JP2007107280A - ブレース型粘弾性ダンパー - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成で座屈強度や減衰性能を向上させると共に、フレーム厚み方向でのコンパクト化も維持する。
【解決手段】粘弾性ダンパー1は、同一直線方向に配置されて互いに重合する第1プレート2及び第2プレート3と、両プレート2,3間に接着される粘弾性体4とからなり、第1プレート2及び第2プレート3は、夫々一枚の鋼材を、長手方向と直交する断面形状が連続する山形となるように折り曲げ形成されている。粘弾性体4は、第1プレート2と第2プレート3との重合部において、山形部分の略全面に亘って互いの対向面に接着されている。
【選択図】図1
【解決手段】粘弾性ダンパー1は、同一直線方向に配置されて互いに重合する第1プレート2及び第2プレート3と、両プレート2,3間に接着される粘弾性体4とからなり、第1プレート2及び第2プレート3は、夫々一枚の鋼材を、長手方向と直交する断面形状が連続する山形となるように折り曲げ形成されている。粘弾性体4は、第1プレート2と第2プレート3との重合部において、山形部分の略全面に亘って互いの対向面に接着されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、住宅等の建物の軸組フレーム内に架設されて地震等の外力による震動を減衰させるブレース型粘弾性ダンパーに関する。
住宅等の建物においては、柱と横架材とから形成される軸組フレーム内に、複数のプレートを同一直線方向で互いに重合させ、プレート間に介在させた粘弾性体を接着してなるブレース型粘弾性ダンパー(以下単に「粘弾性ダンパー」という。)を対角線状に架設して、加振時のプレートの相反方向への動作に伴う粘弾性体の剪断変形により振動エネルギーの吸収を図る構造がよく採用される。この粘弾性ダンパーの構造としては、特許文献1に開示の如く、横断面十字形とL字形とのプレートを組み合わせて各プレートの間に粘弾性体を接着し、周囲を座屈防止部材で拘束したものや、特許文献2に開示の如く、複数段に重ねて固定したT形鋼や不等辺山形鋼を組み合わせて積層させ、各鋼材間に粘弾性体を接着したものが知られている。これらの構造によれば、座屈強度が高まると共に、粘弾性体の面積が多くなって減衰性能の向上にも繋がる。
しかし、これらは何れも多数の部材の組み合わせであるため、組み立て工数や製造コストがかさむことになる。また、部品点数が多い分断面形状が大きくなることで、フレーム面の厚み方向での寸法も大きくなってフレーム厚み内に納まりにくく、軽量鉄骨構造等の比較的フレーム厚みが小さい建物には不向きとなっている。
そこで、本発明は、部品点数が少ない簡単な構成で、座屈強度や減衰性能の向上を好適に図れ、而もフレーム厚み内でコンパクトに収めることができる粘弾性ダンパーを提供することを目的としたものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、同一直線方向に配置されて重合する複数のプレートにおける少なくとも粘弾性体の接着部分を、当該直線方向と直交する横断面が連続的或いは間欠的な波形となるように形成したことを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明によれば、プレートを波形に形成したことで、座屈強度がアップすると共に、粘弾性体の使用量が増大して減衰性能の向上も図られる。これらは本来用いられるプレート自体を波形にする簡単な構成で達成できるため、部品点数が少なくて済み、組み立て工数や製造コストの低減が可能となる。また、単純な波形であるから厚み方向でのコンパクト化を維持でき、軽量鉄骨構造のような比較的厚みが小さいフレーム面内でも好適に使用可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の粘弾性ダンパーの一例を示す断面説明図で、粘弾性ダンパー1は、同一直線方向に配置されて部分的に重合する第1プレート2及び第2プレート3と、両プレート2,3間に接着される粘弾性体4とから構成される。
第1プレート2及び第2プレート3は、夫々一枚の鋼材を、直線方向(長手方向)と直交する断面形状が連続する山形形状となるように折り曲げ形成したもので、第2プレート3の両端縁で第1プレート2の端部よりも外側には、逆L字状の立ち上げ部5,5が設けられて、第1プレート2の幅方向への移動規制を図っている。
また、粘弾性体4は、第1プレート2と第2プレート3との重合部において、山形部分の略全面に亘って互いの対向面に接着されている。
図1は、本発明の粘弾性ダンパーの一例を示す断面説明図で、粘弾性ダンパー1は、同一直線方向に配置されて部分的に重合する第1プレート2及び第2プレート3と、両プレート2,3間に接着される粘弾性体4とから構成される。
第1プレート2及び第2プレート3は、夫々一枚の鋼材を、直線方向(長手方向)と直交する断面形状が連続する山形形状となるように折り曲げ形成したもので、第2プレート3の両端縁で第1プレート2の端部よりも外側には、逆L字状の立ち上げ部5,5が設けられて、第1プレート2の幅方向への移動規制を図っている。
また、粘弾性体4は、第1プレート2と第2プレート3との重合部において、山形部分の略全面に亘って互いの対向面に接着されている。
図2は、この粘弾性ダンパー1を取り付けた軸組フレーム10の正面図で、軽量鉄骨構造の住宅に用いられる。この軸組フレーム10は、左右一対の柱11,12と、柱11,12の上端間及び下端間に架設される一対の横架材13,13とを有し、フレーム面内の上下に粘弾性ダンパー1,1を上下軸対称となるように架設したいわゆるKブレースと称される構造となっている。B,Bは、軸組フレーム10の上下端が夫々固定される梁である。ここでは、重合部から突出した第1プレート2の端部が、左側の柱11の中間部位に固着された連結板14に連結され、同じく重合部から突出した第2プレート3の端部が、右側の柱12と横架材13との上下の仕口部に夫々設けられたガセットプレート15,15に連結される。16は、連結板14と右側の柱12の中間部位間に架設されて両者を連結する中桟である。
この軸組フレーム10に粘弾性ダンパー1,1を取り付ける構造としては、例えば、図3に示すように、第1プレート2の突出端部に、第1プレート2の幅方向で同一面上に位置するスリット17,17・・を長手方向へ形成し、そのスリット17に結合板18を差し込んでその差し込み部位を溶接して、結合板18を連結板14へピン結合するような構造が考えられる。これは第2プレート3側の突出端部でも同様である。なお、この構造の場合、結合板18に代えて連結板14やガセットプレート15を直接スリット17に差し込んで溶接等で結合させて、部材の省略を図ることもできる。
よって、この軸組フレーム10においては、地震による加振時には、フレーム面と平行な水平方向の外力が逆方向へ交互に加わることで、軸組フレーム10が左右へ変形しようとする。この変形によって柱11,12と上下の粘弾性ダンパー1,1とには、長手方向への引張力と圧縮力とが交互に加わるため、粘弾性ダンパー1では、第1プレート2と第2プレート3とが長手方向へ互いに相反方向へ移動し、両プレート2,3間の粘弾性体4を長手方向に剪断変形させる。この粘弾性体4の変形によって振動エネルギーを吸収して減衰作用を生じさせる。特にここでは、両プレート2,3の横断面が連続山形であるから、剛性が高まり、粘弾性ダンパー1の座屈が効果的に防止される。また、両プレート2,3の山形部分を利用して粘弾性体4が広い面積で接着されるため、好適な減衰性能も期待できる。
このように、上記形態の粘弾性ダンパー1によれば、第1、第2プレート2,3における粘弾性体4の接着部分を、横断面が連続的な山形となるように形成したことで、座屈強度がアップすると共に、粘弾性体4の使用量が増大して減衰性能の向上も図られる。これらは本来用いられるプレート2,3自体を山形にする簡単な構成で達成できるため、部品点数が少なくて済み、組み立て工数や製造コストの低減が可能となる。また、単純な山形であるから厚み方向でのコンパクト化を維持でき、軽量鉄骨構造のような比較的厚みが小さいフレーム面内でも好適に使用可能となる。
なお、剛性や減衰性能を上げるには山形の数を増やして幅方向へ広くする形状変更で対応できるため、厚み方向でのコンパクト化は損なわれない。
なお、剛性や減衰性能を上げるには山形の数を増やして幅方向へ広くする形状変更で対応できるため、厚み方向でのコンパクト化は損なわれない。
なお、上記形態では、二枚のプレートを重合させて粘弾性ダンパーを形成しているが、波形とした三枚以上のプレートを重合させて各プレート間に粘弾性体を介在させても差し支えない。また、立ち上げ部も、単純な突起としたり、端縁に沿って断続的に設けたりしてもよく、逆に立ち上げ部を省略することもできる。
さらに、波形の形状は、上記形態のような連続山形に限らず、図4に示す粘弾性ダンパー1aのような連続台形や四角形、図5に示す粘弾性ダンパー1bのような連続半円形等の他の形状も採用できる。勿論平坦部を挟んだ間欠的な波形も考えられ、波の数も適宜増減可能である。また、大きさが同じ波形に限らず、大小不規則に連続或いは断続する波形であっても良い。
加えて、波形はプレートの全長に亘って設ける必要はなく、少なくとも粘弾性体が接着される部分が波形形状であっても、剛性や減衰性能の向上は達成できる。
さらに、波形の形状は、上記形態のような連続山形に限らず、図4に示す粘弾性ダンパー1aのような連続台形や四角形、図5に示す粘弾性ダンパー1bのような連続半円形等の他の形状も採用できる。勿論平坦部を挟んだ間欠的な波形も考えられ、波の数も適宜増減可能である。また、大きさが同じ波形に限らず、大小不規則に連続或いは断続する波形であっても良い。
加えて、波形はプレートの全長に亘って設ける必要はなく、少なくとも粘弾性体が接着される部分が波形形状であっても、剛性や減衰性能の向上は達成できる。
一方、粘弾性ダンパーの端部の接合も、上記形態のような結合板の差し込みに限らず、図6に示すように、粘弾性ダンパー1の例えば第1プレート2の山形の稜線間に取付板19を溶接して、この取付板19を連結板やガセットプレートに結合したり、プレートの突出端部の表面に溶接等されたジョイント板にねじれを加えて連結板やガセットプレートに結合したり、連結板等をなくして突出端部を直接仕口部に溶接したり等、適宜変更可能である。
そして、軸組フレーム内での粘弾性ダンパーの架設形態も、上記Kブレース型に限定するものでなく、フレーム面全体内で対角線状に架設したり、仕口部の近傍で方杖状に架設したり、フレーム面の中央に配置した連結板と四隅の仕口部との間で4つの粘弾性ダンパーを放射状に架設したりしても良い。
そして、軸組フレーム内での粘弾性ダンパーの架設形態も、上記Kブレース型に限定するものでなく、フレーム面全体内で対角線状に架設したり、仕口部の近傍で方杖状に架設したり、フレーム面の中央に配置した連結板と四隅の仕口部との間で4つの粘弾性ダンパーを放射状に架設したりしても良い。
1,1a,1b・・粘弾性ダンパー、2・・第1プレート、3・・第2プレート、4・・粘弾性体、5・・立ち上げ部、10・・軸組フレーム、11,12・・柱、13・・横架材、14・・連結板、17・・スリット、18・・結合板。
Claims (1)
- 同一直線方向に配置されて互いに重合する複数のプレートと、そのプレート間にあって前記プレートとの対向面が夫々接着される粘弾性体とからなり、前記直線方向の一方側のプレートと他方側のプレートとの前記直線方向での相反する動作により、前記粘弾性体を剪断変形させて減衰作用を発現可能としたブレース型粘弾性ダンパーであって、
前記プレートにおける少なくとも前記粘弾性体の接着部分を、前記直線方向と直交する横断面が連続的或いは間欠的な波形となるように形成したことを特徴とするブレース型粘弾性ダンパー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005299304A JP2007107280A (ja) | 2005-10-13 | 2005-10-13 | ブレース型粘弾性ダンパー |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005299304A JP2007107280A (ja) | 2005-10-13 | 2005-10-13 | ブレース型粘弾性ダンパー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2007107280A true JP2007107280A (ja) | 2007-04-26 |
Family
ID=38033354
Family Applications (1)
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JP2005299304A Withdrawn JP2007107280A (ja) | 2005-10-13 | 2005-10-13 | ブレース型粘弾性ダンパー |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008150842A (ja) * | 2006-12-18 | 2008-07-03 | Daiwa House Ind Co Ltd | 座屈拘束ブレース |
CN114718979A (zh) * | 2022-03-25 | 2022-07-08 | 北京理工大学 | 多稳态可调的吸振装置及其制备方法 |
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2005
- 2005-10-13 JP JP2005299304A patent/JP2007107280A/ja not_active Withdrawn
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