JP2019182789A - イミド化合物並びにこれを用いた電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents
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<1> 一般式(1)で表されるイミド化合物。
前記炭素原子が、ハロゲン原子、炭素数6以上30以下のアリール基、炭素数1以上10以下のアルキル基、エーテル基、アルコキシ基及びエステル基、を1種又は2種以上を組み合わせてなる1価の基を有する、前記<1>に記載のイミド化合物。
ハロゲン原子、アリール基、炭素数1以上10以下の脂肪族炭化水素基、アルコキシ基及びエステル基を1種又は2種以上を組み合わせてなる基である前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載のイミド化合物。
炭素数1以上10以下のアルキル基、アルコキシ基及びエステル基を1種又は2種以上を組み合わせてなる基である前記<4>に記載のイミド化合物。
前記導電性基体上に配置され、前記<1>〜<6>のいずれか1項に記載のイミド化合物を含む電子輸送材料と、結着樹脂と、電荷発生材料と、正孔輸送材料と、を含有する単層型感光層と、
を備える電子写真感光体。
画像形成装置に脱着するプロセスカートリッジ。
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
本実施形態に係るイミド化合物は、下記一般式(1)で表される構造を有する。
本実施形態に係る特定イミド化合物は、一般式(1)で表される構造を有する。
より具体的に特定イミド化合物は、芳香族テトラカルボキシジイミド骨格を有する。そして、ジイミド基の2つの窒素原子に、それぞれ独立に置換基を有していてもよいチアゾール基、オキサゾール基、セレナゾール基、オキサジアゾール基又はジアゾール基が置換した構造を有する。
一般式(1)中、Arは、炭素数6以上18以下の芳香族基を表す。
炭素数6以上18以下の無置換の芳香族基としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、テトラセン、ベンゾアントレン(テトラフェン)、ベンゾフェナントレン(クリセン)、トリフェニレン、ピレン、ビフェニル、パラテルフェニル、メタテルフェニル、1−フェニルナフタレン等の芳香族炭化水素から、任意の4つ水素原子を除いた4価の芳香族基が挙げられる。ただし、一般式(1)中、Arで表される炭素数6以上18以下の芳香族基には、4価のペリレン基を含まない。
一般式(1)中、X1及びX2はそれぞれ独立に、窒素原子又は置換又は無置換の炭素原子を表す。
*−RA
*−O−RA
*−O−ArA
*−RB−O−ArA
*−RC
*−ArA
*−RB−C(=O)−RA
*−RB−OH
*−ArA−OH
*−RB−O−RA
*−RB−O−ArA
*−O−RA
*−C(=O)−RA
*−C(=O)−O−RA
*−C(=O)−OH
*−RB−C(=O)−O−RA
*−RB−C(=O)−O−(RB−O)n1−RA
*−RB−RC
*−ArA−RC
*−RB−C(=O)−O−RB−ArA
*−RB−C(=O)−O−ArA
RAで表される無置換のアルキル基としては、炭素数1以上10以下(好ましくは炭素数1以上8以下)の直鎖状のアルキル基、炭素数3以上10以下(好ましくは炭素数5以上8以下)の分岐状のアルキル基が挙げられる。
炭素数1以上10以下の直鎖状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
炭素数3以上10以下の分岐状のアルキル基としては、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
上記の中でも、無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基等の低級アルキル基が好ましい。
RAで表されるアルキル基における置換基としては、例えば、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、無置換のアリール基、炭素数1以上4以下のアルキル基若しくはアルコキシ基で置換されたフェニル基、炭素数7以上10以下のアラルキル基、水酸基、カルボキシル基、ニトロ基、及びハロゲン原子(塩素、ヨウ素、臭素)等が挙げられる。
アルコキシ置換アルキル基のアルコキシ基としては、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状、又は分岐状のアルコキシ基が挙げられる。また、アリール置換アルキル基のアリール基としては、後述する一般式(1)中のX1及びX2が炭素原子である場合に、炭素原子に置換する無置換のアリール基と同様の基が挙げられる。
無置換のアリール基としては、例えば、炭素数6以上30以下のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、o−、m−、及びp−トリル基、キシリル基、o−、m−、及びp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基等が挙げられる。上記の中でも、フェニル基が好ましい。
アリール基における置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、及びハロゲン原子(塩素、ヨウ素、臭素)等が挙げられる。
アルキル置換アリール基のアルキル基としては、一般式(1)中のRAで表される無置換のアルキル基と同様の基が挙げられる。また、アルコキシ置換アリール基のアルコキシ基としては、後述する一般式(1)中のX1及びX2が炭素原子である場合に、炭素原子に置換する無置換のアルコキシ基と同様の基が挙げられる。
一般式(1)におけるX1及びX2が炭素原子である場合、炭素原子に置換する無置換のアルコキシ基としては、例えば、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状、又は分岐状のアルコキシ基が挙げられる。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基等が挙げられる。これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
アリール置換アルコキシ基のアリール基としては、上述するArAで表される無置換のアリール基と同様の基が挙げられる。
一般式(1)中、Y1及びY2は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、又はNHを表す。
一般式(1)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。
*−O−RA2
*−O−ArA2
*−RB2−O−ArA2
*−RC2
*−ArA2
*−RB2−C(=O)−RA2
*−RB2−O−RA2
*−O−RA2
*−C(=O)−RA2
*−C(=O)−O−RA2
*−RB2−C(=O)−O−RA2
*−RB2−C(=O)−O−(RB2−O)n1−RA2
*−RB2−RC2
*−ArA2−RC2
*−RB2−C(=O)−O−RB2−ArA2
*−RB2−C(=O)−O−ArA2
RA2で表される無置換のアルキル基としては、炭素数1以上10以下(好ましくは炭素数1以上8以下)のアルキル基が挙げられる。
以下、特定イミド化合物の合成方法について説明する。
本実施形態に係る電子写真感光体は、導電性基体と、前記導電性基体上に配置され、特定イミド化合物を含む電子輸送材料と、結着樹脂と、電荷発生材料と、正孔輸送材料と、を含有する単層型感光層と、を備える。電子写真感光体は、必要に応じて、下引層、保護層等を更に備えていてもよい。
以下、導電性基体について説明する。
電子写真感光体は、導電性基体を備える。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
以下、単層型感光層について説明する。
単層型感光層は、電子輸送材料と、結着樹脂と、電荷発生材料と、正孔輸送材料と、を含有する。
以下、単層型感光層に含有される各材料について、詳細に説明する。
以下、電子輸送材料について説明する。
本実施形態に係る感光層は、特定イミド化合物を含む電子輸送材料を含有する。
結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの結着樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、ビスフェノールZポリカーボネート樹脂とは、ビスフェノールZ構造、すなわち、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンから2つのヒドロキシ基の水素原子を除いた構造を有するポリカーボネート樹脂である。
また、結着樹脂としては、感光層の成膜性の観点から、粘度平均分子量30,000以上80,000以下であることが好ましい。
前記感光層の全質量に対する結着樹脂の含有量Rは、前述した範囲であることが好ましい。
電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料;ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;ペリレン顔料;ピロロピロール顔料;フタロシアニン顔料;酸化亜鉛;三方晶系セレン等が挙げられる。
正孔輸送材料としては、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の正孔輸送材料が挙げられる。
これらの正孔輸送材料は1種を単独で又は2種以上で用いられるが、これらに限定されるものではない。
正孔輸送材料と電子輸送材料との比率は、質量比(正孔輸送材料:電子輸送材料)で、50:50以上90:10以下が好ましく、より好ましくは60:40以上80:20以下である。
単層型感光層には、界面活性剤、酸化防止剤、微粒子(炭化珪素等)、光安定剤、熱安定剤等の周知のその他添加剤を含んでいてもよい。また、単層型感光層が表面層となる場合、フッ素樹脂粒子、シリコーンオイル等を含んでいてもよい。
単層型感光層は、上記成分を溶剤に加えた感光層形成用塗布液を用いて形成される。
溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状若しくは直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤が挙げられる。これら溶剤は単独又は2種以上混合して用いる。
以下、下引層について説明する。
下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
これらの中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
具体的には、(単層型感光層)の項において説明する、ET−1〜ET−9の電子輸送材料が挙げられる。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から1/2までに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。そして、電子写真感光体として、上記本実施形態に係る電子写真感光体が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図2に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
図3に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
(合成例:例示化合物1−23)
ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物26.82g(0.1mol)を、N,N−ジメチルホルムアミド150mlに溶解し、2―アミノ−4−チアゾリル酢酸エチル39.11g(0.21mol)を加え、150℃で3時間攪拌した。反応液を室温まで冷却し、析出した結晶をろ過した後、メタノール500mlで洗浄し、灰白色結晶48gを得た。得られた結晶をクロロホルム1Lに溶解しシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、目的物である特定イミド化合物(例示化合物1−23)の淡黄色結晶39gを得た。融解温度は257〜259℃だった。得られた特定イミド化合物(例示化合物1−23)について、室温(25℃)における重クロロホルム溶媒中の1H-NMRスペクトルを図4に示す。
上述で得られた例示化合物1−23の6g(0.01mol)を、n−オクタノール70mlに懸濁させ、硫酸0.1gを加え、ディーンスタークを取り付けたフラスコ中、140℃で5時間加熱攪拌した。反応液を室温まで冷却し、析出した結晶をろ過した後、メタノールで洗浄した。得られた結晶を真空乾燥機で乾燥して特定イミド化合物(例示化合物1−30)を4.6g得た。融解温度は210〜212℃だった。得られた特定イミド化合物(例示化合物1−30)について、室温(25℃)における重クロロホルム溶媒中の1H-NMRスペクトルを図5に示す。
例示化合物1−30の合成において、n−オクタノール70mlの代わりに、フェネチルアルコール60mlを使用した以外は、同様に反応させ、特定イミド化合物(例示化合物1−31)を3.9g得た。融解温度は215〜219℃だった。得られた特定イミド化合物(例示化合物1−31)について、室温(25℃)における重クロロホルム溶媒中の1H-NMRスペクトルを図6に示す。
例示化合物1−30の合成において、n−オクタノール70mlの代わりに、1-エトキシ−2―プロパノール30mlを使用し、更にトルエン60mlを加えて、4時間加熱還流させた。反応液を室温まで冷却し、反応液にメタノール500mlを加え結晶を析出させた後、ろ過した。得られた粗結晶をトルエン/テトラヒドロフラン=3/1の混合溶媒を用いたシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、特定イミド化合物(例示化合物1−33)2.7gを得た。融解温度は184〜187℃だった。得られた特定イミド化合物(例示化合物1−33)について、室温(25℃)における重クロロホルム溶媒中の1H-NMRスペクトルを図7に示す。
(感光体の作製)
電荷発生物質としてCukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜、16.0゜、24.9゜、28.0゜の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン2質量部、電子輸送材料として特定イミド化合物(例示化合物1-23)5質量部、結着樹脂として共重合型ポリカーボネート樹脂(A)(粘度平均分子量5万)49質量部、テトラヒドロフラン200質量部、モノクロロベンゼン100質量部、を混合した。この混合物を、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて6時間分散した。得られた分散液に、正孔輸送性化合物(HT−7)31質量部、シリコーンオイルKP340(信越化学工業社製)0.001質量を添加し、一晩攪拌して感光層形成用塗布液を得た。
上述で得られた感光層形成用塗布液を、浸漬塗布法にて直径30mmのアルミニウム基材上に塗布し、140℃、1時間乾燥して、膜厚が26μmの単層型感光体を形成した。
電子輸送材料の種類を、例示化合物1−23から、表3に示す他の特定イミド化合物へと変更した以外は、実施例1と同様にして単層型感光体を得た。
電子輸送材料、電荷発生材料及び正孔輸送材料の種類を、表3に示す他の材料へと変更した以外は、実施例1と同様にして単層型感光体を得た。
電子輸送材料、正孔輸送材料、電荷発生材料の種類を、表3に示す仕様へと変更した以外は、実施例1と同様にして単層型感光体を得た。
なお、比較化合物1〜4は、特定イミド化合物である例示化合物1−23の合成例において、原料を比較化合物1〜4に対応する化合物とした以外は、同様にして、合成した。
上記で作製した実施例1〜10及び比較例1〜4の電子写真感光体を、富士ゼロックス社製 DocuCentre−V C7775に装着し、次の評価を実行した。各評価の結果を、表3に示す。
画質評価は、室温28℃、湿度85%の環境下で、Brother社製HL-2360Dを用いて、100%黒色ベタ画像を6000枚出力後した。6000枚目における、画像のかすれ発生の有無を、以下の基準で評価した。
A:画像のかすれは発生していない。
B:用紙横短部に若干のかすれを確認できるが、画質上問題なし。
C:明らかに白いかすれが発生し実使用上問題となる。
電子写真感光体の電気特性は、表面電位計(トレック社製、トレック334)を用いて、電子写真感光体の表面から1mm離れた位置に測定対象の領域に表面電位プローブを設け、帯電後の表面電位を−720Vに設定した後、15000枚出力後の表面電位を測定した。その後、以下の基準で評価した。帯電電位の降下を評価した。
A:電位降下が15V以下であり、問題なし。
B:電位降下が15V超え25V未満であり、調整可能な範囲のため、問題なし。
C:電位降下が25V以上あり、調整不可能な範囲である。
電子写真感光体上に、オレイン酸1wt%ヘキサン溶液を0.4ml噴霧し、室温(25℃)で2週間放置した。その後、電子写真感光体の表面における割れ(クラック)を、以下の基準で評価した。なお、用いた顕微鏡はデジタルマイクロスコープ(キーエンス社製、型番:VHX−700)であり、700倍に拡大して観察した。
A:顕微鏡で観察して問題なし。
B:顕微鏡観察で微細なクラック発生するが実用上問題なし。
C:目視でクラックを確認できる。
Claims (9)
- 一般式(1)で表されるイミド化合物。
(一般式(1)中、Arは、炭素数6以上18以下の芳香族基を表し、X1及びX2はそれぞれ独立に、窒素原子又は置換又は無置換の炭素原子を表し、Y1及びY2はそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、又はNHを表す。R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。ただし、Arは、4価のペリレン基を除く。) - 前記一般式(1)中、X1及びX2が炭素原子である場合、
前記炭素原子が、ハロゲン原子、炭素数6以上30以下のアリール基、炭素数1以上10以下のアルキル基、エーテル基、アルコキシ基及びエステル基、を1種又は2種以上を組み合わせてなる1価の基を有する、請求項1に記載のイミド化合物。 - 前記炭素原子が、炭素数1以上10以下の脂肪族炭化水素基、エーテル基、アルコキシ基及びエステル基、を1種又は2種以上を組み合わせてなる1価の基を有する、請求項2に記載のイミド化合物。
- 前記1価の有機基が、
ハロゲン原子、アリール基、炭素数1以上10以下の脂肪族炭化水素基、アルコキシ基及びエステル基を1種又は2種以上を組み合わせてなる基である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のイミド化合物。 - 前記1価の有機基が、
炭素数1以上10以下のアルキル基、アルコキシ基及びエステル基を1種又は2種以上を組み合わせてなる基である請求項4に記載のイミド化合物。 - 前記一般式(1)中、Y1及びY2が硫黄原子であり、且つ、Arが4価のナフタレン基である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のイミド化合物。
- 導電性基体と、
前記導電性基体上に配置され、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のイミド化合物を含む電子輸送材料と、結着樹脂と、電荷発生材料と、正孔輸送材料と、を含有する単層型感光層と、
を備える電子写真感光体。 - 請求項7に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に脱着するプロセスカートリッジ。 - 請求項7に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
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