘着積層体を得た。実施例1と同様に評価した結果を表1に示した。
(実施例8)
硬化触媒をダウ・ケミカル・カンパニー製「ACIMA(登録商標)DOTL 99」に変更したこと以外は、実施例1と同様にして粘着積層体を得た。実施例1と同様に評価した結果を表1に示した。
(比較例1)
(メタ)アクリルポリマー1に代えて、製造例6で得られた(メタ)アクリルポリマー6を使用したこと以外は、実施例1と同様にして粘着積層体を得た。実施例1と同様に評価した結果を表1に示した。
(比較例2)
熱架橋剤として、「デュラネート(登録商標)AE710−100」に代えて、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(住化コベストロウレタン株式会社「スミジュールN3300」)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして粘着積層体を得た。実施例1と同様に評価した結果を表1に示した。
(比較例3)
硬化触媒を使用しないこと以外は、実施例1と同様にして粘着積層体を得た。実施例1と同様に評価した結果を表1に示した。
<評価>
各実施例及び比較例で得られた粘着シートについて以下の試験方法で評価した。
<段差埋め込み性評価>
作製した粘着積層体を縦50mm、横80mmのサイズに切り出した。切り出した粘着積層体の一方の面からPETフィルムを剥がし、粘着シートを、縦58mm、横86mm、厚み0.125mmのITOフィルム(東洋紡株式会社製「300R」)に25℃、大気圧下において、ゴムローラー(ローラー径:50mm、ローラー幅:210mm)を用いて0.07MPaの圧力にて貼り付けした。
次いで、粘着シートからもう一方のPETフィルムを剥がし、粘着シートに、厚さ31.25μmの外周部が印刷された段差を有するガラス基板(厚さ0.7mm)を、粘着シートを挟み込むように25℃、大気圧下において、ゴムローラー(ローラー径:50mm、ローラー幅:210mm)を用いて0.07MPaの圧力にて貼り付けした。なお、外周部が印刷された段差を有するガラス基板はITOフィルムと同一の外寸法を有し、内寸法縦45mm、横68mmの開口部を有する。このガラス基板を、入力装置又は画像表示装置の代用として用いた。
その後、オートクレーブ処理(45℃、0.5MPa)を20分間行いサンプルとした。得られたサンプルを85℃85%RHに一日放置し、埋め込み性を確認した。
(評価基準)
A:埋め込み性が良好(31.25μmの段差を埋め込み)、気泡なし
B:埋め込み性が良好(31.25μmの段差を埋め込み)、気泡あり
C:埋め込み性が不良(31.25μmの段差を埋め込まない)
<打抜き加工性評価>
作製した粘着積層体を縦100mm、横200mmのサイズに切り出し、平盤打抜き式の打抜装置(台湾万栄機械有限公司製)を用いて、縦80mm、横135mmのサイズに加工された打抜き刃(双豊金型公司製、ピナクル刃、内刃10°/外刃25°)により、25℃、大気圧下において、粘着積層体を打抜いて加工性を評価した。
(評価基準)
n=10枚のサンプルについて、剥離角度180°にて軽剥離セパレータを角部から対角線方向に3〜5秒で手で剥離した際に、泣き別れ(重剥離セパレータからの粘着シートの浮き)の発生率を次のように評価した。
A:0%
B:10〜50%
C:60%以上
Figure 2019210418
ガラス転移温度が−50〜0℃である(メタ)アクリルポリマーと、アロファネート構造を有するイソシアネートと、硬化触媒とを含有する粘着剤組成物により得られた粘着シートは、優れた段差埋め込み性と打ち抜き加工性とを有していた。
1A 粘着積層体
2 粘着シート
2a 外縁
3 基材
3a 外縁
4 基材
4a 外縁

Claims (6)

  1. ガラス転移温度が−50〜0℃である(メタ)アクリルポリマーと、アロファネート構造を有するイソシアネートと、硬化触媒とを含有する、画像表示装置用粘着剤組成物。
  2. 前記(メタ)アクリルポリマーが、水酸基を有する(メタ)アクリレートを含むモノマーの重合体である、請求項1に記載の画像表示装置用粘着剤組成物。
  3. 前記モノマーが、更に、炭素数1〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを含む、請求項2に記載の画像表示装置用粘着剤組成物。
  4. 前記モノマーが、10〜50質量%の水酸基を有する(メタ)アクリレートと、50〜90質量%の炭素数1〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートとを含む、請求項2又は3に記載の画像表示装置用粘着剤組成物。
  5. 前記硬化触媒が、錫系触媒を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の画像表示装置用粘着剤組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の粘着剤組成物を硬化して得られる、画像表示装置用粘着シート。
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