JP6908055B2 - 架橋性ゴム組成物、及びゴム架橋物 - Google Patents
架橋性ゴム組成物、及びゴム架橋物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6908055B2 JP6908055B2 JP2018559079A JP2018559079A JP6908055B2 JP 6908055 B2 JP6908055 B2 JP 6908055B2 JP 2018559079 A JP2018559079 A JP 2018559079A JP 2018559079 A JP2018559079 A JP 2018559079A JP 6908055 B2 JP6908055 B2 JP 6908055B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rubber
- weight
- acid
- highly saturated
- carboxyl group
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L15/00—Compositions of rubber derivatives
- C08L15/005—Hydrogenated nitrile rubber
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F236/00—Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, at least one having two or more carbon-to-carbon double bonds
- C08F236/02—Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, at least one having two or more carbon-to-carbon double bonds the radical having only two carbon-to-carbon double bonds
- C08F236/04—Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, at least one having two or more carbon-to-carbon double bonds the radical having only two carbon-to-carbon double bonds conjugated
- C08F236/12—Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, at least one having two or more carbon-to-carbon double bonds the radical having only two carbon-to-carbon double bonds conjugated with nitriles
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08K—Use of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
- C08K3/00—Use of inorganic substances as compounding ingredients
- C08K3/34—Silicon-containing compounds
- C08K3/36—Silica
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08K—Use of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
- C08K9/00—Use of pretreated ingredients
- C08K9/04—Ingredients treated with organic substances
- C08K9/06—Ingredients treated with organic substances with silicon-containing compounds
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L13/00—Compositions of rubbers containing carboxyl groups
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L15/00—Compositions of rubber derivatives
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L9/00—Compositions of homopolymers or copolymers of conjugated diene hydrocarbons
- C08L9/02—Copolymers with acrylonitrile
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L9/00—Compositions of homopolymers or copolymers of conjugated diene hydrocarbons
- C08L9/02—Copolymers with acrylonitrile
- C08L9/04—Latex
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09K—MATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
- C09K3/00—Materials not provided for elsewhere
- C09K3/10—Materials in mouldable or extrudable form for sealing or packing joints or covers
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F236/00—Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, at least one having two or more carbon-to-carbon double bonds
- C08F236/02—Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, at least one having two or more carbon-to-carbon double bonds the radical having only two carbon-to-carbon double bonds
- C08F236/04—Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, at least one having two or more carbon-to-carbon double bonds the radical having only two carbon-to-carbon double bonds conjugated
- C08F236/06—Butadiene
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Sealing Material Composition (AREA)
Description
本発明は、架橋性ゴム組成物、及びゴム架橋物に関する。
従来、カルボキシル基を有する水素化アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム等のカルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴムが知られている。カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴムは、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム等のニトリル基含有共重合体ゴムに比べて、主鎖に含まれる炭素−炭素間不飽和結合が少ない。そのため、得られたゴム架橋物は、耐熱性、耐油性、耐オゾン性等に優れており、自動車用のゴム部品等に使用されている。
カルボキシル基含有ニトリル共重合体ゴムを含む組成物として、例えば、特許文献1には、カルボキシル基含有ニトリルゴムと、反応性シリコーンオイルとを含有するニトリルゴム組成物が開示されている。特許文献1のカルボキシル基含有ニトリルゴム組成物は、優れた加工性を有し、常態物性及び耐寒性に優れ、且つ油に接触させて使用した場合でも物性変化の少ないゴム架橋物を与えることができる。そのため、自動車用のシール、ベルト、ホース、ガスケット等の部品として好適に用いられることが記載されている。
ところで、ゴム架橋物を、自動車のラジエータ等の用途で、LLC(Long−life coolant、冷却水)に浸される環境下で使用する場合、LLCに対する耐久性(耐LLC性)を向上させることが望まれている。
これに対し、特許文献1に開示されたようなカルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴムには、耐LLC性について改善の余地があった。
上記の点に鑑みて、本発明の目的は、耐LLC性に優れると共に、シール性、耐油性にも優れたゴム架橋物が得られる架橋性ゴム組成物を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の一態様によれば、カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴムと、シリコーンオイルにより処理されたシリカとを含む、架橋性ゴム組成物が提供される。
本発明の一形態によれば、耐LLC性に優れると共に、シール性、耐油性にも優れたゴム架橋物が得られる架橋性ゴム組成物を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
<架橋性ゴム組成物>
本発明の実施形態における架橋性ゴム組成物は、カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴムと、シリコーンオイルにより処理されたシリカとを含む架橋性ゴム組成物である。このようにカルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴムとシリコーンオイルで処理されたシリカとを組み合わせて配合した架橋性ゴム組成物によって得られるゴム架橋物は、優れたシール性、耐油性、及び耐LLC性を共に兼ね備えている。
本発明の実施形態における架橋性ゴム組成物は、カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴムと、シリコーンオイルにより処理されたシリカとを含む架橋性ゴム組成物である。このようにカルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴムとシリコーンオイルで処理されたシリカとを組み合わせて配合した架橋性ゴム組成物によって得られるゴム架橋物は、優れたシール性、耐油性、及び耐LLC性を共に兼ね備えている。
<カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム>
本実施形態で用いるカルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム(カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合ゴム、又はカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴムと言う場合がある)は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位(a1)、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位(a2)、及び共役ジエン単量体単位(a3)を有し、該共役ジエン単量体単位(a3)の少なくとも一部が水素化されている共重合体ゴムである。
本実施形態で用いるカルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム(カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合ゴム、又はカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴムと言う場合がある)は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位(a1)、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位(a2)、及び共役ジエン単量体単位(a3)を有し、該共役ジエン単量体単位(a3)の少なくとも一部が水素化されている共重合体ゴムである。
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体としては、ニトリル基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物であれば特に限定されず、アクリロニトリル;α−クロロアクリロニトリル、α−ブロモアクリロニトリル等のα−ハロゲノアクリロニトリル;メタクリロニトリル、エタクリロニトリル等のα−アルキルアクリロニトリル;等が挙げられる。これらの中でも、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルが好ましく、アクリロニトリルがより好ましい。なお、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体は、1種のみ用いてもよく、複数種を併用してもよい。
カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム中における、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位(a1)の含有量は、全単量体単位中、5〜60重量%(質量%)であり、好ましくは10〜55重量%、より好ましくは12〜50重量%である。α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量を5重量%以上とすることで、得られるゴム架橋物の耐油性を向上させることができ、含有量を60重量%以下とすることで、得られるゴム架橋物の耐寒性を向上させることができる。
α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位(a2)を形成する単量体としては、エステル化されていない無置換の(フリーの)カルボキシル基を1個有するα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸のモノエステル単量体であれば特に限定されない。無置換のカルボキシル基は、主として架橋のために用いられる。α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位(a2)を有することにより、伸び等の機械的特性に優れ、耐圧縮永久歪み性がより優れるゴム架橋物が得られる。
α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体中のエステル結合の一部を構成する酸素原子を介してカルボニル基と結合する有機基としては、アルキル基、シクロアルキル基及びアルキルシクロアルキル基が好ましく、アルキル基が特に好ましい。カルボニル基と結合する有機基がアルキル基の場合、炭素数が1〜12のものが好ましく、より好ましくは炭素数は2〜6である。また、シクロアルキル基の場合、炭素数は5〜12のものが好ましく、より好ましくは炭素数は6〜10である。さらに、アルキルシクロアルキル基の場合、炭素数が6〜12のものが好ましく、炭素数が7〜10のものがより好ましい。カルボニル基と結合する有機基の炭素数を12以下とすることで、架橋速度を高め、得られるゴム架橋物の機械的特性を向上させることができる。一方、炭素数は小さすぎると、架橋性ゴム組成物の加工安定性が低下する可能性がある。
α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位(a2)を形成するα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体としては、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノプロピル、マレイン酸モノn−ブチル等のマレイン酸モノアルキルエステル;マレイン酸モノシクロペンチル、マレイン酸モノシクロヘキシル、マレイン酸モノシクロヘプチル等のマレイン酸モノシクロアルキルエステル;マレイン酸モノメチルシクロペンチル、マレイン酸モノエチルシクロヘキシル等のマレイン酸モノアルキルシクロアルキルエステル;フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノプロピル、フマル酸モノn−ブチル等のフマル酸モノアルキルエステル;フマル酸モノシクロペンチル、フマル酸モノシクロヘキシル、フマル酸モノシクロヘプチル等のフマル酸モノシクロアルキルエステル;フマル酸モノメチルシクロペンチル、フマル酸モノエチルシクロヘキシル等のフマル酸モノアルキルシクロアルキルエステル;シトラコン酸モノメチル、シトラコン酸モノエチル、シトラコン酸モノプロピル、シトラコン酸モノn−ブチル等のシトラコン酸モノアルキルエステル;シトラコン酸モノシクロペンチル、シトラコン酸モノシクロヘキシル、シトラコン酸モノシクロヘプチル等のシトラコン酸モノシクロアルキルエステル;シトラコン酸モノメチルシクロペンチル、シトラコン酸モノエチルシクロヘキシル等のシトラコン酸モノアルキルシクロアルキルエステル;イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノプロピル、イタコン酸モノn−ブチル等のイタコン酸モノアルキルエステル;イタコン酸モノシクロペンチル、イタコン酸モノシクロヘキシル、イタコン酸モノシクロヘプチル等のイタコン酸モノシクロアルキルエステル;イタコン酸モノメチルシクロペンチル、イタコン酸モノエチルシクロヘキシル等のイタコン酸モノアルキルシクロアルキルエステル;等が挙げられる。
これらの中でも、マレイン酸モノプロピル、マレイン酸モノn−ブチル、フマル酸モノプロピル、フマル酸モノn−ブチル、シトラコン酸モノプロピル、シトラコン酸モノn−ブチル;等のα,β−エチレン性不飽和結合を形成する二つの炭素原子の各々にカルボキシル基を有するジカルボン酸のモノエステルが好ましく、マレイン酸モノn−ブチル、シトラコン酸モノプロピル等の該二つのカルボキシル基をシス位(シス配置)に有するジカルボン酸のモノエステルがより好ましく、マレイン酸モノn−ブチルが特に好ましい。なお、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体は、1種のみ用いてもよく、複数種を併用してもよい。
カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム中における、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位(a2)の含有量は、全単量体単位中、0.5〜12重量%であり、好ましくは1〜10重量%、より好ましくは2〜8重量%である。α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位(a2)の含有量を0.5重量%以上とすることで、得られるゴム架橋物の機械的特性及び耐圧縮永久歪み性を向上させることができる。一方、含有量を12重量%以下とすることで、架橋性ゴム組成物のスコーチ安定性を確保し、また得られるゴム架橋物の耐疲労性の低下を防止することができる。
共役ジエン単量体単位(a3)を形成する共役ジエン単量体としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、クロロプレン等が挙げられる。これらの中でも、1,3−ブタジエンが好ましい。
カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム中における、共役ジエン単量体単位(a3)の含有量は、全単量体単位中、20〜90重量%であり、好ましくは20〜80重量%、より好ましくは30〜65重量%である。共役ジエン単量体単位(a3)の含有量を20重量%とすることで、得られるゴム架橋物のゴム弾性を向上させることができる。また、含有量を90重量%以下とすることで、得られるゴム架橋物の化学的安定性を維持することができる。
また、本実施形態で用いるカルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴムは、上記α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位(a1)、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位(a2)、及び共役ジエン単量体単位(a3)に加えて、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位(a4)をさらに含有するものであってもよい。ここで「(メタ)アクリル酸」は、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」から選ばれる少なくとも1種を意味する。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位(a4)を形成する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の炭素数1〜8の鎖状又は環状飽和炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体;(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸エトキシメチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−メトキシブチル等のアルコキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体;等が挙げられる。これらの中でも、アルコキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体が好ましく、アルコキシアルキル基の炭素数が2〜8のものが好ましく、アルコキシアルキル基の炭素数が2〜6のものがより好ましく、アルコキシアルキル基の炭素数が2〜4のものがさらに好ましい。
カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム中における、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位(a4)の含有量は、全単量体単位中、好ましくは12〜50重量%であり、より好ましくは15〜45重量%、さらに好ましくは18〜40重量%である。(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位(a4)を、上記含有量にて含有させることにより、耐油性と耐寒性に優れたゴム架橋物が得られる。
さらに、本実施形態で用いるカルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴムは、上記各単量体単位以外に、これらの単量体単位を形成する単量体と共重合可能な他の単量体の単位を含有していてもよい。共重合可能な他の単量体単位を形成する単量体としては、例えば、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体(上述したα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体と(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体とを除く)、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸単量体、α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸単量体、α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸無水物単量体、芳香族ビニル単量体、フッ素含有ビニル単量体、共重合性窒素含有単量体等が挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノメチル等のアミノ基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル単量体であってアルキル基の炭素数が1〜16のもの;(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸ジフルオロメチル等のフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体;マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジn−ブチル等のマレイン酸ジアルキルエステル;フマル酸ジメチル、フマル酸ジn−ブチル等のフマル酸ジアルキルエステル;マレイン酸ジシクロペンチル、マレイン酸ジシクロヘキシル等のマレイン酸ジシクロアルキルエステル;フマル酸ジシクロペンチル、フマル酸ジシクロヘキシル等のフマル酸ジシクロアルキルエステル;イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジn−ブチル等のイタコン酸ジアルキルエステル:イタコン酸ジシクロヘキシル等のイタコン酸ジシクロアルキルエステル;等が挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、エチルアクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸等が挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸単量体としては、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等が挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸無水物単量体としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等が挙げられる。
芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルピリジン等が挙げられる。
フッ素含有ビニル単量体としては、フルオロエチルビニルエーテル、フルオロプロピルビニルエーテル、オルト−トリフルオロメチルスチレン、ペンタフルオロ安息香酸ビニル、ジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン等が挙げられる。
共重合性窒素含有単量体としては、N−(4−アニリノフェニル)アクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)メタクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)シンナムアミド、N−(4−アニリノフェニル)クロトンアミド、 N−フェニル−4−(3−ビニルベンジルオキシ)アニリン、N−フェニル−4−(4−ビニルベンジルオキシ)アニリン等が例示される。これらの単量体を含むことによって、老化防止機能が付与される。
これらの共重合可能な他の単量体は、1種のみ用いてもよく、複数種を併用してもよい。該他の単量体単位の含有量は、カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴムを構成する全単量体単位に対して、好ましくは50重量%以下、より好ましくは30重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下である。
本実施形態で用いるカルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴムのヨウ素価は、120以下であってよく、好ましくは60以下、より好ましくは40以下、特に好ましくは20以下である。また、ヨウ素価は、好ましくは2以上であり、より好ましくは3以上であり、さらに好ましくは5以上である。本実施形態では、カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴムとして、上述した各単量体を上記所定量含有し、かつ、このようにヨウ素価が所定の範囲にあるものを用いるとともに、これを後述するポリアミン系架橋剤と組み合わせることで、耐圧縮永久歪み性に優れるゴム架橋物が得られる。なお、ヨウ素価を120以下とすることで、得られるゴム架橋物の耐熱性を向上させることができる。また、ヨウ素価を2以上とすることで、得られるゴム架橋物の耐寒性を向上させることができる。
なお、本実施形態で用いるカルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴムのヨウ素価を上記範囲にする方法としては、例えば、カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴムを製造する際の水素添加反応において、水素添加触媒の種類、水素添加触媒の量、反応温度、水素圧力及び反応時間等を適宜調整することによりヨウ素価を制御する方法がある。具体的には、水素添加触媒の量を多くするほど、ヨウ素価は低くなる可能性があり、また、同様に、反応温度、水素圧力を高くしたり、反応時間を長くしたりすることによっても、ヨウ素価は低くなる可能性がある。そのため、本実施形態では、これらの条件を適宜調整することで、ヨウ素価を制御することができる。
また、本実施形態で用いるカルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴムのポリマー・ムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、好ましくは10〜200、より好ましくは15〜150、さらに好ましくは15〜100、特に好ましくは20〜70である。ポリマー・ムーニー粘度を上記範囲とすることにより、得られるゴム架橋物の機械特性を損なうことなく、架橋性ゴム組成物の加工性を良好なものとすることができる。
本実施形態で用いるカルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴムの製造方法は、特に限定されないが、乳化剤を用いた乳化重合により上述の単量体を共重合してニトリル基含有共重合体ゴムのラテックスを調製し、これを水素化することにより製造することが好ましい。乳化重合に際しては、乳化剤、重合開始剤、分子量調整剤等の通常用いられる重合副資材を使用することができる。
乳化剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル等の非イオン性乳化剤;ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸及びリノレン酸等の脂肪酸の塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン性乳化剤;α,β−不飽和カルボン酸のスルホエステル、α,β−不飽和カルボン酸のサルフェートエステル、スルホアルキルアリールエーテル等の共重合性乳化剤;等が挙げられる。乳化剤の使用量は、全単量体100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部である。
重合開始剤としては、ラジカル開始剤であれば特に限定されないが、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過リン酸カリウム、過酸化水素等の無機過酸化物;t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル等のアゾ化合物;等を挙げることができる。これらの重合開始剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。重合開始剤としては、無機又は有機の過酸化物が好ましい。重合開始剤として過酸化物を用いる場合には、重亜硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄等の還元剤と組み合わせて、レドックス系重合開始剤として使用することもできる。重合開始剤の使用量は、全単量体100重量部に対して、好ましくは0.01〜2重量部である。
分子量調整剤としては、特に限定されないが、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン等のメルカプタン類;四塩化炭素、塩化メチレン、臭化メチレン等のハロゲン化炭化水素;α−メチルスチレンダイマー;テトラエチルチウラムダイサルファイド、ジペンタメチレンチウラムダイサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンダイサルファイド等の含硫黄化合物等が挙げられる。これらは単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。中でも、メルカプタン類が好ましく、t−ドデシルメルカプタンがより好ましい。分子量調整剤の使用量は、全単量体100重量部に対して、好ましくは0.1〜0.8重量部である。
乳化重合の媒体には、通常、水が使用される。水の量は、全単量体100重量部に対して、好ましくは80〜500重量部である。
乳化重合に際しては、さらに、必要に応じて安定剤、分散剤、pH調整剤、脱酸素剤、粒子径調整剤等の重合副資材を用いることができる。これらを用いる場合においては、その種類、使用量とも特に限定されない。
そして、得られたニトリル基含有共重合体ゴムのラテックス中のニトリル基含有共重合体ゴムに対して、共役ジエン単量体単位(a3)の二重結合を選択的に水素添加する水素化反応を行うことにより、カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴムを製造することができる。
水素添加は公知の方法によればよく、乳化重合で得られたニトリルゴムのラテックスを凝固した後、油層で水素添加する油層水素添加法や、重合で得られたラテックスをそのまま水素添加する水層水素添加法等が挙げられるが、これらの中でも、水層水素添加法が好ましい。
ニトリルゴムの水層水素添加法による水素添加に際しては、乳化重合により調製したニトリル基含有共重合体ゴムのラテックスに、必要に応じて水を加えて希釈し、水素添加反応を行なうのが好ましい。水層水素添加法としては、水素添加触媒存在下の反応系に水素を供給して水素添加する水層直接水素添加法と、酸化剤、還元剤及び活性剤の存在下で還元することにより水素添加する水層間接水素添加法とがあるが、水層直接水素添加法が、より好ましい。
水層直接水素添加法に用いる水素添加触媒としては、水で分解しにくい化合物であればよく、特に限定されないが、例えば、パラジウム触媒等が挙げられる。
パラジウム触媒の具体例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ラウリン酸、コハク酸、オレイン酸、フタル酸等のカルボン酸のパラジウム塩;塩化パラジウム、ジクロロ(シクロオクタジエン)パラジウム、ジクロロ(ノルボルナジエン)パラジウム、ヘキサクロロパラジウム(IV)酸アンモニウム等のパラジウム塩素化物;ヨウ化パラジウム等のパラジウムヨウ素化物;硫酸パラジウム・二水和物等が挙げられる。これらの中でもカルボン酸のパラジウム塩、ジクロロ(ノルボルナジエン)パラジウム及びヘキサクロロパラジウム(IV)酸アンモニウムが特に好ましい。
水素添加触媒の使用量は、使用する水素添加触媒の種類及び目的とするヨウ素価に応じて、適宜定めればよいが、水素添加前のニトリル基含有共重合体ゴムに対するパラジウム触媒の含有量が、好ましくは200〜3000重量ppm、より好ましくは300〜2500重量ppmである。
水層直接水素添加法における反応温度、水素圧力及び反応時間は、目的とするヨウ素価に応じて、適宜定めればよいが、反応温度は、好ましくは30〜70℃、より好ましくは40〜70℃、特に好ましくは40〜60℃である。また、水素圧力は、好ましくは1〜5MPa、より好ましくは2〜4MPaである。反応時間は、好ましくは4〜8時間、特に好ましくは5〜8時間である。
そして、このようにして得られた水素添加反応後のラテックスについて、塩析による凝固、濾別及び乾燥等を行なうことにより、カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴムを得ることができる。この場合における、凝固に続く濾別及び乾燥の工程はそれぞれ公知の方法によって行なうことができる。
<シリコーンオイルで処理されたシリカ>
シリコーンオイルで処理されたシリカ(以下、シリコーンオイル処理シリカ、又はシリコーンオイル表面処理シリカとも言う)は、シリコーンオイルをシリカの表面に化学的に反応させることによって、シリコーンオイルによるコーティング膜を全体的に又は部分的にシリカ表面に形成したものである。すなわち、シリコーンオイルで処理されたシリカにおいては、シリカの表面の官能基とシリコーンオイルの官能基とによって共有結合、具体的にはシロキサン結合が形成されている。
シリコーンオイルで処理されたシリカ(以下、シリコーンオイル処理シリカ、又はシリコーンオイル表面処理シリカとも言う)は、シリコーンオイルをシリカの表面に化学的に反応させることによって、シリコーンオイルによるコーティング膜を全体的に又は部分的にシリカ表面に形成したものである。すなわち、シリコーンオイルで処理されたシリカにおいては、シリカの表面の官能基とシリコーンオイルの官能基とによって共有結合、具体的にはシロキサン結合が形成されている。
シリコーンオイルで処理されたシリカを得るための処理は、シリコーンオイルとシリカの表面とで化学結合を形成させることができ、且つシリコーンオイルでシリカを全体的に又は部分的に被覆することができるのであれば、特に限定されない。例えば、シリコーンオイル処理シリカは、原料シリカ(後述する)とシリコーンオイルとを混合することによって得ることができる。また、無溶剤の状態でシリコーンオイルをシリカに噴霧し、被覆する方法、溶剤を含有したシリコーンオイルをシリカに噴霧し被覆した後、乾燥させる方法、水性媒体中に乳化分散させたシリコーンオイルのエマルジョンでシリカを被覆した後、乾燥させる方法等を用いることもできる。これらの処理方法は、所望される処理の速度や、処理の均一性に応じて適宜選択することができる。また、上記の処理(方法)のいずれにおいても、必要に応じて加熱処理することもできる。
シリコーンオイルで処理されたシリカの体積基準分布の平均粒子径(メジアン径)(μm)は、例えばコールターカウンター方式によって測定され、好ましくは1〜20μmであり、より好ましくは1〜10μmであってよい。シリコーンオイルで処理されたシリカの平均粒径が1μm以上であることで、配合した際にシリカが凝集することを防ぐことができ、10μm以下とすることで、組成物中でシリコーンオイル処理シリカを良好に分散させることができると共に、シリカによる補強効果を付与することができる。
シリコーンオイルで処理されたシリカのBET比表面積(m2/g)は、好ましくは10〜200m2/g、より好ましくは20〜150m2/gであってよい。また、シリコーンオイルで処理されたシリカの、105℃、2時間での加熱減量(%)は、好ましくは5%以下であり、より好ましくは4%以下であってよい。また、4%分散液でのpHは、好ましくは6〜11であり、より好ましくは6〜9である。
シリコーンオイル処理シリカに含まれるシリコーンオイルは、オイル状のものであって、シリカと反応してシリカの表面に化学的に結合できるものであれば、特に限定されないが、−Si(CH3)2−O−、−SiHCH3−O−、−Si(CH3)(C6H5)−O−〔式中、C6H5はフェニル基〕の少なくとも1つの繰り返し単位を含むポリシロキサンとすることができる。中でも、−Si(CH3)2−O−の繰り返し単位及び/又は−Si(CH3)(C6H5)−O−の繰り返し単位を含むものが好ましく、繰り返し単位が、−Si(CH3)2−O−及び/又は−Si(CH3)(C6H5)−O−であるものがより好ましい。
シリコーンオイルは、直鎖状であってよく、処理する際に流動性に問題がなければ分岐していてもよい。また、少なくとも1つの鎖状末端が−O−Si(CH3)2−CH3を有するものを用いてもよいし、少なくとも1つの鎖状末端が−O−Si(CH3)2−Hを有するものを用いてもよい。シリコーンオイルの具体例としては、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等が挙げられ、中でも、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンが好ましく、ジメチルポリシロキサンが特に好ましい。これらのシリコーンオイルは、単独で用いることもできるし、2種以上を併用することもできる。
シリコーンオイルで処理されたシリカに用いられる原料シリカは特に限定されず、結晶性シリカ、非晶性シリカ、天然シリカ、合成シリカ等とすることができる。原料シリカとしては、特に、湿式法合成シリカ、乾式法合成シリカを用いることが好ましく、湿式法合成シリカがより好ましい。
湿式法合成シリカは、例えば、ケイ酸ソーダと鉱酸との中和反応によって合成されるものである。具体的には、アルカリ領域で合成される沈澱法合成シリカ(沈降法シリカ)、酸性領域で合成されるゲル法合成シリカ等がある。乾式法合成シリカとしては、例えば、四塩化珪素を酸素、水素炎中で燃焼することによって合成されるもの(ヒュームドシリカ)が挙げられる。上記のシリカのうち、沈殿法合成シリカが好ましい。
カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム100重量部に対する、シリコーンオイル処理シリカの量は、好ましくは10〜100部、より好ましくは20〜90部、さらに好ましくは25〜80部である。シリコーンオイル処理シリカの量を10部以上とすることで、補強効果を向上させることができ、また100部以下とすることで、適度な粘度及び流動性が得られるため架橋性ゴム組成物の加工性を向上させることができ、また得られるゴム架橋物の延びの低下を抑制することができる。
シリコーンオイルで処理されたシリカとしては、例えば、東ソー・シリカ社製のニップシール(登録商標)シリーズのSS−30P、SS−70、SS−95、日本アエロジル社製のAEROSIL(登録商標)シリーズのR202、R208等が挙げられる。
<架橋剤>
本実施形態による架橋性ゴム組成物は、上述したカルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴムに加えて、架橋剤を含有していてよい。
本実施形態による架橋性ゴム組成物は、上述したカルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴムに加えて、架橋剤を含有していてよい。
架橋剤としては、得られるゴム架橋物の耐圧縮永久歪み性をより高めることができることから、ポリアミン系架橋剤を用いることが好ましい。ポリアミン系架橋剤としては、2つ以上のアミノ基を有する化合物、又は、架橋時に2つ以上のアミノ基を有する化合物の形態になるものであれば特に限定されないが、脂肪族炭化水素や芳香族炭化水素の複数の水素原子が、アミノ基又はヒドラジド構造(−CONHNH2で表される構造、COはカルボニル基を表す。)で置換された化合物及び架橋時にその化合物の形態になるものが好ましい。
ポリアミン系架橋剤としては、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、N,N−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミン、テトラメチレンペンタミン、ヘキサメチレンジアミンシンナムアルデヒド付加物等の脂肪族多価アミン類;4,4−メチレンジアニリン、m−フェニレンジアミン、4,4−ジアミノジフェニルエーテル、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、4,4−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、4,4−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4−ジアミノベンズアニリド、4,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,3,5−ベンゼントリアミン等の芳香族多価アミン類;イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジヒドラジド、ナフタレン酸ジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタミン酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ブラッシル酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、アセトンジカルボン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、トリメリット酸ジヒドラジド、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸ジヒドラジド、アコニット酸ジヒドラジド、ピロメリット酸ジヒドラジド等の多価ヒドラジド類;が挙げられる。これらの中でも、ヘキサメチレンジアミンカルバメートが特に好ましい。
ポリアミン系架橋剤は、ポリアミン系架橋剤とゴム、樹脂等との混合物であるマスターバッチとして添加してもよい。具体的には、Rhenogran(登録商標)HMDC−70(ヘキサメチレンジアミンカルバメートのマスターバッチ、ラインケミー社製)、VULCOFAC(登録商標)HDC MB 75(ヘキサメチレンジアミンカルバメートのマスターバッチ、Safic−Alcan社製)、NORCURE(登録商標)1313−50(2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンのマスターバッチ、NORDMANN、RASSMANN社製)等が挙げられる。
本実施形態の架橋性ゴム組成物中における架橋剤の配合量は、カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部であり、より好ましくは0.2〜15重量部、さらに好ましくは0.5〜10重量部である。架橋剤の配合量を上記範囲とすることにより、得られるゴム架橋物の機械特性及び耐圧縮永久歪み性をより向上させることができる。
なお、本実施形態の架橋性ゴム組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、ポリアミン系架橋剤以外の架橋剤、例えば、硫黄架橋剤や、有機過酸化物架橋剤を併用してもよい。
<架橋促進剤>
本実施形態の架橋性ゴム組成物は、上記架橋剤に加えて、架橋促進剤をさらに含有していてもよい。架橋促進剤の中には架橋剤として機能できるものもある。なお、本実施形態の架橋性ゴム組成物に配合される架橋促進剤としては、架橋剤として添加された化合物以外の化合物を用いることができる。
本実施形態の架橋性ゴム組成物は、上記架橋剤に加えて、架橋促進剤をさらに含有していてもよい。架橋促進剤の中には架橋剤として機能できるものもある。なお、本実施形態の架橋性ゴム組成物に配合される架橋促進剤としては、架橋剤として添加された化合物以外の化合物を用いることができる。
架橋剤としてポリアミン系架橋剤を用いた場合には、塩基性架橋促進剤をさらに含有していることが好ましい。
塩基性架橋促進剤の具体例としては、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(以下「DBU」と略す場合がある)及び1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン−5、1−メチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、1−フェニルイミダゾール、1−ベンジルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−エチル−2−メチルイミダゾール、1−メトキシエチルイミダゾール、1−フェニル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−メチル−2−フェニルイミダゾール、1−メチル−2−ベンジルイミダゾール、1,4−ジメチルイミダゾール、1,5−ジメチルイミダゾール、1,2,4−トリメチルイミダゾール、1,4−ジメチル−2−エチルイミダゾール、1−メチル−2−メトキシイミダゾール、1−メチル−2−エトキシイミダゾール、1−メチル−4−メトキシイミダゾール、1−メチル−2−メトキシイミダゾール、1−エトキシメチル−2−メチルイミダゾール、1−メチル−4−ニトロイミダゾール、1,2−ジメチル−5−ニトロイミダゾール、1,2−ジメチル−5−アミノイミダゾール、1−メチル−4−(2−アミノエチル)イミダゾール、1−メチルベンゾイミダゾール、1−メチル−2−ベンジルベンゾイミダゾール、1−メチル−5−ニトロベンゾイミダゾール、1−メチルイミダゾリン、1,2−ジメチルイミダゾリン、1,2,4−トリメチルイミダゾリン、1,4−ジメチル−2−エチルイミダゾリン、1−メチル−フェニルイミダゾリン、1−メチル−2−ベンジルイミダゾリン、1−メチル−2−エトキシイミダゾリン、1−メチル−2−ヘプチルイミダゾリン、1−メチル−2−ウンデシルイミダゾリン、1−メチル−2−ヘプタデシルイミダゾリン、1−メチル−2−エトキシメチルイミダゾリン、1−エトキシメチル−2−メチルイミダゾリン等の環状アミジン構造を有する塩基性架橋促進剤;テトラメチルグアニジン、テトラエチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、1,3−ジ−オルト−トリルグアニジン、オルト−トリルビグアニド等のグアニジン系塩基性架橋促進剤;n−ブチルアルデヒドアニリン、アセトアルデヒドアンモニア等のアルデヒドアミン系塩基性架橋促進剤;ジシクロペンチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジシクロヘプチルアミン等のジシクロアルキルアミン;N−メチルシクロペンチルアミン、N−ブチルシクロペンチルアミン、N−ヘプチルシクロペンチルアミン、N−オクチルシクロペンチルアミン、N−エチルシクロヘキシルアミン、N−ブチルシクロヘキシルアミン、N−ヘプチルシクロヘキシルアミン、N−オクチルシクロオクチルアミン、N−ヒドロキシメチルシクロペンチルアミン、N−ヒドロキシブチルシクロヘキシルアミン、N−メトキシエチルシクロペンチルアミン、N−エトキシブチルシクロヘキシルアミン、N−メトキシカルボニルブチルシクロペンチルアミン、N−メトキシカルボニルヘプチルシクロヘキシルアミン、N−アミノプロピルシクロペンチルアミン、N−アミノヘプチルシクロヘキシルアミン、ジ(2−クロロシクロペンチル)アミン、ジ(3−クロロシクロペンチル)アミン等の二級アミン系塩基性促進剤;等が挙げられる。これらの中でも、グアニジン系塩基性架橋促進剤、二級アミン系塩基性架橋促進剤及び環状アミジン構造を有する塩基性架橋促進剤が好ましく、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7及び1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン−5がさらに好ましく、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7が特に好ましい。
なお、上記環状アミジン構造を有する塩基性架橋促進剤は、有機カルボン酸やアルキルリン酸等と塩を形成していてもよい。また、上記二級アミン系塩基性架橋促進剤は、アルキレングリコールや炭素数5〜20のアルキルアルコール等のアルコール類が混合されたものであってもよく、さらに無機酸及び/又は有機酸を含んでいてもよい。そして、当該二級アミン系塩基性架橋促進剤と無機酸及び/又は有機酸とが塩を形成しさらにアルキレングリコールと複合体を形成していてもよい。
本実施形態の架橋性ゴム組成物中における、架橋促進剤の配合量は、カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部であり、より好ましくは0.2〜15重量部、さらに好ましくは0.5〜10重量部である。架橋促進剤の配合量を上記範囲とすることにより、得られるゴム架橋物の耐圧縮永久歪み性をより向上させることができる。
<その他の成分>
また、本実施形態の架橋性ゴム組成物には、上記以外に、ゴム分野において通常使用される配合剤、例えば、カーボンブラックや、シリカ(未処理のシリカ、シリコーンオイル以外の化合物で処理されたシリカを含む)等の補強性充填材、炭酸カルシウムやクレイ等の非補強性充填材、架橋助剤、架橋遅延剤、老化防止剤、酸化防止剤、光安定剤、一級アミン等のスコーチ防止剤、シランカップリング剤、可塑剤、加工助剤(滑剤)、粘着剤、潤滑剤、難燃剤、防黴剤、受酸剤(金属系受酸剤を含む)、帯電防止剤、顔料等を配合することができる。
また、本実施形態の架橋性ゴム組成物には、上記以外に、ゴム分野において通常使用される配合剤、例えば、カーボンブラックや、シリカ(未処理のシリカ、シリコーンオイル以外の化合物で処理されたシリカを含む)等の補強性充填材、炭酸カルシウムやクレイ等の非補強性充填材、架橋助剤、架橋遅延剤、老化防止剤、酸化防止剤、光安定剤、一級アミン等のスコーチ防止剤、シランカップリング剤、可塑剤、加工助剤(滑剤)、粘着剤、潤滑剤、難燃剤、防黴剤、受酸剤(金属系受酸剤を含む)、帯電防止剤、顔料等を配合することができる。
なお、本実施形態のゴム組成物に、シランカップリング剤をさらに配合した場合、シリカの分散性を向上させ、ゴム組成物に対するシリカの補強機能を高めることができる。
上記の配合剤の配合量は、本発明の目的や効果を阻害しない範囲であれば特に限定されず、配合目的に応じた量を配合することができる。具体的には、補強性充填材としてカーボンブラックを配合する場合、ゴム架橋物の弾性率、硬さ、耐薬品性等の観点から、カーボンブラックの種類(例えば、HAF、FEF、SRF、MT等の種別)を選択し、これらの配合量を調整することができる。
可塑剤としては、特に限定されないが、トリメリット酸系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、エーテルエステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、フタル酸系可塑剤、アジピン酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、セバシン酸エステル系可塑剤、アルキルスルホン酸エステル化合物類可塑剤、エポキシ化植物油系可塑剤等を用いることができる。具体例としては、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸イソノニルエステル、トリメリット酸混合直鎖アルキルエステル、ジペンタエリスリトールエステル、ピロメリット酸2−エチルヘキシルエステル、ポリエーテルエステル(分子量300〜5000程度)、アジピン酸ビス[2−(2−ブトキシエトキシ)エチル]、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸系のポリエステル(分子量300〜5000程度)、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジブチル、リン酸トリクレシル、セバシン酸ジブチル、アルキルスルホン酸フェニルエステル、エポキシ化大豆油、ジヘプタノエート、ジ‐2−エチルヘキサノエート、ジデカノエート等が挙げられる。また、架橋性ゴム組成物中には、可塑剤として、シリカに化学結合していない反応性又は非反応性のシリコーンオイルが存在していてもよい。
上記可塑剤は単独で、又は複数種併せて用いることができる。また、架橋性ゴム組成物中における可塑剤の配合量は、カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム100重量部に対して、1〜10重量部であることが好ましい。
老化防止剤としては、特に限定されないが、フェニル−1−ナフチルアミン、アルキル化ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、4,4−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、p−(p−トルエンスルフォニルアミド)ジフェニルアミン、N,N−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン等のアミン系老化防止剤;2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン等のアミンケトン系老化防止剤;2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,2−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−アミルハイドロキノン等のフェノール系老化防止剤;2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾール、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾールの金属塩等のベンゾイミダゾール系老化防止剤等が挙げられる。これらは単独で、又は複数種併せて用いることができる。架橋性ゴム組成物中における老化防止剤の配合量は、カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム100重量部に対して、0.1〜10重量部であることが好ましい。
加工助剤(滑剤)としては、特に限定されないが、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸、及びそれらの誘導体、例えばそれらの塩、エステル、アミド等が挙げられる。また、加工助剤として、陰イオン性界面活性剤成分、例えば、ポリオキシエチレンラウリルアルコール、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレン高級アルコールエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類;ポリオキシエチレングリコールモノステアレート等のポリオキシエチレンアシルエステル類;ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪族エステル類;アルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のリン酸エステル類;セルロースエーテル類を使用することもできる。上記加工助剤は単独で、又は複数種併せて用いることができる。架橋性ゴム組成物中における加工助剤の配合量は、カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム100重量部に対して、0.1〜10重量部であることが好ましい。
さらに、本実施形態の架橋性ゴム組成物には、本発明の効果が阻害されない範囲で、上述したカルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム以外のその他の重合体を配合してもよい。その他の重合体としては、アクリルゴム、エチレン−アクリル酸共重合体ゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム、天然ゴム及びポリイソプレンゴム等を挙げることができる。その他の重合体を配合する場合における、架橋性ゴム組成物中の配合量は、カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム100重量部に対して、好ましくは30重量部以下であり、より好ましくは20重量部以下、さらに好ましくは10重量部以下である。
本実施形態の架橋性ゴム組成物は、上記各成分を好ましくは非水系で混合して調製される。本実施形態の架橋性ゴム組成物を調製する方法に限定はないが、通常、架橋剤及び熱に不安定な架橋助剤等を除いた成分を、バンバリーミキサ、インターミキサ、ニーダ等の混合機で一次混練した後、ロール等に移して架橋剤や熱に不安定な架橋助剤等を加えて二次混練することにより調製できる。
本実施形態の架橋性ゴム組成物のムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、加工性の観点から、好ましくは10〜200、より好ましくは15〜150、さらに好ましくは20〜120である。
<ゴム架橋物>
本発明の実施形態におけるゴム架橋物は、上述した本実施形態の架橋性ゴム組成物を架橋してなるものである。
本発明の実施形態におけるゴム架橋物は、上述した本実施形態の架橋性ゴム組成物を架橋してなるものである。
本実施形態のゴム架橋物は、本実施形態の架橋性ゴム組成物を用い、例えば、所望の形状に対応した成形機、例えば押出機、射出成形機、圧縮機、ロール等により成形を行い、加熱することにより架橋反応を行い、架橋物として形状を固定化することにより製造することができる。この場合においては、予め成形した後に架橋しても、成形と同時に架橋を行ってもよい。成形温度は、通常、10〜200℃、好ましくは25〜120℃である。架橋温度は、通常、100〜200℃、好ましくは130〜190℃であり、架橋時間は、通常、1分〜1時間、好ましくは2分〜30分である。
また、ゴム架橋物の形状、大きさ等によっては、表面が架橋していても内部まで十分に架橋していない場合があるので、さらに加熱して二次架橋を行ってもよい。
加熱方法としては、プレス加熱、スチーム加熱、オーブン加熱、熱風加熱等のゴムの架橋に用いられる一般的な方法を適宜選択すればよい。
このようにして得られる本実施形態のゴム架橋物は、耐LLC性に優れるものであり、特に高温下、例えば100℃を超える、或いは120℃を超えるような過酷な温度条件でも優れた耐LLC性を示す。本明細書において、耐LLC性は、主としてエチレングリコール等のアルキレングリコールと水とを含むLLCに、所定温度で所定時間にわたり浸漬する前と後とでの物性変化、例えば、硬さ、応力、体積等の変化として評価することができる。また、本実施形態のゴム架橋物は、優れたシール性、特に圧縮永久歪み性をさらに有する。加えて、優れた耐油性を有し、特に、所定温度で所定時間にわたり油に浸漬させる前と後とでの、硬さや伸び等の物性の変化が少ない。本実施形態のゴム架橋物は、伸び等の常態物性にも優れる。
よって、本実施形態のゴム架橋物は、LLCとの接触の可能性の高いラジエータータンク、ラジエータキャップ、リザーバタンク、ヒータコア等の周りのゴム部品、例えば、パッキン、O−リング、ガスケット等のシール材、ベルト、ホース等として好適に用いることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明の実施形態についてより具体的に説明する。特に説明がない限り、「部」、「%」は重量基準である。また、物性及び特性の試験、評価方法は以下の通りである。
[物性及び特性の試験、評価方法]
<カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴムの組成>
カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴムを構成する各単量体単位の含有量は、以下の方法により測定した。すなわち、マレイン酸モノn−ブチル単位の含有量は、2mm角のカルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム0.2gに、2−ブタノン100mlを加えて4時間攪拌した後、エタノール20ml及び水10mlを加え、攪拌しながら水酸化カリウムの0.02N含水エタノール溶液を用いて、室温でチモールフタレインを指示薬とする滴定により、カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム100gに対するカルボキシル基のモル数を求め、求めたモル数をマレイン酸モノn−ブチル単位の量に換算することにより算出した。
<カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴムの組成>
カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴムを構成する各単量体単位の含有量は、以下の方法により測定した。すなわち、マレイン酸モノn−ブチル単位の含有量は、2mm角のカルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム0.2gに、2−ブタノン100mlを加えて4時間攪拌した後、エタノール20ml及び水10mlを加え、攪拌しながら水酸化カリウムの0.02N含水エタノール溶液を用いて、室温でチモールフタレインを指示薬とする滴定により、カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム100gに対するカルボキシル基のモル数を求め、求めたモル数をマレイン酸モノn−ブチル単位の量に換算することにより算出した。
1,3−ブタジエン単位及び水素化ブタジエン単位の含有量は、水素添加前のニトリル基含有共重合体ゴムを用いて、ヨウ素価(JIS K 6235による)を測定することにより算出した。アクリロニトリル単位の含有量は、JIS K 6383に従い、ケルダール法により、カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム中の窒素含量を測定することにより算出した。アクリル酸2−メトキシエチル単位及びアクリル酸n−ブチル単位の含有量は、上記各単量体単位に対する残り成分として算出した。
<ヨウ素価>
カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム及び高飽和ニトリル共重合体ゴム(以下、まとめて「ポリマー」という場合がある)のヨウ素価は、JIS K 6235に準じて測定した。
カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム及び高飽和ニトリル共重合体ゴム(以下、まとめて「ポリマー」という場合がある)のヨウ素価は、JIS K 6235に準じて測定した。
<ポリマームーニー粘度>
カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム及びその他の高飽和ニトリル共重合体ゴムのムーニー粘度(ポリマー・ムーニー粘度)(ML1+4、100℃)は、JIS K 6300に従って測定した。ムーニー粘度は、カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム、高飽和ニトリル共重合体ゴムを含む共重合体ゴムや、架橋性ゴム組成物の加工性等を評価する指標の一つであり、この値が小さい程、加工性に優れる。
カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム及びその他の高飽和ニトリル共重合体ゴムのムーニー粘度(ポリマー・ムーニー粘度)(ML1+4、100℃)は、JIS K 6300に従って測定した。ムーニー粘度は、カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム、高飽和ニトリル共重合体ゴムを含む共重合体ゴムや、架橋性ゴム組成物の加工性等を評価する指標の一つであり、この値が小さい程、加工性に優れる。
<常態物性(伸び)>
実施例及び比較例で得られたニトリルゴム組成物(架橋性ゴム組成物)を、縦15cm、横15cm、深さ0.2cmの金型に入れ、プレス圧10MPaで加圧しながら170℃で20分間プレス成形してシート状の架橋物を得た。次いで、得られた架橋物をギヤー式オーブンに移して170℃で4時間二次架橋し、得られたシート状のゴム架橋物を3号形ダンベルで打ち抜いて試験片を作製した。そして、得られたこの試験片を用いて、JIS K6251に従い、ゴム架橋物の伸び(伸び率)(%)を測定した。
実施例及び比較例で得られたニトリルゴム組成物(架橋性ゴム組成物)を、縦15cm、横15cm、深さ0.2cmの金型に入れ、プレス圧10MPaで加圧しながら170℃で20分間プレス成形してシート状の架橋物を得た。次いで、得られた架橋物をギヤー式オーブンに移して170℃で4時間二次架橋し、得られたシート状のゴム架橋物を3号形ダンベルで打ち抜いて試験片を作製した。そして、得られたこの試験片を用いて、JIS K6251に従い、ゴム架橋物の伸び(伸び率)(%)を測定した。
<シール性(圧縮永久歪み)>
直径29mm、深さ12.5mmの金型を用いて、架橋性ゴム組成物を170℃で20分間、プレス圧10MPaで架橋した後、170℃で4時間二次架橋を行うことにより、ゴム架橋物の試験片を得た。そして、得られた試験片を用いて、試験片を挟んだ二つの平面間の距離を厚み方向に25%圧縮した状態で150℃にて168時間保持する条件で、JIS K 6262に従って、圧縮永久歪み(%)を測定した。この値が小さい程、耐圧縮永久歪み性に優れ、シール性に優れる。
直径29mm、深さ12.5mmの金型を用いて、架橋性ゴム組成物を170℃で20分間、プレス圧10MPaで架橋した後、170℃で4時間二次架橋を行うことにより、ゴム架橋物の試験片を得た。そして、得られた試験片を用いて、試験片を挟んだ二つの平面間の距離を厚み方向に25%圧縮した状態で150℃にて168時間保持する条件で、JIS K 6262に従って、圧縮永久歪み(%)を測定した。この値が小さい程、耐圧縮永久歪み性に優れ、シール性に優れる。
<耐油性(硬さ変化、伸び変化率)>
上記常態物性の評価と同様にして、シート状のゴム架橋物を得た後、3号形ダンベルで打ち抜いて試験片を作製した。そして、得られた試験片をJIS K6258に従い、150℃に調整した試験油(OS206304AC)に、168時間浸漬することにより、耐油浸漬試験を行った。
上記常態物性の評価と同様にして、シート状のゴム架橋物を得た後、3号形ダンベルで打ち抜いて試験片を作製した。そして、得られた試験片をJIS K6258に従い、150℃に調整した試験油(OS206304AC)に、168時間浸漬することにより、耐油浸漬試験を行った。
なお、耐油浸漬試験においては、JIS K6253に従い、デュロメータ硬さ試験機(タイプA)を用いて浸漬前後のゴム架橋物の硬さの測定、JIS K6251に従い、浸漬前後のゴム架橋物の伸びの測定をそれぞれ行い、油浸漬前後の硬さ変化(pts)、油浸漬前後の伸び変化率(%)の評価を行った。
<耐LLC性(硬さ変化、応力変化率、体積変化率)>
上記常態物性の評価と同様にして、シート状のゴム架橋物を得た後、3号形ダンベルで打ち抜いて試験片を作製した。そして、得られた試験片とエチレングリコールと蒸留水を体積比で1:1で混合した試験液を密閉容器に入れ、125℃、168時間の条件でオーブンに保持することにより耐LLC浸漬試験を行った。
上記常態物性の評価と同様にして、シート状のゴム架橋物を得た後、3号形ダンベルで打ち抜いて試験片を作製した。そして、得られた試験片とエチレングリコールと蒸留水を体積比で1:1で混合した試験液を密閉容器に入れ、125℃、168時間の条件でオーブンに保持することにより耐LLC浸漬試験を行った。
なお、耐LLC漬試験においては、JIS K6253に従い、デュロメータ硬さ試験機(タイプA)を用いて浸漬前後のゴム架橋物の硬さ、JIS K6251に従い、浸漬前後のゴム架橋物の100%応力及び体積の測定をそれぞれ行い、油浸漬前後の硬さ変化(pts)、油浸漬前後の100%応力変化率(%)及び体積変化率(%)の評価を行った。
[製造例、実施例及び比較例]
(製造例1)カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム(A−1)の製造
金属製ボトルに、イオン交換水180部、濃度10重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液25部、アクリロニトリル37部、マレイン酸モノn−ブチル6部、t−ドデシルメルカプタン(分子量調整剤)0.75部の順に仕込み、内部の気体を窒素で3回置換した後、1,3−ブタジエン57部を仕込んだ。金属製ボトルを5℃に保ち、クメンハイドロパーオキサイド(重合開始剤)0.1部を仕込み、金属製ボトルを回転させながら16時間重合反応した。その後、濃度10重量%のハイドロキノン水溶液(重合停止剤)0.1部を加えて重合反応を停止した後、水温60℃のロータリーエバポレータを用いて残留単量体を除去し、アクリロニトリル−ブタジエン−マレイン酸モノn−ブチル共重合体ゴムのラテックス(固形分濃度約30重量%)を得た。
(製造例1)カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム(A−1)の製造
金属製ボトルに、イオン交換水180部、濃度10重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液25部、アクリロニトリル37部、マレイン酸モノn−ブチル6部、t−ドデシルメルカプタン(分子量調整剤)0.75部の順に仕込み、内部の気体を窒素で3回置換した後、1,3−ブタジエン57部を仕込んだ。金属製ボトルを5℃に保ち、クメンハイドロパーオキサイド(重合開始剤)0.1部を仕込み、金属製ボトルを回転させながら16時間重合反応した。その後、濃度10重量%のハイドロキノン水溶液(重合停止剤)0.1部を加えて重合反応を停止した後、水温60℃のロータリーエバポレータを用いて残留単量体を除去し、アクリロニトリル−ブタジエン−マレイン酸モノn−ブチル共重合体ゴムのラテックス(固形分濃度約30重量%)を得た。
次に、オートクレーブに得られたラテックスを入れ、該ラテックスに含有されるゴム重量に対してパラジウム含有量が2000ppmになるようにパラジウム触媒(1重量%の酢酸パラジウムアセトン溶液と等重量のイオン交換水を混合した溶液)を添加して、水素圧3MPa、温度50℃で6時間、水素添加反応を行い、カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム(A−1)のラテックスを得た。
そして、得られたカルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム(A−1)のラテックスに2倍容量のメタノールを加えて凝固させた後、60℃で12時間、真空乾燥することにより、カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム(A−1)を得た。得られたカルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム(A−1)は、ヨウ素価が10、カルボキシル基含有量は3.2×10−2ephr、ポリマームーニー粘度(ML1+4、100℃)は45であった。
なお、ケルダール法でアクリロニトリル単位含有量を求め、カルボキシル基含有量からマレイン酸モノn−ブチル単位含有量を求め、残部を1,3−ブタジエン単位として計算により求めたカルボキシル基含有ニトリル共重合体ゴム(A−1)の組成は、アクリロニトリル単位35.6重量%、ブタジエン単位(水素化されたものも含む)58.8重量%、マレイン酸モノn−ブチル単位5.6重量%であった。
(製造例2)カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム(A−2)の製造
アクリロニトリルの配合量を45部、マレイン酸モノn−ブチルの配合量を6部、1,3−ブタジエンの配合量を49部に、それぞれ変更した以外は、製造例1と同様にして、カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム(A−2)を得た。得られたカルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム(A−2)の組成は、アクリロニトリル単位45.4重量%、ブタジエン単位(水素化されたものも含む)49.7重量%、マレイン酸モノn−ブチル単位4.9重量%であった。また、ヨウ素価は9、カルボキシル基含有量は3.0×10−2ephr、ポリマームーニー粘度(ML1+4、100℃)は40であった。
アクリロニトリルの配合量を45部、マレイン酸モノn−ブチルの配合量を6部、1,3−ブタジエンの配合量を49部に、それぞれ変更した以外は、製造例1と同様にして、カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム(A−2)を得た。得られたカルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム(A−2)の組成は、アクリロニトリル単位45.4重量%、ブタジエン単位(水素化されたものも含む)49.7重量%、マレイン酸モノn−ブチル単位4.9重量%であった。また、ヨウ素価は9、カルボキシル基含有量は3.0×10−2ephr、ポリマームーニー粘度(ML1+4、100℃)は40であった。
(製造例3)カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム(A−3)の製造
アクリロニトリルの配合量を23部、マレイン酸モノn−ブチルの配合量を6.5部、1,3−ブタジエンの配合量を40部にそれぞれ変更し、アクリル酸2−メトキシエチル30.5部をマレイン酸モノn−ブチルと共に添加した以外は、製造例1と同様にして、カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム(A−3)を得た。得られたカルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム(A−3)の組成は、アクリロニトリル単位24.0重量%、ブタジエン単位(水素化されたものも含む)46.6重量%、マレイン酸モノn−ブチル単位6.5重量%、アクリル酸2−メトキシエチル22.9重量%であった。また、ヨウ素価が10、カルボキシル基含有量は3.7×10−2ephr、ポリマームーニー粘度(ML1+4、100℃)は48であった。
アクリロニトリルの配合量を23部、マレイン酸モノn−ブチルの配合量を6.5部、1,3−ブタジエンの配合量を40部にそれぞれ変更し、アクリル酸2−メトキシエチル30.5部をマレイン酸モノn−ブチルと共に添加した以外は、製造例1と同様にして、カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム(A−3)を得た。得られたカルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム(A−3)の組成は、アクリロニトリル単位24.0重量%、ブタジエン単位(水素化されたものも含む)46.6重量%、マレイン酸モノn−ブチル単位6.5重量%、アクリル酸2−メトキシエチル22.9重量%であった。また、ヨウ素価が10、カルボキシル基含有量は3.7×10−2ephr、ポリマームーニー粘度(ML1+4、100℃)は48であった。
(製造例4)カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム(A−4)の製造
アクリロニトリルの配合量を21部、マレイン酸モノn−ブチルの配合量を5部、1,3−ブタジエンの配合量を44部にそれぞれ変更し、アクリル酸n−ブチル30部をマレイン酸モノn−ブチルと共に添加した以外は、製造例1と同様にして、カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム(A−4)を得た。得られたカルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム(A−4)の組成は、アクリロニトリル単位20.8重量%、ブタジエン単位(水素化されたものも含む)44.2重量%、マレイン酸モノn−ブチル単位4.9重量%、アクリル酸n−ブチル単位30.1重量%であった。また、ヨウ素価は10、カルボキシル基含有量は2.8×10−2ephr、ポリマームーニー粘度(ML1+4、100℃)は48であった。
アクリロニトリルの配合量を21部、マレイン酸モノn−ブチルの配合量を5部、1,3−ブタジエンの配合量を44部にそれぞれ変更し、アクリル酸n−ブチル30部をマレイン酸モノn−ブチルと共に添加した以外は、製造例1と同様にして、カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム(A−4)を得た。得られたカルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム(A−4)の組成は、アクリロニトリル単位20.8重量%、ブタジエン単位(水素化されたものも含む)44.2重量%、マレイン酸モノn−ブチル単位4.9重量%、アクリル酸n−ブチル単位30.1重量%であった。また、ヨウ素価は10、カルボキシル基含有量は2.8×10−2ephr、ポリマームーニー粘度(ML1+4、100℃)は48であった。
(製造例5)カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム(A−5)の製造
アクリロニトリルの配合量を15部、マレイン酸モノn−ブチルの配合量を5部、1,3−ブタジエンの配合量を43部にそれぞれ変更し、アクリル酸n−ブチル37部をマレイン酸モノn−ブチルと共に添加した以外は、製造例1と同様にして、カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム(A−5)を得た。得られたカルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム(A−5)の組成は、アクリロニトリル単位15.4重量%、ブタジエン単位(水素化されたものも含む)43.5重量%、マレイン酸モノn−ブチル単位5重量%、アクリル酸n−ブチル単位36.1重量%であった。また、ヨウ素価は10、カルボキシル基含有量は2.9×10−2ephr、ポリマームーニー粘度(ML1+4、100℃)は40であった。
アクリロニトリルの配合量を15部、マレイン酸モノn−ブチルの配合量を5部、1,3−ブタジエンの配合量を43部にそれぞれ変更し、アクリル酸n−ブチル37部をマレイン酸モノn−ブチルと共に添加した以外は、製造例1と同様にして、カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム(A−5)を得た。得られたカルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム(A−5)の組成は、アクリロニトリル単位15.4重量%、ブタジエン単位(水素化されたものも含む)43.5重量%、マレイン酸モノn−ブチル単位5重量%、アクリル酸n−ブチル単位36.1重量%であった。また、ヨウ素価は10、カルボキシル基含有量は2.9×10−2ephr、ポリマームーニー粘度(ML1+4、100℃)は40であった。
(製造例6)高飽和ニトリル共重合体ゴム(A−6)の製造
反応器内に、イオン交換水200部、脂肪酸カリウム石鹸(脂肪酸のカリウム塩)2.25部を添加して石鹸水溶液を調製した。そして、この石鹸水溶液に、アクリロニトリル37部、及びt−ドデシルメルカプタン(分子量調整剤)0.5部をこの順に仕込み、内部の気体を窒素で3回置換した後、1,3−ブタジエン63部を仕込んだ。次いで、反応器内を5℃に保ち、クメンハイドロパーオキサイド(重合開始剤)0.1部を仕込み、攪拌しながら16時間重合反応を行なった。次いで、濃度10重量%のハイドロキノン(重合停止剤)水溶液0.1部を加えて重合反応を停止し、水温60℃のロータリーエバポレ−タを用いて残留単量体を除去して、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(ニトリル共重合体ゴム)のラテックス(固形分濃度約25重量%)を得た。
反応器内に、イオン交換水200部、脂肪酸カリウム石鹸(脂肪酸のカリウム塩)2.25部を添加して石鹸水溶液を調製した。そして、この石鹸水溶液に、アクリロニトリル37部、及びt−ドデシルメルカプタン(分子量調整剤)0.5部をこの順に仕込み、内部の気体を窒素で3回置換した後、1,3−ブタジエン63部を仕込んだ。次いで、反応器内を5℃に保ち、クメンハイドロパーオキサイド(重合開始剤)0.1部を仕込み、攪拌しながら16時間重合反応を行なった。次いで、濃度10重量%のハイドロキノン(重合停止剤)水溶液0.1部を加えて重合反応を停止し、水温60℃のロータリーエバポレ−タを用いて残留単量体を除去して、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(ニトリル共重合体ゴム)のラテックス(固形分濃度約25重量%)を得た。
次いで、得られたラテックスに、ニトリル共重合体ゴム分に対して3重量%となる量の硫酸アルミニウムの水溶液に加えて撹拌し、ラテックスを凝固させ、水で洗浄しつつ濾別した後、60℃で12時間、真空乾燥してニトリル共重合体ゴムを得た。そして、得られたニトリルゴムを、濃度12%となるようにアセトンに溶解し、これをオートクレーブに入れ、パラジウム・シリカ触媒をニトリルゴムに対して500重量ppmとなるよう加え、水素圧3MPa、温度50℃で水素添加反応を行なった。水素添加反応終了後、大量の水中に注いで凝固させ、濾別及び乾燥を行なって、高飽和ニトリル共重合体ゴム(A−6)を得た。得られた高飽和ニトリル共重合体ゴム(A−6)の組成は、アクリロニトリル単位36.2重量%、1,3−ブタジエン単位(水素化された部分を含む)63.8重量%であり、ヨウ素価は8、ポリマー・ムーニー粘度〔ML1+4、100℃〕は85であった。
(実施例1)
バンバリーミキサを用いて、製造例1で得られたカルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム(A−1)100部に、シリコーンオイル表面処理シリカ(商品名「Nipsil SS−70」、東ソー・シリカ社製、平均粒子径5μm、BET比表面積49m2/g)50部、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル(商品名「ADK Cizer(登録商標) C−8」、ADEKA社製、可塑剤)5部、4,4’−ジ−(α,α’−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(商品名「ノクラックCD」、大内新興化学工業社製、老化防止剤)1.5部、及びステアリン酸(加工助剤)1部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル(商品名「フォスファノールRL210」、花王社製、加工助剤)1部、ヘキサメチレンジアミンカルバメート(商品名「Diak#1」、デュポン・ダウ・エラストマー社製、脂肪族多価アミン類に属するポリアミン系架橋剤)2.4部、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)(商品名「RHENOGRAN(登録商標) XLA−60」、RheinChemie社製、DBU60%(ジンクジアルキルジフォスフェイト塩になっている部分を含む)、並びにアクリル酸ポリマー及び分散剤40%からなるもの、塩基性架橋促進剤)4部、を添加して混練し、ニトリルゴム組成物(架橋性ゴム組成物)を調製した。
バンバリーミキサを用いて、製造例1で得られたカルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム(A−1)100部に、シリコーンオイル表面処理シリカ(商品名「Nipsil SS−70」、東ソー・シリカ社製、平均粒子径5μm、BET比表面積49m2/g)50部、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル(商品名「ADK Cizer(登録商標) C−8」、ADEKA社製、可塑剤)5部、4,4’−ジ−(α,α’−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(商品名「ノクラックCD」、大内新興化学工業社製、老化防止剤)1.5部、及びステアリン酸(加工助剤)1部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル(商品名「フォスファノールRL210」、花王社製、加工助剤)1部、ヘキサメチレンジアミンカルバメート(商品名「Diak#1」、デュポン・ダウ・エラストマー社製、脂肪族多価アミン類に属するポリアミン系架橋剤)2.4部、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)(商品名「RHENOGRAN(登録商標) XLA−60」、RheinChemie社製、DBU60%(ジンクジアルキルジフォスフェイト塩になっている部分を含む)、並びにアクリル酸ポリマー及び分散剤40%からなるもの、塩基性架橋促進剤)4部、を添加して混練し、ニトリルゴム組成物(架橋性ゴム組成物)を調製した。
(実施例2)
製造例2で得られたカルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム(A−2)を使用し、ヘキサメチレンジアミンカルバメートの添加量を2部に変更した以外は、実施例1と同様に、架橋性ゴム組成物を調製し、評価を行った。
製造例2で得られたカルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム(A−2)を使用し、ヘキサメチレンジアミンカルバメートの添加量を2部に変更した以外は、実施例1と同様に、架橋性ゴム組成物を調製し、評価を行った。
(実施例3)
製造例3で得られたカルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム(A−3)を使用し、ヘキサメチレンジアミンカルバメートの添加量を2.7部に変更した以外は、実施例1と同様に、架橋性ゴム組成物を調製し、評価を行った。
製造例3で得られたカルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム(A−3)を使用し、ヘキサメチレンジアミンカルバメートの添加量を2.7部に変更した以外は、実施例1と同様に、架橋性ゴム組成物を調製し、評価を行った。
(実施例4)
製造例4で得られたカルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム(A−4)を使用し、ヘキサメチレンジアミンカルバメートの添加量を1.9部に変更した以外は、実施例1と同様に、架橋性ゴム組成物を調製し、評価を行った。
製造例4で得られたカルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム(A−4)を使用し、ヘキサメチレンジアミンカルバメートの添加量を1.9部に変更した以外は、実施例1と同様に、架橋性ゴム組成物を調製し、評価を行った。
(実施例5)
製造例5で得られたカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A−5)を使用し、ヘキサメチレンジアミンカルバメートの添加量を2.1部に変更した以外は、実施例1と同様に、架橋性ゴム組成物を調製し、評価を行った。
製造例5で得られたカルボキシル基含有高飽和ニトリルゴム(A−5)を使用し、ヘキサメチレンジアミンカルバメートの添加量を2.1部に変更した以外は、実施例1と同様に、架橋性ゴム組成物を調製し、評価を行った。
(実施例6)
架橋剤としてヘキサメチレンジアミンカルバメート2.4部に替えてN,N−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミン(商品名「Diak#3」、デュポン・ダウ・エラストマー社製、脂肪族多価アミン類に属するポリアミン系架橋剤)5.1部に変更した以外は、実施例1と同様に、架橋性ゴム組成物を調製し、評価を行った。
架橋剤としてヘキサメチレンジアミンカルバメート2.4部に替えてN,N−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミン(商品名「Diak#3」、デュポン・ダウ・エラストマー社製、脂肪族多価アミン類に属するポリアミン系架橋剤)5.1部に変更した以外は、実施例1と同様に、架橋性ゴム組成物を調製し、評価を行った。
(比較例1)
シリコーンオイル表面処理シリカを未処理のシリカ(商品名「Nipsil ER」、東ソー・シリカ社製、平均粒子径15μm、BET比表面積120m2/g)に変更した以外は、実施例1と同様に、架橋性ゴム組成物を調製し、評価を行った。
シリコーンオイル表面処理シリカを未処理のシリカ(商品名「Nipsil ER」、東ソー・シリカ社製、平均粒子径15μm、BET比表面積120m2/g)に変更した以外は、実施例1と同様に、架橋性ゴム組成物を調製し、評価を行った。
(比較例2)
さらにシランカップリング剤1(商品名「KBM3103C」、信越化学工業社製)を2部添加した以外は、比較例1と同様に、架橋性ゴム組成物を調製し、評価を行った。
さらにシランカップリング剤1(商品名「KBM3103C」、信越化学工業社製)を2部添加した以外は、比較例1と同様に、架橋性ゴム組成物を調製し、評価を行った。
(比較例3)
さらにシランカップリング剤2(商品名「Z−6011」、東レ・ダウコーニング社製)を0.5部添加した以外は、比較例1と同様に、架橋性ゴム組成物を調製し、評価を行った。
さらにシランカップリング剤2(商品名「Z−6011」、東レ・ダウコーニング社製)を0.5部添加した以外は、比較例1と同様に、架橋性ゴム組成物を調製し、評価を行った。
(比較例4)
さらにシランカップリング剤3(商品名「HT750」、エスアンドエスジャパン社製)を4部添加し、架橋剤としてヘキサメチレンジアミンカルバメート2.4部に替えて2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン6.3部を用いたこと以外は、比較例1と同様に、架橋性ゴム組成物を調製し、評価を行った。
さらにシランカップリング剤3(商品名「HT750」、エスアンドエスジャパン社製)を4部添加し、架橋剤としてヘキサメチレンジアミンカルバメート2.4部に替えて2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン6.3部を用いたこと以外は、比較例1と同様に、架橋性ゴム組成物を調製し、評価を行った。
(比較例5)
シリカをジメチルシリル処理シリカ(商品名「Aerosil R972」、エボニックデグッサ社製、BET比表面積110m2/g)に変更した以外は、比較例1と同様に、架橋性ゴム組成物を調製し、評価を行った。
シリカをジメチルシリル処理シリカ(商品名「Aerosil R972」、エボニックデグッサ社製、BET比表面積110m2/g)に変更した以外は、比較例1と同様に、架橋性ゴム組成物を調製し、評価を行った。
(比較例6)
カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム(A−1)に替えて高飽和ニトリルゴム(A−6)を使用し、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ヘキサメチレンジアミンカルバメート及び1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)を添加せず、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン(40%品)8部を添加した以外は実施例1と同様に、架橋性ゴム組成物を調製し、評価を行った。
カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム(A−1)に替えて高飽和ニトリルゴム(A−6)を使用し、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ヘキサメチレンジアミンカルバメート及び1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)を添加せず、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン(40%品)8部を添加した以外は実施例1と同様に、架橋性ゴム組成物を調製し、評価を行った。
上記実施例及び比較例で得られた結果を表1、2に示す。
また、カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴムを含む実施例1と比較例5とを比較した場合、実施例1及び比較例5に配合されているのはいずれも疎水性のシリカであるが、シリコーンオイルで処理されたシリカを配合した実施例1は、ジメチルシリル処理されたシリカ(シロキサン結合を有さないシラン化合物で処理されたシリカ)を同量配合した比較例5に比べて、優れた耐LLC性、耐油性を示すことが分かった。
さらに、実施例1〜6と比較例6とを比較した場合、シリコーンオイルにより処理されたシリカを配合したカルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴムである実施例1〜6は、シリコーンオイルにより処理されたシリカを同量配合しているが、カルボキシル基含有でない高飽和ニトリル共重合体ゴム(A−6)を用いた比較例6に比べて、耐LLC性、耐油性、シール性のいずれもが向上していることが確認された。この結果より、シリコーンオイルにより処理されたシリカは、カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴムと組み合わせた場合に、特に効果を発揮することが分かる。
以上、本発明の実施形態について実施例を挙げて説明したが、本発明は特定の実施形態、実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
本出願は、2016年12月28日に日本国特許庁に出願された特願2016−255727号に基づく優先権を主張するものであり、その全内容は参照をもってここに援用される。
Claims (6)
- カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴムと、
シリコーンオイルにより処理されたシリカとを含む、架橋性ゴム組成物。 - 前記カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴムは、
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体単位(a1)5〜60重量%と、
α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単量体単位(a2)0.5〜12重量%と、
共役ジエン単量体単位(a3)20〜90重量%とを有し、
前記共役ジエン単量体単位(a3)の少なくとも一部が水素化されており、
ヨウ素価が120以下である、請求項1に記載の架橋性ゴム組成物。 - 前記カルボキシル基含有高飽和ニトリル共重合体ゴム100重量部に対して、前記シリコーンオイルにより処理されたシリカを、10〜100重量部含む、請求項1又は2に記載の架橋性ゴム組成物。
- 前記シリコーンオイルが、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、及びメチルフェニルポリシロキサンから選択される少なくとも1つである、請求項1から3のいずれか一項に記載の架橋性ゴム組成物。
- 請求項1から4のいずれか一項に記載のゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物。
- シール材である、請求項5に記載のゴム架橋物。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016255727 | 2016-12-28 | ||
JP2016255727 | 2016-12-28 | ||
PCT/JP2017/045461 WO2018123713A1 (ja) | 2016-12-28 | 2017-12-19 | 架橋性ゴム組成物、及びゴム架橋物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2018123713A1 JPWO2018123713A1 (ja) | 2019-10-31 |
JP6908055B2 true JP6908055B2 (ja) | 2021-07-21 |
Family
ID=62707487
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018559079A Active JP6908055B2 (ja) | 2016-12-28 | 2017-12-19 | 架橋性ゴム組成物、及びゴム架橋物 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20190390045A1 (ja) |
EP (1) | EP3564301A4 (ja) |
JP (1) | JP6908055B2 (ja) |
CN (1) | CN110114400A (ja) |
WO (1) | WO2018123713A1 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20200216644A1 (en) * | 2017-09-15 | 2020-07-09 | Nok Corporation | Hydrogenated nbr composition |
Family Cites Families (18)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1030083A (ja) * | 1996-07-15 | 1998-02-03 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 絶縁耐熱性接着剤 |
JP3637277B2 (ja) * | 2000-03-21 | 2005-04-13 | 大塚化学ホールディングス株式会社 | 難燃剤、及び難燃性樹脂組成物、及び成形物、及び電子部品 |
FI117716B (fi) * | 2000-04-18 | 2007-01-31 | Ciba Sc Holding Ag | Menetelmä täyteaineen esikäsittelemiseksi, modifioitu täyteaine ja sen käyttö |
JP4136526B2 (ja) * | 2002-08-07 | 2008-08-20 | 株式会社リコー | 画像形成用トナー及び画像形成装置並びにトナー容器 |
JP4228192B2 (ja) * | 2002-09-30 | 2009-02-25 | 戸田工業株式会社 | タイヤ組成物 |
CN1616499A (zh) * | 2003-11-13 | 2005-05-18 | 刘祥新 | 水性硅离子改性丙烯酸树脂的生产方法 |
WO2008001692A1 (fr) * | 2006-06-27 | 2008-01-03 | Zeon Corporation | Composition de caoutchouc de nitrile, composition de caoutchouc de nitrile réticulable et caoutchouc réticulé |
GB0618186D0 (en) * | 2006-09-18 | 2006-10-25 | Dow Corning | Organopolysiloxanes for treating fillers and pigments |
JP5494659B2 (ja) * | 2009-05-26 | 2014-05-21 | 宇部興産株式会社 | ポリアミド樹脂組成物 |
JP5594580B2 (ja) * | 2010-06-15 | 2014-09-24 | 株式会社リコー | トナーの製造方法 |
ES2587838T3 (es) * | 2010-12-27 | 2016-10-27 | Zeon Corporation | Composición de caucho y producto de caucho reticulado |
JP6113402B2 (ja) | 2010-12-27 | 2017-04-12 | 日本ゼオン株式会社 | ニトリルゴム組成物およびゴム架橋物 |
JP5719937B2 (ja) * | 2011-10-11 | 2015-05-20 | 住友理工株式会社 | イオン成分が固定化されたエラストマー材料およびその製造方法 |
EP2757127A1 (de) * | 2013-01-21 | 2014-07-23 | LANXESS Deutschland GmbH | Vernetzung von carboxylierten Nitrilkautschuken mit resolhaltigen Vernetzungssystemen |
JP5465346B1 (ja) * | 2013-01-22 | 2014-04-09 | 株式会社椿本チエイン | 歯付ベルト |
JP6120713B2 (ja) * | 2013-07-23 | 2017-04-26 | 東洋ゴム工業株式会社 | ゴム組成物の製造方法 |
JP6340762B2 (ja) * | 2013-07-31 | 2018-06-13 | 日立化成株式会社 | アンダーフィル材を用いた電子部品装置の製造方法、アンダーフィル材、及び電子部品装置 |
CN107406630B (zh) * | 2015-03-13 | 2019-12-03 | 日本瑞翁株式会社 | 腈橡胶组合物以及橡胶交联物 |
-
2017
- 2017-12-19 US US16/472,519 patent/US20190390045A1/en not_active Abandoned
- 2017-12-19 CN CN201780078655.2A patent/CN110114400A/zh active Pending
- 2017-12-19 JP JP2018559079A patent/JP6908055B2/ja active Active
- 2017-12-19 EP EP17887347.7A patent/EP3564301A4/en active Pending
- 2017-12-19 WO PCT/JP2017/045461 patent/WO2018123713A1/ja unknown
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPWO2018123713A1 (ja) | 2019-10-31 |
WO2018123713A1 (ja) | 2018-07-05 |
EP3564301A1 (en) | 2019-11-06 |
CN110114400A (zh) | 2019-08-09 |
EP3564301A4 (en) | 2020-09-02 |
US20190390045A1 (en) | 2019-12-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5640748B2 (ja) | ニトリル基含有高飽和共重合体ゴム | |
JP6798492B2 (ja) | ニトリルゴム組成物およびゴム架橋物 | |
JP6601407B2 (ja) | 架橋性ニトリルゴム組成物およびゴム架橋物 | |
JP5429097B2 (ja) | ニトリル基含有高飽和共重合体ゴム | |
JP6798483B2 (ja) | ニトリルゴム組成物およびゴム架橋物 | |
JP5716585B2 (ja) | 架橋性ゴム組成物およびゴム架橋物 | |
EP3378891B1 (en) | Rubber crosslinked material | |
JP6969384B2 (ja) | ニトリルゴム組成物、架橋性ニトリルゴム組成物およびゴム架橋物 | |
JP5817610B2 (ja) | 架橋性ゴム組成物およびゴム架橋物 | |
JP6439704B2 (ja) | 架橋性ニトリルゴム組成物およびゴム架橋物 | |
JPWO2018123737A1 (ja) | カルボキシル基含有ニトリルゴムおよびその製造方法、架橋性ニトリルゴム組成物およびゴム架橋物 | |
JP6733658B2 (ja) | ニトリルゴム組成物およびゴム架橋物 | |
JP6908055B2 (ja) | 架橋性ゴム組成物、及びゴム架橋物 | |
JPWO2020004284A1 (ja) | 架橋性ニトリルゴム組成物およびゴム架橋物 | |
JP7040459B2 (ja) | 架橋性ゴム組成物、ゴム架橋物および複合体 | |
JP5732942B2 (ja) | 摺動部材用ゴム組成物および摺動部材用ゴム架橋物 | |
JPWO2019131019A1 (ja) | ゴム組成物、およびゴム架橋物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200831 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210601 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210614 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6908055 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |