本願発明は、学校の体育館、講堂、各種スポーツの練習場用、又は試合用として使用する屋内空間部で防球用として吊り張りする、又は屋内空間部の天井を形成する部材等の落下を防護するのに吊り張りする屋内空間部用のネット、及び該屋内空間部用のネットの形成方法に関する。
従来、球技の練習場又は試合用として使用する屋内空間部の側面及び天井面には、前記球技で用いる球が側壁、天井の梁等に当接することによる破損及び跳ね返りの危険防止のため、又は使用者の安全を確保するために防球用のネットを吊り張りする。
また、避難時等としても使用する体育館等の屋内空間部には、特に天井面に天井を形成する部材(天板、ボルト等の連結金具)の落下防止のための天井用ネットを吊り張りする。
前記屋内空間部の側面へ吊り張りするネットは、固定用の側面用ネットと開閉可能な移動用の側面用ネットとがあり、天井面に吊り張りするネットは、一般的に固定用の天井用ネットがある。本願発明においては固定用の側面用ネット、及び固定用の天井用ネットを対象とする。
前記屋内空間部の側面に吊り張りする固定用の側面用ネットは、吊り張りする一側面の形状に応じて同形状に形成された側面ネット体と、該側面ネット体の各外周辺に沿って取り付けられ、前記側面ネット体の形状維持を目的とする補強用ロープとから構成され、前記一側面に沿って側面用ネットを吊り張りする場合は、前記一側面の上下の水平方向(側面の上端側、下端側(床面側))でネット吊張用ロープを架け渡した後、別体の紐体を用いて前記ネット吊張用ロープと前記側面ネット体の上下方向の補強用ロープ部分とを連結することで一側面に沿って側面用ネットを吊り張りする。
また、前記屋内空間部の二側面等の複数面に側面用ネットを吊り張りする場合、上記同様の作業をそれぞれの側面に沿って繰り返すことで複数の側面に側面用ネットを吊り張りする。
また、屋内空間部の天井面に吊り張りする固定用の天井用ネットは、天井面の形状に応じて同形状に形成された天井ネット体と、該天井ネット体の各外周辺に沿って取り付けられ、前記天井ネット体の形状維持を目的とする補強用ロープとから構成され、前記天井用ネットを天井面に吊り張りする場合は、天井側の対向する側壁間に複数本のネット吊張用ロープを格子状に架け渡した後、該ネット吊張用ロープに天井ネット体の網目部分及び外周辺の補強用ロープ部分を別体の紐体を介して連結することで天井面に沿って天井用ネットを吊り張りする。
または、天井面の複数本の梁を利用してネット吊張用ロープを架け渡した後、該ネット吊張用ロープを利用して天井ネット体を連結することで天井面に沿って天井用ネットを吊り張りする。
発明が解決使用する課題
しかしながら、上記従来の屋内空間部用のネットは、各側面用ネットを各側面に沿って別々に吊り張りし、又側面用ネットと天井用ネットとをそれぞれ別々に吊り張りするために、近接する側面用ネット間、及び側面用ネットの上端側と天井用ネットの外周辺間で隙間が発生するために、その隙間部分に球技用の球は入り込む、又は隙間部分より落下物が落下する等防球用としても、防護用としてもその効果が不十分であった。
また、従来の屋内空間部用のネットは、側面用ネットと天井用ネットとをそれぞれ別々に吊り張りするために、側面用ネットの上端側と天井用ネットとの該当する端辺側との位置合わせ等に煩雑な工程を有し、経験の豊富な作業員によらなければ適切に側面用ネット及び天井用ネットを吊り張りできない問題点があった。
また、屋内空間部においては、固定用の側面用ネットは一側面に限定されるものでなく複数の側面に吊り張りする場合、側面毎に側面用ネットを吊り張りする必要があり、その作業効率が悪いという欠点があった。
また、例えば、側面用ネット間、側面用ネットの上端側と天井用ネットの外周辺との間の隙間部分を閉塞するためには、別体のネット体を必要とし、しかも現場において各側面用ネット及び天井用ネットを吊り張りした後に、その隙間部分の形状に応じて別体のネット体を形成するためにその作業工程が大幅に増加する欠点があった。
そこで、本願発明は屋内空間部の形状に応じて最適なネットを形成することができ、その取り付け作業の効率が優れ、且つ容易に各ネットを吊り張りすることができる屋内空間部用のネット、及び屋内空間部用のネットの形成方法を提供することを課題とする。
課題を解決するための手段
本願発明の上記課題を解決する手段としての屋内空間部用のネットは、請求項1に記載のように、屋内空間部の側面に沿って吊り張りし、外周辺に形状維持を目的とする補強用ロープの設けられた固定用の側面用ネットと、天井面に沿って吊り張りし、外周辺に沿って形状維持を目的とする補強用ロープの設けられた固定用の天井用ネットとから構成された防球・防護用を目的とする屋内空間部用のネットにおいて、前記側面用ネットの上端側補強用ロープ部分と天井用ネットの前記補強用ロープに該当する外周辺の補強用ロープ部分とを予め一体的に連結するための連結手段が、前記側面用ネットの上端側補強用ロープ部分、又は前記天井用ネットの外周辺の補強用ロープ部分に設けられ、又は前記側面用ネットが少なくとも二側面に沿って吊り張りされ、前記各側面用ネットの相互の近接する外側辺には該側面用ネット間を予め一体的に連結するための連結手段が直接又は間接的に設けられていることを特徴とする。
また、本願発明の上記課題を解決する手段としての屋内空間部用のネットは、請求項2に記載のように、屋内空間部に沿って吊り張りする固定用の側面用ネットと、天井面に沿って吊り張りする固定用の天井用ネットとから構成された防球・防護用を目的とする屋内空間部用のネットにおいて、前記天井用ネットと上端側を前記天井用ネットに連結する少なくとも一側面に吊り張りされる側面用ネットとの上端側とが、一体的に形成される空間部ネット体と、該空間部ネット体の外周辺に設けられ、形状維持を目的とする補強用ロープと、前記側面用ネットの上端側に該当する部分の空間部ネット体に設けられた別体の補強用ロープとから構成され、又は少なくとも二側面に吊り張りされる側面用ネットが、一体的に形成された空間部ネット体と、該空間部ネット体の外周辺に設けられ、形状維持を目的とする補強用ロープと、前記各側面用ネット間の該当する部分の空間部ネット体に設けられた中間補強用ロープとから構成されていることを特徴とする。
また、本願発明の上記課題を解決する手段としての屋内空間部用のネットの形成方法は、請求項3に記載のように、屋内空間部の側面の形状に応じて側面用ネットを形成するとともに、天井面の形状に応じて天井用ネットを形成する防球・防護用を目的とする屋内空間部のネットの形成方法において、少なくとも一側面に吊り張りする側面用ネットと前記天井用ネットとの形状を一体的にした空間部ネット体を形成した後、該空間部ネット体の外周辺に沿って形状維持を目的とする補強用ロープを取り付けるとともに、前記側面用ネットの上端側に該当する部分の空間部ネット体に中間補強用ロープを設ける、又は/及び少なくとも二側面に沿った形状の側面用ネットを予め一体的に空間部ネット体を形成した後、該空間部ネット体の外周辺に沿って形状維持を目的とする補強用ロープを設けるとともに、前記各側面用ネットの連結辺に該当する空間部ネット体に中間補強用ロープを設けることを特徴とする。
発明の作用効果
次に、本願発明の屋内空間部用のネット、及び屋内空間部用のネットの形成方法の作用効果を説明する。
先ず、請求項1に記載の屋内空間部用のネットは、少なくとも一側面の形状に応じて同形状、又は所望の形状(側面ネット体の床面側を弛ませた状態とする場合は、上下方向の形状を大きめに形成、床面側に空間部を有する場合は上下方向を短めに形成)に形成された側面ネット体と、該側面ネット体の各外周辺に沿って取り付けられた補強用ロープとから形成された側面用ネットと、天井面に応じて同形状、又は所望の形状(天井面の一部部分、又は天井面を超える大きさ)に形成された天井ネット体と、該天井ネット体の外周辺に沿って取り付けられた補強用ロープとから形成された天井用ネットとからなり、且つ前記側面用ネットの補強用ロープのうち上端側(天井側)の補強用ロープ部分と、前記上端側の補強用ロープ部分に該当する部分の補強用ロープ部分とを予め連結手段を用いて左右方向(横方向)に一体的に連結することで構成されている。
または、屋内空間部の少なくとも二側面に沿って吊り張りする各側面用ネットは、各側面の形状に応じて同形状、又は所望の形状(上記の側面ネット体と同様)に形成された側面ネット体と、該側面ネット体の各外周辺に沿って取り付けられた補強用ロープとから形成された各側面用ネットを、各側面用ネットの近接する外側辺に取り付けられたそれぞれの補強用ロープ部分を予め連結手段を用いて上下方向(縦方向)で一体的に連結することで構成されている。
前記連結手段は、前記側面用ネットの上端側の補強用ロープ部分、天井用ネットの補強用ロープ部分、又は各側面用ネットの近接する側辺間の補強用ロープ部分に直接又は間接的に設けられているために、側面用ネットの上端側の補強用ロープ部分と天井用ネットの該当する補強用ロープ部分との連結、又は各側面用ネットの近接する側辺間の補強用ロープ部分の連結をスムーズに行うことができる。
これにより、屋内空間部の少なくとも一側面及び天井面に沿って側面用ネット及び天井用ネットを一体的に吊り張りでき、側面用ネットの上端側と天井用ネットとの隙間部分を確実に閉塞できる。
また、同時に少なくとも一側面の側面用ネットと天井用ネットとを吊り張りできるので、その作業工程が少なく簡潔に吊り張り作業を行える。
また、少なくとも二側面の形状に側面用ネットを取り付ける場合であっても、同様に二側面に側面用ネットを吊り張りでき、その作業工程が容易であり、且つ側面用ネット間の隙間部分を確実に閉塞できる。
このように、請求項1に記載の屋内空間部のネットは、各側面用ネットの間、側面用ネットと天井用ネットとの間を確実に閉塞し、防球用として、また防護用としての効果の向上を確実に図ることができる。
しかも、少なくとも一以上の側面用ネットと天井用ネットとを予め一体的に連結、又は少なくとも二以上の側面用ネット間を予め一体的に連結する等種々の組み合わせが可能であり、あらゆる屋内空間部に適切に屋内空間部用のネットを吊り張りすることができる。
次に、請求項2に記載の屋内空間部用のネットは、天井用ネットと上端側を前記天井用ネットに連結する少なくとも一側面に吊り張りされる側面用ネットとを、一体的に形成される空間部ネット体と、該空間部ネット体の外周辺に設けられ形状維持を目的とする補強用ロープと、前記側面用ネットの上端側に該当する部分の空間部ネット体に設けられ、形状維持を目的とする中間補強用ロープとから構成されている。
このため、前記補強用ロープと中間補強用ロープで形成される前記空間部ネット体部分を天井面に沿って取り付けると、中間補強用ロープ部分で残りの空間部ネット体部分が下方側に垂れ下がり側面用ネットとなる。
このため、空間部ネット体で天井ネット体及び側面ネット体を一体的に形成することができる。
また、天井用ネットと側面用ネットの上端側部分との間で隙間部分を形成することなく、確実に閉塞できる。
また、屋内空間部用のネットは、少なくとも二側面に吊り張りされる側面ネット体と同形状に形成された空間部ネット体と、該空間部ネット体の外周辺に設けられ、形状維持を目的とする補強用ロープと、前記各側面ネット体の近接する側辺間に該当する部分の空間部ネット体に設けられた中間補強用ロープとから構成されている。
このため、空間部ネット体を一側面に沿って取り付けると、中間補強用ロープ部分で近接する次の側面に沿って空間部ネット体を吊り張りすることができる。
これにより、二側面間に吊り張りする側面ネット体部分の近接する側辺間で隙間部分を形成することなく、確実に閉塞できる。
このように、請求項2に記載の屋内空間部用のネットは、天井用ネットと側面用ネットとの間、又は少なくとも二側面の側面用ネット間の隙間部分を確実に閉塞でき、しかも防球用及び防護用としての効果の向上を図ることができる。
次に、請求項3に記載の屋内空間部のネットの形成方法は、屋内空間部の少なくとも一側面に吊り張りする側面用ネットと天井用ネットとの形状を一体的にした空間部ネット体を形成した後、該空間部ネット体の外周辺に沿って形状維持を目的とする補強用ロープを設けるとともに、前記側面用ネットの上端側に該当する部分の空間部ネット体に中間補強用ロープを設けることで屋内空間部用のネットを形成する。
これにより、側面用ネットと天井用ネットとを一体的に形成でき、且つその連結部分を確実に閉塞できる。
また、少なくとも二側面に沿った形状の側面ネット体を一体的に形成した空間部ネット体を形成した後、該空間部ネット体の外周辺に沿って形状維持を目的とする補強用ロープを設けるとともに、前記各側面用ネットの連結辺に該当する部分の空間部ネット体に中間補強用ロープを設けることで屋内空間部用のネットを形成する。
これにより、各側面用ネットを一体的に形成でき、且つその連結部分を確実に閉塞できる。
また、上記のように屋内空間部用のネットを形成することで、天井用ネット及び側面用ネット、又は/及び少なくとも二側面に側面用ネットを吊り張りする作業工程が簡略化でき、且つその作業がスムーズに行える。
このように、請求項3に記載の屋内空間部用のネットの形成方法は、あらゆる屋内空間部に応じた屋内空間部用のネットを形成することができ、防球用及び防護用として最適な屋内空間部用のネットを提供できる。
また、その作業工程を簡素化でき、スムーズな屋内空間部用のネットを吊り張りすることができる。
本願発明の屋内空間部用のネット、及び屋内空間部用のネットの形成方法について図面を用いて説明する。
図1は本願発明の屋内空間部用のネットの一実施例を示す概略説明平面図であり、図2は図1の屋内空間部用のネットの吊り張り状態を示す概略説明側面図であり、図3は側面用ネットと天井用ネットとの連結を示す概略説明平面図であり、図4及び図5は本願発明の屋内空間部用のネットの他実施例を示す概略説明側面図であり、図6及び図7は本願発明の屋内空間部用のネットの他実施例を示す概略説明平面図である。
図8及び図9は本願発明の屋内空間部用のネットの形成方法を示すフローチャートである。
本願発明の屋内空間部用のネット1は、天井面に沿って吊り張りする天井用ネット2と、上端側を前記天井用ネット2の外周辺に連結され、一側面に沿って吊り張りする側面用ネット3とから構成されている。
前記天井用ネット2は、天井面の形状に応じて形成された天井ネット体4と、該天井ネット体4の形状維持を行うべく外周辺に沿ってそれぞれ取り付けられた補強用ロープ5と、前記天井ネット体4を天井面に沿って吊り張りすべく天井面の対向側壁間に架け渡される複数本のネット吊張用ロープ6とから形成されている。
前記天井ネット体4の形状は、吊り張りする屋内空間部の天井面に応じて、又は使用目的に応じて自在に形成でき、例えば、天井面と同一形状、天井面の一部分に応じた形状、又は天井面を超えた大きさ等選択して形成することができる。
前記天井ネット体4とネット吊張用ロープ6との連結は、前記対向する位置の補強用ロープ5とネット吊張用ロープ6の両側壁側近傍位置とをそれぞれ連結するとともに、天井ネット体4の中途部分でネット吊張用ロープ6と連結することで一体的に連結する。
側面用ネット3は、一側面の形状に応じて形成された側面ネット体7と、該側面ネット体7の形状維持を行うべく外周辺に沿ってそれぞれ取り付けられた補強用ロープ8と、前記側面ネット体7を側面に沿って吊り張りすべく側面の上・下方向間に架け渡されるネット吊張用ロープ9とから形成されている。
前記側面ネット体7の形状も、吊り張りする屋内空間部の側面に応じて、又は使用目的に応じて自在に形成でき、例えば、床面側を弛ませた状態で吊り張りする場合は、側面ネット体7の上下方向の長さを側面の上下方向より長く形成し、側面ネット体7下端側と床面との間に空間部を形成する場合は、側面ネット体7の上下方向の長さを短く形成する。
前記側面ネット体7とネット吊張用ロープ9との連結は、側面ネット体7の上端側及び下端側の補強用ロープ8とネット吊張用ロープ9とを連結することで一体的に連結する。
前記側面ネット体7とネット吊張用ロープ9との連結は上記連結に限定されるものでなく、上端側のみ連結することも可能である。
前記天井用ネット2と前記側面用ネット3との連結は、前記側面用ネット3の上端側の補強用ロープ8部分と前記天井用ネット2の前記補強用ロープ8に該当する部分の補強用ロープ5部分とを連結手段としての連結紐10を用いて、予め一体的に連結する。
前記連結紐10は1本、又は連結部分の長さに応じて複数本で形成される。
尚、上記連結手段は、直接連結紐10を用いて側面用ネット3の上端側の補強用ロープ8部分と天井用ネット2の該当する部分の補強用ロープ5部分とを連結する方法に限定されるものでなく、例えば、別体のネット体10Aに取り付けられた連結紐10を用いて前記上端側の補強用ロープ8部分と前記該当する部分の補強用ロープ5部分とをそれぞれ間接的に連結することも可能である。
本願発明の屋内空間部用のネット1は、上記のように構成され、次に、該屋内空間部用のネット1を用いて、屋内空間部に吊り張りする場合について説明する。
屋内空間部の一側面と天井面とに屋内空間部用のネット1を吊り張りする場合について説明する。
先ず、側面用ネット3は、屋内空間部の一側面の形状に応じて同形状(一側面全面に応じた形状、又は上下方向でさらに大きな形状)に側面ネット体7を形成し、該側面ネット体7の外周辺(例えば、矩形状の場合は、四辺)にそれぞれ形状維持を目的とする補強用ロープ8を取り付けることで形成する。
前記補強用ロープ8は、側面ネット体7の端辺側を筒状に形成し、該筒状部分に補強用ロープ8を挿通するとともに、紐体(図示せず)で側面ネット体7と強固に連結する。
次に、天井用ネット2は、天井面の形状に応じて同形状(天井面の全面形状、又は一部分形状、或いは円弧面の場合はその円弧面に沿った形状)に天井ネット体4を形成し、該天井ネット体4の外周辺(例えば、矩形状の場合は、四辺)にそれぞれ形状維持を目的とする補強用ロープ5を取り付けることで形成する。
この場合も、側面用ネット3の場合と同様に、天井ネット体4の端辺側を筒状に形成し、該筒状部に補強用ロープ6を挿通するとともに、紐体(図示せず)で天井ネット体4と強固に連結する。
尚、各補強用ロープ8、5と側面ネット体7、天井ネット体4との連結は上記筒状部の形成に限定されるものでなく、補強用ロープ8,5を側面ネット体7の端辺側、天井ネット体4の端辺側に紐体で直接連結することも可能である。
次に、前記側面用ネット3の上端側の補強用ロープ8部分と前記天井用ネット2の該当する補強用ロープ5部分とを連結紐10を用いて予め一体的に連結する。
これにより、側面用ネット3と天井用ネット2とを隙間部分なく一体的に形成することができる。
その後、天井面に沿って複数本のネット吊張用ロープ6を架け渡す。前記ネット吊張用ロープ6はそれぞれの天井側の対向する側壁間に格子状(天井面の大小に応じて、一方向のみを選択することも可能)に架け渡す。
また、一側面側に用いるネット吊張用ロープ9は、該一側面の上下方向でそれぞれ平行に2本のネット吊張用ロープ9を架け渡す。
尚、側面用ネット3の下端側を床面に余剰部分を残して吊り張りする場合は、一側面の上方側のみにネット吊張用ロープ9を架け渡す。
その後、天井面の前記ネット吊張用ロープ6に前記天井ネット体4を取り付けるとともに、側面の前記ネット吊張用ロープ9に前記側面ネット体7を取り付ける。
前記天井ネット体4とネット吊張用ロープ6への連結は、直接又は間接的に設けられた取付紐(図示せず)で前記天井ネット体4の補強用ロープ5と前記ネット吊張用ロープ6とを連結するとともに、前記補強用ロープ5と前記天井ネット体4の中途部分の網目部分とを連結する。これにより、確実に天井ネット体4とネット吊張用ロープ6とを連結でき、前記天井用ネット2を天井面に沿って吊り張りできる。
また、同様に前記側面ネット体7の補強用ロープ8と前記ネット吊張用ロープ9への連結は、直接又は間接的に設けられた取付紐(図示せず)で連結することで、一側面に沿って前記側面用ネット3を吊り張りできる。
このように本願発明の屋内空間部用のネット1は、天井用ネット2と側面用ネット3とが一体的に連結されているために、天井用ネット2と側面用ネット3との連結部分の隙間部分を確実に閉塞できる。
また、天井用ネット2と側面用ネット3とが一体的に連結されているために、その取り付けが簡易であり、少ない作業工程で確実に屋内空間部用のネット1を吊り張りすることができる。
尚、上記実施例1では、天井用ネット2に一側面に吊り張りする側面用ネット3のみ一体的に連結したが、本願発明において天井用ネット2と側面用ネット3との連結はこれに限定されるものでなく、例えば、天井用ネット2に二枚、三枚又は四枚の側面用ネット3を一体的に連結することも可能である。要は、屋内空間部の使用状況に応じてその組み合わせを自在に選択することができる。
又、上記実施例1では、側面用ネット3を側面に沿って吊り張りするために、天井用ネット2の端辺側に連結したが、本願発明において、側面用ネット3の上端側の天井用ネット2との取り付け位置はこれに限定されるものでなく、天井用ネット2の補強用ロープ5より内側の所望の位置に連結することも可能である。特に、屋内空間部の二階部分に他の練習スペースがある場合は、側面用ネット3で前記他の練習スペース部分の外周辺を覆うように吊り張りすることも可能である。
又、上記実施例では側面ネット体7の上下方向でネット吊張用ロープ9を架け渡したが、本願発明において、ネット吊張用ロープ9の架け渡しはこれに限定されるものでなく、上端側のみ架け渡し側面ネット体7の下端側はフリー状態とすることも可能である。
前記実施例1では、側面用ネット3と天井用ネット2とを予め一体的に連結したが、本願発明において、屋内空間部用のネット1の構成は、これに限定されるものでなく、屋内空間部の天井面の形状及び一側面の形状に応じた空間部用ネット体11を一体的に形成した後、該空間部用ネット体11の外周辺に沿って形状維持を目的とする補強用ロープ12を取り付けるとともに、側面用ネット3に該当する空間部用ネット体11の上端側部分に中間補強用ロープ13を取り付けることで形成する。
これにより、予め側面ネット体7と天井ネット体4とに該当する面積の空間部用ネット体11を形成することができる。
また、前記中間補強用ロープ13の空間部用ネット体11への取り付け位置を調整することで、屋内空間部の側壁と側面用ネット3に該当する部分の空間部用のネット体11との距離を自在に調整することができ、屋内空間部の形状に応じて、又は使用目的に応じて空間部用ネット体11を吊り張りすることができる。
前記屋内空間部用のネット1を吊り張りためのネット吊張用ロープ6及びネット吊張用ロープ9は、実施例1と同様に別体として天井面及び一側面に架け渡すことを基本とするが、前記空間部用ネット体11の補強用ロープ12及び中間補強用ロープ13を利用して予め前記空間部用ネット体11と予め一体的に連結することも可能である。
本願発明の屋内空間部用のネット1は上記のように構成され、次に、該屋内空間部用のネット1を吊り張りする場合について説明する。
先ず、ネット吊張用ロープ6を天井面の対向する側壁間に架け渡す(格子状、又は一方向に)とともに、ネット吊張用ロープ9を一側面の上下方向間に架け渡した後、前記補強用ロープ12部分に前記空間部ネット体11の天井面部分を、及び前記補強用ロープ12部分と中間補強用ロープ13を利用して空間部用ネット体11の側面部分を取り付けることで、前記空間部用ネット体11を天井面及び一側面に沿って一体的に吊り張りする。
このため、天井ネット体4と側面ネット体7とを別体として形成する場合に比し、作業工程を省略することができ、また連結部分がないために、その強度を増加することができる。
また、従来のように天井用ネット2と側面用ネット3との連結部分の隙間部分がないので、確実に防球用効果及び防護用効果を向上することができる。
尚、上記実施例では、天井ネット体4と一側面ネット体7との形状に応じた空間部用ネット体11を形成したが、本願発明の空間部用ネット体11の形状はこれに限定されるものでなく、天井ネット体4と二側面ネット体7とに応じた空間部用ネット体11を形成、又は天井ネット体4と三側面ネット体7とに応じた空間部用ネット体11を形成することも可能である。要は、屋内空間部の形状、使用状況に応じて自在に選択することができる。
前記実施例1では、側面用ネット2と天井用ネット3とを一体的に連結することで屋内空間部用のネット1を形成したが、本願発明において、屋内空間部用のネット1の構成はこれに限定されるものでなく、二側面に沿ってそれぞれ形成された2枚の側面用ネット3(3A,3B)の近接する側辺部分を連結紐10で一体的に連結することで、屋内空間部用のネット1を形成することも可能である。
上記屋内空間部用のネット1について説明する。本実施例の屋内空間部用のネット1は、屋内空間部の一側面の形状に応じて形成された側面ネット体7Aと、近接する他の側面の形状に応じて形成された別の側面ネット体7Bと、前記各側面ネット体7(7A,7B)の外周辺に沿って前記側面ネット体7(7A,7B)の形状維持のために各外周辺に沿って取り付けられた補強用ロープ8(8A,8B)と、前記側面ネット体7(7A,7B)をそれぞれの側面に沿って吊り張りするために、少なくとも前記上端側の補強用ロープ8(8A,8B)に連結されるネット吊張用ロープ9とから形成されている。
前記各側面ネット体7(7A,7B)の互いに近接する側辺間は連結手段としての連結紐10を用いて予め一体的に連結されている。
本願発明の屋内空間部用のネット1は上記のように構成され、次に、前記屋内空間部用のネット1を二側面に沿って吊り張りする場合について説明する。
先ず、二側面の上下方向でそれぞれネット吊張用ロープ9を架け渡した後、前記一側面の前記ネット吊張用ロープ9に一方の側面用ネット3Aを連結するとともに、他の側面の前記ネット吊張用ロープ9に他方の側面用ネット3Bを連結する。
これにより、各側面ネット3(3A,3B)を二側面に沿って吊り張りすることができる。
この際、前記各側面ネット3(3A、3B)の連結部分の隙間がなく確実に閉塞できる。
また、各側面ネット3(3A,3B)が予め一体的に連結されているために、吊り張り後の連結部分の調整、及び吊り張り作業工程の省略を可能とする。
尚、上記実施例3の屋内空間部用のネット1は二枚の側面ネット体7を一体的に連結することで形成したが、本願発明において実施例2の屋内空間部用のネット1の形成はこれに限定されるものでなく、三側面に渡って側面用ネット3を吊り張りする場合は、三枚の側面ネット体7をそれぞれ一体的に連結することで形成でき、さらに、四側面に渡って側面用ネット3を吊り張りする場合は、四枚の側面ネット体7を一体的に連結することで形成することができる。要は、屋内空間部の使用状況に応じて自在に選択することができる。
上記実施例3では、二側面用ネット3を形成した後近接する側辺間を連結したが、本願発明において、屋内空間部用のネット1の形成はこれに限定されるものでなく、二側面ネット7と同じ形状の空間部ネット体21を形成し、該空間部ネット体21の外周辺に沿って形状維持を目的とする補強用ロープ22を設けるとともに、二側面用ネット3の連結部分に該当する部分に中間補強用ロープ23を設ける。
これにより、二枚の側面用ネット3(3A,3B)を別々に形成する場合に比し、その作業工程を減少することができる。
本願発明の屋内空間部用のネット1は上記のように構成され、次に、上記屋内空間部用のネット1を吊り張りする場合について説明する。
先ず屋内空間部用の近接する二側面の形状に応じて空間部ネット体21を形成した後、前記空間部ネット体21の外周辺に沿って形状維持を目的とする補強用ロープ22を取り付けるとともに、二側面の近接する側辺に沿って形状維持を目的とする中間補強用ロープ23を取り付けつることで屋内空間部用のネット1を形成する。
次に前記実施例3の場合と同様にネット吊張用ロープ9を各側面の上下方向それぞれで架け渡した後、前記ネット吊張用ロープ9に一側面に該当する空間部ネット体21部分の補強用ロープ22部分を連結するとともに、前記ネット吊張用ロープ9に他側面に該当する空間部ネット体21部分の補強用ロープ22部分を連結する。
これにより、一枚の空間部ネット体21で二側面に沿って隙間部分なく二枚の側面用ネット3を吊り張りすることができる。
また、別々に側面用ネット3を吊り張りする場合に比し、その取り付け作業工程が容易でスムーズに吊り張りすることができる。
尚、本願発明の屋内空間部用のネット1は上記実施例の二側面に限定されるものでなく、例えば、三側面の形状を有する空間部ネット体21を形成し、三側面に沿って吊り張りすることも、またさらに複数面の形状の空間部ネット体21を形成することも可能である。
本願発明の屋内空間部用のネットの一実施例を示す概略説明平面図
図1の屋内空間部用のネットの吊り張り状態を示す概略説明側面図
側面用ネットと天井用ネットとの連結を示す概略説明平面図
本願発明の屋内空間部用のネットの他実施例を示す概略説明側面図
本願発明の屋内空間部用のネットの他実施例を示す概略説明側面図
本願発明の屋内空間部用のネットの他実施例を示す概略説明平面図
本願発明の屋内空間部用のネットの他実施例を示す概略説明平面図
本願発明の屋内空間部用のネットの形成方法を示すフローチャート
本願発明の屋内空間部用のネットの形成方法を示すフローチャート
1−屋内空間部用のネット、2−天井用ネット、3−側面用ネット、11、21−空間部ネット体