JP2019206803A - 風力発電装置用基礎構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】陸上に設置される風力発電装置を安定に支持することができ、山岳地帯などの傾斜面であっても施工費用を抑えるとともに、実質的に施工可能である風力発電装置用基礎構造を提供する。【解決手段】風力発電装置用基礎構造100は、陸上に設置される風力発電装置用の基礎構造であって、上面に風力発電装置400のタワー410の根元と連結する連結部12を備えたべた基礎部10と、べた基礎部10の底面14から下方に延在する板状の下方支持部20と、を有し、上面視において、連結部12を中心として、複数の下方支持部20が外方向に延在しており、地中において、べた基礎部10の底面14と、下方支持部20の主面24に沿って、発泡樹脂体30が埋設されている。【選択図】図1

Description

本発明は、陸上に設置される風力発電装置用の基礎構造に関する。
近年、地球温暖化をはじめとする地球環境問題に関心が高まっている。これに対し、風力発電は、二酸化炭素などの環境汚染物質を排出せず、かつ無尽蔵な自然エネルギーを産生可能なため、開発および実施に対する期待が高まっている。
風力発電装置は、長身のタワーの上部に風車が設置されるという構造の特殊性、および風量を多く受けることが可能な環境に設置されるという他の構造物にはない建設上の条件を有している。そのため、風力発電装置を安定に支持するために、風力発電装置特有の課題を鑑みた基礎構造が求められる。これに加え、風力発電装置は、連続的または断続的に、風車が風を受けて回転するとともにタワーにも風の負荷がかかるため、タワーを介して基礎構造に振動が伝達されて共振し基礎構造の破壊が生じる虞がある。
例えば、下記特許文献1は、風車の回転に基づく振動によって発生する共振を回避するため、風力発電装置の風車を支持するタワーを、第一円筒部材と第二円筒部材とからなる二重の円筒部材として構成した態様を示している。かかる円筒部材において、第一円筒部材と第二円筒部材との間に、減衰作用を奏する制振材を配置することによって、当該円筒部材に発生する振動を制振材の変形に伴う減衰作用によって抑制することが説明されている。
特開2006−336555号公報
しかしながら、特許文献1のようにタワーに減衰作用を付与するだけでは、風車やタワーからの振動による共振を防止するには不充分であった。
また、風力発電装置の構造の特殊性や建設上の条件を加味した上で、長期間安定に風力発電装置を支持することのできる基礎構造の開発は、ほとんど手つかずの状態であり、一般的な建造物の基礎構造が風力発電装置の基礎構造として採用されているのが現状である。
たとえば風力発電装置は、風量を多く確保するために山岳地帯の傾斜面に設置されることが望ましいが、上記傾斜面において、支持力の高い基礎を構築することは、技術的困難を伴うとともに建設費用が非常に高くなるという問題があった。
即ち、一般的に、高層の構造物に適用される支持力の高い基礎として、杭基礎が知られる。これを図9に示すように風車420を備える風力発電装置400の基礎として応用するという方法も考えられる。図9は、従来の風力発電装置用基礎構造(杭基礎500)により支持された風力発電装置400の概略側面図である。杭基礎500は、傾斜面に形成された盛土540において、べた基礎部501とべた基礎部501の底面から下方に延在し、表層地盤520を貫通し、支持地盤530まで到達する杭510、512を備える。杭510、512を表層地盤520からその下層である支持地盤530まで貫通して埋設することで、一定の支持力が発揮され得る。
しかしながら、表層地盤520が傾斜している場合、支持地盤530もまた傾斜していることが多く、そのため、斜面上側の杭510と斜面下側の杭512とでは、支持地盤530に埋設された長さL1、L2が異なり、杭ごとの支持力が相違する。即ち、杭510と杭512の長さが同じである場合に、はL1>L2となる。そのため、杭基礎構造500は、全体の支持力がアンバランスとなっており、強風や地震発生等により転倒モーメントが増大した場合、安定した支持力を維持し難く、杭基礎構造の崩壊やタワーの転倒を招く虞がある。また山岳地帯に杭打設機を運び込むこと、および傾斜角度の大きい斜面において杭を打つことは、施工費用が高いだけでなく、実質的に作業困難である場合がある。
本発明は、上述する問題に鑑みてなされたものである。即ち、本発明は、陸上に設置される風力発電装置を安定に支持することができ、山岳地帯などの傾斜面であっても施工費用を抑えるとともに、実質的に施工可能である風力発電装置用基礎構造を提供するものである。
本発明の風力発電装置用基礎構造は、陸上に設置される風力発電装置用の基礎構造であって、上面に風力発電装置のタワーの根元と連結する連結部を備えたべた基礎部と、上記べた基礎部の底面から下方に延在する板状の下方支持部と、を有し、上面視において、上記連結部を中心として、複数の上記下方支持部が外方向に延在しており、地中において、上記べた基礎部の底面と、上記下方支持部の主面に沿って、発泡樹脂体が埋設されていることを特徴とする。
本発明の風力発電装置用基礎構造は、風力発電装置を安定に支持することができ、かつタワーから伝達される振動によって発生する共振を充分に吸収することができるため、基礎構造の支持力が長期間維持される。また本発明の風力発電装置は、杭の打設工程を要さず、主として表層地盤における簡易な工程で施工が可能であり、施工に用いられる重機も比較的小型のものでよいため、山岳地帯の斜面など、施工条件の厳しい土地でも容易に施工し得る。
本発明の第一実施形態にかかる風力発電装置用基礎構造の縦断面図である。 本発明の第一実施形態にかかる風力発電装置用基礎構造の鉄筋コンクリート部の斜視図である。 (a)は図2のa−a断面図であり、(b)は図2のb−b−断面図である。 (a)は本発明の第二実施形態にかかる風力発電装置用基礎構造の縦断面図であり、(b)は(a)のc−c断面図である。 本発明の第三実施形態にかかる風力発電装置用基礎構造の縦断面図である。 図5のd−d断面図である。 図6に示す本発明の風力発電装置用基礎構造のアンカーおよびその周囲を示す部分拡大図である。 本発明の第四実施形態にかかる風力発電装置用基礎構造の縦断面図である。 従来の風力発電装置用基礎構造により支持された風力発電装置の概略側面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜に省略する。
本発明の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、1つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。図示する本発明の実施形態は、理解容易のために、特定の部材を全体において比較的大きく図示する場合、または小さく図示する場合などがあるが、いずれも本発明の各構成の寸法比率を何ら限定するものではない。
本発明の説明において、いくつかの用語について以下に定義する。水平方向とは、風力発電装置用基礎構造を構築する地盤面に沿った面方向であって、略水平な方向を含み、厳密な水平角度のみを指すものではない。また本発明の説明において、縦方向とは、地盤に構築された風力発電装置用基礎構造における上下方向を意味する。横方向とは、上記縦方向に交差する方向を意味する。
本発明または本発明の一部をなす構成に関し、横側面とは、本発明をなす構造の側面のうち、上下方向に延在する側面を意味する。下方支持部の主面とは、下方支持部の横側面のうち、相対的に面積の大きい面を指しており、具体的には、発泡樹脂体と面する横側面を意味する。一方、下方支持部の外側面とは、下方支持部の横側面のうち、上面視において連結部から離れて位置する横側面を指し、具体的には下方支持部の横側面のうち地盤と面する横側面を指す。発泡樹脂体の横側面のうち、地盤側に面する横側面を外側面と称呼し、下方支持部側に面する横側面を内側面と称呼する場合がある。矢板の外側面とは矢板の横側面のうち地盤に面した側面を指し、矢板の内側面とは矢板の横側面のうち外側面とは反対側の面を指す。
<第一実施形態>
図1〜図3を用い、本発明の第一実施形態である風力発電装置用基礎構造100(以下、単に基礎構造100ともいう)について説明する。
図1は、本発明の第一実施形態にかかる基礎構造100の縦断面図である。図2は、第一実施形態にかかる基礎構造100の鉄筋コンクリート部80の斜視図である。図3(a)は、図2に示す鉄筋コンクリート部80のa−a断面図であり、本発明の理解を容易にするために仮想線で連結部12、べた基礎部10、および発泡樹脂体30の外縁を図中に示している。図3(b)は、図2に示す鉄筋コンクリート部80のb−b断面図である。
本実施形態にかかる基礎構造100の概略について説明する。基礎構造100は、図1に示すとおり、陸上に設置される風力発電装置400を支持するための基礎である。基礎構造100は、べた基礎部10と、下方支持部20と、発泡樹脂体30とを備える。
べた基礎部10は、上面に、風力発電装置400のタワー410の根元と連結する連結部12を備える。図1では、風力発電装置400のタワー410だけを図示し、風力発電装置400のその他の部分を図示省略している。
下方支持部20は、べた基礎部10の底面14から下方に延在する板状の構造物である。基礎構造100は、図3(a)に示されるとおり、上面視において、連結部12を中心として、複数の下方支持部20が外方向に延在している。
発泡樹脂体30は、地中(表層地盤520)において、べた基礎部10の底面14と、下方支持部20の主面24に沿って埋設されている。
基礎構造100は、べた基礎部10の下方に、べた基礎部10に連続する板状の下方支持部20を複数備えるため、風力発電装置400を安定して支持することができる。即ち、略水平方向に延在するべた基礎部10が、水平方向における支持力を発揮するとともに、当該水平方向に対し交差する方向に延在する板状の下方支持部20が、鉛直方向における支持力を発揮するため、杭を有さずとも、長身の風力発電装置400を安定して支持することができる。本実施形態では、下方支持部20の面方向と、べた基礎部10の面方向とは互いに垂直である。
また基礎構造100において、タワー410から伝搬した振動は、鉄筋コンクリート部80を介して発泡樹脂体30に到達し吸収される。そのため、基礎構造100は、風力発電装置400において発生した振動による共振で負荷がかかるという従来の課題が改善されている。その結果、基礎構造100は、共振による破壊が防止され、長期間安定して風力発電装置400を支持することができる。また共振が低減されることでタワー410の揺れも低減させることができる。この結果、タワー410の回転軸に備わる部品が消耗し難くなり、タワー410のメンテナンスの軽減および長寿命化を図ることが可能である。
基礎構造100は、主として表層地盤520に構築されるため、平地だけでなく、山岳地帯などの斜面においても容易に施工することが可能であり、従来のように杭基礎を実施せずとも風力発電装置400を安定して支持することができる。かかる基礎構造100を採用することによれば、山岳地帯などの施工条件の厳しい環境においても風力発電を実施することが可能であり、また以下に述べる経済的利益を享受することができる。
即ち、山岳地帯に風力発電装置400を建設する場合、建設場所を送電網の近くにすることによって、送電コストを安く抑えることができ経済的である。しかし、山岳地帯は、傾斜面の角度や表層地盤520の下に存在する岩盤550(図5参照)などの問題があり、従来は、実質的に、所望の場所に風力発電装置を構築できないケースが多かった。
これに対し基礎構造100は、地盤の傾斜角度や地層の条件に関わらず構築が容易であるため、送電網の近く等の所望の場所に風力発電装置400を建設することが可能である。尚、表層地盤520の下に岩盤が存在する環境下に適した態様は、後述する第三実施形態で説明する。
次に、基礎構造100の詳細について説明する。
本実施形態では、基礎構造100の施工場所として傾斜面が選択された例を示している。傾斜面に基礎構造100を構築する場合には、図1に示すとおり傾斜面の一部に盛土540を形成し、水平な地盤面(GL)を確保するとよい。
べた基礎部10は、地盤面に沿って水平方向に延在している。かかるべた基礎部10は、一般的な建造物の基礎として知られるべた基礎と同様に所定面積を有し、鉛直支持力および水平支持力を発揮する。べた基礎部10の上面には連結部12が形成されており、風力発電装置400のタワー410と連結される。べた基礎部10の下面には下方支持部20が設けられている。本実施形態において、べた基礎部10、下方支持部20、および連結部12は、いずれも鉄筋コンクリートを用いて一体的に形成されており、鉄筋コンクリート部80を構成している。このように基礎構造100は、べた基礎部10、下方支持部20、および連結部12が一体的に構成されているため、高い支持力が発揮されるとともに、後述する発泡樹脂体30にタワー410からの振動がスムーズに伝搬し、吸収されやすい。
風力発電装置400は、一般的に長身であり、かつ、タワー410や図示省略する風車部に対し、360度全方向から風を受けるため、転倒し易い。かかる風力発電装置400の転倒モーメントを支持する支点は基礎の底面であるところ、基礎構造100は、下方に延在する下方支持部20を備えるため、一般的なべた基礎と比較して当該支点が深い位置に存在し、転倒モーメントに対する抵抗が大きい。
図2および図3(a)から理解されるとおり、本実施形態における鉄筋コンクリート部80では、連結部12に対し、下方支持部20の外側面26は、べた基礎部10の横側面18より離れた位置に存在する。かかる構成によれば、傾斜面の限られた領域においてべた基礎部10の面積をコンパクトに抑えつつ、下方における支持力を充分に確保することができる。また、下方支持部20の外側面26をべた基礎部10の横側面18よりも外方向(即ち、連結部12に対して離れる方向)に存在させることで、板状の下方支持部20の主面24を大きく確保することができ、後述する発泡樹脂体32との接触面積を充分に確保することができる。
図3(a)に示すとおり、本実施形態における鉄筋コンクリート部80は、上面視において、下方支持部20が、連結部12を中心として、3方向以上に延在している(即ち、3つ以上の下方支持部20を有している)ことが望ましく、たとえば、本実施形態のように4つの下方支持部20が平面視において90度の間隔で外方向に延在していることがより望ましい。3つ以上の下方支持部20を備えることで、基礎構造100の支持力をより向上させることができる。また4つの下方支持部20を90度の間隔で備えることで、直方体または立方体の発泡樹脂体30と容易に組み合わせることができるとともに、図3(b)に示すとおり、連結部12を挟んで対向する2つの下方支持部20の主面24が面一となって壁状体を成すため、地盤圧力に対する抵抗を顕著に高めることができる。
本実施形態における発泡樹脂体30は、べた基礎部10の底面14略全面に沿うとともに、下方支持部20の主面24の略全面に沿っている。ここで、発泡樹脂体30が、べた基礎部10の底面14に沿うとは、発泡樹脂体30の上面と底面14とが直接に当接する場合、または任意の構成を介してこれらが連続する場合のいずれの態様も含む。同様に、発泡樹脂体30が、下方支持部20の主面24に沿うとは、発泡樹脂体30の内側面と主面24とが直接に当接する場合、または任意の構成を介してこれらが連続する場合のいずれの態様も含む。本実施形態では、発泡樹脂体30の上面とべた基礎部10の底面14とは、調整層16を介して連続しており、発泡樹脂体30の内側面と下方支持部20の主面24とは、排水部材60を介して連続している。
調整層16は、発泡樹脂体30の上面において水平性を確保するために設けられる層であって、たとえば、砂、砂利またはモルタルなどから構成することができる。調整層16を構成する部材としてモルタルを選択することによれば、発泡樹脂体30とべた基礎部10との間の接着性を向上させることができ好ましい。
本実施形態に用いられる発泡樹脂体30は、タワー410から伝搬された振動を吸収可能なものであればよく、例えば、ポリスチレン系樹脂発泡体、ポリエチレン系樹脂発泡体、ポリプロピレン系樹脂発泡体、ポリウレタン系樹脂発泡体、ポリ塩化ビニル系樹脂発泡体、熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡体、ポリカーボネート系樹脂発泡体、ポリアミド系樹脂発泡体、ポリフェニレンエーテル系樹脂発泡体、或いは上述した樹脂の2以上の混合物等が挙げられる。特に、ポリスチレン系樹脂発泡体、ポリエチレン系樹脂発泡体、及びポリプロピレン系樹脂発泡体並びにこれらの組み合わせは、軽量性及び強度等の点から好ましい。発泡樹脂体30は、比較的軽量であるものが好ましく、周囲の表層地盤520の単位体積重量よりも小さい単位体積重量であることがより好ましい。また発泡樹脂体30は、地盤圧力に抵抗可能な程度に高い圧縮強度を示すものが好ましい。発泡樹脂体30の圧縮強度は特に限定されないが、たとえば10kN/m以上であることが好ましく、30kN/m以上であることがより好ましく、100kN/m以上であることがさらに好ましい。
本実施形態の基礎構造100は、図1に示すとおり、発泡樹脂体30の横側面に沿って排水部材60が配置されていることが好ましい。これによって、発泡樹脂体30の周囲の含水濃度が高くなった際、速やかに下方向などに向かって排水を促し、基礎構造100の周囲の水捌けを良くすることができる。発泡樹脂体30の周囲の含水濃度が高くなる例としては、たとえば降雨時または地震時の液状化などが考えられる。基礎構造100の周囲の地盤の含水濃度が高い状態が続くと地盤の支持力が弱まり、ひいては、基礎構造100の支持力が弱まる場合がある。そのため、発泡樹脂体30の横側面に排水部材60を配置して水捌けの良い状態を保つことで、降雨時や液状化時においても、支持力を安定に維持することができ好ましい。同様の趣旨から、図1に示すように、べた基礎部10の横側面18に沿って排水部材60を配置してもよい。
図1に示す本実施形態では、排水部材60は、発泡樹脂体30の横側面に沿って配置されている。具体的には、排水部材60は、地盤と発泡樹脂体30との間に配置されるとともに、下方支持部20の主面24と発泡樹脂体30との間に配置されている。発泡樹脂体30の、地盤に面していない内側面にも排水部材60を配置した理由は、以下のとおりである。即ち、周囲の地盤の含水濃度が高まると、下方支持部20と発泡樹脂体30との間に水が浸透してくる虞があり、これによって、鉄筋コンクリート部80と発泡樹脂体30との一体性が低下する虞がある。そのため、下方支持部20と発泡樹脂体30との間に排水部材60を配置し、両者間に水が浸透した場合には速やかに下方に排水させるとよい。下方支持部20と発泡樹脂体30との間における含水率が高まると凍害の発生や、コンクリートのひび割れの発生の問題があるが、これらの間に上述のとおり排水部材60を設置することで、上記凍害や上記腐敗の発生を防止することができる。発泡樹脂体30の横側面に沿って配置される排水部材60の具体的な配置箇所は、地盤に面する発泡樹脂体30の外側面に沿って配置される態様、下方支持部20に面する発泡樹脂体30の内側面に沿って配置される態様、または上記二つの態様を兼ね揃える態様のいずれであってもよい。
排水部材60は、発泡樹脂体などの加工成形がし易い部材からなり、表面において上下方向に連続する溝部および/または厚み方向に連続する孔を備える。排水部材60は、周囲の含水濃度が高まった際、上記溝部または孔に地盤中の水を流通させることで水捌けを改善する。排水部材60は、かかる趣旨に基づき提案された従来公知の排水部材を適宜選択して用いることができ、例えば特許5167498号に開示される発泡樹脂導水板などを用いることが好ましい。
排水部材60を構成する発泡樹脂は、発泡樹脂体30の構成に用いられる上述する発泡樹脂と同様の樹脂から選択され得る。排水部材60と発泡樹脂体30とを構成をする発泡樹脂は同じであってもよいし、異なっていてもよいが、圧縮強度の観点からは、排水部材60を構成する発泡樹脂の圧縮強度が発泡樹脂体30を構成する発泡樹脂の圧縮強度よりも大きいことが好ましい。このように圧縮強度の高い発泡樹脂で排水部材60を構成することによって、基礎構造100に外圧がかかった際に、排水部材60に永久歪が発生し、発泡樹脂体30と下方支持部20との間に実質的な隙間が発生することを防止可能である。
基礎構造100の施工方法は、特に限定されないが、たとえば、風力発電装置400の建設が予定される土地の地盤の一部を掘削し、下方支持部20の寸法を勘案した所定の間隔で複数の発泡樹脂体30(本実施形態では4つの発泡樹脂体30)を設置する。これによって、隣り合う発泡樹脂体30の横側面(内側面)を下方支持部20の型枠として利用することができる。また、下方支持部20を形成する前に、発泡樹脂体30の上面にべた基礎部10の型枠を設ける。次いで、隣り合う発泡樹脂体30の間に設けられた所定空間および、べた基礎部10の型枠内に鉄筋の配筋を行う。このとき連結部12の型枠の設置および鉄筋の配筋も行うとよい。次いで、発泡樹脂体30間および型枠内にコンクリートを流し込むことによって、鉄筋コンクリートからなるべた基礎部10と、下方支持部20とを一体的に構築することができる。以上の施工方法は一例であって、本発明を何ら限定するものではない。たとえば、所定の空間に配筋を行った後に、発泡樹脂体30を配置するとともに、べた基礎部10の型枠を形成してもよい。
<第二実施形態>
図4を用い、本発明の第二実施形態である風力発電装置用基礎構造120(以下、単に基礎構造120ともいう)について説明する。
図4(a)は、本発明の第二実施形態にかかる基礎構造120の縦断面図であり、図4(b)は、図4(a)のc−c断面図である。
図4に示すとおり、基礎構造120は、基礎構造100と同様に、陸上に設置される風力発電装置400を支持するための基礎であり、べた基礎部10と、下方支持部20と、発泡樹脂体30とを備える。基礎構造120が備える構成のうち、基礎構造100と同様の構成については、第一実施形態にかかる説明が適宜参照されるため、ここでは詳細の説明は割愛する。
基礎構造120は、発泡樹脂体30の下方に、表層地盤520の単位体積重量よりも大きい単位体積重量である地盤改良部40が設けられている。地盤改良部40を設けることで密度が小さく軟弱である表層地盤520を改良し、その上に構築される基礎構造120の支持力をより高めることが可能である。換言すると、基礎構造120が、大型の風力発電装置に適用される場合には、より高い支持力が求められるため、表層地盤520に地盤改良部40を設けることで地盤改良することが好ましい。
本実施形態における地盤改良部40は、底面の少なくとも一部が、表層地盤520の下層に存在する支持地盤530近傍まで到達している。そのため、表層地盤520が基礎構造120の重量により圧密して変形することを最小限に抑え、地盤安定性を保つことができる。加えて、地盤改良部40が支持地盤530近傍まで到達することで、基礎構造120が受ける垂直荷重を実質的に支持地盤530に伝達させることができるので、より安定して風力発電装置400を支持することができる。
地盤改良部40を構成する部材は、地盤改良材として公知の部材であって、表層地盤520の単位体積重量よりも重いものから適宜選択される。たとえば、上記部材として、セメント、セメント固化材、石灰、石灰固化材、またはこれらの2種以上の混合材などが挙げられる。セメント固化材とは、セメントを母材として任意の成分や材料が添加された部材をいう。また石灰固化材とは、石灰を母材として、任意の成分や材料が添加された部材をいう。中でもセメント固化材は、固化後の硬度が高く軟弱な表層地盤520の改良に適している。
基礎構造120は、下方支持部20の底面を覆って配置された縁切り発泡樹脂体32が設けられている。縁切り発泡樹脂体32が設けられることによって、タワー410から伝搬された振動が、下方支持部20の底面からさらに下方(本実施形態であれば地盤改良部40)に伝搬することが防止される。
尚、上述する基礎構造100において、縁切り発泡樹脂体32が設けられた場合には、下方支持部20の底面から表層地盤520に対し、タワー410からの振動が伝搬されるこが防止される。縁切り発泡樹脂体32は、下方支持部20の底面全体を覆っていることが好ましい。本実施形態では、下方への振動の伝搬をより確実に防止する観点から、縁切り発泡樹脂体32の上面周縁と発泡樹脂体30の下面周縁とが上下方向に重なるよう縁切り発泡樹脂体32が配置されており、下方支持部20が完全に地盤改良部40に対して縁切りされている。
基礎構造120は、発泡樹脂体30の外側面34を覆うとともに、当該発泡樹脂体30の底面を超えて下方まで延在する矢板50が設けられている。基礎構造120は、後述する第三実施形態(図6参照)と同様に、発泡樹脂体30の外側面34(図6、外側面34参照)と下方支持部20の外側面(図6、外側面26参照)とが略面一に構成されており、矢板50は、発泡樹脂体30の外側面34および下方支持部20の外側面(外側面26)に沿って周回している。そのため、発泡樹脂体30および下方支持部20の下方は、矢板50に拘束されて周囲の表層地盤520よりも強硬となり、基礎構造120の支持力を実質的に向上させることができる。また矢板50を備えることによって、付近の斜面における洗掘、雪崩、地滑り等が発生した場合であっても、基礎構造120の支持を良好に継続することが可能である。
本実施形態では、発泡樹脂体30および下方支持部20の下方には地盤改良部40が設けられており、地盤改良部40の外側面34を覆って矢板50が設けられている。これによって、地盤改良部40の表層地盤520の改良がより充分に行われ、基礎構造120の支持力をさらに向上させている。
図示省略する変形例として、地盤改良部40を有さず、かつ基礎構造120と同様の矢板50を設けた態様を本発明は包含する。かかる態様では、発泡樹脂体30および下方支持部20の下方に位置する表層地盤520が、矢板50によって拘束されるので、矢板50に拘束されていない表層地盤520よりも地盤が強硬となり、これによって当該態様の基礎構造の支持力を向上させることができる。
矢板50および地盤改良部40の施工方法は特に限定されないが、まず、風力発電装置400の建設予定地の表層地盤520を掘削し、所定の位置に矢板50を設置し、その後に、所定量のセメント固化剤を矢板50に囲まれた空間に打設することが好ましい。これによって、以下の好ましい態様が実現される。
即ち、本実施形態にかかる基礎構造120は、発泡樹脂体30の下方にセメント固化材からなる地盤改良部40が設けられているとともに、発泡樹脂体30の外側面34および地盤改良部40の横側面を覆って矢板50が配置されている。ここで、矢板50と地盤改良部40が上述する施工方法で施工された場合、セメント固化材は、矢板50の内側面に対し接した状態で固化するため、地盤改良部40は、矢板50の内側面の凹凸の少なくとも一部にセメント固化材が接合した状態で設けられる(図4(b)参照)。この結果、矢板50と地盤改良部40とが密着して一体化するため、地盤圧力がかかった場合、洗掘、雪崩、若しくは地滑り等が発生した場合、または地震が発生した場合であっても、両者が分離し難く、基礎構造120の支持力を安定に維持することができる。
たとえば、図4(b)に示すとおり、横断面において一方方向に凸の第一矢板52と第二矢板54とを、凸の向きを互い違いに配列し、継手部56において互いを連結させて壁状の矢板50を構成することができる。これによって、矢板50の内側面には凹凸が形成される。このように矢板50の内側面に顕著な凹凸がある場合、打設されたで囲まれた空間に流し込まれたセメント固化材が、矢板50の内側面の凹凸に接した状態で固化し、矢板50にしっかりと接合した地盤改良部40をなす。
矢板50が設けられた基礎構造120は、矢板50の横側面に沿って排水部材60が配置されていることが好ましい。これによって、矢板50の周囲の排水性を向上させ、降雨時や地震時の液状化の際に周囲の地盤の支持力が低減することを防止し得る。
より具体的には、本実施形態では、矢板50が設けられた基礎構造120において、矢板50と、表層地盤520および盛土540との間に排水部材60が配置されている。即ち、矢板50の外側面に沿って排水部材60が配置されている。図4(a)に示される排水部材60は、発泡樹脂体30の下面と同程度の位置で終端しているが、当該下面を超えてさらに下方まで排水部材60が配置されてもよい。矢板50の周囲の水捌けをよくするためには、たとえば、矢板50の上下方向の中間位置以下まで矢板50が配置されていることがより好ましく、矢板50の下端付近まで排水部材60が配置されていることがさらに好ましい。排水部材60自体の詳細については、第一実施形態の説明が適宜参照される。
また本実施形態では、矢板50の内側面と発泡樹脂体30の外側面との間にも排水部材60が配置されている。図4(a)では、かかる排水部材60の下端は、発泡樹脂体30の底面付近で終端しているが、矢板50の内側面に配置される排水部材60は、発泡樹脂体30の外側面だけでなく、地盤改良部40の横側面にまで沿わせてもよい。
<第三実施形態>
図5〜図7を用い、本発明の第三実施形態である風力発電装置用基礎構造140(以下、単に基礎構造140ともいう)について説明する。
図5は、本発明の第三実施形態にかかる基礎構造140の縦断面図である。図6は、図5のd−d断面図である。図7は、図6に示す基礎構造140のアンカー70およびその周囲を示す部分拡大図である。
図5に示すとおり、基礎構造140は、基礎構造100または基礎構造120と同様に、陸上に設置される風力発電装置400を支持するための基礎であり、べた基礎部10と、下方支持部20と、発泡樹脂体30とを備える。また、基礎構造140は、基礎構造120と同様に矢板50を備えている。図5に示されるとおり、基礎構造140における矢板50の下端は、表層地盤520の下に位置する層(本実施形態では岩盤550)付近まで到達しており、これによって基礎構造140の配置された領域の表層地盤520が実質的に拘束されている。本実施形態では、矢板50で拘束された領域において、発泡樹脂体30の下面から岩盤550までの中間領域560は、たとえば土砂などが充填されてもよいし、地盤改良部40が配置されてもよい。
尚、基礎構造140が備える構成のうち、基礎構造100または基礎構造120と同様の構成については、第一実施形態または第二実施形態にかかる説明が適宜参照されるため、ここでは詳細の説明は割愛する。
基礎構造140は、下方支持部20の下端面から下方に伸長するアンカー70を備える。アンカー70が、表層地盤520の下方に存在する任意の地盤に埋設されることによって、上記任意の地盤に基礎構造140が定着し、風力発電装置400の支持力が向上する。選択されるアンカー70の種類は特に限定されないが、たとえば上記任意の地盤が、土砂や砂礫等からなる支持地盤530である場合には、所謂アースアンカーが選択され、図5に示すように岩盤550である場合には、ロックアンカーが選択される。
本実施形態では、具体的には、表層地盤520の下方に岩盤550が存在する地盤環境下において、風力発電装置400を安定して支持するための好ましい基礎構造140の態様を示す。たとえば山岳地帯などでは、比較的軟弱な地盤である表層地盤520の下に岩盤550が存在している場合がある。このような地盤環境では、岩盤550に対し表層地盤520が上滑りしやすく、風力発電装置400を安定に支持することが難しい場合がある。これに対し、図5に示すように、下方支持部20の下端面から下方にアンカー70(ロックアンカー)を伸長させて岩盤550に埋設することによって、基礎構造140の支持力を安定させることができる。
本実施形態では、図7に示すとおり、アンカー70は、下方支持部20の下端面から伸長し、下方支持部20の底面を覆って配置された縁切り発泡樹脂体32を貫通してさらに下方に伸長している。岩盤550と下方支持部20との間に縁切り発泡樹脂体32が挟まれることで、岩盤550と下方支持部20とがぶつかり合う衝撃を緩和させることができる。本実施形態では、岩盤550に対し、基礎構造140の水平性を確保するために、縁切り発泡樹脂体32の上面側および下面側に、それぞれ調整層16が設けられている。
下方支持部20の下端に埋設されたアンカー70の上端領域には、アンカー70の伸長方向と交差する方向に伸長するストッパー72が設けられている。ストッパー72は、基礎構造140と岩盤550との間に互いに引っ張り力がかかった際に、アンカー70が下方支持部20から引き抜かれることを防止する。
下方支持部20に設けられるアンカー70の数および配置位置は特に限定されないが、2以上のアンカー70が設けられることが好ましく、図6に示すように、複数(本実施形態では4つ)の下方支持部20の交差部に1つ、およびそれぞれの下方支持部20に少なくとも1つ(本実施形態では2つ)のアンカー70が設けられることが好ましい。
<第四実施形態>
図8を用い、本発明の第四実施形態である風力発電装置用基礎構造160(以下、単に基礎構造160ともいう)について説明する。
図8は、本発明の第四実施形態にかかる基礎構造160の縦断面図である。
図8に示すとおり、基礎構造160は、基礎構造100と同様に、陸上に設置される風力発電装置400を支持するための基礎であり、べた基礎部10と、下方支持部20と、発泡樹脂体30とを備える。
本実施形態の基礎構造160は、発泡樹脂体30の下方に地盤改良部40を備えている。基礎構造160は、図8に示すとおり、地盤改良部40の横側面および底面を覆う土木用安定シート74が設けられており、土砂から地盤改良部40が保護されている。
土木用安定シート74は、通水性を有し、地盤の補強などに用いられるシートであり、不織布、織布、または樹脂製の編目シートなどが例示される。樹脂製の編目シートとしては、ジオテキスタイルが例示される。
本実施形態における土木用安定シート74は、袋状に構成されており、地盤改良部40および発泡樹脂体30を内包している。これによって、地盤改良部40および発泡樹脂体30が一体的にまとまっており、基礎構造160に対する転倒モーメントが増大し、あるいは引き抜き力がかかった場合に、基礎構造160の転倒または引き抜きが良好に防止される。
特に図8に示すように、下方支持部20の下端面から下方に伸長するアンカー70が、地盤改良部40を貫通して地盤まで到達するよう配置されている態様では、引き抜きに対するアンカー70の抵抗が、局所に集中せず土木安定用シート74により分散される。そのため、基礎構造160の部分的な破損などを回避しつつ、良好に基礎構造160の引き抜きが防止される。
本実施形態におけるアンカー70は、上端に設けられたストッパー72により、下方支持部20からの脱離が防止されているとともに、下端に設けられたストッパー73により、地盤からの脱離が防止されている。アンカー70の下端が表層地盤520において終端する場合には、地盤に対する抵抗を増大させるためにストッパー73が設けられていることが好ましい。
以上に本発明の第一実施形態から第四実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。たとえば、上述する実施形態はいずれも傾斜面に構築された風力発電装置用基礎構造の例を示したが、本発明の実施は、傾斜面に限定されず、略平坦な地盤に実施されてもよい。
杭を用いていた従来の風力発電装置用基礎構造は、大型の重機を用いる必要があったため、設置個所が限定されており、山岳地帯の傾斜地(特には送電線網の近くの土地)に基礎構造を構築し風力発電装置を設置することが困難であった。また施工するにしても、設備が大掛かりになるため、施工できる業者が非常に限定的となり、そのため価格競争も起きにくいという事情がある。これらのことが、風力発電装置の普及を制限する大きな要因となっていた。
これに対し、本願発明は、杭を用いずとも長身の風力発電装置を安定に支持することができる。本願発明によれば、杭の設置が不要となったことにより、基礎構造の施工に大型の重機を用いる必要がない。そのため、山岳地帯の傾斜地などにおいて容易に風力発電装置用の基礎構造を構築可能となった。
また本願発明の施工は主として表層地盤において行われ、施工技術も容易である。そのため、大手企業でなくても実施可能である。
即ち、本願発明は、風力発電装置の設置場所の選択の範囲を広げるとともに、実施可能な業者を増大させ得る。かかる本願発明の基礎構造を採用することによれば、風力発電装置の設置領域を増大させるとともに施工費用の低減を図ることが可能であり、風力発電装置の普及を大きく図ることが可能である。
上記実施形態は、以下の技術思想を包含するものである。
(1)陸上に設置される風力発電装置用の基礎構造であって、
上面に風力発電装置のタワーの根元と連結する連結部を備えたべた基礎部と、
前記べた基礎部の底面から下方に延在する板状の下方支持部と、を有し、
上面視において、前記連結部を中心として、複数の前記下方支持部が外方向に延在しており、
地中において、前記べた基礎部の底面と、前記下方支持部の主面に沿って、発泡樹脂体が埋設されていることを特徴とする風力発電装置用基礎構造。
(2)前記発泡樹脂体の下方に、表層地盤の単位体積重量よりも大きい単位体積重量である地盤改良部が設けられている上記(1)に記載の風力発電装置用基礎構造。
(3)前記地盤改良部の横側面および底面を覆う土木用安定シートが設けられている上記(2)に記載の風力発電装置用基礎構造。
(4)前記発泡樹脂体の外側面を覆うとともに、当該発泡樹脂体の底面を超えて下方まで延在する矢板が設けられている上記(1)から(3)のいずれか一項に記載の風力発電装置用基礎構造。
(5)前記発泡樹脂体の下方にセメント固化材からなる地盤改良部が設けられているとともに、前記発泡樹脂体の外側面および前記地盤改良部の横側面を覆って矢板が配置されており、
前記矢板の内側面の凹凸の少なくとも一部に前記セメント固化剤が接合している上記(1)から(4)のいずれか一項に記載の風力発電装置用基礎構造。
(6)前記矢板の横側面に沿って排水部材が配置されている上記(4)または(5)に記載の風力発電装置用基礎構造。
(7)前記発泡樹脂体の横側面に沿って排水部材が配置されている上記(1)から(6)のいずれか一項に記載の風力発電装置用基礎構造。
(8)前記下方支持部の下端面から下方にアンカーが伸長している上記(1)から(7)のいずれか一項に記載の風力発電装置用基礎構造。
10・・・べた基礎部
12・・・連結部
14・・・底面
16・・・調整層
18・・・横側面
20・・・下方支持部
24・・・主面
26、34・・・外側面
30・・・発泡樹脂体
32・・・縁切り発泡樹脂体
40・・・地盤改良部
50・・・矢板
52・・・第一矢板
54・・・第二矢板
56・・・継手部
60・・・排水部材
70・・・アンカー
72、73・・・ストッパー
74・・・土木用安定シート
80・・・鉄筋コンクリート部
100、120、140、160・・・風力発電装置用基礎構造
400・・・風力発電装置
410・・・タワー
420・・・風車
500・・・杭基礎
501・・・べた基礎部
510、512・・・杭
520・・・表層地盤
530・・・支持地盤
540・・・盛土
550・・・岩盤
560・・・中間領域
L1、L2・・・長さ

Claims (8)

  1. 陸上に設置される風力発電装置用の基礎構造であって、
    上面に風力発電装置のタワーの根元と連結する連結部を備えたべた基礎部と、
    前記べた基礎部の底面から下方に延在する板状の下方支持部と、を有し、
    上面視において、前記連結部を中心として、複数の前記下方支持部が外方向に延在しており、
    地中において、前記べた基礎部の底面と、前記下方支持部の主面に沿って、発泡樹脂体が埋設されていることを特徴とする風力発電装置用基礎構造。
  2. 前記発泡樹脂体の下方に、表層地盤の単位体積重量よりも大きい単位体積重量である地盤改良部が設けられている請求項1に記載の風力発電装置用基礎構造。
  3. 前記地盤改良部の横側面および底面を覆う土木用安定シートが設けられている請求項2に記載の風力発電装置用基礎構造。
  4. 前記発泡樹脂体の外側面を覆うとともに、当該発泡樹脂体の底面を超えて下方まで延在する矢板が設けられている請求項1から3のいずれか一項に記載の風力発電装置用基礎構造。
  5. 前記発泡樹脂体の下方にセメント固化材からなる地盤改良部が設けられているとともに、前記発泡樹脂体の外側面および前記地盤改良部の横側面を覆って矢板が配置されており、
    前記矢板の内側面の凹凸の少なくとも一部に前記セメント固化剤が接合している請求項1から4のいずれか一項に記載の風力発電装置用基礎構造。
  6. 前記矢板の横側面に沿って排水部材が配置されている請求項4または5に記載の風力発電装置用基礎構造。
  7. 前記発泡樹脂体の横側面に沿って排水部材が配置されている請求項1から6のいずれか一項に記載の風力発電装置用基礎構造。
  8. 前記下方支持部の下端面から下方にアンカーが伸長している請求項1から7のいずれか一項に記載の風力発電装置用基礎構造。
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