JP2019202961A - 高分子及び金属酸化物粉体含有外用組成物 - Google Patents

高分子及び金属酸化物粉体含有外用組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】金属酸化物粉体と高分子を含む外用組成物における凝集及び離水の問題を低減する技術を提供する。【解決手段】親水性の重合側鎖を有するグラフト共重合体及び/又はその塩と、金属酸化物粉体と、水溶性高分子と、を含む外用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は高分子と金属酸化物粉体を含む外用組成物に関する。
金属酸化物粉体を含む外用組成物が広く知られている。例えば酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウムなどの金属酸化物を微粒子化した粉体は、紫外線を散乱、吸収、反射する機能があるため、紫外線遮蔽材としてサンスクリーン用の外用組成物などに配合される(例えば特許文献1)。
また、シリカなどの金属酸化物を乳化界面に吸着させることにより安定化されるピッカリングエマルションなどが知られている(例えば特許文献2)。
特開2017−014300号公報 特表2017−503643号公報
このように金属酸化物粉体は外用組成物に添加されることが広く行われている。しかし、これにカルボマーなどの電化反発によって増粘する増粘剤をさらに加えると、金属酸化物粉体の表面との相互作用により、電化反発の均衡が崩れ増粘作用が発揮されないという問題がある。
また、金属酸化物粉体の存在下で増粘する増粘剤であっても、凝集物が発生し、肌に塗布したときによれが生じたり、離水したりするという問題があった。
このような問題に鑑み、本発明の解決しようとする課題は、金属酸化物粉体と高分子を含む外用組成物における凝集及び離水の問題を低減する技術を提供することにある。
上記課題を解決する本発明は、親水性の重合側鎖を有するグラフト共重合体及び/又はその塩と、金属酸化物粉体と、水溶性高分子と、を含む外用組成物である。
本発明の外用組成物は、凝集や離水の問題が生じにくい。
本発明の好ましい形態では、前記親水性の重合側鎖を有するグラフト共重合体及び/又はその塩が、アクリル酸・デンプングラフト共重合体及び/又はその塩である。
アクリル酸・デンプングラフト共重合体及び/又はその塩を使用することにより、凝集の問題をより効果的に低減することができる。
本発明の好ましい形態では、前記金属酸化物粉体が乳化界面に吸着してなるピッカリングエマルションである。
本発明の好ましい実施の形態では、前記水溶性高分子が多糖類である。
水溶性高分子として多糖類を用いることにより、凝集や離水の問題をさらに低減させることができる。
本発明の好ましい実施の形態では、前記多糖類が側鎖多糖と主鎖多糖を有する分岐多糖である。
分岐多糖を用いることにより、離水の問題をさらに低減することができ、製剤安定性に優れた外用組成物を提供することができる。
本発明の好ましい実施の形態では、前記分岐多糖がキサンタンガムである。
キサンタンガムを用いることにより、より製剤安定性に優れた外用組成物を提供することができる。
本発明の好ましい実施の形態では、前記親水性の重合側鎖を有するグラフト共重合体及び/又はその塩の含有量が0.1〜0.2質量%である。
親水性の重合側鎖を有するグラフト共重合体及び/又はその塩の含有量を上記範囲とすることによって、凝集及び離水の問題を顕著に低減させることができる。
本発明の好ましい実施の形態では、前記水溶性高分子の含有量が0.1〜0.2質量%である。
水溶性高分子の含有量を上記範囲とすることによって、凝集及び離水の問題を顕著に低減させることができる。
本発明によれば、凝集及び離水の問題が低減された、金属酸化物粉体と高分子を含む外用組成物を提供することができる。
本発明の外用組成物は、親水性の重合側鎖を有するグラフト共重合体及び/又はその塩、金属酸化物粉体及び水溶性高分子を含むことを特徴とする。以下、本発明の構成について詳述する。
<1>親水性の重合側鎖を有するグラフト共重合体及び/又はその塩
本発明は親水性の重合側鎖を有するグラフト共重合体及び/又はその塩(以下、単に親水性グラフト共重合体ともいう)を必須の構成要素として含む。
このような親水性グラフト共重合体の主鎖としては、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸エステルなどを好適に例示できる。
また、このような親水性グラフト共重合体の親水性の重合側鎖としては、デンプンなどの多糖類、ポリリジンなどのペプチドなどを好適に例示することができる。
親水性グラフト共重合体は、水相中で水膨潤性のミクロゲルを形成し、膨潤したミクロゲル粒子同士の摩擦により増粘するタイプの水膨潤性ミクロゲルであることが好ましい。
水膨潤性ミクロゲルは金属酸化物粉体の影響を受けにくく、後述する水溶性高分子との組み合わせにより、外用組成物の凝集及び離水の低減効果を顕著に発揮する。
親水性グラフト共重合体としては、アクリル酸・デンプングラフト共重合体及び/又はその塩を特に好適に例示することができる。
親水性グラフト共重合体の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;トリエチルアミン塩、トリエタノールアミン塩等の有機アミン塩;リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩等を好ましく例示できる。
中でもアルカリ金属塩を好適に挙げることができ、特にナトリウム塩を最も好適に挙げることができる。
親水性グラフト共重合体としては、市販の物を使用することができ、例えばアクリル酸ナトリウム・デンプングラフト共重合体(商品名「サンフレッシュ−100ST」;三洋化成工業株式会社製)などが好ましく例示できる。
<2>金属酸化物粉体
本発明の外用組成物は、必須の構成要素として金属酸化物粉体を含む。ここでいう金属酸化物には、ケイ素などの半金属の酸化物も含まれる。
金属酸化物粉体としては、シリカ、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ジルコニウム及び酸化セリウムなどを例示することができる。
金属酸化物粉体としてシリカ粉体を用いる場合には、例えば、ケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成される、いわゆる乾式シリカ粉末、及び水ガラス等から製造される、いわゆる湿式シリカ粉末の何れを用いてもよい。
乾式シリカ粉末としては、例えばAerosilシリーズ(日本アエロジル株式会社)、CAB−O−SILシリーズ(キャボットコーポレーション)、HDKシリーズ(旭化成ワッカーシリコーン株式会社)、湿式シリカ粉末としては、例えばNipsilシリーズ(東ソー・シリカ株式会社)、HI−SILシリーズ(PPG)等の市販品の市販品を用いることができる。
その他の金属酸化物粉体についても、多くの市販品が存在するので、市販品をそのまま用いることもできる。このような市販品としては、具体的には、微粒子二酸化チタンとして、「MTY−110M3S」(テイカ株式会社製)、「MTY−02」(テイカ株式会社製)、「MT−100TV」(テイカ株式会社製)、「MT−500HSA」(テイカ株式会社製)、「MT−100T」(テイカ株式会社製)、「MT−01」(テイカ株式会社製)、「MT−10EX」(テイカ株式会社製)、「MT−05」(テイカ株式会社製)、「MT−100Z」(テイカ株式会社製)、「MT−150EX」(テイカ株式会社製)、「MT−100AQ」(テイカ株式会社製)、「MT−100WP」(テイカ株式会社製)、「MT−100SA」(テイカ株式会社製)、「MT−500B」(テイカ株式会社製)、「MT−500SA」(テイカ株式会社製、「MT−600B」(テイカ株式会社製)、「MT−500SAS」(テイカ株式会社製)、)「タイペークCR−50」(石原産業株式会社製)、「タイペークTTO−M−1」(石原産業株式会社製)「タイペークTTO−V4」(石原産業株式会社製)、「ST−455」(チタン工業株式会社製)、「STT−65C−S」(チタン工業株式会社製)、「STT−30EHS」(チタン工業株式会社製)、「バイエルチタンR−KB−1」(バイエル社製)等が挙げられる。
また、微粒子酸化亜鉛として、「MZ−300」(テイカ株式会社製)、「MZY−303S」(テイカ株式会社製)、「MZ−306X」(テイカ株式会社製)、「MZ−500」(テイカ株式会社製)、「MZY−505S」(テイカ株式会社製)、「MZ−506X」(テイカ株式会社製)、「MZ−510HPSX」(テイカ株式会社製)、「WSX−MZ−700」(テイカ株式会社製)、「SANT−UFZO−450」(三好化成株式会社製)、「SANT−UFZO−500」(三好化成株式会社製)、「FZO−50」(石原産業株式会社製)、「マックスライトZS−032」(昭和電工株式会社製)、「マックスライトZS−032D」(昭和電工株式会社製)等が挙げられる。
金属酸化物粉体の表面は疎水化処理されていることが好ましい。疎水化金属酸化物粉体は、金属酸化物粉体と疎水化処理剤を反応させ、該粉体の表面に存在する水酸基に疎水基を共有結合によって付加したり、また、金属酸化物粉体の表面に疎水化処理剤を物理的に付着させることで被覆したりすることによって調製することができる。
疎水化処理は、有機ケイ素化合物、シリコーン、炭化水素油、脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、高級アルコール、ポリオキシアルキレン化合物等の疎水化処理剤で金属酸化物粉体を処理する方法が挙げられる。
特に好ましくは、有機ケイ素化合物又はシリコーンを疎水化処理剤として金属酸化物粉体を処理する。
有機ケイ素化合物としては、ヘキサメチルジシラザン、モノメチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、トリメチルエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、パルミチルシラン等が挙げられる。これらは一種或いは二種以上の混合物で用いられる。
本発明の好ましい実施の形態では、トリメチルシランによって金属酸化物粉体を処理し、表面にトリメチルシリル基が付加された疎水化金属酸化物粉体を用い、特に好ましくはトリメチルシランによってシリカ粉体を処理し、表面にトリメチルシリル基が付加された部分的疎水化シリカを用いる。
疎水化処理剤としてシリコーンを用いる場合には、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、α−メチルスチレン変性シリコーン、クロルフェニルシリコーン、フッ素変性シリコーンなどが例示できる。
金属酸化物粉体の平均一次粒子径は特に限定されない。例えば1〜1000nmを目安とすることができ、好ましくは3〜100nm、より好ましくは5〜30nmである。
また、金属酸化物粉体の平均二次粒子径も特に限定されない。好ましくは1μm以下を目安とすることができ、好ましくは500nm以下、さらに好ましくは200nm以下、さらに好ましくは50nm以下である。
ここで、平均一次粒子径及び平均二次粒子径は、走査型電子顕微鏡像上で2500個以上の粒子の最大径を測定し、その個数平均を算出することにより求めることができる。
なお、平均二次粒子径は外用組成物の調製の際に加える応力によって調整することができる。
<3>水溶性高分子
本発明の外用組成物は、必須の構成要素として水溶性高分子を含む。
水溶性高分子の種類は限定されないが、ビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合系高分子、アクリル系高分子、ポリペプチド及び多糖類などを例示することができる。特に好ましくは多糖類を用いる。
ビニル系高分子としては、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー(カルボマー)などを例示することができる。
ポリオキシエチレン系高分子としては、ポリエチレングリコールなどを例示することができる。
アクリル系高分子としては、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド化合物、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体などを例示することができる。
ポリペプチドとしてはポリグルタミン酸ナトリウムを好ましく例示することができる。
多糖類としては、例えば、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード、アルゲコロイド、デンプン、グリチルリチン酸等の植物系高分子;キサンタンガム、デキストラン、サクシノグリカン、ブルラン等の微生物系高分子;カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子;メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、結晶セルロース、セルロース、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース系高分子;アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子;コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン及びケラタン硫酸並びにこれらの塩類などのムコ多糖類等が挙げられる。
特に植物系高分子や微生物系高分子などの天然多糖類を用いることが好ましい。
また、多糖類の中でも主鎖多糖と側鎖多糖を有する分岐多糖を用いることが好ましい。
側鎖多糖の重合度は特に限定されないが、好ましくは2〜5、より好ましくは2〜4、さらに好ましくは3である。
また、分岐多糖の一構成単位中に含まれる主鎖多糖の重合度は2〜5、より好ましくは2〜4、さらに好ましくは2〜3、さらに好ましくは2である。
このような分岐多糖としては、キサンタンガムを好適に例示することができる。
上に具体的に列挙した水溶性高分子のうち、分子の絡み合いにより増粘作用を示す水溶性高分子を用いることが好ましい。このような増粘性の水溶性高分子と、金属酸化物粉体の影響を受けにくい親水性グラフト共重合体と組み合わせて用いることで、外用組成物の凝集及び離水の低減効果を顕著に発揮する。
水膨潤性ミクロゲルタイプの親水性グラフト共重合体は殊更に凝集を起こしにくく好ましいが、水相中で粒子としての振る舞いをみせ沈殿(離水)しやすい傾向がある。しかし、上述したような分子の絡み合いにより増粘作用を示す水溶性高分子と組み合わせることで、水膨潤性ミクロゲルの沈殿を防ぎ、離水が発生することを防ぐことができる。
つまり、水膨潤性ミクロゲルタイプの親水性グラフト共重合体と、分子の絡み合いにより増粘作用を示す水溶性高分子との組み合わせにより、凝集と離水の問題を極めて効果的に解消することができる。
<4>外用組成物
外用組成物における親水性グラフト共重合体の含有量は、凝集の発生抑制の観点からは、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.3質量%以下、さらに好ましくは0.25質量%以下、さらに好ましくは0.2質量%以下、さらに好ましくは0.15質量%以下、さらに好ましくは0.13質量%以下、さらに好ましくは0.12質量%以下である。
また、親水性グラフト共重合体の含有量は、離水の発生抑制の観点からは、0.001質量%以上、さらに好ましくは0.01質量%以上、さらに好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.07質量%以上、さらに好ましくは0.09質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上である。
また、親水性グラフト共重合体の含有量は、製剤の均一化の観点からは、好ましくは0.2質量%未満、より好ましくは0.15質量%以下、さらに好ましくは0.13質量%以下、さらに好ましくは0.12質量%以下である。
また、親水性グラフト共重合体の含有量は、外用組成物の感触のみずみずしさを向上させる観点からは、より好ましくは0.01〜0.2質量%、さらに好ましくは0.01〜0.15質量%である。
水溶性高分子の含有量は、特に限定されず、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.01〜0.5質量%、さらに好ましくは0.01〜0.3質量%とすることができる。
また、水溶性高分子の含有量は、凝集発生の抑制の観点からは、好ましくは0.25質量%未満、より好ましくは0.23質量%以下、さらに好ましくは0.22質量%以下、さらに好ましくは0.2質量%以下、さらに好ましくは0.2質量%未満、さらに好ましくは0.19質量%以下である。
また、水溶性高分子の含有量は、離水発生の抑制の観点からは、好ましくは0.05質量%超、より好ましくは0.08質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.13質量%以上、さらに好ましくは0.15質量%以上である。
また、水溶性高分子の含有量は、外用組成物のみずみずしさを向上させる観点からは、好ましくは0.05〜0.25質量%、より好ましくは0.1〜0.2質量%である。
金属酸化物粉体の含有量は特に限定されず、好ましくは10質量%以下、より好ましくは0.01〜5質量%、さらに好ましくは0.1〜2質量%である。
本発明の外用組成物は肌に塗布したときに凝集が発生しにくく、落ちにくいため、サンスクリーン化粧料の形態とすることが有用である。この場合には外用組成物に紫外線吸収剤を含有させることが好ましい。
紫外線吸収剤としては、化粧料などの皮膚外用剤の分野で使用されているものであれば特段の限定なく用いることができ、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸モノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシパラアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジエトキシパラアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルパラアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルパラアミノ安息香酸ブチルエステル、N,N−ジメチルパラアミノ安息香酸エチルエステル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル等の安息香酸誘導体;ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート等のアントラニル酸誘導体;サリチル酸及びそのナトリウム塩、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等のサリチル酸誘導体;オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、2−エチルヘキシルp−メトキシシンナメート(メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、パラメトキシケイ皮酸オクチル)、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート(シノキサート)、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリラート(オクトクリレン)、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート、フェルラ酸及びその誘導体等のケイ皮酸誘導体;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(オキシベンゾン−3)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンファー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー;2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール;2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール;ジベンザラジン;ジアニソイルメタン;5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン;4−t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン等のジベンゾイルメタン誘導体;オクチルトリアゾン;ウロカニン酸及びウロカニン酸エチル等のウロカニン酸誘導体;2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、1−(3,4−ジメトキシフェニル)−4,4−ジメチル−1,3−ペンタンジオン、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル等のヒダントイン誘導体;フェニルベンズイミダソゾールスルホン酸、テレフタリリデンジカンフルスルホン酸、ドロメトリゾールトリシロキサン、アントラニル酸メチル、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ルチン及びその誘導体、オリザノール及びその誘導体が好ましいものとして挙げられる。
紫外線吸収剤の含有量は特に限定されないが、好ましくは50質量%以下、より好ましくは0.1〜30質量%、、さらに好ましくは1〜20質量%である。
外用組成物の剤型は特に限定されないが、エマルションの形態とすることが好ましい。特に金属酸化物粉体が乳化界面に吸着してなるピッカリングエマルションの形態とすることが好ましい。
ピッカリングエマルションの形態とする場合には、金属酸化物粉体は疎水化処理されていることが好ましい。
エマルションの形態とする場合に、油相に含まれる油剤の種類は特に限定されず、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油、シリコーン油等を含有することができる。
液体油脂としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、メドウフォーム油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン等が挙げられる。
固体油脂としては、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
ロウ類としては、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
炭化水素油としては、流動パラフィン、オゾケライト、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン(ベヘニン)酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、トール酸等が挙げられる。
高級アルコールとしては、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、バチルアルコール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等が挙げられる。
エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、ステアリン酸スクロース、オレイン酸スクロース、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ペンタンエリスリトール、トリ−2−エチルヘキシル酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オイル、セトステアリルアルコール、アセトグリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、パルミチン酸セチル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバチン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン等の鎖状ポリシロキサンや、ペンタシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルポリシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンポリシロキサンなどの環状ポリシロキサン等が挙げられる。
中でも、シリコーン油、エステル油、液体油脂、固体油脂及びロウ類が好ましく用いられ、特にジフェニルポリシロキサン、エチルヘキサン酸セチル等が好ましく用いられる。油剤は1種または2種以上を用いることができる。
外用組成物をエマルションの形態とする場合、水の含有量は特に限定されないが、全体に対し好ましくは45〜80質量%、より好ましくは55〜75質量%、特に好ましくは60〜70質量%である。
また、水の含有量は、水相に対し好ましくは75〜95質量%、より好ましくは80〜95質量%、さらに好ましくは85〜93質量%である。
本発明の外用組成物をエマルションの形態とする場合、油中水型エマルションとしてもよいし、水中油型エマルションとしてもよい。好ましくは水中油型エマルションの形態とする。
また、本発明の外用組成物においては、上記成分以外に通常化粧料で使用される任意成分を発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。かかる任意成分としては、例えば、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類、表面処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム等の粉体類、表面処理されていても良い無機顔料類、表面処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類、レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB塩酸塩,ビタミンBトリパルミテート,ビタミンBジオクタノエート,ビタミンB又はその誘導体,ビタミンB12,ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール,β−トコフェロール,γ−トコフェロール,ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類などが好ましく例示できる。
外用組成物をピッカリングエマルションの形態とする場合には、界面活性剤を用いてもよいがその含有量は極力少なくすることが好ましい。界面活性剤の含有量は、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以下、特に好ましくは0質量%である。
外用組成物をピッカリングエマルションの形態とする場合、室温下、水相に金属酸化物粉体を分散し、そこへ油相を投入し乳化することにより製造することができる。
本発明の外用組成物は、化粧料に用いることが好ましく、化粧下地、ファンデーション等とすることが好ましい。
<試験例1>
表1及び表2に示す処方で、本発明の必須構成要素である(A)親水性グラフト共重合体、(B)水溶性高分子、(C)金属酸化物粉体を含む水中油型ピッカリングエマルション剤型の外用組成物を調製した。具体的には、表1に示す成分中、水性の成分の混合物に金属酸化物粉体を分散し、そこへ油性成分を撹拌しながら投入し、乳化することで、実施例及び比較例のピッカリングエマルションを製造した。
なお、試験例1で使用したシリル化シリカは、シリカ微粒子(AEROSIL社製、平均一次粒子径12nm(測定方法は前述のとおり))とモノ、ジ、及びトリメチルシリル疎水化処理剤を混合することにより得られたものを使用した。
なお、比較例として(A)親水性グラフト共重合体又は(B)水溶性高分子を含まない外用組成物も調製した。
調製した実施例1〜8及び比較例1、2の外用組成物について、以下の方法で凝集発生レベル、製剤安定性、製剤の均一性及び感触のみずみずしさについて評価した。また、これら評価結果を踏まえて、以下の基準で総合評価を行った。結果を表1に示す。
(凝集物発生レベル)
熟練の評価者に実施例及び比較例の外用組成物を自らの肌に塗布させ、凝集物(撚れ)の発生の程度について以下の基準で3段階評価させた。
○・・・全く凝集物が発生しない
△・・・少し凝集物が発生する
×・・・大量の凝集物が発生する
(製剤安定性)
実施例及び比較例の外用組成物を常温で1週間静置したときに高分子が沈殿し、離水が起こった程度を以下の基準で3段階評価した。
○・・・全く離水が発生しない
△・・・少し離水が発生する
×・・・大量の離水が発生する
(製剤の均一性)
調製直後の実施例及び比較例の外用組成物の外観を観察し、ダマの有無や離水の有無などの観点から、製剤の均一性を以下の基準で3段階評価した。
○・・・製剤の外観が極めて均一である
△・・・製剤の外観がほぼ均一
×・・・製剤が極めて不均一
(みずみずしさ)
熟練の評価者に実施例及び比較例の外用組成物を自らの肌に塗布させ、みずみずしさについて以下の基準で3段階評価させた。
○・・・肌に塗布したときに極めて優れたみずみずしさを感じる
△・・・肌に塗布したときにみずみずしさを感じる
×・・・肌に塗布したときに全くみずみずしさを感じない
(総合評価)
5・・・4項目の評価結果が全て〇である
4・・・凝集物発生レベルと製剤安定性はいずれも○であるが、製剤の均一性及びみずみずしさの一方又は両方が○でない
3・・・凝集物発生レベルと製剤安定性のいずれか一方が○であり、いずれか一方が△である
2・・・凝集物発生レベルと製剤安定性がいずれも△である
1・・・凝集物発生レベルと製剤安定性の一方又は両方が×である
表2に示すように、キサンタンガムを含むがアクリル酸ナトリウム・デンプングラフト共重合体を含有しない比較例1の外用組成物は、大量の凝集物が発生した。これは金属酸化物粉体(シリル化シリカ)の表面の電荷によって、キサンタンガムの増粘作用が阻害されたことが原因であるといえる。
また、表2に示すように、アクリル酸ナトリウム・デンプングラフト共重合体を含むがキサンタンガムを含まない比較例2の外用組成物は、凝集は起こらなかったものの著しい離水が生じ、製剤安定性が悪かった。
これは、アクリル酸ナトリウム・デンプングラフト共重合体は金属酸化物粉体の表面電荷の影響を受けにくいものの、水を保持する機能に劣ることが原因であるといえる。
一方、表1に示すように、アクリル酸ナトリウム・デンプングラフト共重合体及び水溶性高分子を含む実施例1の外用組成物は、比較例1及び2の外用組成物と比較して、凝集物及び離水の発生が顕著に抑制されていた。
この結果は、アクリル酸ナトリウム・デンプングラフト共重合体及び水溶性高分子を添加することにより、金属酸化物粉体の表面電荷に起因する凝集を低減し、かつ、離水をも低減できることを示している。
表1に示す通り、凝集と離水の抑制効果は、水溶性高分子として、キサンタンガムに代えてステアロキシヒドロプロピルメチルセルロース、ヒアルロン酸ナトリウムを使用した実施例2及び実施例3の外用組成物においても観察された。
実施例1と、実施例2及び実施例3の結果を比較すると、凝集と離水の低減効果の観点では、水溶性高分子として多糖側鎖を有するキサンタンガムを用いることが好ましいことがわかる。
また、表1に示す通り、金属酸化物粉体として、シリル化シリカに代えて、同様に表面が荷電している酸化チタン又は酸化鉄を含む形態であっても、同様に凝集と離水の抑制効果が観察された(実施例4及び実施例5)。
実施例1と、実施例4及び実施例5の結果を比較すると、製剤の均一性及び感触のみずみずしさの観点では、金属酸化物粉体としてシリカを用いることが好ましいことがわかる。
また、表2に示すように、アクリル酸ナトリウム・デンプングラフト共重合体とキサンタンガムの含有量を種々変更しても凝集及び離水を低減できることがわかった(実施例6〜8)。
<試験例2>
表1に示す実施例1の処方におけるアクリル酸ナトリウム・デンプングラフト共重合体とキサンタンガムの含有量を種々変更し(水の含有量でバランス調整した)、試験例1と同様の方法により水中油型ピッカリングエマルション剤型の外用組成物を調製した。
調製した外用組成物について、試験例1と同じ方法で、凝集発生レベル、製剤安定性、製剤の均一性及び感触のみずみずしさについて評価し、これら評価結果に基づいて総合評価を行った。
アクリル酸ナトリウム・デンプングラフト共重合体とキサンタンガムの含有量と、外用組成物の評価結果を表3及び表4に示す。
表3及び4に示すように、アクリル酸ナトリウム・デンプングラフト共重合体とキサンタンガムの含有量を種々変更したとしても、凝集及び離水の低減効果を得られることが確認できた。
本発明は化粧料に応用することができる。

Claims (8)

  1. 親水性の重合側鎖を有するグラフト共重合体及び/又はその塩と、金属酸化物粉体と、水溶性高分子と、を含む外用組成物。
  2. 前記親水性の重合側鎖を有するグラフト共重合体及び/又はその塩が、アクリル酸デンプングラフト共重合体及び/又はその塩であることを特徴とする、請求項1に記載の外用組成物。
  3. 前記金属酸化物粉体が乳化界面に吸着してなるピッカリングエマルションであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の外用組成物。
  4. 前記水溶性高分子が多糖類であることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の外用組成物。
  5. 前記多糖類が側鎖多糖と主鎖多糖を有する分岐多糖であることを特徴とする、請求項4に記載の外用組成物。
  6. 前記分岐多糖がキサンタンガムであることを特徴とする、請求項5に記載の外用組成物。
  7. 前記親水性の重合側鎖を有するグラフト共重合体及び/又はその塩の含有量が0.1〜0.2質量%であることを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の外用組成物。
  8. 前記水溶性高分子の含有量が0.1〜0.2質量%であることを特徴とする、請求項1〜7の何れか一項に記載の外用組成物。

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