JP5623183B2 - 光輝性複層塗膜及びその形成方法 - Google Patents

光輝性複層塗膜及びその形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば鱗片状又は薄板状の光輝性顔料を有する光輝性複層塗膜及びその形成方法に関する。
例えば、自動車の外板に鱗片状又は薄板状の光輝性顔料を含有する光輝性複層塗膜を形成して、メタリック塗装とすることが行われている。
特許文献1には、基材上に着色ベース塗膜、光輝性ベース塗膜、クリア塗膜を順次形成してなる複層塗膜の形成方法が示されている。
特開2004−255322号公報
塗膜に含有される光輝性顔料の配向度が低い場合、広範囲に光を拡散させるので、図6に示すように、塗膜を見る角度(測定角度)に応じた明るさの変化は比較的小さく、塗膜を見る角度を漸次大きくして正面視からシェード視に移行させた場合に徐々に暗くなるように見えるという特徴を有している。
一方、塗膜に含有される光輝性顔料の配向度が高い場合は、図6に示すように、塗膜を見る角度に応じた明るさの変化は比較的大きく、正面視ではより明るく、シェード視ではより暗く見えるという特徴を有している。
したがって、光輝性顔料が配向されている塗膜は、配向されていない塗膜よりもシェード視側でコントラストが大きく、塗装ムラが目立ちやすいという問題がある。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、光輝性顔料が配向されている上層塗膜を有する光輝性複層塗膜の塗装ムラを防止することができる光輝性複層塗膜及びその形成方法を提供することである。
上記課題を解決する本発明の光輝性複層塗膜は、(1)光輝性顔料が配向された上層塗膜と、明度(L75値)が60〜70である下層塗膜とを有し、上層塗膜は、該上層塗膜の形成に用いられる上層塗料に含有される塗料固形分が、上層塗料の全質量に対して5〜15質量%の範囲であり、上層塗料に含有される光輝性顔料濃度が、上層塗料に含有される塗料固形分100質量部に対して10〜60質量部の範囲であり、上層塗膜の硬化膜厚が2〜8μmの範囲内であることを特徴としている。
本発明の光輝性複層塗膜によれば、光輝性顔料が配向された上層塗膜の下に、明度(L75値)が60〜70の下層塗膜が形成され、上層塗膜は、上層塗料に含有される塗料固形分が、上層塗料の全質量に対して5〜15質量%の範囲であり、上層塗料に含有される光輝性顔料濃度が、上層塗料に含有される塗料固形分100質量部に対して10〜60質量部の範囲であり、上層塗膜の硬化膜厚が2〜8μmの範囲内である。したがって、光輝性顔料の配向性が高い上層塗膜を有する光輝性複層塗膜において、塗装ムラが目立たず、見た目品質が良好な光輝性複層塗膜を得ることができる。
そして、(2)下層塗膜は、下層塗膜の形成に用いられる下層塗料に含有される塗料固形分が、下層塗料の全質量に対して15〜45質量%の範囲であり、下層塗料に含有される光輝性顔料濃度が、下層塗料に含有される塗料固形分100質量部に対して0〜20質量部の範囲であり、下層塗膜の硬化膜厚と上層塗膜の硬化膜厚との比率が(1.5:1)〜(6:1)の範囲内にあることが好ましい。
また、本発明の光輝性複層塗膜は、(3)被塗装物の上に形成された中塗り塗膜、中塗り塗膜の上に形成されたベース塗膜、ベース塗膜の上に形成されたクリア塗膜を少なくとも含む光輝性複層塗膜であって、中塗り塗膜が下層塗膜であり、ベース塗膜が上層塗膜であることを特徴としている。
そして、(4)ベース塗膜は、中塗り塗膜の上に形成された第1ベース塗膜と、第1ベース塗膜の上に形成された第2ベース塗膜を含み、第1ベース塗膜は、第1ベース塗膜の形成に用いられる第1ベース塗料に含有される塗料固形分が、第1ベース塗料の全質量に対して5〜15質量%の範囲であり、第1ベース塗料に含有される光輝性顔料濃度が、第1ベース塗料に含有される塗料固形分100質量部に対して10〜60質量部の範囲であり、第1ベース塗膜の硬化膜厚が2〜8μmの範囲内であることが好ましい。
また、(5)第2ベース塗膜は、第2ベース塗膜の形成に用いられる第2ベース塗料に含有される塗料固形分が、第2ベース塗料の全質量に対して15〜45質量%の範囲であり、下層塗料に含有される光輝性顔料濃度が、第2ベース塗料に含有される塗料固形分100質量部に対して0〜20質量部の範囲であり、第1ベース塗膜の硬化膜厚と第2ベース塗膜の硬化膜厚との比率が(1:1.5)〜(1:6)の範囲内にあることが好ましい。
本発明の光輝性複層塗膜は、(6)被塗装物の上に形成された中塗り塗膜、中塗り塗膜の上に形成された第1ベース塗膜、第1ベース塗膜の上に形成された第2ベース塗膜、第2ベース塗膜の上に形成されたクリア塗膜を少なくとも含む複層塗膜であって、第1ベース塗膜が下層塗膜であり、第2ベース塗膜が上層塗膜であることを特徴としている。
本発明の光輝性複層塗膜の形成方法によれば、(7)被塗装物の上に明度(L75値)が60〜70である下層塗膜を形成する工程と、下層塗膜の上に、光輝性顔料が配向された上層塗膜を形成する工程と、を含み、上層塗膜の形成に用いられる上層塗料に含有される塗料固形分濃度が、上層塗料の全質量に対して5〜15質量%の範囲であり、上層塗料に含有される光輝性顔料濃度が、上層塗料に含有される塗料固形分100質量部に対して10〜60質量部の範囲であり、上層塗膜の硬化膜厚が2〜8μmの範囲内であることを特徴としている。したがって、光輝性顔料の配向性が高い上層塗膜を有する光輝性複層塗膜において、塗装ムラが目立たず、見た目品質が良好な光輝性複層塗膜を形成することができる。
本発明の光輝性複層塗膜の形成方法において、(8)下層塗膜の形成に用いられる下層塗料に含有される塗料固形分が、下層塗料の全質量に対して15〜45質量%の範囲であり、下層塗料に含有される光輝性顔料濃度が、下層塗料に含有される塗料固形分100質量部に対して0〜20質量部の範囲であり、下層塗膜の硬化膜厚と上層塗膜の硬化膜厚との比率が(1.5:1)〜(6:1)の範囲内にあることが好ましい。
本発明の光輝性複層塗膜によれば、光輝性顔料が配向された上層塗膜の下に、明度(L75値)が60〜70の下層塗膜が形成され、上層塗膜は、上層塗料に含有される塗料固形分が、上層塗料の全質量に対して5〜15質量%の範囲であり、上層塗料に含有される光輝性顔料濃度が、上層塗料に含有される塗料固形分100質量部に対して10〜60質量部の範囲であり、上層塗膜の硬化膜厚が2〜8μmの範囲内であるので、光輝性顔料の配向性が高い上層塗膜を有する光輝性複層塗膜において、塗装ムラが目立たず、見た目品質が良好な光輝性複層塗膜を得ることができる。
本実施の形態における光輝性複層塗膜の一構成例の断面構造を模式的に示す図。 本実施の形態における光輝性複層塗膜の他の構成例の断面構造を模式的に示す図。 本実施の形態における光輝性複層塗膜の他の構成例の断面構造を模式的に示す図。 実験1の実験結果を示す表。 実験2の実験結果を示す表。 光輝性複層塗膜の測定角度と明るさの関係を示したグラフ。
次に、本発明の実施の形態について説明する。
本明細書において、「被塗装物」は、その表面に本発明の光輝性複層塗膜の形成が予定される物を意味し、「塗装物」は、本発明の光輝性複層塗膜を被塗装物の表面に備える物を意味する。本発明の光輝性複層塗膜及びその形成方法に使用される被塗装物の材料としては、金属若しくはそれらを含有する合金又はプラスチックを挙げることができる。本発明の光輝性複層塗膜が被塗装物の上に形成された電着塗膜をさらに含む場合、被塗装物の材料としては、導電性の金属若しくはそれらを含有する合金、又は予め導電処理を施したプラスチックが好ましい。一例として、鉄、銅、アルミニウム、スズ若しくは亜鉛等の金属又はそれらを含有する合金が特に好ましい。また、本発明の光輝性複層塗膜を備える塗装物の用途としては、例えば、乗用車、トラック若しくはオートバイ等の自動車車体又は部品が好ましく、該塗装物の形状としては、上記のような用途に使用するための形状が好ましい。それ故、本発明の光輝性複層塗膜及びその形成方法において特に好ましい被塗装物は、上記の好適な金属若しくはそれらを含む合金からなる、自動車車体及び/又は部品を製造するための板並びに成型物である。上記のような材料及び形状からなる被塗装物に本発明の光輝性複層塗膜及びその形成方法を適用することにより、塗装ムラの目立たない光輝性複層塗膜を備える塗装物を製造することが可能となる。
本発明の光輝性複層塗膜は、光輝性顔料が配向された上層塗膜と、明度(L75値)が60〜70である下層塗膜を有する。
上記構成を有する光輝性複層塗膜の形成方法は、被塗装物の上に明度(L75値)が60〜70である下層塗膜を形成する工程と、その下層塗膜の上に、光輝性顔料が配向された上層塗膜を形成する工程とを含む。
図1は、本実施の形態における光輝性複層塗膜の一構成例の断面構造を模式的に示す図である。
光輝性複層塗膜1は、被塗装物の上に形成された中塗り塗膜11、中塗り塗膜11の上に形成された第1ベース塗膜12、第1ベース塗膜12の上に形成された第2ベース塗膜13、第2ベース塗膜13の上に形成されたクリア塗膜14を少なくとも含む構成を有している。
図1に示す構成例1では、中塗り塗膜11が下層塗膜を構成しており、明度(L75値)が60〜70となっている。そして、第1ベース塗膜12が上層塗膜を構成しており、光輝性顔料15が配向されている。第2ベース塗膜13は、着彩顔料16を含有している。
第1ベース塗膜12は、第1ベース塗膜12の形成に用いられる第1ベース塗料に含有される塗料固形分が第1ベース塗料の全質量に対して5〜15質量%の範囲であり、第1ベース塗料に含有される光輝性顔料15の濃度が第1ベース塗料に含有される塗料固形分100質量部に対して10〜60質量部の範囲であり、第1ベース塗膜12の硬化膜厚が2〜8μmの範囲内である。
また、第2ベース塗膜13は、第2ベース塗膜13の形成に用いられる第2ベース塗料に含有される塗料固形分が、第2ベース塗料の全質量に対して15〜45質量%の範囲であり、第2ベース塗料に含有される光輝性顔料15の濃度が、第2ベース塗料に含有される塗料固形分100質量部に対して0〜20質量部の範囲であり、第1ベース塗膜12の硬化膜厚と第2ベース塗膜13の硬化膜厚との比率が(1:1.5)〜(1:6)の範囲内である。
上記した構成により、第1ベース塗膜12は、光輝性顔料15の配向性が高く、正面視の明度とシェード視の明度の差が大きいものとなる。なお、第1ベース塗膜12は、第2ベース塗膜13と同様に、着彩顔料16を含有していてもよい。
図1に示す構成例1では、光輝性複層塗膜1は、光輝性顔料15が配向された第1ベース塗膜(上層塗膜)12と、明度(L75値)が60〜70の中塗り塗膜(下層塗膜)11とを有しており、光輝性顔料15が配向された第1ベース塗膜12の下に、明度(L75値)が60〜70の中塗り塗膜11が形成されている。このように、光輝性顔料15が配向された第1ベース塗膜12の下に形成される中塗り塗膜11の明度(L75値)を60〜70とすることによって、光輝性顔料15の配向性が高い第1ベース塗膜12を有する光輝性複層塗膜1において、塗装ムラが目立たず、見た目品質が良好な光輝性複層塗膜1を得ることができる。
図2は、本実施の形態における光輝性複層塗膜の他の構成例の断面構造を模式的に示す図である。なお、図1に示す構成例1と同様の構成要素には、同一の符号を付することでその詳細な説明を省略する。
光輝性複層塗膜1は、被塗装物の上に形成された中塗り塗膜21、中塗り塗膜21の上に形成された第1ベース塗膜22、第1ベース塗膜22の上に形成された第2ベース塗膜23、第2ベース塗膜23の上に形成されたクリア塗膜24を少なくとも含む構成を有している。
図2に示す構成例2では、第1ベース塗膜22が下層塗膜を構成しており、明度(L75値)が60〜70に設定されている。そして、第2ベース塗膜23が上層塗膜を構成しており、光輝性顔料15が配向されている。第1ベース塗膜22は、着彩顔料16を含有している。
第2ベース塗膜23は、第2ベース塗膜23の形成に用いられる第2ベース塗料に含有される塗料固形分が第2ベース塗料の全質量に対して5〜15質量の範囲であり、第2ベース塗料に含有される光輝性顔料15の濃度が第2ベース塗料に含有される塗料固形分100質量部に対して10〜60質量部の範囲であり、第2ベース塗膜23の硬化膜厚が2〜8μmの範囲内である。
第1ベース塗膜22は、第1ベース塗膜22の形成に用いられる第1ベース塗料に含有される塗料固形分が、第1ベース塗料の全質量に対して15〜45質量%の範囲であり、第1ベース塗料に含有される光輝性顔料15の濃度が、第1ベース塗料に含有される塗料固形分100質量部に対して0〜20質量部の範囲であり、第1ベース塗膜22の硬化膜厚と第2ベース塗膜23の硬化膜厚との比率が(1.5:1)〜(6:1)の範囲内である。
上記した構成により、第2ベース塗膜23は、光輝性顔料15の配向性が高く、正面視の明度とシェード視の明度の差が大きいものとなる。なお、第1ベース塗膜22は、着彩顔料16に加えて光輝性顔料15を含有していてもよく、第2ベース塗膜23は、光輝性顔料15に加えて着彩顔料16を含有していてもよい。第1ベース塗膜22の光輝性顔料15は、高い配向性を有する必要はない。
図2に示す構成例2では、光輝性複層塗膜1は、光輝性顔料15が配向された第2ベース塗膜(上層塗膜)23と、明度(L75値)が60〜70である第1ベース塗膜(下層塗膜)22とを有しており、光輝性顔料15が配向された第2ベース塗膜23の下に、明度(L75値)が60〜70の第1ベース塗膜22が形成される。このように、光輝性顔料15が配向された第2ベース塗膜23の下に形成される第1ベース塗膜22の明度(L75値)を60〜70とすることによって、光輝性顔料15の配向性が高い第2ベース塗膜23を有する光輝性複層塗膜1において、塗装ムラが目立たず、見た目品質が良好な光輝性複層塗膜1を得ることができる。
図3は、本実施の形態における光輝性複層塗膜の他の構成例の断面構造を模式的に示す図である。なお、図1、2に示す構成例1、2と同様の構成要素には同一の符号を付することでその詳細な説明を省略する。
光輝性複層塗膜1は、被塗装物の上に形成された中塗り塗膜31、中塗り塗膜31の上に形成された第1ベース塗膜32、第1ベース塗膜32の上に形成された第2ベース塗膜33、第2ベース塗膜33の上に形成されたクリア塗膜34を少なくとも含む構成を有している。
図3に示す構成例3では、クリア層34が着彩顔料16を含有し、第1ベース塗膜32と第2ベース塗膜33が着彩顔料16を含有していない点で、図2に示す構成例2と相違しており、他の点については構成例2と同様である。
光輝性複層塗膜1は、光輝性顔料15が配向された第2ベース塗膜(上層塗膜)33と、明度(L75値)が60〜70である第1ベース塗膜(下層塗膜)32とを有しており、光輝性顔料15が配向された第2ベース塗膜33の下に、明度(L75値)が60〜70の第1ベース塗膜32が形成される。このように、光輝性顔料15が配向された第2ベース塗膜33の下に形成される第1ベース塗膜32の明度(L75値)を60〜70とすることによって、光輝性顔料15の配向性が高い第2ベース塗膜33を有する光輝性複層塗膜1において、塗装ムラが目立たず、見た目品質が良好な光輝性複層塗膜1を得ることができる。
次に、上記構成例1における光輝性複層塗膜1の具体的な形成方法について説明する。
1.光輝性複層塗膜の形成方法
光輝性複層塗膜1は、中塗り塗膜形成工程、第1ベース塗膜形成工程、第2ベース塗膜形成工程、クリア塗膜形成工程、及び焼付工程を含む方法によって形成される。そして、中塗り塗膜形成工程を実行する前に、電着塗膜形成工程を実行してもよい。また、第2ベース塗膜形成工程とクリア塗膜形成工程との間に、未硬化の第1ベース塗膜12及び第2ベース塗膜13をプレヒート処理して未硬化のプレヒート処理された第1ベース塗膜12及び第2ベース塗膜13を形成させるプレヒート工程をさらに実行してもよい。
以下、各工程について詳細に説明する。
1−1.電着塗膜形成工程
本工程は、被塗装物の上に熱硬化性の電着塗料を塗装して、電着塗膜(図示せず)を形成することを目的とする。
本明細書において、「電着塗料」は、上記のような被塗装物の表面に塗装されることにより、塗装物の錆、腐食を防止するとともに、塗装物表面の耐衝撃性を強化するために使用される塗料を意味する。本工程に使用される電着塗料は、当業界で慣用される熱硬化性の水性塗料であることが好ましく、カチオン型電着塗料又はアニオン型電着塗料のいずれも使用することができる。かかる電着塗料は、基剤樹脂及び硬化剤と、水及び/又は親水性有機溶剤からなる水性媒体とを少なくとも含有する水性塗料であることが好ましい。耐錆性の観点から、基剤樹脂としてはエポキシ樹脂、アクリル樹脂又はポリエステル樹脂等を、硬化剤としてはブロック化ポリイソシアネート化合物又はアミノ樹脂等を使用することが好ましい。ここで、親水性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール又はエチレングリコール等を使用することができる。上記の好適な構成の電着塗料を塗装することにより、耐錆性及び耐衝撃性の高い電着塗膜を得ることが可能となる。
本明細書において、「電着塗膜」は、上記の電着塗料を被塗装物の上に塗装して形成される塗膜を意味する。
本工程において、電着塗料を被塗装物の上に塗装する手段は、当業界で慣用される電着塗装方法を採用することができる。上記の塗装方法により、予め成形処理を施された被塗装物においても、その表面全体に亘って耐錆性の高い塗膜を形成させることが可能となる。
本工程において形成される電着塗膜は、続いて形成される中塗り塗膜11との間における混層の発生を防止し、結果として得られる光輝性複層塗膜1の塗装外観を向上させるために、熱硬化性の電着塗料を塗装した後、未硬化の該塗膜を焼付処理して加熱硬化させることが好ましい。本明細書において、「焼付処理」は、熱硬化性の塗料が表面に塗装された塗装物を高温条件下で加熱することにより、塗料中に含有される水性媒体を揮散させるとともに、基剤樹脂及び硬化剤を重合させ、硬化した乾燥状態の塗膜を形成させる処理を意味する。基剤樹脂及び硬化剤を重合させるためには、重合に必要な硬化温度を超える温度で焼付処理する必要がある。しかしながら、一般に180℃を超える温度で焼付処理を行うと、塗膜が固くなり過ぎて脆くなり、また110℃未満の温度で焼付処理を行うと、上記の成分の重合が不十分となり、いずれも好ましくない。それ故、本実施の形態において実施される焼付処理は、使用される熱硬化性の塗料に含有される基剤樹脂及び硬化剤の硬化温度に対して10〜50℃高い温度であることが好ましい。本工程において、未硬化の電着塗膜の焼付処理の温度は、110〜180℃であることが好ましい。また、焼付処理の時間は、10〜60分間であることが好ましい。上記の条件で焼付処理を行うことにより、硬化した乾燥状態の電着塗膜を得ることが可能となる。
また、上記の条件で焼付処理した後の、硬化した電着塗膜の乾燥膜厚(硬化膜厚)は、5〜40 μmの範囲であることが好ましい。
なお、本明細書において、「乾燥膜厚」は、熱硬化性の塗料を塗装して未硬化の塗膜を形成させた後、該未硬化の塗膜を焼付処理して形成される硬化した乾燥状態の塗膜の厚さを意味する。乾燥膜厚は、例えば、JIS K 5600-1-7(1999)により測定することができる。
上記の好適な構成の電着塗膜を形成させることにより、塗装物の耐錆性及び耐衝撃性を向上させることが可能となる。
1−2.中塗り塗膜形成工程
本工程は、電着塗膜の上に熱硬化性の中塗り塗料を塗装して、中塗り塗膜11を形成させることを目的とする。
本明細書において、「中塗り塗料」は、塗膜の表面平滑性を確保し、かつ耐衝撃性及び耐チッピング性(小石などの障害物の衝突によって生じる塗膜の損傷に対する耐性)等の塗膜物性を強化するために使用される塗料を意味する。本工程に使用される熱硬化性の中塗り塗料は、当業界で慣用される熱硬化性の水性塗料であって、基剤樹脂及び硬化剤と、水及び/又は親水性有機溶剤からなる水性媒体とを少なくとも含有する水性塗料であることが好ましい。ここで上記の基剤樹脂及び硬化剤としては、当業界で慣用される公知の化合物を使用すれば良く、基剤樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂又はアクリル樹脂等を、硬化剤としては、例えば、アミノ樹脂、ポリイソシアネート化合物又はブロック化ポリイソシアネート化合物等を使用することができる。親水性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール又はエチレングリコール等を使用することができる。また、本実施の形態で使用される中塗り塗料は、上記の成分に加えて、所望により紫外線吸収剤、消泡剤、増粘剤、防錆剤、表面調整剤又は顔料等を適宜含有しても良い。
上記の好適な構成の中塗り塗料を塗装することにより、塗装物の耐衝撃性及び耐チッピング性を向上させることが可能となる。
本明細書において、「中塗り塗膜」は、上記の中塗り塗料を被塗装物又は電着塗膜の上に塗装して形成される塗膜を意味する。中塗り塗膜11の明度(L75値)は60〜70とされる。
中塗り塗料を塗装する方法は、当業界で慣用される通常の塗装方法を採用することができる。かかる塗装方法としては、例えば、刷毛又は塗装機を用いる塗装方法を挙げることができる。塗装機を用いる塗装方法が好ましい。また、塗装機としては、エアレススプレー塗装機、エアスプレー塗装機又は塗料カセット式のような回転霧化式静電塗装機が好ましい。特に好ましくは、回転霧化式静電塗装機である。上記の塗料及び塗装方法を使用することにより、色ムラ、タレなどの好ましくない不具合を生じることなく、良好な塗装外観を得ることが可能となる。
本工程で形成される中塗り塗膜11は、未硬化で且つ水性媒体を含有する状態であっても良く、続いて実施される第1ベース塗膜形成工程の前に予め上記で説明した焼付処理を実施することにより、塗膜を硬化させ、且つ塗料中に含有される水性媒体を揮散させた乾燥状態であっても良い。第1ベース塗膜形成工程によって形成される第1ベース塗膜12との混層の発生を防止し、第1ベース塗膜12に含有される光輝性顔料15の配向性を向上させるために、予め焼付処理によって硬化させた乾燥状態の中塗り塗膜11であることが好ましい。かかる場合、未硬化の中塗り塗膜11の焼付処理の温度は、110〜180℃であることが好ましい。また、焼付処理の時間は、10〜60分間であることが好ましい。上記の条件で焼付処理を行うことにより、高い重合度の中塗り塗膜11を得ることが可能となる。
また、上記の条件で焼付処理した後の硬化した乾燥状態の中塗り塗膜11の膜厚は、10〜50μmの範囲であることが好ましい。
上記の好適な構成の中塗り塗膜11を形成させることにより、塗装物の塗装外観を向上させるとともに、耐衝撃性及び耐チッピング性を向上させることが可能となる。
1−3.第1ベース塗膜形成工程
本工程は、中塗り塗膜の上に、光輝性顔料15を含有する熱硬化性の第1水性ベース塗料を塗装して未硬化の第1ベース塗膜12を形成させることを目的とする。
本明細書において、「第1水性ベース塗料」は、光輝性顔料15を含有する水性塗料であって、金属光沢感、金属調意匠性及び/又はフリップフロップ性を付与するとともに、下地となる電着塗膜及び中塗り塗膜11を隠蔽するために使用される塗料を意味する。本工程に使用される熱硬化性の第1水性ベース塗料は、当業界で慣用される熱硬化性の水性塗料であって、基剤樹脂及び硬化剤と、水及び/又は親水性有機溶剤からなる水性媒体とを少なくとも含有する水性塗料であることが好ましい。ここで上記の基剤樹脂及び硬化剤としては、当業界で慣用される公知の化合物を使用すれば良く、基剤樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂又はポリウレタン樹脂等を、硬化剤としては、例えば、アミノ樹脂、ポリイソシアネート化合物又はブロック化ポリイソシアネート化合物等を使用することができる。水性媒体としては、水及び/又は少なくとも1種類の親水性有機溶剤からなる媒体を使用すれば良く、該親水性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール又はエチレングリコール等を使用することができる。また、本実施の形態で使用される熱硬化性の第1水性ベース塗料は、上記の成分に加えて、所望により着彩顔料16、体質顔料、紫外線吸収剤、消泡剤、増粘剤、防錆剤又は表面調整剤等を適宜含有しても良い。
熱硬化性の第1水性ベース塗料に含有される塗料固形分濃度は、第1水性ベース塗料の全質量に対する塗料固形分の質量の割合によって表される。本明細書において、「塗料固形分」は、110℃で1時間乾燥させた後に残存する、塗料に含有される基剤樹脂、硬化剤等の不揮発性成分を意味する。それ故、熱硬化性の第1水性ベース塗料に含有される塗料固形分濃度は、アルミ箔カップ等の耐熱容器に未硬化の第1水性ベース塗料を量り取り、容器底面に亘って展延した後、110℃で1時間乾燥させ、乾燥後に残存する塗料成分の質量を秤量して、乾燥前の塗料の全質量に対する乾燥後に残存する塗料成分の質量の割合を求めることにより、算出することができる。
熱硬化性の第1ベース塗料、第2ベース塗料及びクリア塗料を未硬化の状態で順次塗装(ウェット・オン・ウェット塗装)する従来の複層塗膜の形成方法では、塗装後の粘度を増大させてタレを防止し、光輝性顔料15の配向性を向上させるために、熱硬化性の第1水性ベース塗料の塗料固形分濃度は概ね15質量%よりも高い範囲であることが好ましいとされてきた。これに対し、本発明の光輝性複層塗膜1の形成方法では、塗料固形分濃度が低い熱硬化性の第1水性ベース塗料を使用することにより、より高い彩度の複層塗膜を得ることができる。熱硬化性の第1水性ベース塗料中の塗料固形分濃度が低い場合、水性媒体の含有量が高くなるため、以下で説明するプレヒート工程又は焼付工程における水性媒体の揮散に伴い、未硬化の塗膜12は膜厚方向に向かって顕著に収縮する。結果として、焼付工程において形成される硬化した乾燥状態の塗膜(第1ベース塗膜12)の膜厚は薄くなる。未硬化の塗膜(第1ベース塗膜12)が膜厚方向に向かって収縮すると、膜厚方向すなわち下層の塗膜表面方向に向かって、未硬化塗膜(第1ベース塗膜12)に含有される光輝性顔料15等の塗料成分を配向させる力が作用する。このように、水性媒体の揮散に伴う未硬化塗膜の収縮によって生じる収縮力が、未硬化の第1ベース塗膜12に含有される光輝性顔料15に対して作用する配向の駆動力となる。熱硬化性の第1水性ベース塗料に含有される塗料固形分濃度が15質量%を超える場合、上記の収縮力が低下し、光輝性顔料15の配向が低下することから好ましくない。一方、熱硬化性の第1水性ベース塗料に含有される塗料固形分濃度が5質量%未満である場合、塗膜の強度が低下することから好ましくない。それ故、構成例1では、熱硬化性の第1水性ベース塗料に含有される塗料固形分濃度は、5〜15質量%の範囲であることが好ましく、8〜12質量%の範囲であることがより好ましい。
なお、熱硬化性の第1水性ベース塗料に含有される塗料固形分の質量は上記と同様の方法により算出することができる。
上記の組成及び濃度で塗料固形分を含有する熱硬化性の第1水性ベース塗料を使用することにより、高い配向性の光輝性顔料15を有する第1ベース塗膜12を得ることが可能となる。
熱硬化性の第1水性ベース塗料に含有される光輝性顔料15は、塗膜に光輝感又は光干渉性を付与する顔料であって、例えば、アルミニウムフレーク顔料、蒸着アルミニウムフレーク顔料、金属酸化物被覆アルミニウムフレーク顔料、着色アルミニウムフレーク顔料、マイカ(雲母)、酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母、雲母状酸化鉄、酸化チタン被覆シリカ、酸化チタン被覆アルミナ、酸化鉄被覆シリカ又は酸化鉄被覆アルミナ等を挙げることができる。好ましくはアルミニウムフレーク顔料又は着色アルミニウムフレーク顔料である。
上記の光輝性顔料15を含有する熱硬化性の第1水性ベース塗料を使用することにより、高彩度でかつ深みのある意匠性を有する光輝性複層塗膜1を形成させることが可能となる。
熱硬化性の第1水性ベース塗料に含有される光輝性顔料15は、鱗片状又は薄板状の形状であることが好ましい。上記の形状である場合、光輝性顔料15は、5〜20 μmの平均粒径を有することが好ましく、8〜15 μmの平均粒径を有することがより好ましい。また、光輝性顔料15は、0.05〜0.40 μmの平均厚さを有することが好ましく、0.05〜0.30 μmの平均厚さを有することがより好ましい。上記の形状の光輝性顔料15を含有する熱硬化性の第1水性ベース塗料を使用することにより、光輝性顔料15による光の反射強度を向上させ、塗装物表面の彩度を向上させることが可能となる。
なお、本明細書において、光輝性顔料15の平均粒径は、レーザー回折散乱法により測定される体積基準粒度分布のメジアン径(d50)を意味し、例えば、マイクロトラック粒度分布測定装置(MT3300, 日機装社製)等を用いることにより測定することができる。また、本明細書において、光輝性顔料15の平均厚さは、形成された塗膜表面に対して垂直方向の断面を電子顕微鏡で観察し、電子顕微鏡画像上で無作為に引いた直線上に位置する当該光輝性顔料20個の厚さを平均した値を意味する。
本発明の光輝性複層塗膜1の形成方法に使用される熱硬化性の第1水性ベース塗料は、上記の光輝性顔料15をそれぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて含有することができる。光輝性顔料濃度が10質量部未満の場合、光輝性顔料15による金属光沢感の付与等の効果を十分に発揮することができず、下地隠蔽性も低下することから好ましくない。また、光輝性顔料濃度が60質量部を超える場合、塗料の物性が低下して塗装時の作業性を損なうだけでなく、塗膜の表面平滑性を損なうことから好ましくない。それ故、熱硬化性の第1水性ベース塗料に含有される光輝性顔料濃度は、第1水性ベース塗料に含有される塗料固形分100質量部に対して、10〜60質量部の範囲であることが好ましく、15〜40質量部の範囲であることがより好ましい。
なお、熱硬化性の第1水性ベース塗料に含有される塗料固形分の質量は上記の方法により算出することができ、光輝性顔料15の質量は、未硬化の第1水性ベース塗料に含有される光輝性顔料15の質量に基づいて決定することができる。
上記の濃度で光輝性顔料15を含有する第1水性ベース塗料を使用することにより、下地の隠蔽性及び塗膜の表面平滑性を向上させることが可能となる。
本明細書において、「第1ベース塗膜」は、上記の第1水性ベース塗料を中塗り塗膜の上に塗装して形成される塗膜を意味する。
熱硬化性の第1水性ベース塗料を塗装する方法は、当業界で慣用される通常の塗装方法を採用することができる。かかる塗装方法としては、例えば、刷毛又は塗装機を用いる塗装方法を挙げることができる。塗装機を用いる塗装方法が好ましい。また、塗装機としては、エアレススプレー塗装機、エアスプレー塗装機又は塗料カセット式のような回転霧化式静電塗装機が好ましい。特に好ましくは、回転霧化式静電塗装機である。上記の塗料及び塗装方法を使用することにより、色ムラ、タレなどの好ましくない不具合を生じることなく、良好な塗装外観を得ることが可能となる。
本発明の光輝性複層塗膜1の形成方法では、以下で説明する焼付工程において、未硬化の第1ベース塗膜12、第2ベース塗膜13、及びクリア塗膜14を同時に焼付処理することにより、各塗膜を加熱硬化させて、硬化した乾燥状態の第1ベース塗膜12、第2ベース塗膜13及びクリア塗膜14を含む光輝性複層塗膜1を形成させる。それ故、本工程においては焼付処理を実施しない。本工程で形成される第1ベース塗膜12は、未硬化で且つ水性媒体を含有する状態で、続いて実施される第2ベース塗膜形成工程に供される。
上記の好適な構成の第1ベース塗膜12を形成させることにより、光輝性顔料15の配向性を向上させることが可能となる。
1−4.第2ベース塗膜形成工程
本工程は、未硬化の第1ベース塗膜12の上に、着彩顔料16を含有する熱硬化性の第2水性ベース塗料を塗装して未硬化の第2ベース塗膜13を形成させることを目的とする。
本明細書において、「第2水性ベース塗料」は、着彩顔料16を含有する水性塗料であって、所望の色彩を付与するために使用される塗料を意味する。本工程に使用される熱硬化性の第2水性ベース塗料は、当業界で慣用される熱硬化性の水性塗料であって、基剤樹脂及び硬化剤と、水及び/又は親水性有機溶剤からなる水性媒体とを少なくとも含有する水性塗料であることが好ましい。ここで上記の基剤樹脂及び硬化剤としては、当業界で慣用される公知の化合物を使用すれば良く、基剤樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂又はポリウレタン樹脂等を、硬化剤としては、例えば、アミノ樹脂、ポリイソシアネート化合物又はブロック化ポリイソシアネート化合物等を使用することができる。水性媒体としては、水及び/又は少なくとも1種類の親水性有機溶剤からなる媒体を使用すれば良く、該親水性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール又はエチレングリコール等を使用することができる。また、本発明の光輝性複層塗膜1の形成方法に使用される熱硬化性の第2水性ベース塗料は、上記の成分に加えて、所望により体質顔料、紫外線吸収剤、消泡剤、増粘剤、防錆剤又は表面調整剤等を適宜含有しても良い。
熱硬化性の第2水性ベース塗料に含有される塗料固形分濃度は、第2水性ベース塗料の全質量に対する塗料固形分の質量の割合によって表される。熱硬化性の第2水性ベース塗料に含有される塗料固形分濃度が15質量%未満である場合、塗膜の強度が低下することから好ましくない。一方、熱硬化性の第2水性ベース塗料に含有される塗料固形分濃度が45質量%を超える場合、粘度が増大して塗装時の作業性を損ない、結果として得られる塗膜の表面平滑性が低下するだけでなく、第1ベース塗膜に含有される光輝性顔料15による反射光の透過率が低下して、塗装物表面における彩度が低下することから好ましくない。それ故、熱硬化性の第2水性ベース塗料に含有される塗料固形分濃度は、15〜45質量%の範囲であることが好ましい。
上記の組成及び濃度で塗料固形分を含有する熱硬化性の第2水性ベース塗料を使用することにより、表面平滑性及び光輝性顔料15による反射光の透過性が高い第2ベース塗膜13を得ることが可能となる。
なお、熱硬化性の第2水性ベース塗料に含有される塗料固形分の質量は上記と同様の方法により算出することができる。
熱硬化性の第2水性ベース塗料に含有される着彩顔料16は、塗膜に所望の色彩を付与する顔料であって、例えば、酸化チタン等の白色顔料、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、鉄黒若しくはアニリンブラック等の黒色顔料、ペリレンマルーン、赤色酸化鉄、ナフトールAS系アゾレッド、アンサンスロン、アンスラキノニルレッド、キナクリドン系赤顔料、ジケトピロロピロール、ウォッチングレッド若しくはパーマネントレッド等の赤色顔料、黄色酸化鉄、チタンイエロー、モノアゾイエロー、縮合アゾイエロー、アゾメチンイエロー、ビスマスバナデート、ベンズイミダゾロン、イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ベンジジンイエロー若しくはパーマネントイエロー等の黄色顔料、パーマネントオレンジ等の橙色顔料、コバルト紫、キナクリドンバイオレッド若しくはジオキサジンバイオレッド等の紫色顔料、コバルトブルー、フタロシアニンブルー若しくはスレンブルー等の青色顔料、又はフタロシアニングリーン等の緑色顔料等を挙げることができる。好ましくはペリレンマルーン、赤色酸化鉄又はフタロシアニンブルーである。
本発明の光輝性複層塗膜1の形成方法に使用される熱硬化性の第2水性ベース塗料は、上記の着彩顔料をそれぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて含有することができる。熱硬化性の第2水性ベース塗料に含有される着彩顔料濃度は、第2水性ベース塗料に含有される塗料固形分100質量部に対して、0.1〜20質量部の範囲であることが好ましく、0.1〜5質量部の範囲であることがより好ましい。
上記の着彩顔料16を含有する熱硬化性の第2水性ベース塗料を使用することにより、深みのある色彩を有する光輝性複層塗膜1を形成させることが可能となる。
なお、熱硬化性の第2水性ベース塗料に含有される塗料固形分の質量は上記の方法により算出することができ、着彩顔料16の質量は、未硬化の第2水性ベース塗料に含有される着彩顔料16の質量に基づいて決定することができる。
本明細書において、「第2ベース塗膜」は、上記の第2水性ベース塗料を第1ベース塗膜12の上に塗装して形成される塗膜を意味する。
熱硬化性の第2水性ベース塗料を塗装する方法は、上記で説明した第1水性ベース塗料を塗装する方法と同様の方法を採用することができる。特に好ましくは、回転霧化式静電塗装機を用いる塗装方法である。上記の塗料及び塗装方法を使用することにより、色ムラ、タレなどの好ましくない不具合を生じることなく、良好な塗装外観を得ることが可能となる。
本発明の光輝性複層塗膜1の形成方法では、以下で説明する焼付工程において、未硬化の第1ベース塗膜12、第2ベース塗膜13、及びクリア塗膜14を同時に焼付処理することにより、各塗膜を加熱硬化させて、硬化した乾燥状態の第1ベース塗膜12、第2ベース塗膜13及びクリア塗膜14を含む光輝性複層塗膜1を形成させる。それ故、本工程においては焼付処理を実施しない。本工程で形成される第2ベース塗膜13は、未硬化で且つ水性媒体を含有する状態で、続いて実施されるプレヒート工程又は焼付工程に供される。
上記の好適な構成の第2ベース塗膜13を形成させることにより、塗装物の彩度を向上させることが可能となる。
1−5.プレヒート工程
本発明の光輝性複層塗膜1の形成方法は、第2ベース塗膜形成工程とクリア塗膜形成工程の間にプレヒート工程をさらに含んでも良い。本工程は、未硬化で且つ水性媒体を含有する第1ベース塗膜12及び第2ベース塗膜13をプレヒート処理して、該塗膜に含有される水性媒体を短時間で揮散させ、未硬化で且つ乾燥状態の第1ベース塗膜12及び第2ベース塗膜13を形成させることを目的とする。
本明細書において、「プレヒート処理」は、塗膜が表面に形成された塗装物を、塗膜に含有される基剤樹脂及び硬化剤が重合・硬化しないか又は実質的に重合・硬化しない時間及び温度条件で加熱することにより、該塗膜に含有される水性媒体及び/又は他の揮発性物質を、最終的に得られる複層塗膜の品質に実質的に影響を与えない含有量まで揮散させる処理を意味する。また、本明細書において、「乾燥状態」は、塗膜に含有される水性媒体が、最終的に得られる光輝性複層塗膜1の品質に実質的に影響を与えない含有量まで揮散した状態を意味する。
本発明の光輝性複層塗膜1の形成方法においては、熱硬化性の第1ベース塗料及び第2ベース塗料が未硬化の状態で順次塗装(ウェット・オン・ウェット塗装)される。それ故、焼付処理によって塗膜を硬化させる前にプレヒート処理を行うことにより、第1ベース塗膜12及び第2ベース塗膜13から水性媒体を短時間で揮散させて、未硬化で且つ乾燥状態の第1ベース塗膜12及び第2ベース塗膜13(プレヒート処理された第1ベース塗膜及び第2ベース塗膜)を形成させることができる。
上記で説明したように、未硬化の第1ベース塗膜12及び第2ベース塗膜13をプレヒート処理すると、水性媒体の揮散に伴い未硬化の塗膜は膜厚方向に向かって顕著に収縮する。これにより、プレヒート処理された第1ベース塗膜13及び第2ベース塗膜13は、焼付工程において形成される硬化した乾燥状態の塗膜の膜厚と、実質的に等しい膜厚にまで収縮する。
プレヒート処理を行う前の第1ベース塗膜12は、未硬化で且つ水性媒体を含有しているため、該塗膜中の光輝性顔料15は比較的自由に配向しうる。ここでプレヒート処理を行うと、塗膜の収縮によって生じる収縮力が光輝性顔料15に対して作用する配向の駆動力となり、各々の光輝性顔料15が被塗装物の塗装面に対して平行又は実質的に略平行に整列するように配向される。光輝性顔料15が鱗片状又は薄板状の形状を有する場合、上記のように光輝性顔料15自体が整列する際に、各々の表面(反射面)も塗装面に対して平行又は実質的に略平行に整列するように配向される。塗装物の表面における光の反射は、第1ベース塗膜12に含有される各光輝性顔料15の反射面における光の反射の和として観測される。このため、光輝性顔料15の配向性が向上することにより、塗装物の表面方向からの入射光の反射強度が向上する。
本工程において、プレヒート処理の温度は、60〜100℃であることが好ましい。また、プレヒート処理の時間は、1〜10分であることが好ましい。
上記の条件でプレヒート処理を行うことにより、第1ベース塗膜12中の光輝性顔料15の配向性を向上させ、結果として光輝性複層塗膜1を備える塗装物の表面における彩度を向上させることが可能となる。
プレヒート工程により、第1ベース塗膜12における光輝性顔料15の配向性が極めて高くなるが、本発明の光輝性複層塗膜1では、第1ベース塗膜12の下に形成される中塗り塗膜11の明度(L75値)を60〜70としているので、塗装ムラが目立たず、見た目品質を良好なものとすることができる。
1−6.クリア塗膜形成工程
本工程は、未硬化の第1ベース塗膜12及び第2ベース塗膜13の上に熱硬化性のクリア塗料を塗装して、未硬化のクリア塗膜14を形成させることを目的とする。前記未硬化の第1ベース塗膜12及び第2ベース塗膜13は、第2ベース塗膜形成工程後の、未硬化で且つ水性媒体及び/又は他の揮発性物質を含む塗膜であっても良く、プレヒート工程後の、未硬化で且つ乾燥状態の塗膜であっても良い。
本明細書において、「クリア塗料」は、第1及び第2ベース塗膜の凹凸を平滑にするとともに、第1及び第2ベース塗膜12、13を保護するために使用される塗料を意味する。本工程に使用される熱硬化性のクリア塗料は、当業界で慣用される熱硬化性の水性塗料であって、基剤樹脂及び硬化剤と、水及び/又は親水性有機溶剤からなる水性媒体とを少なくとも含有する水性塗料であることが好ましい。ここで上記の基剤樹脂及び硬化剤としては、当業界で慣用される公知の化合物を使用すれば良く、基剤樹脂としては、例えば、カルボキシル基含有アクリル樹脂、エポキシ基含有アクリル樹脂又は水酸基含有アクリル樹脂等を、硬化剤としては、例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネート化合物又はブロック化ポリイソシアネート化合物等を使用することができる。水性媒体としては、水及び/又は少なくとも1種類の親水性有機溶剤からなる媒体を使用すれば良く、該親水性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール又はエチレングリコール等を使用することができる。また、本発明の複層塗膜の形成方法に使用される熱硬化性のクリア塗料は、上記の成分に加えて、所望により上記で説明した着色顔料及び光輝性顔料の他、体質顔料、紫外線吸収剤、消泡剤、増粘剤、防錆剤又は表面調整剤等を適宜含有しても良い。
上記の好適な構成の熱硬化性のクリア塗料を塗装することにより、第1及び第2ベース塗膜12、13の保護に十分な乾燥膜厚を有し、かつ表面平滑性に優れたクリア塗膜14を得ることが可能となる。
本明細書において、「クリア塗膜」は、上記のクリア塗料を未硬化の第1ベース塗膜12及び第2ベース塗膜13の上に塗装して形成される塗膜を意味する。
クリア塗料を塗装する方法は、上記で説明した第1水性ベース塗料を塗装する方法と同様の方法を採用することができる。特に好ましくは、回転霧化式静電塗装機を用いる塗装方法である。上記の塗料及び塗装方法を使用することにより、色ムラ、タレなどの好ましくない不具合を生じることなく、良好な塗装外観を得ることが可能となる。
本発明の光輝性複層塗膜1の形成方法では、以下で説明する焼付工程において、未硬化の第1ベース塗膜12、第2ベース塗膜13、及びクリア塗膜14を同時に焼付処理することにより、各塗膜を加熱硬化させて、硬化した乾燥状態の第1ベース塗膜12、第2ベース塗膜13及びクリア塗膜14を含む光輝性複層塗膜1を形成させる。それ故、本工程においては焼付処理を実施しない。本工程で形成されるクリア塗膜14は、未硬化で且つ水性媒体を含有する状態で、続いて実施される焼付工程に供される。
上記の好適な構成のクリア塗膜14を形成させることにより、表面平滑性に優れた塗装外観を得ることが可能となる。
1−7.焼付工程
本工程は、上記で説明した未硬化の第1ベース塗膜12、第2ベース塗膜13、及びクリア塗膜14を同時に焼付処理して、硬化した乾燥状態の第1ベース塗膜12、第2ベース塗膜13及びクリア塗膜14を含む光輝性複層塗膜1を形成させることを目的とする。前記未硬化の第1ベース塗膜12及び第2ベース塗膜13は、第2ベース塗膜形成工程後の未硬化で且つ水性媒体及び/又は他の揮発性物質を含む塗膜であっても良く、プレヒート工程後の未硬化で且つ乾燥状態の塗膜であっても良い。
本工程において、焼付処理の温度は、110〜180℃であることが好ましい。また、焼付処理の時間は、10〜60分であることが好ましい。
本工程において形成される硬化した乾燥状態の第1ベース塗膜12の膜厚が2 μm未満である場合、該塗膜の単位面積当たりに含有される光輝性顔料15の量が少なくなり、反射強度が低下することから好ましくない。また、前記塗膜の乾燥膜厚が8 μmを超える場合、光輝性顔料15の配向性が低下することから好ましくない。それ故、本工程において形成される硬化した乾燥状態の第1ベース塗膜12の膜厚は、2〜8 μmの範囲であることが好ましく、3〜5 μmの範囲であることがより好ましい。
本発明の光輝性複層塗膜1の形成方法が適用される塗装物が自動車車体及び/又は部品を製造するための板並びに成型物である場合、被塗装物上に形成される硬化した乾燥状態の光輝性複層塗膜1のうち、第1ベース塗膜12及び第2ベース塗膜13の部分の膜厚は、通常20μm未満である。それ故、本工程において形成される硬化した乾燥状態の第1ベース塗膜12と第2ベース塗膜13との膜厚の比率が、好ましくは1:1.5〜1:6の範囲、より好ましくは1:1.5〜1:4の範囲となるように、第2ベース塗膜13を形成させることが好ましい。より具体的には、本工程において形成される硬化した乾燥状態の第2ベース塗膜13の膜厚が3 μm未満である場合、塗膜の強度が低下することから好ましくない。また、前記塗膜の乾燥膜厚が17 μmを超える場合、光輝性複層塗膜1全体の乾燥膜厚が増大することに加えて、第1ベース塗膜12に含有される光輝性顔料15による反射光の透過率が低下して、塗装物表面における彩度が低下することから好ましくない。それ故、本工程において形成される硬化した乾燥状態の第2ベース塗膜13の膜厚は、3〜17 μmの範囲であることが好ましく、5〜16 μmの範囲であることがより好ましい。
また、本工程において形成される硬化した乾燥状態のクリア塗膜14の膜厚が15 μm未満である場合、表面平滑性が低下することから好ましくない。また、前記塗膜の乾燥膜厚が60 μmを超える場合、光輝性顔料15による反射光の透過率が低下して、塗装物表面における彩度が低下することから好ましくない。それ故、本工程において形成される硬化した乾燥状態のクリア塗膜14の膜厚は、15〜60 μmの範囲であることが好ましく、25〜45 μmの範囲であることがより好ましい。
上記の条件で焼付処理を行うことにより、塗装ムラの目立たない、見た目品質が良好な、高彩度でかつ深みのある意匠性を有する光輝性複層塗膜1を備える塗装物を製造することが可能となる。
2.光輝性複層塗膜を備える塗装物
上記で説明した本発明の光輝性複層塗膜1の形成方法を、様々な被塗装物、好ましくは金属又はそれらを含む合金からなる自動車車体及び/又は部品を製造するための板又は成型物に適用することにより、従来技術による光輝性複層塗膜と比較して、塗装ムラの目立たない、見た目品質が良好な、高彩度でかつ深みのある意匠性を有する光輝性複層塗膜1を備える塗装物を得ることが可能となる。
実験1として、上記した構成例1の光輝性複層塗膜1において下層塗膜となる中塗り塗膜11の明度が異なるものを6種類用意し、それぞれについて塗装ムラの程度を観察した。
下層塗膜となる中塗り塗膜11は、中塗り塗料に含有される塗料固形分を中塗り塗料の全質量に対して55質量%とし、顔料濃度は、明度に応じて設定した。
上層塗膜となる第1ベース塗膜12は、第1ベース塗料に含有される塗料固形分を第1ベース塗料の全質量に対して10質量%に設定し、光輝顔料濃度を第1ベース塗料に含有される塗料固形分100質量部に対して28.6質量%に設定した。
中塗り塗膜11の明度は、X−rite社製、MA68−IIを用いて、L75値を測定した。L75値とは、正反射を0°とした場合に、正反射から75°傾斜した角度位置で計測した明度の値をいう。
中塗り塗膜11の明度(L75値)が1、40、50、60、70、90を有する光輝性複層塗膜1について、それぞれ塗装ムラの程度を観察した。その結果、図4に示すように、中塗り塗膜11の明度(L75値)が60〜70を有するときに、光輝性複層塗膜1に塗装ムラが目立たず、見た目品質が良好であるとの実験結果が得られた。
実験2として、上記した構成例2の光輝性複層塗膜1において下層塗膜となる第1ベース塗膜22の明度が異なるものを6種類用意し、それぞれについて塗装ムラの程度を観察した。
下層塗膜となる第1ベース塗膜22は、第1ベース塗料に含有される塗料固形分を第1ベース塗料の全質量に対して32質量%に設定し、顔料濃度は明度に応じて設定した。なお、実験2では、第1ベース塗膜22に光輝性顔料15を含有させていないが、含有させても明度を一致させれば、光輝性顔料15の有無による結果の相違はない。
上層塗膜となる第2ベース塗膜23は、第2ベース塗料に含有される塗料固形分を第2ベース塗料の全質量に対して10質量%とし、光輝性顔料濃度を28.6%に設定した。第1ベース塗膜22の明度は、X−rite社製、MA68−IIを用いて、明度(L75値)を測定した。
第1ベース塗膜22の明度(L75値)が1、40、50、60、70、90を有する光輝性複層塗膜1について、それぞれ塗装ムラの程度を観察した。その結果、図5に示すように、明度(L75値)が60〜70を有するときに、光輝性複層塗膜1に塗装ムラが目立たず、見た目品質が良好であるとの実験結果が得られた。
1 光輝性複層塗膜
11 中塗り塗膜(下層塗膜)
12 第1ベース塗膜(上層塗膜)
13 第2ベース塗膜
14 クリア塗膜
15 光輝性顔料
16 着彩顔料
21、31 中塗り塗膜
22、32 第1ベース塗膜(下層塗膜)
23、33 第2ベース塗膜(上層塗膜)
24、34 クリア塗膜

Claims (2)

  1. 被塗装物の上に形成された明度(L75値)が60〜70である中塗り塗膜と、
    該中塗り塗膜の上に形成された第1ベース塗膜と、
    該第1ベース塗膜の上に形成された第2ベース塗膜と、
    該第2ベース塗膜の上に形成されたクリア塗膜と、を有し、
    前記第1ベース塗膜は、該第1ベース塗膜の形成に用いられる第1ベース塗料が水性塗料であり、該第1ベース塗料に含有される塗料固形分濃度が、前記第1ベース塗料の全質量に対して5〜15質量%の範囲であり、前記第1ベース塗料に含有される光輝性顔料濃度が、前記第1ベース塗料に含有される塗料固形分100質量部に対して10〜60質量部の範囲であり、前記第1ベース塗膜の硬化膜厚が2〜8μmの範囲内であり、
    前記第2ベース塗膜は、該第2ベース塗膜の形成に用いられる第2ベース塗料が水性塗料であり、該第2ベース塗料に含有される塗料固形分濃度が、前記第2ベース塗料の全質量に対して15〜45質量%の範囲であり、前記第2ベース塗料に含有される光輝性顔料濃度が、前記第2ベース塗料に含有される塗料固形分100質量部に対して0〜20質量部の範囲であり、前記第1ベース塗膜の硬化膜厚と前記第2ベース塗膜の硬化膜厚との比率が(1:1.5)〜(1:6)の範囲内にあることを特徴とする輝性複層塗膜。
  2. 被塗装物の上に明度(L75値)が60〜70である中塗り塗膜を形成する工程と、
    該中塗り塗膜の上に、第1ベース塗膜を形成する工程と、
    該第1ベース塗膜の上に、第2ベース塗膜を形成する工程と、
    該第2ベース塗膜の上に、クリア塗膜を形成する工程と、を含み、
    前記第1ベース塗膜の形成に用いられる第1ベース塗料が水性塗料であり、該第1ベース塗料に含有される塗料固形分濃度が、前記第1ベース塗料の全質量に対して5〜15質量%の範囲であり、前記第1ベース塗料に含有される光輝性顔料濃度が、前記第1ベース塗料に含有される塗料固形分100質量部に対して10〜60質量部の範囲であり、前記第1ベース塗膜の硬化膜厚が2〜8μmの範囲内であり、
    前記第2ベース塗膜の形成に用いられる第2ベース塗料が水性塗料であり、該第2ベース塗料に含有される塗料固形分濃度が、前記第2ベース塗料の全質量に対して15〜45質量%の範囲であり、前記第2ベース塗料に含有される光輝性顔料濃度が、前記第2ベース塗料に含有される塗料固形分100質量部に対して0〜20質量部の範囲であり、前記第1ベース塗膜の硬化膜厚と前記第2ベース塗膜の硬化膜厚との比率が(1:1.5)〜(1:6)の範囲内にあることを特徴とする輝性複層塗膜の形成方法。
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