JP6009850B2 - 放射性物質に汚染された汚染水の除染装置および除染方法 - Google Patents

放射性物質に汚染された汚染水の除染装置および除染方法 Download PDF

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本発明は、放射性セシウム等の放射性物質に汚染された汚染水の除染装置および除染方法の技術分野に関するものである。
一般に、原子力発電所等に設置される原子炉が損なわれることで放射性物質が大気中に拡散することが考えられ、このように拡散される放射性物質としては、ヨウ素131、セシウム134、セシウム137、ロジウム106、コバルト60、ストロンチウム90、ラジウム226、ウラン234、ウラン235、ウラン238、プルトニウム239に代表される。このような放射性物質の中でも大量に発生するセシウム134、セシウム137、ストロンチウム90は、半減期が約30年と長く問題となる。これら放射性物質の沸点は、セシウムが671℃、ストロンチウムが1382℃であってセシウムの沸点が低いことから、特に放射性セシウムが大気中に広範囲に拡散することが考えられる。
そして拡散した放射性物質は、原子炉周辺や、原子炉からの汚染物質拡散地域周辺に普通に存在する立ち木や材木等の木材、建築物、農地、住宅地、学校のグラウンド等の土壌、下水道等の汚泥、瓦礫などに付着し、また、プール、浄水場、下水処理場等の水(排水)を汚染するが、該汚染した状態では木材、建築物、プール等を使用することができないだけでなく、これら汚染したものをそのまま放置しておくと、該付着した放射性物質が雨水によって河川などに流れ落ち、そして放射性物質に汚染された環境水が海域へ流入し汚染が更に広がることが想定されるため、早期の浄化(除染)対策を講じる事により、放射性物質の拡散を防止し、被曝を防ぐ必要がある。また、放射性物質に汚染されたものを除染しない限りは瓦礫等を処理する受け入れ先に搬送できないという問題があるが、この除洗した除染水は放射性物質により汚染されている。
さらに、損なわれた原子炉を冷却するための冷却水は放射性物質に汚染されており、これら放射性物質に汚染された汚染水(海水も含む)は、何らかの除染処理をすることが要求される。
このような放射性物質含有水から放射性物質を除去する手法として、ゼオライトで放射性物質を吸着し、これにより放射性物質含有水(汚染水)を浄化することが提唱されている(例えば特許文献1、2)。
特開平5−34497号公報 特公平6−31853号公報
しかしながら、前記ゼオライトを用いて放射性物質を吸着処理(イオン交換処理)をして回収する場合に、ゼオライトの吸着能を高くするには粒径を可及的に小さくして(好ましくは凡そ250μm以下の粒径)表面積を大きくすることが要求され、そうしたとき、粒径が小さくなるほどゼオライトが処理水中に混じってしまうことになる。そして該混じったゼオライトの回収分離には煩雑な分離作業が強いられることになって作業性が悪く、しかも、除染に用いた汚染水中には汚染固形物(木材や瓦礫等に付着する固形物)が混在しており、これらを有効に除去することが必要になるが、これらを除去する手法については具体的に何ら提示しておらず、ここに本発明の解決すべき課題がある。
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、放射性物質に汚染された汚染水の除染装置であって、該除染装置は、放射性物質により汚染された汚染固形物質、水中に懸濁している非溶解性放射性物質、水中に溶解している放射性物質の少なくともひとつの汚染物質が混入する汚染水を貯留する汚染水貯留槽と、該貯留された汚染水に無機金属の塩からなる凝集剤を添加したものを高速攪拌して汚染水と凝集剤とを混合させた後、緩慢な攪拌をして放射性物質を含んだフロックを生成する汚染水処理槽と、前記生成したフロックが加圧水と共に供給され、該加圧水が供給されるときに発生する微細な気泡がフロックに付着することでフロックを浮上させて水と分離するフロック分離手段と、前記フロック分離手段から分離されたフロックに脱水処理を施す脱水装置と、前記脱水装置において脱水された水を前記汚染水貯留槽に還流する第一の還流流路と、フロック分離手段でフロックと分離された分離水が供給される循環槽と、該循環槽に供給された分離水の放射線量を測定する放射線量測定器と、該分離水の放射線量が基準値を超えていた場合には該分離水を汚染水貯留槽に還流し、基準値以下の場合には洗浄装置の洗浄水として還流するよう分枝された第二の還流流路と、を備えて構成されていることを特徴とする放射性物質に汚染された汚染水の除染装置である。
請求項2の発明は、前記汚染水処理槽は、汚染水に凝集剤を添加後、急速に撹拌し、さらに穏やかに撹拌することで放射性物質を含んだフロックを大きく成長させ、その過程でフロック中に前記汚染物質を取り込むことができるように構成されていることを特徴とする請求項記載の放射性物質に汚染された汚染水の除染装置である。
請求項3の発明は、放射性物質は少なくとも放射性セシウムであることを特徴とする請求項1または2記載の放射性物質に汚染された汚染水の除染装置である。
請求項4の発明は、凝集剤にはゼオライトがさらに混入されることを特徴とする請求項1〜の何れか1記載の放射性物質に汚染された汚染水の除染装置である。
請求項5の発明は、放射性物質に汚染された汚染固形物質、水中に懸濁している非溶解性放射性物質、水中に溶解している放射性物質の少なくともひとつの汚染物質が混入する汚染水の除染方法であって、前記汚染水が混入する汚染水が貯留された汚染水貯留槽に無機金属の塩からなる凝集剤を添加したものを高速攪拌して混合させた後、緩慢な攪拌をして放射性物質を含んだフロックを生成するフロック生成工程、前記生成したフロックを加圧水とともにタンクに供給し、該加圧水が供給されるときに発生する微細な気泡が付着することでフロックを浮上させてフロックを水から分離するフロック分離工程、前記フロック分離工程で分離したフロックを脱水して該脱水された水を第一の還流流路から汚染水貯留槽に還流すると共に、前記フロック分離工程でフロックと分離した分離水を循環槽に供給して放射線量測定器を用いて分離水の放射線量を測定し、該分離水の放射線量が基準値を超えていた場合には該分離水を第二の還流流路から汚染水貯留槽に還流し、基準値以下の場合には洗浄水として第二の還流流路から洗浄装置に還流する還流工程を備えていることを特徴とする放射性物質に汚染された汚染水の除染方法である。
請求項1〜の発明とすることにより、放射性物質に汚染された汚染水から放射性物質を効率よく除去することができる。
本発明の実施の形態のフローチャート図である。 本発明の実施の形態のフローチャート図である。
本発明を実施するにあたり、除染できる放射性物質としては、前述したヨウ素131、セシウム134、セシウム137、ロジウム106、コバルト60、ストロンチウム90、ラジウム226、ウラン234、ウラン235、ウラン238、プルトニウム239に代表され、本発明で除染するものとしては、これらの元素およびこれら元素を含む化合物について、不溶性のもの(これら不溶性のものは汚染水の中に微細粒子として懸濁している。)だけでなく、溶解してイオンとなっているものも含まれる。
木材を洗浄する洗浄水としては、水だけでなく加熱水(湯)を用いることができるが、このなかに必要において洗剤を混入してもよい。
また使用する凝集剤としては、硫酸アルミニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸アルミニウム、酸化カルシウム、ポリ塩化アルミニウム、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化第二鉄等の通常知られた無機凝集剤、さらにはアニオン性、ノニオン性、カチオン性等の通常知られた高分子凝集剤が例示され、これら凝集剤のなかから一種類、あるいは二種類以上のものが選択される。そして凝集剤は、放射性物質により汚染された汚染固形物質、水中に懸濁している非溶解性放射性物質をフロックの中に取り込むことで高い除染機能を担保することになる。
また凝集剤は、放射性物質だけでなく、ヒ素、鉛、カドミウム、水銀等の重金属だけでなく、木材や瓦礫の表面に付着していた固形物質のうち、分離しても依然として除染水中に混在する微細な固形物質も併せて凝集することができるため、これら重金属が混入する汚染水に用いることもでき、好適である。
この場合に、凝集剤には吸着剤であるゼオライトを含有していてもよい。そしてゼオライトは、凝集剤により凝集されてフロック化されることになり、分離回収が容易となる。
ゼオライトとしては天然ゼオライト、人工(合成)ゼオライトのいずれであってもよい。天然ゼオライトとしては、モルデナイト系とクリノプチロライト系に代表され、人工ゼオライトとしては、A型、X型、Y型に代表され、これらのなかから一種類、あるいは二種類以上を選択して採用することができる。そしてゼオライトは、汚染水に溶解している放射性物質を吸着する機能を有し、そして該吸着したゼオライトはフロックの中に取り込まれて除去されることになるため、高い除染機能を補佐するものとなる。
汚染水に凝集剤を添加後、急速に撹拌して混合を促進し、その後、穏やかに撹拌する操作をすることで放射性物質を含んだフロックを大きく成長させることができ、このフロックを大きく成長させる過程で、該フロック中に、水に溶解している溶解性放射物質および水中に懸濁している固形物質や非溶解性放射性物質を効率よく取り込むことができる。
次に、本発明に係る装置について、実験室段階ではなく、工業的に放射性物質を除去する装置を開発した。そして、該装置を用いて放射性物質を除去するにあたり、予備実験を行って凝集剤により非放射性セシウムを除去できるかを確認し、そして実際に、福島第一原子力発電所の事故後、福島県内の小学校のプールで採取した汚染水に含有する放射性セシウムの除去を試みたところ、高効率での除去ができることが確認された。
<予備実験例1>
非放射性セシウムイオン濃度が1.0mg/Lの水溶液を調整したものについてイオン濃度を測定したところ、非放射性セシウムイオン濃度が1.0358mg/Lの水溶液であった。この水溶液に、島根県産の天然ゼオライト1.0g及び凝集剤として炭酸カルシウム、硫酸アルミニウムを各1.0g添加し、24時間振蕩した後、遠心分離およびろ過を行い、水分中のセシウムイオン濃度を測定したところ、0.0011mg/Lであり、除去率は99.89%であった。比較のため、前記調整した水溶液にゼオライトのみを1.0g添加し、同じ処理をした後、水分中のセシウムイオン濃度を測定したところ、非放射性セシウムイオン濃度が0.0038mg/Lであり、除去率は99.63%であった。このことから前記ゼオライト及び凝集剤を添加したものはゼオライトのみを添加したものよりも非放射性セシウムを2.7μg/Lだけ多く除去することが確認できた。
<予備実験例2>
非放射性セシウムイオン濃度が1.0mg/Lの3.5%NaCl水溶液を調整したものについてイオン濃度を測定したところ、非放射性セシウムイオン濃度が1.0530mg/Lであった。この水溶液に、島根県産の天然ゼオライト1.0g及び凝集剤として炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウムを各1.0g添加し、予備実験例1と同様の処理をした後、水分中のセシウムイオン濃度を測定したところ、0.2412mg/Lであり、除去率は77.09%であった。比較のため、同様にしてゼオライトのみを1.0g添加し、同様の処理をしたものについて非放射性セシウムイオン濃度を測定したところ、0.2543mg/Lであり、除去率は75.85%であった。このことから前記ゼオライト及び凝集剤を添加したものはゼオライトのみを添加したものよりもセシウムを13.1μg/Lだけ多く除去することが確認できた。
これらの予備実験から前記ゼオライト及び凝集剤を添加したものはゼオライトのみを添加したものよりも多くのセシウムを除去することが確認された。そしてこれを放射性セシウムに換算すると、1.0ベクレルは放射性セシウム0.31ピコgとみなすことができるから、予備実験例1の場合、添加した凝集剤はゼオライトよりも約870万ベクレルも多く非放射性セシウムを除去でき、また予備実験例2の場合には約4200万ベクレル多く除去できることが確認された。
尚、さらに別の予備実験を重ねたところ、凝集剤は一種類よりも二種類以上の混合物であることが好ましく、また添加物として凝集剤だけの場合よりも、凝集剤にゼオライトをさらに混合したものの方がより多くのセシウムを除去できることが確認された。
<実験例1>
前記福島県内の小学校のプールにて採取した放射性セシウム汚染水(36200Bq/kg(内訳:セシウム134 16900Bq/kg、 セシウム137 19300Bq/kg))1.0Lに前記ゼオライト1.0g及び凝集剤として炭酸アルミニウム、硫酸アルミニウムを各1.0g添加して10分間撹拌した後、5分間放置してフロックを生成し、しかる後、該フロックをろ過により分離し、その分離液について放射線量を分析したところ、検出限界値以下(検出限界値:10.0Bq/kg)であった。
<実験例2>
さらに、放射性セシウム汚染水(250Bq/kg)1.0mに対して、前記ゼオライト100g及び凝集剤として硫酸アルミニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウムを各100g混合した後して1分間撹拌した後、24時間放置してフロックを生成し、しかる後、該フロックを濾過により分離し、その分離液について放射線量を測定したところ、検出限界値以下(検出限界値:10.0Bq/kg)であった。
<実験例3>
また、放射性セシウム汚染水(250Bq/kg)1.0mに対して、炭酸アルミニウムを300g添加して1分間撹拌した後、24時間放置してフロックを生成し、しかる後、該フロックをろ過により分離し、該分離液について放射線量を測定したところ、88.4Bq/kgであった。
これらのことから、該ゼオライトを含有した凝集剤を用いて放射性セシウムを汚染水から効率よく除去できることが確認された。そこで、該ゼオライトを含有した凝集剤を用いることで、木材や瓦礫等を除染した汚染水から放射性セシウムを除去することが可能であると考えられることから、次のような除去装置を開発し、実際に放射性セシウムで汚染された汚染水の除去を試みた。
以下、本発明の実施の形態に係る装置について、図1、図2に基づいて説明する。なお、放射性物質(特に、放射性セシウム)に汚染されたものとして木材、瓦礫、土壌、汚泥等の種々のものを除染することが考えられるが、ここでは木材(木片)を除染する場合について説明する。
図中、1は木材(原木または製材したもの)であって、該木材1の表面が放射性セシウムにより汚染されており、この木材をベルトコンベア2aで搬送し、自動洗浄装置2で除染する(本発明の「除染工程」に相当する。)。自動洗浄装置2は、水または湯(水又は湯には洗剤が含まれていてもよい。)を高圧で噴射して木材1の表面に付着した放射性セシウムの除染をするものであって、該除染をすることで木材1に付着する放射性セシウムは電離放射線障害防止規則で定められている許容限度である4Bq/cm以下となり、斯かる除染された木材はトラック等を用いて搬出される。
前記自動洗浄装置2において除染に用いた水(汚染水)は、放射性セシウムと汚染した固形物質(木片や木材に付着する固形物質)4とを含むことになり、この汚染水から放射性セシウムと該汚染固形物質4とを除去する必要がある。この汚染水は、放射能濃度100000〜500Bq/kg程度となる。この汚染水を分離装置3に通し、これによって前記汚染固形物質4(木片等の凡そ1.00mm以上のもの)の殆どを分離し、回収する(本発明の「固液分離工程」に相当する。)。該回収した汚染固形物質4は放射性物質の仮置き場に搬送し、貯留する。
一方、分離装置3を通った汚染水には、汚染水だけでなく前記回収された汚染固形物質4より微細な(凡そ1.00mm以下の)汚染固形物質(水中に懸濁している非溶解性放射性物質も含む。)が含まれている。そして、これらのものは、一旦、汚染水貯留槽5に貯留されることになるが、該貯留された汚染水はポンプ5aによって汚染水処理槽6に供給される。汚染水処理槽6は、第一、第二の処理槽6a、6bに仕切られており、前記供給された汚染水は、まず第一処理槽6aに供給されるが、該第一処理槽6aには汚染水全体に凝集剤がすばやく拡散して混合が促進される程度の速さで撹拌する高速攪拌器6cが設けられると共に、凝集剤供給装置7から凝集剤が供給されるようになっている。そしてこの凝集剤により放射性セシウムと前記混在する微細な汚染固形物質を後述するフロックとして回収することになる。
凝集剤の添加量は、汚染水100重量部に対して0.001重量%以上、0.3重量%以下であることが好ましく、また凝集剤の添加形式としては、固体としての添加でもよいが、水溶液としての添加としてもよい。
そして汚染水は、第一処理槽6aにおいてゼオライト及び凝集剤が添加された状態で高速撹拌されて汚染水と凝集剤との混合が全体にすばやくなされ、これによって汚染水に溶解している汚染物質(放射性物質)を吸着したゼオライトを、汚染水に溶解していない汚染物質(汚染固形物質、水中に懸濁している非溶解性放射性物質)とともに凝集剤に接触して凝集した後、仕切り壁6eをオーバーフローして第二処理槽6bに至るが、該第二処理槽6bにおいて低速攪拌器6eにより、フロックFが破壊されることなく大きく形成されていく程度の緩慢な撹拌がなされ、汚染物質(汚染固形物質、水中に懸濁している非溶解性放射性物質、汚染水に溶解している放射性物質)とが取り込まれたフロック(集合体)Fの生成が促進される(本発明の「フロック生成工程」に相当する。)。このようにしてフロックFの生成が促進された汚染水は浮上分離タンク9(本発明の「フロック巨大化手段」及び「フロック分離手段」に相当する。)に供給されることになるが、該浮上分離タンク9には、加圧水タンク8で加圧された加圧水が供給される。浮上分離タンク9では、加圧水タンク8からの加圧水の供給により清水に0.2〜1.0MPaで加圧された状態にすることが好ましい。そして前記浮上分離タンク9では、加圧水が加圧水タンク8から供給されるときに微細な気泡が発生し、該気泡がフロックに付着してフロックFが浮上することとなって水(分離水)と分離する(本発明の「フロック分離工程」の一部に相当する。)。尚、浮上したフロックF同士は集合体となって巨大化することになる。
この浮上したフロックFは上側の第一排出口9aから引き抜かれ、汚泥貯留槽10に貯留された後、脱水装置11にて脱水処理がなされ、脱水された固形分は放射性物質の仮置き場に搬送し、貯留されることになる。ここで脱水された水は、第一還流流路R1を通って前記汚染水貯留槽5に還流するよう構成されている。
一方、浮上分離タンク9でフロックFと分離した分離水は、第二排出口9bから静置槽12に供給された後、ろ過装置13に供給されて分離物(固形分)と濾液にろ過されるが、ろ材としては例えば砂、プラスチック、紙、珪藻土、布等があり、これらのろ材の中から一種類、あるいは二種類以上のものが適宜選択される。そして、ろ過された該分離物は放射性物質の仮置き場に搬送し、貯留されることになる。一方、濾液は循環槽14に供給され、該循環槽14において必要な検査、例えば放射線量、濁度、pH、導電率が測定され、これら測定値が基準値(許容値)を超えていた場合、第二還流流路R2を通って汚染水貯留槽5に還流され、基準値以下であった場合第二還流流路R2を通って自動洗浄装置2の洗浄水として還流し、再利用されるようになっている。なお、該第二還流流路R2は、濾液の測定値が基準値を超えていた場合に濾液が通って汚染水貯留槽5に還流するための第一分岐流路R3と基準値以下であった場合に濾液が通って自動洗浄装置2に還流するための第二分岐流路R4とに分岐したものとして構成されている。なお、これら各流路R1〜R4によって水を適宜の場所に還流する工程が本発明の「還流工程」に相当する。
そして、本実施の形態の装置を用いて複数回、汚染水の除去処理を試みたところ、何れの処理水も放射線量は20Bq/kg以下であり、本発明を実施した場合の効果が確認された。
なお、本実施の形態ではフロックFと浮上分離タンク9で浮上させて水と分離しているが、フロックFの分離方法はこれに限定されず、以下に示す実施の形態のようにすることもできる。
第二の実施の形態では、前記実施の形態と同様、加圧水が加圧水タンク8から供給されるときに発生する微細な気泡がフロックに付着してフロックFが巨大化され(フロック巨大化工程)、その後、フロックを重力により沈降させ水とを分離する(フロック分離工程)沈殿槽(フロック巨大化手段、フロック分離手段)を備えたものであって、該沈殿槽から引き抜かれたフロックに脱水処理を施す脱水装置とを備えて構成されることを特徴とする放射性物質に汚染された汚染水の除染装置とすることができる。
さらに、第三の実施の形態のように、フロック分離手段として遠心分離装置を用い、該遠心分離手段によって水とフロックを分離してもよい。
本発明は、放射性セシウム等の放射性物質を含む放射性物質含有水からの放射性物質を除去(例えば、立ち木や材木等の木材、建築物、農地、住宅地、学校のグラウンド等の土壌、下水道等の汚泥、瓦礫などの除洗排水や、プール、浄水場、下水処理場等の水(排水)などを除染)する分野に利用することができる。
1 木材
2 自動洗浄装置
3 分離装置
4 汚染固形物質
5 汚染水貯留槽
8 加圧水タンク
9 浮上分離タンク
11 脱水装置
F フロック

Claims (5)

  1. 放射性物質に汚染された汚染水の除染装置であって、
    該除染装置は、
    放射性物質により汚染された汚染固形物質、水中に懸濁している非溶解性放射性物質、水中に溶解している放射性物質の少なくともひとつの汚染物質が混入する汚染水を貯留する汚染水貯留槽と、
    該貯留された汚染水に無機金属の塩からなる凝集剤を添加したものを高速攪拌して汚染水と凝集剤とを混合させた後、緩慢な攪拌をして放射性物質を含んだフロックを生成する汚染水処理槽と、
    前記生成したフロックが加圧水と共に供給され、該加圧水が供給されるときに発生する微細な気泡がフロックに付着することでフロックを浮上させて水と分離するフロック分離手段と、
    前記フロック分離手段から分離されたフロックに脱水処理を施す脱水装置と、
    前記脱水装置において脱水された水を前記汚染水貯留槽に還流する第一の還流流路と、
    フロック分離手段でフロックと分離された分離水が供給される循環槽と、
    該循環槽に供給された分離水の放射線量を測定する放射線量測定器と、
    該分離水の放射線量が基準値を超えていた場合には該分離水を汚染水貯留槽に還流し、基準値以下の場合には洗浄装置の洗浄水として還流するよう分枝された第二の還流流路と、
    を備えて構成されていることを特徴とする放射性物質に汚染された汚染水の除染装置。
  2. 前記汚染水処理槽は、汚染水に凝集剤を添加後、急速に撹拌し、さらに穏やかに撹拌することで放射性物質を含んだフロックを大きく成長させ、その過程でフロック中に前記汚染物質を取り込むことができるように構成されていることを特徴とする請求項記載の放射性物質に汚染された汚染水の除染装置。
  3. 放射性物質は少なくとも放射性セシウムであることを特徴とする請求項1または2記載の放射性物質に汚染された汚染水の除染装置。
  4. 凝集剤にはゼオライトがさらに混入されることを特徴とする請求項1〜の何れか1記載の放射性物質に汚染された汚染水の除染装置。
  5. 放射性物質に汚染された汚染固形物質、水中に懸濁している非溶解性放射性物質、水中に溶解している放射性物質の少なくともひとつの汚染物質が混入する汚染水の除染方法であって、
    前記汚染水が混入する汚染水が貯留された汚染水貯留槽に無機金属の塩からなる凝集剤を添加したものを高速攪拌して混合させた後、緩慢な攪拌をして放射性物質を含んだフロックを生成するフロック生成工程、
    前記生成したフロックを加圧水とともにタンクに供給し、該加圧水が供給されるときに発生する微細な気泡が付着することでフロックを浮上させてフロックを水から分離するフロック分離工程、
    前記フロック分離工程で分離したフロックを脱水して該脱水された水を第一の還流流路から汚染水貯留槽に還流すると共に、
    前記フロック分離工程でフロックと分離した分離水を循環槽に供給して放射線量測定器を用いて分離水の放射線量を測定し、
    該分離水の放射線量が基準値を超えていた場合には該分離水を第二の還流流路から汚染水貯留槽に還流し、基準値以下の場合には洗浄水として第二の還流流路から洗浄装置に還流する還流工程を備えていることを特徴とする放射性物質に汚染された汚染水の除染方法。
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