JP2009501667A - 直径が互いに等しくない受座を備えた車両ホイール及びホイールと支持インサートとを有する組立体 - Google Patents
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Abstract
本発明は、回転車両ホイールであって、ディスク及びリムを有し、リムが第1の受座及び第2の受座を有し、受座がそれぞれ、第1のタイヤビード及び第2のタイヤビードを受け入れてこれを保持するようになっており、各受座がリムと同軸であり且つ他方の受座に向かって開口した回転円錐と局所的に合体する本質的に切頭円錐形の底部を有し、他方の受座に向かう方向への受座の底部の延長部として安全ハンプが設けられ、他方の受座から遠ざかる方向への受座の底部の延長部として外縁部が設けられ、第1の受座の最大直径が第2の受座の最大直径よりも小さいホイールに関する。本発明は、各受座が、他方の受座に向いた側に、隣接の円周方向溝を有し、ディスクとリムの連結領域は、第2の受座側でリムに連結されていることを特徴とする。
Description
本発明は、直径が互いに等しくない受座を備えた車両ホイール及び例えばこのようなホイールと支持インサートとを有する組立体に関する。
国際公開第01/08905号パンフレットは、直径が互いに等しくない受座を備えた車両ホイール及び例えばこのようなホイールと支持インサートとを有する組立体を記載している。この特許文献に記載された回転対称性を有する車両ホイールは、タイヤ及びトレッド支持インサートを取り付けるようになっており、この車両ホイールは、ディスク及びリムを有する。リムは、
−第1の受座及び第2の受座を有し、受座がそれぞれ、タイヤの第1のビード及び第2のビードを受け入れてこれを保持するようになっており、各受座がリムと同軸であると共に他方の受座に向かって開口した回転円錐と局所的に一致した実質的に切頭円錐形の底部を有し、他方の受座に向かう方向への受座の底部の延長部として安全ハンプ(こぶ状突起)が設けられ、他方の受座から遠ざかる方向への受座の底部の延長部として外部リップが設けられ、第1の受座の最大直径が第2の受座の最大直径よりも小さく、
−第2の受座の方へ向いた第1の受座に関し、第1の円周方向溝、第1の受座の最大直径にほぼ等しい直径の支承面及び第2の円周方向溝を有するようなものである。
−第1の受座及び第2の受座を有し、受座がそれぞれ、タイヤの第1のビード及び第2のビードを受け入れてこれを保持するようになっており、各受座がリムと同軸であると共に他方の受座に向かって開口した回転円錐と局所的に一致した実質的に切頭円錐形の底部を有し、他方の受座に向かう方向への受座の底部の延長部として安全ハンプ(こぶ状突起)が設けられ、他方の受座から遠ざかる方向への受座の底部の延長部として外部リップが設けられ、第1の受座の最大直径が第2の受座の最大直径よりも小さく、
−第2の受座の方へ向いた第1の受座に関し、第1の円周方向溝、第1の受座の最大直径にほぼ等しい直径の支承面及び第2の円周方向溝を有するようなものである。
このホイールは、ディスクが第1の受座側でリムに連結されるようなものである。
この特許文献に記載されたホイール及びホイール/インサート組立体は、優れた状況下で、特にタイヤのビードが受座から外れるようになる恐れが非常に少ない状態で、扁平状態で走行することができる。しかしながら、ホイール及びホイール/インサート組立体は、特にホイールの内側に位置するホイールの大径受座に対するぶつかり衝撃(knock )に過度に弱い。
本発明の要旨は、各受座が、他方の受座に向いた側に、隣接の円周方向溝を有し、ディスクとリムが出会う連結領域が、第2の受座側でリムに連結されていることを特徴とする同様なホイールにある。
大径受座又は第2の受座をホイールの外側に、即ち、ディスクに連結された側に位置決めすることにより2つのリム受座の位置をこのように逆にすることにより、リムの大径領域を、かくして、内側での受座よりもぶつかり衝撃に対する敏感さが遙かに小さい非常に剛性の領域に位置決めすることができる。これは又、内側受座又は第1の受座に及ぼされる機械的疲労応力が小さいのでホイールを軽量化できるという利点を備えている。
受座に隣接して位置する円周方向溝は、取付け溝として働く。これら溝は、タイヤをリムに脱着しているときにタイヤの対応のビードが受座を乗り越えることができるよう設計されている。大径の第2の受座に隣接して位置する溝は、タイヤの第2のビードだけが第2の受座を乗り越えることができるよう設計された深さ(Hmax)を有していることが、注目されるべきである。このことが意味することは、タイヤの第1のビードがリムの第2の受座を乗り越えることができないということである。
第2の受座の安全ハンプが、軸方向幅Lの回転円筒形の領域又は「棚部」を有する場合、第2の受座に隣接して位置する溝の深さ(Hmax)は、最大直径(ΦS2max)及び棚部の軸方向幅Lで決まる。
その結果、第2の受座の幾何学的形状及び直径に応じて、第2の円周方向溝の深さは、第1の円周方向溝の深さに等しくても良く、これよりも小さくても良く、或いはこれよりも大きくても良い。
有利には、リムは、2つの溝相互間に、支持インサートを受け入れるようになった支承面を有するのが良い。
組立体を車両に取り付けるときに見える同じ態様、即ち同じ受座外径が、ホイール/インサート及びタイヤ組立体について維持される場合、本発明のホイールは、支承面の直径が、現在ETRTO(規格マニュアル2004,リム(Rims),R.14)によって定められた組立体に関し20mmのオーダーだけ小さくすることができるという利点を有している。これにより、インサートとトレッドとの間の隙間が増大し、かくして、激しいぶつかり衝撃の場合に車両に伝達されがちな荷重の大きさが減少する。
有利には、リムの半径方向内側プロフィールが、ディスクとの連結領域に向かって第2の受座から進んで、最小直径(ΦJImin)を通り、次に第1の受座と第2の受座との間に軸方向に位置決めされた最大直径(φJImax)を通る直径を有する場合、本発明のホイールは、一方において最大直径(φJImax)と最小直径(φJImin)との間の直径のリムの半径方向内側プロフィールの領域中に開口し、他方において第2の受座側でホイールの外部に開口した少なくとも1つの通路を有する。
この通路が設けられていることにより、物質(水、氷、泥、種々の物体)をホイールの外部に除去することができ、しかもこれら物質がホイールのこの内部領域に堆積するのが阻止される。
好ましくは、通路は、リムの内側プロフィールの最大直径(φJImax)よりもせいぜい3mmだけ小さい直径(φCI)を有するリムの半径方向内側領域内に開口する。
種々の物質が収納保持される領域は、かくして、この保持の結果を無視できるのに十分小さい。
好ましくは、通路は、第2の受座に向かって開口した回転円錐の扇形部と局所的に一致する。
本出願人は、回転円錐に関する標準的な定義、即ち一点で終わる底面が円形の回転立体という標準的定義を用いている。
通路のこの傾斜により、通路に入った物質が、重力を受け且つホイールが前進しているときに遠心力の作用を受けて恐らくは容易に追い出されるようになる。
特定の一実施形態によれば、ディスクは、多数個の通風開口部を有し、通路は、開口部のうちの少なくとも1つの半径方向外壁に形成されたスロットである。このスロットは、有利には、大きな曲率半径を備えた断面を有する。
先の実施形態と結合可能な別の実施形態によれば、ディスクは、各々が2本のスポーク相互間に位置決めされた多数個の通風開口部を有し、通路は、スポークのうちの少なくとも1本に形成されている。
有利には、リムの支承面は、特にこの支持インサートの軸方向寸法が2つの受座相互間のリムの領域の軸方向区分のみを占める場合、支持インサートを定位置にロックするようになった円周方向リブを有する。
本発明の別の要旨は、ホイールと、トレッド支持インサートとを有する組立体であって、支持インサートが、支承面の周りに位置決めされていて、第2の受座まで軸方向に延びていることを特徴とする組立体にある。
有利には、インサートは、リムの支承面の周りに位置決めされた支持部分と、円周方向溝に対して半径方向外側に位置決めされたロック部分とを有する。
好ましくは、第1の受座に向かう第2の受座の延長部として、第2の円周方向溝の側壁が設けられ、インサートは、第2の円周方向溝の側壁に当接するよう設計される。
これにより、インサートのロック部分は、リムの第2の受座の安全ハンプと協働してタイヤの脱着性能に悪影響を及ぼさないでタイヤのビードの優れた受座外れ防止性能(受座から外れるのを防止する性能)を保証することができる。
好ましくは、本発明の組立体は、支承面がインサートを支承面上の定位置にロックするために支持インサートの半径方向内壁上に円周方向に位置決めされた複数個のウェッジと協働する円周方向スロットを有するようなものである。
本発明のホイールへのタイヤの取付けは、次の方法により行われ、即ち、
−タイヤの第2のビードを第1の受座の側でホイールリム上に配置し、ついには、第2のビードが第2のリム受座に隣接して位置する取付け溝内に導入されるようにし、
−ビードを取付けローラを用いて外側から内側に向かって軸方向に押すことにより第1の受座上への第1のビードの取付けを行い、
−第2のビードが第2の受座の安全ハンプ、第2の受座及び第2の受座の棚部を乗り越えるようにし、
−第2のビードを取付けローラを用いて外側から内側に向かって軸方向に押すことにより第2のビードを第2の受座に取り付ける。
−タイヤの第2のビードを第1の受座の側でホイールリム上に配置し、ついには、第2のビードが第2のリム受座に隣接して位置する取付け溝内に導入されるようにし、
−ビードを取付けローラを用いて外側から内側に向かって軸方向に押すことにより第1の受座上への第1のビードの取付けを行い、
−第2のビードが第2の受座の安全ハンプ、第2の受座及び第2の受座の棚部を乗り越えるようにし、
−第2のビードを取付けローラを用いて外側から内側に向かって軸方向に押すことにより第2のビードを第2の受座に取り付ける。
例えば欧州特許第1,351,832号明細書に開示されている方法を利用して本発明のホイールへのタイヤと支持体の組立体の取付けを実施するのが良い。
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照して以下に与えられる説明から明らかになり、添付の図面は、非限定的な例によって、本発明の幾つかの実施形態を示している。
子午面又は軸方向平面は、ホイール及びリムの軸線Aを通る平面を意味するものと理解されたい。
図1は、本発明のインサート10、リム20及びタイヤ1の組立体の部分子午線又は軸方向断面図である。リム20は、ディスク21と一緒になって一体形ホイールを形成している。ディスクは、均等例として、リムとは別個独立に製造されて後でリムに接合されても良い。リム20は、第1の受座22及び第2の受座24を有し、これら受座は、タイヤ1の第1のビード3及び第2のビード5のための支承面として働くようになっている。
第1の受座22は、リムと同軸の回転円錐と局所的に一致して、第2の受座24に向かって開口した切頭円錐形底部221、第2の受座24に向かう第1の受座22の底部221の延長部としての安全ハンプ(こぶ状突起)222、及び第2の受座24と反対側で第1の受座の底部221の延長部をなす外部リップ223を有している。第1の受座22の最大直径は、ΦS1maxである。この直径は、安全ハンプ222の最大直径に一致している。
第2の受座24は、リムと同軸の回転円錐と局所的に一致して、第1の受座22に向かって開口した切頭円錐形底部241、第1の受座22に向かう第2の受座24の底部241の延長部としての安全ハンプ(こぶ状突起)242、及び第1の受座22と反対側で第2の受座の底部241の延長部をなす外部リップ243を有している。第2の受座24の最大直径は、ΦS2maxである。この直径は、安全ハンプ242の最大直径に一致している。
第2の受座の最大直径は、第1の受座の最大直径よりも大きい。図示の例では、最大直径ΦS2max,ΦS1max相互間の差の大きさは、20mmオーダーのものである。したがって、2つの受座の最小半径相互間の差は、10mmオーダーのものである。
第2の受座24に向かって第1の受座22から、連続して、周方向溝26、支承面28及び第2の周方向溝30が設けられている。第2の周方向溝30は、第2の受座24のための取付け溝として働く。溝30は、安全ハンプ242に隣接して位置する側壁301を有している。支承面28には、周方向スロット281が設けられている。支承面28の外径は、インサート10を第1の受座22を乗り越えてこの支承面28上に滑らせることができるように第1の受座22の最大直径にほぼ一致している。
タイヤ1は、リム20の受座22,24に当接するようになった2つのビード3,5、2つのサイドウォール7及びトレッド9を有している。各ビードは、ほぼ周方向に差し向けられると共に実際には非伸長性の環状補強材を有している。これら補強材、例えばビードワイヤ4,6は、供用中、ビードをリム受座上に保持するようになっている。
インサート10は、本質的に、
−圧力低下の場合にタイヤ1のトレッド9に接触するようになっているが、通常の圧力状態ではこのトレッドに関して隙間を空けるほぼ円筒形のクラウン領域12を有し、
−リム20の周りに嵌まるようになったほぼ円筒形のソール14を有し、このソールは、周方向に位置決めされていて、インサート10をリム20の支承面28上の定位置にロックするためにスロット281と協調するようになったほぼ半円筒形の断面の複数個のウェッジ141を有し、
−ソール14とクラウン領域12を互いに連結する環状本体16を有し、この本体は、ソールとクラウン領域をほぼ半径方向に連結すると共にインサートの一方の側から他方の側までほぼ軸方向に差し向けられたY字形仕切り160の集まりから成る。
−圧力低下の場合にタイヤ1のトレッド9に接触するようになっているが、通常の圧力状態ではこのトレッドに関して隙間を空けるほぼ円筒形のクラウン領域12を有し、
−リム20の周りに嵌まるようになったほぼ円筒形のソール14を有し、このソールは、周方向に位置決めされていて、インサート10をリム20の支承面28上の定位置にロックするためにスロット281と協調するようになったほぼ半円筒形の断面の複数個のウェッジ141を有し、
−ソール14とクラウン領域12を互いに連結する環状本体16を有し、この本体は、ソールとクラウン領域をほぼ半径方向に連結すると共にインサートの一方の側から他方の側までほぼ軸方向に差し向けられたY字形仕切り160の集まりから成る。
このインサートは、ハウジング40を有し、このハウジングは、インサートに対して半径方向内方に開口していて、電子モジュール50を収容するようになっている。電子モジュール、例えばこの電子モジュール50は、国際公開第94/20317号パンフレットに開示されたタイヤ圧力モニタシステムと同様なタイヤ圧力モニタシステムの一部をなしている。電子モジュールは、タイヤ及びリムにより形成されたキャビティ内の空気の圧力及び温度を定期的に測定し、又、これら測定値を中央処理装置に定期的に送り、この中央処理装置において、これら値が分析されて処理される。
例えばこのような電子モジュールは又、第2の円周方向溝30内に開口したホイール弁に固定でき、又、第1の円周方向溝26の半径方向外壁に固定できる(図6参照)。この固定は、種々の公知の手段、例えば結合、溶接、リベット締め等により達成できる。
ソール14は、周方向に差し向けられた補強材、例えばスチールスレッド又は高弾性率織物(テキスタイル)補強材、例えばアラミドから成る。この機能は、インサートが周方向にシフトしないで支承面に当接したままであることができるようにするために高速走行中、インサートの受ける遠心力に対抗することにある。図示していないこれら補強材は、ハウジング40の各側に軸方向に設けられている。
図1は、取付け状態のタイヤ1とインサート10とリム20の組立体を示している。インサートは、リム20の支承面28の周りに位置決めされていて、これが溝30の側壁301に当接するまで溝30に対して半径方向外側で軸方向に延びていることが理解できる。支承面28周りに位置決めされたインサートの部分は、いわゆる「支持体」部分であり、タイヤトレッドとインサートのクラウン領域が接触した状態のランフラット条件下において主として荷重を支持するのは、この支持体部分17である。溝30の周りに位置決めされたインサートの部分は、「ロック」部分と呼ばれる。このロック部分18の機能は、ハウジング40を防護してタイヤ1の第2のビード5をその受座24上の定位置にロックすることにある。インサートのロック部分18のこの受座外れ防止機能は、第2の受座24の安全ハンプ242の同様な作用を補完する。
図1では、ディスク21は、第2のリム受座24の側で、即ち、大径の受座側でリム20に連結されていることが理解できる。受座24の安全ハンプ242は、リムの大径部分である。したがって、縁石に当たった際又はポットホール上を走行しているときに受ける機械的応力が最も高いのは、この領域である。かくして、この領域は、ディスク21とリム20との間の連結部に隣接して位置し、したがって、ぶつかり衝撃に対する優れた機械抵抗を促進する良好な剛性を有する。第1のリム受座は又、先行技術のホイールと比較して、それほど大きな機械的荷重を受けず、それにより、この領域におけるリムの厚さを減少させ、かくしてホイールの全質量を減少させることができる。同一の外側受座及び第2の受座直径を備えたホイールと比較すると、20%という多大な質量節約を達成することができる。
図2は、本発明のホイール2それ自体の部分子午面断面図である。リム20の半径方向内壁は、第1の受座22又は内側受座のところでは最小直径ΦJIminを有している。次に、支承面28のところで、直径は、最大値φJImaxまで増大する。これら2つの直径相互間の相当な差により、種々の物質、例えば水、氷、泥又は種々のデブリが堆積する場合のあるキャビティ280が形成されることが理解できる。この堆積した物質は、ホイールの静的及び動的バランスを乱し、それによりアンバランス状態が生じる。
この問題を解決するため、本発明のホイールは、ディスク21の通風開口部210の半径方向外壁に図2、図3及び図4に示すように形成された通路、この場合スロット214を有している。この通路又はスロット214は、曲率半径の大きな断面を有し、リムの内側フェースの最大直径領域φJImaxから3mm未満の軸方向距離φCI/2のところにおいてディスク21の内側でキャビティ280内に開口している。例えばこのような僅かな残留厚さにより、キャビティ280内への種々の物質の保持の問題を事実上無視できるようにすることができる。スロット214は、距離φJImax/2よりもごく僅かに大きな軸方向距離のところでディスクの他方の側に開口していて、スロットが除去を促進するよう僅かに角度が付けられるようになっている。
除去通路は、スポーク212内にも作ることができる。図5は、図2の断面とほぼ同じであるが、スポーク212を通る断面を示している。重要なことは、キャビティ280の容積が同様に制限されるということである。この図では、通路215は、一端がキャビティ280内に開口し、他端がディスク21の外部に開口していることが理解できる。
安全ハンプ242に隣接して位置する溝30の側壁301に当接する支持インサートを設けたことにより、受座24の切頭円錐形底部241に対するハンプ242の幅を実質的に減少させることが可能である。すると、このことにより、それに応じてタイヤの脱着性に悪影響を及ぼさないで、円周方向溝30の深さを減少させることができる。円周方向溝30のこの深さは、10〜15mm、好ましくは12〜13mmであり、この円周方向溝の機能は、タイヤ1のビード5が受座24を乗り越えることができるようにすることでもある。
図6は、本発明の別の実施形態としてのホイールを示している。このホイールは、支持インサートを備えていないタイヤに対応するようになっている。リムは、第1の受座に隣接して位置する溝26及び第2の受座に隣接して位置する溝30を有している。各溝は、タイヤを受け入れるようになっているビードが受座を乗り越えることができるようにする取付け溝として働き、したがって、タイヤを脱着しているときに、かかるビードを取り付けることができるようになっている。
溝30は、溝26の半径方向内径φJIminよりも大きな半径方向内径φJImaxを有している。この場合、これにより、保持キャビティ280が作られ、この場合も又、このキャビティ内に堆積する場合のある種々の物質を除去する手段が得られるので何らかの利点がある。図示の例では、ホイールは、一方の側がキャビティ280内に開口し、他方の側がディスク21の外側に開口した通路215を有している。
図7は、この場合も又、支持インサートを備えていないタイヤを受け入れるようになった本発明の別の実施形態としてのホイールを示している。上述したように、このホイールは、第1の受座22の直径よりも大きな直径の第2の受座24を有している。第2の受座は、ディスクとの連結領域でホイールの外側に位置決めされている。
図7のこのホイール2は、互いにほぼ同じ内径及び外径を有する2つの溝30,26を有している。その結果、リムの半径方向内壁は、保持キャビティを備えていない。
タイヤのビードが第2の受座から外れるようになるのを阻止することができるようにするため、この第2の受座は、溝30の側壁が当接するようになった図1のホイールの棚部の幅よりもかなり大きい幅の安全ハンプ又は棚部を備えている。
このようなわけで、溝30の深さHmaxは、かなり大きくなければならず、かかる深さHmaxは、幅が15mmオーダーの棚部を備えたホイールに関し、23〜27mmであるのが良い。この値は、第2の受座への第2のビードの装着を容易にすると共に優れた受座外れ防止性能をもたらす。これらの値は、公称直径が420〜540mmのホイールについて与えられている。
このホイールは、これがその半径方向内壁にアンダーカット部分を備えていないので非常に容易に製造できるという利点を有している。
本発明は、図示すると共に説明した実施形態には限定されず、本発明の範囲から逸脱することなく実施形態の種々の改造を行うことができ、本発明は、特許請求の範囲の記載にのみ基づいて定められる。
Claims (15)
- 回転対称の車両ホイールであって、ディスク及びリムを有し、前記リムが第1の受座及び第2の受座を有し、前記受座がそれぞれ、タイヤの第1のビード及び第2のビードを受け入れてこれを保持するようになっており、各前記受座が前記リムと同軸であると共に他方の前記受座に向かって開口した回転円錐と局所的に一致した実質的に切頭円錐形の底部を有し、前記他方の受座に向かう方向への前記受座の前記底部の延長部として安全ハンプが設けられ、前記他方の受座から遠ざかる方向への前記受座の前記底部の延長部として外部リップが設けられ、前記第1の受座の最大直径が前記第2の受座の最大直径よりも小さい、ホイールにおいて、各前記受座は、前記他方の受座に向いた側に、隣接の円周方向溝を有し、前記ディスクと前記リムが出会う連結領域は、前記第2の受座側で前記リムに連結されている、ホイール。
- 前記第2の受座に隣接して位置する前記溝の深さ(Hmax)は、前記タイヤの前記第2のビードが前記第2の受座を乗り越えることができ、前記タイヤの前記第1のビードが前記第2の受座を乗り越えることができないよう設計されている、請求項1記載のホイール。
- 前記第2の受座の前記安全ハンプが、軸方向幅Lの回転円筒形の領域又は棚部を有し、前記第2の受座に隣接して位置する前記溝の深さ(Hmax)は、前記最大直径(ΦS2max)及び前記棚部の前記軸方向幅Lで決まる、請求項2記載のホイール。
- 前記リムの半径方向内側プロフィールが、前記ディスクとの連結領域に向かって前記第2の受座から進んで、最小直径(ΦJImin)を通り、次に前記第1の受座と前記第2の受座との間に軸方向に位置決めされた最大直径(φJImax)を通る直径を有し、前記ホイールは、一方において前記最大直径(φJImax)と前記最小直径(φJImin)との間の直径のリムの半径方向内側プロフィールの領域中に開口し、他方において前記第2の受座側で前記ホイールの外部に開口した少なくとも1つの通路を有する、請求項1記載のホイール。
- 前記通路は、前記リムの内側プロフィールの最大直径(φJImax)よりもせいぜい3mmだけ小さい直径(φCI)を有する前記リムの半径方向内側領域内に開口している、請求項4記載のホイール。
- 前記通路は、前記第2の受座に向かって開口した回転円錐の扇形部と局所的に一致している、請求項4又は請求項5記載のホイール。
- 前記ディスクは、多数個の通風開口部を有し、前記通路は、前記開口部のうちの少なくとも1つの半径方向外壁に形成されたスロットである、請求項4乃至6の何れか1項に記載のホイール。
- 前記ディスクは、各々が2本のスポーク相互間に位置決めされた多数個の通風開口部を有し、前記通路は、前記スポークのうちの少なくとも1本に形成されている、請求項4乃至7の何れか1項に記載のホイール。
- 前記第1の受座に隣接して位置する前記溝は、モニタ用電子モジュールを収容するようになっている、請求項1乃至8の何れか1項に記載のホイール。
- 前記リムは、前記2つのリム相互間に位置決めされていて、直径が前記第1の受座の前記最大直径おおよそ等しい支承面を有する、請求項1乃至9の何れか1項に記載のホイール。
- 前記支承面は、前記インサートを前記支承面上の定位置にロックするようになった円周方向スロットを有する、請求項10記載のホイール。
- 請求項10又は請求項11記載のホイールと、トレッド支持インサートとを有する組立体であって、前記支持インサートは、前記支承面の周りに位置決めされていて、前記第2の受座まで軸方向に延びている、組立体。
- 前記インサートは、前記リムの前記支承面の周りに位置決めされた支持部分と、前記円周方向溝に対して半径方向外側に位置決めされたロック部分とを有する、請求項12記載の組立体。
- 前記第1の受座に向かう前記第2の受座の延長部として、前記第2の円周方向溝の側壁が設けられ、前記インサートは、前記第2の円周方向溝の前記側壁に当接するよう設計されている、請求項12又は請求項13記載の組立体。
- 前記支承面は、前記インサートを前記支承面上の定位置にロックするために前記支持インサートの半径方向内壁上に円周方向に位置決めされた複数個のウェッジと協働する円周方向スロットを有する、請求項12乃至14の何れか1項に記載の組立体。
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