JP2019207136A - 廃液処理方法、および、廃液処理装置 - Google Patents

廃液処理方法、および、廃液処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】放射性核種を含有する有機物を含む廃液について効率的な処理等を実行可能な廃液処理装置等を提供する。【解決手段】実施形態おいて、脱離溶液タンクは、有機物から放射性核種を脱離させる脱離溶液を貯蔵する。沈殿溶液タンクは、有機物から脱離した放射性核種を沈殿させる沈殿溶液を貯蔵する。処理タンクは、廃液タンクから供給された廃液に、脱離溶液タンクから供給された脱離溶液を混合することによって第1混合液を形成した後に、沈殿溶液タンクから供給された沈殿溶液を第1混合液に混合することによって第2混合液を形成する。固液分離部は、処理タンクにおいて形成された第2混合液について固液分離処理を実行することによって、液体成分と固体成分とに分離する。イオン交換部は、固液分離部において分離された液体成分についてイオン交換処理を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、廃液処理方法、および、廃液処理装置に関する。
廃液から除去対象を除去する処理を行うために廃液処理装置が用いられている。たとえば、原子力発電所においては、廃液(機器ドレン廃液など)から除去対象である放射性核種を除去するために、放射性廃棄物処理設備が用いられている。
放射性廃棄物処理設備では、放射性核種を除去するために、濾過脱塩処理が行われる。しかし、放射性核種を十分に除去することが困難な場合がある。その場合、集中環境施設において濃縮装置を用いて廃液の処理を行う。その後、濃縮された廃液を、たとえば、セメントを用いて固化している。
特に、放射性核種を含有する有機物を含む廃液には、たとえば、中性の有機錯体の形態で存在する放射性核種のように、濾過脱塩処理では除去が困難な放射性核種が存在する。このため、放射性核種を含有する有機物を含む廃液の処理方法として、オゾンや過酸化水素を用いて廃液中の有機物を分解させた後に、その廃液をイオン交換樹脂に通過させる方法が提案されている。この方法によれば、廃液中の有機物を分解することによって、放射性物質の除去率を向上させることができる。
特開2007−309873号公報 特開2002−228795号公報
しかしながら、上記方法では、分解のために用いたオゾンや過酸化水素が廃液に残存した状態で、廃液がイオン交換樹脂を通過する場合がある。このため、オゾンや過酸化水素によってイオン交換樹脂が劣化する場合がある。その結果、放射性物質の除去を効率的に実行することが困難な場合がある。更に、上記方法では、イオン交換樹脂を交換する頻度が高くなるので、放射性物質を含んだイオン交換樹脂が放射性廃棄物として多量に生ずる可能性がある。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、放射性核種を含有する有機物を含む廃液について、効率的に処理を実行可能であって、廃棄物の増加を抑制可能な、廃液処理装置および廃液処理方法を提供することである。
実施形態の廃液処理装置は、廃液タンクと脱離溶液タンクと沈殿溶液タンクと処理タンクと固液分離部とイオン交換部とを有し、放射性核種を含有する有機物を含む廃液を処理する。廃液タンクは、廃液を貯蔵する。脱離溶液タンクは、有機物から放射性核種を脱離させる脱離溶液を貯蔵する。沈殿溶液タンクは、有機物から脱離した放射性核種を沈殿させる沈殿溶液を貯蔵する。処理タンクは、廃液タンクから供給された廃液に、脱離溶液タンクから供給された脱離溶液を混合することによって第1混合液を形成した後に、沈殿溶液タンクから供給された沈殿溶液を第1混合液に混合することによって第2混合液を形成する。固液分離部は、処理タンクにおいて形成された第2混合液について固液分離処理を実行することによって、液体成分と固体成分とに分離する。イオン交換部は、固液分離部において分離された液体成分についてイオン交換処理を行うことによって、イオン交換処理済み液を得る。
本発明によれば、放射性核種を含有する有機物を含む廃液について、効率的に処理を実行可能であって、廃棄物の増加を抑制可能な、廃液処理装置および廃液処理方法を提供することである。
図1は、第1実施形態に係る廃液処理装置1を模式的に示す図である。 図2は、第1実施形態に係る廃液処理方法を示すフロー図である。 図3は、第1実施形態の変形例に係る廃液処理装置1を模式的に示す図である。 図4は、第2実施形態に係る廃液処理装置1を模式的に示す図である。 図5は、第2実施形態に係る廃液処理方法を示すフロー図である。
<第1実施形態>
[1]廃液処理装置
図1は、第1実施形態に係る廃液処理装置1を模式的に示す図である。
図1に示すように、本実施形態の廃液処理装置1は、廃液タンク10と脱離溶液タンク20と沈殿溶液タンク30と処理タンク40と固液分離部50とイオン交換部60と受けタンク70と制御装置80とを有し、放射性核種を含有する有機物を含む廃液について廃棄処理を実行するように構成されている。
廃液タンク10は、放射性核種を含有する有機物を含む廃液を貯蔵するために設置されている。そして、廃液タンク10に貯蔵された廃液について放射線を測定するために、廃液タンク10には第1の放射線測定部11が設けられている。第1の放射線測定部11は、たとえば、ゲルマニウム半導体検出器、NaI(Tl)シンチレーション検出器、オートガンマスペクトリなどの放射線検出器を含む。そして、廃液タンク10で貯蔵された廃液を処理タンク40に送るように、ポンプP10が設けられている。
脱離溶液タンク20は、廃液に含まれる有機物から放射性核種を脱離させる脱離溶液を貯蔵するために設置されている。そして、脱離溶液タンク20で貯蔵された脱離溶液を処理タンク40に送るように、ポンプP20が設けられている。
沈殿溶液タンク30は、脱離溶液によって有機物から脱離した放射性核種を沈殿させる沈殿溶液を貯蔵するために設置されている。そして、沈殿溶液タンク30で貯蔵された沈殿溶液を処理タンク40に送るように、ポンプP30が設けられている。
処理タンク40は、撹拌機41を備えており、廃液タンク10から供給された廃液と、脱離溶液タンク20から供給された脱離溶液と、沈殿溶液タンク30から供給された沈殿溶液とを混合するように構成されている。詳細については後述するが、処理タンク40では、まず、撹拌機41を用いて、廃液タンク10から供給された廃液と、脱離溶液タンク20から供給された脱離溶液とを混合することによって、第1混合液を形成する。その後、処理タンク40は、撹拌機41を用いて、沈殿溶液タンク30から供給された沈殿溶液と、その第1混合液とを混合することによって、第2混合液を形成する。そして、処理タンク40で得た第2混合液を固液分離部50に送るように、ポンプP40が設けられている。
固液分離部50は、たとえば、フィルターを備えており、処理タンク40から供給された第2混合液がフィルターを通過することで固液分離処理を実行し、第2混合液を液体成分と固体成分とに分離するために設置されている。
イオン交換部60は、イオン交換樹脂(カチオン交換樹脂)を含むイオン交換樹脂塔であって、固液分離部50において分離された液体成分についてイオン交換処理(脱塩処理)を行うことによって、イオン交換処理済み液を得るために設置されている。
受けタンク70は、イオン交換部60で得られたイオン交換処理済み液を受けて貯蔵するために設置されている。そして、受けタンク70に貯蔵されたイオン交換処理済み液について放射線を測定するために、受けタンク70には第2の放射線測定部71が設けられている。第2の放射線測定部71は、第1の放射線測定部11と同様に、たとえば、ゲルマニウム半導体検出器、NaI(Tl)シンチレーション検出器などの放射線検出器を含む。さらに、受けタンク70からイオン交換処理済み液を廃液として処理タンク40へ戻すように、ポンプP70が設置されている。
制御装置80は、たとえば、メモリ装置が記憶しているプログラムを用いて演算器が演算処理を行うことによって、廃液処理装置1を構成する各部の動作を制御するように構成されている。ここでは、制御装置80は、たとえば、オペレータによって入力された操作指令に応じて、各ポンプP10〜P40,P70の動作を制御する。また、制御装置80は、第1の放射線測定部11で測定された放射線の値が、予め定めた値以上である場合には、廃液タンク10から廃液を処理タンク40へ供給するように、ポンプP10の動作を制御する。この他に、制御装置80は、第2の放射線測定部71で測定された放射線の値が、予め定めた値以上である場合には、受けタンク70からイオン交換処理済み液を廃液として処理タンク40へ戻すように、ポンプP70の動作を制御する。
[2]処理方法
上記した廃液処理装置を用いて実行する廃液処理方法に関して具体的に説明する。
図2は、第1実施形態に係る廃液処理方法を示すフロー図である。
[2−1]放射線の測定値が所定値以下か否か(ST10)
図2に示すように、まず、放射線の測定値が所定値以下か否かの判断を実行する(ST10)。
ここでは、図1に示すように、廃液タンク10に貯蔵された廃液について、第1の放射線測定部11が放射線の測定を行い、その放射線の測定値を制御装置80へ出力信号として出力する。そして、その放射線の測定値が、予め定めた所定値以下か否かの判断を制御装置80が実行する。
そして、放射線の測定値が所定値以下である場合(Yes)には、図2に示すように、処理を完了する。
[2−2]放射性物質の脱離処理(ST20)
これに対して、放射線の測定値が所定値以下でない場合(No)には、図2に示すように、放射性物質の脱離処理を実行する(ST20)。
ここでは、図1に示すように、廃液タンク10に貯蔵された廃液を処理タンク40へ移送するようにポンプP10の駆動を開始し、処理タンク40に移送された廃液が予め定めた量に到達したときに、ポンプP10の駆動を停止する。その後、脱離溶液タンク20に貯蔵された脱離溶液を処理タンク40へ移送するようにポンプP20の駆動を開始し、処理タンク40に移送された脱離溶液が予め定めた量に到達したときに、ポンプP20の駆動を停止する。
脱離溶液は、プロトン(水素イオン)を含む水溶液である。脱離溶液は、たとえば、塩酸とギ酸とシュウ酸とのうち少なくとも1つを含む水溶液であることが好ましい。その他、脱離溶液は、クエン酸の水溶液であってもよい。
そして、処理タンク40において廃液と脱離溶液とを混合することによって、有機物から放射性核種が脱離した第1混合液を得る。詳細については後述するが、脱離溶液の混合は、第1混合液のpHが、たとえば、4以下になるように実行される。
第1混合液では、たとえば、放射性核種(Co)が有機物の構成元素として存在していた状態から、イオン(Co2+)として存在するように変わる。
[2−3]放射性物質の沈殿化処理(ST30)
つぎに、図2に示すように、放射性物質の沈殿化処理を実行する(ST30)。
ここでは、図1に示すように、沈殿溶液タンク30に貯蔵された沈殿溶液を処理タンク40へ移送するようにポンプP30の駆動を開始し、処理タンク40に移送された沈殿溶液が予め定めた量に到達したときに、ポンプP30の駆動を停止する。
沈殿溶液は、水酸基イオンを含むアルカリ性水溶液である。沈殿溶液は、たとえば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液であり、水酸化ナトリウム水溶液が特に好ましい。
そして、処理タンク40において第1混合液と沈殿溶液とを混合することによって、脱離した放射性核種が沈殿した第2混合液を得る。詳細については後述するが、沈殿溶液の混合は、第2混合液のpHが8を超えるように実行される。
下記の化学式(1)に例示するように、第2混合液では、イオンとして存在する放射性核種(式中のCo2+)が反応して、水に不溶な物質(式中のCo(OH))に変わって沈殿する。
Figure 2019207136
[2−4]固液分離処理(ST40)
つぎに、図2に示すように、固液分離処理を実行する(ST40)。
ここでは、図1に示すように、処理タンク40で形成された第2混合液を固液分離部50へ移送するように、ポンプP40の駆動を実行する。固液分離部50において第2混合液について固液分離処理を実行されることによって、第2混合液が液体成分(ろ液)と固体成分(ろ物)とに分離される。
[2−5]イオン交換処理(ST50)
つぎに、図2に示すように、イオン交換処理を実行する(ST50)。
ここでは、図1に示すように、固液分離部50において分離された液体成分(ろ液)についてイオン交換部60がイオン交換処理を行うことによって、液体成分(ろ液)にイオンの状態で残存した放射性核種が除去されたイオン交換処理済み液を得る。イオン交換部60で得られたイオン交換処理済み液は、受けタンク70に流れ、受けタンク70で貯蔵される。
[2−6]放射線の測定値が所定値以下か否か(ST60)
つぎに、図2に示すように、放射線の測定値が所定値以下か否かの判断を実行する(ST60)。
ここでは、図1に示すように、受けタンク70に貯蔵されたイオン交換処理済み液について、第2の放射線測定部71が放射線の測定を行い、その放射線の測定値を制御装置80へ出力信号として出力する。そして、その放射線の測定値が、予め定めた所定値以下か否かの判断を制御装置80が実行する。
そして、放射線の測定値が所定値以下である場合(Yes)には、図2に示すように、処理を完了する。
これに対して、放射線の測定値が所定値以下でない場合(No)には、図1に示すように、受けタンク70に貯蔵されたイオン交換処理済み液を処理タンク40へ移送するようにポンプP70の駆動を実行した後に、図2に示すように、放射性物質の脱離処理(ST20)以降の動作を順次実行する。
[3]まとめ
以上のように、本実施形態では、放射性核種を含有する有機物を含む廃液に脱離溶液を混合することによって、有機物から放射性核種が脱離した第1混合液を得る。つぎに、第1混合液に沈殿溶液を混合することによって、放射性核種が沈殿した第2混合液を得る。つぎに、第2混合液について固液分離処理を実行することによって、液体成分と固体成分とに分離する。つぎに、その分離された液体成分についてイオン交換処理を行うことによって、イオン交換処理済み液を得る。
本実施形態では、オゾンや過酸化水素を用いて有機物の分解を行わないので、イオン交換樹脂の劣化を抑制可能である。このため、本実施形態では、放射性物質の除去を効率的に実行することができる。また、イオン交換樹脂を交換する頻度を小さくすることが可能であるので、放射性物質を含んだイオン交換樹脂が放射性廃棄物として多量に生ずることを防止可能である。
[4]変形例
図3は、第1実施形態の変形例に係る廃液処理装置1を模式的に示す図である。
図3に示すように、本変形例では、上記の第1実施形態の場合と異なり、固液分離部50を迂回するように、処理タンク40とイオン交換部60との間を連通するバイパス流路F40bが設けられている。そして、バイパス流路F40bには、ポンプP40bが設置されている。
本変形例では、処理タンク40に収容された第2混合液の固形分を沈降させることによって、第2混合液を上澄み液部分と沈殿物部分とに分離する。そして、その第2混合液の上澄み液について、バイパス流路F40bを介してポンプP40bがイオン交換部60に供給する。このため、第2混合液の上澄み液に残留する放射性核種のイオンは、固液分離部50を経由せずに、直接的にイオン交換部60において除去される。その結果、本変形例では、処理の効率を更に向上させることができる。
[5]実施例
以下より、第1実施形態に関する実施例に関して表1を用いて説明する。
Figure 2019207136
表1に示す各例においては、まず、放射性核種を含有する有機物を含む廃液として模擬廃液を準備した。模擬廃液の準備では、コバルトイオンを含むコバルト溶液をカチオン交換樹脂に通過させることで、コバルトイオンをカチオン交換樹脂に吸着させた。その後、コバルトが付着したカチオン交換樹脂を純水で洗浄した。そして、そのコバルトが付着したカチオン交換樹脂と、アニオン交換樹脂とを混合した。ここでは、コバルトが付着したカチオン交換樹脂の体積に対して、アニオン交換樹脂の体積が2倍になるように、混合を行った。そして、その樹脂の混合物を水に浸漬させて、劣化処理を施した。劣化処理としては、過酸化水素の添加による酸化劣化処理を行った。そして、その樹脂の混合物が浸漬された水の上澄み液を、模擬廃液として用いた。
その後、上記のように準備した模擬廃液について、表1に示すように、脱塩処理などの処理を実行した。各例において実行した処理の条件等に関して、順次、説明する。なお、ここでは、模擬廃液がコバルトを含む場合について説明しているが、コバルト以外の鉄族元素を含む場合であっても同様である。
[5−1]例A1から例A3について
[5−1−1]例A1
例A1では、まず、脱離処理を実行した(ST20)。脱離処理では、塩酸を含む脱離溶液(塩酸水溶液)を模擬廃液に混合することによって、有機物からコバルトが脱離した第1混合液を得た。ここでは、第1混合液のpHが2になるように、脱離溶液の混合を実行した。
つぎに、沈殿化処理を実行した(ST30)。沈殿化処理では、水酸化ナトリウムを含む沈殿溶液と第1混合液とを混合することによって、脱離したコバルトが沈殿した第2混合液を得た。ここでは、第2混合液のpHが10になるように、沈殿溶液の混合を実行した。
つぎに、固液分離処理を実行した(ST40)。ここでは、濾過度が0.45μmであるフィルタを用いて固液分離処理を実行することによって、第2混合液を液体成分(ろ液)と固体成分(ろ物)とに分離した。
つぎに、イオン交換処理を実行した(ST50)。ここでは、固液分離処理で分離された液体成分(ろ液)をカチオン交換樹脂に通過させることによって、液体成分(ろ液)においてイオンの状態で残存したコバルトが除去されたイオン交換処理済み液を得た。
[5−1−2]例A2
例A2では、脱離処理(ST20)において、ギ酸を含む脱離溶液(ギ酸水溶液)をを用いた。この点を除き、例A2では、例A1の場合と同様に、各処理を実行した。
[5−1−3]例A3
例A3では、脱離処理(ST20)において、シュウ酸を含む脱離溶液(シュウ酸水溶液)を用いた。この点を除き、例A3では、例A1の場合と同様に、各処理を実行した。
[5−1−4]例A1から例A3のまとめ
表1に示すように、例A1から例A3に関して、脱離処理を開始する前の模擬廃液のコバルト濃度(ppb)と、イオン交換処理を実行した後のイオン交換処理済み液のコバルト濃度(ppb)とを測定した。コバルト濃度(ppb)の測定は、誘導結合プラズマ質量分析計(ICP−MS)を用いて行った。
表1に示すように、例A1から例A3では、各処理を実行することで、コバルト濃度が大きく低減した。
[5−2]例B1から例B3について
[5−2−1]例B1
例B1では、例A1と同様に、塩酸を含む脱離溶液を用いて脱離処理(ST20)を実行した。その後、例A1と同様に、水酸化ナトリウムを含む沈殿溶液を用いて沈殿化処理(ST30)を実行することで、脱離したコバルトが沈殿した第2混合液を得た。
[5−2−2]例B2
例B2では、脱離処理(ST20)において、ギ酸を含む脱離溶液を用いた。この点を除き、例B2では、例B1の場合と同様に、各処理を実行した。
[5−2−3]例B3
例B3では、脱離処理(ST20)において、シュウ酸を含む脱離溶液を用いた。この点を除き、例B3では、例B1の場合と同様に、各処理を実行した。
[5−2−4]例B1から例B3のまとめ
表1に示すように、例B1から例B3に関して、脱離処理を開始する前の模擬廃液のコバルト濃度(ppb)と、沈殿化処理を実行した後の第2混合液のコバルト濃度(ppb)とを測定した。第2混合液のコバルト濃度(ppb)は、変形例で示したように、第2混合液の固形分を沈降させることによって、第2混合液を上澄み液部分と沈殿物部分とに分離した後に、その第2混合液の上澄み液についてコバルト濃度(ppb)の測定を行った。コバルト濃度(ppb)の測定は、誘導結合プラズマ質量分析計(ICP−MS)を用いて行った。
表1に示すように、例B1から例B3では、沈殿化処理を実行することで、コバルト濃度が大きく低減した。
[5−3]例C1から例C3について
[5−3−1]例C1
例C1では、例B1と同様に、塩酸を含む脱離溶液を用いて脱離処理(ST20)を実行した。ここでは、第1混合液のpHが2になるように、脱離溶液の混合を実行した。その後、例B1と同様に、水酸化ナトリウムを含む沈殿溶液を用いて沈殿化処理(ST30)を実行することで、脱離したコバルトが沈殿した第2混合液を得た。
[5−3−2]例C2
例C2では、塩酸を含む脱離溶液を用いて脱離処理(ST20)を実行した。ここでは、例C1と異なり、第1混合液のpHが3になるように、脱離溶液の混合を実行した。この点を除き、例C2では、例C1の場合と同様に、沈殿化処理(ST30)を実行した。
[5−3−3]例C3
例C3では、塩酸を含む脱離溶液を用いて脱離処理(ST20)を実行した。ここでは、例C1と異なり、第1混合液のpHが4になるように、脱離溶液の混合を実行した。この点を除き、例C3では、例C1の場合と同様に、沈殿化処理(ST30)を実行した。
[5−3−4]例C1から例C3のまとめ
表1に示すように、例C1から例C3に関して、脱離処理を開始する前の模擬廃液のコバルト濃度(ppb)と、沈殿化処理を実行した後の第2混合液のコバルト濃度(ppb)とを測定した。第2混合液のコバルト濃度(ppb)は、変形例で示したように、第2混合液の固形分を沈降させることによって、第2混合液を上澄み液部分と沈殿物部分とに分離した後に、その第2混合液の上澄み液についてコバルト濃度(ppb)の測定を行った。
表1に示すように、例C1から例C3では、第1混合液のpHが4以下になるように脱離溶液を混合して脱離処理(ST20)を実行した後に、沈殿化処理を実行することで、コバルト濃度が大きく低減した。
[5−4]例D1から例D3について
[5−4−1]例D1
例D1では、例B1と同様に、塩酸を含む脱離溶液を用いて脱離処理(ST20)を実行した。ここでは、第1混合液のpHが2になるように、脱離溶液の混合を実行した。その後、水酸化ナトリウムを含む沈殿溶液を用いて沈殿化処理(ST30)を実行することで、脱離したコバルトが沈殿した第2混合液を得た。ここでは、例B1の場合と異なり、第2混合液のpHが6になるように、沈殿溶液の混合を実行した。
[5−4−2]例D2
例D2では、例D1と同様に、脱離処理(ST20)を実行した。その後、水酸化ナトリウムを含む沈殿溶液を用いて沈殿化処理(ST30)を実行することで、脱離したコバルトが沈殿した第2混合液を得た。ここでは、例D1の場合と異なり、第2混合液のpHが7になるように、沈殿溶液の混合を実行した。
[5−4−3]例D3
例D3では、例D1と同様に、脱離処理(ST20)を実行した。その後、水酸化ナトリウムを含む沈殿溶液を用いて沈殿化処理(ST30)を実行することで、脱離したコバルトが沈殿した第2混合液を得た。ここでは、例D1の場合と異なり、第2混合液のpHが8になるように、沈殿溶液の混合を実行した。
[5−4−4]例D4
例D4では、例D1と同様に、脱離処理(ST20)を実行した。その後、水酸化ナトリウムを含む沈殿溶液を用いて沈殿化処理(ST30)を実行することで、脱離したコバルトが沈殿した第2混合液を得た。ここでは、例D1の場合と異なり、第2混合液のpHが9になるように、沈殿溶液の混合を実行した。
[5−4−5]例D5
例D5では、例D1と同様に、脱離処理(ST20)を実行した。その後、水酸化ナトリウムを含む沈殿溶液を用いて沈殿化処理(ST30)を実行することで、脱離したコバルトが沈殿した第2混合液を得た。ここでは、例D1の場合と異なり、第2混合液のpHが10になるように、沈殿溶液の混合を実行した。
[5−3−6]例D1から例D5のまとめ
表1に示すように、例D1から例D5に関して、脱離処理を開始する前の模擬廃液のコバルト濃度(ppb)と、沈殿化処理を実行した後の第2混合液のコバルト濃度(ppb)とを測定した。第2混合液のコバルト濃度(ppb)は、変形例で示したように、第2混合液の固形分を沈降させることによって、第2混合液を上澄み液部分と沈殿物部分とに分離した後に、その第2混合液の上澄み液についてコバルト濃度(ppb)の測定を行った。
表1に示すように、例D1から例D5では、第2混合液のpHが8を超えるように沈殿化処理を実行することで、コバルト濃度が低減した。特に、第2混合液のpHが9以上である場合には、コバルト濃度が大きく低減した。
<第2実施形態>
[1]廃液処理装置
図4は、第2実施形態に係る廃液処理装置1を模式的に示す図である。
図4に示すように、本実施形態の廃液処理装置1は、第1実施形態の変形例(図3)と同様に、廃液タンク10と処理タンク40と固液分離部50とイオン交換部60と受けタンク70と制御装置80とを有する。しかし、本実施形態の廃液処理装置1は、第1実施形態の変形例(図3)の場合と異なり、脱離溶液タンク20および沈殿溶液タンク30を備えておらず、脱離沈殿溶液タンク30bを備えている。この点および関連する点を除き、本実施形態は、第1実施形態の変形例(図3)と同様である。このため、重複する事項に関しては、適宜、説明を省略する。
本実施形態の廃液処理装置1において、脱離沈殿溶液タンク30bは、廃液に含まれる有機物から放射性核種を脱離させると共に、その有機物から脱離した放射性核種を沈殿させる脱離沈殿溶液を貯蔵するために設置されている。そして、脱離沈殿溶液タンク30bで貯蔵された脱離沈殿溶液を処理タンク40に送るように、ポンプP30bが設けられている。
[2]処理方法
上記した廃液処理装置1を用いて実行する廃液処理方法に関して具体的に説明する。
図5は、第2実施形態に係る廃液処理方法を示すフロー図である。
[2−1]放射線の測定値が所定値以下か否か(ST10)
図5に示すように、まず、放射線の測定値が所定値以下か否かの判断を実行する(ST10)。
ここでは、第1実施形態の場合と同様に、図4に示すように、廃液タンク10に貯蔵された廃液について、第1の放射線測定部11が放射線の測定を行い、その放射線の測定値が、予め定めた所定値以下か否かの判断を実行する。
そして、放射線の測定値が所定値以下である場合(Yes)には、図5に示すように、処理を完了する。
[2−2]放射性物質の脱離沈殿化処理(ST20b)
これに対して、放射線の測定値が所定値以下でない場合(No)には、図5に示すように、放射性物質の脱離沈殿化処理を実行する(ST20b)。
ここでは、図4に示すように、廃液タンク10に貯蔵された廃液を処理タンク40へ移送するようにポンプP10の駆動を開始し、処理タンク40に移送された廃液が予め定めた量に到達したときに、ポンプP10の駆動を停止する。その後、脱離沈殿溶液タンク30bに貯蔵された脱離沈殿溶液を処理タンク40へ移送するようにポンプP30bの駆動を開始し、処理タンク40に移送された脱離沈殿溶液が予め定めた量に到達したときに、ポンプP30bの駆動を停止する。
脱離沈殿溶液は、たとえば、炭酸塩を含む水溶液である。脱離沈殿溶液は、炭酸塩として、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムのうち少なくとも1つを含む水溶液であることが好ましい。
そして、処理タンク40において廃液と脱離沈殿溶液とを混合することによって、有機物から放射性核種が脱離した混合液を得る。詳細については後述するが、脱離沈殿溶液の混合は、混合液において炭酸塩の濃度が0.001mol/L以上にすることが好ましい。
混合液では、たとえば、放射性核種(Co)が有機物の構成元素として存在していた状態から脱離し、水に不溶な物質(Co(OH))に変わって沈殿する。
[2−3]固液分離処理(ST40)以降
つぎに、図5に示すように、固液分離処理(ST40)、イオン交換処理(ST50)などの処理を順次実行する。
ここでは、図4に示すように、処理タンク40に収容された混合液の固形分を沈降させることによって、混合液を上澄み液部分と沈殿物部分とに分離する。そして、混合液のうち上澄み液については、バイパス流路F40bを介在して処理タンク40からイオン交換部60に移送してイオン交換処理を実行する。混合液のうち沈殿物部分については、処理タンク40から固液分離部50へ移送して固液分離処理を実行した後に、イオン交換部60に供給してイオン交換処理を実行する。
その後、第1実施形態の場合と同様に、放射線の測定値が所定値以下か否かの判断を実行する(ST60)。
[3]まとめ
以上のように、本実施形態では、放射性核種を含有する有機物を含む廃液に脱離沈殿溶液を混合することによって、有機物から放射性核種が脱離し、その脱離した放射性核種が沈殿した混合液を得る。つぎに、その混合液にについて固液分離処理を実行することによって、液体成分と固体成分とに分離する。つぎに、その分離された液体成分についてイオン交換処理を行うことによって、イオン交換処理済み液を得る。
本実施形態では、オゾンや過酸化水素を用いて有機物の分解を行わないので、イオン交換樹脂の劣化を抑制可能である。このため、本実施形態では、放射性物質の除去を効率的に実行することができる。また、イオン交換樹脂を交換する頻度を小さくすることが可能であるので、放射性物質を含んだイオン交換樹脂が放射性廃棄物として多量に生ずることを防止可能である。
[4]実施例
以下より、第2実施形態に関する実施例に関して表2を用いて説明する。
Figure 2019207136
表2に示す各例においては、まず、表1に示した各例の場合と同様に、放射性核種を含有する有機物を含む廃液として模擬廃液を準備した。その後、その準備した模擬廃液について、表2に示すように、脱塩処理などの処理を実行した。各例において実行した処理の条件等に関して、順次、説明する。なお、ここでは、模擬廃液がコバルトを含む場合について説明しているが、コバルト以外の鉄族元素を含む場合であっても同様である。
[4−1]例E1から例E7について
[4−1−1]例E1
例E1では、脱離沈殿化処理(ST20b)を実行せずに、模擬廃液に関して、固液分離処理を実行した(ST40)。ここでは、濾過度が0.45μmであるフィルタを用いて固液分離処理を実行することによって、模擬廃液を液体成分(ろ液)と固体成分(ろ物)とに分離した。
つぎに、イオン交換処理を実行した(ST50)。ここでは、固液分離処理で分離された液体成分(ろ液)をカチオン交換樹脂に通過させることによって、液体成分(ろ液)においてイオンの状態で残存したコバルトが除去されたイオン交換処理済み液を得た。
[4−1−2]例E2
例E2では、例E1と異なり、まず、脱離沈殿化処理を実行した(ST20b)。脱離沈殿化処理では、炭酸カリウムを含む脱離沈殿溶液(炭酸カリウム水溶液)を模擬廃液に混合することによって、有機物から放射性核種が脱離し、その脱離した放射性核種が沈殿した混合液を得た。ここでは、混合液において炭酸カリウムの濃度が0.01mol/Lになるように、脱離沈殿溶液の混合を実行した。
つぎに、固液分離処理を実行した(ST40)。ここでは、例E1と同様に、濾過度が0.45μmであるフィルタを用いて固液分離処理を実行することによって、混合液を液体成分(ろ液)と固体成分(ろ物)とに分離した。
つぎに、イオン交換処理を実行した(ST50)。ここでは、例E1と同様に、固液分離処理で分離された液体成分(ろ液)をカチオン交換樹脂に通過させることによって、液体成分(ろ液)においてイオンの状態で残存したコバルトが除去されたイオン交換処理済み液を得た。
[4−1−3]例E3
例E3では、脱離沈殿化処理(ST20b)において、炭酸水素ナトリウムを含む脱離沈殿溶液(炭酸水素ナトリウム水溶液)を用いた。ここでは、混合液において炭酸水素ナトリウムの濃度が0.01mol/Lになるように、脱離沈殿溶液の混合を実行した。この点を除き、例E3では、例E2の場合と同様に、各処理を実行した。
[4−1−4]例E4
例E4では、脱離沈殿化処理(ST20b)において、炭酸ナトリウムを含む脱離沈殿溶液(炭酸ナトリウム水溶液)を用いた。ここでは、混合液において炭酸ナトリウムの濃度が0.01mol/Lになるように、脱離沈殿溶液の混合を実行した。この点を除き、例E4では、例E2の場合と同様に、各処理を実行した。
[4−1−5]例E5
例E5では、脱離沈殿化処理(ST20b)において、炭酸カルシウムを含む脱離沈殿溶液(炭酸カルシウム水溶液)を用いた。ここでは、混合液において炭酸カルシウムの濃度が0.01mol/Lになるように、脱離沈殿溶液の混合を実行した。この点を除き、例E5では、例E2の場合と同様に、各処理を実行した。
[4−1−6]例E6
例E6では、脱離沈殿化処理(ST20b)において、塩化カルシウムを含む脱離沈殿溶液(塩化カルシウム水溶液)を用いた。ここでは、混合液において塩化カルシウムの濃度が0.01mol/Lになるように、脱離沈殿溶液の混合を実行した。この点を除き、例E6では、例E2の場合と同様に、各処理を実行した。
[4−1−7]例E7
例E7では、脱離沈殿化処理(ST20b)において、塩化マグネシウムを含む脱離沈殿溶液(塩化マグネシウム水溶液)を用いた。ここでは、混合液において塩化マグネシウムの濃度が0.01mol/Lになるように、脱離沈殿溶液の混合を実行した。この点を除き、例E7では、例E2の場合と同様に、各処理を実行した。
[4−1−8]例E1から例E7のまとめ
表2に示すように、例E1から例E7に関して、模擬廃液のコバルト濃度(ppb)と、イオン交換処理を実行した後のイオン交換処理済み液のコバルト濃度(ppb)とを測定した。コバルト濃度(ppb)の測定は、誘導結合プラズマ質量分析計(ICP−MS)を用いて行った。
表2に示すように、例E2から例E4では、脱離沈殿化処理(ST20b)が未実施である例E1に比べて、コバルト濃度が大きく低減した。
[4−2]例F1から例F3について
[4−2−1]例F1
例F1では、例E4と同様に、脱離沈殿化処理(ST20b)において、炭酸ナトリウムを含む脱離沈殿溶液(炭酸ナトリウム水溶液)を用いた。ここでは、例E4の場合と異なり、混合液において炭酸ナトリウムの濃度が0.1mol/Lになるように、脱離沈殿溶液の混合を実行した。この点を除き、例F1では、例E4の場合と同様に、各処理を実行した。
[4−2−2]例F2
例F2では、例F1と同様に、脱離沈殿化処理(ST20b)において、炭酸ナトリウムを含む脱離沈殿溶液(炭酸ナトリウム水溶液)を用いた。ここでは、例F1の場合と異なり、混合液において炭酸ナトリウムの濃度が0.01mol/Lになるように、脱離沈殿溶液の混合を実行した。この点を除き、例F2では、例F1の場合と同様に、各処理を実行した。
[4−2−3]例F3
例F3では、例F1と同様に、脱離沈殿化処理(ST20b)において、炭酸ナトリウムを含む脱離沈殿溶液(炭酸ナトリウム水溶液)を用いた。ここでは、例F1の場合と異なり、混合液において炭酸ナトリウムの濃度が0.001mol/Lになるように、脱離沈殿溶液の混合を実行した。この点を除き、例F3では、例F1の場合と同様に、各処理を実行した。
[4−2−4]例F1から例F3のまとめ
表2に示すように、例F1から例F3に関して、脱離処理を開始する前の模擬廃液のコバルト濃度(ppb)と、脱離沈殿化処理を実行した後の混合液のコバルト濃度(ppb)とを測定した。
表2に示すように、例F1から例F3では、脱離沈殿化処理を実行することで、コバルト濃度が大きく低減した。
[4−3]例G1から例G3について
[4−3−1]例G1
例G1では、例E2と同様に、脱離沈殿化処理(ST20b)において、炭酸カリウムを含む脱離沈殿溶液(炭酸カリウム水溶液)を用いた。ここでは、混合液において炭酸カリウムの濃度が0.01mol/Lになるように、脱離沈殿溶液の混合を実行した。
[4−3−2]例G2
例G2では、例E3と同様に、脱離沈殿化処理(ST20b)において、炭酸水素ナトリウムを含む脱離沈殿溶液(炭酸水素ナトリウム水溶液)を用いた。ここでは、混合液において炭酸水素ナトリウムの濃度が0.01mol/Lになるように、脱離沈殿溶液の混合を実行した。
[4−3−3]例G3
例G3では、例E4と同様に、脱離沈殿化処理(ST20b)において、炭酸ナトリウムを含む脱離沈殿溶液(炭酸ナトリウム水溶液)を用いた。ここでは、混合液において炭酸ナトリウムの濃度が0.01mol/Lになるように、脱離沈殿溶液の混合を実行した。
[4−3−4]例G1から例G3のまとめ
表2に示すように、例G1から例G3に関して、脱離処理を開始する前の模擬廃液のコバルト濃度(ppb)と、脱離沈殿化処理を実行した後の混合液のコバルト濃度(ppb)とを測定した。混合液のコバルト濃度(ppb)は、混合液の固形分を沈降させることによって、混合液を上澄み液部分と沈殿物部分とに分離した後に、その混合液の上澄み液についてコバルト濃度(ppb)の測定を行った。
表2に示すように、例G1から例G3では、混合液の上澄み液部分において、コバルト濃度が大きく低減した。
<その他>
なお、本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階では、上述した実施例以外にも様々な形態で実施することができる。本発明は、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、追加、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…廃液処理装置、10…廃液タンク、11…放射線測定部、20…脱離溶液タンク、30…沈殿溶液タンク、30b…脱離沈殿溶液タンク、40…処理タンク、41…撹拌機、50…固液分離部、60…イオン交換部、70…受けタンク、71…放射線測定部、80…制御装置、F40b…バイパス流路、P10…ポンプ、P20…ポンプ、P30…ポンプ、P30b…ポンプ、P40…ポンプ、P40b…ポンプ、P70…ポンプ

Claims (18)

  1. 放射性核種を含有する有機物を含む廃液を処理する廃液処理装置であって、
    前記廃液を貯蔵する、廃液タンクと、
    前記有機物から前記放射性核種を脱離させる脱離溶液を貯蔵する脱離溶液タンクと、
    前記有機物から脱離した前記放射性核種を沈殿させる沈殿溶液を貯蔵する沈殿溶液タンクと、
    前記廃液タンクから供給された前記廃液に、前記脱離溶液タンクから供給された前記脱離溶液を混合することによって第1混合液を形成した後に、前記沈殿溶液タンクから供給された前記沈殿溶液を前記第1混合液に混合することによって第2混合液を形成する処理タンクと、
    前記処理タンクにおいて形成された前記第2混合液について固液分離処理を実行することによって、液体成分と固体成分とに分離する固液分離部と、
    前記固液分離部において分離された液体成分についてイオン交換処理を行うことによって、イオン交換処理済み液を得るイオン交換部と
    を有する、
    廃液処理装置。
  2. 前記廃液タンクに貯蔵された前記廃液について放射線を測定する第1の放射線測定部
    を有し、
    前記第1の放射線測定部で測定された放射線の値が、予め定めた値以上である場合に、前記廃液タンクから前記廃液を前記処理タンクへ供給する、
    請求項1に記載の廃液処理装置。
  3. 前記イオン交換部で得られたイオン交換処理済み液を受ける受けタンクと、
    前記廃液タンクに貯蔵された前記イオン交換処理済み液について放射線を測定する第2の放射線測定部と
    を有し、
    前記第2の放射線測定部で測定された放射線の値が、予め定めた値以上である場合に、前記受けタンクから前記イオン交換処理済み液を前記廃液として前記処理タンクへ戻す、
    請求項1または2に記載の廃液処理装置。
  4. 前記固液分離部を迂回するように、前記処理タンクと前記イオン交換部との間を連通するバイパス流路が設けられており、
    前記処理タンクに収容された前記第2混合液の固形分を沈降させることによって、第2混合液を上澄み液部分と沈殿物部分とに分離させた後に、前記バイパス流路を介在して前記上澄み液を前記イオン交換部に供給する、
    請求項1から3のいずれかに記載の廃液処理装置。
  5. 前記第1混合液は、pHが4以下である、
    請求項1から4のいずれかに記載の廃液処理装置。
  6. 前記脱離溶液は、塩酸とギ酸とシュウ酸とのうち少なくとも1つを含む水溶液である、
    請求項1から5のいずれかに記載の廃液処理装置。
  7. 前記第2混合液は、pHが8を超える、
    請求項1から6のいずれかに記載の廃液処理装置。
  8. 前記沈殿溶液は、アルカリ性溶液である、
    請求項1から7のいずれかに記載の廃液処理装置。
  9. 前記沈殿溶液は、水酸化ナトリウム水溶液である、
    請求項1から8のいずれかに記載の廃液処理装置。
  10. 放射性核種を含有する有機物を含む廃液を処理する廃液処理方法であって、
    前記廃液に脱離溶液を混合することによって、前記有機物から前記放射性核種が脱離した第1混合液を得る、脱離処理ステップと、
    前記第1混合液に沈殿溶液を混合することによって、前記脱離処理ステップにおいて脱離した前記放射性核種が沈殿した第2混合液を得る、沈殿化処理ステップと、
    前記第2混合液について固液分離処理を実行することによって、液体成分と固体成分とに分離する、固液分離ステップと、
    前記固液分離ステップにおいて分離された液体成分についてイオン交換処理を行うことによって、イオン交換処理済み液を得るイオン交換ステップと
    を有する、
    廃液処理方法。
  11. 放射性核種を含有する有機物を含む廃液を処理する廃液処理装置であって、
    前記廃液を貯蔵する廃液タンクと、
    前記有機物から前記放射性核種を脱離させると共に、当該脱離した前記放射性核種を沈殿させる脱離沈殿溶液を貯蔵する脱離沈殿溶液タンクと
    前記廃液タンクから供給された前記廃液に、前記脱離沈殿溶液タンクから供給された前記脱離沈殿溶液を混合することによって混合液を形成する処理タンクと、
    前記処理タンクにおいて形成された前記混合液について固液分離処理を実行することによって、液体成分と固体成分とに分離する固液分離部と、
    前記固液分離部において分離された液体成分についてイオン交換処理を行うことによって、イオン交換処理済み液を得るイオン交換部と
    を有する、
    廃液処理装置。
  12. 前記廃液タンクに貯蔵された前記廃液について放射線を測定する第1の放射線測定部
    を有し、
    前記第1の放射線測定部で測定された放射線の値が、予め定めた値以上である場合に、前記廃液タンクから前記廃液を前記処理タンクへ供給する、
    請求項11に記載の廃液処理装置。
  13. 前記イオン交換部で得られたイオン交換処理済み液を受ける受けタンクと、
    前記廃液タンクに貯蔵された前記イオン交換処理済み液について放射線を測定する第2の放射線測定部と
    を有し、
    前記第2の放射線測定部で測定された放射線の値が、予め定めた値以上である場合に、前記受けタンクから前記イオン交換処理済み液を前記廃液として前記処理タンクへ戻す、
    請求項11または12に記載の廃液処理装置。
  14. 前記固液分離部を迂回するように、前記処理タンクと前記イオン交換部との間を連通するバイパス流路が設けられており、
    前記処理タンクに収容された前記混合液の固形分を沈降させることによって、第2混合液を上澄み液部分と沈殿物部分とに分離させた後に、前記バイパス流路を介在して前記上澄み液を前記イオン交換部に供給する、
    請求項11から13のいずれかに記載の廃液処理装置。
  15. 前記脱離沈殿溶液は、炭酸塩を含む水溶液である、
    請求項11から14のいずれかに記載の廃液処理装置。
  16. 前記脱離沈殿溶液は、炭酸塩として、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムのうち少なくとも1つを含む、
    請求項15に記載の廃液処理装置。
  17. 前記混合液において、炭酸塩の濃度は、0.001mol/L以上である、
    請求項15または16に記載の廃液処理装置。
  18. 放射性核種を含有する有機物を含む廃液を処理する廃液処理方法であって、
    前記廃液に脱離沈殿溶液を混合することによって、前記有機物から前記放射性核種が脱離し、当該脱離した前記放射性核種が沈殿した混合液を得る、脱離沈殿化処理ステップと、
    前記混合液について固液分離処理を実行することによって、液体成分と固体成分とに分離する、固液分離ステップと、
    前記固液分離ステップにおいて分離された液体成分についてイオン交換処理を行うことによって、イオン交換処理済み液を得るイオン交換ステップと
    を有する、
    廃液処理方法。
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