JP7232605B2 - 防腐性乳化組成物及び防腐方法 - Google Patents
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また、乳化形態をとる皮膚外用剤においては、乳化のために配合されている界面活性剤が一定の抗菌効果を有することが知られている(例えば非特許文献1)。
つまり、乳化形態をとる皮膚外用剤においては、防腐剤と界面活性剤の二重の効果により抗菌性が達成されているといえる。
本発明の乳化組成物は、(A)炭素数が5以上の多価アルコール、(B)防腐剤及び(C)粉体の相乗効果により、優れた防腐性を発揮する。
ピッカリングエマルションの形態とすることにより、安定な乳化組成物を得ることができる。
このような多価アルコールを用いることにより、より優れた防腐性を得ることができる。
炭素数が5以上のジオールを含む本発明の乳化組成物は、より優れた防腐性を有する。
このような多価アルコールを含むことにより、乳化組成物の安定性を向上させることができる。
炭素数が4以下のジオールを用いることにより、より安定性に優れた乳化組成物を提供することができる。
本発明の防腐方法によれば、微生物により汚染されやすい界面活性剤フリーの乳化組成物の防腐性を向上させることができる。
このような多価アルコールを添加することにより、乳化組成物の安定性を向上させることができる。
以下、本発明の乳化組成物の実施形態についてさらに詳しく説明を加える。
本発明の乳化組成物は、融点が80℃以下である、重量平均分子量5,000未満の低分子界面活性剤(以下、単に低分子界面活性剤ともいう)を、乳化系を維持するために必要な含有量で含まない。
(A)の環状構造を含まない多価アルコールの炭素数は5以上であれば特に限定されないが、好ましくは5~10、より好ましくは5~8、さらに好ましくは5~6である。
(A)の多価アルコールは、飽和アルコールであっても不飽和アルコールであってもよいが、飽和アルコールであることが好ましい。
このようなジオールとしては、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-ヘプタンジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-ノナンジオール及び1,2-デカンジオールなどが挙げられ、特に1,2-ペンタンジオール及び1,2-ヘキサンジオールを好適に例示できる。
(B)防腐剤は1種のみを用いてもよいし、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)と(B)の比率を前記範囲とすることにより、乳化組成物の防腐性と安定性を向上させることができる。
乾式シリカ粉末としては、例えばAerosilシリーズ(日本アエロジル株式会社)、CAB-O-SILシリーズ(キャボットコーポレーション)、HDKシリーズ(旭化成ワッカーシリコーン株式会社)、湿式シリカ粉末としては、例えばNipsilシリーズ(東ソー・シリカ株式会社)、HI-SILシリーズ(PPG)等の市販品を用いることができる。
疎水化処理としては、有機ケイ素化合物、シリコーン、炭化水素油、脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、高級アルコール、ポリオキシアルキレン化合物等の疎水化処理剤で粉体を処理する方法が挙げられる。
特に好ましくは、有機ケイ素化合物又はシリコーンを疎水化処理剤として粉体を処理する。
(A)と(D)の比率を前記範囲とすることにより、乳化組成物の防腐性と安定性を向上させることができる。
ここで、平均一次粒子径及び平均二次粒子径は、走査型電子顕微鏡像上で2500個以上の粒子の最大径を測定し、その個数平均を算出することにより求めることができる。
なお、平均二次粒子径は乳化を行う際に組成物に加える応力によって調整することができる。
本発明は、低分子界面活性剤を実質的に含まない、いわゆる界面活性剤フリーの乳化組成物の防腐方法にも関する。本発明の防腐方法は、乳化組成物に、(A)の多価アルコール、(B)防腐剤及び(C)粉体を添加することを特徴とする。
なお、「乳化組成物に、・・・添加する」ことには、調製済みの乳化組成物に(A)~(C)を添加する形態だけでなく、乳化組成物の調製時に(A)~(C)を添加する形態も含まれる。
上記<1>に記載した本発明の乳化組成物の実施の形態に関する事項は、本発明の防腐方法にそのまま適用できる。
室温(25℃)下、表1に示す(イ)水相成分に(ロ)粉体成分を分散し、そこへ(ハ)油相成分を撹拌しながら投入し乳化することで、実施例及び比較例の乳化組成物(ピッカリングエマルション)を製造した。
なお、疎水化シリカは、シリカ微粒子(AEROSIL社製)とトリメチルシリル疎水化処理剤を混合することにより得られたものを使用した。
実施例及び比較例の乳化組成物について、防腐剤への抵抗力が強い真菌(アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger))に対しての抗菌性を調べた。すなわち、サブローデキストロース寒天培地(SDA培地)の平板培地に乳化組成物を0.1ml塗抹した後、白金耳で前記真菌を接種した。接種後1日で発生したコロニーの数を基準に、以下に示すように、防腐性について3段階評価を行った。なお、コロニー数が以下の3段階の範囲の何れに属するかについては、コロニー数の標準写真と検体の状況を比較することで判別した。結果を表2に示す。
(防腐性)
○・・・0~1000
△・・・1001~3000
×・・・3001以上
実施例及び比較例の乳化組成物を常温で1週間静置した後の状態を観察し、以下の基準により乳化組成物の安定性を評価した。結果を表2に示す。
(安定性)
○・・・油相と水相の分離が全く見られない
△・・・油相と水相の一部が分離している
×・・・油相と水相が完全に分離している
この結果は、界面活性剤フリーの乳化組成物において、(A)の多価アルコールと(B)の防腐剤を併用することで、その防腐性を向上させることができることを示している。
この結果は、実施例の乳化組成物における優れた防腐性及び安定性は、(A)の多価アルコール、(B)防腐剤及び(C)粉体の相乗効果によってもたらされるものであることを示している。
この結果は、(A)の多価アルコール及び(B)の防腐剤を含むピッカリングエマルションにおいて、(D)の多価アルコールを用いることで、安定性を向上させることができることを示している。
製造例1と同一の疎水化シリカを用いて、製造例1と同様の手法により、表3の処方のピッカリングエマルション(参考例)を製造した。そして、参考例のピッカリングエマルションを走査型電子顕微鏡により観察した。電子顕微鏡像を図1に示す。
参考例と実施例のピッカリングエマルションは、同一の疎水化シリカを用い、同一の方法で製造したものである。したがって、参考例のピッカリングエマルションの走査型電子顕微鏡による観察結果は、実施例のピッカリングエマルションにおける疎水化シリカの平均二次粒子径も50nm以下であることを示している。
Claims (5)
- 融点が80℃以下である、重量平均分子量5,000未満の低分子界面活性剤の含有量が0.5質量%以下である乳化組成物であって、(A)環状構造を含まない、炭素数が5~10であり、少なくとも1位及び2位に水酸基を有し、水酸基の数は、2~4である多価アルコールと、(B)防腐剤(但し、前記炭素数が5以上の多価アルコールを除く)と、(C)粉体と、(D)環状構造を含まない炭素数が4以下の多価アルコールを含み、
前記(C)粉体により安定化されているピッカリングエマルションであることを特徴とする乳化組成物。 - 前記(A)の多価アルコールが、ジオールであることを特徴とする、請求項1に記載の乳化組成物。
- 前記(D)の多価アルコールがジオールであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の乳化組成物。
- 皮膚外用剤である請求項1~3の何れか一項に記載の乳化組成物。
- 融点が80℃以下である、重量平均分子量5,000未満の低分子界面活性剤の含有量が0.5質量%以下である乳化組成物の防腐方法であって、(A)環状構造を含まない、炭素数が5~10であり、少なくとも1位及び2位に水酸基を有し、水酸基の数は、2~4である多価アルコールと、(B)防腐剤(但し、前記炭素数が5以上の多価アルコールを除く)と、(C)粉体と、(D)環状構造を含まない炭素数が4以下の多価アルコールとを添加することを特徴とし、
前記乳化組成物は、前記(C)粉体により安定化されているピッカリングエマルションである、防腐方法。
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