JP2017211310A - 放射性物質含有廃液の処理方法及び処理装置 - Google Patents

放射性物質含有廃液の処理方法及び処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】放射性物質を含有する廃液を効率的に処理する放射性物質含有廃液の処理方法及び処理装置を提供する。【解決手段】放射性物質を含有する廃液Lのゼータ電位を測定するゼータ電位測定工程S10と、ゼータ電位測定工程S10で測定されたゼータ電位に基づいて、凝集剤を選定する選定工程S20と、廃液Lに選定工程S20で選定された凝集剤を添加して廃液Lに含まれる前記放射性物質を廃液Lから分離する分離工程S30とを備える放射性物質含有廃液の処理方法。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、放射性物質含有廃液の処理方法及び処理装置に関する。
原子力発電所において大規模な事故が発生した場合、大量の放射性元素が飛散し、環境汚染を引き起こすことが懸念される。この環境汚染は、土壌、樹木、建築物、建造物、海洋および湖沼水などの広い範囲にわたる。
上記放射性元素のうち、例えば137Csは、土壌に含有される粒径2μm以下の粘土に吸着されやすいことが知られている。137Csは半減期が30.2年と長く、長期に影響を及ぼすことが想定される。汚染された土壌に含有される放射性元素の大部分は、134Cs、137Cs、90Srである。
土壌の除染方法としては、汚染土壌を水や酸水溶液で洗浄する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このような、土壌の除染により、放射性物質を含有する廃液が発生することがある。
特開2013−178177号公報
本発明は、放射性物質を含有する廃液を効率的に処理する放射性物質含有廃液の処理方法及び処理装置を提供することを目的とする。
本発明の放射性物質含有廃液の処理方法の一態様は、放射性物質を含有する廃液の処理方法であって、前記廃液のゼータ電位を測定するゼータ電位測定工程と、前記ゼータ電位測定工程で測定されたゼータ電位に基づいて、凝集剤を選定する選定工程と、前記廃液に前記選定工程で選定された凝集剤を添加して前記廃液に含まれる前記放射性物質を前記廃液から分離する分離工程とを備える。
本発明の放射性物質含有廃液の処理装置の一態様は、放射性物質を含有する廃液の処理装置であって、前記廃液のゼータ電位を測定するゼータ電位測定装置と、前記ゼータ電位測定装置が測定したゼータ電位に基づいて、凝集剤を選定する制御部と、前記制御部が選定した凝集剤を、前記廃液に添加する凝集剤添加部とを備える。
本発明によれば、放射性物質を含有する廃液を効率的に処理する放射性物質含有廃液の処理方法及び処理装置を提供することができる。
実施形態に係る放射性物質含有廃液の処理方法を表すフロー図である。 実施形態に係る放射性物質含有廃液の処理装置を表す図である。 凝集剤の種類と放射性物質の除去率の関係を表わすグラフである。 廃液の放射能濃度と濁度の関係を表わすグラフである。 廃液のゼータ電位と凝集剤のゼータ電位、除去率の関係を表わすグラフである。 廃液のpHとゼータ電位、凝集剤のゼータ電位と除去率の関係を表わすグラフである。
以下、図面を参照して、実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態に係る放射性物質含有廃液の処理方法における処理対象は、放射性物質を含有する廃液である。廃液中には、放射性の元素や化合物を吸着した微小粒子やコロイド等の放射性物質が含まれている。本実施形態の放射性物質含有廃液の処理方法は、この、廃液中の放射性物質を凝集剤を用いて凝集させ、廃液から分離して除去する方法である。
以下、図面を参照して本実施形態の放射性物質含有廃液の処理方法及び処理装置について説明する。図1は、本実施形態に係る放射性物質含有廃液の処理方法を概略的に表すフロー図である。
図1に示すように、本実施形態に係る放射性物質含有廃液の処理方法は、廃液Lのゼータ電位を測定するゼータ電位測定工程S10と、ゼータ電位測定工程S10で測定されたゼータ電位に基づいて、凝集剤を選定する選定工程S20と、選定工程S20で選定された凝集剤を廃液Lに添加して、廃液Lに含まれる放射性物質を廃液Lから分離して除去する分離工程S30と、放射性物質の分離された廃液Lの放射能を測定する放射能測定工程S40とを備えている。分離工程S30は、凝集剤添加工程S31と、沈降分離工程S32を有しているがこれに限定されない。また、放射能測定工程S40は必須ではなく、必要に応じて行われる。
図2は、本実施形態に係る放射性物質含有廃液の処理方法に用いられる処理装置の一例を模式的に表す図である。図2に示す放射性物質含有廃液の処理装置10は、処理対象である廃液Lを貯留する廃液タンク11aと、廃液Lを収容して内部で廃液Lに凝集剤を添加する処理槽12と、廃液タンク11aと処理槽12を接続する配管11bと、配管11bに介挿されて廃液タンク11a内の廃液Lを処理槽12内へ移送するポンプ11cとを備えている。廃液タンク11aには、廃液タンク11a内の廃液Lのゼータ電位を測定するゼータ電位測定装置14が接続されている。
放射性物質含有廃液の処理装置10は、処理槽12内の内容物を撹拌する撹拌機13と、処理槽12内の廃液LのpHを測定するpH測定装置15とを備えている。
また、放射性物質含有廃液の処理装置10は、処理槽12内の廃液Lに凝集剤を添加する凝集剤添加部20と、処理槽12内の廃液LにpH調整剤を添加するpH調整剤添加部30と、処理槽12内で分離された放射性物質を含む使用済み凝集剤Fを回収する放射性物質タンク40aと、処理槽12内で放射性物質の分離された処理済みの廃液Lを回収する廃液回収タンク50aとを備えている。
放射性物質タンク40a、廃液回収タンク50aは、それぞれ配管40b、配管50bを介して処理槽12に接続されている。配管40b、配管50bには、それぞれ、処理槽12内の、使用済み凝集剤F又は処理済みの廃液Lを放射性物質タンク40a、廃液回収タンク50aに移送するポンプ40c、50cが設けられている。廃液回収タンク50aは、配管50dによって廃液タンク11aに接続されている。配管50dには、廃液回収タンク50aから廃液Lを廃液タンク11aに送るポンプ50eが設けられている。
凝集剤添加部20は、廃液Lに添加される凝集剤を貯留するための凝集剤貯留部21a〜23aを有する。例えば、凝集剤貯留部21a〜23aには、それぞれ、ゼータ電位の異なる凝集剤が貯留される。
凝集剤貯留部21a〜23aは、それぞれ配管21b〜23bにより処理槽12に接続されている。これらの配管21b〜23bには、凝集剤貯留部21a〜23aから処理槽12へと凝集剤を移送するためのポンプ21c〜23cが設けられている。なお、図示しないが、配管21b〜23bには、それぞれ必要に応じて凝集剤の供給および停止のための弁が設けられていてもよい。
pH調整剤添加部30は、pH調整剤を貯留するためのpH調整剤貯留部31a、32aを有する。例えば、pH調整剤貯留部31a、32aには、pHをアルカリ性に調整するアルカリ性pH調整剤と、pHを酸性に調整する酸性pH調整剤がそれぞれ貯留されている。
pH調整剤貯留部31a、32aは、それぞれ配管31b、32bにより処理槽12に接続されている。これらの配管31b、32bには、pH調整剤貯留部31a、32aから処理槽12へとpH調整剤を移送するためのポンプ31c、32cが設けられている。なお、図示しないが、配管31b、32bには、それぞれ必要に応じてpH調整剤の供給および停止のための弁が設けられていてもよい。
放射性物質含有廃液の処理装置10は、装置全体の動作を総括的に制御する制御部16を備えている。
次に、放射性物質含有廃液の処理装置10を用いた放射性物質含有廃液の処理方法について説明する。
先ず、廃液タンク11a内の廃液Lの放射能を測定する。廃液Lの放射能は、ゲルマニウム半導体検出器やオートガンマスペクトロメーター、ヨウ化ナトリウム(NaI)シンチレーション検出器等で測定することができる。測定された放射能が、所定の処理基準値以下の廃液Lは系外へ排出し、所定の処理基準値を超える廃液Lのゼータ電位を、ゼータ電位測定装置14によって測定する(S10)。廃液Lのゼータ電位は、廃液L中に含まれる微小粒子やコロイドのゼータ電位の総和として測定することができる。
次いで、ゼータ電位の測定された廃液Lをポンプ11cによって処理槽12内に供給する。なお、上記廃液Lのゼータ電位の測定は、廃液Lを処理槽12に収容した後にその一部をサンプリングして行ってもよい。制御部16が、上記で測定された廃液Lのゼータ電位に基づいて、凝集剤を選定する(S20)。さらに、凝集剤添加部20が、制御部16が選定した凝集剤を、処理槽12内に添加する(S30)。このように、ゼータ電位に基づいて適切な凝集剤を選定することで、廃液L中の放射性物質の除去効率を向上させることができる。
図3に、凝集剤の種類と、廃液L中の放射性物質の除去率の関係を調べた結果を示す。この試験では、放射性物質で汚染された汚染土壌を浸漬した後の廃液に、凝集剤として、無機系のアルミニウム塩凝集剤[A](PAC:ポリ塩化アルミニウム)、鉄塩凝集剤(水酸化鉄)[B]、CaO、SiO及びAlを主成分とする鉱物凝集剤[C]、ノニオン合成高分子凝集剤[D]、カチオン合成高分子凝集剤[E]をそれぞれ添加した。100mLの廃液に上記凝集剤をそれぞれ0.2g添加して(液固比500mL/g)、凝集剤添加後に、回転数5000rpm以上の強撹拌で30秒、次いで回転数100rpmの弱撹拌で10分間、廃液を撹拌した。これにより、廃液中の放射性物質を凝集させて、沈殿させた。凝集剤添加前(処理前)の廃液の放射性セシウム濃度と、凝集剤添加後の上澄み液(処理後)の放射性セシウム濃度とを測定し、下記式によって除去率を算出した。
除去率(%)={(処理前の放射性セシウム濃度(Bq/kg)−処理後の放射性セシウム濃度(Bq/kg))/処理前の放射性セシウム濃度(Bq/kg)}×100
各凝集剤についての除去率の結果を図3に示した。このように、例えば、廃液Lが土壌を含む場合には、鉱物系の凝集剤によって、放射性物質を良好に除去できることが分かる。
廃液Lとこれに対して好適な凝集剤の関係としては、廃液Lのゼータ電位と、凝集剤のゼータ電位とが同符号であることが好ましい。さらに、凝集剤のゼータ電位は、廃液Lと同程度、例えば、廃液Lのゼータ電位±5mVを含む範囲であることが好ましい。このような範囲の凝集剤を選定することで、ゼータ電位測定装置14が±5mVの誤差を持つ場合にも、選定された凝集剤によって廃液L中の放射性物質を効率的に除去することができる。また、廃液Lのゼータ電位±5mVの範囲のゼータ電位を有する適切な凝集剤が用意されない場合には、廃液Lのゼータ電位と、できるだけ近いゼータ電位をもつ凝集剤を用いることで、放射性物質を効率的に除去することができる
ゼータ電位の符号がマイナス側の凝集剤の例として、ゼータ電位が−30mV程度の凝集剤は、例えば、酸化カルシウム(CaO)を主成分として、酸化ケイ素(SiO)、酸化硫黄(SO)、酸化アルミニウム(Al)等をさらに含む凝集剤である。具体的には、CaOを40〜75質量%含み、さらに、SiO及びAlを含むCaO−SiO−Al系の凝集剤、上記CaOにさらに、SO及びSiOを含むCaO−SO−SiO系の凝集剤、上記CaOにさらに、SO及びAlを含むCaO−SO−Al系の凝集剤等が挙げられる。
また、ゼータ電位が−20mV程度の凝集剤は、例えば、酸化カルシウム(CaO)を主成分として、さらに、SiO及びSOを含むCaO−SiO−SO系の凝集剤等である。
一方、ゼータ電位の符号がプラス側の凝集剤の例として、ゼータ電位が20mV程度の凝集剤は、CaOを主成分として、さらに、SO、SiOを含むCaO−SO−SiO系の凝集剤や、SiOを主成分として、さらに、CaO、SOを含むSiO−CaO−SO系の凝集剤である。
ゼータ電位が30mV程度の凝集剤は、CaOを主成分として、さらに、SiO、SO、Fe等を含む凝集剤である。具体的には、CaO、SO及びSiOを含むCaO−SO−SiO系の凝集剤、SiO、CaO及びFeを含むSiO−CaO−Fe系の凝集剤等が挙げられる。凝集剤のゼータ電位はそれぞれ、凝集剤の組成を変更することなどによって変えることができる。
凝集剤のゼータ電位は、凝集剤を水に分散させて測定することができる。この際、水に分散させる凝集剤の量は、水中で当該凝集剤が凝集しない濃度にする。このように、あらかじめ、凝集剤のゼータ電位を測定しておき、ゼータ電位の異なる凝集剤の複数種を用意しておく。例えば、図2に示す放射性物質含有廃液の処理装置10では、あらかじめ用意されたゼータ電位の異なる3種の凝集剤が、それぞれ、凝集剤貯留部21a〜23aに貯留されている。そして、制御部16が、測定された廃液Lのゼータ電位に応じて、凝集剤を選定する。凝集剤添加部20が、当該選定された凝集剤をポンプ21a〜21cのいずれかによって処理槽12に供給する(S31)。
また、廃液のゼータ電位と同符号の適切な凝集剤が用意されない場合には、廃液にpH調整剤を添加して、廃液のpHを調整してもよい。廃液のpHが調整されることで、廃液Lのゼータ電位が変化するためである。このように、pH調整剤によって、廃液Lのゼータ電位を変化させて、この変化させた廃液Lのゼータ電位に応じて上記同様に適切な凝集剤を選定してもよい。
この場合、pHをアルカリ性に調整するアルカリ性pH調整剤と、pHを酸性に調整する酸性pH調整剤をそれぞれ、あらかじめ、pH調整剤貯留部31a、32aに貯留しておく。そして、pH測定装置15が、処理槽12内の廃液LのpHを測定する。制御部16が、pH測定装置15の測定したpH測定値に基づいて、pH調整剤供給部30を制御して、廃液LのpHが所望のpHに調整されるように、アルカリ性pH調整剤又は酸性pH調整剤のいずれかを、ポンプ31a又は31bによって処理槽12に供給する。その後、制御部16が、上記同様に廃液Lのゼータ電位に応じて凝集剤を選定し、凝集剤添加部20が、制御部16が選定した凝集剤を処理槽12に供給する。
このとき、凝集剤のゼータ電位もpHによって変化することがある。そのため、廃液LのpHを調整する場合には、pHを調整後の廃液Lのゼータ電位と、当該調整されたpHにおける凝集剤のゼータ電位が、同符号か、上記好ましい範囲の凝集剤を選定する。
その後、必要に応じて、撹拌機13が処理槽12内の廃液Lを一定時間撹拌した後、撹拌を停止する。これにより、処理槽12内で、凝集剤によって放射性物質が凝集される。この、放射性物質を凝集させた凝集剤(使用済み凝集剤F)を分離することで、廃液Lから放射性物質を分離することがきる(S32)。例えば、処理槽12内で、放射性物質の分離された処理後の廃液Lと、使用済み凝集剤Fとを沈降分離して、これらを分離することができる。沈降分離後、処理後の廃液L(上澄み液)を取り出す等して、処理後の廃液Lの放射能を測定する(S40)。
上記で測定された、処理後の廃液Lの放射能が所定の処理基準値を超える場合、必要に応じて、制御部16が、凝集剤添加部20を制御して、処理槽12内に、追加の凝集剤を添加する。この際、処理後の廃液Lのゼータ電位を測定して、改めて、凝集剤の選定を行ってもよい。
処理後の廃液Lは、ポンプ50cによって、廃液回収タンク50a内に移送される。この際、上記追加の凝集剤の添加を行わずに、廃液回収タンク50a内の廃液Lの放射能が所定の処理基準値を超える場合に、廃液Lを、廃液回収タンク50a内から、ポンプ50eによって、再度廃液タンク11a内に移送してもよい。これにより、廃液Lを放射性物質含有廃液の処理装置10によって、再処理して、廃液Lの放射能を所定の処理基準値以下に低減することができる。なお、廃液回収タンク50a内の、放射能が所定の処理基準値以下の廃液Lは、系外に排出することができる。
ここで、廃液Lの放射能濃度と濁度の間には相関がある。図4に、廃液の放射能濃度と濁度の関係を示す。本試験では、上述したのと同様の汚染土壌を浸漬した後の廃液の放射能濃度と、濁度をそれぞれ測定した。このように、放射能濃度と濁度には相関があるため、廃液Lの放射能を測定する代わりに、廃液Lの濁度を測定して、測定された濁度に基づいて、廃液Lの放射能や、除去率を評価することも可能である。
上記した実施形態の放射性物質含有廃液の処理方法及び処理装置によれば、放射性物質を含有する廃液のゼータ電位に応じて、適切な凝集剤を選定することで、廃液中の溶射性物質を効率的に除去することができる。
(実験例1)
廃液のゼータ電位と、廃液中の放射性物質を凝集させる凝集剤のゼータ電位について調べた。先ず、上述したのと同様の汚染土壌を浸漬後の廃液のゼータ電位を測定した。ゼータ電位の測定は、ゼータ電位・粒子径・分子量測定装置 Zetaizer NanoZS(Malvern製)を用い、3回測定した平均値を用いた。廃液のゼータ電位は、−40.8mVであった。
この廃液に、凝集剤A、凝集剤Bをそれぞれ、液固比500mL/gで添加した。その後、廃液を回転数5000rpm以上の強撹拌で30秒、さらに、回転数100rpmの弱撹拌で10分間、撹拌した。上記同様に凝集剤添加前後の廃液の放射性セシウム濃度を測定して、除去率を算出した。
なお、凝集剤Aは、CaOを主成分とした、CaO−SiO−Al系の凝集剤であり、水に分散させた際のゼータ電位は、−28.2mVであった。凝集剤Bは、SiO−CaO−Fe系の凝集剤であり、水に分散させた際のゼータ電位は、+29.8mVであった。結果を、凝集剤のゼータ電位を横軸、除去率を縦軸として図5のグラフに示す。図5において、黒四角印は、凝集剤A、黒丸印は凝集剤Bの結果を示す。
図5に示されるように、廃液と同符号のゼータ電位を持つ凝集剤を、当該廃液に添加することで、良好な除去率が得られることが分かる。
(実験例2)
廃液のpHとゼータ電位の関係、及び凝集剤のゼータ電位と放射性物質の除去率の関係を調べた。上記実験例と同様の廃液に、水酸化ナトリウム水溶液又は塩酸水溶液を添加して、pHを2〜10の間で調整した。各pHに調整された廃液のゼータ電位を、上記同様のゼータ電位測定装置によって測定した。結果を、廃液のpHを横軸、ゼータ電位を縦軸として図6のグラフに黒四角印で示す。
また、各pHの廃液に、凝集剤Cと、上記同様の凝集剤Bをそれぞれ、液固比500mL/gで添加した。凝集剤Cは、CaOを主成分とした、CaO−SO−SiO系の凝集剤であり、水に分散させた際のゼータ電位は−25.2mVである。その後、廃液を回転数5000rpm以上の強撹拌で30秒、さらに回転数100rpmの弱撹拌で10分間、撹拌した。上記同様に凝集剤添加前後の廃液の放射性セシウム濃度を測定して、除去率を算出した。結果を、除去率を縦軸として、凝集剤Cについて白四角印、凝集剤Bについて黒三角印で図6のグラフに示す。
なお、例えば、上記凝集剤Cは、液性が酸性側となりpHが小さくなると、ゼータ電位は高くなり、液性がアルカリ性側となりpHが大きくなるとゼータ電位は低くなった。具体的には、凝集剤Cのゼータ電位は、pHが2で40mV、pHが3で30mV、pHが4で18mV程度、pHが8で−20mV、pHが9で−30mV、pHが10で−35mV程度であった。
図6に示されるように、廃液のpHを調整した場合にも、pHの調整された廃液のゼータ電位と、当該pHにおけるゼータ電位が同符号の凝集剤を選定し、添加することで、良好な除去率が得られることが分かる。
上記各試験例に示されるように、実施形態の放射性物質含有廃液の処理方法及び処理装置によれば、放射性物質を含有する廃液のゼータ電位を測定し、測定されたゼータ電位に応じて、適切な凝集剤を選定することで、廃液中の放射性物質を効率的に除去することができる。また、適切な凝集剤が用意されない場合には、廃液のpHを調整することでゼータ電位を変化させて、このゼータ電位に応じて、適切な凝集剤を選定することができる。そのため、放射性物質含有廃液中の放射性物質を効率的に除去することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…放射性物質含有廃液の処理装置、11a…廃液タンク、11b…配管、11c…ポンプ、12…処理槽、13…撹拌機、14…ゼータ電位測定装置、15…pH測定装置、16…制御部、20…凝集剤添加部、21a,22a,23a…凝集剤貯留部、21b,22b,23b…配管、21c,22c,23c…ポンプ、30…pH調整剤添加部、31a,32a,33a…pH調整剤貯留部、31b,32b,33b…配管、31c,32c,33c…ポンプ、40a…放射性物質タンク、40b…配管、40c…ポンプ、50a…廃液回収タンク、50b…配管、50c…ポンプ、50d…配管、50e…ポンプ、L…廃液、F…使用済み凝集剤、S20…選定工程、S30…分離工程、S31…凝集剤添加工程、S32…沈降分離工程、S40…放射能測定工程。

Claims (8)

  1. 放射性物質を含有する廃液の処理方法であって、
    前記廃液のゼータ電位を測定するゼータ電位測定工程と、
    前記ゼータ電位測定工程で測定されたゼータ電位に基づいて、凝集剤を選定する選定工程と、
    前記廃液に前記選定工程で選定された凝集剤を添加して前記廃液に含まれる前記放射性物質を前記廃液から分離する分離工程と
    を備える放射性物質含有廃液の処理方法。
  2. 前記選定工程において、前記廃液のゼータ電位と同符号のゼータ電位を有する凝集剤を選定する請求項1に記載の放射性物質含有廃液の処理方法。
  3. 前記ゼータ電位測定工程において測定されたゼータ電位に応じて、前記廃液にpH調整剤を添加するpH調整工程をさらに備える請求項1又は2に記載の放射性物質含有廃液の処理方法。
  4. 前記放射性物質が分離された廃液の放射能の測定を行う放射能測定工程をさらに備える請求項1乃至3のいずれか1項に記載の放射性物質含有廃液の処理方法。
  5. 前記放射能測定工程で測定される放射能が所定の処理基準値を超える前記廃液に、前記凝集剤を追加で添加する工程をさらに備える請求項4に記載の放射性物質含有廃液の処理方法。
  6. 前記放射能測定工程で測定される放射能が所定の処理基準値を超える前記廃液を、再度、前記ゼータ電位測定工程に供する請求項4又は5に記載の放射性物質含有廃液の処理方法。
  7. 前記放射能測定工程において、前記放射性物質が分離された廃液の濁度を測定し、測定された濁度に基づいて、前記廃液の放射能を求める請求項4乃至6のいずれか1項に記載の放射性物質含有廃液の処理方法。
  8. 放射性物質を含有する廃液の処理装置であって、
    前記廃液のゼータ電位を測定するゼータ電位測定装置と、
    前記ゼータ電位測定装置が測定したゼータ電位に基づいて、凝集剤を選定する制御部と、
    前記制御部が選定した凝集剤を、前記廃液に添加する凝集剤添加部と
    を備える放射性物質含有廃液の処理装置。
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