JP2019206020A - 車両用支持構造体およびその製造方法 - Google Patents

Abstract

【課題】軽量化を達成できる、車両用支持構造体を提供する。【解決手段】本実施の形態に係る車両用支持構造体１０は、鋳造型２２により成形され、車体と車両用部品との間に介在し、該車両用部品を支持する支持部１２と、該支持部１２に連続して形成されるリブ１４を有する車両用支持構造体１０において、リブ１４の側面部に、鋳造型２２の型割り方向と異なる方向に凹む鋳抜き部１６を有することを特徴とする。【選択図】図１

Description

本発明は、軽量化を達成できる車両用支持構造体およびその製造方法に関する。

ステアリングナックル（車両用支持構造体）は、ステアリングからの伝達力を車輪に伝えるものであり、特許文献1（特開２０１３−１４４４８８号公報）等に示されるように、車軸（ベアリング）が嵌合、固定される円筒状の嵌合孔を有する本体と、該本体の回りに、リブを介して連結される、アッパーサスペンション、ロアーサスペンション、ステアリングアームなどの車体側の車両用部品が接続、支持される支持部とを有する複雑で異形な形状をしている。

特開２０１３−１４４４８８号公報

上記のように、ステアリングナックルは、車両用部品を支持する複数の支持部同士を繋ぐ際にリブが形成されることが多い。このようなステアリングナックルは、型割りの鋳造方法により成形されるため、リブを型割りで抜くため、リブに、（型割り方向における）先端側に行くほど肉薄となる抜き勾配を設定する必要がある。換言すれば、リブの基部側は肉厚とせざるを得ず、リブに強度上は不要な駄肉がついてしまい、軽量化の妨げとなっていた。

本発明は上記課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、軽量化を達成できる、車両用支持構造体およびその製造方法を提供することにある。

本実施の形態に係る車両用支持構造体は、鋳造型により成形され、車体と車両用部品との間に介在し、該車両用部品を支持する支持部と、該支持部に連続して形成されるリブを有する車両用支持構造体において、前記リブの側面部に、前記鋳造型の型割り方向と異なる方向に凹む鋳抜き部を有することを特徴とする。

前記鋳抜き部の周縁部を、該鋳抜き部の底面から前記リブの外側面にかけて拡開する傾斜壁面に形成することができる。

前記傾斜壁面を、前記底面と前記リブの外側面に滑らかに連続するアール面に形成することができる。

前記鋳抜き部の底面から前記リブの内側面までの厚みと、前記リブの先端部の内側面から外側面までの厚みとが等しくなるようにすることができる。

本実施の形態における車両用支持構造体の製造方法は、車体と車両用部品との間に介在し、該車両用部品を支持する支持部と、該支持部に連続して形成されるリブを有する車両用支持構造体を鋳造型により鋳造する車両用支持構造体の製造方法において、前記鋳造型の型割り方向と異なる方向にスライドする抜き型により鋳抜きすることで、前記リブの側面部に、前記型割り方向と異なる方向に凹む鋳抜き部を形成することを特徴とする。

請求項１の構成により、抜き勾配の制約により付いていたリブの側面の駄肉部がなくなるので、車両用支持構造体の軽量化を図ることができる。
請求項２の構成により、鋳抜き部を形成する抜き型の型抜けを容易にすることができる。
請求項３の構成により、鋳抜き部を滑らかな形状とできるので、外観上目立ちにくくできる。
請求項４の構成により、リブ全体に駄肉を付けることなく必要な強度を持たせることができる。
請求項５の構成により、抜き勾配の制約により付いていたリブの側面の駄肉部を容易に鋳抜くことができ、車両用支持構造体の軽量化を図ることができる。

ステアリングナックルの斜視図である。 図１のII−II断面図である。 鋳造型を用いて、ステアリングナックルを鋳造し、型割りした状態を示す説明図である。

以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図１は、車両用支持構造体の一例を示すステアリングナックル１０の斜視図、図２は図１のII−II断面図である。
本発明の実施の形態に係るステアリングナックル１０は、前記のように、鋳造型により成形され、車体と車両用部品との間に介在し、該車両用部品を支持する支持部１２と、支持部１２に連続して形成されるリブ１４を有し、リブ１４の側面部に、鋳造型の型割り方向と異なる方向に凹む鋳抜き部１６を有することを特徴とする。

ステアリングナックル１０は、ステアリングからの伝達力を車輪に伝えるものであり、さらに具体的には、車軸（ベアリング）が嵌合、固定される円筒状の嵌合孔１８を有する本体２０と、該本体２０の回りに、前記リブ１４を介して連結される、図示しないアッパーサスペンション、ロアーサスペンション、ステアリングアームなどの車体側の車両用部品が接続、支持される前記支持部１２とを有する複雑で異形な形状をしている。

ステアリングナックル１０は、このように複雑で異形な形状を有することから、型割り構造を有する鋳造型を用いて鋳造される。
ステアリングナックル１０は、好適には、アルミニウムあるいはその合金により鋳造される。あるいは、銅、マグネシウムまたはその合金であってもよい。あるいは鉄もしくはその合金であってもよい。

リブ１４は、全体として抜き勾配を有するものに形成され、これにより型割りを可能にしている。そして、抜き勾配を有するが故に肉厚となる部位に、鋳造型の型割り方向と異なる方向に凹む鋳抜き部１６を形成し、肉薄にするのである。これにより必要な強度を確保した上で、軽量化を可能にしている。すなわち、抜き勾配の制約により付いていたリブの側面の駄肉部がなくなるので、軽量化を図ることができる。

なお、鋳抜き部１６の底面１６ｂからリブ１４の内側面１４ｂまでの厚みＡと、リブ１４の先端部１４ａの内側面１４ｂから外側面１４ｃまでの厚みＢとがほぼ等しくなるように形成すると好適である。これにより、リブ１４全体に駄肉を付けることなく必要な強度を持たせることができる。

また、鋳抜き部１６の周縁は、図１、図２に示すように、その底面からリブ１４の外側面１４ｃにかけて拡開する傾斜壁面１６ａに形成すると好ましい。これにより、鋳抜き部１６を形成する抜き型の型抜けを容易にすることができる。

また、傾斜壁面１６ａは、図２に明確なように、鋳抜き部１６の底面１６ｂとリブ１４の外側面１４ｃに滑らかに連続するアール面に形成すると好適である。これにより鋳抜き部１６を外観上目立たなくすることができる。

図３は、鋳造型２２を用いて、ステアリングナックル１０を鋳造し、型割りした状態を示す説明図である。
鋳造型２２は、固定型２４と、可動型２６と、抜き型２８を有する。
可動型２６は、固定型２４に対して、図３上、左右方向に移動し、型開閉をする。
抜き型２８は、可動型２６の開閉方向とは異なる方向にスライド可能に設けられ、これによりリブ１４の外表面に、鋳抜き部１６を凹設するようになっている。
可動型２６の駆動機構や、抜き型２８のスライド機構は公知の機構を採用し得る。

すなわち、本実施の形態におけるステアリングナックル１０の製造方法は、鋳造型２２を用いて、鋳造型２２の型割り方向と異なる方向にスライドする抜き型２８により鋳抜きすることで、リブ１４の側面部に、鋳造型２２の型割り方向と異なる方向に凹む鋳抜き部１６を形成することを特徴とする。これにより、抜き勾配の制約により付いていたリブ１４の側面の駄肉部を容易に鋳抜くことができ、軽量化を図ることができる。

上記実施の形態では、車両用支持構造体としてステアリングナックル１０を例として説明したが、車両用支持構造体はこれに限られることはなく、例えば、エンジンを車体に支持するエンジンマウント等にも本発明を適応できる。

１０ ステアリングナックル、
１２ 支持部、
１４ リブ、
１４ａ 先端側
１４ｂ 内側面
１４ｃ 外側面
１６ 鋳抜き部、
１６ａ 傾斜壁面
１６ｂ 底面
１８ 嵌合孔、
２０ 本体、
２２ 鋳造型、
２４ 固定型、
２６ 可動型、
２８ 抜き型

Claims (5)

1. 鋳造型により成形され、車体と車両用部品との間に介在し、該車両用部品を支持する支持部と、該支持部に連続して形成されるリブを有する車両用支持構造体において、
   前記リブの側面部に、前記鋳造型の型割り方向と異なる方向に凹む鋳抜き部を有することを特徴とする車両用支持構造体。
2. 請求項１記載の車両用支持構造体において、
   前記鋳抜き部は、該鋳抜き部の底面から前記リブの外側面にかけて拡開する傾斜壁面を有することを特徴とする車両用支持構造体。
3. 請求項２記載の車両用支持構造体において、
   前記傾斜壁面は、前記底面と前記リブの外側面に滑らかに連続することを特徴とする車両用支持構造体。
4. 請求項１〜３いずれか１項記載の車両用支持構造体において、
   前記鋳抜き部の底面から前記リブの内側面までの厚みと、前記リブの先端部の内側面から外側面までの厚みとが等しいことを特徴とする車両用支持構造体。
5. 車体と車両用部品との間に介在し、該車両用部品を支持する支持部と、該支持部に連続して形成されるリブを有する車両用支持構造体を鋳造型により鋳造する車両用支持構造体の製造方法において、
   前記鋳造型の型割り方向と異なる方向にスライドする抜き型により鋳抜きすることで、前記リブの側面部に、前記型割り方向と異なる方向に凹む鋳抜き部を形成することを特徴とする車両用支持構造体の製造方法。

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