JPH11140859A - 軟弱地盤改良工法 - Google Patents

軟弱地盤改良工法

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JPH11140859A
JPH11140859A JP31245597A JP31245597A JPH11140859A JP H11140859 A JPH11140859 A JP H11140859A JP 31245597 A JP31245597 A JP 31245597A JP 31245597 A JP31245597 A JP 31245597A JP H11140859 A JPH11140859 A JP H11140859A
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JP
Japan
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surface layer
sheet material
improved
soft ground
improved surface
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JP31245597A
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English (en)
Inventor
Nobuo Yoshida
信夫 吉田
Masakazu Nakamura
正和 中村
Masaomi Nishioka
将臣 西岡
Takafumi Terasaki
隆文 寺崎
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TERASAKIGUMI KK
Original Assignee
TERASAKIGUMI KK
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Publication date
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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 軟弱地盤10上に立設した型枠11内に
ジオテキスタイル12を敷き、ジオテキスタイル12の
周縁部12aを上方へ起立させて形成した表層材収容部
13内へセメント系スラリー14を充填した後、周縁部
12aをセメント系スラリー14の表面上へ折り曲げて
被覆し、対向する周縁部12a同士を重ね合わせて固定
し、セメント系スラリー14を硬化させて改良表層15
を構築する。このあと、改良表層15の上に砂層16お
よび砕石層17を形成して仮設道路18を完成させる。 【効果】 軟弱地盤の表面に、施工が簡単で支持強度が
高く、大型車両通過などによるひび割れ、段差、傾斜な
どが発生しにくく、振動吸収性に優れ、後工程における
オーガ削孔工事などを容易に行うことが可能な改良表層
を構築することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軟弱地盤の表面
に、重量物の保持、通過が可能な強度を備えた改良表層
を構築する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】比較的広範囲に渡って存在する軟弱地盤
の改良工事を行う場合、各種建設機械や搬送用トラック
などを、改良工事現場となる軟弱地盤上に進入させる必
要があるため、本格的な地盤改良工事を開始する前に仮
設道路などが構築されている。このような場合、軟弱地
盤上に盛土構造物を構築する方法、固化材と水とを軟弱
地盤に注入して表面に固化表層を形成する方法、あるい
は軟弱地盤表面にセメント系表層改良体を形成する方法
などが採用されている。
【0003】軟弱地盤上にセメント系表層改良体を形成
して仮設道路を構築する場合、この後に施工される物理
的深層地盤改良のためのオーガ削孔工事を、仮設道路か
ら直接行うことを可能とするため、表層改良体の一軸圧
縮強度の上限値を3〜5kg/cm2 以下に制限する必
要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来技術によって軟弱
地盤上に形成されるセメント系表層改良体の場合、一軸
圧縮強度の上限値に制限があるため、大型車両などに対
するトラフィカビリティを確保する手段として、セメン
ト系表層改良体の厚さを大きくしたり、幅を広くすると
いう方法が採られている。
【0005】ところが、セメント系表層改良体の厚さな
どを大きくした場合、後工程において、仮設道路からオ
ーガ削孔工事などを行う際に工事が困難化するため、工
期の遅延や工事費の増大を招来している。
【0006】一方、仮設道路からのオーガ削孔工事など
を容易化するためにセメント系表層改良体の厚さを小さ
くすると、荷重が加わった場合に、ひび割れ、段差、傾
斜などが発生しやすくなるため、大型車両などに対する
トラフィカビリティを確保することができなくなる。
【0007】そこで、本発明が解決しようとする課題
は、施工が簡単で支持強度が高く、大型車両通過などに
よるひび割れ、段差、傾斜などが発生しにくく、振動吸
収性に優れ、後工程におけるオーガ削孔工事などを容易
に行うことが可能な軟弱地盤表層改良技術を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の軟弱地盤改良工法は、可撓性を有するシー
ト材で包囲した表層改良材を地盤上に配置することによ
って地盤上に弾性を備えた改良表層を構築することを特
徴とする。可撓性を有するシート材で表層材を包囲する
ことにより、表層改良材単体よりも曲げ強度、圧縮強
度、剪断強度などが増大するとともに、改良表層自体が
弾性を備えたものとなるため、シート材で包囲した表層
改良材を地盤上に配置することによって、支持強度が高
く、ひび割れ、段差、傾斜などが発生しにくく、振動吸
収性に優れた改良表層を構築することができ、施工も簡
単である。
【0009】また、可撓性を有するシート材で表層改良
材を包囲することにより、比較的低強度の表層改良材で
あっても、弾性を備えた高強度の改良表層を構築するこ
とができるため、改良表層の厚さなどを相対的に小さく
することが可能となり、後工程における、オーガ削孔工
事なども容易に行うことができる。
【0010】また、本発明の軟弱地盤改良工法は、可撓
性および透水性を有するシート材を地盤上に敷き、この
シート材の周縁部を上方へ起立させて形成した表層材収
容部へ表層改良材を充填した後、周縁部を表層改良材表
面上へ折り曲げて表層改良材表面を被覆するとともに、
少なくとも一対の対向する周縁部同士を重ね合わせ、表
層改良材の硬化によって地盤上に弾性を備えた改良表層
を構築することを特徴とする。
【0011】このような工程により、表層改良材の周囲
はシート材で包囲されるとともに表層改良材が硬化して
両者が一体化し弾性を備えたものとなるため、表層材単
体を硬化させた場合に比べ、曲げ強度、引張強度、剪断
強度などが向上する。したがって、施工が簡単で、支持
強度が高く、大きな荷重が作用してもひび割れ、段差、
傾斜などが発生しにくく、振動吸収性に優れた改良表層
を構築することができる。
【0012】また、表層改良材はシート材で包囲するこ
とにより強度が向上するため、表層改良材自体の強度を
必要以上に高める必要がなくなり、表層改良材の厚さな
どを相対的に小さくすることが可能となるため、後工程
におけるオーガ削孔工事などを容易に行うことが可能で
ある。さらに、シート材の少なくとも一対の対向する周
縁部同士を重ね合わせて固定することにより、係止具な
どを使用することなく、改良表層の上面側における強度
を確保することができる。また、平面状のシート材を用
いて構築することができるため、シート材に特殊加工な
どを施す必要がなく、施工も容易で、低コストである。
【0013】さらに、本発明の軟弱地盤改良工法は、地
盤上に、前記改良表層を複数積み重ねることによって弾
性を備えた改良表層体を構築することを特徴とする。こ
のような工法により、改良表層体はシート材で区画され
た構造となるため、一つの改良表層内に生じたクラック
などが他の改良表層内へ伝播するのを防止することがで
き、大きな荷重が作用してもひび割れ、段差、傾斜など
が発生しにくく、振動吸収性に優れた改良表層体を構築
することができる。また、予め工場など生産した改良表
層を工事現場に搬送して改良表層体を構築する方法を採
用することもできる。
【0014】一方、本発明の軟弱地盤改良工法は、可撓
性および透水性を有する第1シート材を地盤上に敷き、
第1シート材の周縁部を上方へ起立させて形成した第1
表層材収容部へ表層改良材を充填した後、表層改良材表
面上に、可撓性および透水性を有する第2シート材を敷
き、第2シート材の周縁部を起立させて形成した第2表
層材収容部へ表層改良材を充填した後、第1シート材お
よび第2シート材の周縁部を表層改良材表面上へ折り曲
げて表層改良材表面を被覆するとともに、少なくとも一
対の対向する周縁部同士を重ね合わせ、表層改良材の硬
化によって地盤上に弾性を備えた改良表層体を構築する
ことを特徴とする。
【0015】このような工程により、地盤上に、シート
材で包囲され表層改良材とシート材とが一体化した構造
の改良表層体を構築することができ、この改良表層体内
部は、シート材で区画された複数層の表層改良材からな
る積層構造となるため、支持強度が高まり、クラックが
伝播しにくくなるため、耐ひび割れ性などがさらに向上
する。
【0016】さらに、本発明の軟弱地盤改良工法では、
シート材の少なくとも一対の対向する周縁部に固定用の
紐状体を付設し、前記紐状体を緊張させて表層改良材を
包囲することにより、表層改良材を確実に包囲、固定す
ることができるようになり、作業性も向上する。
【0017】また、本発明の軟弱地盤改良工法では、シ
ート材としてジオテキスタイルを使用することができ
る。ここで、ジオテキスタイルとは、高分子材料を素材
として形成された織物、不織布あるいは編物であり、可
撓性および透水性を備えたシート状の土木用資材であ
る。ジオテキスタイルは強靱なシート材で、引張強度が
高いため、ジオテキスタイルで表層改良材を包囲するこ
とにより、表層改良材硬化後は両者が完全に一体化して
弾性を備えたものとなり、特に、曲げ強度、圧縮強度、
剪断強度が大幅に増大するので、耐ひび割れ性などに優
れた改良表層あるいは改良表層体を構築することができ
る。なお、ジオテキスタイルは透水性を備えているた
め、表層改良材として貧配合のセメント系スラリーを使
用した場合、包囲後において余剰水を排水することがで
き、強固かつ均一な硬化状態を得ることができる。
【0018】また、本発明の軟弱地盤改良工法では、シ
ート材の引張強度を10kg/3cm〜500kg/3
cmとすることができる。ここで、10kg/3cmと
は、幅3cmのシート材の引張強度が10kgであるこ
とを表している。シート材の引張強度をこのような範囲
とすることにより優れた弾性を備えた改良表層あるいは
改良表層体を構築することができるため、支持強度が高
く、ひび割れ、段差、傾斜などが発生しにくくなる。
【0019】また、本発明の軟弱地盤改良工法では、表
層改良材として、硬化後の一軸圧縮強度が1kg/cm
2 〜30kg/cm2 であるセメント系スラリーを使用
することができる。このようなセメント系スラリーは流
動性が良好で表層材収容部への充填性に優れ、硬化後は
弾性を備えた改良表層あるいは改良表層体を構築するこ
とができ、後工程におけるオーガ削孔工事なども容易に
行うことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1,2は第1実施形態である軟
弱地盤改良工法を示す工程説明図である。本実施形態は
軟弱地盤10上に仮設道路18を構築する場合を示して
いる。軟弱地盤10上に型枠11を立設し、型枠11内
の軟弱地盤10上にジオテキスタイル12を敷き、ジオ
テキスタイル12の周縁部12aを上方へ起立させて形
成した表層材収容部13内へ貧配合のセメント系スラリ
ー14を充填した後、周縁部12aをセメント系スラリ
ー14の表面上へ折り曲げて被覆する。ここで、貧配合
のセメント系スラリー14とは、28日養生後の一軸圧
縮強度が1〜30kg/cm2 のものをいう。
【0021】この場合、周縁部12aに付設されたロー
プ21を引っ張り、ジオテキスタイル12の対向する周
縁部12a同士を重ね合わせて固定した後、セメント系
スラリー14を硬化させるとセメント硬化体19が得ら
れる。これによって、軟弱地盤10上に、ジオテキスタ
イル12とセメント硬化体19とが一体化し弾性を備え
た改良表層15を構築することができる。なお、ジオテ
キスタイル12は透水性を有しているため、セメント系
スラリー14を充填した後も余剰水を排水することがで
き、強固かつ均一な硬化状態を得ることができる。この
あと、改良表層15の上に砂層16を形成し、さらに砂
層16の上に砕石層17を形成すると、仮設道路18が
完成する。
【0022】このような工程により、セメント系スラリ
ー14の周囲はジオテキスタイル12で包囲され、硬化
後は、ジオテキスタイル12とセメント硬化体19とが
一体化した状態となるため、セメント系スラリー14の
みを硬化させた場合に比べ弾性が大幅に高まり、曲げ強
度、引張強度、剪断強度などが向上する。したがって、
改良表層15の支持強度が高まり、大きな荷重が作用し
てもひび割れ、段差、傾斜などが発生しにくい仮設道路
18を構築することができる。
【0023】また、セメント硬化体19はジオテキスタ
イル12で包囲することにより強度が向上するため、セ
メント硬化体19自体の強度を必要以上に高める必要が
なくなり、後工程において、仮設道路18から施工する
オーガ削孔工事などを容易に行うことが可能である。
【0024】さらに、ジオテキスタイル12の対向する
周縁部12a同士を重ね合わせて固定することにより、
係止具などを使用することなく、改良表層15の上面側
における強度を確保することができる。また、予めジオ
テキスタイル12に加工を施して特殊な形状にする必要
がないため、施工が容易で、低コストである。
【0025】本実施形態において、セメント系スラリー
14は貧配合であり、28日養生後の一軸圧縮強度が1
kg/cm2 〜30kg/cm2 であるが、ジオテキス
タイル12で包囲することによって弾性に優れた改良表
層15を構築することができる。
【0026】ここで、図2を参照して、仮設道路18の
長手方向の構造について説明する。図2に示すように、
軟弱地盤10上に改良表層15aを構築する際に、ジオ
テキスタイル12の対向する周縁部12bに付設された
ロープ22を引っ張って周縁部12b同士を重ね合わせ
て固定するとともに、改良表層15aの端部に階段状の
接合部20を形成する。
【0027】次に、改良表層15aから所定距離隔てた
位置に、前述と同様の工程により接合部20を備えた改
良表層15bを構築する。そして、改良表層15a,1
5bの間の軟弱地盤10上にジオテキスタイル12を敷
き、前述と同様の工程で改良表層15cを形成すると、
改良表層15a,15b,15cが長手方向に連続した
状態となる。この場合、改良表層15a,15b,15
cは互いに階段状の接合部20で重なり合っているた
め、荷重の伝達、分散が円滑に行なわれ、応力集中によ
るひび割れなどが生じにくい。
【0028】なお、図3に示すように、所定距離隔てて
構築した改良表層23a,23bに斜面状の接合部24
を設け、これらの間に改良表層23cを構築することに
より、改良表層23a,23b,23cが互いに接合部
24で重なり合う構造としても、前記と同様の機能が発
揮される。
【0029】次に、図4を参照して、本発明の第3実施
形態について説明する。図4は第3実施形態を示す工程
説明図である。本実施形態では、図4に示すように、軟
弱地盤10上に構築された改良表層25の一部を切欠し
て空間26を形成し、空間26内の軟弱地盤10上にジ
オテキスタイル12を敷いて形成した表層材収容部27
内にセメント系スラリー14を充填する。この後、前述
と同様の工程により、改良表層28を構築したものであ
る。このように、一旦構築された改良表層25内に、改
良表層28を構築することができるため、万一、改良表
層25に部分的な沈下などが生じた場合にも速やかに補
修することができる。なお、セメント系スラリー14内
の余剰水は、改良表層28下面のジオテキスタイル12
を通して排出可能である。
【0030】次に、図5を参照して、本発明の第4実施
形態について説明する。図5は第4実施形態を示す工程
説明図である。図5に示すように、本実施形態では、軟
弱地盤10上に構築された改良表層30の一部を切欠し
て空間31を形成する。この場合、空間31の上下にお
いて改良表層30を構成していたジオテキスタイル12
c,12dは完全に削除せず残しておく。そして、空間
31内の軟弱地盤10上にジオテキスタイル12dを広
げ、その上に、新たなジオテキスタイル12を敷いて形
成した表層材収容部32内にセメント系スラリー14を
充填する。この後、前述と同様の工程により、改良表層
33を構築するが、改良表層33の上面はジオテキスタ
イル12cで被覆された状態とする。
【0031】このような工程により、上下面をジオテキ
スタイル12c,12dで覆われた改良表層33が構築
されるとともに、改良表層33の上下には開口部34が
形成される。本実施形態の場合、セメント系スラリー1
4内の余剰水の排出は開口部34を通して行われる。本
実施形態の改良表層33においては、その上面および下
面は、ジオテキスタイル12c,12dで包囲されてい
るため、強度に優れたものとなる。
【0032】次に、図6を参照して、本発明の第5実施
形態について説明する。図6は第5実施形態を示す工程
説明図である。本実施形態では、まず、軟弱地盤10上
に第1のジオテキスタイル41を敷き、ジオテキスタイ
ル41の周縁部41aを上方へ起立させて形成した第1
表層材収容部42へセメント系スラリーを充填してセメ
ント硬化体43を形成する。次に、セメント硬化体43
表面上に第2のジオテキスタイル44を敷き、ジオテキ
スタイル44の周縁部44aを起立させて形成した第2
表層材収容部45へセメント系スラリー14を充填す
る。そして、ジオテキスタイル44の周縁部44aをセ
メント系スラリー14の表面上へ折り曲げるとともに、
ジオテキスタイル41の対向する周縁部41a同士を重
ね合わせ、ロープ48,49を接続して一体化して緊張
させる。このあと、セメント系スラリー14が硬化する
とセメント硬化体46となり、軟弱地盤10上に弾性を
備えた改良表層体47が構築される。
【0033】このような工程により、軟弱地盤10上
に、ジオテキスタイル41,44で包囲されセメント硬
化体43,46とジオテキスタイル41,44とが一体
化した構造の改良表層体47を構築することができ、こ
の改良表層体47の内部は、ジオテキスタイル44で区
画された複数層のセメント硬化体43,46からなる積
層構造となるため、高さ方向の寸法の大きな改良表層体
47を構築することができるとともに、支持強度が高ま
り、耐ひび割れ性などがさらに向上する。
【0034】また、本実施形態の場合、ジオテキスタイ
ル44で区画された複層構造であり、セメント硬化体4
3,46の一方に生じたクラックが他方へ伝播するのを
ジオテキスタイル44によって防止することができるた
め、耐ひび割れ性などの点で特に優れたものとなる。
【0035】さらに、本実施形態の場合、ジオテキスタ
イル41,44の周縁部41a,44aの重ね合わせ部
分は図6に示すような構造であるが、このような構造に
限定するものではなく、例えば、図7,8に示すような
重ね合わせ構造を採用することもできる。
【0036】図7に示す実施形態の場合、ジオテキスタ
イル44の周縁部44aを重ね合わせず開いた状態で固
定し、その開放部分にジオテキスタイル41の周縁部4
1a同士を重ね合わせることによりセメント硬化体46
を包囲しているため、固定作業が容易である。
【0037】一方、図8に示す実施形態の場合、ジオテ
キスタイル44の周縁部44a同士を重ね合わせ、さら
にその上面にジオテキスタイル41の周縁部41a同士
を重ね合わせることによりセメント硬化体46を包囲し
ているため、さらに確実な包囲を行うことができる。
【0038】図6〜8の実施形態において、セメント硬
化体43,46の厚さを30cm〜60cmとしたとこ
ろ弾性が高く、高強度の改良表層体47を構築すること
ができた。なお、図6〜8の実施形態においては、2枚
のジオテキスタイル41,44を使用して二層構造の改
良表層体47を構築しているが、現場の状況や用途など
に応じて、三層構造以上の改良表層体を構築することも
できる。
【0039】次に、図9を参照して、本発明の第6実施
形態について説明する。図9は第6実施形態を示す工程
説明図である。本実施形態は、軟弱地盤10上に一般道
路69を構築する場合を示している。図9に示すよう
に、軟弱地盤10を掘削して空間60を形成し、空間6
0内にジオテキスタイル61を敷いて形成した表層材収
容部62内にセメント系スラリー14を充填し、その表
面をジオテキスタイル61の周縁部61aで被覆すると
ともに、対向する周縁部61a同士を重ね合わせて固定
する。この場合、周縁部61aに付設されたロープ63
を緊張させることによって確実な固定を行うことができ
る。セメント系スラリー14が硬化してセメント硬化体
64となると、改良表層65が構築される。
【0040】このあと、改良表層65の上に砂層66お
よび路盤67を形成し、そのうえにアスファルト舗装6
8を施工することによって、一般道路69を構築するこ
とができる。本実施形態においても、ジオテキスタイル
61とセメント硬化体64とは強固に一体化した状態と
なるため、一般道路69は、ひび割れ、段差、傾斜など
の発生しにくいものとなる。なお、本実施形態と同様の
工程を採用することにより、軟弱地盤10の上に工場用
地などを構築することができる。
【0041】次に、図10,11を参照して、本発明の
本発明の第7,8実施形態について説明する。図10,
11は第7,8実施形態を示す断面図である。
【0042】図10に示す第7実施形態においては、セ
メント硬化体71とジオテキスタイル70とを一体化さ
せて形成した複数の改良表層72を軟弱地盤73上に積
み重ねることにより改良表層体74を構築している。改
良表層体74においては、弾性を備えた改良表層72が
積層された状態となっているため強度が高く、また、一
つの改良表層72内に生じたクラックなどが他の改良表
層72内へ伝播することがないため、耐ひび割れ性など
の点で特に優れている。
【0043】また、図11に示す第8実施形態において
は、セメント硬化体71とジオテキスタイル70とを一
体化させて形成した複数の改良表層72を軟弱地盤73
上に千鳥状に積み重ねることにより改良表層体75を構
築している。改良表層体75においては、弾性を備えた
改良表層72が千鳥状に積層されそれぞれの改良表層7
2の位相が異なった状態に配置されているため改良表層
72のズレや移動などが生じにくい点で優れている。な
お、予め改良表層72を工場などで生産した後、工事現
場まで搬送し、地盤73上に積層させて改良表層体75
を構築するような工法を採用することもできる。
【0044】
【発明の効果】本発明により以下の効果を奏することが
できる。
【0045】(1)可撓性を有するシート材で包囲した
表層改良材を地盤上に配置して弾性を備えた改良表層を
構築することにより、改良表層の曲げ強度、圧縮強度、
剪断強度などは表層材単体よりも優れたものとなるた
め、支持強度が高く、ひび割れ、段差、傾斜などが発生
しにくい改良表層を形成することができる。また、表層
改良材をシート材で包囲することによって強度が増大す
るため、改良表層の厚さなどを相対的に小さくすること
が可能となり、後工程における、オーガ削孔工事などを
容易に行うことができるようになる。
【0046】(2)請求項2記載の軟弱地盤改良工法に
より、表層改良材とシート材とが一体化し弾性を備えた
改良表層が形成されるため、表層材単体を硬化させた場
合に比べ、曲げ強度、引張強度、剪断強度などが向上す
る。したがって、施工が簡単でありながら、支持強度が
高く、大きな荷重が作用してもひび割れ、段差、傾斜な
どが発生しにくい改良表層を構築することができる。表
層改良材をシート材で包囲することにより強度が向上す
るため、表層改良材の強度を必要以上に高める必要がな
くなり、その厚さなどを相対的に小さくすることができ
るため、後工程におけるオーガ削孔工事などを容易に行
うことが可能となる。
【0047】(3)シート材の少なくとも一対の対向す
る周縁部同士を重ね合わせて固定することにより、係止
具などを使用することなく、改良表層の上面側における
強度を確保することができ、平面状シート材を用いて構
築することができるため、特殊な加工などを施す必要が
なく、施工も容易で、低コストである。
【0048】(4)地盤上に、改良表層を複数積み重ね
ることによって弾性を備えた改良表層体を構築すること
により、改良表層体はシート材で区画された構造となる
ため、一つの改良表層内に生じたクラックなどが他の改
良表層内へ伝播するのを防止することができ、大きな荷
重が作用してもひび割れ、段差、傾斜などが発生しにく
く、振動吸収性にも優れた改良表層体を構築することが
できる。
【0049】(5)請求項4記載の軟弱地盤改良工法に
より、軟弱地盤上に、シート材で区画された複数層の表
層改良材からなる弾性を備えた積層構造の改良表層体が
形成されるため、クラックの伝播がなくなり、支持強度
が高まり、耐ひび割れ性などがさらに向上する。
【0050】(6)シート材の少なくとも一対の対向す
る周縁部に固定用の紐状体を付設し、この紐状体を緊張
させることにより、表層改良材を確実に包囲、固定する
ことができるようになり、作業性も向上する。
【0051】(7)シート材としてジオテキスタイルを
使用することにより、表層改良材の硬化後はジオテキス
タイルと表層材とが完全に一体化し、特に、曲げ強度、
圧縮強度、剪断強度などが大幅に増大するので、耐ひび
割れ性などに優れた改良表層を構築することができる。
【0052】(8)引張強度が10kg/3cm〜50
0kg/3cmのシート材を使用することにより、優れ
た弾性を備え高強度の改良表層あるいは改良表層体を構
築することができるため、支持強度が高まり、ひび割
れ、段差、傾斜などが発生しにくくなる。
【0053】(9)表層改良材として、硬化後の一軸圧
縮強度が1kg/cm2 〜30kg/cm2 であるセメ
ント系スラリーを使用することにより、表層材収容部へ
の充填作業が容易となり、硬化後は弾性のある改良表層
あるいは改良表層体を構築することができ、後工程にお
けるオーガ削孔工事なども容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態である軟弱地盤改良工法を示す工
程説明図である。
【図2】第1実施形態である軟弱地盤改良工法を示す工
程説明図である。
【図3】第2実施形態を示す断面図である。
【図4】第3実施形態である軟弱地盤改良工法を示す工
程説明図である。
【図5】第4実施形態である軟弱地盤改良工法を示す工
程説明図である。
【図6】第5実施形態である軟弱地盤改良工法を示す工
程説明図である。
【図7】第5実施形態におけるジオテキスタイルの重ね
合わせ構造に関する他の実施形態を示す断面図である。
【図8】第5実施形態におけるジオテキスタイルの重ね
合わせ構造に関する他の実施形態を示す断面図である。
【図9】第6実施形態である軟弱地盤改良工法を示す工
程説明図である。
【図10】第7実施形態を示す断面図である。
【図11】第8実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
10,73 軟弱地盤 11 型枠 12,12c,12d,41,44,61,70 ジオ
テキスタイル 12a,12b,41a,44a,61a 周縁部 13,27,62 表層材収容部 14 セメント系スラリー 15,15a,15b,15c,23a,23b,23
c,25,30,33,65 改良表層 47,72,75 改良表層体 16,66 砂層 17 砕石層 18 仮設道路 19,43,46,64,71 セメント硬化体 21,22,48,49,63 ロープ 20,24 接合部 26,31,60 空間 34 開口部 42 第1表層材収容部 45 第2表層材収容部 69 一般道路 67 路盤 68 アスファルト舗装

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性を有するシート材で包囲した表層
    改良材を地盤上に配置することによって前記地盤上に弾
    性を備えた改良表層を構築することを特徴とする軟弱地
    盤改良工法。
  2. 【請求項2】 可撓性および透水性を有するシート材を
    地盤上に敷き、前記シート材の周縁部を上方へ起立させ
    て形成した表層材収容部へ表層改良材を充填した後、前
    記周縁部を前記表層材表面上へ折り曲げて前記表層改良
    材表面を被覆するとともに、少なくとも一対の対向する
    前記周縁部同士を重ね合わせ、前記表層改良材の硬化に
    よって前記地盤上に弾性を備えた改良表層を構築するこ
    とを特徴とする軟弱地盤改良工法。
  3. 【請求項3】 地盤上に、前記改良表層を複数積み重ね
    ることにより弾性を備えた改良表層体を構築することを
    特徴とする請求項1,2記載の軟弱地盤改良工法。
  4. 【請求項4】 可撓性および透水性を有する第1シート
    材を地盤上に敷き、前記第1シート材の周縁部を上方へ
    起立させて形成した第1表層材収容部へ表層改良材を充
    填した後、前記表層改良材表面上に、可撓性および透水
    性を有する第2シート材を敷き、前記第2シート材の周
    縁部を起立させて形成した第2表層材収容部へ表層改良
    材を充填した後、前記第1シート材および第2シート材
    の周縁部を前記表層改良材表面上へ折り曲げて前記表層
    改良材表面を被覆するとともに、少なくとも一対の対向
    する前記周縁部同士を重ね合わせ、前記表層改良材の硬
    化によって前記地盤上に弾性を備えた改良表層体を構築
    することを特徴とする軟弱地盤改良工法。
  5. 【請求項5】 前記シート材の少なくとも一対の対向す
    る周縁部に固定用の紐状体を付設し、前記紐状体を緊張
    することによって前記表層改良材を包囲することを特徴
    とする請求項1〜4記載の軟弱地盤改良工法。
  6. 【請求項6】 前記シート材が、ジオテキスタイルであ
    ることを特徴とする請求項1〜5記載の軟弱地盤改良工
    法。
  7. 【請求項7】 前記シート材の引張強度が、10kg/
    3cm〜500kg/3cmであることを特徴とする請
    求項1〜6記載の軟弱地盤改良工法。
  8. 【請求項8】 前記表層改良材として、硬化後の一軸圧
    縮強度が1kg/cm2 〜30kg/cm2 のセメント
    系スラリーを使用することを特徴とする請求項1〜7記
    載の軟弱地盤改良工法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010163769A (ja) * 2009-01-14 2010-07-29 Tokyo Geotech Kk 舗装道路の段差抑制工法及び段差抑制構造
JP2013096185A (ja) * 2011-11-04 2013-05-20 Taisei Corp 仮設工事用道路の防護方法、砕石流出防護構造、及び防護ネット
KR101522617B1 (ko) * 2012-08-30 2015-05-22 삼원실업 주식회사 지오컨테이너를 이용한 제방 시공방법
JP2016108929A (ja) * 2014-11-27 2016-06-20 株式会社ドーコン 地盤上の盛土の補強方法、荷重予定地の補強方法、及び、補強構造
JP2019206803A (ja) * 2018-05-28 2019-12-05 中村物産有限会社 風力発電装置用基礎構造

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