JP2013132602A - 平膜型膜分離装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】消費エネルギが低く、省スペース化を図れる平膜型膜分離装置を提供する。
【解決手段】本発明の平膜型膜分離装置は、ろ過膜4rが1対の延在面に設けられ被処理液をろ過膜4rでろ過処理して処理液を得る膜エレメント4と、複数の膜エレメント4が膜間流路5sの間を空けて水平方向に並んで設けられる膜モジュール5と、膜モジュール5が配置される膜分離槽3と、膜間流路5sに在る被処理液に散気する散気装置8を備え、膜分離槽3と膜モジュール5との間に供給される被処理液は、膜分離槽3と膜モジュール5との間の下降流と、膜間流路5sを流れ散気装置8による気泡を含む上昇流とで循環され、断面積比=(水平方向の膜分離槽3の内部の断面積から膜モジュール5の断面積を減算した面積)÷(水平方向の膜間流路5sの総断面積の各膜間流路5sの断面積×その流路数)が、0.85以上である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ろ過対象液の流れを円滑にする平膜型膜分離装置に関する。
昨今の地球規模の人口増に伴う世界的な水不足を背景に、MBRで下水等の排水を再生、再利用、および循環できるレベルまで高度に処理する必要が高まっている。MBR(Membrane Bioreactor:膜分離活性汚泥法)はその中心技術である。
従来、当該分野の活性汚泥等の固形物懸濁液のろ過処理用の膜分離技術では、散気装置から発生させる気泡を含んだ気液混相流による膜洗浄を行っている(特許文献1)。
特許文献1をはじめとして、従来技術においては、散気を調整して膜面洗浄による効率化によって、ろ過運転を安定化させる試みが多用されている。しかしながら、後記の通り、散気による効率的な膜面洗浄だけでは不充分であり、ろ過運転の安定化の制御を行うことは殆ど不可能といってよい。
なお、本願に係る文献公知発明として、下記の特許文献1〜8がある。
特開2007−136389号公報 特開平7−132214号公報 特開平7-194947号公報 特開平7-194946号公報 特開平6−178920号公報 特開平5−137974号公報 特開平7−24268号公報 特開平8−267083号公報
図9(a)は、従来のMBR装置における被処理水の流れを示す膜エレメント間の膜間流路の縦断面の概念的構成図であり、図9(b)は、図9(a)のC−C線断面拡大図である。
MBR装置100Sは、膜分離ユニット107の内部に、排水等の処理水のろ過処理を担う平膜装置の膜エレメント104が、3段の各段にそれぞれ複数水平方向(図9(a)の紙面手前から紙面奥側の方向)に並設されている。膜エレメント104の外郭を対向して形成する一対の延在面(図9(a)の紙面手前・奥側に一対)には、ろ過膜104rが設けられている。なお、膜エレメント104の間に形成される空間が膜間流路105sである。
膜分離ユニット107が内部に設備されるタンク103に供給(図9(a)の矢印α0)される被処理水は、循環流(図9(a)の矢印α1→α2→α3→α4→α5→α1)が形成されるとともに、その一部が膜エレメント104のろ過膜104rでろ過処理され処理水となり、配管102を介して、ポンプ112による吸引で取水される。なお、図9(a)の矢印α3、α4は、膜エレメント104の間に形成される空間の膜間流路105sを流れる被処理水の上昇流の流れである。
MBR装置100Sは、以下の動作で排水等の被処理水が循環し、その一部が膜エレメント104でろ過処理される。
排水等の被処理水は、図9(a)の矢印α0のように、タンク103に供給される。
散気装置108の散気孔(図示せず)から、気体(気泡110)が一斉に噴出されており、これによってエアリフト効果による上昇流が生じ、膜分離ユニット107とタンク103との間の液相の被処理水が、散気装置108の近傍に吸い込まれ(図9(a)の矢印α2)、散気装置108からの気泡110と被処理水との気液二相流は、膜分離ユニット107に並設される複数の膜エレメント104間のスペースの膜間流路105s内を上昇し(図9(a)の矢印α3、α4)、膜分離ユニット107の上部に達する。その後、気泡110はタンク103の被処理水の上部領域の自由表面10jから大気中へ開放(放出)される。
一方で、図9(a)の矢印α矢印α5のように流れる被処理水は位置(重力による)エネルギ、並びに、膜分離ユニット107の下部の散気装置108の吸込みの効果により、膜分離ユニット107とタンク103の間にある領域を下降し(図9(a)の矢印α1)、散気装置108から再び吸込まれ(図9(a)の矢印α2)、複数の膜エレメント104間の膜間流路105sを再び上昇し(図9(a)の矢印α3、α4)、循環流(図9(a)の矢印α1→α2→α3→α4→α5→α1)が形成される。
この循環流を形成する駆動力が、おおよそ複数の膜エレメント104間の膜間流路105s内の被処理水および気泡110の気液二相流が上昇(図9(a)の矢印α3、α4)する領域の流体の密度と、膜分離ユニット107とタンク103との間の下降流の被処理水の液相のみの単相流部領域の流体密度(液体密度)との差に起因する重力による力(前記のエアリフト効果)である。
このようにして形成された複数の膜エレメント104間の膜間流路105s内の気液二相の上昇流により発生する膜エレメント104のろ過膜104rの膜面に沿って作用するせん断応力が、被処理水のろ過によりろ過膜104rの膜面に付着した汚濁物を剥離させ、洗浄し回復させる。これにより、連続的な膜ろ過運転が可能となる。
この膜面洗浄効果を高めるには、散気装置108の散気量を増やすことで膜間流路105s内の高い流速の二相流を発生させることにより、前記のせん断応力を高めることで実現可能である。
しかしながら、散気装置108の散気量を増やすことは、散気動力が増加しコスト上昇を招来し、運転コスト面での損失に繋がる。また、ボイド率(=ガス容積/全容積)が無次元駆動力を表す一方で、高くなり過ぎると速度すべりが生じて高い流速を与えることができない。例えば、気泡だけがかたまって上昇して、水流を生じさせないという事態が生じる。
一方、当該循環流(図9(a)の矢印α1→α2→α3→α4→α5→α1)の形成は、前記の通り、膜分離ユニット107の複数の膜エレメント104間の二相流部と、膜分離ユニット107とタンク103との間の単相流部の密度差による重力に起因する駆動力である。
そのため、同―散気量であっても、膜分離ユニット107とタンク103との間の単相流部の圧損が高くなるような条件では、当該駆動力が損失することで、複数の膜エレメント104間の膜間流路105s内の流速が低下し、ろ過に悪影響を及ぼす。
具体的には、膜エレメント104は、タンク103内に設置されるが、このタンク103を大きくすることはMBR装置100Sを設置する上でスペース的な制約となる。
しかし、タンク103を小さくする場合、下降流部(膜分離ユニット107とタンク103との間の被処理水の単相流)の面積が小さくなることで圧損が上昇し、前記のような駆動力の損失が生じて、複数の膜エレメント104間の膜間流路105s内の流速が低下し、ろ過運転に悪影響を及ぼす。これを回避するためには、散気量を増やすことが必要であるが、前記の通り散気動力増加の問題があり、また過剰な散気による流速低下の問題も生じる。
本発明は上記実状に鑑み、消費エネルギが低いとともに省スペース化を図れる平膜型膜分離装置の提供を目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明に関わる平膜型膜分離装置は、被処理液をろ過処理して処理液を得る平膜型膜分離装置であって、前記被処理液をろ過処理するろ過膜が、対向して外郭を形成する1対の延在面を形成するように設けられ、前記被処理液を前記ろ過膜でろ過処理して前記処理液を得るための膜エレメントと、前記膜エレメントの延在面が鉛直方向に沿うように、複数の前記膜エレメントが膜間流路の間を空けて水平方向に並んで設けられる膜モジュールと、当該膜モジュールが内部に配置される膜分離槽と、前記膜間流路に在る前記被処理液に散気する散気装置とを備え、前記膜分離槽と前記膜モジュールとの間に供給される前記被処理液は、前記膜分離槽と前記膜モジュールとの間を流れる下降流と、前記膜間流路を流れ前記散気装置の散気による気泡を含む上昇流とで循環され、断面積比=(水平方向の前記膜分離槽の内部の断面積から前記膜モジュールの断面積を減算した面積)÷(水平方向の膜間流路の総断面積である各膜間流路の断面積×その流路数)で表される断面積比が、0.85以上である
本発明によれば、消費エネルギが低いとともに省スペース化を図れる平膜型膜分離装置を実現できる。
本発明に係る実施形態のMBR装置の概略構造を示す斜視図である。 実施形態のMBR装置におけるパネル状ろ過処理装置を示す斜視図である。 膜エレメントの内部構造と配管の概略構成の一例を示す膜エレメントを鉛直方向に切断した断面図である。 膜モジュールを示す斜視図である。 膜モジュールの下方に散気装置を取着した膜分離ユニットの一部を示す斜視図である。 (a)はMBR装置における被処理水の流れを示す膜間流路の縦断面をとった概念的構成図であり、(b)は(a)のA−A線断面図である。 (a)は流体シミュレーションモデルを示す斜視図であり、(b)は4方向に下降流部がある場合の(a)のB−B線断面図であり、(c)は2方向に下降流部がある場合の(a)のB−B線断面図である。 表1、表2の検討条件での流体シミュレーションの検討結果をプロットした図である。 (a)は従来のMBR装置における被処理水の流れを示す膜エレメント間の膜間流路の縦断面をとった概念的構成図であり、(b)は(a)のC−C線断面図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る実施形態のMBR装置の概略構造を示す斜視図である。
実施形態のMBR装置Sは、平膜型と称される固液分離用のろ過処理装置であり、下水等の排水(被処理水)から再生、再利用や、循環できるレベルの水(処理水)をろ過処理により取水する装置である。
MBR装置Sは、下水等の排水が供給(流入)(図1の矢印α0)されるタンク3内に、膜モジュール5が複数段積み上げて構成されている。
膜モジュール5には、排水をろ過膜4r(図2参照)でろ過処理する平膜型のパネル状ろ過処理装置4(以下、膜エレメント4と称す)が複数水平方向に並んで立設されている(図4参照)。すなわち、各膜エレメント4は、その延在面を成すろ過膜4が鉛直方向に沿って配置されている。
図1では、膜モジュール5が鉛直方向に3段配置される場合を示している。膜モジュール5は単数でもよいが、2〜3段積み上げて配設すると、同じ散気量で2〜3倍の処理水(ろ過水)を取り出せる。そのため、膜モジュール5は任意の複数段に積み上げる方がエネルギ効率の観点からより好ましい。
最下段の膜モジュール5の下方には、膜モジュール5の複数の膜エレメント4間の被処理水に曝気して気泡10を供給し、タンク3内の循環流れ(図1の矢印α1→α2→α3→α4→α5→α1)を発生させる散気装置8が取着されている。散気装置8は複数の散気管8aを有し、散気管8aには空気を排出する散気孔8a1が多数穿設されている。
最上段の膜モジュール5の上方には、各膜エレメント4でろ過処理された処理水を吸引して取水するろ過ポンプ12が配設されている。
図2は、実施形態のMBR装置におけるパネル状ろ過処理装置を示す斜視図である。
前記したように、膜モジュール5内には、図2に示す平膜型のパネル状ろ過処理装置(膜エレメント)4が鉛直方向に複数立設して配置されている。
膜エレメント4は、扁平な矩形状の中空の部材であり、外枠を形成する樹脂製の枠部材4wと、内部空間を対向して覆い外郭を形成する延在面を成す1対のろ過膜4rとを有している。ろ過膜4rは、MF膜(Microfiltration Membrane)等が使用される。
図3は、膜エレメントの内部構造と配管の概略構成の一例を示す膜エレメントを鉛直方向に切断して示す断面図である。
一つの膜エレメント4の内部は、複数の分割領域16に分割されている。図3の例では、6分割された場合を図示している。分割領域16は、分岐管15を介して、ヘッダ管13に連結されている。ヘッダ管13は、ろ過処理後の処理水を吸引するろ過ポンプ12に接続されている。図1や図2等では、符号13〜16の構成の記載は省略している。
なお、膜エレメント4の内部の分割領域16は一例を示したものであり、その他の構成を採用してもよいのは勿論である。
処理水吸引装置であるろ過ポンプ12を駆動源とし、排水等の被処理水がろ過膜4rを透過してろ過された処理水は、膜エレメント4内の分割領域16へ誘導される。その後、分割領域16の内部を分岐管15側へ向かって流れていく(図3の矢印α6)。分岐管15を通過した処理水は、ヘッダ管13へ流入し、ヘッダ管13を通過してヘッダ管13の上端部に設けられた処理水出口14に移動し、ろ過ポンプ12によって処理水として取り出される。
図4は、膜モジュールを示す斜視図である。
複数の膜エレメント4を鉛直方向に立てて並べた集合体を、ケーシング5cに実装したものを膜モジュール5と称する。
図5は、膜モジュールの下方に散気装置を取着した膜分離ユニットの一部を示す斜視図である。
複数段の膜モジュール5の下方、つまり最下段の膜モジュール5の下方には、膜エレメント4でろ過処理する被処理水に曝気し上昇流を発生させる散気装置8が取着される。膜モジュール5が単数の場合には、単数の膜モジュール5の下方に散気装置8が取着される。
図1に示すように、膜モジュール5を鉛直方向に複数段積み上げ、膜エレメント4でろ過した処理水(ろ過処理水)を吸引するろ過ポンプ12と、膜エレメント4でろ過した処理水を取水するために送水する配管等2を組み合わせた装置全体を膜分離ユニット7と称す。なお、図5では、膜分離ユニット7における最下段の膜モジュール5と散気装置8とを示している。
膜分離ユニット7を汚泥等の原水の被処理水が流入するタンク3に浸漬したものが、MBR装置Sである。
次に、MBR装置Sの動作について説明する。
MBR装置Sは、排水等の被処理水を、膜エレメント4によるろ過運転により固液分離して処理水として取り出す運転を行う。
排水等の被処理水が、図1の矢印α0のように、膜分離ユニット7とタンク3との間の空間に給水される。
散気装置8の散気孔8a1から気泡10(図6(a)参照)を発生させ、気泡10を最下段の膜モジュール5の膜エレメント4間のスペースである膜間流路5s(図5参照)内に在る被処理水に供給する。
図6(a)は、MBR装置における被処理水の流れを示す膜間流路の縦断面をとった概念的構成図であり、図6(b)は、図6(a)のA−A線断面図である。
散気装置8から気泡10を、膜間流路5s内に滞留浮上させることにより、気液混相の状態である膜間流路5s内と、膜分離ユニット7とタンク3との間の被処理水の単相(液相)の状態である膜モジュール5の外部との密度差によって、放水路の膜間流路5s内の気液混相流体(被処理水と気泡10)の上昇および膜分離ユニット7とタンク3との間の液相(被処理水)の下降の循環流(図6(a)の矢印α1→α2→α3→α4→α5→α1)が生じる。これは、一般にエアリフトと称される現象である。
一方、膜エレメント4内にろ過膜4rを透過してろ過処理された(ろ過)処理水は、図3に示すように、ろ過ポンプ12の吸引力によって、膜エレメント4の内部を分岐管15に向かい移動する(図3の矢印α6)。分岐管15を通過した処理水は、ヘッダ管13へ流れ、ヘッダ管13内を移動してヘッダ管13の端部に位置する集水口の処理水出口14へと移動し、ろ過ポンプ12の吸引力により取水される。
なお、図1に示すダクト6aは膜モジュール5の間を繋ぐダクトである。ダクト6bは散気装置8からの気泡10が膜間流路5s外へ逃げるのを抑制するダクトであり、ダクト6cは気泡10と被処理水との気液二相流と、供給される被処理水(液相)との混合を抑制するためのダクトである。
図6(a)に示すように、散気装置8の散気孔8a1(図1参照)から、気体が一斉に噴出されており、膜分離ユニット7とタンク3との間の液相の被処理水が、散気装置8近傍に吸い込まれ(図6(a)の矢印α2)、気泡10と被処理水との気液二相流は、膜エレメント4間の膜間流路5s内を上昇(図6(a)の矢印α3、α4)し、膜分離ユニット7の上部に達した後、気泡10はタンク3の被処理水の上部領域の自由表面jから大気中へ開放(放出)される。
一方で、液体である被処理水はその位置(重力による)エネルギ、並びに、膜分離ユニット7の下方の散気部の散気装置8の吸込みの効果により、膜分離ユニット7と膜分離ユニット7を実装するタンク3の間に在る領域を下降し(図6(a)の矢印α1)、散気部の散気装置8から再び汲込まれ(図6(a)の矢印α2)、膜間流路5sを再び上昇し(図6(a)の矢印α3、α4)、循環流(図6(a)の矢印α1→α2→α3→α4→α5→α1)が形成される。
この循環流を形成する駆動力が、おおよそ膜間流路5s内の被処理水および気泡10の気液二相流が上昇する領域の流体の密度と、膜分離ユニット7とタンク3との間の下降流の被処理水の液相のみの単相流部領域の流体密度(液体密度)との差に起因する重力による力である。
このようにして形成された膜間流路5s内の気液二相の上昇流により発生する膜エレメント4のろ過膜4r(図2参照)の膜面に沿って作用するせん断応力が、処理水のろ過によりろ過膜4rの膜面に付着した汚濁物を剥離させ、洗浄し回復させる。これにより、連続的な膜ろ過運転が可能となる。
この膜面洗浄効果を高めるには、前記したように、従来、散気装置8の散気量を増やすことで膜間流路5s内の高い流速の二相流を発生させることにより、当該せん断応力を高めることが行われている。
しかしながら、解決すべき課題の項で前記したように、膜面洗浄効果を高めるための従来の方法は、様々な問題が発生する。
以下に述べるように、駆動力を発生させる膜間流路5sの水平方向の断面積と、膜分離ユニット7(膜モジュール5)とタンク3との間の下降流部の水平方向の断面積との比率を好適に定めることは、被処理水の循環流を円滑化させ、散気装置8の散気動力の低減をする上で重要な課題となる。
前記循環流路系のうち、駆動力を与える領域は、気液二相流の上昇流部であるところの膜エレメント4間の膜間流路5sである。従って、この領域における圧損を適切化することが重要である。
そこで、流体シミュレーションを用い、水平方向における膜間流路5sの断面の総面積(膜間流路5sの断面積×該流路数)に対する、下降流部(膜分離槽のタンク3の断面積から膜モジュール5の断面積を差し引いた面積)の断面積比H、すなわち、
H=(タンク3の断面積から膜モジュール5の断面積を減算した面積)÷
(膜間流路5sの総断面積である膜間流路5sの断面積×該流路数) (1)
に対する膜エレメント4間の膜間流路5sの被処理水の上昇流速の関係を求める。
何故なら、膜間流路5sの被処理水の上昇流速は、膜エレメント4のろ過膜4r(図2参照)の膜面洗浄効果を左右するからである。
検討は、膜モジュール5とタンク3との間に4方向の被処理水の下降流部がある場合(図7(b)参照)と、膜モジュール5とタンク3との間に2方向の被処理水の下降流部がある場合(図7(c)参照)との2つの場合で以下のように行った。
図7は、検討条件を示す図である。図7(a)は流体シミュレーションモデルを示す斜視図であり、図7(b)は4方向に下降流部がある場合の図7(a)のB−B線断面図であり、図7(c)は2方向に下降流部がある場合の図7(a)のB−B線断面図である。
図7(a)において、a1=3.92m、a2=3.17m、a3=0.1m、a4=0.24m、a5=0.26m、a6=0.105mである。
図7(a)の流体シミュレーションモデルを用い、図7(b)の膜モジュール5とタンク3との間に4方向の被処理水の下降流部がある場合の検討条件は次の通りである。
Lxは、タンク3内の断面積の長手方向距離であり、Lyは、タンク3内の断面積の短手方向距離である。
図7(b)に示すaは長手方向のタンク3と膜モジュール5との間の被処理水の下降流部の距離であり、bは短手方向のタンク3と膜モジュール5との間の被処理水の下降流部の距離である。
表1が、図7(b)のタンク3と膜モジュール5との間に4方向の被処理水の下降流部がある場合の検討条件である。
Figure 2013132602
RUN1〜5の5つのケースの検討条件でシミュレーションを行った。
図7(a)の流体シミュレーションモデルを用い、図7(c)の膜モジュール5とタンク3との間に2方向の被処理水の下降流部がある場合の検討条件は次の通りである。
Lxは、タンク3内の断面積の長手方向距離であり、Lyは、タンク3内の断面積の短手方向距離である。
bは短手方向のタンク3と膜モジュール5との間の被処理水の下降流部の距離である。
表2が、図7(c)のタンク3と膜モジュール5との間に2方向の被処理水の下降流部がある場合の検討条件である。
Figure 2013132602
RUN1〜5の5つのケースの検討条件でシミュレーションを行った。
図8は、表1、表2の検討条件での検討結果をプロットしたものである。図8の横軸は式(1)の断面積比Hであり、図8の縦軸は膜エレメント4間の膜間流路5s(図5、図1参照)における被処理水の上昇流速(m/s)である。
以上に示す構造検討により、図8に示すように、断面積比Hが2倍以下、特にほぼ0.84以下で、急速に膜エレメント4間の膜間流路5sを流れる被処理水の流速が低下する結果を得た。断面積比Hがほぼ0.85でほぼ1.7以上の場合より、10%上昇流速が低下する。
さらに具体的には、断面積比Hがほぼ1.7以上で膜間流路5を流れる被処理水の流速が維持され、断面積比Hがほぼ0.84以下では、10%を超える膜エレメント4間の膜間流路5の被処理水の流速の低下が始まり、断面積比Hが0.14では、急速に膜エレメント4間の膜間流路5sの被処理水の流速が低下することが判明した。
したがって、断面積比Hは、望ましくは、ほぼ0.85以上であり、さらに望ましくは、ほぼ1.7以上である。つまり、断面積比Hは、望ましくは、0.85近傍以上であり、さらに望ましくは、1.7近傍以上である。
本結果により、断面積比Hを所定値、例えば0.85以上に設計することで、与えた散気装置8の散気量から得られる密度差による駆動力のロスが低くなり、膜エレメント4のろ過膜4r(図2参照)の膜面洗浄に十分な流速を確保することが可能となる。そのため、ろ過処理の性能の安定性の確保、信頼性を維持向上することが可能である。
一方、MBRの設置面積を示す断面積比Hを制限値未満、例えばほぼ0.85未満(の2倍以下)にする場合、散気装置8の散気動力の損失により、膜エレメント4間の膜間流路5の被処理水の流速が低下することで膜面洗浄性能が低下する。この場合、膜間流路5sでの被処理水の流速を確保しようとする場合、散気量を増やすことになり、散気装置8の散気動力が増加する。
上記構成によれば、水平方向における膜間流路5sの断面積と下降流部の断面積の断面積比Hを適切化することにより、散気による駆動力の損失を少なくしつつ洗浄に有効な膜間流路5sの流速が確保される。よって、無駄な膜設置のためのタンク3の面積を節減し、省スペース化が可能となる。
したがって、散気量を増やすことなく、省スペースの平膜のMBR装置Sを提供することが可能となる。
この結果、MBR装置Sの運転の安定化、信頼性向上に寄与する。また、MBR装置Sのコンパクト化を維持しつつ、動力の無駄を生じさせることなく、膜エレメント4のろ過膜4r(図2参照)の洗浄性能を確保するための膜間流路5sの被処理水の上昇流の流速を維持することが可能となる。
なお、前記実施形態では、被処理液として、下水等の排水を例示したが、被処理液は水以外のその他の液体でも構わない。
以上、本発明の実施形態を述べたが、その説明は限定的なものではなく、典型的であることを意図している。従って、本発明の範囲内で様々な修正と変更が可能である。すなわち、本発明は発明の趣旨を変更しない範囲において任意に設計変更可能である。
本実施形態の説明では、平膜型ろ過分離における固液分離分野における説明を行った。しかしながら、本発明は平板型膜エレメントを用いる固液分離全てに関わるものであり、活性・汚泥を用いる生物処理を兼ねた当該膜処理の分野にも適用することが可能である。
3 タンク(膜分離槽)
4 膜エレメント
4r ろ過膜
5 膜モジュール
5s 膜間流路
8 散気装置(散気手段)
H 断面積比
S MBR装置(平膜型膜分離装置)
α1 下降流
α3、α4 上昇流

Claims (2)

  1. 被処理液をろ過処理して処理液を得る平膜型膜分離装置であって、
    前記被処理液をろ過処理するろ過膜が、対向して外郭を形成する1対の延在面を形成するように設けられ、前記被処理液を前記ろ過膜でろ過処理して前記処理液を得るための膜エレメントと、
    前記膜エレメントの延在面が鉛直方向に沿うように、複数の前記膜エレメントが膜間流路の間を空けて水平方向に並んで設けられる膜モジュールと、
    当該膜モジュールが内部に配置される膜分離槽と、
    前記膜間流路に在る前記被処理液に散気する散気装置とを備え、
    前記膜分離槽と前記膜モジュールとの間に供給される前記被処理液は、前記膜分離槽と前記膜モジュールとの間を流れる下降流と、前記膜間流路を流れ前記散気装置の散気による気泡を含む上昇流とで循環され、
    断面積比=(水平方向の前記膜分離槽の内部の断面積から前記膜モジュールの断面積を減算した面積)÷
    (水平方向の膜間流路の総断面積である各膜間流路の断面積×その流路数)
    で表される断面積比が、0.85以上である
    ことを特徴とする平膜型膜分離装置。
  2. 請求項1に記載の平膜型膜分離装置において、
    前記断面積比は、1.7以上である
    ことを特徴とする平膜型膜分離装置。
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