JP2017521706A - 2つの表面のそれぞれで異なる防汚性を有する眼用レンズ及び製造方法 - Google Patents

2つの表面のそれぞれで異なる防汚性を有する眼用レンズ及び製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017521706A
JP2017521706A JP2016575817A JP2016575817A JP2017521706A JP 2017521706 A JP2017521706 A JP 2017521706A JP 2016575817 A JP2016575817 A JP 2016575817A JP 2016575817 A JP2016575817 A JP 2016575817A JP 2017521706 A JP2017521706 A JP 2017521706A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ophthalmic lens
coating
major surface
lens
wra2
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016575817A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6751028B2 (ja
Inventor
ラップラン オード
ラップラン オード
ラカン パスカル
ラカン パスカル
バランティ クリストフ
バランティ クリストフ
Original Assignee
エシロル アンテルナショナル(コンパーニュ ジェネラル ドプテーク)
エシロル アンテルナショナル(コンパーニュ ジェネラル ドプテーク)
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エシロル アンテルナショナル(コンパーニュ ジェネラル ドプテーク), エシロル アンテルナショナル(コンパーニュ ジェネラル ドプテーク) filed Critical エシロル アンテルナショナル(コンパーニュ ジェネラル ドプテーク)
Publication of JP2017521706A publication Critical patent/JP2017521706A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6751028B2 publication Critical patent/JP6751028B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/10Optical coatings produced by application to, or surface treatment of, optical elements
    • G02B1/18Coatings for keeping optical surfaces clean, e.g. hydrophobic or photo-catalytic films
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02CSPECTACLES; SUNGLASSES OR GOGGLES INSOFAR AS THEY HAVE THE SAME FEATURES AS SPECTACLES; CONTACT LENSES
    • G02C7/00Optical parts
    • G02C7/02Lenses; Lens systems ; Methods of designing lenses
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02CSPECTACLES; SUNGLASSES OR GOGGLES INSOFAR AS THEY HAVE THE SAME FEATURES AS SPECTACLES; CONTACT LENSES
    • G02C7/00Optical parts
    • G02C7/02Lenses; Lens systems ; Methods of designing lenses
    • G02C7/04Contact lenses for the eyes
    • G02C7/049Contact lenses having special fitting or structural features achieved by special materials or material structures
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/04Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements made of organic materials, e.g. plastics
    • G02B1/041Lenses
    • G02B1/043Contact lenses

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Ophthalmology & Optometry (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Eyeglasses (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)

Abstract

本発明は、前表面及び後表面がそれぞれ異なる疎水性を有する眼用レンズに関する。前記レンズは、疎水性前主表面と後主表面とを有する基材を含み、後主表面の外表面は、80°以上の後退水接触角を有し、前記前主表面の外表面は、後主表面の後退水接触角よりも小さい後退水接触角を有する。本発明は、前記レンズを作製する種々の手段を提供する。これは、特に、レンズの2つの表面上に異なる厚さの一時層を堆積した後、次いで除去することにおいて得ることができる。【選択図】なし

Description

本発明は、眼用レンズであって、その後面上に少なくとも80°の水との後退接触角を有するコーティングを含み、且つその2つの面の防汚性が異なる、眼用レンズと、こうしたレンズの作製に役立つ1つ以上の一時層を含む中間眼用レンズと、更にはこうしたレンズの製造方法とに関する。
眼鏡用の眼用レンズ上に「疎水性及び/又は疎油性コーティング」とも呼ばれる防汚コーティングを施すことは公知である。そうしたコーティングは、フルオロシラン又はフルオロシラザン、即ち、フッ素原子を含有するシラン又はシラザンから一般に得られる。
防汚コーティングはレンズの表面エネルギーを低下させるため、汚れの付着を低減し、特にマイクロファイバークロスを用いたワイピングにより汚れをより容易に除去可能である。
従って、最良性能の防汚コーティングは、低い表面エネルギー、典型的には14mJ/m以下、一般的には12mJ/m以下の表面エネルギーを有する。
表面エネルギーは、本出願では、次の参照文献:“Estimation of a surface force energy of polymers”OWENS D.K.,WENDT R.G.(1969)J.Appl.Polym.Sci,13,1741−1747に記載のオーエンス・ウェント法により計算される。
疎水性及び/又は疎油性の防汚コーティングは、市販の眼用レンズの前面及び後面上に施される。
一般に、眼用レンズの後面(又は凹面)とは、レンズの使用時に装着者の眼に最も近い面を意味する。反対に、レンズの前面(又は凸面)とは、レンズの使用時に装着者の眼から最も遠い面を意味する。
実際に、眼鏡用の市販の眼用レンズは両面が同一の防汚性を有するか又は前面の方がかなり良好な防汚性を有し、眼用レンズの前面は外部からのストレス、特に汚れを最も受けやすい面であると一般に見なされている。
次に、エッジング/トリミングに関連する技術的問題についてより詳細に説明する。
レンズは、前記レンズの凸及び凹の2つの光学表面のジオメトリーを決定する一連の成形及び/又は表面仕上げ/研磨の操作後に適切な表面処理を施して得られる。
眼用レンズを仕上げる最終工程はエッジング操作(又はトリミング)であり、これは、レンズをその取付け対象となる眼鏡フレームに適合させるのに必要な寸法及び形状に整合するように、レンズの縁又は外周を機械加工することからなる。それは一般に眼鏡士により行われ、次いで眼鏡士は眼鏡をフレーム内に取り付ける。
エッジングは、レンズの外周(又は縁)を機械加工するためのダイヤモンドホイール及び/又はミリングヘッドを含むグラインダーを用いて一般に行われる。この操作時、レンズは軸方向に作用するブロック装置により保持される。
研削ホイールに対するレンズの相対移動は、所望の形状を生成するように一般に数値制御される。
明らかであるように、この移動時にレンズを確実に保持することが絶対に不可欠である。このため、エッジング操作前にレンズをブロックする操作が行われる。即ち、レンズの凸表面上に保持手段が一般に配置される。
一般に、保持手段は、自己接着パッドなどの保持ブロック(又は固定ブロック)、例えば、接着剤(一般にPSA型の感圧接着剤)を両面上に含むブロックによりレンズに接着するブロックピースである。この保持ブロックは、ブロックピースと凸及び/又は凹レンズ表面、好ましくは凸表面との間に配置される。
他の実施形態によれば、保持手段は、ブロックピースと凸及び/又は凹レンズ表面、好ましくは凸表面との間に配置された重合性(硬化性)液状接着剤によりレンズに接着するブロックピースである(Satisloh社のOBM(商標)プロセス))。ブロックピースはまた、レンズ上に一体成形しうる。
接着ブロックを介してレンズが接着するブロックピースは、次いで、グラインダーの第1の軸方向ブロック装置に機械的に固定され、且つ第2の軸方向ブロック装置は、一般にエラストマーで作製されたストップを利用してブロックピースの反対側のレンズの面(一般にその凹面)に中心力を加えることによりレンズをブロックする。
機械加工時にレンズに接線方向回転力が発生するため、レンズ保持システムが十分に効果を発揮しなければ、ブロックピースに対してレンズの回転が起こるおそれがある。レンズの良好な保持は、主に、保持手段/レンズ表面の境界の良好な接着に依存する。
疎水性及び/又は疎油性の層の表面エネルギーが低いことにより引き起こされる問題の1つは、保持手段/レンズの境界の接着が損なわれて満足なエッジング操作が困難になることである。レンズは、エッジング工程時に実際にスライドして位置ズレを生じるおそれがある。
エッジングが満足に行われた場合、レンズは意図されたフレーム内への挿入に適した所要の寸法を有する。より正確には、こうした結果はエッジング操作でレンズが1°又は2°の最大位置ズレを生じる場合に得られる。それを超えるとレンズは一般に使用できなくなる。従って、レンズ表面への保持手段の接着は満足なエッジングを達成するのに不可欠である。
疎水性及び/又は疎油性の外側コーティングを備えたレンズのエッジング時のこうした困難を克服するために、これらのコーティング上に有機性又は無機性の一時コーティング(又は一時層/トップ層)を形成してエッジング時の位置ズレを回避するとともに、コーティングの防汚性を保持することからなる技術的解決策が存在する。一時コーティングは、特に、MgF一時層、高分子性剥離コーティング、又は高分子性一時接着フィルムでありうる。これらの一時層は、特に、欧州特許第1392613号明細書、欧州特許第1633684号明細書、国際公開第2005/015270号パンフレット、及び国際公開第03/057641号パンフレットに記載されている。
一時層を備えたレンズは眼鏡士に供給される。
実際には、レンズの前面が一般にエッジング時にブロックピースに接触する唯一の面であるとしても、通常はレンズの前面と同一の一時層(同一の材料、同一の厚さ)がレンズの後面上に堆積される。後面上に存在する一時層は、その後面とエッジングストップとの間の良好な接触を確保することによりレンズの良好な保持に寄与する。
エッジング操作時にレンズの前面と後面との間に捩りモーメントが加わる。
従って、レンズの後面上に一時層が存在することもエッジング操作時のレンズの位置ズレを制限することを促進する。
レンズのエッジング後、一時層を除去して防汚コーティングを露出させなければならない。この操作もレンズのエッジングを行う眼鏡士により行われる。一時層を除去すると、疎水性コーティングの性質は、たとえ全体的に良好に保持されているとしても一時層の堆積前のコーティングよりも劣っているおそれがある。特に、一時層の堆積前の疎水性コーティングと比較して接触角が数度低いおそれがある。このことは、コーティングの疎水性が低下したことを意味する。
更に、耐久性(繰返しワイピング作用下でのコーティングの疎水性の維持)が影響を受けるおそれがある。
仏国特許第1262953号明細書には、一時層の除去後に疎水性コーティング及び従来の一時層、例えば金属フッ化物のトップ層を含む眼用レンズと比較して改善された防汚性を有する眼用レンズを得る解決策が提案されている。この出願には、典型的には、2つの疎水性及び/又は疎油性のコーティング層(Optool DSX(登録商標)層及びOF210(登録商標)層)と、次いで22〜50nmの厚さのMgF層及び任意選択的なMgO層)で構成された2層の一時層とをレンズに堆積することが提案されている。
問題は、レンズの防汚性を大幅に改善すると同時にエッジング及び一時層の十分容易な除去の能力を維持することが依然として困難なことである。
これらは相反する性質である。
最大レベルの疎水性及び疎油性を達成するために、従って清浄に保つことがより容易である眼鏡を提供するために疎水性及び/又は疎油性のコーティングの厚さを増加させることが望ましいが、ブロックの接着が損なわれる。
当然の結果として、一時層の厚さを増加させると除去がより困難になる。
従って、改善された疎水性を有する新しいレンズを供給するために、依然として多くの技術的問題を解決しなければならない。
従って、本発明の目的の1つは、既存の眼用レンズと比較して改善された防汚性能を有する眼用レンズを提供することである。
例えば、疎水性層として使用される材料、特に、高い疎水性を呈する最良性能の材料は高価である。
現在、所謂「ミッドレンジ」市場への防汚眼鏡の参入をより低コストで可能にすることが重要である。
従って、解決すべき技術的問題の1つは、従来の防汚コーティングを有する眼用レンズと比較してより低コストで防汚性が改善された眼用レンズを供給することからなる。
それとは逆に、解決すべきもう1つの技術的問題は、「プレミアム」タイプの市場のためにコスト要因を優先せずに、眼用レンズの先行技術で公知の最良性能を有する眼用レンズの性質を凌ぐ防汚性を有する眼用レンズを供給することである。
もう1つの技術的問題は、公知の眼用レンズと比較して改善された防汚性及び耐摩耗性の両方を有する眼用レンズを供給することからなる。
もう1つの技術的問題は、眼鏡の装着者による汚れの視知覚の低減並びに/又は異なる光環境条件及び装着条件での視力、特に視覚的コントラストの向上を可能にする防汚眼用レンズを供給することからなる。
最後の技術的問題は、以上に明記された4つの問題の少なくとも1つをまた解決する眼用レンズが得られるように、従来の手段によりエッジング(又はトリミング)が可能な眼用レンズを供給することからなる。
本発明に基づいて、本発明者らは、驚くべきことに一般に想定されたこととは対照的に、眼用レンズの防汚性を前面でも両面同時でもなく後面で改善することが適切であることを見いだした。
従って、本発明に係るレンズは、前面の性質が後面の性質とは有意に異なり、前面よりも後面の方が水との後退接触角の値が大きい。
初期の眼用レンズは、一般に、その前面及びその後面上に同一の疎水性及び/又は疎油性のコーティングを含む。更に、エッジングを容易にするために堆積された一時層は、レンズの前面及び後面で同一の性質及び厚さを有する。
ここで、本発明者らは、疎水性に関して前面及び後面が差別化される眼用レンズを生産することが有利であることを見いだした。
従って、以上の目的は、
− 前主面であって、その外表面が疎水性であり、且つ水との後退接触角WRA1を有する、前主面と、
− 後主面であって、その外表面が80°以上の水との後退接触角WRA2を有する、後主面と
を有し、及びWRA2がWRA1よりも大きい基材を含む、眼用レンズにより個別に又は組み合わせて達成しうる。
本発明に係る眼用レンズは、前面よりも優れた防汚性を有する後面を有する。
更に、疎水性層の耐摩耗性は表面の性質とは逆方向に変化すると思われる。層の疎水性が低いほど耐摩耗性は高い(バイエル試験(サンド又はアルミナ)による測定)。従って、本発明はレンズの前面の耐摩耗性の改善を可能にする。
レンズの後面とは、顕著な汚染源である皮膚及び睫毛に最も近い面のことである。本発明者らは、眼鏡の装着者が後面の汚れを特に厄介なものと感じることを見いだした。
通常は眼用レンズの後面が前面よりも低い疎水性を有することに注目すべきである。
実際に、ほとんどの場合、面へのコーティング(特に反射防止層)の堆積前又は堆積中に、活性種による表面処理が利用される。現在、レンズの後表面は、一般に、コーティングの接着性を向上させることが意図されたレンズ表面の物理的又は化学的活性化の前処理を含む、コーティングの堆積が行われるレンズの2つの面のうちの最初の面である。この前処理は一般に真空下で行われる。それは、高エネルギー種、例えばイオンビーム(IPC、イオンプレクリーニング)若しくは電子ビームの照射、グロー放電処理、コロナ放電処理、UV処理、又は一般に酸素若しくはアルゴンプラズマを用いた真空下プラズマ処理である。それはまた、層、例えばITO(酸化インジウムスズ)層などの伝導層の堆積中の補助的処理、例えばイオン照射でありうる。次にレンズの前面を処理する場合、物理的又は化学的活性化の前処理が行われると、後面上に存在する疎水性コーティングは、この疎水性コーティングが一時層により保護されていたとしても、反応性種の後方散乱現象によりわずかに劣化するであろう。レンズの2つの面が同一の疎水性処理を受けた場合、この後方散乱現象の結果として、レンズの最初に処理された表面、一般に後面はわずかに低い疎水性を有することになる。
本発明に係る眼用レンズは、眼鏡の装着者の視知覚の改善及び/又は視覚的快適性の改善のために使用しうる。
本出願では、基材/コーティング「上」のコーティング又は基材/コーティング「上」に堆積されたコーティングは、(i)基材/コーティングの上側に位置決めされたコーティング、(ii)必ずしも基材/コーティングに接触しているとは限らないコーティング、即ち、1つ以上の中間コーティングが基材/コーティングと対象のコーティングとの間に配置されうるものとして定義される(しかしながら、好ましくは前記基材/コーティングに接触している)。「層1が層2の下側に位置する」場合、層2は層1よりも基材から離れていることが理解されよう。同様に、所謂「外側」層は所謂「内側」層よりも基材から離れている。
本発明に係るレンズは、前主面と後主面とを有する基材、好ましくは透明基材を含み、主面の少なくとも後面、好ましくは両面が、疎水性、好ましくは疎水性且つ疎油性のコーティングを含む。
本発明に係る眼用レンズは眼用レンズブランクでありうる。それは好ましくは眼鏡用の眼用レンズを構成し、一実施形態では眼鏡に挿入される。
本発明に係る眼用レンズの基材は、無機又は有機ガラス、例えば熱可塑性又は熱硬化性プラスチックの有機ガラスでありうる。
この基材は、出願国際公開第2008/062142号パンフレットに挙げられた基材、例えばジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)の(共)重合により得られた基材、ポリ(チオ)ウレタンの基材、PCと称されるビス(フェノールA)ポリカーボネート(熱可塑性)の基材、又はPMMA(ポリメチルメタクリレート)の基材から選択しうる。
本発明に使用される疎水性コーティングは、ベア基材、即ち非被覆基材の主面上又は1つ以上の機能性コーティングで既に被覆された基材の主面上に形成しうる。
光学品で従来から使用されているこれらの機能性コーティングは、網羅的ではないが、耐衝撃性プライマー層、耐摩耗性及び/又は耐引掻き性コーティング、偏光コーティング、フォトクロミックコーティング又は着色コーティング、干渉コーティング、特に、耐摩耗性及び/又は耐引掻き性層で被覆された耐衝撃性プライマー層でありうる。
疎水性コーティングは干渉コーティング上に堆積しうるとともに、干渉コーティングは、網羅的ではないが、反射防止コーティング、反射(ミラー)コーティング、赤外フィルター、少なくとも部分的に青色光を遮断するフィルター又は反射防止コーティング、又は紫外フィルター、好ましくは反射防止コーティングでありうる。
反射防止コーティングは、物品の表面上に堆積されて完成物品の反射防止性を改善するコーティングとして定義される。それは可視スペクトルの比較的広い部分にわたり物品−空気境界での光反射の低減を可能にする。好ましくはRv(平均光反射率値)は2.5%/面未満である。
Rvは規格ISO13666:1998に定義される通りであり、規格iS8980−4に準拠して測定される(17°未満、典型的には15°の光入射角)。好ましくはRv<2%、更により良くはRv<1.5%、なおもより良くはRv<1%である。
同様に周知のように、反射防止コーティングは慣例的に誘電体材料の単層又は多層スタックを含む。これは好ましくは高屈折率(HI)層と低屈折率(LI)層とを含む多層コーティングである。このコーティングの構成、その厚さ、及びその堆積方法は、特に出願国際公開第2010/109154号パンフレットに記載されている。
干渉コーティングは、眼用レンズの分野で耐摩耗性及び/又は耐引掻き性コーティングとして慣用される任意の層でありうる耐摩耗性及び/又は耐引掻き性コーティング上に一般に堆積される。
耐摩耗性及び/又は耐引掻き性コーティングは、好ましくは、硬化後のコーティングの硬度及び/又は屈折率を増加させることが意図された1種以上の無機充填剤を一般に含む、ポリ(メタ)アクリレート系又はシラン系のハードコーティングである。(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
本発明で推奨されるコーティングとしては、例えば、欧州特許第0614957号明細書、米国特許第4,211,823号明細書、及び米国特許第5,015,523号明細書に記載のエポキシシランの加水分解物に基づくコーティングが挙げられうる。耐摩耗性及び/又は耐引掻き性コーティングの厚さは、一般に2〜10μm、好ましくは3〜5μmの範囲内である。
耐摩耗性及び/又は耐引掻き性コーティングの堆積前に、最終製品で後続層の衝撃強度及び/又は接着性を向上させるために基材上にプライマーコーティングを堆積することが可能である。このコーティングは、眼用レンズなどの物品で透明ポリマーとして慣用される任意の耐衝撃性プライマー層であることができ、より詳細には、出願国際公開第2011/080472号パンフレットに記載されている。
一般に、疎水性コーティング又はトップコートとも呼ばれる防汚コーティングは、脱イオン水との静的接触角が75°以上、好ましくは80°以上、より好ましくは90°以上であるコーティングとして本出願で定義される。
水との後退接触角が80°よりも大きいコーティングは、以上の定義によれば疎水性コーティングである。
本出願では静的接触角は液滴法により決定可能である。この方法では2mm未満の直径を有する液滴(典型的には4μL)が非吸収性固体表面上に穏やかに堆積され、液体と固体表面との境界の角度が測定される。水は25℃で0.3μS〜1μSの伝導率を有する。
典型的には、静的接触角の測定はKruss製のDSA100装置(液滴形状解析システム)を用いて行われる。
水との後退接触角の値は実験の節に記載の手順に従って傾斜平面上で測定される。
防汚コーティングは、汚れ、例えばグリーシー堆積物に対する物品の感受性を低減する。公知のように、出願国際公開第2009/047426号パンフレットに詳述されているこうした疎水性外側コーティングは、レンズ表面上にその表面エネルギーを減少させる化合物を適用することにより得られる。好ましくは、レンズの前面及び/又は後面上に適用される疎水性外側コーティングは、20mJ/m以下、より好ましくは14mJ/m以下、更により良くは13mJ/m以下、なおもより良くは12mJ/m以下の表面エネルギーを有する。
本発明との関連では、その厚さは一般に1〜25nm、更により良くは1〜15nmで変化する。本発明の一実施形態では、防汚コーティングは10nm未満、好ましくは2〜10nm、更により良くは2〜5nmの厚さを有する。
本発明に係る疎水性コーティングは好ましくは有機性である。「有機性層」とは、層の全重量を基準にしてゼロでない重量割合、好ましくは少なくとも40%、更により良くは少なくとも50%の有機材料を含む層を意味する。
疎水性表面コーティングは、少なくとも1種のフッ素化化合物、更により良くは1個以上のフッ素化基、特にフッ素化炭化水素基、パーフルオロカーボン基、フッ素化ポリエーテル基、例えばFC−(OC24−O−(CF−(CH−O−CH−Si(OCH基、又はパーフルオロポリエーテル基を有する、少なくとも1種のシラン性及び/又はシラザン性化合物を含有する重合性組成物から主に得られる。
疎水性コーティングを形成する従来の方法は、フッ素化基とSi−R基(式中、Rは、ヒドロキシル基又は加水分解性基などの前駆体基、例えばCl、NH、NH−アルキル、又は−O−アルキル、好ましくはアルコキシ基を表す)とを有する化合物を堆積することからなる。好ましくは、それは前駆体フルオロシラン又はフルオロシラザン、好ましくは1分子当たり少なくとも2個の加水分解性基を含むものから開始して生成される。表面上に堆積した場合、これらの化合物は直接又は加水分解後に重合反応及び/又は架橋反応を起こすことが可能である。
疎水性コーティングを形成するのに特に好適なフルオロシランは、米国特許第6,277,485号明細書に記載のフルオロポリエーテル基を含有するものである。
このフルオロシランは、一般式:
Figure 2017521706
(式中、Rは1価又は2価のポリフルオロポリエーテル基であり、Rは、1個以上のヘテロ原子又は官能基を任意選択的に含有し、且つハロゲンで任意選択的に置換され、且つ2〜16個の炭素原子を好ましくは含有する2価のアルキレン基又はアリーレン基又はそれらの組合せであり、Rは低級アルキル基(即ちC〜Cアルキル基)であり、Yはハロゲン原子、低級アルコキシ基(即ちC〜Cアルコキシ基、好ましくはメトキシ又はエトキシ)、又は低級アシルオキシ基(即ち−OC(O)R(ここで、RはC〜Cアルキル基である))であり、xは0又は1であり、且つyは1(Rは1価である)又は2(Rは2価である)である)
に対応する。好適な化合物は少なくとも1000の数平均分子量を一般に有する。好ましくは、Yは低級アルコキシ基であり、且つRはパーフルオロポリエーテル基である。
推奨される他のフルオロシラン又はフルオロシラザンは、式:
Figure 2017521706
(式中、n=5、7,9,又は11であり、且つRは、アルキル基、好ましくはC〜C10、例えば、−CH、−C、及び−C、CF(CFCHCHSi(OC((トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロ)オクチル−トリエトキシシラン)、CF−(CF−CH−CH−Si(NH(Optron社製の化合物OF110(商標))、CFCHCHSiCl
Figure 2017521706
(ここで、n=7又は9であり、且つRは以上に定義した通りである)
である)
で示されるものである。
疎水性コーティングを調製するための同様に推奨されるフルオロシラン含有組成物は、米国特許第6,183,872号明細書に記載されている。それは、5.10〜1.10の分子量を有する、以下の一般式:
Figure 2017521706
(式中、Rはパーフルオロアルキル基を表し、Zはフルオロ基又はトリフルオロメチル基を表し、a、b、c、d、及びeはそれぞれ互いに独立して0又は1以上の整数を表し、但し和a+b+c+d+eは1以上であり、且つa、b、c、d、及びeの下付き文字を有する括弧内に与えられた繰返し単位の順序は示されたものに限定されないことを条件とし、YはH又は1〜4個の炭素原子を含むアルキル基を表し、Xは水素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を表し、Rはヒドロキシル基又は加水分解性基を表し、Rは水素原子又は1価の炭化水素基を表し、lは0、1、又は2を表し、mは1、2、又は3を表し、且つn”は少なくとも1に等しい整数、好ましくは少なくとも2に等しい整数を表す)
により表されるケイ素系基含有有機基を有するフルオロポリマーを含有する。
フルオロシラン系防汚コーティングを形成するのに好適な他の化合物は、特開2005−187936号公報及び欧州特許第1300433号明細書に記載されており、式:
Figure 2017521706
(式中、R’は直鎖を有する2価のパーフルオロポリエーテル基であり、R’はC〜Cアルキル基又はフェニル基であり、X’は加水分解性基であり、a’は0〜2の整数であり、b’は1〜5の整数であり、且つm’及びn’は2又は3に等しい整数である)
に対応する。
疎水性コーティングを調製するための市販の組成物は、信越化学工業株式会社により市販されている組成物KY130(登録商標)(特開2005−187936号公報中の式に対応する)及びKP801M(登録商標)、Optronにより市販されているOF210(商標)及びOF110(商標)、並びにダイキン工業株式会社により市販されている組成物OPTOOL DSX(登録商標)(米国特許第6,183,872号明細書中の式に対応するパーフルオロプロピレン基含有フッ素化樹脂)である。組成物OPTOOL DSX(登録商標)が好ましい防汚コーティング組成物である。
防汚コーティング組成物を堆積する種々の方法が存在し、それらは液相堆積、例えば、浸漬、遠心分離、若しくはスプレー処理による堆積、又は気相堆積、例えば、真空下蒸発を含む。
気相堆積が好ましい。
本発明に係るレンズは、その後面上に以上に提示されたものから選択しうる疎水性コーティングを含み、その水との後退接触角WRA2は80°以上、好ましくは次の値:90°、95°、100°、102°、105°、110°、111°、112°、113°、114°、115°、116°、117°、118°、119°、120°、125°のうちの1つの値以上である。好ましくは、疎水性コーティングの水との静的接触角もこれらの値を有する。
一実施形態では、WRA2は以下の値:119°、118°、117°、116°のうちの1つの値以下である。
好ましくはWRA2≧107°であり、及び更により良くは107°〜125°で変化する。
好ましくはWRA2≧110°であり、及び更により良くは110°≦WRA2≦120°、なおもより良くは112°≦WRA2である。好ましくは112°≦WRA2≦120°である。
最適にはWRA2≧114°、更により良くは114°≦WRA2≦120°である。
後退角WRA1及びWRA2は、好ましくは関係:
2°≦WRA2−WRA1≦12°且つ104°<WRA1<116°且つ110°≦WRA2
を満たす。
好ましくは、WRA1は65°以上、より好ましくは85°以上、更により良くは95°以上である。水との後退接触角WRA1は、好ましくは102°〜116°、更により良くは105°〜116°で変化する。
本発明に係るレンズの前主面及び後主面の外表面は、好ましくはフッ素化コーティングの表面である。
一実施形態では、眼用レンズは、その前面上に以上に提示されたものから選択しうる疎水性コーティングを更に含む。但し、当然ながら、その前主面の外表面は、その後主面の水との後退接触角よりも小さい水との後退接触角を有する。かかるレンズでは、前記前主面の疎水性外表面の水との後退接触角は、好ましくは次の値:85°、90°、95°、100°、110°のうちの1つの値以上である。
好ましくは、後主面の外表面の水との後退接触角と前主面の外表面の水との後退接触角との差は、1°以上、更により良くは2°以上、なおもより良くは3°以上、且つ好ましくは15°以下、更により良くは10°以下、なおもより良くは5°以下である。
前面と後面との後退接触角の差がわずか1°で一見するときわめて少ないように思われるが、水との後退接触角のレベルが100°程度の高さの場合、実際には2つの面の防汚性能のレベルに有意差が生じる。110°を超えると、前面と後面との後退接触角の差がわずか1°できわめて少ないように思われても、実際にはレンズの2つの面の防汚性のレベルにかなりの差が生じる。
好ましい実施形態では、前主面の外表面の水との後退接触角は、108°〜116°、更により良くは109°〜115°で変化し、且つ後主面の外表面の水との後退接触角は、115°超、更により良くは116°以上、なおもより良くは117°以上である。
本発明に係るレンズは、その最終状態ではその後主面上に一時層を含まない。このことは、堆積された後に除去されたか又は一時層が堆積されなかったことを意味する。本発明に係るレンズは、その最終状態ではその前主面上に一時層を含まない(もはや含まない)。一実施形態では、その後主面は一時層で被覆されず、且つ被覆されていない。
本発明に係る眼用レンズは、好ましくは可視域に吸収がないか又は可視域にほとんど吸収がない。このことは、本出願の趣旨の範囲内で、可視域相対透過率とも呼ばれる可視域透過率τが90%超、更により良くは95%超、なおもより良くは96%超、最適には97%超であることを意味する。
次に、2つの面の疎水性に関して差別化された本発明に係るレンズを得るためのいくつかの手段について、更にはこれらの方法により得られる本発明の一部も形成する眼用レンズについて説明するが、本発明をこれらの具体的手段に限定するものではない。
前面と後面とで差別化された疎水性を有するレンズを得るための第1の技術は、2つの面上に異なる疎水性コーティングを堆積することからなる。
従って、本発明は、眼用レンズを作製する方法であって、
− 前主面と後主面とを有する基材を供給する工程と、
− 基材の前記前主面上に疎水性コーティングを堆積して、前主面に水との後退接触角WRA1を付与し、且つ基材の前記後主面上に疎水性コーティングを堆積して、後主面に80°以上の水との後退接触角を付与する工程と
を含み、前記前主面が、前記後主面の後退接触角WRA2よりも小さい水との後退接触角WRA1を有するように、前主面の疎水性コーティングが後主面のコーティングの材料とは異なる材料から形成される、方法に関する。
従って、本発明に係るレンズは、その前面よりもその後面でより良好な性能(即ち、水との後退接触角をより大きくする)を有する疎水性コーティングを堆積することにより得られうる。例えば、材料Optool DSX(登録商標)(又はOptool DSX/OF210二重層)をレンズの後面上に堆積する場合、水との後退接触角がより小さい防汚材料、例えば、材料OF210又はKY−130を前面上に堆積すべきであろう。
材料OF210及びKY−130がより低い表面エネルギーを与えてエッジング時のレンズのスライドを防止することから、以上のレンズは、その前面上への一時層の堆積を必要とすることなくエッジングが可能であるために興味深い。
本発明はまた、以上に記載の眼用レンズを作製する方法であって、
− 基材を含む眼用レンズを供給する工程であって、基材が
− 一時層で覆われた前主面であって、前記前主面の外表面が疎水性であり、且つ前記一時層の除去後に水との後退接触角WRA1を有する、前主面と、
− 任意選択的に一時層で覆われた後主面であって、前記後主面の外表面が、存在する場合は前記一時層の除去後に80°以上の水との後退接触角WRA2を有する、後主面と
を有し、WRA2がWRA1よりも大きい、工程と、
− 一時層を前記レンズの前主面から、且つ存在する場合は一時層を前記後主面から除去する工程と
を含む、方法に関する。
本発明はまた、眼用レンズを作製する方法であって、
− 前主面と後主面とを有する基材を供給する工程と、
− 疎水性コーティングを基材の前記前主面上に堆積し、且つこの後主面に80°以上の水との後退接触角を付与する疎水性コーティングを基材の前記後主面上に堆積する工程と、
− 厚さe1の一時層を前記前主面の疎水性コーティング上に、且つ任意選択的に厚さe2<e1の一時層を前記後主面の疎水性コーティング上に形成する工程と、
− 前記前主面から一時層を除去し、且つ存在する場合は前記後主面の一時層を除去する工程と
を含む、方法に関する。
本発明に係る方法の一実施形態では、ゼロではなく且つe1未満である厚さe2の一時層は、レンズの後主面の疎水性コーティング上に形成される。
本発明に係るレンズを得る手段の1つは、同一の材料を使用してレンズの前面及び後面の疎水性コーティングを形成するものである。換言すれば、レンズは、前主面及び後主面であって、それらの外表面は同一の材料から形成されたコーティングのものである、前主面及び後主面を有する。本発明者らは、後面上でより薄い(更にはゼロの)厚さの一時層を使用するように選択することにより、1つ又は複数の一時層の除去後に前面と比較して後面の水との後退接触角をより大きくすること、従って優れた防汚性能を得ることが可能であることを実際に発見した。また、より薄い一時層を使用するように選択することは、その除去がより容易であるという点で有利である。
本発明に係るレンズを得るもう1つの手段は、レンズの前面よりも後面でより良好な性能(即ち、一時層のコーティングを用いることなく水との後退接触角をより大きくする)を有する疎水性コーティングを堆積するものである。
異なる厚さの一時層を使用する実施形態では、一時層の厚さ比e1/e2は、好ましくは1.25以上、より好ましくは1.5以上、更により良くは1.75以上、なおもより良くは2以上である。この比は好ましくは5以下、更により良くは4以下である。なぜなら、一時層が厚すぎるとエッジング操作後の除去が困難になるからである。
本発明の他の実施形態では、好ましくは前主面の疎水性コーティング及び後主面の疎水性コーティングが同一の材料から形成される場合、水との後退接触角WRA1により特徴付けられる前主面の疎水性コーティングは、水との後退接触角WRA2により特徴付けられる後主面の疎水性コーティングの堆積前に堆積され、且つ眼用レンズの後主面は、前記後主面上への疎水性コーティングの堆積前に、但し前記前主面上への疎水性コーティングの堆積後又は堆積中に、物理的又は化学的活性化の前処理(以上に記載の前処理から選択されうる)を受けている。この堆積方法は、凹面が一時層で被覆されない場合に特に使用される。
レンズの前面上に存在する一時層は、好ましくは30〜45nmの範囲内の厚さを有する。レンズの後面上に存在する一時層は、好ましくは15〜30nmの範囲内の厚さを有する。
後者の場合、この実施形態は、レンズの前面上でのより厚い厚さの疎水性コーティングの使用に関連し、その性能、特に防汚性能は、より薄い厚さのコーティングよりも改善され且つ長期間持続する。
前面上に存在する一時層の厚さはこれと同一の面上の疎水性コーティングの厚さに主に依存することを実際に知ることが必要である。前面上の疎水性コーティングが厚くなるほど、エッジング時に保持手段への接着の役割を果たすために、前面上の一時層を厚くしなければならない。それとは逆に、レンズの後面上では疎水性コーティング及び一時層の厚さは関連しない。なぜなら、前面がそれ自体でレンズの良好な保持を提供可能である場合は後者を省略できることを本発明者らが見いだしたからである。従って、その存在は、以下に説明されるようにエッジング操作時にレンズの保持を確保するのに必須ではない。
一時層の除去が更に困難になるのをできる限り抑制するために、前面上では可能な最小厚さの一時層を使用してレンズの信頼性のあるエッジングを行えるようにすることが好ましいであろう。
本発明に係る方法の他の実施形態では、レンズの後主面の疎水性コーティング上に一時層を形成しない(e2=0)。本発明者らは、後面上への一時層のかかる堆積が一般に必要ではなく、以上に明記した条件でレンズの前面上のみに一時層を存在させれば十分であることを発見した。
レンズをその前面を介してエッジング装置に実際に固定すると、エッジング時に加わる機械力の70%程度は前面に加わることが分かった。従って、レンズの前面上への保持手段の接着が不十分であると、レンズの後面とトリミングストップとの間に接触不良がある場合と同一の位置ズレに必要とされるよりもかなり少ない機械力でトリミング時にレンズの位置ズレを生じるおそれがある。従って、エッジング時のレンズの良好な保持は、レンズの前面への保持手段の良好な接着を本質的に必要とする。
この実施形態は、面の1つ上で一時層の除去工程を追加的に排除することによりサイクル時間が削減されるため、産業との関連で生産性に関して非常に興味深い。更に、一時層の堆積による影響を受けていないため、レンズの後面上での最適な防汚性に基づく利益が提供される。
この場合、本発明に係るレンズを得る手段の1つは、同一の材料、特に材料Optool DSX(登録商標)を使用してレンズの前面及び後面の疎水性コーティングを形成するものである。前主面の疎水性コーティング及び後主面の疎水性コーティングを同一の材料から形成する場合、前面の疎水性コーティング上に一時層を堆積してからそれ除去することにより、前面の疎水性コーティングの水との後退接触角が一時層の堆積及び除去が行われない後面よりも小さいレンズが供給されよう。
本発明に係るレンズを得るもう1つの手段は、レンズの前面よりも後面でより良好な性能(即ち、一時層のコーティングを用いることなく水との後退接触角をより大きくする)を有する疎水性コーティングを堆積するものである。
特にレンズの後面上に一時層が存在しない場合、レンズの後面上に形成する前にレンズの前面上にコーティングを形成することが好ましいことに留意すべきである。なぜなら、こうしたコーティングの堆積は、ほとんどの場合、物理的又は化学的活性化の前処理(以上に記載の前処理から選択しうる)又は補助的処理、例えばイオン性処理を含むため、以上で説明したように、高エネルギー種及び/又は反応性種の後方散乱現象により、最初に堆積されたであろう疎水性コーティングの防汚性がわずかに劣化するからである。レンズの前面の処理を後面の処理の前に行うことは、レンズの前主面の外表面の水との後退接触角をわずかに低減することにより、本発明に係るレンズを得ることに寄与する。
従って、本発明は、眼用レンズを作製する方法であって、
a)前主面と後主面とを有する眼用レンズを供給する工程と、
b)前記眼用レンズの前主面上にコーティングを堆積する工程であって、前記コーティングの1つが疎水性コーティングである、工程と、
c)工程b)の後に前記眼用レンズの後主面上に1つ又は複数のコーティングを堆積する工程と、
d)水との後退接触角WRA2が80°以上である前記後主面の外表面と、疎水性であり、且つ水との後退接触角WRA1を有する前記前主面の外表面とを有し、WRA2がWRA1よりも大きい、眼用レンズを回収する工程と
を含み、眼用レンズの後主面上で後方散乱する高エネルギー種による処理が工程c)の前に前記眼用レンズの前主面上で実施されており、且つ前記眼用レンズの前主面上で後方散乱する高エネルギー種よる処理が工程b)の後且つ工程d)の前に前記眼用レンズの後主面上で実施されている、方法に関する。
「高エネルギー(及び/又は反応性)種」とは、1〜300eV、好ましくは1〜150eV、更により良くは10〜150eV、なおもより良くは40〜150eVの範囲内のエネルギーを好ましくは有する種を特に意味する。高エネルギー種は、イオン若しくはラジカルなどの化学種又は光子若しくは電子などの種でありうる。
本発明はまた、以上に記載の方法により得られる眼用レンズ、特に、その前主面の外表面が疎水性であり、且つ水との後退接触角WRA1を有し、及びその後主面の外表面が80°以上の水との後退接触角WRA2を有し、WRA2がWRA1よりも大きい、眼用レンズに関する。前記レンズは、厚さe1の一時層をその前主面の外表面上に、且つ任意選択的に厚さe2<e1を好ましくは有する一時層をその後主面の外表面上に形成することにより、及び一時層を前記前主面から、且つ存在する場合は一時層を前記後主面から除去することにより得られる。以上で指摘したように、前主面の疎水性コーティング及び後主面の疎水性コーティングは、好ましくは同一の材料から形成され、且つ好ましくは一時層は前記後主面の疎水性コーティング上に形成されない。
次に、エッジング前に疎水性レンズ表面を被覆するための本発明に係る方法で使用可能な一時層についてより一般的に説明する。本出願では、一時層は、エッジングに好適なレンズを作製可能であり、且つ眼用レンズのエッジング後に除去/取出しすることが意図されたコーティングである。
本発明との関連で用いられる一時層は、一般に疎水性コーティング上で直接形成される。
一時層は無機性又は有機性でありうる。好ましい実施形態では、一時層は無機層であり、特に少なくとも1種の金属フッ化物又は金属フッ化物の混合物、少なくとも1種の金属酸化物又は金属酸化物の混合物、少なくとも1種の金属水酸化物又は金属水酸化物の混合物を含む。金属フッ化物と金属酸化物及び/又は水酸化物との混合物を使用することも可能である。
金属フッ化物の例としては、フッ化マグネシウムMgF、フッ化ランタンLaF、フッ化アルミニウムAlF、又はフッ化セリウムCeFが挙げられうるフ。好ましくは、フッ化マグネシウムが使用されよう。
使用しうる金属酸化物は、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化チタン(特にTiO)、シリカ、酸化アルミニウム(Al)、酸化ジルコニウム(ZrO)、又は酸化プラセオジム(Pr)である。メタロイドのオキシドは本出願では金属酸化物と見なされる。アルミナと酸化プラセオジムとの混合物が推奨される。特に推奨される市販材料は、LEYBOLD社製のPASO2である。
金属水酸化物の例としては、Mg(OH)2、Ca(OH)2、及びAl(OH)3、好ましくはMg(OH)が挙げられうる。
一時層はまた有機性でありうるともに、特にポリマー材料系でありうる。一時層に好適なポリマー材料の例としては、累進眼鏡レンズ用マーキングインク及び/又はこのインクのバインダーを構成する樹脂、更にはアルキド樹脂が挙げられうる。
また、ハロゲン化ポリマー、特に塩素化及び/又はフッ素化ポリマー、特に塩素化ポリオレフィン樹脂(例えば塩素化ポリプロピレン樹脂)、ポリアルキレンテレフタレート(例えばポリエチレンテレフタレート)、及びそれらの混合物も挙げられうる。これらの材料は、出願国際公開第2005/015270号パンフレットに記載されている。
無機一時層が好ましい。
一時層は単層又は多層でありうる。このことは、同一であっても異なっていてもよい材料に基づくいくつかの一時層を互いに重ね合わせて形成可能であること意味する。特に、一時層は金属フッ化物、好ましくはMgFの層を含みうるとともに、この層上に非フッ素化金属酸化物又は水酸化物、好ましくはMgO又はMg(OH)、更により良くはMgOが堆積される。
本発明に係る一時層の厚さは1nm〜150μmで変化しうる。無機材料からなる場合、一時層の厚さは、好ましくは≧5nm、更により良くは≧10nm、且つ好ましくは≦200nm、更により良くは≦100nm及び、なおもより良くは≦50nmである。典型的には、それは5〜200nm、好ましくは5〜100nm、更により良くは10〜50nmで変化する。
有機材料、特にポリマー材料の場合、純粋無機層の場合よりもかなり厚い厚さを堆積することが好ましい。その場合、所要の厚さは5〜150マイクロメートルで変化しうる。
一般に、一時層の厚さが薄すぎる場合、表面エネルギーが十分に調整されないリスクが存在する。これとは対照的に、一時層の厚さが厚すぎる場合、特に、本質的に無機層の場合、層内に機械的応力が発生するリスクが存在するため、予想される性質を損なうおそれがある。
一時層は、好ましくは少なくとも15mJ/m、更により良くは少なくとも25mJ/mの表面エネルギーを有する。典型的には、一時層の表面エネルギーは、15〜70mJ/m、好ましくは25〜70mJ/mである。
一時層は、蒸気相中(真空下堆積)又は液相中で任意の好適な従来の方法により、例えば、スプレー処理、遠心、若しくは浸漬により、又は静電フィルムからの転写により堆積しうる。一時層は、好ましくはガス経路により、特に真空下蒸発により堆積される。真空処理による堆積は、一時層の厚さの精密制御を可能にするとともに、分散を最小限に抑えるが、このことは、利用可能な他の技術的解決策の場合に必ずしも当てはまるとは限らない。更に、この真空処理は、特に反射防止コーティングを有して提供される場合、光学物品を処理する産業プロセスに直接組込み可能であるという利点を有する。
一時層は、好ましくはレンズの全主表面上に形成される。即ち、その結果、疎水性コーティングを完全に覆う。
本発明に係る一時層の材料は、エッジング工程後の更なる操作で除去可能である。この一時層の材料はまた、疎水性コーティングの表面上に残渣を残すことなく一時層の除去が行われるように十分な凝集力を有する。
好ましくは、中でも特にレンズの面の1つ全体に一時保護層を堆積する場合、材料は、この一時層で被覆されたレンズの度数の測定を従来通り頂点屈折計により依然として行えるようにある特定の透明度を有する。一時層は、累進レンズの当業者により一般に使用される種々のマーキングインクを利用してマーキングしうる。
本発明に係る一時層は、非常に容易に除去可能であるという利点を提供する。これは、液体媒体中で、又はワイピング、特にドライワイピングにより、又はさもなければこれらの2つの手段を組み合わせて使用することにより行うことが可能である。液体媒体中での他の除去方法は、特に出願国際公開第03/057641号パンフレットに記載されている。ティッシュペーパー又はクロスによるワイピングは好ましい除去技術である。それは好ましくは手作業で行われる。
他の一時層、更にはその堆積方法及び除去方法は、欧州特許第2088133号明細書、欧州特許第1392613号明細書、及び国際公開第2009/071818号パンフレットに記載されている。
本発明はまた、主面の少なくとも1つ上に少なくとも1つの一時層を含む、以上に記載の方法で形成された又は使用可能な中間眼用レンズに関する。本発明は、特に、
− 一時層で覆われた前主面であって、前記前主面の外表面が疎水性であり、且つ前記一時層の除去後に水との後退接触角WRA1を有する、前主面と、
− 一時層で任意選択的に覆われた後主面であって、前記後主面の外表面が、存在する場合は前記一時層の除去後に疎水性であり、且つ80°以上の水との後退接触角WRA2を有する、後主面と
を有し、前記前主面の外表面(前記一時層の除去後)が、後主面の水との後退接触角WRA2よりも小さい水との後退接触角WRA2を有する、基材を含む、眼用レンズに関する。
かかるレンズは、一時層によるエッジングに適するように作製された中間レンズであり、前面から一時層を、且つ後面上に任意選択的に存在する一時層を除去した後、本発明に係るレンズが得られよう。
この中間眼用レンズは、一般に、その後面上に疎水性コーティングと好ましくはその前面上に疎水性コーティングとを含み、これらのコーティングは前記一時層で後続的に被覆されている。一時層及び疎水性コーティングは以上に記載のものから選択される。前主面の疎水性コーティング及び後主面の疎水性コーティングは、同一の材料から形成してもよくそうでなくてもよい。
一実施形態では、このレンズの後主面は一時層で被覆されず、且つ被覆されていない。他の実施形態では、後主面は、前主面を覆う前記一時層の厚さよりも小さい厚さの一時層で被覆される。一時層に対して考えられる厚さ比e1/e2は以上に記載した通りである。
好ましい中間眼用レンズは、好ましくは少なくとも1種のフッ素化化合物、更により良くは1個以上のフッ素化基を有する少なくとも1種のシラン性及び/又はシラザン性化合物(特に材料Optool DSX(登録商標))を含有する同一の材料から好ましくは形成された疎水性コーティングを前面上及び後面上に含み、後面上には一時層がなく、且つ前面(それは多層であってもよく、好ましくはMgO層で被覆されたMgF層を含む)上に一時コーティングがある。これらの種々の層の好ましい厚さは以上に明記した。前面上では、MgF層は30〜40nmの範囲内の理想的厚さを有し、疎水性コーティングは好ましくは1〜10nmの範囲内の理想的な厚さを有する。後面上では、疎水性コーティングは2〜8nmの範囲内の理想的厚さを有する。
少なくとも1つの一時層を含む以上に記載の眼用レンズは、
− 接着ブロックが眼用レンズの表面に接着するように(ブロッキング)、保持手段を介して眼用レンズを保持装置に固定する工程と、
− 保持手段を介して眼用レンズが接着する保持装置をエッジング装置内に取り付ける工程と、
− 外周を機械加工することにより眼用レンズをエッジングする工程と、
− 眼用レンズの回収の後(デブロッキング)、一時層を前記前主面から除去し且つ存在する場合は一時層を前記後主面から除去する工程と
を含む、エッジングプロセスに付しうる。
一時層(又はトップ層)は、一方では疎水性コーティングへのその良好な接着により、他方ではレンズ表面への保持手段の法線方向及び接線方向の接着を改善することにより、保持手段を眼用レンズ上に直接適用してエッジング操作時にそれを確実に保持できるようにする。従って、それはスライド及び位置ズレの現象、更にはデブロッキングの現象を防止して信頼性のあるエッジングを行えるようにする。
更に、それはエッジング後のレンズの非常に良好な保持を提供する。眼用レンズの主要なエッジング操作後、実際にはエッジングの繰返し操作及び/又はピアシングを行うことが望まれることもあり、ピアスゾーンは眼鏡用レンズの場合は眼鏡フレームのサイドピース用固定点として役立つ。特に出願国際公開第2009/071818号パンフレットに記載の最終工程では、及び特にレンズのピアシングでは、孔のピアシングのためのドリルの位置決めの基準になるため、ブロックピースと保持手段とのアセンブリーをレンズ表面上の所定の位置に維持することが不可欠である。
この方法で使用可能な当業者に慣用されるブロック工程、デブロック工程、及び保持システムは、欧州特許第1392613号明細書及び国際公開第2010/055261号パンフレットにより詳細に記載されている。
本発明に係るエッジングプロセスは、最大位置ズレが2°、最適には1°以下の眼用レンズを供給する。
エッジング工程に続いて、1つ又は複数の一時層の除去前に任意選択的に繰返しエッジング工程及び/又はピアシング工程を行いうる。
以下の実施例により、本発明をより詳細に例示するが、これらに限定されるものではない。特に明記されていない限り、本出願で与えられた厚さはすべて物理的厚さである。
作製後、疎水性層の性質に依存して、疎水性を「発揮」するために及び予想性能を得るために表面の機械的処理を行うことが必要になることもある。
これは、特にKY130から得られる疎水性層について当てはまる。一般に、OPTOOL DSXから得られる層の性質は、この機械的処理(脱イオン水で含浸されたクロスによるワイピング)を行う必要なしに得られる。
後退接触角の測定は機械的処理が施されたレンズで行われる。好適な機械的処理(CEMOIクロスによるワイピング)は以下に示される。
CEMOI(商標)クロスは、眼鏡レンズの洗浄のために一般に使用されるポリエステル70%/Nylon(商標)30%の組成のマイクロファイバークロス(製造業者:KB SEIREN、販売業者:Facol)である。
機械化ワイピングは機械化ロボットを用いて行われる。
レンズは支持体上に配置される。CEMOIクロスは脱イオン水で含浸され、次いでレンズ上に配置される。3kgの重量のレバーを下げてクロスに接触するようにする。レバーは約3cmの直径のフォームチップを有する。
それは1分間に60回往復する。チップは移動時にレンズの形状を追跡する。
処理後、レンズは清浄なCemoiクロスによりワイピングされ、エアガンでブローされる。
後退接触角はワイピングゾーンの中心で測定される。
後退接触角は、Nolwenn Le Grand−Piteiraにより提出された博士論文 − University Paris 7−Denis Diderotに定義され、ESCPI on 21 June 2006,in particular Chapter 1,pages 19−20,paragraph 1.3.4“A law that is inadequate in reality − Hysteresis of wetting”で確証されている。
傾斜可能テーブルオプション(PA3220)を備えたKRUSS−DSA100により画像の取得及び解析を行いながら半自動ゴニオメーターを用いて測定を行った。
原理:水との後退接触角の測定は、レンズの凸面に対して以下に記載したプロトコルに従って、各面に本発明に係る異なる層が施された眼用レンズの凸表面上又は二平面基材(前平面及び後平面)の各表面上で行いうる。
凸基材上での水との後退接触角の測定:測定は曲率半径>100mmを有する球面レンズの凸面の幾何中心で行われる。
測定は以下の三工程で行われる。
・25μlの体積を有する脱イオン水の滴を幾何中心に適用する。
・一定速度(3°/秒)でテーブルを自動傾斜させて移動液滴の画像を連続取得する。
・液滴の移動速度及び液滴の後側の三重点での接触角θrの測定を行いながら取得シーケンスから得られる画像を解析する。これは三重点(空気/水/固体の接点)での液滴への接線と、同一三重点でのレンズの表面への接線との間で形成される接触角であり、液滴のプロファイルが調べられる。慣例によれば角度は液滴内に位置する。
水との後退接触角θrは、液滴の移動方向と反対側の点で決定された接触角に対応する。
本出願に記載の試験で考慮される水との後退接触角の値は、液滴の移動速度が0.05〜0.1mm/sであるときの角度の値の平均である。
接触角の測定は、凹表面上でも同一のプロトコルに従って行いうる。この場合、後面の曲率が小さい、即ちR>200mmのレンズを使用することが望ましい。
レンズの中心部を維持してレンズのエッジングを行うとともにこの中心部で測定を行うことが可能である。
異なる層が堆積されるレンズは、70mmの直径を有するPC(ポリカーボネート)製の熱可塑性レンズである。
レンズは、各主面上に次の順に堆積されたコーティング、即ち、1ミクロン程度の厚さのポリウレタン耐衝撃性プライマーコーティング(W234(登録商標))、欧州特許第614957号明細書の実施例3に定義された組成物を堆積して硬化させることにより得られる3ミクロン程度の厚さの耐摩耗性コーティング、出願国際公開第2011/080472号パンフレットに記載の5つの層ZrO/SiO/ZrO/ITO/SiOを有する反射防止コーティング、及びダイキン工業株式会社製のOptool DSX(登録商標)に基づく5nmの厚さの防汚コーティング(3×10−5mbarで真空堆積、堆積速度:0.4nm/秒、出願国際公開第2009/071818号パンフレットで使用されたのと同一の条件)を含む。
これらのレンズは以下に記載の方法によリ両面が処理され、凸(前)面は凹(後)面の前に処理される。
1.一時層の堆積
実施例1では、異なる厚さの一時層をBAK真空チャンバー内でレンズの両面上に形成した。
後面:処理1:20nmの厚さのMgF一時層をレンズの後面の疎水性コーティング上に形成し(堆積速度:1.5nm/s、P=3.10−3Pa、次いで、1〜2nmの厚さのMgO層をこのMgF層上に形成した。
前面:処理2:38nmの厚さのMgF一時層をレンズの前面の疎水性コーティング上に形成し、次いで、1〜2nmの厚さのMgO層を以上と同一の条件でこのMgF層上に形成した。
得られたレンズをエッジング工程に付す。以下の項目2を参照されたい。クロスによるドライワイピングにより一時層を除去し、次いで、以上に与えられたプロトコルに従って水との後退接触角を測定する。
一時層の除去後に得られた水との後退接触角)。後面コーティングの水との後退接触角(113°)は前面コーティングのもの(111°)よりも大きい。
2.レンズのエッジング
Essilor Kappaグラインダーを用いて行われるエッジング試験、更にはこの操作時にレンズに生じる位置ズレを測定するためのプロトコルは、出願国際公開第2009/071818号パンフレットに詳細に記載されている。この試験時に使用される接着保持ブロック(LEAP II、直径24mm、3M社製のGAM200、又はSaint Gobain社製のsecure edge(登録商標))は、レンズの前面上に存在する一時層に直接接触する。位置ズレが2°以下である場合、レンズはエッジング試験に合格したと見なされる。
3.結果及び解説
実施例1のレンズは両面上に比較的厚い厚さの疎水性及び/又は疎油性コーティングを有し、後面の方が水との後退接触角が大きい。
レンズは、本出願人名義の米国特許第7629053号明細書に記載の20nmのMgFトップ層を有する従来のレンズよりも厚い厚さ(38nm)の一時層をその前面上に含む。
後面上の一時層の厚さは従来のレンズの場合と同じである。
この実施例のレンズは、エッジング操作時に非常に良好な挙動を呈する(保持ブロックのスライドがなく位置ズレもない)。更に、一時層は除去が容易でないことが判明した。
前面と後面との間で疎水性度が調整された本発明に係るレンズは、先行技術のレンズよりも汚れに対する性能がより良好である。
実施例2:
以下の堆積を行うことによりポリカーボネートのレンズ又は高屈折率ガラス(ポリチオウレタン、屈折率1.67)のレンズを作製する。
− 前面(凸)上:5nm程度のOptool DSX層を堆積し、次いで処理1を行う。即ち、38nmの厚さのMgF一時層をレンズの後面の疎水性コーティング上に形成し(堆積速度:1.5nm/s、P=3.10−3Pa)、次いで、1〜2nmの厚さのMgO層をこのMgF層上に形成した。
− 後面(凹)上:3nmのOptool DSX層を堆積し、一時層を堆積しない。
前面コーティングの水との後退接触角:111°(一時層の除去後)。
後面コーティングの水との後退接触角:115°。
実施例3
以下のように実施例1と同じ堆積を行うことによりポリカーボネートのレンズ又は高屈折率ガラス(ポリチオウレタン、屈折率1.67)のレンズを作製する。
− 前面(凸):3nm程度のOptool DSX層を堆積し、次いで、処理1(20nmの厚さのMgFの堆積、続いて1〜2nmの厚さのMgO層の堆積)を行う。
− 後面(凹):3nmのOptool DSX層を堆積し、一時層を堆積しない。
前面コーティングの水との後退接触角:108°(一時層の除去後)。
後面コーティングの水との後退接触角:115°。
結果を以下の表1にまとめる。
レンズの平均位置ズレは非常にわずかであり、許容可能である。
Figure 2017521706

Claims (21)

  1. − 前主面であって、その外表面が疎水性であり、且つ水との後退接触角WRA1を有する、前主面と、
    − 後主面であって、その外表面が80°以上の水との後退接触角WRA2を有する、後主面と
    を有し、WRA2がWRA1よりも大きい基材を含む、眼用レンズ。
  2. 前記水との後退接触角WRA2が95°以上、好ましくは100°以上、更により良くは102°以上であることを特徴とする、請求項1に記載の眼用レンズ。
  3. 前記水との後退接触角WRA2≧107°、好ましくは107°≦WRA2≦125°であることを特徴とする、請求項2に記載の眼用レンズ。
  4. 前記水との後退接触角WRA2≧110°であり、及び好ましくは110°≦WRA2≦120°、更により良くは112°≦WRA2、なおもより良くは112°≦WRA2≦120°であることを特徴とする、請求項3に記載の眼用レンズ。
  5. 前記後退角WRA1及びWRA2が関係:
    2°≦WRA2−WRA1≦12°且つ104°<WRA1<116°
    を満たすことを特徴とする、請求項4に記載の眼用レンズ。
  6. WRA2≧114°、更により良くは114°≦WRA2≦120°であることを特徴とする、請求項4又は5に記載の眼用レンズ。
  7. WRA1が65°以上であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の眼用レンズ。
  8. WRA1が85°以上、好ましくは95°以上であり、及び更により良くは両端を含めて102°〜116°の範囲内、又はなおもより良くは両端を含めて105°〜116°の範囲内で選択されることを特徴とする、請求項7に記載の眼用レンズ。
  9. 前記前主面及び後主面の前記外表面がフッ素化コーティングの表面であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の眼用レンズ。
  10. 一時層を前記前主面の前記外表面上に、且つ任意選択的に一時層を前記後主面の前記外表面上に形成することにより得られたものであることと、前記一時層が前記前主面から除去されており、且つ存在する場合は前記一時層が前記後主面から除去されていることとを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の眼用レンズ。
  11. 厚さe1の一時層を前記前主面の前記外表面上に、且つ任意選択的に厚さe2<e1の一時層を前記後主面の前記外表面上に形成することにより得られたものであることと、前記一時層が前記前主面から除去されており、且つ存在する場合は前記一時層が前記後主面から除去されていることとを特徴とする、請求項10に記載のレンズ。
  12. 眼鏡に挿入されることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の眼用レンズ。
  13. − 一時層で覆われた前主面であって、前記前主面の外表面が疎水性であり、且つ前記一時層の除去後に水との後退接触角WRA1を有する、前主面と、
    − 任意選択的に一時層で覆われた後主面であって、前記後主面の外表面が、存在する場合は前記一時層の除去後に80°以上の水との後退接触角WRA2を有する、後主面と
    を有し、WRA2がWRA1よりも大きい基材を含む、眼用レンズ。
  14. 前記後主面が一時層で被覆されず、且つ被覆されていないことを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の眼用レンズ。
  15. 前記後主面が、前記前主面を覆う前記一時層の厚さよりも小さい厚さの一時層で被覆されることを特徴とする、請求項13に記載の眼用レンズ。
  16. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の眼用レンズを作製する方法であって、
    − 請求項13〜15のいずれか一項に記載の眼用レンズを供給する工程と、
    − 前記一時層を前記レンズの前記前主面から、且つ存在する場合は前記一時層を前記後主面から除去する工程と
    を含む、方法。
  17. 請求項15に記載の眼用レンズが供給されることと、前記眼用レンズが、前主面及び後主面であって、それらの外表面が同一の材料から形成されたコーティングのものである、前主面及び後主面を有することとを特徴とする、請求項16に記載の方法。
  18. 前記前主面及び後主面の前記外表面が、それぞれ、水との後退接触角WRA1を有する、前記前主面上に堆積された疎水性コーティングのもの、及び80°以上の水との後退接触角WRA2を有する、前記後主面上に堆積されたコーティングのものであり、WRA2がWRA1よりも大きいことと、前記後主面の前記コーティングが堆積される前に前記前主面の前記コーティングが堆積されることと、前記後主面上への前記コーティングの堆積前に、但し前記前主面上へのコーティングの堆積後又は堆積中に、前記眼用レンズの前記後主面が活性種による処理を受けていることを特徴とする、請求項16又は17に記載の方法。
  19. 前記後主面の前記コーティング上に一時層が形成されないことを特徴とする、請求項16又は17に記載の方法。
  20. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の眼用レンズを作製する方法であって、
    − 前主面と後主面とを有する基材を供給する工程と、
    − 前記基材の前記前主面上に疎水性コーティングを堆積して、前記前主面に水との後退接触角WRA1を付与し、且つ前記基材の前記後主面上にコーティングを堆積して、前記後主面に80°以上の水との後退接触角WRA2を付与する工程と
    を含み、前記前主面が、前記後主面の後退接触角WRA2よりも小さい水との後退接触角WRA1を有するように、前記前主面の前記コーティングが前記後主面の前記コーティングの材料とは異なる材料から形成される、方法。
  21. 請求項1〜15のいずれか一項に記載の眼用レンズを作製する方法であって、
    a)前主面と後主面とを有する眼用レンズを供給する工程と、
    b)前記眼用レンズの前主面上にコーティングを堆積する工程であって、前記コーティングの1つが疎水性コーティングである、工程と、
    c)工程b)の後に前記眼用レンズの前記後主面上に1つ又は複数のコーティングを堆積する工程と、
    d)水との後退接触角WRA2が80°以上である前記後主面の外表面と、疎水性であり、且つ水との後退接触角WRA1を有する前記前主面の外表面とを有し、WRA2がWRA1よりも大きい、眼用レンズを回収する工程と
    を含み、前記眼用レンズの前記後主面上で後方散乱する高エネルギー種による処理が工程c)の前に前記眼用レンズの前記前主面上で実施されており、且つ前記眼用レンズの前記前主面上で後方散乱する高エネルギー種よる処理が工程b)の後且つ工程d)の前に前記眼用レンズの前記後主面上で実施されている、方法。
JP2016575817A 2014-07-03 2015-07-03 2つの表面のそれぞれで異なる防汚性を有する眼用レンズ及び製造方法 Active JP6751028B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
FR1456414 2014-07-03
FR1456414A FR3023381B1 (fr) 2014-07-03 2014-07-03 Lentille ophtalmique ayant des proprietes antisalissure differenciees sur ses deux faces et procedes de fabrication
PCT/FR2015/051848 WO2016001605A1 (fr) 2014-07-03 2015-07-03 Lentille ophtalmique ayant des proprietes antisalissure differenciees sur ses deux faces et procedes de fabrication

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017521706A true JP2017521706A (ja) 2017-08-03
JP6751028B2 JP6751028B2 (ja) 2020-09-02

Family

ID=51485751

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016575817A Active JP6751028B2 (ja) 2014-07-03 2015-07-03 2つの表面のそれぞれで異なる防汚性を有する眼用レンズ及び製造方法

Country Status (10)

Country Link
US (1) US10754069B2 (ja)
EP (1) EP3164368A1 (ja)
JP (1) JP6751028B2 (ja)
CN (2) CN112198674B (ja)
AR (1) AR101107A1 (ja)
BR (1) BR112017000016B1 (ja)
CA (1) CA2953256A1 (ja)
FR (1) FR3023381B1 (ja)
TW (1) TW201612130A (ja)
WO (1) WO2016001605A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11774639B2 (en) 2019-03-19 2023-10-03 Essilor Laboratories Of America, Inc. Anti-soiling coating for an ophthalmic lens

Family Cites Families (32)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB897091A (en) 1959-07-20 1962-05-23 Rolls Royce Gas turbine engine fuel system
JPS53111336A (en) 1977-03-11 1978-09-28 Toray Ind Inc Coating composition
JPS6017380B2 (ja) * 1979-06-06 1985-05-02 ダイセル化学工業株式会社 表面被覆用組成物
JPH0642002B2 (ja) 1983-07-29 1994-06-01 セイコーエプソン株式会社 プラスチックレンズ
AU611106B2 (en) * 1987-10-24 1991-06-06 Ito Optical Industrial Co. Ltd. Optical antireflection treatment
FR2702486B1 (fr) 1993-03-08 1995-04-21 Essilor Int Compositions de revêtement antiabrasion à base d'hydrolysats de silanes et de composés de l'aluminium, et articles revêtus correspondants résistants à l'abrasion et aux chocs.
EP0844265B1 (en) 1995-08-11 2002-11-20 Daikin Industries, Limited Silicon-containing organic fluoropolymers and use of the same
US5876753A (en) * 1996-04-16 1999-03-02 Board Of Regents, The University Of Texas System Molecular tailoring of surfaces
US5892600A (en) * 1996-12-27 1999-04-06 Kuo; Wei-Wu Alex Spectacle lens structure with a planar reflective outer surface
US6277485B1 (en) 1998-01-27 2001-08-21 3M Innovative Properties Company Antisoiling coatings for antireflective surfaces and methods of preparation
MXPA03002322A (es) * 2000-09-19 2003-06-24 Bausch & Lomb Metodo para aplicar un recubrimiento a lentes polimericas.
FR2824821B1 (fr) * 2001-05-17 2003-08-29 Essilor Int Procede de preparation d'un verre apte au debordage, verre ainsi obtenu et procede de debordage d'un tel verre
KR100724135B1 (ko) 2001-10-05 2007-06-04 신에쓰 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 퍼플루오로폴리에테르-변성 실란, 표면처리제, 및반사방지 필터
FR2834712B1 (fr) 2002-01-14 2004-12-17 Essilor Int Procede de traitement d'un verre ophtalmique
FR2856056B1 (fr) 2003-06-13 2009-07-03 Essilor Int Procede de traitement d'un verre apte au debordage.
KR100562783B1 (ko) 2003-08-08 2006-03-20 남상욱 렌즈 가공 시의 축 이동과 표면손상을 방지하기 위하여 보호막을 형성시킨 안경렌즈의 제조방법
FR2860306B1 (fr) 2003-09-26 2006-09-01 Essilor Int Lentille ophtalmique recouverte d'un film electrostatique et procede de debordage d'une telle lentille
JP4581608B2 (ja) 2003-12-02 2010-11-17 セイコーエプソン株式会社 薄膜の製造方法、光学部品の製造方法および成膜装置
EP1831288B1 (en) * 2004-12-30 2012-06-27 3M Innovative Properties Company Fluoropolymer nanoparticle coating composition
FR2901552B1 (fr) * 2006-05-26 2008-07-11 Essilor Int Article d'optique comportant un revetement externe hydrophobe et/ou oleophobe revetu d'une couche temporaire
FR2909187B1 (fr) 2006-11-23 2009-01-02 Essilor Int Article d'optique comportant un revetement anti-abrasion et anti-rayures bicouche, et procede de fabrication
US7811628B2 (en) * 2006-12-22 2010-10-12 Roger Wen-Yi Hsu Layered lenses and method of layering lenses
FR2921161B1 (fr) 2007-09-14 2010-08-20 Essilor Int Procede de preparation de la surface d'une lentille comportant un revetement anti-salissures en vue de son debordage
FR2924233A1 (fr) 2007-11-23 2009-05-29 Essilor Int Article d'optique comportant une couche temporaire de polyurethane thermoplastique aliphatique et application au debordage
EP2105782A1 (de) * 2008-03-25 2009-09-30 Wilhelm Anger Verfahren und Vorrichtung zum Bearbeiten von beschichteten Brillengläsern
EP2342589B1 (en) * 2008-10-30 2013-01-09 Essilor International (Compagnie Générale d'Optique) Conductive polymer-based curable coating composition providing coated articles with enhanced antistatic properties
FR2938255B1 (fr) 2008-11-13 2011-04-01 Essilor Int Procede de traitement au moyen d'un film adhesif d'une lentille optique comportant un revetement antisalissure en vue de son debordage
US8691331B2 (en) * 2009-02-09 2014-04-08 Prashant D. Santan Surface modification of hydrophobic and/or oleophobic coatings
FR2943798B1 (fr) 2009-03-27 2011-05-27 Essilor Int Article d'optique revetu d'un revetement antireflet ou reflechissant comprenant une couche electriquement conductrice a base d'oxyde d'etain et procede de fabrication
FR2954832A1 (fr) 2009-12-31 2011-07-01 Essilor Int Article d'optique comportant un revetement antibuee temporaire ayant une durabilite amelioree
US9435914B2 (en) 2011-05-12 2016-09-06 Essilor International Optical article comprising a precursor coating for an antifogging coating and a temporary layer rendering same suitable for edging
AU2011370999B2 (en) * 2011-06-13 2016-01-14 Essilor International Method for obtaining optical articles having superior abrasion resistant properties, and coated articles prepared according to such method

Also Published As

Publication number Publication date
AR101107A1 (es) 2016-11-23
TW201612130A (en) 2016-04-01
CN112198674B (zh) 2023-05-02
FR3023381A1 (fr) 2016-01-08
US20180172884A1 (en) 2018-06-21
BR112017000016B1 (pt) 2022-07-12
CN106575048A (zh) 2017-04-19
US10754069B2 (en) 2020-08-25
CA2953256A1 (fr) 2016-01-07
CN106575048B (zh) 2020-11-06
FR3023381B1 (fr) 2016-08-12
WO2016001605A1 (fr) 2016-01-07
BR112017000016A2 (pt) 2017-11-07
EP3164368A1 (fr) 2017-05-10
CN112198674A (zh) 2021-01-08
JP6751028B2 (ja) 2020-09-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101855589B (zh) 制备包括防污涂层的透镜表面以及对所述透镜修边的方法
JP6100242B2 (ja) 防曇コーティングの前駆体コーティング、及び、エッジングに適切なものとする一時的な層を含んでなる光学物品
KR101764280B1 (ko) 향상된 내구성을 갖는 일시적 김서림-방지 코팅을 포함하는 광학 제품
JP5623077B2 (ja) 防汚膜を有する光学物品
CA2896178C (en) Method for the production of an optical article with improved anti-fouling properties
CN103597377A (zh) 用于获得具有超级耐磨损特性的光学物品的方法,以及根据这样的方法制备的涂覆物品
WO2013013929A1 (en) Optical article comprising a surfactant-based temporary antifog coating with an improved durability
JP6257897B2 (ja) 光学物品およびその製造方法
US20220403222A1 (en) Article with a Hydrophobic Surface Coated with a Temporary Super-Hydrophobic Film Providing Antirain Functionality and Process for Obtaining Same
JP6751028B2 (ja) 2つの表面のそれぞれで異なる防汚性を有する眼用レンズ及び製造方法
US9625742B2 (en) Optical article comprising a precursor coating of an anti-fog coating and a temporary layer made of metal fluorides or compounds including magnesium and oxygen
JP6401184B2 (ja) 疎水二重層と一時金属フッ化物層とを含む縁取り可能な眼用レンズ
US20220348495A1 (en) Article with a Hydrophilic Surface Coated with a Temporary Super-Hydrophobic Film and Process for Obtaining Same
EP2734870A1 (en) Optical article comprising a surfactant-based temporary antifog coating with an improved durability

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20180515

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180702

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190628

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190709

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20191008

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200108

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200218

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200515

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200611

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200714

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200813

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6751028

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250