JP2019206603A - 水道水適用個所に用いられるシール部材用ポリアミン加硫性カルボキシル基含有水素化ニトリルゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】塩素含有水溶液に対する耐久性にすぐれ、塩素含有水溶液浸漬下での硬度および体積の変化が小さく、成形品表面の面荒れも生じず、かつ低コストを達成し得る、水道水適用個所に用いられるシール部材の加硫成形材料として有効に用いられるポリアミン加硫性カルボキシル基含有水素化ニトリルゴム組成物を提供する。【解決手段】ポリアミン加硫性カルボキシル基含有水素化ニトリルゴム100重量部当り、ポリアミン化合物加硫剤0.1〜5重量部、シリカ35〜75重量部およびメルカプト系シランカップリング剤0.3〜5重量部を含有してなる、水道水適用個所に用いられるシール部材用ポリアミン加硫性カルボキシル基含有水素化ニトリルゴム組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、水道水適用個所に用いられるシール部材用ポリアミン加硫性カルボキシル基含有水素化ニトリルゴム組成物に関する。さらに詳しくは、塩素含有水溶液に対する耐久性にすぐれた、水道水適用個所に用いられるシール部材の加硫成形材料として有効に用いられるポリアミン加硫性カルボキシル基含有水素化ニトリルゴム組成物に関する。
従来、水道配管や給湯器等の水道水適用個所に使用される好適なゴム材料としては、エチレンプロピレンジエン共重合ゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(HNBR)、フッ素ゴム(FKM)等が知られている。一般的には、エチレンプロピレンジエン共重合ゴムやブチルゴムが使用されており、中でもエチレンプロピレンジエン共重合ゴムが最も汎用とされている。
しかるに、EPDMを用いた材料では、水道水等に含まれる塩素系殺菌剤である次亜塩素酸に曝される環境下では、分子内にジエン系成分を含むため、これに対し劣化を生じさせ、漏水の発生やポリマー成分の水中への流出などの問題が発生する。
また、EPDMは、水道管等に用いられる銅が系中に存在する場合には劣化が促進され、いわゆる銅害が起こることが知られている(非特許文献1)。
さらに、EPDMを用いる場合、圧縮永久歪、引張強さ、硬さ等のゴム材料として必要な物理的特性を確保するため、カーボンブラック等を充填剤として配合することが一般的であるが、これが水道水等に含まれる塩素系殺菌剤である次亜塩素酸により染み出し、その結果として水中にカーボンブラックの黒色成分が混入する、周辺機器等を汚染する、成形品の表面荒れが発生するなどのいわゆる黒水が発生することが知られている。黒水に対しての有効な改善方法として、カーボンブラックの代わりにシリカを充填剤として用いる方法もあるが、シリカを用いた場合においても、同様に成形品の表面荒れが起こることが知られている。
近年、EPDMのこれらの問題に対して、耐薬品性の高いフッ素ゴムが使用されている。フッ素ゴムは耐薬品性が高く、次亜塩素酸についても例外ではないが、フッ素ゴムはEPDMと比較して高価であるため、コスト面での課題がある。
「合成ゴム材の劣化について」空気調和・衛生工学 第79巻第11号 第1025〜1032頁(2005年11月)
本発明の目的は、塩素含有水溶液に対する耐久性にすぐれ、塩素含有水溶液浸漬下での硬度および体積の変化が小さく、成形品表面の面荒れも生じず、かつ低コストを達成し得る、水道水適用個所に用いられるシール部材の加硫成形材料として有効に用いられるポリアミン加硫性カルボキシル基含有水素化ニトリルゴム組成物を提供することにある。
かかる本発明の目的は、ポリアミン加硫性カルボキシル基含有水素化ニトリルゴム100重量部当り、ポリアミン化合物加硫剤0.1〜5重量部、シリカ35〜75重量部およびメルカプト系シランカップリング剤0.3〜5重量部を含有してなる、水道水適用個所に用いられるシール部材用ポリアミン加硫性カルボキシル基含有水素化ニトリルゴム組成物によって達成される。
本発明に係る水素化ニトリルゴム組成物を加硫成形して得られるシール部材は、塩素含有水溶液に対する耐久性にすぐれ、塩素含有水溶液浸漬下での硬度および体積の変化が小さく、得られる成形品表面の面荒れも生じないといったすぐれた効果を奏する。かかる効果は、充填剤として用いられるシリカがカーボンブラックと比較して吸水性が高く、かかるシリカの表面をシラン化合物、特に3-メルカプトプロピルトリアルコキシシランで修飾することで、吸水性や次亜塩素酸の酸化力あるいは漂白性等の影響を小さくすることにより、塩素含有水溶液浸漬下でのシール部材の耐久性が向上することによるものと考えられる。
α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位、ジエン系単量体単位、α,β-エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位および任意成分としてのそれ以外のα,β-エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体単位を有し、α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位含量が10〜60重量%、好ましくは15〜55重量%、特に好ましくは20〜50重量%、例えば34重量%で、ヨウ素価が120以下であるポリアミン加硫性カルボキシル基含有水素化ニトリルゴムは、例えば特許文献1〜2に記載されている。
α,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位は、ニトリル基を有するα,β-エチレン性不飽和化合物であれば特に限定されず、例えばアクリロニトリル、そのα-位がクロロ基、ブロモ基であるα-ハロゲノアクリロニトリル、そのα-位がアルキル基であるメタクリロニトリル等が挙げられ、好ましくはアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルが用いられる。
このα,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位は、本発明ではポリアミン加硫性高飽和ニトリルゴム中20〜30重量%、好ましくは20〜25重量%とされる。
ジエン系単量体単位は、1,3-ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、1,4-ペンタジエン、1,4-ヘキサジエン等のC4〜C12の共役または非共役のジエン単量体、好ましくは共役ジエン単量体、より好ましくは1,3-ブタジエンから導かれる。
これらのジエン系単量体単位は、任意成分としてのエチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン等のC2〜C12のα-オレフィン系単量体単位と共に用いることができる。
ジエン系単量体単位またはそれとα-オレフィン系単量体単位とは、ポリアミン加硫性カルボキシル基含有水素化ニトリルゴム中20〜78.8重量%、好ましくは30〜78.7重量%、より好ましくは40〜78.4重量%とされる。これよりも少ない割合でジエン系単量体単位などが用いられると、ゴム加硫物のゴム弾性が低下するおそれがあり、一方多すぎると、耐熱性や耐化学的安定性が損なわれる可能性がある。
α,β-エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位としては、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸等のC1〜C10、好ましくはC2〜C6のモノアルキルエステル、C5〜C12、好ましくはC6〜C10のモノシクロアルキルエステル、C6〜C12、好ましくはC7〜C10のモノ(アルキル置換シクロアルキル)エステル等が挙げられ、より好ましくはマレイン酸、フマル酸またはシトラコン酸のモノプロピルエステルまたはモノn-ブチルエステルが挙げられ、特に好ましくはマレイン酸モノn-ブチルエステルが用いられる。
これらのα,β-エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位は、ポリアミン加硫性カルボキシル基含有水素化ニトリルゴム中0.1〜20重量%、より好ましくは0.2〜15重量%、特に好ましくは0.5〜10重量%とされる。これよりも少ない割合でα,β-エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位が用いられると、アミン加硫に必要なカルボキシル基が不足するようになり、加硫物の引張り応力が低下するようになり、一方これよりも多い割合で用いられると、加硫性カルボキシル基含有水素化ニトリルゴム組成物のスコーチ安定性の悪化、加硫物の耐疲労性の低下などを起こすようになる。
本発明においては、好ましくはα,β-エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位と共に、さらにそれ以外のα,β-エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体単位を有するポリアミン加硫性カルボキシル基含有水素化ニトリルゴムが用いられ、かかる単量体単位としてはC1〜C8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位およびC2〜C8のアルコキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体単位および前記のα,β-エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステルに対応するジエステル単量体単位の少なくとも一種を挙げることができる。
これらのα,β-エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体単位は、ポリアミン加硫性カルボキシル基含有水素化ニトリルゴム中30重量%以下、好ましくは20重量%以下、特に好ましくは0.1〜10重量%の割合で用いられる。
これらの各単量体単位よりなるポリアミン加硫性カルボキシル基含有水素化ニトリルゴムとしては、そのヨウ素価が120以下、好ましくは80以下、さらに好ましくは25以下、特に好ましくは15以下のものが用いられる。水添による飽和度の低下を示すヨウ素価が、これ以上のものを用いると、加硫物の耐オゾン性が損なわれるようになる。
以上の各単量体単位、すなわちα,β-エチレン性不飽和ニトリル単量体単位、ジエン系単量体単位、α,β-エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位およびそれ以外のα,β-エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体単位を必須の単量体単位として有し、ヨウ素価が120以下であるポリアミン加硫性カルボキシル基含有水素化ニトリルゴム、さらに他のα,β-エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体単位を共重合させないものも、実際には市販品をそのまま用いることができる。例えば、前者の4元系共重合体よりなるポリアミン加硫性カルボキシル基含有水素化ニトリルゴムとしては、日本ゼオン製品Zetpol 3710、Zetpol 3610等が、また後者の3元系共重合体よりなるポリアミン加硫性カルボキシル基含有水素化ニトリルゴムとしては、同社製品Zetpol 2510等がそのまま用いられる。
これらのポリアミン加硫性カルボキシル基含有水素化ニトリルゴムは、特許文献3に記載される如きポリアミン化合物加硫剤によって加硫される。多価アミン化合物としては、ヘキサメチレンジアミン、そのカーバメート、ベンゾエートまたはシンナムアルデヒド付加物、ジアミノ変性シロキサン等の脂肪族ジアミン、4,4′-メチレンビスシクロヘキシルアミンまたはそのシンナムアルデヒド付加物、ビス(4-アミノ-3-メチルジシクロヘキシル)メタン等の脂環式ジアミン、4,4′-メチレンジアニリン、p,p′-エチレンジアニリン、m-またはp-フェニレンジアミン、3,4′-ジアミノジフェニルエーテル、4,4′-ジアミノジフェニルエーテル、4,4′-ジアミノジフェニルスルホン、4,4′-(m-またはp-フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2-ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、4,4′-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェノール、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン等の芳香族ジアミンが挙げられ、好ましくは芳香族ジアミン、さらに好ましくはp-位置換体芳香族ジアミンが用いられる。
これらの多価アミン化合物加硫剤は、4元系または3元系ポリマー100重量部当り約0.1〜5重量部、好ましくは約0.2〜4重量部の割合で用いられ、これよりも少ない割合で用いられると加硫が不十分となり、十分な耐圧縮永久歪特性が得られない。
4元系または3元系ポリマーの耐圧縮永久歪特性を改善するために、ジアミン化合物加硫剤と共に1,8-ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン-7(塩)または1,5-ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノネン(塩)加硫促進剤を併用する方法、さらにこの加硫系に加えてメルカプトベンツイミダゾール類を併用する方法、芳香族ジアミン化合物加硫剤とグアニジン化合物加硫助剤を併用する方法、さらにこの加硫系にベンゾチアゾリルスルフェンアミド系化合物加硫促進剤を併用する方法なども、適宜採用される。
シリカとしては、ハロゲン化けい素または有機けい素化合物の熱分解法やけい砂を加熱還元し、気化したSiOを空気酸化する方法などで製造される乾式法ホワイトカーボン、けい酸ナトリウムの熱分解法などで製造される湿式法ホワイトカーボン等であって、非晶質シリカを用いることができ、好ましくは粒子径0.01〜0.1μmのものが用いられる。シリカの粒子径がこれより大きいと、耐摩耗性が悪化し、一方シリカの粒子径がこれより小さいと、シリカをゴムに分散させる際に粒子が凝集して大きくなり、やはり耐摩耗性が悪化するようになる。かかるシリカとしては、市販品、例えば東ソー・シリカ製品Nipsil ERなどがそのまま用いられる。また、その比表面積は約20〜300m2/g、好ましくは約50〜250m2/g程度のものが一般に用いられる。ホワイトカーボンは、その価格、取扱性および耐摩耗性の良さから、一般的に用いられているカーボンブラックと比べて耐摩耗性に劣るものの、接着剤との接着性を向上させ、また高温・高面圧でのゴムのフローを防止する。
シリカは、水素化ニトリルゴム100重量部当り、約35〜75重量部、好ましくは約40〜65重量部の割合で用いられる。シリカがこれより少ない割合で用いられると、摩擦・摩耗時にゴム層の剥離が発生するようになり、一方これより多い割合で用いられると、ゴム硬度が高くなり、またゴム弾性も失われるようになる。
ここでシリカは、その表面官能基であるシラノール基の水素結合により粒子同士が凝集する傾向にあり、そのためゴム中へのシリカ粒子の分散を良くするためには、混練時間を長くすることが必要である。また、シリカ表面は、そのシラノール基の特性から親水性であり、一方ゴムは親油性であることから、お互いに反発し、長時間放置したゴムコンパウンドは、溶剤への溶解性が低下し、シリカの凝集を発生させる。その結果、耐摩耗性低下の原因となってしまうことがある。
そのため、かかるシリカの凝集を防止すべく、好ましくはシリカ混練時に特定のシランカップリング剤が配合される。シリカ表面はシランカップリング剤で処理され、その凝集が防止される。一般に、ゴム業界で使用されているシランカップリング剤XSi(OR)3は、シリカなどの無機材と反応するアルコキシ基とゴムなどの有機材と反応する官能基からなり、シリカ表面のシラノール基とシランカップリング剤のアルコキシ基の加水分解で生じたシラノール基との脱水縮合反応、すなわちシリカとシランカップリング剤とのカップリング反応により、シリカ粒子表面のシラノール基を減少させ、ゴム中の分散を改良するとともに、シランカップリング剤の他方の官能基とゴム分子とのゲル化反応により、シランカップリング剤とゴム分子とが化学的結合して補強構造をつくるものとされている。
メルカプト系シランカップリング剤としては、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられ、好ましくはγ-メルカプトプロピルトリアルコキシシランが用いられる。
これらのシランカップリング剤は、水素化ニトリルゴム100重量部当り約0.3〜5重量部、好ましくは約0.5〜1.8重量部の割合で用いられる。シランカップリング剤がこれより少ない割合で用いられると、耐塩素水性が損なわれるようになり、一方これより多い割合で用いられると、ゴムの架橋密度が上がり、シール性、耐塩素水性の悪化および機械的強度の低下などがみられるようになる。
シール部材用ポリアミン加硫性カルボキシル基含有水素化ニトリルゴム組成物の調製は、以上の各成分に加え、水素化ニトリルゴムポリマーの場合に普通に採用される他の配合剤、例えば潤滑剤、加工助剤等を適宜添加し、密閉式混練機、ロール等を用いて混練することによって行われ、それのポリアミン化合物による加硫は、ポリアミン加硫性カルボキシル基含有水素化ニトリルゴム組成物の加硫条件に従って、約100〜200℃、好ましくは約130〜200℃、さらに好ましくは約150〜200℃で、約30秒間〜5時間、好ましくは約3〜10分間程度のプレス加硫および必要に応じて行われる約150〜200℃、約0.5〜24時間のオーブン加硫(二次加硫)によって行われる。
次に、実施例について本発明を説明する。
実施例1
カルボキシル基含有水素化ニトリルゴム(日本ゼオン製品Zetpol 3610 100重量部
アクリロニトリル含有量20.5重量%、ヨウ素価 12g/100g)
シリカ(東ソー・シリカ工業製品ニップシールE-74P) 50 〃
γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業製品KBM-803) 0.3 〃
ステアリン酸(ミヨシ油脂工業製品TST) 1 〃
顔料(レジノカラー工業製品ブラウン♯601、酸化第二鉄) 5 〃
ポリアミン系架橋剤(デュポン社製品Diak-1、 2 〃
ヘキサメチレンジアミンカーバメート)
架橋促進剤(ランクセス製品Rhenogran XLA-60、有効成分 4 〃
1,8-ジアザビシクロ〔5.4.0〕-7-ウンデセン)
2-メルカプトベンゾイミダゾール(大内新興化学工業製品ノクラックMB) 1 〃
2,2,4-トリメチル-1,2-ジシヒドロキノリン重合体(同社製品ノクラック224) 1 〃
以上の各成分をニーダおよび混練ロールを用いて混錬し、カルボキシル基含有水素化ニトリルゴム組成物を調製した。
カルボキシル基含有水素化ニトリルゴム(日本ゼオン製品Zetpol 3610 100重量部
アクリロニトリル含有量20.5重量%、ヨウ素価 12g/100g)
シリカ(東ソー・シリカ工業製品ニップシールE-74P) 50 〃
γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業製品KBM-803) 0.3 〃
ステアリン酸(ミヨシ油脂工業製品TST) 1 〃
顔料(レジノカラー工業製品ブラウン♯601、酸化第二鉄) 5 〃
ポリアミン系架橋剤(デュポン社製品Diak-1、 2 〃
ヘキサメチレンジアミンカーバメート)
架橋促進剤(ランクセス製品Rhenogran XLA-60、有効成分 4 〃
1,8-ジアザビシクロ〔5.4.0〕-7-ウンデセン)
2-メルカプトベンゾイミダゾール(大内新興化学工業製品ノクラックMB) 1 〃
2,2,4-トリメチル-1,2-ジシヒドロキノリン重合体(同社製品ノクラック224) 1 〃
以上の各成分をニーダおよび混練ロールを用いて混錬し、カルボキシル基含有水素化ニトリルゴム組成物を調製した。
得られたカルボキシル基含有水素化ニトリルゴム組成物を内径24.4mm、断面径3.1mmのOリング用金型内にセットし、180℃、6分間の加熱後金型内より取り出し、恒温槽を用いて175℃、4時間成形品を再度加熱して加硫させ、Oリングを10個作製した。また、同様に
125×200×2mmのテストピースを作製し、これからJIS ダンベル5号形状の治具を用いて、ダンベル形状の試験片を10個作製した。
125×200×2mmのテストピースを作製し、これからJIS ダンベル5号形状の治具を用いて、ダンベル形状の試験片を10個作製した。
得られた試験片を用いて、次の各項目の測定および評価を行った。なお、各測定で用いられる塩素含有試験水は、イオン交換水に次亜塩素酸ナトリウム試薬(関東化学製品鹿1級)を添加し、また希硫酸を用いてpH 7.0とした、塩素濃度 500ppmのものが調製されて用いられた。
圧縮永久歪:JIS K6262に準拠、Oリングを用いて120℃、70時間後の変化率を算出
変化率が15%以内の場合を○、15%を超える場合を×と判定
硬度:JISダンベル5号状試験片を用いて、硬度計(JIS A硬度)による硬度を塩素含
有試験水への浸漬前および浸漬後で評価し、浸漬前後の硬度差(浸漬後硬度
−浸漬前硬度)(ポイント)を算出
硬度差が5ポイント以下のときに○、5ポイントを超えるときに×と判定
体積:Oリングを塩素含有試験水に浸漬前および浸漬後の体積から、体積差として
{(浸漬後の体積−浸漬前の体積)/浸漬前の体積}×100(%)を算出し、塩素
含有試験水への浸漬前および浸漬後のゴムの体積変化(膨潤あるいは溶出)を
評価
体積差が20%以下を○、20%を超える場合を×と評価
外観評価:次亜塩素酸によるゴム表面への攻撃性を確認するため、光学顕微鏡を用
い、倍率50倍でOリング形状の試験片の表面写真を撮影し、表面状態を
目視にて確認
浸漬前と比べて浸漬後に表面の面荒れが発生しているときは×、
面荒れ無しのときは○と評価
圧縮永久歪:JIS K6262に準拠、Oリングを用いて120℃、70時間後の変化率を算出
変化率が15%以内の場合を○、15%を超える場合を×と判定
硬度:JISダンベル5号状試験片を用いて、硬度計(JIS A硬度)による硬度を塩素含
有試験水への浸漬前および浸漬後で評価し、浸漬前後の硬度差(浸漬後硬度
−浸漬前硬度)(ポイント)を算出
硬度差が5ポイント以下のときに○、5ポイントを超えるときに×と判定
体積:Oリングを塩素含有試験水に浸漬前および浸漬後の体積から、体積差として
{(浸漬後の体積−浸漬前の体積)/浸漬前の体積}×100(%)を算出し、塩素
含有試験水への浸漬前および浸漬後のゴムの体積変化(膨潤あるいは溶出)を
評価
体積差が20%以下を○、20%を超える場合を×と評価
外観評価:次亜塩素酸によるゴム表面への攻撃性を確認するため、光学顕微鏡を用
い、倍率50倍でOリング形状の試験片の表面写真を撮影し、表面状態を
目視にて確認
浸漬前と比べて浸漬後に表面の面荒れが発生しているときは×、
面荒れ無しのときは○と評価
実施例2
実施例1において、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン量が0.5重量部に変更されて用いられた。
実施例1において、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン量が0.5重量部に変更されて用いられた。
実施例3
実施例1において、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン量が1.0重量部に変更されて用いられた。
実施例1において、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン量が1.0重量部に変更されて用いられた。
実施例4
実施例1において、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン量が2.0重量部に変更されて用いられた。
実施例1において、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン量が2.0重量部に変更されて用いられた。
実施例5
実施例1において、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン量が3.0重量部に変更されて用いられた。
実施例1において、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン量が3.0重量部に変更されて用いられた。
実施例6
実施例1において、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン量が5.0重量部に変更されて用いられた。
実施例1において、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン量が5.0重量部に変更されて用いられた。
比較例1
実施例1において、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシランが用いられなかった。
実施例1において、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシランが用いられなかった。
比較例2
実施例1において、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン量が0.1重量部に変更されて用いられた。
実施例1において、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン量が0.1重量部に変更されて用いられた。
比較例3
実施例1において、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン量が0.2重量部に変更されて用いられた。
実施例1において、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン量が0.2重量部に変更されて用いられた。
比較例4
実施例1において、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン量が10重量部に変更されて用いられた。
実施例1において、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン量が10重量部に変更されて用いられた。
比較例5
実施例1において、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン量が15重量部に変更されて用いられた。
実施例1において、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン量が15重量部に変更されて用いられた。
以上の各実施例および比較例で得られた結果は次の表1〜2に示される。
表1
実 施 例
評価・測定項目 1 2 3 4 5 6
常態値
硬さ (ポイント) 71 71 71 72 73 72
引張強度 (MPa) 12.1 13.1 13.3 15.5 16.2 14.4
伸び (%) 220 210 190 190 170 160
比重 1.217 1.218 1.220 1.221 1.223 1.217
圧縮永久歪
CS (%) 11 10 10 10 12 13
評 価 ○ ○ ○ ○ ○ ○
浸漬試験後
硬さ変化(ポイント) -4 -5 -3 -3 -4 -1
評 価 ○ ○ ○ ○ ○ ○
体積変化率 (%) +18.0 +14.3 +13.5 +14.9 +15.2 +16.0
評 価 ○ ○ ○ ○ ○ ○
外観評価 ○ ○ ○ ○ ○ ○
表2
比 較 例
評価・測定項目 1 2 3 4 5
常態値
硬さ (ポイント) 71 71 71 74 75
引張強度 (MPa) 10.7 12.1 11.9 13.2 12.0
伸び (%) 240 230 220 140 140
比重 1.214 1.216 1.217 1.226 1.228
圧縮永久歪
CS (%) 19 13 12 16 19
評 価 × ○ ○ × ×
浸漬試験後
硬さ変化(ポイント) -12 -11 -7 -4 -6
評 価 × × × ○ ×
体積変化率 (%) +25.1 +23.6 +21.0 +21.3 +23.1
評 価 × × × × ×
外観評価 × ○ ○ ○ ○
表1
実 施 例
評価・測定項目 1 2 3 4 5 6
常態値
硬さ (ポイント) 71 71 71 72 73 72
引張強度 (MPa) 12.1 13.1 13.3 15.5 16.2 14.4
伸び (%) 220 210 190 190 170 160
比重 1.217 1.218 1.220 1.221 1.223 1.217
圧縮永久歪
CS (%) 11 10 10 10 12 13
評 価 ○ ○ ○ ○ ○ ○
浸漬試験後
硬さ変化(ポイント) -4 -5 -3 -3 -4 -1
評 価 ○ ○ ○ ○ ○ ○
体積変化率 (%) +18.0 +14.3 +13.5 +14.9 +15.2 +16.0
評 価 ○ ○ ○ ○ ○ ○
外観評価 ○ ○ ○ ○ ○ ○
表2
比 較 例
評価・測定項目 1 2 3 4 5
常態値
硬さ (ポイント) 71 71 71 74 75
引張強度 (MPa) 10.7 12.1 11.9 13.2 12.0
伸び (%) 240 230 220 140 140
比重 1.214 1.216 1.217 1.226 1.228
圧縮永久歪
CS (%) 19 13 12 16 19
評 価 × ○ ○ × ×
浸漬試験後
硬さ変化(ポイント) -12 -11 -7 -4 -6
評 価 × × × ○ ×
体積変化率 (%) +25.1 +23.6 +21.0 +21.3 +23.1
評 価 × × × × ×
外観評価 × ○ ○ ○ ○
本発明の水素化ニトリルゴム組成物から加硫成形して得られるシール材は、塩素含有水溶液に対する耐久性にすぐれているので、水道配管、給湯器等の水道水適用個所に用いられるシール部材用として有効に用いられる。
Claims (5)
- ポリアミン加硫性カルボキシル基含有水素化ニトリルゴム100重量部当り、ポリアミン化合物加硫剤0.1〜5重量部、シリカ35〜75重量部およびメルカプト系シランカップリング剤0.3〜5重量部を含有してなる、水道水適用個所に用いられるシール部材用ポリアミン加硫性カルボキシル基含有水素化ニトリルゴム組成物。
- 水道水適用個所が水道配管または給湯器である請求項1記載の水道水適用個所に用いられるシール部材用ポリアミン加硫性カルボキシル基含有水素化ニトリルゴム組成物。
- メルカプト系シランカップリング剤を0.5〜1.8重量部含有してなる請求項1記載の水道水適用個所に用いられるシール部材用ポリアミン加硫性カルボキシル基含有水素化ニトリルゴム組成物。
- メルカプト系シランカップリング剤が、γ-メルカプトプロピルトリアルコキシシランである請求項1記載の水道水適用個所に用いられるシール部材用ポリアミン加硫性カルボキシル基含有水素化ニトリルゴム組成物。
- 請求項1、2、3または4のいずれかに記載の水道水適用個所に用いられるシール部材用ポリアミン加硫性カルボキシル基含有水素化ニトリルゴム組成物から加硫成形して得られたシール部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018101165A JP2019206603A (ja) | 2018-05-28 | 2018-05-28 | 水道水適用個所に用いられるシール部材用ポリアミン加硫性カルボキシル基含有水素化ニトリルゴム組成物 |
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Publications (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7167376B1 (ja) | 2022-07-04 | 2022-11-08 | 株式会社小野ダスキン | ゴム組成物及びマット |
-
2018
- 2018-05-28 JP JP2018101165A patent/JP2019206603A/ja active Pending
Cited By (2)
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JP7167376B1 (ja) | 2022-07-04 | 2022-11-08 | 株式会社小野ダスキン | ゴム組成物及びマット |
JP2024006701A (ja) * | 2022-07-04 | 2024-01-17 | 株式会社小野ダスキン | ゴム組成物及びマット |
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