JP7021074B2 - 耐コロナ性部材用樹脂組成物、樹脂組成物の耐コロナ性発現方法及び耐コロナ性部材 - Google Patents

耐コロナ性部材用樹脂組成物、樹脂組成物の耐コロナ性発現方法及び耐コロナ性部材 Download PDF

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Description

本発明は、コロナ放電に対する耐久性を有する耐コロナ性樹脂組成物、樹脂組成物の耐コロナ性発現方法、及び耐コロナ性樹脂組成物を成形してなる耐コロナ性部材に関する。
近年、電気機器類においては、筐体や内部の電気系統部品に種々の樹脂成形品が用いられている。電気機器類としては、一般的な家庭用電化製品や産業用電気製品のみならず、例えば、自動車、自動二輪車、又はトラックなどの車両内の電気系統を司る機器類も挙げられ、そのような機器類にも樹脂成形品が広く用いられている。車両内の電気機器類として、特にエンジンルーム内に配される機器に使用される樹脂成形品としては、イグニションコイル等に起因するコロナ放電に耐えることができるものが要求される。つまり、樹脂成形品がコロナ放電に晒されると、電気トリーと呼ばれる樹枝状の局部破壊が進行し樹脂成形品の寿命を縮めることになるがこれを未然に防ぐためである。
一方、車両内の電気機器類に使用される樹脂としては、耐熱性、難燃性等が要求されるため、その要求性能を具備するポリアリーレンスルフィド樹脂(以下、「PAS樹脂」とも呼ぶ。)が好適に使用される。しかし、PAS樹脂のみでは耐コロナ性が不十分であり、樹脂成形品(組成物)に耐コロナ性を付与するための提案が種々なされている(例えば、特許文献1~3参照)。
特許文献1には、塩化ナトリウムの含有量を0.5重量%以下とすることで耐コロナ性を向上させたポリフェニレンスルフィド樹脂(以下、「PPS樹脂」とも呼ぶ。)からなる材料(2軸延伸フィルム)が開示されている。
また、特許文献2及び3には、PAS樹脂と、導電性カーボンブラック、黒鉛、エポキシ基含有α-オレフィン系共重合体を含有する樹脂組成物からなる成形品(ケーブル用部品、難着雪リング)が開示されている。これは、樹脂組成物の体積抵抗率を適度な値にすることで耐コロナ性等とともに、耐熱性、耐候性、難燃性、防水性、気密性、靱性などの諸性能を追求したものである。
一方、PAS樹脂を含む樹脂組成物の諸性能を向上させるため、ポリシロキサンなどのシリコーン系ポリマーを併用した樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献4~5参照)。特許文献4に記載の樹脂組成物は優れた撥水性を得るためのものであり、特許文献5に記載の樹脂組成物は優れた機械強度及び耐薬品性を得るためのものである。
また、特許文献6には、樹脂成分にシリコーン系ポリマーを溶融混練してなる耐コロナ性樹脂組成物が記載されている。当該文献には、シリコーン系ポリマーの添加量が増大すると耐コロナ性が向上することが記載され、樹脂組成物の機械物性に関する開示はない。
このように、耐コロナ性と機械物性とのバランスに優れた樹脂組成物は知られていないのが現状である。
特開昭59-79903号公報 特開平11-53943号公報 特開平11-150848号公報 特開平8-231852号公報 特開2011-111468号公報 国際公開第2015/064499号A1パンフレット
本発明は上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その課題は、耐コロナ性と機械物性とのバランスに優れた耐コロナ性樹脂組成物、樹脂組成物の耐コロナ性発現方法及び耐コロナ性部材を提供することにある。
〔1〕本発明の一態様は、ポリアリーレンスルフィド樹脂と、シリコーン系ポリマーと、非導電性無機フィラーとを少なくとも含有し、
前記シリコーン系ポリマーが、シリコーン・アクリル共重合体、シリコーン系コアシェルゴム、及びシリコーン複合パウダーからなる群より選ばれる1種または2種以上であり、
前記非導電性無機フィラーが、繊維状無機フィラー、粒状無機フィラー、及び板状無機フィラーからなる群より選ばれる1種または2種以上であり、かつ、前記粒状無機フィラー及び前記板状無機フィラー(ガラスフレークを除く)を含有する場合においてはそれぞれ1種単独では含有せず、少なくとも前記繊維状無機フィラーとともに含有し、
前記非導電性無機フィラーの含有量が、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂100体積部に対して30体積部以上150体積部以下であり、
前記シリコーン系ポリマーの含有量が、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂及び前記シリコーン系ポリマーの含有量の合計に対して、45体積%以下であり、かつ、
前記シリコーン系ポリマーと前記非導電性無機フィラーの含有量の合計が、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂100体積部に対して、85体積部以上である耐コロナ性樹脂組成物に関する。
〔2〕本発明の更なる一態様は、前記繊維状無機フィラーが、ガラス繊維であり、前記粒状無機フィラーが、ガラスビーズ及びシリカからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、前記板状無機フィラーが、ガラスフレーク及びマイカからなる群より選ばれる少なくとも1種である、耐コロナ性樹脂組成物に関する。
〔3〕本発明の更なる一態様は、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂がポリフェニレンスルフィド樹脂を含有する、上記耐コロナ性樹脂組成物に関する。
〔4〕本発明の更なる一態様は、前記シリコーン系ポリマーがシリコーン・アクリル共重合体及びシリコーン系コアシェルゴムからなる群より選ばれる1種または2種以上を含有する、上記耐コロナ性樹脂組成物に関する。
〔5〕本発明の更なる一態様は、前記非導電性無機フィラーの含有量が、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂100体積部に対して40体積部以上である、上記耐コロナ性樹脂組成物に関する。
〔6〕本発明の別の一態様は、樹脂組成物の耐コロナ性発現方法であって、
ポリアリーレンスルフィド樹脂に、シリコーン系ポリマー及び非導電性無機フィラーを添加する工程を含み、
前記シリコーン系ポリマーが、シリコーン・アクリル共重合体、シリコーン系コアシェルゴム、及びシリコーン複合パウダーからなる群より選ばれる1種または2種以上であり、
前記非導電性無機フィラーが、繊維状無機フィラー、粒状無機フィラー、及び板状無機フィラーからなる群より選ばれる1種または2種以上であり、かつ、前記粒状無機フィラー及び前記板状無機フィラー(ガラスフレークを除く)を含有する場合においてはそれぞれ1種単独では含有せず、少なくとも前記繊維状無機フィラーとともに含有し、
前記非導電性無機フィラーの含有量が、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂100体積部に対して30体積部以上150体積部以下であり、
前記シリコーン系ポリマーの含有量が、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂及び前記シリコーン系ポリマーの含有量の合計に対して、45体積%以下であり、かつ、
前記シリコーン系ポリマーと前記非導電性無機フィラーの含有量の合計が、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂100体積部に対して、85体積部以上である樹脂組成物の耐コロナ性発現方法に関する。
〔7〕本発明の別の一態様は、上記耐コロナ性樹脂組成物を成形してなる耐コロナ性部材に関する。
本発明の実施形態によれば、耐コロナ性と機械物性とのバランスに優れた耐コロナ性樹脂組成物、樹脂組成物の耐コロナ性発現方法及び耐コロナ性部材を提供することができる。
耐コロナ性試験における、試験片と各電極の配置について概念的に示す図である。 板状無機フィラーを含有する耐コロナ性部材に電圧印加する様子を模式的に示す図である。 板状無機フィラーを含有する耐コロナ性部材に電圧印加する様子を模式的に示す図である。
<耐コロナ性樹脂組成物>
本実施形態の耐コロナ性樹脂組成物は、ポリアリーレンスルフィド樹脂(PAS樹脂)と、特定のシリコーン系ポリマーと、非導電性無機フィラーとを、所定の比率で含有することを特徴としている。
本実施形態の耐コロナ性樹脂組成物において、シリコーン系ポリマーは耐コロナ性の向上に寄与することができる成分であり、シリコーン系ポリマーの含有量が多いほど耐コロナ性が向上することが予想される。ところが、本発明者らが検討した結果、シリコーン系ポリマーの含有量が過剰であると、押出時や成形時に発生するガスの量が増加するという問題や、機械物性(例えば、引張強さ、曲げ強さ、曲げ弾性率等)が悪化する傾向にあるという問題があることが分かった。すなわち、シリコーン系ポリマーの含有量に関して、耐コロナ性と機械物性はトレードオフの関係にあり、耐コロナ性を向上させるためにシリコーン系ポリマーの含有量を過剰に増加させた場合、機械物性が損なわれる傾向にある。このような問題に対し、本発明者らは、特定のシリコーン系ポリマーを用い、かつ、PAS樹脂と、シリコーン系ポリマーと、非導電性無機フィラーの含有量の比率が所定の範囲にある場合、機械物性の低下を抑制しながら、優れた耐コロナ性を得ることができることを見出した。具体的には以下の通りである。シリコーン系ポリマーとして、シリコーン・アクリル共重合体、シリコーン系コアシェルゴム、及びシリコーン複合パウダーから選ばれる1種以上を含有する。また、非導電性無機フィラーとして、繊維状無機フィラー、粒状無機フィラー、及び板状無機フィラーからなる群より選ばれる1種または2種以上を含有し、かつ、粒状無機フィラー及び板状無機フィラー(ガラスフレークを除く)を含有する場合においてはそれぞれ1種単独では含有せず、少なくとも繊維状無機フィラーとともに含有する。さらに、PAS樹脂と、当該シリコーン系ポリマーと、非導電性無機フィラーの含有量の比率が、下記(1)~(3)を満たす。
なお、本明細書において、シリコーン・アクリル共重合体、シリコーン系コアシェルゴム、及びシリコーン複合パウダーから選ばれる1種以上のシリコーン系ポリマーを単に「シリコーン系ポリマー」と記載することもある。
(1)非導電性無機フィラーの含有量が、PAS樹脂100体積部に対して、30体積部以上150体積部以下である。上記非導電性無機フィラーの含有量が30体積部以上であると、耐コロナ性の向上に寄与し得る成分であるシリコーン系ポリマーの含有量を少なくした場合であっても優れた耐コロナ性を得ることが可能となる。また、非導電性無機フィラーを含有することによる機械物性改善の効果も得られ易い。上記非導電性無機フィラーの含有量が150体積部以下であると、PAS樹脂組成物の成形時の流動性が過度に低下することを防ぐことができる。上記非導電性無機フィラーの含有量は、好ましくは35体積部以上、より好ましくは40体積部以上、さらに好ましくは45体積部以上であり、また、好ましくは140体積部以下、より好ましくは130体積部以下である。
(2)シリコーン・アクリル共重合体、シリコーン系コアシェルゴム、及びシリコーン複合パウダーから選ばれる1種以上のシリコーン系ポリマーの含有量の合計が、PAS樹脂とシリコーン系ポリマーの含有量の合計に対して45体積%以下である。シリコーン系ポリマーの含有量が45体積%以下であると、機械物性の低下を抑制する観点で好ましい。上記シリコーン系ポリマーの含有量は、好ましくは40体積%以下、より好ましくは35体積%以下である。シリコーン系ポリマーの含有量の下限は、非導電性無機フィラーの含有量にも依存するが、例えば、PAS樹脂とシリコーン系ポリマーの含有量の合計に対して15体積%以上であることが好ましい。
(3)シリコーン・アクリル共重合体、シリコーン系コアシェルゴム、及びシリコーン複合パウダーから選ばれる1種以上のシリコーン系ポリマーと非導電性無機フィラーの含有量の合計が、PAS樹脂100体積部に対して、85体積部以上である。シリコーン系ポリマーと非導電性無機フィラーの含有量の合計が85体積部以上であると、優れた耐コロナ性と機械物性を両立させることができる。一実施形態では、上記のシリコーン系ポリマーと非導電性無機フィラーの含有量の合計が、PAS樹脂100体積部に対して90体積部以上であることが好ましく、95体積部以上であることがより好ましく、例えば100体積部以上である。上限は特に限定されないが、押出性や成形性等の観点では230体積部以下であることが好ましい。
PAS樹脂、シリコーン系ポリマー、及び非導電性無機フィラーの比率が上記範囲である場合に、耐コロナ性と機械物性とのバランスに優れた樹脂組成物が得られる理由は明らかではないが、以下のように推定される。本実施形態の耐コロナ性樹脂組成物において、上記特定のシリコーン系ポリマーと非導電性無機フィラーは、いずれも、耐コロナ性向上に寄与することができる成分と推定される。さらに、これらの成分は、耐コロナ性向上に関して相乗的な効果を奏するものと推定される。その結果、非導電性無機フィラーの含有量が所定量以上であれば、樹脂成分中のシリコーン系ポリマーの比率が低い場合であっても優れた耐コロナ性が得られ易く、かつ、機械物性の低下も抑制される傾向にある。また、シリコーン系ポリマーと非導電性無機フィラーの含有量の合計が所定量以上であれば、シリコーン系ポリマーと非導電性無機フィラーの相乗的な効果がより発揮され易く、機械物性を維持しながら、優れた耐コロナ性を発現することができる。なお、上記のメカニズムは推論であって本発明を何ら限定するものではない。
なお、本明細書において、各成分の「体積%」及び「体積部」は、各成分の質量と比重に基づいて計算で算出される値である。本明細書において、比重は、JIS Z8807固体比重測定法に準拠して測定される比重23/4℃を意味する。
以下に、本実施形態の耐コロナ性樹脂組成物の各成分について詳述する。
[ポリアリーレンスルフィド樹脂]
本実施形態の耐コロナ性樹脂組成物は、ポリアリーレンスルフィド樹脂(PAS樹脂)を含有する。PAS樹脂は、機械的性質、電気的性質、耐熱性その他物理的・化学的特性に優れ、且つ、加工性が良好であるという特徴を有する。
PAS樹脂は、主として、繰返し単位として-(Ar-S)-(但しArはアリーレン基)で構成された高分子化合物であり、本実施形態では一般的に知られている分子構造のPAS樹脂を使用することができる。
上記アリーレン基としては、例えば、p-フェニレン基、m-フェニレン基、o-フェニレン基、置換フェニレン基、p,p’-ジフェニレンスルフォン基、p,p’-ビフェニレン基、p,p’-ジフェニレンエーテル基、p,p’-ジフェニレンカルボニル基、ナフタレン基などが挙げられる。PAS樹脂は、上記繰返し単位のみからなるホモポリマーでもよいし、下記の異種繰返し単位を含んだコポリマーが加工性等の点から好ましい場合もある。
ホモポリマーとしては、アリーレン基としてp-フェニレン基を用いた、p-フェニレンサルファイド基を繰返し単位とするポリフェニレンスルフィド樹脂が好ましく用いられる。また、コポリマーとしては、前記のアリーレン基からなるアリーレンサルファイド基の中で、相異なる2種以上の組み合わせが使用できるが、中でもp-フェニレンサルファイド基とm-フェニレンサルファイド基を含む組み合わせが特に好ましく用いられる。この中で、p-フェニレンサルファイド基を70モル%以上、好ましくは80モル%以上含むものが、耐熱性、成形性、機械的特性等の物性上の点から適当である。また、これらのPAS樹脂の中で、2官能性ハロゲン芳香族化合物を主体とするモノマーから縮重合によって得られる実質的に直鎖状構造の高分子量ポリマーが、特に好ましく使用できる。尚、本実施形態に用いるPAS樹脂は、異なる2種類以上の分子量のPAS樹脂を混合して用いてもよい。
尚、直鎖状構造のPAS樹脂以外にも、縮重合させるときに、3個以上のハロゲン置換基を有するポリハロ芳香族化合物等のモノマーを少量用いて、部分的に分岐構造または架橋構造を形成させたポリマーや、低分子量の直鎖状構造ポリマーを酸素等の存在下、高温で加熱して酸化架橋または熱架橋により溶融粘度を上昇させ、成形加工性を改良したポリマーも挙げられる。
本実施形態に使用する基体樹脂としてのPAS樹脂の溶融粘度(310℃・せん断速度1216sec-1)は、上記混合系の場合も含め600Pa・s以下が好ましく、中でも8~300Pa・sの範囲にあるものは、機械的物性と流動性のバランスが優れており、特に好ましい。
[シリコーン系ポリマー]
本実施形態の耐コロナ性樹脂組成物は、シリコーン・アクリル共重合体、シリコーン系コアシェルゴム、及びシリコーン複合パウダーからなる群より選択される1種または2種以上のシリコーン系ポリマーを含有する。これらのシリコーン系ポリマーは、耐コロナ性向上の効果に優れている。
(シリコーン・アクリル共重合体)
シリコーン・アクリル共重合体は、アクリル構造単位(アクリル成分)とSi含有構造単位(シリコーン成分)とを含む共重合体である。アクリル成分は、(メタ)アクリル酸エステル等のアクリル系モノマーに由来する。(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、C1-12アルキルアクリレートが挙げられる。Si含有構造単位としては、モノメチルシロキサン単位、ジメチルシロキサン単位、モノフェニルシロキサン単位、ジフェニルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位等が挙げられるがこれらに限定されない。また、これらの構造単位の一部が、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、メタクリロキシ基、メルカプト基などで変性されていてもよい。
また、シリコーン・アクリル共重合体は、上述のアクリル成分とシリコーン成分に加えて、コモノマー成分を共重合させて得られる重合体であってもよい。コモノマー成分としては、例えば、アクリル系モノマー以外の不飽和結合含有モノマーが挙げられる。アクリル系モノマー以外の不飽和結合含有モノマーとしては、(メタ)アクリロニトリル等のニトリル系モノマー;スチレン等の芳香族ビニルモノマー;ブタジエン、イソプレン等のジエン系モノマーが挙げられる。また、シリコーン・アクリル共重合体は、架橋性モノマーを共重合させて得られる重合体であってもよい。架橋性モノマーとしては、ポリオールとアクリル酸のエステル類、ビニル化合物、アリル化合物等が挙げられる。
シリコーン・アクリル共重合体の重合形態は特に限定されないが、例えば、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体等が挙げられる。
(シリコーン系コアシェルゴム)
シリコーン系コアシェルゴムとしては、コア層と、コア層を覆う1層以上のシェル層とから構成される粒子状のものが挙げられ、コア層またはシェル層の少なくとも1層がゴム弾性体を含有する。ゴム弾性体は特に限定されないが、アクリル成分、シリコーン成分、スチレン成分、ニトリル成分、共役ジエン成分等から選ばれる1種以上を重合させて得られるゴム、またはその架橋ゴムが好ましい。また、コア層またはシェル層の少なくとも1層が、主成分として上述のSi含有構造単位を含むゴム弾性体であることがより好ましい。コア層とシェル層はグラフト共重合によって結合されていてもよい。一実施形態では、コア層がゴム弾性体を含むことが好ましい。
シリコーン系コアシェルゴムの例としては、例えば、シリコーンゴムや上述のシリコーン・アクリル共重合体等のゴム成分を含むコア層と、(メタ)アクリル酸エステル及び/又は(メタ)アクリロニトリルを主成分として重合又は共重合して得られる重合体を含むシェル層を有するコアシェル構造の粒子等が挙げられるがこれらに限定されない。シェル層に含まれる重合体としては、環境保護や安全性の観点から、(メタ)アクリル酸エステルを主成分として重合又は共重合して得られる重合体がより好ましい。シリコーンゴムの例としては、主成分として上述のSi含有構造単位を含むポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ジメチルシロキサン-ジフェニルシロキサン共重合体などのポリオルガノシロキサンや変性ポリオルガノシロキサンが挙げられる。
(シリコーン複合パウダー)
シリコーン複合パウダーの例としては、球状シリコーンゴムの表面をシリコーンレジンで被覆した球状粉末等が挙げられるがこれに限定されるものではない。
中でも、耐コロナ性向上の観点から、シリコーン・アクリル共重合体、及びシリコーン系コアシェルゴムが好ましく、耐コロナ性の効果がより高いことから、シリコーン系コアシェルゴムが好ましい。
なお、本明細書において、用語「(メタ)アクリル酸」は、いずれか一方を指すことを明記していない限り、アクリル酸及びメタクリル酸の両方を包含する意味で用いる。同様に、用語「(メタ)アクリロニトリル」は、アクリロニトリルとメタクリロニトリルの両方を包含する意味で用いる。
シリコーン・アクリル共重合体、シリコーン系コアシェルゴム、及びシリコーン複合パウダーとしては特に制限はなく、例えば市販のものを用いることができる。上市品の例としては、シリコーン系コアシェルゴムとして、(株)カネカ製 KANE ACE MR-01等;シリコーン複合パウダーとして、信越化学工場(株)製、KMP-600等;シリコーン-アクリル共重合体として、日信化学工業(株)製、R-181S等;等が挙げられるがこれらに限定されない。
なお、本実施形態の耐コロナ性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、樹脂成分として、上述のPAS樹脂及びシリコーン系ポリマーに加えて、その他の樹脂成分を含んでもよい。その他の樹脂成分としては、特に限定はなく、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、液晶樹脂、弗素樹脂、環状オレフィン系樹脂(環状オレフィンポリマー、環状オレフィンコポリマー等)、熱可塑性エラストマー、上述のシリコーン系ポリマー以外のシリコーン系ポリマー、各種の生分解性樹脂等が挙げられる。また、2種類以上の樹脂成分を併用してもよい。その中でも、機械的性質、電気的性質、物理的・化学的特性、加工性等の観点から、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアセタール樹脂、液晶樹脂等が好ましく用いられる。
[非導電性無機フィラー]
本実施形態の耐コロナ性樹脂組成物は、非導電性無機フィラーを含有する。非導電性無機フィラーは、繊維状無機フィラー、粒状無機フィラー、及び板状無機フィラーからなる群より選ばれる1種または2種以上である。そして、粒状無機フィラー及び板状無機フィラー(ガラスフレークを除く)を含有する場合においてはそれぞれ1種単独では含有せず、少なくとも前記繊維状無機フィラーとともに含有する。なお、本明細書において、「無機フィラー」と記載した場合、導電性フィラーであることを明記していない限り、非導電性無機フィラーを意味する。
(繊維状無機フィラー)
繊維状無機フィラーの例としては、比表面積が大きいものであれば特に限定されない。例えば、ガラス繊維、ウィスカー、ウォラストナイト等が挙げられ、ガラス繊維が好ましい。繊維状無機フィラーは、繊維径が3~13μmの範囲にあるものが好ましく、3~11μmの範囲にあるものがより好ましい。繊維径が13μm以下であると機械強度向上の観点でより好ましい。また、入手の容易さの点では繊維径が3μm以上であることが好ましい。繊維径が3~11μmの範囲にあるものがより好ましい。また、異径比が1~4、かつ、アスペクト比が2~1500の形状であることが好ましい。なお、本明細書において、異径比とは、「長手方向に直角の断面の長径(断面の最長の直線距離)/短径(長径と直角方向の最長の直線距離)」であり、アスペクト比とは、「長手方向の最長の直線距離/長手方向に直角の断面の短径(「断面の最長の直線距離」と直角方向の最長の直線距離)」である。
上市品の例としては、日本電気硝子(株)製、チョップドガラス繊維(ECS03T-790DE、平均繊維径:6μm)、オーウェンスコーニング製造(株)製、チョップドガラス繊維(CS03DE 416A、平均繊維径:6μm)、日本電気硝子(株)製、チョップドガラス繊維(ECS03T-747H、平均繊維径:10.5μm)、日本電気硝子(株)製、チョップドガラス繊維(ECS03T-747、平均繊維径:13μm)等が挙げられる。
(粒状無機フィラー)
粒状無機フィラーとしては、比表面積が大きく電気トリーの進行を遅延させることができるものであれば特に限定されない。粒状無機フィラーの例としては、ガラスビーズ、シリカ、炭酸カルシウム、タルク(粒状)等が挙げられる。低吸水性である観点では、ガラスビーズ及びシリカが好ましく、コストの観点では、ガラスビーズが好ましい。形状は、異径比が1~4、かつ、アスペクト比が1~2の形状(球状を含む)がより好ましい。表面平滑性による放電緩和の観点では球状フィラーがより好ましい。粒径は、後述する成形品(耐コロナ性部材)中における好ましいモード径を達成し得る範囲であることが好ましい。
上市品の例としては、ガラスビーズとして、ポッターズ・バロティーニ(株)製、GL-BS(平均粒子径(50%d):21μm)、ポッターズ・バロティーニ製、EMB-10(平均粒子径(50%d):5μm);シリカとして、アドマテックス(株)製、SC2000-ZD(平均粒子径(50%d):0.5μm);炭酸カルシウムとして、東洋ファインケミカル(株)製、ホワイトンP-30(平均粒子径(50%d):5μm)などが挙げられるがこれらに限定されない。
(板状無機フィラー)
板状無機フィラーとしては、電気トリーの進行を遅延させることができるものであれば特に限定されない。例えば、ガラスフレーク、マイカ、タルク(板状)、カオリン、クレイ、アルミナ等が挙げられる。耐コロナ性向上の観点から、ガラスフレーク、マイカ、及びタルクが好ましく、ガラスフレーク及びマイカがより好ましい。板状無機フィラーの形状としては、例えば、異径比が4より大きく、アスペクト比が1~1500の形状が好ましい。厚みに関しては、薄いほど(例えば、平均厚みが20μm以下)、枚数の絶対数が増えるため、比表面積が大きくなり、ラビリンス効果が高まるのでより好ましい。粒径は、後述する成形品(耐コロナ性部材)中における好ましいモード径を達成し得る範囲であることが好ましい。
ガラスフレークの上市品の例としては、日本板硝子(株)製、REFG-108(平均粒子径(50%d):623μm)、(日本板硝子(株)製、ファインフレーク(平均粒子径(50%d):169μm)、日本板硝子(株)製、REFG-301(平均粒子径(50%d):155μm)、日本板硝子(株)製、REFG-401(平均粒子径(50%d):310μm)などが挙げられるがこれらに限定されない。
マイカとしては、例えば、白マイカ(KAl(AlSi10)(OH))、金マイカ(KMg(AlSi10)(OH))、黒マイカ(K(Mg,Fe)(AlSi10)(OH))、鱗マイカ(KLiAl(Si10)(OH))等が挙げられる。中でも、耐コロナ性の効果を最も発揮し得る点で金マイカを用いることが好ましい。
マイカの上市品の例として、金マイカとして、西日本貿易(株)製、150-S(平均粒子径(50%d):163μm)、同325-S(平均粒子径(50%d):30μm)、同60-S(平均粒子径(50%d):278μm)など;白マイカとして、(株)ヤマグチマイカ製、AB-25S(平均粒子径(50%d):24μm)などが挙げられるがこれらに限定されない。
また、タルクの上市品の例としては、例えば、松村産業(株)製 クラウンタルクPP、林化成(株)製 タルカンパウダーPKNNなどが挙げられる。
なお、本明細書において、平均粒径(50%d)とは、レーザー回折・散乱法により測定した粒度分布における積算値50%のメジアン径を意味する。
また、一実施形態では、非導電性無機フィラーとして、上記の繊維状無機フィラー、板状無機フィラー、及び粒状無機フィラーを組み合わせて用いることが好ましい。
中でも、板状無機フィラー(ガラスフレークを除く)及び/又は粒状無機フィラーを用いる場合、これらの無機フィラーと繊維状無機フィラーとを併用することにより機械物性の向上に寄与し得る。板状無機フィラー(ガラスフレークを除く)及び/又は粒状無機フィラーと繊維状無機フィラーとを併用する場合には、全非導電性無機フィラー中、繊維状無機フィラーは、以下の量とすることが好ましい。すなわち、板状無機フィラー(ガラスフレークを除く)の場合、それと併用する繊維状無機フィラーは15体積%以上が好ましく、25体積%以上がより好ましい。また、粒状無機フィラーの場合、それと併用する繊維状無機フィラーは5体積%以上が好ましく、10体積%以上がより好ましい。
なお、繊維状無機フィラー及びガラスフレークはそれぞれ単独で使用しても機械物性の向上に寄与し得る。
本実施形態の耐コロナ性樹脂組成物は、繊維状無機フィラーとして、ガラス繊維、粒状無機フィラーとして、ガラスビーズ及びシリカからなる群より選ばれる少なくとも1種、板状無機フィラーとして、ガラスフレーク及びマイカからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
中でも、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、マイカ、及びシリカの含有量の合計が、無機フィラー中50体積%以上であることが好ましく、70体積%以上であることがより好ましく、90体積%以上(100体積%を含む)であることが更に好ましい。
非導電性無機フィラーとしては、上述の繊維状、板状、又は粒状の無機フィラーの他にも、導電性を有しない金属酸化物を用いたフィラー;窒化アルミニウム、窒化硼素等の窒化物を用いたフィラー;硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム等の難溶性イオン結晶粒子;半導体材料(Si、Ge、Se、Te等の元素半導体;酸化物半導体等の化合物半導体等)を用いたフィラー等が挙げられる。
本明細書において、非導電性無機フィラーは、主として絶縁材料からなる無機フィラー、及び、主として半導体材料からなる無機フィラーの両方を含む概念である。非導電性無機フィラーの電気抵抗率の指標としては、PPS樹脂70体積%と無機フィラー30体積%とからなる樹脂組成物を用いて作成した、縦100mm、横100mm、厚み3mmの試験片(平板)を用い、IEC60093に準拠して、印加電圧500Vで、23℃で測定した体積抵抗率が1×10Ω・cm以上となる無機フィラーを用いることが好ましい。絶縁性の観点では、当該体積抵抗率が1×10Ω・cm以上である無機フィラーがより好ましく、1×10Ω・cm以上である無機フィラーがさらに好ましい。
中でも、非導電性無機フィラーが、絶縁材料を用いた無機フィラーを含むことが好ましい。一実施形態では、絶縁材料を用いた無機フィラーが非導電性フィラーの50体積%以上であることが好ましく、60体積%以上であることがより好ましく、70体積%以上(100体積%を含む)であることがさらに好ましい。
[他の成分]
本実施形態の耐コロナ性樹脂組成物は、本発明の効果を妨げない範囲で、滑剤、核剤、難燃剤、難燃助剤、酸化防止剤、金属不活性剤、その他老化防止剤、UV吸収剤、安定剤、可塑剤、顔料、染料、着色剤、帯電防止剤、発泡剤、有機フィラー、導電性フィラー等を含有していてもよい。
なお、本実施形態の耐コロナ性樹脂組成物が導電性フィラーを含有する場合は、導電性フィラーの含有量は、成形品が電気絶縁性を示し得る量、具体的には、IEC60093に準拠して測定される成形品の常温(23℃)における体積抵抗率を1×108Ω・cm以上に保持し得る量で用いることが好ましい。なお、「導電性フィラー」の用語は当業者にはよく知られているが、カーボン系フィラー(カーボンブラック、炭素繊維、黒鉛等)、金属系フィラー(SUS繊維等の導電性を有する金属繊維、導電性を有する金属又は金属酸化物粉末等)、金属表面コートフィラー等の導電性を有するフィラーを意味する。一実施形態では、これらの導電性フィラーの含有量が、例えば、本実施形態の耐コロナ性樹脂組成物全体の10質量%以下であり、6質量%以下が好ましく、4質量%以下がさらに好ましい。なお、導電性フィラーが導電性を発現し得る添加量は、導電性フィラーの種類・形状・導電性によっても異なる場合があるため、上記の含有量以上であっても良い場合もある。
本実施形態の耐コロナ性樹脂組成物において、上述のPAS樹脂、シリコーン系ポリマー及び無機フィラーの含有量の合計が、耐コロナ性樹脂組成物全体の70質量%以上であることが好ましく、より好ましくは80質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上(100質量%を含む)である。
<耐コロナ性樹脂組成物の製造方法>
本実施形態の耐コロナ性樹脂組成物は、PAS樹脂と、シリコーン系ポリマーと、無機フィラーと、を少なくとも含有する混合成分を、溶融混練することにより製造することができる。本実施形態の耐コロナ性樹脂組成物の製造方法は特に限定されず、当該技術分野で知られている各種方法を採用することができる。例えば、上述した各成分を混合した後、押出機に投入し、溶融混練し、ペレット化する方法が挙げられる。また、一旦組成の異なるペレットを調製し、そのペレットを所定量混合して成形に供し、成形後に目的組成の成形品を得る方法、成形機に各成分の1又は2以上を直接仕込む方法等を用いてもよい。
<樹脂組成物の耐コロナ性発現方法>
本実施形態の樹脂組成物の耐コロナ性発現方法は、PAS樹脂を含有する樹脂組成物に、所定量のシリコーン系ポリマー及び無機フィラーを添加する工程を含むことにより、耐コロナ性を発現させることを特徴としている。
既述の通り、本実施形態の耐コロナ性樹脂組成物は、所定量のシリコーン系ポリマー及び無機フィラーを添加することで機械物性を維持しながら優れた耐コロナ性を発現させている。換言すると、樹脂組成物に所定量のシリコーン系ポリマー及び無機フィラーを添加することにより、その樹脂組成物に優れた耐コロナ性及び機械物性を発現させることができる。
本実施形態の樹脂組成物の耐コロナ性発現方法におけるPAS樹脂、シリコーン系ポリマー、及び無機フィラーは、既述の耐コロナ性樹脂組成物におけるPAS樹脂、シリコーン系ポリマー、及び無機フィラーと同じであり、耐コロナ性を発現させるための各成分の好ましい例や添加量、添加し得る他の成分も同様である。
<耐コロナ性部材>
本実施形態の耐コロナ性部材は、既述の耐コロナ性樹脂組成物を成形してなることを特徴とし、耐コロナ性と機械物性とのバランスに優れている。
本実施形態の耐コロナ性部材を製造する方法としては特に限定はなく、当該技術分野で知られている各種方法を採用することができる。例えば、記述の耐コロナ性樹脂組成物を押出機に投入して溶融混練してペレット化し、このペレットを所定の金型を装備した射出成形機に投入し、射出成形することで作製することができる。
耐コロナ性部材の形状は特に限定されず用途に応じて適宜選択することができる。例えば、シート状、板状、筒状、被膜状等の他、所望の形状の三次元成形体に成形することができる。
一実施形態では、耐コロナ性部材中におけるガラスビーズ等の粒状無機フィラーのモード径が、好ましくは0.1~50μm、より好ましくは0.1~25μm、さらに好ましくは0.1~10μmである。また、耐コロナ性部材中におけるガラスフレークやマイカ等の板状無機フィラーのモード径が、好ましくは1~200μm、より好ましくは15~150μm、さらに好ましくは40~130μmである。耐コロナ性部材品中における無機フィラーのモード径が上記範囲内であると、耐コロナ性の向上の観点から好ましく、また、成形品中にフィラーがより均一に存在することができ、ラビリンス効果向上の観点でも好ましい。
なお、耐コロナ性部材中における粒状無機フィラー及び板状無機フィラーのモード径は、レーザー回折・散乱法で測定した体積基準の粒度分布におけるモード径を意味し、(株)堀場製作所製、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA-920を用いて測定することができる。成形品の粒状無機フィラー及び板状無機フィラーを上記モード径範囲とする手段としては特に制限はない。例えば、目標とするモード径範囲の上限よりも大きい径を有するフィラーを用い、押出条件等を適宜調整する方法が挙げられる。
また、無機フィラーとして板状無機フィラーを用いる場合、耐コロナ性部材において、板状無機フィラーがコロナ放電に起因する電圧方向と直交するように配向していることが好ましい。具体的には、耐コロナ性部材に電圧が印加された場合において、板状無機フィラーが電圧の印加方向と直交するように配向させる、換言するとコロナ放電に起因する電圧方向と直交するように、耐コロナ性部材中の板状無機フィラーが互いに平行となるように一方向に配向させることが好ましい。ここで、板状無機フィラーの配向方向が、コロナ放電に起因する電圧方向と直交するとは、板状無機フィラーの法線方向とコロナ放電に起因する電圧方向とが一致する状態を意味するが、当該法線方向と電圧方向とが完全に一致する必要はなく、本実施形態の効果を損なわない範囲においてずれていても構わない。
以下に、上記板状無機フィラーの配向状態について図2及び図3を参照して説明する。図2、図3は、耐コロナ性部材に高電圧を印加する様子を模式的に示している。図2、図3において、平板状の耐コロナ性部材10A、10Bの上方に高圧電極12、下方にアース側電極14が配置されており、両電極により高周波・高電圧を印加した場合に高圧電極12の先端近傍にコロナ放電が発生し、耐コロナ性部材10A、10Bの表面がコロナ放電に晒される。そして、図2においては、耐コロナ性部材10Aの内部には電圧の印加方向と直交するように板状無機フィラー16が配向しており、図3においては、耐コロナ性部材10Bの内部には電圧方向と平行になるように板状無機フィラー16が配向している。このような構成において、高周波・高電圧を印加してコロナ放電を発生させた場合、図2の構成では、電気トリーが発生してもその進行を妨害するように板状無機フィラー16が配向しているため、その進行を遅らせることができる。ひいては、耐コロナ性部材10Aの長寿命化を達成することができると考えられる。一方、図3の構成では、電気トリーの進行方向には隙間が多く存在し、電気トリーの進行の妨害効果は小さい。
以上より、図2に示すように板状無機フィラーを配向した耐コロナ性部材を、その内部の板状無機フィラーがコロナ放電に起因する電圧の印加方向と直交するように配置することで、耐コロナ性の効果をより効果的に発揮することができる。
上記のように、耐コロナ性部材中の板状無機フィラーを上記のような方向に配向させるには、例えば、射出成形時において、板状無機フィラーを配向させる所望の方向が樹脂の流動方向となるように金型のゲート位置を設定することで実現することができる。
耐コロナ性部材中の板状無機フィラーを上記のように配向させる場合において、当該耐コロナ性部材の形状としては、例えば、シート状、板状、筒状、または被膜状とすることができる。この場合、各形状の部材において、その肉厚方向と直交するようにマイカを配向させると、部材の肉厚方向に印加される電圧に起因して発生するコロナ放電に対して優れた耐久性を発現させることができる。
例えば、シート状の耐コロナ性部材においては、そのシートの肉厚方向、すなわちシート面と直交する方向に高周波・高電圧が印加された場合、コロナ放電によりシートの肉厚方向に電気トリーが進行するが、板状無機フィラーが上記のように配向していると電気トリーの進行を最も効果的に阻止することができ、シート状の耐コロナ性部材の寿命を長くすることが可能となる。他の形状においても同様である。
本実施形態の耐コロナ性部材は、耐コロナ性が要求される部材として用いることができる。このような部材としては、例えば、イグニションコイルの筐体、絶縁電線、電気絶縁シートが挙げられる。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1~17、比較例1~14]
各実施例・比較例において、表1~表4に示す各原料成分をドライブレンドして得た混合物を、シリンダー温度320℃の二軸押出機に投入し(無機フィラーは押出機のサイドフィード部より別添加)、溶融混練し、ペレット化した。表1~表4に示す各原料成分の詳細を以下に記す。
(1)PAS樹脂成分
・PPS樹脂1:(株)クレハ製、フォートロンKPS(溶融粘度:130Pa・s(せん断速度:1216sec-1、310℃))、比重:1.35(23/4℃)
・PPS樹脂2:(株)クレハ製、フォートロンKPS(溶融粘度:20Pa・s(せん断速度:1216sec-1、310℃))、比重:1.35(23/4℃)
・PPS樹脂3:(株)クレハ製、フォートロンKPS(溶融粘度:30Pa・s(せん断速度:1216sec-1、310℃))、比重:1.35(23/4℃)
(PPS樹脂の溶融粘度の測定)
上記PPS樹脂1~3の溶融粘度は以下のようにして測定した。
東洋精機製作所製キャピログラフを用い、キャピラリーとして1mmφ×20mmL/フラットダイを使用し、バレル温度310℃、せん断速度1216sec-1での溶融粘度を測定した。
(2)シリコーン系ポリマー
・シリコーン系ポリマー1:(株)カネカ製 KANE ACE MR-01(シリコーンアクリルコアシェルゴム)、比重:1.1(23/4℃)
・シリコーン系ポリマー2:東レ・ダウコーニング(株)製、DOW CORNING TORAY DY 33-315(ポリオルガノシロキサン)、比重:0.98(23/4℃)
・シリコーン系ポリマー3:日信化学工業(株)製、R-181S(シリコーン・アクリル共重合体)、比重:1.03(23/4℃)
(3)非導電性無機フィラー
・ガラス繊維1:チョップドガラス繊維、日本板硝子(株)製、ECS03T-747H 平均繊維径:10.5μm、比重:2.6(23/4℃)
・ガラスフレーク:日本板硝子(株)製、REFG-108 平均粒子径(50%d):623μm、比重:2.6(23/4℃)
・ガラスビーズ:ポッターズ・バロティーニ(株)製、GL-BS、平均粒子径(50%d):21μm、比重:2.6(23/4℃)
・金マイカ:西日本貿易(株)製 150-S、平均粒子径(50%d):163μm、比重:2.9(23/4℃)
(非導電性無機フィラーの体積抵抗率)
各非導電性無機フィラーについて、PPS樹脂1と非導電性無機フィラーとを、PPS樹脂1:非導電性無機フィラー=70:30(体積比)の比率で、シリンダー温度320℃の二軸押出機に投入し(無機フィラーは押出機のサイドフィード部より別添加)、溶融混練し、ペレット化した。得られたペレットから、射出成形機(住友重機械工業(株)製、SE100D)により、シリンダー温度320℃、金型温度150℃で縦100mm、横100mm、厚み3mmの試験片(平板)を作製し、IEC60093に準拠して、印加電圧500V、23℃で体積抵抗率を測定したところ、いずれも、1×1015Ω・cm以上であった。
なお、表1~表4中、各PAS樹脂の含有量はPAS樹脂の合計質量を100質量部とした場合の質量部で表し、シリコーン系ポリマー及び無機フィラーの含有量は、PAS樹脂(PPS樹脂1、PPS樹脂2、及びPPS樹脂3の合計)100体積部に対する体積部で表す。各成分の含有量は、質量と、JIS Z8807固体比重測定法に準拠して測定した比重(23/4℃)に基づき算出した。
上述のようにして作製したペレットから、射出成形機(住友重機械工業(株)製、SE100D)により、シリンダー温度320℃、金型温度150℃で縦80mm、横80mm、厚み1mmの試験片(平板)を作製し、以下の評価を行った。なお、比較例6及び7の樹脂組成物は押出し成形ができなかったため、耐コロナ性試験を行うことはできなかった。
(耐コロナ性試験)
各実施例・比較例において作製した試験片10を、図1に示すように、高圧側電極12(φ9.5mm)とアース側電極14(φ25mm)の間に固定し、耐電圧試験機(ヤマヨ試験機有限会社製YST-243WS-28)を用いて、空気中で、130℃、周波数200Hz、印加電圧18kVを加え、絶縁破壊が生じるまでの時間を測定した。測定後、試験片上のコロナ放電を当てた辺り(具体的には、電極を接触させた部位及びその周辺)の白化の有無を、目視で確認した。測定結果を表1~表4に示す。
(曲げ強さ)
ISO178に準じて評価用試験片をシリンダー温度320℃、金型温度150℃で射出成形にて成形し、曲げ強さを評価した。結果を表1~表4に示す。
Figure 0007021074000001
Figure 0007021074000002
Figure 0007021074000003
Figure 0007021074000004
表1~表4に示す結果より、実施例1~17の樹脂組成物は、耐コロナ性試験において、コロナ破壊寿命1000時間以上という長時間の耐久性が得られ、かつ、耐コロナ性試験後の試験片に白化は認められず、優れた耐コロナ性が得られた。さらに、実施例1~17の樹脂組成物は、良好な機械物性(曲げ強度)が得られた。
これに対し、無機フィラーの含有量がPAS樹脂100体積部に対して30体積部未満である比較例1では、コロナ破壊寿命が200時間程度であり耐コロナ性が劣ることが示された。また、無機フィラーの含有量がPAS樹脂100体積部に対して150体積部を超える比較例6及び比較例7では、樹脂組成物の溶融粘度の増加により押出成形を行うことができなかった。
また、実施例1及び実施例2と、比較例4との比較から、本願発明の特定のシリコーン系ポリマーを用いた場合に、優れた耐コロナ性が得られることが分かる。
また、表1~表4に示す結果より、樹脂成分中のシリコーン系ポリマーの比率が低い場合であっても、シリコーン系ポリマーと無機フィラーの含有量の合計がPAS樹脂100体積部に対して85体積部以上であれば、優れた耐コロナ性が得られることが分かる。これに対し、シリコーン系ポリマーと無機フィラーの含有量の合計がPAS樹脂100体積部に対して85体積部未満である比較例2及び3では、無機フィラーの含有量がPAS樹脂100体積部に対して30体積部以上であっても、優れた耐コロナ性は得られなかった。
また、比較例5と実施例3及び実施例4との比較より、シリコーン系ポリマーの含有量が、PAS樹脂とシリコーン系ポリマーの含有量の合計に対して、45体積%以下であると、優れた耐コロナ性とともに、優れた機械物性が得られることが示された。さらに、実施例3と実施例4の比較により、樹脂成分中のシリコーン系ポリマーの比率がより低い場合に、より良好な機械物性(曲げ強度)が得られることが分かる。
また、それぞれ形状が異なる無機フィラーを同程度の含有量で用いた実施例・比較例(無機フィラー以外の成分はほぼ同じ)を比較すると以下のことが分かる。すなわち、繊維状のものを単独で用いた実施例1、板状のもの(ガラスフレーク)を単独で用いた実施例5より、繊維状無機フィラー、ガラスフレークを単独で用いても良好な機械物性(曲げ強度)が得られることが分かる。また、粒状のもの(ガラスビーズ)と繊維状のもの(ガラス繊維)とを併用した実施例14~16、及び粒状のものを単独で用いた比較例9、並びに板状のもの(マイカ)と繊維状のもの(ガラス繊維)とを併用した実施例12、及び板状のものを単独で用いた比較例8を比較すると、粒状無機フィラー及び板状無機フィラー(ガラスフレークを除く)は単独で用いるのではなく、繊維状無機フィラーと併用することにより初めて良好な機械物性が得られることが分かる。
10 試験片
10A 耐コロナ性部材
10B 耐コロナ性部材
12 高圧側電極
14 アース側電極
16 非導電性無機フィラー

Claims (4)

  1. 樹脂組成物の耐コロナ性発現方法であって、
    ポリアリーレンスルフィド樹脂に、シリコーン系ポリマー及び非導電性無機フィラーを添加する工程を含み、前記工程において、
    前記シリコーン系ポリマーとして、シリコーン・アクリル共重合体及びシリコーン系コアシェルゴムからなる群より選ばれる1種または2種を用い、
    前記非導電性無機フィラーとして、粒状無機フィラー及び板状無機フィラーのうちの1種または2種を用い、かつ、前記板状無機フィラーとしてガラスフレークを用いる場合を除き前記粒状無機フィラー及び前記板状無機フィラーをそれぞれ1種単独では用いず、少なくとも繊維状無機フィラーとともに用い、
    前記非導電性無機フィラーの含有量を、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂100体積部に対して30体積部以上150体積部以下とし、
    前記シリコーン系ポリマーの含有量を、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂及び前記シリコーン系ポリマーの含有量の合計に対して、45体積%以下とし、かつ、
    前記シリコーン系ポリマーと前記非導電性無機フィラーの含有量の合計を、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂100体積部に対して、85体積部以上とする樹脂組成物の耐コロナ性発現方法。
  2. 前記繊維状無機フィラーが、ガラス繊維であり、前記粒状無機フィラーが、ガラスビーズ及びシリカからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、前記板状無機フィラーが、ガラスフレーク及びマイカからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の樹脂組成物の耐コロナ性発現方法。
  3. 前記ポリアリーレンスルフィド樹脂がポリフェニレンスルフィド樹脂を含有する、請求項1または2に記載の樹脂組成物の耐コロナ性発現方法。
  4. 前記非導電性無機フィラーの含有量が、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂100体積部に対して40体積部以上である、請求項1~のいずれか1項に記載の樹脂組成物の耐コロナ性発現方法。
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