JP2019182102A - ガス発生器 - Google Patents
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る構成)を利用する場合、所定の圧力や荷重でキャップが摺動可能となるようにハウジング内に適切に配置する必要があり、ガス発生器の組立が容易ではない。また、ハウジング内でキャップが傾く等、ハウジング内でのキャップの配置が適切に行われないと、点火器の作動にもかかわらずキャップの摺動が好適に行われなくなり、場合によってはハウジング内の圧力が過剰に上昇してしまう虞があり、安全上好ましくない。
の燃焼で生じた燃焼生成物は、連通孔を介して一旦第1空間に移動した後に排出孔から外部に排出されることになる。このように想定される燃焼生成物の流れが生じることで、ガス発生器として設計された放出特性を発揮することが可能となる。
を確実に生じせしめることができる。
と繋がることで、前記第1空間が形成され、前記下部空間のうち前記内筒部材の周囲の空間が、前記第2空間とされてもよい。なお、上述までの具体的な構成は例示的なものであり、その他の構成を本願発明のガス発生器に適用することは妨げられない。
図1は、ガス発生器1の高さ方向の断面図である。ガス発生器1は、上部シェル2及び下部シェル3で形成されるハウジング4内に充填されたガス発生剤を燃焼させて、その燃焼生成物である燃焼ガスを放出するように構成されている。上部シェル2は周壁部2cと頂面部2dを有し、これらにより凹状の内部空間を形成する。頂面部2dは、後述の下部シェル3の底面部3bとともに、上面視で概ね円形状を有しており、周壁部2c及び後述の下部シェル3の周壁部3aは、それぞれ頂面部2d、底面部3bの周囲を囲み、各面部から概ね垂直に延在した環状の壁面を形成している。上部シェル2の内部空間は、後述するように第1ガス発生剤22が充填される空間である。周壁部2cの一端側に頂面部2dが接続し、その他端側は上部シェル2の開口部となる。そして、周壁部2cの当該他端側には、当該開口部から順に、嵌合壁部2a、突き当て部2bが設けられている。嵌合壁部2aによる内部空間の半径は、頂面部2d寄りの周壁部2cによる内部空間の半径より大きく形成され、嵌合壁部2aは、突き当て部2bを介して周壁部2cへと繋がっている。
内筒部材40は、内部に空間を有する筒状の部材であって、下部シェル3の底面部3bに接合される終端部45と、その終端部45から上方に延在する周壁部44と、周壁部44に繋がる接続部43と、接続部43と繋がり更に上方に延在し且つ内側空間の直径が周壁部44より小さい嵌合壁部42と、嵌合壁部42に繋がり内部空間側に曲がって終端し、その端縁によって開口部を形成する終端部41とを有する。図1に示すように、終端部45が下部シェル3の嵌合孔3cの近傍の位置に、且つ、嵌合孔3cに固定された第1点火器23が内筒部材40の内部に収容されるように内筒部材40が底面部3bに接合されると、周壁部44及び嵌合壁部42は底面部3bに対して概ね垂直に且つ頂面部2dに向かって延在した状態となる。
ェル3の接触部位は、内部に充填されるガス発生剤の防湿等のために好適な接合方法(例えば、溶接等)により接合される。
焼し、第1空間21で生じた燃焼ガスは、フィルタ32を経由してガス排出孔5を経て外部へと放出されることが想定されている。一方で、第1点火器23以降に作動する第2点火器27によって第2ガス発生剤26が燃焼されると、第2空間25で生じた燃焼ガスは、連通孔46を経て第1空間21へ移り、そしてフィルタ32およびガス排出孔5を経て外部へと放出されることが想定されている。したがって、ガス発生器1では、第1点火器23の作動時と第2点火器27の作動時のそれぞれにおいて、連通孔46における燃焼ガスの流れが適切に制御されなければ、ガス発生器1として想定された燃焼ガスの放出特性を発揮することができなくなる。
そこで、ガス発生器1では、上述したように連通孔46における燃焼ガスの流れを好適に制御できるように、連通孔46の近傍にカバー部材47と閉塞部材48とが配置されている。カバー部材47について、図2〜図4に基づいて説明する。図2及び図3は、カバー部材47の概略構成を示す。また、図4は、カバー部材47が内筒部材40に対して固定された状態に関する、内筒部材40の軸方向に沿った断面を示している。
また、図2の下段(b)には、カバー部材47の変形例を示す。図2(a)に示す形態では、傘部47bはその周方向に連続する傾斜面を有するように形成されているが、図2(b)に示す形態では、傘部47bは、内筒部材40の周壁部44に設けられた連通孔46に対応する部分のみに、カバー部材47の周方向において傾斜面が断続的に配置される。本変形例では、連通孔46は周壁部44の周方向に沿って等間隔で4つ設けられており、したがって、図2(b)に示すカバー部材47は、断片化された傘部47bを4つ有している。また、第2ガス発生剤26が空間SP0に入り込みにくくする効果を更に高める目的で、1つの傘部47bの両側端部にカバーを形成してもよい。
更なるカバー部材の変形例について、図3に基づいて説明する。本変形例においては、
カバー部材は、内筒部材40の周壁部44の一部が加工されて、上記カバー部材47の傘部47bのように燃焼ガスをガイドする構成部が形成される。具体的には、周壁部44の一部に切込み部51を設ける。この切込み部51は、周壁部44の周方向に沿って延在し周壁部44の外表面と内表面とを貫通する。そして、この切込み部51を、内筒部材40の内側から外側に押し出すことで周壁部44の外表面に開口部を形成する。当該開口部から周壁部44の内表面に至る貫通孔が連通孔46となるとともに、当該開口部の下方に形成される傾斜部53が燃焼ガスをガイドする構成部となる。すなわち、本変形例では、傾斜部53が、上記カバー部材47の傘部47bに相当する構成となり、以て、傾斜部53により連通孔46への燃焼ガスの集約及び連通孔46での燃焼ガスの流れの方向付けが促進される。
次に、閉塞部材48について図4〜図6に基づいて説明する。図4に示すように、閉塞部材48は、円筒状の周壁面48aと、周壁面48aから半径方向内側に延出した延出部48bとを有している。延出部48bは、周壁面48aに対して折り曲げられて接続しているため、閉塞部材48全体において、その接続部位の近傍は比較的剛性が高く形成されている。そして、周壁面48aは、内筒部材40の周壁部44の内側に圧入されて、周壁面48aが連通孔46の第1空間21側の開口部を閉塞する位置に位置決めされる。更には、周壁面48aが当該開口部を閉塞する閉塞位置は、周壁面48aの、延出部48bとの接続部位側の端部よりその反対側の端部の近くに位置している。この結果、周壁面48aの外表面が周壁部44の内周面に圧接された状態となり、閉塞部材48が連通孔46の開口部を第1空間21側から閉塞した状態で内筒部材40に対して固定される。
図5の下段に示すように、連通孔46を閉塞している閉塞部位を中心として周壁面48aが変形し、周壁面48aにおいて変形部位48a1と概ね変形前の状態が維持されている非変形部位48a2が形成される。この変形部位48a1は連通孔46に対応する部位であるため、変形部位48a1の形成により、内筒部材40と閉塞部材48との間に間隙が形成され、第2ガス発生剤26の燃焼ガスが第2空間25から第1空間21へと流れ込むことができるようになる。第1空間21へ流れ込んだ当該燃焼ガスは、ガス排出孔5から外部へ放出されていく。
ここで、閉塞部材48の変形例について、図6に基づいて説明する。本変形例の閉塞部材48も、図5に示す形態と同様に、円筒状の周壁面48aとそれより半径方向内側に延出する延出部48b(図6においては不図示)を有しているが、更に、周壁面48a上に脆弱部49が形成されている。この脆弱部49は、周壁面48aの他の部位よりも強度が弱められた部位であり、具体的には、周壁面48aの上側端部(延出部48bが接続されていない端部)から始まり、その下側端部(延出部48bと接続している端部)の近くまで至る破断線である。周壁面48aには、一対の脆弱部49により挟まれた領域49aが4つ形成され、各領域49aが内筒部材40の周壁部44に設けられた4つの連通孔46のそれぞれに対応し、図4に示す状態と同じように各連通孔46の第1空間21側の開口部をその領域49aで閉塞するように、閉塞部材48が内筒部材40に対して圧入されてそこに固定される。
第2の実施例に係るガス発生器1について、図7に基づいて説明する。図7は、図4と同じようにガス発生器1における内筒部材40近傍の構成を拡大した図である。第2の実施例のガス発生器1では、内筒部材40の周壁部44に設けられている連通孔46は、その中心軸L2が、周壁部44の外表面及び内表面に平行な軸L1に対して鋭角の所定角度θで交わるように形成されている。なお、連通孔46の第1空間21側の開口部は、上記の第1の実施例と同じように閉塞部材48によって閉塞された状態となっている。閉塞部
材48の構成は第1の実施例と同じであるため、その詳細な説明は割愛する。
第3の実施例に係るガス発生器1について、図8に基づいて説明する。図8は、第3の実施例のガス発生器101の高さ方向の断面図である。ガス発生器101は、上部シェル102及び下部シェル103で形成されるハウジング104内に充填されたガス発生剤を燃焼させて、燃焼ガスを上部シェル102設けられたガス排出孔105から外部に放出するように構成されている。上部シェル102は周壁部102cと頂面部102dを有し、これらにより凹状の内部空間を形成する。頂面部102dにガス排出孔105が設けられている。なお、ガス排出孔105は、後述の点火器が作動する前にハウジング104内への湿気の侵入を抑制するために、不図示のアルミニウムテープによりハウジング104の内部から塞がれてもよい。また、下部シェル103は周壁部103aと底面部103bを有し、これらにより凹状の内部空間を形成する。頂面部102dは、後述の下部シェル103の底面部103bとともに、上面視で概ね円形状を有しており、周壁部102c及び後述の下部シェル103の周壁部103aは、それぞれ頂面部102d、底面部103bの周囲を囲み、各面部から概ね垂直に延在した環状の壁面を形成している。周壁部102cの一端側に頂面部102dが接続し、その他端側は上部シェル102の開口部となる。周壁部103aの一端側に底面部103bが接続し、その他端側は下部シェル103の開口部となる。
32は、ステンレス鋼製平編の金網で形成されており第1ガス発生剤122による燃焼ガスを冷却し、その燃焼残渣を捕集する。また、フィルタ132が金網で形成されるため、ある程度のクッション性を有している。そこで、第1ガス発生剤122が第1空間121で不要に振動しないように、フィルタ132により第1ガス発生剤122に付勢力を付与して底面部103bに押さえつけてもよい。また、別法として、そのような付勢力を付すためのクッションを、例えば、第1点火器123の周囲の底面部103b上に配置してもよい。更に、第2空間125には、第2ガス発生剤126が充填されるとともに、その燃焼のための第2点火器127が底面部103bに配置されている。そして、第2空間125における第2ガス発生剤126の不要な振動を抑制するために、クッション129が頂面部102d側に配置されている。第1ガス発生剤122及び第2ガス発生剤126としては、例えば、硝酸グアニジン(41重量%)、塩基性硝酸銅(49重量%)及びバインダーや添加物からなる、単孔円柱状のものを用いることができる。
4、104 :ハウジング
5、105 :ガス排出孔
10 :上下隔壁部材
21、121 :第1空間
22、122 :第1ガス発生剤
23、123 :第1点火器
25、125 :第2空間
26、126 :第2ガス発生剤
27、127 :第2点火器
40、140 :内筒部材
46、146 :連通孔
47、147 :カバー部材
47a :胴部
47b :傘部
48、148 :閉塞部材
48a :周壁面
48b :延出部
49 :脆弱部
51 :切込み部
53 :傾斜部
Claims (8)
- ハウジングと、
前記ハウジング内に配置される第1点火器と、
前記ハウジング内に配置され、前記第1点火器と同時に又は該第1点火器よりも遅れて作動される第2点火器と、
前記第1点火器が収容され、且つ該第1点火器により燃焼される第1ガス発生剤が充填される第1空間と、前記第2点火器が収容され、且つ該第2点火器により燃焼される第2ガス発生剤が充填される第2空間とを、前記ハウジング内に画定する隔壁部材と、
前記ハウジングに設けられ、前記第1空間と該ハウジングの外部とを連通する排出孔と、
前記隔壁部材に設けられ、前記第1空間と前記第2空間とを連通する連通孔と、
を備える、ガス発生器であって、
前記連通孔を前記第1空間側から閉塞する閉塞部材であって、前記第1空間側からの加圧に対しては前記隔壁部材によってその変形が阻害され、前記第2空間側からの加圧に対してはその変形が許容され該連通孔の閉塞状態を解消するように構成される閉塞部材を更に備え、
前記第2点火器の作動により生じた前記第2ガス発生剤の燃焼生成物が、前記連通孔を流れると前記許容された変形を可能とするための所定角度で前記閉塞部材に対して当たるように、該連通孔での該第2ガス発生剤の燃焼生成物の流れが規定される、
ガス発生器。 - 前記隔壁部材に形成される前記連通孔の中心軸が、前記閉塞部材に対して前記所定角度で交わるように構成されることで、前記第2ガス発生剤の燃焼生成物の流れが規定される、
請求項1に記載のガス発生器。 - 前記連通孔の、前記第2空間側の開口部近傍に設けられ、且つ、前記隔壁部材から該第2空間側に突出し前記閉塞部材に対して前記所定角度で交わる方向に延在するガイド部を有するカバー部材を、更に備える、
請求項1又は請求項2に記載のガス発生器。 - 前記隔壁部材は、前記連通孔が形成された筒状部を有し、
前記閉塞部材は、前記筒状部の、前記第1空間側の内壁面に圧入されて、前記連通孔の、該第1空間側の開口部を閉塞するように配置される、
請求項1から請求項3の何れか1項に記載のガス発生器。 - 前記閉塞部材は、
前記隔壁部材の前記筒状部に沿って延在し、前記連通孔の、前記第1空間側の開口部を閉塞する周壁面と、
前記周壁面の延在方向における一方の端部近傍から前記第1空間の半径方向内側に延出した延出部と、
を有し、
前記周壁面が前記連通孔の開口部を閉塞する閉塞部位は、該周壁面の前記一方の端部より該周壁面の他方の端部の近くに位置する、
請求項4に記載のガス発生器。 - 前記周壁面は、該周壁面の他の部位より強度が弱められ、且つ、前記第2ガス発生剤の燃焼生成物により、前記連通孔の開口部に対応する部位の前記許容された変形を可能とする脆弱部を、含む、
請求項5に記載のガス発生器。 - 前記隔壁部材は、
前記第1点火器を収容する筒状の内筒部材であって、該内筒部材の内側空間は、前記第1空間の一部又は全部である内筒部材を、
含み、
前記内筒部材に、該内筒部材の内側空間とその外側とを連通するように前記連通孔が形成され、
前記内筒部材は、前記第1点火器を収容して前記ハウジングの中央寄りの位置に配置され、且つ、前記第2点火器は、該ハウジングにおいて該内筒部材の周囲に位置する前記第2空間内に配置される、
請求項1から請求項6の何れか1項に記載のガス発生器。 - 前記内筒部材は、その一方の端部で前記ハウジングの底面部と接続され、
前記隔壁部材は、
前記内筒部材の他方の端部と接続され、且つ、前記ハウジングの内部空間を上部空間と下部空間とに分割する上下隔壁部材を、
更に含み、
前記内筒部材の内部空間が前記上部空間と繋がることで、前記第1空間が形成され、
前記下部空間のうち前記内筒部材の周囲の空間が、前記第2空間とされる、
請求項7に記載のガス発生器。
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