JP2019182897A - 熱可塑性樹脂組成物、並びに、熱可塑性樹脂成形体及びその製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物、並びに、熱可塑性樹脂成形体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 優れた弾性率を有する熱可塑性樹脂成形体及びその製造方法、並びに、これらに用いる熱可塑性樹脂組成物を提供すること。【解決手段】 ポリアミド樹脂とベンゾオキサジンとを含有しており、前記ポリアミド樹脂及び前記ベンゾオキサジンの合計100質量%に対して前記ポリアミド樹脂の含有量が85〜99.5質量%であり、前記ベンゾオキサジンの含有量が0.5〜15質量%であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は、熱可塑性樹脂組成物、並びに、熱可塑性樹脂成形体及びその製造方法に関する。
ポリマー主鎖内にアミド結合(−NH−CO−)を有するポリアミド樹脂は、成形性に優れると共に、その成形体が優れた靭性、耐摩耗性、難燃性、及び耐薬品性等を有するという特性から、自動車や電子機器をはじめとする様々な製品の部品や合成繊維の素材として、広範にわたって重用されている。近年、このようなポリアミド樹脂の特性を向上及び/又は改質させることを目的として、性質の異なる樹脂をポリアミド樹脂に混合して複合化させる技術が盛んに検討されている。
例えば、特開2014−231536号公報(特許文献1)には、(A)ベンゾオキサジン樹脂;(B)フェノール性水酸基と該フェノール性水酸基に隣接するアミド基とで脱水閉環した構造が含まれるポリアミド樹脂;及び(C)エポキシ樹脂を含有してなる熱硬化性樹脂組成物が記載されており、特表2011−522920号公報(特許文献2)には、熱硬化性ポリマー樹脂、炭素導電性添加剤材料、及び前記熱硬化性ポリマー樹脂に溶解し、硬化時に相分離する熱可塑性ポリマー樹脂を含む樹脂材料において、前記熱可塑性ポリマー樹脂の一例としてポリアミド樹脂が挙げられている。また、特開2016−113603号公報(特許文献3)には、ポリアミド樹脂50〜90質量%と、数平均分子量が1,600〜500,000であるノボラック型フェノール樹脂50〜10質量%と、を含有するポリアミド樹脂組成物が記載されている。
特開2014−231536号公報 特表2011−522920号公報 特開2016−113603号公報
しかしながら、上記の特許文献1〜2に記載の樹脂組成物及び樹脂材料はいずれも、熱硬化性樹脂の配合量の方がポリアミド樹脂の配合量よりも多い熱硬化性樹脂組成物であり、特許文献3に記載のポリアミド樹脂組成物では、高温(例えば80℃)における弾性率が低下する。本発明者らがさらなる検討を行ったところ、これらを用いて得られる熱硬化性樹脂成形体における弾性率よりも、さらに優れた弾性率、特に、高温(好ましくは80℃程度)におけるより高い弾性率が樹脂成形体に要求される場合があることを見い出した。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、優れた弾性率を有する熱可塑性樹脂成形体及びその製造方法、並びに、これらに用いる熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリアミド樹脂にベンゾオキサジンを前記ポリアミド樹脂の配合量よりも少ない特定の割合で添加した熱可塑性樹脂組成物を、前記ポリアミド樹脂が溶融し、かつ、前記ベンゾオキサジンが開環重合する温度条件下において混練して成形することにより、前記ポリアミド樹脂と、前記ベンゾオキサジンの開環重合体(又は架橋体)であるポリベンゾオキサジン樹脂と、を含有する熱可塑性樹脂成形体が得られることを見い出した。さらに、当該熱可塑性樹脂成形体においては、前記ポリアミド樹脂中に前記ポリベンゾオキサジン樹脂が分子レベルで分散しており、その結果、高温(好ましくは80℃程度)においても十分に高い弾性率(貯蔵弾性率)が達成されることを本発明者らは見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ポリアミド樹脂とベンゾオキサジンとを含有しており、前記ポリアミド樹脂及び前記ベンゾオキサジンの合計100質量%に対して前記ポリアミド樹脂の含有量が85〜99.5質量%であり、前記ベンゾオキサジンの含有量が0.5〜15質量%であることを特徴とするものである。
また、本発明の熱可塑性樹脂成形体は、ポリアミド樹脂とベンゾオキサジンの開環重合体であるポリベンゾオキサジン樹脂とを含有しており、前記ポリアミド樹脂及び前記ポリベンゾオキサジン樹脂の合計100質量%に対して前記ポリアミド樹脂の含有量が85〜99.5質量%であり、前記ポリベンゾオキサジン樹脂の含有量が0.5〜15質量%であり、かつ、前記ポリアミド樹脂中に前記ポリベンゾオキサジン樹脂が分散していることを特徴とするものである。
また、本発明の熱可塑性樹脂成形体の製造方法は、ポリアミド樹脂及びポリベンゾオキサジン樹脂を含有する熱可塑性樹脂成形体の製造方法であり、
ポリアミド樹脂とベンゾオキサジンとを含有しており、前記ポリアミド樹脂及び前記ベンゾオキサジンの合計100質量%に対して前記ポリアミド樹脂の含有量が85〜99.5質量%であり、前記ベンゾオキサジンの含有量が0.5〜15質量%である熱可塑性樹脂組成物を、前記ポリアミド樹脂が溶融し、かつ、前記ベンゾオキサジンが開環重合する温度条件下において混練して混練物を得る溶融混練工程、及び
前記混練物を成形して、前記ポリアミド樹脂と前記ベンゾオキサジンの開環重合体であるポリベンゾオキサジン樹脂とを含有しており、前記ポリアミド樹脂及び前記ポリベンゾオキサジン樹脂の合計100質量%に対して前記ポリアミド樹脂の含有量が85〜99.5質量%であり、前記ポリベンゾオキサジン樹脂の含有量が0.5〜15質量%であり、かつ、前記ポリアミド樹脂中に前記ポリベンゾオキサジン樹脂が分散している熱可塑性樹脂成形体を得る成形工程
を含むことを特徴とするものである。
本発明において、前記ポリアミド樹脂としては、脂肪族ポリアミド及び半芳香族ポリアミドからなる群から選択される少なくとも1種を含有することが好ましく、さらに、ポリアミド6、ポリアミド66、及びポリアミドMXD6からなる群から選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。
また、本発明において、前記ベンゾオキサジンとしては、ベンゾオキサジン環を2つ以上有することが好ましい。
なお、本発明の構成によって前記目的が達成される理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、本発明の熱可塑性樹脂組成物においては、ポリアミド樹脂にベンゾオキサジンが特定の配合比で配合されており、これを用いる熱可塑性樹脂成形体の製造方法においては、前記ポリアミド樹脂が溶融し、かつ、前記ベンゾオキサジンが開環重合する温度条件下において前記熱可塑性樹脂組成物を混練する。そのため、溶融したポリアミド樹脂からなる相中で、前記ベンゾオキサジンの開環重合(熱硬化)によりポリベンゾオキサジン樹脂(ベンゾオキサジンの開環重合体(又は架橋体))が生成されるが、前記開環重合によって、該ポリベンゾオキサジン樹脂の主鎖内には、前記ポリアミド樹脂と相容し易いフェノール骨格、より具体的には、フェノール性水酸基とメチレン基と第3級アミンとを有する窒素含有ノボラック型のフェノール骨格が形成される。したがって、本発明の熱可塑性樹脂組成物及び熱可塑性樹脂成形体の製造方法によれば、前記ポリアミド樹脂中に前記ポリベンゾオキサジン樹脂が分子レベルで分散した樹脂成形体を得ることが可能となると本発明者らは推察する。また、上記の熱可塑性樹脂組成物を用いることにより、得られる樹脂成形体は、熱可塑性樹脂である前記ポリアミド樹脂に前記ポリベンゾオキサジン樹脂が前記ポリアミド樹脂の含有量よりも少ない特定の割合で添加された熱可塑性の樹脂成形体となる。本発明の熱可塑性樹脂成形体においては、このように熱可塑性の特性を維持しながら、上記のように前記ポリアミド樹脂に前記ポリベンゾオキサジン樹脂が均一に複合化されることによって、優れた弾性率、特に高温(好ましくは80℃程度)における十分に高い弾性率が達成されるものと本発明者らは推察する。
本発明によれば、優れた弾性率を有する熱可塑性樹脂成形体及びその製造方法、並びに、これらに用いる熱可塑性樹脂組成物を提供することが可能となる。
実施例1、実施例2、及び比較例1で得られた樹脂成形体について、それぞれガラス転移温度測定を実施して得られた温度−損失正接曲線を示す。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。本発明は、
ポリアミド樹脂とベンゾオキサジンとを含有しており、前記ポリアミド樹脂及び前記ベンゾオキサジンの合計100質量%に対して前記ポリアミド樹脂の含有量が85〜99.5質量%であり、前記ベンゾオキサジンの含有量が0.5〜15質量%である熱可塑性樹脂組成物;
ポリアミド樹脂とベンゾオキサジンの開環重合体であるポリベンゾオキサジン樹脂とを含有しており、前記ポリアミド樹脂及び前記ポリベンゾオキサジン樹脂の合計100質量%に対して前記ポリアミド樹脂の含有量が85〜99.5質量%であり、前記ポリベンゾオキサジン樹脂の含有量が0.5〜15質量%であり、かつ、前記ポリアミド樹脂中に前記ポリベンゾオキサジン樹脂が分散している熱可塑性樹脂成形体;及び
ポリアミド樹脂及びポリベンゾオキサジン樹脂を含有する熱可塑性樹脂成形体の製造方法であり、
ポリアミド樹脂とベンゾオキサジンとを含有しており、前記ポリアミド樹脂及び前記ベンゾオキサジンの合計100質量%に対して前記ポリアミド樹脂の含有量が85〜99.5質量%であり、前記ベンゾオキサジンの含有量が0.5〜15質量%である熱可塑性樹脂組成物を、前記ポリアミド樹脂が溶融し、かつ、前記ベンゾオキサジンが開環重合する温度条件下において混練して混練物を得る溶融混練工程、及び
前記混練物を成形して、前記ポリアミド樹脂と前記ベンゾオキサジンの開環重合体であるポリベンゾオキサジン樹脂とを含有しており、前記ポリアミド樹脂及び前記ポリベンゾオキサジン樹脂の合計100質量%に対して前記ポリアミド樹脂の含有量が85〜99.5質量%であり、前記ポリベンゾオキサジン樹脂の含有量が0.5〜15質量%であり、かつ、前記ポリアミド樹脂中に前記ポリベンゾオキサジン樹脂が分散している熱可塑性樹脂成形体を得る成形工程、
を含む熱可塑性樹脂成形体の製造方法;
を提供する。
(ポリアミド樹脂)
本発明において、ポリアミド樹脂とは、アミド結合(−NH−CO−)を介して複数の単量体が単独重合又は共重合されてなる鎖状骨格を有する重合体(ポリアミド)及びこれらの混合物を示す。
前記ポリアミドを構成する単量体としては、アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸等のアミノ酸;ε−カプロラクタム、ウンデカンラクタム、ω−ラウリルラクタム等のラクタム等が挙げられる。これらの単量体としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記ポリアミドとしては、ジアミン及びジカルボン酸を単量体とする共重合体であってもよい。前記ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,13−ジアミノトリデカン、1,14−ジアミノテトラデカン、1,15−ジアミノぺンタデカン、1,16−ジアミノヘキサデカン、1,17−ジアミノヘプタデカン、1,18−ジアミノオクタデカン、1、19−ジアミノノナデカン、1,20−ジアミノエイコサン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、2−メチル−1,8−ジアミノオクタン等の脂肪族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタン等の脂環式ジアミン;キシリレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン等の芳香族ジアミンが挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。前記ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシリン酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、オクタデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このようなポリアミドとしては、例えば、前記単量体として炭素原子数が11である単量体を用いて得られるポリアミド11(PA11);炭素数が6である単量体のうち、ε−カプロラクタムを単独重合させて得られるポリアミド6(PA6);ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との共重合により得られるポリアミド66(PA66);植物油であるひまし油由来のセバシン酸と石油由来のヘキサメチレンジアミンとの共重合により得られるポリアミド610(PA610);ポリアミド612(PA612);ポリアミド12(PA12);ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸との共重合により得られるポリアミド6T(PA6T);ポリアミド6I(PA6I);ポリアミド9T(PA9T);ポリアミドM5T(PAM5T);ポリアミド1010(PA1010);ポリアミド1012(PA1012);ポリアミド10T;メタキシリレンジアミン(MXDA)とアジピン酸とから得られる結晶性のポリアミドであるポリアミドMXD6;ポリアミド6T/66;ポリアミド6T/6I;ポリアミド6T/6I/66;ポリアミド6T/2M−5T;ポリアミド9T/2M−8T等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このようなポリアミドを得る方法としては、特に制限されず、公知の方法を適宜採用することができる。また、このようなポリアミドとしては、例えば、ユニチカ株式会社製のポリアミド6(商品名:ユニチカナイロン6「A1030BRL」)、宇部興産株式会社製のポリアミド6(商品名:UBEナイロン「1015B」)、東レ株式会社製のポリアミド6(商品名:アラミン(登録商標)「CM1017」)、東レ株式会社製のポリアミド66(商品名:アラミン(登録商標)「CM3001−N」)、三菱ガス化学株式会社製のポリアミドMXD6(商品名:レニー(登録商標)「S6001」)等の市販のものを用いてもよい。
また、本発明に係るポリアミドの分子量としては、特に限定されないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による数平均分子量(ポリスチレン換算)で、5,000〜500,000であることが好ましく、10,000〜100,000であることがより好ましい。
さらに、本発明に係るポリアミドとしては、ガラス転移温度が−50〜200℃であることが好ましく、0〜150℃であることがより好ましい。前記ガラス転移温度が前記下限未満である場合には、樹脂成形体の室温における弾性率が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超える場合には、さらなるガラス転移温度向上効果は期待できなくなる傾向にある。
これらのポリアミドの中でも、本発明に係るポリアミド樹脂としては、熱可塑性樹脂成形体の製造時においてベンゾオキサジン及びポリベンゾオキサジン樹脂の熱分解をより抑制できる傾向にある観点から、分子内に芳香環を含まないポリアミドである脂肪族ポリアミド(例えば、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド46、ポリアミド612、ポリアミド1010、ポリアミド1012等)、並びに、ジアミン及びジカルボン酸を単量体とし、かつ、前記単量体のいずれかが芳香族化合物である半芳香族ポリアミド(例えば、ポリアミドMXD6、ポリアミド6T、ポリアミド9T、ポリアミド10T等)からなる群から選択される少なくとも1種を含有することが好ましく、脂肪族ポリアミド及び/又は半芳香族ポリアミド(2種以上である場合には混合物)を、前記ポリアミド樹脂の全質量に対して80質量%以上、より好ましくは100質量%含有することが好ましい。また、同様の観点から、本発明に係るポリアミド樹脂としては、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミドMXD6、ポリアミド610、ポリアミド1010、ポリアミド1012、及びポリアミド10Tからなる群から選択される少なくとも1種を含有することがより好ましく、ポリアミド6、ポリアミド66、及びポリアミドMXD6からなる群から選択される少なくとも1種(2種以上である場合には混合物)を、前記ポリアミド樹脂の全質量に対して80質量%以上、より好ましくは100質量%含有することが好ましい。
(ベンゾオキサジン、ポリベンゾオキサジン樹脂)
本発明において、ベンゾオキサジンとは、オキサジン環がベンゼン環に隣接したベンゾオキサジン環構造を1つ以上有する化合物を示し、これらのうちの1種を単独であっても2種以上の混合物であってもよく、前記化合物の一部が次の開環重合体を形成していてもよい。また、本発明において、ポリベンゾオキサジン樹脂とは、前記ベンゾオキサジンが開環重合されてなるフェノール骨格(より具体的には、フェノール性水酸基とメチレン基と第3級アミンとを有する窒素含有ノボラック型フェノール骨格)を有する開環重合体(ポリベンゾオキサジン)及びこれらの混合物を示す。
前記ベンゾオキサジンとしては、開環重合体が架橋構造を有する架橋体となり、得られる熱可塑性樹脂成形体の高温(好ましくは80℃程度)における弾性率がより向上するという観点から、ベンゾオキサジン環を2つ以上有することが好ましく、2つ有することがより好ましい。このようなベンゾオキサジンとしては、下記一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
式(1)中、Rは、単結合(−)、次式:−C(R)(R)−で表される基、ケトン基(−C(=O)−)、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、スルフィニル基(−S(=O)−)、スルホニル基(−S(=O)−)、アリーレン基、又はアラルキレン基を示し、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、又はハロゲン化アルキル基を示し、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。
式(1)中、Rで示されるアリーレン基としては、フェニレン基、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,2−フェニレン基、2,4−ビフェニレン基、3,4−ビフェニレン基、2,5−ビフェニレン基、3,5−ビフェニレン基、4,4’−ビフェニレン基、3,4’−ビフェニレン基、1,5−ナフチレン基、1,6−ナフチレン基、1,7−ナフチレン基、1,8−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基、2,7−ナフチレン基、4,4’−オキシジフェニレン基、3,4’−オキシジフェニレン基等が挙げられ、フェニレン基が好ましい。Rで示されるアラルキレン基としては、2−アルキル−1,4−フェニレン基、2,3−ジアルキル−1,4−フェニレン基、2,5−ジアルキル−1,4−フェニレン基、2,6−ジアルキル−1,4−フェニレン基、2−アルキル−3−アリール−1,4−フェニレン基(アルキル基は、それぞれ独立に、炭素数1〜8、好ましくは炭素数1〜4である。)等が挙げられる。また、式:−C(R)(R)−で表される基において、R及びRで示される炭素数1〜8のアルキル基としては、炭素数1〜4であることがより好ましく、アリール基としては、フェニル基、2−アルキルフェニル基、3−アルキルフェニル基、4−アルキルフェニル基、2−アルキルオキシフェニル基、3−アルキルオキシフェニル基、4−アルキルオキシフェニル基(アルキル基は、それぞれ独立に、炭素数1〜8、好ましくは炭素数1〜4である。)等が挙げられ、フェニル基が好ましく、ハロゲン化アルキル基としては、アルキル基が炭素数1〜8、好ましくは炭素数1〜4であり、かつ、ハロゲンが塩素又はフッ素である基等が挙げられ、トリフルオロメチル基が好ましい。さらに、式:−C(R)(R)−で表される基としては、ジメチルメチレン基、メチレン基、4,4’−ジフェニルメチレン基が好ましい。
これらの中でも、Rとしては、ジメチルメチレン基、メチレン基、スルホニル基であることがより好ましい。
式(1)中、R及びRで示される炭素数1〜8のアルキル基としては、炭素数1〜4であることがより好ましく、シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基等が挙げられ、シクロヘキシル基が好ましい。また、R及びRで示されるアリール基としては、フェニル基、2−アルキルフェニル基、3−アルキルフェニル基、4−アルキルフェニル基、2−アルキルオキシフェニル基、3−アルキルオキシフェニル基、4−アルキルオキシフェニル基(アルキル基は、それぞれ独立に、炭素数1〜8、好ましくは炭素数1〜4である。)等が挙げられ、フェニル基が好ましく、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられ、ベンジル基が好ましい。
これらの中でも、R及びRとしては、いずれもアリール基又はアラルキル基であることがより好ましく、いずれもフェニル基であることがさらに好ましい。
式(2)中、Rは、単結合(−)、次式:−C(R)(R)−で表される基、ケトン基(−C(=O)−)、酸素原子(−O−)、アリーレン基、又はアラルキレン基を示し、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。
式(2)中、Rで示されるアリーレン基、アラルキレン基、式:−C(R)(R)−で表される基、及びそれらの好ましい基としては、一般式(1)中のRで示される各基と同義である。これらの中でも、Rとしては、単結合、メチレン基、ジメチルメチレン基であることがより好ましい。
式(2)中、R及びRで示される炭素数1〜8のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基としては、それぞれ独立に、一般式(2)中のR及びRで示される各基と同義である。R及びRの好ましい基としては、水素原子、及び、一般式(2)中のR及びRで示される各基の好ましい基として挙げた基が挙げられ、いずれも水素原子又はアルキル基であることがより好ましく、いずれも水素原子であることがさらに好ましい。
これらのベンゾオキサジンとして、より具体的には、ビスフェノールAベンゾオキサジン(ビスフェノールA−アニリン型ベンゾオキサジン、ビスフェノールA−メチルアミン型ベンゾオキサジン等)、ビスフェノールF型ベンゾオキサジン(ビスフェノールF−アニリン型ベンゾオキサジン等)、ビスフェノールS型ベンゾオキサジン、ジアミノジフェニルメタン(DDM)型ベンゾオキサジン(3,3’−(メチレン−1,4−ジフェニレン)ビス(3,4−ジヒドロ−2H−1,3−ベンゾオキサジン):P−d型ベンゾオキサジン等)が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明に係るベンゾオキサジンとしては、一部が前記開環重合体を形成していてもよいが、当該開環重合体の含有量としては、前記ベンゾオキサジンの全質量(単量体及び前記開環重合体の合計)に対して60質量%以下であることが好ましい。
このようなベンゾオキサジンを得る方法としては、特に制限されず、公知の方法を適宜採用することができ、例えば、フェノール化合物(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、チオジフェノール等)と、ホルムアルデヒド等のアルデヒドと、アニリン等のアミン類と、の反応により前記ベンゾオキサジンを調製することができる。また、このようなベンゾオキサジンとしては、例えば、四国化成工業株式会社製の「P−d型」、「F−a型」(以上、商品名);小西化学工業株式会社製の「BF−BXZ」、「BS−BXZ」、「BA−BXZ」(以上、商品名)等の市販のものを用いてもよい。
これらの中でも、本発明に係るベンゾオキサジンとしては、開環重合(熱硬化)時に揮発成分の発生が少ない傾向にある観点から、前記一般式(2)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、このようなベンゾオキサジンとしては、四国化成工業株式会社製の「P−d型(商品名)」を用いてもよい。また、同様の観点から、本発明に係るポリベンゾオキサジンとしては、前記一般式(2)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物の開環重合体であることが好ましく、該ポリベンゾオキサジン(開環重合体)としては1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に係るポリベンゾオキサジンは、前記ベンゾオキサジンを加熱して開環重合させることにより得ることができる。本発明においては、下記本発明の熱可塑性樹脂成形体の製造方法において詳述するが、前記ベンゾオキサジンが開環重合する温度条件下において混練することによって該熱可塑性樹脂成形体中に得ることができる。
本発明においては、特に限定されないが、本発明の熱可塑性樹脂成形体の50℃における弾性率に基づいて並列複合則から算出される、ポリベンゾオキサジンの50℃における弾性率が6GPa以上であることがより好ましい。
これらのポリベンゾオキサジンの中でも、本発明に係るポリベンゾオキサジン樹脂としては、前記一般式(2)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物の開環重合体(2種以上である場合には混合物)を、ポリベンゾオキサジン樹脂の全質量に対して80質量%以上、より好ましくは100質量%含有することが好ましい。
<熱可塑性樹脂組成物>
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、前記ポリアミド樹脂と前記ベンゾオキサジンとを含有する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物において、前記ポリアミド樹脂の含有量(混合物である場合にはそれらの合計含有量、以下同じ)としては、前記ポリアミド樹脂及び前記ベンゾオキサジンの合計100質量%に対して、85〜99.5質量%であることが必要である。前記ポリアミド樹脂の含有量としては、85〜99質量%であることが特に好ましく、85〜97質量%であることがさらに好ましい。前記ポリアミド樹脂の含有量が前記下限未満であると、前記ベンゾオキサジンの開環重合(硬化)に伴う粘度上昇によって、再溶融による再成形が可能であるという熱可塑性の特性が損なわれる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、得られる樹脂成形体におけるポリベンゾオキサジン樹脂の含有量が少なくなって、弾性率の向上効果、特に高温(好ましくは80℃程度)での弾性率の向上効果が奏されなくなったり、重合度が低いポリベンゾオキサジンの可塑化作用により弾性率が低下したりする傾向にある。
本発明の熱可塑性樹脂組成物において、前記ベンゾオキサジンの含有量(混合物である場合にはそれらの合計含有量、以下同じ)としては、前記ポリアミド樹脂及び前記ベンゾオキサジンの合計100質量%に対して、0.5〜15質量%であることが必要である。前記ベンゾオキサジンの含有量としては、1〜15質量%であることが特に好ましく、3〜15質量%であることがさらにより好ましい。前記ベンゾオキサジンの含有量が前記下限未満であると、得られる樹脂成形体におけるポリベンゾオキサジン樹脂の含有量が少なくなって、弾性率の向上効果、特に高温(好ましくは80℃程度)での弾性率の向上効果が奏されなくなったり、重合度が低いポリベンゾオキサジン樹脂の可塑化作用により弾性率が低下したりする傾向にあり、他方、前記上限を超えると、ベンゾオキサジンの開環重合(硬化)に伴う粘度上昇によって、再溶融による再成形が可能であるという熱可塑性の特性が損なわれる傾向にある。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物において、前記ポリアミド樹脂の含有量と前記ベンゾオキサジンの含有量との比(ポリアミド樹脂の含有量:ベンゾオキサジンの含有量)としては、上記のポリアミド樹脂の含有量及びベンゾオキサジンの含有量と同様の観点から、85:15〜99.5:0.5であることが好ましく、85:15〜99:1であることがより好ましく、85:15〜97:3であることがさらに好ましい。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物としては、本発明の効果を阻害しない範囲内において、前記ポリアミド樹脂及び前記ベンゾオキサジン以外の他の成分を含有していてもよい。このような他の成分としては、前記ポリアミド樹脂以外の他の熱可塑性樹脂、難燃剤、難燃助剤、着色剤、抗酸化剤、抗紫外線剤、熱安定化剤、抗菌剤、帯電防止剤等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記他の熱可塑性樹脂としては、具体的には、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ABS系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂(ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカン酸)、ポリカーボネート樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記難燃剤としては、具体的には、ハロゲン系難燃剤(ハロゲン化芳香族化合物)、リン系難燃剤(窒素含有リン酸塩化合物、リン酸エステル等)、窒素系難燃剤(グアニジン、トリアジン、メラミン、及びこれらの誘導体等)、無機系難燃剤(金属水酸化物等)、ホウ素系難燃剤、シリコーン系難燃剤、硫黄系難燃剤、赤リン系難燃剤等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記難燃助剤としては、具体的には、各種アンチモン化合物、亜鉛を含む金属化合物、ビスマスを含む金属化合物、水酸化マグネシウム、粘土質珪酸塩等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記着色剤としては、具体的には、顔料及び染料等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物がこれらの他の成分をさらに含有する場合、その含有量(2種以上である場合にはそれらの合計含有量、以下同じ)としては、前記ポリアミド樹脂及び前記ベンゾオキサジンの合計100質量部に対して、20質量部以下であることが好ましい。前記含有量が前記上限を超えると、得られる樹脂成形体において弾性率が低下する傾向にある。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物としては、本発明の効果を阻害しない範囲内において、充填剤及び/又は強化材をさらに含有していてもよい。前記充填剤及び強化材としては、具体的には、ガラス成分(ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク等);シリカ;炭化ケイ素ウィスカ;アルミナ繊維、BN繊維、アラミド繊維、チタニア繊維、ジルコニア繊維、Si−Ti−C−O繊維、金系繊維、銀系繊維、鉄系繊維、銅系繊維、気相法炭素繊維(VGCF)、ボロン繊維、ポリ(パラフェニレンベンゾビスオキサゾール)(PBO)繊維等の強化繊維;黒鉛;珪酸化合物(珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、カオリン、タルク、クレー等);金属酸化物(酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アンチモン、アルミナ等);カルシウム、マグネシウム、亜鉛等の炭酸塩及び硫酸塩;有機繊維(芳香族ポリエステル繊維、芳香族ポリアミド繊維、フッ素樹脂繊維、ポリイミド繊維、植物性繊維等)等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、機械的特性向上の観点からは、ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、BN繊維、アラミド繊維、及びPBO繊維からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物がこれらの充填剤及び/又は強化材をさらに含有する場合、その含有量(2種以上である場合にはそれらの合計含有量、以下同じ)としては、前記ポリアミド樹脂及び前記ベンゾオキサジンの合計100質量部に対して、900質量部以下であることが好ましい。前記含有量が前記上限を超えると、成形性が低下する傾向にある。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法としては、特に制限されず、公知の方法を適宜採用することができる。例えば、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、前記ポリアミド樹脂、前記ベンゾオキサジン、及び必要に応じて前記他の成分や充填剤、強化材を、上記の特定の含有量となるように、前記ポリアミド樹脂の融点未満、かつ、前記ベンゾオキサジンの開環重合開始温度未満で混合(ドライブレンド等)することにより得ることができる。
<熱可塑性樹脂成形体>
本発明の熱可塑性樹脂成形体は、前記ポリアミド樹脂と前記ポリベンゾオキサジン樹脂とを含有する。
本発明の熱可塑性樹脂成形体において、前記ポリアミド樹脂の含有量(混合物である場合にはそれらの合計含有量、以下同じ)としては、前記ポリアミド樹脂及び前記ポリベンゾオキサジン樹脂の合計100質量%に対して、85〜99.5質量%であることが必要である。前記ポリアミド樹脂の含有量としては、85〜99質量%であることが特に好ましく、85〜97質量%であることがさらに好ましい。前記ポリアミド樹脂の含有量が前記下限未満であると、粘度の高いポリベンゾオキサジン樹脂によって、再溶融による再成形が可能であるという熱可塑性の特性が損なわれる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、前記ポリベンゾオキサジン樹脂の含有量が少なくなって、弾性率の向上効果、特に高温(好ましくは80℃程度)での弾性率の向上効果が奏されなくなったり、ポリベンゾオキサジン樹脂の重合度が低くなって可塑化作用により弾性率が低下したりする傾向にある。
本発明の熱可塑性樹脂成形体において、前記ポリベンゾオキサジン樹脂の含有量(混合物である場合にはそれらの合計含有量、以下同じ)としては、前記ポリアミド樹脂及び前記ポリベンゾオキサジン樹脂の合計100質量%に対して、0.5〜15質量%であることが必要である。前記ポリベンゾオキサジン樹脂の含有量としては、1〜15質量%であることが特に好ましく、3〜15質量%であることがさらに好ましい。前記ポリベンゾオキサジン樹脂の含有量が前記下限未満であると、弾性率の向上効果、特に高温(好ましくは80℃程度)での弾性率の向上効果が奏されなくなったり、ポリベンゾオキサジン樹脂の重合度が低くなって可塑化作用により弾性率が低下したりする傾向にあり、他方、前記上限を超えると、粘度の高いポリベンゾオキサジン樹脂によって、再溶融による再成形が可能であるという熱可塑性の特性が損なわれる傾向にある。
また、本発明の熱可塑性樹脂成形体において、前記ポリアミド樹脂の含有量と前記ポリベンゾオキサジン樹脂の含有量との比(ポリアミド樹脂の含有量:ポリベンゾオキサジン樹脂の含有量)としては、上記のポリアミド樹脂の含有量及びポリベンゾオキサジン樹脂の含有量と同様の観点から、85:15〜99.5:0.5であることが好ましく、85:15〜99:1であることがより好ましく、85:15〜97:3であることがさらに好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂成形体においては、前記ポリアミド樹脂中に前記ポリベンゾオキサジン樹脂が分散している。本発明においては、前記ポリアミド樹脂中に前記ポリベンゾオキサジン樹脂が分子レベルで分散していることが好ましい。本発明において、前記ポリアミド樹脂中に前記ポリベンゾオキサジン樹脂が分子レベルで分散していることは、例えば、動的粘弾性測定(DMA:Dynamic Mechanical Analysis)装置を用いて得られる温度−損失正接曲線で確認することができ、より具体的には、動的粘弾性測定装置を用いて、大気中、測定温度範囲:−100〜200℃、周波数:10Hz、動的振幅:0.05%の条件で測定して得られた、貯蔵弾性率(E’)及び損失弾性率(E’’)から、温度(x軸)−損失正接(tanδ:E’’/E’)(y軸)曲線を求め、これより、前記温度−損失正接曲線が、ポリベンゾオキサジン樹脂の含有量の増加に伴って高温側にシフトすることで確認することができる。
また、本発明の熱可塑性樹脂成形体としては、本発明の効果を阻害しない範囲内において、前記ポリアミド樹脂及び前記ポリベンゾオキサジン樹脂以外の他の成分や充填剤、強化材を含有していてもよい。このような成分としては、上記本発明の熱可塑性樹脂組成物において挙げたものが挙げられ、これらが含有される場合の前記熱可塑性樹脂成形体における含有量としては、上記本発明の熱可塑性樹脂組成物における含有量と同じである。
<熱可塑性樹脂成形体の製造方法>
本発明の熱可塑性樹脂成形体は、例えば、本発明の熱可塑性樹脂成形体の製造方法、すなわち、
ポリアミド樹脂とベンゾオキサジンとを含有しており、前記ポリアミド樹脂及び前記ベンゾオキサジンの合計100質量%に対して前記ポリアミド樹脂の含有量が85〜99.5質量%であり、前記ベンゾオキサジンの含有量が0.5〜15質量%である熱可塑性樹脂組成物を、前記ポリアミド樹脂が溶融し、かつ、前記ベンゾオキサジンが開環重合する温度条件下において混練して混練物を得る溶融混練工程、及び
前記混練物を成形して、前記ポリアミド樹脂と前記ベンゾオキサジンの開環重合体であるポリベンゾオキサジン樹脂とを含有しており、前記ポリアミド樹脂及び前記ポリベンゾオキサジン樹脂の合計100質量%に対して前記ポリアミド樹脂の含有量が85〜99.5質量%であり、前記ポリベンゾオキサジン樹脂の含有量が0.5〜15質量%であり、かつ、前記ポリアミド樹脂中に前記ポリベンゾオキサジン樹脂が分散している熱可塑性樹脂成形体を得る成形工程、
を含む製造方法によって得ることができる。
本発明に係る溶融混練工程において、前記混練の方法としては、特に制限されず、樹脂の混練方法として従来公知の方法を適宜採用することができ、例えば、単軸又は多軸の押出機、ミキサー(高速流動式ミキサ、パドルミキサ、リボンミキサ等)、ニーダ等の通常の混練装置を用いて混練する方法を採用することができる。前記混練装置は1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いる揚合には、連続的に運転しても、回分的に(バッチ式で)運転してもよい。
また、本発明に係る溶融混練工程においては、上記本発明の熱可塑性樹脂組成物を調製してからこれを前記混練装置に供給して混練してもよいし、前記ポリアミド樹脂、前記ベンゾオキサジン、及び必要に応じて前記他の成分や充填剤、強化材を、これらの配合成分の合計質量に対する各成分の割合が上記範囲内(ポリアミド樹脂及びポリベンゾオキサジン樹脂の合計100質量%に対して、ポリアミド樹脂:85〜99.5質量%、ベンゾオキサジン:0.5〜15質量%)になるように個々に供給しながら混練してもよいし、いずれか1種又は2種以上を複数回に分けて添加投入(多段配合)して混練してもよい。
前記混練の温度条件としては、前記ポリアミド樹脂が溶融し、かつ、前記ベンゾオキサジンが開環重合する温度条件であることが必要である。このような温度条件は、前記ポリアミド樹脂の融点以上、かつ、前記ベンゾオキサジンの開環重合開始温度(硬化開始温度)以上となる温度条件であり、前記ポリアミド樹脂の融点+5℃以上、かつ、前記ベンゾオキサジンの開環重合開始温度以上となる温度条件であることが好ましく、前記ポリアミド樹脂の融点+5〜+50℃、かつ、前記ベンゾオキサジンの開環重合開始温度+5〜+100℃となる温度条件であることがより好ましい。より具体的には、前記ポリアミド樹脂及び前記ベンゾオキサジンの種類によって適宜調整されるものであるため一概にはいえないが、例えば、200〜300℃であることが好ましい。前記混練の温度が前記下限未満であると、ポリアミド樹脂の溶融が不十分となって混練が不均一となったり、ベンゾオキサジンの開環重合の進行が不十分となって得られる樹脂成形体における弾性率が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、ポリアミド樹脂やポリベンゾオキサジン樹脂の熱分解が発生して得られる樹脂成形体の弾性率が低下する傾向にある。なお、本発明において、前記ベンゾオキサジンの開環重合開始温度(硬化開始温度)とは、熱量分析において観察される、ベンゾオキサジンが発熱を開始する温度のことを示す。
前記混練の時間としては、前記ベンゾオキサジンの開環重合が完了し、前記ポリアミド樹脂及び前記ポリベンゾオキサジン樹脂が均一になるまでの時間であれば特に制限されないが、例えば、1分間〜1時間であることが好ましい。なお、本発明において、前記ベンゾオキサジンの開環重合が完了したことは、混練物の粘度変化により確認することができ、前記混練物の粘度が上昇した後に、粘度上昇が止んで粘度がほぼ一定になることにより確認することができる。
本発明においては、このような混練により、混練物中に、前記ベンゾオキサジンの開環重合体であるポリベンゾオキサジン樹脂を得ることができる。本発明に係るポリアミド樹脂と該ポリベンゾオキサジン樹脂とは相互作用に優れるため、容易に前記ポリアミド樹脂中に前記ポリベンゾオキサジン樹脂を分子レベルで分散させることができる。
本発明に係る成形工程において、前記成形の方法としては、特に制限されず、樹脂の成形方法として従来公知の方法を適宜採用することができ、例えば、射出成形、押出成形、吹込成形、圧縮成形(プレス成形)等、通常の熱可塑性樹脂に対して用いられる成形方法を採用することができる。前記成形の際の条件としても特に制限されないが、例えば、上記の混練温度と同様の観点から温度200〜300℃において成形することが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂成形体は十分に高い弾性率を達成することができ、より具体的には、より高温において、前記ポリアミド樹脂成形体の弾性率(貯蔵弾性率)よりも十分に高い弾性率(貯蔵弾性率)を達成することができる。本発明において、高温とは70〜130℃であり、より好ましくは80〜120℃である。前記熱可塑性樹脂成形体の該高温における貯蔵弾性率としては、前記ポリアミド樹脂の同温度における貯蔵弾性率+0.09GPa以上であることが好ましく、前記ポリアミド樹脂の同温度における貯蔵弾性率+0.1〜+3.0GPaであることがより好ましい。また、前記熱可塑性樹脂成形体の貯蔵弾性率としては、前記ポリアミド樹脂の種類にもよるため一概にはいえないが、80℃において、0.8GPa以上であることが好ましく、0.8〜4.0GPaであることがより好ましい。なお、本発明において、高温における各樹脂成形体(ポリアミド樹脂成形体、熱可塑性樹脂成形体)の貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定によって求めることができ、より具体的には、樹脂を温度:260℃、圧力:6MPaで厚さ:0.5mmに成形した後、幅:5mm、長さ:35mmに切り出し、80℃で12時間真空乾燥させて得られた平板状試験片について、動的粘弾性測定装置を用い、大気中、測定温度範囲:−100〜200℃、周波数:10Hz、動的振幅:0.05%の条件で測定して得られた、各温度における貯蔵弾性率(E’[Pa])を、その温度における貯蔵弾性率とすることができる。
本発明の熱可塑性樹脂成形体としては、その形状、大きさ、及び厚さ等は特に制限されず、その用途も特に制限されない。例えば、本発明の熱可塑性樹脂成形体は、自動車、鉄道車両、船舶、飛行機等の外装材、内装材及び構造材等として用いることができる。前記自動車の外装材、内装材及び構造材としては、自動車用外装材、自動車用内装材、自動車用構造材、自動車用衝撃エネルギー吸収材、自動車用歩行者保護材、自動車用乗員保護材、エンジンルーム内部品等が挙げられる。さらに、本発明の熱可塑性樹脂成形体は、建築物、家具等の内装材、外装材及び構造材、具体的には、例えば、ドア表装材、ドア構造材、各種家具(机、椅子、棚、箪笥等)の表装材及び構造材等としても用いることができ、その他、包装体、収容体(トレイ等)、保護用部材、パーティション部材、家電製品(薄型TV、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、携帯電話、携帯ゲーム機、ノート型パソコン等)の筐体及び構造体としても用いることができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、各実施例及び比較例により得られた樹脂成形体のガラス転移温度測定及び貯蔵弾性率測定は、それぞれ以下の方法により実施した。
<ガラス転移温度測定>
各実施例及び比較例で得られた樹脂成形体について、動的粘弾性測定装置(アイティー計測制御株式会社製)を用い、大気中、測定温度範囲:−100〜200℃、周波数:10Hz、動的振幅:0.05%の条件で、各温度における貯蔵弾性率(E’)及び損失弾性率(E’’)を測定した。得られた貯蔵弾性率(E’)及び損失弾性率(E’’)から、x軸を温度、y軸を損失正接(tanδ:E’’/E’)として温度−損失正接曲線を作成し、tanδのピーク位置の温度をガラス転移温度(単位:℃)とした。
<貯蔵弾性率測定>
前記ガラス転移温度測定において、23℃、50℃、80℃における各貯蔵弾性率(E’)を、それぞれこれらの温度における貯蔵弾性率(単位:GPa)とした。
(実施例1)
先ず、ポリアミド樹脂(ポリアミド6(PA6)、商品名:A1030BRL(ユニチカ株式会社製)、数平均分子量:14,500)97質量部、及びベンゾオキサジン(P−d型ベンゾオキサジン(BXZ)、商品名:P−d型(四国化成工業株式会社製))3質量部をドライブレンドして樹脂組成物を得た。次いで、得られた樹脂組成物を、微量樹脂混練機(haake社製)を用いて、シリンダー温度:250℃、スクリュー回転速度:200rpmの条件で5分間、溶融混練した。溶融混練後の混練物を、温度:260℃、圧力:6MPaの条件で厚さ:0.5mmの平板状に成形し、幅:5mm、長さ:35mmに切り出し、80℃で12時間真空乾燥させて樹脂成形体を得た。
(実施例2)
ポリアミド樹脂及びベンゾオキサジンの配合量を下記の表1に示す量としたこと以外は実施例1と同様にして樹脂成形体を得た。
(比較例1)
ベンゾオキサジンを用いず、下記の表1に示すようにポリアミド樹脂のみを用いたこと以外は実施例1と同様にして樹脂成形体を得た。
(比較例2)
ベンゾオキサジンに代えて、ノボラック型フェノール樹脂(PN)(商品名:SP1006N(旭有機材株式会社製))を用いたこと以外は実施例2と同様にして樹脂成形体を得た。
各実施例及び比較例で得られた樹脂成形体について、ガラス転移温度測定及び貯蔵弾性率測定を実施した。得られた結果を、各実施例及び比較例における樹脂組成物の配合組成と併せて下記の表1に示す。また、実施例1、実施例2、及び比較例1で得られた樹脂成形体について、ガラス転移温度測定で得られた温度(℃)−損失正接(tanδ)曲線を図1に示す。図1より、ベンゾオキサジンの添加量の増加に伴って前記温度−損失正接曲線が高温側にシフトしており、これは、ポリアミド樹脂中にポリベンゾオキサジン樹脂が分子レベルで分散していることを示す。
表1に示した結果から明らかなように、ポリアミド樹脂とベンゾオキサジンとを特定の配合量で組み合わせた本発明の熱可塑性樹脂組成物を用い、これを溶融混練して得られた本発明の熱可塑性樹脂成形体(実施例1〜2)においては、ベンゾオキサジンを含まない樹脂組成物を用いた場合(比較例1)と比べて、貯蔵弾性率が十分に高くなり、特に、高温(80℃)における貯蔵弾性率が十分に高くなることが確認された。さらに、ガラス転移温度も十分に高くなることが確認された。しかしながら、ベンゾオキサジンに代えてノボラック型フェノール樹脂を組み合わせた樹脂組成物を用いても(比較例2)、貯蔵弾性率の向上効果は少ないことが確認された。さらに比較例2では、ノボラック型フェノール樹脂を含まない樹脂組成物を用いた場合(比較例1)と比べると、高温(80℃)における貯蔵弾性率が逆に低下してしまうことも確認された。
以上説明したように、本発明によれば、優れた弾性率を有する熱可塑性樹脂成形体及びその製造方法、並びに、これらに用いる熱可塑性樹脂組成物を提供することが可能となる。

Claims (8)

  1. ポリアミド樹脂とベンゾオキサジンとを含有しており、前記ポリアミド樹脂及び前記ベンゾオキサジンの合計100質量%に対して前記ポリアミド樹脂の含有量が85〜99.5質量%であり、前記ベンゾオキサジンの含有量が0.5〜15質量%であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 前記ポリアミド樹脂が、脂環族ポリアミド及び半芳香族ポリアミドからなる群から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 前記ポリアミド樹脂が、ポリアミド6、ポリアミド66、及びポリアミドMXD6からなる群から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 前記ベンゾオキサジンが、ベンゾオキサジン環を2つ以上有することを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. ポリアミド樹脂とベンゾオキサジンの開環重合体であるポリベンゾオキサジン樹脂とを含有しており、前記ポリアミド樹脂及び前記ポリベンゾオキサジン樹脂の合計100質量%に対して前記ポリアミド樹脂の含有量が85〜99.5質量%であり、前記ポリベンゾオキサジン樹脂の含有量が0.5〜15質量%であり、かつ、前記ポリアミド樹脂中に前記ポリベンゾオキサジン樹脂が分散していることを特徴とする熱可塑性樹脂成形体。
  6. 前記ポリアミド樹脂が、脂肪族ポリアミド及び半芳香族ポリアミドからなる群から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項5に記載の熱可塑性樹脂成形体。
  7. 前記ポリアミド樹脂が、ポリアミド6、ポリアミド66、及びポリアミドMXD6からなる群から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項5又は6に記載の熱可塑性樹脂成形体。
  8. ポリアミド樹脂及びポリベンゾオキサジン樹脂を含有する熱可塑性樹脂成形体の製造方法であり、
    ポリアミド樹脂とベンゾオキサジンとを含有しており、前記ポリアミド樹脂及び前記ベンゾオキサジンの合計100質量%に対して前記ポリアミド樹脂の含有量が85〜99.5質量%であり、前記ベンゾオキサジンの含有量が0.5〜15質量%である熱可塑性樹脂組成物を、前記ポリアミド樹脂が溶融し、かつ、前記ベンゾオキサジンが開環重合する温度条件下において混練して混練物を得る溶融混練工程、及び
    前記混練物を成形して、前記ポリアミド樹脂と前記ベンゾオキサジンの開環重合体であるポリベンゾオキサジン樹脂とを含有しており、前記ポリアミド樹脂及び前記ポリベンゾオキサジン樹脂の合計100質量%に対して前記ポリアミド樹脂の含有量が85〜99.5質量%であり、前記ポリベンゾオキサジン樹脂の含有量が0.5〜15質量%であり、かつ、前記ポリアミド樹脂中に前記ポリベンゾオキサジン樹脂が分散している熱可塑性樹脂成形体を得る成形工程、
    を含むことを特徴とする熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
JP2018070752A 2018-04-02 2018-04-02 熱可塑性樹脂組成物、並びに、熱可塑性樹脂成形体及びその製造方法 Active JP7102870B2 (ja)

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