JP2019209547A - 金属調加飾用部材及びそれを用いた金属調加飾成形体 - Google Patents
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しかし、樹脂部材の塗装は、樹脂部材が3次元構造を有する場合に塗布むらが発生してしまい、綺麗な塗装を施すことは困難であった。
当該問題を解決するために、パール顔料及び金属鱗片等を用いて、印刷によって金属光沢を有する層(光輝性印刷層)を形成する手段が考えられる。
[1]外層側から順に、透明アクリル基材、光輝性印刷層及び着色層を含む金属調加飾用部材であって、前記着色層が顔料及びバインダー樹脂を含み、前記バインダー樹脂が、アクリル系樹脂、及び塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂を含む、金属調加飾用部材。
[2]上記[1]に記載の金属調加飾用部材から形成されてなる、金属調加飾成形体。
本発明の金属調加飾用部材は、外層側から順に、透明アクリル基材、光輝性印刷層及び着色層を含む金属調加飾用部材であって、前記着色層が顔料及びバインダー樹脂を含み、前記バインダー樹脂が、アクリル系樹脂及び塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂を含むことを特徴としている。
図1の金属調加飾用部材1Aは、外層側から順に、透明アクリル基材2、光輝性印刷層3、接着性着色層4a及び樹脂板6を有している。また、図2の金属調加飾用部材1Bは、着色層4b上に接着剤層5を介し樹脂板6を有している。
本発明の金属調加飾用部材の基材として、光輝性印刷層を保護し透過性を維持する観点から、透明アクリル基材を用いる。アクリル基材としては、特に限定されないが、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル基材、ポリ(メタ)アクリル酸エチル基材、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体基材等からなるアクリル系樹脂フィルムを用いる。アクリル系樹脂フィルムは、耐光性、成形性に優れるとともに、空気との屈折率差が小さいため、表面反射率が低く透明性に優れ、かつ傷が目立ちにくい。また、アクリル系樹脂フィルムの中でも、ゴム粒子を含有するアクリル系樹脂フィルムは、成形性を良好にし得る点で好適である。
また、透明アクリル基材は、JIS K7361−1:1997の全光線透過率が85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
また、透明アクリル基材は、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加剤を含有するものであってもよい。
透明アクリル基材の厚みは、例えば、垂直断面を電子顕微鏡等で観察することにより測定できる。
光輝性印刷層は、透明アクリル基材の内層側に位置し、金属調加飾用部材に金属光沢感を付与する役割を担う層である。
光輝性印刷層は、光輝性顔料及びバインダー樹脂を含むことが好ましい。
光輝性印刷層は、例えば、透明アクリル基材の内層側の面に、光輝性印刷層用インキで印刷することにより形成される。光輝性印刷層用インキは、通常、バインダー樹脂や溶剤からなるビヒクルを主成分とし、これに、光輝性顔料、さらに必要に応じて、染料や顔料等の着色剤が添加混合されたインキが用いられる。印刷方式としては、例えば、コンマコーター印刷、バーコーター印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、シルクスクリーン印刷等が挙げられる。
光輝性顔料としては、パール顔料及び金属鱗片が挙げられる。これらの中でも、観察する角度による色味が変化し、意匠性をより良好なものとすることができるパール顔料が好ましい。
このように、パール顔料は、金属そのものではなく、主に金属酸化物により構成されてなるものであるが、金属光沢感を生じさせることができる材料である。
パール顔料は、輝度を高めて金属光沢をより高める観点から、母体がアルミナであるものが好ましい。
白色パール顔料は、雲母、アルミナ、ガラス等の鱗片状の母体を、二酸化チタン等の無色高屈折率材料からなる被覆層で覆ったものであり、かつ被覆層の厚みが0.1〜0.15μm程度と比較的小さいものであり、光のほぼすべての波長を反射するため、白色もしくは銀色に見える。
干渉パール顔料は、被覆層が二酸化チタン等の無色高屈折率材料であり、かつ被覆層の厚みが白色パール顔料よりも大きく、0.15μm超のものである。この厚みによって、反射光及び透過光が変化し、種々の干渉色を生じる。虹彩色パールと呼ばれる場合もある。
着色パール顔料は、有彩色であり、被覆層を酸化第二鉄等の有色高屈折率材料としたもの、白色パール顔料の周囲をさらに酸化第二鉄等の有色高屈折率材料もしくはその他の有色顔料で被覆したもの、又は、被覆層中に顔料やその他の着色剤を添加したもの等がある。
なお、パール顔料の平均長さ及び後述する金属鱗片の平均長さは、金属調加飾用部材の平面方向から光学顕微鏡又は電子顕微鏡で観察した任意の20個の粒子(パール顔料又は金属鱗片)の長さの平均値として求められる。なお、1個のパール顔料及び金属鱗片の長さは、1個のパール顔料及び金属鱗片の平面方向の最大長さを意味する。
金属鱗片は、例えば、前記金属又は合金をプラスチックフィルム上に真空蒸着してなる金属薄膜をプラスチックフィルムから剥離し、剥離した金属薄膜を粉砕、撹拌した得られたものや、前記金属又は合金の粉末と溶剤とを混合し、媒体撹拌ミル、ボールミル、アトライター等で、該粉末を展延及び/又は粉砕して得られたもの、さらに、これらの表面が樹脂コートされたもの等を用いることができる。
なお、光輝性顔料がパール顔料の場合は、より好ましくは7〜40質量%、さらに好ましくは10〜30質量%である。また、光輝性顔料が金属鱗片の場合は、より好ましくは0.07〜10質量%、さらに好ましくは0.10〜5質量%である。
これらのバインダー樹脂の中でも、透明性の観点からアクリル系樹脂が好ましい。
樹脂(A1)の質量平均分子量は、100,000以下であることが好ましく、30,000〜100,000であることがより好ましく、50,000〜90,000であることがさらに好ましい。樹脂(B1)の質量平均分子量は、100,000超であることが好ましく、120,000〜800,000であることがより好ましく、150,000〜500,000であることがさらに好ましい。
また、樹脂(A1)と樹脂(B1)との質量比は、1:3〜3:1であることが好ましく、1:2〜2:1であることがより好ましい。
上記のように樹脂(A1)と樹脂(B1)とを併用することにより、成形時のクラックを抑制しつつ、光輝性印刷層の凝集力を良好にしやすくできる。
樹脂(A1)及び樹脂(B1)は、同系統の樹脂であることが好ましく、何れもアクリル系樹脂であることがより好ましい。
なお、本明細書において、質量平均分子量とは、GPC法で測定したポリスチレン換算の質量平均分子量である。
可塑剤としては、フタル酸エステル、アジピン酸エステル及びトリメリット酸エステル等が挙げられる。光輝性印刷層中の可塑剤の含有量は、光輝性印刷層の全固形分の1〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは3〜15質量%、さらに好ましくは5〜10質量%である。可塑剤の含有量を1質量%以上とすることにより、成形時のクラックを抑制しやすくでき、可塑剤の含有量を20質量%以下とすることにより、耐熱性及び耐光性の低下を抑制するとともに、柔軟性が過度になり過ぎることによる塗膜の変形を抑制することができる。
光輝性印刷層中の配向剤の含有量は、光輝性印刷層の全固形分の1〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは3〜15質量%、さらに好ましくは5〜10質量%である。配向剤の含有量を1質量%以上とすることにより光輝性顔料を層内で均一に配置しやすくすることができ、金属光沢の極端なバラツキを抑制しやすくできる。また、配向剤の含有量を20質量%以下とすることにより、光輝性顔料等の他の成分の割合を確保するとともに、成形時にクラックを抑制しやすくできる。
着色層は、光輝性印刷層の内層側に位置し、金属調加飾用部材に色味を付与したり、着色層よりもさらに内層側に後述する樹脂板を有する場合に、該樹脂板の色味を隠蔽したりする役割を有する。着色層はプロセスの簡易性等の観点から接着性を有していることが好ましい(以下、「接着性着色層」ということがある)。
本発明の金属調加飾用部材において、着色層が、アクリル系樹脂、及び塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂を含んでなることにより、成形時のクラックを抑制しやすくできる。
本発明の金属調加飾用部材において、着色層中の前記バインダー樹脂が、質量平均分子量が互いに異なるアクリル系樹脂P及びアクリル系樹脂Qを含んでなることにより、成形時のクラックを抑制しつつ、凝集力を抑制しやすくできる。
前記アクリル系樹脂Pの質量平均分子量は、100,000以下であることが好ましく、30,000〜100,000であることがより好ましく、50,000〜90,000であることがさらに好ましい。
前記アクリル系樹脂Qの質量平均分子量は、100,000超であることが好ましく、120,000〜800,000であることがより好ましく、150,000〜500,000であることがさらに好ましい。
前記アクリル系樹脂Pの質量平均分子量が上記の範囲にあると、成形時のクラックを抑制しやすくでき、前記アクリル系樹脂Qの質量平均分子量が上記の範囲にあると、凝集性を抑制しやすくできる。
また、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂の重合度が、好ましくは100〜800、より好ましくは120〜600、さらに好ましくは150〜400である。
塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂の酢酸ビニル含有量及び重合度を上記の数値範囲とすることにより成形時のクラックを抑制しやすくできる。
必要に応じ、塩化ビニル−酢酸ビニル系モノマーにさらにマレイン酸、フマル酸などのカルボン酸(モノマー)を共重合させてもよい。なお、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂の重合度は、GPCにより測定したポリスチレン換算による数平均分子量から算出することができる。
有彩色無機顔料としては、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青及びコバルトブルー等が挙げられる。
また、有彩色有機顔料としては、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー及びフタロシアニンブルー等が挙げられる。
顔料の含有量が、前記バインダー樹脂100質量部に対し上記の範囲にあると、所望の色味の付与が広範囲にわたり実現でき、かつ成形時のクラックが抑制しやすくなる。
また、本発明においては、特に顔料の含有量を高く設定でき、それに伴い色味等の付与をより高くできる(例えば、薄膜であっても、より濃い色を発色させる)効果を有する観点から、着色層中の顔料の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、200〜400質量部であることが好ましく、250〜400質量部であることがより好ましく、320〜400質量部であることがさらに好ましい。
金属調加飾用部材は、透明アクリル基材、光輝性印刷層及び着色層以外の層を有していてもよい。
前記着色層の光輝性印刷層側とは反対側にさらに着色フィルムを有することが好ましい。
着色フィルムは、例えば、前記着色層と同様、顔料及びバインダー樹脂を含むことが好ましい。着色フィルムに用いる顔料は、前述した着色層に用いたものと同じものが挙げられる。
着色層の厚みは、特に制限されないが、顔料の種類、また用途に応じて適宜調整される。成形時のクラック抑制の観点から、0.1〜0.5mmであることが好ましく、0.2〜0.4mmであることがより好ましい。
前記着色層の光輝性印刷層側とは反対側にさらに樹脂板を有することが好ましい。
樹脂板は、例えば、金属調加飾用部材の強度を高めたり、金属調加飾用部材から形成した金属調加飾成形体の形状を保持したりする役割を有する。
例えば、樹脂板の表面反射を抑制する場合は、白を除く無彩色(灰色、黒色)であることが好ましく、黒色であることがより好ましい。この場合、樹脂板の顔料としては、黒色顔料単独でもよいし、黒色顔料と他の顔料(白色顔料等)との混合であってもよい。
樹脂板はABS樹脂以外のバインダー樹脂を含有していてもよい。樹脂板の全バインダー樹脂に対するABS樹脂の割合は、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましく、99質量%以上であることがよりさらに好ましく、100質量%であることが最も好ましい。
透明アクリル基材、光輝性印刷層、着色層、着色フィルム及び樹脂板の間には、各層の接着性を高めるために接着剤層を有していてもよい。
接着剤層は、感熱性接着剤層及び感圧性接着剤層(粘着層)が挙げられる。感圧性接着剤層(粘着層)は、貼り合せプロセスの簡便さからより好ましい。
接着剤層の厚みは、接着剤の種類に応じて、0.1〜100μm程度の範囲で調整すればよい。
なお、金属調加飾用部材を構成する各層(例えば光輝性印刷層、着色層)が接着性を兼ね備えるものであれば、接着剤層を別途形成する必要がなく、薄膜化及びコスト削減の点で好ましい。
透明アクリル基材の光輝性印刷層とは反対側の面には、例えば、耐擦傷性を向上するために保護層を形成してもよい。
電離放射線硬化性樹脂としては、エチレン性不飽和結合基を有する化合物が好ましい。また、金属調加飾用部材を製造する過程で樹脂層が傷つくことを抑制する観点からは、電離放射線硬化性樹脂としては、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する化合物がより好ましく、中でも、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する、多官能性(メタ)アクリレート系化合物が更に好ましい。多官能性(メタ)アクリレート系化合物としては、モノマー及びオリゴマーのいずれも用いることができる。
なお、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も使用可能である。
金属調加飾用部材の積層構成の具体例としては、例えば、下記(1)〜(10)が挙げられる。なお、「/」は各層の境界を意味する。また、左側が金属調加飾用部材の外層側、右側は内層側を意味する。
(1)透明アクリル基材/光輝性印刷層/接着性着色層/樹脂板
(2)透明アクリル基材/光輝性印刷層/着色層/接着剤層/樹脂板
(3)透明アクリル基材/光輝性印刷層/接着性着色層/着色フィルム
(4)透明アクリル基材/光輝性印刷層/接着性着色層/着色フィルム/樹脂板
(5)透明アクリル基材/光輝性印刷層/着色層/接着剤層/着色フィルム/樹脂板
(6)保護層/透明アクリル基材/光輝性印刷層/接着性着色層/樹脂板
(7)保護層/透明アクリル基材/光輝性印刷層/着色層/接着剤層/樹脂板
(8)保護層/透明アクリル基材/光輝性印刷層/接着性着色層/着色フィルム
(9)保護層/透明アクリル基材/光輝性印刷層/接着性着色層/着色フィルム/樹脂板(10)保護層/透明アクリル基材/光輝性印刷層/着色層/接着剤層/着色フィルム/樹脂板
(1−1)透明アクリル基材上に、光輝性印刷層用インキを塗布、乾燥して光輝性印刷層を形成し、次いで、光輝性印刷層上に、接着性着色層用インキを塗布、乾燥して接着性着色層を形成し、さらに、該接着性着色層側と、樹脂板とを対向させ貼り合わせ、熱ラミネートにより接着し、透明アクリル基材、光輝性印刷層、接着性着色層及び樹脂板からなる積層体A1を得る工程。
(5−1)透明アクリル基材上に、光輝性印刷層用インキを塗布、乾燥して光輝性印刷層を形成し、次いで、光輝性印刷層上に、着色層用インキを塗布、乾燥して着色層を形成し、さらに、着色層上に、接着剤層用インキを塗布、乾燥して接着剤層を形成した後、着色フィルムを貼り合わせ、透明アクリル基材、光輝性印刷層、着色層、接着剤層及び着色フィルムからなる積層体A5を得る工程。
(5−2)積層体A5の着色フィルム側と、樹脂板とを対向させ貼り合わせ、熱ラミネートする工程。
本発明の金属調加飾成形体は、上述した本発明の金属調加飾用部材から形成されてなるものである。
金属調加飾成形体は、例えば、下記(y1)〜(y2)の工程を有する真空成形により、製造することができる。
(y1)金属調加飾用部材を、所定形状の成形面を有する成形型上に設置した後、当該金属調加飾用部材を加熱、軟化させる。成形型が雄型の場合は、金属調加飾用部材の黒色板側が成形型(雄型)側を向くように配置し、成形型が雌型の場合は、金属調加飾用部材の透明基材側が成形型(雌型)側を向くように配置する。
(y2)成形型側から真空吸引して、軟化した金属調加飾用部材を成形型の成形面に沿って密着させることにより、金属調加飾用部材を成形する。
実施例及び比較例で得られた金属調加飾用部材を用いた金属調加飾成形体について以下の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例及び比較例で得られた金属調加飾成形体を、透明アクリル基材側から蛍光灯の照明下で目視で観察し、クラックが生じているか否かを確認した。クラックが確認できなかったものを「A」、クラックが確認されたものを「C」とした。
実施例及び比較例で得られた金属調加飾成形体を、透明アクリル基材側から蛍光灯の照明下で目視で観察し、金属光沢を感じられるか否かを確認した。金属光沢が感じられたものを「A」、金属光沢が感じられなかったものを「C」とした。
[実施例1]
厚み125μmのゴム粒子を含有するアクリル樹脂系フィルムからなる透明アクリル基材(全光線透過率:92%、ヘイズ:0.6%)上に、下記処方の光輝性印刷層用インキを塗布、乾燥し、厚み10μmの光輝性印刷層を形成した。次いで、光輝性印刷層上に、下記処方の着色層用インキを塗布、乾燥し、厚み10μmの接着性着色層を形成し、透明アクリル基材、光輝性印刷層、接着性着色層からなる積層体を得た。
次いで、積層体の接着性着色層側と、厚み3mmの樹脂板(バインダー樹脂成分:ABS樹脂)とを対向させ貼り合わせ、接着し、外層側から、透明アクリル基材、光輝性印刷層、接着性着色層及び樹脂板をこの順に有する、実施例1の金属調加飾用部材を得た。
また、金属調加飾用部材を、75℃3日間、加熱乾燥した後、所望の成形形状の型を用い、該金属調加飾用部材の黒色板側の面を該型に向けて配置して真空成形し(黒色板到達温度150℃)、実施例1の金属調加飾成形体を得た。
・アクリル系樹脂(A1):8質量部
(質量平均分子量70,000、ガラス転移温度100℃)
・アクリル系樹脂(B1):7質量部
(質量平均分子量300,000、ガラス転移温度100℃)
・パール顔料:5質量部
(母体がアルミナで被覆層が二酸化チタンからなるパール顔料)
(平均長さ:27.5μm、平均厚み:0.4μm)
・沈降防止剤
(シリカ、平均一次粒子径:20nm)
・フタル酸ジイソデシル:2質量部
・配向剤(雲母):2質量部
・溶剤:適量
・アクリル系樹脂P:5.1質量部(質量平均分子量:70,000、ガラス転移温度:100℃)
・アクリル系樹脂Q:4.6質量部(質量平均分子量:300,000、ガラス転移温度:100℃)
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体:5.3質量部
(含有比:塩化ビニル/酢酸ビニル=87/13)
(重合度:400、ガラス転移温度75℃)
・白色顔料(二酸化チタン):25質量部
・溶剤:適量
二酸化チタンの配合量を32.3質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の金属調加飾用部材及び金属調加飾成形体を得た。
アクリル系樹脂Pを4.0質量部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を6.4質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして、実施例3の金属調加飾用部材及び金属調加飾成形体を得た。
アクリル系樹脂Pを2.5質量部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を8.0質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして、実施例4の金属調加飾用部材及び金属調加飾成形体を得た。
二酸化チタン25.0質量部をカーボンブラック12.2質量部、アクリル系樹脂Pを7.1量部、アクリル系樹脂Qを6.0質量部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を6.9質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例5の金属調加飾用部材及び金属調加飾成形体を得た。
アクリル系樹脂Pを2.1量部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を8.3質量部に変更した以外は、実施例5と同様にして、実施例6の金属調加飾用部材及び金属調加飾成形体を得た。
二酸化チタンの配合量を48.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例7の金属調加飾用部材及び金属調加飾成形体を得た。
アクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を、アクリル系樹脂のみに変更(総質量部は15.0質量部)した以外は、実施例2と同様にして、比較例1の金属調加飾用部材及び金属調加飾成形体を得た。
アクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を、アクリル系樹脂のみに変更(総質量部は20.0質量部)した以外は、実施例5と同様にして、比較例2の金属調加飾用部材及び金属調加飾成形体を得た。
アクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体のみに変更(15.0質量部)以外は、実施例2と同様にして、比較例3の金属調加飾用部材及び金属調加飾成形体を得た。
また、表1の結果から、着色層中にアクリル系樹脂のみを含む比較例1の金属調加飾用部材よりも、着色層中に塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を併用した実施例2〜4の金属調加飾用部材の方が、クラックを抑制できる白色顔料(二酸化チタン粒子)の含有量の許容量が多いことが確認できる。
同様に、着色層中にアクリル系樹脂のみを含む比較例2の金属調加飾用部材よりも、着色層中に塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を併用した実施例5の金属調加飾用部材の方が、クラックを抑制できる黒色顔料(カーボンブラック粒子)の含有量の許容量が多いことが確認できる。
さらに、実施例2、7と比較例1との対比から、着色層中に塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を併用した場合、クラックを抑制できる白色顔料(二酸化チタン粒子)の含有量の許容量がさらに増大することが確認できる。
2:透明アクリル基材
3:光輝性印刷層
4a:接着性着色層
4b:着色層
5:接着剤層
6:樹脂板
Claims (6)
- 外層側から順に、透明アクリル基材、光輝性印刷層及び着色層を含む金属調加飾用部材であって、前記着色層が顔料及びバインダー樹脂を含み、前記バインダー樹脂が、アクリル系樹脂、及び塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂を含む、金属調加飾用部材。
- 前記着色層中の前記顔料の含有量が前記バインダー樹脂100質量部に対して、10〜400質量部である、請求項1に記載の金属調加飾用部材。
- 前記着色層に含まれるアクリル系樹脂と、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂との質量比が、10:2〜10:20である、請求項1又は2に記載の金属調加飾用部材。
- 前記光輝性印刷層が、光輝性顔料及びバインダー樹脂を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属調加飾用部材。
- 車両体外装用に用いられる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の金属調加飾用部材。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の金属調加飾用部材から形成されてなる、金属調加飾成形体。
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