WO2020194911A1 - 複層塗膜及び複層塗膜形成方法 - Google Patents

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Abstract

光輝ベース塗膜と、前記光輝ベース塗膜の上に形成される着色ベース塗膜とを備えた複層塗膜であって、 X=[(C*45)2+(C*75)21/2とし、 Y=[(L*15)2+(C*15)21/2+[(L*25)2+(C*25)21/2としたときに、Xが80以上であり、かつYが145以上である複層塗膜。 (ただし、C*15、C*25、C*45及びC*75は入射角度45度で照射した光を正反射光に対して入射光に近い側に15度、25度、45度、及び75度の各受光角度で受光したときの分光反射率から計算された複層塗膜の彩度を表し、L*15及びL*25は、入射角度45度で照射した光を正反射光に対して入射光に近い側に15度、25度の各受光角度で受光したときの複層塗膜の明度を表す。)

Description

複層塗膜及び複層塗膜形成方法
 本発明は、複層塗膜及び複層塗膜形成方法に関する。
 塗料を塗装する目的は、主に素材の保護及び美観の付与である。工業製品においては、その商品力を高める点から、美観、なかでも特に「色と質感」が重要である。消費者が求める工業製品の質感は多様なものであるが、近年、自動車外板、自動車部品、家電製品などの分野において、真珠または金属のような光沢感のある、鮮やかで明るい色が求められている。以下、真珠のような光沢感と金属のような光沢感とを併せて「真珠または金属調光沢」と表記する。
 例えば特許文献1には、着色顔料及び光輝性顔料を含むメタリックベース塗料により形成されたメタリックベース塗膜と、着色顔料を含む着色ベース塗料により形成された着色ベース塗膜と、を有する複層塗膜の形成方法であって、透明クリヤー塗料により形成される透明クリヤー塗膜を少なくとも最上層に形成し、前記メタリックベース塗膜の明度L*値を60以下とし、前記着色ベース塗膜の波長400nm以上700nm以下の光線透過率を30%以上50%以下とすることを特徴とする複層塗膜の形成方法が開示されている。
特開2007-167720号公報
 特許文献1で得られる塗膜は、鮮やかさ及び明るさに乏しい。より具体的には、従来技術の複層塗膜では、深み感を出すためにフェースからシェードの範囲における彩度の低下が大きい。
 本発明の目的は、より鮮やかで明るい、真珠または金属調光沢を有する複層塗膜及び該複層塗膜の形成方法を提供することにあり、ハイライトにおける複層塗膜の彩度及び明度を高く維持しつつ、フェースからシェードの範囲における彩度の低下を小さくすることにより当該目的が達成される。
 本発明の第1の態様によれば、光輝ベース塗膜と、前記光輝ベース塗膜の上に形成される着色ベース塗膜とを備えた複層塗膜であって、
 X=[(C*45)2+(C*75)21/2とし、
 Y=[(L*15)2+(C*15)21/2+[(L*25)2+(C*25)21/2としたときに、
Xが80以上であり、かつYが145以上である複層塗膜が提供される。
(ただし、C*15、C*25、C*45及びC*75は、入射角度45度で照射した光を正反射光に対して入射光に近い側に15度、25度、45度、及び75度の各受光角度で受光したときの複層塗膜の彩度を表し、L*15及びL*25は、入射角度45度で照射した光を正反射光に対して入射光に近い側に15度、25度の各受光角度で受光したときの複層塗膜の明度を表す。)
 上記複層塗膜の一実施形態において、粒子感の測定値(HG値)が60以下である。
 上記複層塗膜の別の実施形態において、光輝ベース塗膜が、光輝ベース塗膜100質量部を基準として、固形分で3~75質量部の光輝性顔料を含有する。
 上記複層塗膜の別の実施形態において、光輝ベース塗膜が、光輝ベース塗膜100質量部を基準として、固形分で40質量部以下の着色顔料を含有する。
 別の実施形態において、上記複層塗膜は、光輝ベース塗膜の下に、L*45が60以上である中塗り塗膜をさらに備える。
(ただし、L*45は入射角度45度で照射した光を正反射光に対して入射光に近い側に45度の受光角度で受光したときの中塗り塗膜の明度を表す。)
 別の実施形態において、上記複層塗膜は、着色ベース塗膜の上にクリヤー塗膜をさらに備える。
 本発明の第2の態様によれば、上記のいずれか一項に記載の複層塗膜を備えた対象物が提供される。
 本発明の第3の態様によれば、下記の工程(1)~(3):
 工程(1)被塗物上に光輝ベース塗料(X)を塗装して、光輝ベース塗膜を形成する工程、
 工程(2)前記光輝ベース塗膜の上に、着色ベース塗料(Y)を塗装して、着色ベース塗膜を形成する工程、及び
 工程(3)前記工程(1)で形成された前記光輝ベース塗膜及び前記工程(2)で形成された前記着色ベース塗膜を別々に又は同時に加熱することにより、硬化させる工程
を含む複層塗膜の形成方法であって、前記複層塗膜は、
 X=[(C*45)2+(C*75)21/2とし、
 Y=[(L*15)2+(C*15)21/2+[(L*25)2+(C*25)21/2としたときに、
Xが80以上であり、かつYが145以上である複層塗膜形成方法が提供される。
(ただし、C*15、C*25、C*45及びC*75は入射角度45度で照射した光を正反射光に対して入射光に近い側に15度、25度、45度、及び75度の各受光角度で受光したときの彩度を表し、
 L*15及びL*25は、入射角度45度で照射した光を正反射光に対して入射光に近い側に15度、25度の各受光角度で受光したときの複層塗膜の明度を表す。)
 上記複層塗膜形成方法の一つの実施形態において、前記光輝ベース塗料(X)は、水、光輝性顔料、表面調整剤、及び粘性調整剤を含有する。
 上記複層塗膜形成方法の別の実施形態において、前記光輝ベース塗料(X)は、光輝ベース塗料固形分100質量部を基準として、光輝性顔料を固形分で3~75質量部含有する。
 上記複層塗膜形成方法の別の実施形態において、前記光輝ベース塗膜の乾燥膜厚が0.2~4.5μmである。
 本発明の複層塗膜によれば、より鮮やかで明るい、真珠または金属調光沢を有する複層塗膜が提供される。このような複層塗膜は、複層塗膜が施された対象物に鮮やかで明るい誘目性に優れた外観を与えることができる。
塗膜構造と変角による光沢分布を示す図。
 光輝ベース塗膜と、前記光輝ベース塗膜の上に形成される着色ベース塗膜とを備えた複層塗膜であって、
 X=[(C*45)2+(C*75)21/2 (式1)とし、 
 Y=[(L*15)2+(C*15)21/2+[(L*25)2+(C*25)21/2 (式2)としたときに、Xが80以上であり、かつYが145以上である複層塗膜である。
 C*15、C*25、C*45及びC*75は入射角度45度で照射した光を正反射光に対して入射光に近い側に15度、25度、45度、及び75度の各受光角度で受光したときの複層塗膜の彩度を表す。C*15、C*25、C*45及びC*75は、多角度分光光度計(x-rite社製、商品名、MA-68II)を使用し、入射角度45度で照射した光を正反射光に対して入射光に近い側に15度、25度、45度、及び75度の各受光角度で受光したときの分光反射率から計算された彩度の数値としてそれぞれ定義する。
 L*15、L*25は入射角度45度で照射した光を正反射光に対して入射光に近い側に15度、25度の各受光角度で受光したときの複層塗膜の明度を表す。L*15、L*25は、多角度分光光度計(x-rite社製、商品名、MA-68II)を使用し、入射角度45度で照射した光を正反射光に対して入射光に近い側に15度及び25度の各受光角度で受光したときの分光反射率から計算された明度の数値としてそれぞれ定義する。
 なお、ハイライトとは複層塗膜を正反射光近傍で観察することを意味し、シェードとは複層塗膜を正反射光の影響を受けない角度で観察することを意味し、フェース(bottomとも言う)とは、複層塗膜をハイライトとシェードの中間の角度から観察することを意味する。
 図1に示すように、本願では、正反射(1)に対して15度の角度位置であるハイライトから、正反射に対して110度の角度位置であるシェードまでの角度範囲の積層体1の光学的性質を、より少ない実測反射率から精度よく決定するために、多角度分光光度計(x-rite社製、商品名、MA-68II)を使用して正反射に対して受光角度15度(R1)、25度(R2)、45度(R3)、75度(R4)、及び110度(R5)の分光反射率を測定した。このうち、110°では75°と彩度の値がさほど変わらないため、彩度についてはハイライトからフェースまでの15度(R1)、25度(R2)、45度(R3)及び75度(R4)の4つの角度における分光反射率の測定値を採用した。明度についてはハイライトの15度(R1)、25度(R2)の2つの角度における分光反射率の測定値を採用した。この図では、光輝ベース層2と、光輝ベース層2の上に形成される着色ベース層3とを備えた複層塗膜1が示されている。
 (式1)のXは、フェース(45度)の彩度C*45とシェード(75度)の彩度C*75を変数として表わした彩度の指標である。Xが大きいことは、フェース及びシェードの角度変化にかかわらず彩度が高いことを示す。Xは、複層塗膜を見た観察者が感じるフェース及びシェードにおける複層塗膜の彩度の尺度とすることができる。
 Xが80未満であると、フェースからシェードの範囲における彩度の低下が大きいため、複層塗膜の目的色がくすんで観察される。Xの上限値は特に限定されないが、好ましくは130以下であり、より好ましくは120以下であり、さらに好ましくは110以下である。
 (式2)のYは、15度における彩度C*15、25度における彩度C*25、15度における明度L*15、及び25度における明度L*25を変数として表わした、彩度及び明度の指標である。15度及び25度はハイライトのうちでも反射率が急激に変化する角度である。Yは、複層塗膜を見た観察者が感じるハイライトにおける複層塗膜の彩度及び明度を合わせた尺度とすることができる。
 Yが145未満であると、ハイライトにおける複層塗膜の彩度及び明度が劣る。Yの上限値は特に限定されないが、好ましくは210以下であり、より好ましくは200以下であり、さらに好ましくは190以下である。
 Xが80以上、好ましくは80よりも大きく、より好ましくは85以上、さらに好ましくは90以上であり、かつYが145以上、好ましくは150以上、さらに好ましくは160以上である。この場合、ハイライトにおける明度が高く、かつハイライトからシェードまでの広範囲で彩度が高い複層塗膜とすることができる。
 粒子感は、Hi-light Graininess値(以下、「HG値」と略記する)によって表される。HG値は、微視的に観察した場合における質感であるミクロ光輝感の尺度の一つで、ハイライト(積層体を入射光に対して正反射近傍から観察)における粒子感を表わすパラメータである。HG値は、積層体を入射角15度/受光角0度にてCCDカメラで塗膜を撮像し、得られたデジタル画像データ、すなわち2次元の輝度分布データを2次元フーリエ変換処理し、得られたパワースペクトル画像から、粒子感に対応する空間周波数領域のみを抽出し、算出した計測パラメータを、さらに0から100の数値を取り且つ粒子感との間に直線的な関係が保たれるように変換して得られる測定値である。粒子感のないものは0とし、最も粒子感のあるものはほぼ100となる。
 本発明の複層塗膜は好ましくはHG値が60以下、より好ましくは58以下、さらに好ましくは55以下である。このため、粒子感が少なく、緻密な印象の塗色を呈する複層塗膜を得ることができる。HG値が60を超えると、緻密な印象の塗色を呈する複層塗膜を得ることができないため好ましくない。
 <複層塗膜の各塗膜の構成>
 次に、本発明の複層塗膜の各塗膜の構成について説明する。
光輝ベース塗膜
 光輝ベース塗膜は、通常、光輝性顔料、表面調整剤、及び粘性調整剤を含有することができる。
 光輝ベース塗膜は、光輝ベース塗料(X)を塗装し、好ましくは乾燥して形成される。
 光輝ベース塗料(X)は、水を主たる溶媒として含み、光輝性顔料、表面調整剤、及び粘性調整剤を含有することができる。
 光輝性顔料としては、例えば、光干渉性顔料、蒸着金属フレーク顔料、アルミニウムフレーク顔料等を挙げることができる。これらの顔料は得られる塗膜に求められる質感によって1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。なかでも、ハイライトからシェードでの広範囲での高い彩度の観点から、光干渉性顔料が好ましい。
 上記光干渉性顔料としては、天然マイカ、人工マイカ、ガラス、酸化鉄及び酸化アルミニウムを初めとする各種金属酸化物などの透明乃至半透明な鱗片状基材の表面に、該基材とは屈折率が異なる金属酸化物が被覆された光輝性顔料が挙げられる。光干渉性顔料は単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
 天然マイカとは、鉱石のマイカ(雲母)を粉砕した鱗片状基材である。人工マイカとは、SiO2、MgO、Al23、K2SiF6、Na2SiF6などの工業原料を加熱し、約1500℃の高温で熔融し、冷却して結晶化させて合成したものであり、天然のマイカと比較した場合において、不純物が少なく、大きさ及び厚さが均一なものである。人工マイカの基材としては具体的には、フッ素金雲母(KMg3AlSi3102)、カリウム四ケイ素雲母(KMg2.5AlSi4102)、ナトリウム四ケイ素雲母(NaMg2.5AlSi4102)、Naテニオライト(NaMg2LiSi4102)、LiNaテニオライト(LiMg2LiSi4102)などが挙げられる。
 基材を被覆する金属酸化物としては、酸化鉄、酸化チタンなどを挙げることができ、該金属酸化物の厚さの違いによって、光干渉性顔料は種々の異なる干渉色を発現することができる。
 光干渉性顔料としては具体的には、下記に示す金属酸化物被覆マイカ顔料、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料、金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料などを挙げることができる。
 金属酸化物被覆マイカ顔料は、天然マイカ又は人工マイカを基材とし、該基材表面を金属酸化物が被覆した顔料である。
 金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料は、アルミナフレークを基材とし、基材表面を金属酸化物が被覆した顔料である。アルミナフレークとは、鱗片状(薄片状)酸化アルミニウムを意味し、無色透明なものである。該アルミナフレークは酸化アルミニウム単一成分である必要はなく、他の金属の酸化物を含有するものであってもよい。
 金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料とは、鱗片状のガラスを基材とし、基材表面を金属酸化物が被覆した顔料である。該金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料は、基材表面が平滑なため、強い光の反射が生じる。
 金属酸化物被覆シリカフレーク顔料は、表面が平滑で且つ厚さが均一な基材である鱗片状シリカを金属酸化物が被覆した顔料である。
 光干渉性顔料の中でも、塗膜のハイライトにおける明度及び彩度を増大させる点で、天然マイカ、合成マイカ、二酸化ケイ素、又は酸化アルミニウムなどの基材の表面に酸化チタン又は酸化鉄などの金属酸化物が被覆されたものが好ましい。このような顔料はパール調の質感と透明性を有するため、パール顔料と称される。パール顔料としては、天然又は人工マイカの基材の表面に酸化チタンが被覆され、多重反射光の反射により白色を呈するホワイトパール顔料、天然又は人工マイカの基材の表面に酸化チタンが被覆され、多重反射光の干渉により発色して有色を呈する干渉パール顔料、天然又は人工マイカの基材の表面に酸化鉄が被覆された着色パール顔料などが挙げられる。
 上記光干渉性顔料は、得られる複層塗膜の優れたハイライトでの高い彩度及び明度の観点並びにフェースからシェードの範囲における彩度を高く維持する観点から、平均粒子径が5~30μm、特に7~20μmの範囲内のものを使用することが好ましい。
 なお、本明細書において、平均粒子径は、体積基準の平均粒子径(D50)のことであり、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定される粒度分布の50%の値である。
 また、上記光干渉性顔料は、得られる複層塗膜の優れたハイライトでの高い彩度及び明度の観点並びにフェースからシェードの範囲における彩度を高く維持する観点から、厚さが0.05~1μm、特に0.1~0.8μmの範囲内のものを使用することが好ましい。
 なお、本明細書において、厚さは、光輝性顔料を含む塗膜断面を光学顕微鏡にて観察した際の光輝性顔料粒子の短径を画像処理ソフトを使用して測定し、100個以上の測定値の平均値として定義するものとする。
 前記蒸着金属フレーク顔料は、ベース基材上に金属膜を蒸着させ、ベース基材を剥離した後、蒸着金属膜を粉砕することにより得られる。上記基材としては、例えばフィルム等を挙げることができる。
 上記金属の材質としては、特に限定されないが、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、真鍮、チタン、クロム、ニッケル、ニッケルクロム、ステンレス等が挙げられる。なかでも特に入手しやすさ及び取扱いやすさ等の観点から、アルミニウム又はクロムが好適である。本明細書では、アルミニウムを蒸着して得られた蒸着金属フレーク顔料を「蒸着アルミニウムフレーク顔料」と呼び、クロムを蒸着して得られた蒸着金属フレーク顔料を「蒸着クロムフレーク顔料」と呼ぶ。
 蒸着金属フレーク顔料としては、蒸着金属皮膜1層から形成されたものを使用することができるが、蒸着金属皮膜にさらに他の金属や金属酸化物が形成された複層のタイプのものを使用してもよい。
 蒸着アルミニウムフレーク顔料は、表面がシリカ処理されていることが、貯蔵安定性、及び金属調光沢に優れた塗膜を得る等の観点から好ましい。
 上記蒸着アルミニウムフレーク顔料として使用できる市販品としては例えば、「METALURE」シリーズ(商品名、エカルト社製)、「Hydroshine WS」シリーズ(商品名、エカルト社製)、「Decomet」シリーズ(商品名、シュレンク社製)、「Metasheen」シリーズ(商品名、BASF社製)等を挙げることができる。
 上記蒸着クロムフレーク顔料として使用できる市販品としては例えば、「Metalure Liquid Black」シリーズ(商品名、エカルト社製)等を挙げることができる。
 上記蒸着金属フレーク顔料の平均厚みは、好ましくは0.01~1.0μm、より好ましくは、0.015~0.1μmである。
 上記蒸着金属フレーク顔料の平均粒子径は好ましくは1~50μm、より好ましくは5~20μmである。
 平均粒子径が、前記上限値を越えると、複層塗膜において、粒子感が生じてしまう場合があり、下限値未満では、ハイライトからシェードへの明度変化が小さくなりすぎ、いずれの場合も金属調光沢に欠ける場合がある。
 前記アルミニウムフレーク顔料は、アルミニウムを基材とするフレーク状の顔料であり、一般にアルミニウムをボールミル又はアトライターミル中で粉砕媒液の存在下、粉砕助剤を用いて粉砕、摩砕して製造される。該アルミニウムフレーク顔料の製造工程における粉砕助剤としては、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸等の高級脂肪酸のほか、脂肪族アミン、脂肪族アミド、脂肪族アルコールが使用される。上記粉砕媒液としてはミネラルスピリットなどの脂肪族系炭化水素が使用される。
 また上記アルミニウムフレーク顔料は、アルミニウムフレーク顔料表面に着色顔料を被覆してさらに樹脂被覆せしめたものや、アルミニウムフレーク顔料表面に酸化鉄等の金属酸化物を被覆したものなどの着色アルミニウム顔料を使用してもよい。
 上記アルミニウムフレーク顔料は、平均粒子径が1~100μmの範囲内のものを使用することが、ハイライトで高い光沢度を有し、粒子感が小さく緻密な金属調塗膜を形成する観点から好ましく、より好ましくは平均粒子径が5~50μmの範囲内、特に好ましくは7~30μmの範囲内のものである。厚さは0.01~2.0μmの範囲内のものを使用することが好ましく、特に好ましくは0.02~1.0μmの範囲内のものである。
 光輝ベース塗料(X)における光輝性顔料の含有量は、得られる複層塗膜の優れた真珠または金属調光沢、ハイライトでの高い彩度及び明度の観点並びにフェースからシェードの範囲における彩度を高く維持する観点から、光輝ベース塗料(X)の固形分100質量部を基準として、固形分で好ましくは3~75質量部、より好ましくは5~65質量部、さらに好ましくは10~60質量部である。
 本明細書において、固形分とは不揮発分を意味するものであり、試料から、水、有機溶剤等の揮発する成分を除いた残渣を意味する。固形分は、試料の質量に固形分濃度を乗じて算出することができる。固形分濃度は、試料3グラムを105℃、3時間乾燥させた残さの質量を、乾燥前の質量で除することにより測定することができる。
 前記表面調整剤は、光輝ベース塗料(X)の塗装時に、水に分散された上記の光輝性顔料を対象物上に一様に配向するのを支援するために使用される。表面調整剤としては、既知のものを使用できる。
 表面調整剤としては、例えばシリコーン系表面調整剤、アクリル系表面調整剤、ビニル系表面調整剤、フッ素系表面調整剤、アセチレンジオール系表面調整剤などの表面調整剤が挙げられる。上記表面調整剤はそれぞれ単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
 シリコーン系表面調整剤としては、ポリジメチルシロキサン及びこれを変性した変性シリコーンが使用される。変性シリコーンとしては、ポリエーテル変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーンなどが挙げられる。
 表面調整剤の市販品は例えば、ビックケミー社製のBYKシリーズ、エヴォニック社製のTegoシリーズ、共栄社化学社製のグラノールシリーズ、ポリフローシリーズ、楠本化成社製のディスパロンシリーズ、エボニックインダストリーズ社製のサーフィノール(登録商標)シリーズなどが挙げられる。
 光輝ベース塗料(X)における表面調整剤の含有量は、ハイライトにおける高い明度及び高い彩度並びにフェースからシェードの範囲における彩度を高く維持する複層塗膜を得る観点から、光輝性顔料の固形分100質量部を基準として、固形分で4~400質量部、より好ましくは5~100質量部、さらに好ましくは8~60質量部が適当である。
 表面調整剤の固形分含有量は、ハイライトにおける高い明度及び高い彩度並びにフェースからシェードの範囲における彩度を高く維持する複層塗膜を得る観点から、光輝ベース塗料(X)の合計固形分100質量部に対し、0.01~40質量部、より好ましくは0.02~35質量部、さらに好ましくは0.05~30質量部が適当である。
 前記粘性調整剤としては、既知のものを使用でき、例えば、シリカ系微粉末、鉱物系粘性調整剤、硫酸バリウム微粒化粉末、ポリアミド系粘性調整剤、有機樹脂微粒子粘性調整剤、ジウレア系粘性調整剤、ウレタン会合型粘性調整剤、アクリル膨潤型であるポリアクリル酸系粘性調整剤、セルロース系粘性調整剤などを挙げることができる。なかでも真珠または金属調光沢に優れた塗膜を得る観点から特に、鉱物系粘性調整剤、ポリアクリル酸系粘性調整剤、セルロース系粘性調整剤を使用することが好ましく、特にセルロース系粘性調整剤を使用することが好ましい。これらの粘性調整剤はそれぞれ単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
 鉱物系粘性調整剤としては、その結晶構造が2:1型構造を有する膨潤性層状ケイ酸塩が挙げられる。具体的には、天然又は合成のモンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチブンサイト、バイデライト、ノントロナイト、ベントナイト、ラポナイトなどのスメクタイト族粘土鉱物Na型テトラシリシックフッ素雲母、Li型テトラシリシックフッ素雲母、Na塩型フッ素テニオライト、Li型フッ素テニオライトなどの膨潤性雲母族粘土鉱物;バーミキュライト;これらの置換体又は誘導体;並びにこれらの混合物が挙げられる。
 ポリアクリル酸系粘性調整剤としては、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸-(メタ)アクリル酸エステル共重合体などを挙げることができる。
 ポリアクリル酸系粘性調整剤の市販品として、例えば、ダウケミカル社製の「プライマルASE-60」、「プライマルTT615」、「プライマルRM5」(以上、商品名)、サンノプコ社製の「SNシックナー613」、「SNシックナー618」、「SNシックナー630」、「SNシックナー634」、「SNシックナー636」(以上、商品名)などが挙げられる。ポリアクリル酸系粘性調整剤の固形分酸価としては、30~300mgKOH/g、好ましくは80~280mgKOH/gの範囲内のものを使用することができる。
 セルロース系粘性調整剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びメチルセルロース、セルロースナノファイバーなどを挙げることができ、なかでも、真珠または金属調光沢に優れた塗膜を得る観点から、セルロースナノファイバーを使用することが好ましい。
 上記セルロースナノファイバーは、セルロースナノフィブリル、フィブリレーティドセルロース、ナノセルロースクリスタルと称されることもある。
 上記セルロースナノファイバーは、真珠または金属調光沢に優れた塗膜を得る観点から、数平均繊維径が、好ましくは2~500nm、より好ましくは2~250nm、さらに好ましくは2~150nmの範囲内であり、数平均繊維長が、好ましくは0.1~20μm、より好ましくは0.1~15μm、さらに好ましくは0.1~10μmの範囲内である。
 上記数平均繊維径及び数平均繊維長は、例えば、セルロースナノファイバーを水で希釈した試料を分散処理し、親水化処理済みのカーボン膜被覆グリッド上にキャストして、これを透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した画像から測定算出される。
 上記セルロースナノファイバーは、セルロース原料を解繊し、水中で安定化させたものを使用することができる。ここでセルロース原料は、セルロースを主体とした様々な形態の材料を意味し、具体的には例えば、パルプ(木材パルプ、ジュート、マニラ麻、ケナフなどの草本由来のパルプなど);微生物によって生産されるセルロースなどの天然セルロース;セルロースを銅アンモニア溶液、モルホリン誘導体などの何らかの溶媒に溶解した後に紡糸された再生セルロース;及び上記セルロース原料に加水分解、アルカリ加水分解、酵素分解、爆砕処理、振動ボールミルなどの機械的処理などをすることによってセルロースを解重合した微細セルロース;などが挙げられる。
 また、上記セルロースナノファイバーとしては、アニオン変性セルロースナノファイバーを使用することもできる。アニオン変性セルロースナノファイバーとしては、例えば、カルボキシル化セルロースナノファイバー、カルボキシルメチル化セルロースナノファイバー、スルホン酸基含有セルロースナノファイバー、リン酸基含有セルロースナノファイバーなどが挙げられる。上記アニオン変性セルロースナノファイバーは、例えば、セルロース原料に、カルボキシル基、カルボキシルメチル基、リン酸基などの官能基を公知の方法により導入し、得られた変性セルロースを洗浄して変性セルロースの分散液を調製し、この分散液を解繊して得ることができる。上記カルボキシル化セルロースは酸化セルロースとも呼ばれる。
 上記酸化セルロースは、例えば、前記セルロース原料を、N-オキシル化合物、臭化物、及びヨウ化物若しくはこれらの混合物からなる群から選択される化合物の存在下で酸化剤を用いて水中で酸化することによって得ることができる。
 前記セルロースナノファイバーの市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製のレオクリスタ(登録商標)などが挙げられる。
 光輝ベース塗料(X)における粘性調整剤の含有量は、ハイライトにおける高い明度及び高い彩度並びにフェースからシェードの範囲における彩度を高く維持する複層塗膜を得る観点から、光輝ベース塗料(X)の合計固形分100質量部を基準として、固形分で好ましくは0.1~97質量部、より好ましくは0.5~80質量部、さらに好ましくは1~60質量部が適当である。
 光輝ベース塗料(X)は、さらに必要に応じて、光輝性顔料以外の顔料、有機溶剤、顔料分散剤、顔料誘導体、沈降防止剤、基体樹脂及び/又は分散樹脂、硬化剤、消泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤などを適宜含有しても良い。
 光輝性顔料以外の顔料としては、着色顔料、体質顔料などが挙げられる。
 着色顔料としては、特に制限されるものではないが、具体的には、例えばベンズイミダゾロン系顔料、ピラゾロン系顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属キレートアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インダンスロン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔料、インジゴ系顔料などの有機顔料、複合酸化物系無機顔料及びカーボンブラック顔料などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、黄色顔料、橙色顔料、赤色顔料を使用することが好ましく、赤色顔料を使用することがさらに好ましい。
 着色顔料を使用する場合、その含有量は、得られる複層塗膜のハイライトでの高い彩度及び明度並びにフェースからシェードの範囲における彩度を高く維持する観点から、光輝ベース塗料(X)の固形分100質量部を基準として、固形分で40質量部以下、好ましくは20質量部以下、より好ましくは0.1~15質量部である。
光輝ベース塗料(X)の固形分100質量部を基準として、固形分で40質量部以下、好ましくは20質量部以下、より好ましくは0.1~15質量部である。
 体質顔料としては、例えば、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、亜鉛華(酸化亜鉛)などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で又は2種以上組合せて用いることができる。
 上記基体樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。上記分散樹脂としては、アクリル樹脂系、エポキシ樹脂系、ポリカルボン酸樹脂系、ポリエステル系などの、既存の分散樹脂の使用が可能である。硬化剤としては、メラミン、メラミン誘導体、尿素樹脂、(メタ)アクリルアミド、ポリアジリジン、ポリカルボジイミド、ブロック化されていてもされていなくてもよいポリイソシアネート化合物、(メタ)アクリルアミド、N-メチロール基又はN-アルコキシメチル基含有(メタ)アクリルアミドの共重合体から成る群から選ばれる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いても良い。
 光輝ベース塗料(X)は、前述の成分を混合分散せしめることによって調製される。真珠または金属調光沢に優れる塗膜を得る観点から、塗装時の固形分含有率は、好ましくは0.5~10質量%、より好ましくは1~8質量%である。光輝ベース塗料(X)の粘度は、真珠または金属調光沢に優れる塗膜を得る観点から、温度20℃においてB型粘度計で測定する60rpmで1分後の粘度(本明細書では「B60値」ということがある)が好ましくは50~900mPa・s、より好ましくは100~800mPa・sである。このとき、使用する粘度計は、デジタル式ビスメトロン粘度計VDA型(芝浦システム社製、B型粘度計)である。
 光輝ベース塗料(X)は、静電塗装、エアスプレー、エアレススプレーなどの方法で塗装することができ、特に回転霧化式の静電塗装が好ましい。
 光輝ベース塗料(X)が被塗物に付着してから30秒後の膜厚は、真珠または金属調光沢に優れる塗膜を得る観点から、好ましくは3~100μm、より好ましくは4~80μm、さらに好ましくは5~60μmである。
 光輝ベース塗膜の乾燥膜厚は、真珠または金属調光沢に優れる塗膜を得る観点から、0.2~4.5μm、好ましくは0.2~4μm、特に好ましくは0.2~3.5μmであることが、好適である。
 なお、本明細書において、乾燥膜厚は、下記(式3)から算出されたものである。
     x=(sc*10000)/(S*sg)  ・・・(式3)
x:膜厚[μm]
sc:塗着固形分[g]
S:塗着固形分の評価面積[cm2
sg:塗膜比重[g/cm]。
着色ベース塗膜
 着色ベース塗膜は、通常、樹脂成分及び着色顔料を含有するものであり、着色ベース塗料(Y)を塗装し、好ましくは乾燥して形成される。
 着色ベース塗料(Y)は、樹脂成分と、着色顔料と、水及び/又は有機溶剤からなる媒体とを含有する塗料であることが好ましい。樹脂成分は通常、基体樹脂及び硬化剤を含有するものであり、当該分野で慣用されている公知の樹脂や化合物を使用することができる。基体樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂などを挙げることができる。硬化剤としては、例えば、アミノ樹脂、ポリイソシアネート化合物、ブロック化ポリイソシアネート化合物などを挙げることができる。
 着色ベース塗料(Y)は、水性塗料及び溶剤系塗料のいずれであってもよいが、塗料の低VOC化の観点から、水性塗料であることが望ましい。着色ベース塗料が水性塗料である場合、上記基体樹脂として、樹脂を水溶性化もしくは水分散するのに十分な量の親水性基、例えばカルボキシル基、水酸基、メチロール基、アミノ基、スルホン酸基、ポリオキシエチレン基など、最も好ましくはカルボキシル基を含有する樹脂を使用し、該親水性基を中和することにより基体樹脂を水溶性化もしくは水分散化することができる。
 着色顔料としては、特に制限されるものではないが、具体的には、例えばベンズイミダゾロン系顔料、ピラゾロン系顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属キレートアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インダンスロン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔料、インジゴ系顔料などの有機顔料、複合酸化物系無機顔料、チタン白及びカーボンブラック顔料などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、黄色顔料、橙色顔料、赤色顔料を使用することが好ましく、赤色顔料を使用することがさらに好ましい。
 着色顔料の含有量は、得られる複層塗膜のハイライトでの高い彩度及び明度の観点並びにフェースからシェードの範囲における彩度を高く維持する観点から、着色ベース塗料(Y)の樹脂固形分100質量部を基準として、固形分で好ましくは0.1~10質量部、より好ましくは0.5~5質量部である。
 着色ベース塗料(Y)は、上述のとおり樹脂成分及び着色顔料を含有するものであり、さらに、所望により、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、増粘剤、有機溶剤、表面調整剤、着色顔料以外の顔料などを適宜含有してもよい。
 上記着色顔料以外の顔料としては、体質顔料、光輝性顔料などを挙げることができ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
 体質顔料としては、例えば、クレー、カオリン、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、アルミナホワイトなどが挙げられ、なかでも、硫酸バリウム及び/又はタルクを使用することが好ましい。なかでも、平滑性に優れた外観を有する複層塗膜を得るため、上記体質顔料として、平均一次粒子径が1μm以下の硫酸バリウム、特に平均一次粒子径が0.01~0.8μmの範囲内である硫酸バリウムを含有することが好適である。
 なお、本明細書における硫酸バリウムの平均一次粒子径は、硫酸バリウムを走査型電子顕微鏡で観察し、電子顕微鏡写真上に無作為に引いた直線上にある硫酸バリウム粒子20個の最大径を平均した値である。
 着色ベース塗料(Y)が上記体質顔料を含有する場合、その含有量は、着色ベース塗料中の樹脂固形分100質量部に対し30質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.1~20質量部の範囲内である。
 着色ベース塗料により得られるベース塗膜の硬化膜厚は、複層塗膜の優れたハイライトでの高い彩度及び明度の観点並びにフェースからシェードの範囲における彩度を高く維持する観点から、好ましくは5.0~40μm程度、より好ましくは8.0~35μm、さらに好ましくは10~30μm程度である。
 着色ベース塗料の塗装は、通常の方法に従って行なうことができ、例えば、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、回転霧化塗装などの方法が挙げられる。着色ベース塗料の塗装の際は、必要に応じて、静電印加されていてもよく、中でも、回転霧化方式の静電塗装及びエアスプレー方式の静電塗装が好ましく、回転霧化方式の静電塗装が特に好ましい。
 また、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装又は回転霧化塗装する場合には、着色ベース塗料は、適宜、水及び/又は有機溶剤ならびに必要に応じて粘性調整剤、消泡剤などの添加剤を含有して塗装に適した固形分含有率及び粘度に調整されることが好ましい。
 着色ベース塗料の固形分含有率は10~60質量%、好ましくは15~55質量%、さらに好ましくは20~50質量%の範囲であることが好ましい。着色ベース塗料の20℃、6rpmにおけるB型粘度計による粘度が好ましくは200~7,000cps、より好ましくは300~6,000cps、さらに好ましくは500~5,000cpsの範囲である。
 本発明の複層塗膜の(式1)のXの値及び(式2)のYの値は、光輝ベース塗料(X)及び着色ベース塗料(Y)中の成分及びその含有量を選択することにより、当業者には適宜設定することができる。これによってハイライトにおける明度及び彩度が高い並びにフェースからシェードの範囲における彩度が高い複層塗膜を容易に製造することができる。
 本発明の複層塗膜は、L*C*h表色系色度図の色相角度hの値が300°~360°及び0°~120°の範囲内にあることが好ましく、330°~360°及び0°~90°の範囲内にあることがより好ましく、0°~45°の範囲内にあることがさらに好ましく、15°~45°の範囲内にあることがさらに特に好ましい。
 ここで、h値は入射角度45度で照射した光を正反射光に対して入射光に近い側に45度で受光したときの複層塗膜の色相を表す。
 L*C*h表色系とは、1976年に国際照明委員会で規定され、JIS Z 8729に採用されているL*a*b*表色系をベースに考案された表色系を指す。
 本発明の複層塗膜は、光輝ベース塗膜及び着色ベース塗膜に加えて、中塗り塗膜、ベース塗膜及びクリヤー塗膜のうちの少なくとも1つの塗膜をさらに備えることができる。中塗り塗膜、ベース塗膜及びクリヤー塗膜の各々は1つの層であってもよいし、2つ以上の層であってもよい。
 本発明の複層塗膜は、光輝ベース塗膜の下に中塗り塗膜を備えることが好適である。
中塗り塗膜
 中塗り塗膜は、通常、樹脂成分、着色顔料及び体質顔料を含有するものであり、中塗り塗料(V)を塗装し、好ましくは乾燥して形成される。
 中塗り塗膜の明度は、得られる複層塗膜のハイライトでの高い彩度及び明度の観点並びにフェースからシェードの範囲における彩度を高く維持する観点から、L*45が60以上であることが好ましく、65以上であることがより好ましく、70以上であることがさらに好ましい。
 L*45は入射角度45度で照射した光を正反射光に対して入射光に近い側に45度の受光角度で受光したときの中塗り塗膜の明度を表す。L*45は多角度分光光度計(x-rite社製、商品名、MA-68II)を使用し、入射角度45度で照射した光を正反射光に対して入射光に近い側に45度の受光角度で受光したときの分光反射率から計算された明度の数値として定義する。
 中塗り塗膜の乾燥膜厚は、得られる複層塗膜のハイライトでの高い彩度及び明度の観点から、好ましくは10~60μm、より好ましくは20~50μm、さらに好ましくは25~45μmである。
 中塗り塗料(V)は、樹脂成分、着色顔料、体質顔料、水及び/又は有機溶剤からなる媒体とを含有する塗料であることが好ましい。樹脂成分は通常、基体樹脂及び硬化剤を含有するものであり、当該分野で慣用されている公知の樹脂や化合物を使用することができる。基体樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂などを挙げることができる。硬化剤としては、例えば、アミノ樹脂、ポリイソシアネート化合物、ブロック化ポリイソシアネート化合物などを挙げることができる。
 中塗り塗料(V)は、水性塗料及び溶剤系塗料のいずれであってもよいが、塗料の低VOC化の観点から、水性塗料であることが望ましい。着色ベース塗料が水性塗料である場合、上記基体樹脂として、樹脂を水溶性化もしくは水分散するのに十分な量の親水性基、例えばカルボキシル基、水酸基、メチロール基、アミノ基、スルホン酸基、ポリオキシエチレン基など、最も好ましくはカルボキシル基を含有する樹脂を使用し、該親水性基を中和することにより基体樹脂を水溶性化もしくは水分散化することができる。
 前記着色顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、モリブデンレッド、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサジン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料などが挙げられ、なかでも、酸化チタン及びカーボンブラックを好適に使用することができる。
 着色顔料の含有量は、得られる複層塗膜のハイライトでの高い彩度及び明度の観点並びにフェースからシェードの範囲における彩度を高く維持する観点から、中塗り塗料(V)の樹脂固形分100質量部を基準として、固形分で好ましくは30~170質量部、より好ましくは50~150質量部である。
 また、前記体質顔料としては、例えば、クレー、カオリン、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、アルミナホワイトなどが挙げられ、なかでも、硫酸バリウム及び/又はタルクを使用することが好ましい。
 体質顔料の含有量は、中塗り塗料(V)の樹脂固形分100質量部を基準として、固形分で好ましくは1~20質量部、より好ましくは3~15質量部である。
 中塗り塗料(V)は、上述のとおり樹脂成分、着色顔料及び体質顔料を含有するものであり、さらに、所望により、紫外線吸収剤、光安定材、消泡剤、増粘剤、有機溶剤、表面調整剤、着色顔料及び体質顔料以外の顔料などを適宜含有してもよい。
 中塗り塗料(V)の塗装は、通常の方法に従って行なうことができ、例えば、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、回転霧化塗装などの方法が挙げられる。中塗り塗料(V)の塗装の際は、必要に応じて、静電印加されていてもよく、中でも、回転霧化方式の静電塗装及びエアスプレー方式の静電塗装が好ましく、回転霧化方式の静電塗装が特に好ましい。
 また、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装又は回転霧化塗装する場合には、中塗り塗料(V)は、適宜、水及び/又は有機溶剤ならびに必要に応じて粘性調整剤、消泡剤などの添加剤を含有して塗装に適した固形分含有率及び粘度に調整されることが好ましい。
 中塗り塗料(V)の固形分含有率は10~65質量%、好ましくは15~55質量%、さらに好ましくは20~50質量%の範囲であることが好ましい。中塗り塗料(V)の20℃、6rpmにおけるB型粘度計による粘度が好ましくは200~7,000cps、より好ましくは300~6,000cps、さらに好ましくは500~5,000cpsの範囲である。
 また、本発明の複層塗膜では着色ベース塗膜の上にクリヤー塗膜を備えることが好適である。
クリヤー塗膜
 クリヤー塗膜は、通常、クリヤー塗料(Z)を塗装し、好ましくは乾燥して形成される。クリヤー塗料(Z)は、基体樹脂と硬化剤とを含有する1液型クリヤー塗料であることもできるし、又は水酸基含有樹脂及びポリイソシアネート化合物を有する2液型クリヤー塗料であることもできる。
 1液型クリヤー塗料における基体樹脂/硬化剤の組み合わせとしては、カルボキシル基含有樹脂/エポキシ基含有樹脂、水酸基含有樹脂/ブロック化ポリイソシアネート化合物、水酸基含有樹脂/メラミン樹脂などを挙げることができる。
 クリヤー塗料(Z)は、得られる複層塗膜の付着性及び真珠または金属調光沢の観点から、水酸基含有樹脂及びイソシアネート基含有化合物を含有する2液型クリヤー塗料であることが好ましい。
 水酸基含有樹脂としては、水酸基を含有するものであれば従来公知の樹脂が制限なく使用できる。該水酸基含有樹脂としては例えば、水酸基含有アクリル樹脂、水酸基含有ポリエステル樹脂、水酸基含有ポリエーテル樹脂、水酸基含有ポリウレタン樹脂などを挙げることができ、好ましいものとして、水酸基含有アクリル樹脂及び水酸基含有ポリエステル樹脂を挙げることができ、特に好ましいものとして水酸基含有アクリル樹脂を挙げることができる。
 水酸基含有アクリル樹脂の水酸基価は80~200mgKOH/gの範囲内であるのが好ましく、100~180mgKOH/gの範囲内であるのがさらに好ましい。水酸基価が80mgKOH/g以上であると、架橋密度が高いために耐擦り傷性が十分である。また、200mgKOH/g以下であると塗膜の耐水性が満足される。
 水酸基含有アクリル樹脂の重量平均分子量は2500~40000の範囲内であるのが好ましく、5000~30000の範囲内であるのがさらに好ましい。重量平均分子量が2500以上であると耐酸性などの塗膜性能が満足され、また、40000以下であると塗膜の平滑性が十分であるため、仕上り性が満足される。
 なお、本明細書において、平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフで測定したクロマトグラムから標準ポリスチレンの分子量を基準にして算出した値である。ゲルパーミエーションクロマトグラフは、「HLC8120GPC」(東ソー社製)を使用した。カラムとしては、「TSKgel G-4000HXL」、「TSKgel G-3000HXL」、「TSKgel G-2500HXL」、「TSKgel G-2000HXL」(いずれも東ソー(株)社製、商品名)の4本を用い、移動相;テトラヒドロフラン、測定温度;40℃、流速;1cc/分、検出器;RIの条件で行った。
 水酸基含有アクリル樹脂のガラス転移温度は-40℃~20℃、特に-30℃~10℃の範囲内であることが好ましい。ガラス転移温度が-40℃以上であると塗膜硬度が十分であり、また、20℃以下であると塗膜の塗面平滑性が満足される。
 ポリイソシアネート化合物は、1分子中に少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物であって、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、これらのいずれかのポリイソシアネートの誘導体などを挙げることができる。ポリイソシアネート化合物は、単独で又は2種以上を組合せて使用することができる。
 上記2液型クリヤー塗料とする場合、塗膜の硬化性及び耐擦り傷性などの観点から、水酸基含有樹脂の水酸基とポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の当量比(NCO/OH)は好ましくは0.5~2、さらに好ましくは0.8~1.5の範囲内である。
 クリヤー塗料(Z)は、必要に応じて、水及び有機溶剤などの溶媒、硬化触媒、消泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤、増粘剤、表面調整剤、顔料などの添加剤を適宜含有することができる。
 クリヤー塗料(Z)の形態は特に制限されないが、通常、有機溶剤型の塗料組成物として使用される。この場合に使用する有機溶剤としては、各種の塗料用有機溶剤、例えば、芳香族又は脂肪族炭化水素系溶剤;エステル系溶剤;ケトン系溶剤;エーテル系溶剤などが使用できる。使用する有機溶剤は、水酸基含有樹脂などの調製時に用いたものをそのまま用いても良いし、更に適宜加えても良い。
 クリヤー塗料(Z)の固形分濃度は、30~70質量%程度であるのが好ましく、40~60質量%程度の範囲内であるのがより好ましい。
 クリヤー塗料(Z)の塗装は、特に限定されず、例えば、エアスプレー、エアレススプレー、回転霧化塗装、カーテンコート塗装などの塗装方法により行なうことができる。これらの塗装方法は、必要に応じて、静電印加してもよい。これらのうち静電印加による回転霧化塗装が好ましい。クリヤー塗料(Z)の塗布量は、通常、硬化膜厚として、10~50μm程度となる量とするのが好ましい。
 また、クリヤー塗料(Z)の塗装にあたっては、クリヤー塗料(Z)の粘度を、塗装方法に適した粘度範囲、例えば、静電印加による回転霧化塗装においては、20℃でフォードカップNo.4粘度計による測定で、15~60秒程度の粘度範囲となるように、有機溶剤などの溶媒を用いて、適宜、調整しておくことが好ましい。
 本発明の複層塗膜形成方法は、前述のとおり、下記の工程(1)~(3):
 工程(1)被塗物上に光輝ベース塗料(X)を塗装して、光輝ベース塗膜を形成する工程、
 工程(2)前記光輝ベース塗膜の上に、着色ベース塗料(Y)を塗装して、着色ベース塗膜を形成する工程、及び
 工程(3)前記工程(1)で形成された前記光輝ベース塗膜及び前記工程(2)で形成された前記着色ベース塗膜を別々に又は同時に加熱することにより、硬化させる工程を含む。
 また、本発明の複層塗膜形成方法の他の好ましい態様は、下記の方法(A)~(C)を挙げることができる。
 方法(A)
 下記の工程(A1)~(A4):
 工程(A1)被塗物上に中塗り塗料(V)を塗装して、L*45が60以上である中塗り塗膜を形成する工程、
 工程(A2)前記中塗り塗膜の上に、光輝ベース塗料(X)を塗装して、光輝ベース塗膜を形成する工程、
 工程(A3)前記光輝ベース塗膜の上に、着色ベース塗料(Y)を塗装して、着色ベース塗膜を形成する工程、及び
 工程(A4)前記工程(A1)で形成された前記中塗り塗膜、前記工程(A2)で形成された前記光輝ベース塗膜、及び前記工程(A3)で形成された前記着色ベース塗膜を別々に又は同時に加熱することにより、硬化させる工程を含む複層塗膜形成方法。
 方法(B)
 下記の工程(B1)~(B4):
工程(B1)被塗物上に光輝ベース塗料(X)を塗装して、光輝ベース塗膜を形成する工程、
 工程(B2)前記光輝ベース塗膜の上に、着色ベース塗料(Y)を塗装して、着色ベース塗膜を形成する工程、
 工程(B3)前記着色ベース塗膜の上に、クリヤー塗料(Z)を塗装して、クリヤー塗膜を形成する工程、及び
 工程(B4)前記工程(B1)で形成された前記光輝ベース塗膜、前記工程(B2)で形成された前記着色ベース塗膜、及び前記工程(B3)で形成された前記クリヤー塗膜を別々に又は同時に加熱することにより、硬化させる工程を含む複層塗膜形成方法。
 方法(C)
 下記の工程(C1)~(C5):
 工程(C1)被塗物上に中塗り塗料(V)を塗装して、L*45が60以上である中塗り塗膜を形成する工程、
 工程(C2)前記中塗り塗膜の上に、光輝ベース塗料(X)を塗装して、光輝ベース塗膜を形成する工程、
 工程(C3)前記光輝ベース塗膜の上に、着色ベース塗料(Y)を塗装して、着色ベース塗膜を形成する工程、
 工程(C4)前記着色ベース塗膜の上に、クリヤー塗料(Z)を塗装して、クリヤー塗膜を形成する工程、及び
 工程(C5)前記工程(C1)で形成された前記中塗り塗膜、前記工程(C2)で形成された前記光輝ベース塗膜、前記工程(C3)で形成された前記着色ベース塗膜、及び前記工程(C4)で形成された前記クリヤー塗膜を別々に又は同時に加熱することにより、硬化させる工程を含む複層塗膜形成方法。
 被塗物としては、例えば、乗用車、トラック、オートバイ、バスなどの自動車車体の外板部;自動車部品;携帯電話、オーディオ機器などの家庭電気製品の外板部などを挙げることができる。これらの内、自動車車体の外板部及び自動車部品が好ましい。
 これらの被塗物の材質としては、特に限定されるものではない。例えば、鉄、アルミニウム、真鍮、銅、ブリキ、ステンレス鋼、亜鉛メッキ鋼、亜鉛合金(Zn-Al、Zn-Ni、Zn-Feなど)メッキ鋼などの金属材料;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂類、各種のFRPなどのプラスチック材料;ガラス、セメント、コンクリートなどの無機材料;木材;紙、布などの繊維材料などを挙げることができる。これらの内、金属材料及びプラスチック材料が好ましい。
 また、複層塗膜が適用される被塗物面としては、自動車車体外板部、自動車部品、家庭電気製品、これらを構成する鋼板などの金属基材などの金属表面に、リン酸塩処理、クロメート処理、複合酸化物処理などの表面処理が施されたものであってもよい。
 表面処理が施されていても施されていなくてもよい対象物の上には、さらに塗膜を形成してもよい。例えば、基材である被塗物に必要に応じて表面処理を施し、その上に下塗り塗膜を形成してもよい。下塗り塗膜は、例えば被塗物が自動車車体である場合には、自動車車体の塗装において通常使用されるそれ自体既知の下塗り用の塗料を使用して形成することができる。
 下塗り塗膜を形成するための下塗り塗料としては、例えば、電着塗料、好ましくはカチオン電着塗料を使用することができる。また、上記中塗り塗膜を形成するための中塗り塗料としては、カルボキシル基、水酸基などの架橋性官能基を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などの基体樹脂と、メラミン樹脂、尿素樹脂などのアミノ樹脂、ブロックされていてもよいポリイソシアネート化合物などの架橋剤とを、顔料、増粘剤、及び任意選択のその他の成分と共に塗料化したものを使用することができる。
 本明細書において、「被塗物に、光輝ベース塗料(X)を塗装する」又は「被塗物に、中塗り塗料(V)を塗装する」という場合、被塗物の上に直接光輝ベース塗料(X)又は中塗り塗料(V)を塗装する場合に限定されず、被塗物の上に表面処理、下塗り塗膜などの追加層を施して、その上に光輝ベース塗料(X)又は中塗り塗料(V)を塗装する場合も含まれる。
 本発明の複層塗膜形成方法では、各工程で形成された着色ベース塗膜、光輝ベース塗膜、さらには中塗り塗膜及び/又はクリヤー塗膜を加熱することによって、これらの塗膜を別々に又は同時に硬化させる。
 加熱は公知の手段により行うことができ、例えば、熱風炉、電気炉、赤外線誘導加熱炉などの乾燥炉を適用できる。加熱温度は好ましくは70~150℃、より好ましくは80~140℃の範囲内である。加熱時間は、特に制限されないが、好ましくは10~40分間、より好ましくは20~30分間の範囲内である。
 本発明は以下の構成を採用することもできる。
[1]光輝ベース塗膜と、前記光輝ベース塗膜の上に形成される着色ベース塗膜とを備えた複層塗膜であって、
 X=[(C*45)2+(C*75)21/2とし、
 Y=[(L*15)2+(C*15)21/2+[(L*25)2+(C*25)21/2としたときに、
Xが80以上であり、かつYが145以上である複層塗膜。
(ただし、C*15、C*25、C*45及びC*75は、入射角度45度で照射した光を正反射光に対して入射光に近い側に15度、25度、45度、及び75度の各受光角度で受光したときの複層塗膜の彩度を表し、L*15及びL*25は、入射角度45度で照射した光を正反射光に対して入射光に近い側に15度、25度の各受光角度で受光したときの複層塗膜の明度を表す。)
[2]Xが80よりも大きい[1]に記載の複層塗膜。
[3]Xが85以上である[1]に記載の複層塗膜。
[4]Xが130以下である[1]~[3]のいずれか一項に記載の複層塗膜。
[5]Xが120以下である[1]~[3]のいずれか一項に記載の複層塗膜。
[6]Yが150以上である[1]~[5]のいずれか一項に記載の複層塗膜。
[7]Yが160以上である[1]~[5]のいずれか一項に記載の複層塗膜。
[8]Yが210以下である[1]~[7]のいずれか一項に記載の複層塗膜。
[9]Yが200以下である[1]~[7]のいずれか一項に記載の複層塗膜。
[10]Yが190以下である[1]~[7]のいずれか一項に記載の複層塗膜。
[11]粒子感の測定値(HG値)が60以下である[1]~[10]のいずれか一項に記載の複層塗膜。
[12]光輝ベース塗膜が、光輝ベース塗膜100質量部を基準として、固形分で3~75質量部の光輝性顔料を含有する[1]~[11]のいずれか一項に記載の複層塗膜。
[13]光輝ベース塗膜が、光輝ベース塗膜100質量部を基準として、固形分で40質量部以下の着色顔料を含有する[1]~[12]のいずれか一項に記載の複層塗膜。
[14]光輝性顔料が、光干渉性顔料、蒸着金属フレーク顔料、アルミニウムフレーク顔料、又はこれらの組み合わせを含む[12]に記載の複層塗膜。
[15]光輝性顔料が、光干渉性顔料を含む[13]に記載の複層塗膜。
[16]光干渉性顔料が、酸化チタン被覆アルミナフレーク顔料又は人工マイカを含む[14]又は[15]に記載の複層塗膜。
[17]光輝ベース塗膜が、表面調整剤をさらに含む[1]~[16]のいずれか一項に記載の複層塗膜。
[18]前記表面調整剤が、シリコーン系表面調整剤、アクリル系表面調整剤、ビニル系表面調整剤、フッ素系表面調整剤、及びアセチレンジオール系表面調整剤からなる群から選択される1種又は2種以上を含む[17]に記載の複層塗膜。
[19]光輝ベース塗膜が、粘性調整剤をさらに含む[1]~[18]のいずれか一項に記載の複層塗膜。
[20]粘性調整剤がセルロース系粘性調整剤を含む[19]に記載の複層塗膜。
[21]着色ベース塗膜が、着色ベース塗膜100質量部を基準として、固形分で0.1~10質量部の着色顔料を含有する[1]~[20]のいずれか一項に記載の複層塗膜。
[22]光輝ベース塗膜の下に、L*45が60以上である中塗り塗膜をさらに備える[1]~[21]のいずれか一項に記載の複層塗膜。
(ただし、L*45は入射角度45度で照射した光を正反射光に対して入射光に近い側に45度の受光角度で受光したときの中塗り塗膜の明度を表す。)
[23]着色ベース塗膜の上にクリヤー塗膜をさらに備える[1]~[22]のいずれか一項に記載の複層塗膜。
[24]光輝ベース塗膜の膜厚が0.2~4.5μmである[1]~[23]のいずれか一項に記載の複層塗膜。
[25]着色ベース塗膜の膜厚が5~40μmである[1]~[24]のいずれか一項に記載の複層塗膜。
[26][1]~[25]のいずれか一項に記載の複層塗膜を備えた対象物。
[27]下記の工程(1)~(3):
 工程(1)被塗物上に光輝ベース塗料(X)を塗装して、光輝ベース塗膜を形成する工程、
 工程(2)前記光輝ベース塗膜の上に、着色ベース塗料(Y)を塗装して、着色ベース塗膜を形成する工程、及び
 工程(3)前記工程(1)で形成された前記光輝ベース塗膜及び前記工程(2)で形成された前記着色ベース塗膜を別々に又は同時に加熱することにより、硬化させる工程
を含む複層塗膜の形成方法であって、前記複層塗膜は、
 X=[(C*45)2+(C*75)21/2とし、
 Y=[(L*15)2+(C*15)21/2+[(L*25)2+(C*25)21/2としたときに、
Xが80以上であり、かつYが145以上である複層塗膜形成方法。
(ただし、C*15、C*25、C*45及びC*75は入射角度45度で照射した光を正反射光に対して入射光に近い側に15度、25度、45度、及び75度の各受光角度で受光したときの彩度を表し、
 L*15及びL*25は、入射角度45度で照射した光を正反射光に対して入射光に近い側に15度、25度の各受光角度で受光したときの複層塗膜の明度を表す。)
[28]Xが80よりも大きい[27]に記載の方法。
[29]Xが85以上である[27]に記載の方法。
[30]Xが130以下である[27]~[29]のいずれか一項に記載の方法。
[31]Xが120以下である[27]~[29]のいずれか一項に記載の方法。
[32]Yが150以上である[27]~[31]のいずれか一項に記載の方法。
[33]Yが160以上である[27]~[31]のいずれか一項に記載の方法。
[34]Yが210以下である[27]~[33]のいずれか一項に記載の方法。
[35]Yが200以下である[27]~[33]のいずれか一項に記載の方法。
[36]Yが190以下である[27]~[33]のいずれか一項に記載の方法。
[37]前記光輝ベース塗料(X)は、水、光輝性顔料、表面調整剤、及び粘性調整剤を含有する[27]~[36]のいずれか一項に記載の方法。
[38]前記光輝ベース塗料(X)は、光輝ベース塗料(X)の固形分100質量部を基準として、光輝性顔料を固形分で3~75質量部含有する[27]~[37]のいずれか一項に記載の方法。
[39]光輝ベース塗料が、光輝ベース塗料(X)の固形分100質量部を基準として、固形分で40質量部以下の着色顔料を含有する[27]~[38]のいずれか一項に記載の方法。
[40]光輝性顔料が、光干渉性顔料、蒸着金属フレーク顔料、アルミニウムフレーク顔料、又はこれらの組み合わせを含む[37]又は[38]に記載の方法。
[41]光輝性顔料が、光干渉性顔料を含む[40]に記載の方法。
[42]光干渉性顔料が、酸化チタン被覆アルミナフレーク顔料又は人工マイカを含む[40]又は[41]に記載の方法。
[43]光輝ベース塗膜が、表面調整剤をさらに含む[27]~[42]のいずれか一項に記載の方法。
[44]前記表面調整剤が、シリコーン系表面調整剤、アクリル系表面調整剤、ビニル系表面調整剤、フッ素系表面調整剤、及びアセチレンジオール系表面調整剤からなる群から選択される1種又は2種以上を含む[43]に記載の方法。
[45]光輝ベース塗膜が、粘性調整剤をさらに含む[27]~[44]のいずれか一項に記載の方法。
[46]粘性調整剤がセルロース系粘性調整剤を含む[45]に記載の方法。
[47]着色ベース塗膜が、着色ベース塗料の固形分100質量部を基準として、固形分で0.1~10質量部の着色顔料を含有する[27]~[46]のいずれか一項に記載の方法。
[48]光輝ベース塗膜の下に、L*45が60以上である中塗り塗膜をさらに備える[27]~[47]のいずれか一項に記載の方法。
(ただし、L*45は入射角度45度で照射した光を正反射光に対して入射光に近い側に45度の受光角度で受光したときの中塗り塗膜の明度を表す。)
[49]着色ベース塗膜の上にクリヤー塗膜をさらに備える[27]~[48]のいずれか一項に記載の方法。
[50]前記光輝ベース塗膜の乾燥膜厚が0.2~4.5μmである[27]~[49]のいずれか一項に記載の方法。
[51]着色ベース塗膜の硬化膜厚が5~40μmである[27]~[50]のいずれか一項に記載の方法。
 以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されない。なお、「部」及び「%」はいずれも質量基準によるものである。
アクリル樹脂水分散体(R-1)の製造
 製造例1
 温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管及び滴下装置を備えた反応容器に脱イオン水128部、及び「アデカリアソープSR-1025」(商品名、ADEKA製、乳化剤、有効成分25%)2部を仕込み、窒素気流中で撹拌混合し、80℃に昇温させた。
 次いで下記コア部用モノマー乳化物の全量のうちの1%量及び6%過硫酸アンモニウム水溶液5.3部を反応容器内に導入し80℃で15分間保持した。その後、コア部用モノマー乳化物の残部を3時間かけて、同温度に保持した反応容器内に滴下し、滴下終了後1時間熟成を行なった。次に、下記シェル部用モノマー乳化物を1時間かけて滴下し、1時間熟成した後、5%2-(ジメチルアミノ)エタノール水溶液40部を反応容器に徐々に加えながら30℃まで冷却し、100メッシュのナイロンクロスで濾過しながら排出し、平均粒子径100nm、固形分30%のアクリル樹脂水分散体(R-1)を得た。得られたアクリル樹脂水分散体は、酸価33mgKOH/g、水酸基価25mgKOH/gであった。
 コア部用モノマー乳化物:脱イオン水40部、「アデカリアソープSR-1025」2.8部、メチレンビスアクリルアミド2.1部、スチレン2.8部、メチルメタクリレート16.1部、エチルアクリレート28部及びn-ブチルアクリレート21部を混合攪拌することにより、コア部用モノマー乳化物を得た。
 シェル部用モノマー乳化物:脱イオン水17部、「アデカリアソープSR-1025」1.2部、過硫酸アンモニウム0.03部、スチレン3部、2-ヒドロキシエチルアクリレート5.1部、メタクリル酸5.1部、メチルメタクリレート6部、エチルアクリレート1.8部及びn-ブチルアクリレート9部を混合攪拌することにより、シェル部用モノマー乳化物を得た。
アクリル樹脂溶液(R-2)の製造
 製造例2
 温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管及び滴下装置を備えた反応容器にプロピレングリコールモノプロピルエーテル35部を仕込み85℃に昇温後、メチルメタクリレート30部、2-エチルヘキシルアクリレート20部、n-ブチルアクリレート29部、2-ヒドロキシエチルアクリレート15部、アクリル酸6部、プロピレングリコールモノプロピルエーテル15部及び2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)2.3部の混合物を4時間かけて滴下し、滴下終了後1時間熟成した。その後さらにプロピレングリコールモノプロピルエーテル10部及び2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)1部の混合物を1時間かけて滴下し、滴下終了後1時間熟成した。さらにジエタノールアミン7.4部を加え、固形分55%のアクリル樹脂溶液(R-2)を得た。得られた水酸基含有アクリル樹脂は酸価が47mgKOH/g、水酸基価が72mgKOH/g、重量平均分子量が58000であった。
ポリエステル樹脂溶液(R-3)の製造
 製造例3
 温度計、サーモスタット、攪拌装置、還流冷却器及び水分離器を備えた反応容器に、トリメチロールプロパン109部、1,6-ヘキサンジオール141部、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸無水物126部及びアジピン酸120部を仕込み、160℃から230℃迄3時間かけて昇温させた後、230℃で4時間縮合反応させた。次いで、得られた縮合反応生成物に、カルボキシル基を導入するために、無水トリメリット酸38.3部を加えて、170℃で30分間反応させた後、2-エチル-1-ヘキサノールで希釈し、固形分70%のポリエステル樹脂溶液(R-3)を得た。得られた水酸基含有ポリエステル樹脂は、酸価が46mgKOH/g、水酸基価が150mgKOH/g、数平均分子量が1400であった。
体質顔料分散液(P-1)の製造
 製造例4
 アクリル樹脂溶液(R-2)を327部(固形分で180部)、脱イオン水360部、サーフィノール104A(商品名、エアープロダクツ社製消泡剤、固形分50%)6部、及びバリファインBF-20(商品名、堺化学工業社製、硫酸バリウム粉末、平均粒子径0.03μm)250部を、ペイントコンディショナー中に入れ、ガラスビーズ媒体を加えて、室温で1時間混合分散し、固形分44%の体質顔料分散液(P-1)を得た。
赤色顔料分散液(P-2)の製造
 製造例5
 アクリル樹脂溶液(R-2)を182部(固形分で100部)、「MAROON 179 229-6438」(商品名、SUN CHEMICAL CORPORATION社製、有機ペリレン顔料)150部及び脱イオン水479部を混合し、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノールでpH7.5に調整した後、ペイントシェーカーで2時間分散して固形分30.6%の赤色顔料分散液(P-2)を得た。
透明ベース塗料(W-1)の製造
 製造例6
 攪拌混合容器に、体質顔料分散液(P-1)を固形分で14部、アクリル樹脂水分散体(R-1)を固形分で40部、ポリエステル樹脂溶液(R-3)を固形分で23部、「ユーコートUX-310」(商品名、三洋化成社製、ウレタン樹脂水分散体、固形分含有率40%)を固形分で10部、及び「サイメル251」(商品名、日本サイテックインダストリーズ社製、メラミン樹脂、固形分含有率80%)を固形分で27部となるように添加して攪拌混合し、透明ベース塗料(W-1)を調製した。
光輝ベース塗料(X)の製造
 製造例7
 攪拌混合容器に、蒸留水を76.8部、粘性調整剤(A-1)を18.4部(固形分で0.4部)、光輝性顔料(B-1)を2.1部(固形分で2.1部)、アクリル樹脂水分散体(R-1)を1.6部(固形分で0.4部)、表面調整剤(C-1)を0.2部(固形分で0.2部)、紫外線吸収剤(D-1)を0.2部(固形分で0.1部)、光安定剤(E-1)を0.2部(固形分で0.1部)、ジメチルエタノールアミンを0.01部、及びエチレングリコールモノブチルエーテルを0.5部となるように添加して攪拌混合し、光輝ベース塗料(X-1)を調整した。
 なお、粘性調整剤(A-1)、光輝性顔料(B-1)、及び表面調整剤(C-1)、紫外線吸収剤(D-1)、光安定剤(E-1)は以下の通りである。
(A-1)「レオクリスタ」(商品名、第一工業製薬社製、セルロースナノファイバー、固形分:2%)
(B-1)「Xirallic T61-10 Micro Silver」(商品名、メルク社製、酸化チタン被覆アルミナフレーク顔料、固形分100%)
(C-1)「Dynol604」(商品名、エボニックインダストリーズ社製、アセチレンジオール系表面調整剤、固形分100%)
(D-1)「TINUVIN 479-DW(N)」(商品名、BASF社製、紫外線吸収剤、固形分40%)
(E-1)「TINUVIN 123-DW(N)」(商品名、BASF社製、光安定剤、固形分50%)。
 製造例8~18
 表1に記載の配合とする以外は全て製造例7と同様にして光輝ベース塗料(X-2)~(X-12)を得た。
 なお、表1における各成分は以下の通りである。
(A-2)「Acrysol ASE-60」(商品名、ダウケミカル社製、ポリアクリル酸系粘性調整剤、固形分:28%)
(B-2)「Xirallic T60-10 Crystal Silver」(商品名、メルク社製、酸化チタン被覆アルミナフレーク顔料、固形分100%)
(B-3)「TWINCLEPEARL SXC-SO」(商品名、日本光研社製、人工雲母干渉シルバーパール、固形分100%)
(B-4)「HYDROSHINE WS-3004」(商品名、Eckart社製、水性用蒸着アルミニウムフレーク顔料、固形分:10.0%)
(B-5)「アルペースト EMR-D6270」(商品名、東洋アルミニウム社製、アルミニウムフレーク顔料、固形分:60.0%)
(C-2)「BYK348」(商品名、BYK社製、シリコーン系表面調整剤、固形分100%)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
着色ベース塗料(Y-1)の製造
 製造例19
 攪拌混合容器に、透明ベース塗料(W-1)を入れ、該(W-1)中の樹脂固形分100質量部に対して「MAROON 179 229-6438」が0.78質量部となるように赤色顔料分散液(P-2)を添加して攪拌混合し、着色ベース塗料(Y-1)を調製した。
着色ベース塗料(Y-2)の製造
 製造例20
 攪拌混合容器に、透明ベース塗料(W-1)を入れ、該(W-1)中の樹脂固形分100質量部に対して「MAROON 179 229-6438」が1.56質量部となるように赤色顔料分散液(P-2)を添加して攪拌混合し、着色ベース塗料(Y-2)を調製した。
着色ベース塗料(Y-3)の製造
 製造例21
 攪拌混合容器に、透明ベース塗料(W-1)を入れ、該(W-1)中の樹脂固形分100質量部に対して「MAROON 179 229-6438」が2.35質量部となるように赤色顔料分散液(P-2)を添加して攪拌混合し、着色ベース塗料(Y-3)を調製した。
着色ベース塗料(Y-4)の製造
 製造例22
 攪拌混合容器に、透明ベース塗料(W-1)を入れ、該(W-1)中の樹脂固形分100質量部に対して「MAROON 179 229-6438」が3.23質量部となるように赤色顔料分散液(P-2)を添加して攪拌混合し、着色ベース塗料(Y-4)を調製した。
着色ベース塗料(Y-5)の製造
 製造例23
 攪拌混合容器に、透明ベース塗料(W-1)を入れ、該(W-1)中の樹脂固形分100質量部に対して「MAROON 179 229-6438」が4.89質量部となるように赤色顔料分散液(P-2)を添加して攪拌混合し、着色ベース塗料(Y-5)を調製した。
中塗り塗料(V)の調整
 中塗り塗料(V-1)
 「WP-523H N-8.0」(商品名:関西ペイント株式会社、水性中塗り塗料)を中塗り塗料(V-1)として用いた。得られる中塗り塗膜の明度L*45は80であった。
 上記中塗り塗膜の明度L*45は、多角度分光光度計(x-rite社製、商品名、MA-68II)を使用し、乾燥塗膜を測定して得た。乾燥塗膜は、脱脂及びリン酸亜鉛処理した鋼板(JISG3141、大きさ400×300×0.8mm)にカチオン電着塗料「エレクロン9400HB」(商品名:関西ペイント社製、アミン変性エポキシ樹脂系カチオン樹脂に硬化剤としてブロックポリイソシアネート化合物を使用したもの)を硬化塗膜に基づいて膜厚20μmになるように電着塗装し、170℃で20分加熱して架橋硬化させた後、その上に、中塗り塗料(V-1)を回転霧化型のベル型塗装機を用いて、硬化膜厚30μmになるように静電塗装し、140℃で30分加熱して得た。
 中塗り塗料(V-2)
 「WP-523H N-5.5」(商品名:関西ペイント株式会社、水性中塗り塗料)を中塗り塗料(V-2)として用いた。得られる中塗り塗膜の明度L*45は55であった。
 中塗り塗料(V-3)
 「WP-523H N-8.0」(商品名:関西ペイント株式会社、水性中塗り塗料)及び「WP-523H N-5.5」(商品名:関西ペイント株式会社、水性中塗り塗料)を得られる中塗り塗膜の明度L*45が70となるように撹拌混合し、中塗り塗料(V-3)を調製した。
 中塗り塗料(V-4)
 「WP-523H N-8.0」(商品名:関西ペイント株式会社、水性中塗り塗料)及び「WP-523H N-5.5」(商品名:関西ペイント株式会社、水性中塗り塗料)を得られる中塗り塗膜の明度L*45が60となるように撹拌混合し、中塗り塗料(V-4)を調製した。
クリヤー塗料(Z)の調製
 クリヤー塗料(Z-1)
 「KINO6510」(商品名:関西ペイント株式会社、水酸基/イソシアネート基硬化型アクリル樹脂・ウレタン樹脂系2液型有機溶剤型塗料)を、クリヤー塗料(Z-1)として用いた。
 クリヤー塗料(Z-2)
 「マジクロンTC-69」(商品名:関西ペイント株式会社、アクリル及びメラミン樹脂系1液型有機溶剤型塗料)を、クリヤー塗料(Z-2)として用いた。
被塗物の調製
 脱脂及びリン酸亜鉛処理した鋼板(JISG3141、大きさ400×300×0.8mm)にカチオン電着塗料「エレクロン9400HB」(商品名:関西ペイント社製、アミン変性エポキシ樹脂系カチオン樹脂に硬化剤としてブロックポリイソシアネート化合物を使用したもの)を硬化塗膜に基づいて膜厚20μmになるように電着塗装し、170℃で20分加熱して架橋硬化させて被塗物を得た。
試験板の作成
 実施例1
 被塗物上に、中塗り塗料(V-1)をABB社製ロボットベルを用いて、ブース温度23℃、湿度68%の条件で乾燥塗膜として、30μmになるように静電塗装した。3分間放置し、その後、80℃にて3分間プレヒートし、明度L*45が80である中塗り塗膜を形成した。
 次いで、光輝ベース塗料(X-1)を、表1に記載の塗料粘度に調整し、ABB社製ロボットベルを用いて、ブース温度23℃、湿度68%の条件で、乾燥塗膜として、0.7μmとなるように静電塗装した。
 次いで、該光輝ベース塗膜上に、着色ベース塗料(Y-1)を、ABB社製ロボットベルを用いて、ブース温度23℃、湿度68%の条件で、乾燥塗膜として、10μmとなるように静電塗装した。3分間放置し、その後、80℃にて3分間プレヒートし、着色ベース塗膜を形成した。
 さらに、この着色ベース塗膜上にクリヤー塗料(Z-1)を、ABB社製ロボットベルを用いて、ブース温度23℃、湿度68%の条件で乾燥塗膜として、35μmとなるように塗装しクリヤー塗膜を形成した。
 塗装後、室温にて7分間放置した後に、熱風循環式乾燥炉内を使用して、140℃で30分間加熱し、複層塗膜を同時に乾燥せしめて試験板とした。
 ここで、表2に記載した乾燥塗膜の膜厚は、下記(式3)から算出した。以下の実施例についても同様である。
)x=(sc*10000)/(S*sg)   ・・・(式3)
x:膜厚[μm]
sc:塗着固形分[g]
S:塗着固形分の評価面積[cm2
sg:塗膜比重[g/cm]。
 実施例2~17及び比較例1~3
 表2に記載の中塗り塗料(V)、光輝ベース塗料(X)及び乾燥膜厚、着色ベース塗料(Y)及び乾燥膜厚、クリヤー塗料(Z)とする以外は全て実施例1と同様にして試験板を得た。
 上記のようにして得られた各試験板について塗膜の外観及び性能を評価し、表2にその結果を示した。
 評価方法
X、Yの計算
 塗膜に対して45度の角度から照射した光を、正反射光に対してそれぞれ15度、25度、45度、75度で受光した分光反射率からL*C*h*表色系における彩度C*15、C*25、C*45、C*75を算出した。測定には、多角度分光光度計(x-rite社製、商品名、MA-68II)を使用した。
 また、塗膜に対して45度の角度から照射した光を、正反射光に対してそれぞれ15度、25度で受光した分光反射率からL*a*b*表色系における明度L*15、L*25を算出した。測定には、多角度分光光度計(x-rite社製、商品名、MA-68II)を使用した。
 X、Yを以下の式に従ってそれぞれ求めた。実施例1~17及び比較例1~3のX、Yの値を表2に示す。
X=[(C*45)2+(C*75)21/2
Y=[(L*15)2+(C*15)21/2+[(L*25)2+(C*25)21/2
粒子感HG値の測定
 HG値は、Hi-light Graininess値の略称である。HG値は、塗膜面を微視的に観察した場合におけるミクロ光輝感の尺度の一つであり、ハイライトにおける粒子感を表す指標である。HG値は、次のようにして、算出される。先ず、塗膜面を、光の入射角15度/受光角0度にてCCDカメラで撮影し、得られたデジタル画像データ(2次元の輝度分布データ)を2次元フーリエ変換処理して、パワースペクトル画像を得る。次に、このパワースペクトル画像から、粒子感に対応する空間周波数領域のみを抽出して得られた計測パラメータを、更に0~100の数値を取り、且つ粒子感との間に直線的な関係が保たれるように変換した値が、HG値である。HG値は、光輝性顔料の粒子感が全くないものを0とし、光輝性顔料の粒子感が最も大きいものを100とした値である。
色相角度hの測定
 塗膜に対して45度から照射した光を正反射光に対して入射光に近い側に45度で受光したときの分光反射率に基づいて計算されたL*C*h表色系色度図における、色相角度hを表2に示した。測定には、多角度分光光度計(x-rite社製、商品名、MA-68II)を使用した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004

Claims (11)

  1. 光輝ベース塗膜と、前記光輝ベース塗膜の上に形成される着色ベース塗膜とを備えた複層塗膜であって、
     X=[(C*45)2+(C*75)21/2とし、
     Y=[(L*15)2+(C*15)21/2+[(L*25)2+(C*25)21/2としたときに、
    Xが80以上であり、かつYが145以上である複層塗膜。
    (ただし、C*15、C*25、C*45及びC*75は、入射角度45度で照射した光を正反射光に対して入射光に近い側に15度、25度、45度、及び75度の各受光角度で受光したときの複層塗膜の彩度を表し、
     L*15及びL*25は、入射角度45度で照射した光を正反射光に対して入射光に近い側に15度、25度の各受光角度で受光したときの複層塗膜の明度を表す。)
  2. 粒子感の測定値(HG値)が60以下である請求項1に記載の複層塗膜。
  3. 光輝ベース塗膜が、光輝ベース塗膜100質量部を基準として、固形分で3~75質量部の光輝性顔料を含有する請求項1又は2に記載の複層塗膜。
  4. 光輝ベース塗膜が、光輝ベース塗膜100質量部を基準として、固形分で40質量部以下の着色顔料を含有する請求項1~3のいずれか一項に記載の複層塗膜。
  5. 光輝ベース塗膜の下に、L*45が60以上である中塗り塗膜をさらに備える請求項1~4のいずれか一項に記載の複層塗膜。
    (ただし、L*45は入射角度45度で照射した光を正反射光に対して入射光に近い側に45度の受光角度で受光したときの中塗り塗膜の明度を表す。)
  6. 着色ベース塗膜の上にクリヤー塗膜をさらに備える請求項1~5のいずれか一項に記載の複層塗膜。
  7. 請求項1~6のいずれか一項に記載の複層塗膜を備えた対象物。
  8. 下記の工程(1)~(3):
     工程(1)被塗物上に光輝ベース塗料(X)を塗装して、光輝ベース塗膜を形成する工程、
     工程(2)前記光輝ベース塗膜の上に、着色ベース塗料(Y)を塗装して、着色ベース塗膜を形成する工程、及び
     工程(3)前記工程(1)で形成された前記光輝ベース塗膜及び前記工程(2)で形成された前記着色ベース塗膜を別々に又は同時に加熱することにより、硬化させる工程
    を含む複層塗膜の形成方法であって、前記複層塗膜は、
     X=[(C*45)2+(C*75)21/2とし、
     Y=[(L*15)2+(C*15)21/2+[(L*25)2+(C*25)21/2としたときに、
    Xが80以上であり、かつYが145以上である複層塗膜形成方法。
    (ただし、C*15、C*25、C*45及びC*75は入射角度45度で照射した光を正反射光に対して入射光に近い側に15度、25度、45度、及び75度の各受光角度で受光したときの複層塗膜の彩度を表し、
     L*15及びL*25は、入射角度45度で照射した光を正反射光に対して入射光に近い側に15度、25度の各受光角度で受光したときの複層塗膜の明度を表す。)
  9. 前記光輝ベース塗料(X)は、水、光輝性顔料、表面調整剤、及び粘性調整剤を含有する請求項8に記載の複層塗膜形成方法。
  10. 前記光輝ベース塗料(X)は、光輝ベース塗料固形分100質量部を基準として、光輝性顔料を固形分で3~75質量部含有する請求項8又は9に記載の複層塗膜形成方法。
  11. 前記光輝ベース塗膜の乾燥膜厚が0.2~4.5μmである請求項8~10のいずれか一項に記載の複層塗膜形成方法。
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