JP2019184910A - 画像形成装置 - Google Patents

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Junji Murauchi
淳二 村内
岡田 拓也
Takuya Okada
拓也 岡田
和喜 小田切
Kazuyoshi Odagiri
和喜 小田切
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Abstract

【課題】像担持体へのフィルミングを防止することが可能で小型の画像形成装置を提供する。【解決手段】この画像形成装置100では、感光体10へのフィルミングを防止するフィルミング防止モード時には、補給ローラー63を制御して所定量のトナーを現像器13に補給させ、所定時間Tdが経過した後に、電源55を制御して帯電バイアス電圧Vcdとして直流電圧VDC1=−900Vを帯電ローラー11に印加させることにより、感光体11に滑材の膜を形成する。【選択図】図5

Description

この発明は画像形成装置に関し、特に、電子写真方式の画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置では、感光体のクリーニング性の向上を図るため、トナーの外添剤に滑材を含ませて現像時に滑材を感光体に供給し、感光体とクリーニングブレードの摩擦力を低減している。また、感光体に帯電ローラーを押圧し、帯電バイアス電圧として直流電圧に重畳された交流電圧を帯電ローラーに印加して感光体を帯電させるAC帯電方式が採用されている。
このAC帯電方式では、帯電ローラーおよび感光体のニップで発生する強い放電により、感光体表面の滑剤が劣化するという問題がある。耐刷の初期段階では、感光体の表面が平滑であるので、クリーニングブレードによって劣化した滑材を除去することができる。
しかし、耐刷が進むと、感光体の表面粗さが大きくなり、また、クリーニングブレードの摩耗が進み、劣化した滑材が局所的にクリーニングブレードをすり抜けるようになる。クリーニングブレードをすり抜けた劣化した滑材は、帯電ローラーおよび感光体のニップ部で発生する強い放電によってさらに劣化され、それが核となり、別の外添剤やトナーの微粉が感光体の表面にフィルミングしてしまう。感光体の表面にフィルミングが発生すると、画像に白点や黒点が発生するので、画像形成ユニットを交換する必要がある。
感光体へのフィルミングを防止する方法として、感光体に対するクリーニングブレードの圧力を上げたり、感光体の硬さを弱めることにより、感光体ごと削って劣化した滑剤を除去する方法がある。しかし、この方法には、感光体の寿命が短くなり、コスト高を招くという問題がある。
特開2006−154412号公報(特許文献1)には、感光体表面のフィルミングを除去するフィルミング除去モードを有する画像形成装置が開示されている。フィルミング除去モードでは、まず、帯電バイアス電圧の印加を停止し、現像バイアス電圧を調整して感光体の表面にトナーを付着させる。次に、潤滑剤塗布装置の回転ブラシによって感光体の表面に潤滑剤を塗布しながら、感光体を数十回回転させることにより、感光体表面のフィルミングをクリーニングブレードなどによって擦り取る。
特開2006−154412号公報
しかし、特許文献1には、潤滑剤塗布装置の回転ブラシによって感光体に潤滑剤を塗布するので、装置が大型化するという問題がある。
それゆえに、この発明の主たる目的は、感光体へのフィルミングを防止することが可能で小型の画像形成装置を提供することである。
この発明に係る画像形成装置は、回転駆動される像担持体、像担持体に押圧される帯電ローラー、帯電ローラーに帯電バイアス電圧を印加して像担持体を帯電させる第1の電源、像担持体を露光して静電潜像を形成する露光部、静電潜像を現像してトナー画像を生成する現像器、現像器にトナーを補給するトナー補給部、像担持体のトナー画像を記録媒体に転写させる転写部材、および像担持体に残留したトナーを除去するクリーナーを含む印写部と、印写部を制御する制御部とを備えたものである。トナーの表面には滑剤を含む外添剤が付着し、トナーおよび滑材は互いに逆極性に帯電している。制御部は、トナー画像を記録媒体に印刷する第1のモード時には、第1の電源を制御して帯電バイアス電圧として第1の直流電圧に重畳された第1の交流電圧を帯電ローラーに印加させることにより、像担持体にトナー画像を形成し、像担持体へのフィルミングを防止する第2のモード時には、トナー補給部を制御して予め定められた量のトナーを現像器に補給させ、予め定められた時間が経過した後に、第1の電源を制御して帯電バイアス電圧として第2の直流電圧を帯電ローラーに印加させることにより、像担持体に滑材の膜を形成する。
好ましくは、予め定められた量のトナーを現像器に補給させてから予め定められた時間が経過するまでの期間において制御部は、第1の電源を制御して帯電バイアス電圧として第3の直流電圧を帯電ローラーに印加させることにより、像担持体へのトナーの付着を抑制する。
また好ましくは、第3の直流電圧は第2の直流電圧と等しい。
また好ましくは、第3の直流電圧は、像担持体へのトナーおよび滑材の付着を抑制するため、第2の直流電圧よりも小さな値に設定される。
また好ましくは、第2および第3の直流電圧は第1の直流電圧よりも大きい。
また好ましくは、印写部は、現像器に現像バイアス電圧を印加する第2の電源を含む。第1のモード時において制御部は、第2の電源を制御して現像バイアス電圧として第4の直流電圧に重畳された第2の交流電圧を現像器に印加させる。第2のモード時において予め定められた時間が経過した後の期間には制御部は、第2の電源を制御して現像バイアス電圧として第4の直流電圧に重畳された第2の交流電圧を現像器に印加させる。
また好ましくは、予め定められた量のトナーを現像器に補給させてから予め定められた時間が経過するまでの期間において制御部は、第2の電源を制御して現像バイアス電圧として第5の直流電圧を現像器に印加させることにより、像担持体への滑材の付着を抑制する。
また好ましくは、第2のモード時において予め定められた量のトナーを現像器に補給させるまでの期間には制御部は、印写部を制御して像担持体にパッチトナー画像を形成し、クリーナーに像担持体をクリーニングさせることにより、像担持体をリフレッシュする。
また好ましくは、現像器は、現像剤のトナー濃度を検出するトナー濃度検出器を有する。制御部は、第1のモード時には、トナー濃度検出器の検出結果に基づいて、現像剤のトナー濃度が目標値になるようにトナー補給部を制御し、第2のモード時には、パッチトナー画像を形成してから予め定められた量のトナーを現像器に補給させるまでの期間はトナー補給部を停止させる。
また好ましくは、第2のモード時において制御部は、トナー補給部を制御して予め定められた量のトナーを複数回に分けて現像器に補給させる。
また好ましくは、制御部は、第2のモードの実行を指令する指令信号に応答して第2のモードを実行する。
さらに好ましくは、印写部の機械情報を検出する情報検出器と、情報検出器によって検出された機械情報が予め定められた条件を満たしているか否かを判別し、機械情報が予め定められた条件を満たしている場合に指令信号を制御部に与える判定部とを備える。
さらに好ましくは、機械情報が予め定められた条件を満たしているか否かを判定するためのテーブルが格納された記憶部を備える。判定部は、情報検出器によって検出された機械情報とテーブルとに基づいて、機械情報が予め定められた条件を満たしているか否かを判定する。
また好ましくは、判定部は、情報検出器によって検出された機械情報、テーブル、および数式に基づいて、機械情報が予め定められた条件を満たしているか否かを判定する。
また好ましくは、テーブルの内容の書き換え、追加が可能になっている。
さらに好ましくは、テーブルの内容の書き換え、追加を行なうための操作部と、画像形成装置とデータセンターとの間で情報を授受する通信装置とを備える。データセンターから通信装置および操作部を介してテーブルの内容の書き換え、追加を行なうことが可能となっている。
さらに好ましくは、印写部の機械情報を検出する情報検出器と、画像形成装置とデータセンターとの間で情報を授受する通信装置とを備える。通信装置は、情報検出器によって検出された機械情報をデータセンターに送信する。データセンターは、機械情報が予め定められた条件を満たしているか否かを判別し、機械情報が予め定められた条件を満たしている場合に指令信号を通信装置に送信する。通信装置は、指令信号を受信して制御部に与える。
また好ましくは、機械情報は、印写部の累積印刷枚数とその上限値との比であるライフ比を含む。予め定められた条件が満たされている場合は、ライフ比が予め定められた値を超えた場合を含む。
また好ましくは、機械情報は、印写部の周辺の温度および湿度を含む。予め定められた条件が満たされている場合は、温度および湿度が予め定められた範囲を超えた場合を含む。
また好ましくは、機械情報は、トナー画像のカラー/ホワイト比と連続印刷枚数とを含む。予め定められた条件が満たされた場合は、カラー/ホワイト比が予め定められた値よりも小さく、かつ連続印刷枚数が予め定められた枚数よりも小さい場合を含む。
また好ましくは、予め定められた条件は変更可能になっている。
この発明に係る画像形成装置では、制御部は、トナー画像を記録媒体に印刷する第1のモード時には、第1の電源を制御して帯電バイアス電圧として第1の直流電圧に重畳された第1の交流電圧を帯電ローラーに印加させることにより、像担持体にトナー画像を形成し、像担持体へのフィルミングを防止する第2のモード時には、トナー補給部を制御して予め定められた量のトナーを現像器に補給させ、予め定められた時間が経過した後に、第1の電源を制御して帯電バイアス電圧として第2の直流電圧を帯電ローラーに印加させることにより、像担持体に滑材の膜を形成する。したがって、像担持体の表面に滑材の膜を形成するので、感光体へのフィルミングを防止することができる。また、滑材を塗布する装置を別途設ける必要がないので、装置の小型化を図ることができる。
この発明の実施の形態1による画像形成装置の全体構成を示す図である。 図1に示した画像形成装置の要部を示す図である。 図2に示した現像器内における現像剤の搬送経路を示す図である。 図2に示したサブホッパーの動作を示す図である。 図1に示した画像形成装置の動作を示すタイムチャートである。 図1に示した画像形成装置のうちのフィルミング防止モードの発動に関連する部分の構成を示す図である。 図6に示した記憶部に格納されたテーブルを示す図である。 図1に示した画像形成装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態1の変更例を示すフローチャートである。 実施の形態1の他の変更例を示すブロック図である。 実施の形態1のさらに他の変更例を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2による画像形成装置の動作を示すタイムチャートである。 実施の形態2の変更例を示すタイムチャートである。 実施の形態2の他の変更例を示すタイムチャートである。 この発明の実施の形態3による画像形成装置の動作を示すタイムチャートである。 実施の形態3の変更例を示すフローチャートである。 実施の形態3の他の変更例を示すブロック図である。 図17で説明した画像形成装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態3のさらに他の変更例を示すフローチャートである。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による画像形成装置100の全体構成を示す図である。図1には、電子写真方式の画像形成装置100が示されている。以下では、画像形成装置100がカラープリンタである場合について説明するが、画像形成装置100はカラープリンタに限定されない。たとえば、画像形成装置100は、モノクロプリンタであってもよいし、ファックスであってもよいし、モノクロプリンタ、カラープリンタおよびファックスの複合機(MFP:Multi-Functional Peripheral)であってもよい。
図1において、画像形成装置100は、中間転写ベルト30、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1K、トナーボトル15Y,15M,15C,15K、一次転写ローラー31、二次転写ローラー33、カセット37、従動ローラー38、駆動ローラー39、タイミングローラー40、クリーニングブレード42、トレー48、定着装置50、および制御装置51を備える。制御装置51以外の部分は印写部を構成する。
中間転写ベルト30は、従動ローラー38および駆動ローラー39によって水平に張架されている。駆動ローラー39はモーター(図示せず)に接続されている。中間転写ベルト30および従動ローラー38は、駆動ローラー39に連動して回転する。図1では、中間転写ベルト30が左回りに回転する場合が示されている。中間転写ベルト30は、たとえば、ポリカーボネート、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリイミドなどの主原料にカーボンを分散させた半導電性材料で形成されている。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト30の下に設けられ、中間転写ベルト30の回転方向に順次配置されている。トナーボトル15Y,15M,15C,15Kには、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(BK)のトナーが収容されている。
画像形成ユニット1Yは、トナーボトル15Yからトナーの供給を受けてイエローのトナー画像を形成する。画像形成ユニット1Mは、トナーボトル15Mからトナーの供給を受けてマゼンタのトナー画像を形成する。画像形成ユニット1Cは、トナーボトル15Cからトナーの供給を受けてシアンのトナー画像を形成する。画像形成ユニット1Kは、トナーボトル15Kからトナーの供給を受けてブラックのトナー画像を形成する。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各々は、感光体10(像担持体)、帯電ローラー11、露光部12、現像器13、およびクリーニングブレード17(クリーナー)を含む。感光体10は、たとえば積層型有機感光体である。帯電ローラー11は、感光体10の表面に押圧され、帯電バイアス電圧Vcbを受けて感光体10の表面を一様に帯電させる。帯電バイアス電圧Vcbは、直流電圧VDC1に重畳された交流電圧VAC1である。
用紙S(記録媒体)にトナー画像を印刷する印刷モード(第1のモード)時には、AC帯電方式が採用され、直流電圧VDC1は−600V(第1の直流電圧)にされ、交流電圧VAC1のピーク間電圧Vppは1800V(第1の交流電圧)にされる。これにより、感光体10の表面電位V0は−600Vとなる。
感光体10へのフィルミングを防止するフィルミング防止モード(第2のモード)時には、DC帯電方式が採用され、直流電圧VDC1は−900V(第2の直流電圧)にされ、交流電圧VAC1のピーク間電圧Vppは0Vにされる。これにより、感光体10の表面電位V0は−500Vとなる。
露光部12は、印刷モード時に、制御装置51からの制御信号に応じて感光体10にレーザー光を照射し、入力された画像パターンに従って感光体10の表面を露光する。露光された画像部分の表面電位(明部電位)は約−100Vとなり、露光されない背景部分の表面電位(暗部電位)は約−600Vとなる。これにより、入力画像に応じた静電潜像が感光体10の表面に形成される。
静電潜像は、現像器13によって現像され、トナー画像が感光体10の表面に形成される。すなわち、現像器13では、キャリアおよびトナーを含む2成分現像剤が用いられる。トナーとキャリアの摩擦帯電により、トナーは負極性に帯電されている。トナーの表面には、滑材を含む外添剤が付着している。滑材は、正極性に帯電されている。滑材は、感光体10とクリーニングブレード17との摩擦力を低減することにより、クリーニングブレード17のクリーニング性を高める。
現像器13の現像ローラー13aには、現像バイアス電圧Vdbが印加される。現像バイアス電圧Vdbは、直流電圧VDC2に重畳された交流電圧VAC2である。たとえば、直流電圧VDC2は−400Vであり、交流電圧VAC2のピーク間電圧Vppは1.4kVである。
印刷モード時には、画像部分の明部電位(約−100V)と現像バイアス電圧Vb(−400V)との電位差(約+300V)により、負極性のトナーが画像部分に供給される。背景部分の暗部電位(約−600V)と現像バイアス電圧Vb(−400V)との電位差(約−200V)により、背景部分にはトナーは供給されない。このような現象により感光体10の表面上位にトナー画像が形成される。感光体10と中間転写ベルト30の表面とは、互いに接触している。
フィルミング防止モード時には、感光体10の暗部電位(約−500V)と現像バイアス電圧Vb(−400V)との電位差(約−100V)により、感光体10には負極性のトナーは供給されず、正極性の滑材が供給される。
クリーニングブレード17は、感光体10に圧接されている。クリーニングブレード17は、感光体10から中間転写ベルト30へのトナー画像の転写後に感光体10の表面に残留するトナーを回収する。クリーニングブレード17は、ポリウレタンゴムを用いて形成されている。たとえば、クリーニングブレード17のゴム厚は2mmであり、その実効当接角度は13度であり、感光体10に対する線圧は29N/mである。
一次転写ローラー31は、各画像形成ユニット1に対応して設けられ、中間転写ベルト30の裏面に当接されて回転可能に支持されている。一次転写ローラー31は、半導電性ゴムあるいは金属材料で形成されている。一次転写ローラー31と、それに対応する画像形成ユニット1の感光体10とは、中間転写ベルト30を挟むように設けられている。トナー画像と反対極性の転写電圧が一次転写ローラー31に印加されると、トナー画像が感光体10から中間転写ベルト30の表面に転写される。
イエロー(Y)のトナー画像、マゼンタ(M)のトナー画像、シアン(C)のトナー画像、およびブラック(BK)のトナー画像が順に重ねられて感光体10から中間転写ベルト30に転写される。これにより、カラーのトナー画像が中間転写ベルト30の表面に形成される。
二次転写ローラー33は、画像形成ユニット1Kの下流側の所定位置において、中間転写ベルト30の表面に当接されて回転可能に支持されている。二次転写ローラー33および駆動ローラー39は、中間転写ベルト30を挟むように設けられている。二次転写ローラー33および中間転写ベルト30は互いに接触しており、それらが接触している部分はニップと呼ばれる。中間転写ベルト30が回転駆動されると、中間転写ベルト30の表面のトナー画像が二次転写ローラー33および中間転写ベルト30間のニップに搬送される。
カセット37には、多数の用紙S(記録媒体)がセットされる。各用紙Sは、カセット37からタイミングローラー40によって搬送経路41に沿って、二次転写ローラー33および中間転写ベルト30間のニップに送られる。制御装置51は、用紙Sが送り出されるタイミングに合わせて、二次転写ローラー33に印加する転写電圧を制御する。
二次転写ローラー33と中間転写ベルト30表面のトナー画像との間に用紙Sが挿入されているときに、二次転写ローラー33にトナー画像と反対極性の転写電圧が印加されると、トナー画像が中間転写ベルト30から二次転写ローラー33側に引き付けられ、用紙Sの表面に転写される。二次転写ローラー33への用紙Sの搬送タイミングは、中間転写ベルト30上のトナー画像の位置に合わせてタイミングローラー40によって制御される。その結果、中間転写ベルト30上のトナー画像は、用紙Sの適切な位置に転写される。
トナー画像が転写された用紙Sは、上方の定着装置50に送られる。定着装置50は、自身を通過する用紙Sを加圧および加熱する。定着装置50は、制御装置51からの制御信号に従って、用紙の加熱度合いや、用紙に加える圧力などを制御する。定着装置50が用紙Sを加熱および加圧することで、トナー画像が用紙Sに定着する。その後、用紙Sは、トレー48に排紙される。
制御装置51は、用紙Sにトナー画像を印刷する印刷モード時には、画像形成装置100全体を制御し、用紙Sにトナー画像を印刷する。また制御装置51は、感光体10へのフィルミングを防止するフィルミング防止モード時には、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各々を制御し、感光体10の表面に滑材の膜を形成する。
また、クリーニングブレード42は、二次転写ローラー33よりも下流側の所定位置において、中間転写ベルト30に圧接されている。クリーニングブレード42は、ポリウレタンゴムであり、中間転写ベルト30に対する線圧はたとえば30N/mである。クリーニングブレード42および従動ローラー38は、中間転写ベルト30を挟むように設けられている。クリーニングブレード42は、中間転写ベルト30から用紙Sへのトナー画像の転写後に中間転写ベルト30の表面に残留するトナーを回収する。回収されたトナーは、搬送スクリュー(図示せず)で搬送され、廃トナー容器(図示せず)に貯められる。
図2は、画像形成装置100の要部を示す図である。図2では、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kのうちの1つの画像形成ユニット1に関連する部分が代表的に示されている。図2において、画像形成ユニット1には、電源55,56が設けられている。
電源55は、制御装置51によって制御され、帯電バイアス電圧Vcbを帯電ローラー11に印加する。帯電バイアス電圧Vcbは、直流電圧VDC1に重畳された交流電圧VAC1を含む。直流電圧VDC1の値は所望の値に制御可能になっており、交流電圧VAC1のピーク間電圧Vppの値は所望の値に制御可能になっている。感光体10の回転軸は、接地されている。
印刷モード時において制御装置51は、電源55を制御して、直流電圧VDC1を−600Vにするとともに、交流電圧VAC1のピーク間電圧Vppを1800Vにして、感光体10の表面を−600Vに帯電させる。
フィルミング防止モード時において制御装置51は、電源55を制御して、直流電圧VDC1を−900Vにするとともに、交流電圧VAC1のピーク間電圧Vppを0Vにして、感光体10の表面を−500Vに帯電させる。
電源56は、制御装置51によって制御され、現像バイアス電圧Vdbを現像器13の現像ローラー13aに印加する。帯電バイアス電圧Vcbは、直流電圧VDC2に重畳された交流電圧VAC2を含む。直流電圧VDC2の値は所望の値に制御可能になっており、交流電圧VAC2のピーク間電圧Vppの値は所望の値に制御可能になっている。制御装置51は、電源55を制御して、直流電圧VDC2を−400Vにするとともに、交流電圧VAC2のピーク間電圧Vppを1.4kVにする。
現像器13は、現像ローラー13a、搬送部材13b,13c、隔壁13d、トナー補給口13e、およびトナー濃度検出器13fを含む。この現像器13では、トナーおよびキャリアを含む2成分現像剤が使用される。トナーの表面には、滑材を含む外添剤が付着している。キャリア、トナー、および滑材の摩擦帯電により、キャリアは正極性に帯電され、トナーは負極性に帯電され、滑材は正極性に帯電されている。
搬送部材13b,13cの各々は、現像ローラー13aと平行に配置され、現像器13の下部において回転自在に設けられている。隔壁13dは、搬送部材13b,13c間に設けられている。搬送部材13b,13cは、現像剤を撹拌するとともに、図3に示すように、現像器13内を循環させる。
トナー補給口13eは、搬送部材13bの上流側端部(図3中の右端)の上方に設けられている。トナー補給口13eに投入されたトナーは、搬送部材13bによって現像剤と撹拌されながら下流に向かって搬送され、搬送部材13bの下流側端部(図3中の左端)から搬送部材13cの上流側端部に搬送され、さらに、搬送部材13cによって現像剤と撹拌されながら下流に向かって搬送され、現像器13内を一周する。現像剤が現像器13内を一周する時間は、たとえば10秒に設定されている。
図2に戻って、現像ローラー13aは、円筒状に形成され、搬送部材13cと感光体10の間において回転自在に支持されている。現像ローラー13aと感光体10の間には、微小なギャップが開けられている。現像ローラー13aの内部には、現像剤を搬送するための複数の磁極が配置されている。現像ローラー13aは、現像ニップ部において感光体10と同方向に回転駆動される。現像ローラー13aの表面における現像剤の量は、規制ブレード(図示せず)によって所定値に規制される。
また、現像器13の下部にはトナー濃度検出器13fが設けられている。トナー濃度検出器13fは、現像剤中のトナー濃度を検出し、その検出値を示す信号を制御装置51に出力する。制御装置51は、トナー濃度検出器13fの出力信号に基づいて、現像器13へのトナー供給量を制御する。
画像形成ユニット1に対応するトナーボトル15は、サブホッパー60およびジョイント70を介して現像器13のトナー補給口13eに接続されている。サブホッパー60内のトナー残量が少なくなると、トナーボトル15からサブホッパー60にトナーが供給される。トナーボトル15は着脱可能に設けられており、トナーボトル15内のトナーがなくなると、新しいトナーボトル15と交換される。
トナーボトル15は、トナーを収納しているボトル部15aと、供給口15bが外周面に形成されたキャップ部15cと、供給口15bを開閉するシャッター部15dとを含む。ボトル部15aとキャップ部15cとは相対的に回転可能に取り付けられている。
トナーボトル15の底面側には、ボトル部15aを回転させるボトル回転機構57が設けられている。ボトル回転機構57は、ステッピングモータ57aおよびギヤ機構57bを含む。ステッピングモータ57aの回転力は、ギヤ機構57bを介してトナーボトル15に伝達される。ステッピングモータ57aは、制御装置51によって制御される。ボトル回転機構57によってボトル部15aを回転させると、ボトル部15a内のトナーは、ボトル部15aの内周面に形成された螺旋状溝(図示せず)によって、キャップ部15cの供給口15bに導かれ、供給口15bを介してサブホッパー60に供給される。
図4(A)〜(C)は、サブホッパー60の構成および動作を示す図である。図4(A)において、サブホッパー60内には、トナーの上面レベルを検出するフロート部材61が、軸61aを中心として揺動自在に設けられている。そして、フロート部材61の下方には撹拌軸と共に回転するカム62が設けられており、カム62の回転によってフロート部材61は上下に揺動する。
サブホッパー60の下部には、補給ローラー63が設けられている。補給ローラー63が1回転されると、所定量のトナーがサブホッパー60から補給ローラー63およびジョイント70を介して現像器13に供給される。
図2に戻って、フロート部材61および補給ローラー63はサブホッパー駆動機構64によって駆動される。サブホッパー駆動機構64は、ステッピングモータ64aおよびギヤ機構64bを含む。ステッピングモータ64aの回転力は、ギヤ機構64bを介してカム62および補給ローラー63に伝達される。ステッピングモータ64aは、トナー濃度検出器13fの出力信号に基づいて制御装置51によって制御される。
制御装置51は、トナー濃度検出器13fの出力信号によって示される現像剤中のトナー濃度が目標値よりも低下した場合には、ステッピングモータ64aを制御して補給ローラー63を回転させ、現像器13にトナーを補給させる。たとえば、トナー濃度の目標値が5%の場合、トナー濃度が4.5%以下となると、補給ローラー63が回転して、サブホッパー60から現像器13にトナーが補給される。トナー濃度が5%になると、補給ローラー63の回転が停止される。補給ローラー63が1回転すると、所定グラム数のトナーが現像器13に補給されるので、補給ローラー63の回転数により現像器13に送るトナー量を管理することができる。
次に、サブホッパー60におけるフロート部材61の動作について説明する。図4(A)に示すように、フロート部材61の自由端側には浮体61bが設けられており、トナーの上面レベルに応じて上下動する。浮体61bの上面には磁石61cが設けられており、サブホッパー60の外側面には、エンプティセンサー65が取り付けられている。エンプティセンサー65は、リードスイッチを含み、浮体61bの上面に設けられた磁石61cの位置に応じたレベルの信号EPを制御装置51(図1)に出力する。
図4(A),(B)に示すように、サブホッパー60内にトナーが十分にある場合は、フロート部材61および磁石61cは上方に位置するので、信号EPは「H」レベルになる。また図4(C)に示すように、サブホッパー60内のトナー量が少なくなると、トナーの上面が低下し、フロート部材61および磁石61cが下方に移動し、信号EPは「L」レベルになる。
信号EPが「L」レベルになると、制御装置51は、ボトル回転機構57を制御してトナーボトル15のボトル部15aを所定時間(たとえば10秒間)回転させ、トナーボトル15からサブホッパー60内にトナーを供給させる。サブホッパー60にトナーボトル15からトナーが補給されると、フロート部材61および磁石61cが上方に移動し、信号EPは「H」レベルになる。信号EPが「H」レベルになると、制御装置51は、ボトル回転機構57を制御してトナーボトル15のボトル部15aの回転を停止させ、トナーボトル15からサブホッパー60へのトナーの補給を停止させる。
図5(A)〜(C)は、画像形成装置の動作を示すタイムチャートである。特に、図5(A),(B)はそれぞれ帯電ローラー11に印加される直流電圧VDC1および交流電圧VAC1を示し、図5(C)は補給ローラー63の動作を示している。
図5(A)〜(C)において、印刷モード時(時刻t0〜t1)では制御装置51は、帯電ローラー11用の電源55(図2)を制御して、直流電圧VDC1を−600V(第1の直流電圧)に設定するとともに、交流電圧VAC1のピーク間電圧Vppを1800V(第1の交流電圧)に設定する。これにより、感光体10の表面は−600Vに帯電される。
また制御装置51は、現像ローラー13a用の電源56(図2)を制御して、直流電圧VDC2を−400V(第4の直流電圧)に設定するとともに、交流電圧VAC1のピーク間電圧Vppを1400V(第2の交流電圧)に設定する。感光体10を露光しない場合、感光体10の暗部電位VD≒−600Vと現像ローラー13aの直流電圧VDC2=−400Vとの電位差はVD−VDC2≒−200Vとなり、負極性のトナーは感光体10の表面に付着しない。
トナーの表面に正極性の滑材が残留している場合は、その電位差(−200V)により、正極性の滑材が感光体10の表面に付着し、感光体10の表面に滑材膜が生成される。しかし、印刷モードでは、大きな交流電圧VAC1を帯電ローラー11に印加しているので、帯電ローラー11と感光体10のニップ部で強い放電が発生し、その放電によって感光体10の表面の滑材膜が劣化する。
時刻t1においてフィルミング防止モードが開始されると、制御装置51は、帯電ローラー11用の電源55を制御して、直流電圧VDC1を−900V(第3の直流電圧、第2の直流電圧)に設定するとともに、交流電圧VAC1のピーク間電圧Vppを0Vに設定する。これにより、感光体10の表面は−500Vに帯電される。
ここでは、直流電圧VDC1を−900Vに設定したが、直流電圧VDC1の設定値は、感光体10の膜厚、帯電ローラー11の抵抗、環境条件(温度、湿度など)により変化し、パッシェン則に従って決定される。直流電圧VDC1の設定値については、テーブルを用いてもよいし、印刷枚数のような機械情報から計算しても良い。
現像バイアス電圧Vdbは印刷モード時と同じ値に維持され、直流電圧VDC2は−400Vに維持され、交流電圧VAC2のピーク間電圧Vppは1400Vに維持される。フィルミング防止モードでは感光体10を露光しないので、感光体10の暗部電位VD≒−500Vと現像ローラー13aの直流電圧VDC2=−400Vとの電位差はVD−VDC2≒−100Vとなり、負極性のトナーは感光体10の表面に付着しない。
時刻t1から所定時間経過後の時刻t2において、制御装置51は、サブホッパー駆動機構64(図2)を制御して補給ローラー63(図2)を所定時間(時刻t2〜t3)だけ回転させ、現像器13内に所定量(たとえば3g)のトナーを補給させる。本実施の形態1では、2(重量%)の滑材(ステアリン酸亜鉛)が添加されたトナーを使用した。
トナー補給量は、感光体10への滑材の供給量から決定される。補給したトナーに含まれるすべての滑剤がトナーから離脱して感光体10の表面の膜になるわけではないので、トナーに含まれる滑材のうちの感光体10の表面の膜になる割合を考慮してトナー補給量を決定する。ここでは3gのトナーを補給したが、この量に限定するものではない。トナーに含まれる滑材のうちの感光体10の表面の膜になる割合が上がれば、トナー補給量を減らすことが可能であり、その割合が下がればトナー補給量を増やす必要がある。
現像器13としては、現像剤の循環時間が10秒に設定されたユニットを使用した(図3)。トナー補給口13eから現像ローラー13aの一方端まで滑剤が搬送されるのに5秒必要であり、現像ローラー13aの一方端から他方端まで滑材が搬送されるのにさらに5秒必要である。現像器13内では現像剤を撹拌しながら搬送するので、補給したトナーを現像剤に十分に分散させるためには、現像器13内を2回循環させることが好ましい。
補給した新しいトナーが現像剤に分散されると、感光体10の暗部電位VD≒−500Vと現像ローラー13aの直流電圧VDC2=−400Vとの電位差はVD−VDC2≒−100Vであるので、負極性のトナーは感光体10の表面に付着せず、正極性の滑材が感光体10の表面に付着し、感光体10の表面に滑材膜が生成される。フィルミング防止モードでは、交流電圧VAC1を帯電ローラー11に印加しないので、帯電ローラー11と感光体10のニップ部で強い放電は発生しない。したがって、放電による感光体10の表面の滑材膜の劣化は小さく抑制される。
したがって、トナーの補給が終了してから所定時間Tdが経過した時刻t4に、補給したトナーが現像剤全体に分散されて、新しい滑材膜の形成が開始され、さらに所定時間の経過後に、感光体10の表面全体に新しい滑材膜が形成される(時刻t5)。滑材膜の形成が完了したら、フィルミング防止モードを終了し(時刻t6)、帯電ローラー11の直流電圧VDC1および交流電圧VAC1をともに0Vにする。
なお、トナーを補給してからフィルミング防止モードを終了するまでの時間は、現像器13内で現像剤が1回循環する時間に、感光体10が1回転する時間を加算した時間よりも長ければ、どのように設定しても構わない。また、フィルミング防止モード時には、一次転写ローラー31に印加する転写バイアス電圧をオフしたが、これに限るものではない。
図6は、画像形成装置100のうちのフィルミング防止モードの発動に関連する部分の構成を示す図である。図6において、画像形成装置100は、温度検出器71、湿度検出器72、モード検出器73、CW(カラー/ホワイト)比検出器74、ライフ比検出器75、記憶部76、操作部77、および判定部78を備える。
温度検出器71は、画像形成ユニット1の周辺温度を検出し、その検出値を示す信号を出力する。湿度検出器72は、画像形成ユニット1の周辺湿度を検出し、その検出値を示す信号を出力する。モード検出器73は、1ジョブ当たりの印刷ページ数(P/J)を検出し、その検出値を示す信号を出力する。CW比検出器74は、対応する画像形成ユニット1によって形成されるトナー画像のCW比を検出し、その検出値を示す信号を出力する。CW比は、画像形成領域のうちのトナーで覆われた領域の面積と、画像形成領域全体の面積との比である。
ライフ比検出器75は、画像形成ユニット1の累積印刷枚数を検出し、検出した累積印刷枚数とその上限値との比であるライフ比(%)を示す信号を出力する。画像形成ユニット1の累積印刷枚数が上限値に到達すると、ライフ比は100(%)となる。ライフ比が100(%)になると寿命が尽きるので、画像形成ユニット1を新品と交換する必要がある。温度検出器71、湿度検出器72、モード検出器73、CW比検出器74、ライフ比検出器75は、印写部の機械情報を検出する情報検出器を構成する。
図7(A)〜(C)は、記憶部76に格納されたテーブルTa,Tb,Tcを示す図である。テーブルTaは、温度検出器71によって検出された温度と、湿度検出器72によって検出された湿度と、発動点数T1との関係を示している。テーブルTaでは、温度が25℃よりも低く、かつ湿度が50%よりも低い場合は発動点数T1が0にされ、温度が25℃を超え、かつ湿度が50%を超えると発動点数T1が1にされ、温度が35℃を超え、かつ湿度が70%を超えると発動点数T1が2にされる。
テーブルTbは、モード検出器73によって検出されたモード(P/J)と、CW比検出器74によって検出されたCW比(%)と、発動点数U1との関係を示している。テーブルTbでは、CW比が3%よりも大きい場合は発動点数U1が0にされ、CW比が3%よりも小さく、かつモードが3P/Jよりも小さい場合は発動点数U1が1にされる。また、CW比が1%よりも小さくなると発動点数U1が1にされ、さらにモードが3P/Jよりも小さくなると発動点数U1が2にされる。
テーブルTcは、ライフ比検出器75によって検出されたライフ比(%)と発動点数L1との関係を示している。テーブルTcでは、ライフ比が50%よりも小さい場合は発動点数L1が0にされ、ライフ比が50%〜70%である場合は発動点数L1が1にされ、ライフ比が70%〜80%である場合は発動点数L1が2にされ、ライフ比が80%を超えると発動点数L1が3にされる。
図6に戻って、操作部77は、たとえばサービスマンによって操作され、記憶部76に格納されたテーブルTa,Tb,Tcの内容の書き換え、追加を行ったり、新たなテーブルを記憶部76に格納する。また、操作部77は、画像形成装置100のユーザーによって操作され、印刷枚数、印刷の開始などを制御装置51に指示する。
判定部78は、検出器71〜75の検出結果である機械情報と記憶部76内のテーブルTa〜Tcの内容とに基づいて、機械情報が所定の条件を満たしているか否かを判定し、判定結果を示す信号DTを出力する。機械情報が所定の条件を満たしていない場合には信号DTは「L」レベルにされ、機械情報が所定の条件を満たしている場合には信号DTは「H」レベルにされる。
機械情報が所定条件を満たしているか否かの基準は、どのように設定してもよい。機械情報が高温高湿で、モード(P/J)が小さく、CW比が小さく、ライフ比が50%を超えると、感光体10へのフィルミングが発生し易くなることが経験上、分かっている。したがって、たとえば、発動点数T1,U1,L1の和(または積)が所定値(たとえば3点)以上であるか否かを基準としてもよい。また、発動点数L1が1以上になり、かつ発動点数T1,U1の和(または積)が所定値(たとえば1点)以上になっているか否かを基準としてもよい。記憶部76および判定部78は、制御装置51に含まれていてもよいし、制御装置51とは別に設けられていても構わない。判定部78の出力信号DTが「H」レベルにされた場合には、制御装置51はフィルミング防止モードを実行する。
図8は、制御装置51の動作を示すフローチャートである。ステップS1において制御装置51は、操作部77(図6)からの指示に従って、印刷モードを実行する。具体的には、制御装置51は、画像形成装置100全体を制御して所定枚数の用紙Sにトナー画像を印刷する。
ステップS2において制御装置51は、判定部78の出力信号DTが「H」レベルであるか否かを判別する。信号DTが「H」レベルである場合は、ステップS3において制御装置51は、画像形成装置100全体を制御してフィルミング防止モードを実行し、1回のジョブを終了する。信号DTが「L」レベルである場合は、制御装置51は、フィルミング防止モードを実行せずに1回のジョブを終了する。
以上のように、この実施の形態1では、フィルミング防止モード時には制御装置51は、補給ローラー63を制御して所定量のトナーを現像器13に補給させるとともに、電源55を制御して帯電バイアス電圧Vcbとして直流電圧VDC1=−900Vを帯電ローラー11に印加させることにより、感光体10に滑材の膜を形成する。したがって、感光体10へのフィルミングを防止することができる。また、滑材を塗布する装置を別途設ける必要がないので、装置の小型化を図ることができる。
なお、図8では、印刷モードを実行した直後に信号DTが「H」レベルであるか否かを判別したが、印刷モードを実行する直前に信号DTが「H」レベルであるか否かを判別してもよい。また、画像形成装置100のスタンバイ時や、温度および湿度がある一定のしきい値を超えて変化したときに、信号DTが「H」レベルであるか否かを判別してもよい。また、画像形成装置100のスリープ復帰後や、電源が投入された場合に所定のタイミングで、信号DTが「H」レベルであるか否かを判別してもよい。
また、上記実施の形態1では、判定部78は、検出器71〜75の出力信号とテーブルTa〜Tcの内容とに基づいて機械情報が所定の条件を満たしているか否かを判定したが、これに限るものではない。判定部78は、検出器71〜75の出力信号とテーブルTa〜Tcの内容と所定の数式とに基づいて、機械情報が所定の条件を満たしているか否かを判定してもよい。所定の数式は、記憶部76に格納されていてもよいし、判定部78に保持されていても構わない。
所定の数式は、F=L1×T1×U1である。判定部78は、Fが1以上である場合に信号DTを「H」レベルにする。たとえば、テーブルTc,Ta,Tbの発動点数L1,T1,U1がともに1である場合には、F=1であるので、信号DTが「H」レベルになり、フィルミング防止モードが実行される。テーブルTc,Taの発動点数L1,T1がともに1であっても、テーブルTbの発動点数U1が0である場合には、F=0であるので、信号DTは「L」レベルとなり、フィルミング防止モードは実行されない。
図9は、実施の形態1の変更例を示すフローチャートである。ステップS11において判定部78は、機械情報(検出器71〜75の出力信号)を取得する。ステップS12において判定部78は、テーブルTa,Tb,Tcを参照して、機械情報の発動点数T1,U1,L1を獲得し、F=L1×T1×U1の値を計算する。ステップS13において判定部78は、Fが1以上であるか否かを判別する。Fが1以上である場合は、ステップS14において判定部78は信号DTを「H」レベルにして今回の判定動作を終了する。Fが1以上でない場合、すなわちF=0である場合には、ステップS15において判定部78は信号DTを「L」レベルにして今回の判定動作を終了する。
また、所定の数式は、F=L1×(L1+T1+U1)であっても構わない。判定部78は、Fが2以上である場合に信号DTを「H」レベルにする。たとえば、テーブルTc,Ta,Tbの発動点数L1,T1,U1がともに1である場合には、F=3であるので、信号DTが「H」レベルになり、フィルミング防止モードが実行される。テーブルTa,Tbの発動点数T1,U1がともに1であっても、テーブルTcの発動点数L1が0である場合には、F=0であるので、信号DTは「L」レベルとなり、フィルミング防止モードは実行されない。
図10は、実施の形態1の他の変更例を示すブロック図であって、図6と対比される図である。図10を参照して、この変更例が実施の形態1と異なる点は、画像形成装置100に通信装置79が設けられ、通信装置79が通信回線105を介してデータセンター110の通信装置111に接続されている点である。通信装置79は、画像形成装置100の操作部77に接続されている。通信装置111は、データセンター110内の操作部112に接続されている。
データセンター110は、複数の画像形成装置100を遠隔地から管理している。データセンター110の職員は、操作部112を操作することによって画像形成装置100の操作部77を遠隔操作し、記憶部76内のテーブルTa,Tb,Tcの内容の書き換え、追加を行なったり、新たなテーブルを記憶部76に格納する。この変更例では、データセンター110から記憶部76の内容の書き換え、追加などを行なうことが可能となっている。
図11は、実施の形態1のさらに他の変更例を示すブロック図であって、図10と対比される図である。図11の変更例が図10の変更例と異なる点は、画像形成装置100では記憶部76、判定部78、および通信装置79が通信装置80および信号発生器81で置換され、データセンター110に記憶部76Aおよび判定部78Aが設けられている点である。
通信装置80は、検出器71〜75の出力信号を通信回線105を介してデータセンター110に送信する。データセンター110の通信装置111は、検出器71〜75の出力信号を受信して判定部78Aに与える。記憶部76Aには、テーブルTa,Tb,Tc(図7)が格納されている。判定部78Aは、通信装置111からの検出器71〜75の出力信号(機械情報)と記憶部76A内のテーブルTa〜Tcの内容とに基づいて、機械情報が所定の条件を満たしているか否かを判定し、判定結果を示す信号DTを通信装置111に出力する。
通信装置111は、信号DTを通信回線105および通信装置80を介して信号発生器81に送信する。信号発生器81は、信号DTを出力する。制御装置51が、信号DTが「H」レベルである場合にはフィルミング防止モードを実行する。この変更例では、データセンター110において機械情報が所定条件を満たしているか否かを判定するので、画像形成装置100の構成の簡単化を図ることができる。
[実施の形態2]
図12(A)〜(D)は、この発明の実施の形態2による画像形成装置の動作を示すタイムチャートであって、図5(A)〜(C)と対比される図である。図12(A),(B)はそれぞれ帯電ローラー11に印加される直流電圧VDC1および交流電圧VAC1を示し、図12(C)はパッチトナー画像の形成動作を示し、図12(D)は補給ローラー63の動作を示している。この実施の形態2では、感光体10の表面にパッチトナー画像を形成してクリーニングすることにより感光体10の表面の劣化した滑材膜を除去した後に、感光体10の表面に新しい滑材膜を生成する。
すなわち、図12(A)〜(D)において、印刷モード時(時刻t0〜t1)では制御装置51は、帯電ローラー11用の電源55(図2)を制御して、直流電圧VDC1を−600V(第1の直流電圧)に設定するとともに、交流電圧VAC1のピーク間電圧Vppを1800V(第1の交流電圧)に設定する。これにより、感光体10の表面は−600Vに帯電される。
また制御装置51は、現像ローラー13a用の電源56(図2)を制御して、直流電圧VDC2を−400V(第4の直流電圧)に設定するとともに、交流電圧VAC1のピーク間電圧Vppを1400V(第2の交流電圧)に設定する。感光体10を露光しない場合には、感光体10の暗部電位VD≒−600Vと現像ローラー13aの直流電圧VDC2=−400Vとの電位差はVD−VDC2≒−200Vとなり、負極性のトナーは感光体10の表面に付着しない。
時刻t1においてフィルミング防止モードが開始されると、制御装置51は、露光部12を制御して感光体10の表面全体を露光させる。露光された部分の表面電位(明部電位)は約−100Vとなる。感光体10の明部電位VL≒−100Vと現像ローラー13aの直流電圧VDC2=−400Vとの電位差はVL−VDC2≒+300Vとなる。この電位差により、負極性のトナーは感光体10の表面に付着し、感光体10の表面全体にパッチトナー画像が生成される(時刻t1〜t2)。感光体10の回転に伴ってパッチトナー画像はクリーニングブレード17(図1、図2)によって除去される。その際、感光体10の表面の劣化した滑材膜がパッチトナー画像とともに除去され、感光体10の表面がリフレッシュされる。
なお、パッチトナー画像におけるトナー付着量をベタ付着量(5g/m2)としたが、これに限るものではなく、感光体10の表面をリフレッシュすることが可能な量であれば、どのようなトナー付着量でも構わない。また、一次転写ローラー31に印加する転写バイアス電圧をオフしたが、これに限るものではない。
次に、時刻t2において制御装置51は、帯電ローラー11用の電源55を制御して、直流電圧VDC1を−1000V(第2の直流電圧、第3の直流電圧)に設定するとともに、交流電圧VAC1のピーク間電圧Vppを0Vに設定する。これにより、感光体10の表面は−450Vに帯電される。また、現像バイアス電圧Vdbは印刷モード時と同じ値に維持され、直流電圧VDC2は−400Vに維持され、交流電圧VAC2のピーク間電圧Vppは1400Vに維持される。このとき、感光体10を露光しないので、感光体10の暗部電位VD≒−450Vと現像ローラー13aの直流電圧VDC2=−400Vとの電位差はVD−VDC2≒−50Vとなる。この電位差により、負極性のトナーは感光体10の表面に付着しない。
時刻t2から所定時間経過後の時刻t3において、制御装置51は、サブホッパー駆動機構64を制御して補給ローラー63(図2)を所定時間(時刻t3〜t4)だけ回転させ、現像器13内に所定量(たとえば3g)のトナーを補給させる。本実施の形態2では、2(重量%)の滑材(ステアリン酸亜鉛)が添加されたトナーを使用した。
現像器13としては、現像剤の循環時間が10秒に設定されたユニットを使用した(図3)。トナー補給口13eから現像ローラー13aの一方端まで滑剤が搬送されるのに5秒必要であり、現像ローラー13aの一方端から他方端まで滑材が搬送されるのにさらに5秒必要である。現像器13内では現像剤を撹拌しながら搬送するので、補給したトナーを現像剤に十分に分散させるためには、現像器13内を2回循環させることが好ましい。
補給した新しいトナーが現像剤に分散されると、感光体10の暗部電位VD≒−4500Vと現像ローラー13aの直流電圧VDC2=−400Vとの電位差はVD−VDC2≒−50Vにより、負極性のトナーは感光体10の表面に付着せず、正極性の滑材が感光体10の表面に付着し、感光体10の表面に滑材膜が生成される。フィルミング防止モードでは、交流電圧VAC1を帯電ローラー11に印加しないので、帯電ローラー11と感光体10のニップ部で強い放電は発生しない。したがって、放電による感光体10の表面の滑材膜の劣化は小さく抑制される。
したがって、トナーの補給が終了してから所定時間Tdが経過した時刻t5に、補給したトナーが現像剤全体に分散されて、新しい滑材膜の形成が開始され、さらに所定時間の経過後に、感光体10の表面全体に新しい滑材膜が形成される(時刻t6)。滑材膜の形成が完了したら、フィルミング防止モードを終了し(時刻t7)、帯電ローラー11の直流電圧VDC1および交流電圧VAC1をともに0Vにする。
以上のように、この実施の形態2では、感光体10の表面にパッチトナー画像を形成してクリーニングすることにより感光体10の表面の劣化した滑材膜を除去した後に、感光体10の表面に新しい滑材膜を生成する。したがって、感光体10へのフィルミングの発生をより効果的に防止することができる。
図13(A)〜(E)は、実施の形態2の変更例を示すタイムチャートであって、図12(A)〜(D)と対比される図である。図13(A)〜(E)を参照して、この変更例では、時刻t1〜t2において制御装置51は、露光部12を制御して感光体10を露光させる代わりに、感光体10の表面を露光させる帯電ローラー11用の電源55を制御して交流電圧VAC1を0Vにする。交流電圧VAC1を0Vにすると、感光体10の表面電位V0が−100Vに低下する。感光体10の暗部電位VD≒−100Vと現像ローラー13aの直流電圧VDC2=−400Vとの電位差VD−VDC2≒+300Vにより、負極性のトナーが感光体10の表面に付着し、パッチトナー画像が生成される。この変更例でも、実施の形態2と同じ効果が得られる。
図14(A)〜(E)は、実施の形態2の変更例を示すタイムチャートであって、図12(A)〜(D)と対比される図である。図14(A)〜(E)を参照して、この変更例では、補給した新しいトナーを現像剤中に分散させている期間(時刻t2〜t5)には、制御装置51は、現像ローラー13a用の電源56(図2)を制御して、直流電圧VDC2を−400Vに維持するとともに、交流電圧VAC2のピーク間電圧Vppを0Vにする。交流電圧VAC2のピーク間電圧Vppを0Vにすると、トナーは現像ローラー13aと感光体10との間を往復動しないので、トナーの表面の滑材が感光体10の表面に付着することが抑制される。
補給した新しいトナーが現像剤中に分散した時刻t5には制御装置51は、現像ローラー13a用の電源56を制御して、直流電圧VDC2を−400Vに維持するとともに、交流電圧VAC2のピーク間電圧Vppを1400Vにする。交流電圧VAC2のピーク間電圧Vppを1400Vにすると、トナーが現像ローラー13aと感光体10との間を往復動するので、トナーの表面の滑材が感光体10の表面に付着し、感光体10の表面に新しい滑材膜が形成される。フィルミング防止モードが終了すると、交流電圧VAC2のピーク間電圧Vppは0Vにされる。
この変更例では、補給した新しいトナーが現像剤全体に分散した後に感光体10の表面に新しい滑材膜を形成するので、感光体10の表面に新しい滑材膜を均一に形成することができる。また、補給した滑材を高い効率で滑材膜にすることができるので、トナーの補給量を低減することができる。
[実施の形態3]
図15(A)〜(D)は、この発明の実施の形態3による画像形成装置の動作を示すタイムチャートであって、図12(A)〜(D)と対比される図である。図15(A),(B)はそれぞれ帯電ローラー11に印加される直流電圧VDC1および交流電圧VAC1を示し、図15(C)はパッチトナー画像の形成動作を示し、図15(D)は補給ローラー63の動作を示している。この実施の形態3では、トナーを補給して現像剤に分散させる期間(時刻t2〜t5)には、感光体10の表面電位V0を低下させることにより、滑材の感光体10の表面への付着を抑制する。
すなわち、図15(A)〜(D)において、印刷モード時(時刻t0〜t1)では制御装置51は、帯電ローラー11用の電源55(図2)を制御して、直流電圧VDC1を−600V(第1の直流電圧)に設定するとともに、交流電圧VAC1のピーク間電圧Vppを1800V(第1の交流電圧)に設定する。これにより、感光体10の表面は−600Vに帯電される。
また制御装置51は、現像ローラー13a用の電源56(図2)を制御して、直流電圧VDC2を−400V(第4の直流電圧)に設定するとともに、交流電圧VAC1のピーク間電圧Vppを1400V(第2の交流電圧)に設定する。感光体10を露光しない場合には、感光体10の暗部電位VD≒−600Vと現像ローラー13aの直流電圧VDC2=−400Vとの電位差はVD−VDC2≒−200Vとなる。この電位差により、負極性のトナーは感光体10の表面に付着しない。
時刻t1においてフィルミング防止モードが開始されると、制御装置51は、露光部12を制御して感光体10の表面全体を露光させる。露光された部分の表面電位(明部電位)は約−100Vとなる。感光体10の明部電位VL≒−100Vと現像ローラー13aの直流電圧VDC2=−400Vとの電位差はVL−VDC2≒+300Vとなる。この電位差により、負極性のトナーは感光体10の表面に付着し、感光体10の表面全体にパッチトナー画像が生成される(時刻t1〜t2)。感光体10の回転に伴ってパッチトナー画像はクリーニングブレード17(図1、図2)によって除去される。その際、感光体10の表面の劣化した滑材膜がパッチトナー画像とともに除去され、感光体10の表面がリフレッシュされる。
次に、時刻t2において制御装置51は、帯電ローラー11用の電源55を制御して、直流電圧VDC1を−750V(第3の直流電圧)に設定するとともに、交流電圧VAC1のピーク間電圧Vppを0Vに設定する。これにより、感光体10の表面は−450Vに帯電される。また、現像バイアス電圧Vdbは印刷モード時と同じ値に維持され、直流電圧VDC2は−400Vに維持され、交流電圧VAC2のピーク間電圧Vppは1400Vに維持される。このとき、感光体10を露光しないので、感光体10の暗部電位VD≒−450Vと現像ローラー13aの直流電圧VDC2=−400Vとの電位差はVD−VDC2≒−50Vとなり、負極性のトナーは感光体10の表面に付着しない。また、電位差が−50Vと小さいので、滑材の感光体10への付着は抑制される。
時刻t2から所定時間経過後の時刻t3において、制御装置51は、サブホッパー駆動機構64を制御して補給ローラー63(図2)を所定時間(時刻t3〜t4)だけ回転させ、現像器13内に所定量(たとえば3g)のトナーを補給させる。本実施の形態2では、2(重量%)の滑材(ステアリン酸亜鉛)が添加されたトナーを使用した。
現像器13としては、現像剤の循環時間が10秒に設定されたユニットを使用した(図3)。トナー補給口13eから現像ローラー13aの一方端まで滑剤が搬送されるのに5秒必要であり、現像ローラー13aの一方端から他方端まで滑材が搬送されるのにさらに5秒必要である。現像器13内では現像剤を撹拌しながら搬送するので、補給したトナーを現像剤に十分に分散させるためには、現像器13内を2回循環させることが好ましい。
補給した新しいトナーが現像剤全体に分散される時刻t5において制御装置51は、帯電ローラー11用の電源55を制御して、直流電圧VDC1を−1000V(第2の直流電圧)に設定するとともに、交流電圧VAC1のピーク間電圧Vppを0Vに維持するこれにより、感光体10の表面は−600Vに帯電される。また、現像バイアス電圧Vdbは印刷モード時と同じ値に維持され、直流電圧VDC2は−400Vに維持され、交流電圧VAC2のピーク間電圧Vppは1400Vに維持される。
このとき、感光体10を露光しないので、感光体10の暗部電位VD≒−600Vと現像ローラー13aの直流電圧VDC2=−400Vとの電位差はVD−VDC2≒−200Vとなり、負極性のトナーは感光体10の表面に付着せず、正極性の滑材が感光体10の表面に付着し、感光体10の表面に滑材膜が生成される。フィルミング防止モードでは、交流電圧VAC1を帯電ローラー11に印加しないので、帯電ローラー11と感光体10のニップ部で強い放電は発生しない。したがって、放電による感光体10の表面の滑材膜の劣化は小さく抑制される。
したがって、トナーの補給が終了してから所定時間Tdが経過した時刻t5に、補給したトナーが現像剤全体に分散されて、新しい滑材膜の形成が開始され、さらに所定時間の経過後に、感光体10の表面全体に新しい滑材膜が形成される(時刻t6)。滑材膜の形成が完了したら、フィルミング防止モードを終了し(時刻t7)、帯電ローラー11の直流電圧VDC1および交流電圧VAC1をともに0Vにする。
以上のように、この実施の形態3では、補給した新しいトナーが現像剤中に分散させている期間(時刻t2〜t5)では、感光体10の暗部電位VDと現像ローラー13aとの電位差を小さくして感光体10への滑材の付着を抑制する。そして、補給したトナーが現像剤全体に分散した後に、感光体10の暗部電位VDと現像ローラー13aとの電位差を大きくして感光体10の表面に滑材膜を形成する。したがって、感光体10の表面に新しい滑材膜を均一に形成することができる。また、補給した滑材を高い効率で滑材膜にすることができ、トナーの補給量を低減することができる。
図16(A)〜(E)は、実施の形態3の変更例を示すタイムチャートであって、図15(A)〜(D)と対比される図である。図16(A)〜(E)を参照して、この変更例では、補給した新しいトナーを現像剤中に分散させている期間(時刻t2〜t5)には、制御装置51は、現像ローラー13a用の電源56(図2)を制御して、直流電圧VDC2を−400Vに維持するとともに、交流電圧VAC2のピーク間電圧Vppを0Vにする。交流電圧VAC2のピーク間電圧Vppを0Vにすると、トナーは現像ローラー13aと感光体10との間を往復動しないので、トナーの表面の滑材が感光体10の表面に付着することが抑制される。
補給した新しいトナーが現像剤全体に分散した時刻t5には制御装置51は、現像ローラー13a用の電源56を制御して、直流電圧VDC2を−400Vに維持するとともに、交流電圧VAC2のピーク間電圧Vppを1400Vにする。交流電圧VAC2のピーク間電圧Vppを1400Vにすると、トナーが現像ローラー13aと感光体10との間を往復動するので、トナーの表面の滑材が感光体10の表面に付着し、感光体10の表面に新しい滑材膜が形成される。フィルミング防止モードが終了すると、交流電圧VAC2のピーク間電圧Vppは0Vにされる。
この変更例では、補給した新しいトナーが現像剤全体に分散した後に現像ローラー13aに交流電圧VAC2を印加して感光体10の表面に新しい滑材膜を形成するので、感光体10の表面に新しい滑材膜を均一に形成することができる。また、補給した滑材を高い効率で滑材膜にすることができるので、トナーの補給量を低減することができる。
図17は、実施の形態3の他の変更例を示す回路ブロック図である。図17を参照して、この変更例では、トナー濃度検出器13f(図2)と制御装置51(図2)との間にスイッチ85が設けられている。トナー濃度検出器13fは、現像器13内の現像剤のトナー濃度を検出し、検出値を示す信号を出力する。スイッチ85の一方端子85aはトナー濃度検出器13fの出力信号を受け、その他方端子85bは信号VHを受け、その共通端子85cは制御装置51に接続される。
信号VHは、現像器13内の現像剤のトナー濃度が上限値を超えている場合にトナー濃度検出器13fから出力される信号である。制御装置51は、トナー濃度検出器13fから信号VHが出力されている場合には、現像器13にトナーを補給する必要がないので、補給ローラー63(図2)を停止状態に維持する。スイッチ85は、制御装置51からの信号MSによって制御される。
信号MSが「H」レベルである場合には、スイッチ85の端子85a,85c間が導通し、トナー濃度検出器13fの出力信号がスイッチ85を介して制御装置51に与えられる。制御装置51は、トナー濃度検出器13fの出力信号に基づいて補給ローラー63(図2)を制御し、現像器13内の現像剤のトナー濃度を目標値に維持する。
信号MSが「L」レベルである場合には、スイッチ85の端子85b,85c間が導通し、信号VHがスイッチ85を介して制御装置51に与えられる。制御装置51は、トナー濃度検出器13fの出力信号に関係なく、補給ローラー63を停止状態に維持する。
図18(A)〜(F)は、図16で説明した画像形成装置の動作を示すタイムチャートであって、図16(A)〜(E)と対比される図である。図18(A)〜(F)において、パッチトナー画像の形成が開始される前の時刻tAから補給ローラー63の回転が開始される前の時刻tBまで信号MSは「L」レベルにされる。したがって、時刻tA〜tBの期間は、補給ローラー63は停止状態に維持され、トナーの補給は停止される。
制御装置51は通常、トナー濃度検出器13fの出力信号に基づいてトナーが減っていると判断した場合には補給ローラー63を回転させて現像器13にトナーを補給する。しかし、パッチトナー画像を生成したためにトナー濃度が低下した場合に直ぐにトナーを補給してしまうと、滑材膜形成のためのトナー補給動作(時刻t3〜t4)と別にトナー補給を行なうこととなり、効率的ではない。また、トナー濃度が十分に高いときにトナーを補給をすると、現像の濃度が一定に保たれなくなる。
これに対して本変更例では、パッチトナー画像を形成する期間を挟む期間(時刻tA〜tB)においてトナー補給を停止するので、滑剤膜の形成に必要なトナー量を供給しつつ現像器13のトナー量は適正量に維持することができる。
図19(A)〜(F)は、実施の形態3のさらに他の変更例を示すタイムチャートであって、図18(A)〜(F)と対比される図である。図18(D)で示したように、上記変更例では、補給ローラー63を連続的に回転させて所定量のトナーを補給した。これに対して本変更例では、図19(D)に示すように、補給ローラー63を間欠的に回転させて所定量のトナーを補給する。この変更例では、トナーを複数回に分けて補給するので、現像剤と補給したトナーとを効率よく撹拌することができ、撹拌時間を短縮することができる。したがって、現像器13内を一周させる間に、補給したトナーを現像剤全体に分散させることができ、トナーの補給が終了してから滑材膜を形成するまでの時間Tdを短縮することができる。
なお、本願発明の画像形成装置における像担持体(感光体10)、帯電手段(帯電ローラー11)、露光手段(露光部12)、現像手段(現像器13)、清掃手段(クリーニングブレード17,42)、転写手段(中間転写ベルト30、一次転写ローラー31、二次転写ローラー33)、定着手段(定着装置50)などについては、周知の電子写真方式の技術を任意に選択、使用してよい。
また、トナーについては、一般に使用されている公知の方法で製造することができ、たとえば、粉砕法、乳化重合法、懸濁重合法などを用いて製造することができる。また、トナーに使用するバインダー樹脂としては、たとえば、スチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)やポリエステル樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。そして、これらの樹脂単体もしくは複合体によるバインダー樹脂は、軟化温度が80〜160℃の範囲のもの、またはガラス転移点が50〜75℃の範囲のものであることが好ましい。
着色剤としては、一般に使用されている公知のものを用いることができ、たとえば、カーボンブラック、アニリンブラック、活性炭、マグネタイト、ベンジンイエロー、パーマネントイエロー、ナフトールイエロー、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、ウルトラマリンブルー、ローズベンガル、レーキーレッドなどが挙げられる。そして、上記したバインダー樹脂100重量部に対して2〜20重量部の割合で着色剤を用いることが好ましい。
また、バインダー樹脂に含有される荷電制御材としては、トナーが正帯電性である場合は、たとえばニグロシン系染料、4級アンモニウム塩系化合物、トリフェニルメタン系化合物、イミダゾール系化合物、ポリアミン樹脂などが使用され、トナーが負帯電性である場合は、クロム、コバルト、アルミニウム、鉄などの金属含有アゾ系染料、サリチル酸金属化合物、アルキルサリチル酸金属化合物、カーリックスアレン化合物などが使用される。この荷電制御材は、バインダー樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部の割合で用いることが好ましい。さらに、バインダー樹脂に含有される離型材については、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、カルナバワックス、サゾールワックスなどが単独あるいは2種類以上組合せて使用されており、バインダー樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部の割合で用いることが好ましい。
また、トナーの帯電性能や流動性、あるいはクリーニング性を向上させる観点から、トナー母体粒子の表面に公知の無機微粒子や有機微粒子などの粒子、滑剤を外添剤として添加することができる。これらの外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
滑剤は、クリーニング性や転写性をさらに向上させる目的で使用される。滑剤としては、たとえば、ステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウムなどの塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウムなどの塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウムなどの塩、リノール酸の亜鉛、カルシウムなどの塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウムなどの塩などの(高級)脂肪酸金属塩粒子が挙げられる。
本発明では、外添剤として、少なくとも体積基準のメジアン径が0.5〜1.5μmの範囲である脂肪酸金属塩粒子(滑剤)を有することを特徴とする。これは、上記トナー(母体粒子)との物理的、静電的な保持性との関係から、上記した粒径範囲の滑剤を用いることで、上記した発明の効果を有効に発現し得るためである。
上記脂肪酸金属塩粒子の体積基準のメジアン径が0.5μm未満の場合には、現像器13における混合ストレスにより変形、融着し、キャリアや他の部材の表面を汚染してしまうため好ましくない。一方、上記脂肪酸金属塩粒子の体積基準のメジアン径が1.5μmよりも大きいと、トナー(母体粒子)との保持性が低下し、すぐに離れてしまい、偏りを伴った画像不良が生じるため好ましくない。上記脂肪酸金属塩粒子(滑剤)の体積基準のメジアン径(体積平均粒径)は、レーザー回折粒度測定装置SALD−2100を使用して測定することができる。なお、トナーから上記脂肪酸金属塩粒子(滑剤)を分離するのは、上記した外添剤分離法の応用において、フィルタ孔径の目的に応じた選択や、遠心分離で可能である。
上記体積基準のメジアン径の脂肪酸金属塩(粒子)としては、上記した各種(高級)脂肪酸金属塩(粒子)を用いることができるが、なかでもステアリン酸金属塩が好ましく、たとえば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛などがあるが、滑剤としての性能や、静電的なトナー保持性の観点から、ステアリン酸亜鉛が特に好ましい。
上記体積基準のメジアン径の脂肪酸金属塩粒子(滑剤)の含有量は、トナー全量に対して、0.05〜0.60質量%である。上記脂肪酸金属塩粒子(滑剤)の含有量が、0.05質量%以上であれば、本発明の効果を有効に発現することができる点で優れている。上記脂肪酸金属塩粒子(滑剤)の含有量が、0.60質量%以下であれば、過剰添加に伴うトナー、キャリア間の帯電阻害が抑制されるほか、本発明の効果を有効に発現することができる点で優れている。
本発明では、外添剤として、上記した粒径範囲の滑剤(上記体積基準のメジアン径の脂肪酸金属塩粒子)を用いていればよく、この他にも、上記した公知の無機微粒子や有機微粒子などの粒子を併用してもよい。
上記無機微粒子としては、シリカ、チタニア、アルミナなどの無機酸化物微粒子;ステアリン酸アルミニウム微粒子、ステアリン酸亜鉛微粒子などの無機ステアリン酸化合物微粒子;あるいは、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸亜鉛などの無機チタン酸化合物微粒子;などによる無機微粒子を好ましいものとして挙げられる。このうちチタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウムなどの無機チタン酸化合物微粒子(金属酸化物微粒子)は、研磨効果が高い特徴を有するものである。また、シリカ粒子としては、たとえば、コロイダルシリカ、アルコキシシランの加水分解物(ゾルゲル法により作製されたシリカ)、沈殿シリカなどの湿式法で製造されたシリカ、フュームドシリカ、溶融シリカなどの乾式法で製造されたシリカなどが用いられる。
必要に応じてこれらの無機微粒子は、耐熱保管性の向上、環境安定性の向上などのために、シランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどによって、光沢処理、疎水化処理などが行われていてもよい。外添剤の流動性が向上するという観点から、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)などで疎水化処理(表面処理)したシリカ粒子を用いると好ましい。
これらの無機微粒子は、個数平均一次粒子径が5nm〜2μm程度の球形の疎水化処理有りまたは無しの無機微粒子を用いるのが好ましい。なお、無機微粒子の個数平均一次粒子径は、電子顕微鏡写真を用いて算出することができるが、具体的には、走査型電子顕微鏡にてトナー試料の3万倍写真を撮影し、この写真画像をスキャナーにより取り込む。画像処理解析装置LUZEX(登録商標) AP(株式会社ニレコ製)にて、当該写真画像のトナー表面に存在する外添剤について2値化処理し、外添剤1種につき100個についての水平方向フェレ径を算出、その平均値を個数平均粒子径とした。
無機微粒子としては、個数平均一次粒子径が異なる二種の粒子(たとえば、シリカ粒子)を用いてもよい。たとえば、粒径が大きい方の個数平均一次粒子径が60〜250nmであると好ましく、80〜200nmであるとより好ましい。このような範囲であれば、トナー母体粒子への大きい方の粒子の付着を促進し、帯電量の安定性およびクリーニング性を向上させることができる。また、粒径が小さい方の個数平均一次粒子径は、5〜45nmであると好ましく、12〜40nmであるとより好ましい。かような範囲であれば、小径シリカ粒子の良好な帯電性を十分に得ることができ、また、トナー母体粒子表面において均一に付着しやすくすることで、高温高湿環境下における初期帯電量および帯電量の安定性を向上させることができるためである。
有機微粒子としては、個数平均一次粒子径が10nm〜2μm程度の球形の有機微粒子を使用することができる。具体的には、スチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体による有機微粒子を使用することができる。なお、有機微粒子の個数平均一次粒子径は、無機微粒子の個数平均一次粒子径と同様に電子顕微鏡写真を用いて算出することができる。
外添剤の添加量は、トナー粒子100質量部に対して0.1〜10.0質量部であることが好ましい。外添剤の添加方法としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの公知の種々の混合装置を使用して添加する方法が挙げられる。
キャリアは、バインダー型キャリアやコート型キャリアなどが使用され、そのキャリア粒径としては、限定されるものではないが、15〜100μmが好ましい。そして、トナーとキャリアの混合比は、所望のトナー帯電量が得られるように調整されれば良く、トナーとキャリアの合計量に対するトナー比を、3〜30重量%とすることで、好適に調整される。また、トナー比は、4〜20重量%とすることが更に好ましい。
ところで、バインダー型キャリアは、磁性体微粒子をバインダー樹脂中に分散させたものであり、キャリア表面に正または負帯電性の帯電性微粒子を固着させたり、表面コーティング層を設けることでも構成される。バインダー型キャリアの帯電特性は、バインダー樹脂の材質、帯電性微粒子、表面コーティング層の種類によって制御される。そして、バインダー樹脂は、ポリスチレン系樹脂に代表されるビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂などが使用される。
バインダー型キャリアに分散される磁性体微粒子として、たとえば、マグネタイト、ガンマ酸化鉄などのスピネルフェライトや、鉄以外の金属(マンガン、ニッケル,マグネシウム,銅など)を一種または二種以上含有するスピネルフェライトや、バリウムフェライトなどのマグネトプランバイト型フェライトや、表面に酸化鉄を有する鉄や合金の粒子などが用いられる。このとき、高磁化を要する場合、鉄系の強磁性微粒子を用いることが好ましい。一方、化学的な安定性を考慮する場合は、スピネルフェライトやマグネトプランバイト型フェライトといった強磁性微粒子を用いることが好ましい。そして、強磁性微粒子の種類及び含有量を適宜選択することで、所望の磁化を有するキャリアを得ることができる。また、磁性体微粒子の形状は、粒状、球状、針状のいずれであってもよい。さらに、磁性体微粒子は、キャリア中に50〜90重量%の量で添加することが適当である。
表面に帯電性微粒子または導電性微粒子を固着させたバインダー型キャリアの場合、たとえば、キャリア表面において磁性樹脂キャリアに上記微粒子を均一に混合して付着させた後に、機械的・熱的な衝撃力を与えることで、キャリア表面の磁性樹脂キャリア中に上記微粒子を打ち込むようにして固定させる。このとき、微粒子は磁性樹脂キャリア中に完全に埋設されるのではなく、その一部を磁性樹脂キャリア表面から突き出すようにして固定される。
そして、微粒子に帯電性微粒子を使用する場合、有機系または無機系の絶縁性材料が用いられる。具体的には、たとえば、ポリスチレン、スチレン系共重合物、アクリル樹脂、各種アクリル共重合物、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂及びこれらの架橋物などの有機絶縁性微粒子を用い、その素材、重合触媒、表面処理などを適宜選択することで、キャリアの帯電レベルおよび極性を希望するものに設定できる。また、無機系微粒子としては、たとえば、シリカ、二酸化チタンなどといった負帯電性の無機微粒子や、チタン酸ストロンチウム、アルミナなどといった正帯電性の無機微粒子が用いられる。
また、表面コーティング層を設けたバインダー型キャリアの場合、表面コーティング層を形成する表面コート材として、たとえば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂などが用いられる。このように、樹脂材を表面にコートして硬化させた表面コーティング層を形成することで、帯電付与能力を向上できる。
一方、コート型キャリアは、磁性体からなるキャリアコア粒子をコート樹脂で被覆して構成するキャリアであり、コート型キャリアにおいてもバインダー型キャリア同様、キャリア表面に正または負帯電性の帯電性微粒子を固着させることができる。そして、コート型キャリアの極性などの帯電特性は、表面コーティング層の種類や帯電性微粒子の種類により制御され、その材料として、バインダー型キャリアと同様の材料を用いることができる。また、キャリアコア粒子を被覆するコート樹脂については、バインダー型キャリアのバインダー樹脂と同様の樹脂が使用される。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1Y,1M,1C,1K 画像形成ユニット、10 感光体、11 帯電ローラー、12 露光部、13 現像器、13a 現像ローラー、13b,13c 搬送部材、13d 隔壁、13e トナー補給口、13f トナー濃度検出器、17,42 クリーニングブレード、15,15Y,15M,15C,15K トナーボトル、15a ボトル部、15b 供給口、15c キャップ部、15d シャッター部、30 中間転写ベルト、31 一次転写ローラー、33 二次転写ローラー、37 カセット、38 従動ローラー、39 駆動ローラー、40 タイミングローラー、41 搬送経路、48 トレー、50 定着装置、51 制御装置、55,56 電源、57 ボトル回転機構、57a,64a ステッピングモータ、57b,64b ギヤ機構、60 サブホッパー、61 フロート部材、61a 軸、61b 浮体、61c 磁石、62 カム、63 補給ローラー、65 エンプティセンサー、70 ジョイント、71 温度検出器、72 湿度検出器、73 モード検出器、74 CW比検出器、75 ライフ比検出器、76,76A 記憶部、77,112 操作部、78,78A 判定部、79,111 通信装置、81 信号発生器、85 スイッチ、105 通信回線、100 画像形成装置、110 データセンター。

Claims (21)

  1. 回転駆動される像担持体、前記像担持体に押圧される帯電ローラー、前記帯電ローラーに帯電バイアス電圧を印加して前記像担持体を帯電させる第1の電源、前記像担持体を露光して静電潜像を形成する露光部、前記静電潜像を現像してトナー画像を生成する現像器、前記現像器にトナーを補給するトナー補給部、前記像担持体のトナー画像を記録媒体に転写させる転写部材、および前記像担持体に残留したトナーを除去するクリーナーを含む印写部と、
    前記印写部を制御する制御部とを備え、
    トナーの表面には滑剤を含む外添剤が付着し、トナーおよび滑材は互いに逆極性に帯電しており、
    前記制御部は、
    トナー画像を記録媒体に印刷する第1のモード時には、前記第1の電源を制御して前記帯電バイアス電圧として第1の直流電圧に重畳された第1の交流電圧を前記帯電ローラーに印加させることにより、前記像担持体にトナー画像を形成し、
    前記像担持体へのフィルミングを防止する第2のモード時には、前記トナー補給部を制御して予め定められた量のトナーを前記現像器に補給させ、予め定められた時間が経過した後に、前記第1の電源を制御して前記帯電バイアス電圧として第2の直流電圧を前記帯電ローラーに印加させることにより、前記像担持体に滑材の膜を形成する、画像形成装置。
  2. 前記予め定められた量のトナーを前記現像器に補給させてから前記予め定められた時間が経過するまでの期間において前記制御部は、前記第1の電源を制御して前記帯電バイアス電圧として第3の直流電圧を前記帯電ローラーに印加させ、前記像担持体へのトナーの付着を抑制する、請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記第3の直流電圧は前記第2の直流電圧と等しい、請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記第3の直流電圧は、前記像担持体へのトナーおよび滑材の付着を抑制するため、前記第2の直流電圧よりも小さな値に設定される、請求項2に記載の画像形成装置。
  5. 前記第2および第3の直流電圧は前記第1の直流電圧よりも大きい、請求項3または4に記載の画像形成装置。
  6. 前記印写部は、前記現像器に現像バイアス電圧を印加する第2の電源を含み、
    前記第1のモード時において前記制御部は、前記第2の電源を制御して前記現像バイアス電圧として第4の直流電圧に重畳された第2の交流電圧を前記現像器に印加させ、
    前記第2のモード時において前記予め定められた時間が経過した後の期間には前記制御部は、前記第2の電源を制御して前記現像バイアス電圧として前記第4の直流電圧に重畳された前記第2の交流電圧を前記現像器に印加させる、請求項1から5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記予め定められた量のトナーを前記現像器に補給させてから前記予め定められた時間が経過するまでの期間において前記制御部は、前記第2の電源を制御して前記現像バイアス電圧として第5の直流電圧を前記現像器に印加させることにより、前記像担持体への滑材の付着を抑制する、請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記第2のモード時において前記予め定められた量のトナーを前記現像器に補給させるまでの期間には前記制御部は、前記印写部を制御して前記像担持体にパッチトナー画像を形成し、前記クリーナーに前記像担持体をクリーニングさせることにより、前記像担持体をリフレッシュする、請求項1から7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記現像器は、現像剤のトナー濃度を検出するトナー濃度検出器を有し、
    前記制御部は、
    前記第1のモード時には、前記トナー濃度検出器の検出結果に基づいて、前記現像剤のトナー濃度が目標値になるように前記トナー補給部を制御し、
    前記第2のモード時には、前記パッチトナー画像を形成してから前記予め定められた量のトナーを前記現像器に補給させるまでの期間は前記トナー補給部を停止させる、請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記第2のモード時において前記制御部は、前記トナー補給部を制御して前記予め定められた量のトナーを複数回に分けて前記現像器に補給させる、請求項1から9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  11. 前記制御部は、前記第2のモードの実行を指令する指令信号に応答して前記第2のモードを実行する、請求項1から10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  12. さらに、前記印写部の機械情報を検出する情報検出器と、
    前記情報検出器によって検出された前記機械情報が予め定められた条件を満たしているか否かを判別し、前記機械情報が前記予め定められた条件を満たしている場合に前記指令信号を前記制御部に与える判定部とを備える、請求項11に記載の画像形成装置。
  13. さらに、前記機械情報が前記予め定められた条件を満たしているか否かを判定するためのテーブルが格納された記憶部を備え、
    前記判定部は、前記情報検出器によって検出された前記機械情報と前記テーブルとに基づいて、前記機械情報が前記予め定められた条件を満たしているか否かを判定する、請求項12に記載の画像形成装置。
  14. 前記判定部は、前記情報検出器によって検出された前記機械情報、前記テーブル、および数式に基づいて、前記機械情報が前記予め定められた条件を満たしているか否かを判定する、請求項13に記載の画像形成装置。
  15. 前記テーブルの内容の書き換え、追加が可能になっている、請求項13または14に記載の画像形成装置。
  16. さらに、前記テーブルの内容の書き換え、追加を行なうための操作部と、
    前記画像形成装置とデータセンターとの間で情報を授受する通信装置とを備え、
    前記データセンターから前記通信装置および前記操作部を介して前記テーブルの内容の書き換え、追加を行なうことが可能となっている、請求項15に記載の画像形成装置。
  17. さらに、前記印写部の機械情報を検出する情報検出器と、
    前記画像形成装置とデータセンターとの間で情報を授受する通信装置とを備え、
    前記通信装置は、前記情報検出器によって検出された前記機械情報を前記データセンターに送信し、
    前記データセンターは、前記機械情報が予め定められた条件を満たしているか否かを判別し、前記機械情報が前記予め定められた条件を満たしている場合に前記指令信号を前記通信装置に送信し、
    前記通信装置は、前記指令信号を受信して前記制御部に与える、請求項11に記載の画像形成装置。
  18. 前記機械情報は、前記印写部の累積印刷枚数とその上限値との比であるライフ比を含み、
    前記予め定められた条件が満たされている場合は、前記ライフ比が予め定められた値を超えた場合を含む、請求項12から17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  19. 前記機械情報は、前記印写部の周辺の温度および湿度を含み、
    前記予め定められた条件が満たされている場合は、前記温度および前記湿度が予め定められた範囲を超えた場合を含む、請求項12から18のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  20. 前記機械情報は、前記トナー画像のカラー/ホワイト比と連続印刷枚数とを含み、
    前記予め定められた条件が満たされた場合は、前記カラー/ホワイト比が予め定められた値よりも小さく、かつ前記連続印刷枚数が予め定められた枚数よりも小さい場合を含む、請求項12から19のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  21. 前記予め定められた条件は変更可能になっている、請求項12から20のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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