JP2019191097A - 中流動コンクリート評価装置およびこれを用いた中流動コンクリートの評価方法 - Google Patents

中流動コンクリート評価装置およびこれを用いた中流動コンクリートの評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】中流動コンクリートの評価用として好適な中流動コンクリート評価装置を提供する。【解決手段】この中流動コンクリート評価装置100は、基台1と、基台1上に設けられて水平な載置面11を有するテーブル10と、テーブル10に載置面11と直交する方向に縦振動を限って入力するようにテーブル10の下面に装備された一軸加振装置20と、を有する加振台50と、テーブル10の載置面11上に置換可能に設けられるスランプフロー試験器30と、テーブル10の載置面11上に置換可能に設けられるU型充填試験器40と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、中流動コンクリートを評価するための技術に関する。
非特許文献1ないし2に開示されるように、「中流動(覆工)コンクリート」の呼称は、(株)高速道路総合技術研究所により定義され、また、技術提案にも活用され、国交省他の山岳トンネルにも適用される事例が増加している。
中流動コンクリートは、打込み時に振動を補助的に加えて軽微な締固めを行うことで密実充填できる。そのため、トンネル覆工コンクリートとしての用途を含め、種々の用途に適用されている。
NEXCO試験方法 第7編 トンネル関係試験方法 平成25年7月 第6版(P43−P46) NEXCO トンネル施工管理要領 平成25年7月 第7版(P38−P47)
しかし、中流動コンクリートは、平成20年頃から同コンクリートを用いた施工件数が増加しているものの、「軽微な締固め」の程度が未だ確立されていないため、十全な施工計画を立てることが難しいのが現状である。
ここで、従来、有スランプコンクリートの締固めの程度は、スランプ試験装置の容器内でスランプ試験を行い、振動により試料が理論密度に締固まるまでの振動エネルギを「締固め完了エネルギ」として評価している。
これに対し、中流動コンクリートの締固めについても、締固め完了エネルギにより評価すればよいものの、中流動コンクリートはスランプが大きいため、スランプ試験時の加振前後でのスランプの変化がほとんど認められない。そのため、中流動コンクリートの締固め完了エネルギを既存のスランプ試験装置を用いて測定することは困難である。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、中流動コンクリートの施工性能の定量的な評価用として好適な中流動コンクリート評価装置およびこれを用いた中流動コンクリートの評価方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る中流動コンクリート評価装置は、試料となる中流動コンクリートに対して縦振動を限って入力して当該試料の締固めに必要な加振エネルギを定量的に測定可能に構成されていることを特徴とする。
ここで、本発明の一態様に係る中流動コンクリート評価装置において、基台と、該基台上に設けられて水平な載置面が形成されたテーブルと、該テーブルに前記載置面と直交する方向に縦振動を限って入力するように装備された加振部と、を有する加振台と、前記テーブルの載置面上に置換可能に設けられるスランプフロー試験器と、前記テーブルの載置面上に置換可能に設けられるU型充填試験器と、を備えることは好ましい。
また、本発明の一態様に係る中流動コンクリート評価装置において、基台と、該基台上に設けられて水平な載置面が形成されたテーブルと、該テーブルに前記載置面と直交する方向に縦振動を限って入力するように装備された加振部と、を有する加振台と、前記テーブルの載置面上に置換可能に設けられるスランプフロー試験器またはU型充填試験器と、を備えることは好ましい。
本発明の一態様に係る中流動コンクリート評価装置によれば、試料となる中流動コンクリートに対して縦振動を限って入力してそのときの中流動コンクリートの締固めに必要な加振エネルギを定量的に測定できる。そのため、中流動コンクリートの施工性能の定量的な評価用として好適である。
また、上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る中流動コンクリートの評価方法は、本発明のうちのいずれか一の態様に係る中流動コンクリート評価装置を用い、試料となる中流動コンクリートの施工性能を定量的に評価することを特徴とする。
本発明の一態様に係る中流動コンクリート用配合選定方法によれば、本発明のうちのいずれか一の態様に係る中流動コンクリート評価装置を用い、試料となる中流動コンクリートの施工性能を定量的に評価するので、中流動コンクリートの締固めに対して望ましい振動エネルギを定義し得て、もって十全な施工計画の立案に資する中流動コンクリートの評価方法を提供できる。
上述のように、本発明によれば、中流動コンクリートの施工性能を定量的に評価できる。
本発明の一態様に係る中流動コンクリート評価装置の一実施形態を示す斜視図であり、同図(a)は加振台の図、(b)は加振台にスランプフロー試験器を載置した状態の図、(c)は加振台にU型充填試験器を載置した状態の図である。 図1の中流動コンクリート評価装置の加振台の説明図であり、同図(a)はその正面図、(b)は(a)でのZ−Z断面図である。 図1の中流動コンクリート評価装置の加振部を駆動して加振したときの時間と加速度との関係を示すグラフである。 図1の中流動コンクリート評価装置の、テーブルの載置面上に置換可能に設けられるスランプフロー試験器の説明図であり、同図(a)はスランプコーン内に試料となる中流動コンクリートを収容した状態を示し、(b)はスランプコーンを抜いて試料となる中流動コンクリートが広がった状態のイメージを示している。 図1の中流動コンクリート評価装置の、テーブルの載置面上に置換可能に設けられるU型充填試験器の説明図であり、同図(a)はその平面図、(b)は正面図である。 図5に示すU型充填試験器による加振充填試験の説明図であり、同図(a)は加振前の状態のイメージを示し、(b)は加振後の状態のイメージを示している。 図4に示すスランプフロー試験器において、中流動コンクリートをスランプコーンに収容したとき、スランプコーンを抜いたとき、およびその後に加振を行ったときのフロー変位と時間との関係を示すグラフである。 図1の中流動コンクリート評価装置を用いた試験結果を示すグラフであり、同図(a)は流動性、(b)は間隙通過性の試験結果を示している(以下、図9から図11において同様)。 図1の中流動コンクリート評価装置を用いた試験結果を示すグラフである。 図1の中流動コンクリート評価装置を用いた試験結果を示すグラフである。 図1の中流動コンクリート評価装置を用いた試験結果を示すグラフである。 スランプフロー試験器を用いたときの加振時のフロー600mm到達時間と、U型充填試験器を用いたときの加振時の充填時間との関係を示すグラフである。 本発明の一態様に係る中流動コンクリート評価装置の他の実施形態の説明図であり、同図(a)はその一部を破断して示す正面図、(b)は(a)でのZ−Z断面図、(c)は(a)での加振部の右側面図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。なお、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。
本実施形態の中流動コンクリート評価装置は、中流動コンクリートの施工性能の定量的な評価をするための装置であって、図1に斜視図を示すように、この中流動コンクリート評価装置100(以下、単に「評価装置」ともいう)は、加振台50と、加振台50に載置される試験器30、40とを備えて構成される。
特に、本実施形態の加振台50は、加振部として、単軸垂下式の加振モータを有する一軸加振装置20を有する。一軸加振装置20は、テーブル10に載置面11と直交する方向に縦振動を限って入力するようにテーブル10下面から垂下されている。
そして、本実施形態の評価装置100は、試料となる中流動コンクリートに対して試験器30、40を用いて、フレッシュコンクリートの状態において、加振台50の一軸加振装置20の駆動によりテーブル10に縦振動を限って入力し、加振時の、当該試料の締固めに必要な加振エネルギを定量的に測定可能に構成されている。
詳しくは、図2に示すように、加振台50は、基台1と、テーブル10と、一軸加振装置20と、を備える。テーブル10は、基台1上に4つのマウントゴム2を介して支持された振動台として設けられており、テーブル10の上面が、水平な載置面とされている。
本実施形態の加振台50は、基台1およびテーブル10が、試料の重さ、テーブル10上に載置する試験器30,40などの重量の相違が測定結果に与える影響を最小にするために十分な剛性を有する。テーブル10の上面は、平面視矩形(この例では正方形)の載置面11として水平に支持されている。載置面11は、中流動コンクリートのスランプフローを測定するための振動台として必要な広さとして、1000mm×1000mmの広さを有する。
テーブル10の下部中心の位置には、加速度センサ3が設けられている。加速度センサ3は、テーブル10上に、スランプフロー試験器30を載置して、テーブル10に縦振動を限って入力したときの加速度を測定可能に設けられている。加速度センサ3の検出信号は、信号線を介してコンピュータ60に入力される。
コンピュータ60は、例えばパーソナルコンピュータが用いられ、一軸加振装置20の起動処理を実行するとともに、評価装置100による評価処理のプログラムを実行可能に構成されている。コンピュータ60はタイマを有し、一軸加振装置20の加振モータの起動信号と加速度センサ3の出力信号とを同期させて、一軸加振装置20の起動からの経過時間を計測可能になっている。
ここで、一軸加振装置20の加振モータの起動時間は、測定データの精度に大きく影響する。そのため、加振モータの起動時間を最小にすることが好ましい。また、テーブル10の横揺れを最小にするために、本実施形態のように、単軸垂下式の加振モータを有する一軸加振装置20を採用することが好ましい。
これに対し、本実施形態の加振台50は、図2に示すように、一軸加振装置20が、テーブル側に水平に張り渡された支軸21と、支軸21に対して基端部が回動可能に垂下された一対の垂下腕22と、一対の垂下腕22の先端に垂下姿勢で設けられた加振モータ23と、を備える。これにより、本実施形態の加振台50は、一軸加振装置20の加振モータ23が駆動されると、一軸加振により、テーブル10上面が水平を保ったまま上下方向に限って迅速に振動するようになっている。
図3に示すグラフは、本実施形態の一軸加振装置20を駆動した際に、上記加速度センサ3によって取得された、テーブル10上面の振幅(加速度)と時間との関係を示している。同図からわかるように、本実施形態の加振台50によれば、一軸加振装置20の加振モータ23が駆動されると、テーブル10上面を上下方向に限って迅速に振動させることができる。
さらに、本実施形態の評価装置100は、加振台50のテーブル10の載置面11上に置換可能に設けられるスランプフロー試験器30と、テーブル10の載置面11上に置換可能に設けられるU型充填試験器40と、を備えて構成される。
スランプフロー試験器30は、図4に示すように、JIS A1101(2005)に規定する所定形状のスランプコーンを有する(上記非特許文献1参照)。試験方法は、本明細書で特記する事項以外は同規格に規定する、コンクリートのスランプ試験方法に準ずるので仔細な説明を省略する(上記非特許文献1参照)。
同図において、試料Fをスランプコーンに収容時において、上面径A=φ10cm、底面径B=φ20cm、高さH=30cmである。なお、同図(a)の状態からスランプコーンを引き抜き、試料Fが広がったときに降下した試料高さがスランプ値Sであり、載置面11上での直径φの広がりがスランプフロー値Wである(JIS A 1150)。
本実施形態では、加振台50のテーブル10の周囲には、載置面11に沿ってレーザを照射可能に装着されたレーザ測定器(不図示)が付設され、このレーザ測定器により、スランプフローの値を自動的に測定可能になっている。本実施形態では、レーザ測定器のコントローラは、例えば8点平均法でスランプフロー値Wを測定可能に構成され、計測されたスランプフロー値Wが、上記コンピュータ60に入力されるようになっている。
また、U型充填試験器40は、図5に示すように、略U形のボックス状容器であり、中央の仕切り板で左右に仕切られたA室とB室とを有する。なお、ボックス状容器は、同図に二点鎖線で示す矩形枠体状に構成された保持枠41にて載置面11上に安定した姿勢で載置可能なように保持されている。仕切り板の下部にはA室とB室とをつなぐ連通路が形成されており、この連通路は仕切りゲートを上下方向に抜き差しすることにより開閉可能になっている。
充填性(間隙通過性)試験に際しては、図6に示すように、まず、仕切りゲートを閉じた状態で、A室に試料Fを所定の工程を踏まえて充填する。次いで、仕切りゲートを一気に開き、試料Fが流動してA室からB室へと移動しB室への充填が停止するまでの時間および充填高さを測定する。なお、U型充填試験器40による試験方法の詳細は、本明細書で特記する事項以外は上記非特許文献1に規定するコンクリートの充填性試験方法に準ずるので仔細な説明は省略する。
本実施形態では、保持枠41の上部には、U型充填試験器40のB室上方からB室内にレーザ走査可能に装着されたレーザ測定器(不図示)が付設され、このレーザ測定器により、B室での充填高さを自動的に測定可能になっている。本実施形態では、レーザ測定器のコントローラは、レーザ走査による平均値から充填高さを測定可能に構成され、計測された充填高さが、上記コンピュータ60に入力されるようになっている。
次に、上記評価装置100を用いた中流動コンクリートの評価方法について説明する。
本実施形態の中流動コンクリートの評価方法は、上記評価装置100を用い、試料となる中流動コンクリートに対して、フレッシュコンクリートの状態にて、加振台50のテーブル10に縦振動を限って入力し、加振時の、試料となる中流動コンクリートの施工性能を定量的に評価するものである。
本実施形態では、スランプフロー試験では、図1(b)に示したように、上記スランプフロー試験器30を用い、加振台50の一軸加振装置20を駆動してテーブル10に縦振動を限って入力し、加振時の、中流動コンクリートのスランプフロー値Wが、600mmに達するのに要する時間を測定する。
このとき、中流動コンクリートのスランプフローが600mmに達するまでにコンクリートが分離しないことを目視により確認する。中流動コンクリートは、有スランプコンクリートとは違って、締固め度が100%になるエネルギで判断するのではなく、分離なしに締固めが十分できたと判断できる状態を締固め完了とみなす。
ここで、スランプフローが600mm以上である高流動コンクリートは、自己充填性を持つコンクリートと判断できる。したがって、中流動コンクリートが振動エネルギを受けてスランプフローが600mm程度の状態になれば、自己充填性を十分に発揮できると推察できる。
図7に4つの試料(フロー変位1〜4)に対する測定結果の一例を示すように、本実施形態の中流動コンクリート評価装置100を用いれば、スランプコーンに試料を充填し(同図での計測開始から約17秒後までの間)、次いで、コーンを引き抜いて(同図での計時約17秒から約39秒後までの間)、さらに、一軸加振によりフロー変位が拡大していく過程(同図での計時約40秒以降)を仔細に計測できる。
本実施形態では、スランプフローが600mmになるときの振動エネルギを測定し、中流動コンクリートの締固め完了エネルギとする。コンクリートの締固め度の計算は以下の式によって算出できる。本実施形態では、中流動コンクリートの締固め完了時および締固め完了エネルギを以下のように定義する。
締固め度γ=初期フロー値(mm)÷600(mm)×100(%)
また、本実施形態では、U型充填試験では、図1(c)に示したように、U型充填試験器40をテーブル10の載置面11上に載置して保持枠41を固定し、加振台50の一軸加振装置20を駆動してテーブル10に縦振動を限って入力し、加振時の、B室での充填高さが300mmおよび350mmに達するのに要する時間を測定する。充填高さは上記レーザ測定器によって測定する。また、充填高さが300mmおよび350mmに達するまでにコンクリートが分離しないことを目視により確認する。
以下、本実施形態の中流動コンクリート評価装置100を用いて実施した、中流動コンクリートの複数の評価試験(この例では第一から第四の評価試験)の結果について考察とともに説明する。第一から第四の評価試験で用いた4種類の試料の配合を表1に示す。
Figure 2019191097
[第一の評価試験]
第一の評価試験では、上記評価装置100を用い、表1に示した、試料となる4種類の中流動コンクリートとして、粗骨材量一定(330リットル一定)且つ配合一定とし、混和剤の量を調整して初期スランプフローを350mm、400mm、450mmおよび500mmとしたときの、それぞれの場合の各試験データを図8(a)、(b)に示す。
第一の評価試験において、図8に示すように、中流動コンクリートは、混和剤量を調整して初期スランプフローを増加させると、同図(a)からわかるように、流動性は改善するものの、同図(b)に示すように、混和剤量を調整して初期スランプフローを増加させても、間隙通過性に与える影響が小さいことがわかる。
[第二の評価試験]
第二の評価試験では、上記評価装置100を用い、表1に示した、試料となる4種類の中流動コンクリートとして、粗骨材量を一定とし、スランプフロー400mm一定とし、さらに、水セメント比50%一定としたときに、細骨材率と混和剤の量を調整して単位水量Wを155、160、165、170、175kgに変化させた。この場合の各試験データを図9(a)、(b)に示す。
第二の評価試験において、同図に示すように、中流動コンクリートは、スランプフローが同一であっても、同図(b)に示すように、単位水量の相違によって間隙通過性が大きく相違することがわかる。よって、中流動コンクリートの配合選定において、単位水量と間隙通過性との関係性については、特に注意すべきである。
[第三の評価試験]
第三の評価試験では、上記評価装置100を用い、表1に示した、試料となる4種類の中流動コンクリートとして、粗骨材量を一定とし、スランプフロー400mm一定且つ単位水量165kg一定としたときに、細骨材率と混和剤の量とを調整して、水セメント比W/Cを、40%、50%および60%にそれぞれ変化させた。この場合の各試験データを図10(a)、(b)に示す。
第三の評価試験において、中流動コンクリートは、図10に示すように、水セメント比の減少により、間隙通過性が改善されることがわかる。これは、単位粉体量が多くなった影響であると考えられる。
[第四の評価試験]
第四の評価試験では、上記評価装置100を用い、表1に示した、試料となる4種類の中流動コンクリートとして、スランプフロー400mm一定とし、単位水量W=165kg一定とし、さらに、水セメント比W/C=50%一定としたときに、細骨材率と混和剤の量とを調整して、単位粗骨材量を280、300および330リットルに変化させた。この場合の各試験データを図11(a)、(b)に示す。
第四の評価試験において、中流動コンクリートは、図11に示すように、粗骨材の配合量を多くすることにより、間隙通過性が低下することがわかる。特に、粗骨材の配合量が330リットルを超えると、間隙通過性が低下する度合が大きくなる傾向があることが見て取れる。
以上説明したように、本実施形態の中流動コンクリート評価装置100によれば、試料となる中流動コンクリートに対して、縦振動を限って入力して中流動コンクリートの締固めに必要な加振エネルギを定量的に測定できる。そして、この評価装置100およびこれを用いた評価方法によれば、試料となる中流動コンクリートの施工性能を定量的に評価できる。
また、本実施形態の中流動コンクリート評価装置100を用いて中流動コンクリートに対して望ましい振動エネルギを定義し、もって十全な施工計画の立案に資する中流動コンクリートの評価方法を提供できる。例えば施工性能を定量的に評価した中流動コンクリートの配合を選定できる。
例えば上記評価装置100を用い、加振台50の載置面11上で振動を受けた中流動コンンクリートのスランプフローが、予定のスランプフロー600mmに到達するまでに要する時間と、U型充填試験器40を用いたU型充填試験での加振時の充填高さが350mmに到達するまでに要する時間と、を同じにした場合の結果を図12に示す。
同図に示すように、中流動コンクリートの配合選定に際し、フレッシュコンクリートの状態において、縦加振下でスランプフロー試験器30を用いたスランプフローが600mmとなる加振エネルギと、同加振下でU型充填試験器40を用いたU型充填高さが350mmとなる加振エネルギと、が同じになるようにコンクリート配合を選定することは好ましい。
特に、本実施形態の中流動コンクリート評価装置100によれば、図3に示したように、振動加速度と振動数がほぼ一定であるため、締固めエネルギを締固め時間で評価することができる。そのため、中流動コンクリートの評価用として好適である。
なお、本発明に係る中流動コンクリート評価装置およびこれを用いた中流動コンクリートの評価方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能であることは勿論である。
例えば、上記実施形態では、加振部の構成として、テーブル10の下面から下方に垂下されるとともに揺動可能に支持された一軸加振装置20を例に説明したが、これに限定されるものではない。
例えば図13に、加振部の他の実施形態を示すように、この二軸加振装置20は、テーブル10の裏面に水平に張り渡された支軸21と、支軸21に上端が回転自在に支持された一対の垂下腕22と、を有し、一対の垂下腕22の下端に加振部用ハウジング29が固定されている。
加振部用ハウジング29の上面側には駆動モータ24が設けられ、加振部用ハウジング29の下方には、加振用の一対の偏心錘27A,27Bが加振軸26の両端に有する加振体28が設けられている。駆動モータ24と加振体28とは、ベルト式減速機25を介して駆動力が伝達可能に連結されている。一対の偏心錘27A,27Bは、相互の位相を調節可能になっている。この位相差の調節により、相殺される振動の方向を変えることができるようになっている。本実施形態では、縦方向の振動以外は全て相殺されるように位相差が設定されている。
これにより、同図に示す二軸加振装置20によれば、駆動モータ24が駆動されると、加振用の一対の偏心錘27A,27Bが上下方向以外の方向への振動を相殺することにより、テーブル10に縦振動を限って入力できる。
1 基台
2 マウントゴム
3 加速度センサ
10 テーブル
11 載置面
20 一軸加振装置(加振部)
30 スランプフロー試験器
40 U型充填試験器
50 加振台
60 コンピュータ
100 中流動コンクリート評価装置
F 中流動コンクリート試料

Claims (7)

  1. 試料となる中流動コンクリートに対して縦振動を限って入力して当該試料の締固めに必要な加振エネルギを定量的に測定可能に構成されていることを特徴とする中流動コンクリート評価装置。
  2. 基台と、該基台上に設けられて水平な載置面が形成されたテーブルと、該テーブルに前記載置面と直交する方向に縦振動を限って入力するように装備された加振部と、を有する加振台と、
    前記テーブルの載置面上に置換可能に設けられるスランプフロー試験器と、
    前記テーブルの載置面上に置換可能に設けられるU型充填試験器と、
    を備える請求項1に記載の中流動コンクリート評価装置。
  3. 基台と、該基台上に設けられて水平な載置面が形成されたテーブルと、該テーブルに前記載置面と直交する方向に縦振動を限って入力するように装備された加振部と、を有する加振台と、
    前記テーブルの載置面上に置換可能に設けられるスランプフロー試験器またはU型充填試験器と、
    を備える請求項1に記載の中流動コンクリート評価装置。
  4. 前記加振部は、前記テーブルの下面から下方に垂下されるとともに揺動可能に支持された一軸加振装置である請求項2または3に記載の中流動コンクリート評価装置。
  5. 前記加振部は、前記テーブルに縦振動を限って入力するように前記テーブルの下面から垂下された状態で装着された二軸加振装置である請求項2または3に記載の中流動コンクリート評価装置。
  6. 前記テーブル上に前記スランプフロー試験器を載置したときに、前記テーブルに縦振動を限って入力したときの試料となる中流動コンクリートのスランプフローを測定可能に設けられたセンサと、
    前記加振部の起動信号および前記センサと同期して前記加振部の起動からの経過時間を計測するタイマと、
    を備える請求項2〜5のいずれか一項に記載の中流動コンクリート評価装置。
    但し、請求項3にあっては、前記テーブルの載置面上にスランプフロー試験器が設けられている場合に限る。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の中流動性コンクリート評価装置を用い、試料となる中流動コンクリートに対して、フレッシュコンクリートの状態にて縦振動を限って入力し、試料となる中流動コンクリートの施工性能を定量的に評価することを特徴とする中流動コンクリートの評価方法。
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