JP2019209762A - 車両用ホイール - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1のヘルムホルツレゾネータの取り付け構造は、ウェル部に径方向外側に立設する縦壁を形成し、この縦壁とウェル部の側壁との間にヘルムホルツレゾネータを配置している。そして、縦壁の側面と側壁の側面を周方向に切削して周溝を形成し、この周溝にヘルムホルツレゾネータの縁部を係止させている。
図1に示すように、車両用ホイール100は、ボルト(不図示)により車軸ハブ101に固定され、外周側に装着されたタイヤ102とともに回転軸Oを中心に回転する部品である。以下、回転軸Oを単に軸Oと称する。
車両用ホイール100は、車軸ハブ101に固定される略円盤状のディスク1と、タイヤ102が装着される略円筒状のリム2と、ヘルムホルツレゾネータ3と、を備える。
実施形態のディスク1とリム2は、例えば、アルミニウム合金、マグネシウム合金等の軽量高強度材料等により一体的に製造されたワンピースホイールである。なお、本発明は、ワンピースホイールに限定されず、ツーピースホイールやスリーピースホイールであってもよい。
以下、一対のビードシート20,21のうちウェル部22よりも車幅方向外側に配置される方を外ビードシート20と称し、ウェル部22よりも車幅方向内側に配置される方を内ビードシート21と称する。
また、本実施形態の一対の側壁25,26は、径方向内側に延出するにつれて互いに近接するように傾斜している。
以下、一対の側壁25,26のうち外ビードシート20の右端(車幅方向内端)と連続する方を外側壁25と称し、内ビードシート21の左端(車幅方向外端)と連続する方を内側壁26と称する。
以下、一対のリムフランジ23,24のうち外ビードシート20の左端(車幅方向外端)に連続する方を外リムフランジ23と称し、内ビードシート21の右端(車幅方向内端)に連続する方を内リムフランジ24と称する。
図2に示すように、実施形態の車両用ホイール100は、タイヤ空気室MCの内周壁を構成するリム2と、副気室SCを構成するヘルムホルツレゾネータ3と、を備える。また、ヘルムホルツレゾネータ3は、リム2に設けられた内ビードシート21の内周側の空間(車体側内周空間S2)に配置され、副気室SCは、リム2を貫通する貫通孔26aを介してタイヤ空気室MCと連通している。
上記構成によれば、車両用ホイール100は、従来、ウェル部の外周面から立設された縦壁と、縦壁の側面と側壁の側面を切削して成る周溝とを備えていない。よって、車両用ホイール100の製造が容易となる。
ヘルムホルツレゾネータ3に遠心力が作用した場合、ヘルムホルツレゾネータ3は外周側に配置された内ビードシート21に支持される。よって、ヘルムホルツレゾネータ3の固定強度が高い。
ヘルムホルツレゾネータ3がタイヤ空気室MC内に配置されていない。つまり、車両用ホイール100にタイヤ102を装着させた後であっても、ヘルムホルツレゾネータ3を車両用ホイール100に組み付けることができる。よって、ヘルムホルツレゾネータ3の組み付け性が良い。
ヘルムホルツレゾネータ3がタイヤ空気室MC外に配置されるため、ヘルムホルツレゾネータ3の構成が気柱共鳴に影響を与えない。
なお、ヘルムホルツレゾネータ3の周方向の長さは、本発明において特に限定されず、適時設計してよい。また、特に図示しないが、ヘルムホルツレゾネータ3は、車両用ホイール100の車体側内周空間S2に対し、90°間隔で4つ組み付けられている。
図4に示すように、各リブ32は、前後方向から視て略L字状を呈しており、ヘルムホルツレゾネータ3の外表面3aのうち、車幅方向内側を向く外面と、径方向内側を向く外面とに跨って形成されている。
また、ヘルムホルツレゾネータ3の外表面3aのうち残りの外面(車幅方向外側を向く外面と径方向外側を向く外面)は、リム2(内側壁26と内ビードシート21)に支持されている。
よって、ヘルムホルツレゾネータ3は、副気室SCの内圧によって変形しないようになっている。
上記構成によれば、ヘルムホルツレゾネータ3がリム2に対し径方向内側に係止して脱落し難く、ヘルムホルツレゾネータ3の固定強度が高い。
また、ヘルムホルツレゾネータ3の組み付け時、外向係止部33を内リムフランジ24に引っ掛けながらヘルムホルツレゾネータ3を車体側内周空間S2に配置すると、内側壁26に対する管体30の径方向の位置が一定となり、貫通孔26aに挿入し易くなる。よって、外向係止部33は、ヘルムホルツレゾネータ3を組み付ける際の位置決めとしての役割も果たす。
ここで、外向係止部33の先端部33aは、内リムフランジ24の左面24cのうち径方向外側の一部にのみ係止し、係止部分が比較的短くなっている。このため、ビードシート20,21にタイヤ102を装着した後であっても、外向係止部33の先端部33aを内リムフランジ24に係止させることができるとともに、タイヤ空気室MCの密封性を損なわないようになっている。
軸向係止部34について詳細に説明すると、軸向係止部34は、ヘルムホルツレゾネータ3における車幅方向外側の壁部から底壁27の内周面27aに沿って車幅方向外側へ延出している。そして、軸向係止部34の先端部34aは、径方向外側に折れ曲がって被係止部27b内に入り込み、爪27cに対し径方向内側に係止している。以上から、ヘルムホルツレゾネータ3がリム2に対し車幅方向内側に係止して脱落し難く、ヘルムホルツレゾネータ3の固定強度が高い。
また、被係止部27bは、軸向係止部34に対応するように形成されている。つまり、図1に示すように、被係止部27bは、底壁27の内周面27aの一部にのみに形成され、周方向に延在していない。
ヘルムホルツレゾネータ3の固定方法に関し、実施形態のヘルムホルツレゾネータ3は、外向係止部33や軸向係止部34によってリム2に固定されているが、本発明はこれに限定されない。
たとえば、軸向係止部34の代わりに底壁27の内周面27aに沿って延在する延出部を形成し、この延出部と底壁27とを接着剤により固着してもよい。
または、外向係止部33の代わりに内リムフランジ24の右面(外面)24aに沿って延在する延出部を形成し、この延出部と内リムフランジ24とを接着剤により固着してもよい。
ここで、ディスク側内周空間S3は複数のスポーク11により周方向に仕切られている(図6参照)。よって、ヘルムホルツレゾネータ3をディスク側内周空間S3に配置する場合、ヘルムホルツレゾネータ3の周方向の端部をスポーク11に当接するように配置することが好ましい。そして、このような構成によれば、ヘルムホルツレゾネータ3による周方向の位置ずれが規制され、固定強度が向上する。なお、このような変形例の場合、ウェル部22の外側壁25に連通孔25aが形成される。
しかしながら、本発明のヘルムホルツレゾネータは、円弧状のものに限定されない。つまり、本発明は、一対のビードシート20,21の内周側の空間に配置できる形状であれば特に限定されない。以下、変形例に係るヘルムホルツレゾネータを図6、図7を参照しながら説明する。
ヘルムホルツレゾネータ4には周方向外側に延出する取付部41が形成されるとともに、この取付部41が隣り合うスポーク11に対しボルトで締結され、ヘルムホルツレゾネータ4がディスク1に固定されている。
なお、変形例において、ヘルムホルツレゾネータ4は90°間隔で配置され、合計4つヘルムホルツレゾネータ4が車両用ホイール100A組み付けられている。
また、ヘルムホルツレゾネータ4の径方向の長さは、スポーク11とほぼ同じに形成されており、実施形態で説明した円弧状のヘルムホルツレゾネータ3(図1参照)よりも径方向に拡大している。つまり、ヘルムホルツレゾネータ4内に形成された副気室SCの容積も、実施形態で説明した円弧状のヘルムホルツレゾネータ3の副気室SCよりも大きい仕様となっている。
以上から、本発明は、円弧状のヘルムホルツレゾネータ3に限られず、騒音を効果的に低減できる副気室SCの容積が大きいヘルムホルツレゾネータ4を用いることができる。
なお、車体側内周空間S2の径方向内側には、ブレーキキャリパ(不図示)が配置される。よって、径方向に拡大したヘルムホルツレゾネータ4を用いる場合には、ディスク側内周空間S3に配置する必要がある。
2 リム
3,4 ヘルムホルツレゾネータ
10 ホイールハブ
11 スポーク
20,21 ビードシート(外ビードシート,内ビードシート)
22 ウェル部
23,24 リムフランジ(外リムフランジ,内リムフランジ)
25,26 側壁(外側壁,内側壁)
25a,26a 連通孔
27 底壁
27b 被係止部
27c 爪
30,42 管体
31 シール部材
32 リブ
33 外向係止部
34 軸向係止部
40 外周部分
41 取付部
100,100A 車両用ホイール
101 車軸ハブ
102 タイヤ
MC タイヤ空気室
SC 副気室
S2,S3 内周空間(車体側内周空間,ディスク側内周空間)
Claims (8)
- タイヤ空気室の内周壁を構成するリムと、副気室を構成するヘルムホルツレゾネータと、を備えた車両用ホイールであって、
前記ヘルムホルツレゾネータは、前記リムに設けられたビードシートの内周側の空間に配置され、
前記副気室は、前記リムを貫通する貫通孔を介して前記タイヤ空気室と連通していることを特徴とする車両用ホイール。 - 前記リムは、前記ビードシートから径方向外側に延出するリムフランジを備え、
前記ヘルムホルツレゾネータには、径方向外側に延出して前記リムフランジに引っ掛かる外向係止部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用ホイール。 - 前記ビードシートは、前記リムに設けられたウェル部よりも車幅方向内側に配置された内ビードシートであり、
前記ヘルムホルツレゾネータは、前記内ビードシートの内周側の空間に配置されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用ホイール。 - 前記ビードシートは、前記リムに設けられたウェル部よりも車幅方向外側に配置された外ビードシートであり、
前記ヘルムホルツレゾネータは、前記外ビードシートの内周側の空間に配置されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用ホイール。 - 前記ヘルムホルツレゾネータの管体は、前記副気室側の端部よりも前記タイヤ空気室の端部の方が径方向外側に位置するように傾斜していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両用ホイール。
- 前記リムに設けられたウェル部の内周面には、径方向外側に窪む被係止部が形成され、
前記ヘルムホルツレゾネータには、軸方向に延出して前記被係止部に引っ掛かる軸向係止部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の車両用ホイール。 - 前記ヘルムホルツレゾネータの管体は、前記リムの内周面よりも前記タイヤ空気室内に突出していることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の車両用ホイール。
- 前記ヘルムホルツレゾネータの外表面には、リブが形成されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の車両用ホイール。
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