JP2019179863A - 有機電界発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ポリエチレンイミンを用いた素子よりも高い実用性を有し、かつ電子注入性に優れた順構造の有機電界発光素子を提供する。【解決手段】 陰極と基板上に形成された陽極との間に複数の有機化合物層が積層された構造を有する有機電界発光素子であって、該有機化合物層のうち、陰極に隣接する層が、下記一般式(1);(X)−[(L)−(NR1R2)]n(1)(式中、Xは、電子輸送性化合物由来のn価の基を表す。Lは、XとNR1R2で表されるアミノ基とを結合する連結基又は直接結合を表す。R1及びR2は、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。nは、1〜8の数を表す。)で表される構造を有するアミノ基含有化合物を含む溶液の塗膜の層である有機電界発光素子。【選択図】なし

Description

本発明は、有機電界発光素子に関する。より詳しくは、電子機器の表示部等の表示装置や照明装置等としての利用可能な有機電界発光素子に関する。
薄く、柔軟でフレキシブルな表示用デバイスや照明に適用できる新しい発光素子として有機電界発光素子(有機EL素子)が期待されている。
有機電界発光素子は、陽極と陰極との間に発光性有機化合物を含んで形成される発光層を含む1種または複数種の層を挟んだ構造を持ち、陽極から注入されたホールと陰極から注入された電子が再結合する時のエネルギーを利用して発光性有機化合物を励起させ、発光を得るものである。有機電界発光素子は電流駆動型の素子であり、流れる電流をより効率的に活用するため、素子構造や、素子を構成する層の材料について種々検討されている。
陰極と陽極との間の層が全て有機化合物で形成された有機電界発光素子は、結果として酸素や水によって劣化しやすく、これらの侵入を防ぐために厳密な封止が不可欠である。このことは、有機電界発光素子の製造工程を煩雑なものとする原因となっている。
さらに最近、有機EL素子の性能を確保しつつ、耐久性を向上させるために、アルカリ金属を含まない電子注入層として、例えば、非特許文献1には、ポリエチレンイミンからなる電子注入層を有する有機EL素子が記載されている。また、非特許文献2には、電解質膜が電子の注入速度改善に有効であることが記載され、非特許文献3には、それらのアミノ基が電極と有機層界面において電子注入に及ぼす効果について記載されている。
ジャンシャン チェン(Jiangshan Chen)外6名「ジャーナル オブ マテリアルズ ケミストリー(Journal Of Materials Chemistry)」、第22巻、2012年、p5164−5170 ヒョサン チョイ(Hyosung Choi)外8名「アドバンスト マテリアルズ(Advanced Materials)」、第23巻、2011年、p2759 ウィンファ チョウ(Yinhua Zho)外21名「サイエンス(Science)」、第336巻、2012年、p327
上記のように、電子注入層の材料としてポリエチレンイミン等を使用することが開示されているが、ポリエチレンイミンに導電性がないことから極薄膜でしか使用できず、膜厚許容範囲が小さいことや、導電性が乏しいことから来る耐久性の低さ等の理由で、ポリエチレンイミンを電子注入層の材料として用いた素子は実用には適さないものである。このため、ポリエチレンイミンを用いた素子に比べて実用性が高く、かつ電子注入性に優れた有機電界発光素子が求められている。特に、有機電界発光素子には、基板上に陽極が形成された順構造のものと基板上に陰極が形成された逆構造のものとがあるが、より一般的な順構造を有する素子であって、ポリエチレンイミンを用いた素子よりも高い実用性を有し、かつ電子注入性に優れた素子が求められている。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、ポリエチレンイミンを用いた素子よりも高い実用性を有し、かつ電子注入性に優れた順構造の有機電界発光素子を提供することを目的とする。
本発明者は、実用性及び電子注入性に優れた順構造の有機電界発光素子について検討し、中心骨格として電子輸送性能を有し、末端に電子注入性の起因となる双極子モーメントを電極金属と発現できる3級アミンを有する特定の構造の化合物が導電性を有し、電子注入性および電子輸送性に優れることに着目した。そして、この化合物を用いた有機電界発光素子について種々検討したところ、陰極に隣接する層を、この化合物を含む溶液を塗布することで形成すると、得られる有機電界発光素子が電子注入性に優れた素子となることを見出した。これは、蒸着のような気相プロセスよりも塗布製膜である液相プロセスの方が、製膜後の該アミノ基含有化合物の膜中における構造自由度が高いためと考えている。加えて、この特定の構造の化合物は導電性を有することから、この特定の構造の化合物の塗膜の層を有する素子は、ポリエチレンイミンを用いた場合よりも膜厚許容範囲が大きく、実用性の高い素子となることも見出し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、陰極と基板上に形成された陽極との間に複数の有機化合物層が積層された構造を有する有機電界発光素子であって、該有機化合物層のうち、陰極に隣接する層が、下記一般式(1);
(X)−[(L)−(NR)] (1)
(式中、Xは、電子輸送性化合物由来のn価の基を表す。Lは、XとNRで表されるアミノ基とを結合する連結基又は直接結合を表す。R及びRは、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。nは、1〜8の数を表す。)で表される構造を有するアミノ基含有化合物を含む溶液の塗膜の層であることを特徴とする有機電界発光素子である。
上記一般式(1)において、Xで表される電子輸送性化合物由来のn価の基は、Lと結合する末端部分の構造がピリジン環であることが好ましい。
本発明はまた、本発明の有機電界発光素子を備えることを特徴とする表示装置でもある。
本発明はまた、本発明の有機電界発光素子を備えることを特徴とする照明装置でもある。
本発明はまた、陰極と基板上に形成された陽極との間に複数の有機化合物層が積層された構造を有する有機電界発光素子の製造方法であって、該製造方法は、下記一般式(1);
(X)−[(L)−(NR)] (1)
(式中、Xは、電子輸送性化合物由来のn価の基を表す。Lは、XとNRで表されるアミノ基とを結合する連結基又は直接結合を表す。R及びRは、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。nは、1〜8の数を表す。)で表される構造を有するアミノ基含有化合物を含む溶液を塗布して層を形成する工程と、該アミノ基含有化合物を含む層に隣接して陰極を形成する工程とを含むことを特徴とする有機電界発光素子の製造方法でもある。
本発明の有機電界発光素子は、基板上に陽極が形成された順構造の有機電界発光素子であって、電子注入性に優れることから、表示装置や照明装置の材料として好適に用いることができる。
本発明の有機電界発光素子の積層構造の一例を示した概略図である。 実施例1で作製した有機電界発光素子の電圧−電流密度・輝度特性の測定結果を示した図である。 比較例1で作製した有機電界発光素子の電圧−電流密度・輝度特性の測定結果を示した図である。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
本発明の有機電界発光素子は、陰極と基板上に形成された陽極との間に複数の有機化合物層が積層された構造を有する素子であって、該陰極に隣接する層が、下記一般式(1);
(X)−[(L)−(NR)] (1)
(式中、Xは、電子輸送性化合物由来のn価の基を表す。Lは、XとNRで表されるアミノ基とを結合する連結基又は直接結合を表す。R及びRは、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。nは、1〜8の数を表す。)で表される構造を有するアミノ基含有化合物を含む溶液の塗膜の層であることを特徴とする。本発明の有機電界発光素子は、高い実用性を有し、かつ電子注入性に優れたものであるが、塗布製膜で作製する電子注入層を用いることは低コスト化にもつながるため、この点も本発明の有機電界発光素子の優れた点である。
一般式(1)で表される構造を有するアミノ基含有化合物の層を形成する方法としては、該化合物を含む溶液を塗布して塗膜の層を形成する方法の他に、後述する蒸着による方法等があるが、基板上に陽極を有する順構造の有機電界発光素子においては、このような特定の構造を有するアミノ基含有化合物を溶液にし、該溶液を塗布して塗膜の層を形成し、その上に陰極を形成することで、得られる有機電界発光素子が電子注入性に特に優れたものとなる。これは、塗布製膜した電子注入層は電荷注入に有利なように、末端N原子が塗布製膜時間の間に配列しているためであると考えられ、これにより発光開始電圧が低いと推測される。なお、配列の候補としては、該塗膜の層に隣接する陰極を構成する金属との間のダイポールが考えられ、ダイポールの数は素子の特性に差異を生じさせる要因であると考えられるが、現状の技術ではダイポール差を直接観測することは難しい。
以下においては、まず、一般式(1)で表されるアミノ基含有化合物について説明し、その後に本発明の有機電界発光素子の構造や、アミノ基含有化合物以外の材料について説明する。
1.アミノ基含有化合物
本発明のアミノ基含有化合物は、上記一般式(1)で表される構造を有する。
一般式(1)におけるXは、電子輸送性化合物由来のn価の基を表す。電子輸送性化合物とは、最低非占有軌道(LUMO)準位が2.0eV〜4.0eVまでの複素環を有するn型有機半導体である。その中でも、LUMO準位が2.5eV〜3.5eVの化合物、または、該複素環が含窒素複素環である化合物が好ましい。
上記一般式(1)においてXで表される電子輸送性化合物由来のn価の基を形成する電子輸送性化合物としては、電子輸送層の材料として通常用いることができるいずれの化合物も用いることができる。
上記一般式(1)において、Xが下記一般式(2)で表されることは、本発明の好ましい形態の一つである。
Figure 2019179863
上記一般式(2)において、Zは、トリアジン環、ベンゼン環、又は、ピリミジン環からn個の水素原子を除いた基を表し、Pは、アルキレン基、アリーレン基、又は、複素環を表す。Qは、複素環を表し、一般式(1)のLとそれぞれ結合している。n1は、Pの繰り返し単位を表し0〜3の数である。n2は、Qの繰り返し単位を表し0または1である。nは、Zが有する下記一般式(3)で表される置換基の数を表し、式(1)におけるnと同じ数である。nの中で、PやQが複数存在する場合、PおよびQの繰り返し単位および構造はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、Qについては、複数のnのうち少なくとも一つに存在すればよい。
Figure 2019179863
一般式(3)におけるP、Q、n1、n2は、一般式(2)と同じである。
上記一般式(2)中のPにおけるアルキレン基、アリーレン基、複素環、および上記Qにおける複素環は、炭素数3〜15の基であることが好ましい。
上記一般式(2)中のQにおける複素環は、好ましくは、電子輸送性基であり、例えば、イミダゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピラジン環、トリアジン環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、キノリン環、イソキノリン環、キノキサリン環、ベンゾチアジアゾール環等から、水素原子を2つ除いた基であることが好ましく、ピリジン環から水素原子を2つ除いた基であることがさらに好ましい。
上記Pにおけるアルキレン基、アリーレン基、複素環、および上記Qにおける複素環は、1または2以上の置換基を有していても良い。置換基としては、上記一般式(1)のR、Rの置換基と同様のものが例示される。
上記一般式(1)においてXで表される電子輸送性化合物由来のn価の基を形成する電子輸送性化合物の例としては、トリス−1,3,5−(3’−(ピリジン−3’’−イル)フェニル)ベンゼン(TmPhPyB)のようなピリジン誘導体、2,4−ビス(4−ビフェニル)−6−(4’−(2−ピリジニル)−4−ビフェニル)−[1,3,5]トリアジン(MPT)のようなトリアジン誘導体が挙げられる。
またその他の例としては、フェニル−ディピレニルホスフィンオキサイド(POPy)のようなホスフィンオキサイド誘導体、(2−(3−(9−カルバゾリル)フェニル)キノリン(mCQ))のようなキノリン誘導体、2−フェニル−4,6−ビス(3,5−ジピリジルフェニル)ピリミジン(BPyPPM)のようなピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、バソフェナントロリン(BPhen)のようなフェナントロリン誘導体、3−フェニル−4−(1’−ナフチル)−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール(TAZ)のようなトリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル−1,3,4−オキサジアゾール)(PBD)のようなオキサジアゾール誘導体、2,2’,2’’−(1,3,5−ベントリイル)−トリス(1−フェニル−1−H−ベンズイミダゾール)(TPBI)のようなイミダゾール誘導体、2,5−ビス(6’−(2’,2’’−ビピリジル))−1,1−ジメチル−3,4−ジフェニルシロール(PyPySPyPy)等のシロール誘導体に代表される有機シラン誘導体、特願2012−228460号、特願2015−503053号、特願2015−053872号、特願2015−081108号および特願2015−081109号に記載のホウ素含有化合物等が挙げられる。
これらの中でも、TmPhPyBのような末端にピリジル基を有するピリジン誘導体が好ましい。つまり、Xが、末端にピリジル基を有するピリジン誘導体由来のn価の基であって、末端のピリジル基の部分で一般式(1)のLと結合することが好ましい。
すなわち、一般式(1)において、Xで表される電子輸送性化合物由来のn価の基が、Lと結合する末端部分の構造がピリジン環であることは本発明の好適な形態の1つである。
上記一般式(1)において、Lは、Xとアミノ基とを結合する連結基又は直接結合を表す。Lが連結基の場合、該連結基は、Xで表される電子輸送性化合物由来のn価の基を構成する任意の位置の原子とアミノ基とを結ぶ基である。Lが直接結合の場合、電子輸送性化合物由来のn価の基と、アミノ基との結合位置も任意である。
上記一般式(1)においてLで表される連結基の例としては、炭素数1〜18のアルキレン連結基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等)、炭素数6〜18のアリーレン連結基(例えば、フェニレン基、ナフチレン基等)、炭素数2〜18の複素環連結基(例えば、フリル基、チエニレン基、ピリジル基、ピリミジル基、トリアジル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、モルホリル基等)、炭素数1〜4のアルケニレン連結基(ビニレン基等)、アルキニレン連結基、窒素原子、酸素原子等が挙げられる。Lで表される連結基は、上記で挙げた連結基の中から2つ以上を組み合わせてもよい。
Lで表される連結基としては、上記の連結基の中でも特に、炭素数1〜6のアルキレン連結基が好ましい。Lで表される連結基がアルキレン連結基であると、有機材料の溶解性を向上させることができ、好ましい。また、上記の連結基L中に含まれる水素原子は、1価の置換基と置き換えてもよい。なお、上記連結基の炭素数は、置換基を有さない連結基のみの炭素数を意味し、連結基が1価の置換基を有する場合の置換基の炭素数は含まない。
上記一般式(1)中、R、Rは、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。炭化水素基としては、炭素数1〜6のものが好ましい。より好ましくは、炭素数1〜2のものである。なお、ここでいう炭素数は、炭化水素基のみの炭素数を意味し、炭化水素基が置換基を有する場合の置換基の炭素数は含まない。
炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基のいずれであってもよい。
一般式(1)中、nは、1〜8の数を表すが、1〜6であることが好ましく、より好ましくは、2又は3である。
上記一般式(1)において、連結基Lは、それぞれ同一または異なる1価の置換基を有していてもよい。連結基Lにおいて、1価の置換基が結合する位置や数は特に限定されない。連結基Lのいずれか1以上に結合してもよい1価の置換基としては、特に制限されないが、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜12のハロゲン化炭化水素基、炭素数0〜12の複素環基、シアノ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、炭素数2〜30のN−二置換アミノ基等が挙げられる。
一般式(1)のR、Rの炭化水素基が置換基を有する場合の置換基もこれらと同様である。
上記ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又は、ヨウ素原子であることが好ましい。
上記炭素数1〜20の炭化水素基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等の炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基;ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、スチリル基等の炭素数2〜12のアルケニル基;エチニル基、1−プロピニル基、プロパルギル基等の炭素数2〜12のアルキニル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数5〜12の環状アルキル基;アルキル基、アルケニル基、アルキニル基等で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基が挙げられる。
上記炭素数1〜20の炭化水素基は、上述したもののうち、その炭素数が1〜8であることが好ましく、より好ましくは、炭素数1〜6であり、更に好ましくは、炭素数1〜4である。上記炭素数1〜20の炭化水素基は、上述したもののうち、炭素数1であることが特に好ましい。
上記炭素数1〜12のハロゲン化炭化水素基は、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基等の炭素数1〜12のハロアルキル基;ハロゲン原子で置換された炭素数6〜12のアリール基が挙げられる。
上記炭素数1〜12のハロゲン化炭化水素基は、上述したもののうち、その炭素数が1〜8であることが好ましく、より好ましくは、1〜6である。
上記炭素数0〜12の複素環基は、ペンタゾール等の五員環窒素含有環基;トリアゾール、テトラゾール、イミダゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、ピラゾール、ピロール、ピロリジン、オキサゾリン、フラン、チオフェン等の五員環複素環基;ピリジン、ピラジン、ピペリジン、モルホリン、チアジン等の六員環複素環基が好適なものとして挙げられる。なお、これらの複素環基は、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基等で置換されていてもよい。
上記炭素数0〜12の複素環基は、上述したもののうち、炭素数が1〜8であることが好ましく、より好ましくは、1〜6である。
上記炭素数1〜12のアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基等の直鎖状又は分岐鎖状のものが好適なものとして挙げられる。
上記炭素数1〜12のアルコキシ基は、上述したもののうち、炭素数が1〜8であることが好ましく、より好ましくは、1〜6であり、更に好ましくは、1〜3である。
上記炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基は、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基等の直鎖状又は分岐鎖状のものが挙げられる。
上記炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基は、上述したもののうち、炭素数が2であることが好ましい。
上記炭素数6〜12のアリールオキシ基としては、フェニルオキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。上記炭素数6〜12のアリールオキシ基は、例えば、アリールオキシ基のアリール基の部分が、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基等で置換されていてもよい。
上記炭素数6〜12のアリールオキシ基は、上述したもののうち、炭素数が6〜10であることが好ましく、より好ましくは、6〜8であり、更に好ましくは、6である。
上記炭素数2〜30のN−二置換アミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ピロリジニル基、モルホリニル基等の炭素数2〜12のジアルキルアミノ基;N−メチル−N−フェニルアミノ基、N−エチル−N−ナフチルアミノ基等の炭素数6〜20のN−アルキル−N−アリールアミノ基;ジフェニルアミノ基、カルバゾリル基、フェノキサジニル基、フェノチアジニル基等の炭素数11〜30の非環状ジアリールアミノ基又は環状ジアリールアミノ基等が好適なものとして挙げられる。
なお、非環状ジアリールアミノ基とは、芳香環以外の環構造を有しないものをいう。環状ジアリールアミノ基とは、芳香環以外の環構造を有するものをいう。上記炭素数2〜30のN−二置換アミノ基は、例えば、N−二置換アミノ基のアルキル基またはアリール基の部分が、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基等で置換されていてもよい。
上記炭素数2〜12のジアルキルアミノ基は、上述したもののうち、その炭素数が2〜8であることが好ましい。より好ましくは、2〜6である。更に好ましくは、2〜4である。
上記炭素数6〜20のN−アルキル−N−アリールアミノ基は、上述したもののうち、その炭素数が7〜18であることが好ましい。より好ましくは、7〜15である。更に好ましくは、7〜11である。
上記炭素数11〜30の非環状ジアリールアミノ基又は環状ジアリールアミノ基は、上述したもののうち、その炭素数が11〜20であることが好ましく、より好ましくは、12〜18であり、更に好ましくは、12〜16である。
その他、連結基Lのいずれか1以上に結合してもよい1価の置換基、および、R、Rの炭化水素基が置換基を有する場合の置換基は、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等のアシル基;N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基等のN,N−ジアルキルカルバモイル基;チオアセチル基、チオベンゾイル基、メトキシチオカルボニル基等のチオカルボニル基;ジオキサボロラニル基、スタニル基、シリル基、エステル基、ホルミル基、チオエーテル基、エポキシ基、イソシアネート基、スルホ基、スルホニル基、ホスホリル基等であってもよい。
なお、上記1価の置換基(連結基Lの1以上に結合してもよい1価の置換基、および、R、Rの炭化水素基が置換基を有する場合の置換基)は、本発明の効果を発揮できる限り、ハロゲン原子、ヘテロ原子、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、芳香環等の1価の置換基で置換されていてもよい。上記1価の置換基(連結基Lの1以上に結合してもよい1価の置換基、および、R、Rの炭化水素基が置換基を有する場合の置換基)が、更に1価の置換基を有する場合、連結基Lのいずれか1以上に結合してもよい1価の置換基に結合する1価の置換基の位置および数は、特に限定されない。
2.有機電界発光素子
次に、本発明の有機電界発光素子の構成や、上記アミノ基含有化合物以外の材料について説明する。
本発明の有機電界発光素子は、陰極と基板上に形成された陽極との間に複数の有機化合物層が積層された構造を有する。
本発明の有機電界発光素子の構成は特に制限されないが、陽極、正孔輸送層及び/又は正孔注入層、発光層、必要に応じて電子輸送層、電子注入層、陰極の各層をこの順に隣接して有する素子であることが好ましい。なお、これらの各層は、1層からなるものであってもよく、2層以上からなるものであってもよい。
上記構成の有機電界素子において、素子が電子輸送層を有さない場合は、電子注入層と発光層とが隣接することになる。また、素子が正孔輸送層、正孔注入層のいずれか一方のみを有する場合には、当該一方の層が発光層と陽極とに隣接して積層されることになり、素子が正孔輸送層と正孔注入層の両方を有する場合には、陽極、正孔注入層、正孔輸送層、発光層の順にこれらの層が隣接して積層されることになる。
本発明の有機電界発光素子は、基板と反対側に光を取り出すトップエミッション型のものであってもよいし、基板側に光を取り出すボトムエミッション型のものであってもよい。
本発明の有機電界発光素子において、上記一般式(1)で表されるアミノ基含有化合物を含む溶液を塗布して形成される塗膜の層は、陰極に隣接する層として形成されることから、該アミノ基含有化合物を含む塗膜の層は、電子注入層となる。一般式(1)で表されるアミノ基含有化合物は電子注入性に優れる化合物であることから、この化合物を含む層を電子注入層として有することで、素子が駆動電圧が低く、優れた特性を有する素子となる。
図1は、本発明の順構造の有機電界発光素子の一例を説明するための概略断面図である。図1に示す本実施形態の有機電界発光素子は、陽極2と陰極8との間に発光層5を有する。図1に示す有機電界発光素子では、陰極8と発光層5との間に、電子注入層7を有している。
本実施形態の有機電界発光素子は、基板1上に、陽極2と、正孔注入層3と、正孔輸送層4と、発光層5と、電子輸送層6と、電子注入層7と、陰極8とがこの順に形成された積層構造を有する。
「基板」
本発明の有機電界発光素子における基板の材料としては、樹脂材料、ガラス材料等が挙げられる。
基板に用いられる樹脂材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアリレート等が挙げられる。基板の材料として、樹脂材料を用いた場合、柔軟性に優れた有機電界発光素子が得られるため好ましい。
基板に用いられるガラス材料としては、石英ガラス、ソーダガラス等が挙げられる。
本発明の有機電界発光素子がボトムエミッション型のものである場合には、基板の材料として、透明基板を用いる。
本発明の有機電界発光素子がトップエミッション型のものである場合には、基板の材料として、透明基板だけでなく、不透明基板を用いてもよい。不透明基板としては、例えば、アルミナのようなセラミックス材料からなる基板、ステンレス鋼のような金属板の表面に酸化膜(絶縁膜)を形成した基板、樹脂材料で構成された基板等が挙げられる。
上記基板の平均厚さは、基板の材料等に応じて決定でき、0.1〜30mmであることが好ましく、0.1〜10mmであることがより好ましい。
基板の平均厚さは、デジタルマルチメーター、ノギスにより測定できる。
「陽極」
本発明の有機電界発光素子において、陽極に用いられる材料としては、ITO、IZO、Au、Pt、Ag、Cu、Alまたはこれらを含む合金等が挙げられる。この中でも、陽極の材料として、ITO、IZO、Au、Ag、Alを用いることが好ましい。
上記陽極の平均厚さは、特に限定されないが、10〜1000nmであることが好ましく、30〜150nmであることがより好ましい。また、陽極の材料として不透過な材料を用いる場合でも、例えば、平均厚さを10〜30nm程度にすることで、トップエミッション型の有機電界発光素子における透明な陽極として使用できる。
陽極の平均厚さは、水晶振動子膜厚計により陽極の成膜時に測定できる。
「正孔注入層」
本発明の有機電界発光素子において、正孔注入層に用いられる材料としては、ジピラジノ[2,3−f:2’,3’−h]キノキサリン−2,3,6,7,10,11−ヘキサカルボニトリル(HAT−CN)や2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノ−キノジメタン(F4−TCNQ)等が挙げられる。
上記正孔注入層の平均厚さは、特に限定されないが、1〜1000nmであることが好ましく、5〜50nmであることがより好ましい。
正孔注入層の平均厚さは、水晶振動子膜厚計により成膜時に測定することができる。
「正孔輸送層」
本発明の有機電界発光素子において、正孔輸送層に用いる正孔輸送性有機材料としては、各種p型の高分子材料(有機ポリマー)、各種p型の低分子材料を単独または組み合わせて用いることができる。
具体的には、正孔輸送層の材料として、例えば、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(α−NPD)、N4,N4’−ビス(ジベンゾ[b,d]チオフェン−4−イル)−N4,N4’−ジフェニルビフェニルー4,4’−ジアミン(DBTPB)、ポリアリールアミン、フルオレン−アリールアミン共重合体、フルオレン−ビチオフェン共重合体、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリチオフェン、ポリアルキルチオフェン、ポリヘキシルチオフェン、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリチニレンビニレン、ピレンホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾールホルムアルデヒド樹脂またはその誘導体等が挙げられる。これらの正孔輸送層7の材料は、他の化合物との混合物として用いることもできる。一例として、正孔輸送層7の材料として用いられるポリチオフェンを含有する混合物として、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)等が挙げられる。
上記正孔輸送層の平均厚さは、特に限定されないが、10〜150nmであることが好ましく、20〜100nmであることがより好ましい。
正孔輸送層の平均厚さは、例えば、触針式段差計、分光エリプソメトリーにより測定することができる。
「発光層」
本発明の有機電界発光素子において、発光層を形成する材料としては、発光層の材料として通常用いることのできるいずれの材料を用いてもよく、これらを混合して用いてもよい。具体的には、例えば、発光層として、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(Zn(BTZ))と、トリス[1−フェニルイソキノリン]イリジウム(III)(Ir(piq))とを含むものとすることができる。
また、発光層を形成する材料は、低分子化合物であってもよいし、高分子化合物であってもよい。なお、本発明において低分子材料とは、高分子材料(重合体)ではない材料を意味し、分子量が低い有機化合物を必ずしも意味するものではない。
上記発光層を形成する高分子材料としては、例えば、トランス型ポリアセチレン、シス型ポリアセチレン、ポリ(ジ−フェニルアセチレン)(PDPA)、ポリ(アルキルフェニルアセチレン)(PAPA)のようなポリアセチレン系化合物;ポリ(パラ−フェンビニレン)(PPV)、ポリ(2,5−ジアルコキシ−パラ−フェニレンビニレン)(RO−PPV)、シアノ−置換−ポリ(パラ−フェンビニレン)(CN−PPV)、ポリ(2−ジメチルオクチルシリル−パラ−フェニレンビニレン)(DMOS−PPV)、ポリ(2−メトキシ,5−(2’−エチルヘキソキシ)−パラ−フェニレンビニレン)(MEH−PPV)のようなポリパラフェニレンビニレン系化合物;ポリ(3−アルキルチオフェン)(PAT)、ポリ(オキシプロピレン)トリオール(POPT)のようなポリチオフェン系化合物;ポリ(9,9−ジアルキルフルオレン)(PDAF)、ポリ(ジオクチルフルオレン−アルト−ベンゾチアジアゾール)(F8BT)、α,ω−ビス[N,N’−ジ(メチルフェニル)アミノフェニル]−ポリ[9,9−ビス(2−エチルヘキシル)フルオレン−2,7−ジル](PF2/6am4)、ポリ(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレニル−オルト−コ(アントラセン−9,10−ジイル)のようなポリフルオレン系化合物;ポリ(パラ−フェニレン)(PPP)、ポリ(1,5−ジアルコキシ−パラ−フェニレン)(RO−PPP)のようなポリパラフェニレン系化合物;ポリ(N−ビニルカルバゾール)(PVK)のようなポリカルバゾール系化合物;ポリ(メチルフェニルシラン)(PMPS)、ポリ(ナフチルフェニルシラン)(PNPS)、ポリ(ビフェニリルフェニルシラン)(PBPS)のようなポリシラン系化合物;更には特願2010−230995号、特願2011−6457号に記載のホウ素化合物系高分子材料等が挙げられる。
上記発光層を形成する低分子材料としては、例えば、配位子に2,2’−ビピリジン−4,4’−ジカルボン酸を持つ、3配位のイリジウム錯体、ファクトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy))、8−ヒドロキシキノリンアルミニウム(Alq)、トリス(4−メチル−8キノリノレート)アルミニウム(III)(Almq)、8−ヒドロキシキノリン亜鉛(Znq)、(1,10−フェナントロリン)−トリス−(4,4,4−トリフルオロ−1−(2−チエニル)−ブタン−1,3−ジオネート)ユーロピウム(III)(Eu(TTA)(phen))、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィンプラチナム(II)のような各種金属錯体;ジスチリルベンゼン(DSB)、ジアミノジスチリルベンゼン(DADSB)のようなベンゼン系化合物;ナフタレン、ナイルレッドのようなナフタレン系化合物;フェナントレンのようなフェナントレン系化合物;クリセン、6−ニトロクリセンのようなクリセン系化合物;ペリレン、N,N’−ビス(2,5−ジ−t−ブチルフェニル)−3,4,9,10−ペリレン−ジ−カルボキシイミド(BPPC)のようなペリレン系化合物;コロネンのようなコロネン系化合物;アントラセン、ビススチリルアントラセンのようなアントラセン系化合物;ピレンのようなピレン系化合物;4−(ジ−シアノメチレン)−2−メチル−6−(パラ−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM)のようなピラン系化合物;アクリジンのようなアクリジン系化合物;スチルベンのようなスチルベン系化合物;2,5−ジベンゾオキサゾールチオフェンのようなチオフェン系化合物;ベンゾオキサゾールのようなベンゾオキサゾール系化合物;ベンゾイミダゾールのようなベンゾイミダゾール系化合物;2,2’−(パラ−フェニレンジビニレン)−ビスベンゾチアゾールのようなベンゾチアゾール系化合物;ビスチリル(1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン)、テトラフェニルブタジエンのようなブタジエン系化合物;ナフタルイミドのようなナフタルイミド系化合物;クマリンのようなクマリン系化合物;ペリノンのようなペリノン系化合物;オキサジアゾールのようなオキサジアゾール系化合物;アルダジン系化合物;1,2,3,4,5−ペンタフェニル−1,3−シクロペンタジエン(PPCP)のようなシクロペンタジエン系化合物;キナクリドン、キナクリドンレッドのようなキナクリドン系化合物;ピロロピリジン、チアジアゾロピリジンのようなピリジン系化合物;2,2’,7,7’−テトラフェニル−9,9’−スピロビフルオレンのようなスピロ化合物;フタロシアニン(HPc)、銅フタロシアニンのような金属または無金属のフタロシアニン系化合物;更には特開2009−155325号公報、特開2011−184430号公報および特願2011−6458号に記載のホウ素化合物材料等が挙げられる。
上記発光層の平均厚さは、特に限定されないが、10〜150nmであることが好ましく、20〜100nmであることがより好ましい。
発光層の平均厚さは、触針式段差計により測定してもよいし、水晶振動子膜厚計により発光層の成膜時に測定してもよい。
「電子輸送層」
本発明の有機電界発光素子において、電子輸送層の材料としては、電子輸送層の材料として通常用いることができるいずれの材料を用いてもよい。
電子輸送層の材料として通常用いることができる材料の具体例としては、フェニル−ディピレニルホスフィンオキサイド(POPy)のようなホスフィンオキサイド誘導体、トリス−1,3,5−(3’−(ピリジン−3’’−イル)フェニル)ベンゼン(TmPhPyB)のようなピリジン誘導体、(2−(3−(9−カルバゾリル)フェニル)キノリン(mCQ))のようなキノリン誘導体、2−フェニル−4,6−ビス(3,5−ジピリジルフェニル)ピリミジン(BPyPPM)のようなピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、バソフェナントロリン(BPhen)のようなフェナントロリン誘導体、2,4−ビス(4−ビフェニル)−6−(4’−(2−ピリジニル)−4−ビフェニル)−[1,3,5]トリアジン(MPT)のようなトリアジン誘導体、3−フェニル−4−(1’−ナフチル)−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール(TAZ)のようなトリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル−1,3,4−オキサジアゾール)(PBD)のようなオキサジアゾール誘導体、2,2’,2’’−(1,3,5−ベントリイル)−トリス(1−フェニル−1−H−ベンズイミダゾール)(TPBI)のようなイミダゾール誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(Zn(BTZ))、トリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム(Alq3)などに代表される各種金属錯体、2,5−ビス(6’−(2’,2’’−ビピリジル))−1,1−ジメチル−3,4−ジフェニルシロール(PyPySPyPy),等のシロール誘導体に代表される有機シラン誘導体、特願2012−228460、特願2015−503053、特願2015−053872、特願2015−081108および特願2015−081109に記載のホウ素含有化合物等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
これらの電子輸送層の材料の中でも、特に、POPyのようなホスフィンオキサイド誘導体、Alqのような金属錯体、TmPhPyBのようなピリジン誘導体を用いることが好ましい。
上記電子輸送層の平均厚さは、特に限定されないが、10〜150nmであることが好ましく、20〜100nmであることが、より好ましい。
電子輸送層の平均厚さは、触針式段差計、分光エリプソメトリーにより測定できる。
「電子注入層」
本発明の有機電界発光素子において、電子注入層は、陰極から発光層への電子の注入の速度・電子輸送性を改善する層であり、上記のとおり、一般式(1)で表されるアミノ基含有化合物を含む層である。
電子注入層の平均厚さは、5〜100nmであることが好ましく、10〜50nmであることがより好ましい。電子注入層の平均厚さが100nm以下である場合、電子注入層を設けることによる有機電界発光素子の駆動電圧の上昇を十分に抑制できる。
電子注入層の平均厚さは、触針式段差計、分光エリプソメトリーにより測定できる。
本発明の有機電界発光素子は、上記一般式(1)で表されるアミノ基含有化合物を含む層を電子注入層として用いることで、例えば、電子注入層として大気中で不安定な材料であるアルカリ金属を用いた場合と比較して、優れた耐久性が得られる。
「陰極」
本発明の有機電界発光素子において、陰極の材料としては、一般の陰極材料のように、アルカリ金属やアルカリ土類金属の使用は必須ではなくなる。Alのような中程度の仕事関数を有する金属や、更に不活性な大きな仕事関数を有する金などをそれだけで用いることができる。
上記陰極の平均厚さは、特に制限されないが、10〜500nmであることが好ましく、100〜200nmであることがより好ましい。
陰極の平均厚さは、触針式段差計、分光エリプソメトリーにより測定できる。
「封止」
本発明の有機電界発光素子は、必要に応じて、封止されていてもよい。
封止方法は特に制限されないが、例えば、有機電界発光素子を収容する凹状の空間を有する封止容器と、封止容器の縁部と基板とを接着する接着剤とによって封止されていてもよい。また、封止容器に有機電界発光素子を収容し、紫外線(UV)硬化樹脂などからなるシール材を充填することにより封止してもよい。また、陰極上に配置された板部材と、板部材の陰極と対向する側の縁部に沿って配置された枠部材とからなる封止部材と、板部材と枠部材との間および枠部材と基板との間とを接着する接着剤とを用いて封止されていてもよい。
上記封止容器又は封止部材を用いて有機電界発光素子を封止する場合、封止容器内または封止部材の内側に、水分を吸収する乾燥材を配置してもよい。また、封止容器または封止部材として、水分を吸収する材料を用いてもよい。また、封止された封止容器内または封止部材の内側には、空間が形成されていてもよい。
上記有機電界発光素子を封止する場合に用いる封止容器または封止部材の材料としては、樹脂材料、ガラス材料等を用いることができる。封止容器または封止部材に用いられる樹脂材料およびガラス材料としては、基板に用いる材料と同様のものが挙げられる。
本発明の有機電界発光素子において、有機化合物から形成される層の成膜方法は特に限定されず、材料の特性に合わせて種々の方法を適宜用いることができるが、溶液にして塗布できる場合はスピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、スリットコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法等の各種塗布法を用いて成膜することができる。このうち、膜厚をより制御しやすいという点でスピンコート法やスリットコート法が好ましい。塗布しない場合や溶媒溶解性が低い場合はスパッタ法、真空蒸着法、ゾルゲル法、スプレー熱分解(SPD)法、原子層堆積(ALD)法、気相成膜法、液相成膜法、ESDUS(Evaporative Spray Deposition from Ultra−dilute Solution)法などを用いることができる。
上記一般式(1)で表されるアミノ基含有化合物を含め、有機化合物から形成される層を、有機化合物溶液を塗布して形成する場合、有機化合物を溶解するために用いる溶媒としては、例えば、硝酸、硫酸、アンモニア、過酸化水素、水、二硫化炭素、四塩化炭素、エチレンカーボネイト等の無機溶媒や、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、グリセリン等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、ジエチレングリコールエチルエーテル(カルビトール)等のエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、メチルピロリドン等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化合物系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸エチル等のエステル系溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等の硫黄化合物系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等のニトリル系溶媒、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸系溶媒のような各種有機溶媒、または、これらを含む混合溶媒等が挙げられる。
これらの中でも、溶媒としては、非極性溶媒が好適であり、例えば、キシレン、トルエン、シクロヘキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、メチルピロリドン等の芳香族複素環化合物系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒等が挙げられ、これらを単独または混合して用いることができる。
上記陰極、及び、陽極は、スパッタ法、真空蒸着法、ゾルゲル法、スプレー熱分解(SPD)法、原子層堆積(ALD)法、気相成膜法、液相成膜法等により形成することができる。陽極、陰極の形成には、金属箔の接合も用いることができる。これらの方法は各層の材料の特性に応じて選択するのが好ましく、層ごとに作製方法が異なっていても良い。有機化合物層の上に金属酸化物層を形成する場合には、これらの中でも、気相製膜法を用いて形成するのがより好ましい。気相製膜法によれば、有機化合物層の表面を壊すことなく清浄にかつ隣接する層と接触よく形成することができる。
3.有機電界発光素子の製造方法
上述したとおり、順構造の有機電界発光素子において、上記一般式(1)で表される構造を有するアミノ基含有化合物を含む溶液を塗布して層を形成することで、電子注入性に優れた有機電界発光素子が得られることになる。
このような有機電界発光素子の製造方法、すなわち、陰極と基板上に形成された陽極との間に複数の有機化合物層が積層された構造を有する有機電界発光素子の製造方法であって、該製造方法は、下記一般式(1);
(X)−[(L)−(NR)] (1)
(式中、Xは、電子輸送性化合物由来のn価の基を表す。Lは、XとNRで表されるアミノ基とを結合する連結基又は直接結合を表す。R及びRは、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。nは、1〜8の数を表す。)で表される構造を有するアミノ基含有化合物を含む溶液を塗布して層を形成する工程と、該アミノ基含有化合物を含む層に隣接して陰極を形成する工程とを含むことを特徴とする有機電界発光素子の製造方法もまた、本発明の1つである。
本発明の有機電界発光素子の製造方法において、一般式(1)で表されるアミノ基含有化合物を含む溶液を調製する際に用いる溶媒や、該溶液の塗膜の層を形成する方法は、上述したものを用いることができる。
本発明の有機電界発光素子の製造方法は、上記一般式(1)で表される構造を有するアミノ基含有化合物を含む溶液を塗布して層を形成する工程、該アミノ基含有化合物を含む層に隣接して陰極を形成する工程を含む限り、その他の工程を含んでいてもよい。その他の工程としては、アミノ基含有化合物を含む溶液の塗膜の層以外のその他の層を形成する工程や、素子を封止する工程等が挙げられる。
本発明の有機電界発光素子は、有機化合物層の材料を適宜選択することによって発光色を変化させることができ、またカラーフィルター等を併用して所望の発光色を得ることもできる。そのため、表示装置の発光部位や照明装置として好適に用いることができる。特に、有機電界発光素子が逆構造の素子である場合には、逆構造という特性から、酸化物TFTと組み合わせた表示装置が好適である。
このような、本発明の有機電界発光素子を備えることを特徴とする表示装置や、本発明の有機電界発光素子を備えることを特徴とする照明装置もまた、本発明の1つである。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
合成例において合成した化合物についてのH−NMR測定は、以下のように行った。
H−NMR測定)
試料をテトラメチルシランを含有する重クロロホルムに溶解し、核磁気共鳴装置(Varian600MHz)により測定した。
(合成例1)
有機化合物Aの合成
下記に示す反応1〜5により、下記式(i)で表される有機化合物Aの合成を行った。
Figure 2019179863
(反応1)以下の反応により、下記化合物1の合成を行った。
Figure 2019179863
窒素雰囲気下にした500mL3つ口ナスフラスコに、文献(Angewandte Chemie International Edition,2004,43,p.3333)に従い合成した3−アリル−5−ブロモピリジン(7.6g,38.4mmol)とTHF(200mL)を入れ、0℃にて攪拌しながら三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(BF・OEt(4.8mL,38.2mmol)をゆっくり加えた。9−ボラビシクロ[3,3,1]ノナン(9−BBN)(1.0M THF溶液,100mL,100mmol)を滴下後、室温まで昇温し24時間、50℃で20時間攪拌した。この反応溶液を0℃に冷却し、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)(2.9mL,19.2mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。再び0℃に冷却し、水酸化ナトリウム水溶液(9.3gを水93mLに溶解させたもの)をゆっくり加え、35%過酸化水素水(93mL)を加えた後、室温下3時間攪拌した。この反応溶液を分液漏斗に移し、酢酸エチルで抽出、有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過した。ろ液を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物1を7.9g得た。(36.6mmol,95%)
(反応2)以下の反応により、化合物1から化合物2の合成を行った。
Figure 2019179863
窒素雰囲気下にした300mLナスフラスコに化合物1(13.0g,60.2mmol)、THF(170mL)、トリエチルアミン(12.5mL,90.2mmol)を入れ、0℃に冷却しながらメタンスルホニルクロリド(7.0mL,90.4mmol)をゆっくり加えた。室温で終夜攪拌した後、水を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物2を14.4g得た。(48.9mmol,81%)
(反応3)以下の反応により、化合物2から化合物3の合成を行った。
Figure 2019179863
300mLフラスコに化合物2(14.4g,48.9mmol)、THF(100mL)を入れ、室温で攪拌しながら50%ジメチルアミン水溶液を加えた。終夜攪拌後、濃縮し、残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過してろ液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して化合物3を11.5g得た。(47.3mmol,97%)
(反応4)以下の反応により、化合物3から化合物4の合成を行った。
Figure 2019179863
500mL3つ口フラスコに化合物3(11.5g,47.3mmol)、ジエチルエーテル(300mL)を入れ、−78℃に冷却した。これにn-ブチルリチウム(1.63M,33mL,52mmol)をゆっくり滴下し、1時間攪拌した後、塩化トリブチルすず(14.1mL,52mmol)をゆっくり加えた。室温で終夜攪拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過してろ液を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し化合物4を18.4g得た。(40.6mmol,86%)
(反応5)以下の反応により、化合物4から化合物5(有機化合物A)の合成を行った。
Figure 2019179863
窒素雰囲気下にした200mL二口フラスコに、化合物4(10.8g,24mmol)、トリス(3−ブロモフェニル)−1,3,5−トリアジン(3.0g,5.5mmol)、トルエン(60mL)を入れた。これにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh)(800mg,0.69mmol)を加え、110℃で24時間攪拌した後、ジオキサン(60mL)を加えさらに17時間攪拌した。室温まで放冷後水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させろ過した。ろ液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、粗成生物を得た。これをアセトンに懸濁させ、不溶の化合物をろ取、酢酸エチルで洗い、得られた白色固体をトルエンから再結晶することにより、化合物5(有機化合物A)を1.13g得た。(1.42mmol,26%)
得られた有機化合物AのH−NMR測定結果は以下のとおりである。
H−NMR(600MHz,CDCl)δ=8.99(s,1H),8.91−8.78(m,2H),8.57−8.49 (m,1H),7.84(s,1H),7.85(d,J=7.7Hz,2H),7.73(t,J=7.8Hz,1H),2.79 (t,J=7.8Hz,2H),2.36(t,J=7.2Hz,2H),2.25(s,6H),1.89(quin,J=7.5Hz,2H).
(有機電界発光素子の作製)
(実施例1)
[1]市販されている平均厚さ0.7mmのITO電極層付き透明ガラス基板を用意した。この時、基板のITO電極(陽極)は幅2mmにパターニングされているものを用いた。この基板をアセトン中、イソプロパノール中でそれぞれ10分間超音波洗浄後、イソプロパノール中で5分間蒸気洗浄を行った。この基板を窒素ブローにより乾燥させ、UVオゾン洗浄を20分間行った。
[2]この基板をスピンコーターにセットし、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)(ヘレウス社製、CH8000)の水分散液を滴下し、毎分2000回転で60秒間回転させ、さらに130℃のホットプレートで10分間乾燥させて、陽極上にPEDOT/PSSからなる正孔注入層を形成した。正孔注入層の平均厚さは50nmであった。正孔注入層の平均厚さは、触針式段差計により測定した。
[3]ポリ(ジオクチルフルオレン−アルト−ベンゾチアジアゾール)(F8BT)(分子量54000)の2%キシレン溶液を作製した。上記工程[2]で作製した基板をスピンコーターにセットした。上記工程[2]で形成した正孔注入層の上にF8BT−キシレン溶液を滴下し、毎分2,000回転で60秒間回転させ、インターレイヤー層の上にF8BTからなる発光層を形成した。発光層の平均厚さは50nmであった。発光層の平均厚さは、触針式段差計により測定した。
[4]上記工程[3]で作製した基板をスピンコーターにセットした。上記工程[3]で形成した発光層の上に合成例1で合成した有機化合物Aのエタノール溶液(0.5wt%)を滴下し、毎分2000回転で60秒間回転させ、発光層の上に電子注入層を形成した。電子注入層の平均厚さは10nmであった。電子注入層の平均厚さは、触針式段差計により測定した。
[5]上記工程[4]で作製した基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに固定した。アルミニウムワイヤー(Al)をアルミナルツボに入れて蒸着源にセットした。真空蒸着装置内を約1×10−4Paまで減圧し、電子注入層の上にAl(陰極)を平均厚さが100nmとなるように蒸着し、有機電界発光素子を作製した。陰極の平均厚さは、水晶振動子膜厚計により成膜時に測定した。
(比較例1)
実施例1の工程[4]を下記の工程[4−1]のように変更した以外は実施例1と同様にして、有機電界発光素子を作製した。
[4−1]上記工程[3]で作製した基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに固定した。同時に、合成例1で合成した有機化合物Aをルツボに入れて蒸着源にセットした。真空蒸着装置内を約1×10−4Paまで減圧し、上記工程[3]で形成した発光層の上に電子注入層として有機化合物Aを平均厚さが10nmとなるように蒸着した。電子注入層の平均厚さは、水晶振動子膜厚計により成膜時に測定した。
(有機電界発光素子の発光特性測定)
実施例1及び比較例1で作製した有機電界発光素子について、ケースレー社製の「2400型ソースメーター」により、素子への電圧印加と電流測定を行った。また、トプコン社製の「BM−7」により、発光輝度を測定した。測定はアルゴン雰囲気下で行った。結果を図2、3に示した。
有機化合物Aの塗布膜を有する実施例1の有機電界発光素子では、印加電圧が2.8V程度から発光し始めるのに対し、有機化合物Aを蒸着により製膜した比較例1の有機電界発光素子では、3.5V付近まで電圧を印加しなければ発光しなかった。更に、印加電圧6Vでの輝度を比較すると、実施例1の有機電界発光素子は比較例1の有機電界発光素子に比べて10倍程度高くなっていた。これらの結果から、有機化合物Aの塗布膜の層を形成することで、電子注入性に優れた素子となることが確認された。
1:基板
2:陽極
3:正孔注入層
4:正孔輸送層
5:発光層
6:電子輸送層
7:電子注入層
8:陰極

Claims (5)

  1. 陰極と基板上に形成された陽極との間に複数の有機化合物層が積層された構造を有する有機電界発光素子であって、
    該有機化合物層のうち、陰極に隣接する層が、
    下記一般式(1);
    (X)−[(L)−(NR)] (1)
    (式中、Xは、電子輸送性化合物由来のn価の基を表す。Lは、XとNRで表されるアミノ基とを結合する連結基又は直接結合を表す。R及びRは、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。nは、1〜8の数を表す。)で表される構造を有するアミノ基含有化合物を含む溶液の塗膜の層であることを特徴とする有機電界発光素子。
  2. 前記一般式(1)において、Xで表される電子輸送性化合物由来のn価の基は、Lと結合する末端部分の構造がピリジン環であることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
  3. 請求項1又は2に記載の有機電界発光素子を備えることを特徴とする表示装置。
  4. 請求項1又は2に記載の有機電界発光素子を備えることを特徴とする照明装置。
  5. 陰極と基板上に形成された陽極との間に複数の有機化合物層が積層された構造を有する有機電界発光素子の製造方法であって、
    該製造方法は、下記一般式(1);
    (X)−[(L)−(NR)] (1)
    (式中、Xは、電子輸送性化合物由来のn価の基を表す。Lは、XとNRで表されるアミノ基とを結合する連結基又は直接結合を表す。R及びRは、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。nは、1〜8の数を表す。)で表される構造を有するアミノ基含有化合物を含む溶液を塗布して層を形成する工程と、
    該アミノ基含有化合物を含む層に隣接して陰極を形成する工程とを含む
    ことを特徴とする有機電界発光素子の製造方法。
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