JP2019193232A - 開閉装置及び画像記録装置 - Google Patents

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Yoshinori Osakabe
吉記 刑部
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政子 川越
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Abstract

【課題】回動体が本体に対して閉じたときに本体や回動体の側面の反りを矯正する。【解決手段】開閉装置は、プリンタ筐体52の上部を覆う閉位置及び当該上部を開放する開位置に回動可能にプリンタ筐体52によって支持されたスキャナ筐体51と、スキャナ筐体51及びプリンタ筐体52を連結するアーム体80とを備える。スキャナ筐体51は、閉位置においてアーム体80に対して左右方向9に対向する面125Aを備える。プリンタ筐体52は、閉位置においてアーム体80に対して左右方向9に対向する面135Aを備える。アーム体80は、面125A、135Aに対して左右方向9に対向する面87Aと、面87Aから左方へ突出した凸部101、102とを備える。凸部101、102は、スキャナ筐体51が閉位置において面125A、135Aに当接して左右方向9に位置決めするものである。【選択図】図13

Description

本発明は、本体及び回動体が連結されており、回動体が本体に対して回動する開閉装置、及び開閉装置を備えた画像記録装置に関する。
従来から、本体及び回動体が連結されており、回動体が本体に対して回動する開閉装置が知られている。このような開閉装置を備えたものとして、シートに画像を記録する画像記録装置がある(特許文献1、2参照)。画像記録装置では、回動体は本体の上部において本体によって支持されている。そして、装置内にシートが詰まったときなどに、ユーザまたは修理者は、本体の上部を露出(開放)する方向へ回動体を回動し、本体内のシートを取り出すことができる。
特開2015−115617号公報 特開2007−208660号公報
上述した開閉装置では、外観の美感などの観点より、回動体が本体に対して閉じた状態であるときに、本体の側面と回動体の側面とが面一となることが好ましい。しかしながら、本体または回動体の少なくとも一方の側面が内側へ反っていると、回動体が本体に対して閉じた状態であるときに、本体の側面と回動体の側面とが面一とならず、開閉装置の外観品質を損ねる。また、本体の側面と回動体の側面のどちらも内側に反っている場合も外観品質を損ねる。
上記問題の改善手段として、本体のうち、回動体が本体に対して閉じた状態であるときに本体の側面及び回動体の側面と対向する部分(以下、筐体内部の対向部分と記す。)に、これらの側面の反りを矯正するための突起やリブのようなものを設けることが考えられる。
しかしながら、本体の対向部分には、回動体が本体に対して開いた状態を維持することなどを目的として、回動体と本体との間に介在されるアームが配置されていることが多い。このようなアームが配置されていると、筐体内部の対向部分に側面の反りを矯正するための突起やリブのようなものを設けることができない。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、回動体が本体に対して閉じたときに本体の側面や回動体の側面の反りを矯正することができる開閉装置、及びこの開閉装置を備えた画像記録装置を提供することにある。
(1) 本発明の開閉装置は、本体と、上記本体の上部を覆う閉位置及び上記本体の上部を開放する開位置に回動可能に上記本体によって支持された回動体と、一端部が上記本体に連結され、他端部が上記回動体に連結されており、上記他端部が上記回動体の回動中心部から回動先端部へ向かう径方向に沿って上記回動体に対して相対的に移動可能なアーム体と、を備える。上記本体は、上記閉位置において上記アーム体に対して上記回動体の軸方向に対向する第1面を備える。上記回動体は、上記閉位置において上記アーム体に対して上記軸方向に対向する第2面を備える。上記アーム体は、上記本体の上記第1面、または、上記閉位置の上記回動体の上記第2面の少なくとも一方に対して上記軸方向に対向する第3面と、上記第3面から上記軸方向へ突出した凸部と、を備える。上記凸部は、上記回動体が上記閉位置において上記第1面または上記第2面の少なくとも一方に当接して位置決めするものである。
本構成によれば、仮に第1面や第2面が第3面へ向けて凸形状となるように反っていても、回動体が閉位置に位置するときに、第1面や第2面が凸部と当接することによって第1面や第2面の反りを矯正することができる。
また、本構成によれば、第1面や第2面が第3面へ向けて凸形状となるように反っている場合、回動体が開位置から閉位置に回動する過程において、第1面や第2面が凸部と当接することによって、回動体に凸部からの負荷がかかる。これにより、回動体はゆっくりと回動するため、回動体が本体に接触するときに回動体及び本体にかかる衝撃を小さくすることができる。
また、本構成によれば、凸部がアーム体に設けられている。そのため、本体に凸部を設ける必要がない。
(2) 上記本体は、上方が開放された箱形状である。上記第1面は、上記箱形状を構成する内側面である。
(3) 上記凸部は、上記回動体が上記閉位置において、上記本体の上記第1面のうち上記箱形状を構成する底部側の固定端よりも、上記本体の上記第1面のうち当該底部からの突出先端である自由端に近い位置に当接する。
(4) 上記回動体は、下方が開放された箱形状である。上記第2面は、上記箱形状を構成する内側面である。
一般に、箱形状の部材の側面は内側へ反りやすい。(3)や(4)の構成によれば、この内側への反りを、凸部によって矯正することができる。
(5) 上記凸部は、上記回動体が上記閉位置において、上記回動体の上記第2面のうち上記箱形状を構成する底部側の固定端よりも、上記回動体の上記第2面のうち当該底部からの突出先端である自由端に近い位置に当接する。
(6) 上記凸部は、上記回動体が上記閉位置において、上記本体の上記第1面における上記回動体側の端部、または、上記回動体の上記第2面における上記本体側の端部の少なくとも一方に当接する。
(3)、(5)、(6)の構成によれば、回動体が開位置から閉位置に回動する過程において閉位置に近づいたときに、第1面や第2面が凸部と当接することによって回動体に負荷がかかり、回動体はゆっくりと回動する。そのため、回動体が本体に接触するときに回動体及び本体にかかる衝撃を小さくすることができる。また、回動体が開位置から閉位置に回動する過程において閉位置から離れているときには、回動体に凸部からの負荷がかからないため、回動体を速く回動させることができる。そのため、回動体を開位置から閉位置へ素早く回動させることができる。つまり、回動体に凸部からの負荷がかかるのを、回動体が閉位置の近くにあるときのみとすることができる。すなわち、回動体の開閉動作に対する凸部の影響を少なくすることができる。
また、回動体が自重によって開位置から閉位置へ向かうときに、開位置から閉位置へ向かう向きに生じるモーメントは、回動体が開位置に近い程小さく、回動体が閉位置に近い程大きい。そのため、回動体が開位置から閉位置へ向かう過程において、回動体が閉位置に近い位置のとき(生じる上記モーメントが大きいとき)に、凸部が回動体や本体に接触して回動体の閉位置への移動に対する抵抗になっても、回動体の閉位置への移動に対する当該抵抗の影響を少なくすることができる。
また、第1面や第2面の反りは、第1面や第2面の先端部、つまり第1面における回動体側の端部や、第2面における本体側の端部に近づく程に大きくなる。(3)、(5)、(6)の構成によれば、反りが大きい部分に凸部を当接させることで、当該反りを矯正することができる。特に、凸部が第1面や第2面の先端部に当接する(6)の構成において、最も効果的に当該反りを矯正することができる。
(7) 上記凸部は、上記回動体の回動向きにおいて上記閉位置から上記開位置へ向かうにしたがって上記凸部の突出向きへ向かうように上記第3面に対して傾斜した第1傾斜面を備える。
本構成によれば、回動体が開位置から閉位置へ回動する過程において、第1面を第1傾斜面に沿って案内しつつ、第1面の反りを矯正することができる。そのため、回動体が開位置から閉位置へ回動する過程において、第3面へ向けて凸形状となるように反った第1面が凸部に引っ掛かり、当該回動が阻害される可能性を低くすることができる。
(8) 上記第1傾斜面の上記第1面に対する摩擦係数は、上記第3面の上記第1面に対する摩擦係数より小さい。
本構成によれば、第1面を第1傾斜面に沿って円滑に案内することができる。
(9) 上記凸部は、上記回動体の回動向きにおいて上記開位置から上記閉位置へ向かうにしたがって上記凸部の突出向きへ向かうように上記第3面に対して傾斜した第2傾斜面を備える。
本構成によれば、回動体が開位置から閉位置へ回動する過程において、第2面を第2傾斜面に沿って案内しつつ、第2面の反りを矯正することができる。そのため、回動体が開位置から閉位置へ回動する過程において、第3面へ向けて凸形状となるように反った第2面が凸部に引っ掛かり、当該回動が阻害される可能性を低くすることができる。
(10) 上記第2傾斜面の上記第2面に対する摩擦係数は、上記第3面の上記第2面に対する摩擦係数より小さい。
本構成によれば、第2面を第2傾斜面に沿って円滑に案内することができる。
(11) 上記アーム体の上記一端部は、上記径方向において上記回動体の回動軸と異なる位置にある。
本構成によれば、アーム体の一端部と回動体の回動軸とは異なる位置にある。そのため、回動体が開位置から閉位置へ回動する過程において、第1面や第2面と当接した凸部は、回動体が閉位置へ向けて更に回動すると、第1面や第2面に対して摺動する。この摺動によって、凸部から回動体にかかる負荷を大きくすることができる。
(12) 上記アーム体は、上記凸部を上記一端部から上記他端部へ向かう方向において間隔を空けて複数備えている。
本構成によれば、回動体が開位置から閉位置へ回動する過程において、複数の凸部が所定の順序で第1面や第2面に当接する。これにより、回動体が開位置から閉位置へ回動する過程において、回動体が凸部から受ける負荷を段階的に大きくすることができる。また、第1面や第2面の反りを、複数の凸部によって緩やかに矯正することができる。
(13) 上記凸部は、上記径方向と交差する方向へ、上記回動体の回動中心から離れる向きへ凸となるように湾曲しつつ延びている。
本構成によれば、回動体が開位置から閉位置へ回動する過程において、凸部の第1面や第2面に対しての摺動を少なくすることができる。これにより、凸部から回転体にかかる負荷を小さくすることができる。
(14) 上記回動体は、上記径方向に沿って延びるラックギヤを備える。上記アーム体は、上記第3面を有するハウジングと、上記ハウジングに支持され、粘性流体から制動力を受ける制動ギヤを有する回転ダンパと、上記ハウジングに支持され、上記ラックギヤと噛合する摺動ギヤを有し、上記摺動ギヤを介して上記制動ギヤの制動力を上記ラックギヤに伝達するギヤ部と、を備える。
本構成によれば、回動体が開位置から閉位置に回動する過程において、回動体にかかる負荷を、回転ダンパによって更に大きくすることができる。
また、本構成によれば、ハウジングの外面は回転ダンパ及びギヤ部を支持するために十分な大きさが必要である。そして、本構成によれば、大きく構成された外面の一つが第3面であるため、第3面に凸部を設けることが容易である。
(15) 例えば、上記凸部は、上記回動体が上記閉位置において、上記第1面または上記第2面の少なくとも一方に対して上記軸方向に対向する位置にあり、上記回動体が上記開位置において、上記第1面及び上記第2面に対して上記軸方向に対向する位置から退避した位置にある。
(16) 本発明は、上記開閉装置と、上記本体に設けられており、シートに画像を記録する記録部と、を備える画像記録装置として捉えることもできる。
本発明によれば、回動体が本体に対して閉じたときに本体の側面や回動体の側面の反りを矯正することができる。
図1は、複合機10の外観斜視図であり、(A)にはスキャナ筐体51が閉位置の状態が示されており、(B)にはスキャナ筐体51が開位置の状態が示されている。 図2は、複合機10の正面図であり、(A)にはスキャナ筐体51が閉位置の状態が示されており、(B)にはスキャナ筐体51が開位置の状態が示されている。 図3は、複合機10の左側面図であり、(A)にはスキャナ筐体51が閉位置の状態が示されており、(B)にはスキャナ筐体51が開位置の状態が示されている。 図4は、プリンタ部12の内部構造を模式的に示す縦断面図である。 図5は、スキャナ筐体51が閉位置のときのラック部材70及びアーム体80を示す図であり、(A)には左側面図が示されており、(B)には正面図が示されており、(C)には(B)のC−C断面図が示されている。 図6は、スキャナ筐体51が開位置のときのラック部材70及びアーム体80を示す左側面図である。 図7は、スキャナ筐体51の開位置から閉位置への回動の開始時のラック部材70及びアーム体80を示す図であり、(A)には正面図が示されており、(B)には(A)のB−B断面図が示されており、(C)には(A)のC−C断面図が示されている。 図8は、スキャナ筐体51の閉位置から開位置への回動の終了時のラック部材70及びアーム体80を示す図であり、(A)には正面図が示されており、(B)には(A)のB−B断面図が示されており、(C)には(A)のC−C断面図が示されている。 図9は、スキャナ筐体51が開位置のときの図2(A)のA−A断面図である。 図10は、スキャナ筐体51が開位置と閉位置との間のときの図2のA−A断面図である。 図11は、スキャナ筐体51が閉位置のときの図2のA−A断面図である。 図12は、複合機10の平面図である。 図13(A)には、図12のXIIIA−XIIIA断面図が示されており、図13(B)には、図12のXIIIB−XIIIB断面図が示されている。 図14(A)には、スキャナ筐体51が開位置と閉位置との間のときの図12のXIIIA−XIIIA断面の模式断面図が示されており、図14(B)には、スキャナ筐体51が開位置と閉位置との間のときの図12のXIIIB−XIIIB断面の模式断面図が示されている。 図15は、変形例におけるラック部材70及びアーム体80の左側面図である。 図16には、変形例においてスキャナ筐体51が閉位置のときの図12のXIIIA−XIIIA断面に対応する部分の模式断面図が示されている。 図17には、変形例においてスキャナ筐体51が閉位置のときの図12のXIIIA−XIIIA断面に対応する部分の模式断面図が示されている。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、以下の説明では、複合機10が使用可能に設置された状態(図1の状態)を基準として上下方向7が定義され、開口13が設けられている側を手前側(正面)として前後方向8が定義され、複合機10を手前側(正面)から見て左右方向9が定義される。前後方向8と左右方向9とは直交している。
[複合機10の全体構成]
図1に示されるように、複合機10(画像記録装置の一例)は、概ね直方体形状である。複合機10は、その上部に、用紙などの原稿に記録された画像をイメージセンサ(不図示)によって読み取って画像データを取得するスキャナ部11を備えている。また、複合機10は、その下部に、給送トレイ20に収容されたシート15(図4参照)に画像を記録するプリンタ部12を備えている。
図1〜図3に示されるように、スキャナ部11は、概ね直方体形状のスキャナ筐体51(回動体の一例)を有している。また、プリンタ部12は、概ね直方体形状であり、正面に開口13が形成されたプリンタ筐体52(本体の一例)を有している。
スキャナ筐体51の内部に、原稿を支持するプラテンガラス(不図示)や、プラテンガラスに支持された原稿を読み取るイメージセンサなどが配置されている。
図1〜図3に示されるプリンタ筐体52の内部に、図4に示される給送トレイ20、搬送ローラ対63、排出ローラ対66、及び記録部24などが配置されている。給送トレイ20は、プリンタ筐体52に対して開口13から前後方向8に挿抜可能である。給送トレイ20はシート15を収容して支持する。搬送ローラ対63及び排出ローラ対66は、給送トレイ20に支持されたシート15を搬送路23に沿って搬送する。記録部24は、スキャナ部11によって原稿から読み取られた画像データなどに基づいて、搬送路23に沿って搬送されるシート15に画像を記録する。
画像が記録されたシート15は、排出ローラ対66によって排出され、排出トレイ21上に支持される。排出トレイ21は、給送トレイ20に支持されており、給送トレイ20とともにプリンタ筐体52に対して開口13から挿抜可能である。なお、給送トレイ20は、排出トレイ21とは別にプリンタ筐体52に対して開口13から挿抜されてもよい。
図4に示されるように、給送トレイ20の上方に、給送ローラ25が配置されている。給送ローラ25は、給送用モータ(不図示)から駆動力が伝達されることによって回転する。駆動力が伝達された給送ローラ25は、給送トレイ20に支持されたシート15を搬送路23へ向けて給送する。
搬送路23は、給送トレイ20の後端部から上方に延びつつUターンしてから、前向きに延びて排出トレイ21に至る通路である。所定間隔を隔てて互いに対向する第1ガイド部材31及び第2ガイド部材32と、所定間隔を隔てて互いに対向する記録部24及びプラテン42とによって搬送路23の一部が規定される。シート15は、搬送路23に沿って、図4に破線の矢印で示される向きである搬送向き16に搬送される。
記録部24よりも搬送向き16の上流に、搬送ローラ61及びピンチローラ62よりなる搬送ローラ対63が設けられている。ピンチローラ62は、ばねなどの弾性部材(不図示)によって搬送ローラ61のローラ面に圧接されている。記録部24よりも搬送向き16の下流に、排出ローラ64及び拍車ローラ65よりなる排出ローラ対66が設けられている。拍車ローラ65は、ばねなどの弾性部材(不図示)によって排出ローラ64のローラ面に圧接されている。
搬送ローラ61及び排出ローラ64は、搬送用モータ(不図示)から駆動力が伝達されることによって回転する。駆動力が伝達された搬送ローラ61及び排出ローラ64は、ピンチローラ62及び拍車ローラ65との間にシート15を挟持しつつ搬送向き16へ搬送する。
記録部24は、搬送ローラ対63と排出ローラ対66との間に設けられている。記録部24の下方且つ記録部24と対向する位置に、搬送路23に沿って搬送されるシート15を支持可能なプラテン42が設けられている。記録部24は、キャリッジ40と記録ヘッド38とを備えている。キャリッジ40は、前後方向8に間隔を空けて配置された2つのガイドレール56、57によって左右方向9へ往復移動可能に支持されている。記録ヘッド38は、キャリッジ40に搭載されている。インクカートリッジ(不図示)から記録ヘッド38に、インクが供給される。記録ヘッド38の下面に、ノズル39が形成されている。キャリッジ40が左右方向9に移動しているときに、記録ヘッド38は、ノズル39からインク滴をプラテン42に向けて吐出する。これにより、搬送向き16に搬送されてプラテン42に支持されたシート15に画像が記録される。
なお、本実施形態において、記録部24がシート15に画像を記録する方式は、シリアル型のインクジェット記録方式であるが、ラインヘッド型のインクジェット記録方式でもよいし、或いは電子写真方式やサーマルヘッド方式などであってもよい。
[開閉装置の全体構成]
複合機10は、本発明に係る開閉装置を備えている。開閉装置は、スキャナ筐体51及びプリンタ筐体52(図1〜図3参照)と、後述するラック部材70及びアーム体80(図5参照)とを備えている。
図3に示されるように、プリンタ筐体52の後上部に、左右方向9に延びた突起53(回動軸の一例)が形成されている。突起53は、スキャナ筐体51の後部26(回動中心部の一例)から下方へ突出した凸部54に設けられた孔(不図示)に挿入されている。これにより、スキャナ筐体51は、左右方向9に延びる突起53を回動の中心としてプリンタ筐体52に対して回動可能である。つまり、スキャナ筐体51の軸方向は、突起53が延びる左右方向9である。なお、スキャナ筐体51をプリンタ筐体52に対して回動可能とする構成は、上述の構成に限らない。例えば、スキャナ筐体51とプリンタ筐体52とが蝶番によって連結されることによって、スキャナ筐体51がプリンタ筐体52に対して回動可能に構成されていてもよい。
図1〜図3に示されるように、スキャナ筐体51は、矢印33の方向(図3(B)参照)に回動可能である。これにより、スキャナ筐体51は、プリンタ筐体52の上部を覆う閉位置(図1(A)、図2(A)、及び図3(A)に示される位置)、及びプリンタ筐体52の上部を開放(露出)する開位置(図1(B)、図2(B)、及び図3(B)に示される位置)の間で、プリンタ筐体52に対して回動する。
スキャナ筐体51は、上板121(底部の一例)、前板122、後板123、右板124、及び左板125を備える。上板121は、スキャナ筐体51が閉位置において前後方向8及び左右方向9に延びている。前板122は、上板121の前端から下方へ延びている。後板123は、上板121の後端から下方へ延びている。右板124は、上板121の右端から下方へ延びている。右板124の前端は、前板122の右端と繋がっている。右板124の後端は、後板123の右端と繋がっている。左板125は、上板121の左端から下方へ延びている。左板125の前端は、前板122の左端と繋がっている。左板125の後端は、後板123の左端と繋がっている。以上より、スキャナ筐体51は、下方が開放された箱形状である。
図2(B)に示されるように、スキャナ筐体51の下面58の左端部に凹部55が形成されている。凹部55は、スキャナ筐体51の後部26から前部27(回動先端部の一例)へと向かう径方向28(図3(B)参照)に沿って延びている。
図1〜図3に示されるように、プリンタ筐体52は、底板131(底部の一例)、前板132、後板133、右板134、及び左板135を備える。底板131は、前後方向8及び左右方向9に延びている。前板132は、底板131の前端から上方へ延びている。後板133は、底板131の後端から上方へ延びている。右板134は、底板131の右端から上方へ延びている。右板134の前端は、前板132の右端と繋がっている。右板134の後端は、後板133の右端と繋がっている。左板135は、底板131の左端から上方へ延びている。左板135の前端は、前板132の左端と繋がっている。左板135の後端は、後板133の左端と繋がっている。以上より、プリンタ筐体52は、上方が開放された箱形状である。
図1(A)に示されるように、スキャナ筐体51が閉位置において、プリンタ筐体52の前板132は、スキャナ筐体51の前板122と面一である。プリンタ筐体52の後板133は、スキャナ筐体51の後板123と面一である。プリンタ筐体52の右板134は、スキャナ筐体51の右板124と面一である。プリンタ筐体52の左板135は、スキャナ筐体51の左板125と面一である。以上より、スキャナ筐体51が閉位置において、複合機10は、概ね直方体形状である。
[ラック部材70]
図5に示されるラック部材70は、凹部55(図2(B)参照)に嵌められた状態でスキャナ筐体51に対して固定される。図5(A)及び図5(B)に示されるように、ラック部材70は、径方向28が長手方向である上板71と、上板71の短手方向の両端部から下方側へ延びた一対の側板72と、を備えている。
図5(C)に示されるように、上板71の長手方向に延びたラックギヤ73が、上板71の内面71Bに設けられている。図7(A)に示されるように、ラックギヤ73は、上板71の短手方向の中央部に設けられている。また、図5(A)に示されるように、ラックギヤ73の延びる方向と平行な方向に延びた長穴74が、一対の側板72にそれぞれ設けられている。以下、ラック部材70において、ラックギヤ73や長穴74が設けられている側(径方向28における下流の側)を一端側と称す。また、ラック部材70において、一端側と反対の側(径方向28における上流の側)を他端側と称す。
ラック部材70が凹部55に嵌められるとき、ラック部材70の上板71における外面71Aが、凹部55の底面に当接して固定される。また、ラック部材70が凹部55に固定された状態において、ラックギヤ73は径方向28に沿って延びた状態となる。ラック部材70は、一端側が複合機10の前側となるように、凹部55に嵌められる。
図7(B)に示されるように、ラック部材70の上板71に、板ばね75が取り付けられている。この板ばね75は略音叉形状であり、基端部75Aと、基端部75Aから延出されている2本の腕部75Bとを備えている。図7(A)に示されるように、板ばね75の2本の腕部75B は、上板71の内面71Bにおいて、その上板71の短手方向の両端部に設けられている。つまり、板ばね75の2本の腕部75Bは、ラックギヤ73を挟むように配置されている。
図7(B)に示されるように、板ばね75は、上板71の長手方向に沿って、つまり径方向28に沿って延びている。板ばね75の大部分は、上板71の外面71Aに当接している。すなわち、基端部75Aの大部分と、後述される第1傾斜部76と第2傾斜部77とを除く2本の腕部75Bの一部とが外面71Aに当接している。そして、板ばね75のうち、外面71Aに当接していない残りの部分がラック部材70の上板71に設けられている開口71C,71Dからラック部材70の内部(一対の側板72の間の空間)に進入している。板ばね75のうち、ラック部材70の内部に進入している2本の腕部75Bは、径方向28におけるラックギヤ73と重複する位置に、上板71の内面71Bから離間するように傾斜した第1傾斜部76と、第1傾斜部76と連続しており第1傾斜部76との境界位置から上板71の内面71Bへ向けて傾斜した第2傾斜部77と、をそれぞれ備えている。2本の腕部75Bの第1傾斜部76及び第2傾斜部77は、上板71へ向けて押されることによって弾性変形可能である。上板71に対する第1傾斜部76の傾斜角は、上板71に対する第2傾斜部77の傾斜角よりも小さい。すなわち、上板71に対しては、第1傾斜部76の方が第2傾斜部77よりも緩やかに傾斜している。第2傾斜部77は、スキャナ筐体51が開位置において、後述するアーム体80に設けられた突起92と係合する。
図5(C)に示されるように、アクチュエータ機構78が、ラック部材70の他端側に取り付けられている。アクチュエータ機構78は、ラック部材70の他端側に取り付けられたコイルばね67と、コイルばね67に接続された当接片68とを備えている。コイルばね67の一端は、上板71に固定状態で取り付けられている。コイルばね67の他端に、当接片68に設けられた突起69が挿入されている。当接片68における突起69と反対側の位置に、凹部79が設けられている。アクチュエータ機構78は、コイルばね67が伸縮することによって弾性変形可能である。また、アクチュエータ機構78は、スキャナ筐体51が閉位置にあるとき、後述するアーム体80に設けられた突起93が凹部79に挿入されることによって、突起93と係合する。
[アーム体80の全体構成]
図9に示されるように、アーム体80の一端部81は、プリンタ筐体52に連結されている。また、アーム体80の他端部82は、スキャナ筐体51の凹部55に嵌められたラック部材70に連結されている。図5に示されるように、アーム体80は、ハウジング83と、ハウジング83に支持された回転ダンパ84及びギヤ部85とを備える。
[ハウジング83]
図5に示されるように、ハウジング83は、アーム体80の外形を構成し且つ内部空間86を有する部材である。ハウジング83は、例えば、一方側に凹部を有する2つの部材が当該凹部を対向させつつ組み合わされることによって形成される。このとき、対向する2つの凹部によって内部空間86が形成される。
図5(A)及び図5(B)に示されるように、ハウジング83は、ラック部材70の側板72と平行な一対の平行板87と、当該一対の平行板87同士を繋ぐ側板90とを備えている。
図5(A)に示されるように、一対の平行板87の外面の一端部81に、凹部89が設けられている。そして、プリンタ筐体52の後側の上端部に設けられた凸部(不図示)が凹部89に挿入されている。これにより、アーム体80は、一端部81を中心に回動可能にプリンタ筐体52に連結されている。ここで、図3(B)に示されるように、アーム体80の一端部81は、突起53より前方に設けられている。つまり、アーム体80の一端部81は、径方向28において、突起53と異なる位置に設けられている。
図5に示されるように、ハウジング83の平行板87の他端部82は、ラック部材70の一対の側板72の間に挿入されている。そして、アーム体80の他端部82は、後述するギヤ43のギヤ軸43Sがラック部材70に設けられた長穴74内を摺動することによって、ラック部材70に対して摺動する。つまり、他端部82は、径方向28に沿ってスキャナ筐体51に対して相対的に移動可能である。
図5(C)に示されるように、ハウジング83の側板90の他端部82側に、開口91が設けられている。アーム体80の内部空間86は、開口91を通じてアーム体80の外部と連通している。
図7(B)に示されるように、ハウジング83の側板90の他端部82側に、突起92が設けられている。突起92は、ラック部材70の上板71と対向する位置に設けられている。突起92は、スキャナ筐体51が開位置にあるとき、板ばね75の第2傾斜部77と係合する。
図7(B)及び図7(C)に示されるように、ハウジング83の側板90の一端部81と他端部82との間に、突起93が設けられている。突起93は、アクチュエータ機構78と対向する位置に設けられている。突起93は、スキャナ筐体51が閉位置にあるとき、アクチュエータ機構78の当接片68の凹部79と係合する。
[回転ダンパ84]
図7に示されるように、回転ダンパ84は、ハウジング83の内部空間86に配置されている。回転ダンパ84は、ハウジング94と、ハウジング94の内部に回転可能に配置され且つハウジング94の外部に突出した軸体(不図示)と、ハウジング94の内部において軸体に取り付けられており軸体の回転によって回動するロータ(不図示)と、ハウジング94の外部において軸体に取り付けられており軸体を中心に回転する制動ギヤ95とを備える。ハウジング94の内部に、粘性流体が充填されている。粘性流体は、例えば、シリコンオイルなどの液体に種々の固定粒子や磁性粒子を分散したものや無機添加剤を添加したものである。
ハウジング94は、取付孔96を有している。回転ダンパ84は、取付孔96にビス97などが挿入されることによって、アーム体80のハウジング83に支持される。
軸体が回転してロータが回動すると、ハウジング94の内部においてロータと粘性流体との間に摩擦を生じる。これにより、軸体に取り付けられた制動ギヤ95は、軸体の回転を止めようとする制動力を受ける。
制動ギヤ95は、ギヤ部85を構成するギヤ43〜47のうち、アーム体80のハウジング83の最も一端部81側に支持されているギヤ47と噛合している。
[ギヤ部85]
図5(C)に示されるギヤ部85は、回転ダンパ84の制動ギヤ95(図7(B)参照)が受ける制動力をラックギヤ73に伝達するものである。ギヤ部85は、互いに噛合された5個のギヤ43〜47よりなるギヤ列である。5個のギヤ43〜47は、ハウジング83の内部空間86に、他端部82から一端部81の向きに沿って配列されている。
図5(A)及び図6に示されるように、ハウジング83の一対の平行板87の他端部82に、開口98が設けられている。ギヤ43(摺動ギヤの一例)から突出したギヤ軸43Sが、開口98を介してハウジング83の外部に突出している。これにより、ギヤ43は、アーム体80のハウジング83によって、ギヤ軸43Sを中心に回転可能に支持される。また、ハウジング83の外部に突出したギヤ43のギヤ軸43Sは、ラック部材70に設けられた長穴74に挿入されている。これにより、スキャナ筐体51が矢印33(図3(B)参照)の方向に回動するとき、ギヤ43のギヤ軸43Sは長穴74内を摺動する。
ハウジング83の一対の平行板87の内面に、3つの凹部(不図示)が設けられている。各ギヤ44、45、46から突出したギヤ軸44S、45S、46S(図5(C)参照)が、当該凹部の各々に挿入される。これにより、図5(C)に示されるように、各ギヤ44、45、46は、アーム体80のハウジング83によって、ギヤ軸44S、45S、46Sを中心に回転可能に支持される。
ハウジング83の一対の平行板87の内面の一端側に、溝部99が設けられている。ギヤ47から突出したギヤ軸47Sが、溝部99に挿入される。これにより、ギヤ47は、アーム体80のハウジング83によって、ギヤ軸47Sを中心に回転可能且つ溝部99に沿って移動可能に支持される。
ギヤ43は、ハウジング83の最も他端部82側に配置されている。ギヤ43の一部は、開口91から突出している。ギヤ43の開口91から突出した部分は、ラックギヤ73と噛合している。
ギヤ44は、ハウジング83におけるギヤ43よりも一端部81側に配置されている。ギヤ44は、ギヤ43と噛合している。ギヤ45は、ハウジング83におけるギヤ44よりも一端部81側に配置されている。ギヤ45は、ギヤ44と噛合している。
ギヤ46は、ハウジング83におけるギヤ45よりも一端部81側に配置されている。ギヤ46は、多段ギヤである。ギヤ46は、スラスト方向に並んで配置され且つ同じギヤ軸46Sを中心に一体に回転する2つのギヤ46A、46Bで構成されている。ギヤ46Aは、ギヤ45と噛合している。ギヤ46Bは、後述するギヤ47Aと噛合している。ギヤ46Aの直径は、ギヤ46Bよりも小さい。また、ギヤ46Aの歯数は、ギヤ46Bよりも少ない。これにより、ギヤ46Bの接線速度は、ギヤ46Aの接線速度よりも速くなる。ここで、ギヤ46A及びギヤ46Bのトルクは同一である。また、ギヤ46Bの直径はギヤ46Aの直径よりも大きい。よって、ギヤ46Bのギヤ47Aに対する接線方向の力は、ギヤ46Aがギヤ47Aと噛合していると仮定した場合の接線方向の力よりも小さくなる。なお、ギヤ46は、多段ギヤでなくてもよい。つまり、ギヤ46は、ギヤ44、45と同様の構成であってもよい。
ギヤ47は、ハウジング83におけるギヤ46よりも一端部81側に配置されている。図7(C)に示されるように、ギヤ47は、スラスト方向に並んで配置され且つ同じギヤ軸47Sを中心に一体に回転する2つのギヤ47A、47Bで構成されている。つまり、ギヤ47は、ギヤ46と同様に、多段ギヤである。ギヤ47Aは、ギヤ46Bと噛合している。ギヤ47Bは、制動ギヤ95と噛合可能である。ギヤ47Aの直径は、ギヤ47Bよりも小さい。また、ギヤ47Aの歯数は、ギヤ47Bよりも少ない。これにより、ギヤ47Bの接線速度は、ギヤ47Aの接線速度よりも速くなる。ここで、ギヤ47A及びギヤ47Bのトルクは同一である。また、ギヤ47Bの直径はギヤ47Aの直径よりも大きい。よって、ギヤ47Bの制動ギヤ95に対する接線方向の力は、ギヤ47Aが制動ギヤ95と噛合していると仮定した場合の接線方向の力よりも小さくなる。なお、ギヤ47は、多段ギヤでなくてもよい。つまり、ギヤ47は、ギヤ44、45と同様の構成であってもよい。すなわち、ギヤ部85は、多段ギヤを備えていなくてもよい。
ギヤ47のギヤ軸47Sは、溝部99(図5(C)参照)に沿って移動可能である。ここで、溝部99は、ギヤ46のギヤ軸46S(図5(C)参照)を中心とした円の円周方向に沿って延びている。また、溝部99の一端は、他端よりも回転ダンパ84から離間している。つまり、ギヤ47のギヤ軸47Sが溝部99に沿って移動することによって、ギヤ47は、回転ダンパ84に対して接近及び離間する。
図5(C)に示されるように、ギヤ47Aは、ギヤ46Bと噛合している。これにより、ギヤ47は、ギヤ軸47Sを中心に自転するとともに、ギヤ46の回転に伴ってギヤ46との噛合を維持しつつギヤ46の周りを公転する。つまり、ギヤ47は、ギヤ46を太陽ギヤとする遊星ギヤである。
図5(C)及び図7(B)に示されるように、ギヤ47Bは、ギヤ47のギヤ軸47Sが溝部99の他端側(回転ダンパ84に対して近い側)に位置しているときに、制動ギヤ95と噛合する(図7(B)参照)。図5(C)及び図7(B)に示される状態のときのギヤ47の位置が噛合位置である。一方、ギヤ47Bは、ギヤ47のギヤ軸47Sが溝部99の一端側(回転ダンパ84に対して遠い側)に位置しているときに、制動ギヤ95から離間する(図8(B)参照)。図8(B)に示される状態のときのギヤ47の位置が離間位置である。
ギヤ47が噛合位置のとき、制動ギヤ95が回転ダンパ84から受けた制動力はギヤ47へ伝達される。これにより、ギヤ部85は、当該制動力を、制動ギヤ95からギヤ47、ギヤ46、ギヤ45、ギヤ44、ギヤ43、及びラックギヤ73の順序で伝達する。一方、ギヤ47が離間位置のとき、回転ダンパ84から制動ギヤ95が受けた制動力はギヤ47へ伝達されない。つまり、ギヤ部85は、制動ギヤ95からラックギヤ73への当該制動力の伝達を解除する。
[凸部101、102]
図5(A)に示されるように、ハウジング83の一対の平行板87のうち、左右方向9における複合機10の外方を向いた面、つまり左方を向く面87A(第3面の一例)には、2つの凸部101、102が設けられている。図1(B)に示されるように、凸部101、102は、面87Aから左方へ突出している。なお、本実施形態において、凸部101、102は、凸部103より左方まで突出している。
図5(A)に示されるように、凸部101、102は、アーム体80の一端部81から他端部82へ向かう方向59において、間隔を空けて設けられている。凸部101は、凸部102よりも一端部81に近い位置に設けられている。また、図13に示されるように、スキャナ筐体51が閉位置の状態において、凸部101、102は、スキャナ筐体51とプリンタ筐体52との境界部141にある。ここで、本実施形態において、境界部141は、スキャナ筐体51が閉位置の状態において、スキャナ筐体51の左板125の下端部から、プリンタ筐体52の左板135の上端部に亘る部分である。
図5(A)及び図13(A)に示されるように、凸部101は、傾斜面101A(第2傾斜面の一例)と、傾斜面101B(第1傾斜面の一例)と、平面101Cとを備えている。
傾斜面101Aは、矢印34の向きへ向かうにしたがって左方へ向かうように面87Aに対して傾斜している。図3(B)に示されるように、矢印34の向きは、矢印33のうちの一方の向きであって、スキャナ筐体51が開位置から閉位置へ向けて回動する場合の回動向きである。
図5(A)及び図13(A)に示されるように、傾斜面101Bは、傾斜面101Aよりも矢印34の向きの下流側に設けられている。傾斜面101Bは、矢印35の向き(図3(B)参照)へ向かうにしたがって左方へ向かうように面87Aに対して傾斜している。図3(B)に示されるように、矢印35の向きは、矢印33のうちの他方の向きであって、スキャナ筐体51が閉位置から開位置へ向けて回動する場合の回動向きである。
図5(A)及び図13(A)に示されるように、平面101Cは、傾斜面101Aの矢印34の下流端と、傾斜面101Bの矢印35の下流端とを繋ぐ面である。平面101Cは、面87Aと平行な面であり、上下方向7及び前後方向8に拡がっている。
図5(A)及び図13(B)に示されるように、凸部102は、傾斜面102A(第2傾斜面の一例)と、平面102Bとを備えている。
傾斜面102Aは、矢印34の向きへ向かうにしたがって左方へ向かうように面87Aに対して傾斜している。平面102Bは、傾斜面102Aの矢印34の下流端から矢印34の向きへ延びている。平面102Bは、面87Aと平行な面であり、上下方向7及び前後方向8に拡がっている。
凸部101の表面(傾斜面101A、傾斜面101B、及び平面101C)と、凸部102の表面(傾斜面102A及び平面102B)とは、面87Aよりも平滑に構成されている。例えば、凸部101、102の表面には、ナイロンやテフロン(登録商標)などの摩擦係数の小さい材料(低摩擦材料)が貼り付けられている。ここで、面87Aを含むアーム体80のハウジング83、凸部101、102と当接する面125A(図13参照)を含むスキャナ筐体51、及び凸部101、102と当接する面135A(図13参照)を含むプリンタ筐体52は、ポリスチレンなどの樹脂で形成されている。そのため、凸部101の表面の面125A、135Aに対する摩擦係数は、面87Aの面125A、135Aに対する摩擦係数より小さく、凸部102の表面の面125A、135Aに対する摩擦係数は、面87Aの面125A、135Aに対する摩擦係数より小さい。なお、凸部101、102の表面に低摩擦材料が貼り付けられる構成に限らず、例えば凸部101、102自体が低摩擦材料で構成されていてもよい。
凸部101の突出長(左右方向9における面87Aと平面101Cとの間の距離)は、左右方向9における面87Aとスキャナ筐体51の面125A(第2面の一例)との間隔と略同一である。面125Aは、スキャナ筐体51の左板125の内面(右面)である。換言すると、面125Aは、スキャナ筐体51の箱形状を構成する内側面である。
また、凸部101の突出長は、左右方向9における面87Aとプリンタ筐体52の面135A(第1面の一例)との間隔と略同一である。面135Aは、プリンタ筐体52の左板135の内面(右面)である。換言すると、面135Aは、プリンタ筐体52の箱形状を構成する内側面である。
[スキャナ筐体51のプリンタ筐体52に対する開閉動作]
以下、スキャナ筐体51がプリンタ筐体52に対して閉じるときの動作が説明される。つまり、スキャナ筐体51が開位置から閉位置へ回動するときの動作が説明される。
スキャナ筐体51が図9に示される開位置にあるとき、ギヤ43のギヤ軸43Sは、図6に示されるように、ラック部材70の長穴74の径方向28上流端に位置している。また、スキャナ筐体51が開位置にあるとき、図7(B)に示されるように、アーム体80の突起92と板ばね75の第2傾斜部77とは係合している。これにより、スキャナ筐体51は、開位置を維持している。
また、スキャナ筐体51が開位置にあるとき、図3に示されるように、凸部101、102は、スキャナ筐体51の左板125と左右方向9に対向しておらず、プリンタ筐体52の左板135と左右方向9に対向していない。つまり、凸部101、102は、左板125の内面である面125Aと左右方向9に対向しておらず、左板135の内面である面135Aと左右方向9に対向していない。すなわち、凸部101、102は、スキャナ筐体51が開位置において、面125A、135Aに対して左右方向9に対向する位置から退避した位置にある。
スキャナ筐体51に対して開位置から閉位置へ回動するための力が作用すると、図7(B)に示されるように、板ばね75の第2傾斜部77が突起92を押す。これにより、第2傾斜部77は突起92から反作用の力を受ける。すると、第2傾斜部77及び第1傾斜部76は、ラック部材70の上板71に向けて移動する。つまり、第1傾斜部76及び第2傾斜部77は弾性変形する。その結果、突起92と第2傾斜部77との係合が解除され、スキャナ筐体51は、開位置から閉位置へ移動可能となる。以上より、板ばね75は、突起92との係合が解除される向きへ弾性変形可能である。
スキャナ筐体51が開位置から閉位置へ向けて矢印34(図9参照)の向きに回動すると、図6に示されるように、ギヤ43のギヤ軸43Sは、長穴74内を径方向28に摺動する。また、このとき、ギヤ43は、ラックギヤ73に対して径方向28に摺動しつつ、図9において反時計回りに回転する。図9において、ギヤ43が反時計回りに回転することによって、ギヤ44が時計回りに回転し、ギヤ45が反時計回りに回転し、ギヤ46が時計回りに回転する。
図9において、ギヤ46が時計回りに回転すると、ギヤ47は、ギヤ46のギヤ軸46Sの周りを時計回りに公転しつつ反時計回りに回転する。図9において、ギヤ47が時計回りに公転することによって、ギヤ47のギヤ軸47Sは溝部99に沿って回転ダンパ84に近づく向きに移動する。これにより、ギヤ47は、図7(B)及び図7(C)に示される噛合位置に移動して、隣接する制動ギヤ95と噛合する。すると、図9において、制動ギヤ95は、ギヤ47の反時計回りの回転によって、時計回りに回転する。これにより、制動ギヤ95は、回転ダンパ84のロータと粘性流体との間に生じる摩擦による制動力を受ける。そして、当該制動力が、制動ギヤ95及びギヤ部85を介してラックギヤ73へ伝達される。つまり、ギヤ部85は、スキャナ筐体51が開位置から閉位置に向けて回動するとき、制動ギヤ95からラックギヤ73へ制動力を伝達する。その結果、スキャナ筐体51は、矢印34の向きに回動するときに、回転ダンパ84から負荷を受ける。
また、スキャナ筐体51が開位置から閉位置へ向けて矢印34(図9参照)の向きに回動すると、アーム体80も矢印34の向きに回動する。これにより、アーム体80の凸部101、102は、プリンタ筐体52の左板135に近づく。また、スキャナ筐体51が矢印34の向きに回動することにより、スキャナ筐体51の左板125が、アーム体80の凸部101、102に近づく。
スキャナ筐体51が閉位置に近い図10に示される位置に到達すると、突起93が、アクチュエータ機構78の当接片68の傾斜面49に当接して当接片68を押す。これにより、当接片68は、コイルばね67の付勢力に抗って、径方向28と逆向きに移動する。このとき、突起93が当接片68に力を作用させている一方で、突起93は当接片68から反作用の力を受ける。これにより、スキャナ筐体51は、矢印34の向きに回動するときに、上述した回転ダンパ84による負荷に加えて、アクチュエータ機構78による負荷を受ける。
スキャナ筐体51が図10に示される位置から更に矢印34の向きに回動すると、突起93は、当接片68に設けられた凹部79に嵌る。これにより、当接片68は、突起93によって押されなくなるため、コイルばね67の付勢力によって突起93に押される前の位置に戻る。その結果、突起93とアクチュエータ機構78とは係合する。このとき、スキャナ筐体51は、図11に示される位置に到達する。図11の状態におけるスキャナ筐体51は、閉位置である。
また、スキャナ筐体51が閉位置に近い図10に示される位置に到達すると、図14(A)に示されるように、スキャナ筐体51の左板125が、左右方向9において凸部101の傾斜面101Aと対向する。このとき、左板125が右に凸となるように反っている場合、左板125は、図14(A)に破線で示されるように、傾斜面101Aに当接する。この状態で、スキャナ筐体51が更に矢印34の向きに回動すると、左板125は、傾斜面101Aに沿って平面101Cへ向けて案内される。当該案内の過程において、左板125が凸部101に左方へ押されるため、左板125の反りが解消される。
同様に、スキャナ筐体51が閉位置に近い図10に示される位置に到達すると、図14(B)に示されるように、スキャナ筐体51の左板125が、左右方向9において凸部102の傾斜面102Aと対向する。このとき、左板125が右に凸となるように反っている場合、左板125は、図14(B)に破線で示されるように、傾斜面102Aに当接する。この状態で、スキャナ筐体51が更に矢印34の向きに回動すると、左板125は、傾斜面102Aに沿って平面102Bへ向けて案内される。当該案内の過程において、左板125が凸部102に左方へ押されるため、左板125の反りが解消される。
また、スキャナ筐体51が閉位置に近い図10に示される位置に到達すると、図14(A)に示されるように、プリンタ筐体52の左板135が、左右方向9において凸部101の傾斜面101Bと対向する。このとき、左板125が右に凸となるように反っている場合、左板135は、図14(A)に破線で示されるように、傾斜面101Bに当接する。この状態で、スキャナ筐体51が更に矢印34の向きに回動すると、アーム体80が更に矢印34の向きに回動してプリンタ筐体52に近づくため、左板135は、傾斜面101Bに沿って平面101Cへ向けて案内される。当該案内の過程において、左板135が凸部101に左方へ押されるため、左板135の反りが解消される。
なお、本実施形態では、スキャナ筐体51が開位置から閉位置へ回動する過程において、最初に、凸部101、102がスキャナ筐体51の左板125と左右方向9に対向した状態となり、その後、凸部101がプリンタ筐体52の左板135と左右方向9に対向した状態となる。但し、スキャナ筐体51が開位置から閉位置へ回動する過程において、凸部101、102がスキャナ筐体51及びプリンタ筐体52と左右方向9に対向する順序は、上記に限らない。
スキャナ筐体51が閉位置にある状態において、図13(A)に示されるように、スキャナ筐体51の左板125の面125Aの下端部(回動体の第2面における本体側の端部の一例)は、左右方向9においてアーム体80の面87Aの上部と対向している。このとき、面125Aの下端部は、左右方向9においてアーム体80の凸部101の傾斜面101A及び平面101Cの上部と対向している。また、このとき、面125Aの下端部は、図13(B)に示されるように、左右方向9においてアーム体80の凸部102の傾斜面102A及び平面102Bと対向している。
また、スキャナ筐体51が閉位置にある状態において、図13(A)に示されるように、プリンタ筐体52の左板135の面135Aの上端部(本体の第1面における回動体側の端部の一例)は、左右方向9においてアーム体80の面87Aの下部と対向している。このとき、面135Aの上端部は、左右方向9においてアーム体80の凸部101の傾斜面101B及び平面101Cの下部と対向している。
また、スキャナ筐体51が閉位置にある状態において、図13に示されるように、凸部101の平面101Cの上部と、凸部102の平面102Bとが、左板125の面125Aの下端部に当接している。これにより、凸部101、102は、スキャナ筐体51の左板125を左右方向9に位置決めしている。
また、スキャナ筐体51が閉位置にある状態において、図13(A)に示されるように、凸部101の平面101Cの下部が、左板135の面135Aの上端部に当接している。これにより、凸部101は、プリンタ筐体52の左板135を左右方向9に位置決めしている。
なお、スキャナ筐体51が閉位置にある状態において、凸部101、102が当接するのは、面125Aの下端部や、面135Aの上端部に限らない。但し、凸部101、102が当接するのは、面125Aにおける上板121との接続部(面125Aの上端、固定端の一例)よりも、面125における上板121からの突出先端(面125Aの下端、自由端の一例)に近い位置が好ましい。また、凸部101、102が当接するのは、面135Aにおける底板131との接続部(面135Aの下端、固定端の一例)よりも、面135における底板131からの突出先端(面135Aの上端、自由端の一例)に近い位置が好ましい。
次に、スキャナ筐体51がプリンタ筐体52に対して開くときの動作が説明される。つまり、スキャナ筐体51が閉位置から開位置へ回動するときの動作が説明される。
スキャナ筐体51が図11に示される閉位置にあるとき、図5(A)に示されるように、ギヤ43のギヤ軸43Sは、ラック部材70の長穴74の径方向28下流端に位置している。
スキャナ筐体51に対して閉位置から開位置へ回動するための力が作用すると、図11に示されるように、アクチュエータ機構78の当接片68の傾斜面50が突起93を押す。これにより、当接片68は突起93から反作用の力を受ける。すると、当接片68は、コイルばね67の付勢力に抗って、径方向28と逆向きに移動する。つまり、アクチュエータ機構78は弾性変形する。その結果、突起93と当接片68との係合が解除されるため、スキャナ筐体51は、閉位置から開位置へ移動可能となる。以上より、アクチュエータ機構78は、突起93との係合が解除される向きへ弾性変形可能である。
スキャナ筐体51が閉位置から開位置へ向けて矢印35(図10参照)の向きに回動すると、図5(A)に示されるように、ギヤ43のギヤ軸43Sは、長穴74内を径方向28と逆向きに摺動する。また、このとき、ギヤ43は、ラックギヤ73に対して径方向28に摺動しつつ、図11において時計回りに回転する。図11において、ギヤ43が時計回りに回転することによって、ギヤ44が反時計回りに回転し、ギヤ45が時計回りに回転し、ギヤ46が時反計回りに回転する。
図11において、ギヤ46が反時計回りに回転すると、ギヤ47は、ギヤ46のギヤ軸46Sの周りを反時計回りに公転しつつ時計回りに回転する。図11において、ギヤ47が反時計回りに公転することによって、ギヤ47のギヤ軸47Sは溝部99に沿って回転ダンパ84から離間する向きに移動する。これにより、ギヤ47は、図8(B)及び図8(C)に示される離間位置に移動して、隣接する制動ギヤ95から離間する。よって、制動ギヤ95は、ギヤ47が時計回りに回転しても、回転しない。したがって、制動ギヤ95は、回転ダンパ84のロータと粘性流体との間に生じる摩擦による制動力を受けない。つまり、ギヤ部85は、スキャナ筐体51が閉位置から開位置に向けて回動するとき、制動ギヤ95からラックギヤ73への制動力を伝達を解除する。その結果、スキャナ筐体51は、矢印35の向きに回動するときに、回転ダンパ84からの負荷を受けない。
スキャナ筐体51が矢印35の向きに回動する過程において、突起92は、板ばね75に当接しつつ板ばね75に沿って移動する。そして、スキャナ筐体51が開位置に近い位置に到達すると、突起92(図7(B)参照)が板ばね75の第1傾斜部76を押す。これにより、第1傾斜部76及び第2傾斜部77は、ラック部材70の上板71に向けて移動する。その結果、突起92は、第1傾斜部76を通過して第2傾斜部77と係合し、スキャナ筐体51は、開位置に到達する。
また、スキャナ筐体51が閉位置から開位置へ向けて矢印35(図10参照)の向きに回動すると、アーム体80も矢印35の向きに回動する。これにより、アーム体80の凸部101、102は、プリンタ筐体52の左板135の面135A及びスキャナ筐体51の左板125の面125Aに対して左右方向9に対向しない位置へ移動する。
[実施形態の効果]
本実施形態によれば、仮に面135Aや面125Aが面87Aへ向けて凸形状となるように反っていても、スキャナ筐体51が閉位置に位置するときに、面135Aや面125Aが凸部101、102と当接することによって面135Aや面125Aの反りを矯正することができる。
また、本実施形態によれば、面135Aや面125Aが面87Aへ向けて凸形状となるように反っている場合、スキャナ筐体51が開位置から閉位置に回動する過程において、面135Aや面125Aが凸部と当接することによって、スキャナ筐体51に凸部101、102からの負荷がかかる。これにより、スキャナ筐体51はゆっくりと回動するため、スキャナ筐体51がプリンタ筐体52に接触するときにスキャナ筐体51及びプリンタ筐体52にかかる衝撃を小さくすることができる。
また、本実施形態によれば、凸部101、102がアーム体80に設けられている。そのため、プリンタ筐体52に凸部101、102を設ける必要がない。
また、本実施形態によれば、スキャナ筐体51が開位置から閉位置に回動する過程において閉位置に近づいたときに、面135Aや面125Aが凸部101、102と当接することによってスキャナ筐体51に負荷がかかり、スキャナ筐体51はゆっくりと回動する。そのため、スキャナ筐体51がプリンタ筐体52に接触するときにスキャナ筐体51及びプリンタ筐体52にかかる衝撃を小さくすることができる。また、スキャナ筐体51が開位置から閉位置に回動する過程において閉位置から離れているときには、スキャナ筐体51に凸部101、102からの負荷がかからないため、スキャナ筐体51を速く回動させることができる。そのため、スキャナ筐体51を開位置から閉位置へ素早く回動させることができる。つまり、スキャナ筐体51に凸部101、102からの負荷がかかるのを、スキャナ筐体51が閉位置の近くにあるときのみとすることができる。すなわち、スキャナ筐体51の開閉動作に対する凸部101、102の影響を少なくすることができる。
また、スキャナ筐体51が自重によって開位置から閉位置へ向かうときに、開位置から閉位置へ向かう向きに生じるモーメントは、スキャナ筐体51が開位置に近い程小さく、スキャナ筐体51が閉位置に近い程大きい。そのため、スキャナ筐体51が開位置から閉位置へ向かう過程において、スキャナ筐体51が閉位置に近い位置のとき(生じる上記モーメントが大きいとき)に、凸部101、102がスキャナ筐体51やプリンタ筐体52に接触してスキャナ筐体51の閉位置への移動に対する抵抗になっても、スキャナ筐体51の閉位置への移動に対する当該抵抗の影響を少なくすることができる。
また、面125Aや面135Aの反りは、面125Aや面135Aの先端部、つまり面125Aの下端部や面135Aの上端部において大きくなる。本実施形態によれば、反りが大きい部分に凸部101、102を当接させることで、当該反りを矯正することができる。
また、一般に、箱形状の部材の側面は内側へ反りやすい。つまり、本実施形態によれば、スキャナ筐体51及びプリンタ筐体52の面125A、135Aは内側へ反りやすい。本実施形態によれば、この内側への反りを、凸部101、102によって矯正することができる。
また、本実施形態によれば、スキャナ筐体51が開位置から閉位置へ回動する過程において、面135Aを傾斜面101Bに沿って案内しつつ、面135Aの反りを矯正することができる。そのため、スキャナ筐体51が開位置から閉位置へ回動する過程において、面87Aへ向けて凸形状となるように反った面135Aが凸部101に引っ掛かり、当該回動が阻害される可能性を低くすることができる。
また、本実施形態によれば、傾斜面101Bの面135Aに対する摩擦係数は、面87Aの面135Aに対する摩擦係数より小さいため、面135Aを傾斜面101Bに沿って円滑に案内することができる。
また、本実施形態によれば、スキャナ筐体51が開位置から閉位置へ回動する過程において、面125Aを傾斜面101A、102Aに沿って案内しつつ、面125Aの反りを矯正することができる。そのため、スキャナ筐体51が開位置から閉位置へ回動する過程において、面87Aへ向けて凸形状となるように反った面125Aが凸部101、102に引っ掛かり、当該回動が阻害される可能性を低くすることができる。
また、本実施形態によれば、傾斜面101A、102Aの面125Aに対する摩擦係数は、面87Aの面125Aに対する摩擦係数より小さいため、面125Aを傾斜面101A、102Aに沿って円滑に案内することができる。
また、本実施形態によれば、アーム体80の一端部81とスキャナ筐体51の回動軸である突起53とは異なる位置にある。そのため、スキャナ筐体51が開位置から閉位置へ回動する過程において、面135Aや面125Aと当接した凸部101、102は、スキャナ筐体51が閉位置へ向けて更に回動すると、面135Aや面125Aに対して摺動する。この摺動によって、凸部101、102からスキャナ筐体51にかかる負荷を大きくすることができる。
また、本実施形態によれば、スキャナ筐体51が開位置から閉位置へ回動する過程において、複数の凸部101、102が所定の順序で面135Aや面125Aに当接する。これにより、スキャナ筐体51が開位置から閉位置へ回動する過程において、スキャナ筐体51が凸部101、102から受ける負荷を段階的に大きくすることができる。また、面135Aや面125Aの反りを、複数の凸部101、102によって緩やかに矯正することができる。
また、本実施形態によれば、スキャナ筐体51が開位置から閉位置に回動する過程において、スキャナ筐体51にかかる負荷を、回転ダンパ84によって更に大きくすることができる。
また、本実施形態によれば、ハウジング83の外面は回転ダンパ84及びギヤ部85を支持するために十分な大きさが必要である。そして、本実施形態によれば、大きく構成された外面の一つが面87Aであるため、面87Aに凸部101、102を設けることが容易である。
[変形例]
上記実施形態では、凸部101、102は、図5に示されるように、真っ直ぐ延びていた。しかし、凸部101、102は、真っ直ぐ延びた形状に限らない。例えば、図15に示されるように、凸部101、102は、径方向28と交差する方向へ、径方向28へ凸となるように湾曲しつつ延びていてもよい。
図15に示された変形例によれば、スキャナ筐体51が開位置から閉位置へ回動する過程において、凸部101、102の面125A、135Aに対しての摺動を少なくすることができる。これにより、凸部101、102からスキャナ筐体51にかかる負荷を小さくすることができる。
上記実施形態では、凸部101、102において、スキャナ筐体51の左板125の面125A、及びプリンタ筐体52の左板135の面135Aと左右方向9に対向する面(以下、対向面と記す。)は、上下方向7及び前後方向8に拡がった平面(平面101C、102B)と、当該平面に対して傾斜した傾斜面(傾斜面101A、101B、102A)とで構成されていた。しかし、対向面は、平面と傾斜面との組み合わせに限らない。例えば、図16(A)に示されるように、凸部101の対向面104が、曲面104A、104Bと、平面104Cとで構成されていてもよい。また、例えば、図16(B)に示されるように、凸部101の対向面104が、曲面104Dで構成されていてもよい。なお、図16では、凸部101の変形例が記載されているが、凸部102についても同様である。
上記実施形態では、図13に示されるように、凸部101において、一つの平面101Cが、スキャナ筐体51の左板125の面125A、及びプリンタ筐体52の左板135の面135Aの双方と当接していた。しかし、凸部101は、面125Aと当接する面と、面135Aと当接する面とを別々に備えていてもよい。例えば、図17(A)に示されるように、凸部101は、面125Aと当接する曲面105と、面135Aと当接する曲面106とを備えていてもよい。また、例えば、図17(B)に示されるように、凸部101は、面125Aと当接する平面107と、面135Aと当接する平面108とを備えていてもよい。なお、図17では、凸部101の変形例が記載されているが、凸部102についても同様である。
上記実施形態では、図13に示されるように、スキャナ筐体51が閉位置において、アーム体80の面87Aは、スキャナ筐体51の左板125の面125A、及びプリンタ筐体52の左板135の面135Aの双方と、左右方向9に対向していた。しかし、スキャナ筐体51が閉位置において、アーム体80の面87Aは、面125A、135Aの一方のみと左右方向9に対向していてもよい。
上記実施形態では、アーム体80は2つの凸部101、102を備えていたが、アーム体80が備える凸部の数は2つに限らない。つまり、アーム体80は、1つの凸部のみを備えていてもよいし、3つ以上の凸部を備えていてもよい。
上記実施形態では、凸部101は、スキャナ筐体51の左板125とプリンタ筐体52の左板135との双方に当接して、左板125、135の双方を左右方向9に位置決めしていた。また、凸部102は、スキャナ筐体51の左板125に当接して、左板125を左右方向9に位置決めしていた。つまり、凸部101、102によって、スキャナ筐体51の左板125とプリンタ筐体52の左板135の双方が左右方向9に位置決めされていた。しかし、凸部101、102によって、スキャナ筐体51の左板125が左右方向9に位置決めされる一方で、プリンタ筐体52の左板135が左右方向9に位置決めされなくてもよい。また、逆に、凸部101、102によって、プリンタ筐体52の左板135が左右方向9に位置決めされる一方で、スキャナ筐体51の左板125が左右方向9に位置決めされなくてもよい。
上記実施形態では、アーム体80は、図1(B)に示されるように、複合機10の左端部に設けられていた。しかし、アーム体80が設けられる位置は、複合機10の左端部に限らない。例えば、アーム体80は、複合機10の右端部に設けられていてもよいし、複合機10の左端部及び右端部の双方に設けられていてもよい。なお、アーム体80が複合機10の右端部に設けられる場合、アーム体80は右方へ突出した凸部を備えている。そして、当該凸部が左右方向9に位置決めするのは、スキャナ筐体51の右板124の左面、及びプリンタ筐体52の右板134の左面である。
上記実施形態では、凸部101の表面は、第1傾斜面101A、第2傾斜面101B、及び平面101Cで構成されており、凸部102の表面は、傾斜面102A及び平面102Bで構成されていた。しかし、凸部101、102の表面の構成は、これに限らない。例えば、凸部101、102の表面が曲面や球面で構成されていてもよい。
上記実施形態では、凸部101、102の表面に低摩擦材料が貼り付けられていた。しかし、面125A、135Aに対する凸部101、102の表面の摩擦係数を小さくする手段は、これに限らない。例えば、凸部101、102自体が低摩擦材料で構成されていてもよい。なお、低摩擦材料の有無は任意である。つまり、凸部101、102の表面に低摩擦材料が貼り付けられていなくてもよい。
上記実施形態では、アーム体80の一端部81は、径方向28において、突起53と異なる位置に設けられていたが、アーム体80の一端部81は、突起53と同位置に設けられていてもよい。つまり、アーム体80は、スキャナ筐体51と同軸で回動してもよい。
上記実施形態では、アーム体80は、図5に示されるように、ハウジング83と、回転ダンパ84と、ギヤ部85とを備える構成であった。しかし、アーム体80の構成は、これに限らず、公知の種々の構成が採用可能である。例えば、アーム体80は、回転ダンパ84やギヤ部85を備えていなくてもよい。また、例えば、上記実施形態では、スキャナ筐体51が開位置において、アーム体80は前方へ向かうにしたがって上方へ向かうように延びているが、このような構成に限らない。例えば、スキャナ筐体51が開位置において、後方へ向かうにしたがって上方へ向かうように延びているアーム体が採用されてもよい。
上記実施形態では、スキャナ筐体51及びプリンタ筐体52は、箱形状であったが、箱形状以外の形状であってもよい。
開閉装置は、複合機10以外の装置に設けられていてもよい。例えば、開閉装置は、プリンタ専用機、トランク、アクセサリーボックスなどに設けられていてもよい。
26・・・後部(回動中心部)
27・・・前部(回動先端部)
28・・・径方向
51・・・スキャナ筐体(回動体)
52・・・プリンタ筐体(本体)
80・・・アーム体
81・・・一端部
82・・・他端部
87A・・・面
101・・・凸部
102・・・凸部
125A・・・面
135A・・・面

Claims (16)

  1. 本体と、
    上記本体の上部を覆う閉位置及び上記本体の上部を開放する開位置に回動可能に上記本体によって支持された回動体と、
    一端部が上記本体に連結され、他端部が上記回動体に連結されており、上記他端部が上記回動体の回動中心部から回動先端部へ向かう径方向に沿って上記回動体に対して相対的に移動可能なアーム体と、を備え、
    上記本体は、上記閉位置において上記アーム体に対して上記回動体の軸方向に対向する第1面を備え、
    上記回動体は、上記閉位置において上記アーム体に対して上記軸方向に対向する第2面を備え、
    上記アーム体は、
    上記本体の上記第1面、または、上記閉位置の上記回動体の上記第2面の少なくとも一方に対して上記軸方向に対向する第3面と、
    上記第3面から上記軸方向へ突出した凸部と、を備え、
    上記凸部は、上記回動体が上記閉位置において上記第1面または上記第2面の少なくとも一方に当接して位置決めするものである開閉装置。
  2. 上記本体は、上方が開放された箱形状であり、
    上記第1面は、上記箱形状を構成する内側面である請求項1に記載の開閉装置。
  3. 上記凸部は、上記回動体が上記閉位置において、上記本体の上記第1面のうち上記箱形状を構成する底部側の固定端よりも、上記本体の上記第1面のうち当該底部からの突出先端である自由端に近い位置に当接する請求項2に記載の開閉装置。
  4. 上記回動体は、下方が開放された箱形状であり、
    上記第2面は、上記箱形状を構成する内側面である請求項1から3のいずれかに記載の開閉装置。
  5. 上記凸部は、上記回動体が上記閉位置において、上記回動体の上記第2面のうち上記箱形状を構成する底部側の固定端よりも、上記回動体の上記第2面のうち当該底部からの突出先端である自由端に近い位置に当接する請求項4に記載の開閉装置。
  6. 上記凸部は、上記回動体が上記閉位置において、上記本体の上記第1面における上記回動体側の端部、または、上記回動体の上記第2面における上記本体側の端部の少なくとも一方に当接する請求項3または5に記載の開閉装置。
  7. 上記凸部は、上記回動体の回動向きにおいて上記閉位置から上記開位置へ向かうにしたがって上記凸部の突出向きへ向かうように上記第3面に対して傾斜した第1傾斜面を備える請求項1から6のいずれかに記載の開閉装置。
  8. 上記第1傾斜面の上記第1面に対する摩擦係数は、上記第3面の上記第1面に対する摩擦係数より小さい請求項7に記載の開閉装置。
  9. 上記凸部は、上記回動体の回動向きにおいて上記開位置から上記閉位置へ向かうにしたがって上記凸部の突出向きへ向かうように上記第3面に対して傾斜した第2傾斜面を備える請求項1から8のいずれかに記載の開閉装置。
  10. 上記第2傾斜面の上記第2面に対する摩擦係数は、上記第3面の上記第2面に対する摩擦係数より小さい請求項9に記載の開閉装置。
  11. 上記アーム体の上記一端部は、上記径方向において上記回動体の回動軸と異なる位置にある請求項1から10のいずれかに記載の開閉装置。
  12. 上記アーム体は、上記凸部を上記一端部から上記他端部へ向かう方向において間隔を空けて複数備えている請求項1から11のいずれかに記載の開閉装置。
  13. 上記凸部は、上記径方向と交差する方向へ、上記回動体の回動中心から離れる向きへ凸となるように湾曲しつつ延びている請求項1から12のいずれかに記載の開閉装置。
  14. 上記回動体は、上記径方向に沿って延びるラックギヤを備え、
    上記アーム体は、
    上記第3面を有するハウジングと、
    上記ハウジングに支持され、粘性流体から制動力を受ける制動ギヤを有する回転ダンパと、
    上記ハウジングに支持され、上記ラックギヤと噛合する摺動ギヤを有し、上記摺動ギヤを介して上記制動ギヤの制動力を上記ラックギヤに伝達するギヤ部と、を備える請求項1から13のいずれかに記載の開閉装置。
  15. 上記凸部は、
    上記回動体が上記閉位置において、上記第1面または上記第2面の少なくとも一方に対して上記軸方向に対向する位置にあり、
    上記回動体が上記開位置において、上記第1面及び上記第2面に対して上記軸方向に対向する位置から退避した位置にある請求項1から14のいずれかに記載の開閉装置。
  16. 請求項1から15のいずれかに記載の開閉装置と、
    上記本体に設けられており、シートに画像を記録する記録部と、を備える画像記録装置。
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