JP2019182105A - ガス発生器 - Google Patents

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Abstract

【課題】点火器の作動によりガス発生剤が燃焼されるガス発生器において、燃焼ガス発生時に該ガス発生器が破損してしまう事態を抑制することを可能とする。【解決手段】少なくとも1つの点火器と、天板、底板、及び周壁板により形成されるハウジングと、を備えるガス発生器において、底板と周壁板とが接続部を介して接続され、少なくとも1つの点火器が配置される少なくとも1つの固定部が底板に形成される。そして、少なくとも1つの固定部及び接続部を含み底板に形成された部位であって、その剛性が該底板における該部位を除く部分の剛性よりも高くされた複数の高剛性部位が、底板において夫々独立して形成され、所定の方向に延在する補強部が、複数の高剛性部位のうちの少なくとも1組の独立部位の間の底板に更に形成される。【選択図】図5

Description

本発明は、点火器での火薬燃焼により、ガス発生剤を燃焼させて燃焼ガスを発生させるガス発生器に関する。
点火器での火薬燃焼により、ガス発生剤を燃焼させるガス発生器は、発生した燃焼ガスにより所望の動作を実現させるものとして広く利用されている。そのようなガス発生器は、例えば、車両等に搭載されるエアバッグ装置のエアバッグを展開するための駆動源として利用することができる。
そして、ガス発生器を構成する点火器やガス発生剤は、該ガス発生器の外殻を形成するハウジング内に配置されている。このようなガス発生器においてガス発生剤が燃焼されると、ハウジング内に多量の燃焼ガスが生成される。そうすると、ハウジング内の圧力が上昇し、該ハウジングが変形し易くなる。
ここで、特許文献1には、ガス発生器のディフューザシェルの円形部とクロージャシェルの円形部との双方又はいずれか一方に、リブ状補強体及び/又は補強段部を形成し、ハウジングの強度を向上させる技術が開示されている。
また、特許文献2には、ガス発生器に対して、該ガス発生器のガス排出口を覆うようにカップ形状の変形可能部材が設けられ、ガス圧により変形する該変形可能部材の変形量に基づいて、該ガス発生器が適切なガス圧を発生させたか否かを検査する技術が開示されている。当該技術では、この変形可能部材に円形アレイ状の補強リブが設けられている。
特開2002−002437号公報 特開平9−109822号公報
従来から、ガス発生器のハウジングを補強して燃焼ガス発生時のハウジングの変形を抑制することで、ガス発生器の破損を抑制する技術が知られている。しかしながら、いたずらにハウジングの肉厚を厚くする等してガス発生器のハウジングが補強されると、該ガス発生器の重量が増加し易くなる。そうすると、例えばエアバッグ装置の駆動源としてガス発生器が利用される場合においては、該ガス発生器の配置自由度が低下することがある。また、補強リブによりガス発生器のハウジングが補強される場合には、該補強リブが適切な位置に配置されないと、ガス発生器の破損を抑制することができない。
本発明は、上記した問題に鑑み、点火器の作動によりガス発生剤が燃焼されるガス発生器において、燃焼ガス発生時に該ガス発生器が破損してしまう事態を抑制することを目的とする。
本発明のガス発生器は、少なくとも1つの点火器と、該少なくとも1つの点火器を収容するハウジングと、を備え、該ハウジング内において、点火器の作動によりガス発生剤が燃焼される。そして、上記課題を解決するために、所定の方向に延在する補強部が、ハウ
ジングの底板に夫々独立して形成された複数の剛性部位のうちの少なくとも1組の独立部位の間に形成される。このような構成により、燃焼ガス発生時にガス発生器が破損してしまう事態を抑制することができる。
具体的には、本発明のガス発生器は、少なくとも1つの点火器と、天板と、該天板と対向する底板と、該天板及び該底板の外周縁に沿って延在する周壁板と、により形成され、ガス排出口を有するハウジングであって、前記少なくとも1つの点火器を収容し、収容された該点火器の作動により、燃焼可能となる位置に充填されたガス発生剤の燃焼が行われる燃焼室を有するハウジングと、を備える。そして、本発明のガス発生器では、前記底板と前記周壁板とが、該底板の前記外周縁を含んで形成された接続部を介して接続され、形成された開口に前記少なくとも1つの点火器が配置される少なくとも1つの固定部が、前記底板に形成され、前記少なくとも1つの固定部及び前記接続部を含み前記底板に形成された部位であって、その剛性が該底板における該部位を除く部分の剛性よりも高くされた複数の高剛性部位が、前記底板において夫々独立して形成され、所定の方向に延在する補強部が、前記複数の高剛性部位のうちの少なくとも1組の独立部位の間の前記底板に更に形成される。
本発明のガス発生器では、ハウジングの底板に形成された少なくとも1つの固定部に少なくとも1つの点火器が配置される。そして、点火器が作動すると、該点火器での火薬燃焼によって生じた燃焼生成物が、ハウジングの燃焼室に充填されたガス発生剤を燃焼させる。ここで、点火器は、このようにガス発生剤に対して作用を行った際の反力によって底板から脱落しない程度に、及び、ガス発生剤の燃焼によって燃焼ガスが生成されハウジング内の圧力が上昇したときに底板から脱落しない程度に、固定部に固定される必要がある。そこで、上記のガス発生器では、このように点火器を固定するために、固定部の剛性が比較的高くされる。詳しくは、底板における少なくとも1つの固定部の剛性が、底板における該固定部(及び接続部)を除く部分の剛性よりも高くされる。つまり、少なくとも1つの固定部は、底板に形成された複数の高剛性部位のうちの1つの独立部位である。
また、上記のガス発生器では、底板と周壁板とが、該底板の外周縁を含んで形成された接続部を介して接続される。ここで、底板と周壁板とが別々の部材で構成される場合、接続部は、これら部材を接合させる構造を有していてもよい。また、底板と周壁板とが一体の部材で構成される場合(例えば、ハウジングが、天板を有する上部シェルと、底板及び周壁板を有する下部シェルと、により形成される場合)、接続部は、底板の外周縁において折り曲げられた部分であってもよい。そして、このように構成される接続部の剛性は、底板における接続部(及び少なくとも1つの固定部)を除く部分の剛性よりも高くなる。つまり、接続部も、底板に形成された複数の高剛性部位のうちの1つの独立部位である。
このように、底板には、少なくとも1つの固定部及び接続部を含む複数の高剛性部位が夫々独立して形成される。なお、高剛性部位は、ハウジング内の圧力によって底板が変形する方向において、底板における該高剛性部位を除く部分よりも剛性が高いものとする。ここで、本発明者は、鋭意検討を行った結果、ガス発生剤の燃焼による燃焼ガス発生時に、ハウジング内の圧力が上昇してハウジングが変形すると、該ハウジングの底板において、複数の高剛性部位のうちの少なくとも1組の独立部位の間に応力が集中し易くなることを新たに見出した。そこで、本発明のガス発生器では、所定の方向に延在する補強部が、複数の高剛性部位のうちの少なくとも1組の独立部位の間の底板に形成される。なお、補強部は、底板を補強するための構造であって、例えば所定の方向に延在するリブである。そうすると、燃焼ガス発生時において、底板の補強部が形成された部分の変形や損傷が抑制される。これにより、上述した底板における応力集中が緩和され、以て、燃焼ガス発生時にガス発生器が破損してしまう事態を抑制することができる。
ここで、前記少なくとも1つの固定部は、前記底板側から前記天板側へ向かって筒状に延在する筒状部を含み、該筒状部における前記底板側が屈曲して前記底板に接続され、該筒状部における前記天板側に前記開口が形成されてもよい。このような構成によれば、屈曲して底板に接続される筒状部の屈曲部分において、底板における高剛性部位を除く部分よりも剛性が高くなる。つまり、筒状部における底板側が屈曲して底板に接続されることによって、固定部の剛性が高くされる。
そして、本発明のガス発生器の第1の態様では、前記ガス発生器が、第1点火器及び第2点火器を備える。そして、前記第1点火器が配置される第1固定部、及び、前記第2点火器が配置される第2固定部が、前記底板に形成され、前記補強部は、前記第1固定部と前記第2固定部との距離が最も短くなる部分を含む前記底板の略中央の領域である第1狭幅部に形成される。
このようなガス発生器は、第1点火器の作動タイミングと第2点火器の作動タイミングとが各々独立して制御され得るマルチタイプのガス発生器である(該ガス発生器は、2つの点火器を備える所謂デュアルタイプのガス発生器でもよいし、3つ以上の点火器を備えてもよい。)。そして、このようなガス発生器において各点火器の作動により燃焼室に充填されたガス発生剤を燃焼させる場合、ガス発生剤のむらの無い燃焼のためには、各点火器を中心としてその周囲にガス発生剤を均等に配置するのが好ましい。そのため、本発明の第1の態様のガス発生器では、該ガス発生器の中心軸に対して略対称となる位置に、第1点火器、第2点火器、及びこれらを固定する第1固定部、第2固定部が配置され、底板の略中央の領域である第1狭幅部に、第1固定部と第2固定部との距離が最も短くなる部分が含まれるように構成される。
ここで、本発明者は、鋭意検討を行った結果、上記のようなガス発生器では、ガス発生剤の燃焼による燃焼ガス発生時に、ハウジング内の圧力が上昇してハウジングが変形すると、第1固定部と第2固定部との距離が最も短くなる部分を含む第1狭幅部に応力が集中し易くなることを新たに見出した。そこで、本発明の第1の態様のガス発生器では、補強部がこの第1狭幅部に形成される。そうすると、燃焼ガス発生時において、第1狭幅部の変形が抑制される。これにより、第1狭幅部への応力集中が緩和され、以て、燃焼ガス発生時にガス発生器が破損してしまう事態を抑制することができる。
そして、本発明の第1の態様のガス発生器において、前記補強部は、前記第1点火器の中心軸と前記第2点火器の中心軸とを含む仮想平面と交差する方向に延在していてもよい。ここで、補強部は、該補強部が形成されなかった場合に、燃焼ガス発生時に第1狭幅部において想定される破断の方向(推定破断方向)と水平に形成されるよりも、該推定破断方向に対して或る角度をもって形成されたほうが、燃焼ガス発生時に第1狭幅部において生じ得る破断を好適に抑制することができる。そのため、仮に、燃焼ガス発生時に上記の仮想平面に沿って底板が破断することが想定される場合には、該仮想平面と交差する方向に延在して補強部が形成されることによって、底板の破断が好適に抑制され、以て、燃焼ガス発生時にガス発生器が破損してしまう事態を抑制することができる。
このように仮想平面と交差する方向に延在する前記補強部は、前記仮想平面と略垂直に交差する方向に延在していてもよい。これによれば、仮に、燃焼ガス発生時に仮想平面に沿って底板が破断することが想定される場合には、該仮想平面と略垂直に交差する方向に延在して補強部が形成されることによって、底板の破断がより好適に抑制される。
また、前記補強部は、前記底板における前記第1固定部と前記第2固定部との距離が最も短くなる部分の略中央を含む位置に形成されてもよい。ここで、第1狭幅部においては、第1固定部と第2固定部との距離が最も短くなる部分の略中央に、最も応力が集中する
ことがある。したがって、この略中央を含む位置に補強部が形成されることによって、底板の破断が好適に抑制される。
更に、本発明の第1の態様のガス発生器において、前記補強部は、前記第1狭幅部に加え、前記底板における前記第1固定部と前記接続部との距離が最も短くなる部分を含む領域である第2狭幅部と、前記底板における前記第2固定部と前記接続部との距離が最も短くなる部分を含む領域である第3狭幅部と、のうちの少なくとも一方にも形成されてもよい。
また、本発明のガス発生器の第2の態様では、前記ガス発生器が、1つの点火器を備える。そして、前記1つの点火器が配置される1つの固定部が、前記底板に形成され、前記補強部は、前記底板における前記1つの固定部と前記接続部との距離が最も短くなる部分を含む領域である第4狭幅部に形成される。
本発明の第2の態様のガス発生器は、所謂シングルタイプのガス発生器である。そして、このようなガス発生器では、ガス発生剤の燃焼による燃焼ガス発生時に、ハウジング内の圧力が上昇してハウジングが変形すると、上記の第4狭幅部に応力が集中し易くなることが判った。そこで、本発明の第2の態様のガス発生器では、補強部がこの第4狭幅部に形成される。そうすると、燃焼ガス発生時において、第4狭幅部の変形が抑制される。これにより、第4狭幅部への応力集中が緩和され、以て、燃焼ガス発生時にガス発生器が破損してしまう事態を抑制することができる。
本発明によれば、点火器の作動によりガス発生剤が燃焼されるガス発生器において、燃焼ガス発生時に該ガス発生器が破損してしまう事態を抑制することができる。
本発明の実施例1に係るガス発生器の概略構成を示す図である。 図1に示したガス発生器において、第1点火器の作動により伝火薬が燃焼され、その燃焼生成物によって更に第1ガス発生剤が燃焼されたときの態様を説明するための図である。 図2に示したガス発生器の横断面図であって、本発明の実施例1に係るガス発生器において想定される破損形態の一例を示す図である。 図3Aに示すガス発生器の底面部側からの斜視図である。 本発明の実施例1において、補強部が形成され得る箇所を説明するための図である。 底面部の第1狭幅部、第2狭幅部、及び第3狭幅部に補強リブR1、R2、及びR3が形成される例を示す図である。 底面部の第1狭幅部のみに補強リブが形成される例を示す第一の図である。 底面部の第1狭幅部のみに補強リブが形成される例を示す第二の図である。 底面部の第1狭幅部のみに補強リブが形成される例を示す第三の図である。 底面部の第1狭幅部のみに補強リブが形成される例を示す第四の図である。 本発明の実施例1の変形例に係るガス発生器の概略構成を示す図である。 本発明の実施例2に係るガス発生器の概略構成を示す図である。 本発明の実施例2において、補強部が形成され得る箇所を説明するための図である。 底面部の第4狭幅部に補強リブR4が形成される例を示す図である。
以下に、図面を参照して本発明の実施形態に係るガス発生器について説明する。なお、
以下の実施形態の構成は例示であり、本発明はこれらの実施の形態の構成に限定されるものではない。
<実施例1>
図1は、ガス発生器1の高さ方向の断面図である。ガス発生器1は、上部シェル2及び下部シェル3で形成される外殻ハウジング4内に充填されたガス発生剤を燃焼させて、燃焼ガスを放出するように構成されている。なお、ガス発生器1は、後述するように2つの燃焼室が配置され、各燃焼室にガス発生剤を配置した、いわゆるデュアルタイプのガス発生器である。また、線C1は、ガス発生器1の中心軸である。
上部シェル2は、周壁部(周壁板)2cと頂面部(天板)2dを有し、これらにより凹状の内部空間を形成する。詳しくは、周壁部2cの一端側に頂面部2dが接続し、その他端側が上部シェル2の開口部となることで、凹状の内部空間が形成される。そして、周壁部2cの当該他端側には、当該開口部から順に、嵌合壁部2a、突き当て部2bが設けられている。嵌合壁部2aによる内部空間の半径は、頂面部2d寄りの周壁部2cによる内部空間の半径より大きく形成され、嵌合壁部2aは、突き当て部2bを介して周壁部2cへと繋がっている。
下部シェル3は、周壁部(周壁板)3aと底面部(底板)3bを有し、これらにより凹状の内部空間を形成する。詳しくは、周壁部3aの一端側に底面部3bが接続し、その他端側は下部シェル3の開口部となることで、凹状の内部空間が形成される。そして、周壁部3aによる内部空間の半径は、上部シェル2の周壁部2cによる内部空間の半径と概ね同じである。下部シェル3の底面部3bには、第1点火器22と、該第1点火器22を収容する第1点火器ハウジング25と、が配置される筒状部3cが設けられている。なお、第1点火器22、第1点火器ハウジング25、及び筒状部3cについての詳細な説明は後述する。また、下部シェル3の底面部3bには、第2点火器28と、該第2点火器28を収容する第2点火器ハウジング29と、が配置される筒状部3dが設けられている。なお、第2点火器28、第2点火器ハウジング29、及び筒状部3dについての詳細な説明は後述する。筒状部3c及び3dが、各々の点火器(第1点火器22及び第2点火器28)の固定部となる。
そして、上部シェル2が下部シェル3に対して嵌め込まれることで、外殻ハウジング4が形成される。ここで、上記の通り、上部シェル2の嵌合壁部2aによる内部空間の半径は、周壁部2cによる内部空間の半径より大きく形成されている。そのため、上部シェル2は、その突き当て部2bが下部シェル3の周壁部3aの開口端に突き当てられるまで、下部シェル3に対して嵌め込まれる。なお、上部シェル2の頂面部2d及び下部シェル3の底面部3bは、上面視で概ね円形状を有しており、上部シェル2の周壁部2c及び下部シェル3の周壁部3aは、それぞれ頂面部2d、底面部3bの周囲を囲み、各面部から概ね垂直に延在した環状の壁面を形成している。つまり、上部シェル2と下部シェル3とが一体化された外殻ハウジング4においては、頂面部2d、底面部3b、周壁部2c及び周壁部3aが、それぞれ天板、底板、周壁板となって外殻ハウジング4が形成される。なお、外殻ハウジング4において、上部シェル2と下部シェル3の嵌合部位や接触部位は、内部に充填される後述のガス発生剤の防湿等のために好適な接合方法(例えば、溶接等)により接合される。
このように構成される外殻ハウジング4の内部空間には、第1点火器22及び第2点火器28が収容される。なお、本実施例に係るガス発生器1では、中心軸C1に対して略対称となる位置に、第1点火器22及び第2点火器28が配置されるものとする。そして、外殻ハウジング4の内部空間において、更に筒状部3cと第1点火器22と第1点火器ハウジング25とによって画定される閉空間(以下、「伝火薬室24」と称する場合もある
。)には、伝火薬23が充填される。また、外殻ハウジング4の内部空間において、更に筒状部3dと第2点火器28と第2点火器ハウジング29とによって画定される閉空間には、第2ガス発生剤26が充填される。なお、このように第2ガス発生剤26が充填される空間を、以下「第2燃焼室27」と称する。そして、伝火薬室24及び第2燃焼室27よりも外側の外殻ハウジング4の内部空間には、第1燃焼室20が形成されている。第1燃焼室20には、第1ガス発生剤21が充填され、第1ガス発生剤21を取り囲むように環状のフィルタ41が配置されている。このように、第1燃焼室20に第1ガス発生剤21が配置され、第2燃焼室27に第2ガス発生剤26が配置されることで、ガス発生器1はデュアルタイプのガス発生器として構成されている。このようなガス発生器1によれば、第1ガス発生剤21の燃焼と、第2ガス発生剤26の燃焼とによって、外部への燃焼ガスの放出の形態を多様に調整することができる。
ここで、第1ガス発生剤21は、第1燃焼室20内で不要に振動しないように不図示のクッション(例えば、上部シェル2内の頂面部2d側に設けられる)の付勢力により外殻ハウジング4、フィルタ41等に抑えつけられた状態で充填されている。第1ガス発生剤21の燃焼温度は、1000〜1700℃の範囲にあることが望ましく、第1ガス発生剤21には、例えば、硝酸グアニジン(41重量%)、塩基性硝酸銅(49重量%)及びバインダーや添加物からなる、単孔円柱状のものを用いることができる。
なお、フィルタ41は、ステンレス鋼製平編の金網を半径方向に重ね、半径方向及び軸方向に圧縮して形成されており、第1ガス発生剤21による燃焼ガスを冷却し、その燃焼残渣を捕集する。フィルタ41として、その他に針金を心棒に多層に巻いて形成された巻線タイプの構造のものを採用してもよい。なお、フィルタ41は、第2燃焼室27に充填された第2ガス発生剤26の燃焼残渣や、第1点火器ハウジング25内に充填された伝火薬23の燃焼残渣も捕集する。また、上部シェル2の周壁部2cとフィルタ41との間には、ガス通路42が設けられる。ガス通路42は、フィルタ41の周囲に半径方向断面に環状に形成された空間である。このガス通路42により、燃焼ガスはフィルタ41の全領域を通過し、フィルタ41の有効利用と燃焼ガスの効果的な冷却・浄化が達成される。ガス通路42を流れる燃焼ガスは、周壁部2cに設けられたガス排出口5に至る。また、外殻ハウジング4内に外部より湿気が侵入するのを阻止するために、ガス発生器1の作動前では、アルミニウムテープ43によりガス排出口5が外殻ハウジング4の内部から塞がれている。
また、外殻ハウジング4の内部空間において伝火薬室24を形成する第1点火器ハウジング25が、下部シェル3の底面部3bに設けられた筒状部3cに固定される。第1点火器ハウジング25は、下部シェル3の底面部3bから上部シェル2の頂面部2dに亘って延在するカップ状のハウジングであって、その開口端を含む部分が筒状部3cに対して嵌め込まれる。そして、第1点火器ハウジング25内における下側(下部シェル3の底面部3b側)の空間に、第1点火器22が配置される。ここで、筒状部3cは、下部シェル3の底面部3bから上部シェル2の頂面部2dに亘って延在する筒部31を有し、該筒部31の頂面部2d側の端部である筒端部32に開口が形成されている。そして、第1点火器22は、この開口を含む筒部31に固定される。また、第1点火器ハウジング25内における上側(上部シェル2の頂面部2d側)の空間には、伝火薬23が充填される。なお、第1点火器ハウジング25は、筒状部3cに対して、例えば溶接によって接合される。また、第1点火器22は、筒状部3cに対して、例えば樹脂を介して接合される。ただし、第1点火器ハウジング25及び第1点火器22の筒状部3cに対する接合方法は、上記に限定されず、好適な接合方法を採ることができる。
ここで、伝火薬23としては、着火性が良く、第1ガス発生剤21より燃焼温度の高いガス発生剤を使用することができる。伝火薬23の燃焼温度は、1700〜3000℃の
範囲にあることが望ましい。このような伝火薬23としては、例えばニトログアニジン(34重量%)、硝酸ストロンチウム(56重量%)からなるものを用いることができる。そして、第1点火器ハウジング25に設けられた連通孔25aは、不図示のアルミニウムテープで塞がれ、伝火薬23と第1ガス発生剤21との混在が防止される。
また、外殻ハウジング4の内部空間において第2燃焼室27を形成する第2点火器ハウジング29が、下部シェル3の底面部3bに設けられた筒状部3dに固定される。第2点火器ハウジング29は、第1点火器ハウジング25と同様に構成され、第1点火器ハウジング25と同様にして筒状部3dに固定される。ここで、筒状部3dは、下部シェル3の底面部3bから上部シェル2の頂面部2dに亘って延在する筒部34を有し、該筒部34の頂面部2d側の端部である筒端部35に開口が形成されている。そして、第2点火器28は、この開口を含む筒部34に固定される。
そして、第2点火器ハウジング29内における上側(上部シェル2の頂面部2d側)の空間には、第2ガス発生剤26が充填される。第2ガス発生剤26も、第2燃焼室27内で不要に振動しないように不図示のクッションによって付勢された状態で充填されている。また、第2ガス発生剤26にも、第1ガス発生剤21と同様に、硝酸グアニジン(41重量%)、塩基性硝酸銅(49重量%)及びバインダーや添加物からなる、単孔円柱状のものを用いることができる。そして、第2点火器ハウジング29に設けられた連通孔29aは、不図示のアルミニウムテープで塞がれ、第2ガス発生剤26と第1ガス発生剤21との混在が防止される。なお、連通孔29aを塞ぐアルミニウムテープは、伝火薬23の燃焼で生じる燃焼生成物や第1ガス発生剤21の燃焼で生じる燃焼ガスによっては開裂せずこれらが第2燃焼室27に流入することを抑制し、第2ガス発生剤26の燃焼により第2燃焼室27に燃焼ガスが生成されると、該燃焼ガスの作用によって開裂し、それまで塞がれていた連通孔29aを連通させるような弁の機能を有する。
そして、以上に述べたガス発生器1において、第1点火器22が作動すると、伝火薬23が燃焼され、第1点火器ハウジング25内に燃焼生成物が生じる。そうすると、この燃焼生成物の作用により、それまで塞がれていた連通孔25aが連通し、該燃焼生成物が、連通孔25aを介して第1燃焼室20へ流出する。その結果、第1ガス発生剤21が燃焼される。つまり、本実施例に係るガス発生器1では、第1点火器22の作動タイミングによって、第1ガス発生剤21の燃焼タイミングが制御される。また、第2点火器28が作動すると、第2ガス発生剤26が燃焼され、第2点火器ハウジング29内に燃焼ガスが生じる。そして、この燃焼ガスは、連通孔29aを介して第1燃焼室20へ流出する。
ここで、デュアルタイプのガス発生器では、異なる着火タイミングで第1ガス発生剤と第2ガス発生剤を着火させる、いわゆる多段着火によってガス発生剤を燃焼させることで、外部への燃焼ガスの放出の形態を多様に調整することができる。本実施例に係るガス発生器1においては、先ず、第1ガス発生剤21を着火・燃焼させ、それから所定の遅れ時間経過後に、第2ガス発生剤26を着火・燃焼させることで、外部への燃焼ガスの放出の形態を多様に調整することができる。ただし、本実施例では、これに限定する意図はなく、ガス発生器1による燃焼ガスの放出形態は、例えば、第1ガス発生剤21のみが燃焼され、第2ガス発生剤26の着火・燃焼を伴わないような態様による燃焼ガスの放出形態であってもよいし、第1ガス発生剤21と第2ガス発生剤26とが同時に着火されるような態様による燃焼ガスの放出形態であってもよい。
以上に述べたガス発生器1において、外殻ハウジング4内に多量の燃焼ガスが生成されると、該ハウジング4内の圧力が上昇し、該ハウジング4が変形し易くなる。そうすると、外殻ハウジング4の変形に起因して、ガス発生器1が破損してしまう虞がある。
ここで、従来から、補強リブ等によりガス発生器のハウジングを補強して燃焼ガス発生時のハウジングの変形を抑制することで、ガス発生器の破損を抑制する技術が知られている。しかしながら、この場合、補強リブが適切な位置に配置されないと、ガス発生器の破損を抑制することができない。
そこで、本発明者は、ガス発生器1において想定される破損形態について検討を行った。図2は、上記の図1に示したガス発生器1において、第1点火器22の作動により伝火薬23が燃焼され、その燃焼生成物によって更に第1ガス発生剤21が燃焼されたときの態様を説明するための図である。
図2に示すように、第1ガス発生剤21の燃焼による燃焼ガス発生時に、上部シェル2の頂面部2dは、それ全体が弓状に変形する傾向にある。これに対して、下部シェル3の底面部3bは、該底面部3bに筒状部3c,3dが設けられ、そこに第1点火器22,第2点火器28、及び第1点火器ハウジング25,第2点火器ハウジング29が接合されるため、第1ガス発生剤21の燃焼による燃焼ガス発生時に、頂面部2dとは異なって変形する傾向にある。ここで、燃焼ガス発生による外殻ハウジング4内の圧力の上昇によって、上部シェル2の頂面部2d全体が弓状に変形する場合、頂面部2dにかかる応力は分散される。一方、下部シェル3の底面部3bについては、内圧を受けると、底面部3bの中心点P1に応力が集中することがある。
そして、下部シェル3の底面部3bにおいて上述したように応力が集中すると、その応力集中部(例えば、底面部3bの中心点P1)において底面部3bが破断することがある。図3Aは、上記の図2に示したガス発生器1の横断面図であって、ガス発生器1において想定される破損形態の一例を示す図である。また、図3Bは、図3Aに示すガス発生器1の底面部3b側からの斜視図である。図3A及び図3Bに示すガス発生器1の破損形態では、第1点火器22と第2点火器28との間の底面部3bにおいて、中心点P1から中心線C2に沿って筒状部3c及び筒状部3dに亘って破断が進行している。なお、図3A及び図3Bに示すガス発生器1の破損形態は、あくまで一例であって、本実施例におけるガス発生器1の破損形態をこれに限定する意図はない。図3A及び図3Bに例示するガス発生器1の破損形態では、底面部3bの中心点P1から破断が進行しているが、これは、底面部3bが厳密にその中心点P1から破断することを意図しているわけではない。例えば、底面部3bは、その略中央において破断することもある。
以上を踏まえて、本発明者は、鋭意検討を行った結果、ガス発生剤(第1ガス発生剤21又は/及び第2ガス発生剤26)の燃焼による燃焼ガス発生時に、外殻ハウジング4内の圧力が上昇して該外殻ハウジング4が変形すると、下部シェル3の底面部3bにおいて夫々独立して形成された複数の高剛性部位のうちの少なくとも1組の独立部位の間に応力が集中し易くなることを新たに見出した。ここで、本実施例における上記の高剛性部位は、筒状部3c,3d及び折曲部(接続部)3eである。なお、折曲部3eは、下部シェル3の底面部3bの外周縁において上部シェル2の頂面部2dに向かって折り曲げられた部分であって、該折曲部3eを介して、下部シェル3の周壁部3aと底面部3bとが接続される。
上述したように、下部シェル3には、第1点火器22及び第2点火器28が配置される。ここで、これら点火器は、該点火器が作動され燃焼ガスが生成される過程で下部シェル3から脱落しない程度の強さで、該下部シェル3に固定される必要がある。そこで、本実施例では、第1点火器22が筒状部3cに対して接合され、第2点火器28が筒状部3dに対して接合されるとともに、これら筒状部の剛性が比較的高くされることで、上記が実現される。なお、これら筒状部3c,3dは、外殻ハウジング4内の圧力によって下部シェル3の底面部3bが変形する方向において、該底面部3bよりも剛性が高くなっている
。具体的には、筒状部3c,3dの底面部3b側が、筒部31,34に対して屈曲して底面部3bに接続されることで、この屈曲部33,36の剛性が高くなる。そして、本発明で見出された知見によれば、1組の独立した高剛性部位の間である、筒状部3cと筒状部3dとの間(つまり、変形し難い筒状部3cと3dとの間で、折曲部3eからのスパンの長い中心点P1部分)に、応力が集中し易くなる。
また、下部シェル3において、折曲部3eが底面部3bに対して折り曲げられて周壁部3aに接続されることで、該折曲部3eは、外殻ハウジング4内の圧力によって底面部3bが変形する方向において、該底面部3bよりも剛性が高くなっている。そして、本発明で見出された知見によれば、1組の独立した高剛性部位の間である、折曲部3eと筒状部3cとの間、又は折曲部3eと筒状部3dとの間にも、応力が集中し易くなる。
そこで、本実施例に係るガス発生器1では、下部シェル3の底面部3bを補強するための補強部が、複数の高剛性部位のうちの少なくとも1組の独立部位の間の底面部3bに形成される。そうすると、上述した底面部3bにおける応力集中が緩和され、以て、燃焼ガス発生時にガス発生器1が破損してしまう事態を抑制することができる。これについて、以下に詳しく説明する。
補強部の形成箇所について、図4に基づいて説明する。図4は、本実施例において、補強部が形成され得る箇所を説明するための図である。なお、図4は、ガス発生器1の底面部3b側からの斜視図であって、図4に示すように、第1点火器22及び第2点火器28は、底面部3bの中心線C2上に配置されている。そして、図4では、底面部3bにおける第1点火器22が接合される筒状部3cと第2点火器28が接合される筒状部3dとの距離が、距離D1として表される。また、底面部3bにおける筒状部3cと折曲部3eとの距離が、距離D2として表され、底面部3bにおける筒状部3dと折曲部3eとの距離が、距離D3として表される。このようなガス発生器1では、図4に示すように、中心線C2上において、筒状部3cと筒状部3dとの距離D1が最短となる(これは、図4において距離D1minで表される。)。また、図4に示すように、距離D2及び距離D3も中心線C2上において最短となる(これは、図4において距離D2min及び距離D3minで表される。)。なお、距離D1がD1minとなる部分が線分L1として表され、距離D2がD2minとなる部分が線分L2として、距離D3がD3minとなる部分が線分L3として表される。
ここで、本発明で見出された知見によれば、筒状部3cと筒状部3dとの距離D1が最も短くなる部分である線分L1を含む底面部3bの所定領域に応力が集中し易くなることが判った。なお、この領域は、図4において領域A1で表され、以下「第1狭幅部A1」と称する。また、これと同様に、距離D2が最も短くなる部分である線分L2を含む底面部3bの領域A2(以下、「第2狭幅部A2」と称する。)、及び距離D3が最も短くなる部分である線分L3を含む底面部3bの領域A3(以下、「第3狭幅部A3」と称する。)にも応力が集中し易くなることが判った。そこで、本実施例に係るガス発生器1においては、第1狭幅部A1、第2狭幅部A2、及び第3狭幅部A3に補強部が形成され得る。
そして、図5は、底面部3bの第1狭幅部A1、第2狭幅部A2、及び第3狭幅部A3に補強リブR1、R2、及びR3が形成される例を示す図である。下部シェル3の底面部3bに、このように補強リブR1、R2、及びR3が形成されることによって、底面部3bにおける応力集中が緩和され、以て、燃焼ガス発生時にガス発生器1が破損してしまう事態を抑制することができる。
なお、上述したように、本実施例に係るガス発生器1では、中心軸C1に対して略対称
となる位置に、第1点火器22及び第2点火器28が配置される、すなわち中心軸C1に対して略対称となる位置に、筒状部3c及び筒状部3dが形成されるため、第1狭幅部A1と底面部3bの略中央とが重なり合う。また、上面視で概ね円形状を有しその外周縁が周壁部3aと接続される底面部3bにおいて、該底面部3bの略中央は変形し易い傾向がある。したがって、底面部3bの略中央が含まれる第1狭幅部A1には、第2狭幅部A2及び第3狭幅部A3よりも応力が集中し易くなる傾向にある。そうすると、上記の図3A及び図3Bに示したように、ガス発生器1が破損してしまう虞がある。
そこで、本実施例に係るガス発生器1では、下部シェル3の底面部3bを補強するための補強部として、第1狭幅部A1に形成される補強リブR1のみが設けられてもよい。あるいは、各狭幅部(第1狭幅部A1、第2狭幅部A2、第3狭幅部A3)に発生する応力の程度に応じて、各狭幅部に形成される補強リブの数や幅、高さ等が変更されてもよい。図6は、底面部3bの第1狭幅部A1のみに補強リブR1が形成される例を示す図である。
図6に示すように、補強リブR1は、中心線C3に沿って延在している。つまり、その線上に第1点火器22及び第2点火器28が配置される中心線C2と垂直に交差する方向に延在している。ここで、補強リブR1は、該補強リブR1が形成されなかった場合に、燃焼ガス発生時に第1狭幅部A1において想定される破断の方向(推定破断方向)と水平に形成されるよりも、該推定破断方向に対して或る角度をもって形成されたほうが、燃焼ガス発生時に第1狭幅部A1において生じ得る破断を好適に抑制することができる。特に、推定破断方向に対して垂直に補強リブR1が形成されると、燃焼ガス発生時に第1狭幅部A1において生じ得る破断をより好適に抑制することができる。したがって、仮に第1狭幅部A1に補強リブR1が形成されないと、例えば上記の図3A及び図3Bに示したように底面部3bが破断することが想定される場合には、図6に示すように補強リブR1が形成されることによって、燃焼ガス発生時に第1狭幅部A1において生じ得る破断をより好適に抑制することができる。
また、図6に示すように、補強リブR1は、底面部3bの中心点P1を含む位置に形成されている。ここで、点P1は、底面部3bの中心点であるとともに、上述した線分L1の中点でもある。そして、第1狭幅部A1においては、線分L1の中点P1に最も応力が集中することがある。ただし、これは、線分L1の中点P1に厳密に限定されるわけではなく、線分L1の略中央に最も応力が集中することがある。したがって、補強リブR1が線分L1の略中央を含む位置に形成されることで、底面部3bの破断が好適に抑制される。
以上に述べたガス発生器1によれば、下部シェル3の底面部3bにおける応力集中が緩和され、以て、燃焼ガス発生時にガス発生器1が破損してしまう事態を抑制することができる。
なお、本実施例に係るガス発生器1において第1狭幅部A1に形成される補強リブは、上記の図6に示した補強リブR1に限定されない。例えば、図7に示すように、中心線C2と垂直に交差する方向に延在する2つの補強リブR11,R12が第1狭幅部A1に形成されてもよい。なお、このような補強リブは2つに限定されず、それ以上の数であってもよい。また、図8に示すように、中心線C2と交差する方向に延在する補強リブR13,R14が、線分L1の中点P1において互いに交差して形成されてもよい。
そして、仮に、燃焼ガス発生時に、下部シェル3の底面部3bにおいて、中心点P1から中心線C3に沿って破断が進行する場合には、図9に示すように、中心線C3と垂直に交差する方向に延在する補強リブR15が第1狭幅部A1に形成されてもよい。
<実施例1の変形例>
次に、上述した実施例1の変形例について、図10に基づいて説明する。なお、本変形例において、上述した実施例1と実質的に同一の構成については、その詳細な説明を省略する。図10は、本変形例に係るガス発生器1の高さ方向の断面図である。
上述した実施例1では、下部シェル3の底面部3bに筒状部3c,3dが設けられ、該筒状部3c,3dに、第1点火器22,第2点火器28、及び、第1点火器ハウジング25,第2点火器ハウジング29が接合される。これに対して、本変形例では、下部シェル3の底面部3bに固定部3f及び固定部3gが設けられる。固定部3f,3gは、第1点火器22,第2点火器28、及び、第1点火器ハウジング25,第2点火器ハウジング29を固定するための構造であって、上面視で概ね円形状を有しその肉厚が底面部3bの肉厚よりも厚くされている。そのため、これら固定部3f,3gは、外殻ハウジング4内の圧力によって下部シェル3の底面部3bが変形する方向において、該底面部3bよりも剛性が高くなっている。ここで、固定部3f,3gには、開口が形成されており、該開口にそれぞれ第1点火器22及び第2点火器28が配置される。そして、固定部3f,3gにおける上部シェル2の頂面部2d側の面と、第1点火器ハウジング25,第2点火器ハウジング29の開口端とが当接するように、第1点火器ハウジング25及び第2点火器ハウジング29が配置される。なお、第1点火器22,第2点火器28、及び、第1点火器ハウジング25,第2点火器ハウジング29は、上記のように配置された状態で、上述した実施例1と同様に、固定部3f,3gに対して接合される。
このようなガス発生器1では、固定部3f,3g及び折曲部3eが、上記の実施例1の説明で述べた高剛性部位となる。そして、本変形例に係るガス発生器1においても、下部シェル3の底面部3bを補強するための補強部が、複数の高剛性部位のうちの少なくとも1組の独立部位の間の底面部3bに形成される。そうすると、底面部3bにおける応力集中が緩和され、以て、燃焼ガス発生時にガス発生器1が破損してしまう事態を抑制することができる。
<実施例2>
次に、本発明の第2の実施例について、図11から図13に基づいて説明する。なお、本実施例において、上述した実施例1と実質的に同一の構成については、その詳細な説明を省略する。図11は、本実施例に係るガス発生器1Aの高さ方向の断面図である。
上述した実施例1に係るガス発生器1は、第1燃焼室20に第1ガス発生剤21が配置され、第2燃焼室27に第2ガス発生剤26が配置されるデュアルタイプのガス発生器である。これに対して、本実施例に係るガス発生器1Aは、外殻ハウジング4内に1つの燃焼室及びガス発生剤が配置される、いわゆるシングルタイプのガス発生器である。
図11に示すように、ガス発生器1Aにおいて、上述したガス発生器1と同様に、下部シェル3の底面部3bには筒状部3cが設けられており、該筒状部3cに第1点火器22及び第1点火器ハウジング25が接合される。そして、筒状部3cと第1点火器22と第1点火器ハウジング25とによって画定される伝火薬室24には、伝火薬23が充填される。また、伝火薬室24よりも外側の外殻ハウジング4の内部空間には、第1燃焼室20が形成され、該第1燃焼室20には、第1ガス発生剤21が充填される。なお、上述したガス発生器1とは異なり、本実施例に係るガス発生器1Aには、筒状部3dや第2点火器28、第2燃焼室27等が設けられない。
ここで、図11に示すように、本実施例に係るガス発生器1Aでは、第1点火器22が中心軸C1に対して偏心して配置される。つまり、下部シェル3の底面部3bにおいて、
筒状部3cが中心点P1に対して偏心して形成される。そうすると、ガス発生器1Aでは、1組の独立した高剛性部位の間である、筒状部3cと折曲部3eとの間に応力が集中し易くなる。そこで、本実施例では、下部シェル3の底面部3bを補強するための補強部が、筒状部3cと折曲部3eとの間の底面部3bに形成される。これについて、図12及び図13に基づいて説明する。
図12は、本実施例において、補強部が形成され得る箇所を説明するための図である。なお、図12は、ガス発生器1Aの底面部3b側からの斜視図であって、図12に示すように、第1点火器22が底面部3bの中心線C2上に配置され、且つその位置が底面部3bの中心点P1に対して偏心している。そして、図12では、底面部3bにおける筒状部3cと折曲部3eとの距離が、距離D4として表される。このようなガス発生器1Aでは、図12に示すように、中心線C2上において、筒状部3cと折曲部3eとの距離D4が最短となる(これは、図12において距離D4minで表される。)。なお、距離D4がD4minとなる部分が線分L4として表される。
そうすると、筒状部3cと折曲部3eとの距離D4が最も短くなる部分である線分L4を含む底面部3bの所定領域に応力が集中し易くなることが判った。なお、この領域は、図12において領域A4で表され、以下「第4狭幅部A4」と称する。そこで、本実施例に係るガス発生器1Aにおいては、第4狭幅部A4に補強部が形成され得る。
そして、図13は、底面部3bの第4狭幅部A4に補強リブR4が形成される例を示す図である。このように補強リブR4が形成されることによって、底面部3bにおける応力集中が緩和され、以て、燃焼ガス発生時にガス発生器1Aが破損してしまう事態を抑制することができる。なお、補強リブは、第4狭幅部A4に形成される補強リブR4に加えて、中心線C3に対して筒状部3cが設けられた側とは反対側における中心線C2上にも形成され得る。この場合、追加の補強リブは、該補強リブと折曲部3eとの距離が、該補強リブと中心点P1との距離よりも長くなる位置に形成されてもよい。
<実施例2の変形例>
次に、上述した実施例2の変形例について説明する。なお、本変形例において、上述した実施例2と実質的に同一の構成については、その詳細な説明を省略する。
上述した実施例2では、下部シェル3の周壁部3aと底面部3bとが、折曲部3eを介して接続される。これに対して、本変形例では、周壁部3aと底面部3bの外周縁とが接合されることによって、周壁部3aと底面部3bとが接続される。ここで、周壁部3aと底面部3bの外周縁とは、溶接やカシメ等によって接合される。このようなガス発生器では、周壁部3aと接続される底面部3bの外周縁が、高剛性部位となる。そして、下部シェル3の底面部3bを補強するための補強部が、筒状部3cと底面部3bの外周縁との間に形成されることで、底面部3bにおける応力集中が緩和され、以て、燃焼ガス発生時にガス発生器1Aが破損してしまう事態を抑制することができる。
1、1A :ガス発生器
2 :上部シェル
2d :頂面部
3 :下部シェル
3a :周壁部
3b :底面部
3c、3d :筒状部
3e :折曲部
4 :外殻ハウジング
5 :ガス排出口
20 :第1燃焼室
21 :第1ガス発生剤
22 :第1点火器
23 :伝火薬
25 :第1点火器ハウジング
26 :第2ガス発生剤
27 :第2燃焼室
28 :第2点火器
29 :第2点火器ハウジング
R1、R2、R3 :補強リブ

Claims (8)

  1. 少なくとも1つの点火器と、
    天板と、該天板と対向する底板と、該天板及び該底板の外周縁に沿って延在する周壁板と、により形成され、ガス排出口を有するハウジングであって、前記少なくとも1つの点火器を収容し、収容された該点火器の作動により、燃焼可能となる位置に充填されたガス発生剤の燃焼が行われる燃焼室を有するハウジングと、
    を備えるガス発生器であって、
    前記底板と前記周壁板とが、該底板の前記外周縁を含んで形成された接続部を介して接続され、
    形成された開口に前記少なくとも1つの点火器が配置される少なくとも1つの固定部が、前記底板に形成され、
    前記少なくとも1つの固定部及び前記接続部を含み前記底板に形成された部位であって、その剛性が該底板における該部位を除く部分の剛性よりも高くされた複数の高剛性部位が、前記底板において夫々独立して形成され、
    所定の方向に延在する補強部が、前記複数の高剛性部位のうちの少なくとも1組の独立部位の間の前記底板に更に形成される、
    ガス発生器。
  2. 前記少なくとも1つの固定部は、前記底板側から前記天板側へ向かって筒状に延在する筒状部を含み、該筒状部における前記底板側が屈曲して前記底板に接続され、該筒状部における前記天板側に前記開口が形成される、
    請求項1に記載のガス発生器。
  3. 前記ガス発生器は、第1点火器及び第2点火器を備え、
    前記第1点火器が配置される第1固定部、及び、前記第2点火器が配置される第2固定部が、前記底板に形成され、
    前記補強部は、前記第1固定部と前記第2固定部との距離が最も短くなる部分を含む前記底板の略中央の領域である第1狭幅部に形成される、
    請求項1又は請求項2に記載のガス発生器。
  4. 前記補強部は、前記第1点火器の中心軸と前記第2点火器の中心軸とを含む仮想平面と交差する方向に延在する、
    請求項3に記載のガス発生器。
  5. 前記補強部は、前記仮想平面と略垂直に交差する方向に延在する、
    請求項4に記載のガス発生器。
  6. 前記補強部は、前記底板における前記第1固定部と前記第2固定部との距離が最も短くなる部分の略中央を含む位置に形成される、
    請求項4又は請求項5に記載のガス発生器。
  7. 前記補強部は、前記第1狭幅部に加え、前記底板における前記第1固定部と前記接続部との距離が最も短くなる部分を含む領域である第2狭幅部と、前記底板における前記第2固定部と前記接続部との距離が最も短くなる部分を含む領域である第3狭幅部と、のうちの少なくとも一方にも形成される、
    請求項3に記載のガス発生器。
  8. 前記ガス発生器は、1つの点火器を備え、
    前記1つの点火器が配置される1つの固定部が、前記底板に形成され、
    前記補強部は、前記底板における前記1つの固定部と前記接続部との距離が最も短くなる部分を含む領域である第4狭幅部に形成される、
    請求項1又は請求項2に記載のガス発生器。
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