JP2019175551A - 超電導線材および超電導線材の製造方法 - Google Patents

超電導線材および超電導線材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】超電導特性がより安定した超電導線材を提供する。【解決手段】超電導線材10は、基材1および超電導層3を有する超電導積層体5と、超電導積層体5を覆う安定化層7と、を備え、安定化層7の内部に、安定化層7の剥離強度またはせん断強度を低下させる弱化層6が形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、超電導線材および超電導線材の製造方法に関する。
従来から、下記特許文献1に示されるような超電導線材が知られている。この超電導線材は、基材、中間層、および超電導層を有する超電導積層体と、超電導積層体を覆う安定化層と、を備えている。この種の超電導積層体は、巻回された状態を樹脂硬化物によって保持し、パンケーキ状の超電導コイルとして用いられる。
また、下記特許文献1には、安定化層の表面に離型剤層を形成することで、樹脂硬化物と安定化層との間で剥離を生じさせて、超電導積層体に引っ張り力などが及ぶのを抑制し、安定した超電導特性を得られることが開示されている。
特開2010−267550号公報
上記特許文献1の構成では、樹脂硬化物と安定化層との間で剥離が生じる前後で、熱的接触状態が変化する。熱的接触状態が変化すると、超電導特性に影響が及ぼされる場合がある。
また、上記特許文献1の構成は、超電導線材が樹脂硬化物などと接触した状態とすることで、効果を発揮する。しかしながら、超電導線材は樹脂硬化物などと接触しない状態で用いられる場合もあり、このような場合でも超電導特性を安定させることが求められる。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、超電導特性がより安定した超電導線材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る超電導線材は、基材および超電導層を有する超電導積層体と、前記超電導積層体を覆う安定化層と、を備え、前記安定化層の内部に、前記安定化層の剥離強度またはせん断強度を低下させる弱化層が形成されている。
上記第1の態様によれば、安定化層の内部に、安定化層の剥離強度またはせん断強度を低下させる弱化層が形成されている。このため、超電導線材に引っ張り力などの外力が加わった際、この外力によって、弱化層の内側と外側との間でせん断方向の変位が生じる。その結果、超電導積層体に伝わる外力が低減されて、超電導積層体内で剥離などが生じにくくなり、超電導特性を安定させることができる。また、超電導線材と他の部材とが接触していなくても、この作用効果を発揮させることができる。
さらに、例えば安定化層の表面に離型剤などを塗布する場合と比較して、超電導線材と他の部材との接触状態が安定する。従って、超電導線材と他の部材との熱的接触状態も安定するため、超電導特性をより安定させることができる。
ここで、前記超電導積層体には、前記基材と前記超電導層との間に位置する中間層が含まれ、前記安定化層のうち、前記弱化層の内側に位置する部分と前記弱化層の外側に位置する部分との間のせん断強度をF1とし、前記中間層と前記超電導層との間のせん断強度をF2とするとき、F1<F2であってもよい。
この場合、超電導線材に引っ張り力などの外力が作用した際に、中間層と超電導層との間で剥離が生じる前に、弱化層の内側と外側との間で剥離が生じる。結果として、中間層と超電導層との間で剥離が生じにくくなり、より確実に超電導特性を安定させることができる。
また、前記弱化層が、常温で脆性を有さず、超電導転位温度以下で脆性を有する材質により形成されていてもよい。
この場合、常温では弱化層が脆性を有していないため、超電導線材の製造が容易となる。その一方で、超電導線材の使用時、すなわち超電導転位温度以下では弱化層が脆性を有するため、弱化層の内側と外側との間で剥離が生じ易くなる。これにより、製造容易かつ超電導特性が安定した超電導線材を得ることができる。
また、前記弱化層が、シリコン樹脂若しくはフッ素樹脂により形成されていてもよい。
この場合、弱化層の内側と外側との間で、より確実に剥離を生じさせることができる。
本発明の第2の態様に係る超電導線材の製造方法は、基材および超電導層を有する超電導積層体の周囲に、安定化層の内層部を形成する内層部形成工程と、前記内層部の外側に弱化層を形成する弱化層形成工程と、前記弱化層の外側に、前記安定化層の外層部を形成する外層部形成工程と、を有する。
上記第2の態様によれば、上述した作用効果を有する超電導線材を容易に製造することができる。
本発明の上記態様によれば、超電導特性がより安定した超電導線材を提供することができる。
本実施形態に係る超電導線材の横断面図である。 本実施形態に係る超電導線材の製造装置の概略図である。 第1変形例に係る超電導線材の横断面図である。 第2変形例に係る超電導線材の横断面図である。 第3変形例に係る超電導線材の横断面図である。
以下、本実施形態に係る超電導線材について、図1を参照しながら説明する。
図1に示すように、超電導線材10は、超電導積層体5と、超電導積層体5を覆う安定化層7と、を備えている。
超電導積層体5は、基材1、中間層2、超電導層3、および保護層4を有している。
(方向定義)
ここで本実施形態では、基材1の厚み方向(図1のZ方向)を単に厚み方向といい、基材1の幅方向(図1のX方向)を単に幅方向という。また、基材1の長手方向(Z方向およびX方向の双方に直交する方向)を、単に長手方向という。また、長手方向に直交する超電導線材10の断面を横断面という。
(基材)
基材1は、耐熱性の高い金属によって、テープ状に形成されている。基材1がテープ状であることにより、超電導線材10の全体が可撓性を有している。基材1の材質としては、ニッケル合金などを用いることができる。具体的には、ハステロイ(登録商標)が好適である。または、配向基板と呼ばれる金属の結晶の並びを揃えた(配向させた)ものを基板として用いることができる。配向基板を用いる場合では、後述する中間層2を形成せずに、基材1に直接、結晶方位の揃った超電導層3を形成することができる。
基材1の厚さは、例えば10〜500μmである。
(中間層)
中間層2は、基材1と超電導層3との間に設けられている。中間層2は、基材1側から超電導層3側に向かう順に、拡散防止層、ベッド層、配向層、キャップ層等を有している。なお、これらの層は必ずしも各1層ずつ設けられるとは限らず、一部の層を省略したり、同種の層を2以上繰り返し積層したりしてもよい。
中間層2の拡散防止層は、基材1の成分の一部が拡散し、不純物として超電導層3側に混入することを抑制する機能を有する。拡散防止層は、例えば、Si、Al、GZO(GdZr)等から構成される。拡散防止層の厚さは、例えば10〜400nmである。
中間層2のベッド層は、基材1と超電導層3との界面における反応を低減し、その上に形成される層の配向性を向上させる機能を有する。ベッド層の材質としては、例えばY、Er、CeO、Dy、Eu、Ho、La等が挙げられる。ベッド層の厚さは、例えば10〜100nmである。
中間層2の配向層は、その上のキャップ層の結晶配向性を制御するために2軸配向する物質から形成される。配向層の材質としては、例えば、GdZr、MgO、ZrO−Y(YSZ)、SrTiO、CeO、Y、Al、Gd、Zr、Ho、Nd等の金属酸化物を用いることができる。配向層はIBAD(Ion-Beam-Assisted Deposition)法で形成することが好ましい。
中間層2のキャップ層は、上記配向層の表面に成膜されて、結晶粒が面内方向に自己配向し得る材料からなる。キャップ層の材質としては、例えば、CeO、Y、Al、Gd、ZrO、YSZ、Ho、Nd、LaMnO等が挙げられる。キャップ層の厚さは、例えば50〜5000nmである。
なお、前述したとおり、基材1として配向基板を用いた場合では、中間層2を形成せずに、基材1に直接、超電導層3を形成することができる。
(超電導層)
超電導層3は、酸化物超電導体によって形成されていてもよく、その他の超電導体によって形成されていてもよい。本実施形態の超電導層3は、酸化物超電導層である。酸化物超電導層の材質としては、通常知られている酸化物超電導体の組成を広く適用することができる。例えば、REBaCu(REはY、La、Nd、Sm、Er、Gd等の希土類元素を表す)で形成される材料、具体的には、Y123(YBaCu)又はGd123(GdBaCu)を用いることができる。また、その他の酸化物超電導体、例えば、BiSrCan−1Cu4+2n+δ等に代表される、臨界温度の高い他の酸化物超電導体を用いてもよい。超電導層3の厚みは、0.5〜5μm程度であって、均一な厚みであることが好ましい。
(保護層)
保護層4は、事故時に発生する過電流をバイパスしたり、超電導層3とその他の層との間で起こる化学反応を抑制したりする機能を有する。保護層4の材質としては、例えば銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、金と銀との合金、その他の銀合金、銅合金、金合金などが挙げられる。保護層4は、超電導層3の側面、中間層2の側面、基材1の側面及び裏面の一部または全部を覆っていてもよい。保護層4は2種以上の金属又は2層以上の金属層から構成されてもよい。
保護層4は、一般的に、スパッタリング法または蒸着法などによって形成される。保護層4の厚さは、例えば1〜30μm程度である。
本実施形態では、超電導層3の表面を覆うように保護層4が形成されている。なお、保護層4は超電導積層体5の側面を覆うように形成されていてもよい。また、図示は省略するが、超電導積層体5の周囲には、第2保護層、第3保護層が形成されていてもよい。第2、第3保護層は、スパッタリング法または蒸着法などによって形成されていてもよい。
(安定化層)
安定化層7は、銅などの金属により形成されている。安定化層7は、超電導積層体5を覆っている。安定化層7は、超電導線材10の中で最も外側に位置し、幅方向または厚さ方向から視認可能となっている。安定化層7の厚さは、例えば10〜300μm程度である。
安定化層7は、超電導層3が常電導状態に転移した時に発生する過電流を転流させるバイパス部としての機能を有する。安定化層7の構成材料としては、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、銀等の金属が挙げられる。
超電導線材10が超電導限流器に使用される場合は、常電導状態への転移時に発生する過電流を瞬時に抑制する必要があるため、安定化層7に高抵抗金属を用いてもよい。高抵抗金属としては、例えば、Ni−Cr等のNi系合金などが挙げられる。
安定化層7は、電解めっきまたは無電解めっき、スパッタリングにより形成することができる。銅の安定化層7を電解めっきにより形成する場合、硫酸銅めっき浴やシアン化銅めっき浴、ピロリン酸銅めっき浴などが用いられる。硫酸銅めっき液としては、一般的には、硫酸銅五水和物、硫酸、添加剤、塩素イオンを含む水溶液などが用いられる。安定化層7を無電解めっきにより形成する場合は、ホルムアルデヒド浴、グリオキシル酸浴、次亜リン酸塩浴、コバルト塩浴などが用いられる。一般的なホルムアルデヒド浴は第二銅塩と還元剤(ホルムアルデヒド等)と錯化剤(ロッセル塩等)、pH調整剤(水酸化ナトリウム)、添加剤(シアン化合物)を含むめっき液が用いられる。
(弱化層)
ここで、本実施形態の安定化層7の内部には、弱化層6が設けられている。以下、安定化層7のうち、弱化層6の内側の部分を内層部7aといい、弱化層6の外側の部分を外層部7bという。弱化層6は、超電導積層体5における保護層4の外側に位置している。
弱化層6により、安定化層7は、内層部7aと外層部7bとの間で剥離やせん断方向の変位が生じやすくなっている。すなわち、弱化層6は、安定化層7の剥離強度またはせん断強度を低下させる。
なお、本明細書におけるせん断強度とは、2つの層が互いにずれるように相対的に変位する際に要する力をいう。例えば、内層部7aと外層部7bの間のせん断強度をF1とし、中間層2と超電導層3の間のせん断強度をF2とする。この場合、F1は、内層部7aと外層部7bとを幅方向または長手方向に相対的に変位させる際に要する力である。また、F2は、中間層2と超電導層3とを幅方向または長手方向に相対的に変位させる際に要する力である。
弱化層6の材質としては、フッ素樹脂またはシリコン樹脂などの離型剤を用いることができる。また、弱化層6は、安定化層7の一部が変質した部分であってもよい。例えば、内層部7aを形成した後、この内層部7aの表面の一部または全部を加熱することで、内層部7aの表面が酸化する。酸化した内層部7aの表面上に、さらに安定化層7の外層部7bを形成すると、安定化層7の内部に、酸化被膜である弱化層6が設けられる。
また、弱化層6は、常温では密着力を有し、超電導転位温度以下で密着力が低下する粘着樹脂により形成されていてもよい。このような粘着樹脂としては、テープ状のゴム系粘着剤やアクリル系粘着剤が用いられる。
以上説明したように、本実施形態の超電導線材10によれば、安定化層7の内部に、安定化層7の剥離強度またはせん断強度を低下させる弱化層6が形成されている。このため、超電導線材10に引っ張り力などの外力が加わった際、この外力によって、内層部7aと外層部7bとの間で剥離が生じる。そして、内層部7aと外層部7bを相対的に変位させるために外力(エネルギー)が消費される。その結果、超電導積層体5に伝わる外力が低減されて、超電導積層体5内で剥離などが生じにくくなり、超電導特性を安定させることができる。
さらに、例えば安定化層7の表面に離型剤などを塗布する場合と比較して、超電導線材10と他の部材との接触状態が安定する。従って、超電導線材10と他の部材との熱的接触状態も安定するため、超電導特性をより安定させることができる。なお、超電導線材10に接触する他の部材としては、超電導線材10がパンケーキ状の超電導コイルとして用いられる場合に、超電導線材10が巻回された状態を保持する樹脂硬化物が挙げられる。ただし、上述した作用効果は、超電導線材10が超電導コイルとして用いられる場合以外でも発揮される。
また、内層部7aと外層部7bの間のせん断強度をF1とし、中間層2と超電導層3の間のせん断強度をF2とするとき、F1<F2であることが好ましい。この場合、超電導線材10に引っ張り力などの外力が作用した際に、中間層2と超電導層3との間で剥離が生じる前に、内層部7aと外層部7bとの間で剥離が生じる。結果として、中間層2と超電導層3との間で剥離が生じにくくなり、より確実に超電導特性を安定させることができる。
また、弱化層6が、常温で脆性を有さず、超電導転位温度以下で脆性を有する材質により形成されている場合には、常温では弱化層6が脆性を有していないため、超電導線材10の製造が容易となる。その一方で、超電導線材10の使用時、すなわち超電導転位温度以下では弱化層6が脆性を有するため、内層部7aと外層部7bとの間で剥離が生じ易くなる。これにより、製造容易かつ超電導特性が安定した超電導線材10を得ることができる。
また、弱化層6が、シリコン樹脂若しくはフッ素樹脂により形成されている場合には、内層部7aと外層部7bとの間で、より確実に剥離を生じさせることができる。
以下、具体的な実施例を用いて、超電導線材10の製造方法について説明する。なお、以下の実施例は本発明を限定するものではない。
まず、基材1を準備する。本実施例では、基材1として、幅12mm、長さ1000mm、厚さ0.75mmのハステロイ(登録商標)C−276を用いた。
次に、基材1を研磨し、アセトンで脱脂・洗浄する。
次に、中間層2の拡散防止層として、Alの層を、イオンビームスパッタにより成膜する。
次に、中間層2のベッド層として、Yの層を、Al層の表面上にイオンビームスパッタにより成膜する。
次に、中間層2の配向層として、MgOの層を、Y層の表面上にイオンビームアシスト蒸着法により成膜する。
次に、中間層2のキャップ層として、CeOの層を、MgO層の表面上にパルスレーザー蒸着法により成膜する。
次に、超電導層3として、GdBaCuの層を、CeO層の表面上にパルスレーザー蒸着法により成膜する。
次に、保護層4として、超電導層3の表面に、スパッタリングによってAgの層を成膜する。
次に、酸素アニール処理および細線化処理(スリット加工)を行う。
次に、保護層4の表面および基材1の裏面に、スパッタリングによってCuの層を成膜する。
次に、上記のようにして得られた超電導積層体5に対して、図2に示すような処理装置を用いて、安定化層7および弱化層6を形成する。図2に示すように、処理装置は、第1プーリP1、内層形成部B1、弱化層形成部S、外層形成部B2、および第2プーリP2を備えている。
超電導積層体5は、第1プーリP1によって、内層形成部B1に送られる。本実施例における内層形成部B1は、めっき浴である。内層形成部B1は、超電導積層体5の周囲に、内層部7aを含む安定化層7の一部を形成する(内層部形成工程)。本実施例の内層形成工程では、めっき液として硫酸銅水溶液を用いた電解めっきを採用する。
次に、内層部7aの外側に、弱化層形成部Sによって、離型剤などが塗布される。これにより、弱化層6が形成される(弱化層形成工程)。弱化層形成部Sとしては、シリコン樹脂またはフッ素樹脂などを噴射するスプレーなどを用いることができる。なお、弱化層形成部Sが離型剤などを塗布する部位を適宜変更することで、安定化層7内における弱化層6の配置を変更することができる。
次に、外層形成部B2によって、外層部7bを含む安定化層7の残りの部分が形成される(外層部形成工程)。本実施例の外層形成工程では、弱化層6として内層部7aの表面に酸化被膜を形成した場合は、電解めっきまたは無電解めっきを採用する。弱化層6としてフッ素樹脂またはシリコン樹脂などの離型剤を用いた場合は、無電解めっきまたはスパッタリングを採用する。
安定化層7の全体が形成された超電導線材10は、第2プーリP2によって、巻き取り装置などに送られる。
以上説明した製造方法によれば、上記したような作用効果を有する超電導線材10を、容易に製造することができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、弱化層6の配置は図1の例に限られず、適宜変更してもよい。
例えば図3に示すように、弱化層6は、安定化層7のうち基材1の裏面側に位置する部分に形成されていてもよい。この場合、安定化層7における内層部7aは、基材1の裏面に接していてもよい。
あるいは図4に示すように、超電導積層体5を幅方向で挟むように、一対の弱化層6を配置してもよい。この場合、安定化層7における内層部7aは、超電導積層体5の側面に接していてもよい。
あるいは図1、図3、および図4の配置を組み合わせて、図5に示すように、複数の弱化層6を安定化層7の内部に形成してもよい。この場合、弱化層6同士が、幅方向若しくは厚み方向で互いにオーバーラップしていてもよい。またこの場合、安定化層7は、3以上の工程に分けて形成されてもよい。
また、弱化層6として、導電性を有するテープ材を用いてもよい。この場合、弱化層形成工程では、安定化層7の一部の表面上に、導電性を有するテープ材を貼り付けてもよい。弱化層6が導電性を有することで、外層部形成工程で電解めっきによって容易に安定化層7の残りの部分を形成することができる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。
1…基材 2…中間層 3…超電導層 4…保護層 5…超電導積層体 6…弱化層 7…安定化層 7a…内層部 7b…外層部 10…超電導線材

Claims (5)

  1. 基材および超電導層を有する超電導積層体と、
    前記超電導積層体を覆う安定化層と、を備え、
    前記安定化層の内部に、前記安定化層の剥離強度またはせん断強度を低下させる弱化層が形成されている、超電導線材。
  2. 前記超電導積層体には、前記基材と前記超電導層との間に位置する中間層が含まれ、
    前記安定化層のうち、前記弱化層の内側に位置する部分と前記弱化層の外側に位置する部分との間のせん断強度をF1とし、
    前記中間層と前記超電導層との間のせん断強度をF2とするとき、
    F1<F2である、請求項1に記載の超電導線材。
  3. 前記弱化層が、常温で脆性を有さず、超電導転位温度以下で脆性を有する材質により形成されている、請求項1または2に記載の超電導線材。
  4. 前記弱化層が、シリコン樹脂若しくはフッ素樹脂により形成されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の超電導線材。
  5. 基材および超電導層を有する超電導積層体の周囲に、安定化層の内層部を形成する内層部形成工程と、
    前記内層部の外側に弱化層を形成する弱化層形成工程と、
    前記弱化層の外側に、前記安定化層の外層部を形成する外層部形成工程と、を有する、超電導線材の製造方法。
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