JP2017080955A - インクジェット印刷用チタン紙、化粧紙、及び化粧板 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、熱硬化性樹脂の含浸性、及びインクジェット印刷適正に優れたインクジェット印刷用チタン紙を提供することを目的とする。
【解決手段】インクジェット印刷用チタン紙1は、チタン紙2の表面にインク受理層3が形成され、インク受理層3は、炭酸カルシウムを70質量%以上含み、乾燥固形分が7.5g/m2以上であり、添加剤としてカチオン性インキセット剤を含んでおり、炭酸カルシウムは、体積基準粒子径の粒度分布における平均粒径が4.5μm以下である。
【選択図】図1
【解決手段】インクジェット印刷用チタン紙1は、チタン紙2の表面にインク受理層3が形成され、インク受理層3は、炭酸カルシウムを70質量%以上含み、乾燥固形分が7.5g/m2以上であり、添加剤としてカチオン性インキセット剤を含んでおり、炭酸カルシウムは、体積基準粒子径の粒度分布における平均粒径が4.5μm以下である。
【選択図】図1
Description
本発明は、インクジェット印刷用チタン紙、化粧紙、及び化粧板に関する。
従来、インクジェット印刷用チタン紙としては、例えば、パルプにチタンホワイトを抄き込んだ原紙が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。このようなインクジェット印刷用チタン紙は、例えば、原紙の一方の面に、インクジェット印刷によって絵柄が形成され、原紙の他方の面に、パーチクルボード等の基材が貼り付けられ、さらに、メラミン樹脂やポリエステル樹脂、ダップ樹脂等の熱硬化性樹脂が塗布・含浸されて硬化され、化粧板の表面化粧材として使用される。これにより、基材の色にばらつきや暗褐色があっても、基材の色を隠蔽でき、化粧板の表面を安定した美しい色に保持することができる。
また、特許文献1〜3には、インクジェット印刷適性を向上するために、化粧板の原紙の表面にインク受理層を設けることが提案されている。また熱硬化性樹脂の含浸性を向上するために、インク受理層に炭酸カルシウムを含有させることが提案されている。
また、特許文献1〜3には、インクジェット印刷適性を向上するために、化粧板の原紙の表面にインク受理層を設けることが提案されている。また熱硬化性樹脂の含浸性を向上するために、インク受理層に炭酸カルシウムを含有させることが提案されている。
しかしながら、上記特許文献1〜3に記載の技術では、熱硬化性樹脂の含浸性と、インクジェット印刷適正とを両立することは困難であった。
本発明は、上記のような点に着目したもので、熱硬化性樹脂の含浸性、及びインクジェット印刷適正に優れたインクジェット印刷用チタン紙、化粧紙、及び化粧板を提供することを目的としている。
本発明は、上記のような点に着目したもので、熱硬化性樹脂の含浸性、及びインクジェット印刷適正に優れたインクジェット印刷用チタン紙、化粧紙、及び化粧板を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、チタン紙の表面にインク受理層が形成されたインクジェット印刷用チタン紙であって、インク受理層は、炭酸カルシウムを70質量%以上90質量%以下含み、乾燥固形分が7.5g/m2以上20g/m2以下であり、添加剤としてカチオン性インキセット剤を含み、炭酸カルシウムは、体積基準粒子径の粒度分布における平均粒径が4.5μm以下であることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、インク受理層の炭酸カルシウムが、70質量%以上であるため、熱硬化性樹脂の含浸性に優れたものとなる。また、インク受理層の炭酸カルシウムが、体積基準粒子径の粒度分布における平均粒径が4.5μm以下であり、インク受理層が、添加剤としてカチオン性インキセット剤を含み、さらに、インク受理層の乾燥固形分が7.5g/m2以上であるため、水性インクジェットインキの発色がよく、インクジェット印刷適正に優れたものとなる。これにより、熱硬化性樹脂の含浸性、及びインクジェット印刷適正に優れたインクジェット印刷用チタン紙を提供することができる。
次に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
ここで、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係、各層の厚さの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、及び構造等が下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
ここで、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係、各層の厚さの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、及び構造等が下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(インクジェット印刷用チタン紙1)
図1に示すように、本実施形態のインクジェット印刷用チタン紙1は、チタン紙2の一方の面に、インク受理層3が形成されて構成される。そして、インクジェット印刷用チタン紙1は、インク受理層3の表面にインクジェット印刷で絵柄模様層4が形成されて、化粧紙5を形成し、さらに、公知の方法が施されて化粧板8を形成する。図1の例では、チタン紙2の他方の面に、基板6が貼り付けられ、さらに、インク受理層3に熱硬化性樹脂7が塗布・含浸されて硬化され、化粧板8を形成する。化粧板8としては、例えば、高圧メラミン化粧板、低圧メラミン化粧板、ポリエステル化粧板、ダップ化粧板がある。
図1に示すように、本実施形態のインクジェット印刷用チタン紙1は、チタン紙2の一方の面に、インク受理層3が形成されて構成される。そして、インクジェット印刷用チタン紙1は、インク受理層3の表面にインクジェット印刷で絵柄模様層4が形成されて、化粧紙5を形成し、さらに、公知の方法が施されて化粧板8を形成する。図1の例では、チタン紙2の他方の面に、基板6が貼り付けられ、さらに、インク受理層3に熱硬化性樹脂7が塗布・含浸されて硬化され、化粧板8を形成する。化粧板8としては、例えば、高圧メラミン化粧板、低圧メラミン化粧板、ポリエステル化粧板、ダップ化粧板がある。
(チタン紙2)
チタン紙2は、パルプにチタンホワイトを抄き込んだ原紙である。例えば、カレンダー処理された坪量60g/m2以上110g/m2未満の印刷用原紙に、酸化チタンを含む紙料を、長網抄紙機で抄造して得られる。灰分は、20質量%以上40質量%未満とする。
チタン紙2は、パルプにチタンホワイトを抄き込んだ原紙である。例えば、カレンダー処理された坪量60g/m2以上110g/m2未満の印刷用原紙に、酸化チタンを含む紙料を、長網抄紙機で抄造して得られる。灰分は、20質量%以上40質量%未満とする。
(インク受理層3)
インク受理層3は、インクジェット印刷で塗布される水性インクジェットインキを滲みなく定着させるための層である。インク受理層3は、チタン紙2の表面に、インク受理層3用の塗工液を塗工することによって設けることができる。塗工装置としては、例えば、グラビアコーター、バーコーター、ブレードコーター、ロールコーター、カーテンコーターを使用できる。塗工液の塗工量としては、例えば、乾燥固形分で7.5g/m2以上とする。7.5g/m2未満とした場合には、水性インクジェットインキの発色が低下し、インクジェット印刷適性が低下する。また、塗工量の上限は乾燥固形分で20g/m2とする。
インク受理層3は、インクジェット印刷で塗布される水性インクジェットインキを滲みなく定着させるための層である。インク受理層3は、チタン紙2の表面に、インク受理層3用の塗工液を塗工することによって設けることができる。塗工装置としては、例えば、グラビアコーター、バーコーター、ブレードコーター、ロールコーター、カーテンコーターを使用できる。塗工液の塗工量としては、例えば、乾燥固形分で7.5g/m2以上とする。7.5g/m2未満とした場合には、水性インクジェットインキの発色が低下し、インクジェット印刷適性が低下する。また、塗工量の上限は乾燥固形分で20g/m2とする。
また、インク受理層3は、バインダーと、炭酸カルシウムと、添加剤とを含む。バインダーとしては、例えば、カチオン系エマルジョンを使用できる。具体的には、アクリルエマルジョン、エチレン酢酸ビニルエマルジョン等が好適である。特に、インクジェット印刷用チタン紙1のコスト等を考慮すれば、アクリル・スチレンエマルジョンが好ましい。
また、炭酸カルシウムの含有量は、インク受理層3の全質量に対し、70質量%以上とする。70質量%未満とした場合には、熱硬化性樹脂の含浸性が低下し、化粧板8を形成したときにスポット状の微小な膨れやへこみ、つまり、ブリスターが発生する原因となる。また、炭酸カルシウムの含有量の上限は、90質量%以下とする。さらに、炭酸カルシウムは、体積基準粒子径の粒度分布における平均粒径を4.5μm以下とする。
また、添加剤としては、例えば、カチオン性インキセット剤を使用できる。さらに、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、増粘剤、耐水化剤等も添加してもよい。
また、炭酸カルシウムの含有量は、インク受理層3の全質量に対し、70質量%以上とする。70質量%未満とした場合には、熱硬化性樹脂の含浸性が低下し、化粧板8を形成したときにスポット状の微小な膨れやへこみ、つまり、ブリスターが発生する原因となる。また、炭酸カルシウムの含有量の上限は、90質量%以下とする。さらに、炭酸カルシウムは、体積基準粒子径の粒度分布における平均粒径を4.5μm以下とする。
また、添加剤としては、例えば、カチオン性インキセット剤を使用できる。さらに、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、増粘剤、耐水化剤等も添加してもよい。
(絵柄模様層4)
絵柄模様層4は、水性インクジェットインキによって意匠性を付与するための絵柄が印刷された層である。絵柄模様層4は、インク受容層3の表面に、インクジェット印刷で絵柄を印刷することによって設けることができる。絵柄としては、例えば、木目、コルク、抽象柄等、インクジェット印刷用チタン紙1を用いる箇所に適した絵柄を選択できる。
絵柄模様層4は、水性インクジェットインキによって意匠性を付与するための絵柄が印刷された層である。絵柄模様層4は、インク受容層3の表面に、インクジェット印刷で絵柄を印刷することによって設けることができる。絵柄としては、例えば、木目、コルク、抽象柄等、インクジェット印刷用チタン紙1を用いる箇所に適した絵柄を選択できる。
(本実施形態の効果)
本実施形態に係る発明は、以下の効果を奏する。
(1)本実施形態に係るインクジェット印刷用チタン紙1は、チタン紙2の表面にインク受理層3が形成され、インク受理層3は、炭酸カルシウムを70質量%以上90質量%以下含み、乾燥固形分が7.5g/m2以上20g/m2以下であり、添加剤としてカチオン性インキセット剤を含んでおり、炭酸カルシウムは体積基準粒子径の粒度分布における平均粒径が4.5μm以下である。
このような構成によれば、インク受理層3の炭酸カルシウムが、70質量%以上であるため、熱硬化性樹脂の含浸性に優れたものとなる。また、インク受理層3の炭酸カルシウムが、体積基準粒子径の粒度分布における平均粒径が4.5μm以下であり、インク受理層3が、添加剤としてカチオン性インキセット剤を含み、さらに、インク受理層3の乾燥固形分が7.5g/m2以上であるため、水性インクジェットインキの発色がよく、インクジェット印刷適正に優れたものとなる。これにより、熱硬化性樹脂7の含浸性、及びインクジェット印刷適正に優れたインクジェット印刷用チタン紙1を提供することができる。
本実施形態に係る発明は、以下の効果を奏する。
(1)本実施形態に係るインクジェット印刷用チタン紙1は、チタン紙2の表面にインク受理層3が形成され、インク受理層3は、炭酸カルシウムを70質量%以上90質量%以下含み、乾燥固形分が7.5g/m2以上20g/m2以下であり、添加剤としてカチオン性インキセット剤を含んでおり、炭酸カルシウムは体積基準粒子径の粒度分布における平均粒径が4.5μm以下である。
このような構成によれば、インク受理層3の炭酸カルシウムが、70質量%以上であるため、熱硬化性樹脂の含浸性に優れたものとなる。また、インク受理層3の炭酸カルシウムが、体積基準粒子径の粒度分布における平均粒径が4.5μm以下であり、インク受理層3が、添加剤としてカチオン性インキセット剤を含み、さらに、インク受理層3の乾燥固形分が7.5g/m2以上であるため、水性インクジェットインキの発色がよく、インクジェット印刷適正に優れたものとなる。これにより、熱硬化性樹脂7の含浸性、及びインクジェット印刷適正に優れたインクジェット印刷用チタン紙1を提供することができる。
(2)本実施形態に係る化粧紙5は、インクジェット印刷用チタン紙1と、インクジェット印刷用チタン紙1に水性インクジェットインキで印刷された絵柄模様層4とを備える。
このような構成によれば、比較的低コストの化粧紙5を提供することができる。
(3)本実施形態に係る化粧板8は、上記(2)の化粧紙5を備える。
このような構成によれば、化粧紙5の原紙であるインクジェット印刷用チタン紙1が熱硬化性樹脂7の含浸性に優れているため、化粧板8のブリスターの発生を抑制できる。
このような構成によれば、比較的低コストの化粧紙5を提供することができる。
(3)本実施形態に係る化粧板8は、上記(2)の化粧紙5を備える。
このような構成によれば、化粧紙5の原紙であるインクジェット印刷用チタン紙1が熱硬化性樹脂7の含浸性に優れているため、化粧板8のブリスターの発生を抑制できる。
本発明に係る実施例について説明する。
(実施例1)
実施例1では、チタン紙2の一方の面に、インク受容層3用の塗工液を塗工した。チタン紙2として、坪量100g/m2の印刷用白色原紙(具体的には、KJ特殊紙(株)製:KW-1001P)を使用した。インク受理層3用の塗工液として、水75gに対し、体積基準粒子径の粒度分布における平均粒径が3.9μmの炭酸カルシウム(具体的には、白石カルシウム(株)製:白艶華PZ)35g、カチオン系エマルジョン(具体的には、中央理科工業(株)製):FK-820)32.05g、及びカチオン性インキセット剤(具体的には、田岡化学工業(株)製:Sumirez Resin 1001)8.33gを撹拌機で分散させたものを使用した。塗工には、グラビア印刷機を使用した。続いて、200℃オーブンで塗工液を乾燥させ、チタン紙2の一方の面に、インク受理層3を形成した。その際、インク受理層3の炭酸カルシウムを70質量%とした。また、インク受理層3の乾燥固形分を7.5g/m2とした。
(実施例1)
実施例1では、チタン紙2の一方の面に、インク受容層3用の塗工液を塗工した。チタン紙2として、坪量100g/m2の印刷用白色原紙(具体的には、KJ特殊紙(株)製:KW-1001P)を使用した。インク受理層3用の塗工液として、水75gに対し、体積基準粒子径の粒度分布における平均粒径が3.9μmの炭酸カルシウム(具体的には、白石カルシウム(株)製:白艶華PZ)35g、カチオン系エマルジョン(具体的には、中央理科工業(株)製):FK-820)32.05g、及びカチオン性インキセット剤(具体的には、田岡化学工業(株)製:Sumirez Resin 1001)8.33gを撹拌機で分散させたものを使用した。塗工には、グラビア印刷機を使用した。続いて、200℃オーブンで塗工液を乾燥させ、チタン紙2の一方の面に、インク受理層3を形成した。その際、インク受理層3の炭酸カルシウムを70質量%とした。また、インク受理層3の乾燥固形分を7.5g/m2とした。
(比較例1)
比較例1では、カチオン系エマルジョンを59.82gとしインク受理層3の炭酸カルシウムを60質量%(<70質量%)とした。それ以外は実施例1と同様の構成とした。
(比較例2)
比較例2では、炭酸カルシウムとして、体積基準粒子径の粒度分布における平均粒径が0.55μm(<4.5μm)の炭酸カルシウム(具体的には、白石カルシウム(株)製:Brilliant-1500)を使用した。それ以外は実施例1と同様の構成とした。
比較例1では、カチオン系エマルジョンを59.82gとしインク受理層3の炭酸カルシウムを60質量%(<70質量%)とした。それ以外は実施例1と同様の構成とした。
(比較例2)
比較例2では、炭酸カルシウムとして、体積基準粒子径の粒度分布における平均粒径が0.55μm(<4.5μm)の炭酸カルシウム(具体的には、白石カルシウム(株)製:Brilliant-1500)を使用した。それ以外は実施例1と同様の構成とした。
(比較例3)
比較例3では、カチオン性インキセット剤を添加せず、また、炭酸カルシウムと樹脂との比率が変化しないようにするためにカチオン系エマルジョンを38.46gとした。それ以外は実施例1と同様の構成とした。
(比較例4)
比較例4では、炭酸カルシウムとして、体積基準粒子径の粒度分布における平均粒径が0.55μm(<4.5μm)の炭酸カルシウム(具体的には、白石カルシウム(株)製:Brilliant-1500)を使用した。それ以外は比較例3と同様の構成とした。
比較例3では、カチオン性インキセット剤を添加せず、また、炭酸カルシウムと樹脂との比率が変化しないようにするためにカチオン系エマルジョンを38.46gとした。それ以外は実施例1と同様の構成とした。
(比較例4)
比較例4では、炭酸カルシウムとして、体積基準粒子径の粒度分布における平均粒径が0.55μm(<4.5μm)の炭酸カルシウム(具体的には、白石カルシウム(株)製:Brilliant-1500)を使用した。それ以外は比較例3と同様の構成とした。
(評価判定)
以上の実施例1及び各比較例のインクジェット印刷用チタン紙1について、次の評価を実施した。
(熱硬化性樹脂含浸性)
まず、2種類のインクジェットヘッド(エプソン社製:PXH-10000、京セラ製:KJ4B-030)を用い、インクジェット印刷用チタン紙1に対し、純正顔料インクを使用してイエロー、マゼンダ、シアン、及びブラックのベタ印刷を行い、化粧紙5を形成した。続いて、メラミンホルムアルデヒド樹脂が含浸されたオーバーレイ紙の上に、フェノールホルムアルデヒド樹脂が含浸された2枚のコア紙、ベタ印刷を施したインクジェット印刷用チタン紙1(化粧紙5)、及びメラミンホルムアルデヒド樹脂が含浸されたオーバーレイ紙をこの順に積層した積層体を形成する。続いて、形成した積層体を、加熱加圧プレス機で熱圧して化粧板8を形成した。その際、化粧板8にブリスターが発生していない場合を合格「○」、ブリスターが発生した場合を不合格「×」とした。
以上の実施例1及び各比較例のインクジェット印刷用チタン紙1について、次の評価を実施した。
(熱硬化性樹脂含浸性)
まず、2種類のインクジェットヘッド(エプソン社製:PXH-10000、京セラ製:KJ4B-030)を用い、インクジェット印刷用チタン紙1に対し、純正顔料インクを使用してイエロー、マゼンダ、シアン、及びブラックのベタ印刷を行い、化粧紙5を形成した。続いて、メラミンホルムアルデヒド樹脂が含浸されたオーバーレイ紙の上に、フェノールホルムアルデヒド樹脂が含浸された2枚のコア紙、ベタ印刷を施したインクジェット印刷用チタン紙1(化粧紙5)、及びメラミンホルムアルデヒド樹脂が含浸されたオーバーレイ紙をこの順に積層した積層体を形成する。続いて、形成した積層体を、加熱加圧プレス機で熱圧して化粧板8を形成した。その際、化粧板8にブリスターが発生していない場合を合格「○」、ブリスターが発生した場合を不合格「×」とした。
(インクジェット印刷適性)
上記の方法で形成した化粧板8の反射濃度を蛍光分光濃度計(X−Rite社:eXact Advance)で測色した。反射濃度としては、マクベス濃度を使用した。測色条件は、フィルター無し、光源D65、角度10°とした。その際、反射濃度が1.50以上の場合を合格「○」、1.50未満の場合を不合格「×」とした。
評価結果を表1に示す。
上記の方法で形成した化粧板8の反射濃度を蛍光分光濃度計(X−Rite社:eXact Advance)で測色した。反射濃度としては、マクベス濃度を使用した。測色条件は、フィルター無し、光源D65、角度10°とした。その際、反射濃度が1.50以上の場合を合格「○」、1.50未満の場合を不合格「×」とした。
評価結果を表1に示す。
表1から、実施例1、つまりインク受理層3が、炭酸カルシウムを70質量%以上含み、乾燥固形分が7.5g/m2以上であり、添加剤としてカチオン性インキセット剤を含み、また、炭酸カルシウムが、体積基準粒子径の粒度分布における平均粒径が4.5μm以下である、インクジェット印刷用チタン紙1では、熱硬化性樹脂含浸性とインクジェット印刷適正とに優れることがわかった。それゆえ、本発明によれば、より適切なインクジェット印刷用チタン紙1を提供できることがわかった。なお、上記実施例1に記載のインクジェット印刷用チタン紙1の他にも、上記実施形態に記載の材質及び数値を有する種々のインクジェット印刷用チタン紙1についても同様の効果を確認することができた。
これに対し、比較例1、つまり、インク受理層3の炭酸カルシウムが70質量%未満であるインクジェット印刷用チタン紙1では、熱硬化性樹脂の含浸性が不合格「×」となった。また、比較例2、つまり、インク受理層3が含む炭酸カルシウムが、体積基準粒子径の粒度分布における平均粒径が4.5μm未満である炭酸カルシウムであるインクジェット印刷用チタン紙1では、インクジェット印刷適性が不合格「×」となった。さらに、比較例3及び4、つまり、炭酸カルシウムに、カチオン性インキセット剤を添加しないインクジェット印刷用チタン紙1では、インクジェット印刷適性が不合格「×」となった。
1 インクジェット印刷用チタン紙
2 チタン紙
3 インク受理層
4 絵柄模様層
5 化粧紙
6 基板
7 熱硬化性樹脂
8 化粧板
2 チタン紙
3 インク受理層
4 絵柄模様層
5 化粧紙
6 基板
7 熱硬化性樹脂
8 化粧板
Claims (3)
- チタン紙の表面にインク受理層が形成されたインクジェット印刷用チタン紙であって、
前記インク受理層は、炭酸カルシウムを70質量%以上90質量%以下含み、乾燥固形分が7.5g/m2以上20g/m2以下であり、添加剤としてカチオン性インキセット剤を含み、
前記炭酸カルシウムは、体積基準粒子径の粒度分布における平均粒径が4.5μm以下であることを特徴とするインクジェット印刷用チタン紙。 - 請求項1に記載のインクジェット印刷用チタン紙と、前記インクジェット印刷用チタン紙に水性インクジェットインキで印刷された絵柄模様層とを備えることを特徴とする化粧紙。
- 請求項2に記載の化粧紙を備えることを特徴とする化粧板。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019099923A (ja) * | 2017-11-28 | 2019-06-24 | 王子ホールディングス株式会社 | インクジェット印刷用化粧板原紙および化粧板 |
JP2020507018A (ja) * | 2017-02-03 | 2020-03-05 | アールストローム − ムンクショー オーワイジェイ | ラミネートのための化粧紙 |
JP7435663B2 (ja) | 2018-04-11 | 2024-02-21 | コニカミノルタ株式会社 | インクジェット記録方法 |
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- 2015-10-26 JP JP2015209976A patent/JP2017080955A/ja active Pending
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