JP2019182789A - イミド化合物並びにこれを用いた電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents

イミド化合物並びにこれを用いた電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電子輸送能を有する新規なイミド化合物を提供すること。【解決手段】一般式(1)で表されるイミド化合物である。一般式(1)中、Arは、炭素数6以上18以下の芳香族基を表し、X1及びX2はそれぞれ独立に、窒素原子又は置換又は無置換の炭素原子を表し、Y1及びY2はそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、又は窒素原子を表す。R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。ただし、Arは、4価のペリレン基を除く。【選択図】なし

Description

本発明は、イミド化合物並びにこれを用いた電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関する。
従来から、電子写真感光体等に用いられる電荷輸送材料としては、種々のものが知られている。
例えば特許文献1には、「新規のジフェノキノン系化合物と、これを電荷輸送材料として含む感光層を備える電子写真感光体」が開示されている。
また、特許文献2には、「新規のナフタレンジカルボン酸イミド化合物」が開示されている。
また、特許文献3には、「導電性基体と、導電性基体上に電荷発生材料として特定のX線回折ピークを有するペリレン顔料を含む感光層を備える電子写真感光体」が開示されている。
また、特許文献4には、「新規のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物」が開示されている。
また、特許文献5には、「導電性基体と、導電性基体上に設けられた新規のナフチレンジイミド誘導体を含む有機感光層と、該有機感光層上に設けられた無機表面保護層と、を積層した電子写真感光体」が開示されている。
また、特許文献6及び特許文献7には、「新規のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体と、これを含有する電子写真感光体」が開示されている。
また、特許文献8には、「新規のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体と、これを含む感光層と、を備える電子写真感光体」が開示されている。
また、特許文献9には、「導電性支持体と、導電性支持体上に設けられたペリレン顔料を含む感光層と、を備える電子写真感光体」が開示されている。
また、特許文献10には、「ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体化合物と、これを電子輸送物質として含む感光層と、を備える電子写真感光体」が開示されている。
特開平4−285670号公報 特開平5−25136号公報 特開平4−338969号公報 特開平5−25174号公報 特開2002−116565 特開平11−343290号公報 特開平11−343291号公報 特開2004−262813号公報 特開平7−253682号公報 特開2005−154444号公報
本発明の課題は、電子輸送能を有する新規なイミド化合物を提供することにある。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
<1> 一般式(1)で表されるイミド化合物。
(一般式(1)中、Arは、炭素数6以上18以下の芳香族基を表し、X及びXはそれぞれ独立に、窒素原子又は置換又は無置換の炭素原子を表し、Y及びYはそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、又はNHを表す。R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。ただし、Arは、4価のペリレン基を除く。)
<2> 前記一般式(1)中、X及びXが炭素原子である場合、
前記炭素原子が、ハロゲン原子、炭素数6以上30以下のアリール基、炭素数1以上10以下のアルキル基、エーテル基、アルコキシ基及びエステル基、を1種又は2種以上を組み合わせてなる1価の基を有する、前記<1>に記載のイミド化合物。
<3> 前記炭素原子が、炭素数1以上10以下の脂肪族炭化水素基、エーテル基、アルコキシ基及びエステル基、を1種又は2種以上を組み合わせてなる1価の基を有する、前記<2>に記載のイミド化合物。
<4> 前記1価の有機基が、
ハロゲン原子、アリール基、炭素数1以上10以下の脂肪族炭化水素基、アルコキシ基及びエステル基を1種又は2種以上を組み合わせてなる基である前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載のイミド化合物。
<5> 前記1価の有機基が、
炭素数1以上10以下のアルキル基、アルコキシ基及びエステル基を1種又は2種以上を組み合わせてなる基である前記<4>に記載のイミド化合物。
<6> 前記一般式(1)中、Y及びYが硫黄原子であり、且つ、Arが4価のナフタレン基である、前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載のイミド化合物。
<7> 導電性基体と、
前記導電性基体上に配置され、前記<1>〜<6>のいずれか1項に記載のイミド化合物を含む電子輸送材料と、結着樹脂と、電荷発生材料と、正孔輸送材料と、を含有する単層型感光層と、
を備える電子写真感光体。
<8> 前記<7>に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に脱着するプロセスカートリッジ。
<9> 前記<7>に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
<1>、<2>、<3>、<4>、<5>又は<6>に記載の発明によれば、電子輸送能を有する新規なイミド化合物が提供される。
<7>に記載の発明によれば、導電性基体と、前記導電性基体上に配置され、結着樹脂と、電荷発生材料と、正孔輸送材料と、電子輸送材料として後述の比較化合物1、比較化合物2、比較化合物3又は比較化合物4で示されるイミド化合物と、のみを含む単層型感光層とを備える電子写真感光体である場合に比べ、感光層におけるクラックの発生が抑制された電子写真感光体が提供される。
<8>又は<9>に記載の発明によれば、電子輸送材料として後述の比較化合物1、比較化合物2、比較化合物3又は比較化合物4で示されるイミド化合物のみを感光層に含む電子写真感光体を備える場合に比べ、感光層におけるクラックの発生が抑制されたプロセスカートリッジ、又は画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る電子写真感光体の層構成の他の一例を示す概略部分断面図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。 実施例にて合成した特定イミド化合物(1−23)のH−NMRスペクトルを示すグラフである。 実施例にて合成した特定イミド化合物(1−30)のH−NMRスペクトルを示すグラフである。 実施例にて合成した特定イミド化合物(1−31)のH−NMRスペクトルを示すグラフである。 実施例にて合成した特定イミド化合物(1−33)のH−NMRスペクトルを示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
[イミド化合物]
本実施形態に係るイミド化合物は、下記一般式(1)で表される構造を有する。
一般式(1)中、Arは、炭素数6以上18以下の芳香族基を表し、X及びXはそれぞれ独立に、窒素原子又は置換又は無置換の炭素原子を表し、Y及びYはそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、又はNHを表す。R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。ただし、Arは、4価のペリレン基を除く。
一般式(1)で表されるイミド化合物(以下、「特定イミド化合物」とも称す)は、高い電子輸送能を示す。そのため、本実施形態に係る特定イミド化合物は、例えば、電子輸送能が求められる用途に適する。例えば、光電変換デバイス(有機ELデバイス、電子写真感光体等)における膜の形成や、太陽電池、有機トランジスタ、等に用いられる。中でも、電写真感光体において電子輸送能が求められる膜又は層に適しており、特に、単層型感光層(電荷発生能及び電荷輸送能を備える感光層)及び積層感光体の感光層に好適に用いられる。
従来における、結着樹脂、電荷発生材料、正孔輸送材料、及び電子輸送材料を含有する単層型感光層を備える電子写真感光体では、結着樹脂と電子輸送材料との相溶性が低い傾向にあった。結着樹脂と電子輸送材料との相溶性が低いと、層中で分離するため、その分離する界面において、内部応力や機械的な変形によって生じる亀裂状の傷(「クラック」とも称す)が発生することがある。
また、特定イミド化合物は、結着樹脂との相溶性が高い傾向にある。そのため、特定イミド化合物を単層型感光層に含む電子写真感光体では、クラックの発生が抑制されると考えられる。
次いで、本実施形態に係る化合物の構造について、詳細に説明する。
[特定イミド化合物]
本実施形態に係る特定イミド化合物は、一般式(1)で表される構造を有する。
より具体的に特定イミド化合物は、芳香族テトラカルボキシジイミド骨格を有する。そして、ジイミド基の2つの窒素原子に、それぞれ独立に置換基を有していてもよいチアゾール基、オキサゾール基、セレナゾール基、オキサジアゾール基又はジアゾール基が置換した構造を有する。
(Ar)
一般式(1)中、Arは、炭素数6以上18以下の芳香族基を表す。
一般式(1)中、Arで表される炭素数6以上18以下の芳香族基としては、置換又は無置換の芳香族基が挙げられる。
炭素数6以上18以下の無置換の芳香族基としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、テトラセン、ベンゾアントレン(テトラフェン)、ベンゾフェナントレン(クリセン)、トリフェニレン、ピレン、ビフェニル、パラテルフェニル、メタテルフェニル、1−フェニルナフタレン等の芳香族炭化水素から、任意の4つ水素原子を除いた4価の芳香族基が挙げられる。ただし、一般式(1)中、Arで表される炭素数6以上18以下の芳香族基には、4価のペリレン基を含まない。
上記の中でも、一般式(1)中、Arで表される芳香族基としては、4価のナフタレン基であることが好ましい。
4価の芳香族基が、一般式(1)で表されるイミド基(−N[C=O]2−)の炭素原子と連結する部位は、特に限定されず、任意の4点で連結してよい。
ここで、炭素数6以上18以下の芳香族基とは、置換基を含まない芳香族基のみからなる骨格の炭素数が、6以上18以下であることを意味する。
一般式(1)中、Arで表される炭素数6以上18以下の無置換の芳香族基の具体例としては、下記のAr−1〜Ar−8が挙げられる。
一般式(1)中、Arで表される炭素数6以上18以下の無置換の芳香族基における置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、及びハロゲン原子(塩素、ヨウ素、臭素)等が挙げられる。アルキル置換アリール基のアルキル基としては、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状、又は分岐状のアルコキシ基が挙げられる。また、アルコキシ置換アリール基のアルコキシ基としては、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状、又は分岐状のアルコキシ基が挙げられる。
(X及びX
一般式(1)中、X及びXはそれぞれ独立に、窒素原子又は置換又は無置換の炭素原子を表す。
一般式(1)中、X及びXが炭素原子である場合、炭素原子の置換基としては、炭素数1以上40以下の有機基が挙げられる。
前記炭素原子は、炭素数1以上40以下の有機基の中でも、ハロゲン原子、炭素数6以上30以下のアリール基、炭素数1以上10以下の脂肪族炭化水素基、エーテル基、アルコキシ基及びエステル基、を1種又は2種以上を組み合わせてなる1価の基を有することが好ましい。
前記炭素原子は、上記の中でも、炭素数1以上10以下の脂肪族炭化水素基、エーテル基、アルコキシ基及びエステル基、を1種又は2種以上を組み合わせてなる1価の基を有することがより好ましい。
なお、炭素数1以上10以下の脂肪族炭化水素基としては、アルキル基及びアルキレン基が挙げられる。
上述の1価の基としては、以下の基が挙げられる。下記の連結基中、「*」は一般式(1)におけるX及びXで表される炭素原子と連結する部位を表す。Rはアルキル基、Rはアルキレン基、Rはハロゲン原子、Arはアリール基を表す。nは1以上の整数を表す。nが2以上の整数を表すとき、複数のRは、同じ基であっても異なる基であってもよい。
*−OH
*−R
*−O−R
*−O−Ar
*−R−O−Ar
*−R
*−Ar
*−R−C(=O)−R
*−R−OH
*−Ar−OH
*−R−O−R
*−R−O−Ar
*−O−R
*−C(=O)−R
*−C(=O)−O−R
*−C(=O)−OH
*−R−C(=O)−O−R
*−R−C(=O)−O−(R−O)n−R
*−R−R
*−Ar−R
*−R−C(=O)−O−R−Ar
*−R−C(=O)−O−Ar
で表されるアルキル基としては、置換若しくは無置換のアルキル基が挙げられる。
で表される無置換のアルキル基としては、炭素数1以上10以下(好ましくは炭素数1以上8以下)の直鎖状のアルキル基、炭素数3以上10以下(好ましくは炭素数5以上8以下)の分岐状のアルキル基が挙げられる。
炭素数1以上10以下の直鎖状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
炭素数3以上10以下の分岐状のアルキル基としては、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
上記の中でも、無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基等の低級アルキル基が好ましい。
で表されるアルキル基における置換基としては、例えば、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、無置換のアリール基、炭素数1以上4以下のアルキル基若しくはアルコキシ基で置換されたフェニル基、炭素数7以上10以下のアラルキル基、水酸基、カルボキシル基、ニトロ基、及びハロゲン原子(塩素、ヨウ素、臭素)等が挙げられる。
アルコキシ置換アルキル基のアルコキシ基としては、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状、又は分岐状のアルコキシ基が挙げられる。また、アリール置換アルキル基のアリール基としては、後述する一般式(1)中のX及びXが炭素原子である場合に、炭素原子に置換する無置換のアリール基と同様の基が挙げられる。
で表されるアルキレン基としては、上述したRで表されるアルキル基から、もう一つ水素を除いた構造であることが好ましい。
で表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
Arで表されるアリール基としては、置換若しくは無置換のアリール基が挙げられる。
無置換のアリール基としては、例えば、炭素数6以上30以下のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、o−、m−、及びp−トリル基、キシリル基、o−、m−、及びp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基等が挙げられる。上記の中でも、フェニル基が好ましい。
アリール基における置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、及びハロゲン原子(塩素、ヨウ素、臭素)等が挙げられる。
アルキル置換アリール基のアルキル基としては、一般式(1)中のRで表される無置換のアルキル基と同様の基が挙げられる。また、アルコキシ置換アリール基のアルコキシ基としては、後述する一般式(1)中のX及びXが炭素原子である場合に、炭素原子に置換する無置換のアルコキシ基と同様の基が挙げられる。
一般式(1)におけるX及びXが炭素原子である場合、炭素原子に置換するアルコキシ基としては、置換若しくは無置換のアルコキシ基が挙げられる。
一般式(1)におけるX及びXが炭素原子である場合、炭素原子に置換する無置換のアルコキシ基としては、例えば、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状、又は分岐状のアルコキシ基が挙げられる。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基等が挙げられる。これらの中でも、アルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。
一般式(1)におけるX及びXが炭素原子である場合、炭素原子に置換するアルコキシ基における置換基としては、例えば、無置換のアリール基、炭素数1以上4以下のアルキル基で置換されたフェニル基、炭素数7以上10以下のアラルキル基、水酸基、カルボキシル基、ニトロ基、及びハロゲン原子(塩素、ヨウ素、臭素)等が挙げられる。
アリール置換アルコキシ基のアリール基としては、上述するArで表される無置換のアリール基と同様の基が挙げられる。
(Y及びY
一般式(1)中、Y及びYは、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、又はNHを表す。
上記の中でも、一般式(1)中、Y及びYで表される原子としては、硫黄原子、酸素原子又はセレン原子であることが好ましく、硫黄原子又は酸素原子であることがより好ましく、硫黄原子であることが更に好ましい。
(R及びR
一般式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。
一般式(1)中、R及びRで表される1価の有機基としては、炭素数1以上20以下の1価の有機基が挙げられる。
上述した中でも、1価の有機基としては、ハロゲン原子、アリール基、炭素数1以上10以下の脂肪族炭化水素基、アルコキシ基及びエステル基を1種又は2種以上を組み合わせてなる基であることが、好ましい。
また、1価の有機基は、炭素数1以上10以下の脂肪族炭化水素基、アルコキシ基及びエステル基を1種又は2種以上を組み合わせてなる基であることが、より好ましい。
なお、炭素数1以上10以下の脂肪族炭化水素基としては、アルキル基及びアルキレン基が挙げられる。
具体的に1価の有機基としては、以下の有機基が挙げられる。下記の連結基中、「*」は一般式(1)におけるX及びXで表される炭素原子と連結する部位を表す。RA2はアルキル基、RB2はアルキレン基、RC2はハロゲン原子、ArA2はアリール基を表す。nは1以上の整数を表す。nが2以上の整数を表すとき、複数のRB2は、同じ基であっても異なる基であってもよい。
*−RA2
*−O−RA2
*−O−ArA2
*−RB2−O−ArA2
*−RC2
*−ArA2
*−RB2−C(=O)−RA2
*−RB2−O−RA2
*−O−RA2
*−C(=O)−RA2
*−C(=O)−O−RA2
*−RB2−C(=O)−O−RA2
*−RB2−C(=O)−O−(RB2−O)n−RA2
*−RB2−RC2
*−ArA2−RC2
*−RB2−C(=O)−O−RB2−ArA2
*−RB2−C(=O)−O−ArA2
A2で表されるアルキル基としては、置換若しくは無置換のアルキル基が挙げられる。
A2で表される無置換のアルキル基としては、炭素数1以上10以下(好ましくは炭素数1以上8以下)のアルキル基が挙げられる。
炭素数1以上10以下の直鎖状のアルキル基としては、例えば、前述の一般式(1)中のX及びXが炭素原子である場合に、炭素原子に置換する無置換のアルキル基と同様のアルキル基が挙げられる。
B2で表されるアルキレン基としては、上述したRA2で表されるアルキル基から、もう一つ水素を除いた構造であることが好ましい。
一般式(1)中、R及びRで表されるアリール基ArA2としては、前述の一般式(1)中のX及びXが炭素原子である場合に、炭素原子に置換する無置換のアリール基ArA1と同様のアリール基が挙げられる。
一般式(1)中、R及びRで表されるアルコキシ基としては、前述の一般式(1)中のX及びXが炭素原子である場合に、炭素原子に置換する無置換のアルコキシ基が挙げられる。
以下に、特定イミド化合物の具体例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、以下の例示化合物番号は、例示化合物(1−番号)と以下表記する。具体的には、例えば、例示化合物15は、「例示化合物(1−15)」と以下表記する。
(特定イミド化合物の合成方法)
以下、特定イミド化合物の合成方法について説明する。
特定イミド化合物の合成方法は、特に限定されず、公知の方法を用いて合成してよい。例えば、下記に示すように、対応する芳香族テトラカルボン酸二無水物と、アミノアゾール化合物とを脱水縮合させ、特定イミド化合物を合成してもよい。
特定イミド化合物の合成反応において、溶剤は必ずしも使用する必要はないが、使用する際の好ましい溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の溶剤が挙げられる。
ここで、例えば、X、X、Y、Y、R及びRが、それぞれ独立に異なる基又は原子を有するイミド化合物を合成する場合、対応する2種のアミノアゾール化合物と、芳香族テトラカルボン酸二無水物とを脱水縮合させることで、合成してもよい。
又はRにエステル基を有する特定イミド化合物を合成する場合、芳香族テトラカルボン酸二無水物とアミノアゾール化合物とを反応させ、エステル基を有する特定イミド化合物(1)を合成する。その後、必要に応じて、酸触媒の存在下、エステル交換反応により、R又はRに対し任意のアルコール(RES−OH)を反応させ、種々のエステル基を有する特定イミド化合物(2)を合成してもよい。
エステル交換反応における酸触媒としては、特に限定されず、例えば、硫酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等、通常のエステル化反応に用いるものを使用してよい。
本実施形態に係る特定イミド化合物は、例えば、電子写真感光体等における電子輸送材料、太陽電池、有機ドランジスタ等に用いてもよい。
[電子写真感光体]
本実施形態に係る電子写真感光体は、導電性基体と、前記導電性基体上に配置され、特定イミド化合物を含む電子輸送材料と、結着樹脂と、電荷発生材料と、正孔輸送材料と、を含有する単層型感光層と、を備える。電子写真感光体は、必要に応じて、下引層、保護層等を更に備えていてもよい。
以下、本実施形態に係る電子写真感光体について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付することとし、重複する説明は省略する。
図1は、本実施形態に係る電子写真感光体の層構成の一例を示す概略部分断面図である。図1に示す電子写真感光体7Cは、電荷発生材料と電荷輸送材料とを同一の層(単層型感光層6)に含有するものである。図1に示す電子写真感光体7Cにおいては、導電性基体4上に下引層1が設けられ、その上に単層型感光層6が形成された構造を有するものである。電子写真感光体7Cにおいては、例えば単層型感光層6に特定イミド化合物が含有される。なお、図1に示す電子写真感光体において、下引層1、保護層等は設けてもよいし、設けなくてもよい。
以下、本実施形態に係る電子写真感光体の各層について、詳細に説明する。なお、符号は省略して説明する。
[導電性基体]
以下、導電性基体について説明する。
電子写真感光体は、導電性基体を備える。
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013(Ω/cm)未満であることをいう。
導電性基体の表面は、電子写真感光体がレーザプリンタに使用される場合、レーザ光を照射する際に生じる干渉縞を抑制する目的で、中心線平均粗さRaで0.04μm以上0.5μm以下に粗面化されていることが好ましい。なお、非干渉光を光源に用いる場合、干渉縞防止の粗面化は、特に必要ないが、導電性基体の表面の凹凸による欠陥の発生を抑制するため、より長寿命化に適する。
粗面化の方法としては、例えば、研磨剤を水に懸濁させて導電性基体に吹き付けることによって行う湿式ホーニング、回転する砥石に導電性基体を圧接し、連続的に研削加工を行うセンタレス研削、陽極酸化処理等が挙げられる。
粗面化の方法としては、導電性基体の表面を粗面化することなく、導電性又は半導電性粉体を樹脂中に分散させて、導電性基体の表面上に層を形成し、その層中に分散させる粒子により粗面化する方法も挙げられる。
陽極酸化による粗面化処理は、金属製(例えばアルミニウム製)の導電性基体を陽極とし電解質溶液中で陽極酸化することにより導電性基体の表面に酸化膜を形成するものである。電解質溶液としては、例えば、硫酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。しかし、陽極酸化により形成された多孔質陽極酸化膜は、そのままの状態では化学的に活性であり、汚染され易く、環境による抵抗変動も大きい。そこで、多孔質陽極酸化膜に対して、酸化膜の微細孔を加圧水蒸気又は沸騰水中(ニッケル等の金属塩を加えてもよい)で水和反応による体積膨張でふさぎ、より安定な水和酸化物に変える封孔処理を行うことが好ましい。
陽極酸化膜の膜厚は、例えば、0.3μm以上15μm以下が好ましい。この膜厚が上記範囲内にあると、注入に対するバリア性が発揮される傾向があり、また繰り返し使用による残留電位の上昇が抑えられる傾向にある。
導電性基体には、酸性処理液による処理又はベーマイト処理を施してもよい。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
ベーマイト処理は、例えば90℃以上100℃以下の純水中に5分から60分間浸漬すること、又は90℃以上120℃以下の加熱水蒸気に5分から60分間接触させて行う。被膜の膜厚は、0.1μm以上5μm以下が好ましい。これをさらにアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の被膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
[単層型感光層]
以下、単層型感光層について説明する。
単層型感光層は、電子輸送材料と、結着樹脂と、電荷発生材料と、正孔輸送材料と、を含有する。
以下、単層型感光層に含有される各材料について、詳細に説明する。
(電子輸送材料)
以下、電子輸送材料について説明する。
本実施形態に係る感光層は、特定イミド化合物を含む電子輸送材料を含有する。
電子輸送材料として特定イミド化合物を含むと、結着樹脂との相溶性が高まるため、感光層におけるクラックの発生が抑制される。
その他の電子輸送材料としては、特に限定されないが、例えば、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物;ジシアノメチレンフルオレン等のフルオレン化合物;キサントン系化合物;ベンゾフェノン系化合物;シアノビニル系化合物;エチレン系化合物等の電子輸送性化合物が挙げられる。
具体的には、下記ET−1〜ET−9の電子輸送材料が挙げられる。
電子輸送材料に対する特定イミド化合物の割合は、90質量%以上100質量%以下であることが好ましく、98質量%以上100質量%以下であることがより好ましい。
感光層に対する、電子輸送材料の含有量は、感光層におけるクラックの発生を抑制する観点から、5質量%以上30質量%以下であることが好ましく、10質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。
(結着樹脂)
結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの結着樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
結着樹脂としては、得られる画像の点欠陥抑制の観点から、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、及び、ポリアリレート樹脂よりなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂であることが好ましく、ポリカーボネート樹脂であることがより好ましく、ビスフェノールZポリカーボネート樹脂であることが特に好ましい。
なお、ビスフェノールZポリカーボネート樹脂とは、ビスフェノールZ構造、すなわち、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンから2つのヒドロキシ基の水素原子を除いた構造を有するポリカーボネート樹脂である。
また、結着樹脂としては、感光層の成膜性の観点から、粘度平均分子量30,000以上80,000以下であることが好ましい。
前記感光層の全質量に対する結着樹脂の含有量Rは、前述した範囲であることが好ましい。
(電荷発生材料)
電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料;ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;ペリレン顔料;ピロロピロール顔料;フタロシアニン顔料;酸化亜鉛;三方晶系セレン等が挙げられる。
電荷発生材料としては、感光層の高感度化の観点から、フタロシアニン顔料が好ましい。フタロシアニン顔料としては、具体的には、例えば、特開平5−263007号公報、特開平5−279591号公報等に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン;特開平5−98181号公報等に開示されたクロロガリウムフタロシアニン;特開平5−140472号公報、特開平5−140473号公報等に開示されたジクロロスズフタロシアニン;特開平4−189873号公報等に開示されたチタニルフタロシアニンが挙げられる。
電荷発生材料としては、電荷発生効率の観点から、ヒドロキシガリウムフタロシアニン及びクロロガリウムフタロシアニンの少なくともいずれかが好ましく、ヒドロキシガリウムフタロシアニンがより好ましく、V型ヒドロキシガリウムフタロシアニンが更に好ましい。
ヒドロキシガリウムフタロシアニンとしては、600nmから900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおいて810nmから839nmの範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニンが、電荷発生効率の観点から好ましい。
810nmから839nmの範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニンは、平均粒径が特定の範囲であり、且つ、BET比表面積が特定の範囲であることが好ましい。具体的には、平均粒径が0.20μm以下であることが好ましく、0.01μm以上0.15μm以下であることがより好ましく、BET比表面積が45m/g以上であることが好ましく、50m/g以上であることがより好ましく、55m/g以上120m/g以下であることが更に好ましい。平均粒径は、体積平均粒径であり、レーザ回折散乱式粒度分布測定装置((株)堀場製作所製LA−700)にて測定した値である。BET比表面積は、流動式比表面積自動測定装置((株)島津製作所製フローソープII2300)を用い窒素置換法にて測定した値である。
ヒドロキシガリウムフタロシアニンの最大粒径(一次粒径の最大値)は、1.2μm以下が好ましく、1.0μm以下がより好ましく、0.3μm以下が更に好ましい。
ヒドロキシガリウムフタロシアニンは、平均粒径が0.2μm以下であり、且つ、最大粒径が1.2μm以下であり、且つ、BET比表面積が45m/g以上であることが好ましい。
ヒドロキシガリウムフタロシアニンは、CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3°、16.0°、24.9°、28.0°に回折ピークを有するV型であることが好ましい。
クロロガリウムフタロシアニンとしては、感光層の高感度化の観点から、ブラッグ角度(2θ±0.2°)7.4°、16.6°、25.5°、28.3°に回折ピークを有する化合物が好ましい。クロロガリウムフタロシアニンの最大ピーク波長、平均粒径、最大粒径、及びBET比表面積の好ましい範囲は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンと同様である。
電荷発生材料は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
単層型感光層に含まれる電荷発生材料の含有量は、感光層の全質量に対し、0.1質量%以上10質量%以下が好ましく、0.5質量部以上5質量部以下がより好ましく、1質量部以上3質量部以下が特に好ましい。
(正孔輸送材料)
正孔輸送材料としては、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の正孔輸送材料が挙げられる。
これらの正孔輸送材料は1種を単独で又は2種以上で用いられるが、これらに限定されるものではない。
正孔輸送材料としては、電荷移動度の観点から、下記構造式(B−1)で示されるトリアリールアミン誘導体、及び下記構造式(B−2)で示されるベンジジン誘導体が好ましい。
(構造式(B−1)中、RB1は、水素原子又はメチル基を示す。n11は1又は2を示す。ArB1及びArB2は、それぞれ独立に、置換若しくは未置換のアリール基、−C−C(RB3)=C(RB4)(RB5)、又は−C−CH=CH−CH=C(RB6)(RB7)を示し、RB3乃至RB7は、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、又は置換若しくは未置換のアリール基を表す。)
なお、上記置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、又は炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基が挙げられる。
(構造式(B−2)中、RB8及びRB8’は、同一でも異なってもよく、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、又は炭素数1以上5以下のアルコキシ基を示す。RB9、RB9’、RB10及びRB10’は、同一でも異なってもよく、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数1以上2以下のアルキル基で置換されたアミノ基、置換若しくは未置換のアリール基、−C(RB11)=C(RB12)(RB13)、又は−CH=CH−CH=C(RB14)(RB15)を示し、RB11乃至RB15は、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、又は置換若しくは未置換のアリール基を表す。m12、m13、n12及びn13は、それぞれ独立に、0以上2以下の整数を示す。)
ここで、構造式(B−1)で示されるトリアリールアミン誘導体、及び構造式(B−2)で示されるベンジジン誘導体のうち、特に、「−C−CH=CH−CH=C(RB6)(RB7)」を有するトリアリールアミン誘導体、及び「−CH=CH−CH=C(RB14)(RB15)」を有するベンジジン誘導体が望ましい。
一般式(B−1)で表されるトリアリールアミン誘導体及び一般式(B−2)で表されるベンジジン誘導体を含め、本実施形態において感光層に用いられる正孔輸送材料の具体例としては、例えば下記の化合物が挙げられる。
正孔輸送材料の含有量は、例えば、単層型感光層の全固形分に対して10質量%以上50質量%以下がよく、好ましくは20質量%以上40質量%以下である。
(正孔輸送材料と電子輸送材料との比率)
正孔輸送材料と電子輸送材料との比率は、質量比(正孔輸送材料:電子輸送材料)で、50:50以上90:10以下が好ましく、より好ましくは60:40以上80:20以下である。
また、正孔輸送材料として前記構造式(B−1)で示されるトリアリールアミン誘導体及び下記構造式(B−2)で示されるベンジジン誘導体の少なくとも一方を用い、かつ、電子輸送材料として本実施形態に係る特定イミド化合物で表される構造を有する化合物)を用いることが好ましい。
(その他添加剤)
単層型感光層には、界面活性剤、酸化防止剤、微粒子(炭化珪素等)、光安定剤、熱安定剤等の周知のその他添加剤を含んでいてもよい。また、単層型感光層が表面層となる場合、フッ素樹脂粒子、シリコーンオイル等を含んでいてもよい。
(単層型感光層の形成)
単層型感光層は、上記成分を溶剤に加えた感光層形成用塗布液を用いて形成される。
溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状若しくは直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤が挙げられる。これら溶剤は単独又は2種以上混合して用いる。
感光層形成用塗布液中に粒子(例えば電荷発生材料)を分散させる方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
感光層形成用塗布液を下引層上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等が挙げられる。
単層型感光層の膜厚は、好ましくは5μm以上60μm以下、より好ましくは10μm以上40μm以下の範囲に設定される。
[下引層]
以下、下引層について説明する。
下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
無機粒子としては、例えば、粉体抵抗(体積抵抗率)10Ω・cm以上1011Ω・cm以下の無機粒子が挙げられる。
これらの中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
無機粒子のBET法による比表面積は、例えば、10m/g以上がよい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
無機粒子の含有量は、例えば、結着樹脂に対して、10質量%以上80質量%以下であることが好ましく、より好ましくは40質量%以上80質量%以下である。
無機粒子は、表面処理が施されていてもよい。無機粒子は、表面処理の異なるもの、又は、粒子径の異なるものを2種以上混合して用いてもよい。
表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、界面活性剤等が挙げられる。特に、シランカップリング剤が好ましく、アミノ基を有するシランカップリング剤がより好ましい。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
シランカップリング剤は、2種以上混合して使用してもよい。例えば、アミノ基を有するシランカップリング剤と他のシランカップリング剤とを併用してもよい。この他のシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
表面処理剤による表面処理方法は、公知の方法であればいかなる方法でもよく、乾式法又は湿式法のいずれでもよい。
表面処理剤の処理量は、例えば、無機粒子に対して0.5質量%以上10質量%以下が好ましい。
ここで、下引層は、無機粒子と共に電子受容性化合物(アクセプター化合物)を含有することが、電気特性の長期安定性、キャリアブロック性が高まる観点からよい。
電子受容性化合物としては、例えば、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物;2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;キサントン系化合物;チオフェン化合物;3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物;等の電子輸送性物質等が挙げられる。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
電子受容性化合物は、下引層中に無機粒子と共に分散して含まれていてもよいし、無機粒子の表面に付着した状態で含まれていてもよい。
電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着させる方法としては、例えば、乾式法、又は、湿式法が挙げられる。
乾式法は、例えば、無機粒子をせん断力の大きなミキサ等で攪拌しながら、直接又は有機溶媒に溶解させた電子受容性化合物を滴下、乾燥空気や窒素ガスとともに噴霧させて、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。電子受容性化合物の滴下又は噴霧するときは、溶剤の沸点以下の温度で行うことがよい。電子受容性化合物を滴下又は噴霧した後、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に制限されない。
湿式法は、例えば、攪拌、超音波、サンドミル、アトライター、ボールミル等により、無機粒子を溶剤中に分散しつつ、電子受容性化合物を添加し、攪拌又は分散した後、溶剤除去して、電子受容性化合物を無機粒子の表面に付着する方法である。溶剤除去方法は、例えば、ろ過又は蒸留により留去される。溶剤除去後には、更に100℃以上で焼き付けを行ってもよい。焼き付けは電子写真特性が得られる温度、時間であれば特に限定されない。湿式法においては、電子受容性化合物を添加する前に無機粒子の含有水分を除去してもよく、その例として溶剤中で攪拌加熱しながら除去する方法、溶剤と共沸させて除去する方法が挙げられる。
なお、電子受容性化合物の付着は、表面処理剤による表面処理を無機粒子に施す前又は後に行ってよく、電子受容性化合物の付着と表面処理剤による表面処理と同時に行ってもよい。
電子受容性化合物の含有量は、例えば、無機粒子に対して0.01質量%以上20質量%以下がよく、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下である。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の公知の高分子化合物;ジルコニウムキレート化合物;チタニウムキレート化合物;アルミニウムキレート化合物;チタニウムアルコキシド化合物;有機チタニウム化合物;シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これらの中でも、下引層に用いる結着樹脂としては、上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が好適であり、特に、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と硬化剤との反応により得られる樹脂が好適である。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
下引層には電子輸送材料を含んでいてもよい。
また、他の電子輸送材料を併用してもよい。例えば、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物;キサントン系化合物;ベンゾフェノン系化合物;シアノビニル系化合物;エチレン系化合物等の電子輸送材料が挙げられる。
具体的には、(単層型感光層)の項において説明する、ET−1〜ET−9の電子輸送材料が挙げられる。
電子輸送材料の含有量は、例えば、全固形分に対して1質量%以上50質量%以下がよく、好ましくは5質量%以上40質量%以下、より好ましくは10質量%以上30質量%以下である。
下引層には、電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のために種々の添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
添加剤としてのシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ジルコニウムキレート化合物としては、例えば、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
チタニウムキレート化合物としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
アルミニウムキレート化合物としては、例えば、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
これらの添加剤は、単独で、又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
下引層は、ビッカース硬度が35以上であることがよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から1/2までに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
下引層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた下引層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。
下引層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、公知の有機溶剤、例えば、アルコール系溶剤、芳香族炭化水素溶剤、ハロゲン化炭化水素溶剤、ケトン系溶剤、ケトンアルコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
下引層形成用塗布液を調製するときの無機粒子の分散方法としては、例えば、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー等の公知の方法が挙げられる。
下引層形成用塗布液を導電性基体上に塗布する方法としては、例えば、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
下引層の膜厚は、例えば、好ましくは3μm以上、より好ましくは10μm以上50μm以下の範囲内に設定される。
―画像形成装置、及びプロセスカートリッジ―
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。そして、電子写真感光体として、上記本実施形態に係る電子写真感光体が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段を備える装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー像の転写後、帯電前の電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー像の転写後、帯電前に電子写真感光体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置;電子写真感光体の温度を上昇させ、相対温度を低減させるための電子写真感光体加熱部材を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー像が転写される中間転写体と、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、乾式現像方式の画像形成装置、湿式現像方式(液体現像剤を利用した現像方式)の画像形成装置のいずれであってもよい。
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、電子写真感光体を備える部分が、画像形成装置に対して着脱されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る電子写真感光体を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。なお、プロセスカートリッジには、電子写真感光体以外に、例えば、帯電手段、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段からなる群から選択される少なくとも一つを備えてもよい。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図2に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
図2におけるプロセスカートリッジ300は、ハウジング内に、電子写真感光体7、帯電装置8(帯電手段の一例)、現像装置11(現像手段の一例)、及びクリーニング装置13(クリーニング手段の一例)を一体に支持している。クリーニング装置13は、クリーニングブレード(クリーニング部材の一例)131を有しており、クリーニングブレード131は、電子写真感光体7の表面に接触するように配置されている。なお、クリーニング部材は、クリーニングブレード131の態様ではなく、導電性又は絶縁性の繊維状部材であってもよく、これを単独で、又はクリーニングブレード131と併用してもよい。
なお、図2には、画像形成装置として、潤滑材14を電子写真感光体7の表面に供給する繊維状部材132(ロール状)、及び、クリーニングを補助する繊維状部材133(平ブラシ状)を備えた例を示してあるが、これらは必要に応じて配置される。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の各構成について説明する。
−帯電装置−
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
−露光装置−
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
−現像装置−
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
現像装置11に使用される現像剤は、トナー単独の一成分系現像剤であってもよいし、トナーとキャリアとを含む二成分系現像剤であってもよい。また、現像剤は、磁性であってもよいし、非磁性であってもよい。これら現像剤は、周知のものが適用される。
−クリーニング装置−
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
−転写装置−
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
−中間転写体−
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
図3は、本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。
図3に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
以下、実施例に基づき、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例により限定されるものではない。なお、特に断りがない限り「部」は「質量部」を意味する。
−特定イミド化合物の合成例−
(合成例:例示化合物1−23)
ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物26.82g(0.1mol)を、N,N−ジメチルホルムアミド150mlに溶解し、2―アミノ−4−チアゾリル酢酸エチル39.11g(0.21mol)を加え、150℃で3時間攪拌した。反応液を室温まで冷却し、析出した結晶をろ過した後、メタノール500mlで洗浄し、灰白色結晶48gを得た。得られた結晶をクロロホルム1Lに溶解しシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、目的物である特定イミド化合物(例示化合物1−23)の淡黄色結晶39gを得た。融解温度は257〜259℃だった。得られた特定イミド化合物(例示化合物1−23)について、室温(25℃)における重クロロホルム溶媒中のH-NMRスペクトルを図4に示す。
(合成例:例示化合物1−30)
上述で得られた例示化合物1−23の6g(0.01mol)を、n−オクタノール70mlに懸濁させ、硫酸0.1gを加え、ディーンスタークを取り付けたフラスコ中、140℃で5時間加熱攪拌した。反応液を室温まで冷却し、析出した結晶をろ過した後、メタノールで洗浄した。得られた結晶を真空乾燥機で乾燥して特定イミド化合物(例示化合物1−30)を4.6g得た。融解温度は210〜212℃だった。得られた特定イミド化合物(例示化合物1−30)について、室温(25℃)における重クロロホルム溶媒中のH-NMRスペクトルを図5に示す。
(合成例:例示化合物1−31)
例示化合物1−30の合成において、n−オクタノール70mlの代わりに、フェネチルアルコール60mlを使用した以外は、同様に反応させ、特定イミド化合物(例示化合物1−31)を3.9g得た。融解温度は215〜219℃だった。得られた特定イミド化合物(例示化合物1−31)について、室温(25℃)における重クロロホルム溶媒中のH-NMRスペクトルを図6に示す。
(合成例:例示化合物1−33)
例示化合物1−30の合成において、n−オクタノール70mlの代わりに、1-エトキシ−2―プロパノール30mlを使用し、更にトルエン60mlを加えて、4時間加熱還流させた。反応液を室温まで冷却し、反応液にメタノール500mlを加え結晶を析出させた後、ろ過した。得られた粗結晶をトルエン/テトラヒドロフラン=3/1の混合溶媒を用いたシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、特定イミド化合物(例示化合物1−33)2.7gを得た。融解温度は184〜187℃だった。得られた特定イミド化合物(例示化合物1−33)について、室温(25℃)における重クロロホルム溶媒中のH-NMRスペクトルを図7に示す。
[実施例1]
(感光体の作製)
電荷発生物質としてCukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜、16.0゜、24.9゜、28.0゜の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン2質量部、電子輸送材料として特定イミド化合物(例示化合物1-23)5質量部、結着樹脂として共重合型ポリカーボネート樹脂(A)(粘度平均分子量5万)49質量部、テトラヒドロフラン200質量部、モノクロロベンゼン100質量部、を混合した。この混合物を、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて6時間分散した。得られた分散液に、正孔輸送性化合物(HT−7)31質量部、シリコーンオイルKP340(信越化学工業社製)0.001質量を添加し、一晩攪拌して感光層形成用塗布液を得た。
上述で得られた感光層形成用塗布液を、浸漬塗布法にて直径30mmのアルミニウム基材上に塗布し、140℃、1時間乾燥して、膜厚が26μmの単層型感光体を形成した。
[実施例2〜実施例6]
電子輸送材料の種類を、例示化合物1−23から、表3に示す他の特定イミド化合物へと変更した以外は、実施例1と同様にして単層型感光体を得た。
[実施例7〜実施例10]
電子輸送材料、電荷発生材料及び正孔輸送材料の種類を、表3に示す他の材料へと変更した以外は、実施例1と同様にして単層型感光体を得た。
[比較例1〜比較例4]
電子輸送材料、正孔輸送材料、電荷発生材料の種類を、表3に示す仕様へと変更した以外は、実施例1と同様にして単層型感光体を得た。
なお、比較化合物1〜4は、特定イミド化合物である例示化合物1−23の合成例において、原料を比較化合物1〜4に対応する化合物とした以外は、同様にして、合成した。
―評価―
上記で作製した実施例1〜10及び比較例1〜4の電子写真感光体を、富士ゼロックス社製 DocuCentre−V C7775に装着し、次の評価を実行した。各評価の結果を、表3に示す。
[かすれ画質評価(濃度ムラ)]
画質評価は、室温28℃、湿度85%の環境下で、Brother社製HL-2360Dを用いて、100%黒色ベタ画像を6000枚出力後した。6000枚目における、画像のかすれ発生の有無を、以下の基準で評価した。
A:画像のかすれは発生していない。
B:用紙横短部に若干のかすれを確認できるが、画質上問題なし。
C:明らかに白いかすれが発生し実使用上問題となる。
[帯電維持性の評価]
電子写真感光体の電気特性は、表面電位計(トレック社製、トレック334)を用いて、電子写真感光体の表面から1mm離れた位置に測定対象の領域に表面電位プローブを設け、帯電後の表面電位を−720Vに設定した後、15000枚出力後の表面電位を測定した。その後、以下の基準で評価した。帯電電位の降下を評価した。
A:電位降下が15V以下であり、問題なし。
B:電位降下が15V超え25V未満であり、調整可能な範囲のため、問題なし。
C:電位降下が25V以上あり、調整不可能な範囲である。
[耐クラック性評価]
電子写真感光体上に、オレイン酸1wt%ヘキサン溶液を0.4ml噴霧し、室温(25℃)で2週間放置した。その後、電子写真感光体の表面における割れ(クラック)を、以下の基準で評価した。なお、用いた顕微鏡はデジタルマイクロスコープ(キーエンス社製、型番:VHX−700)であり、700倍に拡大して観察した。
A:顕微鏡で観察して問題なし。
B:顕微鏡観察で微細なクラック発生するが実用上問題なし。
C:目視でクラックを確認できる。
上記結果から、実施例1〜実施例10の電子写真感光体は、比較例1〜比較例4の電子写真感光体と比べて、耐クラック性が向上していることがわかった。
1 下引層、4 導電性基体、6 単層型感光層、7C 電子写真感光体、8 帯電装置、9 露光装置、11 現像装置、13 クリーニング装置、14 潤滑材、40 転写装置、50 中間転写体、100 画像形成装置、120 画像形成装置、131 クリーニングブレード、132 繊維状部材(ロール状)、133 繊維状部材、300 プロセスカートリッジ

Claims (9)

  1. 一般式(1)で表されるイミド化合物。

    (一般式(1)中、Arは、炭素数6以上18以下の芳香族基を表し、X及びXはそれぞれ独立に、窒素原子又は置換又は無置換の炭素原子を表し、Y及びYはそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、又はNHを表す。R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。ただし、Arは、4価のペリレン基を除く。)
  2. 前記一般式(1)中、X及びXが炭素原子である場合、
    前記炭素原子が、ハロゲン原子、炭素数6以上30以下のアリール基、炭素数1以上10以下のアルキル基、エーテル基、アルコキシ基及びエステル基、を1種又は2種以上を組み合わせてなる1価の基を有する、請求項1に記載のイミド化合物。
  3. 前記炭素原子が、炭素数1以上10以下の脂肪族炭化水素基、エーテル基、アルコキシ基及びエステル基、を1種又は2種以上を組み合わせてなる1価の基を有する、請求項2に記載のイミド化合物。
  4. 前記1価の有機基が、
    ハロゲン原子、アリール基、炭素数1以上10以下の脂肪族炭化水素基、アルコキシ基及びエステル基を1種又は2種以上を組み合わせてなる基である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のイミド化合物。
  5. 前記1価の有機基が、
    炭素数1以上10以下のアルキル基、アルコキシ基及びエステル基を1種又は2種以上を組み合わせてなる基である請求項4に記載のイミド化合物。
  6. 前記一般式(1)中、Y及びYが硫黄原子であり、且つ、Arが4価のナフタレン基である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のイミド化合物。
  7. 導電性基体と、
    前記導電性基体上に配置され、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のイミド化合物を含む電子輸送材料と、結着樹脂と、電荷発生材料と、正孔輸送材料と、を含有する単層型感光層と、
    を備える電子写真感光体。
  8. 請求項7に記載の電子写真感光体を備え、
    画像形成装置に脱着するプロセスカートリッジ。
  9. 請求項7に記載の電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    を備える画像形成装置。
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