JP2015066855A - 加飾シート及び加飾樹脂成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた金属光沢及び密着性を有し、さらに高い耐候性を有する加飾シートを提供する。【解決手段】少なくとも、基材層1と、金属光沢層2とを有し、前記金属光沢層2が、アクリル系樹脂を50質量%以上含むバインダー樹脂と、金属顔料が樹脂により被覆された樹脂被覆金属顔料とを含む樹脂組成物により形成されてなる、加飾シート。【選択図】図1

Description

本発明は、金属光沢を有し、耐候性に優れた加飾シートに関する。さらに、本発明は、当該加飾シートを利用した加飾樹脂成形品に関する。
従来、車両内外装部品、建材内装材、家電筐体等には、樹脂成形品の表面に加飾シートを積層させた加飾樹脂成形品が使用されている。このような加飾樹脂成形品の製造においては、予め意匠が付与された加飾シートを、射出成形によって樹脂と一体化させる成形法などが用いられている。係る成形法の代表的な例としては、加飾シートを真空成形型により予め立体形状に成形しておき、当該加飾シートを射出成形型に挿入し、流動状態の樹脂を型内に射出することにより樹脂と加飾シートとを一体化するインサート成形法や、射出成形の際に金型内に挿入された加飾シートを、キャビティ内に射出注入された溶融樹脂と一体化させる射出成形同時加飾法が挙げられる。また、射出成形による成形法以外には、真空圧着法のように予め成形された成形体上に加熱や加圧を伴いながら貼着される加飾方法においても加飾シートが用いられている。
加飾シートにおいては、金属光沢性の意匠を付与するために、基材層の上に、金属顔料を配合した金属光沢層が設けられることがある。金属光沢層に含まれる金属顔料としては、例えば、アルミニウムなどが広く用いられている。このような金属光沢層においては、金属顔料との混ざりやすさ等の観点から、バインダー樹脂として主に塩化ビニル系樹脂などの塩素系樹脂が使用されている。
加飾シートは、加飾樹脂成形品の表面材として使用される。このため、加飾シートには、光や熱などに対する高い耐候性が要求される。ところが、塩素系樹脂は光や熱によって劣化しやすいため、金属光沢層に塩素系樹脂を用いると、加飾シートの耐候性が低下する場合がある。このような加飾シートの耐候性を改善する方法としては、例えば、表面層などに紫外線吸収剤、光安定化剤などを配合する方法が挙げられる(例えば、特許文献1を参照)。
しかしながら、通常想定される量の紫外線吸収剤などを表面層などに配合した場合にも、耐候性が不十分となる場合がある。一方、表面層などに紫外線吸収剤などを多量に配合すると、時間の経過と共に、紫外線吸収剤などがブリードアウトするという問題がある。
特開2004−277725号公報
本発明者は、上記のような従来技術の問題点に鑑み、金属光沢層のバインダー樹脂の主成分として、塩素系樹脂よりも耐候性に優れるアクリル系樹脂を使用することを検討した。しかしながら、バインダー樹脂としてアクリル系樹脂を用いると、金属顔料が凝集し、金属顔料を金属光沢層において均一に分散させることが困難であることが明らかとなった。金属光沢層において、金属顔料が均一に分散されずに凝集すると、加飾シートの金属光沢性が低下するだけでなく、金属光沢層とこれに隣接する基材層などとの密着性も低下するという問題がある。さらに、加飾シートの金属光沢層においては、一般に、グラビア印刷などによって、厚みが数μm〜数十μmと非常に薄く形成される。ところが、アクリル系樹脂は、一般に、塩素系樹脂に比して硬いため、バインダー樹脂としてアクリル系樹脂を含むインキをグラビア印刷などに供して、このように非常に薄い金属光沢層を形成することは困難であるという問題もある。
このような状況下、本発明者が、さらに検討を重ねたところ、金属光沢層に用いる顔料として、金属顔料が樹脂により予め被覆された樹脂被覆金属顔料を用いることにより、バインダー樹脂としてアクリル系樹脂を用いた場合にも、金属光沢層に金属顔料を均一性高く分散でき、加飾シートに優れた金属光沢及び密着性を付与できることが明らかとなった。さらに、驚くべきことに、このような樹脂被覆金属顔料を用いることにより、バインダー樹脂としてアクリル系樹脂を用いた場合にも、グラビア印刷などにより、厚み数μm〜数十μmという非常に薄く金属光沢層を形成できることも明らかとなった。このような金属光沢層においては、バインダー樹脂として、アクリル系樹脂を用いることができるため、耐候性に優れるという効果が奏される。
以上のように、本発明は、優れた金属光沢及び密着性を有し、さらに高い耐候性を有する加飾シートを提供することを主な目的とする。
本発明者は、上記のような課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、少なくとも、基材層と、金属光沢層とを有し、金属光沢層が、アクリル系樹脂を50質量%以上含むバインダー樹脂と、金属顔料が樹脂により被覆された樹脂被覆金属顔料とを含む樹脂組成物により形成されてなる加飾シートは、優れた金属光沢及び密着性を有し、さらに高い耐候性を有することを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、さらに検討を重ねることにより完成された発明である。
すなわち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 少なくとも、基材層と、金属光沢層とを有し、
前記金属光沢層が、アクリル系樹脂を50質量%以上含むバインダー樹脂と、金属顔料が樹脂により被覆された樹脂被覆金属顔料とを含む樹脂組成物により形成されてなる、加飾シート。
項2. 前記樹脂被覆金属顔料において、前記金属顔料を被覆している樹脂が、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、及びフッ素樹脂からなる群から選択された少なくとも1種である、項1に記載の加飾シート。
項3. 前記樹脂被覆金属顔料において、前記樹脂により被覆されている金属顔料を構成する金属が、アルミニウム、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、及びこれらのうち少なくとも1種を含む合金からなる群から選択された少なくとも1種である、項1または2に記載の加飾シート。
項4. 前記樹脂被覆金属顔料の平均粒子径が、1〜50μmである、項1〜3のいずれかに記載の加飾シート。
項5. 前記金属光沢層において、前記アクリル系樹脂が、アクリル樹脂及びアクリルポリオール樹脂の少なくとも一方である、項1〜4のいずれかに記載の加飾シート。
項6. 前記金属光沢層において、前記樹脂被覆金属顔料の含有量が、前記バインダー樹脂100質量部に対して、10質量部以上である、項1〜5のいずれかに記載の加飾シート。
項7. 前記金属光沢層の厚みが、10μm以下である、項1〜6のいずれかに記載の加飾シート。
項8. パール顔料を含む光輝性インキ層をさらに有する、項1〜7のいずれかに記載の加飾シート。
項9. 少なくとも、成形樹脂層と、基材層と、金属光沢層とがこの順に積層された積層体からなり、
前記金属光沢層が、アクリル系樹脂を50質量%以上含むバインダー樹脂と、金属顔料が樹脂により被覆された樹脂被覆金属顔料とを含む樹脂組成物により形成されてなる、加飾樹脂成形品。
本発明の加飾シートによれば、優れた金属光沢及び密着性を有し、高い耐候性を有する加飾シートを提供することができる。
本発明の加飾シートの一例の略図的断面図である。 本発明の加飾シートの一例の略図的断面図である。 本発明の加飾シートの一例の略図的断面図である。
1.加飾シート
本発明の加飾シートは、少なくとも、基材層と、金属光沢層とを有し、金属光沢層が、アクリル系樹脂を50質量%以上含むバインダー樹脂と、金属顔料が樹脂により被覆された樹脂被覆金属顔料とを含む樹脂組成物により形成されてなることを特徴とする。本発明の加飾シートにおいては、金属光沢層が、アクリル系樹脂を50質量%以上含むバインダー樹脂と、金属顔料が樹脂により被覆された樹脂被覆金属顔料とを含む樹脂組成物により形成されていることにより、優れた金属光沢及び密着性を有し、さらに高い耐候性を有する。より具体的には、金属光沢層に樹脂被覆金属顔料を用いることにより、金属光沢層を形成する樹脂組成物に含まれるバインダー樹脂として、アクリル系樹脂を50質量%以上配合した場合にも、顔料が均一性高く分散されるため、加飾シートに優れた金属光沢及び密着性を付与でき、さらにアクリル系樹脂の有する高い耐候性により、加飾シートに対して高い耐候性を付与することができる。さらに、アクリル系樹脂は、従来主に使用されてきた塩化ビニル系樹脂などに比して硬いため、加飾シートが三次元成形された際の残存応力による金属光沢層の剥がれなども抑制し得る。以下、本発明の加飾シートについて詳述する。
加飾シートの積層構造
本発明の加飾シートは、少なくとも、基材層1と、金属光沢層2とが積層された積層構造を有する。本発明の加飾シートは、加飾シートに光輝性を付与することなどを目的として、必要に応じて、光輝性インキ層4を有していてもよい。なお、本発明において、加飾シートの「光輝性」とは、加飾シートが光輝く意匠を有することを意味する。また、本発明の加飾シートは、加飾シートの表面を保護することなどを目的として、必要に応じて、最外層として表面保護層3を設けてもよい。また、表面保護層3と、これに隣接する層との密着性を高めることなどを目的として、必要に応じて、表面保護層3の下にプライマー層6を設けてもよい。また、樹脂成形品に装飾性を付与することなどを目的として、必要に応じて、絵柄層5を設けてもよい。さらに、加飾シートの耐薬品性や耐傷付き性を向上させることなどを目的として、例えば、金属光沢層2と表面保護層3との間、プライマー層6を設ける場合は金属光沢層2とプライマー層6との間などに、必要に応じて、透明樹脂層7を設けてもよい。また、基材層1の色の変化やバラツキを抑制する目的で、基材層1の上や絵柄層5の下などに、隠蔽層8を必要に応じて設けてもよい。さらに、基材層1の下に、接着層9などを設けてもよい。
本発明の加飾シートの積層構造として、基材層/金属光沢層がこの順に積層された積層構造;接着層/基材層/金属光沢層がこの順に積層された積層構造;基材層/金属光沢層/表面保護層がこの順に積層された積層構造;基材層/金属光沢層/プライマー層/表面保護層がこの順に積層された積層構造;基材層/金属光沢層/光輝性インキ層/表面保護層がこの順に積層された積層構造;接着層/基材層/金属光沢層/光輝性インキ層/表面保護層がこの順に積層された積層構造;基材層/金属光沢層/光輝性インキ層/プライマー層/表面保護層がこの順に積層された積層構造;基材層/金属光沢層/光輝性インキ層/絵柄層/表面保護層がこの順に積層された積層構造;基材層/金属光沢層/光輝性インキ層/絵柄層/プライマー層/表面保護層がこの順に積層された積層構造;接着層/基材層/金属光沢層/光輝性インキ層/絵柄層/プライマー層/表面保護層がこの順に積層された積層構造;基材層/隠蔽層/金属光沢層/光輝性インキ層/絵柄層/プライマー層/表面保護層がこの順に積層された積層構造;基材層/隠蔽層/金属光沢層/光輝性インキ層/絵柄層/透明樹脂層/プライマー層/表面保護層がこの順に積層された積層構造などが挙げられる。図1に、本発明の加飾シートの積層構造の一態様として、基材層/金属光沢層がこの順に積層された加飾シートの一例の略図的断面図を示す。図2に、本発明の加飾シートの積層構造の一態様として、基材層/金属光沢層/光輝性インキ層/表面保護層がこの順に積層された加飾シートの一例の略図的断面図を示す。図3に、本発明の加飾シートの積層構造の一態様として、基材層/金属光沢層/光輝性インキ層/絵柄層/プライマー層/表面保護層がこの順に積層された加飾シートの一例の略図的断面図を示す。
加飾シートを形成する各層の組成
[基材層1]
基材層1は、本発明の加飾シートにおいて支持体としての役割を果たす樹脂シート(樹脂フィルム)により形成されている。基材層1に使用される樹脂成分については、特に制限されず、三次元成形性や射出樹脂層との相性等に応じて適宜選定すればよいが、好ましくは、熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、具体的には、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(以下「ABS樹脂」と表記することもある);アクリロニトリル−スチレン−アクリル酸エステル樹脂;アクリル樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリカーボネート樹脂;塩化ビニル系樹脂;ポリエチレンテレフタラート(PET)樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ABS樹脂が三次元成形性の観点から好ましい。基材層1を形成する樹脂成分としては、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。また、基材層1は、これら樹脂の単層シートで形成されていてもよく、また同種又は異種樹脂による複層シートで形成されていてもよい。
基材層1は、隣接する層との密着性を向上させるために、必要に応じて、片面又は両面に酸化法や凹凸化法等の物理的又は化学的表面処理が施されていてもよい。基材層1の表面処理として行われる酸化法としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン紫外線処理法等が挙げられる。また、基材層1の表面処理として行われる凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。これらの表面処理は、基材層1を構成する樹脂成分の種類に応じて適宜選択されるが、効果及び操作性等の観点から、好ましくはコロナ放電処理法が挙げられる。
また、基材層1には、着色剤などを配合した着色、色彩を整えるための塗装、デザイン性を付与するための模様の形成などがなされていてもよい。
基材層1の厚みは、特に制限されず、加飾シートの用途等に応じて適宜設定されるが、
通常50〜800μm程度、好ましくは100〜600μm程度、さらに好ましくは200〜500μm程度が挙げられる。基材層1の厚みが上記範囲内であると、加飾シートに対してより一層優れた三次元成形性、意匠性などを備えさせることができる。
[金属光沢層2]
金属光沢層2は、加飾シートに金属光沢の意匠を付与することを目的として設けられる層である。本発明においては、金属光沢層2は、アクリル系樹脂を50質量%以上含むバインダー樹脂と、金属顔料が樹脂により被覆された樹脂被覆金属顔料とを含む樹脂組成物により形成されている。金属光沢層2は、全面ベタ層として形成されていてもよいし、後述する絵柄層5のように柄パターン層として形成されていてもよい。また、金属光沢層2は、全面ベタ層と柄パターン層とを組み合わせて形成されていてもよい。なお、一般的なバインダー樹脂と金属顔料を用いて金属光沢層を形成する場合には、全面ベタ層とした場合において、特に密着性や耐候性の問題が顕著となる傾向がある。このため、金属光沢層2を全面ベタ層として形成する場合に、特に本発明の加飾シートによる優れた効果が発揮される。
金属光沢層2に含まれる樹脂被覆金属顔料は、金属顔料が樹脂により被覆されたものである。当該金属顔料を構成する金属としては、顔料として使用できるものであれば特に制限されないが、好ましくはアルミニウム、銅、亜鉛、鉄、ニッケルなどが挙げられ、より好ましくはアルミニウムが挙げられる。
樹脂被覆金属顔料において、金属顔料を被覆している樹脂としては、金属顔料を被覆できるものであれば特に制限されないが、好ましくは、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、及びフッ素樹脂などが挙げられる。これらの中でも、アクリル樹脂は、バインダー樹脂として50質量%以上含まれるアクリル系樹脂との親和性が高いため、金属光沢層2に樹脂被覆金属顔料を特に均一性高く分散させることができる。金属顔料を被覆する樹脂としては、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。樹脂被覆金属顔料において、金属顔料を被覆している樹脂の厚みとしては、特に制限されないが、通常100nm以下、好ましくは20nm以下である。このような樹脂被覆金属顔料としては、公知のものが使用でき、市販品を使用することもできる。樹脂被覆金属顔料は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
金属光沢層2を形成する樹脂組成物における樹脂被覆金属顔料の含有量としては、本発明の加飾シートに金属光沢を付与できれば特に制限されないが、当該樹脂組成物に含まれる後述のバインダー樹脂100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは30質量部以上が挙げられる。
樹脂被覆金属顔料の平均粒子径としては、例えば1〜50μm程度、好ましくは5〜30μm程度が挙げられる。なお、本発明において、樹脂被覆金属顔料の平均粒子径は、レーザー回折散乱法によって測定した体積基準粒度分布のメジアン径を意味する。
金属光沢層2を形成する樹脂組成物に含まれるバインダー樹脂は、アクリル系樹脂を50質量%以上含む。バインダー樹脂において、アクリル系樹脂の含有量としては、好ましくは60質量%以上、より好ましくは80質量%以上が挙げられる。また、バインダー樹脂におけるアクリル系樹脂の含有量を100質量%としてもよい。すなわち、バインダー樹脂は、実質的にアクリル系樹脂のみにより構成されていてもよい。
当該アクリル系樹脂の重量平均分子量としては、特に制限されないが、好ましくは1万以上、より好ましくは1.5万以上、さらに好ましくは2万以上が挙げられる。なお、本明細書におけるアクリル系樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により、ポリスチレンを標準物質として測定した値である。
アクリル系樹脂の具体例としては、好ましくはアクリル樹脂、アクリルポリオール樹脂などが挙げられる。アクリル樹脂としては、少なくとも(メタ)アクリル酸エステルモノマーを構成単位とするアクリル樹脂が好ましい。具体的には、(メタ)アクリル酸エステルモノマーの単独重合体、2種以上の異なる(メタ)アクリル酸エステルモノマーの共重合体、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと他のモノマーとの共重合体などが挙げられる。アクリル樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」は、「アクリルまたはメタクリル」を意味し、他の類似するものも同様の意である。
(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ノルマルブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸セカンダリーブチル、(メタ)アクリル酸ターシャリーブチル、(メタ)アクリル酸イソボニル、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートなどが好ましく挙げられ、これらのうち(メタ)アクリル酸メチルがより好ましい。2種以上の異なる(メタ)アクリル酸エステルモノマーの共重合体としては、上記例示されたものから選ばれる2種以上の(メタ)アクリル酸エステルの共重合体が例示され、これらの共重合体はランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。
(メタ)アクリル酸エステルモノマーと共重合体を形成する他のモノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能なものであれば特に限定されないが、本発明では、(メタ)アクリル酸、スチレン、(無水)マレイン酸、フマル酸、ジビニルベンゼン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン、ジフェニルエチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、フッ化ビニル、ビニルアルコール、アクリロニトリル、アクリルアミド、ブタジエン、イソプレン、イソブテン、1−ブテン、2−ブテン、N−ビニル−2−ピロリドン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン、ノルボルネン類などの脂環式オレフィンモノマー、ビニルカプロラクタム、シトラコン酸無水物、N−フェニルマレイミドなどのマレイミド類、ビニルエーテル類などが好ましく挙げられ、特にスチレン及び(無水)マレイン酸が共重合成分として好適である。すなわち、(メタ)アクリル酸エステルとスチレン又は(無水)マレイン酸の二元共重合体、(メタ)アクリル酸エステルとスチレン及び(無水)マレイン酸の三元共重合体が好適である。なお、(メタ)アクリル酸エステルと他のモノマーとの共重合体はランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。
また、アクリルポリオール樹脂としては、特に制限されないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等の分子中に水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルとを共重合させて得られるものが挙げられる。
樹脂組成物に含まれ得る他のバインダー樹脂としては、本発明の効果を奏することを限度として特に制限されないが、好ましくはウレタン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、塩素系樹脂などが挙げられる。金属光沢層2の形成に用いる後述のインキ組成物の転移性の観点などからは、塩素系樹脂の使用は望ましいが、上述の通り、塩素系樹脂は、耐候性に劣るため、バインダー樹脂中における塩素系樹脂の含有量は20質量%以下とすることが好ましい。塩素系樹脂としては、後述の光輝性インキ層4で例示したものと同様のものが挙げられる。他のバインダー樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
金属光沢層2は、例えば金属光沢層用インキ組成物を用いて形成することができる。このようなインキ組成物には、上記の樹脂組成物に加えて、溶剤、染料等の着色剤、体質顔料、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を適宜混合することができる。
金属光沢層2は、金属光沢層用インキ組成物を用いて、金属光沢層2と隣接する層の上に印刷することにより形成することができる。金属光沢層2を形成するための印刷方法については、特に制限されないが、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写による印刷、インクジェット印刷等が挙げられる。
金属光沢層2の厚みとしては、特に制限されないが、例えば1〜30μm程度、好ましくは1〜20μm程度が挙げられる。
[表面保護層3]
表面保護層3は、本発明の加飾シートが加飾樹脂成形品を成形するために使用された際に、加飾樹脂成形品の最表面に位置し、耐傷付き性などの表面物性を向上させる目的で形成される層である。表面保護層3は、樹脂により形成することができる。
表面保護層3を形成する樹脂は、特に制限されないが、耐傷付き性等の表面物性を確保する観点より、電離放射線硬化性樹脂や、2液硬化性樹脂が挙げられる。また、電離放射線硬化性樹脂と2液硬化性樹脂を組み合わせて使用してもよく、これら以外の樹脂と組み合わせて使用してもよい。
表面保護層3を形成する2液硬化性樹脂としては、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などの公知の樹脂が例示できる。
表面保護層3の形成に好適に使用される電離放射線硬化性樹脂とは、電離放射線を照射することにより、架橋、硬化する樹脂であり、具体的には、分子中に重合性不飽和結合又はエポキシ基を有する、プレポリマー、オリゴマー、及びモノマーなどのうち少なくとも1種を適宜混合したものが挙げられる。ここで電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋しうるエネルギー量子を有するものを意味し、通常紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線も含むものである。電離放射線硬化性樹脂の中でも、電子線硬化性樹脂は、無溶剤化が可能であり、光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られるため、表面保護層3の形成において好適に使用される。
電離放射線硬化性樹脂として使用される上記モノマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレートモノマーが好適であり、中でも多官能性(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。多官能性(メタ)アクリレートモノマーとしては、分子内に重合性不飽和結合を2個以上(2官能以上)、好ましくは3個以上(3官能以上)有する(メタ)アクリレートモノマーであればよい。多官能性(メタ)アクリレートとして、具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのモノマーは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、電離放射線硬化性樹脂として使用される上記オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレートオリゴマーが好適であり、中でも分子内に重合性不飽和結合を2個以上(2官能以上)有する多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましい。多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、例えば、ポリカーボネート(メタ)アクリレート、アクリルシリコーン(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマー(例えば、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等)等が挙げられる。ここで、ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、例えば、ポリカーボネートポリオールを(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。アクリルシリコーン(メタ)アクリレートは、シリコーンマクロモノマーを(メタ)アクリレートモノマーとラジカル共重合させることにより得ることができる。ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。エポキシ(メタ)アクリレートは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ(メタ)アクリレートを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートも用いることができる。ポリエステル(メタ)アクリレートは、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、或いは多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエーテル(メタ)アクリレートは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリブタジエン(メタ)アクリレートは、ポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリル酸を付加することにより得ることができる。シリコーン(メタ)アクリレートは、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーンの末端又は側鎖に(メタ)(メタ)アクリル酸を付加することにより得ることができる。これらのオリゴマーは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの電離放射線硬化性樹脂は1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの電離放射線硬化性樹脂の中でも、加飾シートの耐候性をより高めるという観点から、好ましくはポリカーボネート(メタ)アクリレート、アクリルシリコーン(メタ)アクリレートが挙げられる。
加飾シートの耐候性をより効果的に高める観点からは、表面保護層3には、紫外線吸収剤及び光安定化剤のうち少なくとも一方が含まれていることが好ましい。紫外線吸収剤としては、特に制限されず、例えば公知の紫外線吸収剤を用いることができる。紫外線吸収剤は、無機系、有機系のいずれでもよい。無機系紫外線吸収剤としては、例えば、平均粒径が5〜120nm程度の二酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛などを好ましく用いることができる。また、有機系紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系などを用いることができる。トリアゾール系としては、例えば、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、ポリエチレングリコールの3−[3−(ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオン酸エステルなどが挙げられる。
トリアジン系としては、例えば2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル]−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2'−エチル)ヘキシル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンなどが好ましく挙げられ、ベンゾフェノン系としては、例えば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
また、紫外線吸収剤として、分子内に(メタ)アクリロイル基などの重合性基を有する反応性紫外線吸収剤の重合物を含有することもできる。紫外線吸収剤は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
表面保護層3中における紫外線吸収剤の含有量は、特に制限されないが、加飾シートの耐候性を効果的に高める観点からは、表面保護層3中の樹脂100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上が挙げられる。なお、紫外線吸収剤の量が多すぎると、ブリードアウトが発生する場合があるため、表面保護層3中の紫外線吸収剤の上限値としては、樹脂100質量部に対して、好ましくは9質量部、より好ましくは7質量部が挙げられる。
光安定化剤としては、特に制限されず、例えば公知の光安定化剤を用いることができる。光安定化剤としては、好ましくはヒンダードアミン系光安定化剤、具体的には2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2’−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレートなどが挙げられる。光安定化剤は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
表面保護層3中における光安定化剤の含有量は、特に制限されないが、加飾シートの耐候性を効果的に高める観点からは、表面保護層3中の樹脂100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上が挙げられる。なお、光安定化剤の量が多すぎると、ブリードアウトが発生する場合があるため、表面保護層3中の光安定化剤の上限値としては、樹脂100質量部に対して、好ましくは9質量部、より好ましくは7質量部が挙げられる。
(表面保護層3に含まれ得る他の添加剤)
表面保護層3を形成する樹脂には、表面保護層3に備えさせる所望の物性に応じて、各種添加剤を配合することができる。この添加剤としては、例えば耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤等が挙げられる。これらの添加剤は、常用されるものから適宜選択して用いることができる。
(表面保護層3の形成方法)
表面保護層3が、2液硬化性樹脂により形成されている場合、表面保護層3は、後述のプライマー層6と同様の形成方法により形成することができる。
また、表面保護層3が電離放射線硬化性樹脂により形成されている場合、表面保護層3の形成は、例えば、電離放射線硬化性樹脂を含む電離放射線硬化性樹脂組成物を調製し、これを塗布し、架橋硬化することにより行われる。なお、電離放射線硬化性樹脂組成物の粘度は、後述の塗布方式により、隣接する層上に未硬化樹脂層を形成し得る粘度であればよい。本発明においては、調製された塗布液を、前記厚みとなるように、表面保護層3に隣接する層上に、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の公知の方式、好ましくはグラビアコートにより塗布し、未硬化樹脂層を形成させる。このようにして形成された未硬化樹脂層に、電子線、紫外線等の電離放射線を照射して該未硬化樹脂層を硬化させて表面保護層3を形成する。ここで、電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度が挙げられる。
なお、電子線の照射において、加速電圧が高いほど透過能力が増加するため、表面保護層3の下に電子線照射によって劣化しやすい樹脂を使用する場合には、電子線の透過深さと表面保護層3の厚みが実質的に等しくなるように、加速電圧を選定する。これにより、表面保護層3の下に位置する層への余分の電子線の照射を抑制することができ、過剰電子線による各層の劣化を最小限にとどめることができる。また、照射線量は、表面保護層3の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜50kGy(1〜5Mrad)の範囲で選定される。さらに、電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いることができる。電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含む光線を放射すればよい。紫外線源としては、特に制限されないが、例えば、高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈等が挙げられる。
表面保護層3には、各種の添加剤を添加することにより、ハードコート機能、防曇コート機能、防汚コート機能、防眩コート機能、反射防止コート機能、紫外線遮蔽コート機能、赤外線遮蔽コート機能等の機能を付与する処理を行ってもよい。
表面保護層3の厚みについては、特に制限されないが、例えば、1〜1000μm程度、好ましくは1〜50μm程度、さらに好ましくは1〜30μm程度が挙げられる。このような範囲の厚みを満たすと、耐傷付き性、耐候性等の保護層としての十分な物性が得られる。また、表面保護層3を電離放射線硬化性樹脂により形成する場合であれば、電離放射線硬化性樹脂組成物に対して電離放射線を均一に照射することが可能であるため、均一に硬化することが可能となり、経済的にも有利になる。さらに、表面保護層3の硬化後の厚みが前記範囲を充足することによって、加飾シートの三次元成形性が一層向上するため自動車内装用途等の複雑な三次元形状に対して高い追従性を得ることができる。このように、本発明の加飾シートは表面保護層3の厚みを従来のものより厚くしても、十分に高い三次元成形性が得られることから、特に表面保護層3に高い膜厚を要求される部材、例えば車両外装部品等の加飾シートとしても有用である。
[光輝性インキ層4]
本発明においては、加飾シートに光輝性を付与することなど目的として、光輝性インキ層4を設けてもよい。光輝性インキ層4は、例えば、金属光沢層2と接する位置に設けることができる。また、上記した金属光沢層2の場合と同様に、光輝性インキ層4は、全面ベタ層として形成されていてもよく、後述する絵柄層5のように柄パターン層として形成されていてもよく、これらの組み合わせとして形成されていてもよい。
光輝性インキ層4は、パール顔料、バインダー樹脂などを含む。光輝性インキ層4は、例えば光輝性インキ層用インキ組成物を用いて形成され、加飾シートに所望の光輝性を付与することができる。このようなインキ組成物としては、例えば、バインダー樹脂に、パール顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を適宜混合したものを使用することができる。本発明において、パール顔料とは、パール調の光沢を与える顔料を意味する。パール顔料としては、加飾シートに光輝性の意匠を付与できる顔料であれば、特に制限されず、例えば加飾シートなどに配合される公知のパール顔料を用いることができる。
パール顔料としては、例えば、表面部分に金属酸化物を含む粒子が挙げられる。このようなパール顔料としては、例えば、雲母等の鱗片状粒子の表面が金属酸化物で被覆された顔料が挙げられる。パール顔料に含まれる金属酸化物としては、加飾シートに光輝性の意匠を付与できるものであれば、特に制限されないが、例えば、チタン、鉄、ジルコニウム、ケイ素、アルミニウム、セリウムなどの金属の酸化物が挙げられる。金属酸化物としては、1種類単独で含んでいてもよいし、2種類以上を含んでいてよい。パール顔料の具体例としては、好ましくは二酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母、二酸化チタンと酸化鉄で被覆した雲母などが挙げられる。
パール顔料の平均粒子径としては、特に制限されないが、加飾シートに優れた光輝性を付与する観点からは、通常1〜500μm程度、好ましくは5〜100μm程度が挙げられる。なお、本発明において、パール顔料の平均粒子径は、レーザー回折散乱法によって測定した体積基準粒度分布のメジアン径を意味する。
光輝性インキ層4中のパール顔料の含有量としては、特に制限されないが、光輝性インキ層4中のバインダー樹脂100質量部に対して、好ましくは10〜90質量部程度、より好ましくは50〜80質量部程度が挙げられる。
バインダー樹脂としては、特に制限されないが、例えば、塩素系樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ブチラール樹脂、ポリスチレン、ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等が挙げられ、好ましくは塩素系樹脂、アクリル樹脂が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
光輝性インキ層用インキ組成物の転移性をより高める観点からは、バインダー樹脂は、アクリル樹脂と塩素系樹脂との混合樹脂であることが好ましい。同様の観点から、バインダー樹脂中におけるアクリル樹脂と塩素系樹脂との質量比は、特に制限されないが、好ましくは3/7〜8/2程度の範囲、より好ましくは5/5〜8/2程度の範囲、さらに好ましくは5/5〜7/3程度の範囲である。
塩素系樹脂としては、特に制限されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−(メタ)アクリル共重合体などのポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化プロピレン、塩素化ポリプロピレンなどが挙げられる。インキ組成物の転移性を高める観点からは、塩素系樹脂としては、これらの中でも、好ましくはポリ塩化ビニル系樹脂が挙げられ、より好ましくは塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体が挙げられる。塩素系樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
光輝性インキ層4には、金属顔料がさらに含まれていてもよい。金属顔料としては、特に制限されないが、例えば、アルミニウム粉、真鍮粉、ステンレス鋼粉、錫粉、亜鉛粉、ブロンズ粉、ニッケル粉、銅粉、金粉、銀粉等や、これらの混合粉、これらの金属の合金粉などからなる顔料が挙げられる。
金属顔料の平均粒子径は、特に制限されないが、加飾シートに優れた金属光沢を付与する観点からは、通常1〜200μm程度、好ましくは5〜100μm程度である。なお、本発明において、金属顔料の平均粒子径は、レーザー回折散乱法によって測定した体積基準粒度分布のメジアン径を意味する。
光輝性インキ層4が金属顔料を含む場合、光輝性インキ層4中の金属顔料の含有量としては、特に制限されないが、光輝性インキ層4中のバインダー樹脂100質量部に対して、好ましくは10〜90質量部程度、より好ましくは20〜80質量部程度が挙げられる。
光輝性インキ層4の厚みとしては、特に制限されないが、例えば1〜30μm程度、好ましくは1〜20μm程度が挙げられる。
光輝性インキ層4は、光輝性インキ層用インキ組成物を用いて、光輝性インキ層4と隣接する層の上に印刷することにより形成することができる。光輝性インキ層4を形成するための印刷方法については、特に制限されず、金属光沢層2と同様の方法を採用することができる。
[プライマー層6]
プライマー層6は、表面保護層3とその下に位置する層との密着性を高めることなどを目的として、必要に応じて含まれる層である。プライマー層6は、樹脂により形成することができる。
プライマー層6を形成する樹脂としては、特に制限されないが、例えば、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、(メタ)アクリル−ウレタン共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂等が挙げられる。これらの樹脂の中でも、好ましくは、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、及び(メタ)アクリル−ウレタン共重合体樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記ウレタン樹脂としては、ポリオール(多価アルコール)を主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするポリウレタンを使用できる。ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有する化合物であればよく、具体的には、ポリエステルポリオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。上記イソシアネートとしては、具体的には、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネート;4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(又は脂環族)イソシアネートが挙げられる。
上記ウレタン樹脂の中でも、架橋後の密着性の向上等の観点から、好ましくは、ポリオールとしてアクリルポリオール、又はポリエステルポリオールと、架橋材としてヘキサメチレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートとから組み合わせ;さらに好ましくは、アクリルポリオールとヘキサメチレンジイソシアネートとを組み合わせが挙げられる。
上記アクリル樹脂としては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体、2種以上の異なる(メタ)アクリル酸エステルモノマーの共重合体、又は(メタ)アクリル酸エステルと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。(メタ)アクリル樹脂として、より具体的には、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸エチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体等の(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。これらのアクリル樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(メタ)アクリル−ウレタン共重合体樹脂としては、特に制限されないが、例えば、アクリル−ウレタン(ポリエステルウレタン)ブロック共重合系樹脂が挙げられる。また、硬化剤としては、前述する各種イソシアネートが用いられる。アクリル−ウレタン(ポリエステルウレタン)ブロック共重合系樹脂におけるアクリルとウレタン比の比率については、特に制限されないが、例えば、アクリル/ウレタン比(質量比)として、9/1〜1/9、好ましくは8/2〜2/8が挙げられる。
加飾シートの耐候性をより効果的に高める観点からは、プライマー層6には、紫外線吸収剤及び光安定化剤のうち少なくとも一方が含まれていることが好ましい。紫外線吸収剤及び光安定化剤としては、表面保護層3で例示したものが挙げられる。
プライマー層6の厚みについては、特に制限されないが、例えば0.1〜10μm程度、好ましくは1〜10μm程度が挙げられる。プライマー層6がこのような厚みを充足することにより、加飾シートの耐候性をより高めると共に、表面保護層3の割れ、破断、白化等を有効に抑制することができる。
プライマー層6は、プライマー層6を形成する樹脂を用いて、グラビアコート、グラビアリバースコート、グラビアオフセットコート、スピンナーコート、ロールコート、リバースロールコート、キスコート、ホイラーコート、ディップコート、シルクスクリーンによるベタコート、ワイヤーバーコート、フローコート、コンマコート、かけ流しコート、刷毛塗り、スプレーコート等の通常の塗布方法や転写コーティング法により形成される。ここで、転写コーティング法とは、薄いシート(フィルム基材)にプライマー層や接着層の塗膜を形成し、その後に加飾シート中の対象となる層表面に被覆する方法である。
[絵柄層5]
絵柄層5は、例えば、加飾シートに装飾性を付与する目的で、必要に応じて設けられる層である。絵柄層5は、例えば絵柄層用インキ組成物を用いて形成され、所望の絵柄を有している。絵柄層5の形成に用いられる絵柄層用インキ組成物としては、バインダー樹脂に、顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を適宜混合したものが使用される。
絵柄層用インキ組成物のバインダー樹脂としては、特に制限されないが、例えば光輝性インキ層2で例示したバインダー樹脂と同様のものが挙げられる。
絵柄層用インキ組成物に含まれる着色剤としては、特に制限されないが、例えば、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料;キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料等が挙げられる。
絵柄層5によって形成される模様についても、特に制限されないが、例えば、木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)等の岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様等が挙げられ、これらを複合した寄木、パッチワーク等の模様であってもよい。これらの模様は、通常の黄色、赤色、青色、及び黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成されるが、模様を構成する個々の色の版を用意して行う特色による多色印刷等によっても形成することができる。なお、絵柄層5は、木目模様等の模様を表現する柄パターン層と、全面ベタ層との組み合わせでも使用される。全面ベタ層は、通常、隠蔽層、着色層、着色隠蔽層等として使用される。
絵柄層5の厚みとしては、特に制限されないが、例えば1〜30μm程度、好ましくは1〜20μm程度が挙げられる。
絵柄層5は、例えば、絵柄層用インキ組成物を用いて所望の絵柄となるように印刷することにより形成される。絵柄層5を形成するための印刷方法については、特に制限されないが、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写による印刷、インクジェット印刷等が挙げられる。
[透明樹脂層7]
透明樹脂層7は、加飾シートの耐薬品性や耐傷付き性を向上させる目的で、例えば、金属光沢層2と表面保護層3との間、プライマー層3を設ける場合は金属光沢層2とプライマー層3との間などに、必要に応じて設けられる層である。
透明樹脂層7を形成する樹脂成分としては、透明性、三次元成形性、形状安定性、耐薬品性等に応じて適宜選定されるが、通常、熱可塑性樹脂が使用される。熱可塑性樹脂としては、特に制限されないが、例えば、アクリル樹脂、ポリプロピレン,ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂等が使用される。これらの熱可塑性樹脂の中でも、耐薬品性、耐傷付き性等の観点から、好ましくは、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂;さらに好ましくは、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂;より好ましくは、ポリエステル樹脂が挙げられる。
加飾シートの耐候性をより効果的に高める観点からは、透明樹脂層7には、紫外線吸収剤及び光安定化剤のうち少なくとも一方が含まれていることが好ましい。紫外線吸収剤及び光安定化剤としては、表面保護層3で例示したものが挙げられる。
透明樹脂層7は、接面する他の層との密着性を向上させるために、必要に応じて、片面又は両面に酸化法や凹凸化法等の物理的又は化学的表面処理が施されていてもよい。これらの物理的又は化学的表面処理は、基材層1に施される表面処理と同様である。
透明樹脂層7の厚みについては、特に制限されないが、例えば10〜200μm程度、好ましくは15〜150μm程度が挙げられる。
透明樹脂層7は、接着剤を介して積層させてもよく、また接着剤を介さず直接積層させてもよい。接着剤を介して積層させる場合、使用される接着剤としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、セルロース樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、アミノ樹脂、ゴム、シリコン樹脂等が挙げられる。また、接着剤を介さず積層させる場合には、押出し法、サンドラミ法、サーマルラミネート法等の方法で行うことができる。
[隠蔽層8]
隠蔽層8は、基材層1の色の変化やバラツキを抑制する目的で、基材層1の上などに、必要に応じて設けられる層である。
隠蔽層8は、基材層1が加飾シートの色調や絵柄に悪影響を及ぼすのを抑制するために設けられるため、一般には不透明色の層として形成される。
隠蔽層8は、バインダーに、顔料、染料などの着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤などを適宜混合したインキ組成物を用いて形成される。隠蔽層5を形成するインキ組成物は、上述の絵柄層5に使用されるものから適宜選択して使用される。
隠蔽層8は、通常、厚みが1〜20μm程度に設定され、所謂ベタ印刷層として形成されることが望ましい。
[接着層9]
接着層9は、加飾シートと成形樹脂との密着性や接着性を向上させることなどを目的として、基材層1の裏面に必要に応じて設けられる層である。接着層9を形成する樹脂としては、加飾シートと成形樹脂との密着性や接着性を向上させることができるものであれば、特に制限されず、例えば、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アクリル変性ポリオレフィン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、熱可塑性ウレタン樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等挙げられる。熱硬化性樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
接着層9は必ずしも必要な層ではないが、本発明の加飾シートを、後述する真空圧着法など、予め用意された樹脂成形体上へ貼着による加飾方法に適用することを想定した場合は、設けられていることが好ましい。真空圧着法に用いる場合、上記した各種の樹脂のうち、加圧又は加熱により接着性を発現する樹脂として慣用のものを使用して接着層8を形成することが好ましい。
接着層9の厚みは、特に制限されないが、例えば、0.1〜30μm程度、好ましくは0.5〜20μm程度、さらに好ましくは1〜8μm程度が挙げられる。
2.加飾樹脂成形品
本発明の加飾樹脂成形品は、本発明の加飾シートに成形樹脂を一体化させることにより成形されてなるものである。即ち、本発明の加飾樹脂成形品は、少なくとも、成形樹脂層と、基材層と、金属光沢層とがこの順に積層された積層体からなり、金属光沢層が、アクリル系樹脂を50質量%以上含むバインダー樹脂と、金属顔料が樹脂により被覆された樹脂被覆金属顔料とを含む樹脂組成物により形成されてなることを特徴とする。本発明の加飾樹脂成形品では、必要に応じて、加飾シートに上述の表面保護層3、光輝性インキ層4、絵柄層5、プライマー層6、透明樹脂層7、隠蔽層8などの少なくとも1層がさらに設けられていてもよい。
本発明の加飾樹脂成形品は、例えば、本発明の加飾シートを用いて、インサート成形法、射出成形同時加飾法、ブロー成形法、ガスインジェクション成形法等の各種射出成形法により作製される。これらの射出成形法の中でも、好ましくはインサート成形法及び射出成形同時加飾法が挙げられる。また、本発明の加飾樹脂成形品は、真空圧着法等の、予め用意された立体的な樹脂成形体(成形樹脂層)上に、本発明の加飾シートを貼着する加飾方法によっても作製することができる。
インサート成形法では、まず、真空成形工程において、本発明の加飾シートを真空成形型により予め成形品表面形状に真空成形(オフライン予備成形)し、次いで必要に応じて余分な部分をトリミングして成形シートを得る。この成形シートを射出成形型に挿入し、射出成形型を型締めし、流動状態の樹脂を型内に射出し、固化させて、射出成形と同時に樹脂成形物の外表面に加飾シートを一体化させることにより、加飾樹脂成形品が製造される。
より具体的には、下記の工程を含むインサート成形法によって、本発明の加飾樹脂成形品が製造される。
本発明の加飾シートを真空成形型により予め立体形状に成形する真空成形工程、
真空成形された加飾シートの余分な部分をトリミングして成形シートを得るトリミング工程、及び
成形シートを射出成形型に挿入し、射出成形型を閉じ、流動状態の樹脂を射出成形型内に射出して樹脂と成形シートを一体化する一体化工程。
インサート成形法における真空成形工程では、加飾シートを加熱して成形してもよい。この時の加熱温度は、特に限定されず、加飾シートを構成する樹脂の種類や、加飾シートの厚みなどによって適宜選択すればよいが、例えば基材層としてABS樹脂フィルムを使用する場合であれば、通常120〜200℃程度とすることができる。また、一体化工程において、流動状態の樹脂の温度は、特に限定されないが、通常180〜320℃程度とすることができる。
また、射出成形同時加飾法では、本発明の加飾シートを射出成形の吸引孔が設けられた真空成形型との兼用雌型に配置し、この雌型で予備成形(インライン予備成形)を行った後、射出成形型を型締めして、流動状態の樹脂を型内に射出充填し、固化させて、射出成形と同時に樹脂成形物の外表面に本発明の加飾シートを一体化させることにより、加飾樹脂成形品が製造される。
より具体的には、下記の工程を含む射出成形同時加飾法によって、本発明の加飾樹脂成形品が製造される。
本発明の加飾シートを、所定形状の成形面を有する可動金型の当該成形面に対し、加飾シートの基材層の表面が対面するように設置した後、当該加飾シートを加熱、軟化させると共に、可動金型側から真空吸引して、軟化した加飾シートを当該可動金型の成形面に沿って密着させることにより、加飾シートを予備成形する予備成形工程、
成形面に沿って密着された加飾シートを有する可動金型と固定金型とを型締めした後、両金型で形成されるキャビティ内に、流動状態の樹脂を射出、充填して固化させることにより樹脂成形体を形成し、樹脂成形体と加飾シートを積層一体化させる一体化工程、及び
可動金型を固定金型から離間させて、加飾シート全層が積層されてなる樹脂成形体を取り出す取出工程。
射出成形同時加飾法の予備成形工程において、加飾シートの加熱温度は、特に限定されず、加飾シートを構成する樹脂の種類や、加飾シートの厚みなどによって適宜選択すればよいが、基材層としてポリエステル樹脂フィルムやアクリル樹脂フィルムを使用する場合であれば、通常70〜130℃程度とすることができる。また、射出成形工程において、流動状態の樹脂の温度は、特に限定されないが、通常180〜320℃程度とすることができる。
真空圧着法では、まず、上側に位置する第1真空室及び下側に位置する第2真空室からなる真空圧着機内に、本発明の加飾シート及び樹脂成形体を、加飾シートが第1真空室側、樹脂成形体が第2真空室側となるように、且つ加飾シートの基材層1側が樹脂成形体側に向くように真空圧着機内に設置し、2つの真空室を真空状態とする。樹脂成形体は、第2真空室側に備えられた、上下に昇降可能な昇降台上に設置される。次いで、第1の真空室を加圧すると共に、昇降台を用いて成形体を加飾シートに押し当て、2つの真空室間の圧力差を利用して、加飾シートを延伸しながら樹脂成形体の表面に貼着する。最後に2つの真空室を大気圧に開放し、必要に応じて加飾シートの余分な部分をトリミングすることにより、本発明の加飾樹脂成形品を得ることができる。
真空圧着法においては、上記の成形体を加飾シートに押し当てる工程の前に、加飾シートを軟化させて成形性を高めるため、加飾シートを加熱する工程を備えることが好ましい。当該工程を備える真空圧着法は、特に真空加熱圧着法と呼ばれることがある。当該工程における加熱温度は、加飾シートを構成する樹脂の種類や、加飾シートの厚みなどによって適宜選択すればよいが、基材層としてポリエステル樹脂フィルムやアクリル樹脂フィルムを使用する場合であれば、通常60〜200℃程度とすることができる。
本発明の加飾樹脂成形品において、成形樹脂層は、用途に応じた樹脂を選択して形成すればよい。成形樹脂層を形成する射出樹脂としては、熱可塑性樹脂であってもよく、また熱硬化性樹脂であってもよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらの熱硬化性樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の加飾樹脂成形品は、高い金属光沢を有し、且つ耐候性にも優れるので、例えば、自動車等の車両の内装材又は外装材;窓枠、扉枠等の建具;壁、床、天井等の建築物の内装材;テレビ受像機、空調機等の家電製品の筐体;容器等として利用することができる。
以下に、実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されない。
<実施例1〜6及び比較例1〜4>
(加飾シートの作製)
基材層としてのABS樹脂フィルム(厚み400μmm)上に、表1に記載のバインダー樹脂及び顔料を含むインキをグラビア印刷により全面に塗工し、金属光沢層(厚み1〜2μm)を形成した。なお、各実施例及び比較例において、顔料の割合は、バインダー樹脂100質量部に対して、50質量部とした。次に、金属光沢層の上に、塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル系共重合体樹脂を含むインキを用いて、グラビア印刷により絵柄層(厚み5μm)を形成した。絵柄層の模様は、木目模様とした。次に、絵柄層の上に、後述のプライマー樹脂を用いてグラビア印刷によりプライマー層(厚み3μm)を形成した。なお、塗工液には、プライマー樹脂100質量部に対して、トリアジン系紫外線吸収剤3.5質量部と、光安定化剤(HALS)1.7質量部とを配合した。次に、プライマー層の上に後述の電離放射線硬化性樹脂を、硬化後の厚みが10μmとなるようにして、グラビア印刷により塗工した。なお、塗工液には、電離放射線硬化性樹脂100質量部に対して、トリアジン系紫外線吸収剤1.3質量部と、光安定化剤(HALS)1.7質量部とを配合した。次に、塗工した電離放射線硬化性樹脂に対して、電子線を照射(加速電圧165kV、照射線量50kGy(5Mrad))して、電離放射線硬化性樹脂を硬化して表面保護層を形成し、表1に示されるような構成を有する、基材層/金属光沢層/絵柄層/プライマー層/表面保護層がこの順に積層された加飾シートを得た。
<実施例7〜11及び比較例5〜8>
(加飾シートの作製)
基材層としてのABS樹脂フィルム(厚み400μmm)上に、表2に記載のバインダー樹脂及び顔料を含むインキをグラビア印刷により全面に塗工し、金属光沢層(厚み1〜2μm)を形成した。なお、各実施例及び比較例において、顔料の割合は、バインダー樹脂100質量部に対して、50質量部とした。次に表2に記載のバインダー樹脂及びパール顔料を含むインキをグラビア印刷により全面に塗工し、光輝性インキ層(厚み1〜2μm)を形成した。なお、各実施例及び比較例において、パール顔料の割合は、バインダー樹脂100質量部に対して、80質量部とした。次に、光輝性インキ層の上に、塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル系共重合体樹脂を含むインキを用いて、グラビア印刷により絵柄層(厚み5μm)を形成した。絵柄層の模様は、木目模様とした。次に、絵柄層の上に、後述のプライマー樹脂を用いてグラビア印刷によりプライマー層(厚み3μm)を形成した。なお、塗工液には、プライマー樹脂100質量部に対して、トリアジン系紫外線吸収剤3.5質量部と、光安定化剤(HALS)1.7質量部とを配合した。次に、プライマー層の上に後述の電離放射線硬化性樹脂を、硬化後の厚みが10μmとなるようにして、グラビア印刷により塗工した。なお、塗工液には、電離放射線硬化性樹脂100質量部に対して、トリアジン系紫外線吸収剤1.3質量部と、光安定化剤(HALS)1.7質量部とを配合した。次に、塗工した電離放射線硬化性樹脂に対して、電子線を照射(加速電圧165kV、照射線量50kGy(5Mrad))して、電離放射線硬化性樹脂を硬化して表面保護層を形成し、表2に示されるような構成を有する、基材層/金属光沢層/光輝性インキ層/絵柄層/プライマー層/表面保護層がこの順に積層された加飾シートを得た。
<耐候性試験前のグロス値>
実施例1〜11及び比較例1〜8の加飾シートをそれぞれ用い、各加飾シートを、ヒーター熱盤温度170℃で加熱して射出成形の金型内形状に沿うように成形して、表面保護層側を金型内面に密着させた。金型は、80mm角の大きさで、立ち上がり10mm、コーナー部が2Rのトレー状である深絞り度の高い形状のものを用いた。一方、射出樹脂としてABS樹脂[日本エイアンドエル(株)製、商品名「クララスチックMTH−2」]を用いて、これを230℃にて溶融状態にしてから、キャビティ内に射出した。金型温度が30℃になった時点で、金型から加飾樹脂成形品を取り出し、加飾樹脂成形品を得た。次に、BYKガードナー社製のマイクログロスを用い、得られた加飾樹脂成形品表面のグロス値(60°)を測定した。結果を表1及び表2に示す。
<耐候性試験後のグロス値>
上記でグロス値を測定した加飾樹脂成形品に対して、岩崎電気株式会社製の超促進耐候試験
機(アイスーパーUVテスター)を用いて、波長295〜450nmの紫外線を100時間連続照射した後、加飾樹脂成形品表面のグロス値(60°)を測定した。結果を表1及び表2に示す。
<耐候性試験前後のグロス値の差の評価>
上記で測定した、耐候性試験前後のグロス値の差を以下の基準に従い評価した。グロス値差の実測値を表1及び2に示す。
◎:グロス値差が10以下であり、艶低下は見られなかった
○:グロス値差が11〜25であり、軽微な艶低下が見られた
△:グロス値差が26〜40であり、艶低下が見られた
×:グロス値差が41〜60であり、艶低下が見られた
××:グロス値差が61以上であり、顕著な艶低下が見られた
<密着性の評価>
上記の耐候性試験を行った後の各加飾樹脂成形品の表面に対して、カッターで長さ5mm、間隔2mmで縦11本、横11本の切れ込みを入れ、縦10マス×横10マスの合計100マスの碁盤目状の切れ込みを形成した。この切れ込みの上から、ニチバン社製のセロテープ(No.405−1P)を圧着した後、急激に剥離することにより、金属光沢層の密着性を評価した。評価基準は以下の通りである。結果を表1及び2に示す。
○:100マス中、100マスにおいて、剥離が全く見られなかった
△:100マス中、1〜10マスにおいて、若干の剥離が見られた
×:100マス中、11以上のマスにおいて、顕著な剥離が見られた
表1及び表2に示す各成分としては、以下のものを用いた。
(バインダー樹脂)
A:アクリル樹脂
B:塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂
C:アクリルポリオール樹脂(ガラス転移温度(Tg)90℃、OH価80、重量平均分子量3万〜4万)
D:アクリルポリオール樹脂(ガラス転移温度(Tg)75℃、OH価80、重量平均分子量2万〜2.5万)
E:アクリルポリオール樹脂/ウレタン樹脂(質量比6/4、アクリルポリオール樹脂のガラス転移温度(Tg)90℃)
(顔料)
a:アルミニウム顔料(平均粒子径18μm)の表面がアクリル樹脂で被覆された、樹脂被覆金属顔料(アクリル樹脂の厚み約5nm)
b:アルミニウム顔料(平均粒子径18μm)
(パール顔料)
c:酸化チタンで被覆した雲母
(プライマー樹脂)
アクリルポリオール樹脂/ウレタン樹脂(質量比9/1)
(電離放射線硬化性樹脂)
2官能ポリカーボネートアクリレート(重量平均分子量1万)/4官能ウレタンアクリレート(重量平均分子量6千)の混合樹脂(質量比95/5)
表1に示されるように、金属光沢層において、アクリル系樹脂を80質量%以上含むバインダー樹脂を用い、かつ、樹脂被覆金属顔料を用いた実施例1〜5の加飾樹脂成形品では、耐候性試験前後におけるグロス値の差が小さく、軽微な艶低下がみられた程度であった。また、金属光沢層において、アクリル系樹脂を50質量%含むバインダー樹脂を用いた実施例6においても、艶低下は見られたが実用上問題なかった。さらに、実施例1〜6の加飾樹脂成形品では、金属光沢層の顔料の分散性が高いため、金属光沢層の密着性も優れていた。これに対して、金属光沢層のバインダー樹脂として塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂を用い、かつ樹脂被覆金属顔料を用いた比較例1では、艶の低下が大きかった。また、金属光沢層のバインダー樹脂として塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂を用い、かつ金属顔料を用いた比較例2においても、艶の低下が大きかった。さらに、金属光沢層において、バインダー樹脂としてアクリル系樹脂を用い、かつ、金属顔料を用いた比較例3及び4においても、艶の低下が大きく、金属顔料の分散性が低いため、密着性も劣っていた。
また、表2に示されるように、金属光沢層の上に光輝性インキ層を設けた場合について、金属光沢層において、アクリル系樹脂を80質量%以上含むバインダー樹脂を用い、かつ、樹脂被覆金属顔料を用いた実施例7〜10の加飾樹脂成形品では、耐候性試験前後におけるグロス値の差が小さく、軽微な艶低下がみられた程度であった。また、金属光沢層において、アクリル系樹脂を50質量%含むバインダー樹脂を用いた実施例11においても、艶低下は見られたが、実用上問題なかった。さらに、実施例7〜11の加飾樹脂成形品では、金属光沢層の顔料の分散性が高いため、金属光沢層の密着性も優れていた。金属光沢層の密着性は優れていた。これに対して、金属光沢層のバインダー樹脂として塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂を用い、かつ樹脂被覆金属顔料を用いた比較例5では、艶の低下が大きかった。また、金属光沢層のバインダー樹脂として塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂を用い、かつ金属顔料を用いた比較例6においても、艶の低下が非常に大きかった。さらに、金属光沢層において、バインダー樹脂としてアクリル系樹脂を用い、かつ、金属顔料を用いた比較例7及び8においても、艶の低下が大きく、さらに密着性も劣っていた。
1…基材層
2…金属光沢層
3…表面保護層
4…光輝性インキ層
5…絵柄層
6…プライマー層

Claims (9)

  1. 少なくとも、基材層と、金属光沢層とを有し、
    前記金属光沢層が、アクリル系樹脂を50質量%以上含むバインダー樹脂と、金属顔料が樹脂により被覆された樹脂被覆金属顔料とを含む樹脂組成物により形成されてなる、加飾シート。
  2. 前記樹脂被覆金属顔料において、前記金属顔料を被覆している樹脂が、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、及びフッ素樹脂からなる群から選択された少なくとも1種である、請求項1に記載の加飾シート。
  3. 前記樹脂被覆金属顔料において、前記樹脂により被覆されている金属顔料を構成する金属が、アルミニウム、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、及びこれらのうち少なくとも1種を含む合金からなる群から選択された少なくとも1種である、請求項1または2に記載の加飾シート。
  4. 前記樹脂被覆金属顔料の平均粒子径が、1〜50μmである、請求項1〜3のいずれかに記載の加飾シート。
  5. 前記金属光沢層において、前記アクリル系樹脂が、アクリル樹脂及びアクリルポリオール樹脂の少なくとも一方である、請求項1〜4のいずれかに記載の加飾シート。
  6. 前記金属光沢層において、前記樹脂被覆金属顔料の含有量が、前記バインダー樹脂100質量部に対して、10質量部以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の加飾シート。
  7. 前記金属光沢層の厚みが、10μm以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の加飾シート。
  8. パール顔料を含む光輝性インキ層をさらに有する、請求項1〜7のいずれかに記載の加飾シート。
  9. 少なくとも、成形樹脂層と、基材層と、金属光沢層とがこの順に積層された積層体からなり、
    前記金属光沢層が、アクリル系樹脂を50質量%以上含むバインダー樹脂と、金属顔料が樹脂により被覆された樹脂被覆金属顔料とを含む樹脂組成物により形成されてなる、加飾樹脂成形品。
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