本明細書で使用される「脂肪族」または「脂肪族基」という用語は、完全に飽和しているかまたは1つもしくはそれを超える不飽和単位を含有する直鎖(すなわち、非分枝鎖)もしくは分枝鎖の置換もしくは非置換炭化水素鎖、あるいは完全に飽和しているかまたは1つもしくはそれを超える不飽和単位を含有する単環式炭化水素もしくは二環式炭化水素であって、該分子の他の部分に対する単一の結合点を有する芳香族ではない単環式炭化水素または二環式炭化水素(本明細書では「炭素環」、「炭素環式」、「脂環式」または「シクロアルキル」とも称される)を意味する。特に指定がない限り、脂肪族基は、1〜6個の脂肪族炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、脂肪族基は、1〜5個の脂肪族炭素原子を含有する。他の実施形態では、脂肪族基は、1〜4個の脂肪族炭素原子を含有する。さらに他の実施形態では、脂肪族基は、1〜3個の脂肪族炭素原子を含有し、また他の実施形態では、脂肪族基は、1〜2個の脂肪族炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、「炭素環式」(または「脂環式」もしくは「炭素環」もしくは「シクロアルキル」)は、完全に飽和しているかまたは1つもしくはそれを超える不飽和単位を含有する単環式C3−C8炭化水素であって、該分子の他の部分に対する単一の結合点を有する芳香族ではない単環式C3−C8炭化水素を指す。適切な脂肪族基としては、限定されないが、直鎖または分枝鎖の置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル基およびそれらの組み合わせ、例えば(シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキルまたは(シクロアルキル)アルケニルが挙げられる。
「ヘテロ原子」という用語は、酸素、硫黄、窒素、リンまたはケイ素(窒素、硫黄、リンまたはケイ素の任意の酸化形態;任意の塩基性窒素の四級化形態;または、複素環の置換可能な窒素、例えばN(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルなどの)、NH(ピロリジニルなどの)またはNR+(N置換ピロリジニルなどの)を含む)の1個またはそれを超えるものを意味する。
「アルケニレン」という用語は、二価アルケニル基を指す。置換アルケニレン鎖は、少なくとも1つの二重結合を含有するポリメチレン基であって、1個またはそれを超える水素原子が置換基で置き換えられているポリメチレン基である。適切な置換基としては、置換脂肪族基について以下に記載されているものが挙げられる。
単独でまたは「アラルキル」、「アラルコキシ」もしくは「アリールオキシアルキル」などのより大きな部分の一部として使用される「アリール」という用語は、合計5〜14個の環員を有する単環系または二環系であって、該系中の少なくとも1個の環が芳香族であり、該系中の各環が3〜7個の環員を含有する単環系または二環系を指す。「アリール」という用語は、「アリール環」という用語と互換的に使用され得る。本発明の特定の実施形態では、「アリール」は、芳香環系を指し、例示的な基としては、1個またはそれを超える置換基を有し得るフェニル、ビフェニル、ナフチル、アントラシルなどが挙げられる。芳香環が1個またはそれを超える非芳香環、例えばインダニル、フタリミジル、ナフチミジル、フェナントリジニルまたはテトラヒドロナフチルと縮合している基もまた、本明細書で使用される場合、「アリール」という用語の範囲内に含まれる。
単独でまたはより大きな部分、例えば「ヘテロアラルキル」もしくは「ヘテロアラルコキシ」の一部として使用される「ヘテロアリール」および「ヘテロアリ−」という用語は、5〜10個の環原子、好ましくは5個、6個または9個の環原子を有する基であって、環配置中で共有された6個、10個または14個のπ電子を有し、炭素原子に加えて1〜5個のヘテロ原子を有する基を指す。「ヘテロ原子」という用語は、窒素、酸素または硫黄を指し、窒素または硫黄の任意の酸化形態および塩基性窒素の任意の四級化形態を含む。例示的なヘテロアリール基としては、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、プリニル、ナフチリジニルおよびプテリジニルが挙げられる。本明細書で使用される「ヘテロアリール」および「ヘテロアリ−」という用語はまた、複素芳香環が1個またはそれを超えるアリール環、脂環式環またはヘテロシクリル環と縮合している基であって、該ラジカルまたは結合点が該複素芳香環上にある基を含む。例示的な基としては、インドリル、イソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、4H−キノリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニルおよびピリド[2,3−b]−1,4−オキサジン−3(4Η)−オンが挙げられる。ヘテロアリール基は、単環式または二環式であり得る。「ヘテロアリール」という用語は、「ヘテロアリール環」、「ヘテロアリール基」または「複素芳香族」という用語(これらの用語はいずれも、場合により置換されている環を含む)と互換的に使用され得る。「ヘテロアラルキル」という用語は、ヘテロアリールで置換されているアルキル基であって、該アルキルおよびヘテロアリール部分が独立して場合により置換されているアルキル基を指す。
本明細書で使用される「複素環」、「ヘテロシクリル」、「複素環ラジカル」および「複素環式環」という用語は互換的に使用され、安定な5〜7員単環式または7〜10員二環式複素環部分であって、飽和しているかまたは部分的に不飽和であり、炭素原子に加えて1個またはそれを超える、好ましくは1〜4個の上記で定義されるヘテロ原子を有する安定な5〜7員単環式または7〜10員二環式複素環部分を指す。複素環の環原子に関して使用される場合、「窒素」という用語は、置換されている窒素を含む。例として、酸素、硫黄または窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有する飽和または部分不飽和環において、該窒素は、N(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルなど)、NH(ピロリジニルなど)または+NR(N置換ピロリジニルなど)であり得る。
複素環は、安定な構造をもたらす任意のヘテロ原子または炭素原子においてそのペンダント基に結合していてもよく、該環原子のいずれかは、場合により置換されていてもよい。このような飽和または部分不飽和複素環ラジカルの例としては、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニルピロリジニル、ピペリジニル、ピロリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ジアゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニル、モルホリニルおよびキヌクリジニルが挙げられる。「複素環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクリル環」、「複素環基」、「複素環部分」および「複素環ラジカル」という用語は、本明細書では互換的に使用され、ヘテロシクリル環が1個またはそれを超えるアリール環、ヘテロアリール環または脂環式環、例えばインドリニル、3H−インドリル、クロマニル、フェナントリジニルまたはテトラヒドロキノリニルと縮合している基であって、該ラジカルまたは結合点がヘテロシクリル環上にある基も含む。ヘテロシクリル基は、単環式または二環式であり得る。「ヘテロシクリルアルキル」という用語は、ヘテロシクリルで置換されているアルキル基であって、該アルキルおよびヘテロシクリル部分が独立して場合により置換されているアルキル基を指す。
本明細書で使用される「部分不飽和」という用語は、少なくとも1つの二重結合または三重結合を含む環部分を指す。「部分不飽和」という用語は、複数の不飽和部位を有する環を包含することを意図するが、本明細書で定義されるアリールまたはヘテロアリール部分を含まないことを意図する。
本明細書で使用される「薬学的に許容され得る塩」という用語は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴わずに、ヒトまたは下等動物の組織と接触させて使用するのに適切な塩であって、妥当なベネフィット/リスク比に相応する塩を指す。薬学的に許容され得る塩は、当技術分野で周知である。例えば、J.Pharmaceutical Sciences,1977,66,1−19(これは、参照により本明細書に組み込まれる)には、薬学的に許容され得る塩が詳細に記載されている。本発明の化合物の薬学的に許容され得る塩としては、適切な無機酸および無機塩基ならびに有機酸および有機塩基から誘導されるものが挙げられる。薬学的に許容され得る非毒性酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸などの無機酸を用いて、または酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸などの有機酸を用いて、またはイオン交換などの当技術分野で使用される他の方法を使用することによって形成されたアミノ基の塩である。他の薬学的に許容され得る塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモン酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。
特に言及がない限り、本明細書で示される構造はまた、該構造のすべての異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマーおよび幾何(または配座))形態;例えば、各不斉中心についてR型およびS型配置、Z型およびE型二重結合異性体ならびにZ型およびE型配座異性体を含むことを意味する。したがって、本発明の化合物の単一の立体化学異性体ならびにエナンチオマー、ジアステレオマーおよび幾何(または配座)混合物は、本発明の範囲内である。特に言及がない限り、本発明の化合物のすべての互変異性形態は、本発明の範囲内である。加えて、特に言及がない限り、本明細書で示される構造はまた、1個またはそれを超える同位体濃縮原子の存在の点でのみ異なる化合物を含むことを意味する。例えば、本構造を有する化合物であって、重水素もしくは三重水素による水素の置換、または13Cもしくは14C濃縮炭素による炭素の置換を含む化合物は、本発明の範囲内である。このような化合物は、例えば、分析ツールとして、生物学的アッセイにおけるプローブとして、または本発明の治療剤として有用である。特定の実施形態では、提供される化合物の弾頭部分環A(R2)(R3)は、1個またはそれを超える重水素原子を含む。
本発明によって想定される置換基および可変部の組み合わせは、安定な化合物の形成をもたらすもののみである。本明細書で使用される「安定な」という用語は、製造を可能にするために十分な安定性を有する化合物であって、本明細書に詳述される目的(例えば、被験体への治療的投与もしくは予防的投与)に有用であるために十分な期間にわたって該化合物の完全性を維持する化合物を指す。
本明細書における可変部の任意の定義における化学基の列挙の記載は、その可変部が、列挙されている基の任意の単一の基または組み合わせであるという定義を含む。本明細書における可変部の実施形態の記載は、その実施形態が、任意の単一の実施形態、または任意の他の実施形態もしくはその一部との組み合わせであることを含む。
本明細書で使用される「生物学的サンプル」という用語は、限定されないが、細胞培養物またはその抽出物;哺乳動物から得られた生検材料またはその抽出物;および血液、唾液、尿、糞便、精液、涙または他の体液またはそれらの抽出物である。生物学的サンプルにおけるプロテインキナーゼ、例えばMK2またはその突然変異体の活性の阻害は、当業者に公知の様々な目的に有用である。このような目的の例としては、限定されないが、輸血、臓器移植、生物標本の保存および生物学的アッセイが挙げられる。
本明細書で使用される「MK2に関連する疾患または障害」またはあるいは「MK2媒介性疾患または障害」は、MK2またはその突然変異体が役割を果たすことが公知であるかまたは疑われる任意の疾患または他の有害症状を意味する。
本明細書で使用される「被験体」という用語は、哺乳動物を意味し、ヒトおよび動物被験体、例えば家畜(例えば、ウマ、イヌ、ネコなど)を含む。「被験体」および「患者」という用語は、互換的に使用される。いくつかの実施形態では、「患者」または「被験体」は、動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを意味する。
「薬学的に許容され得る担体、アジュバントまたはビヒクル」という用語は、非毒性の担体、アジュバントまたはビヒクルであって、それと共に製剤化される化合物の薬理学的活性を破壊しない担体、アジュバントまたはビヒクルを指す。本発明の組成物において使用され得る薬学的に許容され得る担体、アジュバントまたはビヒクルとしては、限定されないが、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質、例えばヒト血清アルブミン、緩衝物質、例えばリン酸塩、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質、例えば硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が挙げられる。単一の剤形で組成物を生産するために担体材料と組み合わされ得る本発明の化合物の量は、処置される宿主、特定の投与様式などに応じて変動する。好ましくは、提供される組成物は、0.01〜約100mg/kg被験体体重/日または約0.1mg/kg被験体体重/日〜約50mg/kg被験体体重/日、好ましくは約1mg/kg被験体体重/日〜約25mg/kg被験体体重/日の投与量の阻害剤を、これらの組成物を受ける患者に投与して所望の治療効果を得ることができるように製剤化される。組成物中の本発明の化合物の量はまた、組成物中の特定の化合物に依存する。
本明細書で使用される「単位剤形」という表現は、処置すべき被験体に適切な提供される化合物および/またはその組成物の物理的に別個の単位を指す。しかしながら、活性薬剤(すなわち、本発明の化合物および組成物)の総1日使用量は、健全な医学的判断の範囲内で主治医によって決定されると理解される。任意の特定の被験体(すなわち、患者)または生物体のための特定の有効用量レベルは、処置される障害および障害の重症度;用いられる特定の活性薬剤の活性;用いられる特定の組成物;被験体の年齢、体重、一般健康、性別および食事;用いられる特定の活性薬剤の投与時間、投与経路および排泄速度;処置期間、ならびに医学分野で周知の同様の要因を含む様々な要因に依存する。
本明細書で使用される「非経口」という用語は、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑膜内、胸骨内、くも膜下腔内、肝内、病巣内および頭蓋内注射または注入技術を含む。
本明細書で使用される「治療有効量」は、所望の生物学的応答を引き起こす物質(例えば、治療剤、組成物および/または製剤)の量を意味する。いくつかの実施形態では、物質の治療有効量は、疾患、障害および/または症状を患っているかまたはこれらにかかりやすい被験体への投与レジメンの一環として投与した場合に、該疾患、障害および/または症状を処置し、診断し、予防しおよび/またはその発症を遅延させるために十分な量である。当業者によって理解されるように、物質の有効量は、所望の生物学的エンドポイント、送達すべき物質、標的細胞または組織などの要因に依存して変動し得る。例えば、疾患、障害および/または症状を処置するための製剤中の提供される化合物の有効量は、該疾患、障害および/または症状の1つまたはそれを超える症候または特徴を緩和し、改善し、軽減し、抑制し、予防し、その発症を遅延させ、その重症度を低減し、および/またはその発生を低減する量である。いくつかの実施形態では、「治療有効量」は、提供される化合物または提供される化合物を含有する組成物の少なくとも最小量であって、MK2媒介性疾患または障害の1つまたはそれを超える症候を処置するために十分な最小量である。
本明細書で使用される「処置」、「処置する」および「処置すること」という用語は、本明細書に記載される障害もしくは症状または該障害もしくは症状の1つもしくはそれを超える症候を部分的にまたは完全に緩和し、抑制し、その発症を遅延させ、予防し、改善し、および/または軽減することを指す。いくつかの実施形態では、処置は、1つまたはそれを超える症候が生じた後に施され得る。いくつかの実施形態では、「処置すること」という用語は、疾患または障害の進行を予防または停止することを含む。他の実施形態では、処置は、症候の非存在下で施され得る。例えば、処置は、症候の発症前に、感受性個体に施され得る(例えば、症候歴を考慮して、および/または遺伝因子もしくは他の感受性因子を考慮して)。処置はまた、症候が解消した後に、例えば、それらの再発を予防しまたは遅延させるために継続され得る。したがって、いくつかの実施形態では、「処置すること」という用語は、疾患または障害の再燃または再発を予防することを含む。
本明細書で使用される「阻害剤」という用語は、測定可能な親和性で標的プロテインキナーゼMK2に結合し、および/またはこれを阻害する化合物と定義される。特定の実施形態では、阻害剤は、約50μM未満、約1μM未満、約500nM未満、約100nM未満または約10nM未満のIC50および/または結合定数を有する。
本明細書で使用される「測定可能な親和性」および「測定可能に阻害する」という用語は、本発明の化合物またはその組成物およびMK2を含むサンプルと、前記化合物またはその組成物の非存在下でMK2を含む同等サンプルとの間のMK2活性の測定可能な変化を意味する。
本明細書で使用される「不可逆的」または「不可逆的阻害剤」という用語は、キナーゼに実質的に非可逆的に共有結合することができる阻害剤(すなわち、化合物)を指す。すなわち、可逆的阻害剤は、キナーゼに結合することができる(しかし一般には、共有結合を形成することができない)ので、キナーゼから解離され得るのに対して、不可逆的阻害剤は、共有結合が生じたら、キナーゼに実質的に結合した状態であり続ける。不可逆的阻害剤は、通常、時間依存性を示し、それにより、該阻害剤が酵素と接触している時間と共に、阻害の程度が増加する。特定の実施形態では、不可逆的阻害剤は、共有結合の形成が生じたら、キナーゼに実質的に結合した状態であり続け、該タンパク質の寿命よりも長い期間にわたって、結合した状態であり続ける。
化合物が不可逆的阻害剤として作用するかを確認するための方法は、当業者に公知である。このような方法としては、限定されないが、キナーゼによる化合物の阻害プロファイルの酵素動態分析、阻害剤化合物の存在下で改変されたタンパク質薬物標的の質量分析の使用、「ウォッシュアウト」実験としても公知の不連続曝露、および酵素の共有結合的改変を示すための放射性標識阻害剤などの標識の使用、ならびに当業者に公知の他の方法が挙げられる。
本明細書で使用される「薬剤耐性」という用語は、標的タンパク質および/または標的タンパク質のアミノ酸配列および/または別のタンパク質のアミノ酸配列をコードする野生型核酸配列の変化であって、標的タンパク質に対する阻害剤の阻害効果を減少させるかまたは無効化する変化を指す。いかなる特定の理論にも束縛されないが、本発明の特定の化合物(すなわち、不可逆的キナーゼ阻害剤である化合物)は、薬剤耐性形態のプロテインキナーゼの有効な阻害剤であり得ると考えられる。
特定の実施形態では、本発明の化合物は、化合物がMK2の標的Cys140を共有結合的に改変し、それにより、キナーゼを不可逆的に阻害することを特徴とする反応性部分を含む。
したがって、いくつかの実施形態では、提供されるMK2阻害剤化合物上に存在する反応性部分は、システイン残基に共有結合し、それにより、酵素を不可逆的に阻害することができる。いくつかの実施形態では、システイン残基は、MK2のCys140である。当業者は、本明細書で定義される様々な反応性部分がこのような共有結合に適切であることを認識する。このような反応性部分としては、限定されないが、本明細書に記載されるものおよび以下に示されているものが挙げられる。
上記で一般に定義されているように、環Aは、フェニル、または1〜3個の窒素を有する5〜6員ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、環Aは、フェニル、または1〜3個の窒素を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、または窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する8〜14員二環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、環Aは、フェニルである。いくつかの実施形態では、環Aは、1〜3個の窒素を有する5〜6員ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、環Aは、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する8〜14二環式ヘテロアリール環である。
いくつかの実施形態では、環Aは、1〜3個の窒素を有する5〜6員ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、環Aは、1〜3個の窒素を有する5員ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、環Aは、1〜3個の窒素を有する6員ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、環Aは、ピリジルである。いくつかの実施形態では、環Aは、ピリミジニルである。いくつかの実施形態では、環Aは、ピリダジニルである。いくつかの実施形態では、環Aは、ピラジニルである。いくつかの実施形態では、環Aは、トリアジニルである。
いくつかの実施形態では、Cyは、場合により置換されている3〜9員飽和または部分不飽和炭素環である。いくつかの実施形態では、Cyは、場合により置換されている3〜7員飽和または部分不飽和炭素環である。いくつかの実施形態では、Cyは、場合により置換されている3〜7員飽和炭素環である。いくつかの実施形態では、Cyは、場合により置換されているシクロプロピルまたはシクロヘキシル環である。
いくつかの実施形態では、Cyは、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する場合により置換されている3〜9員飽和または部分不飽和複素環である。いくつかの実施形態では、Cyは、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する場合により置換されている3〜7員飽和または部分不飽和複素環である。いくつかの実施形態では、Cyは、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する場合により置換されている5〜6員飽和または部分不飽和単環式複素環である。
いくつかの実施形態では、Cyは、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する場合により置換されている4〜6員飽和複素環である。いくつかの実施形態では、Cyは、窒素、酸素および硫黄から選択される1個のヘテロ原子を有する場合により置換されている4員飽和複素環である。いくつかの実施形態では、Cyは、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する場合により置換されている5員飽和複素環である。いくつかの実施形態では、Cyは、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する場合により置換されている6員飽和複素環である。特定の実施形態では、Cyは、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、ピペラジニルおよびモルホリニルから選択される場合により置換されている基である。
いくつかの実施形態では、Cyは、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する場合により置換されている3〜7員部分不飽和複素環である。いくつかのこのような実施形態では、Cyは、3,6−ジヒドロ−2H−ピラニルまたは1,2,3,6−テトラヒドロピリジニルである。
いくつかの実施形態では、Cyは、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する場合により置換されている5〜6員ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Cyは、場合により置換されているピリジルである。
上記で一般に定義されているように、mおよびnはそれぞれ独立して、0〜4である。いくつかの実施形態では、mは、1〜2である。いくつかの実施形態では、mは、1である。いくつかの実施形態では、mは、2である。いくつかの実施形態では、nは、1〜2である。いくつかの実施形態では、nは、1である。いくつかの実施形態では、nは、2である。
特定の実施形態では、本発明は、式I〜VIのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、式VII〜XIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、式II、IIIまたはIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、式II、IIIまたはVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、式II、IVまたはVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、式III、IVまたはVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、式III、IVまたはVIのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、式III、VまたはVIのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、式VII、VIII、IX、X、XII、XIIIまたはXIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、式VII、VIII、IX、XII、XIIIまたはXIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、式VII、IX、XII、XIIIまたはXIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、式VIII、X、XIまたはXIIIのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、式XXまたはXXIのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、式XVIIまたはXVIIIのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、式XXVまたはXXVIのいずれか1つの化合物を提供する。
特定の実施形態では、本発明は、Tが−O−である式I〜XXVIのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが−O−である式I〜XIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが−O−である式I〜VIのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが−O−である式VII〜XIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが−O−である式II、IIIまたはIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが−O−である式II、IIIまたはVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが−O−である式II、IVまたはVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが−O−である式III、IVまたはVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが−O−である式III、IVまたはVIのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが−O−である式III、VまたはVIのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが−O−である式VII、VIII、IX、X、XII、XIIIまたはXIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが−O−である式VII、VIII、IX、XII、XIIIまたはXIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが−O−である式VII、IX、XII、XIIIまたはXIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが−O−である式VIII、X、XIまたはXIIIのいずれか1つの化合物を提供する。
特定の実施形態では、本発明は、Tが−NH−である式I〜XXVIのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが−NH−である式I〜XIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが−NH−である式I〜VIのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが−NH−である式VII〜XIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが−NH−である式II、IIIまたはIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが−NH−である式II、IIIまたはVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが−NH−である式II、IVまたはVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが−NH−である式III、IVまたはVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが−NH−である式III、IVまたはVIのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが−NH−である式III、VまたはVIのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが−NH−である式VII、VIII、IX、X、XII、XIIIまたはXIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが−NH−である式VII、VIII、IX、XII、XIIIまたはXIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが−NH−である式VII、IX、XII、XIIIまたはXIVのいずれか1つの化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、Tが−NH−である式VIII、X、XIまたはXIIIのいずれか1つの化合物を提供する。
本発明の方法によれば、化合物および組成物は、本明細書で提供される障害(すなわち、MK2媒介性疾患または障害)を処置し、またはその重症度を軽減するのに有効な任意の量および任意の投与経路を使用して投与される。必要とされる正確な量は、被験体の種、年齢および一般状態、感染の重症度、特定の薬剤、その投与様式などに応じて、被験体ごとに変動する。本発明の化合物は、好ましくは、投与の容易性および投与量の均一性のために、単位剤形で製剤化される。
本発明の組成物は、経口的に、非経口的に、吸入スプレーによって、局所的に、直腸的に、経鼻的に、口腔的に、膣内的に、腹腔内的に、嚢内的に、または埋め込み型リザーバーを介して投与され得る。いくつかの実施形態では、組成物は、経口的に、腹腔内的にまたは静脈内的に投与される。
本発明の組成物の滅菌注射用形態は、水性または油性の懸濁液であり得る。これらの懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用して、当技術分野で公知の技術にしたがって製剤化され得る。滅菌注射用調製物はまた、非毒性の非経口的に許容され得る希釈剤もしくは溶媒中の滅菌注射溶液または懸濁液、例えば1,3−ブタンジオール溶液であり得る。用いられ得る許容され得るビヒクルおよび溶媒には、水、リンガー溶液および等張性塩化ナトリウム溶液がある。加えて、滅菌固定油は、溶媒または懸濁媒体として慣用的に使用される。
この目的のために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意の滅菌固定油が使用され得る。オリーブ油またはヒマシ油などの天然の薬学的に許容され得る油(特に、それらのポリオキシエチル化バージョン)のように、オレイン酸およびそのグリセリド誘導体などの脂肪酸は、注射剤の調製に有用である。これらの油性溶液または懸濁液はまた、カルボキシメチルセルロース、またはエマルジョンおよび懸濁液を含む薬学的に許容され得る剤形の調製において通常使用される同様の分散剤などの長鎖アルコール希釈剤または分散剤を含有し得る。Tween、Spanなどの他の通常使用される界面活性剤、および薬学的に許容され得る固体、液体または他の剤形の製造において通常使用される他の乳化剤またはバイオアベイラビリティ増進剤もまた、製剤化のために使用され得る。
注射用製剤は、例えば、細菌保持フィルタに通してろ過することによって、または使用前に滅菌水もしくは他の滅菌注射用媒体に溶解もしくは分散され得る滅菌固体組成物の形態の滅菌剤を組み込むことによって滅菌され得る。
本発明の化合物の効果を持続させるために、皮下注射または筋肉内注射による化合物の吸収を遅らせることが多くの場合に望ましい。これは、難水溶性の結晶質または非晶質の液体懸濁液を使用することによって達成され得る。このため、化合物の吸収速度は、その溶解速度(今度はこれが、結晶サイズまたは結晶形態に依存し得る)に依存する。あるいは、非経口投与された化合物形態の吸収の遅延は、該化合物を油性ビヒクルに溶解または懸濁することによって達成される。注射用デポー形態は、ポリラクチド−ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中で、化合物のマイクロカプセルマトリックスを形成することによって作製される。化合物とポリマーとの比、および用いられる特定のポリマーの性質に応じて、化合物の放出速度が制御され得る。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ(酸無水物)が挙げられる。デポー注射用製剤はまた、体組織と適合性のリポソームまたはマイクロエマルジョン中に化合物を取り込むことによって調製される。
いくつかの実施形態では、提供される薬学的に許容され得る組成物は、経口投与のために製剤化される。このような製剤は、食物と共にまたは食物なしで投与され得る。いくつかの実施形態では、本発明の薬学的に許容され得る組成物は、食物なしで投与される。他の実施形態では、本発明の薬学的に許容され得る組成物は、食物と共に投与される。本発明の薬学的に許容され得る組成物は、限定されないが、カプセル、錠剤、水性懸濁液または溶液を含む任意の経口的に許容され得る剤形で経口投与され得る。経口使用のための錠剤の場合、通常使用される担体としては、ラクトースおよびトウモロコシデンプンが挙げられる。ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤も典型的に追加される。カプセル形態の経口投与の場合、有用な希釈剤としては、ラクトースおよび乾燥トウモロコシデンプンが挙げられる。水性懸濁液が経口使用に必要である場合、活性成分を乳化剤および懸濁化剤と混合する。所望により、特定の甘味剤、香味剤または着色剤もまた、追加され得る。
経口投与のための固体剤形としては、カプセル、錠剤、丸薬、粉末および顆粒剤が挙げられる。このような固体剤形では、活性化合物は、少なくとも1つの不活性な薬学的に許容され得る賦形剤もしくは担体、例えばクエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウム、ならびに/またはa)充填剤または増量剤、例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸、b)結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロースおよびアカシアなど、c)保湿剤、例えばグリセロール、d)崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩および炭酸ナトリウム、e)溶解遅延剤、例えばパラフィン、f)吸収促進剤、例えば第四級アンモニウム化合物、g)湿潤剤、例えばセチルアルコールおよびグリセロールモノステアレートなど、h)吸収剤、例えばカオリンおよびベントナイト粘土、ならびに/または、i)潤滑剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムおよびそれらの混合物と混合される。カプセル、錠剤および丸薬の場合、剤形はまた、緩衝剤を含み得る。
同様の種類の固体組成物もまた、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使用して、ソフトゼラチンカプセルおよびハードゼラチンカプセル中の充填剤として用いられ得る。固体剤形の錠剤、糖衣錠、カプセル、丸薬および顆粒剤は、腸溶コーティングおよび医薬製剤分野で周知の他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを用いて調製され得る。それらは、乳白剤を場合により含有し得、活性成分のみを放出するか、または場合により徐々に腸管の特定部分において優先的に活性成分を放出する組成物でもあり得る。使用され得る埋め込み型組成物の例としては、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。同様の種類の固体組成物もまた、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使用して、ソフトゼラチンカプセルおよびハードゼラチンカプセル中の充填剤として用いられ得る。
活性化合物はまた、1つまたはそれを超える上記賦形剤と共にマイクロカプセル化され得る。固体剤形の錠剤、糖衣錠、カプセル、丸薬および顆粒剤は、腸溶コーティング、放出制御コーティングおよび医薬製剤分野で周知の他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを用いて調製され得る。このような固体剤形では、活性化合物は、少なくとも1つの不活性希釈剤、例えばスクロース、ラクトースまたはデンプンと混合され得る。このような剤形はまた、通常の慣行のように、不活性希釈剤以外のさらなる物質、例えば錠剤化用潤滑剤および他の錠剤化用助剤、例えばステアリン酸マグネシウムや微結晶性セルロースを含み得る。カプセル、錠剤および丸薬の場合、剤形はまた、緩衝剤を含み得る。それらは、乳白剤を場合により含有し得、活性成分のみを放出するか、または場合により徐々に腸管の特定部分において優先的に活性成分を放出する組成物でもあり得る。使用され得る埋め込み型組成物の例としては、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。
経口投与のための液体剤形としては、限定されないが、薬学的に許容され得るエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシル剤が挙げられる。活性化合物に加えて、液体剤形は、当技術分野で通常使用される不活性希釈剤、例えば水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、オイル(特に、綿実油、ラッカセイ油、コーンオイル、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステルならびにそれらの混合物などを含有し得る。不活性希釈剤の他に、経口組成物はまた、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味剤、香味剤ならびに芳香剤などのアジュバントを含み得る。
あるいは、本発明の薬学的に許容され得る組成物は、直腸投与のための坐薬の形態で投与され得る。これらは、薬剤と、室温では固体であるが直腸温度では液体である適切な非刺激性賦形剤であって、したがって直腸内で溶融して薬物を放出するであろう適切な非刺激性賦形剤とを混合することによって調製され得る。このような材料としては、ココアバター、蜜ろうおよびポリエチレングリコールが挙げられる。
直腸投与または経膣投与のための組成物は、好ましくは坐薬であり、本発明の化合物と、周囲温度では固体であるが体温では液体である適切な非刺激性賦形剤または担体であって、したがって直腸または膣腔内で溶融して活性化合物を放出する適切な非刺激性賦形剤または担体(例えば、ココアバター、ポリエチレングリコールまたは坐薬用ワックス)とを混合することによって調製され得る。
本発明の薬学的に許容され得る組成物はまた、特に、処置の標的が、局所適用によって容易にアクセス可能な領域または器官(眼、皮膚または下部腸管の疾患を含む)を含む場合には、局所投与され得る。これらの各領域または器官について、適切な局所製剤が容易に調製される。
局所適用の場合、提供される薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超える担体に懸濁または溶解された活性成分を含有する適切な軟膏で製剤化され得る。本発明の化合物の局所投与のための担体としては、限定されないが、鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ろうおよび水が挙げられる。あるいは、提供される薬学的に許容され得る組成物は、1つまたはそれを超える薬学的に許容され得る担体に懸濁または溶解された活性成分を含有する適切なローションまたはクリームで製剤化され得る。適切な担体としては、限定されないが、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水が挙げられる。
眼科使用の場合、提供される薬学的に許容され得る組成物は、塩化ベンジルアルコニウムなどの保存剤の有無にかかわらず、等張性pH調整滅菌食塩水で微粉化懸濁液として、または好ましくは等張性pH調整滅菌食塩水で溶液として製剤化され得る。あるいは、眼科使用の場合、薬学的に許容され得る組成物は、ワセリンなどの軟膏で製剤化され得る。
本発明の薬学的に許容され得る組成物はまた、鼻エアロゾルまたは吸入によって投与され得る。このような組成物は、医薬製剤分野で周知の技術にしたがって調製され、ベンジルアルコールまたは他の適切な保存剤、バイオアベイラビリティを増強する吸収促進剤、フルオロカーボンおよび/または他の慣用的な可溶化剤もしくは分散剤を用いて、食塩水で溶液として調製され得る。
本発明の化合物の局所投与または経皮投与のための剤形は、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、噴霧剤、吸入剤またはパッチを含む。活性成分は、無菌条件下で、薬学的に許容され得る担体、および必要な場合には任意の必要な保存剤または緩衝剤と混合される。眼科製剤、点耳剤および点眼剤もまた企図され、本発明の範囲内である。加えて、本発明は、身体への化合物の制御放出を提供するという追加の利点を有する経皮パッチの使用を企図する。このような剤形は、化合物を適切な媒体に溶解または分散することによって作製され得る。吸収促進剤もまた、皮膚を通過する化合物のフラックスを増加させるために使用され得る。速度は、速度制御膜を提供することによって、または化合物をポリマーマトリックスもしくはゲルに分散することによって制御され得る。
本発明において利用される化合物の、MK2キナーゼまたはその突然変異体の阻害剤としての活性は、インビトロで、インビボで、または細胞株においてアッセイされ得る。インビトロアッセイとしては、活性化MK2キナーゼまたはその突然変異体のリン酸化活性および/もしくはその後の機能的結果またはATPase活性のいずれかの阻害を決定するアッセイが挙げられる。別のインビトロアッセイは、試験化合物がMK2に結合する能力を定量する。阻害剤の結合は、結合前に試験化合物を放射性標識し、該試験化合物/MK2複合体を単離し、結合した放射性標識の量を決定することによって測定され得る。あるいは、阻害剤の結合は、公知の放射性リガンドに結合したMK2キナーゼと共に試験化合物をインキュベートする競合実験を行うことによって決定され得る。MK2またはその突然変異体の阻害剤として本発明において利用される化合物をアッセイするための詳細な条件は、以下の実施例に示されている。
一実施形態によれば、本発明は、生物学的サンプルにおけるプロテインキナーゼの活性を阻害する方法であって、前記生物学的サンプルを、本発明の化合物または前記化合物を含む組成物と接触させる工程を含む方法に関する。
別の実施形態によれば、本発明は、生物学的サンプルにおけるMK2キナーゼまたはその突然変異体の活性を阻害する方法であって、前記生物学的サンプルを、本発明の化合物または前記化合物を含む組成物と接触させる工程を含む方法に関する。特定の実施形態では、本発明は、生物学的サンプルにおけるMK2キナーゼまたはその突然変異体の活性を不可逆的に阻害する方法であって、前記生物学的サンプルを、本発明の化合物または前記化合物を含む組成物と接触させる工程を含む方法に関する。
別の実施形態によれば、本発明は、患者におけるMK2キナーゼまたはその突然変異体の活性を阻害する方法であって、本発明の化合物または前記化合物を含む組成物を前記患者に投与する工程を含む方法に関する。特定の実施形態によれば、本発明は、患者におけるMK2キナーゼまたはその突然変異体の活性を不可逆的に阻害する方法であって、本発明の化合物または前記化合物を含む組成物を前記患者に投与する工程を含む方法に関する。他の実施形態では、本発明は、MK2媒介性疾患または障害の処置を必要とする患者におけるMK2媒介性疾患または障害を処置するための方法であって、本発明の化合物またはその薬学的に許容され得る組成物を前記患者に投与する工程を含む方法を提供する。このような障害は、本明細書に詳細に記載されている。
MK2は、N末端プロリンリッチドメイン、触媒ドメイン、自己阻害ドメインならびにC末端の核外輸送シグナル(NES)および核局在シグナル(NLS)からなるマルチドメインタンパク質である。ヒトMK2の2つのアイソフォームが特性評価されている。一方のアイソフォームは400個のアミノ酸からなり、他方のアイソフォームは370個の残基からなり、これは、C末端NLSを欠くスプライス変異体であると考えられる。MK2は、細胞の核内に位置し、p38が結合してリン酸化されると、MK2 NESは機能的になり、両キナーゼが、細胞質の核から同時に輸送される。興味深いことに、活性部位突然変異体であるAsp207Alaは依然として細胞質に輸送されるので、MK2/p38複合体の輸送は、触媒的に活性なMK2を必要としない。p38による残基T222、S272およびT334におけるヒトMK2のリン酸化は、自己阻害ドメインのコンホメーション変化を誘導して、基質結合の活性部位を露出させることによって、酵素を活性化すると考えられる。マウスMK2における2つの自己阻害ドメイン残基W332AおよびK326Eの突然変異は、基礎活性の増加を実証し、自己阻害ドメインのC末端欠失は、酵素を構成的に活性にして、MK2活性の阻害におけるこのドメインの役割についてのさらなる証拠を提供する。
MK2に関連する疾患または障害であって、本発明の化合物によって処置される疾患または障害としては、自己免疫障害、慢性炎症性障害、急性炎症性障害、自己炎症性障害、線維性障害、代謝障害、新生物または心血管もしくは脳血管障害が挙げられる。したがって、いくつかの実施形態では、本発明は、MK2媒介性疾患または障害の処置を必要とする患者におけるMK2媒介性疾患または障害を処置するための方法であって、治療有効量の提供される化合物またはその組成物を前記患者に投与することを含む方法を提供する。このようなMK2媒介性疾患または障害としては、限定されないが、本明細書に記載されるものが挙げられる。
いくつかの実施形態では、MK2媒介性疾患または障害は、自己免疫障害、慢性および/もしくは急性炎症性障害ならびに/または自己炎症性障害である。例示的な自己免疫および/または炎症性および/または自己炎症性障害としては、炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎またはクローン病)、多発性硬化症、乾癬、関節炎、関節リウマチ、変形性関節症、若年性関節炎、乾癬性関節炎、反応性関節炎、強直性脊椎炎、クリオピリン関連周期性症候群、マックル・ウェルズ症候群、家族性寒冷自己炎症症候群、新生児発症性多系統炎症性疾患、TNF受容体関連周期性症候群(synderome)、急性および慢性膵炎、アテローム性動脈硬化症、痛風、強直性脊椎炎、線維性障害(例えば、肝線維症または特発性肺線維症)、腎症、サルコイドーシス、強皮症、過敏症、糖尿病(例えば、1型真性糖尿病または2型真性糖尿病)、糖尿病性網膜症、スティル病、血管炎、サルコイドーシス、肺炎症、急性呼吸窮迫症候群、湿潤および乾式加齢性黄斑変性、自己免疫溶血性症候群、自己免疫性および炎症性肝炎、自己免疫性神経障害、自己免疫性卵巣不全、自己免疫性精巣炎、自己免疫性血小板減少症、シリコーンインプラント関連自己免疫疾患、シェーグレン症候群、家族性地中海熱、全身性エリテマトーデス、血管炎症候群(例えば、側頭動脈炎、高安動脈炎および巨細胞性動脈炎、ベーチェット病またはウェゲナー肉芽腫症)、白斑、自己免疫疾患の二次血液学的兆候(例えば、貧血)、薬物誘発性自己免疫、橋本甲状腺炎、下垂体炎、特発性血小板減少性紫斑病、金属誘発性自己免疫、重症筋無力症、天疱瘡、自己免疫性難聴(例えば、メニエール病)、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、HW関連自己免疫症候群、グラン・バレー病、アディソン病、抗リン脂質症候群、喘息、アトピー性皮膚炎、セリアック病、クッシング症候群、皮膚筋炎、特発性副腎萎縮症(idiopathic adrenal adrenal atrophy)、特発性血小板減少症、川崎症候群、ランバート・イートン症候群、悪性貧血、花粉症結節性多発動脈炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、レイノー症候群、ライター症候群、再発性多発性軟骨炎、シュミット症候群、甲状腺機能亢進症、敗血症、敗血症性ショック、内毒素性ショック、外毒素誘発性毒性ショック、グラム陰性敗血症、毒性ショック症候群、糸球体腎炎、腹膜炎、間質性膀胱炎、高酸素誘発性炎症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、血管炎、移植片対宿主反応(例えば、移植片対宿主病)、同種移植片拒絶(例えば、急性同種移植片拒絶または慢性同種移植片拒絶)、早期移植拒絶(例えば、急性同種移植片拒絶)、再灌流傷害、疼痛(例えば、急性疼痛、慢性疼痛、神経因性疼痛または線維筋痛)、慢性感染症、髄膜炎、脳炎、心筋炎、歯肉炎、手術後外傷、組織損傷、外傷性脳損傷、全腸炎、副鼻腔炎、ブドウ膜炎、眼炎症、視神経炎、胃潰瘍、食道炎、腹膜炎、歯周炎、皮膚筋炎、胃炎、筋炎、多発筋痛、肺炎ならびに気管支炎が挙げられる。
いくつかの実施形態では、MK2媒介性疾患または障害は、線維性障害である。例示的な線維性障害としては、全身性硬化症/強皮症、ループス腎炎、結合組織疾患、創傷治癒、外科的瘢痕、脊髄損傷、CNS瘢痕、急性肺傷害、肺線維症(例えば、特発性肺線維症または嚢胞性線維症)、慢性閉塞性肺疾患、成人呼吸窮迫症候群、急性肺傷害、薬物誘発性肺傷害、糸球体腎炎、慢性腎臓病(例えば、糖尿病性腎症)、高血圧誘発性腎症、消化管または胃腸線維症、腎線維症、肝臓または胆道線維症、肝線維症(例えば、非アルコール性脂肪性肝炎、C型肝炎または肝細胞癌腫)、肝硬変(例えば、原発性胆汁性肝硬変または脂肪肝疾患による肝硬変(例えば、アルコール性および非アルコール性脂肪症による肝硬変))、放射線誘発性線維症(例えば、頭頸部、胃腸または肺)、原発性硬化性胆管炎、再狭窄、心筋線維症(例えば、心内膜心筋線維症または心房線維症)、眼瘢痕、線維性硬化症、線維性癌、子宮筋腫、線維腫、線維腺腫、線維肉腫、移植動脈症、ケロイド、縦隔線維症、骨髄線維症、後腹膜線維症、進行性巨大線維症および腎性全身性線維症が挙げられる。
いくつかの実施形態では、MK2媒介性疾患または障害は、代謝障害である。例示的な代謝障害としては、肥満症、ステロイド耐性、耐糖能異常およびメタボリックシンドロームが挙げられる。
いくつかの実施形態では、MK2媒介性疾患または障害は、新生物である。例示的な新生物としては、癌が挙げられる。いくつかの実施形態では、例示的な新生物としては、血管新生障害、多発性骨髄腫、白血病(例えば、急性リンパ球性白血病、急性および慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性リンパ芽球性白血病または前骨髄球性白血病)、リンパ腫(例えば、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、ヘアリー細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、マスト細胞腫瘍、ホジキン病または非ホジキン病)、骨髄異形成症候群、線維肉腫、横紋筋肉腫;星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫および神経鞘腫、メラノーマ、セミノーマ、奇形癌腫、骨肉腫、色素性乾皮症(xenoderma pigmentosum)、角化棘細胞腫(keratoctanthoma)、甲状腺濾胞癌、カポジ肉腫、メラノーマ、奇形腫、横紋筋肉腫、転移および骨障害、ならびに骨、口/咽頭、食道、喉頭、胃、腸、結腸、直腸、肺(例えば、非小細胞肺癌または小細胞肺癌)、肝臓、膵臓、神経、脳(例えば、神経膠腫および多形神経膠芽細胞腫)、頭頸部、喉、卵巣、子宮、前立腺、精巣、膀胱、腎臓、乳房、胆嚢、子宮頚部、甲状腺、前立腺ならびに皮膚の癌が挙げられる。
いくつかの実施形態では、MK2媒介性障害は、心血管または脳血管障害である。例示的な心血管障害としては、アテローム性動脈硬化症、アテローム性冠動脈の再狭窄、急性冠動脈症候群、心筋梗塞、心臓同種移植片血管症および卒中が挙げられる。例示的な脳血管疾患としては、炎症またはアポトーシス成分を伴う中枢神経系障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、脊髄損傷、神経虚血および末梢神経障害が挙げられる。
例示
以下の実施例に示されているように、特定の例示的な実施形態では、以下の一般的な手順にしたがって、化合物を調製する。一般的な方法は、本発明の特定の化合物の合成を示すが、以下の一般的な方法および当業者に公知の他の方法は、本明細書に記載されるすべての化合物およびこれらの各化合物のサブクラスおよび種に適用され得ると理解される。
本発明のエナンチオ濃縮化合物を、キラル出発物質を使用してエナンチオ濃縮形態で調製し、またはラセミ体出発物質との反応後にキラルクロマトグラフィーを使用して分離した。ラセミ体またはジアステレオマー混合物として調製した化合物について、キラル出発物質を用いることによって、またはキラルクロマトグラフィーを実施することによって、単一の異性体を光学的に純粋な形態で調製し得る。
以下の例示的な実施例では、特に言及がない限り、反応を、18〜25℃の範囲内の室温または周囲温度で行った。有機溶液を無水硫酸マグネシウムまたは硫酸ナトリウムで脱水し、溶媒の蒸発を、ロータリーエバポレーターを使用して減圧下で行った。一般に、反応の経過をTLCまたはLCMSよって追跡し、反応時間は代表的なものである。収率は例示のためにのみ示されており、必ずしも入念なプロセス開発によって得られ得るものではない。
Biotage Explorer反応マイクロ波システムによって、マイクロ波反応を実施した。1H NMRデータは、テトラメチルシラン(TMS)または残留溶媒に対する百万分率(ppm)で示される主要診断プロトンのδ値である。1H NMRスペクトルは、400MHzで決定した。溶媒比は、体積:体積(v/v)ベースで示されている。質量スペクトル(MS)データは、LCMSシステムで生成し、HPLCのコンポーネントは、一般に、AgilentまたはShimadzu LCMS−2020機器のいずれかを含み、酸性溶離液で溶出する(例えば、0.1%ギ酸またはトリフルオロ酢酸を含む0%〜95%水/アセトニトリルの勾配を使用)Sepax BR−C18(4.6×50mm,3μm)カラムなどで実行した。クロマトグラムは、エレクトロスプレー(ESI)ポジティブ、ネガティブおよび/またはUVであった。全体を通して一般に、m/zのLCMS値を提供し、親質量を示すイオンのみを報告する。特に言及がない限り、示されている値は、陽イオンモードの(M+H)または(M+1)である。分取HPLCは、溶離液として極性混合物を漸減的に、例えば、1%トリフルオロ酢酸を含有する水およびアセトニトリルの極性混合物を漸減的に使用して、C18逆相シリカで実施した。
エナンチオ濃縮中間体および最終化合物は、市販のキラル材料を使用して合成し、記録された立体化学は絶対であった。特に指定がない限り、出発物質は、市販のものであったか、または公知の方法にしたがって合成したものであった。
実施例で利用されている化合物番号は、前掲の表1に示されている化合物番号に対応する。
共通の中間体の合成
スキーム1A
S1−工程1:6−アミノキノリン−5−カルボニトリル(S1−2)の合成
6−ニトロキノリン(100g、0.57mol)のジメチルホルムアミド(1L)溶液に、水酸化カリウム(96.4g、1.7mol)およびシアノ酢酸エチル(183.3mL、1.7mmol)を追加し、反応物を室温で48時間撹拌した。完了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残留物に、30%HCl(1.0L)を追加し、100℃で3時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、2N水酸化ナトリウム(800g)溶液で塩基性化し、固体が形成された。固体をろ過し、水で洗浄した。次いで、それを、20容量の酢酸エチルによって溶解し、60℃に加熱し、木炭(20.0g)で1時間処理した。反応混合物をセライトでろ過し、減圧下で濃縮した。得られた黄色の固体を乾燥して、表題化合物S1−2(55.0g、56%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 6.84 (br s, 2H), 7.26 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 7.51 (dd, J =
4.2 Hz, 8.3 Hz, 1H), 7.90 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 8.03 (d, J =8.3
Hz, 1H), 8.60 (d, J= 4.2 Hz, 1H). MS m/z (M+H): 170.1.
S1−工程2:6−ブロモキノリン−5−カルボニトリル(S1−3)の合成
6−アミノキノリン−5−カルボニトリル(S1−2)(55.0g、325mmol)のアセトニトリル(1.3L)溶液に、tert−亜硝酸ブチル(102mL、858.5mmol)を0℃で追加した。得られた反応混合物を0℃で1時間撹拌した。次いで、臭化銅(II)(115g、520mmol)を0℃で追加し、撹拌し、次いで、12時間かけて60℃に加温した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、水(2.5L)を追加した。この混合物を、2%クロロホルムのメタノール(2.5L)溶液で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。濃縮中に形成された固体をろ過し、乾燥して、褐色の固体として表題化合物S1−3(45.0g、62%)を得た。
1H
NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 7.85 (dd, J = 4.2 Hz, 8.5 Hz, 1H), 8.15 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 8.28 (d, J =9.0 Hz, 1H), 8.48 (d, J= 8.5
Hz, 1H), 9.10 (d, J =3.6 Hz, 1H). MS m/z (M+H): 233.2.
S1−工程3:メチル1−アミノチエノ[3,2−f]キノリン−2−カルボキシレート(S1−4)の合成
6−ブロモキノリン−5−カルボニトリル(S1−3)(45.0g、193mmol)のメタノール(500mL)溶液に、ナトリウムメトキシド(20.8g、386mmol)を追加し、続いて、チオグリコール酸メチル(30.7g、289.6mmol)を室温で追加した。得られた反応混合物を90℃で4時間撹拌した。完了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残留物を水で希釈し、室温で15分間撹拌し、その後、固体が形成された。固体をろ過し、乾燥して、黄色の固体として表題化合物S1−4(40g、80%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 3.84 (s, 3H), 7.09 (br s, 2H), 7.68 (dd, J = 4.2 Hz, 8.5 Hz, 1H), 8.03 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 8.15 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 8.93 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 9.12
(d, J = 8.5 Hz, 1H). MS m/z (M+H): 259.0
S1−工程4:メチル1−ブロモチエノ[3,2−f]キノリン−2−カルボキシレート(S1−5)の合成
メチル1−アミノチエノ[3,2−f]キノリン−2−カルボキシレート(S1−4)(40g、154.8mmol)のアセトニトリル(1000mL)溶液に、tert−亜硝酸ブチル(27.6mL、232mmol)を0℃で滴下し、0℃で1時間撹拌した。得られた混合物に、臭化銅(II)(41.5g、185.8mmol)を0℃で少しずつ追加し、室温で3時間撹拌した。完了後、反応混合物を水(3.0L)で希釈し、2%メタノールのクロロホルム(3.0L)溶液で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮して、淡黄色の固体として表題化合物S1−5(20g、40%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 3.93 (s, 3H), 7.77 (dd, J = 4.2 Hz, 8.7 Hz, 1H), 8.14 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 8.40 (d, J = 9.0
Hz, 1H), 9.02 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 10.10 (d, J = 8.8 Hz, 1H). MS m/z (M+H): 323.9.
S1−工程5:メチル1−[[(2R)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロピル]アミノ]チエノ[3,2−f]キノリン−2−カルボキシレート(S1−6)の合成
メチル1−ブロモチエノ[3,2−f]キノリン−2−カルボキシレート(S1−5)(14g、43.4mmol)のトルエン(140mL)溶液に、炭酸セシウム(28.3g、86.9mmol)および(R)−tert−ブチル1−アミノプロパン−2−イルカルバメート(11.3g、65.0mmol、以下のスキーム2に記載されているように調製したもの)を室温で追加し、15分間脱気した。得られた混合物に、BINAP(2.7g、4.3mmol)およびPd
2(dba)
3(3.9g、4.3mmol)を室温で追加し、再び10分間脱気した。得られた反応混合物を110℃で16時間撹拌した。完了後、反応混合物をセライトでろ過し、酢酸エチルで洗浄し、減圧下で濃縮した。得られた粗物質をカラムクロマトグラフィーによって精製して、灰白色の固体として表題化合物S1−6(12g、66%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.01 (d, J=6.5 Hz, 3H), 1.34 (s, 9H), 3.12 (m, 2H), 3.63 (m, 1H), 3.88 (s, 3H), 6.55 (t, J=7.0 Hz, 1H), 6.71 (br s, 1H), 7.70 (dd, J=
4.2 Hz, 8.3 Hz, 1H), 8.04 (d, J= 9.0 Hz, 1H), 8.21 (d, J=9.0 Hz,
1H), 8.94 (d, J=3.9 Hz, 1H), 9.04 (d, J=8.3 Hz, 1H). MS m/z (M+H): 416.1.
S1−工程6:メチル1−[[(2R)−2−アミノプロピル]アミノ]チエノ[3,2−f]キノリン−2−カルボキシレートトリフルオロアセタート(S1−7)
メチル1−[[(2R)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロピル]アミノ]チエノ[3,2−f]キノリン−2−カルボキシレート(S1−6)(11g、26.0mmol)のジクロロメタン(120mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(24.0g、211.8mmol)を0℃で追加した。得られた反応混合物を25℃で2時間撹拌した。完了後、反応混合物を減圧下で濃縮し、ジクロロメタン(3×20mL)で共蒸留して、淡黄色の固体として表題化合物S1−7(9.0g、粗製物)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.26 (d, J=6.2 Hz, 3H), 3.16-3.19 (m, 1H), 3.36-3.49 (m, 2H), 3.92 (s, 3H), 6.39 (br s, 1H), 7.76 (dd, J= 4.2 Hz, 8.5 Hz, 1H), 7.86 (br s, 2H), 8.09 (d, J= 9.0 Hz, 1H), 8.27 (d,
J= 9.0 Hz, 1H), 8.99 (d, J= 4.2 Hz, 1H), 9.10 (d, J=8.5 Hz, 1H).
MS m/z (M+H): 316.1.
S1−工程7:(14R)−14−メチル−20−チア−16,17,18−トリアザテトラシクロオクタデカ−2(6),3(8),4,9(16),10,12−ヘキサエン−15−オン(S1−8)の合成
メチル1−[[(2R)−2−アミノプロピル]アミノ]チエノ[3,2−f]キノリン−2−カルボキシレート(S1−7)のトリフルオロ酢酸塩(9.0g、28.5mmol)のメタノール(640mL)溶液に、ナトリウムメトキシド(7.7g、142.7mmol)を室温で追加した。得られた反応混合物を90℃で12時間撹拌した。完了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残留物を水で希釈し、15分間撹拌し、その間に固体が形成された。固体をろ過し、真空下で乾燥して、緑色の固体として表題化合物S1−8(4.5g、55%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.18 (d, J=6.7 Hz, 3H), 3.46 (d, J=2.4Hz, 2H), 3.59-3.61 (m, 1H), 7.06 (br s, 1H), 7.64 (dd, J= 4.2 Hz, 8.5 Hz, 1H), 7.94 (d, J=8.8 Hz, 1H), 8.00 (br s, 1H), 8.09 (d, J= 8.9 Hz, 1H), 8.89 (d, J= 4.0 Hz,
1H), 9.15 (d, J=8.5 Hz, 1H). MS m/z (M+H): 284.1.
S1−工程8:ジ−tert−ブチル(20R)−20−メチル−21−オキソ−34−チア−26,27,28−トリアザテトラシクロオクタデカ−8(12),9(14),10,15(26),16,18−ヘキサエン−27,28−ジカルボキシレート(S1−9)の合成
(14R)−14−メチル−20−チア−16,17,18−トリアザテトラシクロオクタデカ−2(6),3(8),4,9(16),10,12−ヘキサエン−15−オン(S1−8)(4.5g、15.9mmol)のジクロロメタン(100mL)溶液に、4−ジメチルアミノピリジン(0.5g、4.0mmol)およびトリエチルアミン(5.5mL、39.7mmol)を室温で追加した。反応物を10分間撹拌し、次いで、ジ−tert−ブチルジカーボネート(15.5mL、67.5mmol)を室温で追加し、撹拌を4時間継続した。完了後、反応混合物をジクロロメタンで希釈し、水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた粗物質をカラムクロマトグラフィーによって精製して、白色の固体として表題化合物S1−9(6.8g、88%)を得た。MS m/z(M+H):484.2.
S1−工程9:ジ−tert−ブチル(20R)−20−メチル−26−オキシド−21−オキソ−35−チア−27,28−ジアザ−26−アゾニアテトラシクロオクタデカ−8(12),9(14),10,15(26),16,18−ヘキサエン−27,28−ジカルボキシレート(S1−10)の合成
ジ−tert−ブチル(20R)−20−メチル−21−オキソ−34−チア−26,27,28−トリアザテトラシクロオクタデカ−8(12),9(14),10,15(26),16,18−ヘキサエン−27,28−ジカルボキシレート(S1−9)(6.8g、14.0mmol)のジクロロメタン(200mL)溶液に、m−クロロペルオキシ安息香酸(3.6g、21.0mmol)を0℃で少しずつ追加した。得られた反応混合物を30℃で3時間撹拌した。完了後、反応混合物を氷冷水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。ジクロロメタン層を重炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をジエチルエーテルでトリチュレートして、淡黄色の固体として表題化合物S1−10(6.5g、92%)を得た。MS m/z(M+H):500.1.
S1−工程10:ジ−tert−ブチル(20R)−16−クロロ−20−メチル−21−オキソ−34−チア−26,27,28−トリアザテトラシクロオクタデカ−8(13),9,11(16),14(26),15(17),18−ヘキサエン−27,28−ジカルボキシレート(S1−11)の合成
ジ−tert−ブチル(20R)−20−メチル−26−オキシド−21−オキソ−35−チア−27,28−ジアザ−26−アゾニアテトラシクロオクタデカ−8(12),9(14),10,15(26),16,18−ヘキサエン−27,28−ジカルボキシレート(S1−10)(4.0g、8.0mmol)のジメチルホルムアミド(100mL)溶液に、オキサリルクロリド(1.03mL、12.0mmol)を0℃で滴下した。得られた反応混合物を室温で2時間撹拌した。完了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残留物を水で希釈し、5分間撹拌し、その間に固体が形成された。固体をろ過によって単離し、石油エーテルで洗浄して、灰白色の固体として表題化合物S1−11(3.9g、93%)を得た。MS m/z(M+H):518.1.
S1−工程11:(R)−3−クロロ−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(S1−12)の合成
ジ−tert−ブチル(20R)−16−クロロ−20−メチル−21−オキソ−34−チア−26,27,28−トリアザテトラシクロオクタデカ−8(13),9,11(16),14(26),15(17),18−ヘキサエン−27,28−ジカルボキシレート(S1−11)(3.0g、5.8mmol)のジクロロメタン(30.0mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(3.3g、28.9mmol)を0℃で滴下した。得られた反応混合物を室温で2時間撹拌した。完了後、反応混合物を減圧下で濃縮し、ジクロロメタンで3回共蒸留した。得られた残留物を飽和重炭酸ナトリウム溶液(pH約8)で塩基性化し、固体が形成された。固体をろ過し、乾燥して、黄色の固体として表題化合物S1−12(1.8g、96%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.18 (d, J=6.7 Hz, 3H), 3.44 (m, 2H), 3.59 (m, 1H), 7.07 (br s, 1H), 7.72 (d, J=8.9 Hz, 1H), 7.89 (d, J=8.9 Hz, 1H), 8.10 (d, J=4.1 Hz, 1H), 8.20 (d, J=8.9 Hz, 1H), 9.21 (d, J=8.9 Hz, 1H). MS m/z (M+H): 318.2.スキーム1B:S1−8の別の合成
化合物S1−4(200g、775mmol)のDMF(7.75L)溶液を窒素下で0℃に冷却した。NaH(37.2g、930mmol、鉱物中60%)を0.5時間かけて分けて追加した。混合物を0℃でさらに0.5時間撹拌し、化合物S2−6(185.5g、783mmol)を0.5時間かけて分けて追加した。追加が完了した後、TLC分析により、出発物質がほぼ消費されたことが示された。水(4L)を徐々に追加し、混合物を10分間撹拌した。次いで、HCl水溶液(4L、1N)を追加し、混合物を室温で1時間撹拌した。Na
2CO
3を追加してpH8に調整し、得られた固体をろ過によって回収し、水で洗浄し、次いで、DCM(2.0L)に溶解した。有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮した。残留物を酢酸エチル(2.0L)で1時間スラリー化し、次いで、ろ過した。ろ過ケーキを真空下で乾燥して、白色の固体として化合物S1−6(196g、収率61%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 1.01 (d, J=6.5 Hz, 3H), 1.34 (s, 9H), 3.12 (m, 2H), 3.63 (m, 1H), 3.88 (s, 3H), 6.55 (t, J = 7.0 Hz, 1H), 6.71 (br, 1H), 7.70 (dd, J= 4.2 Hz, 8.3 Hz, 1H), 8.04 (d, J= 9.0 Hz, 1H), 8.21 (d, J=9.0 Hz, 1H), 8.94 (d, J=3.9 Hz, 1H), 9.04 (d, J=8.3 Hz, 1H). MS m/z (M+H): 416.1.
化合物S1−6(450g、1.08mol)のDCM(5.4L)溶液を0℃に冷却した。TFA(989g、8.67mol)を滴下し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を、撹拌しながらNaHCO
3水溶液(10.0LのH
2O中、1.0kg)に注いだ。2つの相を分離し、水相をDCMで抽出した。有機相を合わせ、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して、褐色の油状物の遊離塩基(330g、収率96%)として化合物S1−7を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 1.07 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 3.08 (m, 1H), 3.12 (m, 2H), 3.95 (s, 3H), 6.67 (t,
J = 6.0 Hz), 7.52 (m, 1H), 7.92 (d, 8.8 Hz, 1H), 8.06 (d, 8.8 Hz, 1H), 8.92 (m, 1H), 9.15 (d, J = 8.4 Hz, 1H).
S1−7遊離塩基(170g、0.54mol)のメタノール(9L)溶液に、ナトリウムメトキシド(29g、0.54mol)を追加した。反応混合物を70℃で一晩撹拌し、次いで、濃縮した。水(7.0L)を追加し、得られた混合物を20分間撹拌し、ろ過した。フィルターケーキを水で洗浄し、真空下で乾燥し、次いで、DCM(3.0L)で1時間スラリー化した。混合物をろ過し、フィルターケーキをDCMで洗浄し、真空下で乾燥して、黄色の固体として化合物S1−8(274g、収率90%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.18 (d, J=6.7 Hz, 3H), 3.46 (d, J=2.4Hz, 2H), 3.59-3.61 (m, 1H), 7.06 (br s, 1H), 7.64 (dd, J= 4.2 Hz, 8.5 Hz, 1H), 7.94 (d, J=8.8 Hz, 1H), 8.00 (br s, 1H), 8.09 (d, J= 8.9
Hz, 1H), 8.89 (d, J= 4.0 Hz, 1H), 9.15 (d, J=8.5 Hz, 1H). MS m/z
(M+H): 284.1.
スキーム2A
S2−工程1:(R)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロピルメタンスルホネート(S2−2)の合成
(R)−tert−ブチル1−ヒドロキシプロパン−2−イルカルバメート(S2−1)(10.0g、57mmol)のジクロロメタン(100mL)撹拌溶液に、トリエチルアミン(8.65g、86mmol)およびジクロロメタンに溶解したメタンスルホニルクロリド(5mL、63mmol)を0℃で滴下した。得られた溶液を2時間撹拌し、その後、反応混合物をジクロロメタン(200mL)と水(100mL)とに分けた。有機相を、0.1M HCl溶液(50mL)、重炭酸ナトリウム溶液(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮して、淡黄色の固体として表題化合物S2−2(12g、83%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 1.06 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 1.37 (s, 9H), 3.15 (s, 3H), 3.73 (m, 1H), 4.03 (d, J = 5.8 Hz, 2H), 6.92 (d, J = 7.6
Hz, 1H).
S2−工程2:(S)−tert−ブチル1−アジドプロパン−2−イルカルバメート(S2−3)の合成
(R)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロピルメタンスルホネート(S2−2)(12g、47mmol)のジメチルスルホキシド(75.0mL)溶液に、アジ化ナトリウム(3.7g、57mmol)を室温で徐々に追加した。得られた混合物を24時間かけて45℃に加熱した。次いで、反応混合物をジクロロメタン(200mL)と氷冷水(100mL)とに分けた。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮して、淡黄色の油状物として表題化合物S2−3(6.0g、64%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 1.02 (d, J = 6.0 Hz, 3H), 1.37 (s, 9H),
3.20 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 3.64 (m, 1H), 6.84 (br s, 1H).
S2−工程3:(R)−tert−ブチル1−アミノプロパン−2−イルカルバメート(S2−4)の合成
(S)−tert−ブチル1−アジドプロパン−2−イルカルバメート(S2−3)(6.0g、30mmol)の酢酸エチル(50.0mL)撹拌溶液に、10%Pd/C(2.3g)を追加した。反応混合物を、水素雰囲気(1atm)下、室温で15時間撹拌した。反応混合物をセライトでろ過し、セライトを酢酸エチルで洗浄し、ろ液を減圧下で濃縮して、淡黄色の固体として表題化合物S2−4(4.8g、92%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 0.95 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 1.36 (s, 9H), 2.49 (m, 2H), 3.32 (m, 1H), 6.49 (br s, 1H).
スキーム2B
(R)−アミノプロパン−1−オール(100g、1.33mol)のメタノール(1.0L)溶液を0℃に冷却した。TEA(278mL、2.0mol)およびBoc2O(320g、1.47mol)を追加した。反応混合物を室温に加温し、1時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物をDCM(1.0L)に溶解した。得られた溶液を飽和NH4Cl水溶液で洗浄した。水相をDCM(0.2L)で再抽出した。有機相を合わせ、飽和NH4Cl水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して、粘性の油状物(240g)として化合物S2−1を得、これをさらに精製せずに次の工程で使用した。
イミダゾール(562g、8.26mol)のDCM(5.5L)溶液を0℃に冷却した。この溶液に、塩化チオニル(180mL、2.48mol)のDCM(1.9L)溶液を0.5時間かけて滴下した。冷却浴を除去し、混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を−10℃に冷却し、化合物S2−1(上記工程から得たもの)のDCM(2.6L)溶液を滴下した。冷却浴を除去し、反応混合物を室温で10分間撹拌した。クエン酸水溶液(7.2L、10%)を追加し、得られた混合物を15分間撹拌した。有機相を分離し、ブライン(10L)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して、ジアステレオマーの混合物として化合物S2−5を得、これをさらに精製せずに次の工程で使用した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.29 (d, J = 6.4 Hz, 1.6H), 1.50 (d,
J = 6.0 Hz, 1.5H), 1.53 (s, 9H), 4.06 (m, 0.5H), 4.31 (m, 1H), 4.68 (t, J = 9.6 Hz, 0.5H), 4.79 (t, J = 9.2 Hz, 0.5H), 5.02 (m, 0.5H).
未精製の化合物S2−5(320g)のアセトニトリル(5.0L)溶液に、RuCl
3(150mg、0.725mmol)を追加し、続いて、NaIO
4(310g、1.45mol)水溶液(3.3L)を追加した。反応混合物を室温で40分間撹拌し、次いで、DCM(5.0L)および水(5.0L)を追加することによって希釈した。有機相を分離し、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して、褐色の固体として化合物S2−6(218g)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.51 (d,
J = 6.4 Hz, 3H), 1.56 (s, 9H), 4.20 (dd, J = 9.2 Hz, 6.4 Hz, 1H), 4.42 (m, 1H), 4.67 (dd, J = 8.8 Hz, 6.0 Hz, 1H).
(S)−3−クロロ−10−(ヒドロキシメチル)−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(INT−1)の合成
(R)−tert−ブチル(1−アミノプロパン−2−イル)カルバメートの代わりに(S)−tert−ブチル4−(アミノメチル)−2,2−ジメチルオキサゾリジン−3−カルボキシレートを用いて(R)−3−クロロ−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(S1−12)と同じ方法で、表題化合物を合成した。これにより、表題化合物INT−1を得た。Anderson,D.;Meyers,Mら、Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters 19(2009)4878−4881を参照のこと。
(R)−tert−ブチル3−アミノ−10−メチル−8−オキソ−10,11−ジヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−12(9H)−カルボキシレート(INT−2)の合成
密封チューブ中で、(R)−ジ−tert−ブチル3−クロロ−10−メチル−8−オキソ−10,11−ジヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ−[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−9,12−ジカルボキシレート(S1−11)(400mg、0.7mmol)のTHF溶液を、Pd
2(dba)
3(76mg、0.07mmol)および2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル(65mg、0.18mmol)で処理した。得られた溶液を、真空を適用することによって簡単に脱気し、次いで、窒素で3回フラッシュした。次いで、リチウムヘキサメチルジシラジド(THF中1.0M)(1.9mL、1.9mmol)を室温で追加した。反応混合物を65℃で1時間撹拌した。完了後、反応混合物を冷水(10.0mL)でクエンチし、酢酸エチル(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。得られた粗物質をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、褐色の固体として表題化合物INT−2(180mg、58%)を得た。MS m/z(M+H):399.1.
(R)−3−アミノ−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(INT−3)の合成
(R)−tert−ブチル3−アミノ−10−メチル−8−オキソ−10,11−ジヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−12(9H)−カルボキシレート(INT−2)(8.0mg、0.02mmol)をジクロロメタン(1mL)に溶解し、室温で撹拌した。この溶液に、トリフルオロ酢酸(0.5mL、6.49mmol)を追加した。反応物を室温で1時間撹拌し、その後、揮発性物質を減圧下で除去した。得られた残留物をジクロロメタンに再溶解し、シリカゲル上に濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(8:1MeOH/NH
4OHのジクロロメタン溶液(0〜10%)によって精製して、表題化合物INT−3(4.0mg、収率67%)を得た。MS:m/z 299.0(M+H)
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6):
δ 9.01 (d, 1H), 8.04 (d, 1H), 7.88 (d, 1H), 6.96 (d, 1H), 6.45
(m, 1H), 3.68 (m, 2H), 3.52 (m, 1H), 1.36 (d, 3H).
(R)−ジ−tert−ブチル3−ブロモ−10−メチル−8−オキソ−10,11−ジヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−9,12−ジカルボキシレート(INT−4)の合成
(R)−9,12−ビス(tert−ブトキシカルボニル)−10−メチル−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン4−オキシド(S1−10)(2.5g、5.0mmol)のジメチルホルムアミド(70.0mL)溶液に、オキシ臭化リン(2.15g、7.5mmol)を0℃で少しずつ追加した。得られた反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応完了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残留物を水で希釈し、5分間撹拌し、固体が形成された。得られた固体をろ過し、石油エーテルで洗浄して、灰白色の固体として表題化合物INT−4(2.4g、78%)を得た。MS m/z(M+H):562.1.
(R)−3−ブロモ−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(INT−5)の合成
(R)−ジ−tert−ブチル3−ブロモ−10−メチル−8−オキソ−10,11−ジヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−9,12−ジカルボキシレート(INT−4)(1.4g、2.5mmol)のジクロロメタン(90.0mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(36.0mL、12.4mmol)を0℃で滴下した。得られた反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応完了後、反応混合物を減圧下で濃縮し、ジクロロメタンで3回共蒸留した。得られた粗固体を、0℃の飽和重炭酸ナトリウム溶液でpH約8に希釈し、10分間撹拌した。この時、固体が形成された。固体をろ過し、乾燥して、黄色の固体として表題化合物INT−5(830mg、88%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.18 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 3.44 (s, 2H), 3.60 (br s, 1H), 7.05 (br s, 1H), 7.81 (d,
J = 8.9 Hz, 1H), 7.90 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 8.06 (d, J=3.16 Hz,
1H), 8.19 (d, J=8.9 Hz, 1H), 9.10 (d, J = 8.9 Hz, 1H). MS m/z (M+H): 362.0.
(R)−3−ヒドロキシ−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ−[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(INT−6)の合成
10mLマイクロ波バイアル中で、スキーム1A(S1−12)で合成した(R)−3−クロロ−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(0.1g、0.315mmol)を、1mLのH
2Oと共に3mLの氷酢酸に懸濁した。バイアルを密封し、Biotage Explorerマイクロ波反応器中、130℃で3時間照射した。反応物を冷却し、形成された沈殿物をろ過によって単離し、水で3回洗浄し、高真空下で乾燥した。ろ液をシリカゲル上に濃縮し、8:1MeOH/NH
4OHのジクロロメタン溶液(0〜10%)を用いてクロマトグラフィーにかけた。クロマトグラフィーによって単離した沈殿物および生成物を合わせて、黄色の粉末として表題化合物INT−6(0.080g、0.267mmol、収率85%)を得た。
(R)−3−ヒドロキシ−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ−[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(INT−6)の大規模合成
(R)−3−クロロ−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(S1−12、40g、0.126mol)を、100mLのH
2Oと共に300mLの氷酢酸に懸濁した。混合物を110℃で4日間撹拌し、次いで、冷却し、濃縮乾固した。水酸化アンモニウム(28〜30%水溶液)(200mL)を残留物に追加し、得られた混合物を室温で30分間撹拌し、次いで、ろ過した。ケーキを水で洗浄し、真空下で乾燥した。粗生成物を酢酸エチル(350mL)で1時間スラリー化し、次いで、ろ過した。ケーキを真空下で乾燥して、黄色の固体としてINT−6を得た(33g、87.6%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.16 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 3.40 (br,
2H), 3.56 (br, 1H), 6.61 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 6.88 (br, 1H), 7.44 (d, J = 8.8Hz, 1H), 7.94 (d, J = 8.8Hz, 1H), 8.12 (d, J = 4.0Hz, 1H), 8.81 (d, J = 10Hz, 1H) 11.99 (br, 1H). MS m/z (M+H): 300.1.
((R)−3−メルカプト−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(INT−7)の合成
S1−12(150mg、0.5mmol)のジメチルホルムアミド(2.0mL)溶液に、水硫化ナトリウム(30%w/v、52.9mg、0.9mmol)を室温で追加した。得られた反応混合物を100℃で5時間撹拌した。完了後、反応混合物を水でクエンチし、1N HCl(pH約2)で酸性化し、その際に、固体が形成された。固体をろ過し、真空下で乾燥して、黄色固体として表題化合物INT−7(100mg、55%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.16 (d, J=6.6 Hz, 3H), 3.39 (br s, 2H), 3.56 (br s, 1H), 6.91 (br s, 1H), 7.36 (d, J=9.3 Hz, 1H), 7.72 (d, J=8.9 Hz, 1H), 8.04 (d, J=8.9 Hz, 1H), 8.07 (br s, 1H), 8.66 (d, J=9.4 Hz, 1H), 13.87 (br s, 1H). MS m/z (M+H): 316.2.
エチル4−アミノ−2−(メチルチオ)ピリミジン−5−カルボキシレート(INT−8)の合成
15mLバイアル中で、エチル4−クロロ−2−(メチルチオ)ピリミジン−5−カルボキシレート(1.00g、4.30mmol)をTHF(10mL)に溶解し、トリエチルアミン(2.00ml、14.35mmol)を追加し、続いてアンモニア(2ml、4.30mmol)を追加した。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。反応完了後、溶媒を蒸発させ、粗混合物を、溶離液としてヘキサン/酢酸エチル(0〜40%)を使用してシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、固体として表題化合物INT−8(0.72g、3.38mmol、収率79%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.55 (s, 1H), 8.02 (br s, 1H), 7.64 (br s, 1H), 4.24 (q, 2H), 2.44 (s, 3H), 1.27 (t, 3H).
スキーム3
2−((4,6−ジフルオロピリミジン−2−イル)オキシ)−N,N−ジメチルエタンアミン(S3−2a)および2−((2,6−ジフルオロピリミジン−4−イル)オキシ)−N,N−ジメチルエタンアミン(S3−2b)の合成
20mL丸底フラスコ中で、2,4,6−トリフルオロピリミジン(S3−1)(0.370ml、4.48mmol)をテトラヒドロフラン(8mL)に溶解して、無色の溶液を得た。2−(ジメチルアミノ)エタノール(0.450ml、4.48mmol)を−78℃で追加し、反応物を室温に加温し、1時間撹拌した。完了後、反応物をシリカゲル上に濃縮し、8:1MeOH/NH4OHのジクロロメタン溶液(0〜10%)を用いてクロマトグラフィーにかけた。生成物を含有する画分を回収し、濃縮して、分離不可能な混合物として表題化合物(S3−2a)(0.500g、2.462mmol、収率55%)および(S3−2b)(0.045g、0.224mmol、収率5%)を得た。この混合物をそのまま後の工程で使用した。
2−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)−6−フルオロピリミジン−4−アミン(S3−3a)の合成
7NアンモニアのMeOH(0.352mL、2.461mmol)溶液を、2−((4,6−ジフルオロピリミジン−2−イル)オキシ)−N,N−ジメチルエタンアミン(S3−2a)(0.5g、2.461mmol)および2−((2,6−ジフルオロピリミジン−4−イル)オキシ)−N,N−ジメチルエタンアミン(S3−2b)(0.045g、0.221mmol)のメタノール(3mL)溶液に追加した。次いで、反応物を70℃に加温した。30分間の加熱後、白色の沈殿物が形成された。反応物を冷却し、ジクロロメタンで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム(水溶液)で洗浄した。有機層を分離し、水層をジクロロメタンでさらに3回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して白色の固体を得、これを酢酸エチルおよびヘプタンから再結晶して、表題化合物S3−3a(0.246g、1.230mmol、収率50%)を得た。
6−フルオロ−2−(オキセタン−3−イルオキシ)ピリミジン−4−アミン(INT−9a)および4−フルオロ−6−(オキセタン−3−イルオキシ)ピリミジン−2−アミン(INT−9b)の合成
2−(ジメチルアミノ)エタノールの代わりにオキセタン−3−オールを用いて2−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)−6−フルオロピリミジン−4−アミン(S3−3a)と同じ方法で、表題化合物を合成した。反応混合物を45℃に加熱し、生成物をシリカゲルクロマトグラフィーによって単離して、表題化合物INT−9a(0.266g、1.437mmol、収率62%)を得た。少量の4−フルオロ−6−(オキセタン−3−イルオキシ)ピリミジン−2−アミン(INT−9b)も副生成物として単離した。
(rac)−6−フルオロ−2−((1−メチルピペリジン−3−イル)オキシ)ピリミジン−4−アミン(INT−10)の合成
2−(ジメチルアミノ)エタノールの代わりに1−メチルピペリジン−3−オールを用いて2−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)−6−フルオロピリミジン−4−アミン(S3−3a)と同じ方法で、表題化合物合成した。反応混合物を45℃に加熱し、生成物をシリカゲルクロマトグラフィーによって単離して、無色の油状物として表題化合物INT−10(20mg、収率41%)を得た。MS m/z(M+H):227.0.
6−フルオロ−2−(2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ)ピリミジン−4−アミン(INT−11)の合成
2−(ジメチルアミノ)エタノールの代わりに2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エタノールを用いて2−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)−6−フルオロピリミジン−4−アミン(S3−3a)と同じ方法で、表題化合物を合成した。反応混合物を45℃に加熱し、生成物をシリカゲルクロマトグラフィーによって単離して、無色の粘着性の固体として表題化合物INT−11(60mg、51.6%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 2.34 (s, 3H), 2.34-2.36 (m, 1H), 2.50-2.54 (m, 6H),
2.55-2.65 (m, 3H), 4.25 (t, J= 5.6 Hz, 2H), 5.63 (s, 1H), 7.19 (br s, 2H). MS m/z (M+H): 256.2.
(R)−6−フルオロ−2−((1−メチルピロリジン−3−イル)オキシ)ピリミジン−4−アミン(INT−12)の合成
2−(ジメチルアミノ)エタノールの代わりに(R)−1−メチルピロリジン−3−オールを用いて2−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)−6−フルオロピリミジン−4−アミン(S3−3a)と同じ方法で、表題化合物を合成した。反応混合物を45℃に加熱し、生成物をシリカゲルクロマトグラフィーによって単離して、白色の固体として表題化合物INT−12(60mg、51.6%)(140mg、70%)を得た。MS m/z(M+H):213.1.
4,6−ジフルオロ−2−((3−メチルオキセタン−3−イル)メトキシ)ピリミジン(INT−13)および2,4−ジフルオロ−6−((3−メチルオキセタン−3−イル)メトキシ)ピリミジン(INT−14)の合成
20mLバイアル中で、(3−メチルオキセタン−3−イル)メタノール(0.744ml、7.46mmol)、炭酸セシウム(2.430g、7.46mmol)および2,4,6−トリフルオロピリミジン(S3−1)(1g、7.46mmol)を10mLの乾燥THFに溶解し、無色の懸濁液を得た。反応物を室温で1時間撹拌し、飽和重炭酸ナトリウム(水溶液)に注ぎ、ジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、デカントし、シリカゲル上に濃縮し、クロマトグラフィー(0〜100%酢酸エチルのヘプタン溶液)によって精製して、異性体INT−13およびINT−14の分離不可能な1.3:1混合物(4,6−ジフルオロ−2−((3−メチルオキセタン−3−イル)メトキシ)ピリミジンINT−13が好ましい)を得た。混合物をそのまま後の工程で使用した。
6−フルオロ−2−((3−メチルオキセタン−3−イル)メトキシ)ピリミジン−4−アミン(INT−15a)および4−フルオロ−6−((3−メチルオキセタン−3−イル)メトキシ)ピリミジン−2−アミン(INT−15b)の合成
20mLバイアル中で、上記で単離した混合物を、10mLの7N NH
3メタノール溶液中で一晩かけて40℃に加熱した。完了後、反応物を冷却し、減圧下でシリカゲル上に濃縮した。6−フルオロ−2−((3−メチルオキセタン−3−イル)メトキシ)ピリミジン−4−アミン(INT−15a)を、シリカゲルクロマトグラフィー(0〜100%酢酸エチルのヘプタン溶液)によってより極性の画分(0.557g、2.6mmol、収率35.0%)として単離した。少量の4−フルオロ−6−((3−メチルオキセタン−3−イル)メトキシ)ピリミジン−2−アミン(INT−15b)も副生成物として単離した。
4,6−ジフルオロ−2−(2−メトキシエトキシ)ピリミジン(INT−16)および2,4−ジフルオロ−6−(2−メトキシエトキシ)ピリミジン(INT−17)の合成
(3−メチルオキセタン−3−イル)メタノールの代わりに2−メトキシエタノールを用いて4,6−ジフルオロ−2−((3−メチルオキセタン−3−イル)メトキシ)ピリミジン(INT−13)と同じ方法で、表題化合物を合成した。これにより、無色の液体として表題化合物INT−17およびINT−16の分離不可能な混合物(1:1)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 6.24 (s, 1H), 6.15 (s, 1H), 4.50 (m, 2H), 4.48 (m, 2H), 3.71 (m, 4H), 3.39 (s, 6H).
4−フルオロ−6−(2−メトキシエトキシ)ピリミジン−2−アミン(INT−18)および6−フルオロ−2−(2−メトキシエトキシ)ピリミジン−4−アミン(INT−19)の合成
次いで、20mLバイアル中で、2,4−ジフルオロ−6−(2−メトキシエトキシ)ピリミジン(INT−17)および4,6−ジフルオロ−2−(2−メトキシエトキシ)ピリミジン(INT−16)の混合物(1:1)を、10mLの30%NH
3水溶液中で65℃に加熱した。完了後、反応物を冷却し、ジクロロメタンで3回抽出し、合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで脱水した。有機画分をシリカゲル上に濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(0〜100%酢酸エチルのヘプタン溶液)によって精製して、別個の画分として表題化合物INT−18
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 5.62 (1H),
5.09 (br s, 2H), 4.40 (m, 2H), 3.69 (m, 2H), 3.39 (s, 3H)およびI
NT−19
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 5.67 (1H), 5.10 (br s, 2H), 4.42 (m, 2H), 3.67 (m, 2H), 3.40(s, 3H)を得た。
(S)−2,4−ジフルオロ−6−((テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリミジン(INT−20)および(S)−4,6−ジフルオロ−2−((テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリミジン(INT−21)(1.00:0.77)の合成
(3−メチルオキセタン−3−イル)メタノールの代わりに(S)−テトラヒドロフラン−3−オールを用いて4,6−ジフルオロ−2−((3−メチルオキセタン−3−イル)メトキシ)ピリミジン(INT−13)と同じ方法で、表題化合物を合成した。(S)−2,4−ジフルオロ−6−((テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリミジン(INT−20)および(S)−4,6−ジフルオロ−2−((テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリミジン(INT−21)(1.00:0.77)の分離不可能な混合物を単離し、次の工程で直接使用した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 6.19 (s, 1H), 6.17 (s, 1H), 5.60 (m, 1H), 5.47 (m, 1H), 3.98 (m, 4H), 3.91 (m, 4H), 2.27 (m,2H), 2.24 (m, 2H).
(S)−4−フルオロ−6−((テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリミジン−2−アミン(INT−22)および(S)−6−フルオロ−2−((テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリミジン−4−アミン(INT−23)(1.00:0.77)の合成
4−フルオロ−6−(2−メトキシエトキシ)ピリミジン−2−アミン(INT−18)および6−フルオロ−2−(2−メトキシエトキシ)ピリミジン−4−アミン(INT−19)と同じ方法で、表題化合物を合成して、表題化合物INT−22
1H NMR (400
MHz, DMSO-d6): δ 7.04 (br s, 2H), 5.66 (s, 1H), 5.44 (m, 1H), 3.84−3.72 (m, 4H), 2.20-2.15 (m, 1H), 1.97-1.95 (m, 1H)およびINT−23
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 7.23 (br s, 2H), 5.63 (s, 1H), 5.31 (m, 1H), 3.83-3.71 (m, 4H), 2.17-2.12 (m, 1H), 1.95-1.92 (m, 1H)の混合物を得、これをシリカゲルクロマトグラフィー(0〜100%酢酸エチルのヘプタン溶液)によって分離した。
(R)−2,4−ジフルオロ−6−((テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリミジン(INT−24)および(R)−4,6−ジフルオロ−2−((テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリミジン(INT−25)(1.3:1)の合成
(3−メチルオキセタン−3−イル)メタノールの代わりに(R)−テトラヒドロフラン−3−オールを用いて4,6−ジフルオロ−2−((3−メチルオキセタン−3−イル)メトキシ)ピリミジン(INT−13)と同じ方法で、表題化合物を合成した。(R)−2,4−ジフルオロ−6−((テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリミジン(INT−24)および(R)−4,6−ジフルオロ−2−((テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリミジン(INT−25)(1.3:1)の分離不可能な混合物を単離し、次の工程で直接使用した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 6.19 (s, 1H), 6.17 (s, 1H), 5.60 (m, 1H), 5.48 (m, 1H), 3.98 (m, 4H), 3.91 (m, 4H), 2.30 (m, 2H), 2.20 (m, 2H).
(R)−4−フルオロ−6−((テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリミジン−2−アミンおよび(R)−6−フルオロ−2−((テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリミジン−4−アミン(1.3:1)の合成
(R)−2,4−ジフルオロ−6−((テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリミジン(INT−24)および(R)−4,6−ジフルオロ−2−((テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリミジン(INT−25)から出発して4−フルオロ−6−(2−メトキシエトキシ)ピリミジン−2−アミン(INT−18)および6−フルオロ−2−(2−メトキシエトキシ)ピリミジン−4−アミン(INT−19)と同じ方法で、表題化合物を合成して、表題化合物INT−26
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 5.64 (s, 1H), 5.43 (m, 1H), 5.13 (br s, 2H), 4.05-3.88 (m, 4H), 2.18-2.16 (m, 2H)およびINT−27
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 5.61 (s, 1H), 5.49 (m, 1H), 5.10 (br s, 2H), 3.96-3.86 (m, 4H), 2.21-2.11 (m, 2H)の混合物を得、これをシリカゲルクロマトグラフィー(0〜100%酢酸エチルのヘプタン溶液)によって分離した。
スキーム4
S4−工程1:N−tert−ブチル−6−クロロ−2−ヨード−ピリミジン−4−アミン(S4−2)の合成
水素化ナトリウム(122mg、5.1mmol)および2−メチルプロパン−2−アミン(399mg、5.4mmol)のテトラヒドロフラン(15.0mL)撹拌溶液に、4,6−ジクロロ−2−ヨード−ピリミジン(S4−1)(1.0g、3.6mmol)を0℃で追加した。得られた反応混合物を室温で5時間撹拌した。完了後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。得られた粗物質を、2〜5%酢酸エチル/石油エーテルを使用してシリカゲルクロマトグラフィー(100〜200メッシュ)によって精製して、淡黄色の固体として表題化合物S4−2(480mg、42.3%)を得た。MS m/z(M+H):312.0.
S4−工程2:(rac)−N−tert−ブチル−6−クロロ−2−[(1−メチル−3−ピペリジル)オキシ]ピリミジン−4−アミン(S4−3)の合成
水素化ナトリウム(18mg、0.7mmol)のテトラヒドロフラン(10.0mL)溶液に、(rac)−1−メチルピペリジン−3−オール(85mg、0.7mmol)およびN−tert−ブチル−6−クロロ−2−ヨード−ピリミジン−4−アミン(S4−2)(200mg、0.6mmol)を0℃で追加した。得られた反応混合物を室温で24時間撹拌した。完了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。粗物質を、5%メタノールのジクロロメタン溶液を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、ゴム状の液体として表題化合物S4−3(100mg、52%)を得た。MS:m/z 299.1(M+H).
S4−工程3:(rac)−6−クロロ−2−[(1−メチル−3−ピペリジル)オキシ]ピリミジン−4−アミン(S4−4)の合成
(rac)−N−tert−ブチル−6−クロロ−2−[(1−メチル−3−ピペリジル)オキシ]ピリミジン−4−アミン(S4−3)(25mg、0.1mmol)のジクロロメタン(6.0mL)撹拌溶液に、硫酸(4.1mg、0.04mmol)を0℃で追加した。得られた反応混合物を60℃で1時間撹拌した。完了後、反応混合物をアンモニア水溶液で塩基性化し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を水、ブライン溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮して、灰白色の固体として表題化合物S4−4(10mg、49%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.33-1.34
(m, 2H), 1.42-1.51 (m, 1H), 1.67-1.71 (m, 1H), 1.87-1.89 (m, 1H), 1.99-2.02 (m, 2H), 2.15 (s, 3H), 2.75-2.81 (m, 1H), 4.81-4.87 (m, 1H),
6.08 (s, 1H), 7.12 (br s, 2H). MS: m/z 243.1(M+H).
(R)−6−クロロ−2−((1−メチルピロリジン−3−イル)オキシ)ピリミジン−4−アミン(INT−28)の合成
S4−4の合成の工程2において(rac)−1−メチルピペリジン−3−オールの代わりに(R)−1−メチルピロリジン−3−オールを用いて(rac)−6−クロロ−2−[(1−メチル−3−ピペリジル)オキシ]ピリミジン−4−アミン(S4−4)と同じ方法で、表題化合物を合成して、灰白色の固体として表題化合物INT−28(90mg、58%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.76-1.80 (m, 1H), 2.20-2.27 (m, 1H), 2.31 (s, 3H), 2.43-2.45 (m, 1H), 2.62-2.65 (m, 1H),
2.71-2.75 (m, 1H), 2.83-2.88 (m, 1H), 5.19-5.22 (m, 1H), 6.10 (s, 1H), 7.13 (br s, 2H). MS m/z (M+H): 229.1.
スキーム5
S5−工程1:2,6−ジクロロ−N−(4−メトキシベンジル)ピリミジン−4−アミン(S5−2)の合成
2,4,6−トリクロロピリミジン(2.0g、0.01mol mmol)のt−ブタノール(5.0mL)溶液に、トリエチルアミン(2.2g、0.02mol)およびp−メトキシベンジルアミン(1.6g、0.012mol)を0℃で追加した。得られた反応混合物を75℃で4時間撹拌した。完了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた粗物質をジクロロメタンで希釈し、水およびブラインで洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。得られた固体を、1〜10%酢酸エチルの石油エーテル溶液を用いてカラムクロマトグラフィーによって精製して、灰白色の固体として表題化合物S5−2(650mg、17%)を得た。
1H NMR: (400 MHz, DMSO-d
6):
δ 3.72 (s, 3H), 4.42 (d, J= 4.8 Hz, 2H), 6.54 (s, 1H), 6.89 (d,
J= 8.8 Hz, 2H), 7.23 (d J= 8.8 Hz,, 2H), 8.51 (br s, 1H). MS m/z (M+H): 284.3.
S5−工程2:6−クロロ−N−(4−メトキシベンジル)−2−(2−メトキシエトキシ)ピリミジン−4−アミン(S5−3)の合成
2,6−ジクロロ−N−(4−メトキシベンジル)ピリミジン−4−アミン(S5−2)(750mg、2.6mmol)のテトラヒドロフラン(15.0mL)溶液に、水素化ナトリウム(76.02mg、3.2mmol)を0℃で追加し、10分間撹拌した。得られた混合物に、2−エトキシエタノール(241.01mg、3.2mmol)を0℃で追加した。反応物を25℃に加温し、12時間撹拌した。完了後、反応混合物を氷冷水(30.0mL)で希釈し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。有機層をブライン(50.0mL)溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた粗物質を、20%酢酸エチルのヘキサン溶液を用いてカラムクロマトグラフィーによって精製して、白色の固体として表題化合物S5−3(550mg、64%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 3.26 (s, 3H), 3.57 (t, J= 4.7
Hz, 2H), 3.72 (s, 3H), 4.29 (t, J= 4.6 Hz, 2H), 4.42 (br s, 2H), 6.20 (s, 1H), 6.89 (d, J= 8.5 Hz, 2H), 7.23 (d, J= 8.5 Hz, 2H),
8.09 (br s, 1H). MS m/z (M+H): 324.1.
S5−工程3:6−クロロ−2−(2−メトキシエトキシ)ピリミジン−4−アミン(S5−4)の合成
6−クロロ−N−(4−メトキシベンジル)−2−(2−メトキシエトキシ)ピリミジン−4−アミン(S5−3)(350mg、1.1mmol)のジクロロメタン(10.0mL)溶液を0℃に冷却し、硫酸(212.05mg、2.1mmol)を0℃で追加した。得られた反応混合物を室温で30分間撹拌した。完了後、反応混合物をアンモニア溶液でクエンチし、ジクロロメタン(2×100mL)で抽出した。有機層を2×50mLの水で洗浄し、続いて、20mLの飽和ブライン溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水し、ろ過し、減圧下(under educed pressure)で濃縮した。得られた粗物質を分取TLCによって精製して、白色の固体として表題化合物S5−4(200mg、89%)を得た。MS m/z(M+H):204.1.
6−クロロ−2−(2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ)ピリミジン−4−アミン(INT−29)の合成
S5−工程2において2−メトキシエタノールの代わりに2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エタノールを用いて6−クロロ−2−(2−メトキシエトキシ)ピリミジン−4−アミン(S5−4)と同じ方法で、表題化合物を合成して、白色の固体として6−クロロ−2−(2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ)ピリミジン−4−アミンINT−29(120mg、57%)を得た。MS m/z(M+H):272.3.
スキーム6
S6−工程1:4,6−ジクロロ−2−ヨード−ピリミジン(S6−2)の合成
4,6−ジクロロピリミジン−2−アミン(S6−1)(5.0g、30.5mmol)のテトラヒドロフラン(40.0mL)溶液に、ヨウ化銅(I)(5.8g、30.5mmol)、ジヨードメタン(41.6g、155.5mmol)および亜硝酸イソアミル(10.7g、91.4mmol)を室温で追加した。得られた反応混合物を80℃で3時間撹拌した。完了後、それをセライト床でろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた粗物質を酢酸エチル(60mL)に溶解し、水(2×30mL)で洗浄し、続いて、ブライン溶液(30mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた粗物質を、10%酢酸エチルのヘキサン溶液を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、淡黄色の固体として表題化合物S6−2(4.2g、50%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ7.38(s,1H).
S6−工程2:6−クロロ−2−ヨード−N−(4−メトキシベンジル)ピリミジン−4−アミン(S6−3)の合成
4,6−ジクロロ−2−ヨード−ピリミジン(S6−2)(2.0g、7.3mmol)のt−ブタノール(20.0mL)溶液に、トリエチルアミン(1.47g、14.5mmol)およびp−メトキシベンジルアミン(1.0g、7.3mmol)を室温で追加した。得られた反応混合物を70℃で2時間撹拌した。完了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残留物を酢酸エチル(20.0mL)に溶解し、有機層を水(2×10mL)で洗浄し、続いて、飽和ブライン溶液(1×10mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗物質を、10%酢酸エチルのヘキサン溶液を用いてフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、灰白色の固体として表題化合物S6−3(1.8g、65%)を得た。MS m/z(M+H):376.1.
S6−工程3:メチル4−クロロ−6−((4−メトキシベンジル)アミノ)ピリミジン−2−カルボキシレート(S6−4)の合成
6−クロロ−2−ヨード−N−(4−メトキシベンジル)ピリミジン−4−アミン(S6−3)(1.0g、2.6mmol)のメタノール(8.0mL)溶液に、トリエチルアミン(1.1mL、8.0mmol)およびジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロロメタン錯体(108.6mg、0.1mmol)を室温で追加した。得られた反応混合物を、CO(g)雰囲気下、80℃で5時間撹拌した。完了後、反応物をセライトでろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた残留物を酢酸エチル(20.0mL)に溶解し、有機層を水(2×10mL)で洗浄し、続いて、ブライン(1×10mL)溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。粗物質を、5%酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、褐色の液体として表題化合物S6−4(800mg、97%)を得た。MS m/z(M+H):308.2.
S6−工程4:4−アミノ−6−クロロピリミジン−2−カルボン酸メチル(S6−5)の合成
メチル4−クロロ−6−((4−メトキシベンジル)アミノ)ピリミジン−2−カルボキシレート(S6−4)(400mg、1.3mmol)を0℃に冷却し、トリフルオロ酢酸(0.2mL、6.5mmol)およびトリフルオロメタンスルホン酸(0.2mL、6.5mmol)を0℃で追加した。得られた反応混合物を室温で30分間撹拌した。完了後、反応物を減圧下で濃縮した。得られた残留物を飽和重炭酸ナトリウム溶液で希釈し、ジクロロメタン(20.0mL)で抽出した。有機層を2×10mLの水で洗浄し、続いて、10mLの飽和ブライン溶液で洗浄した。次いで、有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗物質を、1%メタノールのクロロホルム溶液を用いてフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、褐色の固体として表題化合物S6−5(110mg、45%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 3.81 (s, 3H), 6.51 (s, 1H), 7.57 (br s, 2H).
スキーム7
S7−工程1:N
4−tert−ブチル−6−フルオロ−ピリミジン−2,4−ジアミン(S7−2)の合成
密閉可能なチューブに、4,6−ジフルオロピリミジン−2−アミン(1.0g、7.6mmol)の1,4−ジオキサン/ジメチルホルムアミド(20.0mL、1:1)溶液、炭酸カリウム(1.6g、11.9mmol)およびtert−ブチルアミン(1.7g、23.0mmol)を追加した。得られた反応混合物を室温で48時間撹拌した。完了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。粗物質を冷水(10.0mL)で希釈し、その際に、固体が形成された。固体をろ過し、空気乾燥して、灰白色の固体として表題化合物S7−2(1.2g、85%)を得た。MS m/z(M+H):185.1.
S7−工程2:N−tert−ブチル−6−フルオロ−2−ヨード−ピリミジン−4−アミン(S7−3)の合成
N
4−tert−ブチル−6−フルオロ−ピリミジン−2,4−ジアミン(S7−2)(2.1g、11.4mmol)のテトラヒドロフラン(10.0mL)溶液に、ヨウ化銅(I)(3.0g、15.7mmol)、ジヨードメタン(3.16mL、39.2mmol)および亜硝酸イソアミル(5.0mL、34.2mmol)を室温で追加した。得られた反応混合物を70℃で2時間撹拌した。完了後、反応混合物をセライトでろ過し、次いで、減圧下で濃縮した。粗物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、褐色の油状液体として表題化合物S7−3(1.5g、45%)を得た。MS m/z(M+H):296.0.
S7−工程3:メチル4−(tert−ブチルアミノ)−6−フルオロピリミジン−2−カルボキシレート(S7−4)の合成
N−tert−ブチル−6−フルオロ−2−ヨード−ピリミジン−4−アミン(S7−3)(1.5g、5.1mmol)のメタノール(20.0mL)溶液に、PdCl
2(dppf)(0.33g、0.4mmol)およびトリエチルアミン(0.8g、7.6mmol)を室温で追加した。得られた反応混合物を、20psiのCO下で4時間撹拌した。完了後、反応混合物をセライトでろ過し、減圧下で濃縮した。得られた粗物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、褐色の液体として表題化合物S7−4(800mg、69%)を得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 1.39 (s, 9H), 3.83 (s, 3H), 6.20 (s, 1H), 7.72 (br s, 1H). MS m/z (M+H): 228.1.
S7−工程4:(4−(tert−ブチルアミノ)−6−フルオロピリミジン−2−イル)メタノール(S7−5)の合成
メチル4−(tert−ブチルアミノ)−6−フルオロピリミジン−2−カルボキシレート(S7−4)(800mg、3.5mmol)のメタノール(20.0mL)溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(1.3g、35.2mmol)を室温で追加し、反応物を3時間撹拌した。完了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。粗物質を水(10.0mL)に溶解し、酢酸エチル(2×10.0mL)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮して、灰白色の液体として表題化合物S7−5(600mg、86%)を得た。MS m/z(M+H):200.1.
S7−工程5:N−(tert−ブチル)−6−フルオロ−2−(ヨードメチル)ピリミジン−4−アミン(S7−6)の合成
(4−(tert−ブチルアミノ)−6−フルオロピリミジン−2−イル)メタノール(S7−5)(600mg、3.0mmol)のジクロロメタン(20.0mL)溶液に、イミダゾール(512mg、7.5mmol)およびトリフェニルホスフィン(1.6g、6.0mmol)を追加し、続いて、ヨウ素(382mg、1.5mmol)を25℃で少しずつ追加した。得られた反応混合物を室温で1時間撹拌した。完了後、反応混合物を飽和チオ硫酸ナトリウム溶液(3.0mL)でクエンチし、ジクロロメタン(2×10mL)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗物質をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、粘性の固体として表題化合物S7−6(400mg、43%)を得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 1.39 (s, 9H), 4.22 (s, 2H), 5.89 (s, 1H), 7.45 (br s, 1H).
S7−工程6:N−(tert−ブチル)−6−フルオロ−2−(ピペリジン−1−イルメチル)ピリミジン−4−アミン(S7−7)の合成
ピペリジン(82.6mg、0.97mmol)のアセトニトリル(5.0mL)溶液に、炭酸カリウム(220mg、1.6mmol)を追加し、続いて、N−(tert−ブチル)−6−フルオロ−2−(ヨードメチル)ピリミジン−4−アミン(S7−6)(250mg、0.8mmol)を室温で追加した。得られた反応混合物を室温で30分間撹拌した。完了後、反応混合物を水(10.0mL)で希釈し、酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗物質を分取TLCによって精製して、淡緑色の液体として表題化合物S7−7(170mg、79%)を得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6): δ 1.33-1.36 (m, 2H), 1.38 (s, 9H), 1.44-1.50 (m, 4H), 2.44-2.46 (m, 4H), 3.37 (s, 2H),
5.90 (s, 1H), 7.26 (br s, 1H).
S7−工程7:6−フルオロ−2−(ピペリジン−1−イルメチル)ピリミジン−4−アミン(S7−8)
N−(tert−ブチル)−6−フルオロ−2−(ヨードメチル)ピリミジン−4−アミン(S7−7)(170mg、0.6mmol)のジクロロメタン(15.0mL)溶液に、濃H
2SO
4(0.3mL)を0℃で追加した。得られた反応混合物を室温で2時間撹拌した。完了後、ジクロロメタンをデカントし、得られたゴム状の固体に、数滴のNH
3溶液を追加し、続いて、トルエン(2×5mL)を使用して共沸蒸留を行って、粗生成物を得た。固体を10%メタノールのクロロホルム(4×5mL)溶液でトリチュレートした。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮して、灰白色の固体として表題化合物S7−8(120mg、95%)を得た。MS m/z(M+H):211.1.
スキーム8
S8−工程1:(S)−(3−クロロ−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−10−イル)メチルメタンスルホネート(S8−2)の合成
S)−3−クロロ−10−(ヒドロキシメチル)−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(INT−1)(50mg、0.1mmol)のジクロロメタン(5.0mL)撹拌溶液に、トリエチルアミン(0.86mL、0.4mmol)を0℃で追加し、続いて、メタンスルホニルクロリド(0.24mL、0.2mmol)を追加した。得られた反応混合物を室温で10時間撹拌した。完了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた粗物質を氷冷水で希釈し、固体が形成された。固体をろ過し、乾燥して、黄色の固体として化合物S8−2(50mg、81%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 3.18 (s, 3H), 3.42-3.43 (m, 1H), 3.85-3.90 (m, 2H), 4.09-4.13 (m,
1H), 4.28-4.32 (m, 1H), 7.13 (br s, 1H), 7.72 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.90 (d, J= 8.8 Hz, 1H), 8.21 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 8.34 (d, J
= 5.2 Hz, 1H), 9.16 (d, J = 8.8 Hz, 1H). MS m/z (M+H): 412.2.
S8−工程2:(S)−10−(アジドメチル)−3−クロロ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(S8−3)の合成
(S)−(3−クロロ−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−10−イル)メチルメタンスルホネート(S8−2)(50.0mg、0.1mmol)のジメチルホルムアミド(2.0mL)撹拌溶液に、アジ化ナトリウム(15.78mg、0.2mmol)を0℃で追加した。得られた反応混合物を50℃で10時間撹拌した。反応完了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。粗物質を氷冷水で希釈し、その際に、固体が形成された。得られた固体をろ過し、乾燥して、淡黄色の固体として化合物S8−3(30mg、69%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 3.37-3.51 (m, 2H), 3.63-3.66 (m, 1H), 3.74-3.79 (m, 1H), 7.15 (br s, 1H), 7.72 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.90 (d, J= 9.2 Hz, 1H), 8.20 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 8.33 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 9.17 (d, J = 8.8 Hz, 1H). MS m/z (M+H):
359.1.
S8−工程3:(S)−10−(アジドメチル)−3−((6−フルオロピリミジン−4−イル)アミノ)−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(S8−4)の合成
(S)−10−(アジドメチル)−3−クロロ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(S8−3)(200mg、0.5mmol)の1,4−ジオキサン(6.0mL)溶液を、真空を適用することによって簡単に脱気し、次いで、窒素でフラッシュした。これに、6−フルオロピリミジン−4−アミン(75.4mg、0.7mmol)、Pd
2(dba)
3(50.9mg、0.06mmol)、キサントホス(32.1mg、0.06mmol)および炭酸セシウム(541.9mg、1.6mmol)を室温で連続して追加した。混合物を再び脱気し、90℃で10時間撹拌した。完了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。粗物質を水で洗浄し、続いて、5%メタノールのジクロロメタン溶液で洗浄して、淡黄色の固体として化合物S8−4(80mg、32%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 3.42-3.55 (m, 2H), 3.63-3.66 (m, 1H), 3.76-3.80 (m, 1H), 7.07 (br s, 1H), 7.69 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.90 (d,
J= 9.2 Hz, 1H), 8.06 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.17 (br s, 1H), 8.26 (d, J= 5.2 Hz, 1H), 8.58 (br s, 1H), 9.07 (d, J = 8.8 Hz, 1H),
10.92 (br s, 1H).
S8−工程4:(S)−tert−ブチル((3−((6−フルオロピリミジン−4−イル)アミノ)−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−10−イル)メチル)カルバメート(S8−5)の合成
(S)−10−(アジドメチル)−3−((6−フルオロピリミジン−4−イル)アミノ)−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(S8−4)(150mg、0.3mmol)のテトラヒドロフラン/水(2:1)(6.0mL)撹拌溶液に、トリフェニルホスフィン(270mg、1.0mmol)を室温で追加した。得られた反応混合物を85℃で16時間撹拌した。完了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。粗物質をジエチルエーテルで洗浄し、続いて、5%メタノールのジクロロメタン溶液で洗浄して、淡黄色の固体として未精製の(R)−10−(アミノメチル)−3−((6−フルオロピリミジン−4−イル)アミノ)−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(100mg)を得た。単離したこの粗物質をジメチルホルムアミド(5.0mL)に溶解し、トリエチルアミン(86mg、0.7mmol)およびジ−tert−ブチルジカーボネート(106mg、0.4mmol)を室温で追加した。得られた反応混合物を室温で10時間撹拌した。完了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。粗物質を分取HPLCによって精製して、黄色の固体として化合物S8−5(2段階後に20mg、11%)を得た。MS m/z(M+H):510.1.
6−フルオロ−2−((4−メチルピペラジン−1−イル)メチル)ピリミジン−4−アミン(INT−30)の合成
S7−工程6においてピペリジンの代わりに1−メチルピペラジンを用いて6−フルオロ−2−(ピペリジン−1−イルメチル)ピリミジン−4−アミン(S7−8)と同じ方法で、表題化合物を合成して、灰白色の固体として表題化合物INT−30(120mg、88%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) (D
2O Exchange): δ 2.29 (s,
3H), 2.52-2.65 (m, 8H), 3.36 (s, 2H), 5.90 (s, 1H), 7.12 (br s, 2H). MS m/z (M+H): 226.2.
4−クロロ−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−1,3,5−トリアジン−2−アミン(INT−31)の合成
10mL丸底フラスコ中で、4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン−2−アミン(0.047g、0.285mmol)および1−メチルピペラジン(0.032ml、0.285mmol)をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解して、無色の溶液を得た。反応物を65℃に加温し、1時間後に、反応物が混濁した。反応物を冷却し、シリカゲル上に濃縮し、8:1MeOH/NH
4OHのジクロロメタン溶液(0〜10%)を用いてクロマトグラフィーにかけて、表題化合物INT−31(0.057g、0.251mmol、収率88%)を得た。
N
1−(6−フルオロピリミジン−4−イル)−N
2,N
2−ジメチルエタン−1,2−ジアミン(INT−32)の合成
10mL丸底フラスコ中で、4,6−ジフルオロピリミジン(0.305g、2.63mmol)およびK
2CO
3(0.363g、2.63mmol)を1,4−ジオキサン(5mL)に追加して、無色の懸濁液を得た。これに、N
1,N
1−ジメチルエタン−1,2−ジアミン(0.287ml、2.63mmol)を追加し、反応物を室温で撹拌した。1時間後、反応物をシリカゲル上に濃縮し、8:1MeOH/NH
4OHのジクロロメタン溶液(0〜10%)を用いてクロマトグラフィーにかけて、表題化合物INT−32(0.290g、1.577mmol、収率60%)を得た。
6−フルオロ−N−(2−メトキシエチル)ピリミジン−4−アミン(INT−33)の合成
10mL丸底フラスコ中で、4,6−ジフルオロピリミジン(.35ml、4.13mmol)およびヒューニッヒ塩基(0.722ml、4.13mmol)をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解して、無色の溶液を得た。反応物を0℃に冷却し、2−メトキシエタンアミン(0.322ml、4.13mmol)を追加した。反応物を室温に加温し、3時間撹拌した。完了後、反応物をシリカゲル上に濃縮し、クロマトグラフィー(0〜100%酢酸エチルのヘプタン溶液)によって精製して、表題化合物INT−33(0.318g、1.859mmol、収率45%)を得た。
2,4−ジクロロ−6−(ピロリジン−1−イル)−1,3,5−トリアジン(INT−34)の合成
2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン(662mg、3.59mmol)のTHF溶液4mLに、ヒューニッヒ塩基(732μL、4.19mmol)を0℃で滴下し、続いて、ピロリジン(100μL、1.197mmol)のTHF溶液2mLを滴下した。反応物を0℃で撹拌した。1時間後、LCMSにより、主要ピークとして所望の質量および少量のジ−ピロリジン付加物が示された。粗混合物をろ過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(0〜25%酢酸エチル/ヘプタン)によって精製して、白色の固体として表題化合物INT−34(223mg、1.018mmol、収率85%)を得た。MS m/z:219.1[M+H].
4−(4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン−2−イル)モルホリン(INT−35)の合成
ピロリジンの代わりにモルホリンを用いて2,4−ジクロロ−6−(ピロリジン−1−イル)−1,3,5−トリアジン(INT−34)と同じ方法で、表題化合物を合成して、白色の固体として表題化合物INT−35を得た。MS:m/z 235.1[M+H].
2,4−ジクロロ−6−(ピペリジン−1−イル)−1,3,5−トリアジン(INT−36)の合成
2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン(300mg、1.627mmol)および炭酸ナトリウム(259mg、2.440mmol)に、テトラヒドロフラン(8mL)を0℃で追加し、続いて、ピペリジン(piperdine)(163μl、1.627mmol)を追加した。反応混合物は、数分以内に混濁した。1時間後、LCMSにより、主生成物として所望の質量および副生成物としていくつかの二付加物が示された。粗物質をろ過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(0〜20%酢酸エチル/ヘプタン)によって精製して、表題化合物(INT−36、主)および二付加物(副)の混合物を得た。LCMS m/z:233.0[M+H].
4,6−ジクロロ−N,N−ジメチル−1,3,5−トリアジン−2−アミン(INT−37)の合成
2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン(300mg、1.627mmol)および炭酸セシウム(689mg、2.115mmol)のテトラヒドロフラン(8mL)溶液に、ジメチルアミン(1M THF溶液(813μl、1.627mmol))を0℃で滴下した。45分後、LCMSにより、主生成物として所望の質量および少量の二付加物が示された。粗混合物をろ過し、シリカゲルクロマトグラフィー(0〜20%酢酸エチル/ヘプタン)によって精製して、主に表題化合物INT−37およびいくらかの望ましくない6−クロロ−N
2,N
2,N
4,N
4−テトラメチル−1,3,5−トリアジン−2,4−ジアミンの混合物144mgを得た。混合物をさらに精製せずに次の工程で使用した。
2,4−ジクロロ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン(INT−38)の合成
2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン(300mg、1.627mmol)のMeOH(32.500mL)溶液に、重炭酸ナトリウム(137mg、1.627mmol)を追加し、混合物を室温で45分間撹拌した。次いで、混合物を水で希釈し、ジクロロメタンで抽出し、飽和NaCl(水溶液)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、濃縮して、白色の固体として表題化合物INT−38(271mg、1.506mmol、収率93%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 4.14 (s, 3H).
2,4−ジクロロ−6−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−1,3,5−トリアジン(INT−39)の合成
2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン(150mg、0.813mmol)および炭酸セシウム(583mg、1.789mmol)のTHF(8mL)溶液に、3,3−ジフルオロピロリジンヒドロクロリド(120mg、0.813mmol)を0℃で一度に追加した。これに、2.2当量(313μL)のヒューニッヒ塩基を追加した。2時間後、LCMSにより、主要ピークとして所望の質量が示された。反応混合物をろ過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(0〜10%酢酸エチル/ヘプタン)によって精製して、白色の固体として表題化合物INT−39(123mg、0.482mmol、収率59.3%)を得た。MS m/z:254.8[M+H].
2,4−ジクロロ−6−(3,3−ジフルオロピペリジン−1−イル)−1,3,5−トリアジン(INT−40)の合成
3,3−ジフルオロピロリジンヒドロクロリドの代わりに3,3−ジフルオロピペリジンヒドロクロリドを用いて2,4−ジクロロ−6−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−1,3,5−トリアジン(INT−39)と同じ方法で、表題化合物を合成して、表題化合物INT−40を得た。MS:m/z 268.9[M+H].
(R)−2−クロロ−4−((10−メチル−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−3−イル)アミノ)ピリミジン−5−カルボン酸(INT−41)の合成
20mLバイアル中で、(R)−エチル2−クロロ−4−((10−メチル−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−3−イル)アミノ)ピリミジン−5−カルボキシレート(I−18)(0.112g、0.232mmol)を5mLの4:1メタノール/水溶液に追加した。LiOH(0.371ml、0.371mmol)を追加し、反応物を35℃に加温した。完了後、HCl(0.371ml、0.371mmol)を追加し、生成物を溶液から凝結させた。反応物をろ過し、固体を冷水でリンスし、真空下で乾燥して、化合物INT−41(0.103g、0.226mmol、収率98%)を得た。
(R)−tert−ブチル10−メチル−3−((2−(メチルスルホニル)ピリミジン−4−イル)アミノ)−8−オキソ−10,11−ジヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−12(9H)−カルボキシレート(INT−42)の合成
(R)−tert−ブチル3−アミノ−10−メチル−8−オキソ−10,11−ジヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−12(9H)−カルボキシレート(INT−2)(100.0mg、0.2mmol)の1,4−ジオキサン(2.0mL)溶液に、4−クロロ−2−メチルスルホニル−ピリミジン(58.0mg、0.3mmol)および炭酸カリウム(102.4mg、0.7mmol)を室温で追加した。得られた溶液を、真空を適用することによって簡単に脱気し、次いで、窒素で3回フラッシュした。最後に、Pd
2(dba)
3(45.9mg、0.05mmol)およびデイブホス(2.5mg、0.01mmol)を室温で追加し、混合物をさらに脱気した。反応混合物を100℃で3時間撹拌した。反応完了後、反応混合物を水(10.0mL)で希釈し、酢酸エチル(2回、10.0mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。得られた粗物質を分取によって精製して、褐色の固体として化合物INT−42(45mg、32%)を得た。MS m/z:555.2(M+H).
4−アミノ−2−クロロ−N−(4−メトキシベンジル)ピリミジン−5−カルボキサミド(INT−43b)の合成
2,4−ジクロロ−N−[(4−メトキシフェニル)メチル]ピリミジン−5−カルボキサミド(INT−43a、500mg、1.6mmol、国際公開第2011/090760号に記載されている手順にしたがって調製したもの)のTHF(5mL)撹拌溶液に、アンモニア(1mL、24.03mmol)を0℃で追加し、室温で30分間撹拌した。完了後、反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、続いて、ブライン溶液で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮して、灰白色の固体として1(440mg、収率85%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 3.71 (s, 3H), 4.35 (d, J = 6 Hz, 2H), 6.88 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.23 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 8.22 (s, br, 2H), 8.54 (s, 1H), 9.09 (d, J = 5.7 Hz, 1H).
(R)−2−クロロ−N−(4−メトキシベンジル)−4−((10−メチル−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−3−イル)アミノ)ピリミジン−5−カルボキサミド(INT−43)の合成
5−フルオロ−2−ニトロアニリンの代わりにINT−43bを用い、(R)−3−クロロ−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オンの代わりに(R)−3−ブロモ−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(INT−5)を用いてI−1と同じ方法で、表題化合物を合成した。加熱を、(マイクロ波照射ではなく)通常どおり100℃で6時間行った。これにより、黄色の固体として(R)−2−クロロ−N−(4−メトキシベンジル)−4−((10−メチル−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−3−イル)アミノ)ピリミジン−5−カルボキサミドINT−43(141mg、88%)を得た。MS m/z(M+H):574.1.
(R)−2−クロロ−N−(4−メトキシベンジル)−4−(メチル(10−メチル−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−3−イル)アミノ)ピリミジン−5−カルボキサミド(INT−44)の合成
(R)−2−クロロ−N−(4−メトキシベンジル)−4−((10−メチル−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−3−イル)アミノ)ピリミジン−5−カルボキサミド(INT−43)(180mg、0.3mmol)のジメチルホルムアミド(2.0mL)撹拌溶液に、炭酸カリウム(86.66mg、0.6mmol)、ヨウ化カリウム(10.4mg、0.06mmol)およびヨウ化メチル(66.7mg、0.5mmol)を0℃で追加した。得られた反応混合物を75℃で1時間撹拌した。反応完了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物を水で希釈し、形成された固体をろ過し、水で洗浄し、次いで、真空下で乾燥して、黄色の固体として化合物INT−44(120mg、53%)を得た。MS m/z(M+H):588.4.
4−クロロ−6−(2−メトキシエトキシ)ピリミジン−2−アミン(INT−45)の合成
4,6−ジクロロピリミジン−2−アミン(1.0g、6.1mmol)のテトラヒドロフラン(20.0mL)溶液に、水素化ナトリウム(175.6mg、7.3mmol)を0℃で追加した。得られた反応混合物を0℃で10分間撹拌した。反応混合物に、2−メトキシエタノール(556.8mg、7.3mmol)を0℃で追加し、室温で4時間撹拌した。完了後、反応混合物を氷冷水(50mL)でクエンチし、酢酸エチル(2×50mL)で抽出し、ブライン(50.0mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮して、淡黄色の固体として1(900mg、68%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 3.27 (s, 3H), 3.58-3.61 (m, 2H), 4.33-4.35 (m, 2H), 6.08 (s, 1H), 6.96 (br s, 2H). MS m/z (M+H): 204.1.
4−クロロ−6−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ]ピリミジン−2−アミン(INT−46)の合成
水素化ナトリウム(13.4mg、0.3mmol)のテトラヒドロフラン(5.0mL)懸濁液に、2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エタノール(43.9mg、0.3mmol)を0℃で追加した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。4,6−ジクロロピリミジン−2−アミン(50mg、0.3mmol)のジメチルホルムアミド(0.5mL)溶液を反応混合物に0℃で追加した。得られた反応混合物を室温で3時間撹拌した。完了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残留物をジエチルエーテルで洗浄して、褐色の固体として化合物1(20mg、24%)を得た。
1H NMR (400 MHz,
DMSO-d
6): δ 2.11 (s, 3H), 2.26 (br s, 4H), 2.41 (br s, 4H), 2.58-2.61 (t, J = 5.8 Hz, , 2H), 4.29-4.32 (t, J = 5.9 Hz, 2H), 6.06
(d, J = 3.1 Hz, 1H), 6.99 (br s, 2H). MS m/z (M+H): 272.1.
(R)−10−(アミノメチル)−3−クロロ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(INT−47)の合成
(S)−10−(アジドメチル)−3−クロロ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(S8−3)(50mg、0.1mmol)の水/テトラヒドロフラン(1:3、4.0mL)撹拌溶液に、トリフェニルホスフィン(146mg、0.4mmol)を室温で追加した。得られた反応混合物を85℃で16時間撹拌した。完了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。粗物質をジエチルエーテルで洗浄して、淡黄色の固体として化合物INT−47(35mg、76%)を得た。MS m/z(M+H):333.2.
(S)−3−クロロ−10−((ジメチルアミノ)メチル)−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(INT−48)の合成
(R)−10−(アミノメチル)−3−クロロ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(10.0mg、0.03mmol)(INT−47)のメタノール(4.0mL)溶液に、ホルムアルデヒド(0.01mL、0.6mmol)を追加し、反応物を室温で10分間撹拌した。酢酸(1.0μL)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム(1.9mg、0.03mmol)を追加し、撹拌を25℃で1時間継続した。完了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。粗物質を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄し、続いて、ブラインで洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。粗物質を、溶離液として5%メタノールのジクロロメタン溶液を使用してシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、黄色の固体として化合物INT−48(7.0mg、64%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 2.21 (s, 6H), 2.33-2.35 (m, 2H), 3.37-3.45 (m, 1H), 3.53-3.62 (m, 1H), 3.63-3.70 (m, 1H), 7.07 (t, J= 4.8 Hz, 1H), 7.62 (br s, 1H), 7.70 (d, J= 8.8 Hz,
1H), 7.89 (d, J= 8.8 Hz, 1H), 8.19 (d, J= 8.8 Hz, 1H), 9.19 (d,
J=9.2 Hz, 1H). MS m/z (M+H): 361.3.
(S)−3−クロロ−10−(ヨードメチル)−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(INT−49)の合成
(S)−(3−クロロ−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−10−イル)メチルメタンスルホネート(S8−2)(140mg、0.3mmol)のアセトン(5.0mL)撹拌溶液に、ヨウ化ナトリウム(506.46mg、3.4mmol)を室温で追加した。得られた反応混合物を60℃で16時間撹拌した。完了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。粗物質を氷冷水で希釈し、その際に、固体が形成された。固体をろ過し、乾燥して、淡黄色の固体として化合物INT−49(135mg、90%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 3.20-3.24 (m, 1H), 3.31-3.35 (m, 1H), 3.42-3.45 (m, 1H), 3.68-3.71 (m, 1H), 3.86-3.89 (m, 1H), 7.18 (br s,
1H), 7.74 (d, J= 9.2 Hz, 1H), 7.89 (d, J= 8.8 Hz, 1H), 8.20 (d,
J= 8.8 Hz, 1H), 8.33 (d, J= 4.8 Hz, 1H), 9.18 (d, J= 8.8 Hz, 1H). MS m/z (M+H): 444.2.
(R)−3−クロロ−10−((メチルアミノ)メチル)−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(INT−50)の合成
(S)−3−クロロ−10−(ヨードメチル)−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(INT−49)(20mg、0.05mmol)およびメチルアミン(2M THF溶液)(1.8mL、4mmol)の混合物を90℃で3時間撹拌した。次いで、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた粗物質を分取TLCによって精製して、黄色の固体として化合物INT−50(6.0mg、40%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 2.25 (s, 3H), 2.52-2.54 (m, 2H), 3.22-3.25 (m, 1H), 3.32-3.35 (m, 1H), 3.55-3.60 (m, 1H), 7.14 (t, J= 5.6 Hz, 1H), 7.70 (d,
J= 9.2 Hz, 1H), 7.89 (d, J= 8.8 Hz, 1H), 8.19 (d, J= 8.8 Hz, 1H), 8.23 (br s, 1H), 9.24 (d, J= 9.2 Hz, 1H). MS m/z (M+H): 347.1.
(R)−6−クロロ−N−(4−メトキシベンジル)−4−((10−メチル−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−3−イル)アミノ)ニコチンアミド(INT−51)の合成
5−フルオロ−2−ニトロアニリンの代わりに4−アミノ−6−クロロ−N−(4−メトキシベンジル)ニコチンアミドを用いてI−1と同じ方法で、表題化合物を合成した。加熱を、(マイクロ波照射ではなく)通常どおり100℃で3時間行って、黄色の固体として化合物INT−51(15mg、収率47%)を得た。MS:m/z 573.2(M+H).
(S)−2−クロロ−4−((10−(ヒドロキシメチル)−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−3−イル)アミノ)−N−(4−メトキシベンジル)ピリミジン−5−カルボキサミド(INT−52)の合成
6−フルオロピリミジン−4−アミンの代わりに4−アミノ−2−クロロ−N−(4−メトキシベンジル)ピリミジン−5−カルボキサミドを用いてI−17と同じ方法で、表題化合物を合成して、淡黄色の固体として化合物INT−52(22mg、14%)を得た。MS m/z(M+H):590.3.
スキーム9
5−(ヒドロキシメチル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(S9−1)の合成
1H−ピリミジン−2,4−ジオン(20g、178.4mmol)の水酸化カリウム(8.0g、142.7mmol)水溶液(160.0mL)混合物に、パラホルムアルデヒド(6.96g、231.9mmol)を0℃で少しずつ追加した。得られた反応混合物を55℃で36時間撹拌した。完了後、反応物を室温に冷却し、減圧下で体積の1/3に濃縮して、白色の厚い塊を得た。残留物をアセトン(150mL)で希釈し、25℃で15分間撹拌し、その時点で、沈殿物が形成された。固体をろ過し、アセトン(3×50mL)で洗浄し、真空下で乾燥して、白色の固体としてS9−1(25g、98%)を得た。MS m/z(M−H):140.9.
2,4−ジクロロ−5−(クロロメチル)ピリミジン(S9−2)の合成
S9−1(25g、175.9mmol)のトルエン(50.0mL)懸濁液に、オキシ塩化リン(134.87g、879.6mmol)を0℃で追加し、撹拌を15分間継続した。温度を0℃に維持しながら、反応混合物に、DIPEA(68.1g、527.7mmol)を滴下した。得られた反応混合物を120℃で7時間撹拌した。反応完了後、反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチルおよび水(150mL/150mL)の撹拌二相混合物に0℃で45分間かけて注ぎ、同じ温度でさらに1.5時間撹拌した。次いで、反応混合物を、25%酢酸エチルのトルエン(4×150mL)溶液で抽出した。合わせた有機層を水(2×500mL)および飽和ブライン溶液(1×500mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮して、褐色の液体としてS9−2(28g、81%)を得、これをさらに精製せずに使用した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 8.96 (s, 1H), 4.84 (s, 2H).
2,4−ジクロロ−5−(ヨードメチル)ピリミジン(INT−53)の合成
ヨウ化ナトリウム(23.4g、156.0mmol)の乾燥アセトン(150mL)溶液に、S9−2(28.0g、141.8mmol)を室温で追加し、30分間撹拌した。得られた反応混合物を20分間かけて65℃に加温した。完了後、反応混合物を室温に冷却し、ろ過し、アセトン(2×50mL)で洗浄した。合わせたろ液を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。得られた粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60−120、10%アセトンの石油エーテル溶液)によって精製して、淡黄色の固体としてINT−53(21g、48%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 8.95 (s, 1H), 4.53 (s, 2H). MS m/z (M+H): 287.9.
2,4−ジクロロ−5−((メチルスルホニル)メチル)ピリミジン(INT−54)の合成
INT−53(.3g、1.038mmol)を、2mLのDMSOと共に10mLのDCMに溶解した。ナトリウムメタンスルフィネート(0.106g、1.038mmol)を追加し、反応物を50℃に加温した。3時間後、反応物をヘプタンで希釈し、ろ過し、濃縮して、INT−54のDMSO溶液を得、これを次の工程で直接使用した。MS
m/z(M+H):241.0,243.0.
2,4−ジクロロ−5−((ジフルオロメトキシ)メチル)ピリミジン(INT−55)の合成
(2,4−ジクロロピリミジン−5−イル)メタノール(400mg、2.23mmol)のCH
3CN(16mL)撹拌溶液に、ヨウ化銅(I)(45.6mg、0.24mmol)を、不活性雰囲気下、室温で追加し、続いて、60℃で10分間撹拌した。2,2−ジフルオロ−2−(フルオロスルホニル)酢酸(2.39g、14.4mmol)を滴下し、反応混合物を60℃でさらに4時間維持した。反応混合物を、氷冷水(30mL)を追加することによってクエンチし、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮して、粗物質を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:15%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、無色の油状物として化合物INT−55(200mg、0.55mmol、24.5%)を得た。MS m/z(M+H):229.0.
5−(tert−ブトキシメチル)−2,4−ジクロロピリミジン(INT−56)の合成
(2,4−ジクロロピリミジン−5−イル)メタノール(200mg、1.12mmol)のDCM(2mL)およびシクロヘキサン(2mL)混合物撹拌溶液に、tert−ブチル2,2,2−トリクロロエタンイミデート(268.56mg、1.23mmol)およびBF
3Et
2O(50uL)を室温で追加した。反応物を室温で15時間撹拌した。粗生成物を分取TLC(ヘキサン/酢酸エチル、5:1)によって精製して、灰白色の固体としてINT−56(200mg、76.1%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.71 (s, 1H), 4.52 (s, 2H), 1.33 (s, 9H).
5−(ブロモメチル)−4−クロロピリミジン(INT−57)の合成
4−クロロ−5−メチル−ピリミジン(1.2g、9.33mmol)のCCl
4(30mL)撹拌溶液に、1−ブロモピロリジン−2,5−ジオン(2.66g、14.9mmol)およびAIBN(0.31g、1.87mmol)を室温で追加し、80℃で4時間撹拌した。反応物を、飽和Na
2SO
3水溶液(40mL)を追加することによってクエンチした。有機層を分離し、水層をジクロロメタン(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、ろ過し、減圧下で濃縮して、粗物質を得た。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1)によって精製して、無色の油状物としてINT−57(500mg、25.8%)を得た。
N−((4−クロロピリミジン−5−イル)メチル)−N,2−ジメチルプロパン−2−アミン(INT−58)の合成
5−(ブロモメチル)−4−クロロ−ピリミジン(300.0mg、1.45mmol)のMeCN(20mL)撹拌溶液に、N,2−ジメチルプロパン−2−アミン(113.4mg、1.3mmol)およびK
2CO
3(393.3mg、2.9mmol)を0℃で追加し、この温度で1.5時間撹拌した。反応混合物をセライト(登録商標)のパッドでろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して、粗物質を得た。カラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=15:1)によって精製して、無色の油状物としてINT−58(140mg、45.3%)を得た。
5−(アリルオキシメチル)−2,4−ジクロロ−ピリミジン(INT−59)
アリルアルコール(0.08mL、1.25mmol)のテトラヒドロフラン(3.0mL)溶液に、カリウムtert−ブトキシド(174.8mg、1.56mmol)を0℃で追加し、30分間撹拌し、続いて、INT−53(300mg、1.0mmol)を0℃で追加した。得られた反応混合物を0℃で15分間撹拌した。完了後、氷水(5.0mL)を反応混合物に追加し、次いで、それを酢酸エチル(10.0mL)で抽出した。有機層を水(10.0mL)で洗浄し、続いて、飽和ブライン溶液(10.0mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮して、粗残留物(300mg)を得た。残留物を分取TLCによって精製して、褐色の液体としてINT−59(50mg、10%)を得た。MS m/z(M+H):219.1
2,4−ジクロロ−5−(エトキシメチル)ピリミジン(INT−60):方法A
水素化ナトリウム(またはKOtBu、8.3mmol)(199.4mg、8.3mmol)のエタノール(15.0mL)溶液を50℃で45分間撹拌した。混合物に、INT−53(3.0g、10.4mmol)を0℃で追加した。得られた反応混合物を室温で10分間撹拌した。完了後、反応混合物を氷冷水(50.0mL)で希釈し、酢酸エチル(2×100mL)で抽出し、ブライン溶液(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下(2.8g)で濃縮した。得られた粗物質を分取TLCによって精製して、無色の液体としてINT−60(402mg、19%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.66 (s, 1H), 4.56 (s, 2H), 3.69-3.64 ((m, 2H), 1.30 (t, J =7.2 Hz, 3H). MS m/z (M+H): 207.1.
2,4−ジクロロ−5−(エトキシメチル)ピリミジン(INT−60)の別の合成:方法B
エタノール(20mL)溶液に、塩化アセチル(0.55g、7.04mmol)を追加した。混合物を室温で10分間撹拌し、次いで、S9−1(1.0g、7.04mmol)を追加した。混合物を一晩かけて75〜80℃に加温し、冷却し、次いで、濃縮して、白色の固体として未精製の5−(エトキシメチル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(1.15g、96%)を得、これをさらに精製せずに次の工程で使用した。
5−(エトキシメチル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(0.5g、2.94mmol)のトルエン(1mL)懸濁液に、オキシ塩化リン(0.67、7.35mmol)を0℃で追加し、15分間撹拌した。反応混合物に、ヒューニッヒ塩基(0.77mL、4.41mmol)を0℃で滴下した。得られた反応混合物を120℃で1時間撹拌し、次いで、室温に冷却し、酢酸エチルおよび水(1/1、v/v)の撹拌二相混合物に0℃で45分間かけて注いだ。撹拌を同じ温度でさらに1.5時間継続した。次いで、反応混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮して、褐色の液体としてINT−60(0.40g、65%)を得た。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル、30/1〜20/1)によってさらに精製した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):
δ 8.67 (s, 1H), 4.56 (s, 2H), 3.66 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 1.30
(t, J = 7.2 Hz, 3H).
方法C:
NaH(79.75mg、3.32mmol)の無水THF(50mL)懸濁液に、3−メチルオキセタン−3−オール(268.39mg、3.05mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で追加した。0℃で30分間撹拌した後、反応混合物を、カニューレを介して、INT−53(800mg、2.77mmol)の無水THF(50mL)溶液に移した。0℃でさらに2時間撹拌した後、NH4Cl(飽和水溶液)を追加し、反応物を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO4で脱水し、減圧下で濃縮し、得られた残留物を、石油エーテル:酢酸エチル(1/1)の混合物で溶出するシリカカラムクロマトグラフィーによって精製した。褐色の固体としてINT−61(350mg、51%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.71 (s, 1H), 4.77-4.75 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 4.53 (s, 2H), 4.48-4.46 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 1.66 (s, 3H). MS m/z (M+H): 249.1.
上記方法A、方法Bまたは方法Cの1つまたはそれを超えるものによって、これらの方法のエタノールまたは3−メチルオキセタン−3−オールの代わりに、「アルコール」と表示されている欄の各アルコールを用いて、以下の表の「生成物」欄に示されている化合物を得ることによって、以下の中間体を合成した。
rac−2,4−ジクロロ−5−((2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル)メチル)ピリミジンの合成
INT−53(500.0mg、1.73mmol)の無水CH3CN(20mL、DMFもまた、この変換のための許容され得る溶媒でもある)撹拌懸濁液に、炭酸カリウム(358.3mg、2.6mmol)およびrac−2−(メトキシメチル)ピロリジンヒドロクロリド(262.4mg、1.73mmol)を0℃で追加して、褐色の溶液を得た。この溶液を3時間撹拌した。反応混合物をクロロホルムで希釈し、濃縮した。分取TLC(ヘキサン:酢酸エチル3/1)によって精製して、INT−69(160mg、33.4%)を得た。MS m/z(M+H):276.2.
上記手順を使用して、rac−2−(メトキシメチル)ピロリジンヒドロクロリドの代わりに、「アミン」と表示されている欄の各アミンを用いて、生成物の欄に示されている化合物を得ることによって、INT−69と同じ方法で、以下の中間体を合成した。
スキーム10
(R)−メチル2−クロロ−6−((10−メチル−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−3−イル)オキシ)ピリミジン−4−カルボキシレート(INT−91)の合成
INT−6(0.3g、1.002mmol)を15mLの乾燥DMFに追加し、超音波処理した。得られた溶液に、K
2CO
3(1.385g、10.02mmol)を追加し、反応物を10分間かけて90℃に加温した。次いで、反応物を冷却し、メチル2,6−ジクロロピリミジン−4−カルボキシレート(0.270g、1.303mmol)を追加した。反応物をアルゴンでフラッシュし、再び90℃で3時間加温した。反応が完了したと判断したら、反応物を冷却し、ろ過し、水に注いだ。展開した黄色の沈殿物をろ過によって単離し、EtOAcでトリチュレートし、真空下で一晩乾燥した。得られた粉末INT−91(0.373g、0.794mmol、収率79%)を、後の変換のためにさらに精製せずに使用した。MS m/z(M+H):470.0.
(R)−3−((2−クロロ−6−(ヒドロキシメチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(INT−92)の合成
INT−91(0.373g、0.794mmol)を、MeOH(1.2mL)と共にDCM(6mL)に溶解し、0℃に冷却した。水素化ホウ素ナトリウム(0.120g、3.18mmol)を30分間かけて2回に分けて追加した。反応物を2時間撹拌し、その時点で、5mLのメタノールで希釈し、シリカゲル上に濃縮した。次いで、それを、0〜10%MeOHのDCM溶液の勾配を使用するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、黄色の固体としてINT−92(0.141g、0.319mmol、収率40.2%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 9.35 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.17 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.14 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.83 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.62 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.25 (s, 1H), 7.15 (br, 1H), 4.56 (s, 2H), 3.59 (m, 1H), 3.44 (m, 2H), 1.16 (d, J = 6.4 Hz, 3H). MS m/z (M+H): 442.1.
(R)−3−((2−クロロ−6−(クロロメチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(INT−93)の合成
20mLバイアル中で、CCl
4(0.277ml、2.87mmol)およびトリフェニルホスフィン(753mg、2.87mmol)を、5mLのDCM中、室温で15分間撹拌した。次いで、上記溶液を、INT−92(141mg、0.319mmol)を含有するバイアルに移した。出発物質の可溶化を支援するために2mLの乾燥DMFを追加し、反応物を50℃で一晩加温した。翌朝、反応が完了したと判断し、シリカゲル上に濃縮し、0〜10%MeOHのDCM溶液の勾配を使用するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、INT−93(137mg、0.298mmol、収率93%)を得た。MS m/z(M+H):460.0;462.0.
(R)−tert−ブチル4−(2−クロロ−4−((10−メチル−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−3−イル)オキシ)ピリミジン−5−イル)−5,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(INT−94)の合成
I−116(240mg、0.489mmol)、tert−ブチル4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−5,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(227mg、0.734mmol)、炭酸カリウム(203mg、1.467mmol)およびPdCl
2(dppf)(35.8mg、0.049mmol)のDMF(8.0mL)溶液を排気/超音波処理(3×)によって脱気した(N
2を毎回再充填した)。反応混合物を、撹拌しながら85℃で加熱した。3時間後、混合物を水で希釈し、DCM(5×)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、濃縮した。HPLC(10〜95%MeCN/水、0.1%TFA)によって精製して、黄色の固体としてINT−94(54mg、0.091mmol、収率19%)を得た。
(R)−3−((2−クロロ−5−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(INT−95)の合成
INT−94(54mg、0.091mmol)をTFA(1.0mL)に溶解して、赤色の溶液を得た。3分後、UPLCは、完全な反応を示す。TFAを回転蒸発によって除去し、得られた暗赤色の残留物を水酸化アンモニウム(約2mL、注意深く滴下)で処理した。色が暗赤色から黄色に変化し、沈殿物が形成された。混合物を超音波処理して懸濁液を形成し、これを回転蒸発によって濃縮して、黄色の固体残留物を得、これをさらに精製せずに直接使用した。
(R)−3−((5−((アリルオキシ)メチル)−2−クロロピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(INT−96)の合成
INT−6(50mg、0.2mmol)のジメチルホルムアミド(1.0mL)溶液に、カリウムtert−ブトキシド(37.2mg、0.3mmol)を0℃で追加し、10分間撹拌し、続いて、INT−59(72.7mg、0.3mmol)を0℃で追加した。得られた反応混合物を室温で1時間撹拌した。完了後、反応混合物を水(5.0ml)でクエンチし、10%メタノール/ジクロロメタン(2×10ml)で抽出した。有機層を水(10mL)で洗浄し、続いて、飽和ブライン溶液(10mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。得られた粗物質(50mg)を分取TLCによって精製して、淡黄色の固体としてINT−96(5mg、6%)を得た。MS m/z(M+H):482.1.
2,4−ジクロロ−5−((4−(2−メトキシエトキシ)ピペリジン−1−イル)メチル)ピリミジン(INT−99)の合成
K
2CO
3(539.0mg、3.9mmol)およびINT−53(750mg、2.6mmol)のCH
3CN(25.0mL)撹拌懸濁液に、4−(2−メトキシエトキシ)ピペリジンヒドロクロリド(250.0mg、1.3mmol)を0℃で追加した。得られた反応混合物を室温で2時間撹拌した。完了後、反応混合物をセライト(登録商標)のパッドでろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた粗物質をカラムクロマトグラフィーによって精製して、無色の液体としてINT−99(152.0mg、36.5%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.66 (s, 1H), 3.62-3.53 (m, 6H), 3.45-3.37 (m, 4H), 2.85-2.72 (m, 2H), 2.35-2.22 (m, 2H), 2.00-1.82 (m,
2H), 1.72-1.55 (m, 2H). MS m/z (M+H): 320.1.
2,4−ジクロロ−5−((4−(2−フルオロエトキシ)ピペリジン−1−イル)メチル)(INT−100)の合成
K2CO3(602.0mg、4.4mmol)およびINT−53(1.6g、5.5mmol)のCH3CN(25.0mL)撹拌懸濁液に、2−(ピペリジン−4−イルオキシ)エタノールヒドロクロリド(604.0mg、2.2mmol)を0℃で追加した。得られた反応混合物を室温で2時間撹拌した。完了後、反応混合物をセライト(登録商標)のパッドでろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた粗物質をカラムクロマトグラフィーで精製して、無色の液体として2−((1−((2,4−ジクロロピリミジン−5−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)オキシ)エタン−1−オール(304.0mg、45%)を得た。MS m/z(M+H):302.1.
2−((1−((2,4−ジクロロピリミジン−5−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)オキシ)エタン−1−オール(304.0mg、1.0mmol)のCH
2Cl
2(8.0mL)撹拌溶液に、DAST(322.0mg、2.0mmol)を0℃で追加した。得られた反応混合物を室温で2時間撹拌した。完了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた粗物質をカラムクロマトグラフィーによって精製して、無色の液体としてINT−100(70.0mg、23%)を得た。MS m/z(M+H):308.2.
2,4−ジクロロ−5−((4−(メトキシ−d3)ピペリジン−1−イル)メチル)ピリミジン(INT−101)の合成
K
2CO
3(539.0mg、3.9mmol)およびINT−53(750mg、2.6mmol)のCH
3CN(25.0mL)撹拌懸濁液に、4−(メトキシ−d3)ピペリジンヒドロクロリド(250.0mg、1.3mmol)を0℃で追加した。得られた反応混合物を室温で2時間撹拌した。完了後、反応混合物をセライト(登録商標)のパッドでろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた粗物質をカラムクロマトグラフィーによって精製して、無色の液体としてINT−101(167.0mg、46%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.65 (s, 1H), 3.57 (s, 2H), 3.31-3.20 (m, 1H), 2.78-2.65 (m, 2H), 2.38-2.22 (m, 2H), 1.95-1.82 (m, 2H), 1.70-1.54 (m, 2H). MS m/z (M+H): 279.1.
2,4−ジクロロ−5−((4−イソプロポキシピペリジン−1−イル)メチル)ピリミジン(INT−102)の合成
K
2CO
3(1.45g、10.5mmol)およびINT−53(2.0g、6.9mmol)のCH
3CN(50mL)撹拌懸濁液に、4−イソプロポキシピペリジンヒドロクロリド(623mg、3.5mmol)を0℃で少しずつ追加した。得られた反応混合物を室温で2時間撹拌した。完了後、反応混合物をセライト(登録商標)のパッドでろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた粗物質をカラムクロマトグラフィーによって精製して、無色の液体としてINT−102(547mg、51.5%)を得た。
1H NMR
(400 MHz, CDCl
3) δ 8.66 (s, 1H), 3.72-3.66 (m, 1H), 3.61-3.54 (m,
2H), 3.47-3.38 (m, 1H), 2.81-2.69 (m, 2H), 2.35-2.22 (m, 2H), 1.93-1.79 (m, 2H), 1.68-1.54 (m, 2H), 1.14 (d, J = 4.0 Hz, 6H). MS m/z
(M+H): 304.2.
5−((4−(tert−ブトキシ)ピペリジン−1−イル)メチル)−2,4−ジクロロピリミジン(INT−103)の合成
K
2CO
3(478.0mg、3.5mmol)およびINT−53(500.0mg、1.7mmol)のCH
3CN(15.0mL)撹拌懸濁液に、4−tert−ブトキシピペリジンヒドロクロリド(200.0mg、1.0mmol)を0℃で追加した。得られた反応混合物を室温で一晩撹拌した。完了後、反応混合物をセライト(登録商標)のパッドでろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた粗物質をカラムクロマトグラフィーによって精製して、無色の液体としてINT−103(168mg、53%)を得た。
1H
NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.67 (s, 1H), 3.58 (s, 2H), 3.53-3.47 (m,
1H), 2.80-2.76 (m, 2H), 2.35-2.20 (m, 2H), 1.83-1.69 (m, 2H), 1.66-1.54 (m, 2H), 1.20 (s, 9H). MS m/z (M+H): 318.0.
2,4−ジクロロ−5−((エトキシ−d
5)メチル)ピリミジン(INT−104)の合成
ナトリウムエタン−1−オレート−d5(0.969mmol)のTHF溶液3.0mLを以下のように調製した。水素化ナトリウム(鉱油中60%、44.3mg、1.108mmol)のTHF(3.0mL)懸濁液に、エタン−1,1,2,2,2−d5−1−オール−d(0.057mL、0.969mmol)を0℃で追加した。冷却浴を除去し、得られた混合物を室温で40分間撹拌した。
ナトリウムエタン−1−オレート−d
5のTHF(3.0.mL;0.969mmol)溶液の第1部を上記手順にしたがって調製し、0℃に冷却した。ナトリウムエタン−1−オレート−d
5のTHF冷却溶液に、INT−53(400mg、1.385mmol)のTHF(3.0mL)溶液を追加した。2時間後、ナトリウムエタン−1−オレート−d
5のTHF(3.0mL;0.969mmol)溶液の第2部を上記手順にしたがって調製し、0℃に冷却し、反応混合物に追加した。14時間後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液(5.0mL)で希釈し、酢酸エチル(2×20mL)で抽出し、ブライン溶液(5mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。得られた粗物質を、5%〜20%EtOAc−ヘプタン勾配で溶出するシリカゲルカラムフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、無色の液体としてINT−104(99mg、収率34%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.76 (s, 1H),
4.53 (s, 2H). MS m/z (M+H): 212.1.
実施例1
(R)−エチル2−クロロ−4−((10−メチル−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−3−イル)アミノ)ピリミジン−5−カルボキシレート(I−18)の合成
20mLバイアル中で、(R)−3−アミノ−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(INT−3)(0.095g、0.318mmol)、エチル2,4−ジクロロピリミジン−5−カルボキシレート(0.084g、0.382mmol)およびヒューニッヒ塩基(0.111ml、0.637mmol)を5mLのi−PrOHに追加した。バイアルを密封し、懸濁液を24時間かけて95℃に加温した。完了したと判断したら、反応物を冷却し、沈殿物が形成された。5mLのエチルエーテルを追加し、バイアルを簡単に超音波処理し、生成物をろ過によって単離して、化合物I−18(0.112g、0.232mmol、収率72.8%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.18 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 1.35 (t, J = 7 Hz, 3H), 3.42-3.46 (m, 2H), 3.60 (m, 1H), 4.39 (q, J = 7 Hz, 2H), 7.08 (br s, 1H), 7.81 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 8.06 (d, J = 4 Hz, 1H), 8.10 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 8.54 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.93 (s, 1H), 9.27
(d, J = 9.3 Hz, 1H), 10.99 (s, 1H). MS m/z (M+H): 483.29.
実施例2
(R)−2−クロロ−4−((10−メチル−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−3−イル)アミノ)ピリミジン−5−カルボニトリル(I−16)の合成
エチル2,4−ジクロロピリミジン−5−カルボキシレートの代わりに2,4−ジクロロピリミジン−5−カルボニトリルを用いてI−18と同じ方法で、表題化合物を合成して、黄色の固体として化合物I−16(13mg、収率11%)を得た。
1H NMR (400
MHz, DMSO-d
6): δ 1.17 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 3.40-3.44 (m, 2H), 3.56-3.60 (m, 1H), 7.08 (br s, 1H), 7.84 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.89 (s, 1H), 8.09 (s, 1H), 8.13 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 8.81 (br s, 1H),
9.20 (d, J = 9.4 Hz, 1H), 11.14 (s, 1H). MS m/z (M+H): 436.27.
実施例3
(R)−2−クロロ−4−((10−メチル−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ−[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−3−イル)アミノ)−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド(I−19)の合成
4ドラムバイアル中で、DMF(0.5mL)を、(R)−2−クロロ−4−((10−メチル−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−3−イル)アミノ)ピリミジン−5−カルボン酸(INT−41)(10mg、0.022mmol)およびHATU(9.19mg、0.024mmol)の混合物に追加した。得られた混合物を、氷−メタノール冷却浴を使用して0℃に冷却した。次いで、予混合した1−メチルピペリジン−4−アミン(2.51mg、0.022mmol)およびDIPEA(0.012mL、0.066mmol)のDMF(0.5mL)溶液0.5mlを上記混合物に徐々に追加し、反応物を、撹拌しながら30分間かけて室温に加温した。反応完了後、粗混合物を、アセトニトリル/H
2O(01%TFA)を使用して分取HPLCによって精製して、固体として化合物I−19(4mg、7.26μmol、収率33.0%)を得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d6): δ・9.20-9.04 (m, 3H), 8.38-8.09 (m, 4H), 7.40
(d, 1H), 7.13 (br s, 1H), 3.52-3.36 (m, 4H), 3.05-3.01 (m, 2H), 2.73 (m, 3H), 2.17-1.71 (m, 4H), 1.17 (d, 3H). MS m/z: 514.9 (M-36
+).
実施例4
(R)−2−クロロ−N−シクロプロピル−4−((10−メチル−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−3−イル)アミノ)ピリミジン−5−カルボキサミド(I−21)の合成
1−メチルピペリジン−4−アミンの代わりにシクロプロピルアミン(cycloproylamine)を使用してI−19と同じ方法で、表題化合物を合成して、固体として化合物I−21を得た。MS m/z:457.9(M−36).
実施例5
(R)−2−クロロ−4−((10−メチル−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−3−イル)アミノ)−N−(オキセタン−3−イル)ピリミジン−5−カルボキサミド(I−20)の合成
1−メチルピペリジン−4−アミンの代わりにオキセタン−3−アミンを使用してI−19と同じ方法で、表題化合物を合成して、固体として単離された化合物I−20を得た。MS m/z:473.9(M−36).
実施例6
(R)−3−((2−クロロ−5−((R)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−カルボニル)ピリミジン−4−イル)アミノ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−24)の合成
1−メチルピペリジン−4−アミンの代わりに(R)−N,N−ジメチルピロリジン−3−アミンを使用してI−19と同じ方法で、表題化合物を合成して、固体として単離された化合物I−24を得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d6): δ9.90 (br s, 1H), 9.24 (d, 1H), 9.20 (d, 1H), 9.04 (d, 1H), 8.20 (m 1H), 8.19 (d, 1H), 7.34 (m, 1H), 7.11 (br t, 1H), 4.07-3.30 (m, 5H, partially overlapped by water), 2.87 (br s, 6H), 2.49-2.15 (m, 2H, partially merged with solvents peak), 1.17 (d, 3H).
実施例7
(R)−6−クロロ−4−((10−メチル−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−3−イル)アミノ)ニコチノニトリル(I−25)の合成
(R)−3−アミノ−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(INT−3)(60mg、0.2mmol)の1,4−ジオキサン(3.0mL)溶液に、6−クロロ−4−ヨードニコチノニトリル(63.8mg、0.2mmol)および炭酸カリウム(55.6mg、0.4mmol)を室温で追加した。反応混合物を5分間脱気し、続いて、Pd
2(dba)
3(9.1mg、0.01mmol)およびキサントホス(19.2mg、0.03mmol)を室温で追加した。得られた反応混合物を100℃で8時間撹拌した。完了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残留物を水(7.0mL)で希釈し、固体沈殿物が形成された。固体をろ過し、空気乾燥し、次いで、ジメチルスルホキシド/水から結晶化して、黄色の固体として化合物I−25(40mg、43%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.19 (d, J= 6.6 Hz, 3H), 3.45 (br s, 2H), 3.59 (br s, 1H), 7.01 (br s, 1H), 7.64 (d, J=
9.2 Hz, 1H), 7.79 (d, J= 8.9 Hz, 1H), 8.03-8.08 (m, 2H), 8.68 (s,
1H), 8.83 (s, 1H), 9.13 (d, J= 9.3 Hz, 1H), 10.1 (br s, 1H). MS
m/z (M+H): 435.2.
実施例8
(R)−6−フルオロ−4−((10−メチル−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−3−イル)アミノ)ニコチノニトリル(I−27)の合成
6−クロロ−4−ヨードニコチノニトリルの代わりに6−フルオロ−4−ヨードニコチノニトリルを用いてI−25と同じ方法で、表題化合物を合成して、黄色の固体として単離された化合物I−27(40mg、28%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6):
δ 1.19 (d, J= 6.7 Hz, 3H), 3.45 (br s, 2H), 3.55 (br s, 1H), 7.01 (br s, 1H), 7.67 (d, J= 9.1 Hz, 1H), 7.86 (d, J= 8.7 Hz, 1H),
8.03-8.07 (m, 2H), 8.51 (s, 1H), 8.61 (s, 1H), 9.14 (d, J= 9.0 Hz, 1H), 10.1 (br s, 1H). MS m/z (M+H): 419.3.
実施例9
(R)−6−フルオロ−4−((10−メチル−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−3−イル)アミノ)ニコチンアミド(I−29)の合成
(R)−6−フルオロ−4−((10−メチル−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−3−イル)アミノ)ニコチノニトリル(I−27)(30mg、0.1mmol)を、濃H
2SO
4(0.5mL)によって0℃で処理した。得られた反応混合物を60℃で1時間撹拌した。反応完了後、反応混合物を冷水(1.0mL)でクエンチし、その際に、固体が形成された。得られた固体をろ過し、空気乾燥して、粗生成物を得た。粗生成物をジメチルスルホキシド(1.0mL)に溶解し、80℃に加温し、次いで、ろ過して、未溶解の粒子を除去した。ろ液に、水(1.0mL)を追加した。形成した固体をろ過し、空気乾燥して、黄色の固体として化合物I−29(6.0mg、17%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.19 (d, J= 6.7 Hz, 3H), 3.44 (br
s, 2H), 3.58-3.59 (m, 1H), 7.01 (br s, 1H), 7.28 (d, J= 6.7 Hz,
1H), 7.85 (br s, 1H), 7.88 (d, J= 8.8 Hz, 1H), 8.02 (br s, 1H),
8.06 (d, J= 8.8 Hz, 1H), 8.42 (br s, 1H), 8.63 (s, 1H), 8.85 (s, 1H), 9.11 (d, J= 8.9 Hz, 1H), 12.08 (s, 1H). MS m/z (M+H): 437.2.実施例10
(R)−10−メチル−3−((2−(メチルスルホニル)ピリミジン−4−イル)アミノ)−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−14)の合成
(R)−tert−ブチル10−メチル−3−((2−(メチルスルホニル)ピリミジン−4−イル)アミノ)−8−オキソ−10,11−ジヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−12(9H)−カルボキシレート(INT−42)(15.0mg、0.03mmol)のジクロロメタン(2.0mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(2.0mL)を0℃で追加した。得られた反応混合物を0℃で20分間撹拌した。反応完了後、反応混合物を減圧下で濃縮し、クロロホルム(2×10mL)と共沸させた。得られた残留物を飽和重炭酸ナトリウム溶液(10mL)で希釈し、酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を分取TLCによって精製して、黄色の固体として化合物I−14(6.0mg、49%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.18 (d, J= 6.7 Hz, 3H), 3.39 (s, 3H), 3.45 (br s, 2H),
3.59 (br s, 1H), 7.02 (br s, 1H), 7.88 (d, J= 8.9 Hz, 1H), 7.93
(br s, 1H), 8.03 (d, J= 4.1 Hz, 1H), 8.45 (br s, 1H), 8.09 (d, J= 8.9 Hz, 1H), 8.70 (d, J=5.9 Hz, 1H), 9.15 (d, J= 9.3 Hz, 1H), 11.19 (br s, 1H). MS: m/z 455.3 (M+H).
実施例11
(R)−3−((5−フルオロ−2−ニトロフェニル)アミノ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−1)の合成
(R)−3−クロロ−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(S1−12)(120mg、0.4mmol)の1,4−ジオキサン(5mL)溶液を5−フルオロ−2−ニトロアニリン(70mg、0.4mmol)で処理した。得られた溶液を、真空を適用することによって簡単に脱気し、次いで、窒素でフラッシュした。炭酸セシウム(246mg、0.7mmol)、Pd
2(dba)
3(17mg、0.01mmol)およびキサントホス(43mg、0.07mmol)を追加し、混合物を上記のようにさらに脱気した。反応混合物を、マイクロ波照射下、130℃で1時間撹拌した。反応完了後、反応混合物をセライトでろ過し、酢酸エチルで洗浄し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をジエチルエーテルでトリチュレートし、分取HPLCによってさらに精製して、淡褐色の固体として化合物I−1(16mg、10%)を得た。
1H NMR (400
MHz, DMSO-d
6): δ 1.18 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 3.44 (br s, 2H), 3.58 (br s, 1H), 7.00-7.04 (m, 2H), 7.47 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 7.73 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 8.01-8.03 (m, 2H), 8.24 (dd, J = 6.1, 9.2 Hz,
1H), 8.73 (dd, J = 2.6, 12.1 Hz, 1H), 9.07 (d, J = 9.1 Hz, 1H),
10.26 (s, 1H). MS: m/z (M+H): 438.22 (M+H).
実施例12
(R)−4−フルオロ−2−((10−メチル−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−3−イル)アミノ)ベンゾニトリル(I−2)の合成
5−フルオロ−2−ニトロアニリンの代わりに2−アミノ−4−フルオロベンゾニトリルを用いてI−1と同じ方法で、表題化合物を合成して、黄色の固体として得られた化合物I−2を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ: 1.18 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 3.44 (s, 2H), 3.57-3.59 (m, 1H), 6.97 (t, J = 5 Hz, 1H), 7.03
(dt, J = 2.5, 8.4 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 9 Hz, 1H), 7.70 (d, J = 9 Hz, 1H), 7.86 (dd, J = 6.4, 8.7 Hz, 1H), 7.98 (d, J = 8.8
Hz, 1H), 8.02 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 8.35 (dd, J = 2.5, 12 Hz, 1H), 9.03 (d, J = 9 Hz, 1H), 9.61 (s, 1H). MS: m/z 418.1(M+H).
実施例13
(R)−3−((2−クロロピリミジン−4−イル)アミノ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−5)の合成
5−フルオロ−2−ニトロアニリンの代わりに2−クロロピリミジン−4−アミンを用いてI−1と同じ方法で、表題化合物を合成して、淡黄色の固体として得られた化合物I−5を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.17 (d, J = 6.7 Hz, 3H),
3.44 (br s, 2H), 3.58-3.59 (m, 1H), 7.07 (d, J = 5 Hz, 1H), 7.76
(d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.85 (d, J = 9 Hz, 1H), 8.03-8.08 (m, 2H),
8.33 (br s, 1H), 8.45 (d, J = 6 Hz, 1H), 9.15 (d, J = 9.2 Hz,
1H), 10.99 (s, 1H). MS: m/z 411.1(M+H).
実施例14
(R)−3−((2−フルオロピリミジン−4−イル)アミノ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−8)の合成
5−フルオロ−2−ニトロアニリンの代わりに2−フルオロピリミジン−4−アミンを用いてI−1と同じ方法で、表題化合物を合成した。加熱を、(マイクロ波照射ではなく)通常どおり90℃で16時間行って、灰白色の固体として得られた化合物I−8(8mg、収率11%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ: 1.17 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 3.44 (s, 2H), 3.58 (s, 1H), 7.05 (br s, 1H), 7.80 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.86 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 8.04 (d, J = 4.2 Hz,
1H), 8.07 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 8.21 (br s, 1H), 8.46 (d, J = 4.7 Hz, 1H), 9.15 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 10.98 (s, 1H). MS: m/z 395.32 (M+H).
実施例15
(R)−エチル4−((10−メチル−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−3−イル)アミノ)−2−(メチルチオ)ピリミジン−5−カルボキシレート(I−12)の合成
15mLバイアル中で、1,4−ジオキサンを(R)−3−ブロモ−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(INT−5)(10mg、0.028mmol)およびエチル4−アミノ−2−(メチルチオ)ピリミジン−5−カルボキシレート(INT−8)(8.83mg、0.041mmol)に追加し、続いて、NaOt−Bu(7.96mg、0.083mmol)およびブレットホス−G1プレ触媒(4.00mg、0.552μmol)を追加した。得られた不均一混合物をアルゴンで3分間パージし、80℃で一晩加熱した。完了後、反応物を、アセトニトリル/H
2O(0.1%TFA)を使用して分取HPLCによって精製して、固体として化合物I−12(6mg、0.012mmol、収率43.9%)を得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d6): δ11.01 (s, 1H), 9.23 (d, 1H), 8.86 (d, 1H), 8.69 (d, 1H), 8.10 (m, 2H),
7.81 (d, 1H), 7.10 (br.s, 1H), 4.38 (q, 2H), 3.60 (m, 1H), 3.45 (m, 2H), 2.66 (s, 3H), 1.35 (d, 3H), 1.18 (t, 3H). MS m/z: 494.9 (M+H).
実施例16
(R)−2−クロロ−4−(メチル(10−メチル−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−3−イル)アミノ)ピリミジン−5−カルボキサミド(I−34)の合成
(R)−2−クロロ−N−(4−メトキシベンジル)−4−(メチル(10−メチル−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−3−イル)アミノ)ピリミジン−5−カルボキサミド(INT−44)(60mg、0.1mmol)のジクロロメタン(1.0mL)撹拌溶液に、トリフルオロ酢酸(1.0mL、0.1mmol)およびトリフルオロメタンスルホン酸(153.12mg、1.0mmol)を0℃で追加した。得られた反応混合物を25℃で1時間撹拌した。反応完了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物を水で希釈し、形成された固体をろ過し、水で洗浄し、次いで、真空下で乾燥した。粗生成物を、5%メタノールのジクロロメタン溶液で溶出する分取TLCによって精製して、橙色の固体として化合物I−34(6.0mg、12%)を得た。
1H NMR (400
MHz, DMSO-d
6): δ 1.17 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 3.42 (m, 2H), 3.57 (m, 1H), 4.14 (s, 3H), 7.09 (t, J= 5.5 Hz, 1H), 7.76 (br s, 1H), 7.84 (d, J = 9.9 Hz, 1H), 8.05 (d, J= 9.2 Hz, 1H), 8.15 (d, J = 3.8 Hz, 1H), 8.26 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.79 (s, 1H), 8.85 (br s,
1H), 9.10 (d, J =9.9 Hz, 1H). MS m/z (M+H): 468.4.
実施例17
(R)−2−クロロ−4−((10−メチル−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−3−イル)アミノ)ピリミジン−5−カルボキサミド(I−9)の合成
(R)−2−クロロ−N−(4−メトキシベンジル)−4−((10−メチル−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−3−イル)アミノ)ピリミジン−5−カルボキサミド(INT−43)(20mg、0.03mmol)のジクロロメタン(1.0mL)撹拌溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)およびトリフルオロメタンスルホン酸(0.03mL、0.3mmol)を0℃で追加した。得られた反応混合物を25℃で1時間撹拌した。反応完了後、反応混合物を水で希釈し、形成された固体をろ過し、ジクロロメタンで洗浄し、乾燥した。得られた粉末を、5%MeOHのジクロロメタン溶液で溶出することによる分取TLCによって精製して、黄色の固体として化合物I−9(11mg、68%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.18 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 3.46 (m, 2H), 3.60 (m, 1H), 7.06 (br s, 1H), 7.82 (d, J = 8.9
Hz, 1H), 8.01 (br s, 1H), 8.07-8.09 (m, 2H), 8.51 (br s, 1H), 8.61 (d, J = 9.4 Hz, 1H), 8.90 (s, 1H), 9.26 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 12.11 (br s, 1H). MS: m/z 454.3(M+H).
実施例18
(R)−3−((6−フルオロピリミジン−4−イル)アミノ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−11)の合成
5−フルオロ−2−ニトロアニリンの代わりに6−フルオロピリミジン−4−アミンを用いてI−1と同じ方法で、表題化合物を合成した。加熱を、(マイクロ波照射ではなく)通常どおり100℃で16時間行って、褐色の固体として化合物I−11を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ: 1.17 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 3.44 (s, 2H), 3.59-3.60 (m, 1H), 6.99 (t, J = 5 Hz, 1H), 7.68 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.89 (d, J = 9 Hz, 1H), 8.03 (s, 1H), 8.06 (d, J = 9 Hz, 1H), 8.17 (s, 1H), 8.59 (d, J = 2 Hz, 1H), 9.10 (d, J = 9 Hz,
1H), 10.93 (s, 1H). MS: m/z 395.1 (M+H).
実施例19
(R)−3−((6−クロロピリミジン−4−イル)アミノ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−7)の合成
5−フルオロ−2−ニトロアニリンの代わりに6−クロロピリミジン−4−アミンを用いてI−1と同じ方法で、表題化合物を合成した。加熱を、(マイクロ波照射ではなく)通常どおり100℃で16時間行って、黄色の固体として化合物I−7を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.17 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 3.47 (br s, 2H), 3.58 (br s, 1H), 7.00 (br s, 1H), 7.76 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.84 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 8.04-8.08 (m, 2H), 8.46 (s, 1H), 8.64 (s,
1), 9.11 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 10.88 (s, 1H). MS m/z (M+H): 411.3.
実施例20
(R)−3−((6−フルオロピリミジン−4−イル)(メチル)アミノ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−38)の合成
5−フルオロ−2−ニトロアニリンの代わりに6−フルオロ−N−メチルピリミジン−4−アミンを用いてI−1と同じ方法で、表題化合物を合成した。加熱を、(マイクロ波照射ではなく)通常どおり90℃で16時間行って、淡黄色の固体として化合物I−38を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 1.18 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 3.44-3.46 (m, 2H), 3.59-3.60 (m, 1H), 3.68 (s, 3H), 6.88 (s, 1H), 7.10
(t, J = 5.4 Hz, 1H), 7.80 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.85 (d, , J =
8.9 Hz, 1H), 8.05 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 8.11 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 8.49 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 9.18 (d, J = 9.1 Hz, 1H). MS: m/z 409.3(M+H).
実施例21
(R)−6−クロロ−4−((10−メチル−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−3−イル)アミノ)ニコチンアミド(I−15)の合成
(R)−6−クロロ−N−(4−メトキシベンジル)−4−((10−メチル−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−3−イル)アミノ)ニコチンアミド(INT−51)(20mg、0.04mmol)のジクロロメタン:トリフルオロ酢酸(2mL、1:1の比)撹拌溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸(52mg、0.34mmol)を0℃で追加し、室温で2時間撹拌した。完了後、反応混合物を減圧下で濃縮し、飽和NaHCO
3水溶液(3mL)を0℃で追加し、20分間撹拌した。形成された固体をろ過し、水で洗浄し、粗化合物を分取HPLCによって精製して、黄色の固体として化合物I−15(8mg、収率61)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-D
6): δ: 1.20
(d, J = 6.7 Hz, 3H), 3.44-3.49 (m, 2H), 3.58 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 7.04 (, J = 5.4 Hz, 1H), 7.29 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.83 (d, J = 9 Hz, 1H), 7.93 (br s, 1H), 8.08 (d, J = 9 Hz, 2H), 8.48 (br s, 1H), 8.72 (s, 1H), 9.10 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 9.27 (s, 1H), 11.97 (s, 1H). MS: m/z 453.28(M+H).
実施例22
(R)−エチル4−クロロ−2−((10−メチル−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−3−イル)アミノ)ピリミジン−5−カルボキシレート(I−23)の合成
5−フルオロ−2−ニトロアニリンの代わりにエチル2−アミノ−4−クロロ−ピリミジン−5−カルボキシレートを用い、(R)−3−クロロ−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(S1−12)の代わりに(R)−3−ブロモ−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(INT−5)を用いてI−1と同じ方法で、表題化合物を合成した。黄色の固体として表題の化合物I−23を得た。
1H
NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.18 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 1.32 (t, J
=7.0 Hz, 3H), 3.45 (br s, 2H), 3.60 (br s, 1H), 4.32 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 4.29-4.34 (m, 2H), 7.07 (t, J =5.0 Hz, 1H), 7.80 (d, J
= 8.9 Hz, 1H), 8.03 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 8.06 (d, J = 8.8 Hz,
1H), 8.40 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 8.96 (s, 1H), 9.19 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 11.2 (br s, 1H). MS m/z (M+H): 483.1.
実施例23
(R)−3−((2,6−ジフルオロピリジン−4−イル)アミノ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−6)の合成
(R)−3−クロロ−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(S1−12)(50mg、0.16mmol)、2,6−ジフルオロピリジン−4−アミン(40.9mg、0.3mmol)および炭酸セシウム(154mg、0.5mmol)の1,4−ジオキサン(5mL)溶液をアルゴンで10分間脱気した。BINAP(9.8mg、0.02mmol)およびPd
2(dba)
3(14.4mg、0.02mmol)を追加し、溶液を再びアルゴンで5分間脱気し、次いで、16時間かけて100℃に加熱した。反応完了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた粗化合物をカラムクロマトグラフィー(100〜200シリカメッシュ、溶離液として10%メタノールのジクロロメタン溶液)によって精製し、続いて、関連画分を濃縮し、逆相HPLCによってさらに精製して、黄色の固体として化合物I−6(7mg、収率10%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ: 1.17 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 3.43 (s, 2H),
3.59 (d, J = 4 Hz, 1H), 6.98 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 7.24 (d, J = 9 Hz, 1H), 7.59 (s, 2H), 7.87 (d, J = 9 Hz, 1H), 8.03-8.06 (m,
2H), 9.09 (d, J = 9 Hz, 1H), 10.51 (s, 1H). MS: m/z 412.1(M+H).
実施例24
(R)−3−((2−フルオロピリジン−4−イル)アミノ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−3)の合成
10mLマイクロ波バイアル中で、Pd
2(dba)
3(21.61mg、0.024mmol)、炭酸セシウム(77mg、0.236mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)−ビフェニル(デイブホス、18.58mg、0.047mmol)、4−アミノ−2−フルオロピリジン(8.82mg、0.079mmol)および(R)−3−クロロ−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(S1−12)(25mg、0.079mmol)を0.5mLの乾燥t−BuOHに溶解した。反応物を真空下に置き、次いで、窒素を再充填した。反応物を一晩かけて100℃に加熱し、次いで、冷却し、ろ過し、濃縮乾固した。残留物をDMSOに再溶解し、95%〜5%H
2O(0.5%TFA v/vを含有する)/アセトニトリルを用いて逆相HPLCによって精製して、化合物I−3(0.004g、7.8μmol、収率10.0%)を得た。MS:m/z 393.6(M+H),391.7(M−H).
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.13 (d, 3H), 3.39 (m, 2H), 3.55 (m, 1H), 6.94 (br s, 1H), 7.20 (d, 1H), 7.81 (d, 1H), 7.99 (m, 4H), 9.02 (d, 1H), 10.21 (s, 1H).
実施例25
(R)−3−((2−クロロピリジン−4−イル)アミノ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−4)の合成
4−アミノ−2−フルオロピリジンの代わりに4−アミノ−2−クロロピリジンを用いてI−3と同じ方法で、表題化合物を合成して、化合物I−4(0.003g、5.7μmol、収率7.3%)を得た。MS:m/z 409.7(M+H),407.8(M−H).
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.13 (d, 3H), 3.38 (br s, 2H), 3.55 (m, 1H), 6.95 (br s, 1H), 7.17 (d, 1H), 7.72 (d, 1H), 7.78
(d, 1H), 8.01 (m, 2H), 8.16 (d, 1H), 9.03 (d, 1H).
実施例26
(R)−3−((2−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)−6−フルオロピリミジン−4−イル)アミノ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−32)の合成
5mLマイクロ波バイアル中で、(R)−3−クロロ−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(S1−12)(0.04g、0.126mmol)、BINAP(7.84mg、0.013mmol)、Pd(OAc)
2(8.48mg、0.013mmol)、炭酸セシウム(0.082g、0.252mmol)および2−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)−6−フルオロピリミジン−4−アミン(S3−3a)(0.028g、0.138mmol)を3mLの1,4−ジオキサンに懸濁した。反応物を真空下に置き、超音波処理し、次いで、窒素を再充填した。反応物を、Biotage Explorerマイクロ波によって130℃で1時間照射した。反応物を冷却し、ろ過し、濃縮乾固した。残留物をDMSOに再溶解し、95%〜5%H
2O(0.5%TFA v/vを含有する)/アセトニトリルを用いて逆相HPLCによって精製して、化合物I−32(0.017g、0.035mmol、収率28.0%)を得た。MS:m/z 466.1(M+H),463.8(M−H).
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.18 (d, 3H), 2.88 (s, 6H), 3.43 (m, 2H), 3.59 (m, 3H), 4.67
(m, 2H), 7.04 (m, 1H), 7.78 (br s, 1H), 7.88 (d, 1H), 8.08 (d, 1H), 9.14 (d, 1H), 9.89 (br s, 1H), 10.93 (s, 1H).
実施例27
(R)−3−((6−フルオロ−2−(オキセタン−3−イルオキシ)ピリミジン−4−イル)アミノ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−37)の合成
2−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)−6−フルオロピリミジン−4−アミンの代わりに6−フルオロ−2−(オキセタン−3−イルオキシ)ピリミジン−4−アミン(INT−9a)を用いてI−32と同じ方法で、表題化合物を合成して、化合物I−37(0.0033g、7.07μmol、収率5.6%)を得た。MS:m/z 467.1(M+H),464.6(M−H).
実施例28
(R)−3−((6−フルオロ−2−((3−メチルオキセタン−3−イル)メトキシ)ピリミジン−4−イル)アミノ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−39)の合成
2−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)−6−フルオロピリミジン−4−アミン(S3−3a)の代わりに6−フルオロ−2−((3−メチルオキセタン−3−イル)メトキシ)ピリミジン−4−アミン(INT−15a)を用いてI−32と同じ方法で、表題化合物を合成して、化合物I−39(0.01g、0.02mmol、収率12.9%)を得た。MS:m/z 495.0(M+H).
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.18 (d, 3H), 1.38 (s, 3H), 3.55 (m, 3H), 4.33 (d, 2H), 4.42 (s, 2H), 4.51 (d, 2H), 7.03 (t, 1H), 7.75 (br s, 1H), 7.88 (d, 1H), 8.07
(m, 2H), 9.12 (d, 1H), 10.91 (s, 1H).
実施例29
(R)−3−((4−フルオロ−6−(オキセタン−3−イルオキシ)ピリミジン−2−イル)アミノ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−42)の合成
2−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)−6−フルオロピリミジン−4−アミン(S3−3a)の代わりに4−フルオロ−6−(オキセタン−3−イルオキシ)ピリミジン−2−アミン(INT−9b)を用いてI−32と同じ方法で、表題化合物を合成した。これにより、化合物I−42(0.02g、0.04mmol、収率26.7%)を得た。MS:m/z 467.1(M+H).
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.20 (d, 3H), 3.47 (m, 2H), 3.62 (m, 1H), 4.64 (m, 2H), 4.97 (m, 2H), 5.67 (m, 1H), 6.28 (sm 1H), 7.08 (br s, 1H), 7.77 (d, 1H), 8.07 (d, 1H), 8.29 (d, 1H), 9.18 (d, 1H), 10.66 (s, 1H).
実施例30
(R)−3−((4−フルオロ−6−((3−メチルオキセタン−3−イル)メトキシ)ピリミジン−2−イル)アミノ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−43)の合成
2−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)−6−フルオロピリミジン−4−アミンの代わりに4−フルオロ−6−((3−メチルオキセタン−3−イル)メトキシ)ピリミジン−2−アミン(INT−15b)を用いてI−32と同じ方法で、表題化合物を合成した。これにより、化合物I−43(0.01g、0.02mmol、収率13.8%)を得た。MS:m/z 495.1(M+H).
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.18
(d, 3H), 1.38 (s, 3H), 3.46 (br s, 2H), 3.61 (m, 1H), 4.33 (d, 2H), 4.52 (m, 4H), 6.25 (s, 1H), 7.17 (s, 1H), 7.77 (d, 1H), 8.07 (d, 1H), 8.40 (d, 1H), 9.17 (d, 1H), 10.64 (s, 1H).
実施例31
(R)−3−((6−フルオロ−2−(((S)−テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリミジン−4−イル)アミノ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−40)の合成
2−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)−6−フルオロピリミジン−4−アミンの代わりに(S)−6−フルオロ−2−((テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリミジン−4−アミン(INT−23)を用いてI−32と同じ方法で、表題化合物を合成して、固体として化合物I−40を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 10.82 (s, 1H), 9.11 (d, 1H), 8.06 (d, 2H), 7.84 (d, 2H), 7.53 (br s, 1H),
7.01 (s, 1H), 5.47 (t, 1H), 3.95-3.78 (m, 4H), 3.78-3.30 (m, 4H), 2.27-2.01 (m, 2H), 1.17 (d, 3H). MS m/z: 480.8 (M+H).
実施例32
(R)−3−((4−フルオロ−6−(((S)−テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリミジン−2−イル)アミノ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−50)の合成
2−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)−6−フルオロピリミジン−4−アミンの代わりに(S)−4−フルオロ−6−((テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリミジン−2−アミン(INT−22)を用いてI−32と同じ方法で、表題化合物を合成して、固体として化合物I−50を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 10.61 (s, 1H), 9.15 (d, 1H), 8.36 (d, 1H), 8.05 (d, 2H), 7.76 (d, 1H), 7.05 (s, 1H), 6.19 (s, 1H), 4.01-3.83 (m, 4H), 3.60-3.45 (m, 3H), 2.48-2.01 (m, 2H), 1.18 (d, 3H). MS m/z: 480.8 (M+H).
実施例33
(R)−3−((6−フルオロ−2−(((R)−テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリミジン−4−イル)アミノ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−41)の合成
2−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)−6−フルオロピリミジン−4−アミンの代わりに(R)−6−フルオロ−2−((テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリミジン−4−アミン(INT−27)を用いてI−32と同じ方法で、表題化合物を合成して、固体として化合物I−41を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 10.83 (s, 1H), 9.11 (d, 1H), 8.05 (d, 2H), 7.84 (d, 2H), 7.65 (br s, 1H),
7.01 (s, 1H), 5.48 (t, 1H), 3.95-3.82 (m, 4H), 3.51 (m, 1H), 3.43
(m, 2H), 2.30-2.06 (m, 2H), 1.17 (d, 3H). MS m/z: 481.0 (M+H).
実施例34
(R)−3−((6−フルオロ−2−(2−メトキシエトキシ)ピリミジン−4−イル)アミノ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−44)の合成
2−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)−6−フルオロピリミジン−4−アミンの代わりに6−フルオロ−2−(2−メトキシエトキシ)ピリミジン−4−アミン(INT−19)を用いてI−32と同じ方法で、表題化合物を合成して、固体として化合物I−44(18mg、0.038mmol、収率27.2%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 10.82 (s, 1H), 9.10 (d, 1H), 8.05 (m, 2H), 7.84 (m, 2H), 7.01 (br s, 1H), 4.42 (t, 2H), 3.67 (m, 2H), 3.58 (m, 1H), 3.42
(m, 2H), 3.30 (s, 3H), 1.16 (d, 3H). MS m/z: 469.0 (M+H).
実施例35
(R)−3−((4−フルオロ−6−(((R)−テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリミジン−2−イル)アミノ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−46)の合成
2−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)−6−フルオロピリミジン−4−アミンの代わりに(R)−4−フルオロ−6−((テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)ピリミジン−2−アミン(INT−26)を用いてI−32と同じ方法で、表題化合物を合成して、固体として化合物I−46を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 10.61 (s, 1H), 9.14 (d, 1H), 8.35 (d, 1H), 8.04 (d, 2H), 7.75 (d, 1H), 7.04 (s, 1H), 6.18 (s, 1H), 5.57 (t, 1H), 3.98 (m, 1H), 3.87-3.77 (m,
3H), 3.61 (m, 1H), 3.44 (m, 2H), 2.31 (m, 1H), 2.04 (m, 1H), 1.17
(d, 3H). MS m/z: 481.0 (M+H).
実施例36
(R)−3−((4−フルオロ−6−(2−メトキシエトキシ)ピリミジン−2−イル)アミノ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−45)の合成
2−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)−6−フルオロピリミジン−4−アミンの代わりに4−フルオロ−6−(2−メトキシエトキシ)ピリミジン−2−アミン(INT−18)を用いてI−32と同じ方法で、表題化合物を合成して、固体として化合物I−45を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 10.62 (s, 1H), 9.15 (d, 1H),
8.37 (d, 1H), 8.07 (m, 2H), 7.76 (d, 1H), 7.05 (br s, 1H), 6.20 (s, 1H), 4.52 (t, 2H), 3.69 (t, 2H), 3.59 (m, 1H), 3.44 (m, 2H), 3.30 (s, 3H), 1.17 (d, 3H). MS m/z: 469.0 (M+H).
実施例37
(R)−3−((6−クロロ−2−(メトキシメチル)ピリミジン−4−イル)アミノ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−51)の合成
2−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)−6−フルオロピリミジン−4−アミンの代わりに6−クロロ−2−(メトキシメチル)ピリミジン−4−アミンを用いてI−32と同じ方法で、表題化合物を合成した。これにより、化合物I−51(0.025g、0.06mmol、収率10.7%)を得た。MS:m/z 454.9(M+H).
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.18 (d,3H), 3.41 (s, 3H), 3.44 (m, 3H), 4.49 (s, 2H), 7.05 (br s, 1H), 7.85 (d, 1H), 8.08 (m, 2H), 9.12 (d,
1H), 10.99, (s, 1H).
実施例38
(10R)−3−((6−フルオロ−2−((1−メチルピペリジン−3−イル)オキシ)ピリミジン−4−イル)アミノ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(ジアステレオマーの1:1混合物)(I−47)の合成
(R)−3−クロロ−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(S1−12)(150mg、0.47mmol)および(rac)−6−フルオロ−2−[(1−メチル−3−ピペリジル)オキシ]ピリミジン−4−アミン(INT−10)(128.1mg、0.56mmol)を溶解した1,4−ジオキサン(6.0mL)溶液を、真空を適用することによって簡単に脱気し、次いで、窒素で3回フラッシュした。上記溶液に、炭酸セシウム(461.3mg、1.41mmol)、Pd
2(dba)
3(43.2mg、0.05mmol)およびキサントホス(27.3mg、0.05mmol)を室温で追加し、この溶液を再び5分間脱気した。得られた反応混合物を100℃で6時間撹拌した。反応完了後、反応混合物を減圧下で濃縮し、その際に、固体が形成された。得られた固体を水、ジエチルエーテルおよびアセトンで洗浄し、淡黄色の固体として化合物I−47(30mg、12%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.18 (d, J= 6.6 Hz, 3H), 1.43-1.57 (m, 2H), 1.73 (m, 1H), 1.97-2.15 (m, 2H), 2.19 (s, 4H), 2.5 (m, 1H), 2.88 (d, J= 9.4 Hz, 1H), 3.44-3.49 (m, 2H), 3.55-3.59 (m, 1H), 4.99 (m, 1H), 6.99 (s, 1H), 7.69 (s, br, 1H), 7.79 (d, J= 7.2 Hz, 1H), 7.86 (d, J= 8.9 Hz, 1H), 8.01-8.06 (m, 2H), 9.10 (d, J=9.1 Hz, 1H), 10.76 (s, br, 1H). MS m/z (M+H): 508.3.
実施例39
(R)−3−((6−フルオロ−2−(2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ)ピリミジン−4−イル)アミノ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−48)の合成
(rac)−6−フルオロ−2−[(1−メチル−3−ピペリジル)オキシ]ピリミジン−4−アミン(INT−10)の代わりに6−フルオロ−2−(2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ)ピリミジン−4−アミン(INT−11)を用いてI−47と同じ方法で、表題化合物を合成して、淡黄色の固体として化合物I−48を得た。
1H
NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.18 (d, J= 6.4 Hz, 3H), 2.12 (s, 3H),
2.29 (br s, 4H), 2.49 (br s, 4H), 2.68 (br s, 2H), 3.43 (br s, 2H), 3.58 (br s, 1H), 4.41 (s, 2H), 6.99 (s, 1H), 7.58 (br s, 1H),
7.78-7.85 (m, 2H), 8.00-8.05 (m, 2H), 9.12 (d, J= 9.1 Hz, 1H), 10.39 (br s, 1H). MS m/z (M+H): 537.2.
実施例40
(R)−3−((6−フルオロ−2−(((R)−1−メチルピロリジン−3−イル)オキシ)ピリミジン−4−イル)アミノ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−49)の合成
(rac)−6−フルオロ−2−[(1−メチル−3−ピペリジル)オキシ]ピリミジン−4−アミン(INT−10)の代わりに(R)−6−フルオロ−2−((1−メチルピロリジン−3−イル)オキシ)ピリミジン−4−アミン(INT−12)を用いてI−47と同じ方法で、表題化合物を合成して、淡黄色の固体として化合物I−49(8.0mg、16%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.19 (d, J= 6.7 Hz, 3H), 2.27 (s, 3H), 2.31-2.40 (m, 2H), 2.61-2.68 (m, 3H), 2.82-2.84
(m, 1H), 3.44 (br s, 2H), 3.59 (br s, 1H), 5.33 (br s, 1H), 6.99
(br s, 1H), 7.49 (br s, 1H), 7.83-7.85 (m, 2H), 8.01 (br s, 1H),
8.05 (d, J= 8.8 Hz, 1H), 9.13 (d, J=9.3 Hz, 1H), 10.75 (br s, 1H). MS m/z (M+H): 494.5.
実施例41
(10R)−3−((6−クロロ−2−((1−メチルピペリジン−3−イル)オキシ)ピリミジン−4−イル)アミノ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(ジアステレオマーの1:1混合物)(I−59)の合成
(R)−3−ブロモ−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(INT−5)(100mg、0.3mmol)および(rac)−6−クロロ−2−((1−メチルピペリジン−3−イル)オキシ)ピリミジン−4−アミン(S4−4)(67mg、0.3mmol)を溶解した1,4−ジオキサン(5.0mL)溶液を、真空を適用することによって簡単に脱気し、次いで、窒素で3回フラッシュした。上記溶液に、炭酸セシウム(269.8mg、0.8mmol)、Pd
2(dba)
3(25.3mg、0.03mmol)およびキサントホス(15.9mg、0.03mmol)を室温で追加した。得られた混合物をさらに脱気し、100℃で6時間撹拌した。完了後、反応混合物を濃縮し、固体が形成された。得られた固体を水、ジクロロメタンで洗浄し、分取HPLCによって精製して、赤色の固体として化合物I−59(13mg、9%)を得た。
1H
NMR (400 MHz, CD
3OD): δ 1.35 (d, J= 6.8 Hz, 3H), 1.88-1.97 (m, 2H), 2.19-2.30 (m, 2H), 2.94 (s, 3H), 3.07-3.15 (m, 2H), 3.51-3.60 (m,
3H), 3.70-3.79 (m, 1H), 3.88-3.91(m, 1H), 5.57 (br s, 1H), 7.54 (d,
J= 9.2 Hz, 1H), 7.86 (d, J= 8.8 Hz, 1H), 8.00 (d, J= 8.8 Hz, 1H), 8.18 (s, 1H), 9.08 (d, J= 9.2 Hz, 1H). MS m/z (M+H): 524.6.
実施例42
(R)−3−((6−クロロ−2−(((R)−1−メチルピロリジン−3−イル)オキシ)ピリミジン−4−イル)アミノ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−60)の合成
(rac)−6−クロロ−2−((1−メチルピペリジン−3−イル)オキシ)ピリミジン−4−アミンの代わりに(R)−6−クロロ−2−((1−メチルピロリジン−3−イル)オキシ)ピリミジン−4−アミン(INT−28)を用いてI−59と同じ方法で、表題化合物を合成して、淡黄色の固体として化合物I−60(10.0mg、7%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.19 (d, J= 6.5 Hz, 3H), 2.27 (s, 3H), 2.32-2.36 (m, 2H), 2.66-2.68 (m, 3H), 2.83-2.87 (m, 1H), 3.45
(br s, 2H), 3.60 (br s, 1H), 5.34 (br s, 1H), 6.98 (br s, 1H), 7.72-7.74 (m, 1H), 7.81(d, J= 8.8 Hz, 1H), 7.91-7.97 (m, 2H), 8.06 (d, J= 8.9 Hz, 1H), 9.14 (d, J= 9.3 Hz, 1H), 10.7 (br s, 1H). MS m/z (M+H): 510.4.
実施例43
(R)−3−((6−クロロ−2−(2−メトキシエトキシ)ピリミジン−4−イル)アミノ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−67)の合成
(rac)−6−クロロ−2−((1−メチルピペリジン−3−イル)オキシ)ピリミジン−4−アミンの代わりに2−クロロ−6−(2−メトキシエトキシ)ピリミジン−4−アミン(S5−4)を用いてI−59と同じ方法で、表題化合物を合成して、黄色の固体として化合物I−67(25mg、18%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6):
δ 1.19 (d, J=6.6 Hz, 3H), 3.34 (s, 3H), 3.45 (br s, 2H), 3.60 (br s, 1H), 3.68 (t, J=4.4 Hz, 2H), 4.44 (t, J=4.4 Hz, 2H), 6.98 (br s, 1H), 7.79-7.82 (m, 2H), 7.97-7.98 (m, 2H), 8.06 (d, J=8.8 Hz, 1H), 9.14 (d, J=9.3 Hz, 1H), 10.73 (br s, 1H). MS m/z (M+H): 485.4.実施例44
(R)−3−((6−クロロ−2−(2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ)ピリミジン−4−イル)アミノ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−66)の合成
6−クロロ−2−(2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ)ピリミジン−4−アミンの代わりに6−クロロ−2−(2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ)ピリミジン−4−アミン(INT−29)を用いてI−59と同じ方法で、表題化合物を合成して、淡黄色の固体として化合物I−66(10mg、4.1%)を得た。
1H
NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.19 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 1.88 (s, 1H), 2.13 (s, 3H), 2.30 (br s, 4H), 2.50 (br s, 4H), 2.67-2.70 (t, J=5.7 Hz, 2H), 3.45 (br s, 2H), 3.60 (br s, 1H), 4.41-4.43 (t, J =
5.6 Hz, 2H), 7.80-7.91 (br m, 3H), 7.98 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 8.06 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 9.13 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 10.72 (br s,
1H). MS m/z (M+H): 553.1.
実施例45
(R)−3−((4−クロロ−6−(2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ)ピリミジン−2−イル)アミノ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−61)の合成
(rac)−6−クロロ−2−((1−メチルピペリジン−3−イル)オキシ)ピリミジン−4−アミンの代わりに6−クロロ−2−(2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ)ピリミジン−4−アミン(INT−46)を用いてI−59と同じ方法で、表題化合物を合成して、淡黄色の固体として化合物I−61(14mg、14.6%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.19 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 2.11
(s, 3H), 2.27 (br s, 4H), 2.49 (br s, 4H), 2.67-2.70 (t, J = 5.6
Hz, 2H), 3.45 (br s, 2H), 3.60 (br s, 1H), 4.49-4.52 (t, J = 5.6
Hz, 2H), 6.54 (s, 1H), 7.01 (br s, 1H), 7.76 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.97 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 8.04 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 8.39 (d,
J = 9.2 Hz, 1H), 9.15 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 10.39 (br s, 1H). MS m/z (M+H): 553.2.
実施例46
(R)−3−((4−クロロ−6−(2−メトキシエトキシ)ピリミジン−2−イル)アミノ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−69)の合成
(rac)−6−クロロ−2−((1−メチルピペリジン−3−イル)オキシ)ピリミジン−4−アミンの代わりに4−クロロ−6−(2−メトキシエトキシ)ピリミジン−2−アミン(INT−45)を用いてI−59と同じ方法で、表題化合物を合成して、黄色の固体として化合物I−69(8.0mg、12%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.19 (d, J=6.7 Hz, 3H), 3.30 (s, 3H), 3.45 (s, 2H), 3.59-3.60 (br m, 1H), 3.70 (t, J=4.5 Hz, 2H), 4.52 (t, J=4.3 Hz, 2H), 6.57 (s, 1H), 7.00 (br s, 1H), 7.76 (d, J=8.9 Hz, 1H), 7.96 (br s,
1H), 8.03 (d, J=8.9 Hz, 1H), 8.40 (d, J=9.3 Hz, 1H), 9.15 (d, J=9.4 Hz, 1H), 10.41 (br s, 1H). MS m/z (M+H): 485.1.
実施例47
(R)−メチル4−クロロ−6−((10−メチル−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−3−イル)アミノ)ピリミジン−2−カルボキシレート(I−70)の合成
(rac)−6−クロロ−2−((1−メチルピペリジン−3−イル)オキシ)ピリミジン−4−アミンの代わりにメチル4−アミノ−6−クロロピリミジン−2−カルボキシレート(S6−5)を用いてI−59と同じ方法で、表題化合物を合成して、淡黄色の固体として化合物I−70(10.0mg、11%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.19 (d, J= 6.7 Hz, 3H), 3.45 (br s, 2H), 3.60 (br s, 1H), 3.92 (s, 3H), 6.98 (br s, 1H), 7.80 (br s, 1H), 7.87 (d, J= 8.9
Hz, 1H), 7.98 (br s, 1H), 8.08 (d, J= 8.9 Hz, 1H), 8.67 (br s, 1H), 9.14 (d, J= 9.2 Hz, 1H), 11.23 (br s, 1H). MS m/z (M+H): 469.0.
実施例48
(R)−3−((6−フルオロ−2−(ピペリジン−1−イルメチル)ピリミジン−4−イル)アミノ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−74)の合成
(rac)−6−クロロ−2−((1−メチルピペリジン−3−イル)オキシ)ピリミジン−4−アミンの代わりに6−フルオロ−2−(ピペリジン−1−イルメチル)ピリミジン−4−アミン(S7−8)を用いてI−59と同じ方法で、表題化合物を合成して、黄色の固体として化合物I−74(44mg、29%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.18 (d, J= 6.8 Hz, 3H), 1.38 (m, 2H), 1.51 (m, 4H), 2.45-2.48 (m, 4H), 3.44 (m, 2H), 3.52 (s, 2H), 3.59 (m, 1H), 6.96 (m, 1H), 7.71 (d, J= 8.8 Hz, 1H), 7.87 (d, J= 8.8 Hz, 1H), 7.96 (m,
1H), 8.03-8.05 (m, 2H), 9.08 (d, J= 9.2 Hz, 1H), 10.89 (br s, 1H). MS m/z (M+H): 492.4.
実施例49
(R)−3−((6−フルオロ−2−((4−メチルピペラジン−1−イル)メチル)ピリミジン−4−イル)アミノ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−73)の合成
(rac)−6−クロロ−2−((1−メチルピペリジン−3−イル)オキシ)ピリミジン−4−アミンの代わりに6−フルオロ−2−((4−メチルピペラジン−1−イル)メチル)ピリミジン−4−アミン(INT−30)を用いてI−59と同じ方法で、表題化合物を合成して、黄色の固体として化合物I−73(40mg、39%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.18 (d, J= 6.8 Hz, 3H), 2.14 (s, 3H), 2.32-2.40 (m, 4H), 2.52-2.58 (m, 4H), 3.44 (m, 2H), 3.55 (s, 2H), 3.59-3.65 (m, 1H), 6.96 (m, 1H), 7.72 (d, J= 9.2 Hz, 1H), 7.87 (d, J= 8.8 Hz, 1H), 7.97 (m, 1H), 8.03-8.05 (m, 2H), 9.09 (d, J= 9.6 Hz, 1H), 10.89 (br s, 1H). MS m/z (M+H): 507.5.
実施例50
(R)−3−((4−クロロ−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−10)の合成
10mL丸底フラスコ中で、(R)−3−ブロモ−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(INT−31)(0.03g、0.083mmol)、4−クロロ−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−1,3,5−トリアジン−2−アミン(0.019g、0.083mmol、合成については「中間体の合成」のセクションを参照のこと)およびK
2CO
3(0.034g、0.248mmol)の1,4−ジオキサン(5mL)溶液を追加して、黄色の懸濁液を得た。Pd
2(dba)
3(7.58mg、8.28μmol)および2’−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−N,N−ジメチル−[1,1’−ビフェニル]−2−アミン(デイブホス6.52mg、0.017mmol)を追加し、反応物を窒素下で4時間加熱還流した。次いで、反応物を冷却し、ショートシリカプラグでろ過し、濃縮した。得られた残留物を1mLのDMSOに再溶解し、95%〜5%H
2O(0.5%TFA v/vを含有する)/アセトニトリルを用いて逆相HPLCによって精製して、化合物I−10(0.0027g、5.29μmol、収率6.39%)を得た。MS:m/z 510.1(M+H),507.7(M−H).
実施例51
(R)−3−((4−クロロピリミジン−2−イル)アミノ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−13)の合成
4−クロロ−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−1,3,5−トリアジン−2−アミンの代わりに4−クロロピリミジン−2−アミンを用いてI−10と同じ方法で、表題化合物を合成して、化合物I−13(0.0018g、4.38μmol、収率5.29%)を得た。MS:m/z 410.2(M+H).
実施例52
(R)−3−((2−(ジメチルアミノ)エチル)(6−フルオロピリミジン−4−イル)アミノ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−33)
の合成
10mLマイクロ波バイアル中で、Pd
2(dba)
3(7.20mg、7.87μmol)、炭酸セシウム(0.051g、0.157mmol)、ジシクロヘキシル(2’,6’−ジイソプロポキシ−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン(SPhos、7.34mg、0.016mmol)、N
1−(6−フルオロピリミジン−4−イル)−N
2,N
2−ジメチルエタン−1,2−ジアミン(INT−32)(0.017g、0.094mmol)および(R)−3−クロロ−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(S1−12)(0.025g、0.079mmol)を5mLの乾燥1,4−ジオキサンに溶解した。反応物を真空下に置き、超音波処理し、窒素を再充填した。この反応物を、Biotage Explorerマイクロ波によって130℃で3時間照射した。反応物を冷却し、ろ過し、濃縮乾固した。残留物をDMSOに再溶解し、95%〜5%H
2O(0.5%TFA v/vを含有する)/アセトニトリルを用いて逆相HPLCによって精製して、化合物I−33(0.0066g、0.014mmol、収率18.02%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.18 (d,
3H), 2.99 (s, 6H), 3.48 (m, 6H), 3.60 (m, 2H), 4.61 (m, 2H), 7.17
(t, 1H), 7.85 (d, 1H), 7.96 (d, 1H), 7.18 (m, 2H), 8.61 (s, 1H),
9.24 (d, 1H), 9.58 (br s, 1H).
実施例53
(R)−3−((6−フルオロピリミジン−4−イル)(2−メトキシエチル)アミノ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−36)の合成
N1−(6−フルオロピリミジン−4−イル)−N2,N2−ジメチルエタン−1,2−ジアミンの代わりに6−フルオロ−N−(2−メトキシエチル)ピリミジン−4−アミン(INT−33)を用いてI−33と同じ方法で、表題化合物を合成して、化合物I−36(0.0019g、4.20μmol、収率3.34%)を得た。MS:m/z 453.0(M+H),450.8(M−H).
実施例54
(R)−3−((2−フルオロピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−52)の合成
20mLバイアル中で、(R)−3−ヒドロキシ−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(INT−6)(0.072g、0.241mmol)を3mLの乾燥DMFに懸濁した。水素化ナトリウム(分散油中60重量%、9.62mg、0.241mmol)を追加し、反応物を90℃に加温した。ガスが放出され、色が暗琥珀色になるにつれて、出発物質が徐々に溶液になる。10分間の加熱後、反応物を0℃に冷却し、2,4−ジフルオロピリミジン(0.028g、0.241mmol)を滴下した。反応物を室温で撹拌し、または50℃に加温した。完了後、反応物を飽和NH
4Cl(水溶液)でクエンチし、水に注いだ。反応物をジクロロメタンで3回抽出し、有機抽出物を合わせ、硫酸ナトリウムで脱水し、真空下で濃縮した。得られた残留物をDMSOに再溶解し、95%〜5%H
2O(0.5%TFA v/vを含有する)/アセトニトリルを用いて逆相HPLCによって精製して、化合物I−52(0.036g、0.091mmol、収率37.9%)を得た。MS:m/z 395.9(M+H),393.7(M−H).
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.17 (d, 3H), 3.43 (m, 2H), 3.59 (m, 1H), 5.72 (s, 1H), 7.14 (t, 1H) 7.39 (m,1H), 7.64 (d, 1H), 7.84 (d, 1H), 8.15 (m, 2H), 8.77 (m, 1H), 9.36 (d, 1H).
実施例55
(R)−3−((6−クロロ−2−メチルピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−58)の合成
2,4−ジフルオロピリミジンの代わりに4,6−ジクロロ−2−メチルピリミジンを用いてI−52と同じ方法で、表題化合物を合成して、化合物I−58(0.005g、0.01mmol、収率16.9%)を得た。MS:m/z 425.9(M+H),423.6(M−H).
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.42 (d, 3H), 3.59 (m, 1H), 3.75 (d, 1H), 3.84 (m, 1H), 5.36 (br s, 1H), 7.07 (br s, 1H), 7.13 (s, 1H), 7.26 (s, 1H), 7.36 (d, 1H), 7.92 (d, 2H), 7.99 (d, 1H) 9.00 (d, 1H).
実施例56
(R)−3−((6−クロロ−2−(メトキシメチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−57)の合成
2,4−ジフルオロピリミジンの代わりに4,6−ジクロロ−2−(メトキシメチル)ピリミジンを用いてI−52と同じ方法で、表題化合物を合成して、化合物I−57(0.025g、0.055mmol、収率11%)を得た。MS: m/z 455.8(M+H), 453.6(M-H).
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.18 (d, 3H), 3.27 (s, 3H), 3.61 (m, 3H), 4.42 (s, 2H), 7.15 (br s, 1H), 7.55 (s, 1H), 7.60 (d,
1H), 7.83 (d, 1H), 8.16 (m, 2H), 9.35 (d, 1H).
実施例57
(R)−3−((6−クロロピラジン−2−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−55)の合成
2,4−ジフルオロピリミジンの代わりに2,6−ジクロロピラジンを用いてI−52と同じ方法で、表題化合物を合成して、黄色の固体として化合物I−55(2.4mg、4.51μmol、収率9.01%)を得た。LCMS m/z:411.8[M+H].
実施例58
(R)−3−((6−クロロピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−56)の合成
2,4−ジフルオロピリミジンの代わりに4,6−ジクロロピリミジンを用いてI−52と同じ方法で、表題化合物を合成して、化合物I−56を得た。MS m/z:411.8[M+H].
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 9.02 (d, 1H), 8.65 (s, 1H), 8.04-7.92 (m, 2H), 7.39 (d, 1H), 7.30 (s, 1H), 3.86 (m, 1H), 3.80-3.72 (m, 1H), 3.60 (m, 1H), 1.44 (d, 3H).
実施例59
(R)−3−((2−クロロピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−53)の合成
2,4−ジフルオロピリミジンの代わりに2,4−ジクロロピリミジンを用いてI−52と同じ方法で、表題化合物を合成して、黄色の固体として化合物I−53(30mg、20%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.20 (d, J=6.6 Hz, 3H),
3.46 (br s, 2H), 3.60 (br s, 1H), 7.10 (br s, 1H), 7.42 (d, J=5.6 Hz, 1H), 7.61 (d, J=9.0 Hz, 1H), 7.84 (d, J=8.9 Hz,1H), 8.04 (br
s, 1H), 8.17 (d, J=8.8 Hz, 1H), 8.74 (d, J=5.6 Hz, 1H), 9.37 (d,
J=9.0 Hz, 1H). MS m/z (M+H): 412.3.
実施例60
(R)−3−((6−フルオロ−2−メチルピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−65)の合成
2,4−ジフルオロピリミジンの代わりに4,6−ジフルオロ−2−メチルピリミジンを用いてI−52と同じ方法で、表題化合物を合成して、固体として化合物I−65を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): d 9.33 (d, 1H), 8.15 (m, 2H), 7.82 (m, 1H), 7.56 (d, 1H), 7.13 (br s, 1H), 7.03 (s, 1H), 3.58-3.43 (m,
3H), 2.40 (s, 3H), 1.17 (d, 3H). MS m/z: 409.9 (M+H).
実施例61
(R)−メチル4−クロロ−6−((10−メチル−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−3−イル)オキシ)ピリミジン−2−カルボキシレート(I−71)の合成
2,4−ジフルオロピリミジンの代わりにメチル4,6−ジクロロピリミジン−2−カルボキシレートを用いてI−52と同じ方法で、表題化合物を合成して、黄色の固体として化合物I−71(16mg、11.3%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.20 (d, J=6.6 Hz, 3H), 3.46 (br s, 2H), 3.61 (br s, 1H), 3.82
(s, 3H), 7.10 (br s, 1H), 7.61 (d, J=9.1Hz, 1H), 7.82 (d, J=8.8 Hz, 1H), 7.86 (s, 1H), 8.05 (br s, 1H), 8.17 (d, J=8.9 Hz, 1H), 9.37 (d, J=9.1 Hz, 1H). MS m/z (M+H): 470.1.
実施例62
(R)−3−((6−クロロ−2−(ヒドロキシメチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−68)の合成
(R)−メチル4−クロロ−6−((10−メチル−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−3−イル)オキシ)ピリミジン−2−カルボキシレート(I−71)(30mg、0.06mmol)のテトラヒドロフラン(3.0mL)溶液に、ジイソブチルアルミニウムヒドリド(1M)(72.6mg、0.50mL、0.5mmol)を0℃で追加した。得られた反応混合物を室温で2時間撹拌した。完了後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液(5mL)でクエンチし、酢酸エチル(2×15mL)で抽出した。有機層を水(2×10mL)で洗浄し、続いて、ブライン(1×10mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。粗生成物を分取TLCによって精製して、黄色の固体として化合物I−68(6.0mg、18%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.19 (d, J=6.6 Hz, 3H), 3.46 (br s, 2H), 3.60 (br s, 1H), 4.43 (d, J=6.6 Hz, 2H), 5.34 (t, J=6.2 Hz, 1H), 7.09 (br s, 1H), 7.44 (s, 1H), 7.57 (d, J=9.0 Hz, 1H), 7.82 (d, J=8.9 Hz, 1H), 8.04 (br s, 1H), 8.15 (d, J=8.8 Hz, 1H), 9.35 (d, J=9.1 Hz, 1H). MS m/z (M+H): 442.4.
実施例63
(R)−3−((4−クロロ−6−(ピロリジン−1−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−62)の合成
2,4−ジフルオロピリミジンの代わりに2,4−ジクロロ−6−(ピロリジン−1−イル)−1,3,5−トリアジン(INT−34)を用いてI−52と同じ方法で、表題化合物を合成して、化合物I−62を得た。MS:m/z:481.9[M+1].
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 8.98 (d, 1H), 7.99-7.88 (m, 2H), 7.32 (d, 1H), 6.12 (s, 1H), 5.28 (t, 1H), 3.87-3.79 (m, 1H), 3.76-3.69 (m, 1H), 3.63 (t, 2H), 3.60-3.52 (m, 1H), 3.44 (t, 2H), 2.02-1.89 (m, 4H),
1.40 (d, 3H).
実施例64
(R)−3−((4−クロロ−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−63)の合成
2,4−ジフルオロピリミジンの代わりに4−(4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン−2−イル)モルホリン(INT−35)を用いてI−52と同じ方法で、表題化合物を合成して、化合物I−63を得た。MS:m/z 497.9[M+H].
1H-NMR
(400 MHz, DMSO-d6): δ 9.33 (d, 1H), 8.20-8.13 (m, 2H), 7.87 (d, 1H), 7.62 (d, 1H), 7.15 (s, 1H), 3.80-3.70 (m, 3H), 3.68-3.62 (t, 2H), 3.59- 3.53 (m, 4H), 3.45 (m, 2H), 1.19 9d, 3H).
実施例65
(R)−3−((4−クロロ−6−(ピペリジン−1−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−64)の合成
2,4−ジフルオロピリミジンの代わりに2,4−ジクロロ−6−(ピペリジン−1−イル)−1,3,5−トリアジン(INT−36)を用いてI−52と同じ方法で、表題化合物を合成して、化合物I−64.を得た。MS:m/z:495.8[M+H].
実施例66
(R)−3−((4−クロロ−6−(ジメチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−75)の合成
2,4−ジフルオロピリミジンの代わりに4,6−ジクロロ−N,N−ジメチル−1,3,5−トリアジン−2−アミン(INT−37)を用いてI−52と同じ方法で、表題化合物を合成して、化合物I−75を得た。MS: m/z 455.8 [M+H].
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 9.33 (d, 1H), 8.21-8.14 (m, 2H), 7.88 9d, 1H), 7.63
(d, 1H), 7.15 (s, 1H), 3.65-3.57 (m, 1H), 3.50-3.44 (m, 2H), 3.12 (s, 3H0, 2.96 (s, 3H), 1.19 9d, 3H).
実施例67
(R)−3−((4−クロロ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−76)の合成
2,4−ジフルオロピリミジンの代わりに2,4−ジクロロ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン(INT−38)を用いてI−52と同じ方法で、表題化合物を合成して、化合物I−76を得た。MS: m/z 442.7 [M+H].
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ
9.38 (d, 1H), 8.24-8.14 (m, 2H), 7.92-7.87 (m, 1H), 7.71-7.66 (m, 1H), 7.17 (s, 1H), 3.96 (s, 3H), 3.66-3.56 (m, 1H), 3.50-3.40 (m, 2H), 1.19 (d, 3H).
実施例68
(R)−3−((4−クロロ−6−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−77)の合成
2,4−ジフルオロピリミジンの代わりに2,4−ジクロロ−6−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−1,3,5−トリアジン(INT−39)を用いてI−52と同じ方法で、表題化合物を合成して、化合物I−77を得た。MS:m/z 517.8[M+H].
実施例69
(R)−3−((4−クロロ−6−(3,3−ジフルオロピペリジン−1−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−78)の合成
2,4−ジフルオロピリミジンの代わりに2,4−ジクロロ−6−(3,3−ジフルオロピペリジン−1−イル)−1,3,5−トリアジン(INT−40)を用いてI−52と同じ方法で、表題化合物を合成して、化合物I−78を得た。MS: m/z 531.8 [M+H].
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 9.34 (dd, 1H), 8.20 (dd, 1H), 8.16 (d, 1H), 7.88 (dd, 1H), 7.66 (dd, 1H), 7.16 (s, 1H), 4.15 (t, 1H),
3.97 (t, 2H), 3.84 (t, 3H), 3.65 (m, 2H), 2.12 (m, 2H), 1.78-1.60
(m, 2H), 1.19 (d, 3H).
実施例70
(R)−3−((6−クロロピリダジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オンの合成
マイクロ波バイアル中で、NaH(26.7mg、0.668mmol)をINT−6(50mg、0.167mmol)のDMF(4mL)溶液に追加し、通常どおり55℃で1時間加熱した。次いで、反応混合物を0℃に冷却し、3,5−ジクロロピリダジン(49.8mg、0.334mmol)のDMF溶液0.5mlを追加した。得られた混合物を100℃で1時間45分間照射した。反応完了後、粗混合物を、溶離液としてCH
3CN/H
2O(0.1%ギ酸)を使用して分取HPLCによって直接精製して、固体としてI−79(15mg、0.036mmol、収率21.80%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 9.43 (s, 1H), 9.34 (d, 1H), 8.14-8.07 (m, 3H), 7.74 (d, 1H), 7.56 (d, 1H), 7.10 (br t, 1H), 3.44-3.30 (m, 3H, merged with DMSO-H
2O peak), 1.16 (d, 3H). MS m/z = 411.8 (M+1
+).
実施例71
(R)−3−((6−フルオロピリミジン−4−イル)チオ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−54)の合成
水素化ナトリウム(22.83mg、0.9mmol)のジメチルホルムアミド(1.0mL)懸濁液に、((R)−3−メルカプト−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(INT−7)(100mg、0.3mmol)および4,6−ジフルオロピリミジン(73.6mg、0.6mmol)を室温で追加した。得られた反応混合物を90℃で2時間撹拌した。反応完了後、反応混合物を水でクエンチし、5%メタノールのジクロロメタン(3×5mL)溶液で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。得られた粗物質を分取TLCによって精製して、黄色の固体として化合物I−54(15mg、10%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.19 (d, J=6.7 Hz, 3H), 3.46 (br s, 2H), 3.61 (br s, 1H), 7.11
(br s, 1H), 7.48 (s, 1H), 7.92-7.96 (m, 2H), 8.05 (br s, 1H), 8.20 (d, J=8.9 Hz, 1H), 8.78 (br s, 1H), 9.25 (d, J=9.0 Hz, 1H). MS:
m/z 412.3(M+H).
実施例72
(R)−3−((2−クロロピリミジン−4−イル)チオ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−72)の合成
4,6−ジフルオロピリミジンの代わりに2,4−ジクロロピリミジンを用いてI−54と同じ方法で、表題化合物を合成して、黄色の固体として化合物I−72(25mg、18%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.19 (d, J=6.6 Hz, 3H),
3.45 (br m, 2H), 3.60 (br m, 1H), 7.12 (br s, 1H), 7.57 (d, J=5.4 Hz, 1H), 77.95-7.97 (m, 2H), 8.07 (br s, 1H), 8.21 (d, J=8.9 Hz,
1H), 8.53 (d, J=5.4 Hz, 1H), 9.26 (d, J=8.9 Hz, 1H). MS m/z (M+H): 428.3.
実施例73
(S)−3−((6−フルオロピリミジン−4−イル)アミノ)−10−(ヒドロキシメチル)−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−17)の合成
(S)−3−クロロ−10−(ヒドロキシメチル)−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(INT−1)(50mg、0.15mol)6−フルオロピリミジン−4−アミン(33.9mg、0.3mmol)の1,4−ジオキサン(10mL)撹拌溶液に、炭酸セシウム(146.42mg、0.45mmol)を追加し、この溶液をアルゴンで10分間脱気した。上記溶液に、キサントホス(8.6mg、0.015mmol)を追加し、続いて、Pd
2(dba)
3(14mg、0.015mmol)を追加し、この溶液をアルゴンで再び5分間脱気し、100℃で16時間撹拌した。完了後、氷水(5mL)およびジクロロメタン(10mL)を反応混合物に追加し、30分間撹拌した。固体が形成され、ろ過によって回収し、水(5mL)で洗浄し、続いて、メタノール(5mL)で洗浄して、褐色の固体として化合物I−17(40mg、収率63%)を得た。
1H
NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 3.43-3.59 (m, 5H), 4.95 (t, J = 5 Hz,
1H), 6.96 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.68 (d, J = 9 Hz, 1H), 7.84 (s, 1H), 7.89 (d, J = 9 Hz, 1H), 8.05 (d, J = 9 Hz, 1H), 8.17 (s, 1H), 8.58 (s, 1H), 9.09 (d, J = 9 Hz, 1H), 10.92 (s, 1H). MS m/z (M+H): 411.2.
実施例74
(S)−3−((6−クロロピリミジン−4−イル)アミノ)−10−(ヒドロキシメチル)−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−22)の合成
6−フルオロピリミジン−4−アミンの代わりに6−クロロピリミジン−4−アミンを用いてI−17と同じ方法で、表題化合物を合成して、黄色の固体として化合物I−22(20mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-D
6): δ: 3.43-3.59 (m, 5H), 4.95 (t, J = 5 Hz, 1H), 6.96 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.75 (d, J = 9 Hz, 1H), 7.82 (s, 1H), 7.85 (s, 1H), 8.06 (d, J = 9 Hz, 1H), 8.46 (br s, 1H), 8.63 (s, 1H), 9.10 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 10.86 (s,
1H). MS m/z (M+H): 427.37.
実施例75
(S)−2−クロロ−4−((10−(ヒドロキシメチル)−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−3−イル)アミノ)ピリミジン−5−カルボキサミド(I−30)の合成
(S)−2−クロロ−4−((10−(ヒドロキシメチル)−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−3−イル)アミノ)−N−(4−メトキシベンジル)ピリミジン−5−カルボキサミド(INT−52)(22mg、0.04mmol)のジクロロメタン(2.0mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(0.5mL、0.04mmol)を0℃で追加し、続いて、トリフルオロメタンスルホン酸(55.9mg、0.4mmol)を追加した。得られた反応混合物を室温で1時間撹拌した。完了後、反応混合物を減圧下で濃縮し、ジクロロメタン(2×10mL)で共蒸留した。得られた粗物質を飽和重炭酸ナトリウム溶液(10mL)で希釈し、10分間撹拌し、その後、沈殿物が形成された。沈殿物をろ過し、水で洗浄し、続いて、2%メタノールのジクロロメタン溶液で洗浄し、乾燥して、褐色の固体として化合物I−30(11mg、52%)を得た。
1H NMR (400
MHz, DMSO-d
6): 3.42-3.50 (m, 3H), 3.55-3.58 (m, 2H), 4.95 (br s, 1H), 7.04 (br s, 1H), 7.82 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.85 (br s, 1H), 8.07-8.09 (m, 2H), 8.52 (s, 1H), 8.61 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 8.90 (s,
1H), 9.25 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 12.12 (s, 1H). MS m/z (M+H): 470.2.
実施例76
(R)−10−(アミノメチル)−3−((6−フルオロピリミジン−4−イル)アミノ)−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(S8−6、I−26)の合成
(S)−tert−ブチル((3−((6−フルオロピリミジン−4−イル)アミノ)−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−10−イル)メチル)カルバメート(S8−5)(16.0mg、0.03mmol)のジクロロメタン(2.0mL)撹拌溶液に、トリフルオロ酢酸(1.1mL)を室温で追加した。得られた反応混合物を室温で1時間撹拌した。完了後、反応混合物を減圧下で濃縮した。粗物質をジエチルエーテルでトリチュレートして、黄色の固体として化合物I−26のトリフルオロ酢酸塩(14mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 2.81-2.88 (m, 1H), 2.97-3.02
(m, 1H), 3.78-3.80(m, 1H), 3.80-3.88 (m, 2H), 7.05 (br s, 1H), 7.72
(d, J = 9.3 Hz, 1H), 7.83 (br s, 2H), 7.93 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 8.07-8.10 (m, 2H), 8.17 (s, 1H), 8.59 (s, 1H), 9.07 (d, J = 9.1
Hz, 1H), 10.94 (br s, 1H). MS m/z (M+H): 410.3.
実施例77
(R)−10−(アミノメチル)−3−((6−クロロピリミジン−4−イル)アミノ)−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−28)の合成
6−フルオロピリミジン−4−アミンの代わりに6−クロロピリミジン−4−アミンを用い、(S)−3−クロロ−10−(ヒドロキシメチル)−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(INT−1)の代わりに(R)−10−(アミノメチル)−3−クロロ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(INT−47)を用いてI−17と同じ方法で、表題化合物を合成して、橙色の固体として化合物I−28を得た。
1H NMR
(400 MHz, DMSO-d
6): δ 2.79-2.80 (m, 1H), 2.98-3.01 (m, 2H), 3.07-3.10 (m, 1H), 3.69-3.79 (m, 2H), 3.82-3.88 (m, 1H), 7.78-7.88 (m, 3H),
8.08-8.10 (m, 2H), 8.45 (br s, 1H), 8.64 (s, 1H), 9.08 (d, J= 9.1
Hz, 1H), 10.89 (br s, 1H). MS m/z (M+H): 426.3.
実施例78
(S)−10−((ジメチルアミノ)メチル)−3−((6−フルオロピリミジン−4−イル)アミノ)−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−31)の合成
(S)−3−クロロ−10−(ヒドロキシメチル)−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(INT−1)の代わりに(S)−3−クロロ−10−((ジメチルアミノ)メチル)−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(INT−48)を用いてI−17と同じ方法で、表題化合物を合成して、黄色の固体として化合物I−31(6.0mg、40%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 2.25 (s, 3H), 2.52-2.54 (m, 2H), 3.22-3.25 (m, 1H), 3.32-3.35 (m, 1H), 3.55-3.60 (m, 1H), 7.14 (t, J= 5.6 Hz, 1H), 7.70 (d, J= 9.2 Hz, 1H), 7.89 (d, J= 8.8 Hz, 1H), 8.19 (d, J= 8.8 Hz, 1H), 8.23 (br s, 1H), 9.24 (d, J= 9.2 Hz, 1H). MS m/z (M+H): 347.1.
実施例79
(R)−3−((6−フルオロピリミジン−4−イル)アミノ)−10−((メチルアミノ)メチル)−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−35)の合成
(S)−3−クロロ−10−(ヒドロキシメチル)−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(INT−1)の代わりに(R)−3−クロロ−10−((メチルアミノ)メチル)−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(INT−50)を用いてI−17と同じ方法で、表題化合物を合成して、淡褐色の固体として化合物I−35(17mg、14%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 2.26 (s, 3H), 2.31-2.33 (m, 1H), 2.40-2.50 (m, 1H), 3.22-3.25 (m, 1H), 3.55 (m, 2H), 7.05
(m, 1H), 7.69 (d, J=9.0 Hz, 1H), 7.90 (d, J=8.8 Hz, 1H), 8.06 (d,
J= 8.9 Hz,1H), 8.17 (d, J= 9.5 Hz, 2H), 8.58 (s, 1H), 9.14 (d, J=9.1 Hz, 1H), 10.9 (br s, 1H). MS m/z (M+H): 424.2.
実施例80
(R)−3−((5−((tert−ブチル(メチル)アミノ)メチル)−2−クロロピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−80)の合成
INT−6(75mg、0.2mmol)の無水DMF(5mL)撹拌懸濁液に、t−BuOK(28.1mg、0.25mmol)を0℃で追加して、褐色の溶液を得た。得られた溶液をこの温度でさらに0.5時間撹拌した。INT−90(93.2mg、0.4mmol)のDMF(2mL)溶液を上記溶液に滴下し、室温で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(20mL)と水(30mL)とに分け、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、有機層を分離し、Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。分取HPLCによって精製して、黄色の固体として所望の生成物I−80(24mg、18%)を得た。(400 MHz, DMSO-d6): δ 9.34 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.70 (s, 1H), 8.15
(d, J = 8.8 Hz, 1H), 8.03 (br, 1H), 7.82 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.56 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.10-7.11 (m, 1H), 3.66 (s, 2H), 3.61 (br, 1H), 3.46 (br, 2H), 2.17 (s, 3H), 1.19 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.10 (s, 9H). MS m/z (M+H): 511.3.
実施例81
(R)−3−((2−クロロ−5−((2−メトキシエトキシ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−81)の合成
不活性窒素雰囲気でパージおよび維持した100mL丸底フラスコに、INT−6(115.9mg、0.39mmol)のDMF(10mL)溶液を溶解した。t−BuOK(1M THF溶液)(0.64mL、0.64mmol)を、シリンジを介してこの溶液に0℃で徐々に追加し、反応物が透明な褐色に変化した。得られた溶液を0℃で20分間撹拌した。この20分後、INT−64(137mg、0.58mmol)のDMF(2mL)溶液を、撹拌しながら0℃で滴下した。得られた溶液を室温に加温し、一晩撹拌した。LCMSにより、所望の生成物の形成が確認された。反応物を濃縮乾固し、残留物をEtOAc(300mL)で希釈し、2×300mlの水で洗浄し、次いで、1×300mlの飽和ブライン溶液で洗浄した。次いで、有機抽出物を硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、濃縮乾固した。次いで、粗物質をカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=30:1)によって精製した。所望の画分を真空下で濃縮乾固し、分取HPLCによってさらに精製して、黄色の固体として(I−81)(536.7mg、28.5%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 9.37 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.72 (s, 1H), 8.20 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.15 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 7.87
(d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.19-7.16 (m, 1H), 4.71 (s, 2H), 3.73-3.71 (m, 2H), 3.63-3.61 (m, 1H), 3.55-3.54 (m,
2H), 3.51-3.44 (m, 2H), 3.28 (s, 3H), 1.20 (d, J = 6.8 Hz, 3H).
MS m/z (M+H): 500.0.
実施例82
(R)−3−((2−クロロ−5−(エトキシメチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−82)の合成
INT−6(270mg、0.9mmol)のDMA(またはDMF)(3.0mL)溶液に、カリウムtert−ブトキシド(202.4mg、1.8mmol)を0℃で追加し、10分間撹拌した。得られた混合物に、INT−60(280.1mg、1.4mmol)を0℃で追加した。得られた反応混合物を25℃で30分間撹拌した。完了後、反応混合物を水(20.0mL)で希釈し、その際に、固体が形成された。固体をろ過し、真空下で乾燥して250mgを得た。粗製物を逆相分取HPLC(10〜95%MeCN/水、0.1%TFA)によって精製して、黄色の固体としてI−82(80mg、19%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 9.35 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.70 (br, 1H), 8.17 (d, J= 9.2 Hz, 1H), 8.11 (d, J= 4.0 Hz, 1H), 7.84 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.61 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.14 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 4.64 (s, 2H), 3.60-3.64 (m, 2H), 3.58 (br, 1H), 1.17-1.20 (m, 6H). MS m/z (M+H): 470.5.
実施例83
((10R)−3−((5−((3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル)メチル)−2−クロロピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−83)の合成
INT−6(130mg、0.43mmol)の無水DMF(15mL)撹拌懸濁液に、t−BuOK(1M THF溶液、0.87mL、0.87mmol)を0℃で滴下し、褐色の溶液を得た。得られた溶液をこの温度で0.5時間撹拌した。I−75(110mg、0.45mmol)のDMF(3mL)溶液を上記溶液に滴下し、室温で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(50mL)と水(20mL)とに分け、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(30mL)で洗浄し、有機層を分離し、Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。分取HPLCによって精製して、黄色の固体として所望の生成物I−83(57.7mg、26.5%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.36 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.64 (s, 1H), 8.20-8.14 (m, 2H), 7.85 (d, J = 9.2 Hz, 1H),
7.60 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.18-7.16 (m, 1H), 3.77 (s, 2H), 3.63-3.43 (m, 3H), 2.98 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 2.46 (d, J = 8.0 Hz, 2H),
1.40-1.38 (m, 2H), 1.20 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 0.68-0.65 (m, 1H), 0.36-0.29 (m, 1H).
実施例84
((R)−3−((2−クロロ−5−((((S)−テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−84)の合成
INT−6(207mg、0.690mmol)のDMF(15mL)撹拌溶液に、t−BuOK(155.19mg、1.38mmol)を0℃で追加し、反応物を10分間撹拌した。次いで、INT−66(189.47mg、0.76mmol)のDMF(5mL)溶液を0℃で追加し、反応物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(50mL)と水(20mL)とに分け、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(30mL)で洗浄し、有機層を分離し、Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。分取HPLCによって精製して、黄色の固体として所望の生成物I−84(63.3mg、18%)を得た。
1H NMR (400
MHz, DMSO-d6): δ 9.34 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.71 (s, 1H), 8.19-8.12 (m, 2H), 7.84 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.61 (d, J = 8.8 Hz, 1H),
7.16-7.14 (m, 1H), 4.70-4.63 (m, 2H), 4.36-4.32 (m, 1H), 3.80-3.77 (m, 2H), 3.75-3.67 (m, 2H), 3.61-3.60 (m, 1H), 3.47-3.46 (m, 2H), 2.02-1.97 (m, 2H), 1.22-1.17 (m, 3H). MS m/z (M+H): 511.9.
実施例85
(R)−3−((5−((3−アザビシクロ[3.1.1]ヘプタン−3−イル)メチル)−2−クロロピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−85)の合成
INT−6(100mg、0.33mmol)の無水DMF(10mL)撹拌懸濁液に、t−BuOK(1M THF溶液、0.67mL、0.67mmol)を0℃で追加して、褐色の溶液を得た。得られた溶液をこの温度で0.5時間撹拌した。INT−76(110mg、0.40mmol)のDMF(3mL)溶液を上記溶液に滴下し、室温で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(50mL)と水(20mL)とに分け、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(30mL)で洗浄し、有機層を分離し、Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。分取HPLCによって精製して、黄色の固体として所望の生成物I−85(43.7mg、24.7%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.36 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.73 (s, 1H), 8.19-8.13 (m, 2H), 7.84 (d, J = 8.8 Hz,
1H), 7.59 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.18-7.15 (m, 1H), 3.84 (s, 2H), 3.62-3.42 (m, 3H), 2.91 (s, 4H), 2.32-2.30 (m, 2H), 1.97-1.92 (m, 2H), 1.50-1.46 (m, 2H), 1.22 (d, J = 11.2 Hz, 3H).
実施例86
(R)−3−((2−クロロ−5,7−ジヒドロフロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−86)の合成
20mLバイアル中で、INT−6(0.05g、0.167mmol)を3mLの乾燥DMFに追加し、簡単に超音波処理した。これに、K
2CO
3(0.231g、1.670mmol)を追加し、反応物を10分間かけて90℃に加温した。次いで、反応物を室温に冷却し、2,4−ジクロロ−5,7−ジヒドロフロ[3,4−d]ピリミジン(0.055g、0.288mmol)を追加し、続いて、2時間かけて90℃に加温した。完了後、反応物を冷却し、ろ過して、未溶解の炭酸カリウムを除去し、粗反応混合物を逆相分取HPLC(10〜95%MeCN/水、0.1%TFA)によって直接精製して、凍結乾燥後に黄色の固体としてI−86(0.052g、0.114mmol、収率68%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 9.31 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.13 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.10 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 7.79 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.11 (br, 1H), 4.98 (s, 4H), 3.55 (m, 1H), 3.39 (m, 2H), 1.12 (d, J = 6.9 Hz, 3H) MS m/z (M+H): 453.8.
実施例87
(R)−3−((2−クロロ−5−((ジイソプロピルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−87)の合成
INT−6(128mg、0.429mmol)のDMF(3mL)懸濁液に、水素化ナトリウム(油中60%)(20.59mg、0.515mmol)を室温で追加した。反応物の色は、黄緑色から暗褐色に変化し、10分以内に、反応物は均一になった。20分後、反応混合物を0℃に冷却し、INT−89(135mg、0.515mmol)のDMF(1.5mL)溶液を2分間かけて滴下した。反応物を一晩撹拌し、翌朝、反応物を0℃に冷却し、飽和NH
4Cl水溶液(約1mL、最初に滴下、注意:ガスの発生)および約3mLの水でクエンチした。冷却浴を除去し、撹拌を室温で10分間継続して、黄色の懸濁液を得た。反応物をDCM(5×10mL)で抽出し、エマルジョンは難分解性であった。有機抽出物をNa
2SO
4でろ過し、濃縮した。粗生成物を分取HPLC(10〜95%MeCN/水、0.1%TFA)によって精製した。黄色の固体としてI−87(133mg、0.253mmol、収率59.0%)を得た。
1H NMR (400 MHz,
DMSO-d6) δ 9.36 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.88 (br, 2H), 8.17 (d, J
= 9.2 Hz, 1H), 8.13 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 7.83 (d, J = 9.2 Hz,
1H), 7.63 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.14 (br, 1H), 4.51 (d, J = 5.0
Hz, 2H) 3.82 (m, 2H), 3.57 (m, 1H), 3.42 (m, 2H), 1.40 (d, J = 6.4 Hz, 6H), 1.34 (d, J = 6.4 Hz, 6H), 1.14 (d, J = 6.9 Hz, 3H).
MS m/z (M+H):524.8.
実施例I−88
(R)−3−((2−クロロ−5−((ジイソブチルアミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−88)の合成
INT−6(31.3mg、0.1mmol)の無水DMF(4mL)撹拌懸濁液に、t−BuOK(1M THF溶液、0.2mL、0.2mmol)を0℃で滴下して褐色の溶液を得、得られた溶液をこの温度でさらに0.5時間撹拌した。INT−77(60.2mg、0.2mmol)のDMF(1mL)溶液を上記溶液に滴下し、室温で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(5mL)と水(5mL)とに分け、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×5mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、有機層を分離し、Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。分取HPLCによって精製して、黄色の固体としてI−88(8.5mg、13.8%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 9.37 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.72 (s, 1H), 8.19-8.15 (m, 2H), 7.83 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.55 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.17-7.15 (m, 1H), 3.66-3.61 (m, 3H), 3.61-3.48 (m, 2H), 2.19-2.17 (m, 4H), 1.84-1.77 (m, 1H), 1.23-1.18 (m, 3H), 0.86-0.82 (m,
12H). MS m/z (M+H): 553.1.
実施例89
(10R)−3−((2−クロロ−5−((2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−89)の合成
INT−6(100mg、0.3mmol)の無水DMF(10mL)撹拌懸濁液に、t−BuOK(1M THF溶液、0.7mL、0.7mmol)を0℃で滴下して、褐色の溶液を得た。得られた溶液を室温でさらに10分間撹拌した。INT−78(184mg、0.6mmol)のDMF(2mL)溶液を上記溶液に滴下し、室温で4時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(30mL)と水(40mL)とに分け、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(80mL)で洗浄し、有機層を分離し、Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。分取HPLCによって精製して、ジアステレオマーの1:1混合物としてI−89(72.5mg、38.6%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.35 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 8.70(s, 1H), 8.25 - 8.09 (m, 2H), 7.84 (d, J = 8.8 Hz,
1H), 7.59 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.16 (t, J = 5.2 Hz, 1H), 4.17 (d, J = 14.8 Hz, 1H), 3.70 - 3.55 (m, 2H), 3.52 - 3.34 (m, 3H), 3.30 - 3.17 (m, 4H), 3.10-2.95 (m, 1H), 2.90-2.75 (m, 1H), 2.50-2.25
(m, 1H), 2.00-1.80 (m, 1H), 1.75-1.59 (m, 2H),1.57-1.40 (m, 1H), 1.19 (d, J = 6.8 Hz, 3H) MS m/z (M+H): 539.2.
実施例90
(R)−3−((2−クロロ−5−(((2−メトキシエチル)(メチル)アミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−90)の合成
INT−6(72mg、0.24mmol)の無水DMF(5mL)撹拌懸濁液に、t−BuOK(1M THF溶液、0.48mL、0.48mmol)を0℃で滴下して、褐色の溶液を得た。得られた溶液をこの温度でさらに0.5時間撹拌した。INT−79(120mg、0.48mmol)のDMF(1mL)溶液を上記溶液に滴下し、室温で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(20mL)と水(30mL)とに分け、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、有機層を分離し、Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。分取HPLCによって精製して、黄色の固体としてI−90(36.9mg、28.4%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 9.35 (d, J = 9.0 Hz, 1H),
8.71 (s, 1H), 8.19-8.13 (m, 2H), 7.84 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.17-7.13 (m, 1H), 3.71 (s, 2H), 3.51-3.49(m, 1H), 3.48-3.46 (m, 4H), 3.23 (s, 3H), 2.74-2.59 (m, 2H), 2.30 (s, 3H), 1.19 (d, J = 6.6 Hz, 3H). MS m/z (M+H): 513.0.
実施例91
(R)−3−((2−クロロ−5−((イソプロピル(メチル)アミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−91)の合成
INT−6(39.9mg、0.13mmol)の無水DMF(4mL)撹拌懸濁液に、t−BuOK(1M THF溶液、0.26mL、0.26mmol)を0℃で滴下して、褐色の溶液を得た。得られた溶液をこの温度でさらに0.5時間撹拌した。INT−70(62mg、0.26mmol)のDMF(1mL)溶液を上記溶液に滴下し、室温で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(5mL)と水(5mL)とに分け、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×5mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、有機層を分離し、Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。分取HPLCによって精製して、黄色の固体としてI−91(19mg、29%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 9.36 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.68 (s,
1H), 8.19-8.14 (m, 2H), 7.85 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.17-7.15 (m, 1H), 3.65-3.61 (m, 3H), 3.48-3.46 (m, 2H),
2.94-2.87 (m, 1H), 2.18 (s, 3H), 1.19 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.03 (d, J = 6.4 Hz, 6H). MS m/z (M+H): 497.0.
実施例92
(R)−3−((2−クロロ−5−((シクロヘキシル(メチル)アミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−92)の合成
INT−6(198mg、0.66mmol)の無水DMF(15mL)撹拌懸濁液に、t−BuOK(1M THF溶液、1.3mL、1.32mmol)を0℃で滴下して、褐色の溶液を得、得られた溶液をこの温度でさらに0.5時間撹拌した。INT−72(199.5mg、0.73mmol)のDMF(5mL)溶液を上記溶液に滴下し、室温で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(20mL)と水(30mL)とに分け、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、有機層を分離し、Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。分取HPLCによって精製して、黄色の固体として所望の生成物I−92(19.4mg、9.7%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 9.35 (d, J =
8.0 Hz, 1H), 8.67 (s, 1H), 8.19-8.14 (m, 2H), 7.84 (d, J = 8.8 Hz ,1H), 7.59 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.18-7.15 (m, 1H), 3.71 (s, 2H),
3.62-3.61 (m, 1H), 3.48-3.47 (m, 2H), 2.46-2.44 (m, 1H), 2.24 (s, 3H), 1.81-1.71 (m, 4H), 1.32-1.15 (m, 9H). MS m/z (M+H): 537.4.
実施例93
(R)−3−((2−クロロ−5−((4−メトキシピペリジン−1−イル)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−93)の合成
INT−6(90mg、0.3mmol)の無水DMF(9mL)撹拌懸濁液に、t−BuOK(1M THF溶液、0.6mL、0.6mmol)を0℃で滴下して、褐色の溶液を得、得られた溶液をこの温度でさらに0.5時間撹拌した。INT−73(166.1mg、0.6mmol)のDMF(2mL)溶液を上記溶液に滴下し、室温で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(30mL)と水(40mL)とに分け、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(80mL)で洗浄し、有機層を分離し、Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。分取HPLCによって精製して、黄色の固体としてI−93(43.5mg、26.2%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 9.35 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 8.69
(s, 1H), 8.19-8.14 (m, 2H), 7.84 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.60 (d, J
= 9.0 Hz, 1H), 7.18-7.15 (m, 1H), 3.64 (s, 3H), 3.61-3.46 (m, 2H),
3.22-3.15 (m, 4H), 2.77-2.75 (m, 2H), 2.27-2.20 (m, 2H), 1.86-1.72 (m, 2H), 1.51-1.40 (m, 2H), 1.20 (d, J = 6.6 Hz, 3H). MS m/z (M+H):
539.0.
実施例94
(R)−3−((2−クロロ−5−((4−エチルピペラジン−1−イル)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−94)の合成
INT−6(80mg、0.27mmol)の無水DMF(8mL)撹拌懸濁液に、t−BuOK(1M THF溶液、0.54mL、0.54mmol)を0℃で滴下して、褐色の溶液を得、得られた溶液をこの温度でさらに0.5時間撹拌した。INT−74(147.1mg、0.54mmol)のDMF(2mL)溶液を上記溶液に滴下し、室温で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(30mL)と水(40mL)とに分け、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(80mL)で洗浄し、有機層を分離し、Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。分取HPLCによって精製して、黄色の固体としてI−94(38.9mg、26.7%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 9.31 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 8.69 (s, 1H), 8.20-8.14 (m, 2H), 7.84 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.61
(d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.18-7.16 (m, 1H), 3.66-3.62 (m, 2H), 3.47-3.45 (m, 2H), 2.49-2.27 (m, 10H), 1.19 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 0.99 (br
s, 3H). MS m/z (M+H): 538.1.
実施例95
(R)−3−((2−クロロ−5−((3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−95)の合成
INT−6(115mg、0.38mmol)の無水DMF(15mL)撹拌懸濁液に、t−BuOK(1M THF溶液、0.76mL、0.76mmol)を0℃で滴下して、褐色の溶液を得た。得られた溶液をこの温度でさらに0.5時間撹拌した。INT−80(115.8mg、0.42mmol)のDMF(5mL)溶液を上記溶液に滴下し、室温で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(30mL)と水(40mL)とに分け、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(80mL)で洗浄し、有機層を分離し、Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。分取HPLCによって精製して、黄色の固体としてI−95(33.5mg、29.1%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 9.33 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.67 (s, 1H), 8.17-8.12 (m, 2H), 7.82 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.56 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.15-7.13 (m, 1H), 3.60-3.58 (m, 3H), 3.58-3.41 (m, 2H), 2.39-2.31 (m, 2H), 2.14-2.06 (m, 2H), 1.56-1.52 (m, 2H), 1.20-1.13 (m, 5H), 0.90 (s, 6H). MS m/z (M+H): 537.0.
実施例96
(R)−3−((2−クロロ−5−(メトキシメチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−96)の合成
INT−6(203.3mg、0.68mmol)の無水DMF(17mL)撹拌懸濁液に、t−BuOK(1M THF溶液、1.36mL、1.36mmol)を0℃で滴下して、褐色の溶液を得た。得られた溶液をこの温度でさらに0.5時間撹拌した。INT−63(262.2mg、1.36mmol)のDMF(3mL)溶液を上記溶液に滴下し、室温で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(40mL)と水(50mL)とに分け、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×40mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(80mL)で洗浄し、有機層を分離し、Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。分取HPLCによって精製して、黄色の固体としてI−96(110.4mg、35.5%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.37 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.72 (s, 1H), 8.19 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 8.14 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 7.87 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.18 - 7.16 (m, 1H), 4.62 (s, 2H), 3.62 - 3.61 (m, 1H), 3.51 - 3.47 (m, 2H) , 3.42 (s, 3H), 1.19 (d, J = 6.8 Hz, 3H). MS m/z
(M+H): 455.9.
実施例97
(R)−3−((5−(tert−ブトキシメチル)−2−クロロピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−97)の合成
INT−6(100mg、0.3mmol)のDMF(10mL)撹拌溶液に、t−BuOK(1M THF溶液、0.7mL、0.7mmol)を0℃で滴下して、褐色の溶液を得、これを10分間撹拌した。INT−56(157mg、0.7mmol)のDMF(2mL)溶液を上記溶液に滴下し、室温で2時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(50mL)と水(50mL)とに分け、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、有機層を分離し、Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。分取HPLCによって精製して、黄色の固体としてI−97(70.4mg、42.2%)を得た。
1H NMR (400 MHz,
DMSO-d
6) δ 9.35 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.69 (s, 1H), 8.21-8.10 (m,
2H), 7.85 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.61 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.17-7.14 (m, 1H), 4.59 (s, 2H), 3.70-3.55 (m, 1H), 3.54-3.38 (m, 2H), 1.25 (s, 9H), 1.18 (d, J = 6.8 Hz, 3H). MS m/z (M+H): 498.1.
実施例98
(R)−3−((2−クロロ−5−(((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)オキシ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−98)の合成
INT−6(170mg、0.57mmol)の無水DMF(17mL)撹拌懸濁液に、t−BuOK(1M THF溶液、1.14mL、1.14mmol)を0℃で滴下して、褐色の溶液を得た。得られた溶液をこの温度でさらに0.5時間撹拌した。INT−67(179.3mg、0.68mmol)のDMF(2mL)溶液を上記溶液に滴下し、室温で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(40mL)と水(50mL)とに分け、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×40mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(80mL)で洗浄し、有機層を分離し、Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。分取HPLCによって精製して、黄色の固体としてI−98(78.9mg、26.1%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.37 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 8.75 (s, 1H), 8.20-8.14 (m, 2H), 7.86 (d, J = 9.0 Hz, 1H),
7.63 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.18-7.16 (m, 1H), 4.73 (s, 2H), 3.86-3.81 (m, 2H), 3.74-3.70 (m, 1H), 3.63-3.61 (m, 1H), 3.49-3.47 (m, 2H),
3.38-3.34 (m, 2H), 1.96-1.92 (m, 2H), 1.55-1.46 (m, 2H), 1.20 (d, J
= 6.6 Hz, 3H). MS m/z (M+H): 526.2.
実施例99
(R)−3−((2−クロロ−5−(((R)−2−メチルピロリジン−1−イル)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−99)の合成
INT−6(100mg、0.3mmol)のDMF(10mL)撹拌溶液に、t−BuOK(1M THF溶液、0.7mL、0.7mmol)を0℃で滴下して、褐色の溶液を得、反応物を10分間撹拌した。INT−81(90mg、0.4mmol)のDMF(2mL)溶液を上記溶液に滴下し、反応物を室温で4時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(20mL)と水(50mL)とに分け、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(80mL)で洗浄し、有機層を分離し、Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。分取HPLCによって精製して、黄色の固体としてI−99(16.5mg、9.3%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.33 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 8.67 (s, 1H), 8.23-8.09 (m, 2H), 7.83 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.68-7.55 (m, 1H), 7.20-7.10 (m,
1H), 4.02 (d, J = 14.8 Hz, 1H), 3.70-3.55 (m, 1H), 3.54-3.38 (m, 3H), 3.05-2.90 (m, 1H), 2.56-2.50 (m, 1H), 2.30-2.15 (m, 1H), 2.00-1.85 (m, 1H), 1.70-1.55 (m, 2H), 1.40-1.22 (m, 1H),1.18 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.09 (d, J = 6.0 Hz, 3H) MS m/z (M+H): 509.1.
実施例100
(R)−3−((2−クロロ−5−((2−フルオロエトキシ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−100)の合成
INT−6(444mg、1.48mmol)の無水DMF(40mL)撹拌懸濁液に、t−BuOK(1M THF溶液、3mL、3mmol)を0℃で滴下して、褐色の溶液を得た。得られた溶液をこの温度でさらに0.5時間撹拌した。INT−65(400.6mg、1.8mmol)のDMF(2mL)溶液を上記溶液に滴下し、反応物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(60mL)と水(40mL)とに分け、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(60mL)で洗浄し、有機層を分離し、Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。分取HPLCによって精製して、黄色の固体としてI−100(187.5mg、25.9%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 9.37 (d, J = 9.0 Hz,
1H), 8.74 (s, 1H), 8.21-8.11 (m, 2H), 7.86 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.18-7.14 (m, 1H), 4.75 (s, 2H), 4.70 (t, J = 3.9 Hz, 1H), 4.54 (t, J = 3.9 Hz, 1H), 3.90 (t, J = 3.9 Hz, 1H), 3.80 (t, J = 3.9 Hz, 1H), 3.62-3.46 (m, 3H), 1.19 (d, J = 6.6 Hz, 3H). MS m/z (M+H): 488.0.
実施例101
(R)−3−((2−クロロ−5−(((S)−2−メチルピロリジン−1−イル)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−101)の合成
INT−6(100mg、0.3mmol)のDMF(10mL)撹拌溶液に、t−BuOK(1M THF溶液、0.7mL、0.7mmol)を0℃で滴下して、褐色の溶液を得、反応物を10分間撹拌した。INT−82(164mg、0.6mmol)のDMF(2mL)溶液を上記溶液に滴下し、室温で4時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(20mL)と水(40mL)とに分け、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、有機層を分離し、Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。分取HPLCによって精製して、黄色の固体としてI−101(32.0mg、18.1%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.33 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 8.67 (s, 1H), 8.23-8.09 (m, 2H), 7.83 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.68-7.55 (m, 1H), 7.20-7.10 (m,
1H), 4.02 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 3.68-3.55 (m, 1H), 3.54-3.37 (m, 3H), 3.05-2.90 (m, 1H), 2.56-2.50(m, 1H),2.30-2.15 (m, 1H), 2.00-1.85 (m, 1H), 1.71-1.55 (m, 2H), 1.40-1.22 (m, 1H),1.18 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.09 (d, J = 6.0 Hz, 3H) MS m/z (M+H): 509.1.
実施例102
(R)−3−((5−((tert−ブチルアミノ)メチル)−2−クロロピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−102)の合成
INT−6(77mg、0.256mmol)のDMF(5mL)懸濁液に、炭酸カリウム(283mg、2.050mmol)を室温で追加した。混合物を排気によって脱気し、N
2(3×)を再充填した。混合物を10分間かけて90℃に加熱し、次いで、INT−88(78mg、0.333mmol)のDMF(2mL)溶液を、シリンジを介して追加した。90℃で1時間後、反応が完了した。反応混合物をろ過し、水で希釈し、全反応塊を逆相分取HPLC(10〜95%MeCN/水、0.1%TFA)によって直接精製して、黄色の固体としてI−102(136mg、0.223mmol、収率87%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.41 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.96 (br, 2H), 8.85 (s, 1H), 8.23 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.18 (d, J
= 4.6 Hz, 1H), 7.87 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 9.2 Hz,
1H), 7.18 (br, 1H), 4.36 (br, 2H) 3.80-3.48 (m, 4H), 1.42 (s, 9H),
1.19 (d, J = 6.9 Hz, 3H). MS m/z (M+H): 497.1.
実施例103
(R)−3−((2−クロロ−5−(((3−メチルオキセタン−3−イル)オキシ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−103)の合成
INT−6(251mg、0.84mmol)の無水DMF(15mL)撹拌懸濁液に、t−BuOK(1M THF溶液、1.68mL、1.68mmol)を0℃で滴下して、褐色の溶液を得、得られた溶液をこの温度でさらに0.5時間撹拌した。INT−61(190mg、0.76mmol)のDMF(5mL)溶液を上記溶液に滴下し、室温で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(30mL)と水(40mL)とに分け、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(80mL)で洗浄し、有機層を分離し、Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。分取HPLCによって精製して、黄色の固体としてI−103(53.1mg、27.9%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ 9.37 (d, J = 9.0 Hz,
1H), 8.79 (s, 1H), 8.21-8.13 (m, 2H), 7.87 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.18-7.15 (m, 1H), 4.67-4.65 (m, 4H), 4.37 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 3.62-3.61 (m, 1H), 3.47-3.46 (m, 2H), 1.59 (s, 3H), 1.24-1.18 (m, 3H). MS m/z (M+H): 512.1.
実施例104
(R)−3−((5−((tert−ブチル(メチル)アミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−104)の合成
INT−6(100mg、0.3mmol)のDMF(10mL)撹拌溶液に、NaH(33mg、0.8mmol)を0℃で追加し、2時間撹拌した。INT−58(86mg、0.4mmol)のDMF(2mL)溶液を上記溶液に滴下し、次いで、マイクロ波照射下で70分間かけて135℃に加熱した。反応混合物を冷却し、酢酸エチル(50mL)と水(40mL)とに分け、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(80mL)で洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。逆相分取HPLC(10〜95%MeCN/水、0.1%TFA)によって精製して、黄色の固体としてI−104(21.4mg、13.3%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.31 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.76 (s, 1H), 8.68 (s, 1H), 8.20-8.09 (m, 2H), 7.78 (d, J = 8.8 Hz, 1H),
7.49 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.13-7.11 (m, 1H), 3.70-3.52 (m, 3H), 3.50-3.38 (s, 2H), 2.25-2.13 (m, 5H), 1.90-1.75 (m, 1H), 1.18 (d, J =
6.8 Hz, 3H), 0.85 (d, J = 6.4 Hz, 6H). MS m/z (M+H): 477.2.
実施例105
(R)−3−((2−クロロ−6,6−ジオキシド−7,8−ジヒドロ−5H−チオピラノ[4,3−d]ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−105)の合成
INT−6(50mg、0.167mmol)を10mLの乾燥DMFに懸濁し、容器を窒素でフラッシュした。炭酸カリウム(0.231g、1.670mmol)を追加し、反応物を10分間かけて90℃に加温した。この混合物に、2,4−ジクロロ−7,8−ジヒドロ−5H−チオピラノ[4,3−d]ピリミジン6,6−ジオキシド(51mg、0.200mmol)を追加し、反応物を90℃でさらに1時間撹拌した。LC/MSによって反応が完了したと判断し、飽和NH
4Cl(水溶液)に注ぎ、DCMで3回抽出した。合わせたDCMを硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、濃縮した。次いで、粗物質を逆相HPLCによって精製して、I−105(4mg、7.75μmol、収率4.64%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 9.31 (d, J = 9.2 Hz, 1H),
8.14 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.09 (d, J = 4.5 Hz, 1H), 7.80 (d, J
= 8.7 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 3.62 (t, J = 6.9 Hz,
2H), 3.57 (m, 1H), 3.38 (m, 4H), 1.12 (d, J = 6.9 Hz, 3H). MS m/z (M+H): 516.0.
実施例106
(R)−3−((2−クロロ−5−(((S)−3−メトキシピペリジン−1−イル)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−106)の合成
INT−6(90mg、0.3mmol)の無水DMF(9mL)撹拌懸濁液に、t−BuOK(1M THF溶液、0.6mL、0.6mmol)を0℃で滴下して、褐色の溶液を得た。得られた溶液をこの温度でさらに0.5時間撹拌した。INT−85(166mg、0.6mmol)のDMF(2mL)溶液を上記溶液に滴下し、室温で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(30mL)と水(40mL)とに分け、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(80mL)で洗浄し、有機層を分離し、Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。分取HPLCによって精製して、黄色の固体としてI−106(4.0mg、2.5%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.34 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.67 (s, 1H), 8.17-8.12 (m, 2H), 7.82 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.58 (d, J =
9.2 Hz, 1H), 7.16-7.14 (m, 1H), 3.66-3.52 (m, 3H), 3.47-3.44 (m, 2H), 3.23-3.20 (m, 4H), 2.98-2.95 (m, 1H), 2.70-2.67 (m, 1H), 2.11-2.06
(m, 1H), 2.01-1.96 (m, 1H) , 1.86-1.89 (m, 1H) , 1.67-1.62 (m, 1H)
, 1.45-1.36 (m, 1H), 1.21-1.12 (m, 4H). MS m/z (M+H): 539.2.
実施例107
(R)−3−((2−クロロ−5−(((R)−3−メトキシピペリジン−1−イル)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−107)の合成
INT−6(90mg、0.3mmol)の無水DMF(9mL)撹拌懸濁液に、t−BuOK(1M THF溶液、0.6mL、0.6mmol)を0℃で滴下して、褐色の溶液を得た。得られた溶液をこの温度でさらに0.5時間撹拌した。INT−86(166mg、0.6mmol)のDMF(2mL)溶液を上記溶液に滴下し、室温で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(30mL)と水(40mL)とに分け、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(80mL)で洗浄し、有機層を分離し、Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。分取HPLCによって精製して、黄色の固体としてI−107(56.3mg、33.6%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.34 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.68
(s, 1H), 8.17-8.12 (m, 2H), 7.82 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.58 (d, J
= 9.2 Hz, 1H), 7.16-7.14 (m, 1H), 3.66 (s, 1H), 3.62-3.57 (m, 3H),
3.47-3.44 (m, 2H), 3.23-3.20 (m, 4H), 2.98-2.95 (m, 1H), 2.70-2.67 (m, 1H), 2.11-2.06 (m, 1H), 2.01-1.96 (m, 1H) , 1.86-1.89 (m, 1H) , 1.67-1.62 (m, 1H) , 1.45-1.36 (m, 1H), 1.21-1.12 (m, 4H). MS m/z (M+H): 539.1.
実施例108
(R)−3−((2−クロロ−5−(((2−エトキシエチル)(メチル)アミノ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−108)の合成
INT−6(400mg、1.34mmol)の無水DMF(35mL)撹拌懸濁液に、t−BuOK(1M THF溶液、2.67mL、2.67mmol)を0℃で追加して、褐色の溶液を得た。得られた溶液をこの温度でさらに0.5時間撹拌した。INT−87(271.4mg、1.34mmol)のDMF(5mL)溶液を上記溶液に滴下し、反応物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(30mL)と水(40mL)とに分け、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(80mL)で洗浄し、有機層を分離し、Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。分取HPLCによって精製して、黄色の固体としてI−108(36.9mg、13.6%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 9.33 (d, J
= 9.2 Hz, 1H), 8.17-8.11 (m, 2H), 7.83 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.58
(d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.16-7.13 (m, 1H), 3.60-3.59 (m, 1H), 3.50-3.40 (m, 2H), 2.80-2.79 (m, 2H), 2.74-2.71 (m, 2H), 1.84-1.83 (m, 4H),
1.17 (d, J = 9.2 Hz, 3H). MS m/z (M+H): 466.0.
実施例109
(R)−3−((2−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−109)の合成
INT−6(339mg、1.13mmol)の無水DMF(25mL)撹拌懸濁液に、t−BuOK(1M THF溶液、2.26mL、2.26mmol)を0℃で滴下して、褐色の溶液を得た。得られた溶液をこの温度でさらに0.5時間撹拌した。2,4−ジクロロ−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン(299.1mg、1.13mmol)のDMF(5mL)溶液を上記溶液に滴下し、反応物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(30mL)と水(40mL)とに分け、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(80mL)で洗浄し、有機層を分離し、Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。分取HPLCによって精製して、黄色の固体としてI−109(87.4mg、29.2%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 9.34 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.71 (s, 1H),
8.18-8.11 (m, 2H), 7.83 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 9.2 Hz, 1H),7.10-7.20 (m, 1H), 3.70 (s, 2H), 3.60-3.50 (m, 1H), 3.52-3.36
(m, 6H), 2.63-2.60 (m, 2H), 2.29 (s, 3H), 1.17 (d, J = 7.8 Hz, 3H), 1.06 (t, J = 7.8 Hz, 3H). MS m/z (M+H): 527.0.
実施例110
(R)−3−((2−クロロ−5−((2,2−ジフルオロエトキシ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−110)の合成
INT−6(154.4mg、0.52mmol)の無水DMF(30mL)撹拌懸濁液に、t−BuOK(1M THF溶液、0.5mL、0.88mmol)を0℃で滴下して、褐色の溶液を得た。得られた溶液をこの温度でさらに0.5時間撹拌した。INT−62(150.4mg、0.62mmol)のDMF(2mL)溶液を上記溶液に滴下し、反応物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(20mL)と水(30mL)とに分け、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(40mL)で洗浄し、有機層を分離し、Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。分取HPLCによって精製して、黄色の固体としてI−110(70.0mg、26.8%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ 9.37 (br
d, J = 9.0 Hz, 1H), 8.74 (s, 1H), 8.19 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 8.13 (d, J = 4.2 Hz, 1H), 7.86 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.62 (d, J =
9.0 Hz, 1H), 7.16 (br t, J = 4.8 Hz, 1H), 6.45-6.42 (m, 1H), 4.82 (s, 2H), 3.96-3.84 (m, 2H), 3.65-3.56 (m, 1H), 3.47 (t, J = 4.5 Hz, 2H), 1.19 (d, J = 6.6 Hz, 3H). MS m/z (M+H): 506.0.
実施例111
(R)−3−((2−クロロ−4−((10−メチル−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−3−イル)オキシ)ピリミジン−5−イル)メトキシ)プロパンニトリル(I−111)の合成
INT−6(120mg、0.4mmol)の無水DMF(12mL)撹拌懸濁液に、t−BuOK(1M THF溶液、0.8mL、0.8mmol)を0℃で滴下して、褐色の溶液を得た。得られた溶液をこの温度でさらに0.5時間撹拌した。INT−68(186mg、0.8mmol)のDMF(2mL)溶液を上記溶液に滴下し、反応物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(30mL)と水(40mL)とに分け、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(80mL)で洗浄し、有機層を分離し、Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。分取HPLCによって精製して、黄色の固体としてI−111(55.9mg、27.6%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.35 (d, J = 9.0 Hz,
1H), 8.73 (s, 1H), 8.19-8.12 (m, 2H), 7.85 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.62 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.16-7.14 (m, 1H), 4.75 (s, 2H), 3.77 (t, J = 6.0 Hz, 2H)), 3.60-3.59 (m, 1H), 3.49-3.45 (m, 2H), 2.88-2.85
(m, 2H), 1.18 (d, J = 6.8 Hz, 3H). MS m/z (M+H): 495.1.
実施例112
(R)−3−((2−クロロ−5−((メチルスルホニル)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−112)の合成
INT−6(0.207g、0.692mmol)を2mLの乾燥DMFに溶解し、K
2CO
3(0.956g、6.92mmol)を追加した。反応物を5分間かけて90℃に加温し、冷却し、INT−54(0.250g、1.038mmol)のDMSO溶液を追加した。反応物を90℃で3時間撹拌し、その時点で、反応が完了したと判断した。反応物を冷却し、過剰の塩基をろ過して除去した。粗反応混合物を逆相HPLCによって精製して、I−112(0.105g、0.208mmol、収率30%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 9.34 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 8.75 (s, 1H),
8.18 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.14 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.85 (d, J
= 8.7 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.16 (t, J = 5.5 Hz,
1H), 4.75 (s, 2H), 3.59 (m, 1H), 3.44 (m, 2H), 3.17 (s, 3H), 1.16
(d, J = 6.9 Hz, 3H). MS m/z (M+H): 504.0.
実施例113
(R)−3−((2−クロロ−5−((ジフルオロメトキシ)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−113)の合成
INT−6(109.0mg、0.36mmol)の無水DMF(10mL)撹拌懸濁液に、t−BuOK(1M THF溶液、0.62mL、0.62mmol)を0℃で滴下して、褐色の溶液を得た。得られた溶液をこの温度でさらに0.5時間撹拌した。INT−55(100.1mg、0.42mmol)のDMF(2mL)溶液を上記溶液に滴下し、反応物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(10mL)と水(10mL)とに分け、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、有機層を分離し、Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗製物をシリカゲル(DCM/MeOH 30:1)に通して、黄色の固体としてI−113(13.4mg、7.48%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 9.34 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.78 (s, 1H), 8.18-8.09
(m, 2H), 7.84 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.59 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.13-6.62 (m, 2H), 5.09 (s, 2H), 3.57-3.56 (m, 1H), 3.50-3.49 (m, 2H),
1.15 (d, J = 6.0 Hz, 3H). MS m/z (M+H): 492.2.
実施例114
(R)−3−((5−((3−オキサ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル)メチル)−2−クロロピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−114)の合成
INT−6(120.0mg、0.40mmol)の無水DMF(12mL)撹拌懸濁液に、t−BuOK(1M THF溶液、0.8mL、0.8mmol)を0℃で滴下して、褐色の溶液を得た。得られた溶液をこの温度でさらに0.5時間撹拌した。INT−83(131.9mg、0.48mmol)のDMF(3mL)溶液を上記溶液に滴下し、反応物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(30mL)と水(40mL)とに分け、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×40mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(80mL)で洗浄し、有機層を分離し、Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。分取HPLCによって精製して、ジアステレオマーの混合物としてI−114(40.9mg、19%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 9.31 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 8.80 (s, 1H), 8.15-8.08 (m, 2H), 7.80 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.12-7.09 (m, 1H), 3.58-3.54 (m, 5H), 3.45-3.39 (m, 4H), 3.11-3.09 (m, 2H), 1.94-1.90 (m, 2H), 1.76-1.72 (m, 2H), 1.15 (d, J = 6.6 Hz, 3H). MS m/z (M+H): 537.0.
実施例115
(R)−3−((2−クロロ−5−(((3R,5S)−3,5−ジメチルピペラジン−1−イル)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−115)の合成
INT−6(215.37mg、0.720mmol)のDMF(30mL)撹拌溶液に、t−BuOK(1M THF溶液)(0.96mL、0.960mmol)を0℃で追加し、反応物をこの温度で20分間撹拌して、褐色の溶液を得た。次いで、INT−84(360mg、0.96mmol)を反応混合物に0℃で追加し、室温に加温し、一晩撹拌した。反応混合物を水で希釈し、水層を酢酸エチル(3×50ml)で抽出し、有機抽出物を2×20mlの飽和ブライン溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、次いで、濃縮した。粗物質を、酢酸エチルで溶出するシリカゲルでろ過して、黄色の固体としてtert−ブチル(2R,6S)−4−((2−クロロ−4−(((R)−10−メチル−8−オキソ−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−3−イル)オキシ)ピリミジン−5−イル)メチル)−2,6−ジメチルピペラジン−1−カルボキシレート(180mg、29%)を得た。この物質(100.0mg、0.16mmol)を溶解したDCMに、TFA(1.0mL、0.16mmol)を追加し、反応物を室温で1分間撹拌した。混合物を飽和NaHCO
3水溶液(10mL)によってクエンチし、続いて、酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、真空下で濃縮した。シリカゲルの分取TLC(DCM:MeOH=4:1)によってさらに精製して、黄色の固体としてI−115(67mg、65.5%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.35 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 8.71
(s, 1H), 8.20-8.12 (m, 2H), 7.82 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.58 (d, J
= 9.2 Hz, 1H), 7.16-7.14 (m, 1H), 3.66-3.52 (m, 3H), 3.49-3.41 (m,
2H), 3.11-2.79 (m, 4H), 1.91-1.75 (m, 2H), 1.22-1.17 (m, 4H), 1.02 (d, J = 5.6 Hz, 6H). MS m/z (M+H): 538.1.
実施例116
(R)−3−((5−ブロモ−2−クロロピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−116)の合成
INT−6(1.6g、5.34mmol)を20mLの乾燥DMFに懸濁した。K
2CO
3(7.39g、53.4mmol)を追加し、反応物を窒素でフラッシュした。反応物を10分間かけて90℃に加温し、冷却し、5−ブロモ−2,4−ジクロロピリミジン(1.583g、6.95mmol)を追加した。反応物を再びさらに4時間かけて90℃に加温した。反応物を冷却し、ろ過して、未溶解の塩基を除去し、次いで、水(200mL)に注いだ。得られた沈殿物をろ過によって回収し、減圧下で乾燥して、黄色の固体としてI−116(1.922g、3.92mmol、収率73.3%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 9.39 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 9.03 (s, 1H),
8.21 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.16 (d, J = 4.1 Hz, 1H), 7.87 (d, J
= 9.2 Hz, 1H), 7.71 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.18 (t, J = 5.5 Hz,
1H), 3.61 (m, 1H), 3.46 (m, 2H), 1.19 (d, J = 6.9 Hz, 3H).
実施例117
(R)−3−((6−((tert−ブチルアミノ)メチル)−2−クロロピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−117)の合成
t−ブチルアミン(0.019ml、0.363mmol)、ヨウ化ナトリウム(0.272g、1.814mmol)および(R)−INT−93(0.167g、0.363mmol)を3mLの乾燥DMFに溶解した。反応物を室温で8時間撹拌した。完了したら、反応物をろ過して過剰の塩を除去し、逆相分取HPLC(10〜95%MeCN/水、0.1%TFA)によって直接精製して、I−117を得た。
1H NMR (400 MHz,
DMSO-d6): δ 9.40 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 9.10 (t, J = 6.0 Hz,
1H), 8.20 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.16 (d, J = 4.1 Hz, 1H), 7.82 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.51 (s, 1H), 7.16 (m, 1H), 4.39 (t, J = 4.0 Hz, 2H), 3.59 (m, 1H), 3.44 (m, 2H),
1.33 (s, 9H), 1.17 (d, J = 6.9 Hz). MS m/z (M+H): 484.1.
実施例118
(R)−3−((6−((tert−ブチル(メチル)アミノ)メチル)−2−クロロピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−118)の合成
I−117(0.025g、0.050mmol)およびホルムアルデヒド(37%水溶液)(0.011ml、0.151mmol)を3mLのTHF、1mLのMeOHおよび0.1mLの酢酸に溶解した。この混合物に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.053g、0.252mmol)を追加した。反応物を室温で2時間撹拌し、濃縮乾固し、3mLのDMSO w/1mLのH
2Oに再溶解し、逆相分取HPLC(10〜95%MeCN/水、0.1%TFA)によって直接精製して、I−118を得た。
1H
NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 9.62 (br, 1H), 9.40 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.20 (d, J = 8.7 Hz), 8.16 (d, J = 4.1 Hz, 1H), 7.83 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.59 (s, 1H), 7.17 (br,
1H), 4.69 (d, J = 15.1 Hz, 1H), 4.27 (dd, J = 13.3 Hz, 8.7 Hz,
1H), 3.60 (m, 1H), 3.45 (m, 2H), 2.72 (d, J = 5.0 Hz, 3H), 1.41
(s, 9H), 1.17 (d, J = 6.9 Hz, 3H). MS m/z (M+H): 511.1.
実施例119
(R)−3−((2−フルオロ−5,7−ジヒドロフロ[3,4−d]ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−119)の合成
I−86(302mg、0.66mmol)のDMSO(15mL)溶液に、KF(383.3mg、6.6mmol)を室温で追加した。得られた混合物を110℃で2時間撹拌した。反応物を酢酸エチル(20mL)と水(30mL)とに分け、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、有機層を分離し、Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。逆相分取HPLC(10〜95%MeCN/水、0.1%TFA)によって精製して、黄色の固体として所望の生成物I−119(24.4mg、8.4%)を得た。
1H NMR (300
MHz, DMSO-d
6): δ 9.38 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 8.20 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 8.14-8.12 (m, 1H), 7.86 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.65 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.15-7.10 (m, 1H), 5.04 (s, 4H), 3.68-3.55 (m, 1H), 3.47-3.42(m, 2H), 1.19 (d, J = 6.6 Hz, 1H). MS m/z (M+H): 438.1.
実施例120
(R)−3−((5−((tert−ブチル(メチル)アミノ)メチル)−2−フルオロピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−120)の合成
I−80(80.0mg、0.16mmol)のDMSO(6mL)溶液に、KF(90.8mg、1.57mmol)を室温で追加した。得られた反応混合物を110℃で2時間撹拌した。反応物を冷却し、次いで、酢酸エチル(20mL)と水(30mL)とに分け、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、有機層を分離し、Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。逆相分取HPLC(10〜95%MeCN/水、0.1%TFA)によって精製して、黄色の固体として所望の生成物I−120(10.4mg、12.8%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ 9.35 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 8.70 (s, 1H), 8.18 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 8.15-8.11 (m, 1H), 7.84 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.61 (d, J = 8.7 Hz, 1H) ,7.17-7.15 (m, 1H), 3.70-3.65 (m, 3H), 3.47-3.41(m, 2H), 2.18 (s, 3H), 1.19 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 1.13 (s, 9H). MS m/z (M+H): 495.2.
実施例121
(R)−3−((5−(エトキシメチル)−2−フルオロピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−121)の合成
I−82(180mg、0.38mmol)のDMSO(15mL)溶液に、KF(222.2mg、3.8mmol)を室温で追加した。得られた反応混合物を110℃で2時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(20mL)と水(30mL)とに分け、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、有機層を分離し、Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。逆相分取HPLC(10〜95%MeCN/水、0.1%TFA)によって精製して、黄色の固体として所望の生成物I−121(49.2mg、26.9%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ 9.33 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 8.72 (s, 1H),
8.19 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.09-8.07 (m, 1H), 7.86 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.14-7.05 (m, 1H), 4.67 (s, 1H),
3.64-3.62 (m, 3H), 3.47-3.41(m, 2H), 1.23-1.18 (m, 6H). MS m/z (M+H): 454.1.
実施例122
(R)−3−((2−クロロ−5−(1−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−122)の合成
INT−95のTHF(2mL)およびメタノール(1mL)溶液に、酢酸(10.45μl、0.183mmol)およびホルムアルデヒド(0.068mL、0.913mmol)(水中37%)を追加した。10分間撹拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(58.0mg、0.274mmol)を追加した。40分後、反応混合物を0℃に冷却し、飽和NaHCO
3水溶液でクエンチし、DCM−MeOH(4×、9:1)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で脱水し、ろ過し、濃縮した。HPLC(10〜95%MeCN/水、0.1%TFA)によって精製して、I−122(9.0mg、0.018mmol、収率19%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 9.90 (br, 1H), 9.38 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.72 (s, 1H), 8.22-8.17 (m, 2H), 7.86 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.18
(t, J = 5.3 Hz, 1H), 6.38 (s, 1H), 4.10-3.74 (m, 2H), 3.62-3.28 (m, 5H), 2.97-2.81 (m, 5H), 1.19 (d, J = 6.9 Hz, 3H). MS m/z (M+H):
507.0.
実施例123
(R)−3−((2−クロロ−5−(ピリジン−3−イル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−123)の合成
I−116(30.1mg、0.062mmol)の無水1,4−ジオキサン(1.5mL)懸濁液に、Pd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(0.12mL、5mol%、0.025M無水1,4−ジオキサン溶液)を室温で追加して、淡褐色のスラリー溶液を得た。3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(15.2mg、0.074mmol)の無水1,4−ジオキサン(0.2mL)溶液を、得られた溶液に追加し、続いて、Cs
2CO
3(0.1mL、1.0M水溶液)を追加した。得られた混合物を窒素で脱気し、シェーカー上、80℃で一晩振盪した。室温に冷却し、溶媒を除去した後、残留物をDMSO(3.0mL)に溶解し、ろ過した。ろ過した溶液を逆相HPLC(0.01%ギ酸の水−CH
3CN溶液)によって精製して、黄色の固体として所望の生成物I−123(6.1mg、20.6%)を得た。
1H
NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.34 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.97 (d, J
= 1.8Hz, 1H), 8.94 (s, 1H), 8.66 (dd, J = 4.8, 1.8 Hz, 1H), 8.21
(m, 1H), 8.16 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.13-8.14 (br, 1H ),7.82 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.71 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.58 (dd, J = 8.2, 1.0 Hz, 1H), 7.17 (t, J = 5.7 Hz), 3.57-3.60 (m, 1H), 3.45-3.46 (m,
2H), 1.19 (d, J = 6.6Hz, 3H). MS m/z (M+H): 489.4.
実施例124
(R)−3−((2−クロロ−5−(3,6−ジヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−124)の合成
I−116(180mg、0.367mmol)、2−(3,6−ジヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(154mg、0.733mmol)、PdCl
2(dppf)(0.027g、0.037mmol)および炭酸カリウム(152mg、1.100mmol)を8mLの乾燥DMFに溶解し、排気/超音波処理(2×)によって脱気した(アルゴンを毎回再充填した)。次いで、反応物を、撹拌しながら85℃に加温した。LC/MSによって反応が完了したと判断したら、混合物を冷却し、水に注ぎ、DCMで3回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、濃縮した。得られた残留物を逆相HPLCによって精製して、I−124(16mg、0.032mmol、収率8.84%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.34 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 8.69 (s, 1H), 8.17 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 9.34 (m, 1H), 7.84 (d, J = 9.6 Hz, 1H),
7.65 (d, J = 11 Hz, 1H), 7.17 (br, 1H), 6.43 (s, 1H), 4.23 (m, 1H), 4.06 (m, 1H), 3.79 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 3.60 (t, J = 5.5 Hz, 1H), 3.45 (m, 1H), 2.03 (m, 1H), 1.19 (d, J = 6.6Hz, 3H).
実施例125
(R)−3−((2−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−125)の合成
INT−6(50mg、0.167mmol)を10mLの乾燥DMFに懸濁し、窒素でフラッシュした。炭酸カリウム(0.231g、1.670mmol)を追加し、反応物を90℃で10分間撹拌した。この混合物に、tert−ブチル2,4−ジクロロ−7,8−ジヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−6(5H)−カルボキシレート(61mg、0.200mmol)を追加し、反応物を90℃でさらに1時間撹拌した。LC/MSによって反応が完了したと判断したら、混合物を飽和NH
4Clに注ぎ、DCMで3回抽出した。合わせたDCM抽出物を硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、シリカ上に濃縮した。次いで、粗物質を、0〜30%MeOHのEtOAc溶液の勾配を使用するフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。生成物含有画分を合わせ、濃縮し、次いで、得られた残留物をTFA(1.162ml、15.08mmol)に溶解し、室温で1時間撹拌した。完了したら、反応物を濃縮し、3mLのNH
4OH(水溶液)で処理し、得られた固体をろ過によって単離し、水で洗浄し、高真空下で乾燥して、黄色の固体(68mg、収率87%)としてI−125を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 9.40 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 9.53 (br, 1H), 8.22 (d, J = 9.2 Hz, 1H),
8.18 (d, J = 4.1 Hz, 1H), 7.85 (d, J = 9.2 Hz, 1H) 7.18 (br, 1H), 4.45 (br, 1H), 3.62 (m, 1H), 3.56 (m, 2H), 3.46 (m, 2H), 3.12 (t, J = 6.4 Hz, 1H), 2.54 (s, 3H), 1.19 (d, 6.4 Hz, 3H). MS m/z (M+H): 466.6.
実施例126
(R)−3−((2−クロロ−6−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−126)の合成
I−125(0.1g、0.214mmol)を3mLの1:2MeOH−THF混合物に溶解した。酢酸(0.025ml、0.428mmol)およびホルムアルデヒド(0.080ml、1.071mmol)を追加し、反応物を10分間撹拌し、次いで、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.136g、0.642mmol)を追加した。反応物を室温でさらに1時間撹拌した。完了したら、反応物を1mLの水で希釈し、濃縮し、得られた残留物を4mLのDMSOに溶解し、逆相分取HPLC(10〜95%MeCN/水、0.1%TFA)によって直接精製して、I−126(0.05g、収率49%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 9.36 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 8.09 (d, J = 8.7Hz, 1H), 7.83 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.52 (d, J
= 9.2 Hz, 1H), 4.65 (br, 2H), 3.75 (m, 3H), 3.59 (m, 2H), 3.20 (s, 3H), 1.32 (d, J = 6.9 Hz, 3H). MS m/z (M+H): 480.8.
実施例127
(R)−3−((2−クロロ−5−(ヒドロキシメチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−127)の合成
INT−96(60mg、0.1mmol)のジメチルホルムアミド(2.0mL)溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(14.4mg、0.01mmol)およびトリエチルシラン(72.4mg、0.6mmol)を0℃で追加した。得られた反応混合物を室温で2時間撹拌した。完了後、反応混合物を水(4.0mL)で希釈し、10%メタノール/ジクロロメタン(2×10mL)で抽出した。有機層を水(5mL)で洗浄し、続いて、飽和ブライン溶液(5mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。得られた粗物質を分取HPLCによって精製して、黄色の固体としてI−127(22mg、40%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 1.18 (d, J= 6.8 Hz, 3H), 3.46 (br s, 1H), 3.60 (br
s, 1H), 4.68 (s, 2H), 5.66 (br s, 1H), 7.15 (t, J= 5.2 Hz, 1H),
7.60 (d, J= 9.2 Hz, 1H), 7.84 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.11 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 8.17 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 8.69 (s, 1H), 9.35 (d, J = 8.8 Hz, 1H). MS m/z (M+H): 442.4.
実施例128
(R)−3−((2−クロロ−5−((4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−128)の合成
INT−6(150.0mg、0.5mmol)の無水DMF(7.5mL)撹拌懸濁液に、t−BuOK(1M THF溶液、0.6mL、0.6mmol)を0℃で滴下して、褐色の溶液を得た。得られた溶液をこの温度でさらに0.5時間撹拌した。INT−97(144.5mg、0.55mmol)のDMF(2mL)溶液を上記溶液に滴下し、室温で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(10mL)と水(20mL)とに分け、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、有機層を分離し、Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。分取HPLCによって精製して、黄色の固体としてI−128(30mg、11.4%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ 9.35 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 8.68 (s, 1H), 8.19-8.12 (m, 2H), 7.84 (d, J = 9.0 Hz, 1H),
7.59 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 7.15 (t, J = 2.4 Hz, 1H), 4.56 (d, J
= 4.2 Hz, 1H), 3.63 (s, 3H), 3.47-3.45 (m, 3H), 2.81-2.71 (m, 2H),
2.30-2.11 (m, 2H), 1.75-1.65 (m, 2H), 1.46-1.40 (m, 2H), 1.19 (d,
J = 6.6 Hz, 3H). MS m/z (M+H): 525.0.
実施例129
(R)−3−((2−クロロ−5−((4−エトキシピペリジン−1−イル)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−129)
INT−6(131.0mg、0.44mmol)の無水DMF(11mL)撹拌懸濁液に、t−BuOK(1M THF溶液、0.72mL、0.72mmol)を0℃で滴下して、褐色の溶液を得た。得られた溶液をこの温度でさらに0.5時間撹拌した。INT−98(128.0mg、0.44mmol)のDMF(1mL)溶液を上記溶液に滴下し、室温で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(15mL)と水(15mL)とに分け、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×15mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、有機層を分離し、Na
2SO
4で脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。分取HPLCによって精製して、黄色の固体としてI−129(49.8mg、20.4%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ 9.89 (brs, 1H), 9.39 (d, J = 4.5 Hz, 1H), 8.88 (s, 1H), 8.23-8.14 (m, 2H), 7.88
(d, J = 4.4 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.20-7.05 (m, 1H), 4.68-4.43 (m, 2H), 3.80-3.63 (m, 2H), 3.60-3.44 (m, 6H), 3.26-3.03
(m, 2H), 2.27-2.17 (m, 1H), 2.16-1.88 (m, 2H), 1.76-1.56 (m, 1H), 1.21 (d, J = 6.0 Hz, 3H), 1.19-1.02 (m, 3H). MS m/z (M+H): 553.
実施例130
(R)−3−((2−クロロ−5−((4−(2−メトキシエトキシ)ピペリジン−1−イル)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−130)の合成
INT−6(135.6mg、0.4mmol)のDMF(20mL)溶液に、炭酸カリウム(625.9mg、4.5mmol)を室温で追加し、90℃で10分間撹拌した。得られた混合物に、INT−99(145.0mg、0.4mmol)を90℃で追加した。得られた反応混合物を90℃で1時間撹拌した。完了後、反応混合物を氷冷水(15.0mL)で希釈し、酢酸エチル(2×10mL)で抽出し、ブライン溶液(30mL)で洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮して、粗物質を得た。粗製物を逆相分取HPLC(10〜95%MeCN/水、0.05%NH
4HCO
3)によって精製して、黄色の固体としてI−130(14.5mg、6%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 9.35 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 8.69 (s,
1H), 8.18 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 8.12-8.08 (m, 1H), 7.84 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.59 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.15 (t, J = 5.4 Hz, 1H),
3.63-3.52 (m, 3H), 3.52-3.39 (m, 7H), 3.23 (s, 3H), 2.78-2.74 (m, 2H), 2.26-2.19 (m, 2H), 1.84-1.81 (m, 2H), 1.50-1.44 (m, 2H), 1.20 (d,
J = 5.4 Hz, 3H). MS m/z (M+H): 583.4.
実施例131
(R)−3−((2−クロロ−5−((4−(2−フルオロエトキシ)ピペリジン−1−イル)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−131)の合成
INT−6(54.4mg、0.2mmol)のDMF)(10mL)溶液に、カリウムtert−ブトキシド(1M THF溶液、0.4mL、0.4mmol)を0℃で追加し、10分間撹拌した。得られた混合物に、INT−100(56.0mg、0.2mmol)を0℃で追加した。得られた反応混合物を25℃で一晩撹拌した。完了後、反応混合物を氷冷水(15.0mL)で希釈し、酢酸エチル(2×10mL)で抽出し、ブライン溶液(30mL)で洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮して、粗物質を得た。粗製物を逆相分取HPLC(10〜95%MeCN/水、0.05%NH
4HCO
3)によって精製して、黄色の固体としてI−131(19.3mg、19%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 9.35 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 8.69 (s, 1H), 8.18 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 8.12-8.08 (m, 1H), 7.84 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.59 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.15 (t, J = 5.4 Hz, 1H), 4.57 (t, J = 3.9 Hz, 1H), 4.41 (t, J = 3.9 Hz,
1H), 3.68 (t, J = 4.2 Hz, 1H), 3.64 (s, 3H), 3.58 (t, J = 4.2 Hz, 1H), 3.47-3.43 (m, 2H), 3.36-3.33 (m, 1H), 2.78-2.75 (m, 2H), 2.27-2.20 (m, 2H), 1.87-1.83 (m, 2H), 1.50-1.47 (m, 2H), 1.20 (d, J = 6.6 Hz, 3H). MS m/z (M+H): 571.0.
実施例132
(R)−3−((2−クロロ−5−((4−(メトキシ−d3)ピペリジン−1−イル)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−132)の合成
INT−6(107.2mg、0.4mmol)のDMF(15mL)溶液に、炭酸カリウム(495.0mg、3.6mmol)を室温で追加し、90℃で10分間撹拌した。得られた混合物に、INT−101(100.0mg、0.4mmol)を90℃で追加した。得られた反応混合物を90℃で1時間撹拌した。完了後、反応混合物を氷冷水(30.0mL)で希釈し、酢酸エチル(2×20mL)で抽出し、ブライン溶液(50mL)で洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮して、粗物質を得た。粗製物を逆相分取HPLC(10〜95%MeCN/水、0.05%NH
4HCO
3)によって精製して、黄色の固体としてI−132(7.6mg、4%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 9.35 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 8.69 (s,
1H), 8.18 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 8.12-8.08 (m, 1H), 7.84 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.59 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.15 (t, J = 5.4 Hz, 1H),
3.64-3.53 (m, 3H), 3.47-3.40 (m, 2H), 3.28-3.17 (m, 1H), 2.76-2.73 (m, 2H), 2.27-2.24 (m, 2H), 1.87-1.83 (m, 2H), 1.47-1.44 (m, 2H), 1.20
(d, J = 6.6 Hz, 3H). MS m/z (M+H): 542.0.
実施例133
(R)−3−((2−クロロ−5−((4−イソプロポキシピペリジン−1−イル)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−133)の合成
INT−6(147.6mg、0.5mmol)のDMF(30.0mL)溶液に、炭酸カリウム(681.5mg、5.0mmol)を室温で追加し、90℃で10分間撹拌した。得られた混合物に、INT−102(150.0mg、0.5mmol)を90℃で追加した。得られた反応混合物を90℃で1時間撹拌した。完了後、反応混合物を氷冷水(30.0mL)で希釈し、酢酸エチル(2×20mL)で抽出し、ブライン溶液(50mL)で洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮して、粗物質を得た。粗製物を逆相分取HPLC(10〜95%MeCN/水、0.05%NH
4HCO
3)によって精製して、黄色の固体としてI−133(24.2mg、10.2%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 9.35 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 8.67 (br, 1H), 8.17 (d, J= 9.0 Hz, 1H), 8.12-8.08 (m, 1H),, 7.84
(d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.59 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.15 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 3.70-3.63 (m, 4H), 3.53-3.47 (m, 2H), 3.41-3.36 (m, 1H),
2.78-2.74 (m, 2H), 2.26-2.19 (m, 2H), 1.79-1.63 (m, 2H), 1.44-1.41 (m, 2H), 1.20 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 1.05 (d, J = 6.0 Hz, 6 H). MS
m/z (M+H): 567.1.
実施例134
(R)−3−((5−((4−(tert−ブトキシ)ピペリジン−1−イル)メチル)−2−クロロピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−134)の合成
INT−6(158.0mg、0.5mmol)のDMF(20mL)溶液に、炭酸カリウム(828.0mg、6.0mmol)を90℃で追加し、10分間撹拌した。得られた混合物に、INT−103(168.0mg、0.5mmol)を追加し、90℃で1時間撹拌した。完了後、反応混合物を氷冷水(30.0mL)で希釈し、酢酸エチル(2×20mL)で抽出し、ブライン溶液(50mL)で洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮して、粗物質を得た。粗製物を逆相分取HPLC(10〜95%MeCN/水、0.05%NH
4HCO
3)によって精製して、黄色の固体としてI−134(11.7mg、4%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 9.35 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 8.68 (s, 1H), 8.18 (d, J= 8.7 Hz, 1H), 8.12-8.08 (m, 1H), 7.84 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 9.0
Hz, 1H), 7.15 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 3.68-3.55 (m, 3H), 3.54-3.40 (m, 3H), 2.76-2.73 (m, 2H), 2.27-2.24 (m, 2H), 1.69-1.63 (m, 2H), 1.44-1.41 (m, 2H), 1.20 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 1.13 (s, 9H). MS m/z (M+H): 581.2.
実施例135
(R)−3−((2−クロロ−5−((エトキシ−d5)メチル)ピリミジン−4−イル)オキシ)−10−メチル−9,10,11,12−テトラヒドロ−8H−[1,4]ジアゼピノ[5’,6’:4,5]チエノ[3,2−f]キノリン−8−オン(I−135)の合成
INT−6(66mg、0.220mmol)のDMF(3.0mL)懸濁液に、炭酸カリウム(274mg、1.980mmol)を追加し、得られた混合物を90℃で10分間撹拌した。INT−104(56mg、0.264mmol)のDMF(2.0mL)溶液を追加した。得られた反応混合物を90℃で4時間撹拌した。完了後、反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた粗物質を、1%〜15%MeOH−EtOAc勾配で溶出するシリカゲルカラムフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、黄色の固体としてI−135(68mg、収率65%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 9.34 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.69 (s, 1H), 8.17 (d, J =
9.2 Hz, 1H), 8.14 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 7.84 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.61 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.16 (t, J = 5.0 Hz, 1H), 4.63 (s,
2H), 3.56-3.60 (m, 1H), 3.40-3.47 (m, 2H), 1.16 (d, J = 6.9 Hz, 3H). MS m/z (M+H): 475.1.
生物学的実施例
MK2の選択的阻害剤として提供される化合物の生物学的活性を測定するために使用したインビトロアッセイを以下に記載する。
実施例136
化合物の効力の評価のためのマイトジェン活性化プロテインキナーゼ活性化プロテインキナーゼ2 Omnia(登録商標)アッセイ:
以下のプロトコールには、p38α活性化マイトジェン活性化プロテインキナーゼ活性化プロテインキナーゼ2(MAPKAP−K2またはMK2)酵素に対する化合物の効力を測定するために最適化された連続観測キナーゼアッセイが記載されている。このアッセイのさらなる詳細は、以下のURL:http://tools.lifetechnologies.com/content/sfs/manuals/omnia_kinase_assay_man.pdfのウェブサイトで、Life Technologies,Carlsbad,CAによって記載されている。
使用した[試薬]:
[MK−2]=0.4nM,
[ATP]=10μMおよび
[ST3−Sox]=10μM(ATPappKM=10μM)
簡潔に言えば、20mM Tris、pH7.5、5mM MgCl2、1mM EGTA、5mM β−グリセロリン酸、5%グリセロール(10×ストック、KB001A)および0.2mM DTT(DS00lA)からなる1×キナーゼ反応緩衝液中で、MK2(PV3317、Life Technologies製)、1.13XATP(AS00lA)およびSox結合ペプチド基質S/T3−Sox(KZN1031)の10×ストック溶液を調製した。Corning(#3574)384ウェル白色非結合表面マイクロタイタープレート(Corning,NY)中で、酵素溶液(5μL)をDMSO(5μL)に、またはDMSO中で調製した連続希釈試験化合物にそれぞれ追加した。45μLのATP−ペプチド基質S/T3−Soxミックスを追加してキナーゼ反応を開始し、室温でBioTek(Winooski,VT)のSynergy H4プレートリーダーによって、λex360/λem485において、120分間にわたって71秒ごとにモニタリングした。
無酵素対照ウェルからのバックグラウンドシグナルをすべてのプログレス曲線から差し引いた。ネットのプログレス曲線の最初の線形部分を、線形方程式にしたがってフィッティングして、各化合物濃度における傾きおよび阻害率(%阻害)を得た。反応の最初の2時間の間に得られたネットのプログレス曲線もまた、上昇単一指数方程式(式1)にしたがってフィッティングして、各化合物濃度におけるk
obs値を得た。%阻害と阻害剤濃度とを対比したプロットを、用量反応方程式(式2)にしたがってフィッティングして、IC
50およびヒル勾配値を得た一方、k
obsと阻害剤濃度とを対比したプロットを、方程式3(式3)にしたがってフィッティングして、GraphPad PRISMソフトウェア(Version 6.00;GraphPad San Diego,CA)を使用して見掛けのk
inact/K
I値を得た。
式中、Fは、プレートリーダーからの蛍光強度であり、V
0は、機器のリードアウトと生成物濃度との間の関係を反映する定数であり、tは、時間であり、eは、オイラー数であり、k
obsは、観察された不活性化速度定数である。
式中、%阻害は、阻害率であり、IC
50は、最大半量阻害濃度であり、[I]は、阻害剤濃度であり、nは、ヒル勾配である。
式中、k
obsは、観察された不活性化速度定数であり、k
inactは、見掛けの不活性化速度定数であり、K
Iは、見掛けの阻害定数であり、[I]は、阻害剤濃度である。IC
50(すなわち、試験化合物が基質ペプチドのリン酸化を50%阻害する濃度)を示すこのアッセイの結果は、ナノモル単位で報告されている。試験化合物の効力の結果は、表Aにおいて「MK2 IC
50」という表題の欄に示されている。
実施例137
MK2の共有結合改変のレベルを検出するための質量分析アッセイ
質量分析アッセイにおいて、本発明の化合物I−1〜I−50をアッセイして、MK2タンパク質を共有結合的に改変するそれらの能力を測定した。このアッセイの手順は、以下のとおりである。インタクトなMK2タンパク質(Invitrogen,Cat.No.PR5320A)を、タンパク質に対して10倍過剰の試験化合物と共に室温で60分間インキュベートした。得られた混合物のアリコート(各6μL)を0.2%トリフルオロ酢酸(TFA、10μL)で希釈してから、脱着マトリックスとしてシナピン酸(10mg/mlの0.1%TFA:アセトニトリル50:50溶液、v/v)を使用して、MALDIターゲット上にmicro C4 ZipTipで直接処理した。対照サンプル中の標的タンパク質の重心質量を、化合物と共にインキュベートした標的タンパク質の重心質量と比較した。未処理タンパク質と比較した処理タンパク質の重心質量のシフトを、化合物の分子量で割った。この数字は、1時間のインキュベーション後の改変タンパク質の割合(試験化合物に共有結合した全標的タンパク質の割合の尺度)に対応する。このアッセイの結果は、表Aにおいて「質量変更」という欄に報告されている。
磁気ビーズ質量分析アッセイにおいて、化合物I−51〜I−129をアッセイして、MK2タンパク質を共有結合的に改変するそれらの能力を測定した。このアッセイの手順は、以下のとおりである。MK2タンパク質(Invitrogen,Cat.No.PR5320A)を、タンパク質に対して10倍過剰の試験化合物と共に室温で60分間インキュベートした。3μLの磁気Ni−NTAビーズを6μLアリコートのサンプルに追加し、溶出し、0.2%トリフルオロ酢酸(TFA、2μL)で溶出し、脱着マトリックスとしてシナピン酸(10mg/mlの0.1%TFA:アセトニトリル50:50溶液、v/v)を使用して、MALDIターゲット上に直接スポットした。対照サンプル中の標的タンパク質の重心質量を、化合物と共にインキュベートした標的タンパク質の重心質量と比較した。未処理タンパク質と比較した処理タンパク質の重心質量のシフトを、化合物の分子量で割った。この数字は、1時間のインキュベーション後の改変タンパク質の割合(試験化合物に共有結合した全標的タンパク質の割合の尺度)に対応する。このアッセイの結果は、表Aにおいて「質量変更」という欄に報告されている。
実施例138
MK2細胞アッセイ−MSD ELISA(Thp1)による全およびリン−Hsp27(セリン78)の検出
Thp−1ヒト急性単球性白血病細胞において、本発明の化合物をアッセイして、MK2活性の阻害を測定した。RPMI/10%FBS(ウシ胎児血清)/0.05mM 2−メルカプトエタノールを含有する培養培地中で、Thp−1細胞を成長させた。アッセイの72時間前に、1ウェル当たり8×104個の細胞を、10ng/mLホルボール12−ミリステート13−アセテート(PMA)と一緒に96ウェル平底プレートにプレーティングした。アッセイに必要とされるまで、37℃のインキュベーター内で、細胞を培養した。化合物の希釈を行っている間、アッセイの直前に、細胞プレート培地を培養培地と交換した。
試験化合物のストック溶液(1mM DMSO溶液)を調製した。3000nMの開始濃度のために、0.9μlの試験化合物を300μlの細胞培地に追加した。0.15nMの最終濃度まで、細胞アッセイ培地中で、3倍連続希釈(1:3)を行った。細胞プレート培地を廃棄し、続いて、100μlの化合物含有培地を追加した。得られた調製物を37℃で1時間インキュベートした。
試験化合物含有細胞アッセイ培地を除去し、細胞を細胞アッセイ培地で1回洗浄した。50ng/mL LPS(リポ多糖)を含有する細胞アッセイ培地を各ウェルに追加し、45分間インキュベートした。LPSのインキュベーション後、細胞をPBS(リン酸緩衝生理食塩水)で1回洗浄し、60μlの細胞抽出緩衝液(Invitrogen #FNN0011)+プロテアーゼおよびホスファターゼ阻害剤で溶解した。次いで、さらなる分析まで、プレートを−80℃で保存した。
MULTI−SPOT Phospho(Ser78)/Total HSP27 ELISAアッセイキットは、Meso Scale Delivery(MSD;カタログ#K15128D)から購入した。MSDは、リン光体−HSP27(Ser78)および全HSP27の捕捉抗体でプレコーティングされたプレートを提供する。プレコーティングMSDプレートを、150μL/ウェルの3%BSA MSD洗浄緩衝液でブロッキングした。調製物をシェーカー上に室温で1時間置いた。ELISAプレートをブロッキングした一方、−80℃で保存した細胞アッセイプレートをシェーカー上に4℃で1時間置いて、解凍した。ブロッキングしたMSDプレートをプレートウォッシャーで洗浄し、わずかに残った洗浄溶液をタッピングして除去し、続いて、細胞アッセイプレートから30μlの溶解物を追加した。調製物をカバーし、室温で1時間インキュベートした。溶解物を除去し、プレートをプレートウォッシャーで3回洗浄し、わずかに残った洗浄緩衝液をタッピングして除去し、1%BSA/MSD洗浄緩衝液で作製した25μl/ウェルの検出抗体(キットに付属している電気化学発光化合物MSDスルホタグ標識に結合した抗全HSP27)シェーカー上で、プレートを室温で1時間インキュベートし、続いて、3回洗浄した。わずかに残った洗浄緩衝液をタッピングして除去した。150μl/ウェルの1×MSDリードバッファー(キットに付属している4×リードバッファー)を追加し、分析用のMSD SECTOR(登録商標)Imagerによって、プレートを分析した。SECTOR(登録商標)Imagerは、放出光の強度を測定して、サンプル中に存在するリン酸化HSP27(Ser78)および全HSP27の定量的測定を提供する。サンプル中のリンタンパク質の相対的割合は、各ウェルで測定した全HSP27シグナル強度でリン−HSP27シグナル強度を割ることによって計算される。Graph Pad Prismソフトウェアを使用して曲線適合分析を実施して、(100%のシグナル強度にセットした)DMSO処理対照に対して正規化したLPS誘導性p−HSP27/全HSP27シグナル比の阻害反応に基づくEC50を得た。EC50(すなわち、試験化合物がHsp27のリン酸化を50%阻害する濃度)を示すこのアッセイの結果は、ナノモル単位で報告されている。このアッセイの結果は、表Aにおいて「pHSP27シグナリングEC50」という欄に報告されている。
表Aは、様々なアッセイにおける選択化合物のデータを示す。「A」と示されている活性を有する化合物は、≦100nMのEC
50/IC
50を提供した;「B」と示されている活性を有する化合物は、101−〜500nMのEC
50/IC
50を提供した;「C」と示されている活性を有する化合物は、501〜999nMのEC
50/IC
50を提供した;「D」と示されている活性を有する化合物は、≧1000nMのEC
50/IC
50を提供した;「E」と示されている活性を有する化合物は、≧70%の質量変更を提供した;「F」と示されている活性を有する化合物は、31〜69%の質量変更を提供した;「G」と示されている活性を有する化合物は、≦30%の質量変更を提供した。
本発明者らは、本発明のいくつかの実施形態を記載したが、本発明者らの基本的な実施例を変更して、本発明の化合物および方法を利用する他の実施形態を提供し得ることは明らかである。したがって、本発明の範囲は、例として示されている特定の実施形態ではなく、添付の特許請求の範囲によって規定されるべきであると理解される。
例えば、本発明の実施形態において、以下の項目が提供される。
(項目1)
式I’:
の化合物(式中:
環Aは、フェニル、または1〜3個の窒素を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、または窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する8〜14員架橋もしくは縮合二環式芳香族複素環であり;
Tは、−N(R)−、−O−、−S−、−S(O)−、−SO
2−、−C(S)−、−Si(R
4)
2−、−P(R
5)−、−P(O)
2−、または二価飽和直鎖もしくは分枝鎖1〜3員炭化水素鎖から選択される二価部分であり、該炭化水素鎖は、オキソまたは−ORで場合により置換されており;
各Rは独立して、水素もしくは場合により置換されているC
1−6脂肪族であり、または:
同一の窒素上の2個のR基は該窒素と一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を有する3〜7員飽和もしくは部分不飽和複素環を形成し;
R
aは、水素または場合により置換されているC
1−6脂肪族であり;
R
1は、Rまたは−(CH
2)
pR
xであり;
pは、0、1、2または3であり;
R
xは、−CN、−NO
2、ハロゲン、−OR、−SR、−N(R)
2、−C(O)N(R)
2、−C(O)OR、−C(O)R、−N(R)C(O)R、−SO
2N(R)
2または−N(R)SO
2であり;
R
2は、ハロゲン、−CN、−SR
y、−S(O)R
y、−SO
2R
y、−OSO
2R
y、−OC(O)R
yまたは−OP(O)
2OR
yであり;
各R
yは、場合により置換されているC
1−6脂肪族または場合により置換されているフェニルから独立して選択され;
R
3は、水素、場合により置換されているC
1−6脂肪族、−CN、−NO
2、ハロゲン、−OR、−N(R)
2、−C(O)N(R)
2、−C(O)OR、−Cy、−C(O)N(R)−Cy、−C(O)−Cy、−O−Cy、−O−(CH
2)
n−Cy、−(CH
2)
n−O−Cy、−(CH
2)
mN(R)
2、−(CH
2)
mOR、−N(R)−Cy、−N(R)−(CH
2)
n−Cy、−(CH
2)
n−N(R)−Cyまたは−(CH
2)
m−Cyであり;
各R
4は独立して、水素、−OR、C
1−6脂肪族、フェニル、または窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリール環であり;
各R
5は独立して、−OR、C
1−6脂肪族、フェニル、または窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリール環であり;mおよびnはそれぞれ独立して、0〜4であり;ならびに
各Cyは独立して、3〜9員飽和もしくは部分不飽和単環式炭素環、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する3〜9員飽和もしくは部分不飽和単環式複素環、フェニル、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリール環、7〜12員飽和もしくは部分不飽和縮合もしくは架橋二環式炭素環、または窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する6〜12員飽和もしくは部分不飽和縮合もしくは架橋二環式複素環から選択される場合により置換されている環である)であって、
以外の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
(項目2)
Tが−N(R)−、−O−または−S−である、項目1に記載の化合物。
(項目3)
Tが−NH−または−O−である、項目2に記載の化合物。
(項目4)
Tが−NH−である、項目3に記載の化合物。
(項目5)
R
1がR、−CH
2ORまたは−CH
2N(R)
2である、項目1に記載の化合物。
(項目6)
R
1がメチル、−CH
2OCH
3または−CH
2NH
2である、項目1に記載の化合物。
(項目7)
R
1がメチルである、項目6に記載の化合物。
(項目8)
式I
の項目1に記載の化合物(式中:
環Aは、フェニル、または1〜3個の窒素を有する5〜6員ヘテロアリール環であり;
Tは、−N(R)−、−O−、−S−、−S(O)−、−SO
2−、−C(S)−、−Si(R
4)
2−、−P(R
5)−、−P(O)
2−、または二価飽和直鎖もしくは分枝鎖1〜3員炭化水素鎖から選択される二価部分であり、該炭化水素鎖は、オキソまたは−ORで場合により置換されており;
各Rは独立して、水素もしくは場合により置換されているC
1−6脂肪族であり、または:
同一の窒素上の2個のR基は該窒素と一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を有する3〜7員飽和もしくは部分不飽和複素環を形成し;
R
aは、水素または場合により置換されているC
1−6脂肪族であり;
R
1は、Rまたは−(CH
2)
pR
xであり;
pは、0、1、2または3であり;
R
xは、−CN、−NO
2、ハロゲン、−OR、−SR、−N(R)
2、−C(O)N(R)
2、−C(O)OR、−C(O)R、−N(R)C(O)R、−SO
2N(R)
2または−N(R)SO
2であり;
R
2は、ハロゲン、−CN、−SR
y、−S(O)R
y、−SO
2R
y、−OSO
2R
y、−OC(O)R
yまたは−OP(O)
2OR
yであり;
各R
yは、場合により置換されているC
1−6脂肪族または場合により置換されているフェニルから独立して選択され;
R
3は、水素、場合により置換されているC
1−6脂肪族、−CN、−NO
2、ハロゲン、−OR、−N(R)
2、−C(O)N(R)
2、−C(O)OR、−Cy、−C(O)N(R)−Cy、−C(O)−Cy、−O−Cy、−O−(CH
2)
n−Cy、−(CH
2)
n−O−Cy、−N(R)−Cy、−N(R)−(CH
2)
n−Cy、−(CH
2)
n−N(R)−Cyまたは−(CH
2)
m−Cyであり;
各R
4は独立して、水素、−OR、C
1−6脂肪族、フェニル、または窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリール環であり;
各R
5は独立して、−OR、C
1−6脂肪族、フェニル、または窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリール環であり;mおよびnはそれぞれ独立して、0〜4であり;ならびに
各Cyは独立して、3〜9員飽和もしくは部分不飽和単環式炭素環、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する3〜9員飽和もしくは部分不飽和単環式複素環、フェニル、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5〜6員ヘテロアリール環、7〜12員飽和もしくは部分不飽和縮合もしくは架橋二環式炭素環、または窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する7〜12員飽和もしくは部分不飽和縮合もしくは架橋二環式複素環から選択される場合により置換されている環である)またはその薬学的に許容され得る塩。
(項目9)
環Aがフェニルであり、R
3が−CN、−NO
2、ハロゲン、−C(O)N(R)
2、−C(O)OR、−Cy、−C(O)N(R)−Cyまたは−C(O)−Cyから選択される、項目1に記載の化合物。
(項目10)
環Aがフェニルであり、R
3が−CN、−NO
2またはハロゲンから選択される、項目9に記載の化合物。
(項目11)
環Aがフェニルであり、R
3が−CNまたはハロゲンから選択される、項目10に記載の化合物。
(項目12)
環Aが、1〜3個の窒素を有する6員ヘテロアリール環である、項目1に記載の化合物。
(項目13)
環Aがピリジル、ピリミジニル、ピリダジニルまたはトリアジニルである、項目12に記載の化合物。
(項目14)
式II、III、IV、VまたはVI:
のいずれか1つである、項目13に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
(項目15)
R
2がハロゲンである、項目1に記載の化合物。
(項目16)
R
2がフルオロまたはクロロである、項目15に記載の化合物。
(項目17)
R
2が−SR
yまたは−SO
2R
yである、項目1に記載の化合物。
(項目18)
R
2が−SCH
3または−SO
2CH
3である、項目15に記載の化合物。
(項目19)
R
3がRであり、Rが水素である、項目12に記載の化合物。
(項目20)
R
3がRであり、Rが場合により置換されているC
1−6脂肪族である、項目12に記載の化合物。
(項目21)
R
3が−CH
2OH、−CH
2OCH
3および−CH
3から選択される、項目20に記載の化合物。
(項目22)
R
3が−ORである、項目12に記載の化合物。
(項目23)
R
3が−O(CH
2)
2OCH
3、−O(CH
2)
2N(CH
3)
2および−OCH
3から選択される、項目22に記載の化合物。
(項目24)
R
3がハロゲン、−CN、NO
2、−C(O)N(R)
2または−C(O)ORである、項目1に記載の化合物。
(項目25)
R
3がハロゲン、−CNまたはNO
2である、項目24に記載の化合物。
(項目26)
R
3が−C(O)N(R)
2または−C(O)ORである、項目24に記載の化合物。
(項目27)
R
3が−C(O)NH
2、−C(O)OCH
2CH
3および−OC(O)CH
3から選択される、項目26に記載の化合物。
(項目28)
R
3が−Cy、−(CH
2)
m−Cy、−C(O)N(R)−Cy、−C(O)−Cy、−OR、−O−Cy、−N(R)−Cy、−N(R)−(CH
2)
n−Cy、−(CH
2)
n−N(R)−Cyまたは−O−(CH
2)
n−Cyから選択される、項目12に記載の化合物。
(項目29)
各−Cyが独立して、3〜7員飽和または部分不飽和炭素環から選択される場合により置換されている環である、項目28に記載の化合物。
(項目30)
各−Cyが独立して、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和または部分不飽和複素環から選択される場合により置換されている環である、項目28に記載の化合物。
(項目31)
各−Cyが独立して、オキセタニル、ピペリジニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペラジニルおよびモルホリニルから選択される場合により置換されている環である、項目30に記載の化合物。
(項目32)
項目1に記載の化合物と、薬学的に許容され得る担体、アジュバントまたはビヒクルとを含む、薬学的に許容され得る組成物。
(項目33)
生物学的サンプルにおけるMK2キナーゼまたはその突然変異体の活性を阻害するための方法であって、前記生物学的サンプルを項目1に記載の化合物と接触させる工程を含む、方法。
(項目34)
患者におけるMK2キナーゼまたはその突然変異体の活性を阻害するための方法であって、項目32に記載の組成物を前記患者に投与する工程を含む、方法。
(項目35)
前記MK2キナーゼまたはその突然変異体を不可逆的に阻害する、項目34に記載の方法。
(項目36)
MK2のCys140を共有結合的に改変することによって、前記MK2キナーゼまたはその突然変異体を不可逆的に阻害する、項目35に記載の方法。
(項目37)
MK2媒介性疾患または障害の処置を必要とする患者におけるMK2媒介性疾患または障害を処置するための方法であって、項目32に記載の組成物を前記患者に投与する工程を含む、方法。
(項目38)
前記MK2媒介性疾患または障害が、自己免疫障害、慢性もしくは急性炎症性障害、自己炎症性障害、線維性障害、代謝障害、新生物または心血管もしくは脳血管障害である、項目37に記載の方法。
(項目39)
前記MK2媒介性疾患または障害が、自己免疫障害、慢性もしくは急性炎症性障害または自己炎症性障害である、項目38に記載の方法。
(項目40)
前記自己免疫障害、慢性もしくは急性炎症性障害および/または自己炎症性障害が、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、多発性硬化症、乾癬、関節炎、関節リウマチ、変形性関節症、若年性関節炎、乾癬性関節炎、反応性関節炎、強直性脊椎炎、クリオピリン関連周期性症候群、マックル・ウェルズ症候群、家族性寒冷自己炎症症候群、新生児発症性多系統炎症性疾患、TNF受容体関連周期性症候群(synderome)、急性および慢性膵炎、アテローム性動脈硬化症、痛風、強直性脊椎炎、線維性障害、肝線維症、特発性肺線維症、腎症、サルコイドーシス、強皮症、過敏症、糖尿病、1型真性糖尿病、2型真性糖尿病、糖尿病性網膜症、スティル病、血管炎、サルコイドーシス、肺炎症、急性呼吸窮迫症候群、湿潤および乾式加齢性黄斑変性、自己免疫溶血性症候群、自己免疫性および炎症性肝炎、自己免疫性神経障害、自己免疫性卵巣不全、自己免疫性精巣炎、自己免疫性血小板減少症、シリコーンインプラント関連自己免疫疾患、シェーグレン症候群、家族性地中海熱、全身性エリテマトーデス、血管炎症候群、側頭動脈炎、高安動脈炎および巨細胞性動脈炎、ベーチェット病、ウェゲナー肉芽腫症、白斑、自己免疫疾患の二次血液学的兆候、貧血、薬物誘発性自己免疫、橋本甲状腺炎、下垂体炎、特発性血小板減少性紫斑病、金属誘発性自己免疫、重症筋無力症、天疱瘡、自己免疫性難聴、メニエール病、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、HW関連自己免疫症候群、グラン・バレー病、アディソン病、抗リン脂質症候群、喘息、アトピー性皮膚炎、セリアック病、クッシング症候群、皮膚筋炎、特発性副腎萎縮症(idiopathic adrenal adrenal atrophy)、特発性血小板減少症、川崎症候群、ランバート・イートン症候群、悪性貧血、花粉症結節性多発動脈炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、レイノー症候群、ライター症候群、再発性多発性軟骨炎、シュミット症候群、甲状腺機能亢進症、敗血症、敗血症性ショック、内毒素性ショック、外毒素誘発性毒性ショック、グラム陰性敗血症、毒性ショック症候群、糸球体腎炎、腹膜炎、間質性膀胱炎、高酸素誘発性炎症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、血管炎、移植片対宿主反応、移植片対宿主病、同種移植片拒絶、急性同種移植片拒絶、慢性同種移植片拒絶、早期移植拒絶、急性同種移植片拒絶、再灌流傷害、疼痛、急性疼痛、慢性疼痛、神経因性疼痛、線維筋痛、慢性感染症、髄膜炎、脳炎、心筋炎、歯肉炎、手術後外傷、組織損傷、外傷性脳損傷、全腸炎、副鼻腔炎、ブドウ膜炎、眼炎症、視神経炎、胃潰瘍、食道炎、腹膜炎、歯周炎、皮膚筋炎、胃炎、筋炎、多発筋痛、肺炎ならびに気管支炎からなる群より選択される、項目39に記載の方法。
(項目41)
前記MK2媒介性疾患または障害が線維性障害である、項目38に記載の方法。
(項目42)
前記線維性障害が、全身性硬化症/強皮症、ループス腎炎、結合組織疾患、創傷治癒、外科的瘢痕、脊髄損傷、CNS瘢痕、急性肺傷害、肺線維症、特発性肺線維症、嚢胞性線維症、慢性閉塞性肺疾患、成人呼吸窮迫症候群、急性肺傷害、薬物誘発性肺傷害、糸球体腎炎、慢性腎臓病、糖尿病性腎症、高血圧誘発性腎症、消化管または胃腸線維症、腎線維症、肝臓または胆道線維症、肝線維症、非アルコール性脂肪性肝炎、C型肝炎、肝細胞癌腫、肝硬変、原発性胆汁性肝硬変、脂肪肝疾患による肝硬変、アルコール性脂肪肝疾患による肝硬変、非アルコール性脂肪症/非アルコール性脂肪肝疾患による肝硬変、放射線誘発性線維症、頭頸部線維症、胃腸線維症、肺線維症、原発性硬化性胆管炎、再狭窄、心筋線維症、心内膜心筋線維症、心房線維症、眼瘢痕、線維性硬化症、線維性癌、子宮筋腫、線維腫、線維腺腫、線維肉腫、移植動脈症、ケロイド、縦隔線維症、骨髄線維症、後腹膜線維症、進行性巨大線維症および腎性全身性線維症からなる群より選択される、項目41に記載の方法。
(項目43)
前記MK2媒介性疾患または障害が代謝障害である、項目38に記載の方法。
(項目44)
前記代謝障害が、肥満症、ステロイド耐性、耐糖能異常およびメタボリックシンドロームからなる群より選択される、項目43に記載の方法。
(項目45)
前記MK2媒介性疾患または障害が新生物である、項目38に記載の方法。
(項目46)
前記新生物が、血管新生障害、多発性骨髄腫、白血病、急性リンパ球性白血病、急性および慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、前骨髄球性白血病、リンパ腫、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、ヘアリー細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、マスト細胞腫瘍、ホジキン病、非ホジキン病、骨髄異形成症候群、線維肉腫、横紋筋肉腫;星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫、神経鞘腫、メラノーマ、セミノーマ、奇形癌腫、骨肉腫、色素性乾皮症(xenoderma pigmentosum)、角化棘細胞腫(keratoctanthoma)、甲状腺濾胞癌、カポジ肉腫、メラノーマ、奇形腫、横紋筋肉腫、転移および骨障害、骨、口/咽頭、食道、喉頭、胃、腸、結腸、直腸、肺、肝臓、膵臓、神経、脳、頭頸部、喉、卵巣、子宮、前立腺、精巣、膀胱、腎臓、乳房、胆嚢、子宮頚部、甲状腺、前立腺および皮膚の癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、神経膠腫ならびに多形神経膠芽細胞腫からなる群より選択される、項目45に記載の方法。
(項目47)
前記MK2媒介性疾患または障害が心血管または脳血管障害である、項目38に記載の方法。
(項目48)
前記心血管または脳血管障害が、アテローム性動脈硬化症、アテローム性冠動脈の再狭窄、急性冠動脈症候群、心筋梗塞、心臓同種移植片血管症、卒中、炎症またはアポトーシス成分を伴う中枢神経系障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、脊髄損傷、神経虚血および末梢神経障害からなる群より選択される、項目47に記載の方法。