JP7384156B2 - 金属調加飾用部材及びそれを用いた金属調加飾成形体 - Google Patents

金属調加飾用部材及びそれを用いた金属調加飾成形体 Download PDF

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Description

本発明は、金属調加飾用部材及びそれを用いた金属調加飾成形体に関する。
自動車等の車両、建築物の内装材及び外装材、家具等の材料の意匠性を高める手法として、スプレー等による塗装が行われている。しかし、塗装は、溶剤による環境負荷、乾燥及び冷却工程で必要となる電気に基づくCO排出負荷が大きい。また、塗装は、複数回の塗装(例えば、パール調の塗装の場合、プライマー、下塗り、中塗り、上塗りカラーベース、パールベース、上塗りクリアの6回塗装する場合がある。)を行うことから、塗装及び乾燥の一連の工程が繰り返し行われることとなり、前述した問題が深刻になりやすく、さらにはコストも増加する。このため、近年、自動車の塗装では、冷却工程のCO排出を軽減し得る樹脂部材の塗装への切り替えが行われている。
しかし、樹脂部材の塗装は、樹脂部材が3次元構造を有する場合に塗布むらが発生してしまい、綺麗な塗装を施すことは困難であった。
上記問題を解消し得るものとして、例えば、シルクスクリーン印刷で形成した光輝層を備えた加飾フィルムが提案されている(特許文献1)。
特許5793908号公報
特許文献1の加飾フィルムは、塗装の問題(溶剤による環境負荷、乾燥及び冷却工程で必要となる電気に基づくCO排出負荷)を解消することができる。
しかし、特許文献1の加飾フィルムは、スクリーン印刷方式によるものであるため、スクリーン印刷による塗工から板を貼り合わせるまでの全工程が枚葉方式となり効率が悪く、コストが上昇するという問題がある。
さらに、特許文献1のようにスクリーン印刷方式により得られた光輝層(パール顔料を含む層)は、金属光沢感に欠け、意匠性を満足できないケースが頻発した。
本発明者らは、鋭意検討した結果、光輝層の光輝性に異方性を付与することにより、高レベルの意匠性を付与できることを見出し、上記課題を解決するに至った。
本発明は、以下の[1]~[2]を提供する。
[1]外層側から順に、保護層と、光輝性顔料及びバインダー樹脂を含む光輝性印刷層とを有してなり、下記条件1を満たす、金属調加飾用部材。
<条件1>
前記金属調加飾用部材の外層側の表面に対して、仰角45度で任意の方位角(方位角a)から可視光線を入射する。該入射光の正反射方向から仰角が入射光側に25度傾いた方向の反射光の分光スペクトルから算出されるL表色系のL値をL 1-25とする。
前記金属調加飾用部材の外層側の表面に対して、仰角45度で前記任意の方位角とは正反対の方位角(方位角b)から可視光線を入射する。該入射光の正反射方向から仰角が入射光側に25度傾いた方向の反射光の分光スペクトルから算出されるL表色系のL値をL 2-25とする。
上記の前提において、少なくとも一部の方位角において、L 1-25及びL 2-25との関係が、下記式(1)及び(2)を満たす。
1-25 > L 2-25 (1)
1.00<{(L 1-25-L 2-25)/L 1-25}×100 (2)
[2]上記[1]に記載の金属調加飾用部材から形成されてなる、金属調加飾成形体。
本発明によれば、高レベルの意匠性を付与し得る金属調加飾用部材及びこれを用いた金属調加飾成形体を提供することができる。
本発明の金属調加飾用部材の一実施形態を示す断面図である。 本発明の金属調加飾用部材の他の実施形態を示す断面図である。 条件1の測定方法を説明する模式図である。 条件1の測定方法を説明する模式図である。 光輝性印刷層の印刷方式の一例を説明する模式図である。 光輝性印刷層中の光輝性顔料の配列の一例を説明する模式図である。
[金属調加飾用部材]
本発明の金属調加飾用部材は、外層側から順に、保護層と、光輝性顔料及びバインダー樹脂を含む光輝性印刷層とを有してなり、下記条件1を満たすものである。
<条件1>
前記金属調加飾用部材の外層側の表面に対して、仰角45度で任意の方位角(方位角a)から可視光線を入射する。該入射光の正反射方向から仰角が入射光側に25度傾いた方向の反射光の分光スペクトルから算出されるL表色系のL値をL 1-25とする。
前記金属調加飾用部材の外層側の表面に対して、仰角45度で前記任意の方位角とは正反対の方位角(方位角b)から可視光線を入射する。該入射光の正反射方向から仰角が入射光側に25度傾いた方向の反射光の分光スペクトルから算出されるL表色系のL値をL 2-25とする。
上記の前提において、少なくとも一部の方位角において、L 1-25及びL 2-25との関係が、下記式(1)及び(2)を満たす。
1-25 > L 2-25 (1)
1.00<{(L 1-25-L 2-25)/L 1-25}×100 (2)
図1及び図2は、本発明の金属調加飾用部材の実施形態を示す断面図である。
図1及び図2の金属調加飾用部材100は、外層側から順に、保護層10(透明基材11)及び光輝性印刷層20を有している。また、図1及び図2の金属調加飾用部材100は、光輝性印刷層20の内層側に、着色層30、接着剤層50及び樹脂板40から選ばれる一以上の層を有している。なお、図2の金属調加飾用部材100は、着色層として、着色層30A及び着色層30Bを有し、着色層30Aと着色層30Bとの間に接着剤層50が位置している。
本発明の金属調加飾用部材は、下記の条件1を満たすことを要する。
<条件1>
前記金属調加飾用部材の外層側の表面に対して、仰角45度で任意の方位角(方位角a)から可視光線を入射する。該入射光の正反射方向から仰角が入射光側に25度傾いた方向の反射光の分光スペクトルから算出されるL表色系のL値をL 1-25とする。
前記金属調加飾用部材の外層側の表面に対して、仰角45度で前記任意の方位角とは正反対の方位角(方位角b)から可視光線を入射する。該入射光の正反射方向から仰角が入射光側に25度傾いた方向の反射光の分光スペクトルから算出されるL表色系のL値をL 2-25とする。
上記の前提において、少なくとも一部の方位角において、L 1-25及びL 2-25との関係が、下記式(1)及び(2)を満たす。
1-25 > L 2-25 (1)
1.00<{(L 1-25-L 2-25)/L 1-25}×100 (2)
条件1で規定するように、本発明では、正反射光のL値ではなく、正反射方向から外れた角度の反射光に基づくL値で発明を特定している。人間が物の色等を見る時は、正反射光がない角度で物を見ているといわれている。したがって、条件1の式(1)及び(2)のように、正反射光から外れた角度の反射光に基づくL値を規定する本発明は、人間の目による評価と合致しているといえる。
図3及び図4は、L 1-25及びL 2-25の測定方法を説明する該略図である。
まず、図3に示すように、金属調加飾用部材100の外層側の表面に対して、仰角45度で任意の方位角(方位角a)から可視光線を入射する。図3の実線の矢印が入射光に相当する。そして、該入射光の正反射方向から仰角が入射光側に25度傾いた方向の反射光の分光スペクトルに基づき、L表色系のL値(L 1-25)を算出する。図3の一点鎖線の矢印が正反射光に相当する、また、図3の点線の矢印が、正反射方向から仰角が入射光側に25度傾いた方向の反射光に相当する。
次に、仰角45度で前記任意の方位角とは正反対の方位角(方位角b)から可視光線を入射する。そして、該入射光の正反射方向から仰角が入射光側に25度傾いた方向の反射光の分光スペクトルに基づき、L表色系のL値(L 2-25)を算出する。
図4は、正反対の方位角の一例を示す斜視図である。例えば、図4において、右上から中心に向かう矢印(方位角b)と、左下から中心に向かう矢印(方位角a)とは一直線上に位置している。本明細書では、このように、平面内で座標中心を挟んだ正反対の方向を、正反対の方位角と称している。
金属調加飾用部材が全体として光透過性を有する場合、金属調加飾用部材の内層側の反射を抑制するため、金属調加飾用部材の内層側に、透明接着剤層及び遮光板(例えば黒色の板)を積層したサンプルを作製し、条件1及び条件2の測定を行うことが好ましい。その際、金属調加飾用部材の内層側の面と透明接着剤層との屈折率差、及び、透明接着剤層と遮光板の樹脂との屈折率差は、それぞれ0.10以下とすることが好ましい。また、遮光板は全光線透過率0%のものが好ましい。
一方、金属調加飾用部材が全体として光透過性を有さない場合、金属調加飾用部材そのものを用いて、条件1及び条件2の測定を行えばよい。
1-25、L 2-25、L 1-45及びL 2-45は、光源をD65、視野を10度視野として測定することが好ましい。L 1-25、L 2-25、L 1-45及びL 2-45は、例えば、エックスライト社製の多角度分光測色計の品番「MA-68II」、「MA94」等で測定することができる。
条件1において、式(1)は、光輝性に異方性があることを示している。
1-25とL 2-25とが同一で式(1)を満たさない場合、光輝性の異方性が発現しないため、金属光沢を良好にすることができない。
条件1において、式(2)は、光輝性の異方性の程度を示している。より具体的には、式(2)は、光輝性印刷層によって反射される光の量が、方位角b側よりも、方位角a側の方が所定の比率以上に多いことを示している。
式(2)を満たさない場合、光輝性の異方性の程度が足りず、金属光沢感を良好にすることができない。
一方、式(2)を満たす場合、方位角a側への反射光の割合を多くすることができるため、方位角a側のL値(L 1-25)を高くすることができ、金属光沢を高めることができる。さらに、式(2)を満たす場合、方位角a側からの外観と、方位角b側からの外観とを相違させることができる。
このように、式(2)を満たす場合、高レベルの金属光沢と、方向による外観の変化を付与することができるため、極めて高レベルの意匠性を付与することができる。
本明細書において、L 1-25、L 2-25、L 1-45及びL 2-45は、10箇所を同一の方位角で測定した平均値をいうものとする。
式(2)において、「{(L 1-25-L 2-25)/L 1-25}×100」は1.50以上であることが好ましく、2.00以上であることがより好ましく、4.00以上であることがさらに好ましく、5.00以上であることがよりさらに好ましい。
なお、方位角a側に反射が偏りすぎることによる意匠性の低下を抑制するために、「{(L 1-25-L 2-25)/L 1-25}×100」は30.00以下であることが好ましく、20.00以下であることがより好ましく、15.00以下であることがさらに好ましい。
条件1は、少なくとも一部の方位角において満たせばよい。すなわち、少なくとも一部の方位角において条件1を満たせば、当該方位角における意匠性が良好となり、高度な意匠性を備えた金属調加飾用部材とすることができる。
また、方位角aが金属調加飾用部材の流れ方向と平行であることが好ましい。金属調加飾用部材の流れ方向とは、金属調加飾用部材を連続的に生産する際の機械の流れ方向をいう。なお、平行とは、方位角aと、金属調加飾用部材の流れ方向との成す角度が10度以内であることを意味し、好ましくは5度以内、より好ましくは1度以内である。
本発明の金属調加飾用部材は、さらに、下記の条件2を満たすことが好ましい。
<条件2>
前記金属調加飾用部材の外層側の表面に対して、仰角45度で任意の方位角(方位角a)から可視光線を入射する。該入射光の正反射方向から仰角が入射光側に45度傾いた方向の反射光の分光スペクトルから算出されるL表色系のL値をL 1-45とする。
前記金属調加飾用部材の外層側の表面に対して、仰角45度で前記任意の方位角とは正反対の方位角(方位角b)から可視光線を入射する。該入射光の正反射方向から仰角が入射光側に45度傾いた方向の反射光の分光スペクトルから算出されるL表色系のL値をL 2-45とする。
上記の前提において、少なくとも一部の方位角において、前記L 1-25、前記L 2-25、L 1-45及びL 2-45との関係が、下記式(1)及び(3)を満たす。
1-25 > L 2-25 (1)
1.00<(L 1-25/L 1-45)/(L 2-25/L 2-45) (3)
条件2の式(3)は、方位角a側において仰角を変化させた際のL値の変化率と、方位角b側において仰角を変化させた際のL値の変化率とが異なることを意味している。よって、条件(2)を満たすことにより、方位角a側からの外観と、方位角b側からの外観とをより異なるものとすることができ、意匠性をより高度なものとすることができる。
式(3)の「(L 1-25/L 1-45)/(L 2-25/L 2-45)」は、1.02以上であることが好ましく、1.03以上であることがより好ましい。
式(3)の「(L 1-25/L 1-45)/(L 2-25/L 2-45)」は、過度な輝度変化を抑制して落ち着きのある意匠を付与する観点から、1.30以下であることが好ましく、1.20以下であることがより好ましく、1.15以下であることがさらに好ましい。
<保護層>
保護層は、金属調加飾用部材に耐擦傷性を付与することなどを目的として、光輝性印刷層の外層側に配置される層である。
保護層は、例えば、透明基材の単層、透明樹脂層の単層、透明基材及び透明樹脂層の複層等の構成が挙げられる。保護層は、耐擦傷性及び取り扱い性の観点から透明基材を含むことが好ましい。
保護層は、JIS K7136:2000のヘイズが5%以下であることが好ましく、3%以下であることがより好ましく、1%以下であることがさらに好ましい。
また、保護層は、JIS K7361-1:1997の全光線透過率が85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
<<透明基材>>
保護層の一例である透明基材としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体などのビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチルなどのアクリル系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ナイロン6又はナイロン66などで代表されるポリアミド系樹脂などの樹脂からなるプラスチックフィルムが挙げられる。
これらの透明基材の中でも、耐光性、成形性に優れるとともに、屈折率が低いため透明性に優れ、かつ傷が目立ちにくい、アクリル系樹脂フィルムが好適である。また、アクリル系樹脂フィルムの中でも、ゴム粒子を含有するアクリル系樹脂フィルムは、成形性を良好にし得る点で好適である。
透明基材は、光輝性印刷層との接着性を良好にするために、物理的処理及び化学処理等の易接着処理されたものであってもよい。また、接着性を良好にするために、透明基材はプラスチックフィルム上に易接着層を有するものであってもよい。
また、透明基材は、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加剤を含有するものであってもよい。
透明基材の厚みは、成形性及び光輝性印刷層の保護のバランスの観点から、50~250μmであることが好ましく、60~200μmであることがより好ましく、70~150μmであることがさらに好ましい。
透明基材の厚みは、例えば、垂直断面を電子顕微鏡等で観察することにより測定できる。
なお、本明細書においてAA~BBとは、AA以上BB以下であることを意味する。
<<透明樹脂層>>
保護層の一例である透明樹脂層は、耐擦傷性の観点から、硬化性樹脂組成物の硬化物を含むことが好ましい。硬化性樹脂組成物の硬化物は、熱硬化性樹脂組成物の硬化物、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物が挙げられ、これらの中でも電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物が好ましい。
熱硬化性樹脂組成物は、少なくとも熱硬化性樹脂を含む組成物であり、加熱により、硬化する樹脂組成物である。熱硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂組成物には、これら硬化性樹脂に、必要に応じて硬化剤が添加される。
電離放射線硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性官能基を有する化合物(以下、「電離放射線硬化性化合物」ともいう)を含む組成物である。電離放射線硬化性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合基、及びエポキシ基、オキセタニル基等が挙げられる。
電離放射線硬化性樹脂としては、エチレン性不飽和結合基を有する化合物が好ましい。また、金属調加飾用部材を製造する過程で樹脂層が傷つくことを抑制する観点からは、電離放射線硬化性樹脂としては、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する化合物がより好ましく、中でも、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する、多官能性(メタ)アクリレート系化合物が更に好ましい。多官能性(メタ)アクリレート系化合物としては、モノマー及びオリゴマーのいずれも用いることができる。
なお、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も使用可能である。
保護層の一例である透明樹脂層の厚みは、0.5~30μmであることが好ましく、1~20μmであることがより好ましく、3~10μmであることがさらに好ましい。
<光輝性印刷層>
光輝性印刷層は、保護層の内層側に位置し、金属調加飾用部材に金属光沢感を付与する役割を担う層である。光輝性印刷層は、光輝性顔料及びバインダー樹脂を含む。
光輝性印刷層は、金属調加飾用部材の外層側から見える領域の一部に形成されていてもよいが、全面に形成されていていることが好ましい。
光輝性印刷層は、例えば、被塗布材(例えば、保護層としての透明基材、後述する着色層としての着色フィルム)上に、光輝性印刷層用インキで印刷することにより形成することができる。光輝性印刷層用インキは、通常、バインダー樹脂や溶剤からなるビヒクルを主成分とし、これに、光輝性顔料、さらに必要に応じて、染料や顔料等の着色剤が添加混合されたインキが用いられる。
印刷方式は特に限定されないが、式(1)~(3)を満たしやすくする観点から、コンマコーター印刷が好ましい。
図5は、コンマコーター印刷の一例を示す該略図である。図5中、コーティングロール202の矢印は、コーティングロール202の回転方向を示している。また、図5のもう一つの矢印は、被塗布材205の流れ方向(言い換えると、図5の塗工装置の流れ方向)を示している。
図5において、光輝性印刷層用インキの液溜まり203内において、光輝性顔料は液溜まり203の場所ごとに下記(A)~(C)のように配列していると考えられる。
(A)液溜まり203の大部分の領域においては、光輝性顔料は液面204に対してランダムに配列している。
(B)被塗布材205の近傍の領域においては、光輝性顔料は、被塗布材205の流れに引っ張られて、被塗布材205に対して略平行に配列している。
(C)コンマロール201の近傍の領域(特に、コンマロール201とコーティングロール202との距離が狭い箇所のコンマロール201の近傍の領域)では、光輝性顔料は、コンマロール201の曲面に追従するような方向に配列している。より詳述すると、コンマロール201自体は動かないため、コンマロール201の近傍の領域の光輝性印刷層用インキは、被塗布材205の近傍の領域の光輝性印刷層用インキよりも引っ張られる力が弱い。このため、被塗布材近傍の光輝性顔料が被塗布材に対して略平行に配列されるのに対して、光輝性印刷層の表面付近の光輝性顔料は、所定の向き(コンマロール201の曲面の傾き)に傾いて配列すると考えられる。
上記(A)~(C)のことから、被塗布材205上に付着した光輝性印刷層インキは、少なくとも表面付近において、被塗布材の塗布面に対して一定の方向に傾いて配置されやすくなる(図6参照)。そして、光輝性印刷層内で光輝性顔料が一定の方向に傾いて配置されることにより、光輝性の異方性が発現し、式(1)~(3)を満たしやすくできる。また、このようにして発現した光輝性の異方性は、その後の工程(例えば、樹脂板を貼り合わせる工程、成形工程等)を経てもほぼ維持される。
なお、光輝性印刷層用インキをスプレーで吹き付けて塗膜を形成する手法(後述の比較例1)、及び、スクリーン印刷で塗膜を形成する手法(後述の比較例2)では、光輝性印刷層内で光輝性顔料がランダムに配置され、式(1)~(3)を満たすことは困難である。
<<光輝性顔料>>
光輝性顔料としては、パール顔料及び金属鱗片が挙げられる。これらの中でも、観察する角度による色味が変化し、意匠性をより良好なものとすることができるパール顔料が好ましい。
パール顔料は、雲母(マイカ)、アルミナ及びガラス等の鱗片状の母体の表面に、二酸化チタン等の高屈折率材料からなる被覆層を有する薄板状顔料であり、光透過性を有している。このため、前記薄板状顔料が層状に配置されることにより、光が多重反射され、金属のような光沢感を生じさせることができる。
このように、パール顔料は、金属そのものではなく、主に金属酸化物により構成されてなるものであるが、金属光沢感を生じさせることができる材料である。
パール顔料は、輝度を高めて金属光沢をより高める観点から、母体がアルミナであるものが好ましい。
パール顔料としては、例えば、白色パール顔料、干渉パール顔料、着色パール顔料等が挙げられる。
白色パール顔料は、雲母、アルミナ、ガラス等の鱗片状の母体を、二酸化チタン等の無色高屈折率材料かなる被覆層で覆ったものであり、かつ被覆層の厚みが0.1~0.15μm程度と比較的小さいものであり、光のほぼすべての波長を反射するため、白色もしくは銀色に見える。
干渉パール顔料は、被覆層が二酸化チタン等の無色高屈折率材料であり、かつ被覆層の厚みが白色パール顔料よりも大きく、0.15μm超のものである。この厚みによって、反射光及び透過光が変化し、種々の干渉色を生じる。虹彩色パールと呼ばれる場合もある。
着色パール顔料は、有彩色であり、被覆層を酸化第二鉄等の有色高屈折率材料としたもの、白色パール顔料の周囲をさらに酸化第二鉄等の有色高屈折率材料もしくはその他の有色顔料で被覆したもの、又は、被覆層中に顔料やその他の着色剤を添加したもの等がある。
パール顔料は、平均長さが5~70μmであることが好ましく、より好ましくは10~40μmである。
なお、パール顔料の平均長さ及び後述する金属鱗片の平均長さは、金属調加飾部材の平面方向から光学顕微鏡又は電子顕微鏡で観察した任意の20個の粒子(パール顔料又は金属鱗片)の長さの平均値として求められる。なお、1個のパール顔料及び金属鱗片の長さは、1個のパール顔料及び金属鱗片の平面方向の最大長さを意味する。
金属鱗片としては、アルミニウム、金、銀、真鍮、チタン、クロム、ニッケル、ニッケルクロム、ステンレス等の金属や合金が挙げられる。
金属鱗片は、例えば、前記金属又は合金をプラスチックフィルム上に真空蒸着してなる金属薄膜をプラスチックフィルムから剥離し、剥離した金属薄膜を粉砕、撹拌した得られたものや、前記金属又は合金の粉末と溶剤とを混合し、媒体撹拌ミル、ボールミル、アトライター等で、該粉末を展延及び/又は粉砕して得られたもの、さらに、これらの表面が樹脂コートされたもの等を用いることができる。
金属鱗片は、平均長さが1~50μmであることが好ましく、より好ましくは2~30μm、さらに好ましくは5~20μmである。
金属鱗片及びパール顔料の平均厚みは、金属調加飾部材の断面を光学顕微鏡又は電子顕微鏡で観察した任意の20個の粒子(パール顔料又は金属鱗片)の平均値として求められる。なお、1個のパール顔料又は金属鱗片の厚みは、1個のパール顔料又は金属鱗片の断面像を長さ方向に均等な長さで5つの領域に分割し、各領域の中央部の厚み(t、t、t、t、t)を測定し、t~tを平均したものを意味する。
パール顔料及び金属鱗片等の光輝性顔料は、薄片状であり、厚みTが0.01~5.00μmであることが好ましく、より好ましくは0.02~3.00μm、さらに好ましくは0.05~1.00μmである。
光輝性顔料の厚みを0.01μm以上とすることにより、金属光沢を高くしやすくでき、光輝性顔料の厚みを5μm以下とすることにより、光輝性印刷層内で光輝性顔料がランダムに傾くことを抑制しやすくできる。
光輝性印刷層の厚みTは、十分な金属光沢感を付与しつつ成形時のクラックを抑制する観点から、3~30μmであることが好ましく、より好ましくは5~20μm、さらに好ましくは7~15μmである。
光輝性顔料の厚みTと、光輝性印刷層の厚みTとは、0.01≦T/T≦0.20の関係を満たすことが好ましく、0.02~0.10の関係を満たすことがより好ましい。
/Tを0.01以上とすることにより、光輝性印刷層が乾燥収縮したり、硬化収縮したりする際に、光輝性顔料の平面性が低下することを抑制しやすくできる。また、T/Tを0.20以下とすることにより、光輝性印刷層内で光輝性顔料が所定の方向に傾いて配置されやすくすることができる。
光輝性印刷層中の光輝性顔料の含有量は、十分な金属光沢感を付与しつつ成形時のクラックを抑制する観点から、光輝性印刷層の全固形分の0.05~50質量%であることが好ましい。
なお、光輝性顔料がパール顔料の場合は、より好ましくは5~40質量%、さらに好ましくは10~30質量%である。
また、光輝性顔料が金属鱗片の場合は、より好ましくは0.07~10質量%、さらに好ましくは0.10~5質量%である。
光輝性印刷層のバインダー樹脂としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル及びポリ(メタ)アクリル酸エチル等のアクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂及び塩素化ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、アセチルブチルセルロース及びエチルオキシエチルセルロース等の繊維素系樹脂、塩化ゴム及び環化ゴム等のゴム系樹脂、石油系樹脂、ロジン及びカゼイン等の天然樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン系樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体、フッ化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アルキッド系樹脂、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、マレイン酸樹脂等が挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
これらのバインダー樹脂の中でも、透明性の観点からアクリル系樹脂が好ましい。
また、光輝性印刷層のバインダー樹脂は、質量平均分子量の異なる2種の樹脂(質量平均分子量の小さい樹脂(A1)と、質量平均分子量の大きい樹脂(B1))を含むことが好ましい。
樹脂(A1)の質量平均分子量は、10万以下であることが好ましく、3万~10万であることがより好ましく、5万~9万であることがさらに好ましい。樹脂(B1)の質量平均分子量は、10万超であることが好ましく、12万~80万であることがより好ましく、15万~50万であることがさらに好ましい。
樹脂(B1)の質量平均分子量と、樹脂(A1)の質量平均分子量との差は、5万以上であることが好ましく、10万以上であることがより好ましく、15万以上であることがさらに好ましい。
また、樹脂(A1)と樹脂(B1)との質量比は、1:3~3:1であることが好ましく、1:2~2:1であることがより好ましい。
上記のように樹脂(A1)と樹脂(B1)とを併用することにより、成形時のクラックを抑制しつつ、光輝性印刷層の凝集力を良好にしやすくできる。また、樹脂(A1)と樹脂(B1)とを併用することにより、光輝性印刷層用インキの粘度を適正な範囲に調整し、光輝性印刷層用インキ中で光輝性顔料が過度に流動することを抑制し、式(1)~(3)を満たす塗膜を制御しやすくできる。
樹脂(A1)及び樹脂(B1)は、同系統の樹脂であることが好ましく、何れもアクリル系樹脂であることがより好ましい。
なお、本明細書において、質量平均分子量とは、GPC法で測定したポリスチレン換算の質量平均分子量である。
光輝性印刷層中には、成形時のクラックを抑制するために、可塑剤を含有することが好ましい。
可塑剤としては、フタル酸エステル、アジピン酸エステル及びトリメリット酸エステル等が挙げられる。光輝性印刷層中の可塑剤の含有量は、光輝性印刷層の全固形分の1~20質量%であることが好ましく、より好ましくは3~15質量%、さらに好ましくは5~10質量%である。可塑剤の含有量を1質量%以上とすることにより、成形時のクラックを抑制しやすくでき、可塑剤の含有量を20質量%以下とすることにより、耐熱性及び耐光性の低下を抑制するとともに、柔軟性が過度になり過ぎることによる塗膜の変形を抑制することができる。
光輝性印刷層中には配向剤を含有することが好ましい。配向剤としては、雲母等の層状ケイ酸塩が挙げられる。
光輝性印刷層中の配向剤の含有量は、光輝性印刷層の全固形分の1~20質量%であることが好ましく、より好ましくは3~15質量%、さらに好ましくは5~10質量%である。配向剤の含有量を1質量%以上とすることにより、光輝性顔料を層内で均一に配置しやすくすることができ、金属光沢の極端なバラツキを抑制しやすくできる。また、配向剤の含有量を20質量%以下とすることにより、光輝性顔料等の他の成分の割合を確保するとともに、成形時にクラックを抑制しやすくできる。
光輝性印刷層には、必要に応じて、例えば、紫外線吸収剤等の光安定剤、光輝性顔料以外の顔料、粘度調整剤、充填剤、安定剤、酸化防止剤、分散剤、乾燥剤、滑剤、帯電防止剤、架橋剤等の任意の添加剤を添加することができる。
<<その他の層>>
金属調加飾用部材は、保護層及び光輝性印刷層以外の層を有していてもよい。
例えば、金属調加飾用部材は、光輝性印刷層の内層側に、着色層、バッカー層、接着剤層及び樹脂板から選ばれる1以上の層を有していてもよい。特に、金属調加飾用部材の光輝性印刷層の内層側に樹脂板を有することが好ましい。
<着色層>
着色層は、光輝性印刷層の内層側に必要に応じて形成される層である。
着色層は、例えば、金属調加飾用部材に色味を付与したり、着色層よりもさらに内層側に樹脂板を有する場合に、樹脂板の色味を隠蔽したりする役割を有する。
着色層としては、着色層を構成する成分を含む着色層用インキを塗布、乾燥して得られる塗膜型の着色層、及び、着色層を構成する成分を溶融押し出し等でフィルム化して得られるフィルム型の着色層が挙げられる。フィルム型の着色層は、後述するバッカー層を兼用することもできる。
着色層は、図2のように複数有していてもよい。着色層を複数形成する場合、塗膜型の着色層を複数形成してもよいし、フィルム型の着色層を複数形成してもよいし、塗膜型の着色層及びフィルム型の着色層を共に形成してもよい。
着色層は、顔料及びバインダー樹脂を含むことが好ましい。
顔料は、二酸化チタン、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化亜鉛及び鉛白等の白色顔料、カーボンブラック等の黒色顔料、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青及びコバルトブルー等の有彩色無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー及びフタロシアニンブルー等の有彩色有機顔料等が挙げられる。
顔料の平均粒子径は、0.1~10μmが好ましく、0.5~5μmがより好ましく、0.5~3μmがさらに好ましい。
本明細書において、顔料の平均粒子径は、溶液中に分散した粒子を動的光散乱方法で測定し、粒子径分布を体積累積分布で表したときの50%粒子径(d50:メジアン径)である。50%粒子径は、例えば、Microtrac粒度分析計(日機装株式会社製)を用いて測定することができる。
着色層中の顔料の含有量は、着色層の目的(色味の付与又は隠蔽)と、成形時のクラック抑制とのバランスの観点から、バインダー樹脂100質量部に対して、20~250質量部であることが好ましく、30~220質量部であることがより好ましく、50~200質量部であることがさらに好ましい。
塗膜型の着色層のバインダー樹脂は、光輝性印刷層のバインダー樹脂として例示したものと同様のものを用いることができる。
各種のバインダー樹脂の中でも、成形時のクラック抑制の観点から、アクリル系樹脂及び塩化ビニル-酢酸ビニル系共重合体樹脂を含むことが好ましい。アクリル系樹脂と、塩化ビニル-酢酸ビニル系共重合体樹脂との質量比は、10:2~10:20であることが好ましく、10:3~10:15であることがより好ましく、10:4~10:8であることがさらに好ましい。アクリル系樹脂と、塩化ビニル-酢酸ビニル系樹脂との質量比を上記数値範囲とすることにより、金属調加飾用部材の成形時のクラックをより抑制しやすくできる。
また、塗膜型の着色層のバインダー樹脂は、質量平均分子量の異なる2種の樹脂(質量平均分子量の小さい樹脂(A2)と、質量平均分子量の大きい樹脂(B2))を含むことが好ましい。
樹脂(A2)の質量平均分子量は、10万以下であることが好ましく、3万~10万であることがより好ましく、5万~9万であることがさらに好ましい。樹脂(B2)の質量平均分子量は、10万超であることが好ましく、12万~80万であることがより好ましく、15万~50万であることがさらに好ましい。
樹脂(B2)の質量平均分子量と、樹脂(A2)の質量平均分子量との差は、5万以上であることが好ましく、10万以上であることがより好ましく、15万以上であることがさらに好ましい。
また、樹脂(A2)と樹脂(B2)との質量比は、4:1~1:1であることが好ましく、3:1~3:2であることがより好ましい。
上記のように樹脂(A2)と樹脂(B2)とを併用することにより、成形時のクラックを抑制しつつ、着色層の凝集力を良好にしやすくできる。なお、光輝性印刷層中の光輝性顔料の含有量に比べて、着色層中の白色顔料の含有量は多い傾向にあることから、光輝性印刷層に比べて着色層はクラックが生じやすい。このため、着色層のバインダー樹脂として質量平均分子量の異なる2種の樹脂を用いる場合、上記のように、質量平均分子量の小さい樹脂の含有量を質量平均分子量の大きい樹脂の含有量以上とすることが好ましい。
樹脂(A2)及び樹脂(B2)は、同系統の樹脂であることが好ましく、何れもアクリル系樹脂であることがより好ましい。
フィルム型の着色層のバインダー樹脂は、成形時のクラック抑制の観点から、ABS樹脂(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体)を含むことが好ましい。
フィルム型の着色層は、ABS樹脂以外のバインダー樹脂を含有していてもよい。フィルム型の着色層の全バインダー樹脂に対するABS樹脂の割合は、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましく、99質量%以上であることがよりさらに好ましく、100質量%であることが最も好ましい。
塗膜型の着色層の厚みは、着色層の目的(色味の付与又は隠蔽)と、成形時のクラック抑制とのバランスの観点から、5~50μmであることが好ましく、7~40μmであることがより好ましく、10~30μmであることがさらに好ましい。
フィルム型の着色層の厚みは、70~700μmであることが好ましく、100~600μmであることがより好ましく、200~450μmであることがさらに好ましい。
フィルム型の着色層の厚みを70μm以上とすることにより、樹脂板の色味を隠蔽しやすくすることができ、700μm以下とすることにより、成形性の低下を抑制できる。
着色層には、必要に応じて、例えば、紫外線吸収剤等の光安定剤、白色顔料以外の顔料、可塑剤、粘度調整剤、充填剤、安定剤、酸化防止剤、分散剤、乾燥剤、滑剤、帯電防止剤、架橋剤等の任意の添加剤を添加することができる。
<バッカー層>
バッカー層は、例えば、金属調加飾用積層体及び金属調加飾成形体の強度を高めたり、金属調加飾用積層体及び金属調加飾成形体の色味を調整したり、金属調加飾用部材から形成した金属調加飾成形体の形状を保持したりする役割を有する。
バッカー層はプラスチックフィルムであることが好ましい。バッカー層としてのプラスチックフィルムは、成形性を良好にする観点から、ポリプロピレン、ABS樹脂及び塩化ビニル樹脂から選ばれる1以上の樹脂を含むことが好ましく、ポリプロピレン及びABS樹脂から選ばれる1以上の樹脂を含むことがより好ましく、ABS樹脂を含むことがさらに好ましい。
バッカー層の全樹脂成分に対する、ポリプロピレン、ABS樹脂及び塩化ビニル樹脂から選ばれる1以上の樹脂の割合は、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましく、99質量%以上であることがよりさらに好ましく、100質量%であることが最も好ましい。前述した樹脂の割合は、ポリプロピレン及びABS樹脂から選ばれる1以上の樹脂で満たすことがより好ましく、ABS樹脂で満たすことがさらに好ましい。
バッカー層は、顔料を含有していてもよい。顔料は着色層で例示したものと同様のものを用いることができる。バッカー層が顔料を含む場合、バッカー層は上述した着色層を兼用することができる。
バッカー層の厚みは、100μm以上1000μm未満が好ましく、200~450μmがより好ましい。
<樹脂板>
樹脂板は、例えば、金属調加飾用部材の強度を高めたり、金属調加飾用部材から形成した金属調加飾成形体の形状を保持したりする役割を有する。
樹脂板の厚みは、1~7mmであることが好ましく、1.5~5mmであることがより好ましく、2~4mmであることがさらに好ましい。
樹脂板は、樹脂板の表面反射を抑制するために、白を除く無彩色(灰色、黒色)であることが好ましく、黒色であることがより好ましい。
このため、樹脂板は、無彩色とするための顔料を含むことが好ましい。樹脂板の顔料としては、黒色顔料の単独でもよいし、黒色顔料と他の顔料(白色顔料等)との混合であってもよい。
樹脂板のバインダー樹脂は、ABS樹脂を含むことが好ましい。樹脂板がバインダー樹脂としてABS樹脂を含むことにより、成形時に樹脂板にクラックが生じることを抑制できる。
樹脂板はABS樹脂以外のバインダー樹脂を含有していてもよい。樹脂板の全バインダー樹脂に対するABS樹脂の割合は、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましく、99質量%以上であることがよりさらに好ましく、100質量%であることが最も好ましい。
樹脂板には、必要に応じて、例えば、紫外線吸収剤等の光安定剤、可塑剤、粘度調整剤、充填剤、安定剤、酸化防止剤、分散剤、乾燥剤、滑剤、帯電防止剤、架橋剤等の任意の添加剤を添加することができる。
<<接着剤層>>
接着剤層は、金属調加飾用部材を構成する各層の接着性を高めるために、必要に応じて形成される層である。
接着剤層は、感熱性接着剤層及び感圧性接着剤層(粘着層)が挙げられる。感圧性接着剤層(粘着層)は、貼り合せプロセスの簡便さからより好ましい。
感熱性又は感圧性の樹脂としては、汎用のアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂、塩化ビニル系樹脂若しくは酢酸ビニル系樹脂、又はこれらの2種以上の混合物若しくは共重合体を用いることができる。
接着剤層の厚みは、接着剤の種類に応じて、0.1~100μm程度の範囲で調整すればよい。
なお、金属調加飾用部材を構成する各層(例えば光輝性印刷層、着色層)が接着性を兼ね備えるものであれば、接着剤層を別途形成する必要がなく、薄膜化及びコスト削減の点で好ましい。
<金属調加飾用部材の積層構成>
金属調加飾用部材の積層構成の具体例としては、例えば、下記(1)~(7)が挙げられる。上述したように、着色層(フィルム型)はバッカー層を兼用することができる場合があり、バッカー層は着色層を兼用することができる場合がある。
なお、「/」は各層の境界を意味する。また、左側が金属調加飾用部材の外層側、右側は内層側を意味する。
(1)保護層(透明基材)/光輝性印刷層
(2)保護層(透明基材)/光輝性印刷層/着色層(塗布型)/樹脂板
(3)保護層(透明基材)/光輝性印刷層/着色層(塗布型)/感圧接着剤層(粘着層)/着色層(フィルム型)/樹脂板
(4)保護層1(透明樹脂層)/保護層2(透明基材)/光輝性印刷層/着色層(塗布型)/樹脂板
(5)保護層(透明基材)/光輝性印刷層/着色層(塗布型)/着色層(フィルム型)/感圧接着剤層(粘着層)/着色層(フィルム型)/樹脂板
(6)保護層(透明基材)/光輝性印刷層/着色層(塗布型)/感圧接着剤層(粘着層)/バッカー層/樹脂板
(7)保護層(透明基材)/光輝性印刷層/着色層(塗布型)/着色層(フィルム型)/感圧接着剤層(粘着層)/バッカー層/樹脂板
<金属調加飾用部材の用途>
本発明の金属調加飾用部材は、高度な意匠性が求められる各種の成形体(例えば、通信機器、自動車等の車両体の内外装、家電製品、家具等の部材)に好適に用いることができる。
[金属調加飾成形体]
本発明の金属調加飾成形体は、上述した本発明の金属調加飾用部材から形成されてなるものである。
本発明の金属調加飾成形体は、下記条件1’を満たすことが好ましい。
<条件1’>
前記金属調加飾成形体の外層側の表面に対して、仰角45度で任意の方位角(方位角a)から可視光線を入射する。該入射光の正反射方向から仰角が入射光側に25度傾いた方向の反射光の分光スペクトルから算出されるL表色系のL値をm-L 1-25とする。
前記金属調加飾用部材の外層側の表面に対して、仰角45度で前記任意の方位角とは正反対の方位角(方位角b)から可視光線を入射する。該入射光の正反射方向から仰角が入射光側に25度傾いた方向の反射光の分光スペクトルから算出されるL表色系のL値をm-L 2-25とする。
上記の前提において、少なくとも一部の方位角において、m-L 1-25及びm-L 2-25との関係が、下記式(1’)及び(2’)を満たす。
m-L 1-25 > m-L 2-25 (1’)
1.00<{(m-L 1-25-m-L 2-25)/m-L 1-25}×100 (2’)
金属調加飾用部材を成形した前後で光輝性の異方性はほぼ変わらないことから、条件1を満たす金属調加飾用部材を用いれば、条件1’を満たす金属調加飾成形体を得やすくすることができる。
本発明の金属調加飾成形体は、下記条件2’を満たすことが好ましい。
<条件2’>
前記金属調加飾成形体の外層側の表面に対して、仰角45度で任意の方位角(方位角a)から可視光線を入射する。該入射光の正反射方向から仰角が入射光側に45度傾いた方向の反射光の分光スペクトルから算出されるL表色系のL値をm-L 1-45とする。
前記金属調加飾用部材の外層側の表面に対して、仰角45度で前記任意の方位角とは正反対の方位角(方位角b)から可視光線を入射する。該入射光の正反射方向から仰角が入射光側に45度傾いた方向の反射光の分光スペクトルから算出されるL表色系のL値をm-L 2-45とする。
上記の前提において、少なくとも一部の方位角において、前記m-L 1-25、前記m-L 2-25、m-L 1-45及びm-L 2-45との関係が、下記式(1’)及び(3’)を満たす。
m-L 1-25 > m-L 2-25 (1’)
1.00<(m-L 1-15/m-L 1-45)/(m-L 2-15/m-L 2-45) (3’)
金属調加飾用部材を成形した前後で光輝性の異方性はほぼ変わらないことから、条件2を満たす金属調加飾用部材を用いれば、条件2’を満たす金属調加飾成形体を得やすくすることができる。
<金属調加飾成形体の製造方法>
金属調加飾成形体は、例えば、下記(y1)~(y2)の工程を有する真空成形により、製造することができる。
(y1)金属調加飾用部材を、所定形状の成形面を有する成形型上に設置した後、当該金属調加飾用部材を加熱、軟化させる。成形型が雄型の場合は、金属調加飾用部材の保護層とは反対側(例えば樹脂板側)が成形型(雄型)側を向くように配置し、成形型が雌型の場合は、金属調加飾用部材の保護層(例えば透明基材)側が成形型(雌型)側を向くように配置する。
(y2)成形型側から真空吸引して、軟化した金属調加飾用部材を成形型の成形面に沿って密着させることにより、金属調加飾用部材を成形する。
なお、工程(y1)の前に、必要に応じて、加熱による水分除去工程を行ってもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、本発明は、実施例に記載の形態に限定されるものではない。
1.金属調加飾用部材の作製
[実施例1]
厚み125μmのゴム粒子を含有するアクリル樹脂系フィルムからなる透明基材(全光線透過率:92%、ヘイズ:0.6%)上に、下記処方の光輝性印刷層用インキ1をコンマコーター印刷により、塗布、乾燥し、厚み10μmの光輝性印刷層を形成した。次いで、光輝性印刷層上に、下記処方の白色層用インキをコンマコーター印刷で塗布、乾燥し、厚み10μmの白色層を形成し、保護層(透明基材)、光輝性印刷層及び白色層からなる積層体A1を得た。
次いで、厚み350μmのグレー調の着色フィルム(バインダー樹脂成分:ABS樹脂)と、厚み3mmの樹脂板(バインダー樹脂成分をABS樹脂とする黒色板)とを熱ラミネートし、積層体B1を得た。
次いで、積層体A1の白色層側と、積層体B1の着色フィルム側とを対向させて熱ラミネートし、外層側から、保護層(透明基材)、光輝性印刷層、着色層A(白色層(塗布型))、着色層B(着色フィルム)及び樹脂板(黒色板)をこの順に有する、実施例1の金属調加飾用部材を得た。
<光輝性印刷層用インキ1>
・アクリル系樹脂(A):8質量部
(質量平均分子量7万、ガラス転移温度100℃)
・アクリル系樹脂(B):7質量部
(質量平均分子量30万、ガラス転移温度100℃)
・パール顔料:5質量部
(母体がアルミナで被覆層が二酸化チタンのパール顔料)
(平均長さ:27.5μm、平均厚み:0.4μm)
・沈降防止剤:0.1質量部
(シリカ、平均一次粒子径:20nm)
・フタル酸ジイソデシル:2質量部
・配向剤(雲母):2質量部
・溶剤:適量
<白色層用インキ>
・アクリル系樹脂(A):16質量部
(質量平均分子量7万、ガラス転移温度100℃)
・アクリル系樹脂(B):7質量部
(質量平均分子量30万、ガラス転移温度100℃)
・白色顔料:16質量部
(二酸化チタン)
・溶剤:適量
[実施例2~4]
光輝性顔料の含有量、光輝性印刷層の厚み及び白色層の厚みを表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2~4の金属調加飾用部材を得た。
[実施例5~6]
光輝性顔料の含有量、光輝性印刷層の厚み及び白色層の厚みを表1のように変更するとともに、積層体A1の白色層側と、厚み3mmの樹脂板(バインダー樹脂成分をABS樹脂とする黒色板)とを熱ラミネートした以外は、実施例1と同様にして、実施例5~6の金属調加飾用部材を得た。実施例5~6の金属調加飾用部材は、外層側から、保護層(透明基材)、光輝性印刷層、着色層(白色層(塗布型))及び樹脂板(黒色板)をこの順に有するものであった。
[実施例7]
厚み125μmのゴム粒子を含有するアクリル樹脂系フィルムからなる透明基材(全光線透過率:92%、ヘイズ:0.6%)上に、下記処方の光輝性印刷層用インキ2をコンマコーター印刷により、塗布、乾燥し、厚み11μmの光輝性印刷層を形成した。次いで、光輝性印刷層上に、下記処方の黒色層用インキをコンマコーター印刷で塗布、乾燥し、厚み10μmの黒色層を形成し、保護層(透明基材)、光輝性印刷層及び黒色層からなる積層体A2を得た。
<光輝性印刷層用インキ2>
・アクリル系樹脂(A):11.4質量部
(質量平均分子量7万、ガラス転移温度100℃)
・アクリル系樹脂(B):10.2質量部
(質量平均分子量30万、ガラス転移温度100℃)
・金属鱗片(アルミフレーク):0.036質量部
(平均長さ:12.5μm、平均厚み:0.4μm)
・沈降防止剤:0.1質量部
(シリカ、平均一次粒子径:20nm)
・フタル酸ジイソデシル:2質量部
・配向剤(雲母):2質量部
次いで、積層体A2の黒色層側と、厚み3mmの樹脂板(バインダー樹脂成分をABS樹脂とする黒色板)とを熱ラミネートし、外層側から、保護層(透明基材)、光輝性印刷層、着色層(黒色層)及び樹脂板(黒色板)をこの順に有する、実施例7の金属調加飾用部材を得た。
<黒色層用インキ>
・アクリル系樹脂(A):14質量部
(質量平均分子量7万、ガラス転移温度100℃)
・アクリル系樹脂(B):7質量部
(質量平均分子量30万、ガラス転移温度100℃)
・黒色顔料:13部
(カーボンブラック)
・溶剤:適量
[実施例8~12]
光輝性顔料の含有量及び光輝性印刷層の厚みを表2のように変更した以外は、実施例7と同様にして、実施例8~12の金属調加飾用部材を得た。
[比較例1]
比較例1の金属調加飾用部材として、パール顔料を含む光輝性印刷層用インキが鋼板上にスプレー塗装されてなる、市販の金属調加飾用部材を準備した。
[比較例2]
光輝性印刷層の印刷方式をスクリーン印刷(200メッシュ使用)に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例2の金属調加飾用部材を得た。
[参考例1]
光輝性印刷層の印刷方式をスクリーン印刷(200メッシュ使用)に変更した以外は、実施例7と同様にして、参考例1の金属調加飾用部材を得た。
2.評価、測定
金属調加飾用部材について以下の評価、測定を行った。結果を表1に示す。
2-1.L 1-25、L 2-25、L 1-45及びL 2-45の測定
エックスライト社製の多角度分光測色計の品番「MA-96」を用い、実施例及び比較例で得られた金属調加飾用部材のL 1-25、L 2-25、L 1-45及びL 2-45を測定した。光源はD65、視野は10度視野とした。また、該測定器の測定波長範囲は400~700nmであり、分光間隔は10nmである。
実施例1~12に関しては、測定時の方位角a及び方位角bは、金属調加飾用部材の流れ方向と平行とした。L 1-25及びL 1-45を測定する際の入射光の向きが、金属調加飾用部材を作製する際の機械の流れ方向に該当する。
なお、比較例1は流れ方向が存在しないため、方位角aは任意の方向とした。
また、比較例2は、測定時の方位角a及び方位角bは、スキージの移動方向と平行とした。L 1-25及びL 1-45を測定する際の入射光の向きが、スキージが移動する方向に該当する。
2-2.意匠性1(白色系の金属調加飾用部材同士の対比)
蛍光灯照明下の室内で、実施例1~6及び比較例1~2で得られた金属調加飾用部材を、保護層側から、頭を動かしながら様々な角度から観察した。比較例2の金属調加飾用部材をリファレンスとして、リファレンスよりも意匠性が優れるものを2点、どちらとも言えないものを1点、リファレンスよりも意匠性が劣るものを0点として、20人が評価し、平均点を算出した。そして、平均点ごとに下記の基準でランク分けした。なお、比較例2はリファレンスであるため比較できないが、1点を含む「C」にランクさせた。
AA:平均点が1.7以上
A:平均点が1.5以上1.7未満
B:平均点が1.3以上1.5未満
C:平均点が1.0以上1.3未満
D:平均点が1.0未満
2-3.意匠性2(黒色系の金属調加飾用部材同士の対比)
蛍光灯照明下の室内で、実施例7~12及び参考例1で得られた金属調加飾用部材を、保護層側から、頭を動かしながら様々な角度から観察した。参考例1の金属調加飾用部材をリファレンスとして、リファレンスよりも意匠性が優れるものを2点、どちらとも言えないものを1点、リファレンスよりも意匠性が劣るものを0点として、20人が評価し、平均点を算出した。そして、平均点ごとに下記の基準でランク分けした。なお、意匠性は、金属光沢感及び観る方向による外観の変化を評価のポイントとした。
AA:平均点が1.7以上
A:平均点が1.5以上1.7未満
B:平均点が1.3以上1.5未満
C:平均点が1.0以上1.3未満
D:平均点が1.0未満
Figure 0007384156000001
Figure 0007384156000002
表1及び表2の結果から、実施例の金属調加飾用部材は、ロール・ツー・ロール方式によって安価に得ることができ、かつ光輝性に異方性を有し、高レベルの意匠性を付与できるものであることが確認できる。
一方、比較例1及び2の金属調加飾用部材は、光輝性に異方性がないため、実施例の金属調加飾用部材に比べて意匠性に劣るものであった。
3.金属調加飾成形体の作製及び評価
実施例1~12の金属調加飾用部材を、75℃3日間、加熱乾燥した後、所望の成形形状の型を用い、該金属調加飾用部材の樹脂板(黒色板)側の面を該型に向けて配置して真空成形し(黒色板到達温度150℃)、実施例1~12の金属調加飾成形体を得た。
得られた金属調加飾成形体を、保護層側から蛍光灯の照明下の室内で目視で観察したところ、何れもクラックは確認できなかった。また、得られた金属調加飾成形体を、保護層側から、蛍光灯照明下の室内で、頭を動かしながら様々な角度から目視観察したところ、何れも意匠性に優れるものであった。
10:保護層
11:透明基材
20:光輝性印刷層
21:光輝性顔料
30、30A、30B:着色層
40:樹脂板
50:接着剤層
100:金属調加飾用部材
201:コンマロール
202:コーティングロール
203:光輝性印刷層用インキの液溜まり
204:液面
205:被塗布材

Claims (10)

  1. 外層側から順に、保護層と、光輝性顔料及びバインダー樹脂を含む光輝性印刷層とを有してなり、下記条件1を満たし、前記光輝性顔料が薄片状であり、前記光輝性顔料の厚みtが0.01~5.00μmであり、前記tと、前記光輝性印刷層の厚みtとが、0.01≦t/t≦0.20の関係を満たす、金属調加飾用部材。
    <条件1>
    前記金属調加飾用部材の外層側の表面に対して、仰角45度で任意の方位角(方位角a)から可視光線を入射する。該入射光の正反射方向から仰角が入射光側に25度傾いた方向の反射光の分光スペクトルから算出されるL表色系のL値をL 1-25とする。
    前記金属調加飾用部材の外層側の表面に対して、仰角45度で前記任意の方位角とは正反対の方位角(方位角b)から可視光線を入射する。該入射光の正反射方向から仰角が入射光側に25度傾いた方向の反射光の分光スペクトルから算出されるL表色系のL値をL 2-25とする。
    上記の前提において、少なくとも一部の方位角において、L 1-25及びL 2-25との関係が、下記式(1)及び(2)を満たす。
    1-25 > L 2-25 (1)
    1.00<{(L 1-25-L 2-25)/L 1-25}×100 (2)
  2. さらに、下記条件2を満たす、請求項1に記載の金属調加飾用部材。
    <条件2>
    前記金属調加飾用部材の外層側の表面に対して、仰角45度で任意の方位角(方位角a)から可視光線を入射する。該入射光の正反射方向から仰角が入射光側に45度傾いた方向の反射光の分光スペクトルから算出されるL表色系のL値をL 1-45とする。
    前記金属調加飾用部材の外層側の表面に対して、仰角45度で前記任意の方位角とは正反対の方位角(方位角b)から可視光線を入射する。該入射光の正反射方向から仰角が入射光側に45度傾いた方向の反射光の分光スペクトルから算出されるL表色系のL値をL 2-45とする。
    上記の前提において、少なくとも一部の方位角において、前記L 1-25、前記L 2-25、L 1-45及びL 2-45との関係が、下記式(1)及び(3)を満たす。
    1-25 > L 2-25 (1)
    1.00<(L 1-25/L 1-45)/(L 2-25/L 2-45) (3)
  3. 前記保護層が透明基材である、請求項1又は2に記載の金属調加飾用部材。
  4. 前記光輝性印刷層中の前記光輝性顔料の含有割合が0.05~50質量%である、請求項1~の何れか1項に記載の金属調加飾用部材。
  5. 前記光輝性印刷層の内層側に樹脂板を有する、請求項1~4の何れか1項に記載の金属調加飾用部材。
  6. 前記方位角aが金属調加飾用部材の流れ方向と平行である、請求項1~5の何れか1項に記載の金属調加飾用部材。
  7. 前記バインダー樹脂がアクリレート系エマルジョンである金属調加飾用部材及び紙質の基材を備える金属調加飾用部材を除く、請求項1~6の何れか1項に記載の金属調加飾用部材。
  8. 前記光輝性印刷層が、更に配向剤を含む、請求項1~7の何れか1項に記載の金属調加飾用部材。
  9. 請求項1~の何れか1項に記載の金属調加飾用部材から形成されてなる、金属調加飾成形体。
  10. 下記条件1’を満たす、請求項に記載の金属調加飾成形体。
    <条件1’>
    前記金属調加飾成形体の外層側の表面に対して、仰角45度で任意の方位角(方位角a)から可視光線を入射する。該入射光の正反射方向から仰角が入射光側に25度傾いた方向の反射光の分光スペクトルから算出されるL表色系のL値をm-L 1-25とする。
    前記金属調加飾用部材の外層側の表面に対して、仰角45度で前記任意の方位角とは正反対の方位角(方位角b)から可視光線を入射する。該入射光の正反射方向から仰角が入射光側に25度傾いた方向の反射光の分光スペクトルから算出されるL表色系のL値をm-L 2-25とする。
    上記の前提において、少なくとも一部の方位角において、m-L 1-25及びm-L 2-25との関係が、下記式(1’)及び(2’)を満たす。
    m-L 1-25 > m-L 2-25 (1’)
    1.00<{(m-L 1-25-m-L 2-25)/m-L 1-25}×100 (2’)
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