JP2019182967A - 耐コロナ性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物、耐コロナ性部材、並びにポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の耐コロナ性及び絶縁性の発現方法 - Google Patents

耐コロナ性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物、耐コロナ性部材、並びにポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の耐コロナ性及び絶縁性の発現方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐コロナ性のみならず、50℃以上、30%RH以上の恒温恒湿環境下においても絶縁性を発揮し得る耐コロナ性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を提供する。【解決手段】ポリアリーレンスルフィド樹脂と、シリコーン系ポリマーと、白マイカ及び合成マイカの少なくとも1種とを含み、白マイカ及び合成マイカの少なくとも1種の含有量がポリアリーレンスルフィド樹脂100体積部に対して5〜115体積部である、耐コロナ性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物である。シリコーン系ポリマーとしては、シリコーン・アクリル共重合体、シリコーン系コアシェルゴム、及びシリコーン複合パウダーからなる群より選択される1種又は2種以上であることを好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアリーレンスルフィド樹脂を含み、耐コロナ性及び高湿環境下での絶縁破壊強さを有する樹脂組成物、該樹脂組成物を成形してなる耐コロナ性部材、並びにポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の耐コロナ性及び絶縁性の発現方法に関する。
近年、電気機器類においては、筐体や内部の電気系統部品に種々の樹脂成形品が用いられている。電気機器類としては、一般的な家庭用電化製品や産業用電気製品のみならず、例えば、自動車、自動二輪車、又はトラックなどの車両内の電気系統を司る機器類も挙げられ、そのような機器類にも樹脂成形品が広く用いられている。車両内の電気機器類として、特にエンジンルーム内に配される機器に使用される樹脂成形品としては、イグニションコイル等に起因するコロナ放電に耐えることができるものが要求される。つまり、樹脂成形品がコロナ放電に晒されると、電気トリーと呼ばれる樹枝状の局部破壊が進行し樹脂成形品の寿命を縮めることになるがこれを未然に防ぐためである。
一方、車両内の電気機器類に使用される樹脂としては、耐熱性、難燃性等が要求されるため、その要求性能を具備するポリアリーレンスルフィド樹脂(以下、「PAS樹脂」とも呼ぶ。)が好適に使用される。しかし、PAS樹脂のみでは耐コロナ性が不十分であり、樹脂成形品(組成物)に耐コロナ性を付与するための様々な提案がなされている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1には、塩化ナトリウムの含有量を0.5重量%以下とすることで耐コロナ性を向上させたポリフェニレンスルフィド(以下、「PPS樹脂」とも呼ぶ。)からなる材料(2軸延伸フィルム)が開示されている。
また、特許文献2及び3には、PAS樹脂と、導電性カーボンブラック、黒鉛、エポキシ基含有α−オレフィン系共重合体を含有する樹脂組成物からなる成形品(ケーブル用部品、難着雪リング)が開示されている。これは、樹脂組成物の体積抵抗率を適度な値にすることで耐コロナ性等とともに、耐熱性、耐候性、難燃性、防水性、気密性、靱性などの諸性能を追求したものである。
一方、特許文献4には、PAS樹脂などの樹脂成分にシリコーン系ポリマーを溶融混練してなる耐コロナ性樹脂組成物が記載されている。当該文献には、樹脂成分に対して所定量のシリコーン系ポリマーを添加すると耐コロナ性を発現させることができる旨記載されている。
また、特許文献5には、マイカを添加してなる耐コロナ性樹脂組成物が開示されている。この樹脂組成物を成形して得られる成形品は、コロナ放電に晒されるときに生じる電気トリーの進行を、マイカの板状形状が効率よく妨害し、遅延させ、耐コロナ性の向上を図るものと考えられる。
特開昭59−79903号公報 特開平11−53943号公報 特開平11−150848号公報 国際公開第2015/064499号公報 国際公開第2014/065377号公報
特許文献4及び5に記載の通り、PAS樹脂組成物にシリコーン系ポリマー又はマイカを添加することにより耐コロナ性を発揮することができる。しかし、本発明者の検討によると、PAS樹脂組成物にシリコーン系ポリマーを添加したのみでは、恒温恒湿環境下において、絶縁破壊強さが大幅に低下することが判明した。すなわち、特許文献4及び5においては、恒温恒湿(例えば、85℃、85%RH)のような過酷な環境下においても絶縁性を発揮することまで考慮されていない。ここで、絶縁破壊強さの低下は、特に湿度の影響が大きいと考えられる。例えば、上記の条件よりもややマイルドな85℃、50%RHの環境下でも、絶縁破壊強さの低下が見られることが判明した。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その課題は、耐コロナ性のみならず、50℃以上、30%RH以上の恒温恒湿環境下においても絶縁性を発揮し得る耐コロナ性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物、耐コロナ性部材、並びにポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の耐コロナ性及び50℃以上、30%RH以上の恒温恒湿環境下での絶縁性の発現方法を提供することにある。
前記課題を解決する本発明の一態様は以下の通りである。
(1) ポリアリーレンスルフィド樹脂と、シリコーン系ポリマーと、白マイカ及び合成マイカの少なくとも1種とを含み、
前記白マイカ及び合成マイカの少なくとも1種の含有量が、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂100体積部に対して5〜115体積部である、耐コロナ性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
(2)前記白マイカ及び合成マイカの少なくとも1種の含有量が、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂100体積部に対して15〜50体積部である、前記(1)に記載の耐コロナ性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
(3)前記シリコーン系ポリマーを、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂100体積部に対して20〜80体積部含む前記(1)又は(2)に記載の耐コロナ性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
(4)前記シリコーン系ポリマーが、シリコーン・アクリル共重合体、シリコーン系コアシェルゴム、及びシリコーン複合パウダーからなる群より選択される1種又は2種以上である、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の耐コロナ性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
(5)さらに、繊維状無機フィラーを含む、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の耐コロナ性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
(6)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の耐コロナ性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を成形してなる耐コロナ性部材。
(7)ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物にシリコーン系ポリマーと、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂100体積部に対して5〜115体積部の白マイカ及び合成マイカの少なくとも1種を添加することにより耐コロナ性及び50℃以上、30%RH以上の恒温恒湿環境下での絶縁性を発現させるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の耐コロナ性及び絶縁性の発現方法。
本発明によれば、耐コロナ性のみならず、50℃以上、30%RH以上の恒温恒湿環境といった過酷な環境下においても絶縁性を発揮し得る耐コロナ性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物、耐コロナ性部材並びにポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の耐コロナ性及び絶縁性の発現方法を提供することができる。
板状無機フィラーを含有するPAS樹脂成形品に電圧印加する様子を模式的に示す図である。 板状無機フィラーを含有するPAS樹脂成形品に電圧印加する様子を模式的に示す図である。 耐コロナ性試験における、試験片と各電極の配置について概念的に示す図である。 絶縁破壊強さの測定時における試験片と電極の配置構成を概念的に示す図である。
<耐コロナ性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物>
本実施形態の耐コロナ性PAS樹脂組成物(以下、単に「PAS樹脂組成物」とも呼ぶ)は、ポリアリーレンスルフィド樹脂と、シリコーン系ポリマーと、白マイカ及び合成マイカの少なくとも1種とを含み、白マイカ及び合成マイカの少なくとも1種の含有量が、ポリアリーレンスルフィド樹脂100体積部に対して5〜115体積部であることを特徴としている。
上述の通り、PAS樹脂組成物にシリコーン系ポリマーを添加することにより耐コロナ性を発現させることができるが、恒温恒湿環境下(50℃以上、30%RH以上、1時間以上)における絶縁性までは発現させることができない。そこで、本実施形態のPAS樹脂組成物においては、所定量の白マイカ及び合成マイカの少なくとも1種を含有させることにより、耐コロナ性と同時に恒温恒湿環境下における絶縁性の発現を実現している。白マイカ及び合成マイカに限らず、マイカは全般的に耐コロナ性の発現に寄与するが、中でも、白マイカ及び合成マイカを用いると、恒温恒湿環境下においても絶縁性を発現することができる。白マイカにより、恒温恒湿環境下における絶縁性が向上するのは、白マイカは他のマイカと比較して脱水温度が低いため水分が逃げやすく、水分の影響が軽減されるためと推察される。また、合成マイカは疎水性を有するため吸水し難く、水分の影響が軽減されるためと推察される。ただし、これらの白マイカ又は合成マイカによる効果発現のメカニズムはあくまでも推察であり、別のメカニズムによることも考えられる。
なお、本明細書において、各成分の「体積%」及び「体積部」は、各成分の質量と比重に基づいて計算で算出される値である。本明細書において、比重は、JIS Z8807固体比重測定法に準拠して測定される比重23/4℃を意味する。
以下にまず、耐コロナ性PAS樹脂組成物の各成分について説明する。
[ポリアリーレンスルフィド樹脂]
PAS樹脂は、機械的性質、電気的性質、耐熱性その他物理的・化学的特性に優れ、かつ加工性が良好であるという特徴を有する。
PAS樹脂は、主として、繰返し単位として−(Ar−S)−(但しArはアリーレン基)で構成された高分子化合物であり、本実施形態では一般的に知られている分子構造のPAS樹脂を使用することができる。
上記アリーレン基としては、例えば、p−フェニレン基、m−フェニレン基、o−フェニレン基、置換フェニレン基、p,p’−ジフェニレンスルフォン基、p,p’−ビフェニレン基、p,p’−ジフェニレンエーテル基、p,p’−ジフェニレンカルボニル基、ナフタレン基などが挙げられる。PAS樹脂は、上記繰返し単位のみからなるホモポリマーでもよいし、下記の異種繰返し単位を含んだコポリマーが加工性等の点から好ましい場合もある。
ホモポリマーとしては、アリーレン基としてp−フェニレン基を用いた、p−フェニレンスルフィド基を繰返し単位とするポリフェニレンスルフィド樹脂が好ましく用いられる。また、コポリマーとしては、前記のアリーレン基からなるアリーレンスルフィド基の中で、相異なる2種以上の組み合わせが使用できるが、中でもp−フェニレンスルフィド基とm−フェニレンスルフィド基を含む組み合わせが特に好ましく用いられる。この中で、p−フェニレンスルフィド基を70モル%以上、好ましくは80モル%以上含むものが、耐熱性、成形性、機械的特性等の物性上の点から適当である。また、これらのPAS樹脂の中で、2官能性ハロゲン芳香族化合物を主体とするモノマーから縮重合によって得られる実質的に直鎖状構造の高分子量ポリマーが、特に好ましく使用できる。尚、本実施形態に用いるPAS樹脂は、異なる2種類以上の分子量のPAS樹脂を混合して用いてもよい。
尚、直鎖状構造のPAS樹脂以外にも、縮重合させるときに、3個以上のハロゲン置換基を有するポリハロ芳香族化合物等のモノマーを少量用いて、部分的に分岐構造または架橋構造を形成させたポリマーや、低分子量の直鎖状構造ポリマーを酸素等の存在下、高温で加熱して酸化架橋または熱架橋により溶融粘度を上昇させ、成形加工性を改良したポリマーも挙げられる。
本実施形態に使用する基体樹脂としてのPAS樹脂の溶融粘度(310℃・せん断速度1216sec−1)は、上記混合系の場合も含め600Pa・s以下が好ましく、中でも8〜300Pa・sの範囲にあるものは、機械的物性と流動性のバランスが優れており、特に好ましい。
なお、本実施形態のPAS樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、樹脂成分として、上述のPAS樹脂、シリコーン系ポリマー、白マイカ及び合成マイカの少なくとも1種に加えて、その他の樹脂成分を含んでもよい。その他の樹脂成分としては、特に限定はなく、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、液晶樹脂、弗素樹脂、環状オレフィン系樹脂(環状オレフィンポリマー、環状オレフィンコポリマー等)、熱可塑性エラストマー、上述のシリコーン系ポリマー以外のシリコーン系ポリマー、各種の生分解性樹脂等が挙げられる。また、2種類以上の樹脂成分を併用してもよい。その中でも、機械的性質、電気的性質、物理的・化学的特性、加工性等の観点から、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアセタール樹脂、液晶樹脂等が好ましく用いられる。
[シリコーン系ポリマー]
シリコーン系ポリマーとしては、シリコーン・アクリル共重合体、シリコーン系コアシェルゴム、及びシリコーン複合パウダーからなる群より選択される1種または2種以上のシリコーン系ポリマーが使用されることが好ましい。これらのシリコーン系ポリマーは、耐コロナ性向上の効果に優れている。
(シリコーン・アクリル共重合体)
シリコーン・アクリル共重合体は、アクリル構造単位(アクリル成分)とSi含有構造単位(シリコーン成分)とを含む共重合体である。アクリル成分は、(メタ)アクリル酸エステル等のアクリル系モノマーに由来する。(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、C1−12アルキルアクリレートが挙げられる。Si含有構造単位としては、モノメチルシロキサン単位、ジメチルシロキサン単位、モノフェニルシロキサン単位、ジフェニルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位等が挙げられるがこれらに限定されない。また、これらの構造単位の一部が、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、メタクリロキシ基、メルカプト基などで変性されていてもよい。
また、シリコーン・アクリル共重合体は、上述のアクリル成分とシリコーン成分に加えて、コモノマー成分を共重合させて得られる重合体であってもよい。コモノマー成分としては、例えば、アクリル系モノマー以外の不飽和結合含有モノマーが挙げられる。アクリル系モノマー以外の不飽和結合含有モノマーとしては、(メタ)アクリロニトリル等のニトリル系モノマー;スチレン等の芳香族ビニルモノマー;ブタジエン、イソプレン等のジエン系モノマーが挙げられる。また、シリコーン・アクリル共重合体は、架橋性モノマーを共重合させて得られる重合体であってもよい。架橋性モノマーとしては、ポリオールとアクリル酸のエステル類、ビニル化合物、アリル化合物等が挙げられる。
シリコーン・アクリル共重合体の重合形態は特に限定されないが、例えば、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体等が挙げられる。
(シリコーン系コアシェルゴム)
シリコーン系コアシェルゴムとしては、コア層と、コア層を覆う1層以上のシェル層とから構成される粒子状のものが挙げられ、コア層またはシェル層の少なくとも1層がゴム弾性体を含有する。ゴム弾性体は特に限定されないが、アクリル成分、シリコーン成分、スチレン成分、ニトリル成分、共役ジエン成分等から選ばれる1種以上を重合させて得られるゴム、またはその架橋ゴムが好ましい。また、コア層またはシェル層の少なくとも1層が、主成分として上述のSi含有構造単位を含むゴム弾性体であることがより好ましい。コア層とシェル層はグラフト共重合によって結合されていてもよい。一実施形態では、コア層がゴム弾性体を含むことが好ましい。
シリコーン系コアシェルゴムの例としては、例えば、シリコーンゴムや上述のシリコーン・アクリル共重合体等のゴム成分を含むコア層と、(メタ)アクリル酸エステル及び/又は(メタ)アクリロニトリルを主成分として重合又は共重合して得られる重合体を含むシェル層を有するコアシェル構造の粒子等が挙げられるがこれらに限定されない。シェル層に含まれる重合体としては、環境保護や安全性の観点から、(メタ)アクリル酸エステルを主成分として重合又は共重合して得られる重合体がより好ましい。シリコーンゴムの例としては、主成分として上述のSi含有構造単位を含むポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ジメチルシロキサン−ジフェニルシロキサン共重合体などのポリオルガノシロキサンや変性ポリオルガノシロキサンが挙げられる。
(シリコーン複合パウダー)
シリコーン複合パウダーの例としては、球状シリコーンゴムの表面をシリコーンレジンで被覆した球状粉末等が挙げられるがこれに限定されるものではない。
中でも、耐コロナ性向上の観点から、シリコーン・アクリル共重合体、及びシリコーン系コアシェルゴムが好ましく、耐コロナ性の効果がより高いことから、シリコーン系コアシェルゴムが好ましい。
なお、本明細書において、用語「(メタ)アクリル酸」は、いずれか一方を指すことを明記していない限り、アクリル酸及びメタクリル酸の両方を包含する意味で用いる。同様に、用語「(メタ)アクリロニトリル」は、アクリロニトリルとメタクリロニトリルの両方を包含する意味で用いる。
シリコーン・アクリル共重合体、シリコーン系コアシェルゴム、及びシリコーン複合パウダーとしては特に制限はなく、例えば市販のものを用いることができる。上市品の例としては、シリコーン系コアシェルゴムとして、(株)カネカ製 KANE ACE MR−01等;シリコーン複合パウダーとして、信越化学工場(株)製、KMP−600等;シリコーン−アクリル共重合体として、日信化学工業(株)製、R−181S等;等が挙げられるがこれらに限定されない。
シリコーン系ポリマーの含有量は、耐コロナ性を発現させる観点から、PAS樹脂100体積部に対して、20〜80体積部とすることが好ましく、25〜75体積部とすることがより好ましい。
[マイカ(白マイカ、合成マイカ)]
本実施形態においては、白マイカ(KAl(AlSi10)(OH))及び合成マイカ(KMg(AlSi)O10)の少なくとも1種を用いる。上述の通り、白マイカ及び合成マイカは、耐コロナ性の効果を発現させるとともに、恒温恒湿のような過酷な環境下においても絶縁性を維持し得る。
白マイカ及び合成マイカの平均粒子径(50%d)は、恒温恒湿環境下での絶縁性を発現させるため5〜500μmであることが好ましく、10〜300μmであることがより好ましい。
なお、本明細書において、平均粒子径(50%d)とは、レーザー回折・散乱法により測定した粒度分布における積算値50%のメジアン径を意味する。
マイカの上市品の例として、白マイカとしては、(株)ヤマグチマイカ製、AB−25S(平均粒子径(50%d):24μm)、同B−82(平均粒子径(50%d):137μm)など;合成マイカとしては、トピー工業(株)製、PDM−7−80(平均粒子径(50%d):70μm)などが挙げられるがこれらに限定されない。
白マイカ及び合成マイカの含有量は、恒温恒湿環境下での絶縁性を発現させる観点から、PAS樹脂100体積部に対して、5〜115体積部であり、15〜50体積部とすることが好ましい。なお、白マイカと合成マイカとを併用してもよい。
[繊維状無機フィラー]
繊維状無機フィラーの例としては、比表面積が大きいものであれば特に限定されない。例えば、ガラス繊維、ウィスカー、ウォラストナイト等が挙げられ、ガラス繊維が好ましい。繊維状無機フィラーは、繊維径が3〜13μmの範囲にあるものが好ましく、3〜11μmの範囲にあるものがより好ましい。繊維径が13μm以下であると機械強度向上の観点でより好ましい。また、入手の容易さの点では繊維径が3μm以上であることが好ましい。繊維径が3〜11μmの範囲にあるものがより好ましい。また、異径比が1〜4、かつ、アスペクト比が2〜1500の形状であることが好ましい。なお、本明細書において、異径比とは、「長手方向に直角の断面の長径(断面の最長の直線距離)/短径(長径と直角方向の最長の直線距離)」であり、アスペクト比とは、「長手方向の最長の直線距離/長手方向に直角の断面の短径(「断面の最長の直線距離」と直角方向の最長の直線距離)」である。
上市品の例としては、日本電気硝子(株)製、チョップドガラス繊維(ECS03T−790DE、平均繊維径:6μm)、オーウェンスコーニング製造(株)製、チョップドガラス繊維(CS03DE 416A、平均繊維径:6μm)、日本電気硝子(株)製、チョップドガラス繊維(ECS03T−747H、平均繊維径:10.5μm)、日本電気硝子(株)製、チョップドガラス繊維(ECS03T−747、平均繊維径:13μm)等が挙げられる。
[他の成分]
本実施形態のPAS樹脂組成物は、本発明の効果を妨げない範囲で、滑剤、核剤、難燃剤、難燃助剤、酸化防止剤、金属不活性剤、その他老化防止剤、UV吸収剤、安定剤、可塑剤、顔料、染料、着色剤、帯電防止剤、発泡剤、ガラスビーズ、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、ガラスフレーク、カオリン、クレイ、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化硼素等の窒化物を用いたフィラー;硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム等の難溶性イオン結晶粒子;半導体材料(Si、Ge、Se、Te等の元素半導体;酸化物半導体等の化合物半導体等)を用いたフィラー、有機フィラー、導電性フィラー等を含有していてもよい。
本実施形態のPAS樹脂組成物において、上述のPAS樹脂と、シリコーン系ポリマーと、白マイカ及び合成マイカの少なくとも1種との含有量の合計が、PAS樹脂組成物全体の70質量%以上であることが好ましく、より好ましくは80質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上(100質量%を含む)である。
本実施形態のPAS樹脂組成物は、PAS樹脂と、シリコーン系ポリマーと、白マイカ及び合成マイカの少なくとも1種(ポリアリーレンスルフィド樹脂100体積部に対して5〜115体積部)と、を少なくとも含有する混合成分を、溶融混練することにより製造することができる。本実施形態のPAS樹脂組成物の製造方法は特に限定されず、当該技術分野で知られている各種方法を採用することができる。例えば、上述した各成分を混合した後、押出機に投入し、溶融混練し、ペレット化する方法が挙げられる。また、一旦組成の異なるペレットを調製し、そのペレットを所定量混合して成形に供し、成形後に目的組成の成形品を得る方法、成形機に各成分の1又は2以上を直接仕込む方法等を用いてもよい。
本実施形態のPAS樹脂組成物を用いて成形品を成形する方法としては特に限定はなく、当該技術分野で知られている各種方法を採用することができる。例えば、本実施形態のPAS樹脂組成物を押出機に投入して溶融混練してペレット化し、このペレットを所定の金型を装備した射出成形機に投入し、射出成形することで作製することができる。
PAS樹脂成形品の形状は特に限定されず用途に応じて適宜選択することができる。例えば、シート状、板状、筒状、被膜状等の他、所望の形状の三次元成形体に成形することができる。
また、本実施形態のPAS樹脂組成物を用いた成形品(以下、「PAS樹脂成形品」と呼ぶ)において、白マイカ及び合成マイカ又は他の板状無機フィラー(以下、これらを総称して「板状無機フィラー」と呼ぶ)がコロナ放電に起因する電圧方向と直交するように配向していることが好ましい。具体的には、PAS樹脂成形品に電圧が印加された場合において、板状無機フィラーが電圧の印加方向と直交するように配向させる、換言するとコロナ放電に起因する電圧方向と直交するように、成形品中の板状無機フィラーが互いに平行となるように一方向に配向させることが好ましい。ここで、板状無機フィラーの配向方向が、コロナ放電に起因する電圧方向と直交するとは、板状無機フィラーの法線方向とコロナ放電に起因する電圧方向とが一致する状態を意味するが、当該法線方向と電圧方向とが完全に一致する必要はなく、本実施形態の効果を損なわない範囲においてずれていても構わない。
以下に、上記板状無機フィラーの配向状態について図1及び図2を参照して説明する。図1、図2は、PAS樹脂成形品に高電圧を印加する様子を模式的に示している。図1、図2において、平板状のPAS樹脂成形品10A、10Bの上方に高圧側電極12、下方にアース側電極14が配置されており、両電極により高周波・高電圧を印加した場合に高圧側電極12の先端近傍にコロナ放電が発生し、PAS樹脂成形品10A、10Bの表面がコロナ放電に晒される。そして、図1においては、PAS樹脂成形品10Aの内部には電圧の印加方向と直交するように板状無機フィラー16が配向しており、図2においては、PAS樹脂成形品10Bの内部には電圧方向と平行になるように板状無機フィラー16が配向している。このような構成において、高周波・高電圧を印加してコロナ放電を発生させた場合、図1の構成では、電気トリーが発生してもその進行を妨害するように板状無機フィラー16が配向しているため、その進行を遅らせることができる。ひいては、PAS樹脂成形品10Aの長寿命化を達成することができると考えられる。一方、図2の構成では、電気トリーの進行方向には隙間が多く存在し、電気トリーの進行の妨害効果は小さい。
以上より、図1に示すように板状無機フィラーを配向したPAS樹脂成形品を、その内部の板状無機フィラーがコロナ放電に起因する電圧の印加方向と直交するように配置することで、耐コロナ性の効果をより効果的に発揮することができる。
上記のように、PAS樹脂成形品中の板状無機フィラーを上記のような方向に配向させるには、例えば、射出成形時において、板状無機フィラーを配向させる所望の方向が樹脂の流動方向となるように金型のゲート位置を設定することで実現することができる。
PAS樹脂成形品中の板状無機フィラーを上記のように配向させる場合において、当該PAS樹脂成形品の形状としては、例えば、シート状、板状、筒状、または被膜状とすることができる。この場合、各形状の部材において、その肉厚方向と直交するようにマイカを配向させると、部材の肉厚方向に印加される電圧に起因して発生するコロナ放電に対して優れた耐久性を発現させることができる。
例えば、シート状のPAS樹脂成形品においては、そのシートの肉厚方向、すなわちシート面と直交する方向に高周波・高電圧が印加された場合、コロナ放電によりシートの肉厚方向に電気トリーが進行するが、板状無機フィラーが上記のように配向していると電気トリーの進行を最も効果的に阻止することができ、シート状のPAS樹脂成形品の寿命を長くすることが可能となる。他の形状においても同様である。
<耐コロナ性部材>
本実施形態の耐コロナ性部材は、上述の耐コロナ性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を成形してなる。すなわち、以上のPAS樹脂成形品は、耐コロナ性が要求される部材として用いることができる。そのような部材としては、例えば、イグニションコイルの筐体、絶縁電線、電気絶縁シートが挙げられる。特に、本実施形態においては、50℃以上、30%RH以上の恒温恒湿環境下においても絶縁性を維持することができるため、そのような環境である車両のエンジンルーム内などにおいても、耐コロナ性に加え、同時に絶縁性を維持することができる。
<ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の耐コロナ性及び絶縁性の発現方法>
本実施形態のPAS樹脂組成物の耐コロナ性及び絶縁性の発現方法は、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物にシリコーン系ポリマーと、ポリアリーレンスルフィド樹脂100体積部に対して5〜115体積部の白マイカ及び合成マイカの少なくとも1種を添加することにより耐コロナ性及び50℃以上、30%RH以上の恒温恒湿環境下での絶縁性を発現させることを特徴としている。
既述の通り、本実施形態のPAS樹脂組成物においては、シリコーン系ポリマーと、所定量の白マイカ及び合成マイカの少なくとも1種とを添加することで耐コロナ性及び所定条件下での絶縁性を発現させている。換言すると、PAS樹脂組成物にシリコーン系ポリマーと、所定量の白マイカ及び合成マイカの少なくとも1種とを添加することにより、その樹脂組成物に耐コロナ性及び所定条件下での絶縁性を発現させることができる。
本実施形態のPAS樹脂組成物の耐コロナ性及び絶縁性の発現方法におけるPAS樹脂及びシリコーン系ポリマー、白マイカ及び合成マイカは、既述の本発明のPAS樹脂組成物における樹脂及びシリコーン系ポリマー、白マイカ及び合成マイカと同じであり、耐コロナ性を発現させるための各成分の好ましい例や添加量、添加し得る他の成分も同様である。
以下に、実施例により本実施形態をさらに具体的に説明するが、本実施形態は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜3、比較例1〜2]
表1に示すように、各実施例・比較例において、各原料成分を、シリンダー温度320℃の二軸押出機の原料供給部(ホッパー)より投入し(白マイカ、合成マイカおよび非導電性無機フィラーは押出機のサイドフィード部より別添加)、押出量20kg/Hr、スクリュー回転数200rpmの条件で溶融混練し、ペレット化した。
表1に示す各原料成分の詳細を以下に記す。
(1)PAS樹脂成分
・PPS樹脂:(株)クレハ製、フォートロンKPS(溶融粘度:130Pa・s(せん断速度:1216sec−1、310℃))、比重:1.35(23/4℃)
(PPS樹脂の溶融粘度の測定)
上記PPS樹脂の溶融粘度は以下のようにして測定した。
東洋精機製作所製キャピログラフを用い、キャピラリーとして1mmφ×20mmLのフラットダイを使用し、バレル温度310℃、せん断速度1216sec−1での溶融粘度を測定した。
(2)シリコーン系ポリマー
・シリコーンゴム:(株)カネカ製 KANE ACE MR−01(シリコーンアクリルコアシェルゴム)、比重:1.1(23/4℃)
(3)マイカ
・白マイカ:(株)ヤマグチマイカ製 B−82(平均粒子径(50%d):137μm)、比重:2.9(23/4℃)
・合成マイカ:トピー工業(株)製、PDM−7−80(平均粒子径(50%d):70μm)、比重:2.9(23/4℃)
・金マイカ:西日本貿易(株)製、150−S(平均粒子径(50%d):163μm)、比重:2.9(23/4℃)
(4)非導電性無機フィラー
・ガラス繊維:チョップドガラス繊維、日本板硝子(株)製、ECS03T−747H 平均繊維径:10.5μm、比重:2.6(23/4℃)
なお、表1中、シリコーン系ポリマー、各マイカ及びガラス繊維の含有量は、PAS樹脂100体積部に対する体積部で表す。各成分の含有量は、質量と、JIS Z8807固体比重測定法に準拠して測定した比重(23/4℃)に基づき算出した。
[評価]
得られた各実施例・比較例のペレットを用いて以下の評価を行った。
(1)曲げ強さ
射出成形にて、シリンダー温度320℃、金型温度150℃でISO3167に準じた試験片(幅10mm、厚み4mmt)を作製し、ISO178に準じて曲げ強さ(FS)を測定した。
(2)耐コロナ性試験
上述のようにして作製した各実施例・比較例のペレットから、射出成形機(住友重機械工業(株)製、SE100D)により、シリンダー温度320℃、金型温度150℃で縦80mm、横80mm、厚み1mmの平板を作製した。図3に示すように、得られた試験片10を、高圧側電極12(φ9.5mm)とアース側電極14(φ25mm)の間に固定し、耐電圧試験機(ヤマヨ試験機有限会社製YST−243WS−28)を用いて、空気中で、130℃、周波数200Hz、印加電圧18kVを加え、絶縁破壊が生じるまでの時間を測定した。測定後、試験片上のコロナ放電を当てた辺り(具体的には、電極を接触させた部位及びその周辺)の白化の有無を、目視で確認した。測定結果を表1に示す。
(3)恒温恒湿処理後の絶縁破壊強さ
各実施例・比較例において、上記「耐コロナ性試験」において作製した試験片と同様に作製した試験片を、エスペック(株)製 恒温恒湿器PR−1KPを用い、温度85℃、湿度85%RH環境中で100時間暴露し、恒温恒湿処理を行った。恒温恒湿処理した試験片を、IEC60243−1に準じて、絶縁破壊試験装置(YST−243−100AD、ヤマヨ試験器(有)製)を用い、試験片の厚み方向の絶縁破壊電圧を測定した。具体的には、図4に示すように、高圧絶縁油が満たされた試験槽中において、試験片を高圧側電極(φ25mmの円筒)と低圧側電極(φ25mmの円筒)との間に固定し、常温において50Hzの交流電圧を電圧上昇速度2kV/sにて昇圧して絶縁破壊電圧を測定した。尚、この絶縁破壊電圧が大きいほど、恒温恒湿環境下において耐コロナ性が優れる傾向にあることが分かっている。測定結果を表1に示す。
Figure 2019182967
表1に示す結果より、実施例1〜3はいずれも、耐コロナ性試験において、コロナ破壊寿命2000時間以上という長時間の耐久性が得られ、かつ、耐コロナ性試験後の試験片に白化は認められず、優れた耐コロナ性が得られたことが分かる。また、実施例1〜2においては、恒温恒湿処理後の絶縁破壊強さも優れた結果が得られた。なお、実施例3においては、白マイカとガラス繊維とを併用した例であり、ガラス繊維を含むため曲げ強さにおいて良好な結果が得られた。ただ、白マイカの量は実施例1の約半分であるため恒温恒湿処理後の絶縁破壊強さは実施例1ほどの数値とはならなかった。
一方、金マイカを使用したこと以外は実施例1及び2と同様の比較例2においては、耐コロナ性は実施例1〜2と同等であったが、恒温恒湿処理後の絶縁破壊強さについては実施例1〜2よりも劣っていた。つまり、金マイカを用いても、恒温恒湿処理後の絶縁破壊強さの向上させることができないことが分かる。
また、金マイカ及びシリコーンゴムの量を増加した比較例1においても恒温恒湿処理後の絶縁破壊強さは比較例2と同等であった。つまり、金マイカ及びシリコーンゴムを増加しても恒温恒湿処理後の絶縁破壊強さの向上には寄与しないことが分かる。
10 試験片
10A PAS樹脂成形品
10B PAS樹脂成形品
12 高圧側電極
14 アース側電極
16 板状無機フィラー

Claims (7)

  1. ポリアリーレンスルフィド樹脂と、シリコーン系ポリマーと、白マイカ及び合成マイカの少なくとも1種とを含み、
    前記白マイカ及び合成マイカの少なくとも1種の含有量が、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂100体積部に対して5〜115体積部である、耐コロナ性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  2. 前記白マイカ及び合成マイカの少なくとも1種の含有量が、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂100体積部に対して15〜50体積部である、請求項1に記載の耐コロナ性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  3. 前記シリコーン系ポリマーを、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂100体積部に対して20〜80体積部含む、請求項1又は2に記載の耐コロナ性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  4. 前記シリコーン系ポリマーが、シリコーン・アクリル共重合体、シリコーン系コアシェルゴム、及びシリコーン複合パウダーからなる群より選択される1種又は2種以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐コロナ性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  5. さらに、繊維状無機フィラーを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐コロナ性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の耐コロナ性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を成形してなる耐コロナ性部材。
  7. ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物にシリコーン系ポリマーと、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂100体積部に対して5〜115体積部の白マイカ及び合成マイカの少なくとも1種を添加することにより耐コロナ性及び50℃以上、30%RH以上の恒温恒湿環境下での絶縁性を発現させるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物の耐コロナ性及び絶縁性の発現方法。
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