JP2019191096A - 中流動コンクリートの配合選定方法、配合評価方法および施工性判定方法並びに中流動コンクリート - Google Patents

中流動コンクリートの配合選定方法、配合評価方法および施工性判定方法並びに中流動コンクリート Download PDF

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Abstract

【課題】中流動コンクリートのコンクリート配合を評価する。【解決手段】この中流動コンクリートの配合選定方法は、中流動コンクリートの配合選定に際し、フレッシュコンクリートの状態において、試料となる中流動コンクリートFに対して縦振動を限って入力し、その縦加振下でスランプフロー試験器30を用いたスランプフローが600mmになる加振エネルギと、U型充填試験器40を用いたU型充填量が300mmになる加振エネルギと、の関係に基づいてコンクリート配合を選定する。【選択図】図1

Description

本発明は、中流動コンクリートおよびその配合設計に係る技術に関する。
非特許文献1ないし2に開示されるように、「中流動(覆工)コンクリート」の呼称は、(株)高速道路総合技術研究所により定義され、平成20年頃から同コンクリートを用いた施工件数が増加している。また、技術提案にも活用され、国交省他の山岳トンネルの2次覆工にも適用される事例が増加している。
NEXCO試験方法 第7編 トンネル関係試験方法 平成25年7月 第6版(P43−P46) NEXCO トンネル施工管理要領 平成25年7月 第7版(P38−P47)
ところで、トンネルの2次覆工では比較的に強度が必要とされないところ、近年の2次覆工用のコンクリート配合は、流動性を確保するために粉体量が多くなる傾向にある。つまり、強度自体はそれほど必要ではないのに対し、施工性を向上させるために粉体(セメント)を多く配合しているといえる。同様に、施工性を向上させるために、粘性が比較的に高い中流動コンクリートでは、粉体(セメント)の配合量を多くして充填性能を向上させているといえる。
ここで、中流動コンクリートの配合を選定するに際し、高価なセメントの配合量を可及的に減らすとともに、安価な粗骨材の配合量を可及的に増やすことで品質を向上させつつも二酸化炭素の発生を抑制できる。換言すれば、配合設計において、経済性を向上させ且つ施工性を向上させる上では、粗骨材の配合量を可及的に多くするとともに粉体の配合量を可及的に少なくした材料によって中流動コンクリートとしての要求性能(充填性能、間隙通過性能)を満足する必要がある。
しかし、上述したように、単純に粗骨材の配合量を増やすと2次覆工時に必要な間隙通過性能が低下するという問題があり、また、単純に粉体(セメント)の配合量を減らすと2次覆工時に必要な充填性能が低下するという問題がある。
そこで、本発明は、比較的高価なセメントの配合量を可及的に減らすとともに比較的安価な粗骨材の配合量を可及的に増やしつつ、例えばトンネルの2次覆工用としての、中流動コンクリートに求められる要求性能(充填性能、間隙通過性能)を満足し得る中流動コンクリートの配合選定方法、配合評価方法および施工性判定方法並びに中流動コンクリートを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る中流動コンクリートの配合選定方法は、中流動コンクリートの配合選定に際し、フレッシュコンクリートの状態において、試料となる中流動コンクリートに対して縦振動を限って入力し、その縦加振下でスランプフロー試験器を用いてスランプフローが600mmとなる加振エネルギと、同加振下でU型充填試験器を用いてU型充填高さが300mmとなる加振エネルギと、の関係に基づいて配合を選定することを特徴とする。
ここで、本発明の一態様に係る中流動コンクリートの配合選定方法において、前記スランプフローが600mmとなる加振エネルギと、前記U型充填高さが300mmとなる加振エネルギと、が同じまたは所定範囲内になる配合を好適配合として選定することは好ましい。
また、本発明の一態様に係る中流動コンクリートの配合選定方法において、複数あるパラメータの選定の順番として、仮設定した選定条件から、水セメント比を維持しつつ複数パラメータのうちの水の量を変化させてそのときの好適な単位水量を第一の好適配合として選定する第一の選定工程と、第一の選定工程の後に、前記第一の好適配合に基づいて、粗骨材量を変化させてそのときの好適な粗骨材量を第二の好適配合として選定する第二の選定工程と、第二の選定工程の後に、前記第二の好適配合に基づいて、水セメント比を維持しつつ再度水の量を変化させてそのときの好適配合を第三の好適配合として選定する第三の選定工程と、を少なくとも含むことは好ましい。
また、上記課題を解決するために、本発明のうち、他の一態様に係る中流動コンクリートの配合選定方法は、中流動コンクリートのコンクリート配合を選定する方法であって、多数のコンクリート配合から一の配合を選択し、当該選択された配合に対して、試料となる中流動コンクリートに対して縦振動を限って入力し、その縦加振時にU型充填試験器を用いたときのU型充填高さが300mmとなるエネルギを得る充填エネルギ取得工程と、同縦加振時にスランプフロー試験器を用いたときのスランプフローが600mmとなるエネルギを得るフローエネルギ取得工程と、これら各工程で得られたエネルギの値を横軸と縦軸とに夫々プロットし、前記多数のコンクリート配合から次の配合を順に選択して同様の工程を繰り返し経てプロットして得られたグラフに基づいてコンクリート配合を選定する配合選定工程と、を含むことを特徴とする。
本発明のうちのいずれか一の態様に係る中流動コンクリートの配合選定方法によれば、加振エネルギの定量的な評価のもと、充填性能および間隙通過性能を満足する中流動コンクリートの好適な配合を選定できる。よって、中流動コンクリートに求められる要求性能を満足させることができる。
また、上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る中流動コンクリートの配合評価方法は、中流動コンクリートのコンクリート配合を評価する方法であって、多数のコンクリート配合から一の配合を選択し、当該選択された配合に対して、試料となる中流動コンクリートに縦振動を限って入力し、その縦加振時にU型充填試験器を用いたときのU型充填高さが300mmとなるエネルギを得る充填エネルギ取得工程と、同縦加振時のスランプフロー試験器を用いたときのスランプフローが600mmとなるエネルギを得るフローエネルギ取得工程と、これら各工程で得られたエネルギの値を横軸と縦軸とに夫々プロットした結果のグラフに基づいて、選択された一のコンクリート配合のうちの影響要因を評価する影響要因評価工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の一態様に係る中流動コンクリートの配合評価方法によれば、加振エネルギの定量的な評価のもと、充填性能および間隙通過性能を満足する中流動コンクリートの配合を評価できる。よって、中流動コンクリートに求められる要求性能を満足させるものであるか否かを評価する方法として好適である。
また、上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る中流動コンクリートの施工性判定方法は、中流動コンクリートの施工性を判定する方法であって、一のコンクリート配合に対して、試料となる中流動コンクリートに縦振動を限って入力し、その縦加振時にU型充填試験器を用いたときのU型充填高さが300mmに到達したときのエネルギを得る充填エネルギ取得工程と、同縦加振時にスランプフロー試験器を用いたときのスランプフローが600mmに到達したときのエネルギを得るフローエネルギ取得工程と、これら各工程で得られたエネルギの値を横軸と縦軸とに夫々プロットしたときの交点位置に基づいて当該中流動コンクリートの施工性を判定する施工性判定工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の一態様に係る中流動コンクリートの施工性判定によれば、加振エネルギの定量的な評価のもと、充填性能および間隙通過性能を満足する中流動コンクリートの施工性を判定できる。よって、中流動コンクリートに求められる要求性能を満足させる施工性を有するか否かを判定する方法として好適である。
また、上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る中流動コンクリートは、フレッシュコンクリートの状態にて縦振動を限って入力して、その縦加振下でスランプフロー試験器を用いたときのスランプフローが600mmであり、さらに、同縦加振下でU型充填試験器を用いたときの加振エネルギを同一としたときのU型充填量が300mmであることを特徴とする。
本発明の一態様に係る中流動コンクリートによれば、加振エネルギの定量的な評価のもと、充填性能および間隙通過性能を満足する中流動コンクリートを提供できる。よって、求められる要求性能を満足させることができる。
上述したように、本発明によれば、中流動コンクリートに求められる要求性能(充填性能、間隙通過性能)を満足させることができる。
本発明の一態様に係る中流動コンクリートの評価方法等に用いる装置の一実施形態を示す斜視図である。 図1の装置の説明図であり、同図(a)はその正面図、(b)は(a)でのZ−Z断面図である。 図1の装置の載置面上に置換可能に設けられるスランプフロー測定器の説明図であり、同図(a)はスランプコーン内に試料となる中流動コンクリートを収容した状態を示し、(b)はスランプコーンを抜いて試料となる中流動コンクリートが広がった状態のイメージを示している。 図1の装置の載置面上に置換可能に設けられるU型充填試験器の説明図である。 図4に示すU型充填試験器による加振充填試験の説明図であり、同図(a)は加振前の状態のイメージを示し、(b)は加振後の状態のイメージを示している。 本発明の一態様に係る評価方法による評価の一例を示すグラフであり、同図は、単位水量を変化させたときの、加振時のフロー到達時間と、加振時の充填時間との関係を示している。 本発明の一態様に係る評価方法による評価の一例を示すグラフであり、同図は、粗骨材量を変化させたときの、加振時のフロー到達時間と、加振時の充填時間との関係を示している。 本発明の一態様に係る評価方法による評価の一例を示すグラフであり、同図は、単位水量を変化させたときの、加振時のフロー到達時間と、加振時の充填時間との関係を示している。
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。なお、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。
まず、中流動コンクリートの評価方法等に用いる装置について説明する。
本実施形態の装置は、中流動コンクリートの配合の定量的な評価および選定並びに施工性を判定するための装置であって、図1に斜視図を示すように、この中流動コンクリート評価装置100(以下、単に「評価装置」ともいう)は、加振台50と、加振台50に載置される試験器30、40とを備えて構成される。
特に、本実施形態の加振台50は、加振部として、単軸垂下式の加振モータを有する一軸加振装置20を有する。一軸加振装置20は、テーブル10に載置面11と直交する方向に縦振動を限って入力するようにテーブル10下面から垂下されている。
そして、本実施形態の評価装置100は、試料となる中流動コンクリートに対して試験器30、40を用いて、フレッシュコンクリートの状態において、加振台50の一軸加振装置20の駆動によりテーブル10に縦振動を限って入力し、加振時の、当該試料の締固めに必要な加振エネルギを定量的に測定可能に構成されている。
詳しくは、図2に示すように、加振台50は、基台1と、テーブル10と、一軸加振装置20と、を備える。テーブル10は、基台1上に4つのマウントゴム2を介して支持された振動台として設けられており、テーブル10の上面が、水平な載置面とされている。
本実施形態の加振台50は、基台1およびテーブル10が、試料の重さ、テーブル10上に載置する試験器30,40などの重量の相違が測定結果に与える影響を最小にするために十分な剛性を有する。テーブル10の上面は、平面視矩形(この例では正方形)の載置面11として水平に支持されている。載置面11は、中流動コンクリートのスランプフローを測定するための振動台として必要な広さとして、1000mm×1000mmの広さを有する。
テーブル10の下部中心の位置には、加速度センサ3が設けられている。加速度センサ3は、テーブル10上に、スランプフロー試験器30を載置して、テーブル10に縦振動を限って入力したときの加速度を測定可能に設けられている。加速度センサ3の検出信号は、信号線を介してコンピュータ60に入力される。
コンピュータ60は、例えばパーソナルコンピュータが用いられ、一軸加振装置20の起動処理を実行するとともに、評価装置100による評価処理のプログラムを実行可能に構成されている。コンピュータ60はタイマを有し、一軸加振装置20の加振モータの起動信号と加速度センサ3の出力信号とを同期させて、一軸加振装置20の起動からの経過時間を計測可能になっている。
ここで、一軸加振装置20の加振モータの起動時間は、測定データの精度に大きく影響する。そのため、加振モータの起動時間を最小にすることが好ましい。また、テーブル10の横揺れを最小にするために、本実施形態のように、単軸垂下式の加振モータを有する一軸加振装置20を採用することが好ましい。
これに対し、本実施形態の加振台50は、図2に示すように、一軸加振装置20が、テーブル側に水平に張り渡された支軸21と、支軸21に対して基端部が回動可能に垂下された一対の垂下腕22と、一対の垂下腕22の先端に垂下姿勢で設けられた加振モータ23と、を備える。これにより、本実施形態の加振台50は、一軸加振装置20の加振モータ23が駆動されると、一軸加振により、テーブル10上面が水平を保ったまま上下方向に限って迅速に振動するようになっている。
さらに、本実施形態の評価装置100は、加振台50のテーブル10の載置面11上に置換可能に設けられるスランプフロー試験器30と、テーブル10の載置面11上に置換可能に設けられるU型充填試験器40と、を備えて構成される。
スランプフロー試験器30は、図3に示すように、JIS A1101(2005)に規定する所定形状のスランプコーンを有する(上記非特許文献1参照)。試験方法は、本明細書で特記する事項以外は同規格に規定する、コンクリートのスランプ試験方法に準ずるので仔細な説明を省略する(上記非特許文献1参照)。
同図において、試料Fをスランプコーンに収容時において、上面径A=φ10cm、底面径B=φ20cm、高さH=30cmである。なお、同図(a)の状態からスランプコーンを引き抜き、試料Fが広がったときに降下した試料高さがスランプ値Sであり、載置面11上での直径φの広がりがスランプフロー値Wである(JIS A 1150)。
本実施形態では、加振台50のテーブル10の周囲には、載置面11に沿ってレーザを照射可能に装着されたレーザ測定器(不図示)が付設され、このレーザ測定器により、スランプフローの値を自動的に測定可能になっている。本実施形態では、レーザ測定器のコントローラは、例えば8点平均法でスランプフロー値Wを測定可能に構成され、計測されたスランプフロー値Wが時間情報および加振情報とともに、上記コンピュータ60に入力されるようになっている。本実施形態では、縦加振時にスランプフロー試験器30を用いたときのスランプフローが600mmとなるエネルギを得る(フローエネルギ取得工程)。
また、U型充填試験器40は、図4に示すように、略U形のボックス状容器であり、中央の仕切り板で左右に仕切られたA室とB室とを有する。なお、ボックス状容器は、同図に二点鎖線で示す矩形枠体状に構成された保持枠41にて載置面11上に安定した姿勢で載置可能なように保持されている。仕切り板の下部にはA室とB室とをつなぐ連通路が形成されており、この連通路は仕切りゲートを上下方向に抜き差しすることにより開閉可能になっている。
充填性(間隙通過性)試験に際しては、図5に示すように、まず、仕切りゲートを閉じた状態で、A室に試料Fを所定の工程を踏まえて充填する。次いで、仕切りゲートを一気に開き、試料Fが流動してA室からB室へと移動しB室への充填が停止するまでの時間および充填高さ並びにそのときの加振エネルギを測定する(充填エネルギ取得工程)。なお、U型充填試験器40による試験方法の詳細は、本明細書で特記する事項以外は上記非特許文献1に規定するコンクリートの充填性試験方法に準ずるので仔細な説明は省略する。
本実施形態では、保持枠41の上部には、U型充填試験器40のB室上方からB室内にレーザ走査可能に装着されたレーザ測定器(不図示)が付設され、このレーザ測定器により、B室での充填高さを自動的に測定可能になっている。本実施形態では、レーザ測定器のコントローラは、レーザ走査による平均値から充填高さを測定可能に構成され、計測された充填高さおよび時間並びにそのときの加振エネルギが上記コンピュータ60に入力されるようになっている。
次に、上記装置100を用いた中流動コンクリートの配合の定量的な評価および選定並びに施工性を判定する方法について説明する。
本実施形態の各方法は、上記装置100を用い、試料となる中流動コンクリートに対して、フレッシュコンクリートの状態にて、加振台50のテーブル10に縦振動を限って入力し、試料となる中流動コンクリートの配合の定量的な評価および選定並びに施工性を判定するものである。
本実施形態では、スランプフロー試験では、図1(b)に示したように、上記スランプフロー試験器30を用い、加振台50の一軸加振装置20を駆動してテーブル10に縦振動を限って入力し、加振時の、中流動コンクリートのスランプフロー値Wが、600mmに達するのに要する時間と加振エネルギを測定する(フローエネルギ取得工程)。
このとき、中流動コンクリートのスランプフローが600mmに達するまでにコンクリートが分離しないことを目視により確認する。中流動コンクリートは、有スランプコンクリートとは違って、締固め度が100%になるエネルギで判断するのではなく、分離なしに締固めが十分できたと判断できる状態を締固め完了とみなす。
ここで、スランプフローが600mm以上である高流動コンクリートは、自己充填性を持つコンクリートと判断できる。したがって、中流動コンクリートが振動エネルギを受けてスランプフローが600mm程度の状態になれば、自己充填性を十分に発揮できると推察できる。
本実施形態では、スランプフローが600mmになるときの振動エネルギを測定し、中流動コンクリートの締固め完了エネルギとする。コンクリートの締固め度の計算は以下の式によって算出できる。本実施形態では、中流動コンクリートの締固め完了時および締固め完了エネルギを以下のように定義する。
締固め度γ=初期フロー値(mm)÷600(mm)×100(%)
加振時スランプフロー600mm試験は、生コンクリートに振動をかけた時の生コンクリートの移動しやすさを計測する。生コンクリートに振動をかけたときの充填性能(生コンクリートが骨材とともに円滑に運ばれるか)を計測している。
また、本実施形態では、U型充填試験では、図1(c)に示したように、U型充填試験器40をテーブル10の載置面11上に載置して保持枠41を固定し、加振台50の一軸加振装置20を駆動してテーブル10に縦振動を限って入力し、加振時の、B室での充填高さが300mmに達するのに要する時間と加振エネルギを測定する。充填高さは上記レーザ測定器によって測定する。また、充填高さが300mmに達するまでにコンクリートが分離しないことを目視により確認する。
U型充填試験器40は、試験器底部がU型になっており、この底部の部分に抵抗体として所定距離に離隔して複数の鉄筋が配置されている。U型充填試験は、その複数の鉄筋相互の隙間を生コンクリートが通過する際のエネルギを計測する。つまり、加振時の間隙通過性(生コンクリートの隙間の通りやすさ)を計測している。
次に、本実施形態の中流動コンクリートの配合選定方法について説明する。
本実施形態の中流動コンクリートの配合選定方法は、中流動コンクリートの配合選定に際し、フレッシュコンクリートの状態において、上記装置100を用いて、試料となる中流動コンクリートに対して縦振動を限って入力し、その縦加振下でスランプフロー試験器30を用いたスランプフローが600mmになるとともに、同加振下での加振エネルギを同一としたときのU型充填試験器40を用いたU型充填量が300mmになるようにコンクリート配合を選定する。
換言すれば、中流動コンクリートの配合選定に際し、フレッシュコンクリートの状態において、試料となる中流動コンクリートに対して縦振動を限って入力し、その縦加振下でスランプフロー試験器30を用いてスランプフローが600mmとなる加振エネルギと、同加振下でU型充填試験器を用いてU型充填高さが300mmとなる加振エネルギと、が同じになるコンクリート配合を選定する。なお、中流動コンクリートの締固めの目的は、普通コンクリートとは相違し、コンクリートの充填性を確保することではなく、コンクリートの流動性を確保することである。
具体的には、まず、図6に示すように、U型充填時間を縦軸に、600mmスランプフロー到達時間を横軸に設定する。次いで、U型充填時間と600mmフロー到達時間とが同一である条件を示す分割線を引く(同図中の対角線)。
そして、この分割線により近い配合を良い配合とみなし、条件を絞り込んでいく。つまり、U型充填時間と600mmフロー到達時間との両者の関係をみて、同じ加振時間となる配合を良い配合とみなす。ここで、両者の関係が同時刻ということは、両者が同時に成り立っているということである。つまり、「間隙通過性」と「充填性能」とを同時刻に達成可能な配合が最も経済的な配合であるといえるからである。
但し、同図において、分割線よりも上部の領域は、U型充填時の間隙通過に必要なエネルギが、スランプフロー600mmの高流動コンクリートと同一の流動性を確保するために必要なエネルギよりも大きな配合となることを示す。
つまり、分割線よりも上部の領域は、流動性がよいのに間隙通過性が悪い配合であるといえる。例えば、単位水量の設定が小さく且つ粗骨材量が多い配合であり、また、高性能減水剤でスランプフローを出したペースト分が少ない配合である。したがって、この分割線よりも上部の領域に位置するような配合は、避けるべき配合であるといえる。
また、同図において、分割線よりも下部の領域は、U型充填時の間隙通過に必要なエネルギが、スランプフロー600mmの高流動コンクリートと同一の流動性を確保するのに必要なエネルギよりも小さい配合となることを示す。つまり、分割線よりも下部の領域は、コンクリートを流動させる程度の締固めで、充分な間隙通過性を確保できる配合であるといえる。
なお、分割線よりも下部の領域に位置する配合であっても、流動性を確保するためのエネルギが大きい場合には、コンクリートが分離するリスクが大きくなるばかりでなく、締固め作業の作業量も増えることになる。そのため、分割線よりも下部の領域にあっても、600mmフロー到達時間が長く且つU型充填時間が長い領域に位置する配合は避けたほうがよいといえる。
一方、600mmフロー到達時間が短く且つU型充填時間が極端に短い領域に位置する配合は、施工性能には問題がないものの、ペーストの量を必要以上まで増やした(あるいは粗骨材量を必要以上に減らした)経済性を損なう配合であるといえる。そのため、このような領域に位置する配合は避けた方がよいといえる。
すなわち、中流動コンクリートの最適な配合は、分割線よりも下部の領域であって分割線の近くに位置するとともに締固め時間が短い配合であるといえる。なお、締固め時間の長さの限界値は、中流動コンクリートの分離抵抗性の定量的評価に基づき決めることができる。
このように、本実施形態では、上記充填エネルギ取得工程とフローエネルギ取得工程との、これら各工程で得られたエネルギの値を横軸と縦軸とに夫々プロットし、プロットした結果のグラフに基づいて、選択された一のコンクリート配合のうちの影響要因を評価することができる(影響要因評価工程)。また、プロットしたときの交点位置に基づいて当該中流動コンクリートの施工性を判定することができる(施工性判定工程)。
また、本実施形態では、上記充填エネルギ取得工程とフローエネルギ取得工程との、これら各工程で得られたエネルギの値を横軸と縦軸とに夫々プロットし、多数のコンクリート配合から次の配合を順に選択して同様の工程を繰り返し経てプロットして得られたグラフに基づいてコンクリート配合を選定することができる(配合選定工程)。
次に、より具体的な中流動コンクリートの配合選定の手順について、以下、配合選定試験1〜3に従い説明する。
配合選定試験1における配合内容を表1に示す。なお、同表において、セメントは、太平洋セメント:普通ポルトランドセメントを用い、AE減水剤には、高性能AE減水剤SP8SV(BASFジャパン社製)、増粘剤入高性能AE減水剤:マスターグレニウム6500(BASFジャパン社製)を、水は、水道水、砂は君津産、粗骨材として、青梅産5号および青梅産6号を混合したものを用いた(以下同様)。
Figure 2019191096
配合選定試験1では、図6に示すように、まず、複数あるパラメータの選定の順番として、粗骨材量Vg−360(L/m)に仮固定した状態で、水セメント比を維持しつつ単位水量Wを変化させて、最適な単位水量Wを検討する。同図において「8SV」と「6,500」とは混和剤の種類の違いである。同図に示す結果から、分割線の下方で最も分割線に近い単位水量W=160(混和剤8SV)を第一の好適配合として選定する(第一の選定工程)。
配合選定試験1では、第一の好適配合として単位水量W=160(L/m)(混和剤8SV)を選定したので、次に、配合選定試験2では、粗骨材量Vgを変化させて最適な粗骨材量Vgを選定する。配合選定試験2における配合内容を表2に示す。同図に示す結果から、分割線の下方で最も分割線に近い粗骨材量Vg−390(L/m)を第二の好適配合として選定する(第二の選定工程)。
Figure 2019191096
次に、配合選定試験3では、図8に示すように、第二の好適配合として粗骨材量Vg=390に固定して、再び、水セメント比を維持しつつ単位水量Wを変化させて、最適な単位水量Wを検討する。配合選定試験3における配合内容を表3に示す。これにより、同図に示す結果から、分割線の下方で最も分割線に近い単位水量W=170を第三の好適配合として選定することができる(第三の選定工程)。以上の検討結果から、最終的に、単位水量W=170、粗骨材量Vg−390(L/m)を好適配合として選定することができる。
Figure 2019191096
これにより得られた中流動コンクリートは、フレッシュコンクリートの状態にて縦振動を限って入力して、その縦加振下でスランプフロー試験器を用いたときのスランプフローが600mmであり、さらに、同縦加振下でU型充填試験器を用いたときの加振エネルギを同一としたときのU型充填量が300mmである。そして、このような中流動コンクリートであれば、加振エネルギの定量的な評価のもと、充填性能および間隙通過性能を満足するため、中流動コンクリートに求められる要求性能(充填性能、間隙通過性能)を満足させることができる。
1 基台
2 マウントゴム
3 加速度センサ
10 テーブル
11 載置面
20 一軸加振装置(加振部)
30 スランプフロー試験器
40 U型充填試験器
50 加振台
60 コンピュータ
100 装置
F 中流動コンクリート試料

Claims (7)

  1. 中流動コンクリートの配合選定に際し、フレッシュコンクリートの状態において、試料となる中流動コンクリートに対して縦振動を限って入力し、その縦加振下でスランプフロー試験器を用いてスランプフローが600mmとなる加振エネルギと、同加振下でU型充填試験器を用いてU型充填高さが300mmとなる加振エネルギと、の関係に基づいて配合を選定することを特徴とする中流動コンクリートの配合選定方法。
  2. 前記スランプフローが600mmとなる加振エネルギと、前記U型充填高さが300mmとなる加振エネルギと、が同じまたは所定範囲内になる配合を好適配合として選定する請求項1に記載の中流動コンクリートの配合選定方法。
  3. 複数あるパラメータの選定の順番として、仮設定した選定条件から、水セメント比を維持しつつ複数パラメータのうちの水の量を変化させてそのときの好適な単位水量を第一の好適配合として選定する第一の選定工程と、
    第一の選定工程の後に、前記第一の好適配合に基づいて、粗骨材量を変化させてそのときの好適な粗骨材量を第二の好適配合として選定する第二の選定工程と、
    第二の選定工程の後に、前記第二の好適配合に基づいて、水セメント比を維持しつつ再度水の量を変化させてそのときの好適配合を第三の好適配合として選定する第三の選定工程と、
    を少なくとも含む請求項1または2に記載の中流動コンクリートの配合選定方法。
  4. 中流動コンクリートのコンクリート配合を選定する方法であって、
    多数のコンクリート配合から一の配合を選択し、当該選択された配合に対して、試料となる中流動コンクリートに対して縦振動を限って入力し、
    その縦加振時にU型充填試験器を用いたときのU型充填高さが300mmとなるエネルギを得る充填エネルギ取得工程と、
    同縦加振時にスランプフロー試験器を用いたときのスランプフローが600mmとなるエネルギを得るフローエネルギ取得工程と、
    これら各工程で得られたエネルギの値を横軸と縦軸とに夫々プロットし、前記多数のコンクリート配合から次の配合を順に選択して同様の工程を繰り返し経てプロットして得られたグラフに基づいてコンクリート配合を選定する配合選定工程と、を含むことを特徴とする中流動コンクリートの配合選定方法。
  5. 中流動コンクリートのコンクリート配合を評価する方法であって、
    多数のコンクリート配合から一の配合を選択し、
    当該選択された配合に対して、試料となる中流動コンクリートに縦振動を限って入力し、
    その縦加振時にU型充填試験器を用いたときのU型充填高さが300mmとなるエネルギを得る充填エネルギ取得工程と、
    同縦加振時のスランプフロー試験器を用いたときのスランプフローが600mmとなるエネルギを得るフローエネルギ取得工程と、
    これら各工程で得られたエネルギの値を横軸と縦軸とに夫々プロットした結果のグラフに基づいて、選択された一のコンクリート配合のうちの影響要因を評価する影響要因評価工程と、を含むことを特徴とする中流動コンクリートの配合評価方法。
  6. 中流動コンクリートの施工性を判定する方法であって、
    一のコンクリート配合に対して、試料となる中流動コンクリートに縦振動を限って入力し、
    その縦加振時にU型充填試験器を用いたときのU型充填高さが300mmに到達したときのエネルギを得る充填エネルギ取得工程と、
    同縦加振時にスランプフロー試験器を用いたときのスランプフローが600mmに到達したときのエネルギを得るフローエネルギ取得工程と、
    これら各工程で得られたエネルギの値を横軸と縦軸とに夫々プロットしたときの交点位置に基づいて当該中流動コンクリートの施工性を判定する施工性判定工程と、を含むことを特徴とする中流動コンクリートの施工性判定方法。
  7. フレッシュコンクリートの状態にて縦振動を限って入力して、その縦加振下でスランプフロー試験器を用いたときのスランプフローが600mmであり、さらに、同縦加振下でU型充填試験器を用いたときの加振エネルギを同一としたときのU型充填量が300mmであることを特徴とする中流動コンクリート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7354503B2 (ja) 2020-10-19 2023-10-03 大成建設株式会社 中流動コンクリートの配合選定方法と中流動コンクリート

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