JP2019181829A - インクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
Description
色材、樹脂、両親媒性溶剤及び水を少なくとも含有する水系インクジェットインクを用いてインクジェット法によりチタン紙上に画像記録するインクジェット記録方法であって、
前記樹脂として、酸価を有するブロック共重合体、及び、酸価を有するグラフト共重合体の一方を用いるか、又は両方を併用し、
前記両親媒性溶剤は、グリコール系溶剤、グリコールモノエーテル系溶剤及びグリコールジエーテル系溶剤から選択され、且つアルキル基を有しないか又は1分子中に含まれるアルキル基の合計炭素数が2以下であり、
前記水系インクジェットインクの全量に対して前記両親媒性溶剤を35質量%以上含有することを特徴とするインクジェット記録方法。
2.
前記樹脂として、酸価が1〜80mgKOH/gであるブロック共重合体、及び、酸価が1〜80mgKOH/gであるグラフト共重合体の一方を用いるか、又は両方を併用することを特徴とする前記1記載のインクジェット記録方法。
3.
前記樹脂として、酸価が1〜40mgKOH/gであるブロック共重合体、及び、酸価が1〜40mgKOH/gであるグラフト共重合体の一方を用いるか、又は両方を併用することを特徴とする前記1記載のインクジェット記録方法。
4.
前記樹脂として、酸価を有するグラフト共重合体を用いることを特徴とする前記1〜3の何れかに記載のインクジェット記録方法。
5.
前記水系インクジェットインクの全量に対して前記両親媒性溶剤を45〜90質量%含有することを特徴とする前記1〜4の何れかに記載のインクジェット記録方法。
6.
前記水系インクジェットインクの全量に対して、グリコールモノエーテル系溶剤である前記両親媒性溶剤の含有量をA質量%、グリコール系溶剤である前記両親媒性溶剤の含有量をB質量%、グリコールジエーテル系溶剤である前記両親媒性溶剤の含有量をC質量%としたときに、A≧B、且つA≧Cの条件を満たすことを特徴とする前記1〜5の何れかに記載のインクジェット記録方法。
7.
前記水系インクジェットインクの全量に対して、グリコールモノエーテル系溶剤である前記両親媒性溶剤の含有量が45質量%以上であることを特徴とする前記1〜6の何れかに記載のインクジェット記録方法。
8.
前記水性インクジェットインクの全量に対して、水の含有量が10〜50質量%であることを特徴とする前記1〜7の何れかに記載のインクジェット記録方法。
本発明のインクジェット記録方法は、色材、樹脂、両親媒性溶剤及び水を少なくとも含有する水系インクジェットインクをインクジェット記録ヘッドから吐出してチタン紙上に画像記録する。ここで、前記樹脂は、ブロック共重合体又はグラフト共重合体であり、且つ酸価を有する。また、前記両親媒性溶剤は、グリコール系溶剤、グリコールモノエーテル系溶剤及びグリコールジエーテル系溶剤から選択され、且つアルキル基を有しないか又は1分子中に含まれるアルキル基の合計炭素数が2以下である。更に、前記水系インクジェットインクの全量に対して前記両親媒性溶剤を35質量%以上含有する。
インクは、色材、樹脂、両親媒性溶剤及び水を少なくとも含有する。
色材としては、例えば、顔料、染料等が挙げられる。
樹脂として、酸価を有するブロック共重合体、及び、酸価を有するグラフト共重合体の一方を用いるか、又は両方を併用する。
両親媒性溶剤としては、グリコール系溶剤、グリコールモノエーテル系溶剤及びグリコールジエーテル系溶剤から選択され、且つアルキル基を有しないか又は1分子中に含まれるアルキル基の合計炭素数が2以下である溶剤が用いられる。
インクの全量に対して、水の含有量は10〜50質量%であることが好ましい。これにより、酸化チタンに樹脂が吸着する一方で、インク側にも樹脂鎖の広がりを生じさせることができ、基材密着性や用紙変形が抑制できるという効果が得られる。
インクは、本発明の効果を損なわない範囲で、以上に説明した成分に加えて、他の成分を適宜含むことができる。他の成分としては、例えば、防腐剤、界面活性剤等が挙げられる。
画像が記録される記録媒体として、チタン紙が好適に用いられる。チタン紙としては、パルプに二酸化チタンを抄きこんでなる紙を用いることができる。チタン紙は、二酸化チタンに由来して隠蔽力に優れる。そのため、印刷層が形成されたチタン紙を化粧板に用いた場合には、下地や基材の影響が軽減され、印刷層が良好に視認される。
インクをチタン紙上に付与する際に用いるインクジェット法は格別限定されず、インクを装填したインクジェットヘッド(インクジェット記録ヘッドともいう)を備えるプリンターを用いることができる。具体的には、デジタル信号に基づいてインクジェットヘッドのノズルからインクを液滴として吐出させ、これをチタン紙上に着弾させて印字を行うことができる。
インクジェット記録方法によって画像(印刷層)が形成されたチタン紙の用途は格別限定されないが、例えば、化粧板を構成するための化粧紙等として使用することができる。この場合、印刷層が形成されたチタン紙に樹脂を含浸させて化粧紙(樹脂含浸化粧紙)が得られる。
〔分散液1〕
シアン顔料65質量部に、樹脂(ビックケミー社製「DISPERSE184」;グラフト共重合体、酸価0mgKOH/g)26質量部と、溶剤としてトリプロピレングリコールモノメチルエーテルを285質量部と、イオン交換水を96質量部加えた混合液をプレミックスした後、0.5mmのジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、分散液1を調製した。
分散液1において、樹脂(ビックケミー社製「DISPERSE184」;グラフト共重合体、酸価0mgKOH/g)に代えて、樹脂(ビックケミー社製「BYKJET9152」;グラフト共重合体、酸価6mgKOH/g)を用いたこと以外は、分散液1と同様にして、分散液2を調製した。
上記の分散液を下記のインク成分と共に表1、2に示す処方(インク組成)で配合し、攪拌、混合した。その後、この混合液を1μmのフィルターにより濾過してインクを得た。なお、濾過前後でインク組成は実質的に変化していない。
・トリプロピレングリコール(TPG、ジオール)
・トリエチレングリコールジメチルエーテル(TEGDME、ジアルキル)
・トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(TPGME、モノアルキル)
・ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(DPGME、モノアルキル)
・トリエチレングリコールモノメチルエテール(TEGME、モノアルキル)
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TEGBE、モノアルキル)
〔樹脂〕
・ビックケミー社製「DISPERBYK180」、ブロック共重合体、酸価94mgKOH/g
・Lubrizol社製「solsperse32000」、ブロック共重合体、酸価15mgKOH/g
・ビックケミー社製「DISPERBYK194」、グラフト共重合体、酸価70mgKOH/g
・ビックケミー社製「BYKJET9152」、グラフト共重合体、酸価6mgKOH/g
・ビックケミー社製「BYKJET9151」、グラフト共重合体、酸価7mgKOH/g
・ビックケミー社製「DISPERBYK190」、グラフト共重合体、酸価10mgKOH/g
・ビックケミー社製「DISPERBYK2010」、グラフト共重合体、酸価20mgKOH/g
・ビックケミー社製「DISPERBYK2015」、グラフト共重合体、酸価15mgKOH/g
・共栄社化学社製「フローレンTG−750W」、グラフト共重合体、酸価40mgKOH/g
・Lubrizol社製「solsperse43000」、グラフト共重合体、酸価8mgKOH/g
・Lubrizol社製「solsperse44000」、グラフト共重合体、酸価12mgKOH/g
・Lubrizol社製「solsperse46000」、グラフト共重合体、酸価12mgKOH/g
・Lubrizol社製「solsperse47000」、グラフト共重合体、酸価8mgKOH/g
・ビックケミー社製「DISPERBYK184」、グラフト共重合体、酸価0mgKOH/g
・ビックケミー社製「DISPERBYK185」、ブロック共重合体、酸価0mgKOH/g
・Lubrizol社製「solsperse54000」、ランダム共重合体、酸価35mgKOH/g
〔防腐剤〕
・ロンザ社製「Proxel GXL(S)」
〔水〕
・イオン交換水
ピエゾ型インクジェットノズルを備えたインクジェット記録ヘッドを有するインクジェット記録装置に、上記調製した各試料を装填し、チタン紙に画像記録を連続して行った。記録材料の搬送速度は、30m/sで行った。
(1)用紙変形(寸法安定性)
上記画像形成方法で記録したベタ画像について、下記の評価基準に従って目視評価により用紙変形の評価を行った。
〔評価基準〕
◎:印刷物に反りなし
〇:印刷物に若干の反りが見られるが、問題ない範囲
△:印刷物に反りが見られるが、許容範囲内
×:硬化物に反りが大きく、NGレベル
画像ベタ印字部において、碁盤目テープ剥離残留付着試験(JIS K 5400の碁盤目試験)で得た硬化組成物試料に粘着テープ(スコッチ#250、住友スリーエム社製)を張り合わせて2kgのローラーで一往復圧着した後、一気に剥がし、残留している碁盤目状の試料の数を調査し、付着率を下記評価基準で評価し、密着性の指標の一つとした。△以上が実用上良好な範囲である。
〔評価基準〕
◎:付着残留率95%以上100%
○:付着残留率80%以上95%
△:付着残留率60%以上80%未満
×:付着残留率60%未満
上記画像形成方法で記録したベタ画像について、光学濃度計(X−Rite社製938分光濃度計)を用いて、ベタ画像部の裏面濃度と同紙の非記録部の濃度も同様に測定し、(ベタ画像部の裏面濃度)−(非画像部の濃度)を求め、下記の評価基準に従って濃度の評価を行った。
〔評価基準〕
◎:濃度差が0.05未満である
○:濃度差が0.05以上、0.08未満である
△:濃度差が0.08以上、0.15未満である
×:濃度差が0.15以上である
上記画像形成方法で記録したベタ画像について、下記の評価基準に従って目視評価により濃度ムラの評価を行った。
〔評価基準〕
◎:10cm離れた位置から観測して、画像に濃度ムラが認められない
○:15cm離れた位置から観測して、画像に濃度ムラが認められない
△:15cm離れた位置から観測すると、画像の一部において濃度ムラが認められるが、30cm離した位置からは、濃度ムラが認められない
×:30cm離した位置から観測して、濃度ムラが認められる
上記画像形成方法で記録した3pt明朝文字について、下記の評価基準に従って目視評価によりにじみ防止性の評価を行った。
〔評価基準〕
◎:文字ににじみがなくはっきり再現されている。
○:ほぼ文字につぶれがなく再現されている。
△:一部の文字のつぶれがみられるが許容範囲内。
×:文字がつぶれている。
表1、2より、実施例1〜21は、比較例1〜5との対比で、チタン紙上に画像記録する際に寸法安定性、密着性及び画質を向上できることがわかる。
Claims (8)
- 色材、樹脂、両親媒性溶剤及び水を少なくとも含有する水系インクジェットインクを用いてインクジェット法によりチタン紙上に画像記録するインクジェット記録方法であって、
前記樹脂として、酸価を有するブロック共重合体、及び、酸価を有するグラフト共重合体の一方を用いるか、又は両方を併用し、
前記両親媒性溶剤は、グリコール系溶剤、グリコールモノエーテル系溶剤及びグリコールジエーテル系溶剤から選択され、且つアルキル基を有しないか又は1分子中に含まれるアルキル基の合計炭素数が2以下であり、
前記水系インクジェットインクの全量に対して前記両親媒性溶剤を35質量%以上含有することを特徴とするインクジェット記録方法。 - 前記樹脂として、酸価が1〜80mgKOH/gであるブロック共重合体、及び、酸価が1〜80mgKOH/gであるグラフト共重合体の一方を用いるか、又は両方を併用することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録方法。
- 前記樹脂として、酸価が1〜40mgKOH/gであるブロック共重合体、及び、酸価が1〜40mgKOH/gであるグラフト共重合体の一方を用いるか、又は両方を併用することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録方法。
- 前記樹脂として、酸価を有するグラフト共重合体を用いることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のインクジェット記録方法。
- 前記水系インクジェットインクの全量に対して前記両親媒性溶剤を45〜90質量%含有することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のインクジェット記録方法。
- 前記水系インクジェットインクの全量に対して、グリコールモノエーテル系溶剤である前記両親媒性溶剤の含有量をA質量%、グリコール系溶剤である前記両親媒性溶剤の含有量をB質量%、グリコールジエーテル系溶剤である前記両親媒性溶剤の含有量をC質量%としたときに、A≧B、且つA≧Cの条件を満たすことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のインクジェット記録方法。
- 前記水系インクジェットインクの全量に対して、グリコールモノエーテル系溶剤である前記両親媒性溶剤の含有量が45質量%以上であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のインクジェット記録方法。
- 前記水性インクジェットインクの全量に対して、水の含有量が10〜50質量%であることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のインクジェット記録方法。
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