JP2019179157A - 処理パターンが形成された眼鏡レンズの製造方法 - Google Patents

処理パターンが形成された眼鏡レンズの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】レジストパターン及びその上に形成された非水溶性層の剥離性を高めた、処理パターンが形成された眼鏡レンズの製造方法を提供する。【解決手段】処理パターンが形成された眼鏡レンズの製造方法は、レンズ基材11上に、レジストパターンを形成する、レジストパターン形成工程と、レジストパターンが形成されたレンズ基材11に非水溶性層(例えば、金属層)を形成する、非水溶性層形成工程と、固体摺洗材を接触させて、レンズ基材11の表面を擦り、レジストパターン及びその上に形成された非水溶性層(例えば、金属層)を除去し、処理パターンを形成する、剥離工程と、を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、処理パターンが形成された眼鏡レンズの製造方法に関する。
眼鏡レンズは、レンズ基材の表面を覆う様々な層を備えている。例えば、レンズ基材に対して傷が入ることを防止するためのハードコート層、レンズ表面での光反射を防止するための反射防止層、さらにはレンズの水ヤケを防止するための撥水層等である。また近年では、光学部材に所定の模様を形成するためのコーティング方法が提案されている(例えば特許文献1)。
特開2008−55253号公報
特許文献1の処理パターンの形成方法によれば、レジストパターンとなる印刷された模様を除去する(剥離工程)際に有機溶媒が用いられている。有機溶媒の使用により、排水の処理において特別な処理を施す必要がある、或いは、有機溶媒とハードコート層材料との相性でハードコート層材料の種類の選択肢が限定的になる等の課題を有していた。
そこで、本開示の一実施の形態は、レジストパターン及びその上に形成された非水溶性層の剥離性を高めた、処理パターンが形成された眼鏡レンズの製造方法に関する。
本開示の一実施の形態である処理パターンが形成された眼鏡レンズの製造方法は、
レンズ基材上に、レジストパターンを形成する、レジストパターン形成工程と、
レジストパターンが形成されたレンズ基材に非水溶性層を形成する、非水溶性層形成工程と、
固体摺洗材(Solid Scrubbing Material)を接触させて、レンズ基材の表面を擦り、レジストパターン及びその上に形成された非水溶性層を除去し、処理パターンを形成する、剥離工程と、
を備える。
上述の固体摺洗材を接触させて、レジストパターン及びその上に形成された非水溶性層を除去することで、レジストパターン及びその上に形成された非水溶性層の剥離性(以下、単に「剥離性」ともいう)を高めることができる。
本開示の一実施の形態である眼鏡レンズの製造方法によれば、レジストパターン及びその上に形成された非水溶性層の剥離性を高めた、処理パターンが形成された眼鏡レンズの製造方法を提供することができる。
図1は、眼鏡レンズ1aの平面図である。 図2は、眼鏡レンズ1aのA−A’断面図の一部である。 図3は、眼鏡レンズ1aの製造方法を示すフロー図である。 図4は、レジストパターン形成工程(S2)の工程図である。 図5は、非水溶性層形成工程(S3)の模式図である。 図6は、剥離工程(S4)において使用されるスピンコータ8の模式図である。 図7は、剥離工程(S4)後の眼鏡レンズ1aの断面図の一部である。 図8は、眼鏡レンズ1bのA−A’断面図の一部である。 図9は、眼鏡レンズ1bの製造方法を示すフロー図である。
本明細書における用語の定義を以下に示す。
「固体摺洗材」とは、研磨的な動作によって取り除く、固体状の材料を意味する。
「レジストパターン」とは、処理パターンを形成する領域に露出部を有する被覆材料を意味する。レジストパターンは、マスクパターンともいう。
「水溶性」とは、25℃の水100gに対して、1g以上溶解する性質を意味し、「非水溶性」とは、25℃の水100gに対して、溶解量が1g未満である性質を意味する。
「レジストパターン形成表面」とは、インクが配置されるレジストパターンが形成される表面を意味する。
「処理パターン」とは、レジストパターンが除去されて残存した非水溶性層部分を意味する。
「乾燥条件下」とは、水、溶媒などの液体媒体を使用しない条件を意味する。
「湿潤条件下で」とは、水又はその他の液体で覆われた又は濡れた条件を意味する。
「等方的に均一に配置された」とは、一方向に一定間隔で配置されていることを意味する。
「一定間隔」とは、ドットを構成する、ドット中心から隣接するドット中心までの距離が、例えば、平均値±40%以内に含まれる配列であることを意味する。
以下に、本開示の実施の形態及び実施例について説明する。同一又は相当する部分に同一の参照符号を付し、その説明を繰返さない場合がある。以下に説明する実施の形態及び実施例において、個数、量等に言及する場合、特に記載がある場合を除き、本開示の範囲は必ずしもその個数、量等に限定されない。以下の実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本開示の実施の形態及び実施例にとって必ずしも必須のものではない。
[第一の実施形態]
以下、本開示の第一の実施形態に係る実施形態について説明する。
[眼鏡レンズ1aの構成]
図1は、眼鏡レンズ1aの平面図である。眼鏡レンズ1aの構成について、図1を参照して、説明する。また、非水溶性層として、後から説明する金属層を用いる場合を例にとり説明する。
眼鏡レンズ1aは、複数の微細なドットDが等方的に均一に配置されており、当該ドットDにより、透かしマークMが形成されている。本実施形態においては、透かしマークMを形成した例を示したが、複数の微細なドットは、全面に形成されていてもよい。
図2は、眼鏡レンズ1aのA−A’断面図の一部である。図2に示すように、眼鏡レンズ1aは、眼鏡用レンズ基材11(以下単に「レンズ基材」ともいう)を有し、レンズ基材11の第一主面上に、ハードコート層13と、処理パターン15bと、反射防止層17、及び撥水層19とをこの順に有する。
<処理パターン>
眼鏡レンズ1aには、金属を含有する処理パターン15bが形成されている。
処理パターン15bには、複数の微細なドット形状の開口部15aが形成されている。当該開口部15aにより、眼鏡レンズ1aのドットDが形成される。開口部15aは、等方的に均一に配置されている。開口部15aは、集合して、ロゴ等の透かしマークを形成する。このように、複数の微細なドット形状の開口部15aを等方的に均一なピッチで配置することで、視認可能な透かしマークを形成しつつも、眼鏡レンズ1aの装用者の視野に与える違和感を緩和することができる。
処理パターン15bの材質である、金属としては、例えば、Cr、Ta、Nb、Ti、Zr、Au、Ag、及びAlの中から選ばれる少なくとも1種の金属を含み、好ましくはCrである。なお、処理パターン15bの材質を金属とすることで帯電防止の効果も発揮される。
<レンズ基材>
さらに、図2を参照してレンズ基材11を説明する。レンズ基材11は、第一主面111、第二主面112、及びコバ面(図示せず)を有する。
レンズ基材11の材質としては、プラスチックであっても、無機ガラスであってもよい。基材の材質は、例えば、ポリチオウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂等のポリウレタン系材料、ポリスルフィド樹脂等のエピチオ系材料、ポリカーボネート系材料、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート系材料、等が挙げられる。
レンズ基材11としては、通常無色のものが使用されるが、透明性を損なわない範囲で着色したものを使用することもできる。
レンズ基材11の屈折率は、例えば、1.50以上1.74以下である。
レンズ基材11として、フィニッシュレンズ、セミフィニッシュレンズのいずれであってもよい。
レンズ基材11の表面形状は特に限定されず、平面、凸面、凹面等のいずれであってもよい。
本開示の眼鏡レンズは、単焦点レンズ、多焦点レンズ、累進屈折力レンズ等のいずれであってもよい。累進屈折力レンズについては、通常、近用部領域(近用部)及び累進部領域(中間領域)が、前述の下方領域に含まれ、遠用部領域(遠用部)が上方領域に含まれる。
<ハードコート層>
ハードコート層13は、例えば、無機酸化物粒子とケイ素化合物とを含む硬化性組成物を硬化して得られる。ハードコート層13は、レンズ基材11の材質に応じて組成が選択される。なお、ハードコート層13の屈折率(nD)は、例えば、1.50以上1.74以下である。
<反射防止層>
反射防止層17は、屈折率の異なる膜を積層させた多層構造を有し、干渉作用によって光の反射を防止する膜である。このような反射防止層17は、一例として低屈折率層17Lと高屈折率層17Hとを多層積層してなる多層構造が挙げられる。低屈折率層17Lの屈折率は、波長500〜550nmで例えば、1.35〜1.80である。高屈折率層17Hの屈折率は、波長500〜550nmで例えば、1.90〜2.60である。
低屈折率層17Lは、例えば、屈折率1.43〜1.47程度の二酸化珪素(SiO)からなる。また高屈折率層17Hは、低屈折率層17Lよりも高い屈折率を有する材料からなり、例えば、酸化ニオブ(Nb)、酸化タンタル(Ta)、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化イットリウム(Y)、酸化アルミニウム(Al)等の金属酸化物を、適宜の割合で用いて構成される。
<撥水層>
撥水層19は、例えば、フッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を含有する。この撥水層19は、反射防止層17と合わせて反射防止機能を奏するように設定された膜厚を有している。
[眼鏡レンズ1aの製造方法]
次に、図3を参照して、本開示の第一の実施の形態に係る眼鏡レンズの製造方法について説明する。図3は、眼鏡レンズ1aの製造方法を示すフロー図である。図4〜図7は、上述の構成を有する実施の形態に係る眼鏡レンズ1aの製造方法を示す工程図である。
〔S1〕
ハードコート層形成工程(S1)において、レンズ基材11上にハードコート層13を形成する。ハードコート層13の形成は、例えば、無機酸化物粒子とケイ素化合物とを含む硬化性組成物を溶解させた溶液を用いた浸漬法(Dipping method)によって成膜し、硬化させることで形成する。
レンズ基材11が、最表面にハードコート層13を有することで、後の剥離工程(S4)において、固体摺洗材で擦っても、表面に傷がつかず、更に水不溶性層の剥離も起きにくくなる。
〔S2〕
レジストパターン形成工程(S2)において、レンズ基材11上のハードコート層13上に、水溶性ポリマーを含むレジストパターン21を形成する。例えば、インクジェット装置5を用いてインクジェット記録法(Inkjet Recording Method)によりレジストパターン21を形成する。インクジェット記録法を用いてレジストパターン形成することで、工程を簡略化し、且つ微細な処理パターンを形成することができる。レジストパターンは、ハードコート層又はレンズ基材の非水溶性層を形成する領域を露出させる。レジストパターン21の形成後には、レジストパターン21に対して紫外線(UV)照射を行うことにより、レジストパターン21を形成するインクを硬化させる。紫外線照射による硬化は、加熱による硬化と比べて、硬化時間が短くなる。
図4は、レジストパターン形成工程(S2)の工程図である。図4の(A)に示されるように、レジストパターン形成工程(S2)では、インクジェットノズル51から複数の液滴dを吐出する。続いて、図4の(B)に示されるように、吐出された液滴は、眼鏡レンズ1aの表面で他の液滴dと結合し、1つのドット部21aを形成する。このように複数の液滴dが集合したドット部21aが配列し、レジストパターンを形成する。続いて、図4の(C)に示されるように、レジストパターン形成後には、レジストパターン21に対して紫外線照射装置6を用いて紫外線(UV)等の光照射により、レジストパターン21を硬化させる。レジストパターンを光照射によって、硬化させることで、後述の非水溶性層形成工程において、パターン形状の崩壊を防ぐことができる。
レジストパターン21の形成により、眼鏡レンズ1a上に、ドット部21aの集合体による文字及び図形等のマークが形成される(例えば、図1)。
眼鏡レンズ1a上に、円状のドットを形成する観点から、形成面は疎水性が高い方が好ましく、例えば、プラズマ処理、イオン照射処理、コロナ放電処理、アルカリ処理等の親水化処理が行われていない表面にレジストパターン形成することが好ましい。
<インク>
インクジェット記録法に用いられるインクは、優れた硬化性を得る観点から、好ましくは(メタ)アクリルモノマーを含み、水系媒体による優れた剥離性と、硬化性とを得る観点から、より好ましくは水溶性ポリマーと(メタ)アクリルモノマーとを含む。
水溶性ポリマーとしては、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸等が挙げられる。これらの中でも、水系媒体による優れた剥離性を得る観点から、ポリビニルピロリドンが好ましい。
水溶性ポリマーの重量平均分子量は、水系媒体による優れた剥離性を得る観点から、好ましくは100以上、より好ましくは300以上、更に好ましくは400以上、更に好ましくは1,000以上、更に好ましくは5,000以上であり、そして、好ましくは100,000以下、インクジェット記録法におけるインクの吐出安定性の観点から、より好ましくは30,000以下、更に好ましくは15,000以下である。
水溶性ポリマーの含有量は、インク中、水系媒体による優れた剥離性を得る観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、更に好ましくは3質量%以上であり、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、更に好ましくは8質量%以下、優れた硬化性を得る観点から、更に好ましくは5質量%以下、更に好ましくは4質量%以下である。
(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、単官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中でも、レジストパターン形成後の硬化性の観点から、単官能(メタ)アクリレート、及び多官能(メタ)アクリレートの組み合わせが好ましい。
(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートから選ばれる少なくとも1種を意味する。
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アルコキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
アルコキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートのアルコキシ基の炭素数は、好ましくは1〜4であり、より好ましくは1〜3であり、更に好ましくは1又は2である。
ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。アルコキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、メトキシジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。エトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、エトキシジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシトリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらの中でも、インクジェット記録法におけるインクの吐出安定性の観点から、アルコキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートが好ましく、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレートがより好ましく、メトキシトリエチレングリコールモノアクリレートが更に好ましい。
多官能(メタ)アクリレートは、好ましくは二官能(メタ)アクリレートである。二官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中でも、レジストパターン形成後の硬化性の観点から、及び、インクジェット記録法におけるインクの吐出安定性の観点から、ポリエチレングリコールジアクリレートが好ましい。ポリエチレングリコールジアクリレートのポリエチレングリコール部位の平均付加モル数は、好ましくは3以上、より好ましくは6以上、更に好ましくは9以上であり、そして、好ましくは30以下、より好ましくは25以下、更に好ましくは18以下である。
(メタ)アクリレートの含有量は、インク中、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上であり、そして、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。
単官能(メタ)アクリレートの含有量は、インク中、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上であり、そして、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。
多官能(メタ)アクリレートの含有量は、インク中、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上であり、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
多官能(メタ)アクリレート/単官能(メタ)アクリレートの質量比は、硬化性の観点から、好ましくは5/95以上、より好ましくは8/92以上、更に好ましくは10/90以上であり、そして、好ましくは40/60以下、より好ましくは30/70以下、更に好ましくは20/80以下である。
光重合開始剤としては、公知の光重合開始剤を使用することができるが、水酸基を2以上有する光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]―2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンが挙げられる。
光重合開始剤の含有量は、インク中、硬化性を高める観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上であり、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
光重合開始剤の含有量は、(メタ)アクリレートの合計量の100質量部に対して、硬化性の観点から、好ましくは5質量部以上、より好ましくは8質量部以上、更に好ましくは10質量部以上であり、そして、好ましくは40質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは20質量部以下である。
インクは、レジストパターンの形成性を向上させる観点から、高沸点溶媒を含むことが好ましい。
高沸点溶媒の沸点は、好ましくは150℃以上、より好ましくは160℃以上、更に好ましくは170℃以上、更に好ましくは180℃以上であり、そして、好ましくは350℃以下、より好ましくは330℃以下、更に好ましくは300℃以下である。
高沸点溶媒としては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のオキシエチレン又はオキシプロピレン付加重合体;プロピレングリコール等のジオール類;グリセリン等のトリオール類;チオジグリコール;トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等の低級アルキルグリコールエーテル類;トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル等の低級ジアルキルグリコールエーテル類等が挙げられる。これらは単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、プロピレングリコールが好ましい。
高沸点溶媒の含有量は、インク中、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上であり、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
インクは、粘度調整の観点から、水を含むことが好ましい。
水としては、例えば、水道水、純水、イオン交換水等が挙げられる。
水の含有量は、インク中、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上であり、そして、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは60質量%以下である。
インクの粘度は、インクジェット記録法によってインクを配置する観点から、好ましくは1mPa・s以上、より好ましくは5mPa・s以上、更に好ましくは8mPa・s以上であり、そして、好ましくは40mPa・s以下、より好ましくは30mPa・s以下、更に好ましくは20mPa・s以下、更に好ましくは15mPa・s以下である。
インクのpHは、好ましくは3.0以上、より好ましくは3.5以上、更に好ましくは4.0以上であり、そして、好ましくは12以下、より好ましくは11以下、更に好ましくは10以下である。
インクのレジストパターン形成表面に対する接触角が、レジストパターンのドット形状をより真円に近づける観点から、好ましくは25°以上、より好ましくは30°以上、更に好ましくは45°以上であり、そして、好ましくは65°以下、より好ましくは60°以下、更に好ましくは55°以下、更に好ましくは53°以下である。接触角は、JIS R 3257:1990の静滴法により測定される値である。
ここで適用されるインクジェット記録法は、型式や方式が限定されることはなく、連続型であってもオンデマンド型であってもよく、オンデマンド型であればピエゾ方式であってもサーマル方式であってもよい。
印刷条件としては、印刷ヘッドに対するレンズ基材の移動速度、移動方向の解像度、移動方向に垂直な幅方向の解像度、インク液滴のサイズ、インク液滴のドロップ周波数、同一着弾点に滴下するインク液滴数などである。これらの印刷条件は、相互に関連性を有しているため、適宜調整することによって、レジストパターン21の形成を行う。
レジストパターン21は、眼鏡レンズに形成する開口部15aに対応するドット部21aを有している。レジストパターン21は、等方的に均一に配置された複数のドット部21aを有する。複数のドット部21aは、例えば、格子状に配置される。複数のドット部21aはレンズ基材又はハードコート層を有するレンズ基材の一つの主面上全体に形成されていてもよい。
ドット部21aの中心から隣接するドット部21aの中心の間隔ADは、例えば、0.1mm以上、好ましくは0.2mm以上、より好ましくは0.3mm以上であり、そして、例えば、5.0mm以下、好ましくは3.0mm以下、より好ましくは1.0mm以下である。
ドットの直径DDは、例えば、0.01mm以上、より好ましくは0.05mm以上、更に好ましくは0.1mm以上であり、そして、例えば、5.0mm以下、好ましくは2.0mm以下、より好ましくは1.0mm以下、更に好ましくは0.5mm以下である。
間隔AD/直径DDは、好ましくは1.0超、より好ましくは1.1以上、更に好ましくは1.2以上であり、そして、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.8以下、更に好ましくは1.5以下である。
インクジェット記録法におけるドット密度は、レジストパターン形成性を向上させる観点から、好ましくは300dpi(dots per inch)以上、より好ましくは400dpi以上、更に好ましくは500dpi以上であり、そして、好ましくは1000dpi以下、より好ましくは900dpi以下、更に好ましくは800dpi以下である。
ドットひとつあたりのインク吐出量は、形成されたドットの硬化性を高め、レジストパターン形成性を向上させる観点から、好ましくは600pl(picolitre)以上、より好ましくは1000pl以上、更に好ましくは2000pl以上であり、そして、好ましくは6000pl以下、より好ましくは5000pl以下、更に好ましくは4000pl以下である。
〔S3〕
非水溶性層形成工程(S3)において、レジストパターン21が形成されたハードコート層13上に非水溶性層15を形成する。
図5は、非水溶性層形成工程(S3)の模式図である。図5に示されるように、例えば、非水溶性層形成工程(S3)では、蒸着装置7により、非水溶性層として、金属層15を蒸着する。金属層の膜厚は、例えば、1〜100nmであり、好ましくは1〜50nmである。
〔S4〕
剥離工程(S4)において、固体摺洗材を接触させて、レンズ基材の表面を擦り、レジストパターン21及びその上に形成された非水溶性層15を除去し、処理パターンを形成する。
剥離工程(S4)は、湿潤条件下で行ってもよいが、乾燥条件下で行う。乾燥条件下で、剥離工程(S4)を行うことで、レジストパターン及びその上に形成された非水溶性層が剥離されることで発生する剥離屑が、乾燥した状態で発生する。そうすると、当該屑を粘着テープ又はエアブロー等の簡単な手段で除去することが可能となる。
図6は、剥離工程(S4)において使用されるスピンコータ8の模式図である。図6に示されるように、例えば、剥離工程(S4)では、スピンコータ8のステージ82にレンズ基材11を保持し、レンズ基材11を回転させて、乾燥条件下で、固体摺洗材812を接触させる。
<固体摺洗材>
固体摺洗材は、好ましくは、発泡体、エラストマー、布、研磨パット、又はブラシである。これらの固体摺洗材を用いることで、剥離性に優れ、レンズ基材の表面に傷がつきにくくなる。
発泡体としては、例えば、メラミン樹脂フォーム、ウレタン樹脂フォームが挙げられる。
エラストマーとしては、例えば、ゴム、ウレタンエラストマーが挙げられる。
布は、不織布、織布のいずれであってもよい。
上記の固体摺洗材の形状は、例えば、シート、手袋などのいずれの形状であってもよい。
これらの中でも、発泡体が好ましく、メラミン樹脂フォームがより好ましい。
<スピンコータ>
図6に示されるように、スピンコータ8は、上部に蓋811を有するチャンバ81と、チャンバ81内に設置され、レンズ基材11を保持するステージ82と、ステージ82を回転させるモータ83とを備える。
蓋811は、チャンバ81内面側に固体摺洗材812を有し、蓋811によりチャンバ81を閉じると、ステージ82上に保持されたレンズ基材11と接触する。
図6に示されるように、剥離工程では、ステージ82にレンズ基材11を設置して、ステージ82を回転させ、乾燥条件下で固体摺洗材812を接触させることで、レンズ基材11の表面を擦り、レジストパターン及びその上に形成された非水溶性層を除去する。これにより、図7に示されるように、開口部15aと処理パターン15bが形成された眼鏡レンズ1aが得られる。レジストパターンの剥離に有機溶媒が使用されていたときのような、眼鏡レンズ表面が侵食されることを防ぎ、より確実にレジストパターンを剥離して処理パターンが形成された眼鏡レンズを得ることができる。
上述のようにレンズ基材11を回転させてもよく、固体摺洗材812を回転させてもよく、レンズ基材11及び固体摺洗材812を回転させてもよい。つまり、レンズ基材11と固体摺洗材812を相対的に回転させて、レンズ基材11の表面を擦る。このような方法により、レンズ基材11の表面を均一に処理することができ、剥離性を高めることができる。
図7は、剥離工程(S4)後の眼鏡レンズ1aの断面図の一部である。
剥離工程により、レジストパターンのドット部21a上の金属層15が剥離され、ドット部21aと同一の位置に形成された同一形状の開口部15aが金属層15に形成され、処理パターン15bが形成される。
〔S5〕
剥離工程(S4)では、剥離されたレジストパターン21及びその上に形成された非水溶性層15に由来する剥離屑がレンズ基材に付着する。そのため、剥離物除去工程(S5)において、当該剥離屑を粘着テープ又はエアブロー等で取り除く。
〔S6〕
洗浄工程(S6)では、レンズ基材11を水系媒体により洗浄する。
水系媒体とは、水を60質量%以上含有する液体媒体を意味する。水系媒体としては、水が好ましい。水系媒体に、水以外に含まれうる液体媒体としては、エタノール、メタノール、プロパノール等のアルコール系媒体、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系媒体が挙げられる。
水系媒体中、水の含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、更に好ましくは100質量%である。
洗浄工程(S6)において、湿潤条件下で固体摺洗材を接触させて、レンズ基材11の表面を擦り、レジストパターン21及びその上に形成された非水溶性層15を除去し、処理パターンを形成する。
より具体的には、図6で示したスピンコータ8を使用する。洗浄工程(S6)では、スピンコータ8のステージ82にレンズ基材11を保持し、レンズ基材11を回転させて、水を含ませた固体摺洗材を接触させる。
洗浄工程(S6)によって、レジストパターンの残存を防ぎ、より確実に剥離できる。
〔S7〕
機能層形成工程(S7)において、機能層を形成する。
機能層として、例えば、反射防止層17、撥水層19が形成される。
反射防止層17は、低屈折率層17Lと高屈折率層17Hとを交互に積層してなる。反射防止層17は、下層側の低屈折率層17Lから順に各層を、各組成及び各膜厚で成膜する。この成膜は、公知の成膜方法により行うことができ、成膜の容易性の観点からは、蒸着により行うことが好ましい。蒸着には、乾式法、例えば、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等が含まれる。真空蒸着法では、蒸着中にイオンビームを同時に照射するイオンビームアシスト法を用いてもよい。
また、最表面に撥水層19を更に形成してもよい。
以上のとおり、レジストパターン形成工程において、レジストパターン21を特定のインクにより、形成する。次に、非水溶性層形成工程において、レジストパターン21上に金属層15を形成する。続いて、剥離工程において水系媒体によりレジストパターン21を除去する。以上により、当該レジストパターン21上に形成された金属層15が剥離され、処理パターン15bと開口部15aが形成される。
[第二の実施形態]
以下、本開示の第二の実施形態に係る実施形態について説明する。
[眼鏡レンズ1bの構成]
第二の眼鏡レンズ1bは、眼鏡レンズ1aと基本的に共通の構成を有し、その平面図は、図1に示す眼鏡レンズ1aと同様である。
図8は、眼鏡レンズ1bのA−A’断面図の一部である。
図8に示すように、眼鏡レンズ1bは、眼鏡用レンズ基材11(以下単に「レンズ基材」ともいう)を有し、レンズ基材11の第一主面上に、ハードコート層13と、第一の無機層15cと、処理パターン15bと、第二の無機層15eと、反射防止層17、及び撥水層19とをこの順に有する。
第一の無機層15cは、処理パターン15bとレンズ基材11の第一主面の間に形成され、開口部には形成されていない。第一の無機層15cを設けることで、眼鏡レンズ1bの製造過程における処理パターン15bの剥がれを防ぐことができる。
第二の無機層15eは、処理パターン15bの上に形成され、開口部には形成されていない。第二の無機層15eを設けることで、眼鏡レンズ1bの製造過程における処理パターン15bの摩耗を防ぐことができ、処理パターン15b部分の透過率の低下を防ぐことができる。
第一の無機層15c及び第二の無機層15e(以下、これらの上位概念の意味で単に「無機層」ともいう)は、例えば、無機酸化物により形成することができる。
無機層の膜厚は、例えば、1〜100nmであり、好ましくは1〜50nmである。
無機層の材質としては、例えば、SiO、Al、Ta、Nb、ZrO2、TiO、In23/SnO2(ITO)、CeOが挙げられる。
これらの中でも、SiO、Alが好ましく、SiOがより好ましい。
無機層は、公知の成膜方法により行うことができ、例えば、真空蒸着法を用いてもよい。
無機層の材質として、反射防止層17の最下層の材質と同一のものを使用することで、反射防止層17の最下層と関係で干渉などの問題を発生しにくくすることができる。
[眼鏡レンズ1bの製造方法]
次に、図9を参照して、本開示の第二の実施の形態に係る眼鏡レンズの製造方法について説明する。図9は、眼鏡レンズ1bの製造方法を示すフロー図である。
眼鏡レンズ1bの製造方法は、眼鏡レンズ1aの製造方法と基本的に共通の構成を有する。
第二の眼鏡レンズ1bの製造方法では、非水溶性層形成工程(S3)において、レジストパターン21が形成されたハードコート層13上に非水溶性層15として、第一の無機層15cを形成し(S3−1)、金属層15dを形成し(S3−2)、その後、更に第二の無機層15eを形成する(S3−3)。
このように、ハードコート層13と、金属層15dとの間に、第一の無機層15cを設けることで、ハードコート層13と、金属層15dの密着性を高め、後の剥離工程S4において、パターン形成部における金属層15dの剥離を防ぐことができる。
更に、金属層15d上に、第二の無機層15eを形成することで、後の剥離工程S4において、金属層15dを保護して摩耗を防止し、剥離工程S4による金属層15dの透過率の低下を防ぐことができる。
機能層形成工程(S7)において、反射防止層17の形成の際に、第二の無機層eと同一の材料で第一層を形成する。
その他は、第一の実施形態と共通である。
本開示は、上記各成分の例、含有量、各種物性については、発明の詳細な説明に例示又は好ましい範囲として記載された事項を任意に組み合わせてもよい。
また、実施例に記載した組成に対し、発明の詳細な説明に記載した組成となるように調整を行えば、クレームした組成範囲全域にわたって実施例と同様に開示の実施の形態を実施することができる。
以下、具体的な実施例を示すが、本特許請求の範囲は、以下の実施例によって限定されるものではない。
各種物性の測定方法及び評価方法は、以下の方法により行った。
[pH測定]
インクのpHは、温度25℃の条件下、pHメーター(株式会社堀場製作所製、商品名「F−55」)を用い、ガラス電極法により測定した。
[粘度測定]
インクの粘度は、JIS Z 8803:2011に準拠して、温度25℃の条件下、音叉型振動式粘度計(株式会社エー・アンド・ディー製、商品名「SV−10」)で測定した。
[接触角]
眼鏡レンズ用モノマー(三井化学株式会社製、商品名「MR8」)により製造した眼鏡用レンズ基材に、ハードコート液(HOYA株式会社製、商品名「HC60S」)にて形成したハードコート層を設けたレンズ基材上にインクを滴下し、JIS R 3257:1990 6.静滴法に記載の方法により、接触角を測定した。
実施例1
<インクの調製>
サンプル瓶に、ポリエチレングリコールジアクリレート(平均付加モル数14,CAS No,26570−48−9)5質量部、メトキシトリエチレングリコールアクリレート(CAS No.48067−72−7)35質量部及び水16質量部を加え、撹拌した。その後、プロピレングリコール18質量部を加え、更に撹拌した。更に、1質量%NaOH水溶液を添加し、pHを調整した。その後更に、光重合開始剤として、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(CAS No.106797−53−9)5質量部を添加して撹拌し、20質量%のポリビニルピロリドン水溶液(重量平均分子量10,000,CAS No.9003−39−8)17.5質量部を添加し撹拌して、フィルタリングを行って不溶分を取り除き、pH7のインクを得た。得られたインクは、粘度14.5mPa・s、接触角50°であった。
<レジストパターン形成>
眼鏡レンズ用モノマー(三井化学株式会社製、商品名「MR8」)により製造した眼鏡用レンズ基材に、ハードコート液(HOYA株式会社製、商品名「HC60S」)にて形成したハードコート層を設けたレンズ基材上に、上記の得られたインクを用いて、ノズル(京セラ株式会社製、商品名「KJ4A」)を装着したインクジェット装置により、9600×600dpiのドット密度で、印字幅108mmで、ドット間隔0.432nm、ドット直径0.323nmの格子状のドットのレジストパターンを形成した(レンズ基材の片主面側のハードコート層上に全面に形成した。)。なお、1ドットあたりの液滴量は、2400plとした。レジストパターンを形成後、紫外線照射装置(ウシオ電機株式会社製、商品名「UVX−01212S1CS01」)により、主波長域200−600nmで照射し、眼鏡用レンズ基材上のレジストパターンを硬化した。当該レジストパターンは、円状のドットで、格子欠陥なく作成できた。
硬化後、真空蒸着により、SiO層を蒸着し、金属層としてクロム層を蒸着し、SiO層を更に蒸着し、SiO層(膜厚;10nm)、クロム層(膜厚;10nm)及びSiO層(膜厚;10nm)を有する水不溶性層を形成した。
水不溶性層を形成した眼鏡用レンズ基材をスピンコータのステージに載置して、回転させ、その表面に乾燥条件下でメラミン樹脂フォームを5秒間押し当てて、開口部を有する水不溶性層による処理パターンが形成された眼鏡レンズを得た。
その後、回転を止め眼鏡用レンズ基材の表面に付着した、剥離屑を粘着テープで除去し、続いて水で洗浄し乾燥させた。眼鏡レンズ表面に傷は観察されなかった。
実施例2
水不溶性層を形成するまでは、実施例1と同様の操作を行い、その後以下の操作を行った。
水不溶性層を形成した眼鏡用レンズ基材をスピンコータのステージに載置して、回転させ、その表面に乾燥条件下でメラミン樹脂フォーム(スポンジ)を5秒間押し当てて、開口部を有する水不溶性層による処理パターンが形成された眼鏡レンズを得た。
その後、回転を止め眼鏡用レンズ基材の表面に付着した、剥離屑を粘着テープで除去し、続いて、再びスピンコータによって眼鏡用レンズ基材を回転させ、水で濡らしたウレタンフォーム(スポンジ)を押し当てた。最後にエアーを吹き付けて乾燥させた。眼鏡レンズ表面に傷は観察されなかった。
[評価]
〔剥離性の評価〕
剥離性の評価は、レジストパターンを構成するドットの除去個数割合(%)により行った。結果を表1に示した。
最後に、本開示の実施の形態を、図等を用いて総括する。
本開示の一実施の形態である処理パターンが形成された眼鏡レンズの製造方法は、図3〜図7に示すように、
レンズ基材11上に、レジストパターン21を形成する、レジストパターン形成工程(S2)と、
レジストパターン21が形成されたレンズ基材11に非水溶性層(例えば、金属層15)形成する、非水溶性層形成工程(S3)と、
固体摺洗材812を接触させて、レンズ基材11の表面を擦り、レジストパターン21及びその上に形成された非水溶性層(例えば、金属層15)を除去し、処理パターン15bを形成する、剥離工程(S4)と、
を備える。
上述の固体摺洗材812を接触させて、レジストパターン21及びその上に形成された非水溶性層(例えば、金属層15)を除去することで、容易に眼鏡レンズ上に処理パターンを形成できる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1a,1b:眼鏡レンズ
11:レンズ基材
13:ハードコート層
15:金属層
15a:開口部
15b:処理パターン
17:反射防止層
17L:低屈折率層
17H:高屈折率層
19:撥水層
21:レジストパターン
21a:ドット部
D:ドット
M:透かしマーク
8:スピンコータ
81:チャンバ
811:蓋
812:固体摺洗材
82:ステージ
83:モータ

Claims (17)

  1. 処理パターンが形成された眼鏡レンズの製造方法であって、
    レンズ基材上に、レジストパターンを形成する、レジストパターン形成工程と、
    前記レジストパターンが形成された前記レンズ基材に非水溶性層を形成する、非水溶性層形成工程と、
    固体摺洗材を接触させて、前記レンズ基材の表面を擦り、前記レジストパターン及びその上に形成された非水溶性層を除去し、処理パターンを形成する、剥離工程と、
    を備える、眼鏡レンズの製造方法。
  2. 前記レジストパターン形成工程において、レンズ基材が、最表面にハードコート層を有する、請求項1に記載の眼鏡レンズの製造方法。
  3. 前記非水溶性層形成工程が、金属層を形成すること、及び前記金属層上に無機層を形成することを含む、請求項1又は2に記載の眼鏡レンズの製造方法。
  4. 前記非水溶性層形成工程が、前記金属層を形成することの前に、無機層を形成することを更に含む、請求項3に記載の眼鏡レンズの製造方法。
  5. 前記剥離工程において、乾燥条件下で擦る、請求項1〜4のいずれかに記載の眼鏡レンズの製造方法。
  6. 前記固体摺洗材が、発泡体、エラストマー、布、研磨パット、又はブラシである、請求項1〜5のいずれかに記載の眼鏡レンズの製造方法。
  7. 前記剥離工程において、前記レンズ基材と前記固体摺洗材を相対的に回転させて、前記固体摺洗材を接触させる、請求項1〜6のいずれかに記載の眼鏡レンズの製造方法。
  8. 前記レジストパターン形成工程において、インクを硬化させてレジストパターンを形成する、請求項1〜7のいずれかに記載の眼鏡レンズの製造方法。
  9. 前記レジストパターンがドット形状を有する、請求項8に記載の眼鏡レンズの製造方法。
  10. 前記インクが、(メタ)アクリルモノマーを含有する、請求項8又は9に記載の眼鏡レンズの製造方法。
  11. 前記インクが、光重合開始剤を更に含み、
    前記レジストパターン形成工程において、レジストパターン形成後、光照射する、請求項10に記載の眼鏡レンズの製造方法。
  12. 前記レジストパターン形成工程において、インクジェット記録法によりレジストパターンを形成する、請求項8〜11のいずれかに記載の眼鏡レンズの製造方法。
  13. 前記レジストパターンが、等方的に均一に配置された複数のドット部を有する、請求項1〜12のいずれかに記載の眼鏡レンズの製造方法。
  14. 前記剥離工程後に、前記レンズ基材を水系媒体により洗浄する洗浄工程を、更に備える、請求項1〜13のいずれかに記載の眼鏡レンズの製造方法。
  15. 前記洗浄工程において、湿潤条件下で固体摺洗材を接触させて、前記レンズ基材の表面を擦る、請求項14に記載の眼鏡レンズの製造方法。
  16. 前記洗浄工程において、前記レンズ基材と前記固体摺洗材を相対的に回転させて、前記固体摺洗材を接触させる、請求項15に記載の眼鏡レンズの製造方法。
  17. 前記剥離工程後、機能層を形成する、機能層形成工程を更に有する、請求項1〜16のいずれかに記載の眼鏡レンズの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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