JP2019195949A - 複合材料構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属と繊維強化樹脂との間の熱膨張率の差による影響を低減しつつ剛性を向上することのできる複合材料構造体を提供する。【解決手段】複合材料構造体1Aは、金属部材2と接着剤4によって貼り付けられた繊維強化樹脂部材3とを備えている。金属部材2の形状は、第1方向に垂直な断面において一定の断面形状を有している。金属部材2の断面形状では、Z字状の第1要素10と逆Z字状の第2要素20とが第1方向に直交する第2方向に交互に並べられている。第1要素10と第2要素20との接続部50、51に、第1方向及び第2方向の双方に直交する第3方向に沿って延びる第3要素30が接続されている。第3要素30の両端は樹脂部材3にそれぞれ接着剤4によって接着されている。第1要素10の屈曲部14a,14b及び第2要素20の屈曲部24a,24bが第3要素30と離間されている。【選択図】図1

Description

本発明は、金属と繊維強化樹脂とを用いた複合材料構造体に関するものである。
下記特許文献1には、外部からの入力荷重を効率よく吸収するために、軽金属で形成された荷重を受ける部材に炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を貼り付けた複合材料構造体が開示されている。軽合金としては、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金等が挙げられる。
上記特許文献1に開示された複合材料構造体では、金属部材と繊維強化部材の熱膨張率の差の影響を低減するために、金属部材の断面形状に工夫を施している。この断面形状によって、金属部材の熱膨張率(素材の熱膨張率ではなく部材としての熱膨張率)と繊維強化部材の熱膨張率との差を少なくしている。
国際公開第2016/132425号
しかし、上記のような複合材料構造体を板材として用いたときの面剛性や長尺材として用いたときの曲げ剛性などの剛性のさらなる向上が望まれていた。本発明の目的は、金属と繊維強化樹脂との間の熱膨張率の差による影響を低減しつつ剛性を向上することのできる複合材料構造体を提供することである。
本発明の特徴に係る複合材料構造体は、平板状に形成された金属部材と、金属部材の両面に接着剤によって貼り付けられた繊維強化樹脂製の一対の平板状の樹脂部材と、を備えている。なお、「平板状」には、平板の一辺の幅が狭い長尺状のような形状も含まれる。金属部材は、複合材料構造体の主面に沿う第1方向の熱膨張率が第1方向に直交し且つ主面に沿う第2方向の熱膨張率よりも大きくする形状を有している。また、金属部材の形状は、第1方向に垂直な断面において第1方向に沿って一定の断面形状を有している。各樹脂部材では、第2方向に沿う繊維量が第1方向に沿う繊維量よりも多くされている。金属部材の上記断面形状では、Z字状の第1要素と第1要素の形状と鏡像の形状を有する第2要素とが第2方向に交互に並べられている。また、上記断面形状では、第1要素と第2要素との接続部に、第1方向及び第2方向の双方に直交する第3方向に沿って延びる第3要素が接続されており、第3要素の両端が一対の樹脂部材にそれぞれ接着剤によって接着されている。さらに、上記断面形状では、第1要素のZ字状形状の屈曲部及び第2要素の逆Z字状形状の屈曲部が、第3要素と離間されている。
本発明によれば、複合材料構造体における金属部材の熱膨張率と樹脂部材との熱膨張率の差を低減しつつ、複合材料構造体の剛性を向上させることができる。
図1は、実施形態に係る複合材料構造体を備えた自動車のフロアパネルを示す斜視図である。 図2は、第1実施形態に係る複合材料構造体を示す断面図である。 図3は、上記第1実施形態の改良例を示す斜視図である。 図4Aは、上記改良例における樹脂部材の第1構成例を示す、図2におけるIV−IV線断面図である。 図4Bは、上記改良例における樹脂部材の第2構成例を示す、図2におけるIV−IV線断面図である。 図4Cは、上記改良例における樹脂部材の第3構成例を示す、図2におけるIV−IV線断面図である。 図5は、第2実施形態に係る複合材料構造体を示す断面図である。
以下、図面を参照しつつ実施形態を説明する。同一又は同等の構成部分には同一の符号を付してそれらの詳しい説明を省略する。なお、図面は模式的なものであり、寸法や比率などは実際のものとは異なる場合がある。
(複合材料構造体)
実施形態に係る複合材料構造体1(1A,1B)は、例えば、図1に示されるような自動車の車体100のサイドシル101として適用される。複合材料構造体1は、その他、車体100のフロアパネル102、フロアトンネル103、クロスメンバ104、ダッシュパネル(図示せず)、又は、ルーフパネル(図示せず)にも適用できる。実施形態に係る複合材料構造体1(1A,1B)はサイドシル101に長尺材として適用されるが、サイドシル101の延在方向に後述する第2方向を一致させて適用されている。
(第1実施形態)
本実施形態に係る複合材料構造体1Aは、図2に示されるように、平板状に形成された金属部材2と、繊維強化樹脂製の一対の平板状(シート状)の樹脂部材3とを備えている。一対の樹脂部材3は、金属部材2の両面に接着剤4によってそれぞれ貼り付けられている。即ち、金属部材2と樹脂部材3との間には、接着剤4の層が形成されている。金属部材2は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金等の軽金属で形成されており、本実施形態ではアルミニウム合金である。繊維強化樹脂製の樹脂部材3は、本実施形態では炭素繊維強化プラスチック(CFRP)で形成されている。金属部材2の素材(アルミニウム合金)自体の熱膨張率よりもCFRPの熱膨張率の方が小さい。一般的に、樹脂よりも金属の方が熱膨張率は大きい。
金属部材2は、複合材料構造体1Aの主面に沿う第1方向(図2に垂直な方向)の熱膨張率が第1方向に直交し且つ主面に沿う第2方向(図2の横方向)の熱膨張率よりも大きくする形状を有している。言い換えれば、金属部材2は、その形状によって、第2方向の熱膨張率が第1方向の熱膨張率よりも小さくされている。なお、ここでの「熱膨張率」とは、素材(アルミニウム合金)の熱膨張率ではなく、複合材料構造体1A内で樹脂部材3が貼り付けられて拘束されている状態での金属部材2の形状によってもたらされる金属部材2の部材としての熱膨張率である。
上記形状については次に詳しく説明するが、上記形状は、第1方向に垂直な断面(図2)において第1方向に沿って一定の断面形状を有している。言い換えれば、第1方向に垂直な断面であれば、その断面であっても同じ断面形状を有している。従って、金属部材2は、第1方向を押し出し方向とする押出成形によって形成されている。なお、金属部材2は、曲げ加工や鋳造等の他の加工法によって形成されてもよいが、一定断面の部材を効率的に生産できる押出成形におって形成されるのが好ましい。
金属部材2の形状について説明する。上述したように、金属部材2は、第1方向に沿って一定の断面形状を有している。そして、金属部材2は、第1方向に垂直な断面(図2)において、Z字状の第1要素10、第1要素の形状と鏡像の形状を有する逆Z字状の第2要素20、及び、第1要素10と第2要素20との接続部50,51に接続された第3要素30からなる。第1要素10と第2要素20とは、第2方向に交互に並べられている。
各第1要素10は、複合材料構造体1Aの一方の主面に対応する第1主面部11と、他方の主面に対応する第2主面部12と、第1主面部11の端部(図2中右端)と第2主面部12の反対側の端部(図2中左端)とを斜めに連結する連結部13とを備えている。第1主面部11と連結部13との結合部14a及び第2主面部12と連結部13との結合部14bは、Z状形状の屈曲部として形成されている。
上述したように、第2要素20は、上記断面において、第1要素10と鏡像の関係にある逆Z字状の形状を有している。従って、各第2要素20も、複合材料構造体1Aの一方の主面に対応する第1主面部21と、他方の主面に対応する第2主面部22と、第1主面部21の端部(図2中左端)と第2主面部22の反対側の端部(図2中右端)とを斜めに連結する連結部23とを備えている。第1主面部21と連結部23との結合部24a及び第2主面部22と連結部23との結合部24bは、逆Z状形状の屈曲部として形成されている。
なお、第1方向の逆側から見れば、第1要素10が逆Z字状の形状となり、第2要素20がZ字状の形状となる。即ち、第1要素10及び第2要素20は、それらの形状が鏡像の関係にあることを互いに相対的に区別しているだけである。
そして、第3要素30は、上述した一方の主面に対応する第1要素10の端部(図2中左上端:第1主面部11の左端)と一方の主面に対応する第2要素20の端部(図2中右上端:第1主面部21の右端)との接続部50にそれぞれ接続されている。また、第3要素30は、上述した他方の主面に対応する第1要素10の端部(図2中右下端:第2主面部12の右端)と他方の主面に対応する第2要素20の端部(図2中左下端:第2主面部22の左端)との接続部51にもそれぞれ接続されている。
各第3要素30の上述した一方の主面側の端部(上側)は、一方の主面側の樹脂部材3と接着剤4によって接着され、かつ、他方の主面側の端部(下側)は、他方の主面側の樹脂部材3と接着剤4によって接着されている。各第3要素30は、第1方向及び第2方向の双方に直交する第3方向(図2の縦方向)に沿って延在している。
なお、第1要素10、第2要素20及び第3要素30は、上述したように接続されているが、本実施形態の金属部材2は押し出し成形されているため、第1要素10、第2要素20及び第3要素30からなる金属部材2は一体的に形成されている。
また、上記断面形状において、屈曲部(第1要素10の第1主面部11と連結部13との結合部)14a及び屈曲部(第1要素10の第2主面部12と連結部13との結合部)14bは、第3要素30と離間されている。同様に、上記断面形状において、屈曲部(第2要素20の第1主面部21と連結部23との結合部)24a及び屈曲部(第2要素20の第2主面部22と連結部23との結合部)24bも、第3要素30と離間されている。第3要素30と屈曲部14a,14b,24a,24bとの間の間隙部によって、金属部材2の各主面(第1主面部11,21で形成される面、又は、第2主面部12,22で形成される面)は、第1方向に連続し、かつ、第2方向に不連続に形成される。
本実施形態では、第1主面部11,21、第2主面部12,22及び連結部13,23は、それぞれ平板状に形成されている(上記断面において直線状に形成されている)。しかし、連結部13,23は、第1主面部11,21の端部(端縁)と第2主面部12,22の端部(端縁)とを斜めに連結していれば、上記断面において片側に湾曲していたりS字状に湾曲していたりしてもよい。ただし、上記断面において、第1要素10と第2要素20とは鏡像の関係を満たす。上述した屈曲部14a,14b,24a,24bが形成されることで、金属部材2の第3方向の剛性が向上する。第3要素30によっても、金属部材2の第3方向の剛性が向上する。複合材料構造体1A(金属部材2+一対の樹脂部材3)としての第3方向の剛性については追って詳しく説明する。
上述した第3要素30の端部(端縁)だけでなく、金属部材2の各主面にも、接着剤4によって樹脂部材3が貼り付けられている。第3要素30の端部は、第1主面部11,21の樹脂部材3との対向面によって形成される平面(主面の表面)から突出されている。従って、接着剤4は、第3要素30の端部との接着部において、厚さが他所より薄く形成された薄肉部Xを形成している。薄肉部Xは、第2方向に等間隔に形成される。接着剤4は、薄肉部Xにおいて金属部材2と樹脂部材3とを強固に接着する。
一方、接着剤4の薄肉部X以外の部分は、薄肉部Xよりも厚い、若干の変形を許容し得る緩衝層を形成している。また、第3要素30と屈曲部14a,14b,24a,24bとの間の間隙部において、接着剤4は、間隙部の内側に突出するアンカー部Zを形成する。アンカー部Zは、アンカー効果を生じさせ、金属部材2に対する接着力を向上させる。
また、一対の樹脂部材3と第3要素30とによって、矩形閉断面Yが形成される。この矩形閉断面Yは第2方向に並ぶことになる。なお、隣接する矩形閉断面Yは真ん中の第3要素30を共有することになる。このような第2方向に並ぶ矩形閉断面Yが形成されるので、複合材料構造体1Aの剛性が向上する。特に、複合材料構造体1Aを板材として用いたときの面剛性や長尺材として用いたときの曲げ剛性などの第3方向の荷重が作用したときに対する剛性が向上する。
複合材料構造体1Aにおける各樹脂部材3は、図3に示されるように、第2方向に沿う繊維量を第1方向に沿う繊維量よりも多くして形成されて、金属部材2に貼り付けられている。すなわち、各樹脂部材3は、第2方向の熱膨張率が第1方向の熱膨張率よりも小さくして形成されて、金属部材2に貼り付けられている。
複合材料構造体1Aの温度が上昇すると、金属部材2は熱膨張する。具体的には、金属部材2は薄肉部Xで接着剤4を介して樹脂部材3によって強固に拘束されているため、図2中の第1要素10に示したように、第1主面部11及び第2主面部12は、図中実線矢印に示されるように第2方向に沿ってそれぞれ反対方向に伸びる。これらの伸びは、接着剤4の上述した緩衝層によって許容される。一方、連結部13は、図中点線矢印に示されるように伸びる。第1主面部11及び第2主面部12の伸びは、連結部13の伸びによって相殺される。なお、樹脂部材3も、伸び量は少ないが、第2方向に伸びる。また、第1要素10全体で若干の弾性変形も許容される。これらのことも、連結部13による第1主面部11及び第2主面部12の伸びの相殺に寄与すると思われる。
また、金属部材2は薄肉部Xで接着剤4を介して樹脂部材3によって強固に拘束されているため、上述した第1主面部11及び第2主面部12の伸びによって、第3要素30と屈曲部14a,14b,24a,24bとの間の間隙部は狭くなる。しかし、第3要素30と屈曲部14a,14b,24a,24bとは離間されているので、接触することはない。即ち、これらの間隙部が金属部材2の熱膨張時のマージンとして機能するので、複合材料構造体1A内で接着剤4を介して樹脂部材3によって拘束されている金属部材2は、部材として、その第2方向の熱膨張率が第1方向の熱膨張率よりも小さくなる。
複合材料構造体1Aの温度が上昇すると、複合材料構造体1A内で接着剤4を介して樹脂部材3によって拘束されている金属部材2の熱膨率は、樹脂部材3の熱膨張率よりも大きい。このため、接着剤4の緩衝層には薄肉部Xよりも大きなせん断変形を生じる。接着剤4は、せん断変形して、金属部材2と樹脂部材3との間の熱膨張による変位量の差を吸収する。
薄肉部Xには、第3要素30と屈曲部14a,14b,24a,24bとの間の間隙部の近傍に設けられた薄肉部Xと、第1要素10と第2要素20との接続部50,51の近傍に設けられた薄肉部Xとがある。第3要素30と屈曲部14a,14b,24a,24bとの間の間隙部の近傍に設けられた薄肉部Xは、隣接する緩衝層のアンカー部Zがせん断変形を許容して吸収するので、せん断変形が小さく、ダメージが小さい。接続部50,51の近傍に設けられた薄肉部Xは、金属部材2の第2方向に並ぶ各主面(一対の第1主面部11及び21で形成される主面、又は、一対の第2主面部12及び22で形成される主面)の中央に位置するので、せん断変形が小さく、ダメージが小さい。
各アンカー部Zでは、接着剤4が、各主面部11,12,21,22よりも内側の領域(連結部13,23に挟まれた領域)に進入しない程度の間隙が形成される。この間隙の幅は、例えば数mm程度であり、第2方向の各主面部11,12,21,22の幅が20〜30mm程度のとき、1〜2mm程度である。
本実施形態では、複合材料構造体1A内で接着剤4を介して樹脂部材3に拘束されている金属部材2の部材としての熱膨張率が小さい第2方向に沿う樹脂部材3の繊維量が多くされている。従って、本実施形態によれば、金属と繊維強化樹脂との間の熱膨張率の差による影響を低減することができる。また、一対の樹脂部材3と第3要素30とによって、第2方向に並ぶ矩形閉断面Yが形成されるので、複合材料構造体1Aの剛性を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、金属部材2の各主面が第1方向に連続し、かつ、第2方向に不連続に形成されるので、第2方向の熱膨張率を小さくする金属部材2を押出成形等によって容易に製造できる。さらに、接着剤4に薄肉部Xを形成することで、薄肉部Xで金属部材2と樹脂部材3とを強固に接着することができる。さらにまた、薄肉部Xは第2方向に等間隔に形成されるので、接着剤4が硬化する際のアンカーとして機能し、複合材料構造体1Aの反りを低減することができる。
(改良例)
図3は、複合材料構造体1Aの改良例を示してもいる。図3に示される複合材料構造体1Aには、主面に直角な両側面にも樹脂部材3が貼り付けられる。側面に貼り付けられる樹脂部材3は、上述した樹脂部材3と同様のものである。樹脂部材3を両側面にも貼り付けることで、複合材料構造体1Aの上述した面剛性や曲げ剛性をさらに向上させることができる。ここで、側面に貼り付けられる樹脂部材3の繊維の配向を、図3に示されるように、第2方向(第3方向)に対して45°となるように配向することで、複合材料構造体1Aのねじり剛性をより一層向上させることができる。複合材料構造体1Aにねじりを生じさせる力が作用したとき、側面には第1方向及び第2方向に対して45°の方向に応力が作用するため、この応力に有効に対抗できる。
なお、側面に貼り付けられる樹脂部材3は、図3及び図4Aに示されるように、第3要素30でのみ金属部材2と接着剤4によって接着される。このようにすることで、第1要素10及び第2要素20の熱に起因する膨張や収縮に影響を与えずに、複合材料構造体1Aの剛性をさらに向上させることができる。さらに、側面に貼り付けられる樹脂部材3は、図4Aに示されるように、複合材料構造体1Aの主面に対応する樹脂部材3とはフランジを形成して接着剤4によって接着される。図4Aに示される断面に示される接着剤4の厚さは薄肉部Xと同等であり、金属部材2は主面及び側面に対応する樹脂部材3と強固に接着される。即ち、第2方向に垂直なこの断面でも矩形閉断面が形成され、この矩形閉断面が上述した剛性向上に寄与している
複合材料構造体1Aの主面及び側面の全てに樹脂部材3を配置する構成としては、図4Bや図4Cのように樹脂部材3を配置してもよい。図4Bに示される例では、一方の主面を構成する樹脂部材3と両側面を構成する樹脂部材3が一体化され、上述したフランジが第3方向に沿って延出されている。図4Cに示される例では、一方の主面を構成する樹脂部材3と両側面を構成する樹脂部材3が一体化され、上述したフランジが第1方向に沿って延出されている。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、図5を参照しつつ説明する。本実施形態に係る複合材料構造体1Bは、上述した第1実施形態に係る複合材料構造体1Aとは、薄肉部Xが形成されない点で異なる。即ち、金属部材2において、第3要素30の端部が、第1主面部(11,21)の樹脂部材3との対向面によって形成される平面(主面の表面)から突出されておらず、この平面上に位置されている。
また、接着剤4は、薄肉部Xで金属部材2を樹脂部材3に強固に接着するのではなく、金属部材2の各主面(第1主面部11,21によって形成される面、又は、第2主面部12,22によって形成される面)の全体で樹脂部材3によって拘束されている。接着剤層の第3方向の厚さは、第1実施形態における薄肉部Xよりも厚く、緩衝層よりも薄い、一定の厚さを有している(アンカー部Zを除く)。即ち、接着剤4は、金属部材2の各主面と接触する範囲で金属部材2を拘束しつつ、それ自身のせん断変形も許容する。
そして、接着剤4は、せん断変形時には、各主面の中心が第2方向の伸縮中立位置Nとして機能する。伸縮中立位置Nは、拘束基準位置と捉えることもできる。伸縮中立位置Nでは、金属部材2と樹脂部材3とは薄肉部Xのように強固には接着されていないが、伸縮中立位置Nは、第1実施形態の薄肉部Xとほぼ同様に機能する。
本実施形態では、上述した構成以外の構成は、上述した第1実施形態と同じである。本実施形態における複合材料構造体1Bを、図3や図4A〜図4Cに示される複合材料構造体1Aの改良例のように改良することも可能である。
本実施形態でも、複合材料構造体1B内で接着剤4を介して樹脂部材3に拘束されている金属部材2の部材としての熱膨張率が小さい第2方向に沿う樹脂部材3の繊維量が多くされている。従って、本実施形態によっても、金属と繊維強化樹脂との間の熱膨張率の差による影響を低減することができる。また、一対の樹脂部材3と第3要素30とによって、第2方向に並ぶ矩形閉断面Yが形成されるので、複合材料構造体1Bの剛性を向上させることができる。
また、本実施形態によっても、金属部材2の各主面が第1方向に連続し、かつ、第2方向に不連続に形成されるので、第2方向の熱膨張率を小さくする金属部材2を押出成形等によって容易に製造できる。
本発明は、上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施形態では、第1主面部11,21及び第2主面部12,22も接着剤4によって樹脂部材3と接着された。しかし、第3要素30の両端が接着剤4によって樹脂部材3と接着されていれば、第1主面部11,21及び第2主面部12,22は樹脂部材3と接着されていなくてもよい。この場合も、上述した矩形閉断面Yが形成されるため、剛性が向上する。また、この場合、接着範囲が減ることで剛性の低下が懸念されるのであれば、第3要素30の両端と樹脂部材3との接着面積を広げるような形状に第3要素30を形成すれば剛性の低下を回避できる。さらに、SPRによって接合される部材は、一対の板材(少なくとも一方は繊維強化樹脂板)を含んでいれば、二つに限定されず、三つ以上であっても構わない。
本発明は、自動車の車体の構成部材など、様々なものの構成部材に適用することができる。
1(1A,1B) 複合材料構造体
2 金属部材
3 樹脂部材
4 接着剤
10 第1要素
20 第2要素
11,21 第1主面部
12,22 第2主面部
13,23 連結部
14a,14b,24a,24b (主面部と連結部との)結合部(屈曲部)
50,51 (第1要素と第2要素との)接続部
X 薄肉部

Claims (2)

  1. 平板状に形成された金属部材と、前記金属部材の両面に接着剤によって貼り付けられた繊維強化樹脂製の一対の平板状の樹脂部材と、を備えた複合材料構造体において、
    前記複合材料構造体における前記金属部材は、前記複合材料構造体の主面に沿う第1方向の熱膨張率が前記第1方向に直交し且つ前記主面に沿う第2方向の熱膨張率よりも大きくする形状を有し、前記形状は、前記第1方向に垂直な断面において前記第1方向に沿って一定の断面形状を有しており、
    前記複合材料構造体における前記樹脂部材のそれぞれは、前記第2方向に沿う繊維量を前記第1方向に沿う繊維量よりも多くして形成されて前記金属部材に貼り付けられており、
    前記金属部材の前記断面形状が、
    前記複合材料構造体の一方の主面に対応する第1主面部、前記複合材料構造体の他方の主面に対応する第2主面部、及び、前記第1主面部の端部と前記第2主面部の反対側の端部とを斜めに連結する連結部を備えたZ字状の第1要素と、
    前記第1主面部、前記第2主面部及び前記連結部を有する前記第1要素の形状と鏡像の形状を有し、前記第2方向に前記第1要素と交互に並べられた第2要素と、
    前記第1要素の前記一方の主面に対応する端部と前記第2要素の前記一方の主面に対応する端部との接続部、及び、前記第1要素の前記他方の主面に対応する端部と前記第2要素の前記他方の主面に対応する端部との接続部のそれぞれに接続され、前記一方の主面側の端部が前記一方の主面側の前記樹脂部材と前記接着剤によって接着され且つ前記他方の主面側の端部が前記他方の主面側の前記樹脂部材と前記接着剤によって接着された、前記第1方向及び前記第2方向の双方に直交する第3方向に沿って延びる第3要素と、を有する形状であり、
    前記断面形状において、前記第1要素の前記第1主面部と前記連結部との結合部及び前記第1要素の前記第2主面部と前記連結部との結合部、並びに、前記第2要素の前記第1主面部と前記連結部との結合部及び前記第2要素の前記第2主面部と前記連結部との結合部が、前記第3要素と離間されている、複合材料構造体。
  2. 前記第3要素の前記一方の主面側の端部が、前記第1要素及び前記第2要素の前記第1主面部の前記樹脂部材との対向面によって形成される平面から突出され、
    前記第3要素の前記他方の主面側の端部が、前記第1要素及び前記第2要素の前記第2主面部の前記樹脂部材との対向面によって形成される平面から突出され、
    前記金属部材と一対の前記樹脂部材のそれぞれとの間に、前記接着剤の層が形成されており、
    前記接着剤の前記層が、前記第3要素の前記一方の主面側及び前記他方の主面側の各端部において厚さが薄い薄肉部を形成している、請求項1に記載の複合材料構造体。
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