JP2019208458A - 製麹装置及び製麹方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置の大型化を防ぎ自動化に適した構成であり、かつ製麹に最適な空調を実現できる製麹装置及び製麹方法を提供する。【解決手段】製麹室3を通風可能な培養床6によって床上4と床下5に仕切り、培養床6上に麹基質7を堆積させて製麹を行う製麹装置1であって、麹基質7に空気を通風させる基質通風手段20と、床上4の空間中の水蒸気を除く水分除去手段11、14と、水分除去手段11、14の運転を制御する制御機構10とを備えており、水分除去手段11、14は、麹基質7近傍と水分除去手段11、14近傍との間に水蒸気分圧差を発生させ、強制的な空気の流れがない静的環境のもとで麹基質7近傍の水蒸気の除去を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、一般酵素工業や醸造工業における固体培養(製麹)に関するものであり、より詳しくは製麹室を通風可能な培養床によって床上と床下に仕切り、培養床上に麹基質を堆積させて製麹を行う製麹装置及び製麹方法に関する。
固体培養では、培養環境を適正に調整、維持する必要があり、特に培養室内の雰囲気又は固体培養基質(麹基質)近傍の雰囲気を適正な温湿度に調整、維持することが重要である。このことは、清酒製造における製麹が酒質を左右することからも理解される。製麹の例では、培養方法として、蓋麹法、箱麹法、大量生産を目的とした機械製麹法等がある。
このうち機械製麹法では、麹の引込みから排出までを無人化した装置や、近年生産が増えている吟醸酒、大吟醸酒用の高品質の麹を杜氏の経験や勘に頼らず自動で生産できる装置も多く導入されている。
より具体的には、機械製麹法に用いる製麹装置として、薄層により高品質の麹を生産する製麹装置や、布等で麹基質周辺を覆い、伝統的な麹造りに近い無通風による製麹を行う製麹装置が用いられている。
また、特許文献1には、麹基質表面から天井面までの床上空間を送風機を使用して温度制御する製麹装置が開示され、特許文献2には、培養床から底面までの床下空間を、送風機を使用して循環させ空調制御できる床下循環ダクトを設けた製麹装置が開示されている。
特開昭62−269678号公報 実開昭62−193900号公報
しかしながら、薄層により高品質の麹を生産する製麹装置は、大量生産する場合には設備が大型化してしまい、布等で麹基質周辺を覆って用いる製麹装置では、布等の着脱の自動化が困難であった。
また、特許文献1に開示された麹基質表面から天井面までの床上空間を送風機を使用して温度制御する製麹装置では、送風した空気が積極的に麹基質表面に当たるため、平面的に品質が不均一になる問題がある。また、麹基質の品温が設定上限を超えた場合、麹基質の下方から上方へ、品温が設定下限になるまで基質通風を行うが、空調制御されていない床下空間の空気で基質通風を行うこととなり、麹基質の品温が高さ方向で大きく異なり、その結果酵素力価も大きくばらつく問題があった。
特許文献2に開示された床下循環可能なダクトを設けた装置において、床下空間を空調制御し、麹基質の品温が設定上限を超えた場合に基質通風を行う製麹装置では、麹基質の品温が高さ方向で大きく異なることはなくなるが、基質通風を行っていない時は、麹基質表面から天井面までの床上空間の空調を行っていないので、床上空間の湿度は高い状態となり、麹基質からの水分蒸発が不十分となり、高品質の麹を安定的に生産するのが困難であった。
本発明は、前記のような従来の問題を解決するものであり、装置の大型化を防ぎ自動化に適した構成であり、かつ製麹に最適な空調を実現できる製麹装置及び製麹方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の製麹装置は、製麹室を通風可能な培養床によって床上と床下に仕切り、前記培養床上に麹基質を堆積させて製麹を行う製麹装置であって、前記麹基質に空気を通風させる基質通風手段と、前記床上の空間中の水蒸気を除く水分除去手段と、前記水分除去手段の運転を制御する制御機構とを備えており、前記水分除去手段は、前記麹基質近傍と前記水分除去手段近傍との間に水蒸気分圧差を発生させ、強制的な空気の流れがない静的環境のもとで前記麹基質近傍の水蒸気の除去を行うことを特徴とする。
本発明の製麹方法は、製麹室を通風可能な培養床によって床上と床下に仕切り、前記培養床上に麹基質を堆積させて製麹を行う製麹方法であって、前記麹基質に空気を通風させる基質通風手段と、前記床上の空間中の水蒸気を除く水分除去手段とを設け、前記水分除去手段により、前記麹基質近傍と前記水分除去手段近傍との間に水蒸気分圧差を発生させ、強制的な空気の流れがない静的環境のもとで前記麹基質近傍の水蒸気の除去を行うことを特徴とする。
前記本発明の製麹装置及び製麹方法によれば、基質通風により、培養床上の麹基質の層厚を大きくでき、かつ布等で麹基質周辺を覆うことは不要であるので、装置の大型化を防ぎ自動化に適した構成とすることができ、強制的な空気の流れがない静的環境のもとで床上が除湿されるので、製麹に最適な制御を実現でき、麹基質の平面において除湿の均一性を高めることができる。
前記本発明の製麹装置及び製麹方法は、清酒用米麹の製麹に適したものである。
前記本発明の製麹装置においては、前記制御機構は、時系列的に目標値を設定した培養ステージに設定された床上の目標湿度に基づき前記水分除去手段の能力を変更することが好ましく、前記本発明の製麹方法においては、時系列的に目標値を設定した培養ステージに設定された床上の目標湿度に基づき前記水分除去手段の能力を変更することが好ましい。
前記水分除去手段の能力を変更する好ましい構成においては、品温測定値と品温設定値の偏差の大きさに応じて、前記床上の目標湿度を変更することが好ましい。
前記本発明の製麹装置においては、空気が前記麹基質を通過する空気の循環経路と、空気が前記床下内で循環する空気の循環経路とを有していることが好ましく、前記本発明の製麹方法においては、空気が前記麹基質を通過する空気の循環経路と、空気が前記床下内で循環する空気の循環経路とを設けることが好ましい。
前記本発明の製麹装置においては、床下の温湿度を調整する空調機を有しており、前記空調機は空気の加温と加湿を行うための蒸気供給手段を備えていることが好ましく、前記本発明の製麹方法においては、床下の温湿度を調整する空調機を設け、前記空調機に、空気の加温と加湿を行うための蒸気供給手段を設けることが好ましい。この構成によれば、蒸気による加温と加湿が行われ、温度及び湿度の両方が設定値に調整されたものとなり、安定した温湿度で麹基質に対して通風を行うことができる。
本発明の効果は前記のとおりであり、基質通風により、培養床上の麹基質の層厚を大きくでき、かつ布等で麹基質周辺を覆うことは不要であるので、装置の大型化を防ぎ自動化に適した構成とすることができ、強制的な空気の流れがない静的環境のもとで床上が除湿されるので、製麹に最適な制御を実現でき、麹基質の平面において除湿の均一性を高めることができる。
本発明の一実施形態に係る製麹装置の縦断面図。 本発明の一実施形態に係る製麹装置の工程を概略的に示したフローチャート。 図1に示した製麹装置について、床下循環における空気の流れを示した図。 図1に示した製麹装置について、基質通風における空気の流れを示した図。 図1に示した製麹装置の水分除去手段の配置を示す平面図。 水分除去手段の好適な配置を示す平面図。
本発明は、一般酵素工業や醸造工業における固体培養装置(製麹装置)に関するものであり、清酒用米麹の製麹に適したものであり、特に精米歩合50〜75%の製麹に適しているが、製麹の対象に特に限定はなく、味噌用麹や甘酒用麹の製麹にも用いることができる。以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態に係る製麹装置1の縦断面図を示している。
最初に図1を参照しながら、製麹装置1の概要を説明する。製麹装置1は、断熱箱体2に各種ダクトを介して空調機21が接続されている。断熱箱体2の内部は製麹室3であり、製麹室3は培養床6によって床上4と床下5に仕切られている。培養床6は平面視で円形であり中心支柱8を中心として回転する。培養床6の底面は多孔板になっており、培養床6上に堆積させた麹基質7に対して通風が行えるようになっている。
断熱箱体2には、送気ダクト23が取り付けられており、送気ダクト23には送風機22を介して空調機21が取り付けられている。空調機21により空調された空気は、送風機22により送気ダクト23に送風され、送気口26を経て床下5内へ供給される。本実施形態では、バルブ33を開くことにより、外気流通ダクト29から外気を導入可能であるが、基本的には外気を導入することなく装置内で空気を循環させて全工程が実施される。
また、断熱箱体2には、床下循環ダクト25と基質通風ダクト24が取り付けられている。床下5内の空気は、床下循環口27及び床下循環ダクト25を経て排気され、床上4内の空気は、床上排風口28及び基質通風ダクト24を経て排気される。空調機21、送風機22、送気ダクト23及び基質通風ダクト24で基質通風手段20を構成している。基質通風手段20により、麹基質7に空気を通風させることができる。
床上4の上部には、水分除去手段11、14が設置されている。本実施形態では、水分除去手段11、14は、省スペースで伝熱面積を大きくできるフィンチューブ式熱交換器であるが、熱交換器の方式は問わない。また、下記の機能を発揮するものであればよく、熱交換器に限るものではない。
この熱交換器に冷媒を供給すると熱交換器表面が冷却され、熱交換器表面温度が熱交換器近傍の湿り空気の露点温度以下の場合、熱交換器表面に結露が発生する。結露水を製麹装置1外へ排出することで、床上4の空間中から水蒸気を除去できる。詳細は後に説明するが、水分除去手段11、14による水蒸気の除去は、強制的な空気の流れがない静的環境のもとで床上4の空間の水蒸気の除去を行うものであり、製麹装置1は床上4の空気を強制的に循環させて空調制御する機能を有していない。
水分除去手段11、14の運転は制御機構10により制御される。前記のとおり本実施形態では水分除去手段11、14は熱交換器であり、熱交換器に供給する冷媒の流量は、バルブ12、15の開閉にて調整され、除湿能力が調整される。除湿能力の調整はこの機構に限るものではなく、例えば冷媒を供給するポンプの周波数制御でもよく、冷媒の温度変更でもよい。冷媒の種類に特に限定はなく、液体でも気体でもよい。
空調機21内には、蒸気供給手段34が配置されており、バルブ35の開閉調整により、噴出蒸気量を調整可能である。このことにより、空調機21からの送風空気は、蒸気による加温と加湿が行われ、温度及び湿度の両方が設定値に調整されたものとなり、安定した温湿度で麹基質7に対して通風を行うことができる。蒸気供給手段34の配置は、適宜変更してもよく、例えば送気ダクト23内に設けてもよい。
以下、図2〜図4を参照しながら、製麹装置1の各工程について説明する。図2は、製麹装置1の工程を概略的に示したフローチャートである。本図では工程の流れの理解を容易にするため最小限の図示のみ表示している。製麹装置1の工程は、床下循環、基質通風及び水分除去制御の3つの工程に分類される。詳細は適宜説明するが、床下循環(ステップ102)と基質通風(ステップ101)とが交互に繰り返され、その間水分除去制御(ステップ100)が同時進行する。
図3は、図1に示した製麹装置1について、床下循環における空気の流れを示した図である。本図では、空気の流れを線50で示している。制御機構10により、バルブ30及びバルブ32が開いており、バルブ31及びバルブ33が閉じている。このことにより、床下5内の空気は、送風機22により、空調機21、送気ダクト23、送気口26を経て床下5内へ供給され、床下5内を循環する。床下5内の空気は、床下循環口27、床下循環ダクト25及び基質通風ダクト24を経て再度空調機21内に流入する。以後この流れが繰り返され、床下5内の空気は、床上4内に流入することなく、床下5内を循環する。
図4は、図1に示した製麹装置1について、基質通風における空気の流れを示した図である。本図では、空気の流れを線51で示している。制御機構10により、バルブ31及びバルブ32が開いており、バルブ30及びバルブ33が閉じている。このことにより、床上4内の空気は、送風機22により、空調機21、送気ダクト23、送気口26を経て床下5内へ供給され、さらに麹基質7を通過して、床上4に至る。床上4内の空気は、床上排風口28及び基質通風ダクト24を経て再度空調機21内に流入する。以後この流れが繰り返され、床下5内に供給された空気は麹基質7を通過して床上4を経て排気される。
図3の床下循環、図4の基質通風のいずれにおいても、水分除去制御は実施される。本発明の特徴としては、図3において、床上4の空間中の水蒸気は水分除去手段11、14で除かれる。すなわち、麹基質7近傍の空気は麹基質7の発熱により温度は高く、また麹基質7からの水分蒸発により水蒸気分圧が高くなっているが、水分除去手段11、14近傍の空気は、水分除去手段11、14で除湿されて水蒸気分圧が低くなっており、麹基質7近傍と水分除去手段11、14近傍との間に水蒸気分圧差が発生する。このように水蒸気分圧差が発生することにより、水蒸気が麹基質7近傍から床上4の上部へ向かって移動し麹基質7からの水分蒸発が行われる。
他方、送風機を用いた強制循環方式で床上4内を除湿した場合、空調空気が直接麹基質7に接触し、過度に除湿される部分と、除湿が不十分な部分とが混在し、麹基質7には平面的な除湿むらが発生する。本実施形態では、強制的な空気の流れがない静的環境のもとで床上4が除湿されるので、麹基質7の平面において除湿の均一性を高めることができる。
水分除去手段11、14の伝熱面積は、元原料トン当たりの伝熱面積を20〜200mの範囲内とすることが好ましく、100〜160mの範囲内とすることがより好ましい。伝熱面積を大きくし過ぎると、設置スペースも大きくなり、また床上温度が冷え過ぎ、品温との差が大きくなり過ぎ、製麹に悪影響を与え易くなる。伝熱面積を小さくし過ぎると、麹基質7からの水分蒸発に対し除湿能力が下回ってしまうので、目標の床上湿度まで除湿することが困難になる。
前記のとおり、強制的な空気の流れがない静的環境のもとで麹基質7近傍の水蒸気の除去を行う方式により麹基質7の除湿の均一性を高めることができるが、水分除去手段11、14の配置により除湿の均一性をより高めることができる。図5は、図1に示した製麹装置1の水分除去手段11、14の配置を示す平面図であり、中心支柱8に対して左右両側に水分除去手段11、14が配置されている。このことにより、培養床6上の右半分の領域と左半分の領域にそれぞれ、水分除去手段11、14が対応するので、左右の各領域において、麹基質7と水分除去手段11、14との距離が均等になり、除湿の均一性が高まる。
図6は水分除去手段の好適な配置を示す平面図である。本図では水分除去手段61、62、63が、培養床6の中心軸64を中心とする円60に沿って配置されている。この配置では、培養床6上の全体に亘り水分除去手段61、62、63が配置されているので、麹基質7の平面全体に亘り除湿の均一性がより高まる。
水分除去手段の配置については、前記の例に限るものではなく、麹基質7の平面全体に亘り除湿の均一性が高まる配置であればよい。水分除去手段の個数は適宜変更すればよく、1個であっても円環状にする等形状を適宜変更することにより、培養床6上の全体に亘り水分除去手段が配置されることになる。よって、水分除去手段の配置は特に限定はないが、製麹室3を側面視したときに、水分除去手段が培養床6の中心軸64の両側に配置されていることが好ましい。
また、水分除去は強制的な空気の流れがない静的環境のもとで床上4の空間中の水蒸気の除去を行うものであるため、送風機を用いないことを前提としているが、床上4の空間の空気を強制循環させない微風程度の送風能力の送風機の使用を排除するものではない。
以下、実施例を参照しながら、本発明についてさらに具体的に説明する。本実施例に係る製麹装置は、図1に示した製麹装置1と同様の構成とした。本実施例では、下記のとおり湿度は相対湿度を設定したが、相対湿度に限らず絶対湿度でもよい。図1において、製麹装置1は各種温度及び各種湿度に基づいて運転が制御される。麹基質7の上部の品温(以下「品温(上)」という。)は、品温センサ42で測定され、麹基質7の高さ方向における中央部の品温(以下「品温(中)」という。)は、品温センサ43で測定される。
床上4の温度は温度センサ44で測定され、床上4の湿度は、温度センサ44で測定された乾球温度と、温度センサー45で測定された湿球温度より、計算で求めるようにしている。同様に、床下5の温度は温度センサ40で測定され、床下5の湿度は、温度センサ40で測定された乾球温度と、温度センサー41で測定された湿球温度より、計算で求めるようにしている。前記の湿度の測定方法は一例であり他の方法でもよく、単体で湿度を測定できる湿度センサを用いてもよい。
本実施例では、精米歩合50%の山田錦を使用して、清酒用米麹の製麹を行った。常法により洗米工程から床行程を行った麹原料を培養床6上に堆積200mmで盛り込んだ。盛り込み後23時間で出麹とした。本実施例では、盛り込み後13時間以降の麹基質7の品温設定値を43℃とし、床下温度は42℃、床下湿度はRH90%、床上湿度はRH70%に設定した。製麹装置1の運転が開始すると、空調機21で空調された空気が床下5に送り込まれる。品温センサ42、43で測定された品温(上)及び品温(中)の両方が品温上限値以下の場合は、床下循環が実施され(図2のステップ102)、床下5内の空気は、床上4内に流入することなく、床下5内を循環する(図3の線50参照)。
本実施例では、品温上限値は品温設定温度43℃よりも0.5℃高い43.5℃であり、品温下限値は品温設定温度43℃よりも0.5℃低い42.5℃である。品温(上)及び品温(中)のいずれかが品温上限値43.5℃を上回ると、床下循環から基質通風に切り換わり(図2のステップ101)、床下5内に供給された空気は麹基質7を通過して床上4を経て排気される(図4の線51参照)。
品温(上)が品温上限値43.5℃を上回って基質通風に切り換わった場合は、品温(上)が品温下限42.5℃を下回れば、基質通風から床下循環に切り換わり、品温(中)が品温上限値43.5℃を上回って基質通風に切り換わった場合は、品温(中)が品温下限42.5℃を下回れば、基質通風から床下循環に切り換わる。以後、送風機21の運転が停止することなく、空調された空気が床下5内に供給され、品温(上)及び品温(中)の値に応じて、基質通風又は床下循環のいずれかが実施される。
水分除去手段11、14は、培養ステージに設定された床上湿度を目標値として運転を行い、水分除去制御は、基質通風や床下循環とは何ら連動することなく実施される。培養ステージは時系列的に目標値を設定したものであり、詳細は後に説明する。
また、詳細は後に説明するが、品温測定値に応じて床上4の目標湿度を再設定するようにしてもよい。例えば品温測定値と品温設定値の偏差の大きさに応じて、床上4の目標湿度を変更してもよい。例えば、品温(上)が品温設定値43℃よりも低い場合は、床上湿度の目標値をあらかじめ設定されたRH70%より高めのRH80%とし、品温(上)が品温設定値43℃よりも高くなれば、床上湿度の目標値をあらかじめ設定されたRH70%より低めのRH60%として、制御機構10により水分除去手段11、14の運転を行う。
以下、本実施例の運転について時系列的に説明する。盛込み後13時間から出麹までの培養ステージでは、床下5の設定温湿度は42℃、RH90%で、床上4の設定湿度はRH70%であった。このとき、品温(上)の測定値が43.4℃、品温(中)の測定値が43.1℃であり、いずれも品温上限値43.5℃以下であるので床下循環(図2のステップ102、図3の線50参照。)が実施されている。床下循環と同時に水分除去制御(図2のステップ100)が実施されている。
この培養ステージにおける床上4の設定湿度はRH70%であるが、品温(上)の測定値が品温設定値より高いため、品温測定値と品温設定値の偏差の大きさに基づきRH60%に再設定されている(詳細は後に説明)。床下5の温湿度は床下循環により設定通りの42℃、RH90%に制御されており、床上4の湿度は設定通りのRH60%に制御されており、床上4の温度は35℃であった。
以後、麹基質7の発熱により品温(上)が品温上限値である43.5℃を上回ったので、制御機構10により、床下循環から基質通風(図2のステップ101、図4の線51参照)に切り換わった。基質通風時の床下5の温湿度は、設定通りの42℃、RH90%に制御されていた。
品温(上)が42.5℃まで下がると、制御機構10により、基質通風から床下循環に切り換わった。この時点で、品温(中)は41℃、品温(上)は42.5℃であり、麹基質7の高さ方向における品温ばらつきは1.5℃であった。このように、設定通りに空調制御された空気で基質通風を行うため、下部の麹基質7が過度に冷えることはなく、品温(上)と品温(中)との品温差は小さくなる。
本発明の効果を確認するために比較例の運転を行った。比較例は実施例と同一の装置において、水分除去制御を停止したものであり、運転条件は実施例と同じとした。実施例及び比較例の酵素力価の相違を以下の表1に示す。
Figure 2019208458
表1中、上、中、下は麹基質7の高さ方向における位置であり、レンジは最大値と最小値との差である。実施例は比較例に比べ、αアミラーゼ、Gアミラーゼともに高い数値を示した。また、高さ方向のばらつきは小さくなっていた。これは製麹中に水分除去制御を行ったことによる効果と考えられる。すなわち、麹基質7からの水分蒸発が適度に行われないと、麹基質7内部への破精込みが弱く酵素力価が低くなるところ、実施例では水分除去制御を行ったことにより、麹基質7からの水分蒸発が適度に行われ破精込みが良くなり、酵素力価が高くなったと考えられる。
また、麹基質7からの水分蒸発が適度に行われないと、麹基質の上部は常時高温高湿度の環境に置かれるため、麹基質上部の破精込みが特に弱く、酵素力価が高さ方向で大きくばらつくところ、実施例では水分除去制御を行ったことにより、麹基質7から水分蒸発が適度に行われるため、麹基質上部の破精込みが特に弱くなることはなく、酵素力価が高さ方向で大きくばらつくことがなくなったと考えられる。
すなわち、本発明によれば、水分除去制御と床下循環の両方を行うので、麹基質7の高さ方向における酵素力価のばらつきが小さくなり、酵素力価の良好な麹をより均一に生産することができる。このため、堆積200mmでの一定品質以上の麹の大量生産が可能になり、更に、従来の布設置作業等が不要な装置構成であるため、作業性が向上する。このことから本発明は、吟醸用麹の製麹だけではなく、様々な固体培養に適用可能である。
以上、実施例について説明したが、制御機構10が実行する制御プログラムは好適なものに決定すればよい。例えば、時系列的に目標値を設定した培養ステージに基づき水分除去手段11、14の能力を変更するようにしてもよい。ステージとは、例えば製麹開始からの経過時間を設定時間で区切った1区分のことであり、培養ステージは、この1区分毎に目標値を設定したものである。培養ステージの一例を以下の表2に示す。
Figure 2019208458
表2において、品温設定は床下循環や基質通風における目標値であり、床上湿度(RH%)が水分除去制御における目標値である。ステージは、製麹経過時間に基づくものに限るものではなく、製麹経過時間と品温測定値の積の累積に基づいてもよく、麹の発熱具合に基づいてもよい。麹の発熱具合は、単位時間当たりの基質通風回数から判定してもよく、単位時間当たりの品温上昇から判定してもよい。
また、品温測定値に応じて床上4の目標湿度を再設定するようにしてもよい。例えば品温測定値と品温設定値の偏差の大きさに応じて、前記床上の目標湿度を変更してもよく、その一例を以下の表3に示す。
Figure 2019208458
表2のステージ6の品温設定値は43℃であるが、品温測定値がこれよりも0.2℃高い43.2℃であったとすると、表3によれば湿度補正は−10%であるので、床上湿度の目標値であるRH70%(表2のステージ6)はRH60%に補正されることになる。
以上、本発明について説明したが、前記の実施形態、実施例、数値は一例であり、これらに限定されるものではない。構造面では、培養床6は円形に限るものではなく、またセンサの配置や個数を適宜変更してもよい。
1 製麹装置
2 断熱箱体
3 製麹室
4 床上
5 床下
6 培養床
7 麹基質
8 中心支柱
10 制御機構
11,14 水分除去手段
20 基質通風手段
21 空調機
23 送気ダクト
24 基質通風ダクト
25 床下循環ダクト
34 蒸気供給手段

Claims (12)

  1. 製麹室を通風可能な培養床によって床上と床下に仕切り、前記培養床上に麹基質を堆積させて製麹を行う製麹装置であって、
    前記麹基質に空気を通風させる基質通風手段と、
    前記床上の空間中の水蒸気を除く水分除去手段と、
    前記水分除去手段の運転を制御する制御機構とを備えており、
    前記水分除去手段は、前記麹基質近傍と前記水分除去手段近傍との間に水蒸気分圧差を発生させ、強制的な空気の流れがない静的環境のもとで前記麹基質近傍の水蒸気の除去を行うことを特徴とする製麹装置。
  2. 清酒用米麹の製麹に適した請求項1に記載の製麹装置。
  3. 前記制御機構は、時系列的に目標値を設定した培養ステージに設定された床上の目標湿度に基づき前記水分除去手段の能力を変更する請求項1又は2に記載の製麹装置。
  4. 品温測定値と品温設定値の偏差の大きさに応じて、前記床上の目標湿度を変更する請求項3に記載の製麹装置。
  5. 空気が前記麹基質を通過する空気の循環経路と、空気が前記床下内で循環する空気の循環経路とを有している請求項1から4のいずれかに記載の製麹装置。
  6. 床下の温湿度を調整する空調機を有しており、前記空調機は空気の加温と加湿を行うための蒸気供給手段を備えている請求項1から5のいずれかに記載の製麹装置。
  7. 製麹室を通風可能な培養床によって床上と床下に仕切り、前記培養床上に麹基質を堆積させて製麹を行う製麹方法であって、
    前記麹基質に空気を通風させる基質通風手段と、
    前記床上の空間中の水蒸気を除く水分除去手段とを設け、
    前記水分除去手段により、前記麹基質近傍と前記水分除去手段近傍との間に水蒸気分圧差を発生させ、強制的な空気の流れがない静的環境のもとで前記麹基質近傍の水蒸気の除去を行うことを特徴とする製麹方法。
  8. 清酒用米麹の製麹に適した請求項7に記載の製麹方法。
  9. 時系列的に目標値を設定した培養ステージに設定された床上の目標湿度に基づき前記水分除去手段の能力を変更する請求項7又は8に記載の製麹方法。
  10. 品温測定値と品温設定値の偏差の大きさに応じて、前記床上の目標湿度を変更する請求項9に記載の製麹方法。
  11. 空気が前記麹基質を通過する空気の循環経路と、空気が前記床下内で循環する空気の循環経路とを設ける請求7から10のいずれかに記載の製麹方法。
  12. 床下の温湿度を調整する空調機を設け、前記空調機に、空気の加温と加湿を行うための蒸気供給手段を設ける請求項7から11のいずれかに記載の製麹方法。
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