JP2019206319A - ハイブリッド車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】パーキングロック状態が解除されたときの車両振動を抑制することができる制振制御を実行することに伴う歯打ち音の発生を極力抑える。【解決手段】非P操作ポジションへのシフト操作が為されたときに、パーキングロック機構60がPロック解除完了状態となった時点よりも前にPロック解除予告状態であることが検知され、そのPロック解除予告状態が検知された時点から第2電動機MG2による制振制御が開始されるので、P操作ポジションであるときには制振制御が極力実行されない。又、Pロック解除完了状態となった時点よりも前に制振制御が開始されるので、操作ポジションPOSshがP操作ポジションであるときに出力させられている押し当てトルクに起因するPロック解除完了状態となったときに発生する可能性がある車両振動が制振制御によって抑制され得る。よって、制振制御を実行することに伴う歯打ち音の発生を極力抑えることができる。【選択図】図10

Description

本発明は、エンジンと回転機とが連結された差動機構を備えたハイブリッド車両に関するものである。
エンジンと、第1回転機と、前記エンジンの動力を前記第1回転機と駆動輪に動力を伝達する為の伝達部材とに分割する差動機構と、前記伝達部材に連結された第2回転機と、前記駆動輪と共に回転する回転部材が回転不能に固定されたパーキングロック状態と前記回転部材が回転可能とされた非パーキングロック状態とを切り替えるパーキングロック機構とを備えたハイブリッド車両が良く知られている。例えば、特許文献1に記載されたハイブリッド車両がそれである。この特許文献1には、第2回転機の回転速度の変動を検出し、その変動を抑制するように第2回転機を制御して第2電動機からその変動とは逆位相となるトルクを出力することで車両振動を抑制する制振制御を行うことが開示されている。又、この特許文献1には、シフトポジションに応じて前記制振制御を禁止することが、具体的にはシフトポジションがニュートラル操作ポジションであるときには前記制振制御を禁止することが開示されている。
特開2013−35434号公報
ところで、シフトポジションがパーキング操作ポジションから非パーキング操作ポジションへ切り替えられたことでパーキングロック状態が解除されたときにすなわちパーキングロック機構におけるギヤの噛合いが実際に外れたときに、例えばパーキング操作ポジションにおけるエンジン回転速度の変動に起因する動力伝達経路におけるギヤの噛合い部分での歯打ち音を抑制する為に、その噛合い部分における相互の歯面間のバックラッシュを詰めるトルクすなわち噛合い部分における相互の歯面の一方を他方に押し当てる押し当てトルクが第2回転機から出力させられていると、この押し当てトルクがパーキングロック機構よりも後段の動力伝達経路に急峻に伝達されて車両振動が生じる可能性がある。このような現象に対して、パーキング操作ポジションから非パーキング操作ポジションへの切替えに備えて、パーキング操作ポジションにあるときに前記制振制御を実行することで、パーキングロック状態が解除されたときの前記車両振動を抑制することが考えられる。しかしながら、例えば前記押し当てトルクが伝達される動力伝達経路に含まれないようなギヤの噛合い部分などにおいて、パーキング操作ポジションで前記制振制御が実行されることに伴う歯打ち音が発生する可能性がある。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、パーキングロック状態が解除されたときの車両振動を抑制することができる制振制御を実行することに伴う歯打ち音の発生を極力抑えることができるハイブリッド車両を提供することにある。
第1の発明の要旨とするところは、(a)エンジンと、第1回転機と、前記エンジンの動力を前記第1回転機と駆動輪に動力を伝達する為の伝達部材とに分割する差動機構と、前記伝達部材に連結された第2回転機と、前記駆動輪と共に回転する回転部材が回転不能に固定されたパーキングロック状態と前記回転部材が回転可能とされた非パーキングロック状態とを切り替えるパーキングロック機構と、前記第2回転機の回転速度の変動を抑制するように前記第2回転機を制御することで車両振動を抑制する制振制御を実行する制御装置とを備えたハイブリッド車両であって、(b)前記制御装置は、運転者によって操作されるシフト操作部材の操作位置が前記パーキングロック状態を選択する為のパーキング操作ポジションにあるときには前記制振制御を禁止しつつ、前記パーキング操作ポジションから前記非パーキングロック状態を選択する為の非パーキング操作ポジションへのシフト操作が為されたときに、前記パーキングロック機構が前記パーキングロック状態から前記非パーキングロック状態への切替えが完了したパーキングロック解除完了状態となった時点よりも前に前記パーキングロック機構がこの先前記パーキングロック解除完了状態となるパーキングロック解除予告状態であることを検知し、前記パーキングロック機構が前記パーキングロック解除予告状態であることを検知した時点から前記制振制御を開始することにある。
また、第2の発明は、前記第1の発明に記載のハイブリッド車両において、前記制御装置は、前記シフト操作部材の操作位置が前記パーキング操作ポジションにあるときには、前記第2回転機の動力を伝達することが可能な動力伝達経路におけるギヤの噛合い部分で相互の歯面の一方を他方に押し当てる押し当てトルクを出力するように前記第2回転機を制御することで前記エンジンの回転速度の変動に起因する歯打ち音を抑制することにある。
また、第3の発明は、前記第1の発明又は第2の発明に記載のハイブリッド車両において、前記パーキング操作ポジションを検出するパーキング検出範囲と前記非パーキング操作ポジションを検出する非パーキング検出範囲とを有し、前記シフト操作部材の操作過渡中の位置が前記パーキングロック機構を前記パーキングロック解除完了状態とする位置よりも前記パーキング操作ポジション側の位置で前記パーキング検出範囲を外れる操作位置センサを備えており、前記制御装置は、前記操作位置センサによって前記シフト操作部材の操作過渡中の位置が前記パーキング検出範囲内から前記パーキング検出範囲外となったことが検出されたことで、前記パーキングロック機構が前記パーキングロック解除予告状態であることを検知することにある。
また、第4の発明は、前記第1の発明又は第2の発明に記載のハイブリッド車両において、前記パーキングロック機構は、前記シフト操作部材の操作位置に応じた前記制御装置の指令によって駆動されるアクチュエータにより作動させられるものであり、前記制御装置は、前記パーキング操作ポジションから前記非パーキング操作ポジションへのシフト操作が為されたときに前記アクチュエータを駆動して前記パーキングロック機構を前記パーキングロック状態から前記非パーキングロック状態へ切り替えるものであり、前記アクチュエータの状態が前記パーキングロック機構を前記パーキングロック解除完了状態とする位置よりも所定量前の位置であることを検出したことで、前記パーキングロック機構が前記パーキングロック解除予告状態であることを検知することにある。
また、第5の発明は、前記第1の発明又は第2の発明に記載のハイブリッド車両において、前記シフト操作部材が操作されたときの操作荷重を検出する操作荷重センサを備えており、前記制御装置は、前記操作荷重センサによって前記パーキング操作ポジションから前記非パーキング操作ポジションへのシフト操作を示す所定の操作荷重が検出されたことで、前記パーキングロック機構が前記パーキングロック解除予告状態であることを検知することにある。
前記第1の発明によれば、パーキング操作ポジションから非パーキング操作ポジションへのシフト操作が為されたときに、パーキングロック機構がパーキングロック解除完了状態となった時点よりも前にパーキングロック解除予告状態であることが検知され、そのパーキングロック解除予告状態が検知された時点から制振制御が開始されるので、シフト操作部材の操作位置がパーキング操作ポジションであるときには制振制御が極力実行されない。又、例えばシフト操作部材の操作位置がパーキング操作ポジションであるときに押し当てトルクが出力させられている場合にはパーキングロック機構がパーキングロック解除完了状態となったときに車両振動が発生する可能性があることに対して、パーキングロック機構がパーキングロック解除完了状態となった時点よりも前に制振制御が開始されるので、そのような車両振動が制振制御によって抑制され得る。よって、パーキングロック状態が解除されたときの車両振動を抑制することができる制振制御を実行することに伴う歯打ち音の発生を極力抑えることができる。
また、前記第2の発明によれば、シフト操作部材の操作位置がパーキング操作ポジションにあるときには、押し当てトルクを出力するように第2回転機が制御されるので、エンジンの回転速度の変動に起因する歯打ち音が適切に抑制され得る。又、パーキングロック機構がパーキングロック解除完了状態となった時点よりも前に開始される制振制御によって、パーキングロック機構がパーキングロック解除完了状態となったときに押し当てトルクにより発生する可能性がある車両振動が抑制される。よって、シフト操作部材の操作位置がパーキング操作ポジションにあるときの、制振制御が実行されることに伴う歯打ち音の発生を極力抑えつつ、パーキングロック状態が解除されたときの車両振動を抑制することができる。
また、前記第3の発明によれば、操作位置センサによってシフト操作部材の操作過渡中の位置がパーキング検出範囲内からパーキング検出範囲外となったことが検出されたことでパーキングロック解除予告状態が検知されるので、パーキングロック機構がパーキングロック解除完了状態となった時点よりも前にパーキングロック解除予告状態を適切に検知することができる。
また、前記第4の発明によれば、シフト操作部材の操作位置に応じた制御装置の指令によって駆動されるアクチュエータにより作動させられるパーキングロック機構を備えたハイブリッド車両において、アクチュエータの状態がパーキングロック機構をパーキングロック解除完了状態とする位置よりも所定量前の位置であることが検出されたことでパーキングロック解除予告状態が検知されるので、パーキングロック機構がパーキングロック解除完了状態となった時点よりも前にパーキングロック解除予告状態を適切に検知することができる。
また、前記第5の発明によれば、操作荷重センサによってパーキング操作ポジションから非パーキング操作ポジションへのシフト操作を示す所定の操作荷重が検出されたことでパーキングロック解除予告状態が検知されるので、パーキングロック機構がパーキングロック解除完了状態となった時点よりも前にパーキングロック解除予告状態を適切に検知することができる。
本発明が適用されるハイブリッド車両に備えられた車両用駆動装置の概略構成を説明する図であると共に、ハイブリッド車両における各種制御の為の制御機能及び制御系統の要部を説明する図である。 図1で例示した機械式有段変速部の変速作動とそれに用いられる係合装置の作動の組み合わせとの関係を説明する作動図表である。 電気式無段変速部と機械式有段変速部とにおける各回転要素の回転速度の相対的関係を表す共線図である。 複数のATギヤ段に複数の模擬ギヤ段を割り当てたギヤ段割当テーブルの一例を説明する図である。 図3と同じ共線図上に有段変速部のATギヤ段と複合変速機の模擬ギヤ段とを例示した図である。 複数の模擬ギヤ段の変速制御に用いる模擬ギヤ段変速マップの一例を説明する図である。 P操作ポジションにおいて押し当てトルクが印加されている状態で非P操作ポジションへのシフト操作が為された際の現象を例示する図であって、本実施例に対する比較例である。 実際にPロック状態が解除されたときの押し当てトルクに起因する車両振動を抑制する為にP操作ポジションにおいて制振制御を実行した際の現象を例示する図であって、本実施例に対する比較例である。 シフトポジションセンサにおける内部接点の概略を示す図である。 電子制御装置の制御作動の要部すなわち第2電動機による制振制御を実行することに伴う歯打ち音の発生を極力抑える為の制御作動を説明するフローチャートである。 図10のフローチャートに示す制御作動を実行した場合のタイムチャートの一例を示す図である。 本発明が適用されるハイブリッド車両に備えられた車両用駆動装置の概略構成を説明する図であると共に、ハイブリッド車両における各種制御の為の制御機能及び制御系統の要部を説明する図であって、図1とは別の実施例である。
本発明の実施形態において、前記差動機構における変速比のような変速機における変速比は、「入力側の回転部材の回転速度/出力側の回転部材の回転速度」である。この変速比におけるハイ側は、変速比が小さくなる側である高車速側である。変速比におけるロー側は、変速比が大きくなる側である低車速側である。例えば、最ロー側変速比は、最も低車速側となる最低車速側の変速比であり、変速比が最も大きな値となる最大変速比である。
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が適用されるハイブリッド車両10に備えられた車両用駆動装置12の概略構成を説明する図であると共に、ハイブリッド車両10における各種制御の為の制御系統の要部を説明する図である。図1において、車両用駆動装置12は、動力源として機能するエンジン14、車体に取り付けられる非回転部材としてのトランスミッションケース16内において共通の軸心上に直列に配設された、電気式無段変速部18及び機械式有段変速部20等を備えている。電気式無段変速部18は、直接的に或いは図示しないダンパーなどを介して間接的にエンジン14に連結されている。機械式有段変速部20は、電気式無段変速部18の出力側に連結されている。又、車両用駆動装置12は、機械式有段変速部20の出力回転部材である出力軸22に連結された差動歯車装置24、差動歯車装置24に連結された一対の車軸26等を備えている。車両用駆動装置12において、エンジン14や後述する第2回転機MG2から出力される動力は、機械式有段変速部20へ伝達され、その機械式有段変速部20から差動歯車装置24等を介してハイブリッド車両10が備える駆動輪28へ伝達される。車両用駆動装置12は、例えばハイブリッド車両10において縦置きされるFR(=フロントエンジン・リヤドライブ)型車両に好適に用いられるものである。尚、以下、ハイブリッド車両10を車両10、トランスミッションケース16をケース16、電気式無段変速部18を無段変速部18、機械式有段変速部20を有段変速部20という。又、動力は、特に区別しない場合にはトルクや力も同意である。又、無段変速部18や有段変速部20等は上記共通の軸心に対して略対称的に構成されており、図1ではその軸心の下半分が省略されている。上記共通の軸心は、エンジン14のクランク軸、後述する連結軸34などの軸心である。
エンジン14は、車両10の走行用の動力源であり、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の公知の内燃機関である。このエンジン14は、後述する電子制御装置90によって車両10に備えられたスロットルアクチュエータや燃料噴射装置や点火装置等のエンジン制御装置50が制御されることによりエンジン14の出力トルクであるエンジントルクTeが制御される。本実施例では、エンジン14は、トルクコンバータやフルードカップリング等の流体式伝動装置を介することなく無段変速部18に連結されている。
無段変速部18は、第1回転機MG1と、エンジン14の動力を第1回転機MG1及び無段変速部18の出力回転部材である中間伝達部材30に機械的に分割する動力分割機構としての差動機構32と、中間伝達部材30に動力伝達可能に連結された第2回転機MG2とを備えている。無段変速部18は、第1回転機MG1の運転状態が制御されることにより差動機構32の差動状態が制御される電気式無段変速機である。第1回転機MG1は、差動用回転機に相当し、又、第2回転機MG2は、動力源として機能する回転機であって、走行駆動用回転機に相当する。
第1回転機MG1及び第2回転機MG2は、電動機(モータ)としての機能及び発電機(ジェネレータ)としての機能を有する回転電気機械であって、所謂モータジェネレータである。第1回転機MG1及び第2回転機MG2は、各々、車両10に備えられたインバータ52を介して、車両10に備えられた蓄電装置としてのバッテリ54に接続されており、後述する電子制御装置90によってインバータ52が制御されることにより、第1回転機MG1及び第2回転機MG2の各々の出力トルクであるMG1トルクTg及びMG2トルクTmが制御される。回転機の出力トルクは、加速側となる正トルクでは力行トルクであり、又、減速側となる負トルクでは回生トルクである。バッテリ54は、第1回転機MG1及び第2回転機MG2の各々に対して電力を授受する蓄電装置である。
差動機構32は、シングルピニオン型の遊星歯車装置にて構成されており、サンギヤS0、キャリアCA0、及びリングギヤR0を備えている。キャリアCA0には連結軸34を介してエンジン14が動力伝達可能に連結され、サンギヤS0には第1回転機MG1が動力伝達可能に連結され、リングギヤR0には第2回転機MG2が動力伝達可能に連結されている。差動機構32において、キャリアCA0は入力要素として機能し、サンギヤS0は反力要素として機能し、リングギヤR0は出力要素として機能する。
有段変速部20は、中間伝達部材30と駆動輪28との間の動力伝達経路の一部を構成する有段変速機としての機械式変速機構、つまり無段変速部18と駆動輪28との間の動力伝達経路の一部を構成する機械式変速機構である。中間伝達部材30は、有段変速部20の入力回転部材としても機能する。中間伝達部材30には第2回転機MG2が一体回転するように連結されているので、又は、無段変速部18の入力側にはエンジン14が連結されているので、有段変速部20は、動力源(第2回転機MG2又はエンジン14)と駆動輪28との間の動力伝達経路の一部を構成する変速機である。中間伝達部材30は、駆動輪28に動力源の動力を伝達する為の伝達部材である。有段変速部20は、例えば第1遊星歯車装置36及び第2遊星歯車装置38の複数組の遊星歯車装置と、ワンウェイクラッチF1を含む、クラッチC1、クラッチC2、ブレーキB1、ブレーキB2の複数の係合装置とを備えている、公知の遊星歯車式の自動変速機である。以下、クラッチC1、クラッチC2、ブレーキB1、及びブレーキB2については、特に区別しない場合は単に係合装置CBという。
係合装置CBは、油圧アクチュエータにより押圧される多板式或いは単板式のクラッチやブレーキ、油圧アクチュエータによって引き締められるバンドブレーキなどにより構成される、油圧式の摩擦係合装置である。係合装置CBは、車両10に備えられた油圧制御回路56内のソレノイドバルブSL1−SL4等から各々出力される調圧された係合装置CBの各係合圧としての各係合油圧PRcbによりそれぞれのトルク容量である係合トルクTcbが変化させられることで、各々、係合や解放などの状態である作動状態が切り替えられる。係合装置CBを滑らすことなく中間伝達部材30と出力軸22との間で、例えば有段変速部20に入力される入力トルクであるAT入力トルクTiを伝達する為には、そのAT入力トルクTiに対して係合装置CBの各々にて受け持つ必要がある伝達トルク分である係合装置CBの分担トルクが得られる係合トルクTcbが必要になる。但し、伝達トルク分が得られる係合トルクTcbにおいては、係合トルクTcbを増加させても伝達トルクは増加しない。つまり、係合トルクTcbは、係合装置CBが伝達できる最大のトルクに相当し、伝達トルクは、係合装置CBが実際に伝達するトルクに相当する。尚、係合装置CBを滑らせないことは、係合装置CBに差回転速度を生じさせないことである。又、係合トルクTcb(或いは伝達トルク)と係合油圧PRcbとは、例えば係合装置CBのパック詰めに必要な係合油圧PRcbを供給する領域を除けば、略比例関係にある。
有段変速部20は、第1遊星歯車装置36及び第2遊星歯車装置38の各回転要素が、直接的に或いは係合装置CBやワンウェイクラッチF1を介して間接的に、一部が互いに連結されたり、中間伝達部材30、ケース16、或いは出力軸22に連結されている。第1遊星歯車装置36の各回転要素は、サンギヤS1、キャリアCA1、リングギヤR1であり、第2遊星歯車装置38の各回転要素は、サンギヤS2、キャリアCA2、リングギヤR2である。
有段変速部20は、複数の係合装置のうちの何れかの係合装置である例えば所定の係合装置の係合によって、変速比(ギヤ比ともいう)γat(=AT入力回転速度Ni/出力回転速度No)が異なる複数の変速段(ギヤ段ともいう)のうちの何れかのギヤ段が形成される、有段式の自動変速機である。つまり、有段変速部20は、複数の係合装置の何れかが係合されることで、ギヤ段が切り替えられる、有段式の自動変速機である。有段変速部20のギヤ段が切り替えられることは、有段変速部20の変速が実行されることである。本実施例では、有段変速部20にて形成されるギヤ段をATギヤ段と称す。AT入力回転速度Niは、有段変速部20の入力回転部材の回転速度である有段変速部20の入力回転速度であって、中間伝達部材30の回転速度と同値であり、又、第2回転機MG2の回転速度であるMG2回転速度Nmと同値である。AT入力回転速度Niは、MG2回転速度Nmで表すことができる。出力回転速度Noは、有段変速部20の出力回転速度である出力軸22の回転速度であって、無段変速部18と有段変速部20とを合わせた全体の変速機である複合変速機40の出力回転速度でもある。複合変速機40は、エンジン14と駆動輪28との間の動力伝達経路の一部を構成する変速機である。
有段変速部20は、例えば図2の係合作動表に示すように、複数のATギヤ段として、AT1速ギヤ段(図中の「1st」)−AT4速ギヤ段(図中の「4th」)の4段の前進用のATギヤ段が形成される。AT1速ギヤ段の変速比γatが最も大きく、ハイ側のATギヤ段程、変速比γatが小さくなる。図2の係合作動表は、各ATギヤ段と複数の係合装置の各作動状態との関係をまとめたものである。すなわち、図2の係合作動表は、各ATギヤ段と、各ATギヤ段において各々係合される係合装置である所定の係合装置との関係をまとめたものである。図2において、「○」は係合、「△」はエンジンブレーキ時や有段変速部20のコーストダウンシフト時に係合、空欄は解放をそれぞれ表している。AT1速ギヤ段を成立させるブレーキB2には並列にワンウェイクラッチF1が設けられているので、発進時や加速時にはブレーキB2を係合させる必要は無い。有段変速部20のコーストダウンシフトは、例えばアクセル開度θaccがゼロ又は略ゼロであるアクセルオフによる減速走行中に判断されたダウンシフトである。尚、複数の係合装置が何れも解放されることにより、有段変速部20は、何れのATギヤ段も形成されないニュートラル状態すなわち動力伝達を遮断するニュートラル状態とされる。ワンウェイクラッチF1は自動的に作動状態が切り替えられるクラッチであるので、係合装置CBが何れも解放されれば有段変速部20はニュートラル状態とされる。又、ダウンシフトが判断されることは、ダウンシフトが要求されることである。
有段変速部20は、後述する電子制御装置90によって、ドライバー(すなわち運転者)のアクセル操作や車速V等に応じて、変速前のATギヤ段を形成する所定の係合装置のうちの解放側係合装置の解放と変速後のATギヤ段を形成する所定の係合装置のうちの係合側係合装置の係合とが制御されることで、形成されるATギヤ段が切り替えられる、すなわち複数のATギヤ段が選択的に形成される。つまり、有段変速部20の変速制御においては、例えば係合装置CBの何れかの掴み替えにより変速が実行される、すなわち係合装置CBの係合と解放との切替えにより変速が実行される、所謂クラッチツゥクラッチ変速が実行される。例えば、AT2速ギヤ段からAT1速ギヤ段へのダウンシフトでは、図2の係合作動表に示すように、解放側係合装置となるブレーキB1が解放されると共に、係合側係合装置となるブレーキB2が係合させられる。この際、ブレーキB1の解放過渡油圧やブレーキB2の係合過渡油圧が調圧制御される。解放側係合装置は、係合装置CBのうちの有段変速部20の変速に関与する係合装置であって、有段変速部20の変速過渡において解放に向けて制御される係合装置である。係合側係合装置は、係合装置CBのうちの有段変速部20の変速に関与する係合装置であって、有段変速部20の変速過渡において係合に向けて制御される係合装置である。尚、2→1ダウンシフトは、2→1ダウンシフトに関与する解放側係合装置としてのブレーキB1の解放によってワンウェイクラッチF1が自動的に係合されることでも実行され得る。本実施例では、例えばAT2速ギヤ段からAT1速ギヤ段へのダウンシフトを2→1ダウンシフトと表す。他のアップシフトやダウンシフトについても同様である。
図3は、無段変速部18と有段変速部20とにおける各回転要素の回転速度の相対的関係を表す共線図である。図3において、無段変速部18を構成する差動機構32の3つの回転要素に対応する3本の縦線Y1、Y2、Y3は、左側から順に第2回転要素RE2に対応するサンギヤS0の回転速度を表すg軸であり、第1回転要素RE1に対応するキャリアCA0の回転速度を表すe軸であり、第3回転要素RE3に対応するリングギヤR0の回転速度(すなわち有段変速部20の入力回転速度)を表すm軸である。又、有段変速部20の4本の縦線Y4、Y5、Y6、Y7は、左から順に、第4回転要素RE4に対応するサンギヤS2の回転速度、第5回転要素RE5に対応する相互に連結されたリングギヤR1及びキャリアCA2の回転速度(すなわち出力軸22の回転速度)、第6回転要素RE6に対応する相互に連結されたキャリアCA1及びリングギヤR2の回転速度、第7回転要素RE7に対応するサンギヤS1の回転速度をそれぞれ表す軸である。縦線Y1、Y2、Y3の相互の間隔は、差動機構32のギヤ比(歯車比ともいう)ρ0に応じて定められている。又、縦線Y4、Y5、Y6、Y7の相互の間隔は、第1、第2遊星歯車装置36,38の各歯車比ρ1,ρ2に応じて定められている。共線図の縦軸間の関係においてサンギヤとキャリアとの間が「1」に対応する間隔とされるとキャリアとリングギヤとの間が遊星歯車装置の歯車比ρ(=サンギヤの歯数Zs/リングギヤの歯数Zr)に対応する間隔とされる。
図3の共線図を用いて表現すれば、無段変速部18の差動機構32において、第1回転要素RE1にエンジン14(図中の「ENG」参照)が連結され、第2回転要素RE2に第1回転機MG1(図中の「MG1」参照)が連結され、中間伝達部材30と一体回転する第3回転要素RE3に第2回転機MG2(図中の「MG2」参照)が連結されて、エンジン14の回転を中間伝達部材30を介して有段変速部20へ伝達するように構成されている。無段変速部18では、縦線Y2を横切る各直線L0,L0Rにより、サンギヤS0の回転速度とリングギヤR0の回転速度との関係が示される。
又、有段変速部20において、第4回転要素RE4はクラッチC1を介して中間伝達部材30に選択的に連結され、第5回転要素RE5は出力軸22に連結され、第6回転要素RE6はクラッチC2を介して中間伝達部材30に選択的に連結されると共にブレーキB2を介してケース16に選択的に連結され、第7回転要素RE7はブレーキB1を介してケース16に選択的に連結されている。有段変速部20では、係合装置CBの係合解放制御によって縦線Y5を横切る各直線L1,L2,L3,L4,LRにより、出力軸22における「1st」,「2nd」,「3rd」,「4th」,「Rev」の各回転速度が示される。
図3中の実線で示す、直線L0及び直線L1,L2,L3,L4は、少なくともエンジン14を動力源として走行するハイブリッド走行が可能なハイブリッド走行モードでの前進走行における各回転要素の相対速度を示している。このハイブリッド走行モードでは、差動機構32において、キャリアCA0に入力されるエンジントルクTeに対して、第1回転機MG1による負トルクである反力トルクが正回転にてサンギヤS0に入力されると、リングギヤR0には正回転にて正トルクとなるエンジン直達トルクTd(=Te/(1+ρ0)=−(1/ρ0)×Tg)が現れる。そして、要求駆動力に応じて、エンジン直達トルクTdとMG2トルクTmとの合算トルクが車両10の前進方向の駆動トルクとして、AT1速ギヤ段−AT4速ギヤ段のうちの何れかのATギヤ段が形成された有段変速部20を介して駆動輪28へ伝達される。このとき、第1回転機MG1は正回転にて負トルクを発生する発電機として機能する。第1回転機MG1の発電電力Wgは、バッテリ54に充電されたり、第2回転機MG2にて消費される。第2回転機MG2は、発電電力Wgの全部又は一部を用いて、或いは発電電力Wgに加えてバッテリ54からの電力を用いて、MG2トルクTmを出力する。
図3に図示はしていないが、エンジン14を停止させると共に第2回転機MG2を動力源として走行するモータ走行が可能なモータ走行モードでの共線図では、差動機構32において、キャリアCA0はゼロ回転とされ、リングギヤR0には正回転にて正トルクとなるMG2トルクTmが入力される。このとき、サンギヤS0に連結された第1回転機MG1は、無負荷状態とされて負回転にて空転させられる。つまり、モータ走行モードでは、エンジン14は駆動されず、エンジン14の回転速度であるエンジン回転速度Neはゼロとされ、MG2トルクTmが車両10の前進方向の駆動トルクとして、AT1速ギヤ段−AT4速ギヤ段のうちの何れかのATギヤ段が形成された有段変速部20を介して駆動輪28へ伝達される。ここでのMG2トルクTmは、正回転の力行トルクである。
図3中の破線で示す、直線L0R及び直線LRは、モータ走行モードでの後進走行における各回転要素の相対速度を示している。このモータ走行モードでの後進走行では、リングギヤR0には負回転にて負トルクとなるMG2トルクTmが入力され、そのMG2トルクTmが車両10の後進方向の駆動トルクとして、AT1速ギヤ段が形成された有段変速部20を介して駆動輪28へ伝達される。車両10では、後述する電子制御装置90によって、複数のATギヤ段のうちの前進用のロー側のATギヤ段である例えばAT1速ギヤ段が形成された状態で、前進走行時における前進用のMG2トルクTmとは正負が反対となる後進用のMG2トルクTmが第2回転機MG2から出力させられることで、後進走行を行うことができる。ここでは、前進用のMG2トルクTmは正回転の正トルクとなる力行トルクであり、後進用のMG2トルクTmは負回転の負トルクとなる力行トルクである。このように、車両10では、前進用のATギヤ段を用いて、MG2トルクTmの正負を反転させることで後進走行を行う。前進用のATギヤ段を用いることは、前進走行を行うときと同じATギヤ段を用いることである。尚、ハイブリッド走行モードにおいても、直線L0Rのように第2回転機MG2を負回転とすることが可能であるので、モータ走行モードと同様に後進走行を行うことが可能である。
車両用駆動装置12では、エンジン14が動力伝達可能に連結された第1回転要素RE1としてのキャリアCA0と第1回転機MG1が動力伝達可能に連結された第2回転要素RE2としてのサンギヤS0と中間伝達部材30が連結された第3回転要素RE3としてのリングギヤR0との3つの回転要素を有する差動機構32を備えて、第1回転機MG1の運転状態が制御されることにより差動機構32の差動状態が制御される電気式変速機構としての無段変速部18が構成される。中間伝達部材30が連結された第3回転要素RE3は、見方を換えれば第2回転機MG2が動力伝達可能に連結された第3回転要素RE3である。つまり、車両用駆動装置12では、エンジン14が動力伝達可能に連結された差動機構32と差動機構32に動力伝達可能に連結された第1回転機MG1とを有して、第1回転機MG1の運転状態が制御されることにより差動機構32の差動状態が制御される無段変速部18が構成される。無段変速部18は、入力回転部材となる連結軸34の回転速度と同値であるエンジン回転速度Neと、出力回転部材となる中間伝達部材30の回転速度であるMG2回転速度Nmとの比の値である変速比γ0(=Ne/Nm)が変化させられる電気的な無段変速機として作動させられる。
例えば、ハイブリッド走行モードにおいては、有段変速部20にてATギヤ段が形成されたことで駆動輪28の回転に拘束されるリングギヤR0の回転速度に対して、第1回転機MG1の回転速度を制御することによってサンギヤS0の回転速度が上昇或いは下降させられると、キャリアCA0の回転速度つまりエンジン回転速度Neが上昇或いは下降させられる。従って、ハイブリッド走行では、エンジン14を効率の良い運転点にて作動させることが可能である。つまり、ATギヤ段が形成された有段変速部20と無段変速機として作動させられる無段変速部18とで、無段変速部18と有段変速部20とが直列に配置された複合変速機40全体として無段変速機を構成することができる。
又は、無段変速部18を有段変速機のように変速させることも可能であるので、ATギヤ段が形成される有段変速部20と有段変速機のように変速させる無段変速部18とで、複合変速機40全体として有段変速機のように変速させることができる。つまり、複合変速機40において、エンジン回転速度Neの出力回転速度Noに対する比の値を表す変速比γt(=Ne/No)が異なる複数のギヤ段を選択的に成立させるように、有段変速部20と無段変速部18とを制御することが可能である。本実施例では、複合変速機40にて成立させられるギヤ段を模擬ギヤ段と称する。変速比γtは、直列に配置された、無段変速部18と有段変速部20とで形成されるトータル変速比であって、無段変速部18の変速比γ0と有段変速部20の変速比γatとを乗算した値(γt=γ0×γat)となる。
模擬ギヤ段は、例えば有段変速部20の各ATギヤ段と1又は複数種類の無段変速部18の変速比γ0との組合せによって、有段変速部20の各ATギヤ段に対してそれぞれ1又は複数種類を成立させるように割り当てられる。例えば、図4は、ギヤ段割当テーブルの一例である。図4において、AT1速ギヤ段に対して模擬1速ギヤ段−模擬3速ギヤ段が成立させられ、AT2速ギヤ段に対して模擬4速ギヤ段−模擬6速ギヤ段が成立させられ、AT3速ギヤ段に対して模擬7速ギヤ段−模擬9速ギヤ段が成立させられ、AT4速ギヤ段に対して模擬10速ギヤ段が成立させられるように予め定められている。
図5は、図3と同じ共線図上に有段変速部20のATギヤ段と複合変速機40の模擬ギヤ段とを例示した図である。図5において、実線は、有段変速部20がAT2速ギヤ段のときに、模擬4速ギヤ段−模擬6速ギヤが成立させられる場合を例示したものである。複合変速機40では、出力回転速度Noに対して所定の変速比γtを実現するエンジン回転速度Neとなるように無段変速部18が制御されることによって、あるATギヤ段において異なる模擬ギヤ段が成立させられる。又、破線は、有段変速部20がAT3速ギヤ段のときに、模擬7速ギヤ段が成立させられる場合を例示したものである。複合変速機40では、ATギヤ段の切替えに合わせて無段変速部18が制御されることによって、模擬ギヤ段が切り替えられる。
図1に戻り、車両10は、シフトレバー58を備えている。シフトレバー58は、複数の操作ポジションPOSshのうちの何れかの操作ポジションへ運転者によって操作されるシフト操作部材である。操作ポジションPOSshは、シフトレバー58の操作位置であり、例えばP,R,N,D操作ポジションを含んでいる。
P操作ポジションは、複合変速機40がニュートラル状態とされ且つ機械的に出力軸22の回転が阻止された、複合変速機40のパーキングポジション(=Pポジション)を選択するパーキング操作ポジションである。複合変速機40のニュートラル状態は、例えば第1回転機MG1が無負荷状態で空転させられてエンジントルクTeに対する反力トルクを取らないことによって無段変速部18がエンジントルクTeを伝達不能な状態とされ且つ第2回転機MG2が無負荷状態で空転させられて複合変速機40における動力伝達が遮断されることで実現される。出力軸22の回転が阻止された状態は、出力軸22が回転不能に固定された状態である。出力軸22は、車両10に備えられたパーキングロック機構60により回転不能に固定される。
R操作ポジションは、有段変速部20のAT1速ギヤ段が形成された状態で後進用のMG2トルクTmによる車両10の後進走行を可能とする、複合変速機40の後進走行ポジション(=Rポジション)を選択する後進走行操作ポジションである。N操作ポジションは、複合変速機40がニュートラル状態とされた、複合変速機40のニュートラルポジション(=Nポジション)を選択するニュートラル操作ポジションである。D操作ポジションは、例えば模擬1速ギヤ段−模擬10速ギヤ段の総ての模擬ギヤ段を用いて自動変速制御を実行して前進走行を可能とする、複合変速機40の前進走行ポジション(=Dポジション)を選択する前進走行操作ポジションである。操作ポジションPOSshがD操作ポジションにあるときには、例えば後述する模擬ギヤ段変速マップのような変速マップに従って複合変速機40を自動変速する自動変速モードが成立させられる。
パーキングロック機構60は、パーキングロックギヤ62、パーキングロックポール64、切替部材66等を備えている。パーキングロック機構60は、リンクやケーブル等を含む、車両10に備えられた連結機構68を介して機械的にシフトレバー58と連結されている。
パーキングロックギヤ62は、出力軸22と一体回転するように設けられた部材である。パーキングロックポール64は、パーキングロックギヤ62のギヤ歯に噛み合う爪部を有しており、パーキングロックギヤ62に噛み合うことが可能な部材である。切替部材66は、パーキングロックポール64側へ移動させられることでパーキングロックポール64をパーキングロックギヤ62に噛み合わせるカム、一端部において前記カムを支持すると共に他端部において連結機構68と連結されたパーキングロッド等を備えている。シフトレバー58がP操作ポジションへ操作されると、前記カムがパーキングロックポール64側へ付勢されるように、連結機構68を介して切替部材66が作動させられる。これにより、パーキングロックポール64がパーキングロックギヤ62側へ動かされる。パーキングロックポール64がパーキングロックギヤ62と噛み合う位置まで動かされると、パーキングロックギヤ62と共に出力軸22が回転不能に固定され、出力軸22と連動して回転する駆動輪28が回転不能に固定される。
このように、パーキングロック機構60は、駆動輪28と共に回転する回転部材である出力軸22が回転不能に固定されたパーキングロック状態と出力軸22が回転可能とされた非パーキングロック状態とを切り替える。又、本実施例のパーキングロック機構60は、シフトレバー58が操作されることに連動して作動させられる。P操作ポジションは、パーキングロック状態を選択する為の操作ポジションPOSshであり、非P操作ポジションは、非パーキングロック状態を選択する為の操作ポジションPOSshである。非P操作ポジションは、P操作ポジション以外の操作ポジションPOSshである非パーキング操作ポジションであり、例えばR,N,D操作ポジションである。本実施例では、パーキングロック状態をPロック状態と称し、非パーキングロック状態を非Pロック状態と称する。
又、車両10は、エンジン14、無段変速部18、及び有段変速部20などの制御に関連する車両10の制御装置を含むコントローラとしての電子制御装置90を備えている。よって、図1は、電子制御装置90の入出力系統を示す図であり、又、電子制御装置90による制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。電子制御装置90は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。電子制御装置90は、必要に応じてエンジン制御用、変速制御用等に分けて構成される。
電子制御装置90には、車両10に備えられた各種センサ等(例えばエンジン回転速度センサ70、MG1回転速度センサ72、MG2回転速度センサ74、出力回転速度センサ76、アクセル開度センサ78、スロットル弁開度センサ80、ブレーキスイッチ82、シフトポジションセンサ84、バッテリセンサ86、油温センサ88など)による検出値に基づく各種信号等(例えばエンジン回転速度Ne、第1回転機MG1の回転速度であるMG1回転速度Ng、AT入力回転速度NiであるMG2回転速度Nm、車速Vに対応する出力回転速度No、運転者の加速操作の大きさを表す運転者の加速操作量としてのアクセル開度θacc、電子スロットル弁の開度であるスロットル弁開度θth、ホイールブレーキを作動させる為のブレーキペダルが運転者によって操作されている状態を示す信号であるブレーキオンBon、操作ポジションPOSsh、バッテリ54のバッテリ温度THbatやバッテリ充放電電流Ibatやバッテリ電圧Vbat、係合装置CBの油圧アクチュエータへ供給される作動油の温度である作動油温THoilなど)が、それぞれ供給される。運転者の加速操作の大きさを表す運転者の加速操作量は、例えばアクセルペダルなどのアクセル操作部材の操作量であるアクセル操作量である。
電子制御装置90からは、車両10に備えられた各装置(例えばエンジン制御装置50、インバータ52、油圧制御回路56など)に各種指令信号(例えばエンジン14を制御する為のエンジン制御指令信号Se、第1回転機MG1及び第2回転機MG2を制御する為の回転機制御指令信号Smg、係合装置CBの作動状態を制御する為の油圧制御指令信号Satなど)が、それぞれ出力される。この油圧制御指令信号Satは、有段変速部20の変速を制御する為の油圧制御指令信号でもあり、例えば係合装置CBの各々の油圧アクチュエータへ供給される各係合油圧PRcbを調圧する各ソレノイドバルブSL1−SL4等を駆動する為の指令信号である。電子制御装置90は、係合装置CBの狙いの係合トルクTcbを得る為の、各油圧アクチュエータへ供給される各係合油圧PRcbの値に対応する油圧指示値を設定し、その油圧指示値に応じた駆動電流又は駆動電圧を油圧制御回路56へ出力する。
電子制御装置90は、例えばバッテリ充放電電流Ibat及びバッテリ電圧Vbatなどに基づいてバッテリ54の充電状態を示す値としての充電状態値SOC[%]を算出する。又、電子制御装置90は、例えばバッテリ温度THbat及びバッテリ54の充電状態値SOCに基づいて、バッテリ54のパワーであるバッテリパワーPbatの使用可能な範囲を規定する充放電可能電力Win,Woutを算出する。充放電可能電力Win,Woutは、バッテリ54の入力電力の制限を規定する入力可能電力としての充電可能電力Win、及びバッテリ54の出力電力の制限を規定する出力可能電力としての放電可能電力Woutである。充放電可能電力Win,Woutは、例えばバッテリ温度THbatが常用域より低い低温域ではバッテリ温度THbatが低い程小さくされ、又、バッテリ温度THbatが常用域より高い高温域ではバッテリ温度THbatが高い程小さくされる。又、充電可能電力Winは、例えば充電状態値SOCが高い領域では充電状態値SOCが高い程小さくされる。又、放電可能電力Woutは、例えば充電状態値SOCが低い領域では充電状態値SOCが低い程小さくされる。
電子制御装置90は、車両10における各種制御を実現する為に、AT変速制御手段すなわちAT変速制御部92、ハイブリッド制御手段すなわちハイブリッド制御部94、及び振動騒音抑制手段すなわち振動騒音抑制部96を備えている。
AT変速制御部92は、予め実験的に或いは設計的に求められて記憶された関係すなわち予め定められた関係である例えばATギヤ段変速マップを用いて有段変速部20の変速判断を行い、必要に応じて有段変速部20の変速制御を実行する。AT変速制御部92は、この有段変速部20の変速制御では、有段変速部20のATギヤ段を自動的に切り替えるように、ソレノイドバルブSL1−SL4により係合装置CBの係合解放状態を切り替える為の油圧制御指令信号Satを油圧制御回路56へ出力する。上記ATギヤ段変速マップは、例えば出力回転速度No及びアクセル開度θaccを変数とする二次元座標上に、有段変速部20の変速が判断される為の変速線を有する所定の関係である。ここでは、出力回転速度Noに替えて車速Vなどを用いても良いし、又、アクセル開度θaccに替えて要求駆動トルクTdemやスロットル弁開度θthなどを用いても良い。上記ATギヤ段変速マップにおける各変速線は、アップシフトが判断される為のアップシフト線、及びダウンシフトが判断される為のダウンシフト線である。この各変速線は、あるアクセル開度θaccを示す線上において出力回転速度Noが線を横切ったか否か、又は、ある出力回転速度Noを示す線上においてアクセル開度θaccが線を横切ったか否か、すなわち変速線上の変速を実行すべき値である変速点を横切ったか否かを判断する為のものであり、この変速点の連なりとして予め定められている。
ハイブリッド制御部94は、エンジン14の作動を制御するエンジン制御手段すなわちエンジン制御部としての機能と、インバータ52を介して第1回転機MG1及び第2回転機MG2の作動を制御する回転機制御手段すなわち回転機制御部としての機能を含んでおり、それら制御機能によりエンジン14、第1回転機MG1、及び第2回転機MG2によるハイブリッド駆動制御等を実行する。ハイブリッド制御部94は、予め定められた関係である例えば駆動力マップにアクセル開度θacc及び車速Vを適用することで要求駆動パワーPdemを算出する。この要求駆動パワーPdemは、見方を換えればそのときの車速Vにおける要求駆動トルクTdemである。ハイブリッド制御部94は、バッテリ54の充放電可能電力Win,Wout等を考慮して、要求駆動パワーPdemを実現するように、エンジン14を制御する指令信号であるエンジン制御指令信号Seと、第1回転機MG1及び第2回転機MG2を制御する指令信号である回転機制御指令信号Smgとを出力する。エンジン制御指令信号Seは、例えばそのときのエンジン回転速度NeにおけるエンジントルクTeを出力するエンジン14のパワーであるエンジンパワーPeの指令値である。回転機制御指令信号Smgは、例えばエンジントルクTeの反力トルクとしての指令出力時のMG1回転速度NgにおけるMG1トルクTgを出力する第1回転機MG1の発電電力Wgの指令値であり、又、指令出力時のMG2回転速度NmにおけるMG2トルクTmを出力する第2回転機MG2の消費電力Wmの指令値である。
ハイブリッド制御部94は、例えば無段変速部18を無段変速機として作動させて複合変速機40全体として無段変速機として作動させる場合、エンジン最適燃費点等を考慮して、要求駆動パワーPdemを実現するエンジンパワーPeが得られるエンジン回転速度NeとエンジントルクTeとなるように、エンジン14を制御すると共に第1回転機MG1の発電電力Wgを制御することで、無段変速部18の無段変速制御を実行して無段変速部18の変速比γ0を変化させる。この制御の結果として、無段変速機として作動させる場合の複合変速機40の変速比γtが制御される。
ハイブリッド制御部94は、例えば無段変速部18を有段変速機のように変速させて複合変速機40全体として有段変速機のように変速させる場合、予め定められた関係である例えば模擬ギヤ段変速マップを用いて複合変速機40の変速判断を行い、AT変速制御部92による有段変速部20のATギヤ段の変速制御と協調して、複数の模擬ギヤ段を選択的に成立させるように無段変速部18の変速制御を実行する。複数の模擬ギヤ段は、それぞれの変速比γtを維持できるように出力回転速度Noに応じて第1回転機MG1によりエンジン回転速度Neを制御することによって成立させることができる。各模擬ギヤ段の変速比γtは、出力回転速度Noの全域に亘って必ずしも一定値である必要はなく、所定領域で変化させても良いし、各部の回転速度の上限や下限等によって制限が加えられても良い。
上記模擬ギヤ段変速マップは、ATギヤ段変速マップと同様に出力回転速度No及びアクセル開度θaccをパラメータとして予め定められている。図6は、模擬ギヤ段変速マップの一例であって、実線はアップシフト線であり、破線はダウンシフト線である。模擬ギヤ段変速マップに従って模擬ギヤ段が切り替えられることにより、無段変速部18と有段変速部20とが直列に配置された複合変速機40全体として有段変速機と同様の変速フィーリングが得られる。複合変速機40全体として有段変速機のように変速させる模擬有段変速制御は、例えば運転者によってスポーツ走行モード等の走行性能重視の走行モードが選択された場合や要求駆動トルクTdemが比較的大きい場合に、複合変速機40全体として無段変速機として作動させる無段変速制御に優先して実行するだけでも良いが、所定の実行制限時を除いて基本的に模擬有段変速制御が実行されても良い。
ハイブリッド制御部94による模擬有段変速制御と、AT変速制御部92による有段変速部20の変速制御とは、協調して実行される。本実施例では、AT1速ギヤ段−AT4速ギヤ段の4種類のATギヤ段に対して、模擬1速ギヤ段−模擬10速ギヤ段の10種類の模擬ギヤ段が割り当てられている。その為、模擬ギヤ段の変速タイミングと同じタイミングでATギヤ段の変速が行なわれるように、ATギヤ段変速マップが定められている。具体的には、図6における模擬ギヤ段の「3→4」、「6→7」、「9→10」の各アップシフト線は、ATギヤ段変速マップの「1→2」、「2→3」、「3→4」の各アップシフト線と一致している(図6中に記載した「AT1→2」等参照)。又、図6における模擬ギヤ段の「3←4」、「6←7」、「9←10」の各ダウンシフト線は、ATギヤ段変速マップの「1←2」、「2←3」、「3←4」の各ダウンシフト線と一致している(図6中に記載した「AT1←2」等参照)。又は、図6の模擬ギヤ段変速マップによる模擬ギヤ段の変速判断に基づいて、ATギヤ段の変速指令をAT変速制御部92に対して出力するようにしても良い。このように、有段変速部20のアップシフト時は、複合変速機40全体のアップシフトが行われる一方で、有段変速部20のダウンシフト時は、複合変速機40全体のダウンシフトが行われる。AT変速制御部92は、有段変速部20のATギヤ段の切替えを、模擬ギヤ段が切り替えられるときに行う。模擬ギヤ段の変速タイミングと同じタイミングでATギヤ段の変速が行なわれる為、エンジン回転速度Neの変化を伴って有段変速部20の変速が行なわれるようになり、その有段変速部20の変速に伴うショックがあっても運転者に違和感を与え難くされる。
ハイブリッド制御部94は、走行モードとして、モータ走行モード或いはハイブリッド走行モードを走行状態に応じて選択的に成立させる。例えば、ハイブリッド制御部94は、要求駆動パワーPdemが予め定められた閾値よりも小さなモータ走行領域にある場合には、モータ走行モードを成立させる一方で、要求駆動パワーPdemが予め定められた閾値以上となるハイブリッド走行領域にある場合には、ハイブリッド走行モードを成立させる。又、ハイブリッド制御部94は、要求駆動パワーPdemがモータ走行領域にあるときであっても、バッテリ54の充電状態値SOCが予め定められたエンジン始動閾値未満となる場合には、ハイブリッド走行モードを成立させる。モータ走行モードは、エンジン14を停止した状態で第2回転機MG2により駆動トルクを発生させて走行する走行状態である。ハイブリッド走行モードは、エンジン14を運転した状態で走行する走行状態である。前記エンジン始動閾値は、エンジン14を強制的に始動してバッテリ54を充電する必要がある充電状態値SOCであることを判断する為の予め定められた閾値である。
振動騒音抑制部96は、MG2回転速度Nmの変動を抑制するように第2回転機MG2を制御することで車両振動を抑制する制振制御を実行する。例えば、振動騒音抑制部96は、MG2回転速度センサ74からの信号に基づいてMG2回転速度Nmの変動を検出し、その変動を抑制するように第2電動機MG2からその変動とは逆位相となるトルクを出力する為の回転機制御指令信号Smgをインバータ52へ出力することで制振制御を行う。
振動騒音抑制部96は、操作ポジションPOSshがP操作ポジションにあるときには、第2回転機MG2の動力を伝達することが可能な動力伝達経路におけるギヤの噛合い部分で相互の歯面の一方を他方に押し当てる押し当てトルクを出力するように第2回転機MG2を制御することでエンジン回転速度Neの変動に起因する歯打ち音を抑制する。エンジン回転速度Neの変動は、例えばエンジン始動処理中、エンジン停止処理中、エンジン運転中などでのエンジン回転速度Neの変動である。
図7は、P操作ポジションにおいて第2回転機MG2による押し当てトルクが印加されている状態で操作ポジションPOSshがP操作ポジションから非P操作ポジションへ運転者によってシフト操作された際の現象を示す比較例の図である。図7において、制御上の操作ポジションである制御シフトがP操作ポジションにあるときはエンジン回転速度Neの変動に起因する歯打ち音対策として押し当てトルクが印加させられている。P操作ポジションから非P操作ポジションへのシフト操作が為されると(t1a時点参照)、パーキングロック機構60がPロック状態から非Pロック状態への切替えが完了したパーキングロック解除完了状態とされる(t2a時点参照)。パーキングロック機構60がパーキングロック解除完了状態とされた状態は、実際にPロック状態が解除された状態である。実際にPロック状態が解除されたとき、押し当てトルクが未だ印加されている為、例えば車軸26に押し当てトルクが急峻に伝達され、車軸26におけるトルクであるドライブシャフトトルクが変動させられる(t2a時点以降参照)。このドライブシャフトトルクの変動は、車両振動と同等である。制御シフトとして非P操作ポジションが確定されると(t3a時点参照)、押し当てトルクは非P操作ポジションにおけるトルク調停結果の値となるように所定のレートで漸減させられる(t3a時点以降参照)。尚、本実施例では、パーキングロック解除完了状態をPロック解除完了状態と称する。
図8は、実際にPロック状態が解除されたときの押し当てトルクに起因する車両振動を抑制する為にP操作ポジションにおいて第2電動機MG2による制振制御を実行した際の現象を示す比較例の図である。図8において、制御シフトがP操作ポジションにあるときはエンジン回転速度Neの変動に起因する歯打ち音対策として押し当てトルクが印加させられている。加えて、P操作ポジションから非P操作ポジションへのシフト操作に備えて、P操作ポジションにあり且つ押し当てトルクが印加させられているときは第2電動機MG2による制振制御の要求フラグがオンとされている。P操作ポジションから非P操作ポジションへのシフト操作が為されると(t1b時点参照)、実際にPロック状態が解除される(t2b時点参照)。実際にPロック状態が解除されたとき、押し当てトルクに起因するドライブシャフトトルクの変動が発生させられるが、第2電動機MG2による制振制御によりこのドライブシャフトトルクの変動が抑制され、車両振動が抑制される(t2b時点以降参照)。制御シフトとして非P操作ポジションが確定されると(t3b時点参照)、押し当てトルクは非P操作ポジションにおけるトルク調停結果の値となるように所定のレートで漸減させられる(t3b時点以降参照)。但し、P操作ポジションにあるときに第2電動機MG2による制振制御を実行することで、押し当てトルクが伝達される動力伝達経路に含まれないようなギヤの噛合い部分である、例えば有段変速部20内部の非係合ギヤなどにおいて、歯打ち音が発生する可能性がある。図8における歯打ち音は、第2電動機MG2による制振制御における制振トルクの微小変動によって有段変速部20内部の非係合ギヤにおいて発生した歯打ち音を示している。本実施例の車両10では、第1回転機MG1及び第2回転機MG2が共に無負荷状態とされてすなわちMG1トルクTg及びMG2トルクTmが共にゼロとされて無段変速部18がニュートラル状態とされることで、複合変速機40がニュートラル状態とされる。その為、本実施例の車両10では、P操作ポジションにあるときは、有段変速部20において発進可能なATギヤ段、つまり車両10を発進させるときに用いるのに適したATギヤ段として例えばAT1速ギヤ段が形成される。上述した有段変速部20内部の非係合ギヤは、このようなAT1速ギヤ段の動力伝達経路の形成に関わらないギヤであって、AT1速ギヤ段の形成時に有段変速部20内部で機械的にトルクがかからないギヤである。
上述したような第2電動機MG2による制振制御に伴って歯打ち音が発生するという現象に対して、電子制御装置90は、操作ポジションPOSshがP操作ポジションにあるときには第2回転機MG2による制振制御を禁止しつつ、P操作ポジションから非P操作ポジションへのシフト操作が為されたときに、パーキングロック機構60がPロック解除完了状態となった時点よりも前にパーキングロック機構60がこの先そのPロック解除完了状態となるパーキングロック解除予告状態であることを検知し、パーキングロック機構60がそのパーキングロック解除予告状態であることを検知した時点から第2回転機MG2による制振制御を開始する。本実施例では、パーキングロック解除予告状態をPロック解除予告状態と称する。
具体的には、電子制御装置90は、Pロック解除予告状態であることを検知した時点から制振制御を開始するという制御機能を実現する為に、更に、状態判定手段すなわち状態判定部98を備えている。
状態判定部98は、制御シフトがP操作ポジションであるか否かを判定する。この制御シフトは、基本的には、シフトポジションセンサ84で検出される操作ポジションPOSshであるが、例えば操作ポジションPOSshがP操作ポジションであるときにP操作ポジションから非P操作ポジションへのシフト操作が為された場合、シフトポジションセンサ84でその非P操作ポジションが検出されて制御シフトとして非P操作ポジションが確定されるまではP操作ポジションとされる。
又、状態判定部98は、制御シフトがP操作ポジションであると判定した場合には、パーキングロック機構60がPロック解除予告状態であるか否かを判定する。状態判定部98は、シフトポジションセンサ84からの信号に基づいて、パーキングロック機構60がPロック解除予告状態であるか否かを判定する。Pロック解除予告状態であるか否かを判定することは、Pロック解除予告フラグがあるか否かを判定することである。
図9は、シフトポジションセンサ84における内部接点の概略を示す図である。図9において、実線P,R,N,Dは、シフトレバー58に連動するシフトポジションセンサ84のセンサ部材の位置を示している。操作ポジションPOSshは、シフトポジションセンサ84において、P端子がオン且つJ端子がオンであるとP操作ポジションとされ、R端子がオン且つV端子がオン且つJ端子がオンであるとR操作ポジションとされ、N端子がオン且つJ端子がオンであるとN操作ポジションとされ、D端子がオン且つF端子がオン且つJ端子がオンであるとD操作ポジションとされる。このように、シフトポジションセンサ84は、P操作ポジションを検出するパーキング検出範囲と非P操作ポジションを検出する非パーキング検出範囲とを有する操作位置センサである。
又、図9において、破線Prelは、P操作ポジションからR操作ポジションへのシフト操作が為されたときに、実際にPロック状態が解除される位置すなわちパーキングロック機構60がPロック解除完了状態とされる位置を示している。このPロック解除完了状態とされる位置は、シフトポジションセンサ84においてP操作ポジションとされる範囲とR操作ポジションとされる範囲との間にある。このように、シフトポジションセンサ84は、P操作ポジションから非P操作ポジションへのシフト操作が為されたときに、シフトレバー58の操作過渡中の位置がパーキングロック機構60をPロック解除完了状態とする位置よりもP操作ポジション側の位置でパーキング検出範囲を外れる操作位置センサである。
状態判定部98は、シフトポジションセンサ84によってシフトレバー58の操作過渡中の位置がパーキング検出範囲内からパーキング検出範囲外となったことが検出されたことで、パーキングロック機構60がPロック解除予告状態であることを検知する。電子制御装置90は、例えばシフトポジションセンサ84においてP端子がオンからオフとなった時に、又は、シフトポジションセンサ84においてP操作ポジションを検出する為のJ端子(図9のJp参照)がオンからオフとなった時に、Pロック解除予告フラグをオンとする。状態判定部98は、P操作ポジションから非P操作ポジションへのシフト操作が為されたときに、Pロック解除予告フラグがオンとされた場合には、Pロック解除予告フラグがあると判定する。このように、状態判定部98は、P操作ポジションから非P操作ポジションへのシフト操作が為されたときに、パーキングロック機構60がPロック解除完了状態となった時点よりも前にPロック解除予告状態であることを検知する。
振動騒音抑制部96は、状態判定部98により制御シフトがP操作ポジションであると判定され且つPロック解除予告フラグがないと判定された場合には、第2回転機MG2による制振制御の要求フラグをオフとしてその制振制御を禁止する。一方で、振動騒音抑制部96は、状態判定部98により制御シフトがP操作ポジションであると判定され且つPロック解除予告フラグがあると判定された場合には、第2回転機MG2による制振制御の要求フラグをオンとして、Pロック解除予告フラグがあると判定された時点から第2回転機MG2による制振制御を開始する。
図10は、電子制御装置90の制御作動の要部すなわち第2電動機MG2による制振制御を実行することに伴う歯打ち音の発生を極力抑える為の制御作動を説明するフローチャートであり、例えば車両10の停車中に繰り返し実行される。図11は、図10のフローチャートに示す制御作動を実行した場合のタイムチャートの一例である。
図10において、先ず、状態判定部98の機能に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S10において、制御シフトがP操作ポジションであるか否かが判定される。このS10の判断が肯定される場合は状態判定部98の機能に対応するS20において、Pロック解除予告フラグがあるか否かが判定される。このS20の判断が肯定される場合は振動騒音抑制部96の機能に対応するS30において、第2回転機MG2による制振制御の要求フラグがオンとされてその制振制御が実行される。上記S20の判断が否定される場合は振動騒音抑制部96の機能に対応するS40において、第2回転機MG2による制振制御の要求フラグがオフとされる。上記S10の判断が否定される場合は振動騒音抑制部96の機能に対応するS50において、非P操作ポジションの各制御シフトに応じた制振制御要求が判定され、判定結果に基づいて制振制御が実行される。
図11は、本実施例において、制御シフトがP操作ポジションにあるときに第2回転機MG2による押し当てトルクが印加されている状態で操作ポジションPOSshがP操作ポジションから非P操作ポジションへ運転者によってシフト操作された場合のタイムチャートを示している。図11において、制御シフトがP操作ポジションにあるときはエンジン回転速度Neの変動に起因する歯打ち音対策として押し当てトルクが印加させられている。P操作ポジションから非P操作ポジションへのシフト操作が為されると(t1c時点参照)、実際にPロック状態が解除される(t2c時点参照)。本実施例では、実際にPロック状態が解除されるより前にPロック解除予告フラグにより第2回転機MG2による制振制御の要求フラグがオンとされ(tnf時点参照)、Pロック解除予告フラグの検知時点からその制振制御が開始される(tnf時点以降参照)。実際にPロック状態が解除されたとき、押し当てトルクに起因するドライブシャフトトルクの変動が第2電動機MG2による制振制御により抑制され、車両振動が抑制される(t2c時点以降参照)。P操作ポジションから非P操作ポジションへのシフト操作が為された後に第2電動機MG2による制振制御が開始されるので、P操作ポジションにあるときに発生する可能性がある制振トルクに起因する歯打ち音の発生を極力抑えることができる。制御シフトとして非P操作ポジションが確定されると(t3c時点参照)、押し当てトルクは非P操作ポジションにおけるトルク調停結果の値となるように所定のレートで漸減させられる(t3c時点以降参照)。
上述のように、本実施例によれば、P操作ポジションから非P操作ポジションへのシフト操作が為されたときに、パーキングロック機構60がPロック解除完了状態となった時点よりも前にPロック解除予告状態であることが検知され、そのPロック解除予告状態が検知された時点から第2電動機MG2による制振制御が開始されるので、操作ポジションPOSshがP操作ポジションであるときには制振制御が極力実行されない。又、例えば操作ポジションPOSshがP操作ポジションであるときに押し当てトルクが出力させられている場合にはパーキングロック機構60がPロック解除完了状態となったときに車両振動が発生する可能性があることに対して、パーキングロック機構60がPロック解除完了状態となった時点よりも前に制振制御が開始されるので、そのような車両振動が制振制御によって抑制され得る。よって、Pロック状態が解除されたときの車両振動を抑制することができる制振制御を実行することに伴う歯打ち音の発生を極力抑えることができる。
また、本実施例によれば、操作ポジションPOSshがP操作ポジションにあるときには、押し当てトルクを出力するように第2回転機MG2が制御されるので、エンジン回転速度Neの変動に起因する歯打ち音が適切に抑制され得る。又、パーキングロック機構60がPロック解除完了状態となった時点よりも前に開始される制振制御によって、パーキングロック機構60がPロック解除完了状態となったときに押し当てトルクにより発生する可能性がある車両振動が抑制される。よって、操作ポジションPOSshがP操作ポジションにあるときの、制振制御が実行されることに伴う歯打ち音の発生を極力抑えつつ、Pロック状態が解除されたときの車両振動を抑制することができる。
また、本実施例によれば、シフトポジションセンサ84によってシフトレバー58の操作過渡中の位置がパーキング検出範囲内からパーキング検出範囲外となったことが検出されたことでPロック解除予告状態が検知されるので、パーキングロック機構60がPロック解除完了状態となった時点よりも前にPロック解除予告状態を適切に検知することができる。
次に、本発明の他の実施例を説明する。尚、以下の説明において実施例相互に共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
前述の実施例1では、パーキングロック機構60は、連結機構68を介して機械的にシフトレバー58と連結されていた。本実施例では、パーキングロック機構60は、図12に示すように、連結機構68を介して機械的にシフトレバー58と連結されておらず、操作ポジションPOSshに応じた電子制御装置90の指令によって駆動されるアクチュエータ104により作動させられる。
図12は、本発明が適用されるハイブリッド車両100に備えられた車両用駆動装置102の概略構成を説明する図であると共に、ハイブリッド車両100における各種制御の為の制御系統の要部を説明する図である。図12において、ハイブリッド車両100は、アクチュエータ104、アクチュエータ作動センサ108、操作荷重センサ110を備えている。
アクチュエータ104は、切替部材66が備える前記パーキングロッドの他端部に連結されており、前記パーキングロッドを動かす。シフトレバー58がP操作ポジションへ操作されると、前記カムがパーキングロックポール64側へ付勢されるように、アクチュエータ104が電子制御装置90によって制御されて、切替部材66が作動させられる。これにより、パーキングロックポール64がパーキングロックギヤ62側へ動かされる。パーキングロックポール64がパーキングロックギヤ62と噛み合う位置まで動かされると、パーキングロックギヤ62と共に出力軸22が回転不能に固定され、出力軸22と連動して回転する駆動輪28が回転不能に固定される。このように、ハイブリッド車両100は、パーキングロック機構60をアクチュエータ104によって作動させるようなシフトバイワイヤ方式を採用した車両である。
アクチュエータ作動センサ108は、アクチュエータ104の状態としてのアクチュエータ104の位置である作動位置POSactを検出する。操作荷重センサ110は、シフトレバー58が操作されたときの操作荷重Lshを検出する。
電子制御装置90は、非P操作ポジションからP操作ポジションへのシフト操作が為されたときにアクチュエータ104を駆動してパーキングロック機構60を非Pロック状態からPロック状態へ切り替える為の指令Sactをアクチュエータ104へ出力する。電子制御装置90は、P操作ポジションから非P操作ポジションへのシフト操作が為されたときにアクチュエータ104を駆動してパーキングロック機構60をPロック状態から非Pロック状態へ切り替える為の指令Sactをアクチュエータ104へ出力する。
電子制御装置90は、前述の実施例1に替えて、アクチュエータ104の状態がパーキングロック機構60をPロック解除完了状態とする作動位置POSactよりも予め定められた所定量前の作動位置であることを検出したことで、パーキングロック機構60がPロック解除予告状態であることを検知する。
又は、電子制御装置90は、前述の実施例1に替えて、操作荷重センサ110によってP操作ポジションから非P操作ポジションへのシフト操作を示す予め定められた所定の操作荷重が検出されたことで、パーキングロック機構60がPロック解除予告状態であることを検知する。
本実施例によれば、前述の実施例1と同様の効果が得られる。特に、本実施例によれば、操作ポジションPOSshに応じた電子制御装置90の指令Sactによって駆動されるアクチュエータ104により作動させられるパーキングロック機構60を備えたハイブリッド車両100において、アクチュエータ104の状態がパーキングロック機構60をPロック解除完了状態とする作動位置POSactよりも所定量前の作動位置であることが検出されたことでPロック解除予告状態が検知されるので、パーキングロック機構60がPロック解除完了状態となった時点よりも前にPロック解除予告状態を適切に検知することができる。
また、本実施例によれば、操作荷重センサ110によってP操作ポジションから非P操作ポジションへのシフト操作を示す所定の操作荷重が検出されたことでPロック解除予告状態が検知されるので、パーキングロック機構60がPロック解除完了状態となった時点よりも前にPロック解除予告状態を適切に検知することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例1において、シフトレバー58が操作されたときの操作荷重を検出する操作荷重センサを設け、操作荷重センサによってP操作ポジションから非P操作ポジションへのシフト操作を示す予め定められた所定の操作荷重が検出されたことで、パーキングロック機構60がPロック解除予告状態であることを検知しても良い。
また、前述の実施例2において、電子制御装置90は、前述の実施例1と同様に、シフトポジションセンサ84によってシフトレバー58の操作過渡中の位置がパーキング検出範囲内からパーキング検出範囲外となったことが検出されたことで、パーキングロック機構60がPロック解除予告状態であることを検知しても良い。
また、前述の実施例2において、電子制御装置90は、パーキングロック機構60をPロック状態から非Pロック状態へ切り替える為の指令Sactをアクチュエータ104へ出力したことで、パーキングロック機構60がPロック解除予告状態であることを検知しても良い。
また、前述の実施例では、複合変速機40を例示して本発明を説明したが、この態様に限らない。例えば、有段変速部20を備えず、エンジン14と第1回転機MG1と第2回転機MG2と差動機構32とパーキングロック機構60とを備える車両であれば、本発明を適用することができる。つまり、変速機として無段変速部18を単独で備えるような車両であっても、本発明を適用することができる。このような車両では、例えば中間伝達部材30と一体回転するようにパーキングロックギヤ62が設けられる。P操作ポジションにあるときに第2電動機MG2による制振制御を実行することで、押し当てトルクが伝達される動力伝達経路に含まれないようなギヤの噛合い部分である、例えばパーキングロックギヤ62とパーキングロックポール64との噛合い部分などにおいて、歯打ち音が発生する可能性がある。このような現象は、ハイブリッド車両10,100でも起こり得る。
また、前述の実施例では、車両10は、シングルピニオン型の遊星歯車装置である差動機構32を有して、電気式変速機構として機能する無段変速部18を備えていたが、この態様に限らない。例えば、無段変速部18は、差動機構32の回転要素に連結されたクラッチ又はブレーキの制御により差動作用が制限され得る変速機構であっても良い。又、差動機構32は、ダブルピニオン型の遊星歯車装置であっても良い。又、差動機構32は、複数の遊星歯車装置が相互に連結されることで4つ以上の回転要素を有する差動機構であっても良い。又、差動機構32は、エンジン14によって回転駆動されるピニオンと、そのピニオンに噛み合う一対のかさ歯車に第1回転機MG1及び中間伝達部材30が各々連結された差動歯車装置であっても良い。又、差動機構32は、2以上の遊星歯車装置がそれを構成する一部の回転要素で相互に連結された構成において、その遊星歯車装置の回転要素にそれぞれエンジン、回転機、駆動輪が動力伝達可能に連結される機構であっても良い。
また、前述の実施例において、中間伝達部材30と駆動輪28との間の動力伝達経路の一部を構成する変速機として、遊星歯車式の自動変速機である有段変速部20を例示したが、この態様に限らない。例えば、この変速機としては、同期噛合型平行2軸式自動変速機、その同期噛合型平行2軸式自動変速機であって入力軸を2系統備える公知のDCT(Dual Clutch Transmission)、ベルト式の無段変速機等の公知の無段変速可能な機械式の無段変速機などの自動変速機であっても良い。この変速機が無段変速機である場合に複合変速機40全体として有段変速機のように変速させるときのその変速機の変速比は、模擬ギヤ段のような擬似的に形成されるギヤ段の変速比となる。
また、前述の実施例では、4種類のATギヤ段に対して10種類の模擬ギヤ段を割り当てる実施態様を例示したが、この態様に限らない。好適には、模擬ギヤ段の段数はATギヤ段の段数以上であれば良く、ATギヤ段の段数と同じであっても良いが、ATギヤ段の段数よりも多いことが望ましく、例えば2倍以上が適当である。ATギヤ段の変速は、中間伝達部材30やその中間伝達部材30に連結される第2回転機MG2の回転速度が所定の回転速度範囲内に保持されるように行なうものであり、又、模擬ギヤ段の変速は、エンジン回転速度Neが所定の回転速度範囲内に保持されるように行なうものであり、それら各々の段数は適宜定められる。
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:ハイブリッド車両
14:エンジン
22:出力軸(駆動輪と共に回転する回転部材)
28:駆動輪
30:中間伝達部材(伝達部材)
32:差動機構
58:シフトレバー(シフト操作部材)
60:パーキングロック機構
68:連結機構
84:シフトポジションセンサ(操作位置センサ)
90:電子制御装置(制御装置)
100:ハイブリッド車両
104:アクチュエータ
110:操作荷重センサ
MG1:第1回転機
MG2:第2回転機

Claims (5)

  1. エンジンと、第1回転機と、前記エンジンの動力を前記第1回転機と駆動輪に動力を伝達する為の伝達部材とに分割する差動機構と、前記伝達部材に連結された第2回転機と、前記駆動輪と共に回転する回転部材が回転不能に固定されたパーキングロック状態と前記回転部材が回転可能とされた非パーキングロック状態とを切り替えるパーキングロック機構と、前記第2回転機の回転速度の変動を抑制するように前記第2回転機を制御することで車両振動を抑制する制振制御を実行する制御装置とを備えたハイブリッド車両であって、
    前記制御装置は、運転者によって操作されるシフト操作部材の操作位置が前記パーキングロック状態を選択する為のパーキング操作ポジションにあるときには前記制振制御を禁止しつつ、前記パーキング操作ポジションから前記非パーキングロック状態を選択する為の非パーキング操作ポジションへのシフト操作が為されたときに、前記パーキングロック機構が前記パーキングロック状態から前記非パーキングロック状態への切替えが完了したパーキングロック解除完了状態となった時点よりも前に前記パーキングロック機構がこの先前記パーキングロック解除完了状態となるパーキングロック解除予告状態であることを検知し、前記パーキングロック機構が前記パーキングロック解除予告状態であることを検知した時点から前記制振制御を開始することを特徴とするハイブリッド車両。
  2. 前記制御装置は、前記シフト操作部材の操作位置が前記パーキング操作ポジションにあるときには、前記第2回転機の動力を伝達することが可能な動力伝達経路におけるギヤの噛合い部分で相互の歯面の一方を他方に押し当てる押し当てトルクを出力するように前記第2回転機を制御することで前記エンジンの回転速度の変動に起因する歯打ち音を抑制することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両。
  3. 前記パーキング操作ポジションを検出するパーキング検出範囲と前記非パーキング操作ポジションを検出する非パーキング検出範囲とを有し、前記シフト操作部材の操作過渡中の位置が前記パーキングロック機構を前記パーキングロック解除完了状態とする位置よりも前記パーキング操作ポジション側の位置で前記パーキング検出範囲を外れる操作位置センサを備えており、
    前記制御装置は、前記操作位置センサによって前記シフト操作部材の操作過渡中の位置が前記パーキング検出範囲内から前記パーキング検出範囲外となったことが検出されたことで、前記パーキングロック機構が前記パーキングロック解除予告状態であることを検知することを特徴とする請求項1又は2に記載のハイブリッド車両。
  4. 前記パーキングロック機構は、前記シフト操作部材の操作位置に応じた前記制御装置の指令によって駆動されるアクチュエータにより作動させられるものであり、
    前記制御装置は、前記パーキング操作ポジションから前記非パーキング操作ポジションへのシフト操作が為されたときに前記アクチュエータを駆動して前記パーキングロック機構を前記パーキングロック状態から前記非パーキングロック状態へ切り替えるものであり、前記アクチュエータの状態が前記パーキングロック機構を前記パーキングロック解除完了状態とする位置よりも所定量前の位置であることを検出したことで、前記パーキングロック機構が前記パーキングロック解除予告状態であることを検知することを特徴とする請求項1又は2に記載のハイブリッド車両。
  5. 前記シフト操作部材が操作されたときの操作荷重を検出する操作荷重センサを備えており、
    前記制御装置は、前記操作荷重センサによって前記パーキング操作ポジションから前記非パーキング操作ポジションへのシフト操作を示す所定の操作荷重が検出されたことで、前記パーキングロック機構が前記パーキングロック解除予告状態であることを検知することを特徴とする請求項1又は2に記載のハイブリッド車両。
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