JP2019181334A - 発泡抑制方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】膜閉塞の発生を抑制しつつ膜分離式好気性生物処理における発泡を効果的に抑制し、さらに不測の発泡の発生に対しても消泡剤を過剰添加することなく発泡を抑制して安定運転を実現する。【解決手段】膜分離式好気性生物処理槽内の発泡を抑制する方法において、該処理槽に、消泡剤として、下記式(1)で表されるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルを主成分とするアルコール系自己乳化型消泡剤と、アルコール系エマルション型消泡剤とを添加する発泡抑制方法。R1−O−(R2O)n−H …(1)(式(1)中、R1は炭素数12〜18のアルキル基、R2は炭素数2〜4のアルキレン基、nは5〜30の数である。複数のR2は互いに同一であってもよく異なるものであってもよい。)【選択図】図1

Description

本発明は、発泡性のある排水の膜分離式好気性生物処理槽に消泡剤を添加して槽内の発泡を抑制する方法において、消泡剤の使用量を削減すると共に、消泡剤の過剰添加による膜閉塞を防止する発泡抑制方法に関する。
本発明の発泡抑制方法は、生活排水、下水、食品工場やパルプ工場をはじめとした広い濃度範囲の有機性排水の膜分離式好気性生物処理に利用することができる。
膜分離式好気性生物処理、特に、膜式活性汚泥(MBR)処理は、汚泥管理が不要で、良好な処理水水質を得ることができるため、運転管理が容易な生物処理とされている。しかしながら、高濃度で汚泥を管理するため、微生物の代謝産物が系内に蓄積し、発泡しやすいことが問題点として挙げられている。
従来、膜分離式好気性生物処理槽内の発泡を抑制するために消泡剤を添加することが行われており、その消泡剤としては、膜を閉塞させにくい、ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル等のアルコール系自己乳化型消泡剤が用いられている(例えば特許文献1)。
特開2015−139724号公報
しかし、消泡剤を添加しても発泡の抑制が不十分なケースがあり、この場合は消泡剤の過剰な添加が必要となり、結果的に膜閉塞を引き起こす場合がある。
本発明は、膜閉塞の発生を抑制しつつ膜分離式好気性生物処理における発泡を効果的に抑制し、さらに不測の発泡の発生に対しても消泡剤を過剰添加することなく発泡を抑制して安定運転を実現する発泡抑制方法を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決すべく検討を重ねた結果、消泡剤としてアルコール系自己乳化型消泡剤とアルコール系エマルション型消泡剤とを併用添加することで、少ない消泡剤使用量で膜閉塞を防止した上で発泡を確実に抑制することができることを見出した。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
[1] 膜分離式好気性生物処理槽に消泡剤を添加して該処理槽内の発泡を抑制する方法において、消泡剤として、下記式(1)で表されるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルを主成分とするアルコール系自己乳化型消泡剤と、アルコール系エマルション型消泡剤とを添加することを特徴とする発泡抑制方法。
−O−(RO)−H …(1)
(式(1)中、Rは炭素数12〜18のアルキル基、Rは炭素数2〜4のアルキレン基、nは5〜30の数である。複数のRは互いに同一であってもよく異なるものであってもよい。)
[2] [1]において、膜分離式好気性生物処理における膜の孔径が0.01μm以上0.1μm以下であることを特徴とする発泡抑制方法。
[3] [1]又は[2]において、各消泡剤の前記処理槽内濃度(kg−CODCr/m−槽容積)が、
アルコール系自己乳化型消泡剤:(0.08〜0.8)×槽内平均汚泥濃度(g−SS/L)
アルコール系エマルション型消泡剤:(0.002〜0.02)×槽内平均汚泥濃度(g−SS/L)
となるようにそれぞれ連続的又は間欠的に添加することを特徴とする発泡抑制方法。
[4] [1]〜[3]のいずれかにおいて、各消泡剤の1日あたりの平均添加量(kg−CODCr/d)が
アルコール系自己乳化型消泡剤:(0.08〜0.8)×槽内平均汚泥濃度(g−SS/L)×汚泥引抜量(m/d)
アルコール系エマルション型消泡剤:(0.002〜0.02)×槽内平均汚泥濃度(g−SS/L)×汚泥引抜量(m/d)
となるようにそれぞれ連続的又は間欠的に添加することを特徴とする発泡抑制方法。
[5] [1]〜[4]のいずれかにおいて、アルコール系自己乳化型消泡剤を常時添加とし、アルコール系自己乳化型消泡剤を上限添加量まで添加しても、発泡が抑制されないと判定された場合にアルコール系エマルション型消泡剤を添加することを特徴とする発泡抑制方法。
本発明によれば、消泡剤としてアルコール系自己乳化型消泡剤とアルコール系エマルション型消泡剤とを併用し、それぞれの消泡作用を有効活用することで、膜閉塞を引き起こすことなく、膜分離式好気性生物処理における発泡を確実に抑制して長期にわたり安定運転を行える。
特に、両消泡剤を併用して各消泡剤について膜の差圧に影響を与えない添加量を明確にし、各々を適正量添加することで、界面活性剤が含まれる排水に対する膜分離式好気性生物処理の適用、消泡剤使用量の削減、消泡剤の過剰添加による膜閉塞の防止を図ることができる。
本発明の発泡抑制方法による膜分離式好気性生物処理槽への消泡剤の薬注方法の一例を示す系統図である。 本発明の発泡抑制方法による膜分離式好気性生物処理槽への消泡剤の薬注方法の他の例を示す系統図である。 本発明の発泡抑制方法による膜分離式好気性生物処理槽への消泡剤の薬注方法の別の例を示す系統図である。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の発泡抑制方法は、膜分離式好気性生物処理槽に消泡剤を添加して該処理槽内の発泡を抑制する方法において、消泡剤として、下記式(1)で表されるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルを主成分とするアルコール系自己乳化型消泡剤と、アルコール系エマルション型消泡剤とを添加することを特徴とする。
−O−(RO)−H …(1)
(式(1)中、Rは炭素数12〜18のアルキル基、Rは炭素数2〜4のアルキレン基、nは5〜30の数である。複数のRは互いに同一であってもよく異なるものであってもよい。)
<メカニズム>
従来、膜分離式好気性生物処理において使用されている、膜を閉塞させにくいとされるアルコール系自己乳化型消泡剤は、処理系内に蓄積する微生物代謝産物由来の発泡には効果が高いが、界面活性剤由来の発泡には効果が低い。
一方、アルコール系エマルション型消泡剤は界面活性剤の発泡に有効であり、アルコール系自己乳化型消泡剤の1/100以下の添加量でも発泡を抑制できるが、膜に付着しやすく膜閉塞を引き起こすため、膜分離式好気性生物処理に使用することが困難である。
しかし、アルコール系エマルション型消泡剤は少量で消泡効果が得られるので、主要な消泡処理をアルコール系自己乳化型消泡剤で行い、アルコール系エマルション型消泡剤を必要に応じてごく少量のみ使用することで膜への悪影響を最小限に抑えて安定運転を実現することができる。
例えば、従来の膜式活性汚泥処理では、微生物代謝物が蓄積しやすい膜分離槽に消泡剤が添加されている。前述の通り、ここで添加する消泡剤としては、膜に付着しにくいアルコール系自己乳化型消泡剤が用いられていた。
このときの添加量は、慣習的に10mg−消泡剤/L−原水量以下とされてきた。この上限値は、槽内溶存酸素濃度を下げない(消泡剤が過剰に添加されると散気の気泡が会合し、溶解効率が低下する)ための目安であり、空気量に余裕があれば、添加量はさらに増やすことができる。
しかし、アルコール系自己乳化型消泡剤は界面活性剤由来の発泡には効果が低く、過剰に添加するといずれ膜を閉塞させる。
そこで本発明では、界面活性剤由来の発泡に効果があるアルコール系エマルション型消泡剤を併用し、アルコール系自己乳化型消泡剤の過剰添加を防ぐ。
しかし、アルコール系エマルション型消泡剤は粒子状であり、膜に付着しやすいため、アルコール系エマルション型消泡剤についても添加量の上限を設ける必要がある。そこで、後述のように、添加する各消泡剤の膜分離式好気性生物処理槽内濃度(kg−CODCr/m−槽容積)の好適範囲を設定する。
<アルコール系自己乳化型消泡剤>
自己乳化型の消泡剤とは、それ自体が界面活性剤であって、親油基及び親水基を同一分子内に有し、水に希釈分散(乳化)してエマルションを形成する薬剤である。本発明では、このような自己乳化型の消泡剤として、下記式(1)で表されるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルを主成分とするアルコール系自己乳化型消泡剤を用いる。このポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルは、Rのアルキル基(炭素数12〜18)、エーテル結合と、ROで表されるオキシアルキレン基(炭素数2〜4)を繰り返し単位とするポリオキシアルキレン基(平均付加モル数5〜30モル)で構成されるポリエーテル系化合物である。
−O−(RO)−H …(1)
(式(1)中、Rは炭素数12〜18のアルキル基、Rは炭素数2〜4のアルキレン基、nは5〜30の数である。複数のRは互いに同一であってもよく異なるものであってもよい。)
上記式(1)で表されるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルとしては、具体的には、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノステアリルエーテルのようなポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノアルキルエーテルなどが挙げられる。
本発明において、アルコール系自己乳化型消泡剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<アルコール系エマルション型消泡剤>
エマルション型消泡剤とは、消泡成分となる水不溶性の物質を乳化剤を用いてエマルションとした薬剤であり、水で希釈可能である。
本発明では、このようなエマルション型消泡剤として、高級アルコール系の消泡成分を主成分とする既知のアルコール系O/Wエマルション型消泡剤を用いる。
本発明に係るアルコール系エマルション型消泡剤の消泡成分として用いられる高級アルコールとしては、炭素数12〜30の高級脂肪族アルコールが挙げられ、その炭素数は好ましくは14〜28、さらに好ましくは16〜26である。このような高級脂肪族アルコールとしては、天然アルコールでは、ラウリルアルコール(1−ドデカノール)、ミリスチルアルコール(1−テトラデカノール)、セチルアルコール(1−ヘキサデカノール)、ステアリルアルコール(1−オクタデカノール)、エイコサノール、ドコサノール、テトラコサノール、ヘキサコサノール、オクタコサノール、ミリシルアルコール等の飽和アルコール、オレイルアルコール等の不飽和アルコールが挙げられ、合成アルコールでは、チーグラー法によりエチレンを重合させるプロセスを経て製造されるチーグラーアルコール、オキソ法により得られるオキソアルコール、天然の植物油脂や動物油脂を高圧還元又はケン化して得られる高級アルコール等が挙げられる。
本発明において、アルコール系エマルション型消泡剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<各消泡剤の添加量>
本発明において、アルコール系自己乳化型消泡剤及びアルコール系エマルション型消泡剤の添加量は各消泡剤の膜分離式好気性生物処理槽内濃度(kg−CODCr/m−槽容積)が、以下の範囲となるような添加量とすることが好ましい。
アルコール系自己乳化型消泡剤:(0.08〜0.8)×槽内平均汚泥濃度(g−SS/L)
アルコール系エマルション型消泡剤:(0.002〜0.02)×槽内平均汚泥濃度(g−SS/L)
ここで、消泡剤製品における消泡成分の濃度は製品ごとに異なるため、本発明ではその添加量の指標をCODCrベースとしている。
消泡剤成分は膜を透過せず、生物分解も受けにくいが、上記添加量の範囲内であれば、消泡剤成分が膜に付着する前に汚泥に定着するものと推定され、膜閉塞させることなく、消泡機能を維持することができる。
アルコール系自己乳化型消泡剤の添加量:0.08〜0.8kg−CODCr/m−槽容積、アルコール系エマルション型消泡剤の添加量:0.002〜0.02kg−CODCr/m−槽容積は、槽内汚泥濃度1g−SS/L(MLSS=1000mg/L)の場合の好適値であり、汚泥濃度が上昇すると、上式のとおり、必要添加量は増大する。
また、消泡剤成分は汚泥の引き抜きで系外へ排出されるため、汚泥引き抜き量から、1日あたりの添加量を決定してもよい。この場合、各消泡剤の1日あたりの平均添加量(kg−CODCr/d)は、以下の範囲であることが好ましい。
アルコール系自己乳化型消泡剤:(0.08〜0.8)×槽内平均汚泥濃度(g−SS/L)×汚泥引抜量(m/d)
アルコール系エマルション型消泡剤:(0.002〜0.02)×槽内平均汚泥濃度(g−SS/L)×汚泥引抜量(m/d)
<消泡剤の薬注方法>
上述のとおり、アルコール系エマルション型消泡剤の添加量の上限は、アルコール系自己乳化型消泡剤より大幅に小さい。
そこで、アルコール系自己乳化型消泡剤の添加を常時(連続添加または所定時間ごとの間欠添加)とし、同様にアルコール系エマルション型消泡剤の添加を常時とすることもできるし、アルコール系自己乳化型消泡剤の添加のみを常時とし、これで消えない泡が発生した場合のみ(泡の発生時または泡の成長が止まらない状態と判定した時点から)、アルコール系エマルション型消泡剤の添加を開始する制御を採用してもよい。ここで、アルコール系自己乳化型消泡剤の添加で消えない泡の定義は、例えば、アルコール系自己乳化型消泡剤の添加量が上記上限添加量以下、望ましくは上限添加量の50%添加時、さらに望ましくは30%添加時点で曝気槽の上方から視認したとき水面が見えていない(全面が泡に覆われている)場合である。
<消泡剤の薬注位置>
各消泡剤の添加位置について、図1〜3を参照して説明する。図1〜3において、同一機能を奏する部材には同一符号を付してある。Bは散気管、Mは浸漬膜である。
図1に示すように、活性汚泥槽1と膜浸漬活性汚泥槽2とを有し、原水が活性汚泥槽1から膜浸漬活性汚泥槽2に流入して順次処理され、処理水が膜浸漬活性汚泥槽2の浸漬膜Mで膜分離されて取り出されると共に、膜浸漬活性汚泥槽2から余剰汚泥が引き抜かれ、残部が返送汚泥として活性汚泥槽1に循環されるタイプの膜分離式好気性生物処理槽にあっては、発泡が起こり易い膜浸漬活性汚泥槽2にアルコール系自己乳化型消泡剤とアルコール系エマルション型消泡剤を添加することが好ましい。
図2に示すように、活性汚泥槽として活性汚泥槽1Aと活性汚泥槽1Bとの2槽を設け、最後段に膜浸漬活性汚泥槽2を設けた構成の膜分離式好気性生物処理槽の場合は、2槽に1槽の割合で消泡剤を添加することが好ましく、例えば、図2に示すように、前段の活性汚泥槽1Aと最後段の膜浸漬活性汚泥槽2とにそれぞれアルコール系自己乳化型消泡剤とアルコール系エマルション型消泡剤とを添加することが好ましい。
また、図3に示すように、前段に高負荷活性汚泥槽1Cを設ける場合は、この高負荷活性汚泥槽1Cと膜浸漬活性汚泥槽2とにアルコール系自己乳化型消泡剤及びアルコール系エマルション型消泡剤を添加することが好ましい。
このように2槽以上でアルコール系自己乳化型消泡剤とアルコール系エマルション型消泡剤を添加する場合、前段の槽で添加した消泡剤は前段の槽を通過し、後段の槽に蓄積するので、各槽合計の添加量が、前述の膜分離式好気性生物処理槽当たりの上限値以内に収まるように添加することとする。
<膜分離式好気性生物処理の膜>
界面活性剤由来の発泡が問題となりやすいのは、発泡成分が難分解性で、かつ、膜を透過しない場合である。従って、本発明におけるアルコール系自己乳化型消泡剤とアルコール系エマルション型消泡剤との併用の効果が有効に発揮されるのは、孔径がある程度小さい膜であり、孔径が大きい膜ではアルコール系エマルション型消泡剤を併用添加する必要性は低い。
この観点から、本発明で対象とする膜分離式好気性生物処理の膜としては、孔径が0.01μm以上、0.1μm以下、特に0.03μm以上、0.8μm以下のろ過膜が好ましい。孔径が上記上限より大きいものでは、アルコール系エマルション型消泡剤の併用の必要性は低く、孔径が上記下限より小さいものでは、本発明を適用しても膜閉塞を防止し得ない場合がある。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
なお、用いた消泡剤の詳細は以下の通りである。
アルコール系自己乳化型消泡剤としては、消泡成分であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノステアリルエーテルを主成分とする高級アルコール系の消泡剤を調製して用いた。この消泡剤に含まれる消泡成分の濃度は2.3g−CODCr/gであった。
アルコール系エマルション型消泡剤としては、高級アルコールとしてチーグラー法をベースとした高級アルコールを主成分とする混合物のNAFOL20+A(サソール社製)を用いて調製されたO/W型エマルション構造の消泡剤を用いた。この消泡剤に含まれる消泡成分の濃度は0.6g−CODCr/gであった。
[実施例1]
図1に示す膜式活性汚泥槽において、本発明による効果を実証する実験を行った。実験条件及び実験結果は以下の通りである。
<実験条件>
・各槽の容量:活性汚泥槽=3L
膜浸漬活性汚泥槽=3L
・原水:食品排水と洗浄排水の混合排水
CODCr=3000mg/L
BOD=2000mg/L
・水量:3L/d
・BOD容積負荷:1kg/m/d
・浸漬膜:孔径0.05μmのPVDF(ポリフッ化ビニリデン)膜
・フラックス:0.45m/d
・槽内汚泥平均濃度:5000mg/L(=5g−SS/L)
・汚泥引き抜き量:0.2L/d(=0.0002m/d)
・アルコール系自己乳化型消泡剤の添加量:0.46kg−CODCr/m−槽容積
・アルコール系自己乳化型消泡剤の薬注方法:上記添加量となるように4時間ごとに10秒連続添加
・アルコール系エマルション型消泡剤の添加量:0.04 kg−CODCr/m−槽容積
・アルコール系エマルション型消泡剤の薬注方法:発泡が抑制されていないと判定したときに消泡が確認されるまで上記添加量となるように1.5時間ごとに10秒連続添加
<実験結果>
処理槽水面に発泡は殆どなく、処理水吸引時の差圧上昇も10kPa以内で安定していた。
消泡剤の1日当たりの添加量は以下のとおりで、非常に少ない量で処理が可能となった。
・アルコール系自己乳化型消泡剤の添加量:0.04g/d(=0.092g−CODCr/d)
・アルコール系エマルション型消泡剤の添加量:0.013g/d(=0.008g−CODCr/d)
[比較例1]
実施例1において、アルコール系エマルション型消泡剤を添加せず、アルコール系自己乳化型消泡剤のみを4.5kg−CODCr/m−槽容積となるよう連続添加したこと以外は同様に実験を行った。
その結果、泡の漏洩はなかったが、処理槽水面は泡に覆われ、水面が確認できなかった。
処理水吸引時の差圧上昇は運転開始5日後で40kPaに達し、膜洗浄が必要となった。
アルコール系自己乳化型消泡剤の1日当たりの添加量は、0.39g/dで、実施例1のアルコール系自己乳化型消泡剤添加量の約10倍となった。
1,1A,1B 活性汚泥槽
1C 高負荷活性汚泥槽
2 膜浸漬活性汚泥槽

Claims (5)

  1. 膜分離式好気性生物処理槽に消泡剤を添加して該処理槽内の発泡を抑制する方法において、消泡剤として、下記式(1)で表されるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルを主成分とするアルコール系自己乳化型消泡剤と、アルコール系エマルション型消泡剤とを添加することを特徴とする発泡抑制方法。
    −O−(RO)−H …(1)
    (式(1)中、Rは炭素数12〜18のアルキル基、Rは炭素数2〜4のアルキレン基、nは5〜30の数である。複数のRは互いに同一であってもよく異なるものであってもよい。)
  2. 請求項1において、膜分離式好気性生物処理における膜の孔径が0.01μm以上0.1μm以下であることを特徴とする発泡抑制方法。
  3. 請求項1又は2において、各消泡剤の前記処理槽内濃度(kg−CODCr/m−槽容積)が、
    アルコール系自己乳化型消泡剤:(0.08〜0.8)×槽内平均汚泥濃度(g−SS/L)
    アルコール系エマルション型消泡剤:(0.002〜0.02)×槽内平均汚泥濃度(g−SS/L)
    となるようにそれぞれ連続的又は間欠的に添加することを特徴とする発泡抑制方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、各消泡剤の1日あたりの平均添加量(kg−CODCr/d)が
    アルコール系自己乳化型消泡剤:(0.08〜0.8)×槽内平均汚泥濃度(g−SS/L)×汚泥引抜量(m/d)
    アルコール系エマルション型消泡剤:(0.002〜0.02)×槽内平均汚泥濃度(g−SS/L)×汚泥引抜量(m/d)
    となるようにそれぞれ連続的又は間欠的に添加することを特徴とする発泡抑制方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項において、アルコール系自己乳化型消泡剤を常時添加とし、アルコール系自己乳化型消泡剤を上限添加量まで添加しても、発泡が抑制されないと判定された場合にアルコール系エマルション型消泡剤を添加することを特徴とする発泡抑制方法。
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