以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.ゲームシステム
まず、図1(A)〜図1(E)を用いて本実施形態のゲームシステムの構成例について説明する。
図1(A)では、サーバシステム500(情報処理システム)が、ネットワーク510を介して端末装置TM1〜TMnと通信接続されている。例えばサーバシステム500はホストであり、端末装置TM1〜TMnはクライアントである。なお、以下では、本実施形態のゲームシステム及びその処理を、主にサーバシステム500により実現する場合を例にとり説明するが、ゲームシステム及びその処理の一部(又は全部)を、端末装置TM1〜TMnにより実現してもよい。
サーバシステム500は例えば1又は複数のサーバ(管理サーバ、ゲームサーバ、課金サーバ、サービス提供サーバ、コンテンツ配信サーバ、認証サーバ、データベースサーバ、又は通信サーバ等)により実現できる。このサーバシステム500は、コミュニティ型ウェブサイトやオンラインゲームを運営するための各種サービスを提供し、ゲーム実行に必要なデータの管理や、クライアントプログラム及び各種データ等の配信を行うことができる。
ネットワーク510(配信網、通信回線)は、例えばインターネットや無線LAN等を利用した通信路であり、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLANの他、電話通信網やケーブル網や無線LAN等の通信網を含むことができる。また通信方法については有線/無線を問わない。
端末装置TM1〜TMn(プレーヤ端末)は、例えばネット接続機能(インターネット接続機能)を有する端末である。これらの端末装置TM1〜TMnとしては、例えば図1(B)の家庭用ゲーム装置(据え置き型)、図1(C)の携帯型ゲーム装置、図1(D)の携帯型通信端末(スマートフォン、フューチャーフォン、携帯電話機)、或いは図1(E)の業務用ゲーム装置などの種々の装置を用いることができる。或いは、端末装置TM1〜TMnとして、パーソナルコンピュータ(PC)やタブレット型コンピュータなどの情報処理装置を用いてもよい。
図2に本実施形態のサーバシステム500(ゲームシステム、ホスト装置、情報処理システム)の構成例を示す。なお、サーバシステム500の構成は図2に限定されず、その構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
サーバシステム500は、処理部600、操作部660、記憶部670、通信部696を含む。
処理部600は、通信部696を介して受信したデータや、記憶部670に記憶されるデータ、プログラム等に基づいて、サーバの各種サービス・管理に必要な種々の処理を行う。この処理部600の機能は、各種プロセッサ(CPU、GPU等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
処理部600は、受信処理部602、送信処理部604、抽選処理部605、ゲーム処理部606、ゲーム成果演算部608、課金処理部616、管理処理部618、画像情報生成部620、音情報生成部630を含む。
受信処理部602は、端末装置等からの情報の受信処理を行う。送信処理部604は、端末装置等への情報の送信処理を行う。ここで受信処理は、通信部696に情報の受信を指示したり、通信部696が受信した情報を取得して記憶部670に書き込む処理などである。送信処理は、通信部696に情報の送信を指示したり、送信する情報を通信部696に指示する処理などである。
抽選処理部605は抽選処理を行う。抽選処理部605の詳細については後述する。
ゲーム処理部606は、各種のゲーム処理を行う。ここでゲーム処理としては、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、ゲームを進行させる処理、ゲームの各種のイベントを発生する処理、或いはゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理などがある。例えばゲーム処理部606は、端末装置に入力されたプレーヤ(ユーザ)の操作情報に基づいて、ゲームを開始したり、ゲームを進行させたり、ゲームを終了させたりするなどのゲーム処理を行う。また、プレーヤの操作情報に基づいて、移動体等のオブジェクトを移動させたり、動作させるゲーム処理を行ってもよい。またゲーム処理部606は、ゲーム情報である画像情報や音情報を生成させるための処理を行う。具体的には、ゲーム画面等を端末装置に表示するためのゲーム処理や、ゲーム音を端末装置に出力させるためのゲーム処理を行う。
ゲーム成果演算部608はゲーム成果(ゲーム成績、ゲーム結果等)の演算処理を行う。例えばゲーム成果演算部608は、ゲーム成果の演算処理として、ゲームにおいてプレーヤにポイント(得点)を獲得させる処理やアイテムを獲得させる処理などを行う。演算されたゲーム成果の情報はゲーム成果記憶部674に記憶される。
課金処理部616は、種々の課金処理(課金の決定処理、課金データの作成処理、保存処理等)を行う。記憶部670の課金情報記憶部676は、課金処理部616の課金処理の対象となる課金情報を記憶する。
管理処理部618は、サーバの各種の管理処理を行う。例えば、サーバが提供する各種サービスの管理処理、サーバ管理情報などの各種情報の管理処理を行う。
例えばプレーヤは、サーバシステム500が提供するサービスを利用するために、所定の手続きを行ってアカウントを取得する。取得したアカウントと対応づけられるパスワードを入力してログインすることで、プレーヤは、ネットワークゲームのプレイや、アイテム等のオンライショッピングや、プレーヤ間でのメッセージ交換や、フレンドユーザの登録などの各種サービスを利用できるようになる。管理処理部618は、このようなプレーヤのアカウント情報の管理処理等も行う。
画像情報生成部620は、画像の生成のための情報である画像情報を生成する。音情報生成部630は、音(音声、ゲーム音、効果音)の生成のための情報である音情報を生成する。具体的には、画像情報は、本実施形態の手法により生成される画像を各端末装置TM1〜TMnにおいて生成・表示するための情報であり、画像データそのものであってもよいし、各端末装置が画像を生成・表示するために使用する各種データ(表示画面の設定データ、オブジェクトデータ等)であってもよい。音情報生成部630が生成する音情報についても同様である。
操作部660は、システムの管理者(運営者)が種々の情報を入力するためのものである。
記憶部670は、処理部600や通信部696などのワーク領域となるものであり、その機能はRAM(DRAM、SRAM、VRAM)やSSD(Solid State Drive)やH
DD(Hard Disk Drive)などにより実現できる。
記憶部670は、設定値記憶部672、ゲーム成果演算部674、ゲーム情報記憶部675、課金情報記憶部676、ユーザ情報記憶部678を含む。設定値記憶部672は、抽選値の合計値又は抽選回数の設定値のデータを記憶する。例えば各プレーヤに対応づけて設定値を記憶する。ゲーム成果演算部674は、ゲーム成果演算部608で演算されたプレーヤのゲーム成果の情報を記憶する。ゲーム情報記憶部675は、ゲーム処理に使用されるゲームデータ(ゲームパラメータ等)や、画像情報生成部620で生成された画像情報や、音情報生成部630で生成された音情報等を、ゲーム情報として記憶する。課金情報記憶部676は、課金処理部616により行われる課金処理の情報を記憶する。ユーザ情報記憶部678は、プレーヤの個人情報(名前、性別、生年月日、メールアドレス等)をユーザ情報として記憶する。例えば、前述したプレーヤのアカウント情報もユーザ情報として記憶される。課金情報記憶部676に記憶される課金情報は、各プレーヤの各アカウント情報に対応づけられる。
情報記憶媒体680(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、HDD、メモリ(ROM等)、或いは光ディスク(CD、DVD)などにより実現できる。この情報記憶媒体680には、本実施形態のゲームシステム(サーバシステム等)の各部をコンピュータ(操作部、処理部、記憶部、出力部を備える装置)として機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)が記憶されている。
なお、本実施形態の処理は、端末装置においてゲームプログラムを実行することで実現してもよいし、ウェブブラウザプログラムやスクリプト制御を実行することによって実現してもよい。例えばインターネット等の通信回線を通じてゲームに必要な情報を取得してブラウザ上でインタラクティブな表示を実現する、いわゆるブラウザゲームとして本実施形態の処理を実現する構成としてもよい。
通信部696は、有線や無線のネットワーク510を介して端末装置TM1〜TMnや他の外部サーバとの通信を行うものであり、その機能は、通信用ASIC又は通信用プロセッサなどのハードウェアや、通信用ファームウェアにより実現できる。
図3に本実施形態の端末装置(プレーヤ端末、クライアント装置)の構成例を示す。なお、端末装置の構成は図3に限定されず、その構成要素(各部)の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
端末装置は、処理部200、操作部260、撮像部264、記憶部270、表示部290、音出力部292、I/F部294、通信部296を含む。
処理部200(プロセッサ)は、操作部260からの操作情報やプログラムなどに基づいて、各種サービス提供のための処理、ゲーム処理、画像表示処理、或いは音出力処理などを行う。処理部200は、記憶部270をワーク領域として各種処理を行う。この処理部200の機能は、各種プロセッサ(CPU、GPU等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
処理部200は、入力受け付け部201、受信処理部202、送信処理部204、ゲーム処理部206、表示制御部220、音制御部230を含む。
入力受け付け部201は、ユーザ(プレーヤ)からの入力情報の受け付け処理を行う。例えば操作部260を介して入力された情報の受け付け処理を行う。受信処理部202は、サーバシステムや他の端末装置等の外部装置からの情報の受信処理を行う。送信処理部204は、サーバシステムや他の端末装置等の外部装置への情報の送信処理を行う。ゲーム処理部206は、各種のゲーム処理を行う。表示制御部220は、表示部290に画像を表示するための制御を行う。例えば端末装置側で画像を生成する場合には、処理部200で行われる種々の処理(アプリケーション処理、ゲーム処理)の結果に基づいて描画処理を行い、これにより画像を生成し、表示部290に出力する。サーバ側で画像を生成する場合には、サーバシステムからの画像情報に基づく画像を表示部290に表示する制御を行う。音制御部230は、処理部200で行われる種々の処理の結果に基づいて音制御を行う。これにより、BGM、効果音、又は音声などが音出力部292から出力されるようになる。
操作部260は、ユーザ(プレーヤ)が、操作情報等の種々の情報を入力するためのものであり、その機能は、操作ボタン、方向指示キー、アナログスティック、レバー、各種センサ(角速度センサ、加速度センサ等)、マイク、或いはタッチパネル型ディスプレイなどにより実現できる。
撮像部264(カメラ)は、被写体の撮像を行うものであり、CCDやCMOSセンサなどの画像センサと、フォーカスレンズ等により構成される光学系などにより実現される。
記憶部270は、処理部200や通信部296などのワーク領域となるもので、その機能はRAMやSSDやHDDなどにより実現できる。
情報記憶媒体280(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク、HDD、或いはメモリなどにより実現できる。処理部200は、情報記憶媒体280に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。
表示部290は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、LCD、有機ELディスプレイ、CRT、或いはHMDなどにより実現できる。音出力部292は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
I/F(インターフェース)部294は、不揮発性記憶装置295(携帯型情報記憶媒体)とのインターフェース処理を行うものであり、その機能はI/F処理用のASICなどにより実現できる。不揮発性記憶装置295は、ユーザが各種の情報を保存するためのものであり、電源が非供給になった場合にもこれらの情報の記憶を保持する記憶装置である。不揮発性記憶装置295は、ICカード(メモリーカード)、USBメモリー、或いは磁気カードなどにより実現できる。
通信部296は、ネットワーク510を介して外部装置(サーバシステム、他の端末装置等)との間で通信を行うものであり、その機能は、通信用ASIC又は通信用プロセッサなどのハードウェアや、通信用ファームウェアにより実現できる。
そして本実施形態のゲームシステムは、ネットワークを介して通信接続される複数の端末装置(ゲーム装置)を用いて複数のプレーヤがプレイするネットワークゲームのゲームシステムである。例えば図1(A)に示すように、サーバシステム500に対してネットワーク510を介して端末装置TM1〜TMnが接続される。各プレーヤがTM1〜TMnの各端末装置(各ゲーム装置)でゲームプレイを行うことでネットワークゲームが実現される。
そして図2に示すように本実施形態ではサーバシステム500(ゲームシステム)が、抽選処理部605とゲーム処理部606とゲーム成果演算部608を含む。
抽選処理605は抽選処理を行い、ゲーム処理部606は、抽選処理の抽選結果である抽選値(例えばサイコロにおける出目等)に基づいて、プレーヤに対応する移動体(例えばボードゲームのコマ)を所与のゲームエリア(例えばゲームエリアに設定されたコース)において所与の移動単位(例えばボードゲームにおける1マス)で移動させる処理を含むゲーム処理を行う。ゲーム成果演算部608は、ゲーム処理におけるプレーヤのゲーム成果(例えばポイント獲得、アイテム獲得等)を演算する。例えばゲーム成果演算部608は、移動体を移動させるゲーム処理によるゲーム成果を演算する。或いは、ゲームのイベントを発生するゲーム処理が行われた場合に、イベントの発生により生じたプレーヤのゲーム成果を演算する。このイベントは、移動体の移動に基づき発生するイベント(例えば移動体であるコマがマスに移動したことにより発生するイベント)であってもよいし、移動体の移動には直接に関係せずに発生するイベント(例えば時間経過に従って発生するイベント)であってもよい。
そして本実施形態では抽選処理部605は、抽選値の合計値又は抽選回数がプレーヤに対して所与の設定値に設定される抽選処理を実行する。例えば抽選値の合計値が所与の設定値に達したか否か、或いは抽選回数が所与の設定値(所与の回数)に達したか否かを判断する。この場合の設定値は、設定値記憶部672に例えば各プレーヤに対応づけられて記憶されている。設定値は例えば各プレーヤごとに異なった値に設定できるが、同じ値に設定することも可能である。
ここで抽選処理は、例えば乱数情報を発生し、発生した乱数情報に基づいて抽選値を生成する処理や、抽選値の生成処理の管理処理などである。例えば抽選処理により、ボードゲームにおけるサイコロやルーレットの出目を抽選値として求める。この場合に抽選値の生成処理については各端末装置(TM1〜TMn)が行い、サーバシステム500(ゲームシステム)が抽選値の生成処理の管理処理を抽選処理として行うようにしてもよい。例えば端末装置が抽選値(サイコロの出目)を決定してプレーヤに提示した場合に、サーバシステム500の受信処理部602は、抽選が行われたという通知と、その抽選による抽選値とを、端末装置から受信する。そしてサーバシステム500の抽選処理部605は、これらの端末装置からの情報に基づいて、抽選値の合計値又は抽選回数が設定値に達したか否かを判断する。即ち、プレーヤの抽選値の合計値又は抽選回数が、そのプレーヤに対応づけられて設定値記憶部672に記憶される設定値に達したか否かを判断する。なお、サーバシステム500の抽選処理部605が、抽選値の生成処理を抽選処理として実行してもよい。また抽選処理部605は、抽選値の合計値及び抽選回数の一方が設定値に設定された抽選処理を行ってもよいし、抽選値の合計値及び抽選回数の両方が設定値に設定された抽選処理を行ってもよい。即ち、抽選値の合計値及び抽選回数の一方のみついて所定値に達したか否かを判断するようにしてもよいし、両方が所定値に達したか否かを判断するようにしてもよい。
ゲーム成果演算部608は、ゲームが開始してから、抽選値の合計値又は抽選回数が設定値に達するまでに、プレーヤが獲得したポイントを、プレーヤのゲーム成果として演算する。例えばゲームが開始して、プレーヤについての抽選処理(サイコロ等を振る処理)が行われると、抽選処理が行われるごとに抽選値の合計値又は抽選回数の更新処理が行われる。例えば前回の抽選値の合計値に今回の抽選値を加算する処理が行われる。或いは、抽選処理が1回行われるごとに抽選回数に例えば1を加算する処理が行われる。そして、プレーヤについての抽選値の合計値又は抽選回数が設定値(上限値)に達すると、例えばそれまでにそのプレーヤが獲得したポイント(得点)やアイテム等の集計処理が行われ、プレーヤのゲーム成果として演算される。そして例えばゲーム処理部606は、プレーヤについての抽選値の合計値又は抽選回数が設定値に達した場合に、当該プレーヤについてのゲームプレイを終了させる。例えば抽選値の合計値又は抽選回数が設定値に達すると、そのプレーヤに対応する移動体については、抽選値による移動処理を行わないようにする。即ち、設定値に達した後は、そのプレーヤについての抽選処理は行われず、抽選値に基づく移動体の移動処理も行われないようになる。
またゲーム成果演算部608は、ゲームの開始時間と終了時間が設定されている場合に、ゲームの終了時間において、ネットワークゲームに参加した複数のプレーヤのゲームを終了させる。例えば、抽選値の合計値又は抽選回数が設定値に達していないプレーヤがいても、ネットワークゲームに参加した全てのプレーヤのゲームを終了させる。そして、これらの複数のプレーヤのゲーム成果を集計して、複数のプレーヤの各プレーヤごとのゲーム成果を演算する。例えば抽選値の合計値又は抽選回数が設定値に達して、最終的なゲーム終了時間よりも前にゲームプレーヤが終了したプレーヤがいた場合には、そのプレーヤのゲームプレイが終了してからゲームが最終的に終了するまでのゲーム成果の変動等についても反映させる。そして、ネットワークに参加した全てのプレーヤのゲーム成果を、個別に演算する。こうすることで、より綿密に各プレーヤのゲーム成果を演算できるようになる。
またゲーム処理部606は、ゲームの開始時において、ゲームに使用されるゲーム要素についてのデッキ編集処理を行う。ゲーム要素は、ゲームに使用され、ゲームの構成要素となるものであり、例えばゲーム画面の構成要素となるオブジェクトである。具体的には、ゲーム要素は、ゲームに使用されるキャラクタ、カード、或いはアイテム等のオブジェクトである。ゲーム要素がキャラクタやカードである場合には、ゲーム処理部606は、例えばデッキの編集用の画面を表示させ、プレーヤが、自身がゲームにおいて使用するキャラクタやカード(広義にはゲーム要素)等を編集できるようにする。即ち、デッキ編集に関するプレーヤの入力を受け付け、その入力に基づいて、キャラクタやカード等のデッキを作成する処理を行う。そしてプレーヤが、キャラクタの装備アイテムのデッキを編成したり、複数のキャラクタで構成されるチームのデッキを編成したり、ゲーム中において各種の効果を発生するカードのデッキを編成できるようにする。こうすることで、各プレーヤは、ゲーム開始時にキャラクタやカード等についてのデッキを編集することで、各プレーヤごとのゲーム戦略を立てることが可能になる。
またゲーム成果演算部608は、抽選値の合計値又は抽選回数が設定値に達するタイミングについての順位によるポイントを、プレーヤのゲーム成果に付加する処理を行う。例えば第1のプレーヤについては、第1のタイミングで抽選値の合計値又は抽選回数が設定値に達し、第2のプレーヤについては、第1のタイミングよりも後の第2のタイミングで、抽選値の合計値又は抽選回数が設定値に達したとする。この場合には、第1のプレーヤの方が第2のプレーヤよりも順位が高くなり、第1のプレーヤに対して、より多くのゲーム成果(ポイント、アイテム等)が付与されるようになる。
また抽選処理部605は、ゲーム中に発生したイベントに基づいて、抽選値の合計値又は抽選回数についての設定値を変更する。例えばイベントが発生した場合に、そのイベントの内容に応じて設定値を増加させたり、減少させる。ここでイベントは、例えば移動体(コマ)がゲームエリアのコースのマス(所定分割領域)に移動することで発生するイベントであってよいし、時間経過に伴いランダムに又は定期的に発生するイベントであってもよい。或いは、プレーヤが場にカード等のアイテムを出すことで発生するイベントであってもよい。そして、例えば抽選値の合計値又は抽選回数を、イベントに対応づけられた値に基づいて増減する。或いは、イベントが発生した場合に、別の抽選処理を行い、その抽選値に基づいて設定値を増減させてもよい。
またゲーム処理部606は、ゲーム開始からの経過時間、プレーヤの情報、又はネットワークゲームへのプレーヤの参加人数に基づいて、イベントの発生回数又は内容を変更する。
例えばゲーム処理部606は、ゲーム開始からの経過時間に応じて、イベントの発生回数を異ならせたり、イベントの内容自体を異ならせる。例えばゲーム開始してから、ゲームの前半期間においては、イベントの発生頻度を低くする一方で、ゲームの後半期間では、イベントの発生頻度を高くする。或いは、ゲームの前半期間と後半期間とで、イベントによる設定値の変更の度合いや変更の態様を異ならせる。或いはこの逆であってもよい。
またゲーム処理部606は、プレーヤの過去のゲーム状況(過去の勝率、勝敗等の成績)、プレーヤの現時点のレベルや経験値、プレーヤの獲得アイテム、プレーヤの個人情報(性別、年齢、生年月日等)、或いはプレーヤの課金情報などのプレーヤ情報に基づいて、イベントの発生回数や内容を変更する。例えばプレーヤの過去の勝率等の成績や、経験値や、レベルが高い場合には、イベントの発生回数を少なくしたり、発生したイベントによる設定値の変化量を少なくする。一方、プレーヤの過去の勝率等の成績や、レベルや、経験値が低い場合には、イベントの発生回数を多くしたり、発生したイベントによる設定値の変化量を大きくする。或いはこの逆であってもよい。またプレーヤが特定のアイテムを所持している場合や、プレーヤが課金に対して支払った額が多い場合には、イベントの発生回数(頻度)を多くしたり、イベントによる設定値の増加量を大きくする。
またゲーム処理部606は、ネットワークゲームへのプレーヤの参加人数に基づいて、イベントの発生回数又は内容を変更する。例えばプレーヤの参加人数が多い場合には、イベントの発生回数を多くしたり、発生したイベントによる設定値の変化量を大きくする。一方、プレーヤの参加人数が少ない場合には、イベントの発生回数を少なくしたり、発生したイベントによる設定値の変化量を小さくする。或いはこの逆であってもよい。なおプレーヤの参加人数は、その時点においてネットワークゲームに参加して実際にゲームプレイしているプレーヤ(ネットワークゲームにアクセスしているプレーヤ)の人数であってもよいし、そのネットワークゲームに、例えばゲーム開始時までに参加して登録等したプレーヤの人数であってもよい。
また抽選処理部605は、ゲーム開始からの経過時間、プレーヤの情報、又はネットワークゲームへのプレーヤの参加人数に基づいて、抽選値の合計値又は抽選回数についての設定値を変更してもよい。
例えば抽選処理部605は、ゲーム開始からの経過時間に応じて、抽選値の合計値又は抽選回数の設定値を増減する。例えばゲームの後半期間や終了間際等に、設定値を増加させたり、減少させる。或いは、プレーヤの個人情報(性別、年齢等)に応じて、そのプレーヤに対応づけられる抽選値の合計値又は抽選回数の設定値を増減させる。或いは、プレーヤの過去のゲーム状況、プレーヤの現時点のレベルや経験値、プレーヤの獲得アイテム、プレーヤの個人情報、或いはプレーヤの課金情報に応じて、設定値を増減させる。或いはプレーヤの参加人数が多い場合には設定値を大きくし、プレーヤの参加人数が少ない場合には設定値を小さくする。或いはこの逆であってもよい。
また抽選処理部605は、所与の時間単位内での抽選回数を所与の回数に制限する制限処理又はこの制限処理の解除処理を行う。例えば1時間や1分等の時間単位内で許容される抽選回数を所与の回数に制限する。即ち、その時間単位内において、抽選回数が所与の回数に達した場合には、それ以降はそのプレーヤに対して抽選処理が行われるのを禁止する。また、所与の条件に基づいて、このような抽選処理の制限処理の解除処理を行う。即ち、時間単位内での抽選回数に制限を設けず(或いは制限を緩和して)、時間単位内に制限回数を超えた抽選処理が行われるのを許容する。
この場合に抽選処理部605は、プレーヤが獲得したアイテム又はプレーヤの課金情報に基づいて、制限処理又は解除処理を行ってもよい。例えばプレーヤの獲得アイテムや、プレーヤが課金に対して支払った額に応じて、抽選回数の制御処理や解除処理の内容や態様を変化させる。例えばプレーヤが特定のアイテムを所持している場合や課金の額が多い場合には、制限回数を大きくする。或いは、時間単位内での抽選回数に制限を設けないようにする。
またゲーム処理部606は、プレーヤにより入力された経路選択情報にしたがった移動経路で、移動体を移動させる処理を行う。例えば端末装置の操作部260に入力された操作情報にしたがった移動経路で移動体を移動させる。例えばゲームエリアにコースが設定され、そのコースに分岐がある場合に、いずれの経路で移動体を移動するかを、プレーヤが選択できるようにする。或いは、ゲームエリアにコースを設けずに、プレーヤが所望する移動方向に移動体を自由に移動できるようにしてもよい。
例えば本実施形態が適用されるゲームとしては、所定のスタート地点から移動体が移動を開始することでゲームを開始し、所定数の移動単位(所定数のマス)だけ離れた所定のゴール地点に移動体が到着することでゲームが終了するようなゲームを想定していない。例えば本実施形態が適用されるゲームでは、スタート地点から移動体が移動を開始してゲームが開始した後、移動体が移動し、抽選値の合計値又は抽選回数が設定値に達すると、固定されないゴール地点で移動体の移動を停止して、ゲームが終了する。例えばゲームの開始後、プレーヤにより入力された経路選択情報にしたがった移動経路で移動体が移動し、抽選値の合計値又は抽選回数が設定値に達すると、そのプレーヤについてのゲームプレイは終了し、移動体の移動も停止する。或いは、スタート地点から移動体が移動を開始した後、1つのコースを移動体が何度も周回し、抽選値の合計値又は抽選回数が設定値に達すると、そのプレーヤについてのゲームプレイは終了し、移動体の移動も停止する。例えば設定値は各プレーヤごとに設定されているため、抽選値の合計値又は抽選回数が設定値に達してプレーヤのゲームプレイが終了する地点は、プレーヤごとに異なった地点になる。
なお以上では、本実施形態の抽選処理、ゲーム処理、ゲーム成果演算等を、図2のサーバシステム500が行う場合について説明したが、本実施形態はこれに限定されない。例えば本実施形態の抽選処理、ゲーム処理、ゲーム成果演算の一部(又は全部)を図3の端末装置が行うようにしてもよい。
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について詳細に説明する。なお、以下では、本実施形態のゲームシステムを、サイコロの出目(広義には抽選値)によりコマ(広義には移動体)が移動するボードゲームに適用した場合について主に例にとり説明するが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、抽選処理は、サイコロ以外のもので行われるものであってもよいし、ゲームエリア内で移動する移動体は、マスで構成されるコース上を移動するコマには限定されない。
2.1 出目の合計値、振り回数の設定値
さて、従来のボードゲームでは、いわゆるターン制を採用している。サイコロを振ってコースをコマで移動するボードゲームを例にとれば、参加する全てのプレーヤがサイコロを振ってコマを進めることで1つのターンが終了する。従って、プレーヤは、自身がサイコロを振るためには、他のプレーヤがサイコロを振り終わるのを待つ必要がある。また、当該ターンでのサイコロを振り終わって、次のターンでのサイコロを振るためには、他の全てのプレーヤがサイコロを振って、当該ターンが終了するのを待つ必要がある。また、ターン制の前提として、参加する全てのプレーヤが同じ時間帯を共有して、同じ時間帯にゲームプレイを行わなければならないという問題があった。
しかしながら、多数のプレーヤの参加が想定されるネットワークゲームにおいて、このようなボードゲームを実現しようとした場合には、上記の順番待ちや時間帯共有は大きな問題となる。例えば何十名というような多数のプレーヤが参加した場合に、ターン制を採用すると、順番待ちの時間は非常に長くなってしまう。また、このような多数のプレーヤの全てが同じ時間帯にプレイして時間帯を共有するのは現実的ではない。
そこで本実施形態では、各プレーヤの個別のサイコロの出目数又はサイコロの振り回数とすることにより、上記の順番待ちや時間帯共有の問題からをプレーヤを解放する。即ち、サイコロの出目の合計値(広義には抽選値の合計値)やサイコロの振り回数(広義には抽選回数)が、各プレーヤに対して所与の設定値に設定されており、プレーヤはこの設定値に達するまでコマを進めてゲームをプレイすることができ、設定値に達するとそのプレーヤのゲームプレイは終了する。このようにすることで、例えばソーシャルゲーム(SNSのゲーム)などにおいて、時間や場所や対戦相手に拘束されないネットワークゲームのボードゲームの実現が可能になる。即ち、順番待ちや時間帯共有の問題を解消することで、従来では時間がかかりすぎて、参加プレーヤ総数が4名程度が限界であったものを、何十名というような多数のプレーヤを、1つのマップ上でゲームプレイさせることが可能になる。また、従来の双六ゲームとは異なり、例えば先行逃げ切り型や、後半追い込み型(マップの状況を把握してゲームプレイ)というようなゲーム戦略が可能になり、ゲームプレイの遊びの幅を広げることが可能になる。
例えば、本実施形態では、各プレーヤのサイコロの出目の合計値又は振り回数に制限を設けるため、ゲーム開始から早い段階でサイコロを多く振り、先行逃げ切り型でゲームに勝利するというゲーム戦略が可能になる。例えば、出目の合計値や振り回数がいち早く設定値に達成して、ゲームプレイを早く終了したプレーヤに対してボーナスポイントを付与することで、このような先行逃げ切り型が有利になる。
一方、ゲームの時間経過につれてイベントを多く発生し、当該イベントにおいてプレーヤにポイントやアイテムを獲得させるようにすれば、後半追い込み型の方がゲームを優位に進めることができるというゲーム戦略も可能になる。即ち、ゲームを早く終了させることによるボーナスポイントの獲得と、ゲームを長くプレイしてイベントを多数体験することで多くのポイントやアイテムを獲得することで、トレードオフの関係を作り出すことができ、ゲーム戦略の多様性を高めることが可能になる。或いは、短時間で終わるゲームステージ(マップ)と、長い時間がかかるゲームステージがある場合に、各ゲームステージに応じて出目の合計値や振り回数の設定値を変更することで、各ゲームステージに適した設定も実現可能になる。
例えば本実施形態のボードゲームは、ネットワークゲームであり、例えば1〜50名のプレーヤが参加可能である。ゲームにはゲーム開催期間(例えば1月1日午前0時〜1月3日24時)が設定されており、ゲーム開始時間(1月1日午前0時)になるとゲームを開始できるようになる。各プレーヤは、サイコロを振って、自身に対応するコマを一定のコース上で周回させ、コース上に設定されたアイテムゾーンでアイテムを獲得したり、イベントゾーンでイベントを発生させてポイントを獲得する。
各プレーヤにはサイコロの出目の合計値(又は振り回数)が設定されており、合計値(又は振り回数)が設定値に達すると、そのプレーヤはあがりになり、プレーヤが早くあがりになると、その順位によってポイントが付加される。こうして、各プレーヤごとに違ったタイミングでゲームプレイが終了する。
そしてゲーム終了時点(1月3日24時)における、ゲーム中に得たポイント等の総計により、プレーヤの順位や得点ポイントを決める。
プレーヤは、原則、時間に拘束されずに、自由にサイコロを振ることができる。但し、場合によっては、サイコロの振り回数は例えば1時間に10回まで等の制限を加える。即ち短時間にサイコロを多数回振ることを禁止する。この場合に、例えばアイテムを獲得したり、プレーヤへの課金により、制限回数を解除(緩和)してもよい。例えばアイテムの獲得や課金により、1時間に15回サイコロを振れるようにする。
2.2 ボードゲームの具体例
次に図4(A)〜図7等を用いて本実施形態の手法が適用されるボードゲームの具体例について説明する。なお、以下では、設定値がサイコロの出目合計値の設定値(抽選値の合計値の設定値)である場合を主に例にとり説明するが、設定値がサイコロの振り回数(抽選回数の設定値)である場合にも、本実施形態の手法は同様に適用できる。
本実施形態のボードゲームでは、ゲーム開始時間(時刻、日時)が設定されている。例えば図4(A)のA1ではゲーム開始時間は2月5日午前0時に設定されている。プレーヤはこのゲーム開始時間の前にネットワークゲームへのエントリーを完了する。プレーヤはエントリーしたら、予め決められた枚数でカードのデッキ(後述する図7参照)を組んだり、自分がボードゲーム上で動作させるコマ(フィギュア)の設定を行う。例えばコマの装備や衣装の設定を行う(後述する図6(B)参照)。
所定数のプレーヤが集まった、或いはゲーム開始時間になったらゲームが開始する。なお、ゲーム開始後、所定時間内であり、且つ、参加人数に余裕がある場合には、ゲームへのプレーヤの途中参加を可能にしてもよい。
例えば図4(A)では、ボードゲームのボードを模したゲームエリア2(マップ)にはコース4が設定されている。コース4は、連結された複数のマス3から構成されており、ゲーム開始時には、各プレーヤに対応するコマPA、PB、PCはスタート地点5に位置する。
そして、ゲーム開始時には、各プレーヤに対して、サイコロの出目の合計値(合計数)、又はサイコロを振り回数の上限値が、設定値として設定されている。例えば図4(A)のA2では、コマPA、PB、PCに対応する各プレーヤの出目の合計値の設定値は、各々、500、450、600に設定されている。この設定値(上限値)は、例えば、参加時点のプレーヤのレベル(経験値)、過去の成績(戦歴)、装備(アイテム)などに基づいて設定できる。
なお、図4(A)のA2では設定値は各プレーヤごとに異なっているが、同一の設定値にしてもよい。また、プレーヤが各チームに属する場合に、プレーヤが属するチームごとに、出目の合計値(振り回数)の設定値を割り当ててもよい。その場合に、チーム内のプレーヤのレベルや装備や所持カードの能力等に応じて、各プレーヤへのチーム設定値の割り当てを変更してもよい。或いは、出目の合計値又は振り回数の設定値を、複数のプレーヤの全体に対して割り当てるようにしてもよい。
ゲーム開始後、各プレーヤはサイコロを振り、その出目に応じたマス数だけ、コース4上で各コマを移動させる。そして各プレーヤのコマは、ゲームエリア2(マップ)上に展開されたアイテムを取得(購入等)したりイベントを経験することにより、ゲーム成果(ゲーム成績)に反映されるポイントを獲得して行く。なお、この場合に、サイコロを振れる回数は、1時間ごとに例えば10回というような制限を設けてもよい。
コマが停まったマスについては、例えばマスごとにイベントが設定されており、イベントの発生により、例えばコマが装備するアイテムやゲーム中に使用できるカードをプレーヤは獲得できる。また、発生するイベントにより、出目の合計値(振り回数)のプレーヤへの設定値(上限値)を変更するようにしてもよい。また、マスに停まったか否かに関係
なくランダムにイベントを発生させたり、参加しているプレーヤのゲーム状況に応じてイベントを発生させてもよい。例えば貧乏神のキャラクタが突然発生し、近くにいるプレーヤのコマに対して影響を及ぼし、影響を受けたプレーヤの出目の合計値(振り回数)の設定値を変更してもよい。この場合にゲームエリア2上のマスのコース4を変更してもよい。
プレーヤのアイテムとしては、カードとして設定されたアイテムや、コマに装備させるようなアイテムがある。カードとして設定されたアイテムには、例えば、自分を有利にするアイテムがある。例えば自分の出目の合計値の設定値を増減させるアイテムがある。また、コマに装備させるアイテムとしては、コマの外見を設定するアイテムや、同じマスに複数のコマがいる場合の対戦時において効果を発生するアイテムがある。即ち、同じコマに複数のコマが停まった場合には、操作等の条件で対戦が開始したり、自動的に対戦が開始する。マスの中での対戦に勝利すると、対戦相手から所定のポイントを獲得できる。或いは、出目の合計値の一部を獲得できるようにしてもよい。
さて、図4(B)では、複数のプレーヤによるネットワークゲームの開始後、コマPAのプレーヤがサイコロを振っている。例えばプレーヤが端末装置(スマートフォン、ゲーム装置等)の画面のスタートアイコンをタッチすると、コンピュータの制御によりサイコロが回り、乱数等に基づいて抽選値である出目が決定される。図4(B)ではA3に示すように3の出目が出ているため、そのプレーヤのコマPAはA4に示すようにコース4上で3つのマスを進む。これによりA5に示すように出目の合計値(A5の分子)が0から更新されて3になる。このプレーヤの出目の合計値の設定値(A5の分母)は500であるため、残り値は500−3=497になる。即ち、このあとのゲームプレイでサイコロを振ることによる出目の合計値が497に達した時点で、コマPAのプレーヤのゲームプレイは終了する。
図5(A)では、コマPAのプレーヤが連続してサイコロを振り、B1に示すように1の出目が出ている。これによりコマPAはコース4上で更に1つのマスを進み、B2に示すようにスタート地点5から4個目のマスを進むことになる。これによりB3に示すように出目の合計値が3から更新されて4になり、残り値は500−4=496になる。即ち、このあとのゲームプレイでサイコロを振ることによる出目の合計値が496に達した時点で、コマPAのプレーヤのゲームプレイは終了する。なお、図4(B)のA5、図5(A)のB3では、分母に各プレーヤの出目の合計値の設定値(上限値)を表示し、分子に、それまでのゲームプレイで各プレーヤが出した出目の合計値を表示しているが、例えば分子に、出目の合計値の残り値(設定値−合計値)を表示するようにしてもよい。
図4(A)〜図5(A)から明らかなように、本実施形態のボードゲームではターン制は採用しておらず、各プレーヤは、自身が所望するタイミングで自由にサイコロを振ることができる。そして、各プレーヤは、自身のゲームプレイの時間を他のプレーヤと共有する必要が無く、他のプレーヤがサイコロを振るのを待つ必要もない。
例えばコマPAのプレーヤが、先行逃げ切り型の戦略で、ゲームプレイ開始から次々にサイコロを振って、コマPAを進めて、出目合計値の設定値(500)を短時間で使い切ることも可能である。
一方、コマPCのプレーヤは、後半追い込み型の戦略で、他のプレーヤがコマを進めるのには追従せずに、十分に時間をかけてゆっくりとコマPCを進める。即ち、出目合計値の設定値(600)を時間をかけてゆっくりと消費する。
先行逃げ切り型の戦略では、出目合計値の設定値を短時間で消費して、早くゲームプレイを終了してあがりになることで、あがりの順位によるボーナスポイントを得ることができる。またマスのアイテム(例えば建物、土地)を、他のプレーヤに先駆けていち早く買い占めることも可能になる。
一方、後半追い込み型の戦略では、このようなボーナスポイントについては期待できないが、時間経過に伴い発生する多くのイベントを体験することで、そのイベントによるポイントやアイテムを獲得することができる。また先行逃げ切り型のプレーヤによって買い占められたマスのアイテムについても、そのマスに停まって買収できるようにすることで、後半追い込み型の不利点を解消できる。例えば、アイテムを購入するための仮想通貨(ゲーム内通貨)として、ゲーム開始時に、各プレーヤに同じ額の仮想通貨を付与するようにすれば、アイテムの買い占めや買収についての公平を期すことができる。
このように本実施形態の手法によれば、プレーヤは、これまでのボードゲームにない種々の戦略を取ることが可能になり、ゲームの面白みを増すことができる。また、各プレーヤは、他のプレーヤがサイコロを振り終わるのを待つ必要が無く、自身のプレイ時間も拘束されないため、ネットワークを利用したゲームに好適なボードゲームを実現できる。特に、ソーシャルゲームにおいては、プレーヤは、短時間の空き時間を有効活用してゲームプレイする場合が多く、待ち時間の発生やプレイ時間の拘束(共有)は、このようなソーシャルゲームをプレイするプレーヤの利便性を損ねてしまう。
この点、本実施形態の手法は、このような待ち時間の発生やプレイ時間の拘束からプレーヤを解放できるため、ソーシャルゲームなどのネットワークゲームに好適な手法となる。なお、図4(A)〜図5(A)等では紙面の都合で3人のプレーヤが参加する場合を示しているが、実際には本実施形態の手法によれば数十人のプレーヤがネットワークゲームに参加することが可能になる。
図5(B)では、4個目のマスに停まったコマPAのプレーヤが、B4に示すように4個目のマスに自身の城を築城している。そして、そのマスに他のプレーヤのコマが停まった時に発生するミニゲームの種類として、B5に示すように格闘ゲームを設定している。
そして図6(A)のC1では、コマPBのプレーヤがサイコロを振り、4の出目が出ている。これによりコマPBはコース4上を進み、C2に示すように4個目のマスに停まる。これによりC3に示すように出目の合計値が0から更新されて4になり、残り値は450−4=446になる。即ち、このあとのゲームプレイでサイコロを振ることによる出目の合計値が446に達した時点で、コマPBのプレーヤのゲームプレイは終了して、あがりとなる。
そして図6(A)のC2では、コマPBはコマPAと同じ4個目のマスに停まっている。従って、図5(B)のB5で設定した格闘のミニゲームが開始する。
例えば図6(B)に示すように、コマPA、PBは種々のアイテムを装備している。例えばコマPAは、頭、右手、左手にアイテムITA、ITB、ITCを装備し、コマPBは、頭、右手、左手にアイテムITF、ITG、ITHを装備している。コマPA、PBのグラフィックもこれらの装備に応じた画像に設定される。また、これらの装備アイテムによって、各コマPA、PBの攻撃力、守備力、耐久力等のゲームパラメータが設定される。コマPA、PBの格闘による対戦は、これらのゲームパラメータが使用されて、勝敗が決定される。そして、対戦に勝ったプレーヤは、ポイント(得点)を獲得したり、敵のアイテムを奪取することができる。或いは、相手の出目合計値(振り回数)の設定値の一部を奪取できるようにしてもよい。例えば図6(A)のC3では、コマPA、PBの出目合計値の設定値は、各々、500、450となっているが、例えばコマPBが勝利した場合には、コマPAの設定値=500の一部が奪取されて、コマPBに移転する。例えば勝利による奪取ポイントが20である場合には、対戦終了後のコマPA、PBの出目合計値の設定値は、各々、500−20=480、450+20=470になる。このように出目合計値の設定値が、イベント(対戦)の発生により可変になることで、ゲームの面白みを更に増すことが可能になる。
図7はボードゲームで使用されるカードの例である。プレーヤはゲーム開始時等に図7に示すようなカードのデッキを組んで、ゲームをプレイする。即ち、ゲームの開始時には、図7に示すようなカードのデッキを編集するためのデッキ編集画面が表示される。そして、プレーヤは、このデッキ編集画面において、自身がゲームにて使用するカードを選択して編成する。そして、ゲーム中において、編集されたデッキから所望のカードを場に出すことで、そのカードの効果を発生させて、自身のゲームを優位に進める。
例えばカードCD1は、自身の出目合計値の設定値(上限値)を+50にするカードである。例えば図6(A)のコマPAのプレーヤがカードCD1を使用すると、設定値は500+50=550になる。出目合計値の設定値を大きくする戦略を取るプレーヤは、このようなカードCD1を自身のデッキに組み込む。また、例えばゲームの勝利に直結するようなレアなアイテムを獲得可能なマスの直前で、出目合計値が設定値に達することが予想されるような状況の場合に、カードCD1を使用する。こうすることで、出目合計値の設定値が増加し、プレーヤのコマがそのマスに移動して、そのマスのアイテムを獲得できるようになる。なお、カードCD2は、カードCD1とは逆に、自身の出目合計値の設定値を−50にするカードである。
カードCD3は、相手プレーヤの出目合計値の設定値を−50にするカードである。例えば図6(A)のコマPAのプレーヤが、カードCD2をコマPBのプレーヤに対して使用すると、コマPBの出目合計値の設定値が450−50=400になる。こうすることで、コマPBの進むことが可能なマス数を減らすことができ、コマPAのプレーヤはコマPBのプレーヤに対してゲームを有利に進めることなどが可能になる。例えば、ゲームを勝利するのに非常に重要でレアなアイテムを獲得できるマスの直前に、コマPBが位置していたとする。この場合に、コマPAのプレーヤが、カードCD3を使用して、例えばコマPBの出目合計値の設定値を0にすることなどで、このようなアイテムがコマPBのプレーヤに獲得されるのを阻止できるようになる。
カードCD4は、プレーヤのコマから半径10Km以内(所定の距離以内)の相手プレーヤのコマの出目合計値の設定値を−50にするカードである。またカードCD5は、相手プレーヤのうち女性のプレーヤ限定で、出目合計値の設定値を+50にするカードである。このカードCD5を使用することで、ネットワークに参加する他の全ての女性プレーヤの出目合計値の設定値を+50にすることができる。このように本実施形態では、プレーヤの情報(性別等)に基づいて出目合計値の設定値(広義には抽選値の合計値又は抽選回数の設定値)が可変に変更される。
カードCD6は、プレーヤの振るサイコロが3個に増えるカードである。このカードCD6を使用することで、1回のサイコロの振りで、プレーヤのコマをより遠くに進めることが可能になる。
カードCD7は、ランダムに種々のイベントを発生させるカードである。このカードCD7を使用することで、ランダムに決定されたイベントが発生し、プレーヤ又は他のプレーヤは、そのイベントの発生によりポイントを獲得又は消失したり、アイテムを獲得又は消失する。或いは、そのイベントの発生により、プレーヤ又は他のプレーヤの出目合計値の設定値が変更されるようにしてもよい。
カードCD8は貧乏神を召喚するカードである。このカードCD8で貧乏神を相手プレーヤにひっつけることで、相手プレーヤのポイントやアイテムを消失させたり、出目合計値の設定値を減少させたりすることなどが可能になる。
なお、本実施形態で使用されるカードやデッキ等については種々の変形実施が可能である。
例えばプレーヤの出目合計値(又は振り回数)の設定値の大小に応じて、プレーヤがゲームにおいて使用できるカードの枚数等を変更できるようにしてもよい。例えば、設定値の大小に応じて、図7のデッキに組み込むことができるカードの枚数を変更できるようにする。例えば、出目合計値等の設定値が500であるプレーヤについては、デッキを構成するカードの枚数を例えば10枚にする一方で、出目合計値等の設定値が250であるプレーヤについては、デッキを構成するカードの枚数を例えば5枚にする。或いは、逆に、設定値が大きいプレーヤについてはデッキのカード枚数を少なくし、設定値が小さいプレーヤについてはデッキのカード枚数を多くしてもよい。このようにすれば、出目合計値等の設定値を、カードのデッキの枚数等にも反映できるようになる。
また、図6(B)のコマへのアイテム装備は、コマが表すキャラクタへの装備アイテムのデッキ編集画面に相当する。即ち、プレーヤは、ゲーム開始時に、図6(B)のデッキ編集画面において、キャラクタ(コマ)に装備するアイテムのデッキの編成を行う。そしてゲーム中において、例えばキャラクタを表すコマが同じマスに位置すると、このように装備アイテムがデッキ編集されたキャラクタ同士の対戦が行われるようになる。
或いは、ボードゲームに使用されるコマが、複数のキャラクタで構成されるチームを表すようにしてもよい。この場合には、ゲーム開始時に、チームのデッキ編集画面を表示し、プレーヤは、チーム(例えばモンスターのチーム)を構成するキャラクタ(例えばモンスター)のデッキの編成を行う。そして、ゲーム中において、キャラクタのチームを表すコマが同じマスに位置すると、各チームを構成する複数のキャラクタ同士が対戦を行うようになる。
また、図7で編成したカードの効果と、上述のキャラクタやチームとを組合わせた効果を、ゲーム中において発生するようにしてもよい。例えばキャラクタやチームが対戦を行う際に、図7のカードCD4を場に出すと、出目を−50にする効果が、キャラクタやチームとの組み合わせにより増強されて−100になったり、効果が及ぶ半径である10kmが、キャラクタやチームとの組み合わせにより増強されて50kmになるようにしてもよい。
図8(A)、図8(B)は本実施形態の手法が適用されるボードゲームのマップ(ゲームエリア)の例である。図8(A)では日本地図のマップ20に、線路を模したコース22が設けられている。そしてプレーヤは、サイコロを振って、この線路のコース22上を、電車を模したコマ10で自由に移動する。例えばコース22には分岐24があり、プレーヤが経路選択の情報を操作部により入力することで、移動経路26、28のいずれかを選択する。例えばプレーヤが移動経路26を選択すると、コマ10は、選択した移動経路26の方に進むことになる。
図8(B)のマップ30は、マスが格子状(碁盤状)に配置されたマップとなっている。そして、プレーヤが経路選択の情報を操作部により入力することで、D1に示すようにコマ10はマップ30上で自由に移動することができる。
以上のように本実施形態のボードゲームにおけるマップ(ゲームエリア)としては種々のものを想定できる。例えば、オーバル状のコースを周回するようなマップであってもよい。或いは図8(A)に示すように、例えば日本地図や世界地図のような広大なマップ上を自由に移動できるようなマップであってもよい。プレーヤは、こういったマップに配置されたマスを、ゲーム開始時に設定された出目合計値又はサイコロの振り回数で出た目の数だけ進むことができる。
そして、プレーヤが全ての出目合計値又は振り回数の設定値を消化すると、ゲームプレイが終了(上がり)となる。なお、あがった順位に応じたポイントが、ゲーム終了時に集計されて評価対象のポイントとして獲得できるようになる。また、一度、あがったプレーヤはゲーム終了になり、その時点で確定しているポイントで集計され、ゲーム終了時間になったら、獲得ポイントとして確定するようにしてもよい。或いは、あがった時点で獲得ポイントを確定してしまい、それ以降は獲得ポイントを変動させないようにしてもよい。また、例えば出目合計値の設定値が500であり、出目合計値が496のときに2つのサイコロを振った場合には、サイコロの出目としては例えば(2、2)又は(1、3)が出るように制御することが望ましい。この制御はサーバシステムによる抽選処理の管理処理として行うことができる。
そして、ゲーム終了時刻になった場合(ゲーム開始から所定期間が経過した場合)、或いは全てのプレーヤがあがった場合に、ゲーム(ネットワークゲーム)の終了とする。なお、一定数のプレーヤがあがってしまったら、その時点で、最終時間を待たずにゲームを終了するようにしてもよい。
ゲームが終了すると、サーバシステムから、各端末装置に向けてゲームが終了したことを通知する。そして、ゲーム終了時のプレーヤのポイントを集計し、アイテムについてはポイント等に変換して、各プレーヤの順位(或いはチームの順位)を発表する。なお順位に応じて、特定の景品アイテム等をゲーム終了時に配布してもよい。また、ゲーム終了後、プレーヤの獲得ポイント等を反映して、プレーヤのレベル等を更新してもよい。
図9は、図2の設定値記憶部672に記憶される設定値のデータの例である。図9では、各プレーヤPLA、PLB、PLCに対応づけてそのプレーヤの、出目合計値(振り回数)の設定値SVA、SVB、SVCが記憶されている。こうすることで、各プレーヤPLA、PLB、PLCごとに、設定値SVA、SVB、SVCを可変に設定することができる。また図9では、各プレーヤPLA、PLB、PLCのレベル(初級、中級、上級等を表すゲームレベル)や装備アイテムなどについても対応づけられている。そして、これらのレベルや装備アイテムなどに応じて、出目合計値(振り回数)の設定値SVA、SVB、SVCも可変に設定される。
2.3 本実施形態の処理例
次に本実施形態の詳細な処理例についてを図10、図11のフローチャートを用いて具体的に説明する。
まず、ネットワークゲームのゲーム開始条件が成立したか否かを判断する(ステップS1)。例えばゲーム開始時間になったか否かや、所定数のプレーヤが集まったか否かを判断することなどで、ゲーム開始条件の成立を判断する。そしてゲーム開始条件が成立すると、ゲームが開始する(ステップS2)。
次に、プレーヤからの抽選要求を受け付けたか否かを判断する(ステップS3)。例えばサイコロを振るゲームであれば、プレーヤが端末装置にてサイコロを振ったか否かを判断する。そして、抽選要求を受け付けた場合には、抽選処理を実行する(ステップS4)。例えばサイコロを振る処理を行い、抽選値である出目を乱数等に基づいて決定する。
次に、抽選処理による出目(抽選値)の数だけプレーヤのコマを移動させる(ステップS5)。例えば出目の数のマス数だけ、コマをコース上で移動させる。そして、出目合計値(振り回数)の更新処理を行う(ステップS6)。例えば図4(B)のA3、A5では、サイコロの出目が3であったため、コマPAが3個分のマスを進むと共に、出目合計値が0から3に更新されている。
次に、イベントが発生したか否かを判断する(ステップS7)。このイベントは、コマがマスに停まったことで発生するイベントであってもよいし、ゲーム中においてランダムに又は定期的に発生するイベントであってもよい。そして、イベントが発生した場合には、プレーヤのポイントを増減する演算処理や、イベントに対応するアイテムをプレーヤに獲得させる処理や、出目合計値(振り回数)の変更処理等を実行する(ステップS8)。
次に、プレーヤの出目合計値(振り回数)が設定値に達したか否かを判断する(ステップS9)。そして、設定値に達した場合には、そのプレーヤのゲームプレイは終了したと判断する(ステップS10)。即ち、そのプレーヤはあがりであると判断する。図4(B)のコマPAのプレーヤを例にとれば、出目合計値が設定値=500に達すると、プレーヤのゲームプレイは終了したと判断し、それ以降はプレーヤのコマPAの移動は停止する。そして、設定値に達したプレーヤのゲーム成果(獲得アイテム、獲得アイテム)の集計処理を行う(ステップS11)。例えば、図4(B)のコマPA、PB、PCのプレーヤは、それぞれの設定値(500、450、600)を消化したタイミングで、それぞれのゲームプレイが終了する。そして、ゲームプレイ終了時に、それまでのゲーム成果が集計される。
次に、ネットワークゲームのゲームの終了条件が成立したか否かを判断する(ステップS12)。例えばゲーム終了時間になったか否かや、全てのプレーヤがあがりになったか否かを判断することなどで、ゲーム終了条件の成立を判断する。そしてゲーム終了条件が成立すると、ゲームが終了する(ステップS13)。
ゲームが終了すると、ネットワークゲームに参加した全てのプレーヤのゲーム成果の確定処理や、プレーヤの順位の決定処理を行う(ステップS14)。例えばプレーヤが、コマの停まったマスで建物や土地のアイテムを購入した場合には、以降にそのマスにコマが停まったプレーヤから、通行料等を徴収できる。従って、ステップS10、S11でゲームプレイが終了してそれまでのゲーム成果が集計されたプレーヤであっても、そのゲームプレイの終了後に上記の通行料等により、プレーヤのポイント等のゲーム成果が上昇する場合がある。またプレーヤが購入したアイテムの資産価値が、そのプレーヤのゲームプレイ終了後に上昇したり下降する場合がある。従って、このような場合に対応するために、ステップS14でゲーム成果の確定処理を行う。また、プレーヤの順位の決定処理の際には、プレーヤがあがった順番に応じたボーナスポイントもプレーヤのポイントに加算して判断することになる。このように本実施形態では、ゲームの開始時間と終了時間が設定されている場合に、終了時間において、ネットワークゲームに参加した複数のプレーヤのゲームを終了させる(ステップS13)。そして複数のプレーヤのゲーム成果を集計して、複数のプレーヤの各プレーヤごとのゲーム成果を演算している(ステップS14)。
次に、プレーヤのレベルの更新処理やプレーヤへの特典の付与処理を行う(ステップS15)。例えば、当該ゲームにおいて獲得したプレーヤのポイント等のゲーム成果に基づいて、プレーヤのゲームのレベルや経験値の更新処理を行う。また、プレーヤのポイントが高かった場合や、レアなアイテムを獲得した場合等には、それに応じた特典をプレーヤに付与する。
2.4 順位ポイント、イベント発生、回数制限等
本実施形態では、抽選値の合計値又は抽選回数が設定値に達するタイミングについての順位によるポイントを、プレーヤのゲーム成果に付加する処理を行っている。
例えば図12では、ゲーム開始後、タイミングTMAで、プレーヤPLAの出目合計値が設定値に到達し、プレーヤPLAはゲームプレイを終了して、あがりとなっている。この場合に、プレーヤPLAは、参加プレーヤの中で順位=1番で設定値に到達したため、例えば最高ポイント=200が付与される。
一方、プレーヤPLBは、タイミングTMAの後のタイミングTMBで、出目合計値が設定値に到達して、あがりとなっている。この場合には、プレーヤPLBは、参加プレーヤの中で順位=2番で設定値に到達したため、例えば最高ポイント=200よりも低いポイント=100が付与される。またプレーヤPLCは、タイミングTMBの後のタイミングTMCで、出目合計値が設定値に到達して、あがりとなっている。この場合には、プレーヤPLCは、参加プレーヤの中で順位=3番で設定値に到達したため、例えばプレーヤPLBのポイント=100よりも低いポイント=50が付与される。
このように、プレーヤが設定値に達したタイミングについての順位に応じたポイントをプレーヤに付与することで、早くゲームプレイを終了したプレーヤに対して、それに応じたボーナスポイントを付与することが可能になる。従って、先行逃げ切り型のプレーヤを有利に設定するゲーム成果の付与を実現できる。
また本実施形態では、ゲーム中に発生したイベントに基づいて、抽選値の合計値又は抽選回数についての設定値を変更する処理を行っている。
例えば図13ではゲーム開始から、時間経過に伴い、イベントEVA、EVB・・・EVZが順次発生している。これらのイベントEVA〜EVZは、一定時間毎に定期的に発生してもよいし、ランダムに発生してもよい。また、例えばゲーム期間(ゲーム開始から終了までの期間)の各期間において、イベントの発生頻度等を変更してもよい。例えばゲーム期間の前半期間と後半期間でイベントの発生頻度を変更する。
イベントが発生すると、そのイベントの内容に応じて、各プレーヤはポイントやアイテムを獲得できる。例えばイベントを発生させたプレーヤが、そのイベントに対応づけられたポイントやアイテムを獲得する。或いは、イベントに設定されたミッションをプレーヤがクリアすることで、その特典としてのポイントやアイテムを獲得する。
例えば先行逃げ切り型のプレーヤは、ゲーム開始から直ぐに何度もサイコロを振るため、ゲーム開始から早いタイミングTMAで出目合計値が設定値に達して、ゲームプレイを終了する。このように早いタイミングTMAでゲームプレイを終了することで、図12で説明したように、そのプレーヤは、ゲームをあがった順位によるボーナスポイントを得ることができる。
一方、タイミングTMAでプレーヤがゲームプレイを終了すると、そのプレーヤのゲームプレイ期間は短い期間TAとなる。そして、この短い期間TAにおいて発生するイベントの数は少なく、例えば図13では、期間TAにおいてイベントEVAだけが発生している。従って、このプレーヤは、図12で説明したあがりの順位によるボーナスポイントについては多くのポイントを得ることができる一方で、イベントの発生によるポイントやアイテムの獲得の機会は減る。
これに対して後半追い込み型のプレーヤは、ゲーム開始から長い時間をかけてゆっくりとサイコロを振るため、ゲーム終了の間際のタイミングTMBで出目合計値が設定値に達して、ゲームプレイを終了する。このように遅いタイミングTMBでプレーヤがゲームプレイを終了すると、そのプレーヤのゲームプレイ期間は長い期間TBとなる。そして、この長い期間TBにおいて発生するイベントの数は多く、例えば図13では、期間TBにおいてイベントEVA〜EVZが発生している。従って、このプレーヤは、図12で説明したあがりの順位によるボーナスポイントについては殆ど得ることができないが、イベントの発生によるポイントやアイテムの獲得の機会は非常に多くなる。
このように本実施形態では、先行逃げ切り型と後半追い込み型のそれぞれについて有利・不利の設定が可能になり、ゲームバランスの調整等を容易化できる。
また本実施形態では図13に示すように、発生した各イベントにおいて、出目合計値(振り回数)の設定値の変更処理も行うようにする。即ち、イベントの発生により、図5(A)のB3等に示す各プレーヤの設定値(500、450、600)を変更する。このようにすれば、イベントの発生により、設定値についても可変に変化するようになり、各プレーヤのゲームプレイの終了タイミングも変化するようになる。これにより、ゲームの面白みや戦略性を向上できる。
例えば図13において、発生したイベントEVAにより、先行逃げ切り型を目指すプレーヤの出目合計値の設定値を増加する処理が行われると、そのプレーヤはタイミングTMAでゲームプレイを終了できなくなる。即ち、ゲームプレイの終了タイミングを、タイミングTMAよりも後ろにずらすことが可能になる。
また、またイベントEVZの発生により、後半追い込み型のプレーヤの出目合計値の設定値を減少する処理が行われると、タイミングTMBでゲームプレイを終了することを予定していたプレーヤのゲームプレイの終了タイミングを、タイミングTMBよりも前にずらすことが可能になる。
また、相手プレーヤの出目合計値が、設定値に達する直前であった場合に、その相手プレーヤの出目合計値を減少させるイベントを発生させることで、その相手プレーヤの出目合計値が設定値に達して、あがりになることを、阻止できるようになる。
このように、発生した各イベントにより設定値についても変更することで、ゲームの面白みや戦略性や多様性を更に増すことができる。
この場合に本実施形態では、ゲーム開始からの経過時間、プレーヤの情報、又はネットワークゲームへのプレーヤの参加人数に基づいて、イベントの発生回数又は内容を変更することが望ましい。例えばゲーム開始から時間が経過して、後半期間になった場合に、イベントの発生頻度を増加させることで、後半期間でのイベントの発生回数を増やすことができる。こうすることで、後半逃げ切り型のプレーヤが体験可能なイベントの数を更に増やすことができる。
また、プレーヤのゲームレベルや、プレーヤの獲得アイテムや、プレーヤの個人情報(性別、年齢等)などのプレーヤ情報に基づいて、イベントの発生回数や内容を変更する。例えばプレーヤのゲームレベルが高い場合には、イベントの発生回数を減らしたり、イベントの内容をプレーヤにとって不利な内容に変更する。例えばイベントにより獲得できるポイントやアイテムを減らす。このようにすることで、他のプレーヤに対するハンディをそのプレーヤに設定できるようになる。
また、プレーヤの獲得アイテムに応じて、イベントの発生回数を増減したり、イベントの内容をプレーヤにとって有利な内容や不利な内容に変更する。このようにすれば、プレーヤがアイテムを使用することで、イベントの発生回数や内容が変更され、そのイベントによるポイント・アイテムの獲得や設定値変更の内容・態様についても変化するようになり、ゲームの多様性等を向上できる。
また、プレーヤの参加人数に基づいて、イベントの発生回数を増減したり、イベントの内容をプレーヤにとって有利な内容や不利な内容に変更する。例えばネットワークゲームへの参加人数が多い場合には、イベントの発生回数を多くし、参加人数が少ない場合には、イベントの発生回数を少なくする。このようにすれば、プレーヤの参加人数に応じて、そのイベントによるポイントやアイテムの獲得や設定値変更の内容・態様についても変化するようになり、プレーヤの参加人数に応じた好適な処理を実行できるようになる。或いは、ゲームプレイを終了しているプレーヤの人数(あがったプレーヤの人数)に応じて、イベントの発生回数や内容を変更してもよい。例えば先行逃げ切り型のプレーヤが多い場合には、後から参加したプレーヤが不利になることが予想される。従って、この場合には、イベントの発生回数を増やしたり、多くのポイントやアイテムが獲得できるようにイベントの内容を変更する。こうすることで、ゲームバランスの調整等が可能になる。なおプレーヤの参加人数は、ネットワークゲームに参加登録したプレーヤの人数であってもよいし、その時点で実際にアクティブにゲームプレイしているプレーヤの人数であってもよい。
なお、以上では、イベントの発生を介して、抽選値の合計値又は抽選回数についての設定値を変更する場合について説明したが、ゲーム開始からの経過時間、プレーヤの情報、又はネットワークゲームへのプレーヤの参加人数に基づいて、抽選値の合計値又は抽選回数についての設定値を直接に変更してもよい。即ち、図14に示すように、各プレーヤPLA、PLB、PLCに対応づけられている設定値SVA、SVB、SVCを、ゲーム開始からの経過時間、プレーヤの情報、又はプレーヤの参加人数等に応じて可変に変更する。
例えばゲーム開始からの時間経過に応じて、プレーヤの出目合計値(振り回数)の設定値を減少させたり、増加させる。例えば所定時間が経過したタイミングで設定値を増減する。或いは、時間経過に伴い、徐々に又は段階的に設定値を増減する。
或いは、プレーヤのレベル、経験値、戦績、獲得アイテム、又は個人情報(性別・年齢)などのプレーヤ情報に応じて、出目合計値の設定値を増減する。例えば、ゲーム開始時に、各プレーヤのレベル、経験値、戦績等の過去のゲーム状況を判断し、それに応じて各プレーヤの設定値を変更する。例えば図14において、プレーヤPLA、PLB、PLCの過去のゲーム状況が異なれば、それに応じて各プレーヤPLA、PLB、PLCの設定値SVA、SVB、SVCも異ならせるようにする。また、プレーヤがゲームプレイ中に獲得したアイテムに基づいて、設定値を増減する。例えばアイテムであるカードが使用され、そのカードが設定値を増減させるカードであった場合に、そのカードに設定された値に基づいて出目合計値等の設定値を増減する。或いは、プレーヤの性別や年齢等が異なれば、それに応じて出目合計値等の設定も異なるようにする。例えば図14において、プレーヤPLA、PLB、PKCの性別や年齢に基づいて、設定値SVA、SVB、SVCを異ならせる。
或いは、プレーヤの参加人数に応じて設定値を増減する。例えばネットワークゲームへのプレーヤの参加人数が少ない場合には、出目合計値等の設定値を小さくして、ゲームが早めに終了するようにする。一方、ネットワークゲームへのプレーヤの参加人数が多い場合には、出目合計値等の設定値を大きくして、多くのプレーヤが長い時間、ゲームを楽しめるようにする。
また本実施形態では、所与の時間単位内での抽選回数を所与の回数に制限する制限処理や、この制限処理の解除処理を行う。具体的には、プレーヤが獲得したアイテム又はプレーヤの課金情報に基づいて、制限処理又は解除処理を行う。
例えば図15(A)のE1では、コマPAのプレーヤが画面のスタートアイコンに触れて、サイコロを振ろうとしている。しかしながら、所定時間内でのサイコロを振る回数には制限が設けられているため、E2に示すようなポップアップ画面が表示される。即ち、1時間にサイコロを振る回数(所与の時間単位内での抽選回数)は、10回(所定回数)に制限されていることを通知するポップアップ画面が表示される。
即ち、本実施形態では、ターン制における順番待ちやプレイ時間の拘束がないため、プレーヤは自身が所望するタイミングで、自由にサイコロを振ることができる。しかしながら、サイコロを振ることに何ら制限を設けないと、例えば極めて短時間に膨大な回数でサイコロを振るというような行為をプレーヤがするという異常事態が発生するおそれがあり、望ましくない。また、例えば深夜などの参加人数が少ない時間帯では、サイコロの振り回数を制限した方が、システムの管理上も望ましい。また、ソーシャルゲーム等においては、プレーヤの空き時間を利用してゲームをプレイする場合が多いため、例えば1時間に5〜20回程度、サイコロを振ることができれば十分である。
そこで本実施形態では図15(A)に示すように、1時間(所定時間)でのサイコロの振り回数(抽選回数)を所定回数に制限している。こうすることで、上記のような異常事態の発生も抑制することができ、システムの管理の簡素化等も図れるようになる。
また本実施形態では、この制限処理の解除も可能になっている。例えば、プレーヤが制限回数を超えてサイコロを振ろうとした時に、図15(A)のE2に示すようなポップアップ画面を表示し、その後に、図15(B)のE3に示すようなポップアップ画面を表示する。このポップアップ画面では、プレーヤが所持するアイテムIXを使用することで、制限回数による制限を解除(制限の緩和を含む)できる旨を通知している。例えば、1時間にサイコロを振る回数が10回に設定されている場合に、アイテムIXを使用することで、1時間にサイコロを振る回数が、例えば10回から15回に増えたり、無制限になる。或いは、プレーヤの課金情報(課金に対する対価の支払い)に基づいて、制限処理の解除処理(緩和処理)を行ってもよい。
こうすることで、プレーヤは、制限回数に達した後も、サイコロを振ることが可能になり、自身のゲームプレイを優位に進めることなどが可能になる。例えば前方のマスにある貴重なアイテムを獲得しようとしているときに、後方から他のプレーヤのコマが追い上げている状況を想定する。このような状況において、プレーヤのサイコロの単位時間あたりの振り回数が制限回数に達してしまい、サイコロを振れなくなってしまうと、貴重なアイテムを他のプレーヤに取られてしまう。このような場合にも、図15(B)で説明したアイテムIX等を使用して、サイコロの振り回数の制限を解除することで、プレーヤは、再び、サイコロを振って、目的とする貴重なアイテムを獲得できるようになる。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語(抽選値、抽選値の合計値、抽選回数、移動体、ゲーム要素等)と共に記載された用語(出目、出目の合計値、振り回数、コマ、キャラクタ・カード等)は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、抽選処理、ゲーム処理、ゲーム成果演算処理等も本実施形態で説明したものに限定されず、これらと均等な手法も本発明の範囲に含まれる。