以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、後述する各処理の実行順序は、本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜変更することができる。
本実施形態では、図1に示されるプリンタ10を説明する。プリンタ10は、液体消費装置の一例である。
[プリンタ10の概要]
プリンタ10は、インク滴を吐出してシートに画像を印刷するインクジェットプリンタである。プリンタ10は、ファクシミリ機能、スキャン機能、及びコピー機能などの機能を有する複合機であってもよい。
以下では、プリンタ10が使用可能に水平面に設置された使用姿勢を基準として上下方向7が定義され、プリンタ10の開口13が形成された面を前面として前後方向8が定義され、プリンタ10を前面から見て左右方向9が定義される。すなわち、使用姿勢において、上下方向7が鉛直方向に相当し、前後方向8及び左右方向9が水平方向に相当する。前後方向8及び左右方向9は、直交している。
プリンタ10は、概ね直方体形状の筐体14を有している。筐体14の内部には、図2及び図3に示されるように、給送トレイ15と、給送ローラ23と、搬送ローラ25と、複数のノズル29を有するヘッド21と、プラテン26と、排出ローラ27と、排出トレイ16と、装着ケース150と、タンク160とが位置している。
プリンタ10は、給送ローラ23及び搬送ローラ25を駆動させて、給送トレイ15に支持されたシートをプラテン26の位置まで搬送する。次に、プリンタ10は、タンク160からチューブ19を通じて供給されるインクを、ヘッド21にノズル29を通じて吐出させる。これにより、プラテン26に支持されたシートにインクが着弾して、シート上に画像が印刷される。そして、プリンタ10は、排出ローラ27を駆動させて、画像が印刷されたシートを排出トレイ16に排出する。
より詳細には、ヘッド21は、搬送ローラ25によるシートの搬送向きと交差する主走査方向(左右方向9と平行)に沿って往復移動するキャリッジ20に搭載されている。キャリッジ20は、不図示のモータの駆動力が伝達されて、主走査方向(図2の紙面と垂直な方向)に沿って移動する。プリンタ10は、搬送ローラ25によるシートの搬送が停止されている間に、主走査方向に沿ってキャリッジ20を移動させつつ、ヘッド21にノズル29を通じてインクを吐出させる。これにより、ヘッド21に対面するシートの一部の領域(以下、「1パス」と記載)に画像が印刷される。次に、プリンタ10は、次に画像が印刷されるべき領域がヘッド21に対面するように、搬送ローラ25にシートを搬送させる。そして、これらの処理を交互に繰り返し実行させることによって、1枚のシートに画像が印刷される。
[ディスプレイ28]
筐体14は、ディスプレイ28を有する。ディスプレイ28は、筐体14の前面に位置している。ディスプレイ28は、表示パネルの上にタッチセンサが配置された、所謂タッチパネルである。ただし、ディスプレイ28に代えて、或いはディスプレイ28とともに、表示パネル及び押しボタンが筐体14の前面に位置していてもよい。ディスプレイ28は、ユーザからの入力を受け付ける。ディスプレイ28のタッチセンサ及び押しボタンは、入力部の一例である。
[カバー87]
図1に示されるように、筐体14の前面14Aで且つ左右方向9の右端部には、開口85が形成されている。筐体14は、さらにカバー87を備える。カバー87は、開口85を被覆する被覆位置(図1(A)に示される位置)と、開口85を開放する開放位置(図1(B)に示される位置)との間を回動可能である。カバー87は、例えば、上下方向7における筐体14の下端近傍において、左右方向9に沿う回動軸線周りに回動可能に、筐体14によって支持されている。そして、開口85の奥に広がる筐体14内部の収容空間86には、カートリッジ200が装着される装着ケース150が位置している。
[カバーセンサ88]
プリンタ10は、カバーセンサ88(図6参照)を有する。カバーセンサ88は、例えば、カバー87が接離するスイッチ等の機械式センサであってもよいし、カバー87の位置によって光が遮断或いは透過される光学式センサであってもよい。カバーセンサ88は、カバー87の位置に応じた信号をコントローラ130に出力する。より詳細には、カバーセンサ88は、カバー87が被覆位置に位置していることに応じて、ローレベル信号をコントローラ130へ出力する。一方、カバーセンサ88は、カバー87が被覆位置と異なる位置に位置していることに応じて、ローレベル信号より信号強度の高いハイレベル信号をコントローラ130へ出力する。換言すれば、カバーセンサ88は、カバー87が露出位置に位置していることに応じて、ハイレベル信号をコントローラ130へ出力する。
[装着ケース150]
装着ケース150は、図3に示されるように、接点152と、ロッド153と、装着センサ32と、液面センサ33と、ロックピン156とを備えている。装着ケース150には、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色に対応する4つのカートリッジ200が収容可能である。すなわち、装着ケース150は、接点152、ロッド153、装着センサ32、液面センサ33は、4つのカートリッジ200それぞれに対応して、4つずつ備えている。なお、装着ケース150に収容可能なカートリッジ200の数は、4つに限定されず、1つでも良いし、5つ以上でも良い。
装着ケース150は、装着されたカートリッジ200を収容する内部空間を有する箱形状である。装着ケース150の内部空間は、上端を画定する天壁と、下端を画定する底壁と、前後方向8の後端を画定する奥壁と、左右方向9の両端を画定する一対の側壁とで画定される。一方、装着ケース150の奥壁と対面する位置は、開口85となっている。すなわち、開口85は、カバー87が開放位置に位置したときに、装着ケース150の内部空間を、プリンタ10の外部に開放させる。
そして、カートリッジ200は、筐体14の開口85を通じて、装着ケース150に装着され、装着ケース150から抜かれる。より詳細には、カートリッジ200は、開口85を前後方向8の後ろ向きに通過して、装着ケース150に装着される。装着ケース150から抜かれるカートリッジ200は、開口85を前後方向8の前向きに通過する。
[接点152]
接点152は、装着ケース150の天壁に位置している。接点152は、天壁から装着ケース150の内部空間へ向けて下方に突出している。接点152は、装着ケース150にカートリッジ200が装着された状態において、カートリッジ200の後述する電極248に接する位置に位置している。接点152は、導電性を有しており、さらに上下方向7に沿って弾性的に変形可能である。接点152は、コントローラ130に電気的に接続されている。接点152は、インタフェースの一例である。
[ロッド153]
ロッド153は、装着ケース150の奥壁から前方へ突出している。ロッド153は、装着ケース150の奥壁において、後述するジョイント180より上方に位置している。ロッド153は、カートリッジ200が装着ケース150に装着される過程において、カートリッジ200の後述する大気連通口221を通じて大気バルブ室214に進入する。ロッド153が大気バルブ室214に進入すると、後述する大気バルブ室214が大気に連通される。
[装着センサ32]
装着センサ32は、装着ケース150の天壁に位置している。装着センサ32は、カートリッジ200が装着ケース150に装着されているか否かを検出するためのセンサである。装着センサ32は、左右方向9に離間した発光部及び受光部を備える。装着ケース150にカートリッジ200が装着された状態において、カートリッジ200の後述する遮光リブ245は、装着センサ32の発光部及び受光部の間に位置する。換言すれば、装着センサ32の発光部及び受光部は、装着ケース150に装着されたカートリッジ200の遮光リブ245を挟んで、互いに対向した状態で位置している。
装着センサ32は、発光部から左右方向9に沿って照射された光が受光部で受光されたか否かに応じて、異なる信号(以下、「装着信号」と記載)を出力する。装着センサ32は、例えば、受光部で受光された光の受光強度が閾値強度未満であることに応じて、ローレベル信号をコントローラ130へ出力する。一方、装着センサ32は、受光部で受光された光の受光強度が閾値強度以上であることに応じて、ローレベル信号より信号強度の高いハイレベル信号をコントローラ130へ出力する。
[液面センサ33]
液面センサ33は、後述するアクチュエータ190の被検出部194が検出位置に位置しているか否かを検出するためのセンサである。液面センサ33は、左右方向9に離間した発光部及び受光部を備える。換言すれば、被検出部194が検出位置に位置するとき、液面センサ33の発光部及び受光部の間に、被検出部194が位置している。一方で、被検出部194が検出位置に位置していないとき、液面センサ33の発光部及び受光部の間に、被検出部194が位置していない。液面センサ33は、発光部から出力された光が受光部で受光されたか否かに応じて異なる信号を出力する。液面センサ33は、例えば、受光部で受光された光の受光強度が閾値強度未満であることに応じて、ローレベル信号をコントローラ130へ出力する。一方、液面センサ33は、受光部で受光された光の受光強度が閾値強度以上であることに応じて、ローレベル信号より信号強度の高いハイレベル信号をコントローラ130へ出力する。液面センサ33は、センサの一例である。液面センサ33が出力するローレベル信号は、第1信号の一例である。液面センサ33が出力するハイレベル信号は、第2信号の一例である。
[タンク160]
プリンタ10は、4つのカートリッジ200それぞれに対応して、4つのタンク160を備える。詳細には、マゼンタのインクが貯留されるカートリッジ200に対応して、マゼンタのインクが貯留されるタンク160と、シアンのインクが貯留されるカートリッジ200に対応して、シアンのインクが貯留されるタンク160と、イエローのインクが貯留されるカートリッジ200に対応して、イエローのインクが貯留されるタンク160と、ブラックのインクが貯留されるカートリッジ200に対応して、ブラックのインクが貯留されるタンク160と、を備える。4つのタンク160の構成は、概ね共通するため、以下では、1つのタンク160を説明する。
タンク160は、装着ケース150の奥壁よりさらに後方に位置している。タンク160は、図3に示されるように、上壁161と、前壁162と、下壁163と、後壁164と、不図示の一対の側壁とで構成されている。なお、前壁162は、各々が前後方向8にずれた複数の壁によって構成される。タンク160の内部は、液室171が形成されている。液室171は、第2室の一例である。
タンク160を構成する壁のうち、少なくとも液面センサ33に対面する壁は、透光性を有している。これにより、液面センサ33が出力した光は、液面センサ33に対面する壁を透過することができる。後壁164の少なくとも一部は、上壁161、下壁163、及び側壁の端面に溶着されるフィルムでもよい。また、タンク160の側壁は、装着ケース150と共通でもよいし、装着ケース150とは独立していてもよい。さらに、左右方向9に隣接するタンク160の間は、不図示の隔壁によって仕切られている。
液室171は、流出口174を通じて不図示のインク流路に連通されている。流出口174の下端は、液室171の下端を画定する下壁163によって画定されている。流出口174は、ジョイント180(より詳細には、貫通孔184の下端)より下方に位置している。流出口174に連通された不図示のインク流路は、チューブ19に連通されている。これにより、液室171は、流出口174からインク流路及びチューブ19を通じて、ヘッド21と連通する。つまり、液室171に貯留されたインクは、流出口174からインク流路及びチューブ19を通じて、ヘッド21へ供給される。流出口174に連通されたインク流路及びチューブ19は、一端(図3の流出口174)が液室171に連通され、且つ他端89(図2)がヘッド21に連通されている。チューブ19は、第2流路の一例である。
液室171は、大気連通室175を通じて大気に連通されている。より詳細には、大気連通室175は、前壁162を貫通する貫通孔176を通じて液室171に連通されている。また、大気連通室175は、大気連通ポート177及び大気連通ポート177に接続された不図示のチューブを通じて、プリンタ10の外部に連通されている。すなわち、大気連通室175は、一端(貫通孔176)が液室171に連通され、且つ他端(大気連通ポート177)がプリンタ10の外部に連通されている。なお、大気連通室175は、大気連通ポート177及び不図示のチューブを通じて、大気に連通している。
[ジョイント180]
ジョイント180は、図3に示されるように、ニードル181と、ガイド182とを備えている。ニードル181は、内部に流路が形成された管である。ニードル181は、液室171を画定する前壁162から前方へ突出している。ニードル181の前端には、開口183が形成されている。また、ニードル181の内部空間は、前壁162を貫通する貫通孔184を通じて液室171に連通されている。ニードル181は、一端(開口183)がタンク160の外部に連通され、且つ他端(貫通孔184)が液室171に連通されている。ガイド182は、ニードル181の周囲に配置された円筒形状の部材である。ガイド182は、前壁162から前方に突出して、前端が開口している。
ニードル181の内部空間には、バルブ185と、コイルバネ186とが位置している。バルブ185は、ニードル181の内部空間において、閉塞位置と開放位置との間を、前後方向8に沿って移動可能である。バルブ185は、閉塞位置に位置すると開口183を閉塞する。またバルブ185は、開放位置に位置すると開口183を開放する。コイルバネ186は、バルブ185を開放位置から閉塞位置に移動させる向き、すなわち前後方向8に沿う前向きに付勢している。ニードル181の内部空間は、第1流路の一例である。
[アクチュエータ190]
図3に示されるように、液室171には、アクチュエータ190が位置している。アクチュエータ190は、液室171内に配置された不図示の支持部材によって、矢印198、199の向きに沿って回動可能に支持されている。アクチュエータ190は、図3の実線で示される第1状態と破線で示される第2状態との間を回動することができる。さらに、アクチュエータ190は、不図示のストッパ(例えば、液室171の内壁)によって、実線の位置より矢印198の向きへの回動が規制される。アクチュエータ190は、フロート191と、軸192と、アーム193と、被検出部194とを備える。
フロート191は、液室171に貯留されるインクより比重が小さい材料で形成されている。軸192は、フロート191の右面及び左面から左右方向9に沿って突出している。軸192は、支持部材に形成された不図示の孔に挿入されている。これにより、アクチュエータ190は、軸192を中心として回動可能に支持部材によって支持される。アーム193は、フロート191から略上方へ延びている。被検出部194は、アーム193の先端部に位置している。すなわち、アーム193は、被検出部194と軸192との間に位置する。被検出部194は、上下方向7及び前後方向8それぞれに沿って延びる板状の部材である。被検出部194は、液面センサ33の発光部から出力された光を遮光する材料又は色で形成されている。
液室171に貯留されたインクの液面が基準位置P以上のとき、浮力によって矢印198の向きに回動されたアクチュエータ190は、ストッパによって図3の実線で示される検出位置に保持される。一方、インクの液面が基準位置P未満のとき、アクチュエータ190は、液面の降下に追従して矢印199の向きに回動する。これにより、アクチュエータ190の被検出部194は、検出位置とは異なる位置に移動する。被検出部194は、アクチュエータ190の一部であるため、当該被検出部194は、液室171に貯留されたインクの量に対応する位置に移動する。
基準位置Pは、上下方向7において、ニードル181の軸中心と同じ高さであり、且つ後述するインク供給口234の中心と同じ高さである。しかしながら、基準位置Pは、上下方向7における流出口174より上方の位置であれば、前述の位置に限定されない。他の例として、基準位置Pは、ニードル181の内部空間の上端や下端の高さでもよいし、インク供給口234の上端や下端の高さでもよい。
液室171に貯留されたインクの液面が基準位置P以上のとき、液面センサ33の発光部から出力された光が、検出位置に位置する被検出部194で遮られる。これにより、液面センサ33は、発光部からの光が受光部に到達しないので、ローレベル信号をコントローラ130へ出力する。一方、液室171に貯留されたインクの液面が基準位置P未満のとき、液面センサ33は、発光部から出力された光が受光部に到達するので、ハイレベル信号をコントローラ130へ出力する。すなわち、コントローラ130は、液室171に貯留されたインクの液面が基準位置P以上か否かを、液面センサ33から出力される信号によって検出することができる。基準位置Pは、検出位置の一例である。以下では、ローレベル信号を「L」、ハイレベル信号を「H」として説明する場合がある。
[カートリッジ200]
カートリッジ200は、液体であるインクを内部に貯留する液室210(図2)を有する容器である。液室210は、第1室の一例である。
液室210は、例えば、樹脂製の壁によって画定されている。カートリッジ200は、図4(A)に示されるように、上下方向7及び前後方向8それぞれに沿った寸法が、左右方向9に沿った寸法よりも大きい扁平形状である。なお、異なる色のインクが貯留されるカートリッジ200の外形形状は、同一でもよいし、異なっていてもよい。カートリッジ200を構成する壁のうちの少なくとも一部は、透光性を有している。これにより、ユーザは、カートリッジ200の液室210に貯留されたインクの液面をカートリッジ200の外部から視認することができる。
カートリッジ200は、筐体201と、供給管230とを備える。筐体201は、後壁202と、前壁203と、上壁204と、下壁205と、一対の側壁206、207とで構成されている。なお、後壁202は、各々が前後方向8にずれた複数の壁によって構成されている。また、上壁204は、各々が上下方向7にずれた複数の壁によって構成されている。さらに、下壁205は、各々が上下方向7にずれた複数の壁によって構成されている。
カートリッジ200の内部空間には、図4(B)に示されるように、液室210、インクバルブ室213、及び大気バルブ室214が形成されている。液室210は、上部液室211と、下部液室212とを有する。上部液室211、下部液室212、及び大気バルブ室214は、筐体201の内部空間である。一方、インクバルブ室213は、供給管230の内部空間である。液室210は、インクを貯留する。大気バルブ室214は、液室210とカートリッジ200の外部とを連通させる。
液室210の上部液室211及び下部液室212は、筐体201の内部空間を仕切る隔壁215によって、上下方向7に隔てられている。そして、上部液室211及び下部液室212は、隔壁215に形成された貫通孔216によって連通されている。また、上部液室211及び大気バルブ室214は、筐体201の内部空間を仕切る隔壁217によって隔てられている。そして、上部液室211及び大気バルブ室214は、隔壁217に形成された貫通孔218によって連通されている。さらに、インクバルブ室213は、貫通孔219を通じて下部液室212の下端に連通されている。
大気バルブ室214は、カートリッジ200の上部において、後壁202に形成された大気連通口221を通じてカートリッジ200の外部に連通されている。すなわち、大気バルブ室214は、一端(貫通孔218)が液室210(より詳細には、上部液室211)に連通され、且つ他端(大気連通口221)がカートリッジ200の外部に連通されている。なお、大気バルブ室214は、大気連通口221を通じて、大気に連通している。また、大気バルブ室214には、バルブ222と、コイルバネ223とが位置している。バルブ222は、閉塞位置と開放位置との間を、前後方向8に沿って移動可能である。バルブ222は、閉塞位置に位置すると、大気連通口221を閉塞する。また、バルブ222は、開放位置に位置すると大気連通口221を開放する。コイルバネ223は、バルブ222を開放位置から閉塞位置に移動させる向き、すなわち前後方向8に沿う後ろ向きに付勢している。
カートリッジ200が装着ケース150に装着される過程において、ロッド153が大気連通口221を通じて大気バルブ室214内に進入する。大気バルブ室214内に進入したロッド153は、閉塞位置のバルブ222をコイルバネ223の付勢力に抗して前後方向8に沿う前向きに移動させる。そして、バルブ222が開放位置に移動することによって、上部液室211が大気に連通される。なお、大気連通口221を開放するための構成は、前述の例に限定されない。他の例として、大気連通口221を封止するフィルムをロッド153が突き破る構成でもよい。
供給管230は、筐体201の下部において、後壁202から前後方向8に沿う後ろ向きに突出している。供給管230は、その後端が開口されている。すなわち、インクバルブ室213は、貫通孔219を通じて連通された液室210と、カートリッジ200の外部とを連通させる。インクバルブ室213は、一端(貫通孔219)が液室210(より詳細には下部液室212)と連通され、且つ他端(後述するインク供給口234)がカートリッジ200の外部と連通されている。また、インクバルブ室213には、パッキン231と、バルブ232と、コイルバネ233とが位置している。
パッキン231の中央には、前後方向8に貫通したインク供給口234が形成されている。インク供給口234の内径は、ニードル181の外径より僅かに小さい。バルブ232は、閉塞位置と開放位置との間を、前後方向8に沿って移動可能である。バルブ232は、閉塞位置に位置すると、パッキン231と当接してインク供給口234を閉塞する。また、バルブ232は、開放位置に位置すると、パッキン231から離間してインク供給口234を開放する。コイルバネ233は、バルブ232を開放位置から閉塞位置に移動させる向き、すなわち前後方向8に沿う後ろ向きに付勢している。また、コイルバネ233の付勢力は、コイルバネ186より大きい。
カートリッジ200が装着ケース150に装着される過程において、供給管230がガイド182内に進入し、やがてニードル181がインク供給口234を通じてインクバルブ室213に進入する。このとき、ニードル181は、パッキン231を弾性変形させつつ、インク供給口234を画定する内周面に液密に接触する。カートリッジ200が装着ケース150へさらに挿入されると、ニードル181は、バルブ232をコイルバネ233の付勢力に抗して前向きに移動させる。また、バルブ232は、ニードル181の開口183から突出するバルブ185を、コイルバネ186の付勢力に抗して後ろ向きに移動させる。
これにより、図5に示されるように、インク供給口234及び開口183が開放されて、供給管230のインクバルブ室213と、ニードル181の内部空間とが連通される。
また、装着ケース150にカートリッジ200が装着された状態において、液室210の一部と、液室171の一部とは、水平方向から見て互いに重なる。さらに、液室210の底部よりも液室171の底部の方が、下方に位置している。その結果、液室210に貯留されたインクは、接続された供給管230及びジョイント180を通じて、液室210の水頭と液室171の水頭との差によってタンク160の液室171に流出する。
図4に示されるように、上壁204の外面で且つ突起241より後方には、遮光リブ245が形成されている。遮光リブ245は、上壁204の外面から上方に突出し且つ前後方向8に沿って延びている。遮光リブ245は、装着センサ32の発光部から出力される光を遮光する材料又は色で形成されている。遮光リブ245は、装着ケース150にカートリッジ200が装着された状態において、装着センサ32の発光部から受光部に至る光路上に位置する。すなわち、装着センサ32は、装着ケース150にカートリッジ200が装着されていることに応じて、ローレベル信号をコントローラ130(図6)に出力する。一方、装着センサ32は、装着ケース150にカートリッジ200が装着されていないことに応じて、ハイレベル信号をコントローラ130に出力する。すなわち、コントローラ130は、装着ケース150にカートリッジ200が装着されているか否かを、装着センサ32から出力される信号によって検出することができる。
図5に示されるように、上壁204の外面で且つ前後方向8における遮光リブ245及び突起241の間には、ICチップ34が位置している。ICチップ34には、電極248が形成されている。また、ICチップ34は、不図示のメモリを備える。電極248は、ICチップ34のメモリと電気的に接続されている。電極248は、ICチップ34の上面において、接点152と導通可能に露出されている。すなわち、カートリッジ200が装着ケース150に装着された状態において、電極248は、接点152と導通する。コントローラ130は、接点152及び電極248を通じてICチップ34のメモリから情報を読み出し、接点152及び電極248を通じてICチップ34のメモリに情報を書き込むことができる。
ICチップ34のメモリは、カートリッジ200の種別情報、シリアル番号、及びカートリッジ残量値を記憶する。種別情報とは、カートリッジ200が小容量カートリッジであるか、又は、大容量カートリッジであるか、貯留するインクの色などを示す情報である。シリアル番号は、カートリッジ200を個々に識別する情報である。カートリッジ残量値は、カートリッジ200が貯留するインクの量を示す値である。なお、未使用のカートリッジ200では、カートリッジ残量値は、初期インク残量を示す初期残量値がメモリに記憶されている。ICチップ34のメモリは、第2メモリの一例である。シリアル番号は、識別情報の一例である。
[コントローラ130]
プリンタ10は、コントローラ130を備える。コントローラ130は、図6に示されるように、CPU35、記憶部36、及び通信バス39を備えている。記憶部36は、ROM37、EEPROM61、及びRAM62を有する。記憶部36は、第1メモリの一例である。
ROM37は、OS(Operating Systemの略)37Aや、制御プログラム37Bなどを記憶する。制御プログラム37Bは、後述の画像形成処理や表示処理などを行うプログラムである。OS37A及び制御プログラム37Bは、CPU35によって、アドレスに記述された命令が処理されることによって実行される。以下では、OSプログラム37A及び制御プログラム37Bが実行されることによって処理される動作を、コントローラ130の動作として記載することがある。なお、コントローラ130は、OS37A及び制御プログラム37Bが実行する動作の一部または全部を実現するICを用いたハード回路を有していてもよい。
EEPROM61は、プリンタ10の装置情報を記憶する。装置情報は、プリンタ10の識別情報を含む。プリンタ10の識別情報は、プリンタ10のMACアドレスやシリアル番号などである。
また、EEPROM61は、第1排出値、第2排出値、初期カートリッジ残量値、初期タンク残量値、S_Emptyフラグ、及びC_Emptyフラグを記憶する。詳しくは、後述する。
通信バス39には、ヘッド21や、装着センサ32や、液面センサ33や、接点152や、ディスプレイ28や、不図示のモータなどが接続されている。
コントローラ130は、通信バス39を通じて不図示のモータを駆動させることによって、給送ローラ23、搬送ローラ25、及び排出ローラ27を回転させる。また、コントローラ130は、通信バス39を通じてヘッド21の駆動素子に駆動信号を出力することによって、ヘッド21からインク滴を吐出させる。
また、コントローラ130は、装着ケース150にカートリッジ200が装着されているか否かを装着センサ32を通じて検出する。さらに、コントローラ130は、液室171に貯留されたインクの液面が基準位置P以上か否かを液面センサ33を通じて検出する。
また、コントローラ130は、装着ケース150に装着されたカートリッジ200の電極248と、接点152とを通じて、ICチップ34のメモリに記憶されたカートリッジ残量値を読み出す。さらに、コントローラ130は、装着ケース150に装着されたカートリッジ200の電極248と、接点152とを通じて、ICチップ34のメモリに記憶されたカートリッジ残量値の値を更新する。
[プリンタ10のコントローラ130が実行する処理]
図7〜図13に示されるフローチャートを参照して、プリンタ10のコントローラ130が実行する処理を説明する。なお、以下の各処理の実行順序は、本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜変更することができる。
[画像形成処理]
コントローラ130は、プリンタ10に印刷指示が入力されたことに応じて、図7に示される画像形成処理を実行する。印刷指示の取得元は特に限定されないが、例えば、印刷指示に対応するユーザ操作を操作パネル22やディスプレイ28を通じて受け付けてもよいし、通信I/F31を通じて外部装置から受信してもよい。印刷指示には、画像を示す画像データが含まれる。当該画像データは、プリンタ10のRAM62に記憶される。なお、画像形成処理は、各色のカートリッジ200及びタンク160に対して、それぞれ実行される。
まず、コントローラ130は、EEPROM61が記憶しているS_Emptyフラグの値が「ON」であるか「OFF」であるかを判断する(S11)。コントローラ130は、タンク160の液室171に貯留されたインクの液面が、タンク160からインクが流出する流出口174の上端に達する前にEEPROM61のS_Emptyフラグに「ON」を記憶させる。EEPROM61のS_Emptyフラグの値は、「ON」を記憶するまでは「OFF」を記憶している。なお、流出口174の上端にインクの液面が達すると、ヘッド21のノズルにエア(空気)が進入してしまう虞がある。ヘッド21のノズルに進入したエアがノズル内に滞留すると、ノズル内へのインクの進入が阻害されたり、ノズルからのインク滴の吐出が阻害されたりする虞が生じる。
すなわち、S_Emptyフラグは、ヘッド21のノズルにエアが進入することを防止するためのものである。コントローラ130は、後述のステップS14において、EEPROM61のS_Emptyフラグに「OFF」を記憶させ、ステップS65において、EEPROM61のS_Emptyフラグに「ON」を記憶させる。フローチャートには示されていないが、コントローラ130は、EEPROM61のS_Emptyフラグの値が「ON」であることに応じて、ヘッド21を通じたインクの排出を禁止する。また、コントローラ130は、EEPROM61のS_Emptyフラグの値が「OFF」であることに応じて、ヘッド21を通じたインクの排出を許容する。
コントローラ130は、EEPROM61のS_Emptyフラグの値が「ON」であると判断すると(S11:ON)、装着ケース150に装着されたカートリッジ200が他のカートリッジ200に交換されたか否かを判断する(S12)。カートリッジ200が他のカートリッジ200に交換されたか否かの判断は、後述の表示処理(図9)で詳しく説明する。
コントローラ130は、カートリッジ200が装着されていないと判断すると(S12:No)、装着センサ32から装着信号の定期的な取得を継続する。コントローラ130は、カートリッジ200が装着されたと判断すると(S12:Yes)、第1更新処理(S13)を実行する。なお、コントローラ130が、カートリッジ200が装着されたか否かを判断する具体例として、ステップS12の処理を挙げたが、これに限られない。例えば、ICチップ34のメモリから読み出したシリアル番号を用いてカートリッジ200が装着されたか否かが判断されてもよい。コントローラ130は、カートリッジ200のICチップ34のメモリからカートリッジ200のシリアル番号を読み出す。そして、コントローラ130は、読み出したシリアル番号と、EEPROM61が記憶しているシリアル番号とが一致するか否かを判断する。EEPROM61が記憶しているシリアル番号とは、装着ケース150に新しいカートリッジ200が装着される前に装着ケース150に装着されていたカートリッジ200のICチップ34のメモリが記憶しているシリアル番号である。この場合、コントローラが、カートリッジ200が装着されたと判断するときの具体例は、コントローラ130は、ICチップ34のメモリから読み出したシリアル番号と、EEPROM61が記憶しているシリアル番号とが一致しないと判断することである。
[第1更新処理]
図8(A)に示される第1更新処理は、コントローラ130が、EEPROM61に記憶された初期カートリッジ残量値及び初期タンク残量値と、カートリッジ200のICチップ34に記憶されたカートリッジ残量値とを更新する処理である。
まず、コントローラ130は、接点152を通じて、装着ケース150に装着されたカートリッジ200のICチップ34のメモリから、当該ICチップ34のメモリが記憶するカートリッジ残量値を読み出す(S31)。コントローラ130は、読み出したカートリッジ残量値を初期カートリッジ残量値としてEEPROM61に記憶させる(S32)。カートリッジ残量値をICチップ34のメモリから読み出すステップS31の処理は、取得処理の一例である。
また、コントローラ130は、タンク残量値をRAM62から読み出す(S33)。なお、電源オフなどによってRAM62にタンク残量値が記憶されていない場合、コントローラ130は、後述の第4更新処理と同様にして、タンク残量値を算出し、当該算出したタンク残量値をRAM62に記憶する。RAM62から読み出されるタンク残量値は、カートリッジ200が装着される直前にタンク160の液室171に貯留されていたインク残量を示す値である。換言すれば、タンク残量値は、カートリッジ200が抜かれた際にタンク160の液室171に貯留されていたインク残量を示す値である。コントローラ130は、RAM62から読み出したタンク残量値を初期タンク残量値としてEEPROM61に記憶させる(S33)。
コントローラ130は、初期カートリッジ残量値及び初期タンク残量値を加算し、インクの総残量を示す総残量値を算出する(S34)。コントローラ130は、算出した総残量値から、新たなカートリッジ残量値及びタンク残量値を決定する(S35)。
具体的に説明すると、新たなカートリッジ200が装着ケース150に装着されると、カートリッジ200の液室210から、当該液室210に貯留されていたインクの一部がタンク160の液室171へと流出する。カートリッジ200の液室210からタンク160の液室171へのインクの流出は、カートリッジ200の液室210に貯留されたインクの水頭と、タンク160の液室171に貯留されたインクの水頭との差がほぼ無くなると、停止する。新たなカートリッジ残量値及び新たなタンク残量値は、カートリッジ200の液室210に貯留されたインクの水頭と、タンク160の液室171に貯留されたインクの水頭との差がほぼ無くなった状態でのインク残量を示す。
カートリッジ残量値及びタンク残量値は、例えばコントローラ130が、EEPROM61やROM37が記憶する計算式に基づく算出をすることで決定してもよい。或いは、カートリッジ残量値及びタンク残量値は、例えばコントローラ130が、EEPROM61やROM37が記憶するテーブルに基づいて決定してもよい。具体的に説明すると、カートリッジ200の液室210の形状及びタンク160の液室171の形状は、設計によって予め決められる。したがって、インクの総残量値が判れば、カートリッジ200に貯留されたインクの水頭とタンク160に貯留されたインクの水頭との差がほぼ無くなった状態におけるカートリッジ残量値及びタンク残量値も判る。EEPROM61やROM37は、総残量値からカートリッジ残量値及びタンク残量値を計算する計算式を予め記憶している。或いは、EEPROM61やROM37は、総残量値とカートリッジ残量値とタンク残量値との対応が示されたテーブルを予め記憶している。コントローラ130は、インクの総残量値と、当該計算式やテーブルと、により、新たなカートリッジ残量値及び新たなタンク残量値を決定する。
コントローラ130は、決定した新たなカートリッジ残量値をRAM62に記憶させるとともに、ICチップ34のメモリに記憶されたカートリッジ残量値を更新する(S36)。また、コントローラ130は、決定した新たなタンク残量値をRAM62に記憶させる(S37)。第1更新処理は、残量決定処理の一例である。
コントローラ130は、図7に示されるように、第1更新処理が終了すると(S13)、EEPROM61のS_Emptyフラグに「OFF」を記憶させ、EEPROM61のC_Emptyフラグに「OFF」を記憶させ、EEPROM61の第1排出値及び第2排出値としてゼロを記憶させる(S14)。なお、C_Emptyフラグ、第1排出値、及び第2排出値については後述する。コントローラ130は、ステップS14の処理の実行後、ステップS11の処理を再度実行する。
コントローラ130は、EEPROM61のS_Emptyフラグの値が「OFF」であると判断すると(S11:OFF)、液面センサ33からの信号(以下、液面信号と記載)を取得する(S15)。その後、コントローラ130は、RAM62が記憶する画像データに従って、シートに印刷を行う(S16)。画像がシートに印刷されることにより、インクがヘッド21を通じて排出される。インクが排出されたことにより、タンク160におけるインクの液面が下がる。コントローラ130は、印刷の実行後(S16)、液面センサ33から液面信号を取得する(S17)。次に、コントローラ130は、ステップS15で取得した液面信号とステップS17で取得した液面信号との判断をする(S18)。以下、コントローラ130が、液面センサ33から取得するローレベル信号を「L」と記載することがある。また、コントローラ130が、液面センサ33から取得するハイレベル信号を、「H」と記載することがある。
コントローラ130は、ステップS15及びS17で取得した液面信号がともに「L」であると判断すると(S18:L→L)、第2更新処理(S19)を実行する。ステップS18で、コントローラ130が、ステップS15及びS17で取得した液面信号がともに「L」であると判断した際は、タンク160の液室171に貯留されたインクは、以下の状態である。すなわち、印刷の実行(S16)前のタンク160の液室171に貯留されたインクの液面の位置が基準位置P以上(ステップS15で取得した液面信号が「L」)である。及び、印刷の実行(S16)後のタンク160の液室171に貯留されたインクの液面の位置が基準位置P以上(ステップS17で取得した液面信号が「L」)である。すなわち、印刷の実行(S16)後、コントローラ130がステップS17で取得した液面信号が「L」である際の、カートリッジ200の液室210には、インクが存在している。
[第2更新処理]
図8(B)に示される第2更新処理は、コントローラ130が、印刷やメンテナンスにおいてヘッド21を通じて排出されたインクの量を示す第1排出値から、新たなカートリッジ残量値及びタンク残量値を決定する処理である。第1排出値は、例えば、ヘッド21に吐出させるインク1滴の量に、当該インク1滴が吐出される回数を乗じた値である。コントローラ130は、ヘッド21にインクの吐出を指示するごとに、指示に応じた第1排出値をカウントする。コントローラ130は、カートリッジ200の装着後から現在までにヘッド21が吐出した量に相当する第1排出値をカウントする。すなわち、第1排出値は、カートリッジ200の装着後から現在までにヘッド21が吐出したインクの量の積算値である。この第1排出値は、EEPROM61が記憶している。
まず、コントローラ130は、初期カートリッジ残量値と初期タンク残量値とをEEPROM61から読み出す(S41)。次に、コントローラ130は、読み出した初期カートリッジ残量値と初期タンク残量値とを加算して総残量値を算出する(S42)。コントローラ130は、算出した総残量値から第1排出値を減算し、新たな総残量値を算出する(S43)。その後、コントローラ130は、上述と同様に、計算式やテーブルを用いて新たなカートリッジ残量値及び新たなタンク残量値を決定する(S44)。
コントローラ130は、決定した新たなカートリッジ残量値をRAM62に記憶させるとともに、ICチップ34に記憶されたカートリッジ残量値を更新する(S45)。また、コントローラ130は、決定した新たなタンク残量値をRAM62に記憶させ(S46)、第2更新処理を終了する。
コントローラ130は、図7に示されるように、第2更新処理(S19)が終了すると、次ページの画像データがRAM62に記憶されているか否かを判断する(S22)。コントローラ130は、次ページの画像データがRAM62に記憶されていると判断すると(S22:Yes)、ステップS11の処理を再び実行する。コントローラ130は、次ページの画像データがRAM62に記憶されていないと判断すると(S22:No)、画像形成処理を終了する。
なお、上述したカートリッジ残量値及びタンク残量値の決定方法は一例であり、他の方法によってカートリッジ残量値及びタンク残量値が決定されてもよい。
コントローラ130は、EEPROM61のS_Emptyフラグの値が「OFF」であると判断すると(S11:OFF)、再び、ステップS15からS18までの処理を実行する。コントローラ130は、ステップS15で取得した液面信号が「L」であり、且つステップS17で取得した液面信号が「H」であると判断すると(S18:L→H)、第3更新処理(S20)を実行する。ステップS18で、コントローラ130が、ステップS15で取得した液面信号が「L」であり、且つS17で取得した液面信号が「H」であると判断した際は、タンク160の液室171に貯留されたインクは、以下の状態である。すなわち、印刷の実行(S16)前のタンク160の液室171に貯留されたインクの液面の位置が基準位置P以上(ステップS15で取得した液面信号が「L」)である。及び、印刷の実行(S16)後のタンク160の液室171に貯留されたインクの液面の位置が基準位置P未満(ステップS17で取得した液面信号が「H」)である。すなわち、印刷の実行(S16)中に、カートリッジ200の液室210内にあったインクが存在しなくなったのである。換言すれば、印刷の実行(S16)中にカートリッジ200の液室210に貯留されたインクが使い切られたことを意味する。
[第3更新処理]
図8(C)に示される第3更新処理は、コントローラ130が、初期カートリッジ残量値を第1所定値に更新し、かつ初期タンク残量値を第2所定値に更新する処理である。具体的に説明すると、印刷などによってヘッド21を通じて排出されたインクの量を示す第1排出値は、誤差を含む。第3更新処理は、第1排出値の誤差をリセットする処理である。
具体的に説明すると、コントローラ130は、ICチップ34のメモリに記憶された初期カートリッジ残量値を第1所定値で更新する(S51)。第1所定値は、例えば「ゼロ」である。また、コントローラ130は、初期タンク残量値を第2所定値としてRAM62及びEEPROM61に記憶させる(S52)。第2所定値は、基準位置Pにインクの液面がある場合にタンク160の液室171に貯留されているインクの量を示す値である。第1所定値及び第2所定値は、例えば、ROM37に予め記憶される。
次に、コントローラ130は、EEPROM61のC_Emptyフラグに「ON」を記憶させ(S53)、第3更新処理を終了する。
コントローラ130は、図7に示されるように、第3更新処理(S20)が終了すると、次ページの画像データがRAM62に記憶されているか否かを判断する(S22)。コントローラ130は、次ページの画像データがRAM62に記憶されていると判断すると(S22:Yes)、ステップS11の処理を再び実行する。コントローラ130は、次ページの画像データがRAM62に記憶されていないと判断すると(S22:No)、画像形成処理を終了する。
コントローラ130は、ステップS11の処理で、EEPROM61のS_Emptyフラグの値が「OFF」であると判断すると(S11:OFF)、再び、ステップS15からS18までの処理を実行する。コントローラ130は、ステップS15及びS17で取得した液面信号がともに「H」であると判断すると(S18:H→H)、第4更新処理(S21)を実行する。ステップS18で、コントローラ130が、ステップS15及びS17で取得した液面信号が共に「H」であると判断した際は、タンク160の液室171に貯留されたインクは、以下の状態である。すなわち、印刷の実行(S16)前のタンク160の液室171に貯留されたインクの液面の位置が基準位置P未満(ステップS15で取得した液面信号が「H」)である。及び、印刷の実行(S16)後のタンク160の液室171に貯留されたインクの液面の位置が基準位置P未満(ステップS17で取得した液面信号が「H」)である。すなわち、印刷の実行(S16)の前後で、コントローラ130が、カートリッジ200の液室210には、インクが存在していない。
[第4更新処理]
図8(D)に示される第4更新処理は、コントローラ130が、タンク残量値を算出し、さらに、印刷を禁止するか否かを判断する処理である。まず、コントローラ130は、第2所定値に更新された初期タンク残量値をEEPROM61から読み出す(S61)。コントローラ130は、読み出した初期タンク残量値から第2排出値を減算し、新たなタンク残量値を算出する(S62)。第2排出値は、第1排出値と同様に、例えば、ヘッド21に吐出させるインク1滴の量に、当該インク1滴が吐出される回数を乗じた値である。第2排出値は、カウント値の一例である。第2排出値をEEPROM61に記憶させる処理は、第2記憶処理の一例である。
コントローラ130は、ヘッド21にインクの吐出を指示するごとに、指示に応じた第2排出値をカウントする。コントローラ130は、液面センサ33から取得した液面信号が「L」から「H」に変化した後から、現在までにヘッド21が排出したインクの量を示す第2排出値をカウントする。すなわち、第2排出値は、液面センサ33から取得した液面信号が「L」から「H」に変化した後から現在までにヘッド21が排出したインクの量の積算値である。この第2排出値は、EEPROM61が記憶している。コントローラ130は、算出した新たなタンク残量値を、RAM62に記憶させる(S63)。
次に、コントローラ130は、カウントした第2排出値が閾値に到達したか否かを判断する(S64)。閾値は、ROM37やEEPROM61に予め記憶された値である。コントローラ130は、カウントした第2排出値が閾値に到達していないと判断すると(S64:Yes)、第4更新処理を終了する。一方、コントローラ130は、カウントした第2排出値が閾値に到達したと判断すると(S64:No)、EEPROM61のS_Emptyフラグに「ON」を記憶させ(S65)、第4更新処理を終了する。フローチャートには示されていないが、コントローラ130は、EEPROM61のS_Emptyフラグに「ON」が記憶されていると判断すると、印刷及びメンテナンスを含めて、ヘッド21を通じたインクの排出を禁止する。第2排出値が閾値に到達したか否かを判断するステップS64の処理は、第5判断処理の一例である。ヘッド21を通じたインクの排出を禁止する処理は、禁止処理の一例である。
閾値は、第2排出値が閾値に到達したときに、タンク160の液室171に貯留されたインクの液面が流出口174よりも若干上の位置になるような値とされる。詳しく説明すると、液面センサ33が検知する設計上の基準位置Pと、液面センサ33が実際に検知する基準位置Pとの間には、誤差がある場合がある。この誤差は、例えば、アクチュエータ190の動作の不具合等で発生したりする。閾値は、当該誤差が設計時に想定し得る最大の誤差であっても、第2排出値が閾値に到達したときに、タンク160の液室171に貯留されたインクの液面が流出口174に重ならないような値とされる。コントローラ130が、ヘッド21を通じたインクの排出を禁止することにより、ヘッド21にエアが混入すること(以下、エアインとも記載する)が抑制される。
コントローラ130は、図7に示されるように、第4更新処理(S21)が終了すると、次ページがRAM62に記憶されているか否かを判断する(S22)。コントローラ130は、次ページがRAM62に記憶されていると判断すると(S22:Yes)、ステップS11の処理を再び実行する。コントローラ130は、次ページがRAM62に記憶されていないと判断すると(S22:No)、画像形成処理を終了する。
上述のように、コントローラ130は、ステップS16の印刷を実行する度に、印刷に使用したインクの量に応じてカートリッジ残量値及びタンク残量値を決定する。なお、上述では、コントローラ130が、1ページ分の印刷を実行する度にカートリッジ残量値及びタンク残量値を決定する例を説明した。これに代えて、コントローラ130は、カートリッジ残量値及びタンク残量値を、1パスの印刷を実行する度に決定してもよい。また、コントローラ130は、第2更新処理、第3更新処理、及び第4更新処理を、印刷だけでなく、メンテナンスなどのためにヘッド21を通じてインクが排出されるごとに実行する。
コントローラ130は、カートリッジ200が交換される場合、図9から図13に示される表示処理を実行する。以下、表示処理について、詳しく説明する。
[表示処理]
まず、コントローラ130は、待機画面をディスプレイ28に表示させる(S71)。ステップS71でディスプレイ28に表示される待機画面は、図14(A)に示される待機画面において、第1オブジェクト101を含まない画面である。待機画面は、複数の機能オブジェクト100と、カートリッジ200内のインク残量を示す第8オブジェクト108とを有する。第1オブジェクト101については後述する。
図9に示されるように、コントローラ130は、カバー87が開かれたか否かを判断する(S72)。具体的には、コントローラ130は、カバーセンサ88が出力する信号を定期的に取得し、カバーセンサ88が出力する信号がローレベル信号(以下、「L」とも記載する)からハイレベル信号(以下、「H」とも記載する)に変化したか否かを判断する。コントローラ130は、カバー87が開かれていないと判断すると(S72:No)、すなわち、定期的に取得するカバーセンサ88の出力が「L」のままであると判断すると、待機画面を継続してディスプレイ28に表示させる。一方、コントローラ130は、カバー87が開かれたと判断すると(S72:Yes)、すなわち、定期的に取得するカバーセンサ88の出力が「L」から「H」に変化したと判断すると、図14(B)に示されるカバー開画面をディスプレイ28に表示させる(S73)。
カバー開画面は、カバー87が開いた状態のプリンタ10を示す第9オブジェクト109と、「インクカバーを閉じてください」の文字とを有する。カバー開画面は、カバー87が開いていることをユーザに認識させ、カバー87を閉じることをユーザに促す。
フローチャートには示されていないが、コントローラ130は、カバー開画面をディスプレイ28に表示させた後、ステップS72と同様の処理を実行し、カバー87が閉じられたか否かを判断する。コントローラ130は、カバー87が閉じられたと判断すると、待機画面をディスプレイ28に再び表示させる(S71)。コントローラ130は、カバー87が閉じられていないと判断すると、カバー開画面をディスプレイ28に継続して表示させる。
次に、コントローラ130は、カートリッジ200が装着ケース150から外された否かを判断する(S74)。具体的には、装着センサ32が出力する信号を定期的に取得し、装着センサ32が出力する信号が、「L」から「H」に変化したか否かを判断する。或いは、コントローラ130は、接点152を通じてカートリッジ200のICチップ34のメモリに定期的にアクセスを試み、ICチップ34のメモリにアクセス可能か否かを判断する。コントローラ130は、カートリッジ200が装着ケース150から外されていないと判断すると(S74:No)、具体的には、装着センサ32の出力が「L」から「H」に変化していないと判断すると、カバー開画面(図14(B))をディスプレイ28に継続して表示させる(S73)。一方、コントローラ130は、カートリッジ200が装着ケース150から外されたと判断すると(S74:Yes)、具体的には、装着センサ32が出力する信号が「L」から「H」に変化したと判断すると、図15(A)に示されるカートリッジ装着画面をディスプレイ28に表示させる(S75)。
カートリッジ装着画面は、カバー87が開いた状態のプリンタ10及びカートリッジ200とを示す第10オブジェクト110と、「インクをセットしてください」の文字と、カートリッジ200を示す文字(図示例では、「Bk」「M」「C」「Y」)と、「インクを奥までしっかりと押し込んでください」の文字とを有する。カートリッジ装着画面は、カートリッジ200を装着ケース150に装着することをユーザに促す。
次に、コントローラ130は、図9に示されるように、カートリッジ200が装着ケースに装着されたか否かを判断する(S76)。具体的には、コントローラ130は、装着センサ32が出力する信号が「H」から「L」に変化したか否かを判断する。或いは、コントローラ130は、接点152を通じてICチップ34のメモリにアクセス可能か否かを判断する。コントローラ130は、カートリッジ200が装着ケース150に装着されていないと判断すると(S76:No)、具体的には、装着センサ32が出力する信号が「H」から「L」に変化していないと判断すると、カートリッジ装着画面をディスプレイ28に継続して表示させる(S75)。一方、コントローラ130は、カートリッジ200が装着ケース150に装着されたと判断すると(S76:Yes)、具体的には、装着センサ32が出力する信号が「H」から「L」に変化したと判断すると、カバー開画面(図14(B))をディスプレイ28に再び表示させる(S77)。
次に、コントローラ130は、カバー87が閉じられたか否かを判断する(S78)。具体的には、コントローラ130は、カバーセンサ88が出力する信号が「H」から「L」に変化したか否かを判断する。コントローラ130は、カバー87が閉じられていないと判断すると(S78:No)、カバー開画面をディスプレイ28に継続して表示させる。一方、コントローラ130は、カバー87が閉じられたと判断すると(S78:Yes)、具体的には、カバーセンサ88の出力が「H」から「L」に変化したと判断すると、接点152を通じて、カートリッジ200のICチップ34のメモリから、シリアル番号を読み出す(S79)。
コントローラ130は、ステップS79で読み出したシリアル番号が、EEPROM61に記憶されたシリアル番号と一致するか否かを判断する(S80)。EEPROM61には、交換前のカートリッジ200のICチップ34のメモリから読み出したシリアル番号が記憶されている。すなわち、ステップS80では、ステップS76で装着ケース150に装着されたカートリッジ200が、装着ケース150に装着されていた元のカートリッジ200か、他のカートリッジ200かが判断される。
コントローラ130は、シリアル番号が一致すると判断すると(S80:Yes)、すなわち、カートリッジ200が他のカートリッジ200に交換されていないと判断すると、ステップS141(図13)の処理を実行する。ステップS141の処理については後述する。一方、コントローラ130は、シリアル番号が一致しないと判断すると(S80:No)、すなわち、カートリッジ200が他のカートリッジに交換されたと判断すると、ステップS79で読み出したシリアル番号を、EEPROM61に記憶されたシリアル番号に上書きする(S81)。カートリッジ200が交換されたか否かを判断するステップS80の処理は、第1判断処理の一例である。シリアル番号をEEPROM61に記憶させるステップS81の処理は、第1記憶処理の一例である。
次に、コントローラ130は、液面センサ33が出力する信号が、「L」か否かを判断する(S82)。すなわち、ステップS82では、インクが残っているカートリッジ200が装着ケース150から外されたか否かが判断される。判断する液面センサ33の信号は、ステップS76でカートリッジ200が装着ケース150に装着される前に液面センサ33が出力してEEPROM61に記憶されていた信号でもよいし、ステップS81の後に新たに取得された信号であってもよい。液面センサ33が出力する信号が、「L」か否かを判断するステップS82の処理は、第2判断処理の一例である。
コントローラ130は、液面センサ33が出力した信号が「L」であると判断すると(S82:Yes)、すなわち、インクが残ったカートリッジ200が他のカートリッジ200に交換されたと判断すると、後述のステップS141(図13)の処理を実行する。一方、コントローラ130は、液面センサ33が出力する信号が「L」でないと判断すると、すなわち、インクが残っていないカートリッジ200が新しいカートリッジ200に交換されたと判断すると、図10に示されるように、タイマカウンタをスタートさせ(S91)、次いで、図14(A)に示される待機画面をディスプレイ28に表示させる(S92)。図14(A)に示される待機画面をディスプレイ28に表示させるステップS92の処理は、第1表示処理の一例である。図14(A)に示される待機画面は、第1画面の一例である。タイマカウンタをスタートさせるステップS91の処理は、第1カウント処理の一例である。
待機画面は、「インク流入中 カートリッジを抜かないでください(マゼンタ)」の文字である第1オブジェクト101を有する。第1オブジェクト101は、左に向かって移動しながらディスプレイ28に表示される。すなわち、第1オブジェクト101は、スクロール表示される。図示例では、「インク流入中 カートリッジ」までが表示されている。第1オブジェクト101は、装着ケース150に装着されたカートリッジ200からタンク160にマゼンタのインクが流入中であることをユーザに認識させる。また、第1オブジェクト101は、カートリッジ200を装着ケース150から外さない旨をユーザに認識させる。
コントローラ130は、装着ケース150に装着されたカートリッジ200からタンク160にインクが流入してタンク160内のインクの液面が上昇し、液面センサ33が出力する信号が「H」から「L」に変化するまでの時間である流入予定時間を決定する(S93)。具体的には、コントローラ130は、上述の更新処理(図8)でRAM62に記憶させたタンク残量値をRAM62から読み出し、読み出したタンク残量値に基づいて、流入予定時間を決定する(S93)。例えば、タンク残量値と流入予定時間との対応が示されたテーブルがEEPROM61に予め記憶される。または、タンク残量値から流入予定時間を算出する計算式がEEPROM61に予め記憶される。すなわち、流入予定時間は、EEPROM61に記憶された第2排出値に基づいて決定される。流入予定時間を決定するステップS93の処理は、第1決定処理の一例である。
次に、コントローラ130は、ステップS91でカウントを開始したタイマカウンタのカウント値が流入予定時間を超えたか否かを判断する(S94)。すなわち、装着ケース150に装着されたカートリッジ200からタンク160にインクが流入中であるか否かが判断される。コントローラ130は、カウント値が流入予定時間以下であり、インクが流入中であると判断すると(S94:No)、図11に示されるように、カートリッジ200が装着ケース150から外されたか否かを判断する(S101)。具体的には、ステップS74と同様にして、カートリッジ200が装着ケース150から外されたか否かを判断する。タイマカウント値が流入予定時間を超えたか否かを判断するステップS94の処理は、第6判断処理の一例である。交換されたカートリッジ200が装着ケース150から外されたか否かを判断するステップS101の処理は、第4判断処理の一例である。なお、カートリッジ200からタンク160へのインクの流入における時間の誤差を勘案して、タイマカウンタのカウント値から所定の値を引いた値が流入予定時間を超えたか否かを判断してもよい。タイマカウンタのカウント値から所定の値を引いた値は、第1カウント処理でカウントした計測時間に応じた時間の一例である。
コントローラ130は、カートリッジ200が装着ケース150から外されていないと判断すると(S101:No)、待機画面(図14(A))において第1オブジェクト101がタップされたか否かを判断する(S110)。コントローラ130は、待機画面において第1オブジェクト101がタップされたと判断すると(S110:Yes)、図15(B)に示されるインク流入中画面をディスプレイ28に表示させる(S111)。インク流入中画面をディスプレイ28に表示させるステップS111の処理は、第3表示処理の一例である。
インク流入中画面は、カートリッジ200及びタンク160を有するプリンタ10を示す第11オブジェクト111と、「インク流入中 カートリッジを抜かないでください」の文字である第2オブジェクト102と、「閉じる」アイコン120とを有する。インク流入中画面は、装着ケース150に装着されたカートリッジ200からタンク160にインクが流入中であること、及び、装着ケース150からカートリッジ200を抜かない旨をユーザに認識させる。インク流入中画面は、第2画面の一例である。
図11に示されるように、コントローラ130は、インク流入中画面において、「閉じる」アイコン120がタップされたか否かを判断する(S112)。コントローラ130は、「閉じる」アイコン120がタップされていないと判断すると(S112:No)、インク流入中画面を継続してディスプレイ28に表示させる(S111)。一方、コントローラ130は、「閉じる」アイコン120がタップされたと判断すると(S112:Yes)、待機画面(図14(A))を再度、ディスプレイ28に表示させる(S113)。
一方、コントローラ130は、ステップS110において、待機画面で第1オブジェクト101がタップされていないと判断すると(S110:No)、ステップS94(図10)の処理を再度実行する。すなわち、待機画面をディスプレイ28に表示させている間、カートリッジ200からタンク160へインクが流入中であるか否かが判断される。なお、フローチャートには示されていないが、インク流入中画面をディスプレイ28に表示させている間も、ステップS94の処理、すなわち、カートリッジ200からタンク160へインクが流入中であるか否かが判断される。
一方、コントローラ130は、ステップS101において、カートリッジ200が装着ケース150から外されたと判断すると(S101:Yes)、図16(A)に示される再装着画面をディスプレイ28に表示させる(S102)。
再装着画面は、「インクの流入が完了していません」の文字と、「同じカートリッジをさし直してください 違うカートリッジをささないでください」の文字である第3オブジェクト103と、「閉じる」アイコン121とを有する。再装着画面は、装着ケース150から外されたカートリッジ200と同じカートリッジ200を装着ケース150に再度装着することをユーザに促す。第3オブジェクト103を有する再装着画面をディスプレイ28に表示させるステップS102の処理は、第4表示処理の一例である。
また、コントローラ130は、図11に示されるように、カートリッジ200が装着ケース150から外されたことに応じて(101:Yes)、ステップS91でカウントを開始したタイマカウンタによる計時を一時停止させる(S103)。そして、コントローラ130は、再装着画面にしたがって、ユーザが、装着ケース150から外したカートリッジ200と同じカートリッジ200を装着ケース150に装着したか否かを判断する(S104)。具体的には、コントローラ130は、カートリッジ200のICチップ34のメモリに定期的にアクセスし、当該メモリにアクセスできたことにより、装着ケース150にカートリッジ200が装着されたと判断する。
コントローラ130は、カートリッジ200が装着ケース150に装着されるまで(S104:No)、カートリッジ200のICチップ34のメモリに定期的にアクセスを試みる。一方、コントローラ130は、カートリッジ200が装着ケース150に装着されたと判断すると(S104:Yes)、ステップS103で一時停止させたタイマカウンタの計時を再開する(S105)。
次に、コントローラ130は、装着ケース150に装着されたカートリッジ200が、装着ケース150から外された元のカートリッジ200であるか否かを判断する(S106)。具体的には、コントローラ130は、アクセスできたICチップ34のメモリからシリアル番号を読み出し、読み出したシリアル番号が、ステップS81でEEPROM61に記憶させたシリアル番号と一致するか否かを判断する。コントローラ130は、2つのシリアル番号が一致したことにより、装着ケース150から外された元のカートリッジ200が装着ケース150に装着されたと判断する(S106:Yes)。
コントローラ130は、装着ケース150から外された元のカートリッジ200が装着ケース150に装着されたと判断すると(S106:Yes)、待機画面(図14(A))をディスプレイ28に再度表示させ(S107)、ステップS94の処理を再度実行する。すなわち、元のカートリッジ200が装着ケース150に装着されると、待機画面がディスプレイ28に表示され、カートリッジ200からタンク160へインクが流入中であるか否かが判断される。
一方、コントローラ130は、図11に示されるように、ステップS106において、装着ケース150から外された元のカートリッジ200が装着ケース150に装着されていないと判断すると(S106:No)、図16(B)に示される注意画面をディスプレイ28に表示させる(S108)。
注意画面は、「違うカートリッジが挿入されました」の文字と、「インク残量を正しく判断できなくなる可能性があります」の文字である第4オブジェクト104と、「閉じる」アイコン122とを有する。注意画面は、装着ケース150から外されたカートリッジ200とは別のカートリッジ200が装着ケース150に装着されたことにより、インク残量を正しく判断できなくなるおそれがあることをユーザに認識させる画面である。第4オブジェクト104を有する注意画面をディスプレイ28に表示させるステップS108の処理は、第5表示処理の一例である。
図11に示されるように、コントローラ130は、注意画面において、「閉じる」アイコン122がタップされたか否かを判断する(S109)。コントローラ130は、注意画面において、「閉じる」アイコン122がタップされていないと判断すると(S109:No)、注意画面にしたがって、ユーザが装着ケース150からカートリッジ200を外したか否かを判断する(S110A)。コントローラ130は、カートリッジ200が装着ケース150から外されていないと判断すると(S110A:No)、注意画面(図16(B))をディスプレイ28に継続して表示させる(S108)。
一方、コントローラ130は、カートリッジ200が装着ケース150から外されたと判断すると(S110A:Yes)、再装着画面(図16(A))をディスプレイ28に再度表示させる(S102)。
一方、コントローラ130は、ステップS109において、「閉じる」アイコン122がタップされたと判断すると(S109:Yes)、第1オブジェクト101を含まない待機画面をディスプレイ28に表示させ、表示処理を終了する。
一方、コントローラ130は、ステップS94において、タイマカウンタのカウント値が流入予定時間を過ぎたと判断すると(S94:Yes)、液面センサ33が出力する信号が「L」であるか「H」であるかを判断する(S95)。すなわち、液面センサ33が「L」を出力する予定の時間(流入予定時間)になると、液面センサ33が出力する信号が予定通り「L」になったか、或いは、予定と異なり「H」のままであるかが判断される。液面センサ33が出力する信号が「L」であるか「H」であるかを判断するステップS95の処理は、第3判断処理の一例である。
コントローラ130は、液面センサ33が出力する信号が「H」であると判断すると(S95:H)、EEPROM61に記憶されたエラー回数をインクリメントする(S99)。エラー回数の初期値はゼロである。エラー回数は、後述のステップS96において初期値(ゼロ)にされる。エラー回数をインクリメントするステップS99の処理は、第2カウント処理の一例である。
次に、コントローラ130は、図12に示されるように、EEPROM61に記憶されたエラー回数が、EEPROM61またはROM37に予め記憶された閾値回数以上であるか否かを判断する(S121)。コントローラ130は、EEPROM61に記憶されたエラー回数が閾値回数未満であると判断すると(S121:No)、図17に示される挿し直し画面をディスプレイ28に表示させる(S131)。エラー回数が閾値回数以上であるか否かを判断するステップS121の処理は、第7判断処理の一例である。
挿し直し画面は、カートリッジ200及びタンク160を有するプリンタ10を示す第12オブジェクト112と、「カートリッジ(1)から本体内(2)へインクを移動できません」の文字と、インクの色を示す「M」の文字と、「カートリッジをさし直してください」の文字である第5オブジェクト105とを有する。第5オブジェクト105は、カートリッジ200を装着ケース150に挿し直すことをユーザに促す。第5オブジェクト105を有する挿し直し画面をディスプレイ28に表示させるステップS131の処理は、第6表示処理の一例である。
コントローラ130は、挿し直し画面をディスプレイ28に表示させた後、図12に示されるように、挿し直し画面にしたがって、ユーザがカートリッジ200を挿し直すためにカバー87を開いたか否かを判断する(S132)。具体的には、ステップS72と同じ処理を実行する。コントローラ130は、カバー87が開かれていないと判断すると(S132:No)、挿し直し画面をディスプレイ28に継続して表示させる(S131)。一方、コントローラ130は、カバー87が開かれたと判断すると(S132:Yes)、ステップS73(図9)以降の処理を再度実行する。すなわち、ステップS95(図10)で液面センサ33が出力する信号が適正な「L」であると判断されるか、或いは、ステップS131でエラー回数が閾値回数以上であると判断されるまで、ステップS73以降の処理が繰り返し実行される。
コントローラ130は、ステップS131で、エラー回数が閾値回数以上であると判断すると(S121:Yes)、すなわち、閾回数だけカートリッジ200を装着ケース150に挿し直しても液面センサ33が出力する信号が適正な「L」にならないと判断すると、「ON」である故障フラグをEEPROM61に記憶させる(S125)。「ON」の故障フラグは、閾値回数だけカートリッジ200を装着ケース150に挿し直しても、カートリッジ200からタンク160へインクが流入しないことを示す情報である。なお、故障フラグは、プリンタ10に対して検査や修理を行った場合に、検査や修理を行う者などによって、「OFF」に設定される。また、故障フラグの初期値は「OFF」である。故障フラグは、各色について、EEPROM61にそれぞれ記憶される。
次に、コントローラ130は、図18(A)に示される第1報知画面をディスプレイ28に表示させる(S126)。第1報知画面は、カートリッジ200及びタンク160を有するプリンタ10を示す第12オブジェクト112と、「カートリッジか本体に異常があり、カートリッジ(1)から本体(2)内にインクを移動できません」の文字と、「検査、修理が必要です」の文字である第6オブジェクト106Aと、「>」アイコン123と、を有する。第6オブジェクト106Aは、プリンタ10に検査や修理が必要であることをユーザに認識させる。第6オブジェクト106Aを有する第1報知画面をディスプレイ28に表示させるステップS126の処理は、第7表示処理の一例である。
コントローラ130は、第1報知画面において、「>」アイコン123がタップされていないと判断すると(S127:No)、第1報知画面をディスプレイ28に継続して表示させる(S126)。一方、コントローラ130は、第1報知画面において、「>」アイコン123がタップされたと判断すると(S127:Yes)、第2報知画面(図18(B))をディスプレイ28に表示させるために必要な印刷可能枚数を算出する(S128A)。
詳しく説明すると、印刷可能枚数は、タンク160内のインク残量によって印刷可能な枚数を示す。コントローラ130は、第4更新処理で更新されたタンク残量をRAM62から読み出して取得する。なお、電源オフなどによってタンク残量値がRAMから消えている場合は、コントローラ130は、第4更新処理と同様の処理を実行し、タンク残量値を再度算出してタンク残量値を取得する。また、コントローラ130は、基準値をEEPROM61から読み出して取得する。基準値は、シート1枚当たりに使用されるインクの量を示す。コントローラ130は、取得したタンク残量値を基準値で除し、印刷可能枚数を算出する。なお、印刷可能枚数は、「ON」が設定された故障フラグに対応する色について算出される。
コントローラ130は、算出した印刷可能枚数を用いて、図18(B)に示される第2報知画面をディスプレイ28に表示させる(S128B)。第2報知画面は、カートリッジ200及びタンク160を有するプリンタ10を示す第12オブジェクト112と、「検査、修理が必要に出してください」の文字である第6オブジェクト106Bと、「本体内の残インクを使用して、約N枚印刷できます」の文字である第7オブジェクト107と、「<」アイコン124と、「閉じる」アイコン125を有する。第6オブジェクト106Bは、プリンタ10を検査や修理に出すことをユーザに促す。第7オブジェクト107における「N」には、ステップS128Aにおいて算出した印刷可能枚数が表示される。図示例では、「30」が表示されている。第7オブジェクト107は、タンク160内に残っているインクで印刷が可能な枚数をユーザに認識させる。
図12に示されるように、コントローラ130は、第2報知画面において、「<」アイコン124がタップされたか否かを判断する(S129)。コントローラ130は、「<」アイコン124がタップされたと判断すると(S129:Yes)、第1報知画面をディスプレイ28に再度表示させる(S126)。一方、コントローラ130は、「<」アイコン124がタップされていないと判断すると(S129:No)、「閉じる」アイコン125がタップされたか否かを判断する(S130)。
コントローラ130は、「閉じる」アイコン125がタップされていないと判断すると(S130:No)、第2報知画面をディスプレイ28に継続して表示させる(S128B)。一方、コントローラ130は、「閉じる」アイコン125がタップされたと判断すると(S130:Yes)、図13に示されるように、故障フラグが「ON」であるか否かを判断する(S141)。すなわち、ステップS141では、閾値回数だけカートリッジ200を装着ケース150に挿し直しても、カートリッジ200からタンク160へインクが流入しなかったか否かが判断される。
コントローラ130は、故障フラグが「ON」でないと判断すると(S141:No)、すなわち、故障でないと判断すると、第1オブジェクト101を有さない待機画面をディスプレイ28に表示させ(S153)、表示処理を終了する。
一方、コントローラ130は、故障フラグが「ON」であると判断すると(S141:Yes)、図19(A)に示される待機画面をディスプレイ28に表示させる(S142)。図19(A)に示される待機画面は、図14(A)に示される待機画面に対して、第1オブジェクト101に代えて、「カートリッジと本体間に異常があります(マゼンタ)」の文字である第6オブジェクト106Cを有する点において相違する。
第6オブジェクト106Cは、左に向かって移動しながらディスプレイ28に表示される。すなわち、第6オブジェクト106Cは、スクロール表示される。図示例では、「カートリッジと本体間に異常」までが表示されている。第6オブジェクト106Cはプリンタ10に異常があることをユーザに認識させる。
次に、コントローラ130は、図13に示されるように、待機画面(図19(A))において、第6オブジェクト106Cがタップされたか否かを判断する(S143)。コントローラ130は、第6オブジェクト106Cがタップされていないと判断すると(S143:No)、待機画面(図19(A))を継続してディスプレイ28に表示させる(S142)。
一方、コントローラ130は、第6オブジェクト106Cがタップされたと判断すると(S143:Yes)、印刷可能枚数を算出する(S144)。ステップS144の処理は、ステップS128Aの処理と同様にして行われる。
次に、コントローラ130は、算出した印刷可能枚数を用いて、第2報知画面(図18(B))をディスプレイ28に表示させる(S145)。
コントローラ130は、第2報知画面の表示を終了させるか否かを判断する(S146)。具体的には、コントローラ130は、第2報知画面の表示を終了させるストップキー(不図示)で入力操作がされたことにより、第2報知画面の表示を終了させると判断する。なお、コントローラ130は、第2報知画面に表示された第6オブジェクト106Bをユーザに確実に認識させるため、ホームボタン(不図示)が押下され、或いは、所定の時間の間、入力操作がされていないことでは、第2報知画面の表示を終了させないことが望ましい。
コントローラ130は、第2報知画面の表示を終了させると判断するまで(S146:No)、第2報知画面をディスプレイ28に継続して表示させる(S145)。一方、コントローラ130は、第2報知画面の表示を終了させると判断すると(S146:Yes)、待機画面をディスプレイ28に表示させる(S147)。ステップS147でディスプレイ28に表示される待機画面は、図19(A)に示される待機画面に、印刷可能枚数を示すオブジェクト(不図示)がさらに追加されている点において、図19(A)に示される待機画面と相違する。印刷可能枚数と、カートリッジ200内のインク残量を示す第8オブジェクト108とを有する待機画面をディスプレイ28に表示させるステップS147の処理は、第8表示処理の一例である。ステップS147でディスプレイ28に表示される待機画面は、第3画面の一例である。
コントローラ130は、待機画面(図19(A))において、インク残量を示す第8オブジェクト108がタップされたか否かを判断する(S148)。コントローラ130は、第8オブジェクト108がタップされていないと判断すると(S148:No)、待機画面(図19(A))をディスプレイ28に継続して表示させる(S147)。一方、コントローラ130は、待機画面において第8オブジェクト108がタップされたと判断すると(S148:Yes)、インク残量画面(図19(B))をディスプレイ28に表示させるための印刷可能枚数を算出する(S149)。印刷可能枚数の算出は、ステップS128Aと同様にして行われる。ただし、ステップS149では、全ての色のインクについて、印刷可能枚数が算出される。
コントローラ130は、印刷可能枚数の算出後、図19(B)に示されるインク残量画面をディスプレイ28に表示させる(S150)。インク残量画面は、「カートリッジと本体間に異常があります」の文字である第6オブジェクト106Dと、マゼンタを示す「M」の文字と、「本体内の残インクを使用して、約30枚印刷できます」の文字と、カートリッジ200内のインク残量を示す第13オブジェクト113と、タンク160内のインク残量を示す第14オブジェクト114と、印刷可能枚数を示す第7オブジェクト107と、を有する。第6オブジェクト106Dは、プリンタ10に異常があることをユーザに認識させる。第7オブジェクト107は、プリンタ10内に残ったインクで印刷が可能なシートの枚数をユーザに認識させる。
印刷可能枚数を算出するステップS144及びS149の処理は、第2決定処理の一例である。印刷可能枚数を示す第7オブジェクト107と、インク残量を示す第13オブジェクト113及び第14オブジェクト114とを有するインク残量画面をディスプレイに表示させるステップS150の処理は、第8表示処理の一例である。インク残量画面は、第3画面の一例である。
第13オブジェクト113は、カートリッジ200内のインク残量に応じた長さのバーである。コントローラ130は、カートリッジ残量値をRAM62から読み出し、読み出したカートリッジ残量値に応じた長さのバーを生成して、第13オブジェクト113としてディスプレイ28に表示させる。また、第14オブジェクト114は、タンク160内のインク残量に応じた長さのバーである。コントローラ130は、タンク残量値をRAM62から読み出し、読み出したタンク残量値に応じた長さのバーを生成して、第14オブジェクト114としてディスプレイ28に表示させる。
次に、コントローラ130は、インク残量画面の表示を終了させるか否かを判断する(S151)。具体的には、コントローラ130は、インク残量画面の表示を終了させるストップキー(不図示)で入力操作がされたことにより、インク残量画面の表示を終了させると判断する。なお、コントローラ130は、インク残量画面に表示させた第6オブジェクト106Dをユーザに確実に認識させるため、ホームボタン(不図示)が押下され、或いは、所定の時間の間、入力操作がされていないことでは、インク残量画面の表示を終了させないことが望ましい。
コントローラ130は、ホームボタンが押下され、或いは、所定の時間の間、入力操作がされていないことにより、インク残量画面の表示を終了させると判断する。コントローラ130は、インク残量画面の表示を終了させると判断するまで(S151:No)、インク残量画面をディスプレイ28に継続して表示させる(S150)。一方、コントローラ130は、インク残量画面の表示を終了させると判断すると(S151:Yes)、待機画面をディスプレイ28に表示させ、表示処理を終了する。
次に、装着ケース150に装着されたカートリッジ200からタンク160に適正にインクが流入した場合、及び、装着ケース150に装着し直されたカートリッジ200からタンク160に適正にインクが流入した場合の処理について説明する。
コントローラ130は、ステップS95(図10)において、液面センサ33が出力する信号が「L」であると判断すると(S95:L)、すなわち、カートリッジ200からタンク160に適正にインクが流入したと判断すると、EEPROM61に記憶されたエラー回数を初期値であるゼロに上書きする(S96)。
次に、コントローラ130は、S_Emptyフラグ及びC_EmptyフラグをOFFにする(S97)。すなわち、装着ケース150に装着されたカートリッジ200からタンク160にインクが流入して液面センサ33が「L」を出力した後に、S_Emptyフラグ及びC_EmptyフラグがOFFにされる。S_Emptyフラグが「OFF」にされることにより、ヘッド21を通じたインクの排出の禁止が解除される。S_Emptyフラグを「OFF」にするステップS97の処理は、解除処理の一例である。
次に、コントローラ130は、第1オブジェクト101を非表示にする(S98)。すなわち、表示中の待機画面(図14(A))から第1オブジェクト101の表示が消える。その後、コントローラ130は、図13に示されるステップS141以降の処理を実行する。第1オブジェクト101を非表示にして待機画面をディスプレイ28に表示させるステップS98の処理は、第2表示処理の一例である。
[実施形態の作用効果]
本実施形態では、装着ケース150に装着されたカートリッジ200からタンク160にインクが流入している間、カートリッジ200からタンク160にインクが流入していることを示す第1オブジェクト101を有する待機画面(図14(A))がディスプレイ28に表示される。したがって、カートリッジ200からタンク160にインクが流入中であることをユーザに認識させることができる。その結果、交換したカートリッジ200が装着ケース150から取り外されることを抑制することができる。
また、本実施形態では、待機画面において第1オブジェクト101がタップされると、カートリッジ200を装着ケース150から外さないことを示す第2オブジェクト102を有するインク流入中画面がディスプレイ28に表示される。したがって、交換したカートリッジ200が装着ケース150から取り外されることをさらに抑制することができる。
また、本実施形態では、装着ケース150に装着されたカートリッジ200からタンク160にインクが流入している間にカートリッジ200が装着ケース150から外されると、装着ケース150から外したカートリッジ200と同じカートリッジ200を装着ケース150に装着することを促す第3オブジェクト103を有する再装着画面がディスプレイ28に表示される。したがって、装着ケース150から外したカートリッジ200と同じカートリッジ200を装着ケース150に装着することをユーザに促すことができる。
また、本実施形態では、装着ケース150から外したカートリッジ200とは別のカートリッジ200が装着ケース150に装着されると、インク残量を正しく判断できなくなるおそれがあることを示す第4オブジェクト104を有する注意画面がディスプレイ28に表示される。したがって、インク残量を表示できない場合に、ユーザが故障であると誤った判断をするおそれを低減することができる。
また、本実施形態では、装着ケース150に装着されたカートリッジ200からタンク160にインクが流入して液面センサ33が「L」を出力した後に、S_Emptyフラグ及びC_EmptyフラグがOFFにされる。したがって、装着ケース150に装着されたカートリッジ200からタンク160にインクが流入していないにも拘わらず、印刷が行われてヘッド21に空気(エア)が進入してしまうことが抑制される。その結果、ヘッド21が損傷するおそれを低減することができる。
また、本実施形態では、装着ケース150に装着されたカートリッジ200からタンク160にインクが流入しない場合、記憶部36に記憶された閾値回数だけ、カートリッジ200を装着ケース150に装着し直すことを示す第5オブジェクト105を有する挿し直し画面がディスプレイ28に表示される。したがって、閾値回数だけ、装着ケース150にカートリッジ200を装着し直すことをユーザに促すことができる。
また、本実施形態では、プリンタ10に異常があることや、検査や修理が必要であることを示す第6オブジェクト106A、106B、106C、106Dが待機画面、第1報知画面、第2報知画面、及びインク残量画面においてディスプレイ28に表示されるので、検査や修理が必要であることをユーザに認識させることができる。その結果、プリンタ10を検査や修理に出すことをユーザに促すことができる。
また、本実施形態では、タンク160内に残ったインクを用いて印刷が可能なシートの枚数(印刷可能枚数)を示す第7オブジェクト107を有する待機画面、第2報知画面、及びインク残量画面がディスプレイ28に表示される。したがって、プリンタ10を検査や修理に出す日程などをユーザに容易に計画させることができる。
[変形例]
上述の実施形態では、装着ケース150に装着されたカートリッジ200とは別のカートリッジ200が装着ケース150に装着されると、注意画面(図16(B))がディスプレイ28に表示される例を説明した。本変形例では、装着ケース150に装着されていたカートリッジ200とは別のカートリッジ200が装着ケース150に装着された後、閾値時間内に当該別のカートリッジ200が装着ケース150から外された場合、インク残量画面にインク残量が表示されるが、一方、装着ケース150に装着されていたカートリッジ200とは別のカートリッジ200が装着ケース150に装着された後、閾値時間内に当該別のカートリッジ200が装着ケース150から外されない場合、インク残量画面にインク残量が表示されない例を説明する。すなわち、装着ケース150に装着されていたカートリッジ200とは別のカートリッジ200が装着ケース150に長く装着され、当該別のカートリッジ200からタンク160に、インク残量を正確に判断できなくなる程度のインクが流入した場合に、インク残量画面にインク残量を表示しない例を説明する。
コントローラ130は、装着ケース150に装着されたカートリッジ200が元のカートリッジ200とは別のカートリッジ200であると判断すると(S106:No)、タイマカウンタによる計時を開始する。コントローラ130は、ステップS110Aにおいてカートリッジ200が装着ケース150から外されたと判断(S110A:Yes)するまでの時間が、EEPROM61に予め記憶された閾値時間以上か否かを判断する。コントローラ130は、カウンタでカウントした時間が閾値時間以上であると判断すると、「ON」である残量非表示フラグをEEPROM61に記憶させる。すなわち、残量を正確に算出できない程度のインクがカートリッジ200からタンク160に流入した場合に、残量非表示フラグが「ON」にされる。なお、残量非表示フラグの初期値は「OFF」である。残量非表示フラグは、カートリッジ200が交換されたことに応じて、「OFF」とされる。閾値時間は、例えば、数秒である。
コントローラ130は、インク残量画面をディスプレイ28に表示させる前に、残量非表示フラグが「ON」であるか否かを判断する。コントローラ130は、残量非表示フラグが「ON」であることに応じて、カートリッジ200内のインク残量を示す第13オブジェクト113を白枠にし、タンク160内のインク残量を示す第14オブジェクト114を白枠にすることに決定し、インク残量画面をディスプレイ28に表示させる。一方、コントローラ130は、残量非表示フラグが「OFF」であることに応じて、インク残量に応じた長さのバーである第13オブジェクト113及び第14オブジェクト114を有するインク残量画面をディスプレイ28に表示させる。
[変形例の作用効果]
本変形例では、誤ったインク残量がディスプレイ28に表示されることを抑制することができる。
[その他の変形例]
上述の実施形態では、水頭差によってインクがカートリッジ200からタンク160に流出する例を説明した。しかしながら、重力や、ポンプなどによってインクをカートリッジ200からタンク160に流出させてもよい。すなわち、本発明は、重力や駆動源によってインクをカートリッジ200からタンク160に供給するプリンタにも用いることができる。例えば、タンク160の液室171が大気に開放され、且つカートリッジ200の液室210が大気に開放されていなくてもよい。この場合、液室210と液室171とが液体流路及び気体流路で接続されることによって、重力などによる液室171と液室210との気液交換が生じ、液室210から液室171へインクが移動する。
また、上述の実施形態では、コントローラ130が、液面センサ33が出力する信号に基づいて、アクチュエータ190の被検出部194が第1状態にあるか第2状態にあるかを検出する構成であるが、液室171におけるインクの液面を検出できれば、液面センサ33の構成は特に限定されない。例えば、液面センサ33は、液室171の後壁164にインクが接触しているか否かによって異なる反射率を有するプリズムを利用して、液室171におけるインクの液面を光学的に検出するセンサであってもよい。また、液面センサ33は、液室171内に挿入された電極棒であってもよい。
また、上述の実施形態では、インクが液体の一例として説明されているが、例えば、印刷時にインクに先立って用紙などに吐出される前処理液がカートリッジに貯留されていてもよい。また、ヘッド21を洗浄するための水がカートリッジに貯留されていてもよい。
また、上述の実施形態では、プリンタ10がカラープリンタである例を説明した。しかしならが、プリンタ10は、モノクロプリンタであってもよい。
また、IC基板247は、接点152と接触して導通されるが、これにかえて、NFC(near field communication)やRFID(radio frequency identification)のような電波を用いて非接触でデータを読み書きする情報媒体とインターフェースとが採用されてもよい。