以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、後述する各処理の実行順序は、本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜変更することができる。
本実施形態では、図1に示される管理システム5が説明される。管理システム5は、一乃至複数のプリンタ10と、各プリンタ10からそれぞれ情報を収集する情報処理装置40とを備える。プリンタ10と情報処理装置40とは、インターネット及びローカルネットワークなどの通信回線6によって接続されている。プリンタ10と情報処理装置40とは、通信回線6を通じて相互に通信可能である。プリンタ10は、液体消費装置の一例である。
[プリンタ10の概要]
図2に示されるプリンタ10は、インク滴を吐出してシートに画像を印刷するインクジェットプリンタである。プリンタ10は、ファクシミリ機能、スキャン機能、及びコピー機能などの機能を有する複合機であってもよい。
以下では、プリンタ10が使用可能に水平面に設置された使用姿勢を基準として上下方向7が定義され、プリンタ10の開口13が形成された面を前面として前後方向8が定義され、プリンタ10を前面から見て左右方向9が定義される。すなわち、使用姿勢において、上下方向7が鉛直方向に相当し、前後方向8及び左右方向9が水平方向に相当する。前後方向8及び左右方向9は、直交している。
プリンタ10は、概ね直方体形状の筐体14を有している。筐体14の内部には、図3に示されるように、給送トレイ15と、給送ローラ23と、搬送ローラ25と、複数のノズル29を有するヘッド21と、プラテン26と、排出ローラ27と、排出トレイ16と、装着ケース150と、タンク160とが位置している。
プリンタ10は、給送ローラ23及び搬送ローラ25を駆動させて、給送トレイ15に支持されたシートをプラテン26の位置まで搬送する。次に、プリンタ10は、タンク160からチューブ19を通じて供給されるインクを、ヘッド21にノズル29を通じて吐出させる。これにより、プラテン26に支持されたシートにインクが着弾して、シート上に画像が印刷される。そして、プリンタ10は、排出ローラ27を駆動させて、画像が印刷されたシートを排出トレイ16に排出する。
より詳細には、ヘッド21は、搬送ローラ25によるシートの搬送向きと交差する主走査方向(左右方向9と平行)に沿って往復移動するキャリッジ20に搭載されている。キャリッジ20は、不図示のモータの駆動力が伝達されて、主走査方向(図3の紙面と垂直な方向)に沿って移動する。プリンタ10は、搬送ローラ25によるシートの搬送が停止されている間に、主走査方向に沿ってキャリッジ20を移動させつつ、ヘッド21にノズル29を通じてインクを吐出させる。これにより、ヘッド21に対面するシートの一部の領域(以下、「1パス」と記載)に画像が印刷される。次に、プリンタ10は、次に画像が印刷されるべき領域がヘッド21に対面するように、搬送ローラ25にシートを搬送させる。そして、これらの処理を交互に繰り返し実行させることによって、1枚のシートに画像が印刷される。
[ディスプレイ17]
筐体14は、ディスプレイ17を有する。ディスプレイ17は、筐体14の前面に位置している。ディスプレイ17は、表示パネルの上にタッチセンサが配置された、所謂タッチパネルである。ただし、ディスプレイ17に代えて、或いはディスプレイ17とともに、表示パネル及び押しボタン22が筐体14の前面に位置していてもよい。ディスプレイ17は、ユーザからの入力を受け付ける。
[カバー87]
図2に示されるように、筐体14の前面14Aで且つ左右方向9の右端部には、開口85が形成されている。筐体14は、さらにカバー87を備える。カバー87は、開口85を被覆する被覆位置(図2(A)に示される位置)と、開口85を開放する開放位置(図2(B)に示される位置)との間を回動可能である。カバー87は、例えば、上下方向7における筐体14の下端近傍において、左右方向9に沿う回動軸線周りに回動可能に、筐体14によって支持されている。そして、開口85の奥に広がる筐体14内部の収容空間86には、カートリッジ200が装着される装着ケース150が位置している。
[装着ケース150]
装着ケース150は、図4に示されるように、接続インタフェース152(以下、接続I/F152と記載する)と、ロッド153と、装着センサ32と、液面センサ33と、ロックピン156とを備えている。装着ケース150は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色に対応して4つ設けられている。なお、装着ケース150の数は、4つに限定されず、1つでも良いし、5つ以上でも良い。
装着ケース150は、装着されたカートリッジ200を収容する内部空間を有する箱形状である。装着ケース150の内部空間は、上端を画定する天壁と、下端を画定する底壁と、前後方向8の後端を画定する奥壁と、左右方向9の両端を画定する一対の側壁とで画定される。一方、装着ケース150の奥壁と対面する位置は、開口85となっている。すなわち、開口85は、カバー87が開放位置に位置したときに、装着ケース150の内部空間を、プリンタ10の外部に開放させる。
そして、カートリッジ200は、筐体14の開口85を通じて、装着ケース150に装着され、装着ケース150から抜かれる。より詳細には、カートリッジ200は、開口85を前後方向8の後ろ向きに通過して、装着ケース150に装着される。装着ケース150から抜かれるカートリッジ200は、開口85を前後方向8の前向きに通過する。
[接続I/F152]
接続I/F152は、装着ケース150の天壁に位置している。接続I/F152は、天壁から装着ケース150の内部空間へ向けて下方に突出している。接続I/F152は、装着ケース150にカートリッジ200が装着された状態において、カートリッジ200の後述する電極248に接する位置に位置している。接続I/F152は、導電性を有しており、さらに上下方向7に沿って弾性的に変形可能である。接続I/F152は、コントローラ130に電気的に接続されている。接続I/F152は、第1インタフェースの一例である。
[ロッド153]
ロッド153は、装着ケース150の奥壁から前方へ突出している。ロッド153は、装着ケース150の奥壁において、後述するジョイント180より上方に位置している。ロッド153は、カートリッジ200が装着ケース150に装着される過程において、カートリッジ200の後述する大気連通口221を通じて大気バルブ室214に進入する。ロッド153が大気バルブ室214に進入すると、後述する大気バルブ室214が大気に連通される。
[装着センサ32]
装着センサ32は、装着ケース150の天壁に位置している。装着センサ32は、カートリッジ200が装着ケース150に装着されているか否かを検出するためのセンサである。装着センサ32は、左右方向9に離間した発光部及び受光部を備える。装着ケース150にカートリッジ200が装着された状態において、カートリッジ200の後述する遮光リブ245は、装着センサ32の発光部及び受光部の間に位置する。換言すれば、装着センサ32の発光部及び受光部は、装着ケース150に装着されたカートリッジ200の遮光リブ245を挟んで、互いに対向した状態で位置している。
装着センサ32は、発光部から左右方向9に沿って照射された光が受光部で受光されたか否かに応じて、異なる信号(以下、「装着信号」と記載)を出力する。装着センサ32は、例えば、受光部で受光された光の受光強度が閾値強度未満であることに応じて、ローレベル信号をコントローラ130へ出力する。一方、装着センサ32は、受光部で受光された光の受光強度が閾値強度以上であることに応じて、ローレベル信号より信号強度の高いハイレベル信号をコントローラ130へ出力する。
[液面センサ33]
液面センサ33は、後述するアクチュエータ190の被検出部194が検出位置に位置しているか否かを検出するためのセンサである。液面センサ33は、左右方向9に離間した発光部及び受光部を備える。換言すれば、被検出部194が検出位置に位置するとき、液面センサ33の発光部及び受光部の間に、被検出部194が位置している。一方で、被検出部194が検出位置に位置していないとき、液面センサ33の発光部及び受光部の間に、被検出部194が位置していない。液面センサ33は、発光部から出力された光が受光部で受光されたか否かに応じて異なる信号を出力する。液面センサ33は、例えば、受光部で受光された光の受光強度が閾値強度未満であることに応じて、ローレベル信号をコントローラ130へ出力する。一方、液面センサ33は、受光部で受光された光の受光強度が閾値強度以上であることに応じて、ローレベル信号より信号強度の高いハイレベル信号をコントローラ130へ出力する。
[ロックピン156]
ロックピン156は、装着ケース150の内部空間の上端で且つ開口85付近において、左右方向9に沿って延びる棒状の部材である。ロックピン156の左右方向9の両端は、装着ケース150の一対の側壁に固定されている。ロックピン156は、4つのカートリッジ200が収容可能な4つの空間に亘って左右方向9に延びている。ロックピン156は、装着ケース150に装着されたカートリッジ200を、図6に示される装着位置に保持するためのものである。カートリッジ200は、装着ケース150に装着された状態で、ロックピン156に固定される。
[タンク160]
プリンタ10は、4つのカートリッジ200それぞれに対応して、4つのタンク160を備える。詳細には、マゼンタのインクが貯留されるカートリッジ200に対応して、マゼンタのインクが貯留されるタンク160と、シアンのインクが貯留されるカートリッジ200に対応して、シアンのインクが貯留されるタンク160と、イエローのインクが貯留されるカートリッジ200に対応して、イエローのインクが貯留されるタンク160と、ブラックのインクが貯留されるカートリッジ200に対応して、ブラックのインクが貯留されるタンク160と、を備える。4つのタンク160の構成は、概ね共通するため、以下では、1つのタンク160を説明する。
タンク160は、装着ケース150の奥壁よりさらに後方に位置している。タンク160は、図4に示されるように、上壁161と、前壁162と、下壁163と、後壁164と、不図示の一対の側壁とで構成されている。なお、前壁162は、各々が前後方向8にずれた複数の壁によって構成される。タンク160の内部は、液室171が形成されている。液室171は、第2液室の一例である。
タンク160を構成する壁のうち、少なくとも液面センサ33に対面する壁は、透光性を有している。これにより、液面センサ33が出力した光は、液面センサ33に対面する壁を透過することができる。後壁164の少なくとも一部は、上壁161、下壁163、及び側壁の端面に溶着されるフィルムでもよい。また、タンク160の側壁は、装着ケース150と共通でもよいし、装着ケース150とは独立していてもよい。さらに、左右方向9に隣接するタンク160の間は、不図示の隔壁によって仕切られている。
液室171は、流出口174を通じて不図示のインク流路に連通されている。流出口174の下端は、液室171の下端を画定する下壁163によって画定されている。流出口174は、ジョイント180(より詳細には、貫通孔184の下端)より下方に位置している。流出口174に連通された不図示のインク流路は、チューブ19に連通されている。これにより、液室171は、流出口174からインク流路及びチューブ19を通じて、ヘッド21と連通する。つまり、液室171に貯留されたインクは、流出口174からインク流路及びチューブ19を通じて、ヘッド21へ供給される。流出口174に連通されたインク流路及びチューブ19は、一端(流出口174)が液室171に連通され、且つ他端19B(図2参照)がヘッド21に連通された第4流路の一例である。
液室171は、大気連通室175を通じて大気に連通されている。より詳細には、大気連通室175は、前壁162を貫通する貫通孔176を通じて液室171に連通されている。また、大気連通室175は、大気連通ポート177及び大気連通ポート177に接続された不図示のチューブを通じて、プリンタ10の外部に連通されている。すなわち、大気連通室175は、一端(貫通孔176)が液室171に連通され、且つ他端(大気連通ポート177)がプリンタ10の外部に連通されている。すなわち、大気連通室175は、一端(貫通孔176)が液室171に連通され、且つ他端(大気連通ポート177)がプリンタ10の外部に連通された第5流路の一例である。
[ジョイント180]
ジョイント180は、図4に示されるように、ニードル181と、ガイド182とを備えている。ニードル181は、内部に流路が形成された管である。ニードル181は、液室171を画定する前壁162から前方へ突出している。ニードル181の前端には、開口183が形成されている。また、ニードル181の内部空間は、前壁162を貫通する貫通孔184を通じて液室171に連通されている。ニードル181は、一端(開口183)がタンク160の外部に連通され、且つ他端(貫通孔184)が液室171に連通されている。ガイド182は、ニードル181の周囲に配置された円筒形状の部材である。ガイド182は、前壁162から前方に突出して、前端が開口している。
ニードル181の内部空間には、バルブ185と、コイルバネ186とが位置している。バルブ185は、ニードル181の内部空間において、閉塞位置と開放位置との間を、前後方向8に沿って移動可能である。バルブ185は、閉塞位置に位置すると開口183を閉塞する。また、バルブ185は、開放位置に位置すると開口183を開放する。コイルバネ186は、バルブ185を開放位置から閉塞位置に移動させる向き、すなわち前後方向8に沿う前向きに付勢している。ニードル181は、一端(開口183)がタンク160の外部に連通され、且つ他端(貫通孔184)が液室171に連通された第3流路の一例である。
[アクチュエータ190]
図4に示されるように、液室171には、アクチュエータ190が位置している。アクチュエータ190は、液室171内に配置された不図示の支持部材によって、矢印198、199の向きに沿って回動可能に支持されている。アクチュエータ190は、図4の実線で示される第1状態と破線で示される第2状態との間を回動することができる。さらに、アクチュエータ190は、不図示のストッパ(例えば、液室171の内壁)によって、実線の位置より矢印198の向きへの回動が規制される。アクチュエータ190は、フロート191と、軸192と、アーム193と、被検出部194とを備える。アクチュエータ190は、検出物体の一例である。
フロート191は、液室171に貯留されるインクより比重が小さい材料で形成されている。軸192は、フロート191の右面及び左面から左右方向9に沿って突出している。軸192は、支持部材に形成された不図示の孔に挿入されている。これにより、アクチュエータ190は、軸192を中心として回動可能に支持部材によって支持される。アーム193は、フロート191から略上方へ延びている。被検出部194は、アーム193の先端部に位置している。すなわち、アーム193は、被検出部194と軸192との間に位置する。被検出部194は、上下方向7及び前後方向8それぞれに沿って延びる板状の部材である。被検出部194は、液面センサ33の発光部から出力された光を遮光する材料又は色で形成されている。
液室171に貯留されたインクの液面が基準位置P以上のとき、浮力によって矢印198の向きに回動されたアクチュエータ190は、ストッパによって図4の実線で示される検出位置に保持される。一方、インクの液面が基準位置P未満のとき、アクチュエータ190は、液面の降下に追従して矢印199の向きに回動する。これにより、アクチュエータ190の被検出部194は、検出位置とは異なる位置に移動する。被検出部194は、アクチュエータ190の一部であるため、当該被検出部194は、液室171に貯留されたインクの量に対応する位置に移動する。
基準位置Pは、上下方向7において、ニードル181の軸中心と同じ高さであり、且つ後述するインク供給口234の中心と同じ高さである。すなわち、基準位置Pは、カートリッジ200内のインクが使い切られたときの液面位置に、ほぼ一致する。しかしながら、基準位置Pは、上下方向7における流出口174より上方の位置であれば、前述の位置に限定されない。他の例として、基準位置Pは、ニードル181の内部空間の上端や下端の高さでもよいし、カートリッジ200のインク供給口234の上端や下端の高さでもよい。
液室171に貯留されたインクの液面が基準位置P以上のとき、液面センサ33の発光部から出力された光が、検出位置に位置する被検出部194で遮られる。これにより、液面センサ33は、発光部からの光が受光部に到達しないので、ローレベル信号をコントローラ130へ出力する。一方、液室171に貯留されたインクの液面が基準位置P未満のとき、液面センサ33は、発光部から出力された光が受光部に到達するので、ハイレベル信号をコントローラ130へ出力する。すなわち、コントローラ130は、液室171に貯留されたインクの液面が基準位置P以上か否かを、液面センサ33から出力される信号によって検出することができる。基準位置Pは、所定位置の一例である。ローレベル信号「L」は、第1信号の一例であり、ハイレベル信号「H」は、第2信号の一例である。以下では、ローレベル信号を「L」、ハイレベル信号を「H」として説明する場合がある。
[カートリッジ200]
カートリッジ200は、液体であるインクを内部に貯留する液室210(図3参照)を有する容器である。液室210は、第1液室の一例である。
液室210は、例えば、樹脂製の壁によって画定されている。カートリッジ200は、図5(A)に示されるように、上下方向7及び前後方向8それぞれに沿った寸法が、左右方向9に沿った寸法よりも大きい扁平形状である。なお、異なる色のインクが貯留されるカートリッジ200の外形形状は、同一でもよいし、異なっていてもよい。カートリッジ200を構成する壁のうちの少なくとも一部は、透光性を有している。これにより、ユーザは、カートリッジ200の液室210に貯留されたインクの液面をカートリッジ200の外部から視認することができる。
カートリッジ200は、筐体201と、供給管230とを備える。筐体201は、後壁202と、前壁203と、上壁204と、下壁205と、一対の側壁206、207とで構成されている。なお、後壁202は、各々が前後方向8にずれた複数の壁によって構成されている。また、上壁204は、各々が上下方向7にずれた複数の壁によって構成されている。さらに、下壁205は、各々が上下方向7にずれた複数の壁によって構成されている。
カートリッジ200の内部空間には、図5(B)に示されるように、液室210、インクバルブ室213、及び大気バルブ室214が形成されている。液室210は、上部液室211と、下部液室212とを有する。上部液室211、下部液室212、及び大気バルブ室214は、筐体201の内部空間である。一方、インクバルブ室213は、供給管230の内部空間である。液室210は、インクを貯留する。大気バルブ室214は、液室210とカートリッジ200の外部とを連通させる。
液室210の上部液室211及び下部液室212は、筐体201の内部空間を仕切る隔壁215によって、上下方向7に隔てられている。そして、上部液室211及び下部液室212は、隔壁215に形成された貫通孔216によって連通されている。また、上部液室211及び大気バルブ室214は、筐体201の内部空間を仕切る隔壁217によって隔てられている。そして、上部液室211及び大気バルブ室214は、隔壁217に形成された貫通孔218によって連通されている。さらに、インクバルブ室213は、貫通孔219を通じて下部液室212の下端に連通されている。
大気バルブ室214は、カートリッジ200の上部において、後壁202に形成された大気連通口221を通じてカートリッジ200の外部に連通されている。すなわち、大気バルブ室214は、一端(貫通孔218)が液室210(より詳細には、上部液室211)に連通され、且つ他端(大気連通口221)がカートリッジ200の外部に連通された第2流路の一例である。なお、大気バルブ室214は、大気連通口221を通じて、大気に連通している。また、大気バルブ室214には、バルブ222と、コイルバネ223とが位置している。バルブ222は、閉塞位置と開放位置との間を、前後方向8に沿って移動可能である。バルブ222は、閉塞位置に位置すると、大気連通口221を閉塞する。また、バルブ222は、開放位置に位置すると大気連通口221を開放する。コイルバネ223は、バルブ222を開放位置から閉塞位置に移動させる向き、すなわち前後方向8に沿う後ろ向きに付勢している。
カートリッジ200が装着ケース150に装着される過程において、ロッド153が大気連通口221を通じて大気バルブ室214内に進入する。大気バルブ室214内に進入したロッド153は、閉塞位置のバルブ222をコイルバネ223の付勢力に抗して前後方向8に沿う前向きに移動させる。そして、バルブ222が開放位置に移動することによって、上部液室211が大気に連通される。なお、大気連通口221を開放するための構成は、前述の例に限定されない。他の例として、大気連通口221を封止するフィルムをロッド153が突き破る構成でもよい。
供給管230は、筐体201の下部において、後壁202から前後方向8に沿う後ろ向きに突出している。供給管230は、その後端が開口されている。すなわち、インクバルブ室213は、貫通孔219を通じて連通された液室210と、カートリッジ200の外部とを連通させる。インクバルブ室213は、一端(貫通孔219)が液室210(より詳細には下部液室212)と連通され、且つ他端(後述するインク供給口234)がカートリッジ200の外部と連通された第1流路の一例である。また、インクバルブ室213には、パッキン231と、バルブ232と、コイルバネ233とが位置している。
パッキン231の中央には、前後方向8に貫通したインク供給口234が形成されている。インク供給口234の内径は、ニードル181の外径より僅かに小さい。バルブ232は、閉塞位置と開放位置との間を、前後方向8に沿って移動可能である。バルブ232は、閉塞位置に位置すると、パッキン231と当接してインク供給口234を閉塞する。また、バルブ232は、開放位置に位置すると、パッキン231から離間してインク供給口234を開放する。コイルバネ233は、バルブ232を開放位置から閉塞位置に移動させる向き、すなわち前後方向8に沿う後ろ向きに付勢している。また、コイルバネ233の付勢力は、コイルバネ186より大きい。
カートリッジ200が装着ケース150に装着される過程において、供給管230がガイド182内に進入し、やがてニードル181がインク供給口234を通じてインクバルブ室213に進入する。このとき、ニードル181は、パッキン231を弾性変形させつつ、インク供給口234を画定する内周面に液密に接触する。カートリッジ200が装着ケース150へさらに挿入されると、ニードル181は、バルブ232をコイルバネ233の付勢力に抗して前向きに移動させる。また、バルブ232は、ニードル181の開口183から突出するバルブ185を、コイルバネ186の付勢力に抗して後ろ向きに移動させる。
これにより、図6に示されるように、インク供給口234及び開口183が開放されて、供給管230のインクバルブ室213と、ニードル181の内部空間とが連通される。
また、装着ケース150にカートリッジ200が装着された状態において、液室210の一部と、液室171の一部とは、水平方向から見て互いに重なる。さらに、液室210の底部よりも液室171の底部の方が、下方に位置している。その結果、液室210に貯留されたインクは、接続された供給管230及びジョイント180を通じて、液室210の水頭と液室171の水頭との差によってタンク160の液室171に流出する。
図5に示されるように、上壁204には、突起241が形成されている。突起241は、上壁204の外面から上方に突出し且つ前後方向8に沿って延びている。突起241は、ロック面242と、傾斜面243とを有する。ロック面242及び傾斜面243は、上壁204より上方に位置している。ロック面242は、前後方向8に沿って前を向き且つ上下方向7及び左右方向9それぞれに沿って延びている(すなわち、上壁204と概ね直交する)。傾斜面243は、上方及び後方を向くように、上壁204に対して傾斜している。
ロック面242は、装着ケース150にカートリッジ200が装着された状態において、ロックピン156に当接される面である。傾斜面243は、カートリッジ200が装着ケース150に装着される過程において、ロックピン156をロック面242と当接する位置まで案内する面である。ロック面242とロックピン156とが当接した状態では、コイルバネ186、223、233の付勢力に抗して、カートリッジ200が図6に示される装着位置に保持される。
ロック面242より前方において上壁204から上方へと延びるようにして、平板状の部材が形成されている。この平板状の部材の上面は、カートリッジ200を装着ケース150から抜く際に、ユーザが操作する操作部244である。カートリッジ200が装着ケース150に装着された状態で且つカバー87が開放位置に位置しているとき、操作部244は、ユーザに操作可能となる。操作部244が下方へ押されると、カートリッジ200が回動することによって、ロック面242がロックピン156より下方へ移動する。その結果、カートリッジ200が装着ケース150から抜くことが可能となる。
図5に示されるように、上壁204の外面で且つ突起241より後方には、遮光リブ245が形成されている。遮光リブ245は、上壁204の外面から上方に突出し且つ前後方向8に沿って延びている。遮光リブ245は、装着センサ32の発光部から出力される光を遮光する材料又は色で形成されている。遮光リブ245は、装着ケース150にカートリッジ200が装着された状態において、装着センサ32の発光部から受光部に至る光路上に位置する。すなわち、装着センサ32は、装着ケース150にカートリッジ200が装着されていることに応じて、ローレベル信号をコントローラ130(図1)に出力する。一方、装着センサ32は、装着ケース150にカートリッジ200が装着されていないことに応じて、ハイレベル信号をコントローラ130に出力する。すなわち、コントローラ130は、装着ケース150にカートリッジ200が装着されているか否かを、装着センサ32から出力される信号によって検出することができる。
図5に示されるように、上壁204の外面で且つ前後方向8における遮光リブ245及び突起241の間には、ICチップ34が位置している。ICチップ34には、電極248が形成されている。また、ICチップ34は、不図示のメモリを備える。電極248は、ICチップ34のメモリと電気的に接続されている。電極248は、ICチップ34の上面において、接続I/F152と導通可能に露出されている。すなわち、カートリッジ200が装着ケース150に装着された状態において、電極248は、接続I/F152と導通する。コントローラ130は、接続I/F152及び電極248を通じてICチップ34のメモリから情報を読み出し、接続I/F152及び電極248を通じてICチップ34のメモリに情報を書き込むことができる。以下では、ICチップ34のメモリをCTGメモリと記載して説明する。CTGメモリは、カートリッジメモリの一例である。
CTGメモリは、カートリッジ200の種別情報、シリアル番号、及びカートリッジ液量値、その他の情報を記憶する。種別情報とは、カートリッジ200が小容量カートリッジであるか、又は、大容量カートリッジであるか、貯留するインクの色などを示す情報である。シリアル番号は、カートリッジ200を個々に識別する情報である。カートリッジ液量値は、カートリッジ200が貯留するインクの量を示す値である。カートリッジ液量値は、第1液量値、第3液量値の一例である。
[コントローラ130]
プリンタ10は、コントローラ130を備える。コントローラ130は、図1に示されるように、CPU35、装置メモリ36、及び通信バス39を備えている。装置メモリ36は、ROM37、EEPROM61、及びRAM62を有する。コントローラ130は、コントローラ及び第1コントローラの一例である。装置メモリ36は、装置メモリ及び第1装置メモリの一例である。
ROM37は、OS(Operating Systemの略)プログラム37Aや、制御プログラム37Bや、通信プログラム37Cなどを記憶する。制御プログラム37Bは、後述の印刷処理などを行うプログラムである。通信プログラム37Cは、情報処理装置40などの外部機器との通信を制御するプログラムである。OSプログラム37Aは、制御プログラム37Bとは異なるプログラムであり、さらに通信プログラム37Cとは異なる動作を制御するプログラムである。OSプログラム37A、制御プログラム37B、及び通信プログラム37Cは、CPU35によって、アドレスに記述された命令が処理されることによって実行される。以下では、OSプログラム37A、制御プログラム37B、及び通信プログラム37Cが実行されることによって処理される動作を、コントローラ130の動作として記載することがある。なお、コントローラ130は、OSプログラム37A、制御プログラム37B、及び通信プログラム37Cが実行する動作の一部または全部を実現するICを用いたハード回路を有していてもよい。
EEPROM61は、プリンタ10の装置情報を記憶する。装置情報は、プリンタ10の識別情報を含む。プリンタ10の識別情報は、プリンタ10のMACアドレスやシリアル番号などである。
また、EEPROM61は、第1排出値、第2排出値、初期カートリッジ液量値、初期タンク液量値、S_Emptyフラグ、及びC_Emptyフラグを記憶する。詳しくは、後述する。
また、EEPROM61は、流出情報を記憶する。詳しくは、後述する。
通信バス39には、ヘッド21、通信インタフェース(以下、通信I/Fと記載)31、装着センサ32、液面センサ33、接続I/F152、クロック30、ディスプレイ17、不図示のモータなどが接続されている。クロック30は、日時情報を出力する。通信I/F31は、通信回線6に接続されている。通信I/F31は、第2インタフェースの一例である。
コントローラ130は、通信バス39を通じて不図示のモータを駆動させることによって、給送ローラ23、搬送ローラ25、及び排出ローラ27を回転させる。また、コントローラ130は、通信バス39を通じてヘッド21の駆動素子に駆動信号を出力することによって、ヘッド21からインク滴を吐出させる。
また、コントローラ130は、装着ケース150にカートリッジ200が装着されているか否かを装着センサ32を通じて検出する。さらに、コントローラ130は、液室171に貯留されたインクの液面が基準位置P以上か否かを液面センサ33を通じて検出する。
また、コントローラ130は、装着ケース150に装着されたカートリッジ200の電極248と、接続I/F152とを通じて、CTGメモリに記憶された種別情報、シリアル番号、及びカートリッジ液量値を読み出す。さらに、コントローラ130は、装着ケース150に装着されたカートリッジ200の電極248と、接続I/F152とを通じて、CTGメモリに記憶されたカートリッジ液量値の値を更新する。
[情報処理装置40]
情報処理装置40は、プリンタ10のベンダによってインターネットなどの通信回線6上に設置されてもよいし、当該ベンダとは異なる事業者によって設置されてもよい。情報処理装置40は、CPU41と、装置メモリ42と、通信インタフェース43(以下、通信I/F43と記載)と、クロック48と、通信バス44とを備える。CPU41、装置メモリ42、及び通信バス44は、コントローラ45を構成する。クロック48は、日時情報を出力する。通信I/F43は、通信回線6に接続されており、プリンタ10と通信を行う。情報処理装置40のコントローラ45は、第2コントローラの一例である。通信I/F43は、第3インタフェースの一例である。装置メモリ42は、第2装置メモリの一例である。
装置メモリ42は、プログラム記憶領域46と、データ記憶領域47とを有する。プログラム記憶領域46は、ハードディスクなどである。データ記憶領域47は、RAMやハードディスクなどである。
プログラム記憶領域46は、OSプログラム46Aや、制御プログラム46Bや、通信プログラム46Cなどのプログラムを記憶する。制御プログラム46Bは、後述の処理を実行する。通信プログラム46Cは、プリンタ10や発送サーバ50との通信を制御する。OSプログラム46Aは、制御プログラム46Bとは異なるプログラムであり、さらに通信プログラム46Cとは異なる制御をするプログラムである。以下では、OSプログラム46A、制御プログラム46B、及び通信プログラム46Cは、ハードディスクからRAMにコピーされ、RAMにコピーされた命令をCPU41が順に実行することによって実行される。以下では、OSプログラム46A、制御プログラム46B、及び通信プログラム46Cが実行されることによって処理される動作を、コントローラ45や情報処理装置40の動作として記載することがある。
データ記憶領域47は、図11に示されるカートリッジ管理リストを記憶する。カートリッジ管理リストは、複数のプリンタ10をまとめて管理するためのリストであり、例えば、情報処理装置40の管理者がカートリッジ200の発注を管理または監視するために用いられる。
カートリッジ管理リストは、各プリンタ10の各色のカートリッジ200ごとに記憶されるレコードと、複数の項目とを有する。複数の項目は、「識別情報」、「色情報」「ユーザ情報」、「宛先情報」、「モデル名」、「到着予定日時」、「発注日時」、「流出回数」、「流出日時」「シリアル番号」などである。カートリッジ管理リストの各レコードは、プリンタ10のユーザと契約されたことに応じて、生成される。なお、カートリッジ管理リストは、図示例以外の項目を有していてもよい。
項目「識別情報」は、各プリンタ10をそれぞれ個別に識別するものであり、例えば、MACアドレスやシリアル番号などである。項目「色情報」は、カートリッジ200内に貯留されるインクの色を示す。項目「ユーザ情報」は、契約するユーザの企業名などである。項目「宛先情報」は、新しいカートリッジ200が届けられる宛名及び住所を示す。項目「モデル名」は、プリンタ10のモデル名を示す。項目「到着予定日時」は、発注したカートリッジ200が宛先情報が示す宛先に到着する予定の日時を示す。項目「発注日時」は、新しいカートリッジ200が発注された日を示す。項目「識別情報」、「色情報」、「ユーザ情報」、「宛先情報」、「モデル名」は、レコードを生成する際に記憶される。項目「流出回数」、「流出日時」、及び「シリアル番号」については、後述する。
また、データ記憶領域47は、不図示の残量管理リストを記憶する。残量管理リストは、カートリッジ管理リストの各レコードで管理される各カートリッジそれぞれについて作成されるリストである。残量管理リストは、プリンタ10が送信した管理情報を情報処理装置40が受信するごとに、受信した管理情報を新たなレコードとして追加するリストである。情報処理装置40の制御プログラム46Bは、残量管理リストに基づいて、新たなカートリッジ200を発注する日時、及び発注した新たなカートリッジ200が宛先情報が示す宛先に到着する到着予定日時を算出し、カートリッジ管理リストの「到着予定日時」及び「発注日時」に記憶させる。
[管理システム5によるインクの管理]
管理システム5では、情報処理装置40がプリンタ10からインクの残量情報を含む管理情報を収集し、インクの残量が少なくなると、発送サーバ50に対してカートリッジ200の発注を行う。このように、インク残量の管理及びカートリッジ200の発注を情報処理装置40が行うことで、プリンタ10のユーザによるインク残量の管理及びカートリッジ200の購入の手間を省くことができる。
具体的には、プリンタ10のユーザが、インク残量の管理及びカートリッジ200の発注サービスを行っているメーカと契約を締結する。インク残量の管理及びカートリッジ200の発注サービスは、プリンタごとに契約されるサービスであり、契約時に、ユーザ情報や、契約対象のプリンタ10の識別情報が情報処理装置40に登録される。ユーザ情報は、カートリッジ200の配送先のユーザの氏名、住所などの宛先に関する情報である。識別情報は、契約対象のプリンタ10を個別に識別するための情報であり、プリンタ10のシリアル番号やMACアドレスなどである。
また、プリンタ10の識別情報とユーザ情報とが対応付けられて、情報処理装置40に登録される。以下、カートリッジ200の発注に関するプリンタ10、情報処理装置40、及び発送サーバ50の処理について、詳しく説明する。
[プリンタ10のコントローラ130が実行する処理]
図7〜図9に示されるフローチャートを参照して、プリンタ10のコントローラ130が実行する処理を説明する。なお、以下の各処理の実行順序は、本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜変更することができる。
[印刷処理]
コントローラ130は、プリンタ10に印刷指示が入力されたことに応じて、図7に示される印刷処理を実行する。印刷指示の取得元は特に限定されないが、例えば、印刷指示に対応するユーザ操作を操作パネル22やディスプレイ17を通じて受け付けてもよいし、通信I/F31を通じて外部装置から受信してもよい。印刷指示は、液体排出指示の一例である。印刷指示には、画像を示す画像データが含まれる。当該画像データは、プリンタ10のRAM62に記憶される。
まず、コントローラ130は、EEPROM61が記憶しているS_Emptyフラグの値が「ON」であるか「OFF」であるかを判断する(S11)。コントローラ130は、タンク160の液室171に貯留されたインクの液面が、タンク160からインクが流出する流出口174の上端に達する前にEEPROM61のS_Emptyフラグに「ON」を記憶させる。EEPROM61のS_Emptyフラグの値は、「ON」を記憶するまでは「OFF」を記憶している。なお、流出口174の上端にインクの液面が達すると、ヘッド21のノズルにエア(空気)が進入してしまう虞がある。ヘッド21のノズルに進入したエアがノズル内に滞留すると、ノズル内へのインクの進入が阻害されたり、ノズルからのインク滴の吐出が阻害されたりする虞が生じる。
すなわち、S_Emptyフラグは、ヘッド21のノズルにエアが進入することを防止するためのものである。コントローラ130は、後述のステップS14において、EEPROM61のS_Emptyフラグに「OFF」を記憶させ、ステップS55において、EEPROM61のS_Emptyフラグに「ON」を記憶させる。フローチャートには示されていないが、コントローラ130は、EEPROM61のS_Emptyフラグの値が「ON」であることに応じて、ヘッド21を通じたインクの排出を禁止する。また、コントローラ130は、EEPROM61のS_Emptyフラグの値が「OFF」であることに応じて、ヘッド21を通じたインクの排出を許容する。
コントローラ130は、EEPROM61のS_Emptyフラグの値が「ON」であると判断すると(S11:ON)、装着センサ32から装着信号を所定の時間間隔で取得する。次に、コントローラ130は、取得した装着信号がローレベル信号(以下、「L」と記載)からハイレベル信号(以下、「H」と記載)に変化し、さらに、取得した装着信号が「H」から「L」に変化したか否かを判断する(S12)。すなわち、装着信号の変化により、カートリッジ200が装着されたか否かが判断される。
コントローラ130は、取得した装着信号が「H」から「L」に変化していない、すなわちカートリッジ200が装着されたのではないと判断すると(S12:No)、装着センサ32から装着信号の定期的な取得を継続する。コントローラ130は、カートリッジ200が装着されたと判断すると(S12:Yes)、第1更新処理(S13)を実行する。なお、コントローラ130が、カートリッジ200が装着されたか否かを判断する具体例として、ステップS12の処理を挙げたが、これに限られない。例えば、シリアル番号を用いてカートリッジ200が装着されたか否かが判断されてもよい。コントローラ130は、カートリッジ200のCTGメモリからカートリッジ200のシリアル番号を読み出す。そして、コントローラ130は、読み出したシリアル番号と、EEPROM61が記憶しているシリアル番号とが一致するか否かを判断する。EEPROM61が記憶しているシリアル番号とは、装着ケース150に新しいカートリッジ200が装着される前に装着ケース150に装着されていたカートリッジ200のCTGメモリが記憶しているシリアル番号である。
[第1更新処理]
図8(A)に示される第1更新処理は、コントローラ130が、EEPROM61に記憶された初期カートリッジ液量値及び初期タンク液量値と、カートリッジ200のICチップ34に記憶されたカートリッジ液量値とを更新する処理である。
まず、コントローラ130は、接続I/F152を通じて、装着ケース150に装着されたカートリッジ200のCTGメモリから、当該CTGメモリが記憶するカートリッジ液量値を読み出す(S31)。コントローラ130は、読み出したカートリッジ液量値を初期カートリッジ液量値としてEEPROM61に記憶させる(S32)。
また、コントローラ130は、タンク液量値をRAM62から読み出す(S33)。なお、電源オフなどによってRAM62にタンク液量値が記憶されていない場合、コントローラ130は、後述の第4更新処理と同様にして、タンク液量値を算出し、当該算出したタンク液量値をRAM62に記憶する。RAM62から読み出されるタンク液量値は、カートリッジ200が装着される直前にタンク160の液室171に貯留されていたインクの液量を示す値である。換言すれば、タンク液量値は、カートリッジ200が抜かれた際にタンク160の液室171に貯留されていたインクの液量を示す値である。コントローラ130は、RAM62から読み出したタンク液量値を初期タンク液量値としてEEPROM61に記憶させる(S33)。
コントローラ130は、初期カートリッジ液量値及び初期タンク液量値を加算し、インクの総液量を示す総液量値を算出する(S34)。コントローラ130は、算出した総液量値から、新たなカートリッジ液量値及びタンク液量値を決定する(S35)。
具体的に説明すると、新たなカートリッジ200が装着ケース150に装着されると、カートリッジ200の液室210から、当該液室210に貯留されていたインクの一部がタンク160の液室171へと流出する。カートリッジ200の液室210からタンク160の液室171へのインクの流出は、カートリッジ200の液室210に貯留されたインクの水頭と、タンク160の液室171に貯留されたインクの水頭との差がほぼ無くなると、停止する。新たなカートリッジ液量値及び新たなタンク液量値は、カートリッジ200の液室210に貯留されたインクの水頭と、タンク160の液室171に貯留されたインクの水頭との差がほぼ無くなった状態でのインク残量を示す。
カートリッジ液量値及びタンク液量値は、例えばコントローラ130が、EEPROM61やROM37が記憶する計算式に基づく算出をすることで決定してもよい。或いは、カートリッジ液量値及びタンク液量値は、例えばコントローラ130が、EEPROM61やROM37が記憶するテーブルに基づいて決定してもよい。具体的に説明すると、カートリッジ200の液室210の形状及びタンク160の液室171の形状は、設計によって予め決められる。したがって、インクの総液量値が判れば、カートリッジ200に貯留されたインクの水頭とタンク160に貯留されたインクの水頭との差がほぼ無くなった状態におけるカートリッジ液量値及びタンク液量値も判る。EEPROM61やROM37は、総液量値からカートリッジ液量値及びタンク液量値を計算する計算式を予め記憶している。或いは、EEPROM61やROM37は、総液量値とカートリッジ液量値とタンク液量値との対応が示されたテーブルを予め記憶している。コントローラ130は、インクの総液量値と、当該計算式やテーブルと、により、新たなカートリッジ液量値及び新たなタンク液量値を決定する。
コントローラ130は、決定した新たなカートリッジ液量値をRAM62に記憶させるとともに、CTGメモリに記憶されたカートリッジ液量値を更新する(S36)。また、コントローラ130は、決定した新たなタンク液量値をRAM62に記憶させ(S37)。第1更新処理を終了する。タンク液量値は、第2液量値の一例である。
コントローラ130は、図7に示されるように、第1更新処理が終了すると(S13)、EEPROM61のS_Emptyフラグに「OFF」を記憶させ、EEPROM61のC_Emptyフラグに「OFF」を記憶させ、EEPROM61の第1排出値及び第2排出値としてゼロを記憶させる(S14)。コントローラ130は、ステップS14の処理の実行後に、ステップS11の処理を再び実行する。なお、C_Emptyフラグ、第1排出値、及び第2排出値については後述する。
コントローラ130は、EEPROM61のS_Emptyフラグの値が「OFF」であると判断すると(S11:OFF)、液面センサ33からの信号(以下、液面信号と記載)を取得する(S15)。その後、コントローラ130は、RAM62が記憶する画像データに従って、シートに印刷を行う(S16)。画像がシートに印刷されることにより、インクがヘッド21を通じて排出される。インクが排出されたことにより、タンク160におけるインクの液面が下がる。コントローラ130は、印刷の実行後(S16)、液面センサ33から液面信号を取得する(S17)。次に、コントローラ130は、ステップS15で取得した液面信号とステップS17で取得した液面信号との判断をする(S18)。以下、コントローラ130が、液面センサ33から取得するローレベル信号を「L」と記載することがある。また、コントローラ130が、液面センサ33から取得するハイレベル信号を、「H」と記載することがある。
コントローラ130は、ステップS15及びS17で取得した液面信号がともに「L」であると判断すると(S18:L→L)、第2更新処理(S19)を実行する。ステップS18で、コントローラ130が、ステップS15及びS17で取得した液面信号がともに「L」であると判断した際は、タンク160の液室171に貯留されたインクは、以下の状態である。すなわち、印刷の実行(S16)前のタンク160の液室171に貯留されたインクの液面の位置が基準位置P以上(ステップS15で取得した液面信号が「L」)である。及び、印刷の実行(S16)後のタンク160の液室171に貯留されたインクの液面の位置が基準位置P以上(ステップS17で取得した液面信号が「L」)である。すなわち、印刷の実行(S16)後、コントローラ130がステップS17で取得した液面信号が「L」である際の、カートリッジ200の液室210には、インクが存在している。
[第2更新処理]
図8(B)に示される第2更新処理は、コントローラ130が、印刷やメンテナンスにおいてヘッド21を通じて排出されたインクの量を示す第1排出値から、新たなカートリッジ液量値及びタンク液量値を決定する処理である。第1排出値は、例えば、ヘッド21に吐出させるインク1滴の量に、当該インク1滴が吐出される回数を乗じた値である。コントローラ130は、ヘッド21にインクの吐出を指示するごとに、指示に応じた第1排出値をカウントする。コントローラ130は、カートリッジ200の装着後から現在までにヘッド21が吐出した量に相当する第1排出値をカウントする。すなわち、第1排出値は、カートリッジ200の装着後から現在までにヘッド21が吐出したインクの量の積算値である。この第1排出値は、EEPROM61が記憶している。第1排出値は、排出値の一例である。
まず、コントローラ130は、初期カートリッジ液量値と初期タンク液量値とをEEPROM61から読み出す(S41)。次に、コントローラ130は、読み出した初期カートリッジ液量値と初期タンク液量値とを加算して総液量値を算出する(S42)。コントローラ130は、算出した総液量値から第1排出値を減算し、新たな総液量値を算出する(S43)。その後、コントローラ130は、上述と同様に、計算式やテーブルを用いて新たなカートリッジ液量値及び新たなタンク液量値を決定する(S44)。
コントローラ130は、決定した新たなカートリッジ液量値をRAM62に記憶させるとともに、CTGメモリに記憶されたカートリッジ液量値を更新する(S45)。また、コントローラ130は、決定した新たなタンク液量値をRAM62に記憶させ(S46)、第2更新処理を終了する。
コントローラ130は、図7に示されるように、第2更新処理(S19)が終了すると、次ページの画像データがRAM62に記憶されているか否かを判断する(S22)。コントローラ130は、次ページの画像データがRAM62に記憶されていると判断すると(S22:Yes)、ステップS11の処理を再び実行する。コントローラ130は、次ページの画像データがRAM62に記憶されていないと判断すると(S22:No)、印刷処理を終了する。
なお、上述したカートリッジ液量値及びタンク液量値の決定方法は一例であり、他の方法によってカートリッジ液量値及びタンク液量値が決定されてもよい。
コントローラ130は、EEPROM61のS_Emptyフラグの値が「OFF」であると判断すると(S11:OFF)、再び、ステップS15からS18までの処理を実行する。コントローラ130は、ステップS15で取得した液面信号が「L」であり、且つステップS17で取得した液面信号が「H」であると判断すると(S18:L→H)、第3更新処理(S20)を実行する。ステップS18で、コントローラ130が、ステップS15で取得した液面信号が「L」であり、且つS17で取得した液面信号が「H」であると判断した際は、タンク160の液室171に貯留されたインクは、以下の状態である。すなわち、印刷の実行(S16)前のタンク160の液室171に貯留されたインクの液面の位置が基準位置P以上(ステップS15で取得した液面信号が「L」)である。及び、印刷の実行(S16)後のタンク160の液室171に貯留されたインクの液面の位置が基準位置P未満(ステップS17で取得した液面信号が「H」)である。すなわち、印刷の実行(S16)中に、カートリッジ200の液室210内にあったインクが存在しなくなったのである。換言すれば、印刷の実行(S16)中にカートリッジ200の液室210に貯留されたインクが使い切られたことを意味する。
[第3更新処理]
図8(C)に示される第3更新処理は、コントローラ130が、初期カートリッジ液量値を第1所定値に更新し、かつ初期タンク液量値を第2所定値に更新する処理である。すなわち、第3更新処理は、積算された誤差をリセットする処理である。
まず、コントローラ130は、CTGメモリに記憶された初期カートリッジ液量値を第1所定値で更新する(S47)。第1所定値は、例えば「ゼロ」である。また、コントローラ130は、初期タンク液量値を第2所定値としてRAM62及びEEPROM61に記憶させる(S48)。第2所定値は、基準位置Pにインクの液面がある場合にタンク160の液室171に貯留されているインクの量を示す値である。第1所定値及び第2所定値は、例えば、ROM37に予め記憶される。
次に、コントローラ130は、EEPROM61のC_Emptyフラグに「ON」を記憶させ(S49)、第3更新処理を終了する。
コントローラ130は、図7に示されるように、第3更新処理(S20)が終了すると、次ページの画像データがRAM62に記憶されているか否かを判断する(S22)。コントローラ130は、次ページの画像データがRAM62に記憶されていると判断すると(S22:Yes)、ステップS11の処理を再び実行する。コントローラ130は、次ページの画像データがRAM62に記憶されていないと判断すると(S22:No)、印刷処理を終了する。
コントローラ130は、ステップS11の処理で、EEPROM61のS_Emptyフラグの値が「OFF」であると判断すると(S11:OFF)、再び、ステップS15からS18までの処理を実行する。コントローラ130は、ステップS15及びS17で取得した液面信号がともに「H」であると判断すると(S18:H→H)、第4更新処理(S21)を実行する。ステップS18で、コントローラ130が、ステップS15及びS17で取得した液面信号が共に「H」であると判断した際は、タンク160の液室171に貯留されたインクは、以下の状態である。すなわち、印刷の実行(S16)前のタンク160の液室171に貯留されたインクの液面の位置が基準位置P未満(ステップS15で取得した液面信号が「H」)である。及び、印刷の実行(S16)後のタンク160の液室171に貯留されたインクの液面の位置が基準位置P未満(ステップS17で取得した液面信号が「H」)である。すなわち、印刷の実行(S16)の前後で、コントローラ130が、カートリッジ200の液室210には、インクが存在していない。
[第4更新処理]
図8(D)に示される第4更新処理は、コントローラ130が、タンク液量値を算出し、さらに、印刷を禁止するか否かを判断する処理である。まず、コントローラ130は、第2所定値に更新された初期タンク液量値をEEPROM61から読み出す(S51)。コントローラ130は、読み出した初期タンク液量値から第2排出値を減算し、新たなタンク液量値を算出する(S52)。第2排出値は、第1排出値と同様に、例えば、ヘッド21に吐出させるインク1滴の量に、当該インク1滴が吐出される回数を乗じた値である。コントローラ130は、ヘッド21にインクの吐出を指示するごとに、指示に応じた第2排出値をカウントする。コントローラ130は、液面センサ33から取得した液面信号が「L」から「H」に変化した後から、現在までにヘッド21が排出したインクの量を示す第2排出値をカウントする。すなわち、第2排出値は、液面センサ33から取得した液面信号が「L」から「H」に変化した後から現在までにヘッド21が排出したインクの量の積算値である。この第2排出値は、EEPROM61が記憶している。第2排出値は、排出値の一例である。
コントローラ130は、算出した新たなタンク液量値を、RAM62に記憶させる(S53)。次に、コントローラ130は、カウントした第2排出値が閾値に到達したか否かを判断する(S64)。閾値は、ROM37やEEPROM61に予め記憶された値である。コントローラ130は、カウントした第2排出値が閾値に到達していないと判断すると(S54:Yes)、第4更新処理を終了する。一方、コントローラ130は、カウントした第2排出値が閾値に到達したと判断すると(S54:No)、EEPROM61のS_Emptyフラグに「ON」を記憶させ(S55)、第4更新処理を終了する。フローチャートには示されていないが、コントローラ130は、EEPROM61のS_Emptyフラグに「ON」が記憶されていると判断すると、印刷及びメンテナンスを含めて、ヘッド21を通じたインクの排出を禁止する。
コントローラ130は、図7に示されるように、第4更新処理(S21)が終了すると、次ページがRAM62に記憶されているか否かを判断する(S22)。コントローラ130は、次ページがRAM62に記憶されていると判断すると(S22:Yes)、ステップS11の処理を再び実行する。コントローラ130は、次ページがRAM62に記憶されていないと判断すると(S22:No)、印刷処理を終了する。
上述のように、コントローラ130は、ステップS16の印刷を実行する度に、印刷に使用したインクの量に応じてカートリッジ液量値及びタンク液量値を決定する。なお、上述では、コントローラ130が、1ページ分の印刷を実行する度にカートリッジ液量値及びタンク液量値を決定する例を説明した。これに代えて、コントローラ130は、カートリッジ液量値及びタンク液量値を、1パスの印刷を実行する度に決定してもよい。また、コントローラ130は、第2更新処理、第3更新処理、及び第4更新処理を、印刷だけでなく、メンテナンスなどのためにヘッド21を通じてインクが排出されるごとに実行する。メンテナンスの実行指示は、液体排出指示の一例である。
[管理情報送信処理及び管理情報記憶処理]
次に、プリンタ10が液量情報を含む管理情報を送信する場合にプリンタ10のコントローラ130が実行する管理情報送信処理と、管理情報を受信した情報処理装置40が管理情報を装置メモリ42に記憶する管理情報記憶処理とを説明する。
図9に示されるように、プリンタ10のコントローラ130は、管理情報を送信する送信時刻になったか否かを判断する(S61)。送信時刻は、例えば、午前0時である。すなわち、毎日の定刻に管理情報が送信される。
プリンタ10のコントローラ130は、管理情報を送信する送信時刻になったと判断すると(S61:Yes)、カートリッジ液量値及びタンク液量値をRAM62から読み出して取得する(S62)。なお、電源OFF等によって、カートリッジ液量値及びタンク液量値がRAM62に記憶されていない場合は、コントローラ130は、上述の第2更新処理や第4更新処理と同様にしてカートリッジ液量値及びタンク液量値を算出して取得する。なお、カートリッジ液量値及びタンク液量値は、マゼンタ、シアン、イエロー、及びブラックの各色についてそれぞれ取得される。
コントローラ130は、装置メモリ36やCTGメモリから、自己の識別情報と、各カートリッジ200の種別情報またはシリアル番号を読み出して取得する。また、コントローラ130は、装置メモリ36から、後述の流出情報を読み出して取得する。コントローラ130は、取得したカートリッジ液量値及びタンク液量値と、自己の識別情報と、カートリッジ200の種別情報またはシリアル番号と、流出情報とを含む管理情報を生成する(S62)。コントローラ130は、生成した管理情報を通信I/F31を通じて情報処理装置40に送信し(S63)、管理情報送信処理を終了する。
一方、情報処理装置40のコントローラ45は、プリンタ10が送信した管理情報を受信したか否かを判断する(S64)。コントローラ45は、プリンタ10が送信した管理情報を、通信I/F43を通じて受信したと判断すると(S64:Yes)、受信した管理情報を用いて、残量管理リストに追加する新たなレコードを生成し、装置メモリ42に記憶させる。
情報処理装置40のコントローラ45は、残量管理リストの各レコードから、カートリッジ200を発注するか否かを判断する(S66)。例えば、コントローラ45は、カートリッジ液量値がゼロであることに応じて、カートリッジ200を発注すると決定する。コントローラ45は、カートリッジ200を発注すると決定すると(S66:Yes)、カートリッジ200の発注を手配する(S67)。一方、コントローラ45は、カートリッジ200を発注しないと判断すると(S66:No)、ステップS67の処理をスキップする。
情報処理装置40のコントローラ45は、受信した管理情報や、カートリッジ200の発注を手配したことに応じて、カートリッジ管理リスト(図11)の項目「発注日時」、「到着予定日時」、「流出回数」、「流出日時」、「シリアル番号」を更新する。
[流出情報生成処理]
以下、プリンタ10のコントローラ130が流出情報を生成する処理について、詳しく説明する。流出情報は、タンク160からカートリッジ200にインクが流出したことを示す情報である。流出情報は、例えば、流出が生じた回数を示す流出回数と、流出が生じた日時を示す流出日時と、流出が生じたカートリッジ200のシリアル番号とを含む。ただし、流出情報は、上述以外の情報を含んでいてもよい。
タンク160からカートリッジ200にインクが流出する場合とは、例えば、インクが残っているカートリッジ200が装着ケース150から外されて、空のカートリッジ200が装着ケース150に装着された場合などである。その場合、タンク160内のインクの液面位置は、カートリッジ200の液室210の最下端の位置よりも高い位置にある。したがって、水頭差により、タンク160からカートリッジ200へインクが流出する。
以下で説明される流出情報生成処理は、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの各色のインクをそれぞれ貯留する4つのカートリッジ200に対してそれぞれ実行される。
まず、図10に示されるように、プリンタ10のコントローラ130は、ユーザが装着ケース150からカートリッジ200を外すためにカバー87を開いたか否かを判断する(S71)。具体的には、コントローラ130は、カバーセンサ88が出力する信号を定期的に取得し、カバーセンサ88が出力する信号がローレベル信号(以下、「L」とも記載する)からハイレベル信号(以下、「H」とも記載する)に変化したか否かを判断する。
コントローラ130は、カバーセンサ88が出力する信号が「L」から「H」に変化し、カバー87が開かれたと判断すると(S71:Yes)、ステップS72からS76の処理を実行する。ステップS72からS76の処理は、装着ケース150からカートリッジ200が外されたか否かを判断する処理である。
まず、コントローラ130は、カートリッジ200のCTGメモリに定期的にアクセスを試み(S72)、CTGメモリにアクセスできたか否かを判断する(S73)。コントローラ130は、カートリッジ200が装着ケース150から外されたことによってCTGメモリにアクセスできないと判断すると(S73:No)、アクセスフラグに「OFF」を設定し(S75)、ステップS72、S73の処理を再度、実行する。アクセスフラグは、EEPROM61に記憶されるフラグである。
一方、コントローラ130は、カートリッジ200のCTGメモリにアクセスできたと判断すると(S73:Yes)、アクセスフラグの値が「ON」であるか「OFF」であるかを判断する(S75)。すなわち、ステップS75では、交換後のカートリッジ200のCTGメモリにアクセスしたか否かが判断される。
コントローラ130は、アクセスフラグが「ON」であると判断すると(S75:ON)、ステップS72からS75の処理を再度、実行する。一方、コントローラ130は、アクセスフラグが「OFF」であって、交換後のカートリッジ200のCTGメモリにアクセスしたと判断すると(S75:OFF)、アクセスフラグに「ON」を設定する(S76)。
次に、コントローラ130は、アクセスできた交換後のカートリッジ200のCTGメモリからシリアル番号を読み出して取得する(S77)。コントローラ130は、CTGから読み出したシリアル番号が、装置メモリ36に記憶されたシリアル番号と一致するか否かを判断する(S78)。装置メモリ36には、交換前のカートリッジ200のCTGメモリから読み出したシリアル番号が記憶されている。すなわち、ステップS78では、装着ケース150に装着されていたカートリッジ200が別のカートリッジ200に交換されたか否かが判断される。
コントローラ130は、シリアル番号が一致すると判断すると(S78:Yes)、すなわち、装着ケース150に装着されていた元のカートリッジ200が装着ケース150に装着されたと判断すると、流出情報生成処理を終了する。一方、コントローラ130は、シリアル番号が一致しないと判断すると(S78:No)、すなわち、装着ケース150に装着されていたカートリッジ200とは別のカートリッジ200が装着ケース150に装着されたと判断すると、カートリッジ200のCTGメモリから読み出したシリアル番号をEEPROM61に記憶させる(S79)。
次に、コントローラ130は、カートリッジ液量値をRAM62から読み出して取得する(S80)。なお、電源オフなどによって、カートリッジ液量値がRAM62に記憶されていない場合は、コントローラ130は、上述の第2更新処理と同様の処理を行って、カートリッジ液量値Aを算出して取得する。また、コントローラ130は、カートリッジ200のCTGメモリから、カートリッジ液量値Bを読み出して取得する(S81)。
コントローラ130は、ステップS70で取得したカートリッジ液量値AがステップS80で取得したカートリッジ液量値Bより大きいか否かを判断する(S82)。すなわち、タンク160からカートリッジ200にインクが流出するか否かを判断する。
詳しく説明すると、ステップS79で取得するカートリッジ液量値Aは、装着ケース150から外される前の元のカートリッジ200内のインクの液量を示す。カートリッジ200内のインクの液面位置と、タンク160内のインクの液面位置とは、ほぼ同じである。したがって、タンク160内のインクの液面位置は、カートリッジ液量値Aに応じた位置である。一方、ステップS80で取得されるカートリッジ液量値Bは、交換されたカートリッジ200内のインクの液量を示す。したがって、カートリッジ200内の液面位置は、カートリッジ液量値Bに応じた位置である。よって、カートリッジ液量値Aがカートリッジ液量値Bより大きいことは、カートリッジ200を装着ケース150に装着した直後において、タンク160内のインクの液面位置が、カートリッジ200内のインクの液面位置より上であることを意味する。タンク160内のインクの液面位置がカートリッジ200内のインクの液面位置より上であると、タンク160からカートリッジ200へインクが流出する。
コントローラ130は、カートリッジ液量値Aがカートリッジ液量値B以下であると判断すると(S82:No)、タンク160からカートリッジ200にインクが流出しないと判断し、流出情報生成処理を終了する。一方、コントローラ130は、カートリッジ液量値Aがカートリッジ液量値Bより大きいと判断すると(S82:Yes)、流出情報を生成し、EEPROM61に記憶させる(S83)。
具体的には、コントローラ130は、クロック30が出力する日時情報と、ステップS77で取得したシリアル番号とを対応付けて、流出情報としてEEPROM61に記憶させる。また、コントローラ130は、EEPROM61に記憶された流出回数をインクリメントする。流出回数の初期値はゼロである。また、流出情報として、カートリッジ液量値Aとカートリッジ液量値BをEEPROM61に記憶させてもよい。これにより、流出の程度が把握できる。
次に、コントローラ130は、タンク160からカートリッジ200にインクが流出したことを示すオブジェクトをディスプレイ17に表示させる(S84)。タンク160からカートリッジ200にインクが流出したことを示すオブジェクトは、文章であってもよいし、文字や記号や絵などであってもよい。
次に、コントローラ130は、流出情報に応じた情報をカートリッジ200のCTGメモリに記憶させる(S85)。流出情報に応じた情報とは、例えば、「ON」である流出フラグである。コントローラ130は、例えば、初期値が「OFF」である流出フラグを「OFF」にしてCTGメモリに記憶させる。
上述したように、プリンタ10のコントローラ130は、流出情報を含む管理情報を通信I/F31を通じて情報処理装置40に送信する(図9、S63)。管理情報を受信した情報処理装置40のコントローラ45は、管理情報に含まれるシリアル番号、流出日時、及び流出回数を用いて、カートリッジ管理リスト(図11)の項目「シリアル番号」、「流出日時」、及び「流出回数」を上書きする(S68)。
なお、情報処理装置40のコントローラ45は、管理情報に流出情報が含まれることに応じて、流出情報が含まれる管理情報を送信したプリンタ10の識別情報と対応するユーザ情報をカートリッジ管理リスト(図11)から決定し、決定したユーザ情報を含むメールを生成し、生成したメールを管理システム5の管理者に送信してもよい。すなわち、流出が生じたプリンタ10のユーザが管理システム5の管理者に報告される。
[実施形態の作用効果]
本実施形態によれば、ステップS80からS83の処理により、タンク160からカートリッジ200にインクが流出したことを検出することができる。
また、本実施形態によれば、タンク160からカートリッジ200にインクが流出したことを示すオブジェクトがディスプレイ17に表示されるので、誤った使用がされたことをユーザに認識させることができる。
また、本実施形態によれば、流出フラグがカートリッジ200のCTGメモリに記憶されるので、当該カートリッジ200が装着ケース150に装着された際に、タンク160からインクが流入したカートリッジ200であることをプリンタ10のコントローラ130に認識させることができる。
また、本実施形態によれば、情報処理装置40に送信される流出情報に、流出が生じたカートリッジ200のシリアル番号が含まれるので、インクの流入が繰り返し生じたカートリッジ200であるか否かを情報処理装置40に判断させることができる。
また、本実施形態によれば、流出情報は、管理情報に含めて送信される。したがって、情報処理装置40のコントローラ45は、発注日時などの他の項目と同時に、流出日時などの項目を上書きしてカートリッジ管理リストを更新することができる。
[変形例1]
上述の実施形態では、装置メモリ36から読み出したカートリッジ液量値Aが、CTGメモリから読み出したカートリッジ液量値Bより大きいことにより、タンク160からカートリッジ200にインクが流出すると判断する例を説明した。本変形例では、交換前のカートリッジ200のインクの液面位置が、交換後のカートリッジ200のインクの液面位置より上であることにより、タンク160からカートリッジ200にインクが流出すると判断する例を説明する。
プリンタ10のコントローラ130は、図10に示される流出情報生成処理に代えて、図12(A)に示される流出情報生成処理を実行する。なお、実施形態と同様の処理については、実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。また、以下で説明する処理以外の処理は、実施形態と同様に実行される。
まず、プリンタ10のコントローラ130は、実施形態と同様に、ステップS71〜S81までの処理を実行する。次に、コントローラ130は、ステップS80でRAM62から読み出して取得したカートリッジ液量値Aに基づいて、交換前のカートリッジ200内のインクの液面位置である交換前液面位置H1を決定する(S91)。具体的には、装置メモリ36は、カートリッジ液量値と液面位置との対応が示されたテーブルを記憶する。或いは、装置メモリ36は、カートリッジ液量値から液面位置を算出する計算式を記憶する。コントローラ130は、装置メモリ36に記憶されたテーブルまたは計算式を用いて、ステップS80で読み出して取得したカートリッジ液量値Aから、交換前液面位置H1を決定する(S91)。
次に、コントローラ130は、ステップS81でCTGメモリから読み出して取得したカートリッジ液量値Bに基づいて、交換後のカートリッジ200内のインクの液面位置である交換後液面位置H2を決定する(S92)。具体的には、コントローラ130は、装置メモリ36に記憶されたテーブルまたは計算式を用いて、ステップS81で読み出して取得したカートリッジ液量値Bから、交換後液面位置H2を決定する(S92)。
次に、コントローラ130は、決定した交換前液面位置H1が交換後液面位置H2より上であるか否かを判断する(S93)。すなわち、タンク160からカートリッジ200にインクが流出するか否かを判断する。
詳しく説明すると、交換前液面位置H1は、カートリッジ200が交換される前におけるタンク160内のインクの液面位置とほぼ同じである。したがって、交換前液面位置H1が交換後液面位置H2以上であることは、カートリッジ200を装着ケース150に装着した直後において、タンク160内のインクの液面位置が、カートリッジ200内のインクの液面位置よりも高いことを意味する。タンク160内のインクの液面位置がカートリッジ200内のインクの液面位置より上であると、タンク160からカートリッジ200へインクが流出する。
コントローラ130は、交換前液面位置H1が交換後液面位置H2未満であると判断すると(S93:No)、タンク160からカートリッジ200にインクが流出しないと判断し、流出情報生成処理を終了する。一方、コントローラ130は、交換前液面位置H1が交換後液面位置H2より上であると判断すると(S93:Yes)、実施形態と同様に、ステップS83からS85の処理を実行する。ここで、流出情報には、交換前液面位置H1と交換後液面位置H2とを含めてもよい。これにより、流出の程度が把握できる。
[変形例1の作用効果]
上述のように、交換前のカートリッジ200内のインクの液面位置と、交換後のカートリッジ200のインクの液面位置とを用いても、タンク160からカートリッジ200にインクが流出したことを検出することができる。
[変形例2]
本変形例では、交換前の総液量値と、交換後の総液量値とを用いて、タンク160からカートリッジ200にインクが流出することを検出する例を説明する。
プリンタ10のコントローラ130は、図10に示される流出情報生成処理に代えて、図12(B)に示される流出情報生成処理を実行する。なお、実施形態と同様の処理については、実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。また、以下で説明する処理以外の処理は、実施形態と同様に実行される。
まず、プリンタ10のコントローラ130は、実施形態と同様に、ステップS71〜S79までの処理を実行する。次に、コントローラ130は、タンク液量値C及びカートリッジ液量値AをRAM62から読み出して取得する(S101)。コントローラ130は、読み出して取得したタンク液量値Cとカートリッジ液量値Aとを和し、カートリッジ200が交換される前の交換前総液量値Dを算出する(S102)。なお、電源オフなどによってタンク液量値C及びカートリッジ液量値AがRAM62に記憶されていない場合は、コントローラ130は、上述の第1更新処理や第4更新処理と同様にして、交換前総液量値Dを算出する。
次に、コントローラ130は、交換後のカートリッジ200のCTGメモリからカートリッジ液量値Bを読み出して取得する(S103)。コントローラ130は、取得したカートリッジ液量値Bと、ステップS101で読み出して取得したタンク液量値Cとを和し、カートリッジ200が交換された後の交換後総液量値Eを算出する(S104)。
次に、コントローラ130は、算出した交換前総液量値Dが交換後総液量値Eより大きいか否かを判断する(S105)。すなわち、タンク160からカートリッジ200にインクが流出するか否かを判断する。
コントローラ130は、交換前総液量値Dが交換後総液量値E以下であると判断すると(S105:No)、タンク160からカートリッジ200にインクが流出しないと判断し、流出情報生成処理を終了する。一方、コントローラ130は、交換前総液量値Dが交換後総液量値Eより大きいと判断すると(S105:Yes)、実施形態と同様に、ステップS83からS85の処理を実行する。ここで、流出情報には、交換前総液量値Dと交換後総液量値Eとを含めてもよい。これにより、流出の程度を把握できる。
[変形例2の作用効果]
上述のように、カートリッジ200が交換される前の総液量値と、カートリッジ200が交換された後の総液量値とを用いても、タンク160からカートリッジ200にインクが流出したことを検出することができる。
[変形例3]
上述の実施形態では、プリンタ10のコントローラ130が、タンク160からカートリッジ200にインクが流出したか否かを判断する例を説明した。本変形例では、情報処理装置40のコントローラ45が、タンク160からカートリッジ200にインクが流出したか否かを判断する例を説明する。
プリンタ10のコントローラ130は、図10に示される流出情報生成処理に代えて、図13(A)に示される判断情報生成処理を実行する。また、情報勝利装置40のコントローラ45は、図13(B)に示される流出判断処理を実行する。なお、実施形態と同様の処理については、実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。また、以下で説明する処理以外の処理は、実施形態と同様に実行される。
図13(A)に示されるように、プリンタ10のコントローラ130は、判断情報生成処理において、実施形態と同様に、ステップS71からS81の処理を実行する。次に、コントローラ130は、ステップS80でRAM62から読み出したカートリッジ液量値Aと、ステップS81でCTGメモリから読み出したカートリッジ液量値Bと、ステップS77で取得したシリアル番号と、シリアル番号を取得した時にクロック30が出力した日時情報と、を含む判断情報を生成し、生成した判断情報をEEPROM61に記憶して、判断情報生成処理を終了する。
プリンタ10のコントローラ130は、流出情報に代えて、判断情報生成処理で生成した判断情報を含む管理情報を情報処理装置40に送信する(S63)。すなわち、カートリッジ200の交換が行われた後に送信される管理情報に、判断情報が含まれる。
一方、情報処理装置40のコントローラ45は、プリンタ10が送信した管理情報を受信するごとに、図13(B)に示される流出判断処理を実行する。まず、コントローラ45は、受信した管理情報に判断情報が含まれるか否かを判断する(S112)。コントローラ45は、管理情報に判断情報が含まれないと判断すると(S112:No)、流出判断処理を終了する。一方、コントローラ45は、受信した管理情報に判断情報が含まれると判断すると、判断情報に含まれるカートリッジ液量値Aがカートリッジ液量値Bより大きいか否かを判断する(S113)。すなわち、ステップS113では、タンク160からカートリッジ200にインクが流出するか否かが判断される。
コントローラ45は、カートリッジ液量値Aがカートリッジ液量値B以下であると判断すると(S113:No)、流出判断処理を終了する。一方、コントローラ45は、カートリッジ液量値Aがカートリッジ液量値Bより大きいと判断すると(S113:Yes)、判断情報から流出情報を生成し、生成した流出情報を用いてカートリッジ管理リストの項目を上書きし(S114)、流出判断処理を終了する。
[変形例3の作用効果]
プリンタ10のコントローラ130が判断情報を情報処理装置40に送信することにより、タンク160からカートリッジ200にインクが流出したか否かを判断させることができる。
また、タンク160からカートリッジ200にインクが流出したことを、情報処理装置40のコントローラ45が検出することができる。
なお、情報処理装置40のコントローラ45は、生成した流出情報をプリンタ10に送信してもよい。流出情報を受信したプリンタ10のコントローラ130は、タンク160からカートリッジ200にインクが流出したことを示すオブジェクトをディスプレイ17に表示させる。
[変形例4]
上述の変形例3では、プリンタ10のコントローラ130は、カートリッジ液量値A及びカートリッジ液量値Bを含む判断情報を生成する例を説明した。しかしながら、プリンタ10のコントローラ130は、変形例1で説明した交換前液面位置H1及び交換後液面位置H2を決定し、決定した交換前液面位置H1及び交換後液面位置H2をカートリッジ液量値A及びカートリッジ液量値Bに代えて含む判断情報を生成してもよい。
情報処理装置40のコントローラ45は、変形例1と同様に、交換前液面位置H1が交換後液面位置H2以上であることにより、タンク160からカートリッジ200にインクが流出したと判断する。
[変形例5]
上述の変形例3では、プリンタ10のコントローラ130は、カートリッジ液量値A及びカートリッジ液量値Bを含む判断情報を生成する例を説明した。しかしながら、プリンタ10のコントローラ130は、変形例2で説明した交換前総液量値D及び交換後総液量値Eを算出し、算出した交換前総液量値D及び交換後総液量値Eをカートリッジ液量値A及びカートリッジ液量値Bに代えて含む判断情報を生成してもよい。
情報処理装置40のコントローラ45は、変形例2と同様に、交換前総液量値Dが交換後総液量値Eより大きいことにより、タンク160からカートリッジ200にインクが流出したと判断する。
[変形例6]
上述の実施形態や変形例では、第2更新処理や第4更新処理で算出したカートリッジ液量値及びタンク液量値と、交換後のカートリッジ200のCTGメモリから読み出したカートリッジ液量値に基づいて、タンク160からカートリッジ200にインクが流出したか否かを判断する例を説明した。本変形例では、液面センサ33を用いて、タンク160からカートリッジ200にインクが流出したか否かを判断する例を説明する。
プリンタ10のコントローラ130は、図10に示される流出情報生成処理に代えて、図13(C)に示される流出情報生成処理を実行する。なお、実施形態と同様の処理については、実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。また、以下で説明する処理以外の処理は、実施形態と同様に実行される。
まず、プリンタ10のコントローラ130は、実施形態と同様に、カバー87が開かれたか否かを判断する(S71)。コントローラ130は、カバー87が開かれたと判断すると、液面センサ33が出力する信号が「L」であるか「H」であるかを判断する(S121)。すなわち、ステップS121では、タンク160の液室171に貯留されたインクの液面の位置が基準位置Pより上か下かが判断される。なお、ステップS121の処理は、マゼンタ、シアン、イエロー、及びブラックの各色に対してそれぞれ実行される。
コントローラ130は、液面センサ33が出力する信号が「H」であって、タンク160の液室171に貯留されたインクの液面の位置が基準位置Pより下であると判断すると(S121:H)、流出情報生成処理を終了する。一方、コントローラ130は、液面センサ33が出力する信号が「L」であって、タンク160の液室171に貯留されたインクの液面の位置が基準位置Pより上であると判断すると(S121:L)、実施形態と同様に、ステップS83からS85の処理を実行して流出情報を生成し、流出情報生成処理を終了する。すなわち、本変形例では、タンク160の液室171に貯留されたインクの液面の位置が基準位置Pより上であって、カバー87を開く必要がないのにカバー87が開かれたことを、タンク160からカートリッジ200にインクが流出したと擬制して、流出情報が生成される。
コントローラ130は、生成した流出情報を含む管理情報を生成し、通信I/F31を通じて情報処理装置40に送信する(図9、S63)。
[変形例6の作用効果]
本変形例では、実施形態よりも簡単な処理で、タンク160からカートリッジ200にインクが流出する可能性を検出することができる。
[変形例7]
本変形例では、液面センサ33を用いて、タンク160からカートリッジ200にインクが流出したか否かを判断するさらなる例を説明する。
プリンタ10のコントローラ130は、図10に示される流出情報生成処理に代えて、図13(D)に示される流出情報生成処理を実行する。なお、実施形態と同様の処理については、実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。また、以下で説明する処理以外の処理は、実施形態と同様に実行される。
まず、プリンタ10のコントローラ130は、実施形態と同様に、ステップS71からS79までの処理を実行する。次に、コントローラ130は、液面センサ33が出力する信号が「L」であるか「H」であるかを判断する(S122)。すなわち、ステップS122では、タンク160の液室171に貯留されたインクの液面の位置が基準位置Pより上か下かが判断される。なお、ステップS121の処理は、マゼンタ、シアン、イエロー、及びブラックの各色に対してそれぞれ実行される。
コントローラ130は、液面センサ33が出力する信号が「H」であって、タンク160の液室171に貯留されたインクの液面の位置が基準位置Pより下であると判断すると(S122:H)、流出情報生成処理を終了する。一方、コントローラ130は、液面センサ33が出力する信号が「L」であって、タンク160の液室171に貯留されたインクの液面の位置が基準位置Pより上であると判断すると(S122:L)、実施形態と同様に、ステップS83からS85の処理を実行して流出情報を生成し、流出情報生成処理を終了する。すなわち、本変形例では、タンク160の液室171に貯留されたインクの液面の位置が基準位置Pより上であることを、タンク160からカートリッジ200にインクが流出したと擬制して、流出情報が生成される。
コントローラ130は、生成した流出情報を含む管理情報を生成し、通信I/F31を通じて情報処理装置40に送信する(図9、S63)。
[変形例7の作用効果]
本変形例では、実施形態よりも簡単な処理で、タンク160からカートリッジ200にインクが流出する可能性を検出することができる。
[その他の変形例]
上述の実施形態では、コントローラ130が、液面センサ33が出力する信号に基づいて、アクチュエータ190の被検出部194が第1状態にあるか第2状態にあるかを検出する構成であるが、液室171におけるインクの液面を検出できれば、液面センサ33の構成は特に限定されない。例えば、液面センサ33は、液室171の後壁164にインクが接触しているか否かによって異なる反射率を有するプリズムを利用して、液室171におけるインクの液面を光学的に検出するセンサであってもよい。また、液面センサ33は、液室171内に挿入された電極棒であってもよい。
また、上述の実施形態では、インクが液体の一例として説明されているが、例えば、印刷時にインクに先立って用紙などに吐出される前処理液がカートリッジに貯留されていてもよい。また、ヘッド21を洗浄するための水がカートリッジに貯留されていてもよい。
また、IC基板247は、接続I/F152と接触して導通されるが、これに代えて、NFC(near field communication)やRFID(radio frequency identification)のような電波を用いて非接触でデータを読み書きする情報媒体とインターフェースとが採用されてもよい。
上記実施形態では、供給管230に設けられたインク供給口234と、ニードル181の開口183とが開放されて、供給管230のインクバルブ室213と、ニードル181の内部空間とが連通される例が説明された。インク供給口234は、カートリッジ200の後壁202に設けられてもよい。例えば、インク供給口234として、後壁202を厚み方向に貫通する貫通孔が後壁202に形成されてもよい。インク供給口234の内部空間は、第1流路の一例である。この変形例では、カートリッジ200が装着ケース150に装着される過程において、ニードル181がインク供給口234を通じてカートリッジ200の液室210に進入し、ニードル181の一端(開口183)が、カートリッジ200の液室210の内部に位置する状態となる。これにより、カートリッジ200の液室210と、ニードル181の内部空間とが連通される。すなわち、装着ケース150にカートリッジ200が装着された状態において、ニードル181の内部空間は、カートリッジ200の液室210とタンク160の液室171とを連通させる流路を形成する。
また、開口183が、タンク160の前壁162に設けられてもよい。例えば、開口183として、前壁162を厚み方向に貫通する貫通孔が前壁162に形成されてもよい。開口183の内部空間は、第1流路の一例である。この変形例では、カートリッジ200が装着ケース150に装着される過程において、供給管230が開口183を通じてタンク160の液室171に進入し、供給管230の他端(インク供給口234)が、タンク160の液室171の内部に位置する状態となる。これにより、カートリッジ200の液室210と、ニードル181の内部空間とが連通される。すなわち、装着ケース150にカートリッジ200が装着された状態において、インクバルブ室213は、カートリッジ200の液室210とタンク160の液室171とを連通させる流路を形成する。