JP6281588B2 - 車両用パネル構造 - Google Patents

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本発明は、車両のフロアパネル等を形成可能な繊維強化合成樹脂製の車両用パネル構造に関し、特に剛性確保と振動の減衰性能を両立可能な車両用パネル構造に関する。
従来から、合成樹脂母材の中に合成繊維を強化繊維として埋設して強度や剛性を高めた繊維強化合成樹脂(FRP)が、軽量且つ高強度・高剛性を有する材料として広く使用されている。近年は、強化繊維として炭素繊維を使用した炭素繊維強化合成樹脂(CFRP)が注目されている。CFRPは同じ重量の鋼材等と比較して高強度、高剛性であるが、加工や量産が難しく高価であるため、航空機や生産数が限られた車両等の材料として限られた範囲で使用されている。
一方で、近年、自動車の低燃費化が進展している。低燃費化には車両の軽量化が有効な手段であり、軽量化された金属製部材を使用することにより、強度と剛性を維持しながら軽量化がなされている。例えば、高張力鋼を使用して部材を薄くしたり、アルミ合金製部材を採用したりして軽量化している。
さらなる軽量化を図るため、高強度のFRPをフロアパネル等のパネル部材として採用することが検討されている。通常のFRP製パネルは、どの方向にも剛性を確保できるようにパネル面内で一様に複数方向に強化繊維が配置される。特定の方向に剛性を確保するために、特許文献1のように、パネル面内で一様に基準方向に対して±45°の方向に強化繊維が配置されることもある。
WO2013191093A1
ところで、従来から車両のフロアパネルやルーフパネル等のパネル部材は、路面の凹凸等によるタイヤとサスペンションからの入力等によって振動し易い。特に、車室の底面を形成するフロアパネルの振動は乗員に伝わり易く、乗員に不快感を与える。そのため、車両の軽量化のためにFRPをフロアパネルとして採用する場合、剛性、強度を高めることは容易であるが、剛性を高くし過ぎると振動の減衰性能を確保できず、振動の減衰性能を確保できるように剛性を低くすると、剛性を確保するのが困難になる。このように、剛性確保と振動の減衰性能を両立させることが簡単ではない。
本発明の目的は、剛性確保と振動の減衰性能を両立可能な車両用パネル構造を提供することである。
第1の発明の車両用パネル構造は、所定間隔の離隔部を介して平行に対向するように連結部材により連結された合成樹脂製の複数のパネル部材を有し、前記各パネル部材は、強化繊維が前記パネル部材の端部から端部に亙って直線的に連続するように所定幅の直線状に所定の第1繊維配置密度で合成樹脂母材内に配置された少なくとも1つの繊維密部と、少なくとも前記繊維密部以外の領域に強化繊維が複数方向に前記パネル部材の端部から端部に亙って直線的に連続するように前記第1繊維配置密度より小さい第2繊維配置密度で合成樹脂母材内に配置された繊維粗部とを備えたことを特徴としている。
この構成により、パネル部材の一部に繊維密部を形成し、パネル部材の残りの一部に繊維粗部を形成することで、主に繊維密部を介して適度な剛性、強度を確保しつつ主に繊維粗部を介して適度な振動の減衰性能を確保できる。
しかも、複数のパネル部材を離隔部を介して平行に対向させ連結部材により連結しているため、1枚のパネル部材で構成する場合に比べてパネル部材の断面2次モーメントを大きくできるので曲げ剛性(パネル剛性)を高める上で有利であるうえ、繊維密部を中心とする回転方向へのパネル部材の捩じり変形が許容されるので、振動の減衰性能を確保することができる。
第2の発明の車両用パネル構造は、所定間隔の離隔部を介して平行に対向するように連結部材により連結された合成樹脂製の複数のパネル部材を有し、前記各パネル部材は、強化繊維が複数方向に前記パネル部材の端部から端部に亙って直線的に連続するように所定の第3繊維配置密度で合成樹脂母材内に配置された繊維粗部を構成するパネル本体部と、
前記パネル本体部と別体に形成された少なくとも1つの帯状部材であって、強化繊維が全長に亙って直線的に連続するように所定幅の直線状に前記第3繊維配置密度より大きい第4繊維配置密度で合成樹脂母材内に配置された繊維密部を構成する少なくとも1つの帯状部材とを備え、前記帯状部材が前記パネル本体部に固定されたことを特徴としている。
この構成により、パネル部材が、繊維粗部を構成するパネル本体部と、繊維密部を構成する少なくとも1つの帯状部材とを有するため、主に繊維密部を介して適度な剛性、強度を確保しつつ主に繊維粗部を介して適度な振動の減衰性能を確保できる。
しかも、複数のパネル部材を離隔部を介して平行に対向させ連結部材により連結しているため、1枚のパネル部材で構成する場合に比べてパネル部材の断面2次モーメントを大きくできるので曲げ剛性(パネル剛性)を高める上で有利であるうえ、繊維密部を中心とする回転方向へのパネル部材の捩じり変形が許容されるので、振動の減衰性能を確保することができる。また、繊維密部を構成する帯状部材をパネル本体部とは別体に形成しているため、パネル部材の形成が容易である。
第3の発明の車両用パネル構造は、請求項1又は2の発明において、前記パネル部材は矩形状に形成され、前記繊維密部がこのパネル部材の1対の対角線に沿って交差するように設けられたことを特徴としている。
この構成により、車両用パネル構造はパネル部材の1対の対角線方向に高強度の繊維密部を形成するため、対角線を曲げる方向への曲げ剛性を高めてパネル部材全体の曲げ剛性を確保すると共に、パネル部材の面内剪断変形に対する強度を確保できる。
第4の発明の車両用パネル構造は、請求項1〜3の何れかの発明において、前記連結部材は前記離隔部に配置されたスペーサ部材であって、このスペーサ部材は、前記パネル部材より剛性が低いことを特徴としている。
この構成により、スペーサ部材が各パネル部材の捩じり変形を阻害せず、各パネル部材が振動エネルギーを吸収することができるので、車両用パネル構造の振動の減衰性能を確保することができる。
第5の発明の車両用パネル構造は、請求項4の発明において、前記スペーサ部材は、複数のパネル部材の対向する部位が一体的に機能するように連結する合成樹脂製の板状のスペーサ部材であって、離隔部の全体を占めることを特徴としている。
この構成により、対向する複数のパネル部材が一体的に機能するため、パネル部材の断面2次モーメントを確保して曲げ剛性を確保することができる。
本発明の車両用パネル構造によれば、剛性の確保と振動の減衰性能を両立可能な車両用パネル構造を提供することができる。
車両用パネルが車体の下部に固定された車両用パネル構造を示す斜視図である。 第1の発明の車両用パネル構造を示す分解斜視図である。 図2のIII−III線の要部拡大断面図である。 第2の発明の車両用パネル構造を示す分解斜視図である。 図4のV−V線の要部拡大断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
図1に示すように、車両Vのフロアパネルは、例えば、4枚のパネル体5a〜5dを有し、それらパネル体5a〜5dの外周部は、車体のパネル支持部に固定されている。
これらパネル体5a〜5dの車幅方向内端部はフロアトンネル20のパネル支持部3aに固定され、パネル体5a〜5dの車幅方向外端部はサイドシル21のパネル支持部3bに固定されている。前列のパネル体5a,5bの前端部は、ダッシュロアパネル22のパネル支持部3cに固定される共に後端部はクロスメンバ23のパネル支持部(図示略)に固定されている。
後列のパネル体5c,5dの前端部はクロスメンバ23のパネル支持部3dに固定されると共に後端部は図示外のクロスメンバのパネル支持部(図示略)に固定されている。
尚、矢印F方向が前方、矢印L方向が左方、矢印U方向が上方を示す。
図2に示すように、以下に説明する車両用パネル構造1(以下、パネル構造1という)は、図1のパネル体5a〜5dに夫々適用可能なものである。
パネル構造1は、2枚のパネル部材2a,2bが所定間隔(例えば10〜20mm)の離隔部を介して平行に対向するように、スペーサ部材8(連結部材)により連結されている。離隔部はパネル部材2aとパネル部材2bの間の間隙であり、この離隔部にパネル部材2a,2bと同じ大きさの板状のスペーサ部材8が配置されて離隔部が所定間隔に規制されている。
スペーサ部材8は、例えば合成樹脂製の発泡体で形成され、パネル部材2a,2bより剛性が低く設定されている。スペーサ部材8は、パネル構造1の所定間隔の離隔部を確保すると共に、パネル部材2a,2bの一体性を維持する。尚、スペーサ部材8はパネル部材2a,2bに接着されている。
パネル部材2a,2bは、合成樹脂母材(例えば熱硬化性エポキシ系合成樹脂)に複数の強化繊維4を埋設したFRP製であり、1辺の長さが例えば1000〜1200mmの矩形状に、厚さが例えば2〜3mmに形成されている。強化繊維4としては、例えば炭素繊維やアラミド繊維を採用することができ、その直径は、例えば7〜10μmである。
パネル部材2aは、その端部から端部に亙って直線的に連続した強化繊維4が複数並べられ、それらが合成樹脂母材に埋設されている。強化繊維4は、その繊維が延びる方向の引張力に対して高い強度を有する。合成樹脂母材は粘弾性を有し、パネル部材2aの変形を許容することにより振動エネルギーを吸収して振動を減衰させる。
図2に示すように、パネル部材2aは、複数の強化繊維4が所定の第1繊維配置密度(例えば単位断面積に占める強化繊維4の割合が50〜60%)で合成樹脂母材の中に含まれる繊維密部7aと、複数の強化繊維4が第1繊維配置密度より小さい第2繊維配置密度(例えば単位断面積に占める強化繊維4の割合が10〜30%)で合成樹脂母材の中に含まれる繊維粗部6a,6bを有する。
繊維密部7aは、例えばパネル部材2aの1対の対角線の一方を含む所定幅(例えば20〜30mm幅)の直線状の領域の全長に亙って強化繊維4が対角線方向に直線的に連続するように第1繊維密度で配置されている。繊維密部7aは、強化繊維4が延在する方向の引っ張り強度が高強度になっている。
パネル部材2aの少なくとも繊維密部7a以外の領域には繊維粗部6a,6bが形成され、パネル部材2aの端部から端部に亙って直線的に連続するように設けられる複数の強化繊維4が、1対の対角線方向と平行に並べられ且つ互いに交差して第2繊維配置密度で配置されている。尚、繊維粗部6a,6bは、強化繊維4が擬似等方的に3以上の異なる方向に第2繊維配置密度で配置されていてもよい。繊維粗部6a,6bは、繊維密部7aより合成樹脂母材の割合が大きいので、繊維密部7aと比べて振動等の外力により変形し易く、変形により振動エネルギーを吸収して振動を減衰させる。
パネル部材2aは、例えば繊維粗部6a,6bと繊維密部7aを形成するように複数の強化繊維4が配置された成形型に合成樹脂母材を加圧注入し、温度と圧力を加えて成形される。尚、繊維粗部6a,6bと繊維密部7aを形成するように複数の強化繊維4が1対の対角線の一方に沿う方向に配置された層と、繊維粗部6a,6bを形成するように複数の強化繊維4が他方の対角線に沿う方向に配置された層を交互に複数積層してパネル部材2aを形成してもよい。
パネル部材2bは、パネル部材2aと同様の構成を有するので説明を省略するが、パネル部材2aの繊維粗部6a,6bに相当する繊維粗部6c,6dと、繊維密部7aに相当する繊維密部7bを有する。但し、繊維密部7aは、1対の対角線の一方と平行であり、
繊維密部7bは1対の対角線の他方と平行である。
パネル構造1は、パネル部材2a,2bの繊維密部7a,7bが平面視で交差するようにスペーサ部材8を挟んで連結され、スペーサ部材8の厚さと等しい厚さの離隔部が形成されている。
図3は、パネル構造1を車両Vのフロアパネルの前記パネル体5cとして組み付けた状態を示すものであり、パネル構造1の車幅方向内端部はフロアトンネル20のパネル支持部3aに例えば接着等により固定され、パネル構造1の車幅方向外端部はサイドシル21のパネル支持部3bに例えば接着等により固定される。
次に、パネル構造1の作用、効果について説明する。
2枚のパネル部材2a,2bを離隔部を介して平行に対向するようにスペーサ部材8により連結し厚さを大きく形成しているため、離隔部がない1枚のパネル部材に構成する場合と比較して、断面2次モーメントを大きくすることができ、曲げ剛性(パネル剛性)を確保する面で有利である。
しかも、パネル部材2a,2bと同じ大きさの板状のスペーサ部材8をパネル部材2a,2bに接着しているため、上下に対向するパネル部材2a,2bが一体的に機能する状態になっているので、断面2次モーメントを大きくすることができる。そして、2枚のパネル部材2a,2bの一部に繊維密部7a,7bを形成し、残りの部分に繊維粗部6a〜6dを形成するため、繊維密部7a,7bにより適度な剛性を確保しつつ、繊維粗部6a〜6dにより適度な振動の減衰性能を確保することができる。また、繊維密部7a,7bが1対の対角線と平行に配置されているため、パネル構造1の面内剪断変形に対する剛性も確保できる。
振動の減衰については、振動により繊維密部7a,7bを中心とした回転方向に生じる捩じり変形に対して、パネル部材2a,2bの繊維粗部6a〜6dにおける捩じり変形が生じ易くなることにより振動エネルギーがパネル部材2a,2bに吸収され易くなるので、パネル構造1の振動の減衰性能が確保される。
尚、スペーサ部材8は、パネル部材2a,2bより剛性が低いので、振動によるパネル構造1の捩じり変形を阻害しない。また、対向するパネル部材2a,2bがスペーサ部材8により連結されたので、パネル部材2a,2bが一体的に機能して剛性確保と振動の減衰性能の両立に有利である。さらに、パネル構造1は2枚のパネル部材2a,2bを連結して一体化しているので、車両Vへの取り付けが容易である。
以上のように、剛性確保と振動の減衰性能を両立可能であると共に、パネル部材2a,2bの車両の車体への取付けが容易になる。また、パネル部材2a,2bの比重は約1.5であり、既存のパネル部材、例えば鋼板製パネル部材の比重が7.85なので、軽量化が可能である。さらに、繊維密部7a,7bが平面視で車両用パネル構造1の1対の対角線に沿って交差するように形成されているので、パネル部材2a,2bに使用される強化繊維4の総量を減らして、材料コストを低減することができる。
次に、実施例2に係る車両用パネル構造11(以下、パネル構造11という)について図4、図5に基づいて説明する。
図4、図5に示すように、車両用パネル構造11は、2枚のパネル部材12a,12bが所定間隔(例えば10〜20mm)の離隔部を介して平行に対向するようにスペーサ部材18a,18bにより連結されている。離隔部はパネル部材12aとパネル部材12bの間の間隙であり、この離隔部にスペーサ部材18a,18bが配置されて所定間隔の離隔部が形成されている。
パネル部材12aは、矩形のパネル本体部13aと、このパネル本体部13aの1対の対角線の一方に沿うように延びてパネル本体部13aの下面に固着された帯状部材15aとを有する。パネル本体部13aが繊維粗部を構成し、帯状部材15aが繊維密部を構成している。
パネル本体部13aは、合成樹脂母材(例えば熱硬化性エポキシ系合成樹脂)に複数の強化繊維14を埋設したFRP製で、1辺が例えば1000〜1200mmの矩形状に、厚さが例えば2〜3mmに形成されている。強化繊維14としては、例えば炭素繊維やアラミド繊維を採用することができ、その直径は、例えば7〜10μmである。
パネル本体部13aは、その端部から端部に亙って直線的に連続した強化繊維14が複数並べられ、それらが合成樹脂母材内に埋設されている。それら強化繊維14が延びる方向は、矩形状のパネル本体部13aの1対の対角線と平行な2方向であるが、擬似等方的に3以上の複数の方向であってもよい。パネル本体部13aは、複数の強化繊維14が所定の第3繊維配置密度(例えば単位断面積に占める強化繊維14の割合が10〜30%)で含まれる繊維粗部を構成している。
帯状部材15aは、合成樹脂母材(例えば熱硬化性エポキシ系合成樹脂)に複数の強化繊維14を一方の対角線と平行に埋設したFRP製で、幅が例えば20〜30mm、厚さが例えば2〜3mm、全長がパネル本体部13aの対角線と同じ長さで、パネル本体部13aの角の形状に合うようにその両端部が形成されている。強化繊維14としては、例えば炭素繊維やアラミド繊維やを採用することができ、その直径は、例えば7〜10μmである。
帯状部材15aは、その全長に亙って一方の対角線と平行に直線状に連続するように延びる強化繊維14が複数平行に並べられ、それらが合成樹脂母材に埋設されている。帯状部材15aは、強化繊維14が第3繊維配置密度より大きい第4繊維配置密度(例えば単位断面積に占める強化繊維14の割合が50〜60%)で含まれる繊維密部を構成している。
パネル部材12bは、パネル部材12aと同様の構成を有するので説明を省略するが、パネル部材12bは、パネル部材12aのパネル本体部13aに相当するパネル本体部13bと、帯状部材15aに相当する帯状部材15bを有する。
スペーサ部材18a,18bは、例えば合成樹脂製の発泡体で形成され、パネル部材12a,12bより剛性が低い。スペーサ部材18aは、所定の幅(例えば10〜100mm)でパネル部材12a,12bの周縁部に沿って枠状に配置されている。スペーサ部材18bは、スペーサ部材18aと同じ厚さに形成され、例えばパネル構造11の1対の対角線に沿うX形状に配置されている。
スペーサ部材18a,18bは、パネル本体部13a,13bに接着により接合されている。尚、スペーサ部材18a,18bのうち、帯状部材15a,15bと重複する部位は帯状部材15a,15bの厚さだけ薄く形成されている。尚、帯状部材15a,15bが離隔部内に位置するように配置しているため、車両用パネル構造11の上面と下面を平坦にすることができる。
次に、以上説明したパネル構造11の作用、効果について説明する。
前記の帯状部材15a,15bは引っ張り強度に優れており、パネル部材12a,12bが離隔部により間隔をあけて上下に配置されているため、また、パネル部材12a,12bがスペーサ部材18a,18bにより一体的に連結されているため、断面2次モーメントを大きくしてパネル構造11の曲げ剛性(パネル剛性)を確保することができる。また、帯状部材15a,15bが1対の対角線に沿うX形状に配置されているため、面内剪断変形に対する剛性も確保することができる。
また、パネル本体部13a,13bは、繊維密部より合成樹脂母材の割合が大きい繊維粗部を構成するので、繊維密部と比べて振動等の外力により変形し易く、変形により振動エネルギーを吸収して振動を減衰させる。そのため、帯状部材15a,15b(繊維密部)の中心回りの回転方向への捩じり変形に対して、繊維粗部であるパネル部材12a,12bの捩じり変形が生じ易く振動エネルギーがパネル部材12a,12bに吸収され易いので、パネル構造11の振動の減衰性能が確保される。
スペーサ部材18a,18bはパネル部材12a,12bより剛性が低いので、振動によるパネル構造11の捩じり変形が阻害されない。また、パネル部材12a,12bがスペーサ部材18a,18bにより連結されたので、パネル部材12a,12bが一体的に機能して剛性確保と振動の減衰性能の両立に有利である。
しかも、車両用パネル構造11は2枚のパネル12a,12bを連結して一体化されているので、車体への取り付けが容易である。
以上のように、剛性確保と振動の減衰性能を両立可能であると共に、繊維粗部であるパネル本体部13a,13bに、これらと別体に形成される繊維密部である帯状部材15a,15bを夫々固着してパネル部材12a,12bを形成するので、パネル部材12a,12bを容易に製作することができる。
さらに、パネル部材12a,12bの比重は約1.5であり、既存のパネル部材、例えば鋼板製パネル部材の比重が7.85であるため軽量化が可能である。その上、繊維粗部に相当するパネル本体部13a,13bに、パネル部材12a,12bの剛性の確保に必要な1対の対角線に沿って繊維密部である帯状部材15a,15bが平面視で交差するように固定されているので、パネル部材12a,12bに使用される強化繊維14の総量を減らして、材料コストを低減することができる。
次に、前記実施例を部分的に変更する例について説明する。
1)前記実施例1,2のパネル部材2a,2b及びパネル部材12a,12bは、各パネル部材の4辺が車体のパネル支持部に固定されることにより所定間隔の離隔部を介して平行に対向するように連結される構成としてもよい。この場合、車体とパネル支持部が連結部材に相当し、離隔部にスペーサ部材を設けてもよく、離隔部にスペーサ部材がない構成とすることもできる。
2)前記実施例1,2のスペーサ部材に代えて、複数の小型のスペーサ部材を所定間隔おきにマトリックス状に設け、両面のパネル部材に接着にて接合してもよい。
3)前記実施例1,2では、2枚のパネル部材を備えたパネル構造を例にして説明したが、3枚以上の複数のパネル部材を備えたパネル構造にも、前記実施例を同様に適用することができる。
4)実施例1において、パネル部材2aに対角線に沿うX形の繊維密部を形成し、パネル部材2bにも対角線に沿うX形の繊維密部を形成してもよい。或いは、パネル部材2a,2bの何れか一方にのみX形の繊維密部を形成してもよい。
5)実施例2において、パネル本体部13aに、対角線に沿うX形の繊維密部(帯状部材)を設け、パネル本体部13bに、対角線に沿うX形の繊維密部(帯状部材)を設けてもよい。但し、パネル本体部13a,13bの何れか一方にだけ対角線に沿うX形の繊維密部(帯状部材)を設けてもよい。
6)実施例1において、パネル部材2a及び/又はパネル部材2bに、繊維密部を粗い格子状に形成してもよい。
7)実施例2において、パネル本体部13a及び/又はパネル本体部13bに、帯状部材を粗い格子状に形成したものを接合してもよい。
8)本発明の車両用パネル構造1,11は車両のフロアパネル以外のパネル構造に適用可能である。
9)その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施形態に種々の変更を付加した形態や各実施形態を組み合わせた形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態を包含するものである。
1,11 車両用パネル構造
2a,2b,12a,12b パネル部材
3a〜3c パネル支持部
4,14 強化繊維
5a〜5d パネル体
6a〜6d 繊維粗部
7a,7b 繊維密部
8,18a,18b スペーサ部材(連結部材)
13a,13b パネル本体部
15a,15b 帯状部材

Claims (5)

  1. 所定間隔の離隔部を介して平行に対向するように連結部材により連結された合成樹脂製の複数のパネル部材を有し、
    前記各パネル部材は、
    強化繊維が前記パネル部材の端部から端部に亙って直線的に連続するように所定幅の直線状に所定の第1繊維配置密度で合成樹脂母材内に配置された少なくとも1つの繊維密部と、
    少なくとも前記繊維密部以外の領域に強化繊維が複数方向に前記パネル部材の端部から端部に亙って直線的に連続するように前記第1繊維配置密度より小さい第2繊維配置密度で合成樹脂母材内に配置された繊維粗部と、
    を備えたことを特徴とする車両用パネル構造。
  2. 所定間隔の離隔部を介して平行に対向するように連結部材により連結された合成樹脂製の複数のパネル部材を有し、
    前記各パネル部材は、
    強化繊維が複数方向に前記パネル部材の端部から端部に亙って直線的に連続するように所定の第3繊維配置密度で合成樹脂母材内に配置された繊維粗部を構成するパネル本体部と、
    前記パネル本体部と別体に形成された少なくとも1つの帯状部材であって、強化繊維が全長に亙って直線的に連続するように所定幅の直線状に前記第3繊維配置密度より大きい第4繊維配置密度で合成樹脂母材内に配置された繊維密部を構成する少なくとも1つの帯状部材とを備え、
    前記帯状部材が前記パネル本体部に固定されたことを特徴とする車両用パネル構造。
  3. 前記パネル部材は、矩形状に形成され、前記繊維密部がこのパネル部材の1対の対角線に沿って交差するように設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用パネル構造。
  4. 前記連結部材は、前記離隔部に設けられたスペーサ部材であって、このスペーサ部材は前記パネル部材より剛性が低いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用パネル構造。
  5. 前記スペーサ部材は、複数のパネル部材の対向する部位が一体的に機能するように連結する合成樹脂製の板状のスペーサ部材であって、前記離隔部の全体を占めることを特徴とする請求項4に記載の車両用パネル構造。
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