JP2016068361A - 積層シート及び加飾樹脂成形品 - Google Patents
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Description
項1. 少なくとも、顔料を含む高輝度インキ層と、熱可塑性樹脂を含むアンカー層とが隣接するように積層されており、
前記アンカー層は、前記高輝度インキ層の上に部分的に形成されており、
前記アンカー層に含まれる熱可塑性樹脂の平均酸価が30mgKOH/g以上である、積層シート。
項2. 前記顔料の形状が、鱗片状である、項1に記載の積層シート。
項3. 前記高輝度インキ層に含まれる顔料が、粒子径が20μm以下、厚みが100nm以下の金属顔料である、項1または2に記載の積層シート。
項4. 表面保護層をさらに備える、項1〜3のいずれかに記載の積層シート。
項5. 基材層をさらに備える、項1〜4のいずれかに記載の積層シート。
項6. 前記高輝度インキ層と、前記アンカー層と、表面保護層とがこの順に積層されている、項1〜5のいずれかに記載の積層シート。
項7. 基材層と、前記高輝度インキ層と、前記アンカー層と、表面保護層とがこの順に積層されている、項1〜6のいずれかに記載の積層シート。
項8. 基材層と、前記アンカー層と、前記高輝度インキ層と、表面保護層とがこの順に積層されている、項1〜5のいずれかに記載の積層シート。
項9. 前記高輝度インキ層と、前記アンカー層と、表面保護層と、転写用基材層とがこの順に積層されている、項1〜5のいずれかに記載の積層シート。
項10. 成形樹脂を加飾するための加飾シートである、項1〜9のいずれかに記載の積層シート。
項11. 顔料を含む高輝度インキ層と、熱可塑性樹脂を含むアンカー層と、転写用基材層とがこの順に積層されたシートであって、
前記アンカー層と、前記高輝度インキ層とが隣接するように積層されており、
前記アンカー層は、前記高輝度インキ層の上に部分的に形成されており、
前記アンカー層に含まれる熱可塑性樹脂の平均酸価が30mgKOH/g以上である、積層シートを製造するためのシート。
項12. 顔料を含む高輝度インキ層と、熱可塑性樹脂を含むアンカー層と、表面保護層と、転写用基材層とがこの順に積層されたシートである、項11に記載のシート。
項13. 項1〜10のいずれかに記載の積層シートの製造方法であって、
平均酸価が30mgKOH/g以上である熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物によりアンカー層を形成した後に、顔料を含む高輝度インキ層を前記アンカー層の上に積層する工程を備える、積層シートの製造方法。
項14. 少なくとも、成形樹脂層の上に、顔料を含む高輝度インキ層と、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物により形成されたアンカー層とが隣接するように積層された積層体からなり、
前記アンカー層は、前記高輝度インキ層の上に部分的に形成されており、
前記アンカー層に含まれる熱可塑性樹脂の平均酸価が30mgKOH/g以上である、加飾樹脂成形品。
本発明の積層シートは、少なくとも、顔料を含む高輝度インキ層と、熱可塑性樹脂を含むアンカー層とが隣接するように積層されており、アンカー層が、高輝度インキ層の上に部分的に形成されており、アンカー層に含まれる熱可塑性樹脂の平均酸価が30mgKOH/g以上であることを特徴とする。本発明の積層シートは、このような構成を有することにより、ホログラム、エンボスなどの従来の手法によらず、見る角度によって意匠が変化するフリップフロップ性の意匠を簡便かつ好適に発現し得る。本発明の積層シートは、このような意匠を発現することができるため、意匠性が要求される各種の用途、例えば、カタログやチラシ等の印刷物;カード類;包装材;家具や建材、日用品に貼着して用いる装飾シート等に使用することができるが、中でも成形樹脂を加飾して加飾成形品を製造するための加飾シートとして好適に使用することができる。フリップフロップ性の意匠は、曲面部分において、特に効果的に発現しやすいため、本発明の積層シートは、三次元成形用加飾シートとして特に好適に使用することができる。以下、本発明の積層シートについて詳述する。
本発明の積層シートは、少なくとも、顔料を含む高輝度インキ層2と、熱可塑性樹脂を含むアンカー層3とが隣接するように積層されている。また、アンカー層3は、高輝度インキ層2の上に部分的に形成されている。本発明の積層シートは、積層シートの保形性を高めることなどを目的として、必要に応じて、基材層1を有していてもよい。また、本発明の積層シートは、積層シートの表面を保護することなどを目的として、必要に応じて、表面保護層4を設けてもよい。また、表面保護層4と、これに隣接する層との密着性を高めることなどを目的として、必要に応じて、表面保護層4の下にプライマー層7を設けてもよい。また、積層シートの装飾性を高めることなどを目的として、必要に応じて、装飾層5を有していてもよい。また、積層シートの層間(例えば、基材層1と高輝度インキ層2との間など)や、積層シートと成形樹脂層9との間(例えば、高輝度インキ層2と成形樹脂層9との間など)の密着性を高めることなどを目的として、必要に応じて、接着層6を有していてもよい。
[高輝度インキ層2]
高輝度インキ層2は、後述するアンカー層3と接するように積層され、本発明の積層シートにフリップフロップ性の意匠を付与するために設けられる層である。高輝度インキ層2は、高輝度の意匠を発現するために、顔料を含んでいる。高輝度インキ層2は、通常、顔料、バインダー樹脂、溶剤を含み、必要に応じて、体質顔料、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を適宜混合した高輝度インキ組成物を、後述するアンカー層3(部分的に形成されている)の上に印刷することにより形成することができる。後述の通り、本発明においては、高輝度インキ層のうち、高い酸価を有する熱可塑性樹脂を含むアンカー層3の上に形成された部分は、アンカー層3の上に形成されていない部分に比して、高輝度を有している。この輝度の相違により、積層シートにフリップフロップ性の意匠が付与される。
アンカー層3は、本発明の積層シートにおいて、アンカー層3と接するように積層された高輝度インキ層2に高輝度な意匠を発現させるために、高輝度インキ層2と隣接して設けられる層である。アンカー層3は、フリップフロップ性の意匠を発現する柄となるように、部分的に積層されている。すなわち、高輝度インキ層2のアンカー層3と接している部分は、接していない部分に比してより高輝度となるため、アンカー層3を形成した部分と形成していない部分とで輝度の差が発生し、例えば、積層シートを真正面から見たときには、輝度の差に基づく柄がはっきりと見え、真正面から斜めにずらして見た場合には、輝度の差に基づく柄が薄くなり、見る角度によって意匠が変化するフリップフロップ性の意匠が好適に発現する。
基材層1は、本発明の積層シートの保形性を高めることなどを目的として、必要に応じて設けられる層である。基材層1は、好ましくは樹脂シート(樹脂フィルム)により形成されている。上述の通り、本発明の第1の態様においては、成形樹脂層9を基材層1側に形成することにより、基材層1は、加飾樹脂成形品に含まれる。一方、本発明の第2の態様においては、高輝度インキ層2及びアンカー層3を含む転写層11から基材層1を含む支持体10を剥離するため、基材層1は加飾樹脂成形品に含まれない。第2の態様において、基材層1は、高輝度インキ層2及びアンカー層3を含む転写層11を成形樹脂層9に転写させるための転写用基材層1aとして機能する。
表面保護層4は、加飾樹脂成形品の耐傷付き性、耐候性などを高めることを目的として、必要に応じて、加飾樹脂成形品の最表面に位置するようにして、積層シートに設けられる層である。表面保護層4を形成する素材は、特に限定されないが、通常は樹脂が用いられ、好ましくは電離放射線硬化性樹脂が用いられる。また、表面保護層4は、樹脂フィルムにより形成することも好ましい。樹脂フィルムとしては、特に制限されず、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂などのフィルムが挙げられ、これらの中でも特にアクリル樹脂のフィルムを用いることが好ましい。また、基材層1を別途設けない態様の積層シートの場合、表面保護層4として樹脂フィルムを用いることで積層シートの保形性を確保することが好ましい。表面保護層4は、例えば電離放射線硬化性樹脂または樹脂フィルムの1層により形成されていてもよいし、これらの2層以上により形成されていてもよい。以下、表面保護層4の形成に用いられる電離放射線硬化性樹脂について詳述する。
表面保護層4の形成に使用される電離放射線硬化性樹脂とは、電離放射線を照射することにより、架橋、硬化する樹脂であり、具体的には、分子中に重合性不飽和結合又はエポキシ基を有する、プレポリマー、オリゴマー、及びモノマーなどのうち少なくとも1種を適宜混合したものが挙げられる。ここで電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋しうるエネルギー量子を有するものを意味し、通常紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線も含むものである。電離放射線硬化性樹脂の中でも、電子線硬化性樹脂は、無溶剤化が可能であり、光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られるため、表面保護層4の形成において好適に使用される。
表面保護層4を形成する電離放射線硬化性樹脂組成物には、表面保護層4に備えさせる所望の物性に応じて、各種添加剤を配合することができる。この添加剤としては、例えば紫外線吸収剤や光安定剤等の耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤、マット剤等が挙げられる。これらの添加剤は、常用されるものから適宜選択して用いることができ、例えばマット剤としてはシリカ粒子や水酸化アルミニウム粒子等が挙げられる。また、紫外線吸収剤や光安定剤として、分子内に(メタ)アクリロイル基等の重合性基を有する反応性の紫外線吸収剤や光安定剤を用いることもできる。
表面保護層4の厚みについては、特に制限されないが、表面保護層4を電離放射線硬化性樹脂を用いて形成する場合には、例えば、1〜1000μm、好ましくは1〜50μm、更に好ましくは1〜30μmが挙げられる。このような範囲の厚みを満たすと、耐傷付き性、耐候性等の表面保護層としての十分な物性が得られると共に、電離放射線を均一に照射することが可能であるため、均一に硬化することが可能となり、経済的にも有利になる。また、表面保護層4を樹脂フィルムにより形成する場合には、例えば、25〜1000μm、好ましくは50〜200μm程度が挙げられる。更に、表面保護層4の厚みが前記範囲を充足することによって、積層シートの三次元成形性が一層向上するため自動車内装用途等の複雑な三次元形状に対して高い追従性を得ることができる。
表面保護層4の形成は、例えば、電離放射線硬化性樹脂を含む電離放射線硬化性樹脂組成物を調製し、これを塗布し、架橋硬化することにより行われる。なお、電離放射線硬化性樹脂組成物の粘度は、後述の塗布方式により、装飾層5やプライマー層7などの表面に未硬化樹脂層を形成し得る粘度であればよい。
プライマー層7は、表面保護層4とその下に位置する層との密着性を高めることなどを目的として、必要に応じて含まれる層である。プライマー層7は、樹脂により形成することができる。
装飾層5は、例えば、積層シートの装飾性を高める目的で、高輝度インキ層2とは別に必要に応じて設けられる層である。装飾層5は、絵柄層及びベタ印刷層の少なくとも一方により形成される。
接着層6は、例えば、基材層1と高輝度インキ層2との間などの積層シートの層間や、例えば、高輝度インキ層2と成形樹脂層9との間などの積層シートと成形樹脂層9との間の密着性を高めることなどを目的として、必要に応じて設けられる層である。接着層6を形成する樹脂としては、積層シートの層間や、積層シートと成形樹脂層9との密着性、接着性を向上させることができるものであれば、特に制限されず、例えば、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アクリル変性ポリオレフィン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、熱可塑性ウレタン樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等挙げられる。熱硬化性樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
離型層8は、上述の第2の態様の積層シートにおいて、必要に応じて転写用基材層1aの上に設けられ、転写用基材層1aと共に支持体10を構成する。離型層8は、転写用基材層1aの転写層11からの剥離性を高める役割を有する層である。
本発明においては、上記のような積層シートは、次のような構成を有する、積層シートを製造するためのシートを用いて製造することもできる。
顔料を含む高輝度インキ層2と、熱可塑性樹脂を含むアンカー層3と、転写用基材層1aとがこの順に積層されたシートであって、アンカー層3と、高輝度インキ層2とが隣接するように積層されており、アンカー層3は、高輝度インキ層2の上に部分的に形成されており、アンカー層3に含まれる熱可塑性樹脂の平均酸価が30mgKOH/g以上である、積層シートを製造するためのシート。
本発明の加飾樹脂成形品は、本発明の積層シートに成形樹脂を一体化させることにより成形されてなるものである。即ち、本発明の加飾樹脂成形品は、少なくとも、成形樹脂層の上に、顔料を含む高輝度インキ層と、熱可塑性樹脂を含むアンカー層とが隣接するように積層された積層体からなり、アンカー層は、高輝度インキ層の上に部分的に形成されており、アンカー層に含まれる熱可塑性樹脂の平均酸価が30mgKOH/g以上であることを特徴とする。本発明の加飾樹脂成形品では、必要に応じて、積層シートに上述の表面保護層4、プライマー層7、装飾層5、接着層6などの少なくとも1層がさらに設けられていてもよい。図3、図4、図12に示されるような上述の第1の態様においては、加飾樹脂成形品に基材層1が設けられていてもよい。また、図6に示されるような上述の第2の態様においても、加飾樹脂成形品に転写用基材層1aを含む支持体10が設けられていてもよい(このような状態の加飾樹脂成形品を支持体付き加飾樹脂成形品ともいう)。なお、図3は、図1に示される積層シートに成形樹脂が積層された加飾樹脂成形品の断面図であり、図4は、図2に示される積層シートに成形樹脂が積層された加飾樹脂成形品の断面図である。
本発明の積層シートを真空成形型により予め立体形状に成形する真空成形工程、
真空成形された積層シートの余分な部分をトリミングして成形シートを得るトリミング工程、及び
成形シートを射出成形型に挿入し、射出成形型を閉じ、流動状態の樹脂を射出成形型内に射出して樹脂と成形シートを一体化する一体化工程。
本発明の積層シートを、所定形状の成形面を有する可動金型の当該成形面に対し、積層シートが対面するように設置した後、当該積層シートを加熱、軟化させると共に、可動金型側から真空吸引して、軟化した積層シートを当該可動金型の成形面に沿って密着させることにより、積層シートを予備成形する予備成形工程、
成形面に沿って密着された積層シートを有する可動金型と固定金型とを型締めした後、両金型で形成されるキャビティ内に、流動状態の樹脂を射出、充填して固化させることにより樹脂成形体を形成し、樹脂成形体と積層シートを積層一体化させる一体化工程、及び
可動金型を固定金型から離間させて、積層シート全層が積層されてなる樹脂成形体を取り出す取出工程。
これらの熱硬化性樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
<実施例1〜2及び比較例1〜3>
表面保護層としてアクリル樹脂フィルム(厚さ;75μm)を用い、アクリル樹脂フィルムの上に、バインダー樹脂として塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂/アクリル樹脂を含むインキをグラビアコートにより印刷し、装飾層(カラークリア層、厚さ;1μm、ブラウン色)を形成した。次に、アンカー層として表1に示す樹脂をグラビア印刷により形成した(厚さ1μm)。アンカー層は、装飾層の表面上に部分的(ライン調の柄)に印刷した。次に、粒子径が10μm程度、厚さが50nm程度のアルミニウム顔料(蒸着により形成された金属薄膜を粉砕して作製されたフレーク状、100質量部)及び塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(100質量部)を含む高輝度インキ組成物を、主としてメチルエチルケトンを含む溶剤に溶解し、グラビアコートにより印刷し、高輝度インキ層を形成した。なお、隠蔽性の向上のため、高輝度インキは2層印刷した(高輝度インキ層の総厚み2μm)。次に、ポリエステルポリオールからなる接着剤をグラビアコートにより印刷し、ドライラミネートによりABS樹脂からなる基材層(厚さ400μm)と貼り合わせることで、積層シートを得た。実施例1〜2及び比較例1〜3の積層シートの層構成は、図1に示すような構成である。なお、比較例3では、アンカー層を設けなかった。
積層シートを成形し、平面部分と曲面部分(R=1cm)の2箇所でフリップフロップ性の評価を行った。各箇所について、真正面から見た時を90°とし、90°、25°の方向から積層シートを見た時の見え方を表1に示す。また、意匠のフリップフロップ性は、90°と25°の方向での柄の見え方の差の大きさについて、以下の基準により評価した。
〇:見え方にはっきりとした差がある
△:見え方にやや差がある
×:見え方に差が無い
<実施例3〜4及び比較例4〜6>
基材層として、ABS樹脂フィルム(厚さ400μm)を用い、ABS樹脂フィルムの上に、アンカー層として表2に示す樹脂をグラビアコートにより印刷した(厚さ1μm)。アンカー層は、ABS樹脂フィルムの表面上に部分的(ライン調の柄)に印刷した。次に、粒子径が10μm程度、厚さが50nm程度のアルミニウム顔料(蒸着により形成された金属薄膜を粉砕して作製されたフレーク状、100質量部)及び塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(100質量部)を含む高輝度インキ組成物を、主としてメチルエチルケトンを含む溶剤に溶解し、グラビアコートにより印刷し、高輝度インキ層を形成した。なお、隠蔽性の向上のため、高輝度インキは2層印刷した(高輝度インキ層の総厚み2μm)。次に、高輝度インキ層の表面に、バインダー樹脂として塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂/アクリル樹脂を含むインキをグラビアコートにより印刷し、装飾層(カラークリア層、厚さ;1μm、ブラウン色)を形成した。次に、装飾層の表面にアクリル樹脂からなるプライマー層を厚さ1μmとなるようグラビアコートにより印刷した。次に、プライマー層の表面に表面保護層として下記の電離放射性硬化型(EB)樹脂組成物を樹脂組成物の硬化後の厚さが10μmとなるようにグラビアコートにより印刷し、この未硬化樹脂層に加速電圧165kV、照射強度50kGy(5Mrad)の電子線を照射して、電離放射性硬化型樹脂組成物を硬化させて積層シートを得た。実施例3〜4及び比較例4〜6の積層シートの層構成は、図2に示すような構成である。なお、比較例6では、アンカー層を設けなかった。
[電離放射性硬化型樹脂組成物]
アクリルシリコーンアクリレート(重量平均分子量20,000):70質量部
6官能のウレタンアクリレートオリゴマー(重量平均分子量5,000):30質量部
1a…転写用基材層
2…高輝度インキ層
3…アンカー層
4…表面保護層
5…装飾層
6…接着層
7…プライマー層
8…離型層
9…成形樹脂層
10…支持体
11…転写層
Claims (14)
- 少なくとも、顔料を含む高輝度インキ層と、熱可塑性樹脂を含むアンカー層とが隣接するように積層されており、
前記アンカー層は、前記高輝度インキ層の上に部分的に形成されており、
前記アンカー層に含まれる熱可塑性樹脂の平均酸価が30mgKOH/g以上である、積層シート。 - 前記顔料の形状が、鱗片状である、請求項1に記載の積層シート。
- 前記高輝度インキ層に含まれる顔料が、粒子径が20μm以下、厚みが100nm以下の金属顔料である、請求項1または2に記載の積層シート。
- 表面保護層をさらに備える、請求項1〜3のいずれかに記載の積層シート。
- 基材層をさらに備える、請求項1〜4のいずれかに記載の積層シート。
- 前記高輝度インキ層と、前記アンカー層と、表面保護層とがこの順に積層されている、請求項1〜5のいずれかに記載の積層シート。
- 基材層と、前記高輝度インキ層と、前記アンカー層と、表面保護層とがこの順に積層されている、請求項1〜6のいずれかに記載の積層シート。
- 基材層と、前記アンカー層と、前記高輝度インキ層と、表面保護層とがこの順に積層されている、請求項1〜5のいずれかに記載の積層シート。
- 前記高輝度インキ層と、前記アンカー層と、表面保護層と、転写用基材層とがこの順に積層されている、請求項1〜5のいずれかに記載の積層シート。
- 成形樹脂を加飾するための加飾シートである、請求項1〜9のいずれかに記載の積層シート。
- 顔料を含む高輝度インキ層と、熱可塑性樹脂を含むアンカー層と、転写用基材層とがこの順に積層されたシートであって、
前記アンカー層と、前記高輝度インキ層とが隣接するように積層されており、
前記アンカー層は、前記高輝度インキ層の上に部分的に形成されており、
前記アンカー層に含まれる熱可塑性樹脂の平均酸価が30mgKOH/g以上である、積層シートを製造するためのシート。 - 顔料を含む高輝度インキ層と、熱可塑性樹脂を含むアンカー層と、表面保護層と、転写用基材層とがこの順に積層されたシートである、請求項11に記載のシート。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の積層シートの製造方法であって、
平均酸価が30mgKOH/g以上である熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物によりアンカー層を形成した後に、顔料を含む高輝度インキ層を前記アンカー層の上に積層する工程を備える、積層シートの製造方法。 - 少なくとも、成形樹脂層の上に、顔料を含む高輝度インキ層と、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物により形成されたアンカー層とが隣接するように積層された積層体からなり、
前記アンカー層は、前記高輝度インキ層の上に部分的に形成されており、
前記アンカー層に含まれる熱可塑性樹脂の平均酸価が30mgKOH/g以上である、加飾樹脂成形品。
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